特表2019-520354(P2019-520354A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-520354ラテックス粒子およびUV吸収剤を含有する組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-520354(P2019-520354A)
(43)【公表日】2019年7月18日
(54)【発明の名称】ラテックス粒子およびUV吸収剤を含有する組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20190627BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20190627BHJP
   C08F 265/00 20060101ALI20190627BHJP
【FI】
   A61K8/81
   A61Q17/04
   C08F265/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-565748(P2018-565748)
(86)(22)【出願日】2016年8月3日
(85)【翻訳文提出日】2018年12月14日
(86)【国際出願番号】US2016045328
(87)【国際公開番号】WO2017222570
(87)【国際公開日】20171228
(31)【優先権主張番号】62/353,175
(32)【優先日】2016年6月22日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(71)【出願人】
【識別番号】591123001
【氏名又は名称】ユニオン カーバイド ケミカルズ アンド プラスティックス テクノロジー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イナ・シャルマン
(72)【発明者】
【氏名】ウェンジュン・シュー
(72)【発明者】
【氏名】ファンウェン・ヅァン
【テーマコード(参考)】
4C083
4J026
【Fターム(参考)】
4C083AC122
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC472
4C083AC532
4C083AC542
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD172
4C083BB24
4C083BB46
4C083CC19
4C083DD23
4C083DD31
4C083EE06
4C083EE17
4C083FF01
4J026AA43
4J026AA45
4J026BA19
4J026BA27
4J026DA04
4J026DA13
4J026DB04
4J026DB13
4J026DB32
4J026EA03
4J026FA04
4J026FA07
4J026GA08
(57)【要約】
コアポリマーと少なくとも1つのシェルポリマーとを含むパーソナルケア組成物が提供され、SPFの上昇および改善された香りプロファイルを提供し、コアポリマーが、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーおよび非イオン性エチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位を含み、シェルポリマーが、非イオン性エチレン性不飽和モノマーならびにトリ(メタ)アクリレートおよび混合エチレン官能基を有する(メタ)アクリルモノマーからなる群から選択される脂肪族モノマーから誘導される重合単位を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア組成物であって、
(A)空隙を有するラテックス粒子であって、
(i)少なくとも1つのコアポリマーであって、(a)前記コアポリマーの総重量に基づいて、20〜60重量%の、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマー、および(b)前記コアポリマーの総重量に基づいて、40〜80重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位を含む少なくとも1つのコアポリマーと、
(ii)少なくとも1つのシェルポリマーであって、(a)前記シェルポリマー(複数可)の総重量に基づいて、10〜70重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマー、および(b)前記シェルポリマー(複数可)の総重量に基づいて、30〜90重量%の、トリ(メタ)アクリレートおよび混合エチレン官能基を有する(メタ)アクリルモノマーからなる群から選択される脂肪族モノマーから誘導される重合単位を含む少なくとも1つのシェルポリマーと、を含む、空隙を有するラテックス粒子と、
(B)少なくとも1つのUV吸収剤と、を含み、
前記空隙を有するラテックス粒子が、前記組成物の総重量に基づいて、0.5〜20重量%の量で存在し、前記空隙を有するラテックス粒子が、空隙を含有し、かつ100nm〜400nmの粒径を有する、パーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1つのシェルポリマー(複数可)の前記脂肪族モノマーが、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、グリセロールトリアクリレート、リセロールトリメタクリレート(lycerol trimethacrylate)、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリメタクリレート、シリコーントリアクリレート、シリコーントリメタクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3,5−トリメタクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリアクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,2,3−トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,3−トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリス(アクリルオキシプロピオネート)、1,1,1−トリメチロールプロパントリス(メタクリルオキシプロピオネート)、1,2,3−トリメチロールプロパントリス(アクリルオキシプロピオネート)、1,2,3−トリメチロールプロパントリス(メタクリルオキシプロピオネート)、トリス−(2−アクリルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス−(2−メタクリルオキシエチル)イソシアヌレート、およびこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上のトリ(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1つのシェルポリマー(複数可)の前記脂肪族モノマーが、ネオペンチルグリコールモノジシクロペンテニルエーテルのアクリレートエステル、アリルアクリルオキシプロピオネート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、クロチルアクリレート、クロチルメタクリレート、3−シクロヘキセニルメチレンオキシエチルアクリレート、3−シクロヘキセニルメチレンオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ネオペンチルグリコールモノジシクロペンテニルエーテルのメタクリレートエステル、メタアリルアクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテルモノアクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテルモノメタクリレート、N−アリルアクリルアミド、およびこれらの混合物からなる群から選択される、1つ以上の、混合エチレン官能基を有する(メタ)アクリルモノマーを含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つのシェルポリマー(複数可)の脂肪族モノマーが、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つのシェルの前記非イオン性エチレン性不飽和モノマーが、スチレン、エチルビニルベンゼン、t−ブチルストレン(t−butylstrene)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記コアポリマーの少なくとも1つのカルボン酸基を含有する前記モノエチレン性不飽和モノマーが、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルオキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、モノメチルマレエート、モノメチルフマレート、モノメチルイタコネート、およびこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含み、
前記コアポリマーの前記非イオン性エチレン性不飽和モノマーが、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデンアクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、およびこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1つのシェルポリマーが、0.1〜5重量%の、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位をさらに含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1つのシェルポリマーが、0.1〜5重量%の、少なくとも1つの「非カルボン酸」の酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位をさらに含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
UV損傷から皮膚を保護する方法であって、前記方法は、有効量のパーソナルケア組成物を皮膚に局所的に投与することを含み、前記パーソナルケア組成物は、
(A)空隙を有するラテックス粒子であって、
(i)少なくとも1つのコアポリマーであって、(a)前記コアポリマーの総重量に基づいて、20〜60重量%の、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマー、および(b)前記コアポリマーの総重量に基づいて、40〜80重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位を含む少なくとも1つのコアポリマーと、
(ii)少なくとも1つのシェルポリマーであって、(a)前記シェルポリマー(複数可)の総重量に基づいて、10〜70重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマー、および(b)前記シェルポリマー(複数可)の総重量に基づいて、30〜90重量%の、トリ(メタ)アクリレートおよび混合エチレン官能基を有する(メタ)アクリルモノマーからなる群から選択される脂肪族モノマーから誘導される重合単位を含む少なくとも1つのシェルポリマーと、を含む空隙を有するラテックス粒子と、
(B)少なくとも1つのUV吸収剤と、を含み、
前記空隙を有するラテックス粒子が、前記組成物の総重量に基づいて、0.5〜20重量%の量で存在し、前記空隙を有するラテックス粒子が、空隙を含有し、かつ100nm〜400nmの粒径を有する、方法。
【請求項10】
日焼け止め組成物のSPFまたはUV吸収を高める方法であって、前記方法は、前記組成物の総重量に基づいて、0.5〜20重量%の空隙を有するラテックス粒子を前記組成物に添加することを含み、前記空隙を有するラテックス粒子が、
(A)空隙を有するラテックス粒子であって、
(i)少なくとも1つのコアポリマーであって、(a)前記コアポリマーの総重量に基づいて、20〜60重量%の、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマー、および(b)前記コアポリマーの総重量に基づいて、40〜80重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位を含む少なくとも1つのコアポリマーと、
(ii)少なくとも1つのシェルポリマーであって、(a)前記シェルポリマー(複数可)の総重量に基づいて、10〜70重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマー、および(b)前記シェルポリマー(複数可)の総重量に基づいて、30〜90重量%の、トリ(メタ)アクリレートおよび混合エチレン官能基を有する(メタ)アクリルモノマーからなる群から選択される脂肪族モノマーから誘導される重合単位を含む少なくとも1つのシェルポリマーと、を含む空隙を有するラテックス粒子と、
(B)少なくとも1つのUV吸収剤と、を含み、
前記空隙を有するラテックス粒子が空隙を含み、かつ100nm〜400nmの粒径を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、空隙を有するラテックス粒子と紫外線吸収剤とを含むパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア組成物は、多様な利益をユーザに提供する様々な添加剤を含む。日焼け止め組成物は、特に、皮膚を損傷する可能性がある紫外線(「UV」)放射線からの保護を提供する。紫外線は、UVA(長波、すなわち320−400nmの波長)およびUVB(短波、すなわち290−320nmの波長)に分類することができる。日焼け止め配合物の有効性は、日焼け止め指数(「SPF」)によって測定される。UVAおよびUVBの両方の形態の放射線は有害であるため、日焼け止め配合物は両方の種類の線からの保護を提供する。UV吸収剤には、二酸化チタンなどの物理的ブロッカー、およびパラ−アミノ安息香酸ならびにオクチルメトキシシンナメートなどの化学的吸収剤が含まれる。ある特定の組成物では、望ましくない審美的および毒物学的効果のためにUV吸収剤のレベルを低下させることが望ましい。
【0003】
そのために、光散乱体および紫外線吸収剤を含むパーソナルケア組成物が開示されている。例えば、米国特許第5,663,213号は、空隙を有するラテックス粒子を組成物に組み込むことによって、少なくとも1つの紫外線吸収剤を含有する組成物の紫外線吸収を改善する方法を開示している。先行技術は、UV吸収剤と組み合わせて組成物のSPFを高めるのに使用するためのこのような粒子を開示しているが、このような組成物は高い度合いで不快な香りプロファイルを有することが知られており、したがって顔用クリーム、ローション、日焼け止めなどの組成物中で使用するのに好適ではない。
【0004】
結果として、好ましい香りプロファイルも提供しながら、SPFの上昇をもたらす、UV吸収剤および粒子光散乱体、すなわち空隙を有するラテックス粒子を含む新しいパーソナルケア組成物を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様はパーソナルケア組成物を提供し、パーソナルケア組成物は、(A)空隙を有するラテックス粒子であって、(i)少なくとも1つのコアポリマーであって、(a)コアポリマーの総重量に基づいて、20〜60重量%の、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマー、および(b)コアポリマーの総重量に基づいて、40〜80重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位を含む少なくとも1つのコアポリマーと、(ii)少なくとも1つのシェルポリマーであって、(a)シェルポリマー(複数可)の総重量に基づいて、10〜70重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマー、および(b)シェルポリマー(複数可)の総重量に基づいて、30〜90重量%の、トリ(メタ)アクリレートおよび混合エチレン官能基を有する(メタ)アクリルモノマーからなる群から選択される脂肪族モノマーから誘導される少なくとも1つのシェルポリマーと、を含む空隙を有するラテックス粒子と、(B)少なくとも1つのUV吸収剤と、を含み、空隙を有するラテックス粒子が、組成物の総重量に基づいて、0.5〜20重量%の量で存在し、空隙を有するラテックス粒子が、空隙を含有し、かつ100nm〜400nmの粒径を有する。
【0006】
本発明の別の態様は、有効量のパーソナルケア組成物を皮膚に局所的に投与することを含む、UV損傷から保護するための方法を提供し、パーソナルケア組成物が、(A)(i)少なくとも1つのコアポリマーであって、(a)コアポリマーの総重量に基づいて、20〜60重量%の、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマー、および(b)コアポリマーの総重量に基づいて、40〜80重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位を含む少なくとも1つのコアポリマーと、(ii)少なくとも1つのシェルポリマーであって、(a)シェルポリマー(複数可)の総重量に基づいて、10〜70重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマー、および(b)シェルポリマー(複数可)の総重量に基づいて、30〜90重量%の、トリ(メタ)アクリレートおよび混合エチレン官能基を有する(メタ)アクリルモノマーからなる群から選択される脂肪族モノマーから誘導される重合単位を含む少なくとも1つのシェルポリマーと、を含む空隙を有するラテックス粒子と、(B)少なくとも1つのUV吸収剤と、を含み、空隙を有するラテックス粒子が、組成物の総重量に基づいて、0.5〜20重量%の量で存在し、空隙を有するラテックス粒子が、空隙を含有し、かつ100nm〜400nmの粒径を有する。
【0007】
別の態様では、本発明は、組成物の総重量に基づいて、0.5〜20重量%の空隙を有するラテックス粒子を該組成物に添加することを含む、日焼け止め組成物のSPFまたはUV吸収を高めるための方法を提供し、空隙を有するラテックス粒子が、(A)(i)少なくとも1つのコアポリマーであって、(a)コアポリマーの総重量に基づいて、20〜60重量%の、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマー、および(b)コアポリマーの総重量に基づいて、40〜80重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位を含む少なくとも1つのコアポリマーと、(ii)少なくとも1つのシェルポリマーであって、(a)シェルポリマー(複数可)の総重量に基づいて、10〜70重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマー、および(b)シェルポリマー(複数可)の総重量に基づいて、30〜90重量%の、トリ(メタ)アクリレートおよび混合エチレン官能基を有する(メタ)アクリルモノマーからなる群から選択される脂肪族モノマーから誘導される重合単位を含む、少なくとも1つのシェルポリマーと、を含む空隙を有するラテックス粒子と、(B)少なくとも1つのUV吸収剤と、を含み、空隙を有するラテックス粒子が、空隙を含有し、かつ100nm〜400nmの粒径を有する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者らは、驚くべきことに、コアポリマーと少なくとも1つのシェルポリマーとを含む空隙を有するラテックス粒子が、SPFの上昇および改善された香りプロファイルを提供することをここで見出し、コアポリマーが、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーおよび非イオン性エチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位を含み、シェルポリマーが、非イオン性エチレン性不飽和モノマーならびにトリ(メタ)アクリレートおよび混合エチレン官能性を有する(メタ)アクリルモノマーからなる群から選択される脂肪族モノマーから誘導される重合単位を含む。
【0009】
本発明において、「パーソナルケア」は、例えば、ローション、クリーム、ゲル、ゲルクリーム、血清、トナー、ワイプ、マスク、液体ファンデーション、メークアップ、着色モイスチャライザー、オイル、顔/ボディスプレー、局所用医薬品、および日焼け止め組成物を含む、皮膚への塗布時に放置する化粧品およびスキンケア組成物を指すことを意図する。「日焼け止め組成物」は、UV損傷から皮膚を保護する組成物を指す。「パーソナルケア」は、局所的に投与される(すなわち、摂取されない)組成物に関する。好ましくは、パーソナルケア組成物は化粧品的に許容される。「化粧品的に許容される」とは、パーソナルケア組成物において典型的に使用される成分を指し、パーソナルケア組成物中に典型的に見出される量で存在する場合に毒性である材料は、本発明の一部として考慮されないことを強調することを意図する。本発明の組成物は、例えば従来の混合、溶解、造粒、乳化、カプセル化、封入または凍結乾燥法により、当技術分野において周知のプロセスによって製造することができる。
【0010】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、同一であろうとまたは異なる種類であろうと、モノマーを重合することによって調製されたポリマー化合物を指す。一般的な用語「ポリマー」には、用語「ホモポリマー」、「コポリマー」および「ターポリマー」が含まれる。本明細書で使用される場合、「から誘導された重合単位」という用語は、生成物ポリマーが重合反応の出発物質である構成モノマー「から誘導された重合単位」を含有する重合技術に従って合成されるポリマー分子を指す。本明細書で使用される場合、「(メタ)アクリル」という用語は、アクリルまたはメタクリルを指す。
【0011】
本明細書で使用される場合、「ガラス転移温度」または「T」という用語は、ガラス質ポリマーがポリマー鎖の分節性運動を受けるであろう温度またはそれ以上の温度を指す。ポリマーのガラス転移温度は、Fox方程式(Bulletin of American Physical Society、1(3)123ページ(1956))によって次のように推定することができる:
1/T=w/Tg(1)+w/Tg(2)
コポリマーについては、wおよびwは、2つのコモノマーの重量分率を示し、Tg(1)およびTg(2)は、モノマーから製造された2つの対応するホモポリマーのガラス転移温度を示す。3つ以上のモノマーを含むポリマーについては、追加の用語が加えられる(w/Tg(n))。ホモポリマーのガラス転移温度の適切な値を使用することによって、ポリマーのT(g)を計算することもでき、これは、例えば、J.Brandrup and E.H.Immergut,Interscience Publishersによって編集された「Polymer Handbook」で見ることができる。ポリマーのTは、例えば、示差走査熱量測定(「DSC」)を含む様々な技術によっても測定することができる。本明細書で報告されるTの値は、DSCによって測定される。
【0012】
本発明のパーソナルケア組成物は、空隙を有するラテックス粒子を含有する。本発明に有用な空隙を有するラテックス粒子は、少なくとも1つのコアポリマーおよび少なくとも1つのシェルポリマーを含む多段粒子を含む。コア重量対全ポリマー重量の比は、1:4(25%コア)〜1:100(1%コア)、好ましくは1:8(12%コア)〜1:50(2%コア)である。
【0013】
少なくとも1つのコアポリマーは、少なくとも1つのカルボン酸基を含むモノエチレン性不飽和モノマーおよび非イオン性エチレン性不飽和モノマーから誘導された重合単位を含む。コアポリマーは、例えば、少なくとも1つのカルボン酸基を含むモノエチレン性不飽和モノマーのエマルジョン単独重合によって、または少なくとも1つのカルボン酸基を含む2つ以上のモノエチレン性不飽和モノマーの共重合によって得ることができる。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのカルボン酸基を含むモノエチレン性不飽和モノマーは、1つ以上の非イオン性(すなわち、イオン化可能な基を有さない)エチレン性不飽和モノマーと共重合される。理論に束縛されることを望むものではないが、イオン化可能な酸基の存在は、塩基を含有する水性または気体状の媒体などの膨潤剤の作用によってコアを膨潤させ、酸性コアポリマーを部分的に中和し、水和による膨れを引き起こすと考えられる。
【0014】
好適なコアポリマーの少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルオキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、およびイタコン酸モノメチル、ならびに対応する無水物、アミドおよびエステルなどの他の誘導体が挙げられる。ある特定の好ましい実施形態では、少なくとも1つのカルボン酸基を含むモノエチレン性不飽和モノマーは、アクリル酸およびメタクリル酸から選択される。ある特定の実施形態では、コアは、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーの重合単位を、コアポリマーの総重量に基づいて、20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%、およびより好ましくは35〜45重量%の量で含む。
【0015】
好適なコアポリマーの非イオン性エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸の(C−C22)アルキルならびに(C−C20)アルケニルエステル、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、およびステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。ある特定の好ましい実施形態では、非イオン性エチレン性不飽和モノマーは、メチルメタクリレートおよびブチルメタクリレートから選択される。ある特定の実施形態では、コアは、非イオン性エチレン性不飽和モノマーの重合単位を、コアポリマーの総重量に基づいて、40〜80重量%、好ましくは50〜70重量%、およびより好ましくは55〜65重量%の量で含む。
【0016】
本発明における使用に好適な空隙を有するラテックス粒子はまた、少なくとも1つのシェルポリマーを含む。少なくとも1つのシェルポリマー(複数可)は、非イオン性エチレン性不飽和モノマーおよびポリエチレン性不飽和モノマーから誘導された重合単位を含む。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのシェルポリマーは、任意に、少なくとも1つのカルボン酸基を含むモノエチレン性不飽和モノマーおよび少なくとも1つの「非カルボン酸」酸基を含むモノエチレン性不飽和モノマーのうちの少なくとも1つから誘導された重合単位を含む。ある特定の実施形態では、空隙を有するラテックス粒子のシェル部分は、単一段階で、好ましくは2段階で、およびより好ましくは少なくとも3段階で重合される。本明細書で使用される場合、「最も外側のシェル」という用語は、空隙を有するラテックス粒子を調製するために使用される最終的に異なる重合段階の組成物を指す。最も外側のシェルが多段階重合プロセスによって提供されるある特定の実施形態では、最も外側のシェルは、空隙を有するラテックス粒子の全シェル部分の少なくとも25重量%、好ましくは少なくとも35重量%、およびより好ましくは少なくとも45重量%を含む。
【0017】
少なくとも1つのシェルポリマーに好適な非イオン性エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、窒素含有環化合物不飽和モノマー、ビニル芳香族モノマー、エチレンモノマー、および選択された(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。好適な(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、(C−C22)アルキル(メタ)アクリレート、置換(メタ)アクリレート、および置換(メタ)アクリルアミドモノマーが挙げられる。ある特定の好ましい実施形態では、(メタ)アクリル酸誘導体は、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、およびこれらの混合物から選択される。好適なビニル芳香族モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アルキル置換スチレン(例えば、t−ブチルスチレンおよびエチルビニルベンゼン)、およびハロゲン化スチレン(例えば、クロロスチレンおよび3,5−ビス(トリフルオロメチル)スチレン)が挙げられる。ある特定の好ましい実施形態では、非イオン性エチレン性不飽和モノマーは、スチレン、エチルビニルベンゼン、t−ブチルスチレン、およびこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。ある特定の好ましい実施形態では、非イオン性エチレン性不飽和モノマーは、スチレンを含む。ある特定の実施形態では、最も外側のシェルは、非イオン性エチレン性不飽和モノマーの重合単位を、最も外側のシェルポリマーの総重量に基づいて、10〜70重量%、好ましくは15〜60重量%、およびより好ましくは20〜50重量%の量で含む。
【0018】
外側シェルポリマーに適した脂肪族モノマーとしては、例えば、トリ(メタ)アクリレートおよび混合エチレン官能基を有する(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。好適なトリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、グリセロールトリアクリレート、グリセロールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリメタクリレート、シリコーントリアクリレート、シリコーントリメタクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3,5−トリメタクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリアクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,2,3−トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,3−トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリス(アクリルオキシプロピオネート)、1,1,1−トリメチロールプロパントリス(メタクリルオキシプロピオネート)、1,2,3−トリメチロールプロパントリス(アクリルオキシプロピオネート)、1,2,3−トリメチロールプロパントリス(メタクリルオキシプロピオネート)、トリス−(2−アクリルオキシエチル)イソシアヌレート、およびトリス−(2−メタクリルオキシエチル)イソシアヌレートが挙げられる。ある特定の好ましい実施形態では、トリ(メタ)アクリレートモノマーは、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートのうちの少なくとも1つを含む。ある特定の好ましい実施形態では、トリ(メタ)アクリレートモノマーは、トリメチロールプロパントリメタクリレートを含む。好適な混合エチレン官能基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、ネオペンチルグリコールモノジシクロペンテニルエーテルのアクリレートエステル、アリルアクリルオキシプロピオネート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、クロチルアクリレート、クロチルメタクリレート、3−シクロヘキセニルメチレンオキシエチルアクリレート、3−シクロヘキセニルメチレンオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ネオペンチルグリコールモノジシクロペンテニルエーテルのメタクリレートエステル、メタアリルアクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテルモノアクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテルモノメタクリレート、およびN−アリルアクリルアミドが挙げられる。混合エチレン官能基を有する他のポリエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、マレイン酸ジアリルが挙げられる。特定の好ましい実施形態では、混合エチレン官能基を有する(メタ)アクリルモノマーは、アリルメタクリレートを含む。特定の好ましい実施形態では、脂肪族モノマーはトリメチロールプロパントリメタクリレート、およびアリルメタクリレートを含む。ある特定の実施形態では、最も外側のシェルは、脂肪族モノマーの重合単位を、最も外側のシェルの総重量に基づいて、30〜90重量%、好ましくは35〜85重量%、およびより好ましくは40〜80重量%の量で含む。
【0019】
シェルポリマー(複数可)についての少なくとも1つのカルボン酸基を含有する好適なモノエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルオキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、およびイタコン酸モノメチル、ならびに対応する無水物、アミドおよびエステルなどの他の誘導体が挙げられる。ある特定の好ましい実施形態では、少なくとも1つのカルボン酸基を含むモノエチレン性不飽和モノマーは、アクリル酸およびメタクリル酸から選択される。ある特定の実施形態では、シェルポリマー(複数可)は、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーの重合単位を、シェルポリマー(複数可)の総重量に基づいて、0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜7.5重量%、およびより好ましくは0.5〜5重量%の量で含む。
【0020】
シェルポリマー(複数)についての少なくとも1つの「非カルボン酸」酸基を含有する好適なモノエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(このモノマーについてacryonym「AMPS」はLubrizol Corporation(Wickliffe、Ohio、USA)の商標である)、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、イソプロペニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、ホスホエチルメタクリレート、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ならびにそのアルカリ金属およびアンモニウム塩が挙げられる。ある特定の好ましい実施形態では、少なくとも1つの「非カルボン酸」酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、およびスチレンスルホン酸ナトリウムから選択される。ある特定の実施形態では、シェルポリマー(複数可)は、少なくとも1つの「非カルボン酸」酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーの重合単位を、シェルポリマー(複数可)の総重量に基づいて、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜7.5重量%、およびより好ましくは1〜5重量%の量で含む。
【0021】
本発明における使用に好適なラテックス粒子のシェルポリマー(複数可)は、ラテックス粒子内の空隙を支持するのに十分に高いT値を有する。ある特定の実施形態では、少なくとも1つのシェルのT値は、50℃より高く、好ましくは60℃より高く、およびより好ましくは70℃より高い。
【0022】
ある特定の実施形態では、コアポリマーおよびシェルポリマーは、単一の重合工程で製造される。ある特定の実施形態では、コアポリマーおよびシェルポリマーは、一連の重合工程で製造される。本発明のパーソナルケア組成物中に含まれる空隙を有するラテックス粒子を調製するのに好適な重合技術には、例えば連続エマルジョン重合が含まれる。ある特定の実施形態では、空隙を有するラテックス粒子のシェルポリマーのエマルジョン重合において使用されるモノマーは、1つ以上の非イオン性エチレン性不飽和モノマーを含む。水性エマルジョン重合プロセスは、典型的には、水性反応媒体中に少なくとも1つのモノマーおよび種々の合成アジュバント、例えばフリーラジカル源、緩衝剤、および還元剤を含む水性反応混合物中で行われる。ある特定の実施形態では、分子量を制限するために連鎖移動剤を使用することができる。水性反応媒体は、水性反応混合物の連続流体相であり、水性反応媒体の重量に基づいて、50重量%を超える水、および場合により1つ以上の水混和性溶媒を含有する。好適な水混和性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、エチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、およびジアセトンアルコールが挙げられる。
【0023】
特定の実施形態では、ラテックス粒子の空隙は、コアを1つ以上の揮発性成分を含有する膨潤剤で膨潤させることによって調製される。膨潤剤は、シェルを透過してコアを膨潤させる。次いで、ラテックス粒子を乾燥させることによって膨潤剤の揮発性成分を除去し、ラテックス粒子内に空隙を形成させることができる。ある特定の実施形態では、膨潤剤は水性塩基である。コアを膨潤させるために有用な適切な水性塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、またはトリメチルアミンまたはトリエチルアミンなどの揮発性アミンが挙げられる。ある特定の実施形態では、空隙を有するラテックス粒子は、コア中に存在する膨潤剤と共に組成物に添加される。ラテックス粒子をコアに存在する膨潤剤と共に組成物に添加すると、膨潤剤の揮発性成分は組成物の乾燥時に除去されることになる。ある特定の他の実施形態において、空隙を有するラテックス粒子は、膨潤剤の揮発性成分を除去した後に組成物に添加される。
【0024】
特定の実施形態では、空隙を有するラテックス粒子は、1%〜70%、好ましくは5%〜50%、より好ましくは10%〜40%、およびさらにより好ましくは25%〜35%の空隙率を有する空隙を含有する。空隙率は、ラテックス粒子が、遠心分離機中の希薄分散液から圧縮された後のラテックス粒子が占める体積を、同じ組成の非空隙を有する粒子の体積と比較することによって決定される。ある特定の実施形態では、空隙を有するラテックス粒子は、ブルックヘブンBI−90によって測定するとき、100nm〜400nm、好ましくは150nm〜375nm、およびより好ましくは190nm〜350nmの粒径を有する。
【0025】
当業者であれば、本明細書に記載された利点を提供するために(例えば、皮膚への適用時により好ましい匂いプロファイルを提供しながら、UV吸収を維持する)、適用分野に関する一般的な知識、ならびに必要な場合には日常的な実験の組み合わせを介して、特定の組成物中に使用すべき空隙を有するラテックス粒子の有効量を容易に決定することができる。非限定的な例として、本発明の組成物中の空隙を有するラテックス粒子の量は、組成物の総重量に基づいて、0.5〜20固形分重量%、好ましくは1〜10固形分重量%、より好ましくは1〜5固形分重量%の範囲であり得る。
【0026】
本発明のパーソナルケア組成物はまた、少なくとも1つのUV吸収剤も含む。好適なUV吸収剤としては、例えば、オキシベンゾン、ジオキシベンゾン、スルイソベンゾン、メチルアントラニレート、パラ−アミノ安息香酸、アミルパラジメチルアミノ安息香酸、オクチルパラ−ジメチルアミノベンゾエート、エチル4−ビス(ヒドロキシプロピル)パラ−アミノベンゾエート、ポリエチレングリコール(PEG−25)パラ−アミノベンゾエート、エチル4−ビス(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、ジエタノールアミンパラ−メトキシシンナメート、2−エトキシエチルパラ−メトキシシンナメート、エチルヘキシルパラメトキシシンナメート、オクチルパラ−メトキシシンナメート、イソアミルパラ−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシルサリチレート、ホモメンチルサリチレート、グリセリルアミノベンゾエート、トリエタノールアミンサリチレート、ジガロイルトリオレエート、ラウソンとジヒドロキシアセトン、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、4−メチルベンジリジンカンファー、アボベンゾン、二酸化チタン、および酸化亜鉛が挙げられる。あるいは、トリアジン、ベンゾトリアゾール、ビニル基含有アミド、桂皮酸アミドおよびスルホン化ベンズイミダゾールなどのUV吸収剤も用いることができる。ある特定の実施形態では、パーソナルケア組成物は、UV吸収剤を、組成物の総重量に基づいて、0.1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、およびより好ましくは10〜30重量%の量で含む。
【0027】
本発明の組成物はまた、皮膚科学的に許容される担体を含む。そのような物質は、典型的には、皮膚に有意な刺激を引き起こさず、組成物中の活性薬剤(複数可)の活性および特性を無効にしない担体または希釈剤として特徴付けられる。本発明において有用な皮膚科学的に許容される担体の例としては、脱イオン水または蒸留水などの水、水中油型または油中水型エマルジョンなどのエマルジョン、エタノール、イソプロパノールなどのようなアルコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのようなグリコール、クリーム、水溶液、油、軟膏、ペースト、ゲル、ローション、ミルク、フォーム、懸濁液、散剤、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約99.99〜約50重量%の皮膚科学的に許容される担体を含有する。
【0028】
本発明のパーソナルケア組成物はまた、例えば、増粘剤、追加の皮膚軟化剤、乳化剤、湿潤剤、界面活性剤、懸濁剤、皮膜形成剤、低級モノアルコールポリオール、高沸点溶剤、推進剤、鉱油、シリコン感触調整剤、またはこれらの混合物も含んでもよい。このような成分によって提供される所望の特性を達成するのに有効な任意の成分の量は、当業者によって容易に決定され得る。
【0029】
研磨剤、吸収剤、芳香剤などの美的成分、顔料、着色料/着色剤、精油、皮膚感知剤、収斂剤(例えば、クローブ油、メントール、樟脳、ユーカリ油、オイゲノール、乳酸メンチル、ウィッチヘーゼル留出物)、防腐剤、固結防止剤、発泡剤、消泡剤、抗菌剤(例えば、ヨードプロピルブチルカーバメート)、酸化防止剤、結合剤、生物学的添加剤、緩衝剤、増量剤、キレート剤、化学添加剤、着色剤、化粧品収斂剤、化粧品殺生剤、変性剤、薬物収斂剤、外部鎮痛剤、フィルム形成剤または材料、例えば組成物のフィルム形成特性および持続性を助けるためのポリマー(例えば、エイコセンとビニルピロリドンとのコポリマー)、不透明化剤、pH調節剤、噴射剤、還元剤、金属イオン封鎖剤、皮膚漂白剤および明色化剤(例えば、ヒドロキノン、コジック酸、アスコルビ酸、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコサミン)、皮膚コンディショニング剤(例えば、多種のおよび閉鎖性の保湿剤)、皮膚鎮静剤および/または治癒剤(例えば、パンテノールおよび誘導体(例えば、エチルパンテノール)、アロエベラ、パントテン酸およびその誘導体、アラントイン、ビサボロール、およびグリチルリチン酸ジカリウム)、皮膚治療剤、ならびにビタミン(例えば、ビタミンC)およびその誘導体などであるが、これらに限定されない他の添加剤が、本発明の組成物中に含まれてもよい。このような成分によって提供される所望の特性を達成するのに有効な任意成分の量は、当業者によって容易に決定され得る。
【0030】
上記のように、本発明のスキンケア組成物は、SPFおよびUV吸収ブースターとして非常に有効である。したがって、本発明のスキンケア組成物は、例えば、UV損傷からの保護、皮膚の湿潤化、乾燥皮膚の予防および治療、敏感肌の保護、皮膚の色調および質感の改善、マスキングの不完全性、及び経表皮水分喪失の阻害を含む、皮膚の治療及び保護に有用である。したがって、一態様において、本発明は、パーソナルケア組成物が、(a)組成物の重量に基づいて、0.1〜50重量%の無機金属酸化物粒子と、(b)組成物の重量に基づいて0.5〜50重量%のUV吸収剤と、を含む組成物を、皮膚に局所的に投与することを含む、皮膚をUV損傷から保護する方法において使用することができることを実現する。本組成物は、UV吸収剤および本明細書に記載の空隙を有するラテックス粒子を含有する日焼け止め組成物のSPFまたはUV吸収を高める方法に使用することもできる。
【0031】
本発明の方法の実施において、スキンケア組成物は、一般に、組成物を皮膚に塗布するかまたは広げることによって、局所的に投与される。当業者は、組成物を適用すべき頻度を容易に決定することができる。頻度は、例えば、個人が所与の日に遭遇する可能性のあるUV光への暴露のレベルおよび/またはUV光に対する個人の敏感度に依存し得る。非限定的な例として、1日に少なくとも1回の頻度での投与が望ましい場合がある。
【0032】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例において詳細に記載する。
【実施例】
【0033】
実施例1
例示および比較のコポリマー粒子の調製
本発明による例示の空隙を有するラテックス粒子および比較の粒子は、コア、第1のシェル、第2のシェル、および第3のシェル(すなわち、最も外側のシェル)を、それぞれ、粒子の総重量の4.7重量%、22.1重量%、26.8重量%、および46.4重量%の量で含有する。例示および比較の粒子はすべて、表1に列挙するように、コア、第1のシェル、および第2のシェルの同一のモノマー組成を含有する。
【0034】
【表1】
【0035】
例示および比較の粒子の第3のシェル(すなわち、「最も外側の」シェル)の組成は、表2に記載のモノマー組成を含有する。
【0036】
【表2】
【0037】
例示の空隙を有するラテックス粒子P−E1については、875.3グラム(g)の脱イオン水を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、加熱マントル、アダプタの入口、水凝縮器、および窒素入口を取り付けたクライゼンヘッドを備えた3リットルの4口丸底フラスコに添加し、窒素下で84℃に加熱した。加熱された水に、15.5gの脱イオン水中0.30gの酢酸、1.70gの過硫酸ナトリウムを添加し、続いておよそ110〜220nmの平均粒子直径を有する、31%ポリ(MMA/MAA//60/40)アクリルシード(コア)ポリマーの水性分散液を添加した。この82℃で加熱された混合物に71.5gの脱イオン水、2.1gの23%SDBSの水溶液、91.6gのMMA、8.9gのBMA、および3.1gのMAAを含有するモノマーエマルジョンを90分かけて計量投入し、続いて脱イオン水でリンスして入れた。次に、32.8gの脱イオン水中0.65gの過硫酸ナトリウムの溶液を90分かけて添加し、反応温度を90℃に上げ、同時に48.3gの脱イオン水、0.35gの23%SDBSの水溶液、120.5gのSty、6.45gのDVB、および0.70gのアマニ油脂肪酸を含む第2のモノマーエマルジョンを30分かけて添加した。第2のモノマーエマルジョン添加完了時に、8.0gの28%水性水酸化アンモニウムを添加し、10分間保持した。91℃の反応混合物に60分かけて、100.5gの脱イオン水、1.0gの23%SDBS水溶液、50.3gのALMA、および6.1gのスチレンスルホン酸ナトリウムを含有する第3のモノマーエマルジョンを添加し、続いて脱イオン水でリンスした。反応器内容物を91℃に30分間維持し、0.10gのFeSO4.7H2Oおよび0.10gのベルセンを含有する5.8gの水溶液を添加し、続いて19.0gの脱イオン水中の5.10gのt−ブチルヒドロペルオキシド(70%)および19.0gの脱イオン水中の2.6gのイソアスコルビン酸を、91℃に維持した反応器に60分かけて同時に添加した。ラテックスを室温に冷却し、次いで濾過した。
【0038】
すべての他の例示および比較の粒子を、表2に示したモノマーの量の適切な変更で、実質的に上述したように調製した。
【0039】
実施例2
例示および比較のラテックス粒子の特性
表3に示すように、実施例1で調製した空隙を有するラテックス粒子を、粒径および空隙率パーセントを評価した。
【0040】
【表3】
【0041】
粒径は、ブルックヘブンBI−90を用いて測定した。ラテックス粒子の空隙率パーセントは、各試料をプロピレングリコールで10重量%分散液を作成し、これを混合して、ガロン比重量のカップに注ぎ、これに栓をして秤量することによって測定した。10%水ブランクも測定し、重量の差を用いて試料の密度を計算し、そこから空隙率を決定した。
【0042】
実施例3
例示的な日焼け止め配合物の調製
本発明による例示的な日焼け止め配合物は、表4に列挙した成分を含有する。
【0043】
【表4】
【0044】
例示的な日焼け止め配合物を、相A成分を混合し、75℃に加熱することによって調製した。別の容器で、相B成分を一緒に混合し、75℃に加熱した。十分に撹拌しながら、相Bを相Aに混合した。完全に混合した後、相CをA/B混合物に添加し、次いで撹拌を維持しながら混合物を40℃に冷却した。混合物が40℃以下である場合、相D(ラテックス粒子)を、エマルジョン重合によって調製された分散液として添加した。ラテックスポリマー粒子を添加しないことを除いて、表3に示す組成に従って、以下では「対照」と称する対照組成物も調製した。アクリレートコポリマー(ACULYN 33として)を組成物に添加して、増粘させて、グリセリンを湿潤剤として添加し、EDTA四ナトリウム(エチレンジアミン四酢酸)をミネラルイオン制御のために添加し、オクチルメトキシシンナメートおよびベンゾフェノン−3(それぞれEscalol 557およびEscalol 567として)を紫外線吸収剤として添加し、(C12−C15)アルキルラクテート(Ceraphyl 41として)を皮膚軟化剤および賦形剤として添加し、アクリレートコポリマー(Epitex 66として)を防水剤およびフィルム形成剤として添加し、シクロメチコーン(Dow Corning 345流体として)皮膚軟化剤及び賦形剤として添加し、ステアリン酸を乳化剤として添加し、トリエタノールアミンを、ステアリン酸共重合体とアクリレートコポリマーの両方の中和剤として添加した。
【0045】
実施例4
比較日焼け止め配合物の調製
本発明による比較の日焼け止め配合物は、表5に列挙した成分を含有する。
【0046】
【表5】
【0047】
比較の日焼け止め配合物を、実質的に実施例3に記載したように調製した。
【0048】
実施例5
例示および比較の日焼け止め配合物のSPF向上熱老化試験
実施例3および4で調製した例示および比較の日焼け止め配合物を、試験配合物の日焼け止め指数(SPF)を測定することにより、熱老化後の紫外線を吸収する能力を保持する能力について評価した。SPFをLabSpheres(North Sutton,NH,USA)から供給された積分球とSPFオペレーティングソフトウェアでUV−2000Sを用いて測定した。UV−2000Sは、紫外線の波長にわたって試料のUV吸光度(各試料について290−400nm)を測定し、このUV吸収スペクトルに基づいてSPF値を算出する。SPFを測定するための以下の手順を使用した。
【0049】
調製された組成物を、ワイヤーラウンドロッドを用いて、5cm×5cmのPMMA板上に、7ミリグラムの高さで塗布した。SPF値を、配合した試料の45℃での4週間の貯蔵後、及び45℃で8週間の貯蔵後に、最初に測定した。「対照」も同様に測定し、同様な方法で保存した。SPF向上指数(SBF)値を、以下のように計算した。
【0050】
【数1】
【0051】
式中、SPFは、所与の時間(例えば、4週目または8週目)かつ所与の温度(室温または45℃のいずれか)で測定された「試料」のSPF値であり、SPFは、SPFと同じ温度でかつ同じ所与の貯蔵温度で測定された「体層」のSPF値である。
【0052】
本明細書に記載される加速老化試験は、周囲温度で貯蔵された市販の配合物(本発明のラテックス粒子を含有する)の予想貯蔵寿命に近似すると考えられ:例えば、45℃で約2週間は、3ヶ月後の貯蔵寿命の推定値であり、45℃で4週間は、6ヵ月後の貯蔵寿命の推定値であり、45℃で3ヶ月間は、1.5年後の貯蔵寿命の推定値である。
【0053】
したがって、空隙を有するラテックス粒子の特定期間の加熱老化後のSPF向上保持力(SBR)は、以下のように計算される。
【0054】
【数2】
【0055】
式中、SBFhaは、所与の加熱老化期間(例えば、45℃で1週間、4週間、または8週間)にある「試料」のSPF向上指数であり、およびSBFは、加熱老化を施していない「試料」の初期SPF向上指数である。
【0056】
架橋シェルポリマー組成物によって提供される熱老化後のSPF保持は、維持(SBR≧0.8の場合)、部分的維持(0.2<SBR<0.8)、維持されない(SBR≦0.2)として表される。45℃で4週間の貯蔵後にSBRを部分的にまたは維持しなかった試料については、8週間熱老化試験を行わなかった。SBR試験の結果を表6に示す。
【0057】
【表6】
【0058】
これらの結果は、本発明に従って調製された例示的な日焼け止め配合物が、比較の日焼け止め配合物より優れているとは言わないまでも同等のSPF向上保持力を提供することを実証している。
【0059】
実施例6
例示および比較の日焼け止め配合物の揮発性芳香族臭
実施例1で調製したような例示的および比較粒子の臭気プロファイルを、粒子内の全芳香族レベルによって評価した。揮発性芳香族化合について試料を分析するために、試料を5973 MS検出器とパーキンエルマーTurboMatrix 40トラップヘッドスペースオートサンプラーを備えたAgilent 6890 GC上で実行した。ラテックス結合剤(トルエン、スチレン、プロピルベンゼン、ベンズアルデヒド)のヘッドスペース揮発物に一般的に見られる多くの芳香族化合物を、既知の濃度の標準セットを用いて較正した。較正標準物質を、最初に、THF中に1−1000ppm重量/重量の既知の重量濃度で調製した。標準物質を、各較正混合物10−15mgを22mLのヘッドスペースバイアルに秤量し、テフロン(登録商標)裏打ちセプタムでキャッピングすることによって調製した。標準物質のヘッドスペース分析を、完全蒸発モードで行い、静的ヘッドスペースサンプリングで起こり得るマトリックス効果を排除した。このモードでは、小さな試料サイズが使用され、ヘッドスペースのバイアル温度は、対象の揮発性物質が完全に蒸発するのに十分に高く設定される。この分析のために、標準試料をサンプリング前に150℃で10分間加熱した。着目した各揮発性について、その化合物の少なくとも3つの標準濃度を用いて較正プロットを調製した。次いで、各化合物の各化合物のmg量を、その化合物の較正プロットからの線形最小二乗方程式を使用して決定した。次いで、各化合物のmg量を試料の初期重量で除し、次いで1,000,000を掛けることによって、各試料中の各化合物のppm(重量/重量)濃度を決定した。平均応答因子を用いて、較正標準を有さなかった試料中の任意の化合物を較正した。次いで、観察されたすべての芳香族種の個々の濃度を合計して、試料中の全芳香族濃度(ppm、重量/重量)を得た。水および空気のブランクを、シーケンスの前後で実行した。分析物の質量スペクトルを用いて、それらの特徴的なイオンに基づいて共溶出化合物を区別した。すべてのサンプルを再現性を確保するために少なくとも3回測定した。芳香族分析の結果を表7に示す。
【0060】
【表7】
【0061】
揮発性芳香族臭気試験の結果は、本発明に従って調製された例示的な日焼け止め配合物が、比較粒子よりもより優れているとは言わないまでも同等の香りプロファイルを提供することを実証している。

【国際調査報告】