特表2019-519855(P2019-519855A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-519855双方向検証モバイル決済方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-519855(P2019-519855A)
(43)【公表日】2019年7月11日
(54)【発明の名称】双方向検証モバイル決済方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20190621BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20190621BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20190621BHJP
【FI】
   G06Q20/40 300
   G06Q20/32 300
   G06F21/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-565357(P2018-565357)
(86)(22)【出願日】2017年5月19日
(85)【翻訳文提出日】2018年12月13日
(86)【国際出願番号】CN2017085011
(87)【国際公開番号】WO2017215402
(87)【国際公開日】20171221
(31)【優先権主張番号】201610426371.5
(32)【優先日】2016年6月16日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】513278998
【氏名又は名称】中国▲銀▼▲聯▼股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】沈 志▲ロン▼
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA64
5L055AA75
(57)【要約】
本発明は第2モバイル決済端末が第1モバイル決済端末から発起人の意図及び発起人の生物特徴を含む第1情報を受信するステップと、第2モバイル決済端末が発起人の生物特徴を検証するステップと、発起人の生物特徴が検証を通した後、第2モバイル決済端末が受取人の生物特徴を取得して検証するステップと、受取人の生物特徴が検証を通した後、第2モバイル決済端末が受取人の意図に基づいて第2情報を生成するステップと、第1モバイル決済端末が第2モバイル決済端末から第2情報を受信するステップと、第1モバイル決済端末が第2情報に基づいて第2モバイル決済端末との決済インタラクションを完成するステップを含む双方向検証モバイル決済方法に関する。本発明は双方向検証により一層完全な電子決済方式を提供し、決済両側の安全性及び信頼性を確保し、簡単に実現し、優れた普及価値も有し、実生活のさまざまな決済取引シチュエーションに非常に適用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発起人が所持する第1モバイル決済端末と受取人が所持する第2モバイル決済端末との間で電子決済を行うのに用いられる双方向検証モバイル決済方法であって、
a)前記第2モバイル決済端末が第1モバイル決済端末から前記発起人の意図及び前記発起人の生物特徴を含む第1情報を受信するステップと、
b)前記第2モバイル決済端末が前記発起人の生物特徴を検証するステップと、
c)前記発起人の生物特徴が検証を通した後、前記第2モバイル決済端末が前記受取人の生物特徴を取得して検証するステップと、
d)前記受取人の生物特徴が検証を通した後、前記第2モバイル決済端末が前記受取人の意図に基づいて第2情報を生成するステップと、
e)前記第1モバイル決済端末が前記第2モバイル決済端末から前記第2情報を受信するステップと、
f)前記第1モバイル決済端末が前記第2情報に基づいて第2モバイル決済端末との決済インタラクションを完成するステップとを含む双方向検証モバイル決済方法。
【請求項2】
前記発起人が前記第1モバイル決済端末を利用し、少なくとも一人の決済友人を含む決済友人リストを新設し、前記第1モバイル決済端末が前記決済友人リストにおける各決済友人の所持するモバイル決済端末とそれぞれデータインタラクションを行うことによって、前記発起人の生物特徴を前記各決済友人の所持するモバイル決済端末に記憶するというステップs)を、前記ステップa)の前に実行することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記発起人が前記決済友人リストから少なくとも一人の前記決済友人を前記受取人として選択するステップt)を、前記ステップa)の前かつ前記ステップs)の後に実行することをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記発起人の意図は、少なくとも決済要求指令又は決済請求指令を含み、前記受取人の意図は、少なくとも決済同意応答又は受取同意応答を含み、
前記決済要求指令は、前記発起人が対応する金額を前記受取人に支払ってもらうと要求することを示し、前記決済請求指令は、前記発起人が対応する金額を前記受取人に支払うと請求することを示し、前記決済同意応答は、前記受取人が対応する金額を前記発起人に支払うと同意することを示し、前記受取同意応答は、前記受取人が前記発起人から対応する金額を受け取ると同意することを示すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記生物特徴は、
顔特徴と、
指紋特徴と、
手書きサインとのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
発起人が所持する第1モバイル決済端末と受取人が所持する第2モバイル決済端末との間で電子決済を行うのに用いられる双方向検証モバイル決済方法であって、
a)前記第1モバイル決済端末が第三者プラットフォームに前記発起人の意図及び前記発起人の生物特徴を含む第1情報を送信するステップと、
b)前記第三者プラットフォームが前記発起人の生物特徴を検証するステップと、
c)前記発起人の生物特徴が検証を通した後、前記第三者プラットフォームが少なくとも前記発起人の意図を含む第3情報を前記第2モバイル決済端末に転送するステップと、
d)前記第2モバイル決済端末が前記発起人の意図及び前記受取人の意図ならびに前記受取人の生物特徴に基づいて第2情報を生成するステップと、
e)前記第2モバイル決済端末が前記第三者プラットフォームに前記第2情報を送信するステップと、
f)前記第三者プラットフォームが前記受取人の生物特徴を検証するステップと、
g)前記受取人の生物特徴が検証を通した後、前記第三者プラットフォームが少なくとも前記受取人の意図を含む第4情報を前記第1モバイル決済端末に転送するステップと、
h)前記第1モバイル決済端末が前記第4情報に基づいて前記第2モバイル決済端末との間の決済インタラクションを完成するステップとを含む双方向検証モバイル決済方法。
【請求項7】
前記発起人が前記第1モバイル決済端末を利用し、少なくとも一人の決済友人を含む決済友人リストを新設し、前記第1モバイル決済端末が前記決済友人リストにおける各決済友人の所持するモバイル決済端末とそれぞれ前記第三者プラットフォームを介してデータインタラクションを行うことによって、前記発起人の生物特徴を前記第三者プラットフォームに記憶し、及び前記各決済友人の生物特徴をそれぞれ前記第三者プラットフォームに記憶するというステップs)を、前記ステップa)の前に実行することをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記発起人が前記決済友人リストから少なくとも一人の前記決済友人を前記受取人として選択するステップt)を、前記ステップa)の前かつ前記ステップs)の後に実行することをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記発起人の意図は、少なくとも決済要求指令又は決済請求指令を含み、前記受取人の意図は、少なくとも決済同意応答又は受取同意応答を含み、
前記決済要求指令は、前記発起人が対応する金額を前記受取人に支払ってもらうと要求することを示し、前記決済請求指令は、前記発起人が対応する金額を前記受取人に支払うと請求することを示し、前記決済同意応答は、前記受取人が対応する金額を前記発起人に支払うと同意することを示し、前記受取同意応答は、前記受取人は前記発起人から対応する金額を受け取ると同意することを示すことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記生物特徴は、
顔特徴と、
指紋特徴と、
手書きサインとのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも二つのモバイル決済端末の間で決済インタラクションを行うのに用いられる双方向検証モバイル決済システムであって、
前記モバイル決済端末は、前記モバイル決済端末所持者の決済友人リストを管理するための決済友人管理ユニットと、前記モバイル決済端末所持者の生物特徴を取得するための生物特徴取得ユニットと、を含み、
前記システムは、
第1モバイル決済端末所持者の意図及び生物特徴を含む第1情報を送信し、かつ少なくとも第2モバイル決済端末所持者の意図を含む第4情報を受信するのに用いられる第1モバイル決済端末と、
第2モバイル決済端末所持者の意図及び生物特徴を含む第2情報を送信し、かつ少なくとも第1モバイル決済端末所持者の意図を含む第3情報を受信するのに用いられる第2モバイル決済端末と、
前記第1、第2モバイル決済端末とそれぞれデータインタラクションを行い、各前記モバイル決済端末の生物特徴を記憶するための生物特徴記憶ユニットと各前記モバイル決済端末の生物特徴を検証するための生物特徴検証ユニットとを備え、前記第1情報を受信しかつ前記第3情報を送信すると同時に、前記第2情報を受信しかつ前記第4情報を送信するのに用いられる第三者プラットフォームと、を含む双方向検証モバイル決済システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル決済という技術分野に関し、さらに具体的には双方向検証モバイル決済方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、モバイル決済がセキュリティ検証での検証対象は通常決済者に限っているが、取引の相手側(つまり、受取人)に対する検証はほぼないと言える。しかし、現実では、その一部の応答が詐欺リンクによるものである可能性があり(例えば、無法者が携帯を拾った後、他の銀行カードとバインドして発送したもの)、決済者が騙されやすいので、従来のセキュリティ検証はまだ不完全であり、セキュリティ面においてユーザに迷惑をかけている。
当業者は、双方向検証を通して一層安全な電子決済方式を提供する双方向検証モバイル決済方法の取得を期待している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、双方向検証モバイル決済方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記技術目的を実現するために、本発明は、以下の形態を提供する。
【0005】
発起人が所持する第1モバイル決済端末と受取人が所持する第2モバイル決済端末との間で電子決済を行うのに用いられる双方向検証モバイル決済方法であって、a)第2モバイル決済端末が第1モバイル決済端末から発起人の意図及び発起人の生物特徴を含む第1情報を受信するステップと、b)第2モバイル決済端末が発起人の生物特徴を検証するステップと、c)発起人の生物特徴が検証を通した後、第2モバイル決済端末が受取人の生物特徴を取得して検証するステップと、d)受取人の生物特徴が検証を通した後、第2モバイル決済端末が受取人の意図に基づいて第2情報を生成するステップと、e)第1モバイル決済端末が第2モバイル決済端末から第2情報を受信するステップと、f)第1モバイル決済端末が第2情報に基づいて第2モバイル決済端末との決済インタラクションを完成するステップとを含む。
【0006】
好ましくは、発起人が第1モバイル決済端末を利用し、少なくとも一人の決済友人を含む決済友人リストを新設し、第1モバイル決済端末が決済友人リストにおける各決済友人の所持するモバイル決済端末とそれぞれデータインタラクションを行うことによって、発起人の生物特徴を各決済友人の所持するモバイル決済端末に記憶するというステップs)を、ステップa)の前に実行することをさらに含む。
【0007】
好ましくは、発起人が決済友人リストから少なくとも一人の決済友人を受取人として選択するステップt)を、ステップa)の前かつステップs)の後に実行することをさらに含む。
【0008】
前記技術目的を実現するために、本発明は、以下のような他の形態をさらに提供する。
【0009】
発起人が所持する第1モバイル決済端末と受取人が所持する第2モバイル決済端末との間で電子決済を行うのに用いられる双方向検証モバイル決済方法であって、a)第1モバイル決済端末が第三者プラットフォームに発起人の意図及び発起人の生物特徴を含む第1情報を送信するステップと、b)第三者プラットフォームが発起人の生物特徴を検証するステップと、c)発起人の生物特徴が検証を通した後、第三者プラットフォームが少なくとも発起人の意図を含む第3情報を第2モバイル決済端末に転送するステップと、d)第2モバイル決済端末が発起人の意図、受取人の意図及び受取人の生物特徴に基づいて第2情報を生成するステップと、e)第2モバイル決済端末が第三者プラットフォームに第2情報を送信するステップと、f)第三者プラットフォームが受取人の生物特徴を検証するステップと、g)受取人の生物特徴が検証を通した後、第三者プラットフォームが少なくとも受取人の意図を含む第4情報を第1モバイル決済端末に転送するステップと、h)第1モバイル決済端末が第4情報に基づいて第2モバイル決済端末との間の決済インタラクションを完成するステップとを含む。
【0010】
好ましくは、発起人が第1モバイル決済端末を利用し、少なくとも一人の決済友人を含む決済友人リストを新設し、第1モバイル決済端末が決済友人リストにおける各決済友人の所持するモバイル決済端末とそれぞれ第三者プラットフォームを介してデータインタラクションを行うことによって、発起人の生物特徴を第三者プラットフォームに記憶し、及び各決済友人の生物特徴をそれぞれ第三者プラットフォームに記憶するステップs)を、ステップa)の前に実行することをさらに含む。
【0011】
好ましくは、発起人が決済友人リストから少なくとも一人の決済友人を受取人として選択するステップt)を、ステップa)の前かつステップs)の後に実行することをさらに含む。
【0012】
本発明は、少なくとも二つのモバイル決済端末の間で決済インタラクションを行うのに用いられる双方向検証モバイル決済システムをさらに提供する。モバイル決済端末は、モバイル決済端末所持者の決済友人リストを管理するための決済友人管理ユニット及びモバイル決済端末所持者の生物特徴を取得するための生物特徴取得ユニットを含み、該システムは、第1モバイル決済端末所持者の意図及び生物特徴を含む第1情報を送信し、かつ少なくとも第2モバイル決済端末所持者の意図を含む第4情報を受信するのに用いられる第1モバイル決済端末と、第2モバイル決済端末所持者の意図及び生物特徴を含む第2情報を送信し、かつ少なくとも第1モバイル決済端末所持者の意図を含む第3情報を受信するのに用いられる第2モバイル決済端末と、第1、第2モバイル決済端末とそれぞれデータインタラクションを行い、各モバイル決済端末の生物特徴を記憶するための生物特徴記憶ユニット及び各モバイル決済端末の生物特徴を検証するための生物特徴検証ユニットを備えて第1情報を受信しかつ第3情報を送信すると同時に、第2情報を受信しかつ第4情報を送信するのに用いられる第三者プラットフォームと、を含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明の各実施例が提供する双方向検証モバイル決済方法及びシステムは、双方向検証を通してより安全な電子決済方式を提供し、決済両側の安全性及び信頼性を確保し、実現が簡単で、よい普及価値も有し、実生活の各種の決済取引シチュエーションに非常に適用する。また、前記方法及びシステムは、決済インタラクション過程におけるスムーズさを向上させ、さらにより優れたユーザ体験をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明第1実施例が提供する双方向検証モバイル決済方法のフローチャートを示す。
図2】本発明第2実施例が提供する双方向検証モバイル決済方法のフローチャートを示す。
図3】本発明による双方向検証モバイル決済システムの概念図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
説明すべきなのは、本発明の各実施例による双方向検証モバイル決済方法は、発起人が所持する第1モバイル決済端末と受取人が所持する第2モバイル決済端末との間で電子決済を行うのに用いられる。
【0016】
なお、「第1」、「第2」モバイル決済端末は、一つのモバイル決済端末のみを表すものではなく、両者の間が1対1通信インタラクション方式であると表すものでもない。本発明の各実施例では、第1、第2モバイル決済端末はいずれも複数であることが可能であり、かつ1対1、1対多、多対1、多対多という各種の通信インタラクション方式を採用することができる。
【0017】
図1に示すように、本発明の第1実施例によると、双方向検証モバイル決済方法は、以下のステップを含む。
【0018】
ステップS10:第2モバイル決済端末は、第1モバイル決済端末から発起人の意図及び発起人の生物特徴を含む第1情報を受信する。
【0019】
具体的には、第1モバイル決済端末が第2モバイル決済端末に一定の金額を支払いたいか(例えば、ウィーチャットショップから商品を買うか又は友人に食費を支払うなど)又は一定の金額を支払ってもらいたい場合(例えば、学校が学生の両親から金をもらうか又は団体が内部から会員費をもらうなど)、本発明の第1実施例によると、第1モバイル端末は、発起人の意図と発起人の生物特徴を組み合わせて第1情報を形成し、受取人が所持する第2モバイル決済端末に送信する。第1、第2モバイル端末の間にはモバイル通信ネットワーク、無線通信ネットワーク(例えば、WIFI方式、ブルートゥース(登録商標)方式)によって通信できる。
【0020】
発起人の意図は、決済要求指令及び決済請求指令を含むが、これに限っているわけではない。決済要求指令は、発起人が対応する金額を受取人に支払ってもらうと要求することを示し、決済請求指令は、発起人が対応する金額を受取人に支払うと請求することを示す。発起人の意図は、発起人が具体的な決済金額を入力して(支払う希望でも相手に支払ってもらう希望でもよい)具体的な受取人を選択することによって形成することも、発起人が販売者との取引情報を受取人に転送することによって形成することもできる。発起人の意図は一つの情報、一つのリンク又は一つの画像(例えば、QRコード(登録商標))によって表すことができる。
【0021】
発起人の生物特徴として、発起人の顔特徴、指紋特徴及び手書きサインが挙げられる。
【0022】
ステップS11:第2モバイル決済端末は発起人の生物特徴を検証する。
【0023】
具体的には、該ステップでは、第2モバイル決済端末は第1情報を受信した後、そこから発起人の生物特徴を解析するか又は取り出して検証する。
【0024】
理解できるのは、一つの実施の形態では、第2モバイル決済端末には発起人の生物特徴が予め記憶されているため、第1情報に含まれた発起人の生物特徴に対して検証することができる。
【0025】
別の実施の形態では、第2モバイル決済端末は現在のインタラクションに受信した発起人の生物特徴とその前のインタラクションに受信した発起人の生物特徴を対比することによって、検証を行うことができる。
【0026】
ステップS12:発起人の生物特徴が検証を通した後、第2モバイル決済端末は受取人の生物特徴を取得して検証する。
【0027】
双方向検証の機能性を実現するために、第2モバイル決済端末は、発起人の生物特徴を検証して確認できた後、さらにその所持者(つまり、受取人)の生物特徴を取得して検証する。
【0028】
具体的には、第1、第2モバイル端末はいずれも生物特徴取得装置を含む。例えば、タッチパネル(指紋特徴、手書きサインの取得に用いられる)、カメラ装置(顔特徴の取得に用いられる)が挙げられる。発起人の生物特徴が検証を通した後、第2モバイル決済装置は、受取人が自分の生物特徴を入力するように要求し、かつ生物特徴に対して検証することによって、現在の所持者が第2モバイル端末の所有者であるかと確定し、現在の所持者が第2モバイル端末の所有者であると確定してはじめて決済インタラクション過程が続く。
【0029】
前記受取人の生物特徴に対する検証は、無法者が携帯を拾って他の銀行カードとバインドして発起人に受取同意応答を送信することを効果的に防止できる。
【0030】
ステップS13:受取人の生物特徴の検証が通った後、第2モバイル決済端末は受取人の意図に基づいて第2情報を生成する。
【0031】
該ステップでは、受取人の意図は、決済同意応答及び受取同意応答を含むが、これに限っているわけではない。決済同意応答は、受取人が対応する金額を発起人に支払うことに同意すると示し、受取同意応答は、受取人が発起人から対応する金額を受け取ることに同意すると示す。
【0032】
受取人は、その意図を所持する第2モバイル決済端末に入力し、第2モバイル決済端末は第2情報を生成し、さらに第1モバイル決済端末に返送する。
【0033】
ステップS14:第1モバイル決済端末は、第2モバイル決済端末から第2情報を受信する。
【0034】
本発明の各実施例では、第1情報、第2情報は設定可能なライフサイクルを有することができる。
【0035】
発起人が対応する金額を受取人に支払ってもらうと要求する場合を例とし、受取人が長時間で第1情報に応答していないと(例えば、受取人が決済を暫く望まない)、つまり第1モバイル決済端末が第2情報を受信していない場合、決済期限が切れたら決済リマインダーメッセージを生成し、受取人が決済していないと第1情報の期限が切れるまでにリマインダーし続ける。第1情報のライフサイクルは、(1)受取人が決済を完了するまで、(2)受取人が決済していないが、決済期限が切れるまでのどちらか一つである。
【0036】
決済期限になっても受取人が決済していない場合、第1情報を改めて生成して再送信し、受取人が複数であれば、再送信する際には未決済の受取人のみに送信することができる。
【0037】
ステップS15:第1モバイル決済端末は、第2情報に基づいて第2モバイル決済端末との間の決済インタラクションを完成する。
【0038】
具体的には、第1モバイル決済端末は第2情報を受信するが、該第2情報は受取人の意図を示すものであり、受取人が発起人に金額を支払うことに同意するか否か、どれくらいの決済金額を支払うかと表すことも、又は受取人が発起人から金額を受け取ることに同意するか否か、どれくらいの金額を受け取るかと表すこともできる。
【0039】
第2情報に基づき、第1モバイル決済端末は、第2モバイル決済端末と決済インタラクション過程全体を完成できる。具体的な口座での金額の移動は、口座を管理するモバイル決済サーバによって実現される。
【0040】
前記双方向検証モバイル決済方法は、決済両側の安全性及び信頼性を確保でき、実現が簡単である。
【0041】
前記第1実施例の更なる改良として、ステップS10の前に以下の付加ステップをさらに実行する。これらの付加ステップによって、受取人が所持する第2モバイル決済端末は、決済者の生物特徴を予め取得して記憶することができる結果、実際の決済インタラクション過程において、第1情報に含まれた決済者の生物特徴に対して検証することができる。前記附加ステップは、以下のとおりである。
A)発起人は第1モバイル決済端末を利用して少なくとも一人の決済友人を含む決済友人リストを新設する。
B)第1モバイル決済端末は決済友人リストにおける各決済友人の所持するモバイル決済端末とそれぞれデータインタラクションを行い、発起人の生物特徴を各決済友人の所持するモバイル決済端末に記憶する。
【0042】
好ましくは、決済友人リストを新設した後、発起人は決済友人リストから一人又は複数の決済友人を受取人として選択することによって、前記第1実施例の方法を実行する。
【0043】
本発明の第2実施例は他の双方向検証モバイル決済方法を提供する。第1実施例と異なるのは、第三者プラットフォームを専門的な検証装置として使用し、発起人及び受取人の両方の生物特徴を検証するのに用いられる。図2に示すように、以下のステップを含む。
【0044】
ステップS20:第1モバイル決済端末は、第三者プラットフォームに発起人の意図及び発起人の生物特徴を含む第1情報を送信する。
【0045】
該ステップでは、発起人の意図は決済要求指令及び決済請求指令を含む。決済要求指令は、発起人が対応する金額を特定の受取人に支払ってもらうと要求することを示し、決済請求指令は、発起人が対応する金額を特定の受取人に支払うと請求することを示す。
【0046】
好ましくは、発起人は所持する第1モバイル決済端末において一つの決済友人リストを保持し、発起人が決済友人リストから任意なる一人又は複数の決済友人を受取人として選択できる。決済友人リストの実現方式は以下に説明する。
【0047】
発起人の生物特徴は、例えば発起人の顔特徴が挙げられる。しかし、指紋特徴及び手書きサインを含むこともできる。
【0048】
第三者プラットフォームは、モバイル通信ネットワーク或いは無線通信ネットワークを介してそれぞれ第1、第2モバイル決済端末と通信できる。
【0049】
好ましくは、第三者プラットフォームはクラウドコンピューティング方式に基づいて架設することもできますが、分散型配置方式によって実現することもでき、検証効率を向上できる。
【0050】
ステップS21:第三者プラットフォームは発起人の生物特徴を検証する。
【0051】
理解できるのは、第三者プラットフォームによる発起人、受取人両者の生物特徴に対するそれぞれの検証を実現するために、可能な実現方式として、第三者プラットフォームは発起人、受取人の生物特徴をそれぞれ事前に記憶することができる。
【0052】
具体的には、ステップS20の前に以下の付加ステップを実行することができる。
A1)発起人は第1モバイル決済端末を利用して少なくとも一人の決済友人を含む決済友人リストを新設する。
B1)第1モバイル決済端末は、決済友人リストにおける各決済友人の所持するモバイル決済端末とそれぞれ第三者プラットフォームを介してデータインタラクションすることによって、発起人の生物特徴を第三者プラットフォームに記憶すると同時に、各決済友人の生物特徴を第三者プラットフォームに記憶する。
【0053】
該ステップS21では、第三者プラットフォームは発起人の生物特徴を検証し、かつ検証結果を第2モバイル決済端末に通知する。
【0054】
ステップS22:発起人の生物特徴が検証を通した後、第三者プラットフォームは第3情報を第2モバイル決済端末に転送する。
【0055】
発起人の生物特徴が第三者プラットフォームによる検証を通した後、第三者プラットフォームは第3情報を形成する。具体的には、第3情報は少なくとも発起人の意図を含み、かつ一個前のステップS21で取得した検証結果を携帯することができる。可能な実現方式として、第3情報は、第1情報から発起人の生物特徴を除去し、発起人の生物特徴の検証結果を追加することで取得できる。
【0056】
ステップS23:第2モバイル決済端末は、発起人の意図、受取人の意図及び受取人の生物特徴に基づいて第2情報を生成する。
【0057】
具体的には、第2モバイル決済端末は、第3情報を受信した後、決済同意応答及び受取同意応答を含む受取人の意図を表すユーザによる入力を受信する。決済同意応答は、受取人が対応する金額を発起人に支払うと同意することを示し(第3情報に含まれた発起人の意図に対応する)、受取同意応答は、受取人は発起人から対応する金額を受け取ると同意することを示す(第3情報に含まれた発起人の意図に対応する)。
【0058】
次に、第2モバイル決済端末はその所持者(つまり、受取人)の生物特徴を取得し、かつ受取人の生物特徴と発起人の意図、受取人の意図を組み合わせ、第2情報を形成する。該第2情報は、受取人がどれくらいの金額を支払うか又は受け取るかに同意にすることを含むほか、さらに受取人の生物特徴を携帯している。
【0059】
ステップS24:第2モバイル決済端末は第三者プラットフォームに第2情報を送信する。
【0060】
ステップS25:第三者プラットフォームは受取人の生物特徴を検証する。
【0061】
該ステップでは、第三者プラットフォームは、受取人の生物特徴を検証することによって、双方向検証過程を完全に完成し、無法者が携帯を拾った後に他の銀行カードとバインドして発起人に受取同意応答を送信することを効果的に防止でき、電子(モバイル)決済の安全性を大幅に高められる。
【0062】
具体的には、発起人の生物特徴への検証と受取人の生物特徴への検証は、第三者プラットフォームにおける専用モジュール(ユニット)によって実現できる。該モジュールは統一で高効率である特徴抽出アルゴリズム又はパターン認識アルゴリズムを採用する。これにより、生物特徴の検証が常に統一基準で行われ、つまり検証効率を高めながら、検証結果の精確性を確保できる。
【0063】
ステップS26:受取人の生物特徴が検証を通した後、第三者プラットフォームは、第4情報を第1モバイル決済端末に転送する。
【0064】
第三者プラットフォームは、少なくとも受取人の意図を含み、かつ受取人の生物特徴の検証結果を携帯できる第4情報を生成する。可能な実現方式として、第4情報は、第2情報から受取人の生物特徴を除去し、受取人の生物特徴の検証結果を追加することで取得できる。
【0065】
ステップS27:第1モバイル決済端末は、第4情報に基づいて第2モバイル決済端末との間の決済インタラクションを完成する。
【0066】
該ステップでは、第4情報に基づき、第1モバイル決済端末は第2モバイル決済端末と決済インタラクション過程全体を完成する。具体的な金額の移動は、モバイル決済サーバによって実現される。これは当業者が熟知していることである。
【0067】
理解できるのは、生物特徴の検証作業を第三者プラットフォームに全部任せて完成し、第三者プラットフォームのサーバが十分に高効率である場合、第1、第2モバイル決済端末は、生物特徴の検証作業をする必要がなくなり、第三者プラットフォームから検証結果を受信すればよいので、前記決済インタラクション過程全体は一層スムーズに実行できる。
【0068】
言い換えれば、前記第1実施例に比べて、第2実施例は第三者プラットフォームを導入して検証作業を行うが、検証効率を明らかに高め、決済インタラクション過程の流暢度を高めるので、より優れたユーザ体験をもたらすことができる。
【0069】
図3に示すように、本発明の第3実施例は、少なくとも一つの第1モバイル決済端末31と、少なくとも一つの第2モバイル決済端末32と、第三者プラットフォーム30と、を含む双方向検証モバイル決済システムを提供する。
【0070】
モバイル決済端末(第1又は第2を問わず)は、モバイル決済端末所持者の決済友人リストの管理に用いられる決済友人管理ユニット及びモバイル決済端末所持者の生物特徴の取得に用いられる生物特徴取得ユニットを含む。
【0071】
該システムでは、第1モバイル決済端末31は、第1情報を送信しかつ第4情報を受信する。第1情報は、第1モバイル決済端末所持者の意図及び生物特徴を含み、第4情報は少なくとも第2モバイル決済端末所持者の意図を含む。
【0072】
第2モバイル決済端末32は、第2情報を送信しかつ第3情報を受信する。第2情報は、第2モバイル決済端末所持者の意図及び生物特徴を含み、第3情報は少なくとも第1モバイル決済端末所持者の意図を含む。
【0073】
第三者プラットフォーム30は、各モバイル決済端末の生物特徴の記憶に用いられる生物特徴記憶ユニット301及び各モバイル決済端末の生物特徴の検証に用いられる生物特徴検証ユニット302を含む。
【0074】
具体的には、第三者プラットフォーム30は、第1、第2モバイル決済端末31、32とそれぞれデータインタラクションし、第三者プラットフォーム30は第1情報を受信して第3情報を送信できると同時に、第2情報を受信して第4情報を送信できる。さらに、例えば、第3情報は、第1情報から発起人の生物特徴を除去し、発起人の生物特徴の検証結果を追加することで取得でき、第4情報は、第2情報から受取人生物特徴を除去し、受取人生物特徴の検証結果を追加することで取得できる。
【0075】
上述の説明は本発明の最良実施例に対するものであり、本発明の保護範囲を制限するためのものではない。当業者は本発明の発想及び付記の請求項から逸らすことなく、各種の変形設計をすることができる。
【符号の説明】
【0076】
30 第三者プラットフォーム
301 生物特徴記憶ユニット
302 生物特徴検証ユニット
31 第1モバイル決済端末
32 第2モバイル決済端末
図1
図2
図3
【国際調査報告】