特表2019-519386(P2019-519386A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特表2019-519386ワークピースを機械加工するためのシステムおよび方法ならびにワークピースから機械加工した物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-519386(P2019-519386A)
(43)【公表日】2019年7月11日
(54)【発明の名称】ワークピースを機械加工するためのシステムおよび方法ならびにワークピースから機械加工した物品
(51)【国際特許分類】
   B23H 3/04 20060101AFI20190621BHJP
   C23F 1/16 20060101ALI20190621BHJP
【FI】
   B23H3/04 Z
   C23F1/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-565378(P2018-565378)
(86)(22)【出願日】2017年5月5日
(85)【翻訳文提出日】2019年2月8日
(86)【国際出願番号】US2017031278
(87)【国際公開番号】WO2017218101
(87)【国際公開日】20171221
(31)【優先権主張番号】201610436866.6
(32)【優先日】2016年6月17日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,ビン
(72)【発明者】
【氏名】シュ,フイユー
(72)【発明者】
【氏名】ジア,ミン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,イーボ
(72)【発明者】
【氏名】カーター,ウィリアム・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】トリマー,アンドリュー・リー
(72)【発明者】
【氏名】シン,プラブジョット
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ピンハイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,イェンヂゥー
(72)【発明者】
【氏名】サラショアピールソルタン,メイサム
【テーマコード(参考)】
3C059
4K057
【Fターム(参考)】
3C059AA02
3C059AB01
3C059DA05
3C059HA03
3C059HA11
4K057WB02
4K057WB08
4K057WE02
4K057WE03
4K057WE04
(57)【要約】
システムは、ワークピース(100)を機械加工するために構成され、上記ワークピースが内部通路(112)を画定する内面(110)を含む。上記システムは、上記内部通路内に設置されかつ上記ワークピースとは電気的に分離された電極(116)と、電解液供給部と、電力供給部と、除去装置とを含む。上記電解液供給部は、上記電極と上記ワークピースとの間の隙間に電解液を循環させるために構成される。上記電力供給部は、上記内面を平滑化することを促進させるために上記電極と上記ワークピースとの間に電圧を印加するために構成される。上記除去装置は、上記内面を平滑化した後で上記内部通路内から上記電極を完全に取り除くために構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピース(100、600)を機械加工するためのシステム(500、900)であって、前記ワークピース(100、600)が内部通路(112、612)を画定する内面(110、610)を含み、前記システム(500、900)が、
前記内部通路(112、612)内に設置されかつ前記ワークピース(100、600)とは電気的に分離された電極(116、616)と、
前記電極(116、616)と前記ワークピース(100、600)との間の隙間(103、603)に電解液(314、714)を循環させるための電解液供給部(310、710)と、
前記内面(110、610)を平滑化することを促進させるために前記電極(116、616)と前記ワークピース(100、600)との間に電圧を印加するための電力供給部(320、720)と、
前記内面(110、610)を平滑化した後で前記内部通路(112、612)内から前記電極(116、616)を完全に取り除くための除去装置(400、800)と
を備える、システム(500、900)。
【請求項2】
前記電極(116、616)が、付加製造装置(202)を使用して前記内部通路(112、612)内に形成され、
前記除去装置(400、800)が、エッチング溶液供給部(410)を備え、前記エッチング溶液供給部(410)のエッチング溶液(414)が、前記電極(116、616)を完全に溶解させるために、前記内部通路(112、612)内から前記電解液(314、714)を取り除いた後で前記内部通路(112、612)へと循環させるが前記平滑化した内面(110、610)とは接触しないように構成される、請求項1記載のシステム(500、900)。
【請求項3】
前記除去装置(400、800)は、前記エッチング溶液(414)によって溶解されることから前記平滑化した内面(110、610)を保護するために前記平滑化した内面(110、610)に堆積された耐腐食コーティング(420)を含み、
前記耐腐食コーティング(420)が、前記内部通路(112、612)内から前記エッチング溶液(414)を取り除いた後で前記内部通路(112、612)内から取り除かれる、請求項2記載のシステム(500、900)。
【請求項4】
前記耐腐食コーティング(420)が、ワックスまたはスラリによって形成される、請求項3記載のシステム(500、900)。
【請求項5】
前記耐腐食コーティング(420)が、加熱またはエッチングによって前記内部通路(112、612)内から取り除かれる、請求項3記載のシステム(500、900)。
【請求項6】
前記電極(116、616)が、中実電極、中空電極、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1記載のシステム(500、900)。
【請求項7】
前記電極(116、616)が前記内部通路(112、612)へと挿入され得ることを確実にするために、前記電極(116、616)はフレキシブルであり、
前記除去装置(400、800)が、前記電解液(314、714)を前記内部通路(112、612)内から取り除いた後で、取り除こうとする前記電極(116、616)を前記内部通路(112、612)の外へ引き出すまたは押し出すための引出し線(640、810)を含む、請求項1記載のシステム(500、900)。
【請求項8】
前記内部通路(112、612)が、らせん状もしくは捻じれた内部通路(112、612)である、または軸方向に変化する断面寸法を有する、請求項7記載のシステム(500、900)。
【請求項9】
前記電極(116、616)が、
第1の部分(620)と、
前記それぞれの第1の部分(620)上に形成された導電性コーティング(630)と、
第2の部分(622)と、
前記それぞれの第2の部分(622)上に形成された導電性ストリップ(632)と
を備え、
前記第1の部分(620)および前記第2の部分(622)が付加製造装置(202)を使用して一緒に形成され、前記導電性コーティング(630)および前記導電性ストリップが前記電極(116、616)の導電性を与えるために一緒につなげられる、請求項7記載のシステム(500、900)。
【請求項10】
前記第1の部分(620)の各々および前記第2の部分(622)の各々が、隣り合わせに組み立てられる、請求項9記載のシステム(500、900)。
【請求項11】
前記第1の部分(620)の各々が、非導電性材料から作られ、前記第2の部分(622)の各々が、非導電性材料から作られ、
前記第1の部分(620)および前記第2の部分(622)が、前記電極(116、616)と前記ワークピース(100、600)との間に電気的な分離を与えるようなサイズにされる、請求項9記載のシステム(500、900)。
【請求項12】
前記第1の部分(620)の各々が、堅固なプラスチック材料から作られ、前記第2の部分(622)の各々が、軟らかいプラスチック材料から作られる、請求項9記載のシステム(500、900)。
【請求項13】
前記導電性コーティング(630)が、金属コーティングを含み、前記金属コーティングが、電気メッキを使用して前記それぞれの第1の部分(620)上に形成され、
前記導電性ストリップが、金属ストリップを含み、前記金属ストリップが、電気メッキを使用して前記それぞれの第2の部分(622)上に形成される、請求項9記載のシステム(500、900)。
【請求項14】
前記システム(500、900)が、
前記内部通路(112、612)内に設置されかつ前記ワークピース(100、600)とは電気的に分離された複数の電極(116、616)を備え、
前記電解液供給部(310、710)が、前記電極(116、616)の各々と前記ワークピース(100、600)との間の前記隙間(103、603)に前記電解液(314、714)を循環させるために構成され、前記電力供給部(320、720)が、前記内面(110、610)の平滑化を促進させるために前記電極(116、616)の各々と前記ワークピース(100、600)との間に電圧を印加するために構成され、前記除去装置(400、800)が、前記内面(110、610)を平滑化した後で前記内部通路(112、612)内から電極(116、616)を完全に取り除くために構成される、
請求項1記載のシステム(500、900)。
【請求項15】
ワークピース(100、600)を機械加工するための方法であって、前記ワークピース(100、600)が内部通路(112、612)を画定する内面(110、610)を含み、前記方法が、
前記内部通路(112、612)内に設置されかつ前記ワークピース(100、600)とは電気的に分離された電極(116、616)を設けるステップと、
前記電極(116、616)と前記ワークピース(100、600)との間の隙間(103、603)に電解液(314、714)を循環させるステップと、
前記内面(110、610)を平滑化することを促進させるために前記電極(116、616)と前記ワークピース(100、600)との間に電圧を印加するステップと、
前記内面(110、610)を平滑化した後で前記内部通路(112、612)内から前記電極(116、616)を完全に取り除くステップと
を含む、方法。
【請求項16】
前記ワークピース(100、600)が、付加製造法によって形成され、
前記内部通路(112、612)内に設置される前記電極(116、616)を設けるステップが、
前記内部通路(112、612)内に付加製造法によって前記電極(116、616)を形成するステップ
を含み、
前記内部通路(112、612)内から前記電極(116、616)を完全に取り除くステップが、
前記電極(116、616)を完全に溶解させるために、前記内部通路(112、612)内から前記電解液(314、714)を取り除いた後で前記内部通路(112、612)へと循環されるが前記平滑化した内面(110、610)とは接触しないエッチング溶液(414)を供給するステップ
を含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記エッチング溶液(414)によって溶解されることから前記平滑化した内面(110、610)を保護するために前記平滑化した内面(110、610)上に耐腐食コーティング(420)を堆積するステップと、
前記内部通路(112、612)内から前記エッチング溶液(414)を取り除いた後で前記内部通路(112、612)内から前記耐腐食コーティング(420)を取り除くステップと
をさらに含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記内部通路(112、612)内に設置される前記電極(116、616)を設けるステップが、
前記電極(116、616)が前記内部通路(112、612)へと挿入され得ることを確実にするために、フレキシブルである前記電極(116、616)を設けるステップ
を含み、
前記内部通路(112、612)内から前記電極(116、616)を完全に取り除くステップが、
前記内部通路(112、612)内から前記電解液(314、714)を取り除いた後で、取り除こうとする前記電極(116、616)を前記内部通路(112、612)の外へ引き出すステップまたは押し出すステップ
を含む、請求項15記載の方法。
【請求項19】
プロセスによってワークピース(100、600)から機械加工した物品(990)であって、前記ワークピース(100、600)が内部通路(112、612)を画定する内面(110、610)を含み、前記プロセスが、
前記内部通路(112、612)内に設置されかつ前記ワークピース(100、600)とは電気的に分離される電極(116、616)を設けるステップと、
前記電極(116、616)と前記ワークピース(100、600)との間の隙間(103、603)に電解液(314、714)を循環させるステップと、
前記内面(110、610)を平滑化することを促進させるために前記電極(116、616)と前記ワークピース(100、600)との間に電圧を印加するステップと、
前記内面(110、610)を平滑化した後で前記内部通路(112、612)内から前記電極(116、616)を完全に取り除くステップと
を含む、物品(990)。
【請求項20】
前記電極(116、616)および前記ワークピース(100、600)が、付加製造装置(202)を使用して形成される、請求項19記載の物品(990)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ワークピースを機械加工するためのシステムおよび方法、ならびにワークピースから機械加工した物品に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造法は、金属およびプラスチックを含め様々な材料のワークピースの「3D印刷」を可能にする技術である。付加製造法では、ワークピースを層毎の方式で構築している。例えば、粉末を平らにならし、そして大出力レーザを使用して粉末を選択的に融解させることによって、ワークピースの各層を製造することができる。各層の後で、さらなる粉末を追加し、レーザが前の層に粉末を同時に融解させて次の層を形成する。ワークピースは、典型的には粗面を有し、工業規格を満足させるためにグリットブラスティング、グラインディング、サンディング、またはポリッシングなどの構築後プロセスを介して粗面を改善する。これらのプロセスは、ワークピースの容易に届く外面についての表面仕上げを改善するが、ワークピースの内面については一般に不十分である。破砕、低サイクル疲労、高サイクル疲労、およびコーキングなどの状態に起因するワークピース故障を軽減させるために、内面の表面仕上げを改善する必要がある。
【0003】
電解加工(ECM)もやはり、表面仕上げを改善するための方法である。ECMの高い金属除去速度のために、ワークピースに与える熱応力または機械的応力なしに、内面の十分な平滑化を実現することができる。ECMプロセスでは、カソード、すなわちツールが、アノード、すなわちワークピースの方へ進む。カソードとアノードとの間の隙間を、電解液で満たす。イオンがカソードとアノードとの間の隙間を横切るので、材料がアノードから溶け出して、電解液がECMプロセスで形成された金属水酸化物を運び去る。ECMは、付加製造したワークピースの内面の表面仕上げを改善できる。しかしながら、ある種のワークピースの複雑な幾何学的形状は、従来型のカソードが内面へとアクセスすることを妨げる。例えば、内面内に画定された内部通路は、内部通路へのアクセスを与えるアクセスポートよりも大きいことがある。加えて、内部通路は、複雑な経路を通して捻じれたり曲がったりすることがあり、カソードを内部通路内に設置することを困難にすることがある。さらにその上、ECMプロセスを使用して内面の良好な表面仕上げの促進を確実にするために、カソードをワークピースから電気的に分離することが必要である。その上、ECMプロセスが終わった後で、カソードをワークピースの複雑な内部通路内から取り除くことが困難であることがある。
【0004】
前述の問題は、付加製造法によっては形成されなかったワークピースの内面の表面仕上げを改善する際にもやはり存在する。
【0005】
それゆえ、前述の問題のうちの少なくともいくつかに対処するためにシステムおよび方法を改善する必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第2015/001093号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書において開示する1つの例示的な実施形態によれば、システムは、ワークピースを機械加工するために提供され、上記ワークピースが内部通路を画定する内面を含む。上記システムは、上記内部通路内に設置されかつ上記ワークピースとは電気的に分離された電極と、電解液供給部と、電力供給部と、除去装置とを含む。上記電解液供給部は、上記電極と上記ワークピースとの間の隙間に電解液を循環させるために構成される。上記電力供給部は、上記内面を平滑化することを促進させるために上記電極と上記ワークピースとの間に電圧を印加するために構成される。上記除去装置は、上記内面を平滑化した後で上記内部通路内から上記電極を完全に取り除くために構成される。
【0008】
本明細書において開示するもう1つの例示的な実施形態によれば、方法は、ワークピースを機械加工するために提供され、上記ワークピースが内部通路を画定する内面を含む。上記方法は、上記内部通路内に設置されかつ上記ワークピースとは電気的に分離された電極を設けるステップと、上記電極と上記ワークピースとの間の隙間に電解液を循環させるステップと、上記内面を平滑化することを促進させるために上記電極と上記ワークピースとの間に電圧を印加するステップと、上記内面を平滑化した後で上記内部通路内から上記電極を完全に取り除くステップとを含む。
【0009】
本明細書において開示するさらにもう1つの例示的な実施形態によれば、物品が提供され、あるプロセスによってワークピースから機械加工され、上記ワークピースが内部通路を画定する内面を含む。上記プロセスは、上記内部通路内に設置されかつ上記ワークピースとは電気的に分離される電極を設けるステップと、上記電極と上記ワークピースとの間の隙間に電解液を循環させるステップと、上記内面を平滑化することを促進させるために上記電極と上記ワークピースとの間に電圧を印加するステップと、上記内面を平滑化した後で上記内部通路内から上記電極を完全に取り除くステップとを含む。
【0010】
本開示のこれらのおよびその他の特徴、態様および長所は、添付した図面を参照して下記の詳細な説明を読むと、より良く理解されるようになるであろう。図面では、類似の参照符号は、図面全体を通して類似の構成要素を表している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ワークピースおよび電極の斜視断面図である。
図2図1のワークピースおよび電極を製造するための付加製造システムの模式図である。
図3】第1の実施形態による、システムの電解加工(ECM)デバイス、ワークピース、および電極の模式図である。
図4】第1の実施形態による、システムの除去装置、ワークピース、および電極の模式図である。
図5図3のECMデバイスおよび図4の除去装置によって、図3のワークピースから機械加工した後の物品の斜視断面図である。
図6】ワークピース、電極、および引出し線の断面図である。
図7】第2の実施形態による、システムのECMデバイス、ワークピース、および電極の模式図である。
図8】第2の実施形態による、システムの除去装置、ワークピース、および電極の模式図である。
図9図6に示されかつ付加製造法によって部分的に形成された電極の模式図である。
図10図6に示されかつ付加製造の後で電気メッキによって形成された電極の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
これらの実施形態の簡潔な説明を与えることを目指して、実際の実装形態のすべての特徴を1つまたは複数の特定の実施形態では説明しない場合がある。いずれかのこのような実際の実装形態の開発において、いずれかのエンジニアリングプロジェクトまたは設計プロジェクトにおけるように、システムに関係する制約およびビジネスに関係する制約に伴うコンプライアンスなどの実装形態毎に変わることがある開発者に特有なゴールを達成するために、数多くの実装形態に特有な判断を行わなければならないことを認識すべきである。
【0013】
別なふうに規定しない限り、本明細書において使用する技術用語および科学用語は、この開示が属する技術の当業者によって普通に理解されているものと同じ意味を持つ。本明細書において使用するように、「第1の」、「第2の」等の用語は、任意の順番、量、または重要性を意味するのではなく、むしろ1つの要素を別のものと区別するために使用する。また、「1つ(a)」および「1つ(an)」という用語は、量の限定を意味するのではなく、むしろ言及したアイテムのうちの少なくとも1つの存在を意味し、そして「底部(bottom)」および/または「頂部(top)」という用語は、別なふうに記さない限り、説明の利便性のために単に使用し、いずれかの1つの位置または空間的な向きに限定しない。その上、「または(or)」という用語は、包括的であることを意味し、列挙したアイテムのうちの任意のもの、いくつかまたはすべてのいずれかを意味する。「含む(including)」、「備える(comprising)」または「有する(having)」および本明細書におけるこれらの変形形態の使用は、以降に列挙されるアイテムおよびその等価物ならびに追加のアイテムを包含することを意味する。「接続した(connected)」および「つなげた(coupled)」という用語は、物理的なまたは機械的な接続またはカップリングに制限するのではなく、直接的または間接的であろうとなかろうと、電気的接続またはカップリングを含むことができる。「コントローラ」という用語は、単一の構成要素または複数の構成要素のいずれかを含むことができ、複数の構成要素は、能動的な構成要素および/または受動的な構成要素のいずれかであり、そして説明した機能を与えるために任意選択で接続されるまたはそうでなければ一緒につなげられることがある。
【0014】
図1は、ワークピース100および電極116の斜視断面図である。実施形態では、ワークピース100を、例えば、図2に示したような付加製造システム200によって形成することができる。他の実施形態では、ワークピース100を、付加製造法よりはむしろ他の方法によって形成することができる。
【0015】
ワークピース100は、ボディ部分106およびビルドプレート104を含む。ボディ部分106を、その底面102のところで導電性ビルドプレート104につなげる。例示的な実施形態では、ワークピース100を、例えば、機械加工しようとするガスタービン燃料ノズルまたはタービンロータブレードとすることができる。他の実施形態では、ワークピース100を、付加製造法を使用して形成される任意の適したワークピースとすることができる。
【0016】
ボディ部分106は、外面108を有する。例示的な実施形態では、ボディ部分106は、ワークピース100内に内部通路112を画定する内面110を含む。電極116を、例えば、図2に示したような付加製造システム200によって内部通路112内に形成することができる。他の実施形態では、ボディ部分106は、複数の内面110(図示せず)を含み、これらがワークピース100内にそれぞれの内部通路112(図示せず)を画定する。
【0017】
実施形態では、ワークピース100は、5個のアクセスポート114を含み、アクセスポート114の各々は、ボディ部分106の外面108と内部通路112の内面110との間にワークピース100を貫通して延びる。結果として、アクセスポート114の各々は、内部通路112へのアクセスを与える。他の実施形態では、ワークピース100は、例えば、1個のアクセスポート114、2個のアクセスポート114、3個のアクセスポート114、4個のアクセスポート114、または6個以上のアクセスポート114(図示せず)を含むことができる。
【0018】
実施形態では、電極116が、内部通路112内に設置され、そしてボディ部分106の内面110またはいずれかの他の部分とも接触しない。他の実施形態では、複数の電極116(図示せず)が、内部通路112内に設置され、そしてボディ部分106の内面110またはいずれかの他の部分とも接触しない。
【0019】
例示的な実施形態では、電極116は、中実電極、中空電極、またはこれらの組み合わせ含む。一般に、電極116は、本明細書において説明するように、ECM動作を容易にする任意の構造を有することができる。
【0020】
実施形態では、ワークピース100は、ビルドプレート104と電極116との間につなげられた5個の固定具118を含む。より具体的に、固定具118の各々は、ビルドプレート104につなげられた第1の端部部分120、電極116につなげられた第2の端部部分122、および第1の端部部分120と第2の端部部分122との間に位置する主部分124を含む。電極116を、固定具118を介してビルドプレート104につなげる。固定具118は、内部通路112内の電極116の位置を維持するのに役立つ。各固定具118の主部分124は、それぞれのアクセスポート114を通って電極116まで延び、その結果各固定具118がワークピース100のボディ部分106と接触しない。もう1つの実施形態では、ワークピース100は、ビルドプレート104と電極116との間につなげられた1個の固定具118を含む。さらにもう1つの実施形態では、ワークピース100は、ビルドプレート104と電極116との間につなげられた2個の固定具118、3個の固定具118、4個の固定具118、または6個以上の固定具118(図示せず)を含む。
【0021】
図2は、図1のワークピース100および電極116を製造するための付加製造システム200の模式図である。実施形態では、ワークピース100のモデルが、コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアを使用して設計され、その結果、モデルは、図1のボディ部分106および固定具118を含めワークピース100の3次元座標を含む。一般に、付加製造法は、早い材料処理時間、革新的な接合技術、および幾何学的制約に関する懸念の少なさを提供する。1つの実施形態では、直接金属レーザ溶融法(DMLM)または直接金属レーザ焼結法(DMLS)を使用して、ワークピース100を製造する。DMLMは、レーザに基づく高速試作プロセスおよびツーリングプロセスであり、これにより、金属粉末の精細な溶融および固化によってより大きな構造の逐次的な堆積層へと複雑なワークピースを直接生産することができ、各堆積層が3次元ワークピース100の断面層に対応する。
【0022】
付加製造システム200は、付加製造装置202、粉末配送装置204、コンピュータ206、ならびに金属粉末210からワークピース100および電極116を製造するように機能するレーザ208を含む。
【0023】
付加製造装置202は、DMLM装置である。あるいは、付加製造装置202を、本明細書において説明するようなワークピース100を製造することに役立ついずれかの付加製造装置とすることができる。付加製造装置202は、第1の側壁214および反対側の第2の側壁216を有する粉末床212を含む。付加製造装置202は、第1および第2の側壁214および216の間に少なくとも部分的に延び、製造中に図1に示したワークピース100を支持することに役立つビルドプレート218を含む。1つの実施形態では、ビルドプレート218を、例えば図1に示したビルドプレート104とすることができる。
【0024】
ピストン220は、ビルドプレート218につなげられ、垂直方向に沿って粉末床212の第1および第2の側壁214および216の間を移動させることができる。ビルドプレート218の上面が作業面222を定めるように、ピストン220を調節する。粉末配送装置204は、粉末分配器226につなげられた粉末供給部224を含み、粉末分配器226が粉末210を粉末供給部224から付加製造装置202へと移送する。例示的な実施形態では、粉末分配器226は、粉末床212へと粉末210の均一な層を分配するように構成されたワイパである。あるいは、粉末分配器226をスプレイノズルとすることができ、スプレイノズルが粉末210を粉末供給部224から粉末床212へと移送する。一般に粉末分配器226を、粉末供給部224から粉末床212へと粉末210を移送する任意のデバイスとすることができ、その結果、システム200は本明細書において説明されるように動作する。
【0025】
動作中に、粉末分配器226は、粉末210の第1の層を粉末供給部224からビルドプレート218の作業面222上へと分配する。レーザ208は、コンピュータ206によって案内されるレーザビーム228をビルドプレート218の作業面222上へと向けて、ワークピース100の断面層へと粉末210を選択的に融解させる。より具体的に、レーザビーム228は、粉末210粒子を一緒に急速に溶融して固体を形成することによって(図1に示した)ビルドプレート104の上面へと粉末210を選択的に融解させる。レーザビーム228が各層の一部分を形成し続けるので、熱が前に溶融した領域から伝導で取り除かれ、これによって急速な冷却および固化をもたらす。例示的な実施形態では、コンピュータ206は、レーザビーム228を制御し、その結果、粉末210の各層は、未焼結の粉末とワークピース100の断面層のうちの少なくとも一部分を形成する焼結した粉末とを含むだろう。
【0026】
例示的な実施形態では、ワークピース100の断面層の完成で、ビルドプレート218がピストン220によって下げられ、粉末分配器226が粉末210のさらなる層を粉末床212へと分配する。レーザビーム228をコンピュータ206によって再び制御して、ワークピース100のもう1層の断面層を選択的に形成する。逐次的な断面層がワークピース100へと構築されるように、このプロセスを続ける。ワークピース100の各逐次的な堆積層を、例えば、厚さで10μm(マイクロメートル)と200μmとの間とすることができるけれども、厚さを付加製造装置202のパラメータに基づいて選択することができる。
【0027】
したがって、ワークピース100を、底面102のところから始めて製造することができ、その結果、ワークピース100のそれぞれの断面層はボディ部分106、電極116、および固定具118のうちの少なくとも一部分を含むことができる。より具体的に、付加製造装置202は、例えば、ボディ部分106および電極116を同時に形成することを容易にすることができ、その結果、電極116がワークピース100の(図1に示した)内部通路112内に形成される。付加製造プロセスを完了すると、すべての未焼結の粉末210が(図1に示した)アクセスポート114を通して取り除かれ、ワークピース100が粉末床212から取り外されて、さらなる処理を容易にする。
【0028】
例示的な実施形態では、ワークピース100を、超合金、例えば、コバルト−クロムなどのコバルト系超合金、またはニッケル系超合金、ならびにステンレス鋼、チタン、クロム、または他の合金、またはこれらの組み合わせを含め金属粉末210から製造することができる。タービン動作の高温条件での長期間の運転のために要求される高い強度のために、コバルトおよびニッケル系超合金を、ガスタービン構成部品を製造するために普通には使用する。特に高温での強度の向上、耐久性、および長期間の運転のために、金属粉末210を選択することができる。
【0029】
他の実施形態では、ワークピース100を、付加製造システム200を使用して金属粉末210およびプラスチック粉末(図示せず)から製造することができ、ワークピース100の内面を、金属粉末210から製造する。
【0030】
製造した後では、ワークピース100の内面110が、比較的大きな粗さを有することがあり、ワークピース100のさらなる処理を必要とすることがある。このような製造後プロセスは、例えば、応力解放または硬化熱処理、ピーニング、ポリッシング、熱間静水圧プレス(HIP)、またはECMを含むことができる。いくつかの実施形態では、上に列挙した製造後プロセスのうちの1つまたは複数は、必ずしも必要ではなく、省略することができる。例示的な実施形態では、ワークピース100は、付加製造プロセスにより生じた比較的大きな表面粗さを含むことがある。具体的に、図1の内面110は、比較的大きな粗さを有することがあり、内面110の平滑化を促進させる追加の処理なしで使用することには適していないことがある。
【0031】
図3は、第1の実施形態による、システム500の電解加工(ECM)デバイス300、ワークピース100、および電極116の模式図である。ECMデバイス300は、電解液供給部310および電力供給部320を含む。電解液供給部310は、電解液源312、コンジット315、ポンプ316、およびノズル318を含む。実施形態では、電解液源312を、例えば貯蔵タンク、等とすることができる。
【0032】
例示的な実施形態では、ECMの間には、ワークピース100を、電極116および固定具118とは電気的に分離する。このような電気的な分離を容易にするために、図1のビルドプレート104を、非導電性支持プレート302と置き換える。ボディ部分106を、その底面102を介して支持プレート302につなげ、電極116を、固定具118の第1の端部部分120を介して支持プレート302につなげる。非導電性支持プレート302は、ボディ部分106を電極116および固定具118とは分離することを容易にし、その結果、ECMデバイス300内に印加された電流がボディ部分106を通って電極116および固定具118へと流れない。非限定的な実施形態では、先ず、ビルドプレート104を、従来の機械加工法を使用してボディ部分106の底面102および固定具118から取り外し、第2に、ビルドプレート104を、限定しないがエポキシなどの非導電性材料で覆ってエポキシプレートを形成し、次いで、ビルドプレート104を、従来の機械加工法を使用してエポキシプレートから分離し、最後に、エポキシプレートを、ボディ部分106の底面102および固定具118に結合させて支持プレート302を形成する、したがってビルドプレート104が支持プレート302で置き換えられる。
【0033】
電力供給部320は、電源322、正リード線324、負リード線326、およびコントローラ328を含む。電源322は、ワークピース100と電極116との間にパルス電圧(特に、両極性パルス電圧)の形の電圧を印加するように構成され、ワークピース100から材料を電解除去し、その結果内面110が平滑化される。電極116およびワークピース100へのパルス電圧の印加は、内部通路112の内面110から所定の量の材料を電解除去する。両極性パルス電圧を、電源322を使用して電極116とワークピース100との間に印加する。より具体的に、電極116およびボディ部分106にパルス電圧を供給するために、ボディ部分106に正リード線324を電気的につなげ、固定具118を介して電極116に負リード線326を電気的につなげる。例示的な実施形態では、コントローラ328は、両極性電源322に電気的につなげ、そしてパルス制御を行うように構成される。コントローラ328は、電極116およびワークピース100に供給するパルス電圧のパルス幅、周波数および大きさを制御する。
【0034】
電解液供給部310は、電解液314を収容するように構成された容器319を含む。電解液314は、限定しないがリン酸などの電荷搬送流体を含む。容器319を、電解液314、ワークピース100、電極116、固定具118、およびリード線324と326を受容するのに十分なサイズにする。
【0035】
電解液314を、アクセスポート114を通して内部通路112へと循環させる。例示的な実施形態では、アクセスポート114を介して内部通路112と流れ連通している電解液源312に電解液314を貯蔵する。電解液314を、例えば、アクセスポート114を介してポンプ316のノズル318によって内部通路112へと循環させることができる。ポンプ316は、コンジット315を介して電解液源312と連通している。
【0036】
電解液314を、ワークピース100と電極116との間の隙間103に循環させ、内面110の少なくとも部分溶解を生じさせるように、例えばパルス電圧の形の電圧をワークピース100と電極116との間に印加する。このような溶解は、内面110の平滑化をもたらして高品質な表面仕上げを提供する。電解液314は、ECM中に形成された金属水酸化物をアクセスポート114を通してワークピース100から持ち去る。上に説明したように、ワークピース100は、機械加工しようとするガスタービン燃料ノズルまたは任意の数のタービンロータブレードであってもよく、そして動作のために高品質な表面仕上げを必要とする。グリットブラスティング、グラインディング、サンディング、またはポリッシングなどの従来の機械加工法と比較して、電解加工法は、不必要な熱応力または機械的応力をワークピース100に与えずに内面110の平滑化を容易にする。
【0037】
ECMデバイス300を使用して内面110の粗さを取り除いた後で、電極116を内部通路112内から完全に取り除くことが有利なことがある。
【0038】
図4は、第1の実施形態による、システム500の除去装置400、ワークピース100、および電極116の模式図である。除去装置400は、図3で説明したようにワークピース100の内面110を平滑化した後で内部通路112内から電極116を完全に取り除くために構成される。本明細書において説明するように、「内部通路112内から電極116を完全に取り除くこと」は、電極116全体を内部通路112内から取り除くことを意味する。
【0039】
除去装置400は、エッチング溶液供給部410を含む。エッチング溶液供給部410は、エッチング溶液源412、コンジット415、ポンプ416、およびノズル418を含む。
【0040】
エッチング溶液源412は、内部通路112内から電極116を完全に取り除くためのエッチング溶液414を供給するために構成される。実施形態では、エッチング溶液源412を、例えば、貯蔵タンク、等とすることができる。
【0041】
エッチング溶液供給部410は、エッチング溶液414を収容するように構成された容器419を含む。容器419を、エッチング溶液414、ワークピース100、および電極116を受容するのに十分なサイズにする。
【0042】
内部通路112内から(図3に示した)電解液314を取り除いた後で、電極116を完全に溶解するように、エッチング溶液414を内部通路112へと循環させ、エッチング溶液414によって溶解されることから平滑化した内面110を保護するために、エッチング溶液414は平滑化した内面110とは接触しない。図3に示しように、電解液314を、例えば、ポンプ316のノズル318によって内部通路112内から取り除くことができる。
【0043】
詳細には、エッチング溶液414を、アクセスポート114を介して電極116とワークピース100との間の隙間103に循環させる。エッチング溶液414を、例えば、ポンプ416のノズル418によって内部通路112へと循環させることができる。ポンプ416は、コンジット415を介してエッチング溶液源412と流体連通している。
【0044】
例示的な実施形態では、エッチング溶液414は、酸溶液を含む。
【0045】
1つの実施形態では、電極116をCo−Cr合金から作ることができ、エッチング溶液414を、HSOとHPOとのハイブリッド溶液またはHClとHNOとのハイブリッド溶液とすることができる、すなわち、HSOとHPOとのハイブリッド溶液またはHClとHNOとのハイブリッド溶液は、Co−Cr合金製の電極116を完全に溶解させる。
【0046】
もう1つの実施形態では、電極116をステンレス鋼から作ることができ、エッチング溶液414を、HSOの水溶液またはHClとHNOとのハイブリッド溶液とすることができる、すなわち、HSOの水溶液またはHClとHNOとのハイブリッド溶液は、ステンレス鋼製の電極116を完全に溶解させる。
【0047】
除去装置400は、平滑化した内面110からエッチング溶液414を分離するための耐腐食コーティング420含む。耐腐食コーティング420を、平滑化した内面110に堆積して、エッチング溶液414によって溶解されることから平滑化した内面110を保護する。
【0048】
内部通路112内からエッチング溶液414を取り除いた後で、耐腐食コーティング420を内部通路112内から取り除く。エッチング溶液414を、例えばポンプ416によって内部通路112内から取り除くことができる。
【0049】
1つの実施形態では、耐腐食コーティング420をワックスによって形成する。先ず、パラフィンワックスをその融点まで加熱し、次いで平滑化した内面110と電極116との間の隙間103を熱い液体ワックスで満たし、熱い液体ワックスを室温まで冷却すると耐腐食コーティング420が平滑化した内面110上に堆積される。耐腐食コーティング420を、加熱によって内部通路112内から取り除く。
【0050】
もう1つの実施形態では、耐腐食コーティング420をスラリによって形成する、これはポリマ前駆体に埋め込まれたセラミックから成るスラリの薄層を撒き広げる新しい印刷技術に関係する。紫外線光のパターンをこの層に投影すると、材料は光に曝された場所だけ固化する。スラリのもう1つの層をこの上に撒き広げて光で瞬間的に照らし、層毎に構造をこのように構築する。
【0051】
さらにもう1つの実施形態では、耐腐食コーティング420を、ポリメチルメタクリレート(PMMA)の水溶液によって形成し、耐腐食コーティング420を、例えばディッピングを介して平滑化した内面110に堆積させる。耐腐食コーティング420をエッチングによって内部通路112内から取り除く。詳細には、耐腐食コーティング420を、例えばアセトンを含め適切な溶剤に溶解させる。
【0052】
図5は、図3のECMデバイス300および図4の除去装置400によって、図3のワークピース100から機械加工した後の物品990の斜視断面図である。図5の物品990では、粗さが、図3に示したようなECMデバイス300によって内面110から取り除かれており、図1および図3図4に示したような電極116が、上に説明したように内部通路112内から完全に取り除かれており、図3に示したような固定具118および支持プレート302が、図3のワークピース100から機械加工で取り去られている。
【0053】
図6は、ワークピース600、電極616、および引出し線640の断面図である。ワークピース600は、内部通路612を画定する内面610を含む。他の実施形態では、ワークピース600は、それぞれの内部通路612(図示せず)を画定する複数の内面610(図示せず)を含む。
【0054】
電極616は、第1の端部602および反対側の第2の端部604を含む。実施形態では、電極616はフレキシブルであり、電極616を内部通路612へと挿入できることを確実にし、その結果、図6に示したように、電極616を内部通路612内に設置する。詳細には、引出し線640を電極616の第1の端部602に機械的に接続し、引出し線640は、内部通路612へと挿入しようとする電極616を引っ張るように構成される。
【0055】
他の実施形態では、それぞれの引出し線640(図示せず)のそれぞれの引張り力によって、複数の電極616(図示せず)を内部通路612へと挿入し、その結果、複数の電極616を内部通路612内に設置する。
【0056】
内部通路612は、直線ではない、すなわち、ワークピース600は、曲がり、アーチ型天井、収束性および分岐性通路、空洞、デッドレッグ、ならびに孔、等などの複雑な内部の幾何学的形状を有する。1つの実施形態では、内部通路612は、らせん状または捻じれた内部通路である、または軸方向に変化する断面寸法を有する。
【0057】
詳細には、電極616は、第1の部分620および第2の部分622を含む。第1の部分620および第2の部分622を、例えば付加製造法を使用して一緒に形成することができる。第1の部分620の各々および第2の部分622の各々を、隣り合わせて組み立てる。詳細には、第1の部分620が2個の第1の部分620a、620cを含み、第2の部分622が4個の第2の部分622a、622b、622c、622dを含む。電極616を内部通路612へと挿入すると、第1の部分620a、620cは、内部通路612の複雑な構造のために変形することがあり、その結果、第2の部分622a、622b同士の間の距離、および第2の部分622c、622d同士の間の距離が変化することがある。
【0058】
図7は、第2の実施形態による、システム900のECMデバイス700、ワークピース600、および電極616の模式図である。ECMデバイス700は、電解液供給部710および電力供給部720を含む。電解液供給部710は、電解液源712、コンジット715、ポンプ716、ノズル718、および容器719を含む。電力供給部720は、電源722、正リード線724、負リード線726、およびコントローラ728を含む。
【0059】
容器719を、電解液源712の電解液714、ワークピース600、電極616、およびリード線724と726を受容するのに十分なサイズにする。
【0060】
実施形態では、電極616を、ワークピース600の内面610から電気的に分離し、これを図8で説明しよう。正リード線724をワークピース600に電気的につなげ、負リード線726を電極616に電気的につなげる。
【0061】
図3と同様に、電解液714を、例えばポンプ716のノズル718によってワークピース600と電極616との間の隙間603に循環させ、コントローラ728によって制御された、例えばパルス電圧の形の電源722の電圧を、内面610の平滑化を容易にするために電極616とワークピース600との間に印加する。ポンプ716は、コンジット715を介して電解液源712と流体連通している。
【0062】
1つの実施形態では、ワークピース600を、例えば図1および図3図4に示したワークピース100とすることができ、内面610を、例えば図1および図3図4に示した内面110とすることができ、そして内部通路612を、例えば図1および図3図4に示した内部通路112とすることができる。
【0063】
図8は、第2の実施形態による、システム900の除去装置800、ワークピース600、および電極616の模式図である。除去装置800は、図7で説明したように、ワークピース600の内面610を平滑化した後で電極616を内部通路612内から完全に取り除くために構成される。本明細書において説明するように、「内部通路612内から電極616を完全に取り除くこと」は、電極616全体を内部通路612内から取り除くことを意味する。
【0064】
電極616を内部通路612の外へ取り出すことができることを確実にするために、電極616はフレキシブルである。詳細には、除去装置800は、電極616の第2の端部604に機械的に接続された引出し線810を含む。内部通路612内から図7に示した電解液714を取り除いた後で、取り除こうとする電極616を内部通路612の外へ引き出すために引出し線810を構成し、その結果、電極616が内部通路612内から完全に取り除かれる。1つの実施形態では、電解液714を、例えば、図7に示したポンプ716のノズル718を介して内部通路612内から取り除くことができる。
【0065】
他の実施形態では、それぞれの引出し線810(図示せず)のそれぞれの引っ張る力によって、複数の電極616(図示せず)を内部通路612の外へ取り出し、その結果、複数の電極616を、内部通路612内から完全に取り除く。
【0066】
他の実施形態では、除去装置800は、図6に示したような引出し線640を含み、引出し線640が、内部通路612へと挿入しようとする電極616を引っ張るように、または取り除こうとする電極616を内部通路612の外へ押し出すように構成される。
【0067】
図9は、図6に示され、付加製造法によって部分的に形成された電極616の模式図である。図9では、電極616は、第1の部分620および第2の部分622から構成される非導電性マンドレル610を含む。第1の部分620および第2の部分622を、図2に示した付加製造装置202などの付加製造装置を使用して一緒に形成する。
【0068】
例示的な実施形態では、第1の部分620の各々を非導電性材料から作り、第2の部分622の各々も非導電性材料からやはり作る。第1の部分620および第2の部分622を、電極616とワークピース600との間の電気的な分離を与えるようなサイズにする。非限定的な例として、図6に示したように、電極616とワークピース600との間に電気的な分離を与えるように、各第2の部分622の幅を各第1の部分620の幅よりも大きくなるようなサイズにする。
【0069】
例示的な実施形態では、第1の部分620の各々および第2の部分622の各々を隣り合わせて組み立てる。
【0070】
特定の実施形態では、第1の部分620の各々を、堅固なプラスチック材料から作り、第2の部分622の各々を、軟らかいプラスチック材料から作る。1つの実施形態では、堅固なプラスチック材料は、ポリ塩化ビニル、高密度ポリエチレン(HDPE)、等を含み、軟らかいプラスチック材料は、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、等を含む。
【0071】
例示的な実施形態では、図2の付加製造装置202などの付加製造装置を用いて電極616を部分的に製造するための方法を提供する。本明細書において使用する付加製造装置は、選択的レーザ溶融装置、電子ビーム溶融装置、熱溶解積層装置、またはステレオリソグラフィ装置、などの装置を呼び、ここでは材料を、電極616を作り出す目的で層毎の方式で逐次的に加える。方法は、電極616の、CAD(コンピュータ支援設計)モデルなどのディジタル表現を用意するステップと、上記ディジタル表現に基づいて層のシーケンスまたは積層物を作り出すステップと、上記ディジタル表現に基づいて上記層の各々に製造パラメータを適用するステップと、全体の電極616が完成するまで前の層の上に各層用の材料を逐次的に付加するステップおよび固めるステップによって物理的電極616を生産するステップとを含む。
【0072】
材料を付加するステップおよび固めるステップを、並列に、または逐次的に、または両者の組み合わせで実行することができる。
【0073】
ある種の実施形態では、付加製造プロセスを使用することは、電極616のディジタル表現にしたがって1つまたは複数の層もしくは層の領域内の堅固なプラスチック材料を固めながら、一方で電極616のディジタル表現にしたがって交互の層または層の領域内の軟らかいプラスチック材料を固めるステップを含むことができる。第1の部分620および第2の部分622を含む電極616の最終形状が得られるまで、この付加製造プロセスを繰り返す。
【0074】
1つの実施形態では、堅固なプラスチック材料の粉末を、構築した層または層の領域に付加的に分配しながら、レーザなどの熱源を使用して粉末を一緒に結合させる。所望の形状の第1の部分620が得られるまでプロセスを繰り返す。次いで、軟らかいプラスチック材料の粉末を交互の層または層の領域に加えて分配して、第1の部分620と一緒に結合させ、所望の形状の第2の部分622が得られるまでプロセスを繰り返す。付加製造プロセスを使用して堅固なプラスチック材料および軟らかいプラスチック材料を分配することおよび結合させることを、第1の部分620および第2の部分622を含む電極616の最終形状が得られるまで交互に行うことおよび/または繰り返すことができる。
【0075】
もう1つの実施形態では、堅固なプラスチック部分(第1の部分620)を1台の付加製造装置によって製造し、軟らかいプラスチック部分(第2の部分622)をもう1つの付加製造装置によって製造する。十分な数の第1の部分620および第2の部分622が生産されるまでプロセスを繰り返し、電極616を従来の手法によって組み立てる。
【0076】
図10は、図6に示されかつ付加製造の後で電気メッキによって形成された電極616の模式図である。図10では、電極616は、導電性コーティング630および導電性ストリップ632を含む。導電性コーティング630をそれぞれの第1の部分620上に形成し、導電性ストリップ632をそれぞれの第2の部分622上に形成する。1つの実施形態では、導電性ストリップ632の各々を、対応する第2の部分622の中央に形成する。
【0077】
導電性コーティング630および導電性ストリップ632を一緒につなげて、電極616の導電性を実現する。
【0078】
導電性コーティング630は、金属コーティングを含み、金属コーティングを、電気メッキを使用してそれぞれの第1の部分620上に形成する。導電性ストリップ632は、金属ストリップを含み、金属ストリップを、電気メッキを使用してそれぞれの第2の部分622上に形成する。
【0079】
電極616を、付加製造法によって非導電性マンドレル610を形成する第1のステップと、電気メッキによってそれぞれの非導電性第1の部分620上に導電性コーティング630を形成し、電気メッキによってそれぞれの非導電性第2の部分622上に導電性ストリップ632を形成する第2のステップとを含む一連のステップで作る。マンドレル610のコーティングされていない区域は、ECM中にアノードとカソードとの間の電気的な分離を維持する。
【0080】
物品990、これは例えば図5に示されてもよい、を形成するため、先ず、図3のECMデバイス300によってワークピース100の内面110を電解加工することまたは図7のECMデバイス700によってワークピース600の内面610を電解加工すること、次いで、電極116をワークピース100の内部通路112内から完全に取り除くことまたは電極616をワークピース600の内部通路612内から完全に取り除くことのために、本発明の実施形態を使用する。
【0081】
開示を、例示的な実施形態を参照して説明してきているが、開示の意図から乖離することなく、様々な変更を行うことができそして等価物で実施形態の要素を置き換えることができることを、当業者なら理解するだろう。加えて、開示の基本的な意図から乖離することなく、開示の教示に対して特定の状況または材料を適合させるために、多くの修正を行うことができる。それゆえ、本開示は、この開示を実行するために予期される最良の形態として開示した特定の実施形態に限定されるのではなく、本開示は、別記の特許請求の範囲の範囲内になるすべての実施形態を含むものとする。
【符号の説明】
【0082】
100 ワークピース
102 底面
103 隙間
104 ビルドプレート
106 ボディ部分
108 外面
110 内面
112 内部通路
114 アクセスポート
116 電極
118 固定具
120 第1の端部部分
122 第2の端部部分
124 主部分
200 付加製造システム
202 付加製造装置
204 粉末配送装置
206 コンピュータ
208 レーザ
210 金属粉末
212 粉末床
214 第1の側壁
216 第2の側壁
218 ビルドプレート
220 ピストン
222 作業面
224 粉末供給部
226 粉末分配器
228 レーザビーム
300 ECMデバイス
302 支持プレート
310 電解液供給部
312 電解液源
314 電解液
315 コンジット
316 ポンプ
318 ノズル
319 容器
320 電力供給部
322 電源
324 正リード線
326 負リード線
328 コントローラ
400 除去装置
410 エッチング溶液供給部
412 エッチング溶液源
414 エッチング溶液
415 コンジット
416 ポンプ
418 ノズル
419 容器
420 耐腐食コーティング
500 システム
600 ワークピース
602 第1の端部
603 隙間
604 第2の端部
610 内面
612 内部通路
616 電極
620 第1の部分
622 第2の部分
630 導電性コーティング
632 導電性ストリップ
640 引出し線
700 ECMデバイス
710 電解液供給部
712 電解液源
714 電解液
715 コンジット
716 ポンプ
718 ノズル
719 容器
720 電力供給部
722 電源
724 正リード線
726 負リード線
728 コントローラ
800 除去装置
810 引出し線
900 システム
990 物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】