(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本発明は、タンパク質をコードする外来性RNAを含む赤血球細胞に関連する組成物及び方法を含む。外来性RNAは、調節エレメントを含む異種非翻訳領域を含むことができる。代替的に又は組み合わせて、外来性RNAは、化学修飾を含むことができる。外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を作製する方法であって、a)成熟段階における赤血球細胞を提供することと、b)前記赤血球細胞を、前記外来性タンパク質をコードするmRNAと、前記赤血球細胞による前記mRNAの取込みを可能にする条件下で接触させることを含み、それにより、外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を作製する、方法。
成熟段階における赤血球細胞の集団を提供することと、前記赤血球細胞の集団の複数の細胞を、前記外来性タンパク質をコードする前記mRNAと接触させることとを含む、請求項1に記載の方法。
前記外来性タンパク質をコードする前記mRNAの取込み後、前記細胞又は前記複数の細胞は、前記外来性タンパク質を発現する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
成熟段階における前記赤血球細胞の集団は、成熟培地中で3〜7日間、例えば4〜5又は4〜6日間にわたって拡大された細胞の集団である、請求項3〜6のいずれか一項に記載の方法。
前記赤血球細胞の集団又は前記分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定されて、前記集団における前記細胞の84〜99%、85〜95%、又は約90%は、GPA陽性であることを含む赤血球細胞の集団である、請求項3〜14のいずれか一項に記載の方法。
前記赤血球細胞の集団又は前記分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定されて、前記集団における前記細胞の少なくとも84%、85%、90%、95%、又は99%は、GPA陽性であることを含む赤血球細胞の集団である、請求項3〜14のいずれか一項に記載の方法。
前記赤血球細胞の集団又は前記分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定されて、前記集団における前記細胞の54〜99%、55〜98%、60〜95%、65〜90%、70〜85%、又は75〜80%は、バンド3陽性であることを含む赤血球細胞の集団である、請求項3〜14のいずれか一項に記載の方法。
前記赤血球細胞の集団又は前記分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定されて、前記集団における前記細胞の少なくとも54%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、バンド3陽性であることを含む赤血球細胞の集団である、請求項3〜14のいずれか一項に記載の方法。
前記赤血球細胞の集団又は前記分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定されて、前記集団における前記細胞の96〜100%、97〜99%、又は約98%は、α4インテグリン陽性であることを含む赤血球細胞の集団である、請求項3〜14のいずれか一項に記載の方法。
前記赤血球細胞の集団又は前記分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定されて、前記集団における前記細胞の少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%は、α4インテグリン陽性であることを含む赤血球細胞の集団である、請求項3〜14のいずれか一項に記載の方法。
前記複数の細胞を、前記外来性タンパク質をコードする前記mRNAと接触させる前又は接触させた後、前記複数の細胞は、前記赤血球細胞の集団又は前記分化している赤血球細胞の集団から分離され、例えば、前記複数の細胞は、脱核状態に基づいて前記集団から分離される(例えば、前記複数の細胞は、有核細胞であり、及び前記集団の残りのものは、脱核細胞である)、請求項3〜20のいずれか一項に記載の方法。
前記複数の細胞を、前記外来性タンパク質をコードする前記mRNAと接触させる前又は接触させた後、例えば前記集団を脱核の阻害剤(例えば、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の阻害剤、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)の阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の阻害剤、又はプロテアソーム阻害剤)と共にインキュベートすることにより、例えば前記集団の成長、発達、ヘモグロビン合成、又は脱核プロセスを停止させることにより、前記赤血球細胞の集団又は前記分化している赤血球細胞の集団を同期させることを含む、請求項3〜20のいずれか一項に記載の方法。
前記接触は、前記分化している赤血球細胞の少なくとも50%(少なくとも60%、70%、75%、80%、90%、又は95%)が正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すときに行われる、請求項24又は25に記載の方法。
外来性タンパク質を発現する網状赤血球の集団を製造する方法であって、(a)赤血球前駆体細胞の集団を提供することと、(b)前記赤血球前駆体細胞の集団を分化条件下で培養して、分化している赤血球細胞の集団を提供することと、(c)前記分化している赤血球細胞を、前記外来性タンパク質をコードするmRNAと接触させることとを含み、改善は、前記接触が、前記分化している赤血球細胞の集団が0.1〜25%脱核されている(例えば、0.1〜20%脱核されている、0.1〜15%脱核されている、0.1〜12%脱核されている、又は0.1〜10%脱核されている)ときに行われることを含む、方法。
前記接触は、前記分化している赤血球細胞の集団が細胞分裂におけるプラトーの前に3、2、又は1未満の集団の倍加を有するときに行われる、請求項27に記載の方法。
前記接触は、前記分化している赤血球細胞の少なくとも50%(少なくとも60%、70%、75%、80%、90%、又は95%)が正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すときに行われる、請求項27又は28に記載の方法。
異種非翻訳領域(UTR)に作動可能に結合されたコード領域を含む外来性mRNAを含み、前記異種UTRは、調節エレメントを含む、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞。
表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾、表3の1つ以上の化学修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせを含む外来性mRNAを含む赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞。
前記集団における前記細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、前記mRNAと接触させてから5日後に前記外来性タンパク質を含む、請求項30に記載の方法。
前記集団における前記細胞は、例えば、前記mRNAとの前記接触から5日後に前記外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む、請求項30に記載の方法。
前記細胞は、前記mRNAと接触させた後、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15日間にわたって前記外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む、請求項30に記載の方法。
前記細胞を前記mRNAと接触させる前、接触させている間、又は接触させた後、前記細胞の集団を前記リボヌクレアーゼ阻害剤と接触させることを含む、請求項43〜49のいずれか一項に記載の方法。
前記集団の前記細胞の少なくとも80%、85%、90%、又は95%は、前記細胞が前記mRNAと接触されてから5日後に生存可能である、請求項43〜59のいずれか一項に記載の方法。
前記集団の前記細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%は、前記細胞が前記mRNAと接触されてから5日後に脱核されている、請求項43〜60のいずれか一項に記載の方法。
細胞が前記mRNAと接触されてから5日後に脱核されている前記細胞の割合は、前記リボヌクレアーゼ阻害剤で処理されていない他に同様の細胞の集団における脱核されている細胞の割合の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又は95%である、請求項43〜61のいずれか一項に記載の方法。
前記細胞の集団は、前記細胞が前記mRNAと接触されてから5日以内に少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%だけ拡大する、請求項43〜63のいずれか一項に記載の方法。
前記集団の前記細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、前記細胞が前記mRNAと接触されてから5日後に前記外来性タンパク質を発現する、請求項43〜64のいずれか一項に記載の方法。
前記集団の前記細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、前記細胞が前記mRNAと接触されてから5日後に前記外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む、請求項43〜65のいずれか一項に記載の方法。
前記細胞の集団は、前記リボヌクレアーゼ阻害剤で処理されていない他に同様の細胞の集団よりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%だけ多い、又は少なくとも2倍、3倍、4倍、若しくは5倍だけ多い前記外来性タンパク質を含む、請求項43〜66のいずれか一項に記載の方法。
前記リボヌクレアーゼ阻害剤は、RNAsin Plus、Protector RNAse Inhibitor、又はRibonuclease Inhibitor Humaである、請求項43〜73のいずれか一項に記載の反応混合物又は方法。
前記細胞を前記mRNAと接触させる前、接触させている間、又は接触させた後、例えば前記細胞を前記mRNAと接触させる0.5〜2日前又は後に前記細胞の集団を前記プロテアソーム阻害剤と接触させることを含む、請求項75〜81のいずれか一項に記載の方法。
前記集団の前記細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、前記細胞が前記mRNAと接触されてから5日後に生存可能である、請求項75〜91のいずれか一項に記載の方法。
前記集団の前記細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%は、前記細胞が前記mRNAと接触されてから5日後に脱核されている、請求項75〜92のいずれか一項に記載の方法。
前記細胞が前記mRNAと接触されてから5日後に脱核されている細胞の割合は、前記プロテアソーム阻害剤で処理されていない他に同様の細胞の集団における脱核されている細胞の割合の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又は95%である、請求項75〜93のいずれか一項に記載の方法。
前記細胞の集団は、前記細胞が前記mRNAと接触されてから5日以内に少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%だけ拡大する、請求項75〜95のいずれか一項に記載の方法。
前記集団の前記細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、前記細胞が前記mRNAと接触されてから5日後に前記外来性タンパク質を発現する、請求項75〜96のいずれか一項に記載の方法。
前記集団の前記細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、前記細胞が前記mRNAと接触されてから5日後に前記外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む、請求項75〜97のいずれか一項に記載の方法。
前記細胞の集団は、前記プロテアソーム阻害剤で処理されていない他に同様の細胞の集団よりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%だけ多い、又は少なくとも2倍、3倍、4倍、若しくは5倍だけ多い前記外来性タンパク質を含む、請求項75〜98のいずれか一項に記載の方法。
前記プロテアソーム阻害剤は、20Sプロテアソーム阻害剤、例えばMG−132若しくはカルフィルゾミブ、又は26Sプロテアソーム阻害剤、例えばボルテゾミブである、請求項75〜105のいずれか一項に記載の反応混合物又は方法。
前記赤血球細胞は、例えば、前記mRNAとの前記接触から5日後に前記第1の外来性タンパク質及び前記第2の外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む、請求項107に記載の方法。
前記赤血球細胞の集団は、例えば、前記mRNAとの前記接触から5日後に1細胞当たり前記第1の外来性タンパク質及び前記第2の外来性タンパク質の少なくとも平均1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む、請求項109に記載の方法。
前記細胞の集団は、細胞が前記第1及び第2のmRNAと接触された後、少なくとも5日間にわたって前記細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%において前記第1の外来性タンパク質及び前記第2の外来性タンパク質を含む、請求項109〜111のいずれか一項に記載の方法。
前記集団における細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%は、第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質を発現し、前記集団は、前記細胞を、前記第1又は第2の外来性タンパク質をコードするDNAと接触させることによって作製されたものではない、赤血球細胞の集団。
1細胞当たり外来性タンパク質の所定の数のコピーを含む複数の赤血球細胞を生成する方法であって、前記集団を、前記外来性タンパク質をコードする所定の量のmRNAと接触させることを含み、それにより、前記所定の量の前記外来性タンパク質を含む前記赤血球細胞を作製する、方法。
前記細胞集団を、前記集団における5E6細胞当たり0.6±20%ugのmRNAと接触させることは、1細胞当たり前記外来性タンパク質の1,000,000±20%のコピーを発現する細胞の集団を産出し、
前記細胞集団を、前記集団における5E6細胞当たり0.4±20%ugのmRNAと接触させることは、1細胞当たり前記外来性タンパク質の870,000±20%のコピーを発現する細胞の集団を産出し、
前記細胞集団を、前記集団における5E6細胞当たり0.2±20%ugのmRNAと接触させることは、1細胞当たり前記外来性タンパク質の610,000±20%のコピーを発現する細胞の集団を産出し、
前記細胞集団を、前記集団における5E6細胞当たり0.1±20%ugのmRNAと接触させることは、1細胞当たり前記外来性タンパク質の270,000±20%のコピーを発現する細胞の集団を産出し、
前記細胞集団を、前記集団における5E6細胞当たり0.05±20%ugのmRNAと接触させることは、1細胞当たり前記外来性タンパク質の100,000±20%のコピーを発現する細胞の集団を産出し、又は
前記細胞集団を、前記集団における5E6細胞当たり0.025±20%ugのmRNAと接触させることは、1細胞当たり前記外来性タンパク質の43,000±20%のコピーを発現する細胞の集団を産出する、請求項114〜116のいずれか一項に記載の方法。
前記集団の前記細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、前記細胞が前記外来性タンパク質と接触されてから1日後に前記外来性タンパク質を発現する、請求項114〜117のいずれか一項に記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、外来性RNA(例えば、タンパク質をコードするmRNA)を含む赤血球細胞に関連する組成物及び方法を含む。外来性RNAは、コード領域及び異種非翻訳領域(UTR)、例えば調節エレメントを含むUTRを含むことができる。代替的に又は組み合わせて、外来性RNAは、化学修飾を含むことができる。代替的に又は組み合わせて、外来性RNAは、miRNA等の調節RNAであり得る。理論に束縛されるものではないが、いくつかの実施形態において、外来性RNAは、例えば、安定性又は対照に対して増大された翻訳等の改善されたパラメーターを有する。
【0005】
特定の態様において、本開示は、異種非翻訳領域(UTR)に作動可能に結合されたコード領域を含む外来性mRNAを含む脱核赤血球細胞を提供する。
【0006】
特定の態様において、本開示は、異種非翻訳領域(UTR)に作動可能に結合されたコード領域を含む外来性mRNAを含む脱核赤血球細胞を提供し、異種UTRは、調節エレメントを含む。
【0007】
特定の態様において、本開示は、1つ以上の化学修飾ヌクレオチド(例えば、表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾、表3の1つ以上の化学修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせ)を含む外来性mRNAを含む赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞を提供する。
【0008】
本開示は、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞を生成する方法も提供し、方法は、
a)赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞を、調節エレメントを含む異種UTRに作動可能に結合されたコード領域を含む外来性mRNA(例えば、単離RNA又はインビトロ転写RNA)と接触させることと、
b)接触された赤血球細胞を外来性mRNAの取込みに好適な条件下で維持することと
を含み、それにより、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞を生成する。
【0009】
本開示は、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞を生成する方法も提供し、方法は、
a)赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞を、表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾、表3の1つ以上の化学修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせを含む外来性mRNAと接触させることと、
b)接触された赤血球細胞を外来性mRNAの取込みに好適な条件下で維持することと
を含み、それにより、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞を生成する。
【0010】
本開示は、脱核赤血球細胞における外来性タンパク質を生成する方法を更に提供し、
a)調節エレメントを含む異種UTRに作動可能に結合されたコード領域を含む外来性mRNA(例えば、単離RNA又はインビトロ転写RNA)を含む赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞を提供し、且つ
b)赤血球細胞を外来性タンパク質の生成に好適な条件下で培養し、それにより、外来性タンパク質を生成する。
【0011】
本開示は、脱核赤血球細胞における外来性タンパク質を生成する方法を更に提供し、
a)表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾、表3の1つ以上の化学修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせを含む赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞を提供し、且つ
b)赤血球細胞を外来性タンパク質の生成に好適な条件下で培養し、それにより、外来性タンパク質を生成する。
【0012】
特定の態様において、本開示は、外来性タンパク質を対象に提供するか、外来性タンパク質を生成することができる脱核赤血球細胞を対象に提供するか、又は対象を処置する方法を提供し、方法は、
調節エレメントを含む異種UTRに作動可能に結合されたコード領域を含む外来性mRNA(例えば、単離RNA又はインビトロ転写RNA)を含む赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞を対象に投与すること
を含み、それにより、外来性タンパク質を対象に提供するか、外来性タンパク質を生成することができる脱核赤血球細胞を対象に提供するか、又は対象を処置する。
【0013】
特定の態様において、本開示は、外来性タンパク質を対象に提供するか、外来性タンパク質を生成することができる脱核赤血球細胞を対象に提供するか、又は対象を処置する方法を提供し、方法は、
赤血球細胞、例えば表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾、表3の1つ以上の化学修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせを含む外来性mRNAを含む有核赤血球細胞を対象に投与すること
を含み、それにより、外来性タンパク質を対象に提供するか、外来性タンパク質を生成することができる脱核赤血球細胞を対象に提供するか、又は対象を処置する。
【0014】
いくつかの態様において、本開示は、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞(又はそのような細胞のバッチ)を評価する方法を提供し、方法は、
a)調節エレメントを含む異種UTRに作動可能に結合されたコード領域を含む外来性mRNAを含む赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞(又はそのような細胞のバッチ)を提供することと、
b)赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞(又はそのような細胞のバッチ)を、予め選択されたパラメーターに関して評価することと
を含み、それにより、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞(又はそのような細胞のバッチ)を評価する。
【0015】
いくつかの態様において、本開示は、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞(又はそのような細胞のバッチ)を評価する方法を提供し、方法は、
a)表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾、表3の1つ以上の化学修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせを含む赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞を提供することと、
b)赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞(又はそのような細胞のバッチ)を、予め選択されたパラメーターに関して評価することと
を含み、それにより、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞(又はそのような細胞のバッチ)を評価する。
【0016】
特定の態様において、本開示は、外来性タンパク質を含む複数の脱核赤血球細胞を生成する方法を提供し、方法は、a)赤血球細胞を、コード領域及び異種UTRを含む外来性mRNA(例えば、単離RNA又はインビトロ転写RNA)と接触させることと、b)赤血球細胞を外来性タンパク質の生成に好適な条件下で培養することとを含み、それにより、外来性タンパク質を含む脱核赤血球細胞を生成する。
【0017】
いくつかの態様において、本開示は、表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾若しくは表3の1つ以上の化学修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせを含む外来性mRNAを含む脱核赤血球細胞を提供する。
【0018】
いくつかの態様において、本開示は、外来性タンパク質を含む複数の脱核赤血球細胞を生成する方法を提供し、方法は、
a)赤血球細胞を、外来性タンパク質をコードする、本明細書に記載される外来性mRNA(例えば、単離RNA又はインビトロ転写RNA)と接触させることであって、外来性mRNAは、表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾若しくは表3の1つ以上の化学修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせを含む、接触させることと、
b)赤血球細胞を外来性タンパク質の生成に好適な条件下で培養することと
を含み、それにより、外来性タンパク質を含む脱核赤血球細胞を生成する。
【0019】
特定の態様において、本開示は、a)赤血球細胞膜貫通タンパク質、例えばGPA又はKellをコードするコード領域、及びb)異種UTR、例えば1つ以上の調節エレメントを含むUTR又はヘモグロビン3’UTRを含むRNA分子を提供する。
【0020】
特定の態様において、本開示は、a)赤血球細胞膜貫通タンパク質、例えばGPA又はKellをコードするコード領域、及びb)本明細書に記載される1つ以上の修飾ヌクレオチド、例えば表1、2、又は3のヌクレオチドを含むRNA分子を提供する。
【0021】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書に記載される赤血球細胞を生成する方法を提供し、赤血球細胞、例えば赤血球細胞前駆体を、本明細書に記載される1つ以上の核酸と接触させることと、核酸の発現を可能にする条件下に細胞を配置することとを提供する。
【0022】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書に記載される複数の赤血球細胞、例えば少なくとも10
8、10
9、10
10、10
11、又は10
12細胞を含む製剤、例えば医薬製剤を提供する。
【0023】
いくつかの態様において、本開示は、成熟段階中、例えば成熟段階の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14日間中に赤血球細胞を外来性mRNAと接触させる方法を提供する。
【0024】
本明細書の任意の態様、例えば上記の態様は、本明細書の実施形態の1つ以上、例えば下記の実施形態により特徴付けることができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、本明細書の方法は、
c)外来性RNAの取込み後に赤血球細胞を培養するステップ
を含む。
【0026】
実施形態において、UTRは、対象コード領域以外のコード領域に天然に作動可能に結合された状態で生じ、又はそのような天然に生じるUTRに対して少なくとも70、80、90、95、99、又は100%相同性を有する。実施形態において、UTRは、対象コード領域を伴って天然に生じず、例えば、対象コード領域と天然に作動可能に結合された状態で生じるUTRからのそのヌクレオチドと少なくとも1ヌクレオチド、例えば少なくとも1、2、3、4、5、10、20、25、30、35、40、45、又は50%異なる。実施形態において、UTRは、天然に存在しない。
【0027】
実施形態において、UTRは、3’UTRを含む。実施形態において、UTRは、5’UTRを含む。実施形態において、異種UTRは、5’UTRであり、外来性mRNAは、異種3’UTRを更に含む。実施形態において、UTRは、イントロンに対応する領域を含む。いくつかの実施形態において、RNAは、選択的スプライシングを受けることが可能であり得、例えば複数のスプライスアイソフォームをコードする。実施形態において、選択的スプライシングは、エクソンスキッピング、選択的5’供与部位使用、選択的3’受容部位使用、又はイントロン保持を含む。一実施形態において、UTRは、コード領域内のイントロンを含む。一実施形態において、コード領域内のイントロンは、UTRを含む。一実施形態において、UTRは、イントロンを含む5’UTRである。
【0028】
実施形態において、脱核赤血球細胞は、第2のUTRを更に含む。実施形態において、脱核赤血球は、3’UTR及び5’UTRを含む。
【0029】
実施形態において、UTRは、野生型ヒト細胞内に天然に生じる。実施形態において、UTRは、野生型ヒト細胞に天然に生じない。
【0030】
実施形態において、コード領域は、野生型ヒト細胞内に天然に生じ、及び/又は野生型ヒト細胞内に天然に生じるタンパク質をコードする。実施形態において、コード領域は、野生型ヒト細胞内に天然に生じず、及び/又は野生型ヒト細胞内に天然に生じないタンパク質をコードする。実施形態において、UTRは、野生型赤血球細胞内に発現したコード領域、例えばヘモグロビンコード領域と作動可能に結合された状態で天然に生じる。
【0031】
実施形態において、UTRは、グロビンUTR、例えばヘモグロビンUTRであり、例えば配列番号1の配列、又は配列番号1の配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一の配列を有する。
【0032】
実施形態において、コード領域は、酵素、抗体分子、補体調節タンパク質、キレート剤、又は表4に列挙したタンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、外来性ポリペプチドは、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)又はフェニルアラニン−代謝断片又はその変異体を含む。
【0033】
実施形態において、細胞は、外来性mRNAによりコードされるタンパク質を更に含む。実施形態において、細胞は、外来性mRNAをコードするDNAを含まない。
【0034】
いくつかの実施形態において、細胞は、低張負荷されておらず、又は低張負荷されない。
【0035】
実施形態において、外来性mRNAは、1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、化学的バックボーン修飾若しくは修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせを含む。実施形態において、複数における細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、又は85%、外来性タンパク質を生成する。実施形態において、細胞集団は、少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%の細胞生存率を有する。
【0036】
実施形態において、方法は、遺伝子導入、電気穿孔、低張負荷、細胞圧の変化、細胞変形(例えば、細胞圧迫(CellSqueeze))、又は細胞膜を破裂させて外来性RNAを細胞に進入させる他の方法を含む。
【0037】
実施形態において、外来性mRNAは、同様の赤血球細胞内の化学修飾を欠いた対応するmRNAの半減期よりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%だけ長い、又は2倍、5倍、10倍、20倍、若しくは100倍だけ長い半減期を有する。実施形態において、mRNAの導入後に同様の時点で測定した場合、外来性mRNAは、他に同様の赤血球細胞における化学修飾を欠いている同一の配列のmRNAのレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%だけ高い、又は2倍、5倍、10倍、20倍、若しくは100倍だけ高いレベルで赤血球細胞内に存在する。
【0038】
実施形態において、外来性タンパク質は、mRNAの導入後に同様の時点で測定した場合、他に同様の赤血球細胞における化学修飾を欠いている同一の配列のmRNAにより生成されるタンパク質のレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%だけ高い、又は2倍、5倍、10倍、20倍、若しくは100倍だけ高いレベルで赤血球細胞内に存在する。実施形態において、時点は、細胞がmRNAと接触してから1、2、3、4、5、6、7、14、21、又は28日後である。実施形態において、化学修飾は、シュードウリジンを含む。実施形態において、mRNAは、キャップを更に含む。実施形態において、mRNAは、ポリAテイルを更に含む。
【0039】
実施形態において、外来性タンパク質は、mRNAの導入後に同様の時点で測定した場合、他に同様の赤血球細胞におけるポリAテイルを欠いている同一の配列のmRNAにより生成されるタンパク質のレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%だけ高い、又は2倍、5倍、10倍、20倍、若しくは100倍だけ高いタンパク質のレベルで赤血球細胞内に存在する。実施形態において、時点は、細胞がmRNAと接触してから1、2、3、4、5、6、7、14、21、又は28日後である。
【0040】
実施形態において、本明細書に記載される細胞は、異種UTR、例えば調節エレメントを含む異種UTRと、更に化学修飾とを含み、例えば表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾、表3の1つ以上の化学修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0041】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される接触ステップ(例えば、赤血球細胞をmRNAと接触させること)は、細胞の脱核前に行われ、別の実施形態では、接触ステップは、細胞の脱核後に行われる。実施形態において、接触ステップは、複数の脱核細胞及び複数の有核細胞を含む細胞の集団に対して行われる。細胞の集団は、例えば、主として有核であるか又は主として脱核され得る。実施形態において、方法は、細胞を脱核に好適な条件下で培養することを含む。
【0042】
本明細書の任意の方法のいくつかの実施形態において、提供は、赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞を、調節エレメントを含む異種UTRに作動可能に結合されたコード領域を含む外来性mRNA(例えば、単離RNA又はインビトロ転写RNA)と接触させることを含む。実施形態において、提供は、赤血球細胞を他の主体から受容することを含む。
【0043】
実施形態において、本明細書に記載されるパラメーターは、外来性タンパク質を発現する能力;外来性タンパク質の構造若しくは機能;内在性mRNAを含む細胞の割合;内在性タンパク質を含む細胞の割合;細胞内の外来性mRNAのレベル;細胞内の外来性タンパク質のレベル;細胞増殖率;又は細胞分化状態から選択される。実施形態において、方法は、予め選択されたパラメーターに関する値を参照と比較することを含む。実施形態において、方法は、パラメーターに関する値又は参照との値の比較に応答して、細胞又は細胞のバッチを分類、容認又は拒絶することを含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される細胞は、細胞の集団内に配置されている。実施形態において、細胞の集団は、本明細書に記載される複数の細胞を含み、任意選択的に、1つ以上の他の細胞、例えば外来性mRNAを欠いている野生型赤血球細胞、有核赤血球細胞、又は非赤血球細胞を更に含む。実施形態において、細胞の集団は、少なくとも、第1の外来性RNAを含む第1の細胞及び第2の外来性RNAを含む第2の細胞を含む。実施形態において、細胞の集団は、少なくとも、第1の外来性RNA及び第2の外来性RNAを含む第1の細胞を含む。
【0045】
実施形態において、RNAは、インビトロ転写又は固相化学合成によって生成される。
【0046】
いくつかの実施形態において、例えば成熟段階中に赤血球細胞を外来性mRNAと接触させることを含む実施形態では、接触は、電気穿孔を含む。いくつかの実施形態において、接触は、成熟の6〜8、5〜9、4〜10、3〜11、2〜12、又は1〜13日目に行われる。いくつかの実施形態において、接触は、成熟の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13若しくは14日目又はその後に行われる。いくつかの実施形態において、方法は、接触後に細胞を少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、又は20日間にわたって培養することを更に含む。いくつかの実施形態において、方法は、接触後、例えば細胞をmRNAと接触させてから1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14日後に遺伝子導入mRNAの発現を試験すること、例えば遺伝子導入mRNAによりコードされるタンパク質のレベルを検出することを更に含む。
【0047】
いくつかの態様において、本開示は、外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を製造する方法を提供し、方法は、
a)成熟段階における赤血球細胞を提供することと、
b)赤血球細胞を、外来性タンパク質をコードするmRNAと、赤血球細胞によるmRNAの取込みを可能にする条件下で接触させる(例えば、電気穿孔する)ことと
を含み、それにより、外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を製造する。
【0048】
実施形態において、方法は、成熟段階における赤血球細胞の集団を提供することと、集団を、外来性タンパク質をコードするmRNAと接触させることとを含む。実施形態において、集団の複数の赤血球細胞は、外来性タンパク質をコードするmRNAをそれぞれ取込む。実施形態において、細胞は、外来性タンパク質を発現する。実施形態において、細胞は、外来性タンパク質を含む。実施形態において、集団における複数の細胞は、外来性タンパク質を発現する。実施形態において、成熟段階における細胞の集団は、成熟培地中で3〜7日間、例えば4〜5又は4〜6日間にわたって拡大された細胞の集団である。実施形態において、成熟段階における細胞の集団は、例えば、特定のパーセントの脱核、翻訳活性、又は細胞表面マーカー発現を有する、本明細書に記載される集団である。
【0049】
実施形態において、集団における細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、mRNAと接触させてから5日後に外来性タンパク質を含む。実施形態において、集団における細胞は、例えば、mRNAとの接触から5日後に外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む。実施形態において、細胞は、mRNAと接触させた後、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15日間にわたって外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む。実施形態において、細胞は、mRNAと接触させた後、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15日間にわたって外来性タンパク質の少なくとも1,000コピーを含む。
【0050】
いくつかの態様において、本開示は、外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を製造する方法を提供し、方法は、
a)成熟段階における赤血球細胞を提供することと、
b)赤血球細胞によるmRNAの取込みを可能にする条件下において、赤血球細胞を、外来性タンパク質をコードするmRNAと接触させることと
を含み、それにより、外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を製造する。
【0051】
実施形態において、方法は、成熟段階における赤血球細胞の集団を提供することと、赤血球細胞の集団の複数の細胞を、外来性タンパク質をコードするmRNAと接触させることとを含む。実施形態において、成熟段階における赤血球細胞の集団は、成熟培地中で3〜7日間、例えば4〜5又は4〜6日間にわたって拡大された細胞の集団である。実施形態において、赤血球細胞の集団は、以下の特性:
i.a)集団における細胞の2〜40%、3〜33%、5〜30%、10〜25%、又は15〜20%は、脱核されていること、
i.b)集団における細胞の0%、0.1%、0.2%、又は0.5%を超えるが、2%、3%、4%、又は5%未満は、脱核されていること、
i.c)集団における細胞の0%、0.1%、0.2%、又は0.5%を超えるが、6%、10%、15%、20%、又は25%未満は、脱核されていること、
i.d)集団における細胞の0%、0.1%、0.2%、又は0.5%を超えるが、30%、35%、40%、45%、又は50%未満は、脱核されていること、
i.e)集団における細胞の1%、2%、3%、5%、10%、15%、又は20%以下は、脱核されていること、
i.f)集団における細胞の25%、30%、35%、40%、45%、又は50%以下は、脱核されていること、
i.g)細胞の集団は、最大脱核の6〜70%、10〜60%、20〜50%、又は30〜40%に到達していること、
i.h)細胞の集団は、最大脱核の1%、2%、3%、5%、10%、15%、又は20%以下に到達していること、
i.i)細胞の集団は、最大脱核の25%、30%、35%、40%、45%、50%、又は60%以下に到達していること、
ii.a)細胞の集団は、細胞分裂におけるプラトーから3、2、又は1未満だけ倍加した集団であること、
ii.b)細胞の集団は、3、2、又は1未満の集団の倍加が可能であること、
ii.c)集団は、集団が集団における細胞の少なくとも70%の脱核レベルに到達する前に1.5、2、又は3倍以下だけ増大すること、
iii.a)集団における細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)であること、
iii.b)集団における細胞の少なくとも50%、60%、70%、75%、又は79%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)であること、
iii.c)集団における細胞の30〜90%、40〜90%、50〜90%、60〜90%、又は70〜90%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)であること、
iii.d)集団における細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すこと、
iii.e)集団における細胞の少なくとも50%、60%、70%、75%、又は79%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すこと、又は
iii.f)集団における細胞の30〜90%、40〜90%、50〜90%、60〜90%、又は70〜90%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すこと
の1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、又はそれを超える)を含む赤血球細胞の集団である。
【0052】
実施形態において、複数の細胞を、外来性タンパク質をコードするmRNAと接触させる前又は接触させた後、複数の細胞は、赤血球細胞の集団から分離され、例えば複数の細胞は、脱核状態に基づいて集団から分離される(例えば、複数の細胞は、有核細胞であり、及び集団の残りのものは、脱核細胞である)。
【0053】
実施形態において、複数の細胞を、外来性タンパク質をコードするmRNAと接触させる前又は接触させた後、方法は、例えば、集団を脱核の阻害剤(例えば、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の阻害剤、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)の阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の阻害剤、又はプロテアソーム阻害剤)と共にインキュベートすることにより、例えば集団の成長、発達、ヘモグロビン合成、又は脱核プロセスを停止させることにより、赤血球細胞の集団の分化ステージを同期させることを更に含む。実施形態において、停止は、集団における細胞の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10%超の脱核前に行われる。
【0054】
いくつかの態様において、本開示は、外来性タンパク質を発現する網状赤血球の集団を製造する方法を提供し、方法は、
(a)赤血球前駆体細胞(例えば、CD34+細胞)の集団を提供することと、
(b)赤血球前駆体細胞の集団を分化条件下で培養して、分化している赤血球細胞の集団を提供することと、
(c)分化している赤血球細胞を、外来性タンパク質をコードするmRNAと、分化している赤血球細胞によるmRNAの取込みを可能にする条件下で接触させることであって、分化している赤血球細胞の集団が0.1〜25%脱核されている(例えば、0.1〜20%脱核されている、0.1〜15%脱核されている、0.1〜12%脱核されている、又は0.1〜10%脱核されている)ときに行われる、接触させることと、
(d)分化している赤血球細胞を更に培養して、網状赤血球の集団を提供することと
を含み、それにより、外来性タンパク質を発現する網状赤血球の集団を製造する。
【0055】
実施形態において、更なる培養は、3、2、又は1未満の集団の倍加を含む。実施形態において、接触は、分化している赤血球細胞の少なくとも50%(少なくとも60%、70%、75%、80%、90%、又は95%)が正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すときに行われる。
【0056】
いくつかの態様において、本開示は、外来性タンパク質を発現する網状赤血球の集団を製造する方法を提供し、方法は、(a)赤血球前駆体細胞の集団を提供することと、(b)赤血球前駆体細胞の集団を分化条件下で培養して、分化している赤血球細胞の集団を提供することと、(c)分化している赤血球細胞を、外来性タンパク質をコードするmRNAと接触させることとを含み、改善は、接触が、分化している赤血球細胞の集団が0.1〜25%脱核されている(例えば、0.1〜20%脱核されている、0.1〜15%脱核されている、0.1〜12%脱核されている、又は0.1〜10%脱核されている)ときに行われることを含む。
【0057】
実施形態において、接触は、分化している赤血球細胞の集団が細胞分裂におけるプラトーの前に3、2、又は1未満の集団の倍加を有するときに行われる。実施形態において、接触は、分化している赤血球細胞の少なくとも50%(少なくとも60%、70%、75%、80%、90%、又は95%)が正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すときに行われる。
【0058】
いくつかの態様において、本開示は、外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を作製する方法を提供し、方法は、
赤血球細胞及び外来性タンパク質をコードするmRNAを含む反応混合物を、例えば反応混合物中にリボヌクレアーゼ阻害剤を含めることにより、mRNAの分解を阻害する条件下で提供することと、
赤血球細胞によるmRNAの取込みを可能にする条件下で反応混合物を維持することと
を含み、それにより、外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を作製する。
【0059】
実施形態において、方法は、赤血球細胞の集団を提供することと、集団を、外来性タンパク質をコードするmRNAと接触させることとを含む。実施形態において、集団の複数の赤血球細胞は、外来性タンパク質をコードするmRNAをそれぞれ取込む。実施形態において、細胞又は複数の細胞は、外来性タンパク質を発現する。実施形態において、細胞又は複数の細胞は、外来性タンパク質を含む。実施形態において、方法は、細胞又は細胞の集団を電気穿孔することを更に含む。実施形態において、方法は、赤血球細胞の集団をリボヌクレアーゼ阻害剤と接触させることを更に含む。実施形態において、方法は、細胞をmRNAと接触させる前、接触させている間、又は接触させた後、細胞の集団をリボヌクレアーゼ阻害剤と接触させることを含む。実施形態において、方法は、成熟段階の4、5、又は6日目に細胞をリボヌクレアーゼ阻害剤と接触させることを含む。実施形態において、細胞は、成熟段階にある。実施形態において、成熟段階における細胞の集団は、例えば、特定のパーセント脱核、翻訳活性、又は細胞表面マーカー発現を有する、本明細書に記載される集団である。
【0060】
実施形態において、mRNAは、インビトロ転写mRNAである。
【0061】
実施形態において、集団の細胞の少なくとも80%、85%、90%、又は95%(及び任意選択的に95%まで)は、細胞がmRNAと接触されてから5日後に生存可能(例えば、Annexin V染色により決定して)である。実施形態において、集団の細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%は、細胞がmRNAと接触されてから5日後に脱核されている。実施形態において、細胞がmRNAと接触されてから5日後に脱核されている細胞の割合は、リボヌクレアーゼ阻害剤で処理されていない他に同様の細胞の集団における脱核されている細胞の割合の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又は95%である。実施形態において、細胞の集団は、細胞がmRNAと接触される時点で少なくとも1×10
6、2×10
6、5×10
6、1×10
7、2×10
7、5×10
7、又は1×10
8細胞を含む。実施形態において、細胞の集団は、細胞がmRNAと接触されてから5日以内に少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%だけ拡大する。実施形態において、集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、細胞がmRNAと接触されてから5日後に外来性タンパク質を発現する。実施形態において、集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、細胞がmRNAと接触されてから5日後に外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む。実施形態において、集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、細胞がmRNAと接触されてから5日後に外来性タンパク質の少なくとも1,000コピーを含む。実施形態において、集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、細胞がmRNAと接触されてから5日後に外来性タンパク質の少なくとも10,000コピーを含む。実施形態において、細胞の集団は、リボヌクレアーゼ阻害剤で処理されていない他に同様の細胞の集団よりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%だけ多い、又は少なくとも2倍、3倍、4倍、若しくは5倍だけ多い外来性タンパク質を含む。
【0062】
本開示は、いくつかの態様において、i)赤血球細胞、ii)外来性タンパク質を含むmRNA、及びiii)リボヌクレアーゼ阻害剤を含む反応混合物も提供する。
【0063】
実施形態において、mRNAは、赤血球細胞内にある。実施形態において、反応混合物は、複数の赤血球細胞を含む。
【0064】
本開示は、いくつかの態様において、リボヌクレアーゼ阻害剤に関する外来性タンパク質を含む脱核赤血球細胞を含む反応混合物をアッセイする方法も提供し、方法は、
外来性タンパク質を含む脱核赤血球細胞を含む反応混合物を提供することと、
例えば、反応混合物のアリコートにおける例えばELISA、ウェスタンブロット、又は質量分析により、リボヌクレアーゼ阻害剤の存在又はレベルに関してアッセイすることと
を含む。
【0065】
実施形態において、方法は、リボヌクレアーゼ阻害剤のレベルを基準値と比較することを含む。
【0066】
実施形態において、方法は、比較に応答して、
集団を、例えば必須要件を満たすか又は必須要件を満たさないとして分類することであって、必須要件は、例えば、リボヌクレアーゼ阻害剤のレベルが基準値を下回る場合に満たされる、分類すること、
例えば、リボヌクレアーゼ阻害剤のレベルが基準値を上回る場合、集団が、続く精製ステップに好適であるとき、集団を、続く処理ステップに好適であるか又は好適でないとして分類すること、
集団を、治療としての使用に好適であるか又は好適でないとして分類すること、又は
例えば、リボヌクレアーゼ阻害剤のレベルが基準値を下回る場合、集団又はそのアリコートを治療的使用のために処方又は包装すること
の1つ以上を更に含む。
【0067】
実施形態において、リボヌクレアーゼ阻害剤は、RNAsin Plus(例えば、Promegaより)、Protector RNAse Inhibitor(例えば、Sigmaより)、又はRibonuclease Inhibitor Huma(例えば、Sigmaより)である。
【0068】
本開示は、いくつかの態様において、外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を作製する方法を提供し、方法は、
赤血球細胞及び外来性タンパク質をコードするmRNAを含む反応混合物を、例えば反応混合物中にプロテアーゼ阻害剤、例えばプロテアソーム阻害剤を含めることにより、タンパク質分解を阻害する条件下で提供することと、
赤血球細胞によるmRNAの取込みを可能にする条件下で反応混合物を維持することと
を含み、それにより、外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を作製する。
【0069】
実施形態において、方法は、赤血球細胞の集団を提供することと、集団を、外来性タンパク質をコードするmRNAと接触させることとを含む。実施形態において、集団の複数の赤血球細胞は、外来性タンパク質をコードするmRNAをそれぞれ取込む。実施形態において、細胞又は複数の細胞は、外来性タンパク質を発現する。実施形態において、細胞又は複数の細胞は、外来性タンパク質を含む。実施形態において、方法は、細胞又は細胞の集団を電気穿孔することを更に含む。実施形態において、方法は、赤血球細胞の集団をプロテアソーム阻害剤と接触させることを更に含む。実施形態において、方法は、細胞をmRNAと接触させる前、接触させている間、又は接触させた後、例えば細胞をmRNAと接触させる0.5〜2日前又は後に細胞の集団をプロテアソーム阻害剤と接触させることを含む。実施形態において、方法は、細胞をmRNAと接触させる0.5〜2日前に赤血球細胞の集団をプロテアソーム阻害剤と接触させることを含む。実施形態において、方法は、電気穿孔前にプロテアソーム阻害剤を除去する(例えば、細胞を洗浄することにより)ことを含む。
【0070】
実施形態において、方法は、成熟の3〜7日目、例えば成熟段階の4、5、又は6日目に細胞をプロテアソーム阻害剤と接触させることを含む。実施形態において、細胞は、成熟段階にある。実施形態において、成熟段階における細胞の集団は、例えば、特定のパーセント脱核、翻訳活性、又は細胞表面マーカー発現を有する、本明細書に記載される集団である。
【0071】
実施形態において、mRNAは、インビトロ転写mRNAである。実施形態において、集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、細胞がmRNAと接触されてから5日後に生存可能である。実施形態において、集団の細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%は、細胞がmRNAと接触されてから5日後に脱核されている。実施形態において、細胞がmRNAと接触されてから5日後に脱核されている細胞の割合は、プロテアソーム阻害剤で処理されていない他に同様の細胞の集団における脱核されている細胞の割合の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又は95%である。実施形態において、細胞の集団は、細胞がmRNAと接触される時点で少なくとも1×10
6、2×10
6、5×10
6、1×10
7、2×10
7、5×10
7、又は1×10
8細胞を含む。
【0072】
実施形態において、細胞の集団は、細胞がmRNAと接触されてから5日以内に少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%だけ拡大する。実施形態において、集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、細胞がmRNAと接触されてから5日後に外来性タンパク質を発現する。実施形態において、集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、細胞がmRNAと接触されてから5日後に外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む。実施形態において、集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、細胞がmRNAと接触されてから5日後に外来性タンパク質の少なくとも1,000コピーを含む。実施形態において、集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、細胞がmRNAと接触されてから5日後に外来性タンパク質の少なくとも10,000コピーを含む。実施形態において、細胞の集団は、プロテアソーム阻害剤で処理されていない他に同様の細胞の集団よりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%だけ多い、又は少なくとも2倍、3倍、4倍、若しくは5倍だけ多い外来性タンパク質を含む。
【0073】
いくつかの態様において、本開示は、i)赤血球細胞、ii)外来性タンパク質を含むmRNA、及びiii)プロテアソーム阻害剤を含む反応混合物を提供する。
【0074】
実施形態において、mRNAは、赤血球細胞内にある。実施形態において、反応混合物は、複数の赤血球細胞を含む。
【0075】
本開示は、いくつかの態様において、プロテアソーム阻害剤に関する外来性タンパク質を含む脱核赤血球細胞を含む反応混合物をアッセイする方法も提供し、方法は、
外来性タンパク質を含む脱核赤血球細胞を含む反応混合物を提供することと、
例えば、反応混合物のアリコートにおける例えばELISA、ウェスタンブロット、又は質量分析により、プロテアソーム阻害剤の存在又はレベルに関してアッセイすることと
を含む。
【0076】
実施形態において、方法は、プロテアソーム阻害剤のレベルを基準値と比較することを更に含む。
【0077】
実施形態において、方法は、比較に応答して、
集団を、例えば必須要件を満たすか又は必須要件を満たさないとして分類することであって、必須要件は、例えば、プロテアソーム阻害剤のレベルが基準値を下回る場合に満たされる、分類すること、
例えば、プロテアソーム阻害剤のレベルが基準値を上回る場合、集団が、続く精製ステップに好適であるとき、集団を、続く処理ステップに好適であるか又は好適でないとして分類すること、
集団を、治療としての使用に好適であるか又は好適でないとして分類すること、
例えば、プロテアソーム阻害剤のレベルが基準値を下回る場合、集団又はそのアリコートを治療的使用のために処方又は包装すること
の1つ以上を更に含む。
【0078】
実施形態において、プロテアソーム阻害剤は、20Sプロテアソーム阻害剤、例えばMG−132若しくはカルフィルゾミブ、又は26Sプロテアソーム阻害剤、例えばボルテゾミブである。
【0079】
実施形態において、第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を作製する方法であって、
a)例えば、成熟段階における赤血球細胞を提供することと、
b)赤血球細胞を、第1の外来性タンパク質をコードする第1のmRNA及び第2の外来性タンパク質をコードする第2のmRNAと、赤血球細胞による第1のmRNA及び第2のmRNAの取込みを可能にする条件下で接触させることと
を含み、それにより、第1のmRNA及び第2のmRNAを含む赤血球細胞を作製する、方法である。
【0080】
実施形態において、赤血球細胞は、例えば、mRNAとの接触から5日後に第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む。
【0081】
本開示は、いくつかの態様において、第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質を発現する赤血球細胞の集団を生成する方法も提供し、方法は、
a)例えば、成熟段階における赤血球細胞を提供することと、
b)赤血球細胞の集団を、第1の外来性タンパク質をコードする第1のmRNA、及び第2の外来性タンパク質をコードする第2のmRNAと接触させることと
を含み、それにより、外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を作製し、集団における細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%は、第1のmRNA及び第2のmRNAの両方を含む。
【0082】
実施形態において、赤血球細胞の集団は、例えば、mRNAとの接触から5日後に1細胞当たり第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質の少なくとも平均1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む。
【0083】
実施形態において、接触は、電気穿孔を行うことを含む。
【0084】
実施形態において、細胞の集団は、細胞を第1及び第2のmRNAと接触させた後、少なくとも5日間にわたって細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%において第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質を含む。実施形態において、細胞の集団は、細胞を第1及び第2のmRNA接触させた後、少なくとも2、4、6、8、10、12、又は14日間にわたって細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%において第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質を含む。実施形態において、細胞の集団は、細胞を第1及び第2のmRNAとさせた後、少なくとも2、4、6、8、10、12、又は14日間にわたって細胞の少なくとも80%において第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質を含む。
【0085】
実施形態において、第1の外来性タンパク質は、第2の外来性タンパク質よりも10%、20%、30%、40%、又は50%以下だけ長いアミノ酸長を有する。いくつかの実施形態において、赤血球細胞集団における第2の外来性タンパク質の平均レベルは、第1の外来性タンパク質のレベルの10%、20%、30%、40%、又は50%以下である。
【0086】
実施形態において、第1の外来性タンパク質は、第2の外来性タンパク質のアミノ酸長よりも少なくとも50%、60%、70%、80%、90%だけ長い、又は第2の外来性タンパク質のアミノ酸長の2倍、若しくは3倍だけ長いアミノ酸長を有する。いくつかの実施形態において、赤血球細胞集団における第2の外来性タンパク質の平均レベルは、第1の外来性タンパク質のレベルよりも少なくとも50%、60%、70%、80%、90%だけ高いか、又は第1の外来性タンパク質のレベルの2倍、若しくは3倍だけ高い。
【0087】
本開示は、特定の態様において、集団における細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%が第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質を発現し、集団が、細胞を第1又は第2の外来性タンパク質をコードするDNAと接触させることによって作製されたものではない、赤血球細胞の集団も提供する。
【0088】
本開示は、特定の態様において、1細胞当たり外来性タンパク質の所定の数のコピーを含む複数の赤血球細胞を生成する方法も提供し、方法は、集団を、外来性タンパク質をコードする所定の量のmRNAと接触させることを含み、それにより、所定の量の外来性タンパク質を含む赤血球細胞を作製する。実施形態において、方法は、複数の赤血球細胞(例えば、脱核赤血球細胞)の1つ以上を評価して、外来性タンパク質の量を決定することを更に含む。
【0089】
いくつかの態様において、本開示は、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞のサンプル中の外来性タンパク質の量を評価する方法を提供し、方法は、
1細胞当たり外来性タンパク質の所定の数のコピーを含む複数の赤血球細胞を提供することであって、赤血球細胞は、集団を、外来性タンパク質をコードする所定の量のmRNAと接触させることによって作製されたものである、提供することと、
複数の赤血球細胞における外来性タンパク質の量を決定することと
を含む。
【0090】
いくつかの実施形態において、方法は、
細胞集団を、集団における5E6細胞当たり0.6±50%、±20%又は±10%ugのmRNAと接触させることが、1細胞当たり外来性タンパク質の1,000,000±50%、±20%又は±10%のコピーを発現する細胞の集団を産出すること、
細胞集団を、集団における5E6細胞当たり0.4±50%、±20%又は±10%ugのmRNAと接触させることが、1細胞当たり外来性タンパク質の870,000±50%、±20%のコピーを発現する細胞の集団を産出すること、
細胞集団を、集団における5E6細胞当たり0.2±50%、±20%又は±10%ugのmRNAと接触させることが、1細胞当たり外来性タンパク質の610,000±50%、±20%、又は±10%のコピーを発現する細胞の集団を産出すること、
細胞集団を、集団における5E6細胞当たり0.1±50%、±20%又は±10%ugのmRNAと接触させることが、1細胞当たり外来性タンパク質の270,000±50%、±20%、又は±10%のコピーを発現する細胞の集団を産出すること、
細胞集団を、集団における5E6細胞当たり0.05±50%、±20%又は±10%ugのmRNAと接触させることが、1細胞当たり外来性タンパク質の100,000±50%、±20%、又は±10%のコピーを発現する細胞の集団を産出すること、又は
細胞集団を、集団における5E6細胞当たり0.025±50%、±20%又は±10%ugのmRNAと接触させることが、1細胞当たり外来性タンパク質の43,000±50%、±20%、又は±10%のコピーを発現する細胞の集団を産出すること
を含む。
【0091】
実施形態において、集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、細胞が外来性タンパク質と接触されてから1日後に外来性タンパク質を発現する。
【0092】
本明細書の任意の態様のいくつかの実施形態において、本明細書に記載される赤血球細胞の集団(例えば、mRNAと接触された細胞の集団)は、
集団における細胞の2〜40%、3〜33%、5〜30%、10〜25%、又は15〜20%は、脱核されていること、
集団における細胞の3%、5%、10%、20%、又は30%未満は、脱核されていること、
集団における細胞の0を超え(例えば、0.1%、0.2%、0,5%)且つ50%(40%、30%、20%、18%、15%、12%、10%)以下は、脱核されていること、
細胞の集団は、最大脱核の6〜70%、10〜60%、20〜50%、又は30〜40%に到達していること、
細胞の集団は、最大脱核の6%、10%、20%、30%、40%、50%、又は60%未満に到達していること、
細胞の集団は、BONCATアッセイ、例えば実施例10の翻訳アッセイによって測定されて、少なくとも600,000、800,000、1,000、000、1,200,000、1,400,000、1,600,000、1,800,000、2,000,000、2,200,000、又は2,400,000の翻訳活性を有すること、
細胞の集団は、BONCATアッセイ、例えば実施例10の翻訳アッセイによって測定されて、600,000〜2,400,000、800,000〜2,200,000、1,000、000〜2,000,000、1,200,000〜1,800,000、又は1,400,000〜1,600,000の翻訳活性を有すること、
成熟段階における細胞の集団は、最大翻訳活性の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%を有し、最大翻訳活性は、同様の数の、成熟段階における細胞の前駆体又は前駆細胞、例えばCD34+細胞の最大翻訳活性を指すこと、
集団における細胞の0.1〜25%は、脱核され、細胞の集団は、細胞分裂におけるプラトーから1、2又は3未満だけ倍加した集団であること、
細胞の集団は、細胞分裂におけるプラトーから3、2、又は1未満だけ倍加した集団であること、
細胞の集団は、3、2、又は1未満の集団の倍加が可能であること、
集団は、集団が集団における細胞の少なくとも70%の脱核レベルに到達する前に1.5、2、又は3倍以下だけ増大すること、
集団における細胞の84〜99%、85〜95%、又は約90%は、GPA陽性(例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定して)であること、
集団における細胞の少なくとも84%、85%、90%、95%、又は99%は、GPA陽性(例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定して)であること、
集団における細胞の54〜99%、55〜98%、60〜95%、65〜90%、70〜85%、又は75〜80%は、バンド3陽性(例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定して)であること、
集団における細胞の少なくとも54%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、バンド3陽性(例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定して)であること、
集団における細胞の96〜100%、97〜99%、又は約98%は、α4インテグリン陽性(例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定して)であること、
集団における細胞の少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%は、α4インテグリン陽性(例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定して)であること、
集団における細胞の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、92%、94%、96%)は、α4インテグリン陽性及びバンド3陽性であること、又は
集団における細胞の少なくとも50%の細胞は、バンド3陽性であり、及び少なくとも90%〜95%は、α4インテグリン陽性であること
の1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8又はそれを超える)である、赤血球細胞の集団である。
【0093】
本開示は、前述した態様及び/又は実施形態の任意の1つ以上の全ての組み合わせ、並びに本明細書及び実施例に詳細した任意の実施形態の任意の1つ以上との組み合わせを想定している。
【0094】
本明細書に記載したものと類似の又は均等な方法及び材料を本発明の実践又は試験に使用することができるが、好適な方法及び材料が以下に記載される。本明細書に言及した全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献(例えば、配列データベース参照番号)は、それらの全体が参照により組み込まれる。例えば、例として本明細書の任意の表において本明細書に引用した全てのジェンバンク、Unigene、及びEntrez配列は、参照により組み込まれる。特に明記しない限り、本明細書(本明細書の任意の表内を含む)に特定した配列受入番号は、2016年7月7日現在最新のデータベースエントリーを指す。1つの遺伝子又はタンパク質が複数の配列受入番号を参照する場合、配列変異体の全てが包含される。
【発明を実施するための形態】
【0096】
定義
本明細書で使用するとき、用語「抗体分子」は、タンパク質、例えば少なくとも1つの免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む免疫グロブリン鎖又はその断片を指す。用語「抗体分子」は、抗体及び抗体断片を包含する。一実施形態において、抗体分子は、多特異性抗体分子、例えば二重特異性抗体分子である。抗体分子の例としては、限定されるものではないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片、scFv抗体断片、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、VH及びCH1ドメインからなるFd断片、線状抗体、sdAb(VL又はVHのいずれか)等の単一ドメイン抗体、ラクダ科動物VHHドメイン、ヒンジ領域においてジスルフィド架橋によって結合された2つのFab断片を含む二価断片等の抗体断片から形成された多特異性抗体、抗体の単離されたエピトープ結合断片、マキシボディ(maxibodies)、ミニボディ(minibodies)、ナノボディ、細胞内抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体、v−NAR及びビス−scFvが挙げられる。
【0097】
本明細書で使用するとき、「分化条件」は、典型的にはエリスロポエチン及び他の成長因子の添加を伴って、その下でエクスビボ培養物中において赤血球前駆体細胞、例えばHSC、又はCD34+細胞が増幅し、脱核赤血球細胞(例えば、脱核網状赤血球又は赤血球)に分化する条件である。このプロセスは、典型的には、増殖/拡大段階、分化段階、及び成熟段階(その間に細胞がそれらの核を喪失する)を含む。分化条件は、当技術分野で既知である。例えば、Olivier et al.,Novel,High−Yield Red Blood Cell Production Methods from CD34−Positive Cells Derived from Human Embryonic Stem,Yolk Sac,Fetal Liver,Cord Blood,and Peripheral Blood.Stem Cells Transl Med.2012 Aug;1(8):604−614、及びそれに引用される参考文献を参照されたい。本明細書で使用される「赤血球細胞」は、造血性幹細胞(HSCs)等の赤血球前駆体細胞、及びCD34+細胞等の有核赤血球前駆体細胞、有核赤血球細胞前駆体、脱核赤血球細胞(例えば、網状赤血球又は赤血球)、及び赤血球前駆体細胞と脱核赤血球との間の任意の中間体等を含む赤血球系列の細胞である。一実施形態において、赤血球細胞は、前赤芽球、好塩基性赤芽球、多染赤芽球、正染性赤芽球、網状赤血球、又は赤血球である。一実施形態において、赤血球細胞は、臍帯血幹細胞、CD34+細胞、造血性幹細胞(HSC)、脾臓コロニー形成(CFU−S)細胞、骨髄系共通前駆(CMP)細胞、未分化胚細胞コロニー形成細胞、赤芽球バースト形成細胞(BFU−E)、巨核球−赤血球前駆(MEP)細胞、赤血球コロニー形成単位(CFU−E)、網状赤血球、赤血球、誘導多能性幹細胞(iPSC)、間葉系幹細胞(MSC)、多染性正赤芽球、正染性正赤芽球、又はそれらの組み合わせである。
【0098】
実施形態において、赤血球細胞は、不死若しくは不死化細胞であり、又は不死若しくは不死化細胞から誘導される。例えば、不死化赤芽球細胞は、CD34+造血性前駆細胞のレトルウイルス形質導入により生成されて、Oct4、Sox2、Klf4、cMycを発現し、TP53を抑制し得る(例えば、Huang et al.(2013)Molr、印刷前の電子出版、9月3日に記載されているように)。加えて、細胞は自家使用に意図され、又は同種血輸血の供給源を提供し得る。いくつかの実施形態において、赤血球細胞は、培養される。
【0099】
本明細書で使用するとき、「脱核されている」は、核を欠いた細胞、例えば成熟赤血球細胞への分化により、その核を喪失した細胞を指す。
【0100】
「外来性ポリペプチド」は、外来性ポリペプチドを含む細胞のタイプの野生型細胞により生成されないポリペプチド、又は外来性ポリペプチドを含む細胞内よりも低いレベルで野生型細胞内に存在するポリペプチドを指す。いくつかの実施形態において、外来性ポリペプチドは、細胞内に導入された核酸によりコードされるポリペプチドであり、その核酸は、任意選択的に、細胞によって保持されない。
【0101】
mRNAを修飾するのに使用される際の用語「外来性」は、mRNAと、選択された対象細胞、例えば赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞との間の関係を指す。外来性mRNAは、対象細胞内に天然に存在しない。一実施形態において、外来性mRNAは、選択された対象細胞内で天然に生じないポリペプチド(外来性ポリペプチド)を発現する。実施形態において、外来性mRNAは、選択された対象細胞内で天然に生じない第1の部分と、選択された対象細胞内で天然に生じない第2の部分とを含む。
【0102】
非翻訳領域(UTR)を修飾するのに使用される際の用語「異種」は、UTRと、UTRが作動可能に結合されたコード領域(対象コード領域)との間の関係を指す。UTRは、以下の特性の1つ以上を有する場合、異種UTRである:i)天然に存在しない;ii)対象コード領域を伴って天然に生じない、例えば対象コード領域と作動可能に結合された状態で天然に生じるUTRと少なくとも1ヌクレオチド異なる、例えばそのヌクレオチドの少なくとも1、2、3、4、5、10、20、25、30、35、40、45、又は50%が異なる;又はiii)UTRが、対象コード領域に作動可能に結合された状態で天然に生じないが、対象コード領域以外のコード領域と作動可能に結合された状態で天然に生じる、又はそのような天然に生じるUTRに対して少なくとも少なくとも70、80、90、95、99、又は100%相同性を有する。
【0103】
核酸に関連して本明細書で使用される「修飾された」は、標準型核酸と異なる核酸の構造的特徴を指す。これは、核酸又はヌクレオチドの任意の特定の作製プロセスを示唆するものではない。
【0104】
RNA配列に関連して本明細書で使用される用語「調節エレメント」は、例えば、小分子、RNA結合タンパク質、又はmiRNA等の調節RNAの存在又はレベルに応答して、RNAの特性(例えば、安定性又は翻訳可能性、例えば調節エレメントが作動可能に結合されたコード領域の翻訳レベル)を調節(例えば、上方調節又は下方調節)することが可能な配列を指す。
【0105】
化学修飾核酸
外来性RNAは、非修飾又は修飾核酸塩基を含むことができる。天然に生じるRNAは、4つの塩基性リボヌクレオチド:ATP、CTP、UTP及びGTPから合成されるが、転写後に修飾されたヌクレオチドを含むことができる。更に、およそ100の異なるヌクレオシド修飾がRNAで特定されている(Rozenski,J,Crain,P,and McCloskey,J.(1999).The RNA Modification Database:1999 update.Nucl Acids Res 27:196−197)。RNAは、天然に生じない完全合成ヌクレオチドも含むことができる。
【0106】
いくつかの実施形態において、化学修飾は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT/米国特許出願公開第2016/032454号明細書、米国特許出願公開第20090286852号明細書、国際出願国際公開第2012/019168号パンフレット、国際公開第2012/045075号パンフレット、国際公開第2012/135805号パンフレット、国際公開第2012/158736号パンフレット、国際公開第2013/039857号パンフレット、国際公開第2013/039861号パンフレット、国際公開第2013/052523号パンフレット、国際公開第2013/090648号パンフレット、国際公開第2013/096709号パンフレット、国際公開第2013/101690号パンフレット、国際公開第2013/106496号パンフレット、国際公開第2013/130161号パンフレット、国際公開第2013/151669号パンフレット、国際公開第2013/151736号パンフレット、国際公開第2013/151672号パンフレット、国際公開第2013/151664号パンフレット、国際公開第2013/151665号パンフレット、国際公開第2013/151668号パンフレット、国際公開第2013/151671号パンフレット、国際公開第2013/151667号パンフレット、国際公開第2013/151670号パンフレット、国際公開第2013/151666号パンフレット、国際公開第2013/151663号パンフレット、国際公開第2014/028429号パンフレット、国際公開第2014/081507号パンフレット、国際公開第2014/093924号パンフレット、国際公開第2014/093574号パンフレット、国際公開第2014/113089号パンフレット、国際公開第2014/144711号パンフレット、国際公開第2014/144767号パンフレット、国際公開第2014/144039号パンフレット、国際公開第2014/152540号パンフレット、国際公開第2014/152030号パンフレット、国際公開第2014/152031号パンフレット、国際公開第2014/152027号パンフレット、国際公開第2014/152211号パンフレット、国際公開第2014/158795号パンフレット、国際公開第2014/159813号パンフレット、国際公開第2014/164253号パンフレット、国際公開第2015/006747号パンフレット、国際公開第2015/034928号パンフレット、国際公開第2015/034925号パンフレット、国際公開第2015/038892号パンフレット、国際公開第2015/048744号パンフレット、国際公開第2015/051214号パンフレット、国際公開第2015/051173号パンフレット、国際公開第2015/051169号パンフレット、国際公開第2015/058069号パンフレット、国際公開第2015/085318号パンフレット、国際公開第2015/089511号パンフレット、国際公開第2015/105926号パンフレット、国際公開第2015/164674号パンフレット、国際公開第2015/196130号パンフレット、国際公開第2015/196128号パンフレット、国際公開第2015/196118号パンフレット、国際公開第2016/011226号パンフレット、国際公開第2016/011222号パンフレット、国際公開第2016/011306号パンフレット、国際公開第2016/014846号パンフレット、国際公開第2016/022914号パンフレット、国際公開第2016/036902号パンフレット、国際公開第2016/077125号パンフレット、国際公開第2016/077123号パンフレットに提供されているものである。ポリヌクレオチドへの化学修飾ヌクレオチドの組み込みは、ヌクレオチド内の修飾の位置に応じて、核酸塩基、バックボーン、又はその両方に組み込まれた修飾をもたらし得ることが理解される。いくつかの実施形態では、バックボーン修飾はまた、その全体が参照により本明細書に組み込まれる欧州特許第2813570号明細書に提供されているものである。いくつかの実施形態において、修飾キャップは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20050287539号明細書に提供されているものである。
【0107】
いくつかの実施形態において、修飾mRNAは、ARCA:アンチリバースキャップアナログ(m27.3’−OGP3G)、GP3G(非メチル化キャップアナログ)、m7GP3G(モノメチル化キャップアナログ)、m32.2.7GP3G(トリメチル化キャップアナログ)、m5CTP(5’−メチル−シチジン三リン酸)、m6ATP(N6−メチル−アデノシン−5’−三リン酸)、s2UTP(2−チオ−ウリジン三リン酸)、及びΨ(シュードウリジン三リン酸)の1つ以上を含む。実施形態において、修飾mRNAは、N6−メチルアデノシンを含む。実施形態において、修飾mRNAは、シュードウリジンを含む。
【0108】
いくつかの実施形態において、外来性RNAは、バックボーン修飾、例えばバックボーンにおける糖又はリン酸基に対する修飾を含む。いくつかの実施形態において、外来性RNAは、核酸塩基修飾を含む。
【0109】
いくつかの実施形態において、外来性mRNAは、表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾、表3の1つ以上の化学修飾キャップを含む。例えば、いくつかの実施形態において、外来性mRNAは、2つ以上の(例えば、3、4、5、6、7、8、9、又は10又はそれを超える)異なるタイプの化学修飾を含む。一例として、外来性mRNAは、例えば、例として表1において本明細書に記載される、2つ以上の(例えば、3、4、5、6、7、8、9、又は10又はそれを超える)異なるタイプの修飾された核酸塩基を含むことができる。代替的に又は組み合わせて、外来性mRNAは、例えば、例として表2において本明細書に記載される、2つ以上の(例えば、3、4、5、6、7、8、9、又は10又はそれを超える)異なるタイプのバックボーン修飾を含むことができる。代替的に又は組み合わせて、外来性mRNAは、例えば、例として表3において本明細書に記載される、2つ以上の(例えば、3、4、5、6、7、8、9、又は10又はそれを超える)異なるタイプの修飾キャップを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、外来性mRNAは、1つ以上のタイプの修飾核酸塩基及び1つ以上のタイプのバックボーン修飾;1つ以上のタイプの修飾核酸塩基及び1つ以上の修飾キャップ;1つ以上のタイプの修飾キャップ及び1つ以上のタイプのバックボーン修飾;又は1つ以上のタイプの修飾核酸塩基、1つ以上のタイプのバックボーン修飾、及び1つ以上のタイプの修飾キャップを含む。
【0110】
いくつかの実施形態において、外来性mRNAは、1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、又はそれを超える)修飾核酸塩基を含む。いくつかの実施形態において、mRNAの全核酸塩基は、修飾されている。いくつかの実施形態において、外来性mRNAは、バックボーンにおける1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、又はそれを超える)位置が修飾されている。いくつかの実施形態において、mRNAの全バックボーン位置が修飾されている。
【0111】
異種非翻訳領域
本明細書に記載される外来性mRNAは、1つ以上の(例えば、2つ、3つ、4つ、又はそれを超える)異種UTRを含むことができる。UTRは、例えば、3’UTR又は5’UTRであり得る。実施形態において、異種UTRは、真核生物、例えば動物、例えば哺乳動物、例えばヒトUTR配列、又は前述のいずれかの一部若しくは変異体を含む。実施形態において、異種UTRは、合成配列を含む。実施形態において、異種UTRは、ウイルスUTR以外、例えば肝炎ウイルスUTR以外、例えばWoodchuck肝炎ウイルスUTR以外である。
【0112】
理論に束縛されるものではないが、いくつかの実施形態において、5’UTRは、翻訳中のリボソームの走査時間を短縮するために短い。実施形態において、非翻訳領域は、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、40、30、20、10、又は5ヌクレオチド未満の長さを有する。実施形態において、5’UTRは、天然に生じる5’UTRからの1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、40、30、20、10、又は5以下の連続ヌクレオチドを有する配列を含む。実施形態において、RNAは、5’UTRを欠いている。
【0113】
いくつかの実施形態において、5’UTRは、開始コドン(uAUG)の上流にAUGを含まない。本明細書の非限定的な学説によれば、天然に生じるいくつかの5’UTRは、コードされた遺伝子の翻訳を調節、例えば低減し得る1つ以上のuAUGsを含む。ときに、uAUGsは、終止コドンと対合されてuORFsを形成する。従って、いくつかの実施形態において、5’UTRは、天然に生じる5’UTRと類似した配列を有するが、天然に生じる5’UTRに対して1つ以上のuAUGs又はuORFsを欠いている。1つ以上のuAUGsは、例えば、欠失又は置換突然変異により除去され得る。
【0114】
本明細書に提供する異種UTRは、例えば、赤血球細胞を、異種UTRを含むmRNAと接触させることにより、精製RNAの一部として提供され得ることが理解される。本明細書の異種UTRは、例えば、細胞が異種UTRを含むRNAにDNAを転写できるようにする条件下で赤血球細胞をDNAと接触させることにより、DNAを介して提供することもできる。
【0115】
実施形態において、3’UTRは、ポリAテイル、例えば少なくとも10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、又は1000アデノシンを含む。
【0116】
実施形態において、外来性RNAは、下流エレメントへの上流エレメントの直接又は間接的な結合によるRNAの環状化を可能にする5’UTR及び3’UTRを含む。実施形態において、外来性RNAは、環状化に関与する5’キャップを含む。
【0117】
調節エレメントを含むUTR
実施形態において、UTRは、調節エレメントを含む。調節エレメントは、それが作動可能に結合されたコード領域の特性(例えば、安定性又は翻訳レベル)を調節(例えば、上方調節又は下方調節)することができる。いくつかの実施形態において、調節エレメントは、RNAの翻訳のタイミングを制御する。例えば、RNAは、細胞周期の段階、病原体(例えば、細胞に侵入するウイルス)の存在若しくはレベル、赤血球細胞分化のステージ、細胞内の分子(例えば、代謝産物、シグナル伝達分子、又はmiRNA等のRNA)の存在若しくはレベル、又は細胞外の分子(例えば、赤血球細胞の表面上の受容体により結合されたタンパク質)の存在若しくはレベルに応答して翻訳され得る。
【0118】
実施形態において、調節エレメントは、Callura et al.,“Tracking,tuning,and terminating microbial physiology using synthetic riboregulators”PNAS 107:36,p.15898−15903に記載されているようなリボレギュレーターを含む。実施形態において、リボレギュレーターは、リボソーム結合部位を遮蔽することによりmRNAの翻訳を抑止するヘアピンを含む。実施形態において、トランス活性化RNAは、ヘアピンに結合し、ヘアピンを開放し、リボソーム結合部位を露出し、mRNAの翻訳を可能にする。実施形態において、リボソーム結合部位は、IRES、例えばPedersen,SK、et al.Biochem J.2002 Apr 1;363(Pt 1):37−44に記載されているヒトIGF−II 5’UTR由来IRESである。
【化1】
【0119】
実施形態において、調節エレメントは、例えば、国際公開第2012058488号パンフレットに記載されているようなトーホールドスイッチを含む。実施形態において、トーホールドは、リボレギュレーターのように機能し、更に、トーホールドと称される短い一本鎖配列を含み、配列は、トランス−調節RNAに対する相同性を有する。実施形態において、トーホールドは、異なる結合パートナーをサンプリングすることにより、トランス−調節RNAが存在するか否かをより迅速に検出することができる。
【0120】
実施形態において、調節エレメントは、その全体が参照により本明細書に組み込まれるAraujo et al.,“Before It Gets Started: Regulating Translation at the 5’ UTR”Comparative and Functional Genomics,Volume 2012(2012),Article ID 475731,8 pagesに記載されているものである。
【0121】
実施形態において、調節エレメントは、上流オープンリーディングフレーム(uORF)を含む。uORFは、uAUGと、uAUGと共にインフレームの終止コドンとを含む。uORFsは、多くの場合、リボソームがuORFを翻訳した後、終止コドンで停止した際、下流コード領域に到達することなく、翻訳のネガティブレギュレーターとして作用する。例示的なuORFsは、真菌アルギニンアテニュエータペプチド(AAP)に見出されるものであり、これは、アルギニン濃度により調節される。別の例示的なuORFは、酵母GCN4に見出され、ここで、翻訳は、アミノ酸飢餓条件下で活性化される。他のuORFは、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1C(CPT1C)mRNAに見出され、ここで、抑止は、ブドウ糖欠乏に応答して緩和される。いくつかの実施形態において、uORFは、合成uORFである。いくつかの実施形態において、uORFは、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤タンパク質(CDKN2A)、トロンボポエチン、無毛相同体、TGF−β3、SRY、IRF6、PRKAR1A、SPINK1、又はHBBに関するmRNAの5’UTRに見出されるものである。
【0122】
実施形態において、調節エレメントは、ヘアピン等の二次構造を含む。実施形態において、ヘアピンは、約−30、−40、−50、−60、−70、−80、−90、又は−100kcal/モル又はそれを超える自由エネルギーを有し、ヘアピンを欠いたmRNAに比較してmRNAの翻訳を低減するのに十分である。実施形態において、二次構造は、YB−1に結合するTGF−β1 mRNA、又はその断片若しくは変異体に見出されるものである。
【0123】
実施形態において、調節エレメントは、RPB(RNA結合タンパク質)結合モチーフを含む。実施形態において、RNA結合タンパク質は、HuR、Musashi、IRP(例えば、IRP1又はIRP2)、SXL、又はlin−14を含む。実施形態において、調節エレメントは、IRE、SXL結合モチーフ、p21 5’UTR GC−リッチステムループ、又はlin−4モチーフを含む。IRP1及びIRP2は、鉄応答エレメント(IRE)と称されるステムループ配列に結合し、この結合は、翻訳に対する立体的遮断を形成する。SXLタンパク質は、SXL結合モチーフ、例えば5’UTR内のイントロン内のポリUストレッチに結合し、イントロン保持をもたらす。SXLタンパク質は、3’UTR内のポリU領域にも結合して、前開始複合体のリクルートメントを遮断し、翻訳を抑止する。SXLはまた、uORFの翻訳を促進し、主なコード領域の翻訳を抑止する。p21 5’UTR GC−リッチステムループは、CUGBP1(翻訳活性化因子)又はカルレティキュリン(CRT、翻訳リプレッサー)により結合される。
【0124】
いくつかの実施形態において、調節エレメントは、トランス作動性RNAに関する結合部位を含む。いくつかの実施形態において、トランス作動性RNAは、miRNAである。実施形態において、非翻訳領域は、RNA結合配列、例えばlin−14 3’UTRを含み、これは、lin−4 RNAにより結合されて、それによりlin−14 RNAの翻訳を下方調節する保存配列を含む(Wightman et al.,Cell,Vol.75,855-862,December 3,1993)。
【0125】
実施形態において、調節エレメントは、リボソームRNAに結合する、例えばリボソームの短絡を促進して5’UTRのセグメントを迂回し、開始コドンに到達する配列を含む。実施形態において、短絡を促進する調節配列は、カリフラワーモザイクウイルス又はアデノウイルスに見出される配列である。
【0126】
赤血球細胞タンパク質のUTR
いくつかの実施形態において、非翻訳領域は、野生型赤血球細胞、例えば成熟赤血球細胞内で発現するRNAのUTRである。実施形態において、UTRは、I型赤血球細胞膜貫通タンパク質(例えば、グリコホリンA)、II型赤血球細胞膜貫通タンパク質(例えば、Kell又はCD71)、又はGLUT1等のIII型赤血球細胞膜貫通タンパク質に関する遺伝子のUTRである。実施形態において、UTRは、CD235a、c−Kit、GPA、IL3R、CD34、CD36、CD71、バンド3、ヘモグロビン、及びα4インテグリン等の赤血球細胞タンパク質のUTRである。実施形態において、UTRは、スペクトリン、アンキリン、4.1R、4.2、p55、トロポモジュリン、又は4.9に関する遺伝子のUTRである。
【0127】
いくつかの実施形態において、非翻訳領域は、ヘモグロビンUTR、例えば配列番号1:
【化2】
の3’ヘモグロビンUTRを含む。実施形態において、非翻訳領域は、配列番号1の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、又は130ヌクレオチドストレッチを含む。実施形態において、非翻訳領域は、配列番号1の配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一の配列を含む。
【0128】
いくつかの実施形態において、外来性mRNAは、異種3’UTRを含む。いくつかの実施形態において、外来性mRNAは、異種5’UTRを含む。いくつかの実施形態において、外来性mRNAは、異種3’UTR及び異種5’UTRを含む。
【0129】
調節RNA
本発明は、いくつかの態様において、調節RNAを含む赤血球細胞を含む。いくつかの実施形態において、細胞は、外来性mRNAを更に含む。
【0130】
関連する態様において、本発明は、赤血球細胞を調節RNAと接触させる方法を含む。実施形態において、方法は、細胞を外来性mRNAと接触させることを更に含む。実施形態において、細胞は、調節RNAと接触する前、接触中、又は接触した後、外来性mRNAと接触する。
【0131】
関連する態様において、本発明は、(i)調節RNA(例えば、miRNA又は抗miR)、及び(ii)本明細書に記載される外来性mRNA、例えばヒト細胞(例えば、ヒト赤血球細胞)内での発現にコドン最適化されたmRNA、赤血球細胞膜貫通セグメントを含むmRNA、又は本明細書に記載される異種UTR(ヘモグロビンUTR又は他の赤血球細胞タンパク質からのUTR等)を含むmRNAを含む組成物(例えば、精製又は単離された組成物)を含む。
【0132】
実施形態において、調節RNAは、外来性mRNAの特性(例えば、安定性又は翻訳)を調節する。いくつかの実施形態において、調節RNAは、赤血球細胞に影響を与え、例えばその増殖又は分化に影響する。いくつかの実施形態において、影響された増殖は、出発細胞が行う分裂(例えば、培養物中)の数を増大させること、及び/又は出発細胞若しくは集団から生成される細胞の総数を増大させることを含む。いくつかの実施形態において、分化の制御は、成熟及び/又は脱核を促進することを含む。いくつかの実施形態において、調節RNAは、EPOをコードし、例えば赤血球細胞の増殖を刺激する。
【0133】
実施形態において、調節RNAは、miRNAである。いくつかの実施形態において、miRNAは、ヒトmiRNA、例えば本明細書の表12に列挙されるmiRNA、例えば「MIR」で始まる命名を有する、表12のエレメントの1つ、又はそれに対する1、2、3、4、若しくは5以下の変更(例えば、置換、挿入、又は欠失)を有する配列である。
【0134】
いくつかの実施形態において、調節RNAは、抗miRである。いくつかの実施形態において、抗miRは、miRNAとハイブリダイズし、miRNAがその標的mRNAに結合することを防止することにより、miRNA(内在性miRNA等)を阻害する。いくつかの実施形態において、抗miRは、ヒトmiRNA、例えば本明細書の表12に列挙されるmiRNA、例えば「MIR」で始まる命名を有する、表12のエレメントの1つ、又はそれに対する1、2、3、4、若しくは5以下の変更(例えば、置換、挿入、又は欠失)を有する配列に結合し及び/又はmiRNAに対して相補性を有する。
【0135】
いくつかの実施形態において、調節RNAは、siRNA、shRNA、又はアンチセンス分子である。実施形態において、siRNAは、互いにハイブリダイズすることができるセンス鎖及びアンチセンス鎖を含み、アンチセンス鎖は、標的mRNAと更にハイブリダイズすることができ;1つ又は2つの平滑末端を有することができ;3’dTdTオーバーハング等の1つ又は2つのオーバーハングを有することができ;化学修飾を含むことができ;キャップを含むことができ;及びコンジュゲートを含むことができる。実施形態において、shRNAは、センス領域、アンチセンス領域、及びループ領域を有するヘアピン構造を含み、センス領域及びアンチセンス領域は、互いにハイブリダイズすることができ、アンチセンス領域は、標的mRNAに更にハイブリダイズすることができ;平滑末端を有することができ;オーバーハングを有することができ;化学修飾を含むことができ;キャップを含むことができ;及びコンジュゲートを含むことができる。実施形態において、アンチセンス分子は、標的mRNAにハイブリダイズすることができる単鎖を含み;化学修飾を含むことができ;キャップを含むことができ;及びコンジュゲートを含むことができる。
【0136】
脂質ナノ粒子方法
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるRNA(例えば、mRNA)は、脂質ナノ粒子(LNP)を使用して、例えば遺伝子導入により赤血球細胞内に導入される。従って、いくつかの態様において、本開示は、外来性タンパク質をコードするmRNAを赤血球細胞内に導入する方法を提供し、方法は、赤血球細胞をmRNA及びLNP、例えば本明細書に記載されるLNPと接触させることを含む。本開示は、赤血球細胞、mRNA、及びLNPを含む反応混合物も提供する。いくつかの実施形態において、mRNAは、LNPと複合体化される。実施形態において、LNPと接触する細胞の集団は、少なくとも1×10
7、2×10
7、5×10
7、1×10
8、2×10
8、5×10
8、1×10
9、2×10
9、又は5×10
9、1×10
10、2×10
10、又は5×10
10細胞を含む。
【0137】
例示的なLNPは、カチオン性トリアルキル脂質、非カチオン性脂質(例えば、PEG−脂質コンジュゲート及びリン脂質)、及び脂質粒子中にカプセル化されたmRNA分子を含む。実施形態において、リン脂質は、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、又はそれらの混合物を含む。実施形態において、PEG−脂質コンジュゲートは、PEG−ジアシルグリセロール(PEG−DAG)コンジュゲート、PEG−ジアルキルオキシプロピル(PEG−DAA)コンジュゲート、PEG−リン脂質コンジュゲート、PEG−セラミド(PEG−Cer)コンジュゲート、及びそれらの混合物からなる群から選択される。実施形態において、PEG−DAAコンジュゲートは、PEG−ジデシルオキシプロピル(C
10)コンジュゲート、PEG−ジラウリルオキシプロピル(C
12)コンジュゲート、PEG−ジミリスチルオキシプロピル(C
14)コンジュゲート、PEG−ジパルミチルオキシプロピル(C
16)コンジュゲート、PEG−ジステアリルオキシプロピル(C
18)コンジュゲート、及びそれらの混合物からなる群から選択される。実施形態において、LNPは、コレステロールを更に含む。更なるLNPは、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20160256567号明細書に記載されている。
【0138】
別の例示的なLNPは、構造式(I):
【化3】
を有する脂質、又はその塩を含むことができ、式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、及びR
8は、独立して、水素、任意選択的に置換されたC
7−C
30アルキル、任意選択的に置換されたC
7−C
30アルケニル及び任意選択的に置換されたC
7−C
30アルキニルからなる群から選択され;
但し、(a)R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、及びR
8の少なくとも2つは、水素ではなく、(b)水素ではないR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、及びR
8の少なくとも2つの2つは、互いに対して1、3配置、1、4配置又は1、5配置で存在することを条件とし;
Xは、C
1−C
6アルキル、C
2−C
6アルケニル及びC
2−C
6アルキニルからなる群から選択され;
R
9、R
10、及びR
11は、独立して、水素、任意選択的に置換されたC
1−C
7アルキル、任意選択的に置換されたC
2−C
7アルケニル及び任意選択的に置換されたC
2−C
7アルキニルからなる群から選択され、但し、R
9、R
10、及びR
11の1つは、存在しなくてもよいことを条件とし;
n及びmは、各々独立して0又は1である。
【0139】
例えば、脂質は、下記の構造:
【化4】
の1つを含むことができる。
【0140】
実施形態において、LNPは、リン脂質、コレステロール、又はリン脂質とコレステロールとの混合物等の非カチオン性脂質を更に含む。実施形態において、リン脂質は、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、又はそれらの混合物を含む。更なるLNPは、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20130064894号明細書に記載されている。
【0141】
別の例示的なLNPは、(a)核酸、例えばmRNA;(b)粒子中に存在する総脂質の50モル%〜65モル%(例えば、52モル%〜62モル%)を構成するカチオン性脂質;(c)リン脂質とコレステロール又はその誘導体との混合物を含む非カチオン性脂質(リン脂質は、粒子中に存在する総脂質の4モル%〜10モル%を構成し、コレステロール又はその誘導体は、粒子中に存在する総脂質の30モル%〜40モル%を構成する);及び(d)粒子中に存在する総脂質の0.5モル%〜2モル%を構成する、粒子の凝集を阻害するコンジュゲート化脂質を含む。実施形態において、リン脂質は、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、又はそれらの混合物を含む。実施形態において、粒子の凝集を阻害するコンジュゲート化脂質は、ポリエチレングリコール(PEG)−脂質コンジュゲートを含む。実施形態において、PEG−脂質コンジュゲートは、PEG−ジアシルグリセロール(PEG−DAG)コンジュゲート、PEG−ジアルキルオキシプロピル(PEG−DAA)コンジュゲート、又はそれらの混合物を含む。実施形態において、PEG−DAAコンジュゲートは、PEG−ジミリスチルオキシプロピル(PEG−DMA)コンジュゲート、PEG−ジステアリルオキシプロピル(PEG−DSA)コンジュゲート、又はそれらの混合物を含む。更なるLNPは、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,058,069号明細書に記載されている。
【0142】
赤血球細胞を製造する方法
赤血球前駆体細胞の成熟赤血球細胞への分化方法は、既知である。例えば、Douay&Andreu.Transfus Med Rev.2007 Apr;21(2):91−100;Giarratana et al.Nat Biotechnol.2005 Jan;23(1):69−74;Olivier et al.Stem Cells Transl Med.2012 Aug;1(8):604−614、及びそれに引用される参考文献を参照されたい。
【0143】
外来性RNA及び/又はタンパク質を含む(例えば、発現する)赤血球細胞を製造する方法は、例えば、国際公開第2015/073587号パンフレット及び国際公開第2015/153102号パンフレットに記載されており、それらの各々は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0144】
いくつかの実施形態において、造血性前駆細胞、例えばCD34+造血性前駆細胞を、1つ以上の外来性ポリペプチドをコードする核酸(1つ又は複数)と接触させ、細胞を培養物中で増殖及び分化させる。
【0145】
実施形態において、方法は、例えば、本明細書に記載されるように細胞を電気穿孔するステップを含む。
【0146】
いくつかの実施形態において、赤血球細胞は、少なくとも1000、2000、5000、10,000、20,000、50,000、又は100,000倍(及び任意選択的に100,000、200,000、又は500,000倍まで)だけ増殖する。細胞の数は、いくつかの実施形態において、自動細胞計数装置を使用して計測される。
【0147】
いくつかの実施形態において、赤血球細胞の集団は、少なくとも30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は98%(及び任意選択的に約80、90、又は100%まで)の脱核細胞を含む。いくつかの実施形態において、赤血球細胞の集団は、1%未満の生きている脱核細胞を含み、例えば検出可能な生きている脱核細胞を含まない。脱核は、いくつかの実施形態において、核染色を用いてFACSによって測定される。いくつかの実施形態において、集団における赤血球細胞の少なくとも30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、又は80%(及び任意選択的に約70、80、90、又は100%まで)は、外来性RNA及び/又はポリペプチドを含む。外来性ポリペプチドの発現は、いくつかの実施形態において、ポリペプチドに対する標識抗体を使用してFACSにより測定される。いくつかの実施形態において、脱核細胞の集団は、約1×10
9〜2×10
9、2×10
9〜5×10
9、5×10
9〜1×10
10、1×10
10〜2×10
10、2×10
10〜5×10
10、5×10
10〜1×10
11、1×10
11〜2×10
11、2×10
11〜5×10
11、5×10
11〜1×10
12、1×10
12〜2×10
12、2×10
12〜5×10
12、又は5×10
12〜1×10
13細胞を含む。
【0148】
例示的な外来性ポリペプチド及びその使用
外来性タンパク質の1つ以上は、真核生物細胞、例えば哺乳動物細胞、例えばヒト細胞の翻訳後修飾特性を有し得る。いくつかの実施形態において、外来性タンパク質の1つ以上(例えば、2、3、4、5、又はそれを超える)は、グリコシル化され、リン酸化され、又はそれらの両方である。糖タンパク質のインビトロ検出は、過ヨウ素酸シッフ(PAS)方法を用いて、SDS−PAGEゲル及びウェスタンブロットで日常的に達成される。糖タンパク質の細胞局在化は、当技術分野で既知のレクチン蛍光コンジュゲートを利用して達成することができる。リン酸化は、リン酸化特異的抗体を使用したウェスタンブロットにより評価することができる。
【0149】
翻訳後修飾は、疎水性基に対するコンジュゲーション(例えば、ミリストイル化、パルミトイル化、イソプレニル化、プレニル化、又はグリピエーション(glypiation))、補因子に対するコンジュゲーション(例えば、リポイル化、フラビン部分(例えば、FMN又はFAD)、ヘムC結合、ホスホパンテテイニル化、又はレチニリデンシッフ塩基形成)、ジフタミド形成、エタノールアミンホスホグリセロール付着、ハイプシン形成、アシル化(例えば、O−アシル化、N−アシル化、又はS−アシル化)、ホルミル化、アセチル化、アルキル化(例えば、メチル化又はエチル化)、アミド化、ブチリル化、γ−カルボキシル化、マロニル化、ヒドロキシル化、ヨウ素化、例えばADP−リボシル化、酸化、リン酸エステル(O−結合)又はホスホロアミデート(N−結合)形成等のヌクレオチド付加、(例えば、リン酸化又はアデニリル化)、プロピオニル化、ピログルタミン酸形成、S−グルタチオニル化、S−ニトロシル化、スクシニル化、硫酸化、ISGイル化、SUMOイル化、ユビキチン化、NEDD化、又はアミノ酸の化学修飾(例えば、シトルリン化、脱アミド、エリミニル化、又はカルバミル化)、ジスルフィド架橋の形成、ラセミ化(例えば、プロリン、セリン、アラニン、又はメチオニンの)も含む。実施形態において、グリコシル化は、糖タンパク質をもたらすアルギニン、アスパラギン、システイン、ヒドロキシリジン、セリン、スレオニン、チロシン、又はトリプトファンへのグリコシル基の付加を含む。実施形態において、グリコシル化は、例えば、O−結合グリコシル化又はN−結合グリコシル化を含む。
【0150】
いくつかの実施形態において、外来性ポリペプチドの1つ以上は、融合タンパク質であり、例えば内在性赤血球細胞タンパク質又はその断片、例えば膜貫通タンパク質、例えばGPA又はその膜貫通断片との融合物である。
【0151】
いくつかの実施形態において、外来性ポリペプチドに関するコード領域は、ポリペプチドが発現される細胞、例えば哺乳動物赤血球細胞、例えばヒト赤血球細胞に対してコドン最適化されている。
【0152】
いくつかの実施形態において、赤血球細胞は、1細胞当たり外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む。実施形態において、外来性タンパク質のコピー数は、例えば、定量的ウェスタンブロットによって又はフローサイトメトリーアッセイで標準化蛍光マイクロスフェア(例えば、Bangs Laboratoriesより)を使用して決定することができる。例えば、外来性タンパク質が蛍光タンパク質であるいくつかの実施形態では、平均蛍光強度(MFI)を使用して、例えばサンプルのMFIを決定し、同様のサンプルにおける蛍光タンパク質のコピー数を定量化し(例えば、定量的ウェスタンブロットにより)、MFIとタンパク質コピー数との間の変換率を計算することにより、タンパク質コピー数を見積もることができる。
【0153】
脱核赤血球細胞の物理的特性
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される赤血球細胞は、本明細書に記載される1つ以上の(例えば、2、3、4、又はそれを超える)物理的特性、例えば浸透圧脆弱性、細胞サイズ、ヘモグロビン濃度、又はホスファチジルセリン含有量を有する。理論に束縛されるものではないが、いくつかの実施形態において、外来性タンパク質を発現する脱核赤血球細胞は、野生型の未処理赤血球細胞(例えば、低張透析に供されていない赤球細胞)に類似した物理的特性を有する。対照的に、低張負荷されたRBCは、ときに、浸透圧脆弱性の増大、細胞サイズの変化、ヘモグロビン濃度の低下、又は細胞膜外葉のホスファチジルセリンレベルの増大等、物理的特性の変化を示す。
【0154】
浸透圧脆弱性
いくつかの実施形態において、脱核赤血球細胞は、外来性ポリペプチドを含まない、単離された未培養赤血球細胞と実質的に同じ浸透圧膜脆弱性を示す。いくつかの実施形態において、脱核赤血球細胞の集団は、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、又は0.5% NaClでの50%未満の細胞溶解の浸透圧脆弱性を有する。いくつかの実施形態において、脱核赤血球細胞の集団は、水中0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、又は0.5% NaClからなる溶液中で50%未満の細胞溶解の浸透圧脆弱性を有する。浸透圧脆弱性は、いくつかの実施形態では、国際公開第2015/073587号パンフレットの実施例59の方法を用いて決定される。
【0155】
細胞サイズ
いくつかの実施形態において、脱核赤血球細胞は、野生型の未処理網状赤血球とほぼ同じ直径又は容積を有する。いくつかの実施形態において、脱核赤血球細胞は、約150fL、例えば約140〜160、130〜170、又は120〜180fLの容積を有する。いくつかの実施形態において、集団は、約150fL、約140〜160、130〜170、120〜180、110〜190、又は100〜200fLの平均細胞容積を有する。いくつかの実施形態において、集団における少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%の細胞は、約140〜160、130〜170、120〜180、110〜190、又は100〜200fLの容積を有する。いくつかの実施形態において、赤血球細胞の平均赤血球容積の容積は、10fL、20fL、30fL、40fL、50fL、60fL、70fL、80fL、90fL、100fL、110fL、120fL、130fL、140fL、150fLを超え、又は150fLを超える。一実施形態において、赤血球細胞の平均赤血球容積は、30fL、40fL、50fL、60fL、70fL、80fL、90fL、100fL、110fL、120fL、130fL、140fL、150fL、160fL、170fL、180fL、190fL、200fL未満、又は200fL未満である。一実施形態において、赤血球細胞の平均赤血球容積は、80〜100、100〜200、200〜300、300〜400、又は400〜500フェムトリットル(fL)である。いくつかの実施形態において、赤血球細胞の集団は、この段落に示す平均赤血球容積を有し、集団の標準偏差は、50、40、30、20、10、5、又は2fL未満である。容積は、いくつかの実施形態において、血液系分析機器、例えばコールターカウンターを使用して測定される。
【0156】
ヘモグロビン濃度
いくつかの実施形態において、脱核赤血球細胞は、野生型の未処理赤血球細胞、例えば成熟RBCと同様のヘモグロビン含有量を有する。いくつかの実施形態において、赤血球細胞は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%を超える、又は10%を超える胎児ヘモグロビンを含む。いくつかの実施形態において、赤血球細胞は、少なくとも約20、22、24、26、28、又は30pg、及び任意選択的に約30pgまでの総ヘモグロビンを含む。ヘモグロビンレベルは、いくつかの実施形態において、国際公開第2015/073587号パンフレットの実施例33のDrabkin試薬方法を用いて決定される。
【0157】
ホスファチジルセリン含有量
いくつかの実施形態において、脱核赤血球細胞は、野生型の未処理RBCとほぼ同じホスファチジルセリン含有量をその細胞膜外葉に有する。ホスファチジルセリンは、野生型の未処理RBCsの細胞膜の内葉に優勢に存在し、低張負荷は、外葉にホスファチジルセリンを分布させ得、そこでホスファチジルセリンが免疫応答を引き起こし得る。いくつかの実施形態において、RBCの集団は、約30、25、20、15、10、9、8、6、5、4、3、2、又は1%未満の、Annexin V染色に対して陽性の細胞を含む。いくつかの実施形態において、集団における脱核細胞の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%は、外来性タンパク質を発現しない他に同様の培養赤血球細胞と同じホスファチジルセリン暴露のレベルを有する。ホスファチジルセリン暴露は、いくつかの実施形態において、PSに選択的に結合するAnnexin−V−FITCに関する染色、及び例えば国際公開第2015/073587号パンフレットの実施例54の方法を用いてフローサイトメトリーによりFITC蛍光を測定することによって評価される。
【0158】
他の特徴
いくつかの実施形態において、赤血球細胞の集団は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、又は95%(及び任意選択的に90又は100%まで)の、GPAに対して陽性の細胞を含む。GPAの存在は、いくつかの実施形態において、FACSを使用して検出される。
【0159】
いくつかの実施形態において、赤血球細胞は、対象内で少なくとも30、45、又は90日の半減期を有する。
【0160】
赤血球細胞の分化及び成熟の段階
実施形態において、脱核赤血球細胞は、CD34+幹細胞を次の3つの条件に暴露することにより生成される:最初に増殖条件、次いで分化条件、及び最終的に成熟条件。例示的な増殖、分化、及び成熟条件は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/073587号パンフレットの段落[1221]の実施例3にそれぞれステップ1、2、及び3として記載されている。実施形態において、増殖段階は、増殖培地(例えば、上記のステップ1の培地)中で細胞を培養することを含み、分化段階は、分化培地(例えば、上記のステップ2の培地)中で細胞を培養することを含み、成熟段階は、成熟培地(例えば、上記のステップ3の培地)中で細胞を培養することを含む。
【0161】
実施形態において、成熟段階は、例えば、フローサイトメトリーアッセイによって測定されて、集団における約84%の細胞がGPAに対して陽性であるときに開始する。実施形態において、成熟段階の開始時、細胞の集団は、例えば、フローサイトメトリーアッセイによって測定されて、約54%バンド3陽性である。実施形態において、成熟段階の開始時、細胞の集団は、例えば、フローサイトメトリーアッセイによって測定されて約98%α4インテグリン陽性である。一実施形態において、成熟段階は、赤血球細胞集団における約53%の細胞がバンド3及びα4インテグリンの両方に対して陽性であるときに開始する。実施形態において、成熟段階は、細胞集団が優勢に前赤芽球及び好塩基性赤芽球であるときに開始する。
【0162】
実施形態において、本明細書に記載される赤血球細胞集団における細胞の約99%は、GPAに対して陽性である。一実施形態において、赤血球細胞集団における細胞の約98%は、バンド3に対して陽性である。一実施形態において、赤血球細胞集団における細胞の約91%は、α4インテグリンに対して陽性である。一実施形態において、赤血球細胞集団における細胞の約90%は、バンド3及びα4インテグリンの両方に対して陽性である。実施形態において、細胞集団は、優勢に多染性赤芽球及び正染性赤芽球である。実施形態において、細胞集団は、約3%脱核されている。実施形態において、細胞集団は、最大脱核の約6%であり、最大脱核は、細胞集団が培養の終了時に到達する脱核の百分率である。実施形態において、細胞集団は、例えば、実施例10に記載されているように、BONCATアッセイにおいて約2,410,000のAHA強度/組み入れ値を有する。実施形態において、このステージは、細胞が成熟条件に3日間(M3日)暴露された際に到達する。
【0163】
実施形態において、本明細書に記載される赤血球細胞集団における細胞の約99.5%は、GPAに対して陽性である。一実施形態において、赤血球細胞集団における細胞の約100%は、バンド3に対して陽性である。一実施形態において、赤血球細胞集団における細胞の約84.2%は、α4インテグリンに対して陽性である。一実施形態において、赤血球細胞集団における細胞の約84.2%は、バンド3及びα4インテグリンの両方に対して陽性である。実施形態において、細胞集団は、優勢に正染性赤芽球及び網状赤血球である。実施形態において、細胞集団は、約11%脱核されている。実施形態において、細胞集団は、最大脱核の約22%である。実施形態において、細胞集団は、BONCATアッセイにおいて約1,870,000のAHA強度/組み入れ値を有する。実施形態において、このステージは、細胞が成熟条件に5日間(M5日)暴露された際に到達する。
【0164】
実施形態において、細胞集団は、約34%脱核されている。実施形態において、細胞集団は、最大脱核の約68%である。実施形態において、細胞集団は、BONCATアッセイにおいて約615,000のAHA強度/組み入れ値を有する。実施形態において、このステージは、細胞が成熟条件に7日間(M7日)暴露された際に到達する。
【0165】
実施形態において、細胞集団は、約43%脱核されている。実施形態において、細胞集団は、最大脱核の約86%である。実施形態において、細胞集団は、BONCATアッセイにおいて約189,000のAHA強度/組み入れ値を有する。実施形態において、このステージは、細胞が成熟条件に9日間(M9日)暴露された際に到達する。
【0166】
実施形態において、赤血球細胞は、前赤芽球、早期好塩基性赤芽球、後期好塩基性赤芽球、多染性赤芽球、正染性赤芽球、網状赤血球、又は赤血球から選択される。
【0167】
本明細書の組成物、例えば赤血球細胞を用いた処置方法
外来性RNA及び/又はタンパク質を含む(例えば、発現する)赤血球細胞を投与する方法は、例えば、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/073587号パンフレット及び国際公開第2015/153102号パンフレットに記載されている。
【0168】
実施形態において、本明細書に記載される赤血球細胞は、対象、例えば哺乳動物、例えばヒトに投与される。処置され得る例示的な哺乳動物としては、非限定的に、ヒト、飼育動物(例えば、犬、猫等)、家畜(例えば、雌牛、羊、豚、馬等)及び実験動物(例えば、猿、ラット、マウス、兎、モルモット等)が挙げられる。本明細書に記載される方法は、ヒト治療及び獣医学用途の両方に適用可能である。
【0169】
いくつかの実施形態において、赤血球細胞は、1、2、3、4、5、又は6カ月毎に患者に投与される。
【0170】
いくつかの実施形態において、赤血球細胞の用量は、約1×10
9〜2×10
9、2×10
9〜5×10
9、5×10
9〜1×10
10、1×10
10〜2×10
10、2×10
10〜5×10
10、5×10
10〜1×10
11、1×10
11〜2×10
11、2×10
11〜5×10
11、5×10
11〜1×10
12、1×10
12〜2×10
12、2×10
12〜5×10
12、又は5×10
12〜1×10
13細胞を含む。
【0171】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書に記載される疾病又は状態を処置する方法を提供し、方法は、本明細書に記載される組成物、例えば本明細書に記載される脱核赤血球細胞を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、疾病又は状態は、癌、感染症(例えば、ウイルス又は細菌感染症)、炎症性疾病、自己免疫性疾病、又は代謝欠損である。いくつかの態様において、本開示は、本明細書に記載される疾病又は状態を処置するための本明細書に記載される赤血球細胞の使用を提供する。いくつかの態様において、本開示は、本明細書に記載される疾病又は状態を処置するための医薬の製造のための、本明細書に記載される赤血球細胞の使用を提供する。
【0172】
癌のタイプとしては、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、肛門癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、腸癌、脳腫瘍、乳癌、原発不明癌、骨への癌の伝播、脳への癌の伝播、肝臓への癌の伝播、肺への癌の伝播、カルチノイド、頸部癌、絨毛癌、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、眼癌、胆嚢癌、胃癌、妊娠性絨毛性腫瘍(GTT)、毛様細胞白血病、頭部及び頸部癌、ホジキンリンパ腫、腎臓癌、喉頭癌、白血病、肝癌、肺癌、リンパ腫、黒色腫皮膚癌、中皮腫、男性の癌、奇胎妊娠、口腔及び中咽頭癌、骨髄腫、鼻腔及び副鼻腔癌、鼻咽頭癌、非ホジキンリンパ腫(NHL)、食道癌、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、前立腺癌、希少癌、直腸癌、唾液腺癌、二次癌、皮膚癌(非黒色腫)、軟組織肉腫、胃癌、睾丸癌、甲状腺癌、原発不明癌、子宮癌、膣癌、並びに外陰癌が挙げられる。
【0173】
ウイルス感染症としては、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、肝炎ウイルス、ポリオウイルス、エプスタイン・バーウイルス、単純ヘルペス1型、単純ヘルペス2型、ヒトサイトメガロウイルス、ヒトヘルペスウイルス8型、水痘−帯状疱疹ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、インフルエンザウイルス、はしかウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器多核体ウイルス、パピローマウイルス、狂犬病ウイルス、及び風疹ウイルスが挙げられる。他のウイルス標的としては、パラミクソウイルス科(例えば、ニューモウイルス、モルビリウイルス、メタニューモウイルス、レスピロウイルス又はルブラウイルス)、アデノウイルス科(例えば、アデノウイルス)、アレナウイルス科(例えば、リンパ性脈絡髄膜炎ウイルス等のアレナウイルス)、アルテリウイルス科(例えば、ブタ呼吸器生殖器症候群ウイルス又はウマ動脈炎ウイルス)、ブニヤウイルス科(例えば、フレボウイルス又はハンタウイルス)、カリシウイルス科(例えば、ノーウォークウイルス)、コロナウイルス科(例えば、コロナウイルス又はトロウイルス)、フィロウイルス科(例えば、エボラ様ウイルス)、フラビウイルス科(例えば、ヘパシウイルス又はフラビウイルス)、ヘルペスウイルス科(例えば、シンプレックスウイルス、バリセロウイルス、サイトメガロウイルス、ロゼオロウイルス、又はリンホクリプトウイルス)、オルトミクソウイルス科(例えば、インフルエンザウイルス又はソゴトウイルス)、パルボウイルス科(例えば、パルボウイルス)、ピコルナウイルス科(Picornaviridae)(例えば、エンテロウイルス又はヘパトウイルス)、ポックスウイルス科(例えば、オルソポックスウイルス、トリポックスウイルス、又はレポリポックスウイルス)、レトロウイルス科(例えば、レンチウイルスレンチウイルス又はスプーマウイルス)、レオウイルス科(例えば、ロタウイルス)、ラブドウイルス科(例えば、リッサウイルス、ノビラブドウイルス、又はルビウイルス)、及びトガウイルス科(例えば、αウイルス又はルビウイルス)が挙げられる。これらのウイルスの特定の例としては、ヒト呼吸器コロナウイルス、A〜C型インフルエンザウイルス、A〜G型肝炎ウイルス、及び単純ヘルペスウイルス1〜9型が挙げられる。
【0174】
細菌感染症としては、限定されるものではないが、マイコバクテリア(Mycobacteria)、リケッチア(Rickettsia)、マイコプラズマ(Mycoplasma)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、レジオネラ、コレラ菌(Vibrio cholerae)、連鎖球菌(Streptococci)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、ジフテリア菌(Corynebacteria diphtheriae)、クロストリジウム属(Clostridium spp.)、毒素原性大腸菌(enterotoxigenic Escherichia coli)、炭疽菌(Bacillus anthracis);梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum);レプトスピラ(Leptospira);ボレリア(Borrelia);ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae);フランシセラ(Francisella);ヤギ流産菌(Brucella melitensis);カンピロバクター空腸(Campylobacter jejuni);エンテロバクター(Enterobacter);プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis);プロテウス(Proteus);及び肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)が挙げられる。
【0175】
炎症性疾病としては、細菌性敗血症、関節リウマチ、加齢黄斑変性(AMD)、全身性エリトマトーデス(結合組織の炎症性疾患)、糸球体腎炎(腎臓の毛細管の炎症)、クローン病、潰瘍性大腸炎、腹腔疾病、又は他の突発性炎症性腸疾患、及びアレルギー性喘息が挙げられる。
【0176】
自己免疫性疾病としては、全身性エリトマトーデス、糸球体腎炎、関節リウマチ、多発性硬化症、及び1型糖尿病が挙げられる。
【0177】
代謝欠損としては、フェニルケトン尿症(PKU)、アデノシンデアミナーゼ欠乏−重症複合型免疫不全症(ADA−SCID)、ミトコンドリア神経胃腸脳症(MNGIE)、原発性高シュウ酸尿症、アルカプトン尿症、及び血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)が挙げられる。
【0178】
例示的な更なる特徴及び実施形態を、以下に提供する:
1.外来性タンパク質をコードする核酸、例えばmRNAを含む赤血球細胞を作製する方法であって、
a)成熟段階における赤血球細胞を提供することと、
b)赤血球細胞を、外来性タンパク質をコードする核酸、例えばmRNAと、赤血球細胞による核酸、例えばmRNAの取込みを可能にする条件下で接触させることと
を含み、それにより、外来性タンパク質をコードする核酸、例えばmRNAを含む赤血球細胞を作製する、方法。
【0179】
2.赤血球細胞は、外来性タンパク質をコードする核酸、例えばmRNAを取込む、実施形態1の方法。
【0180】
3.成熟段階における赤血球細胞の集団を提供することと、赤血球細胞の集団の複数の細胞を、外来性タンパク質をコードする核酸、例えばmRNAと接触させることとを含む、実施形態1の方法。
【0181】
4.赤血球細胞の集団の複数の細胞は、外来性タンパク質をコードする核酸、例えばmRNAをそれぞれ取込む、実施形態3の方法。
【0182】
5.外来性タンパク質をコードする核酸、例えばmRNAの取込み後、細胞又は複数の細胞は、外来性タンパク質を発現する、実施形態1〜4のいずれかの方法。
【0183】
6.細胞又は複数の細胞は、外来性タンパク質を含む、実施形態5の方法。
【0184】
7.成熟段階における赤血球細胞の集団は、成熟培地中で3〜7日間、例えば4〜5又は4〜6日間にわたって拡大された細胞の集団である、実施形態3〜6のいずれかの方法。
【0185】
8.外来性タンパク質を発現する網状赤血球の集団を製造する方法であって、
(a)赤血球前駆体細胞(例えば、CD34+細胞)の集団を提供することと、
(b)赤血球前駆体細胞の集団を分化条件下で培養して、分化している赤血球細胞の集団を提供することと、
(c)分化している赤血球細胞の集団の複数の細胞を、外来性タンパク質をコードする核酸、例えばmRNAと、分化している赤血球細胞の集団の複数の細胞による核酸、例えばmRNAの取込みを可能にする条件下で接触させることと、
(d)分化している赤血球細胞の集団の複数の細胞を更に培養して、網状赤血球の集団を提供することと
を含み、それにより、外来性タンパク質を発現する網状赤血球の集団を製造する、方法。
【0186】
9.更なる培養は、3、2、又は1未満の集団の倍加を含む、実施形態8の方法。
【0187】
10.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:
i.a)集団における細胞の2〜40%、3〜33%、5〜30%、10〜25%、又は15〜20%は、脱核されていること、
i.b)集団における細胞の0%、0.1%、0.2%、又は0.5%を超えるが、2%、3%、4%、又は5%未満は、脱核されていること、
i.c)集団における細胞の0%、0.1%、0.2%、又は0.5%を超えるが、6%、10%、15%、20%、又は25%未満は、脱核されていること、
i.d)集団における細胞の0%、0.1%、0.2%、又は0.5%を超えるが、30%、35%、40%、45%、又は50%未満は、脱核されていること、
i.e)集団における細胞の1%、2%、3%、5%、10%、15%、又は20%以下の細胞は、脱核されていること、
i.f)集団における細胞の25%、30%、35%、40%、45%、又は50%以下は、脱核されていること、
i.g)細胞の集団は、最大脱核の6〜70%、10〜60%、20〜50%、又は30〜40%に到達していること、
i.h)細胞の集団は、最大脱核の1%、2%、3%、5%、10%、15%、又は20%以下に到達していること、
i.i)細胞の集団は、最大脱核の25%、30%、35%、40%、45%、50%、又は60%以下に到達していること、
ii.a)細胞の集団は、細胞分裂におけるプラトーから3、2、又は1未満だけ倍加した集団であること、
ii.b)細胞の集団は、3、2、又は1未満の集団の倍加が可能であること、
ii.c)集団は、集団が集団における細胞の少なくとも70%の脱核レベルに到達する前に1.5、2、又は3倍以下だけ増大すること、
iii.a)集団における最大脱核の少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)であること、
iii.b)集団における最大脱核の少なくとも50%、60%、70%、75%、又は79%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)であること、
iii.c)集団における最大脱核の30〜90%、40〜90%、50〜90%、60〜90%、又は70〜90%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)であること、
iii.d)集団における最大脱核の少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すこと、
iii.e)集団における最大脱核の少なくとも50%、60%、70%、75%、又は79%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すこと、
iii.f)集団における最大脱核の30〜90%、40〜90%、50〜90%、60〜90%、又は70〜90%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すこと、
iv.a)細胞の集団は、最大翻訳活性の少なくとも60%、70%、80%、又は90%を有すること、
iv.b)細胞の集団は、最大翻訳活性の少なくとも20%、30%、40%、又は50%を有すること、
iv.c)細胞の集団は、BONCATアッセイ、例えば実施例10の翻訳アッセイによって測定されて、少なくとも600,000、800,000、1,000、000、1,200,000、1,400,000、1,600,000、1,800,000、2,000,000、2,200,000、又は2,400,000の翻訳活性を有すること、又は
iv.d)細胞の集団は、BONCATアッセイ、例えば実施例10の翻訳アッセイによって測定されて、600,000〜2,400,000、800,000〜2,200,000、1,000、000〜2,000,000、1,200,000〜1,800,000、又は1,400,000〜1,600,000の翻訳活性を有すること
の1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、又はそれを超える)を含む赤血球細胞の集団である、実施形態3〜9のいずれかの方法。
【0188】
11.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性及びiiの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態10の方法。
【0189】
12.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性及びiiiの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態10の方法。
【0190】
13.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態10の方法。
【0191】
14.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iiの特性及びiiiの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態10の方法。
【0192】
15.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iiの特性及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態10の方法。
【0193】
16.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iiiの特性及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態10の方法。
【0194】
17.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性、iiの特性、及びiiiの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態10の方法。
【0195】
18.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性、iiの特性、及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態10の方法。
【0196】
19.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性、iiiの特性、及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態10の方法。
【0197】
20.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iiの特性、iiiの特性、及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態10の方法。
【0198】
21.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.a及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0199】
22.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.b及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0200】
23.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.c及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0201】
24.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.d及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0202】
25.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.e及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0203】
26.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.f及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0204】
27.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.g及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0205】
28.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.h及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0206】
29.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.i及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0207】
30.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.a及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0208】
31.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.b及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0209】
32.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.c及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0210】
33.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.d及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0211】
34.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.e及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0212】
35.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.f及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0213】
36.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.g及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0214】
37.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.h及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0215】
38.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.i及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0216】
39.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.a及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0217】
40.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.b及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0218】
41.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.c及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0219】
42.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.d及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0220】
43.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.e及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0221】
44.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.f及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0222】
45.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.g及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0223】
46.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.h及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0224】
47.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.i及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0225】
48.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.a及びiii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0226】
49.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.b及びiii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0227】
50.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.c及びiii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0228】
51.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.d及びiii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0229】
52.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.e及びiii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0230】
53.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.f及びiii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0231】
54.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.g及びiii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0232】
55.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.h及びiii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0233】
56.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.i及びiii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0234】
57.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.a及びiii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0235】
58.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.b及びiii.b.実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0236】
59.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.c及びiii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0237】
60.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.d及びiii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0238】
61.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.e及びiii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0239】
62.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.f及びiii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0240】
63.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.g及びiii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0241】
64.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.h及びiii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0242】
65.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.i及びiii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0243】
66.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.a及びiii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0244】
67.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.b及びiii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0245】
68.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.c及びiii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0246】
69.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.d及びiii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0247】
70.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.e及びiii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0248】
71.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.f及びiii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0249】
72.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.g及びiii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0250】
73.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.h及びiii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0251】
74.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.i及びiii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0252】
75.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.a及びiii.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0253】
76.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.b及びiii.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0254】
77.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.c及びiii.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0255】
78.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.d及びiii.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0256】
79.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.e及びiii.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0257】
80.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.f及びiii.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0258】
81.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.g及びiii.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0259】
82.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.h及びiii.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0260】
83.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.i及びiii.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0261】
84.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.a及びiii.eを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0262】
85.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.b及びiii.eを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0263】
86.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.c及びiii.eを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0264】
87.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.d及びiii.eを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0265】
88.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.e及びiii.eを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0266】
89.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.f及びiii.eを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0267】
90.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.g及びiii.eを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0268】
91.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.h及びiii.eを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0269】
92.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.i及びiii.eを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0270】
93.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.a及びiii.fを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0271】
94.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.b及びiii.fを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0272】
95.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.c及びiii.fを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0273】
96.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.d及びiii.fを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0274】
97.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.e及びiii.fを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0275】
98.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.f及びiii.fを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0276】
99.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.g及びiii.fを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0277】
100.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.h及びiii.fを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0278】
101.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.i及びiii.fを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0279】
102.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.a及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0280】
103.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.b及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0281】
104.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.c及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0282】
105.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.d及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0283】
106.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.e及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0284】
107.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.f及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0285】
108.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.g及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0286】
109.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.h及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0287】
110.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.i及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0288】
111.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.a及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0289】
112.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.b及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0290】
113.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.c及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0291】
114.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.d及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0292】
115.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.e及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0293】
116.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.f及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0294】
117.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.g及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0295】
118.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.h及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0296】
119.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.i及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0297】
120.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.a及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0298】
121.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.b及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0299】
122.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.c及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0300】
123.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.d及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0301】
124.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.e及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0302】
125.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.f及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0303】
126.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.g及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0304】
127.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.h及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0305】
128.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.i及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0306】
129.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.a及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0307】
130.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.b及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0308】
131.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.c及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0309】
132.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.d及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0310】
133.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.e及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0311】
134.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.f及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0312】
135.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.g及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0313】
136.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.h及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0314】
137.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:i.i及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0315】
138.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.a及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0316】
139.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.b及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0317】
140.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.c及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0318】
141.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.d及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0319】
142.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.e及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0320】
143.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.f及びii.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0321】
144.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.a及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、.
【0322】
145.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.b及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0323】
146.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.c及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0324】
147.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.d及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0325】
148.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.e及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0326】
149.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.f及びii.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0327】
150.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.a及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0328】
151.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.b及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0329】
152.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.c及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0330】
153.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.d及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0331】
154.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.e及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0332】
155.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.f及びii.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0333】
156.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.a及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0334】
157.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.b及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0335】
158.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.c及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0336】
159.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.d及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0337】
160.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.e及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0338】
161.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.f及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0339】
162.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.a及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0340】
163.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.b及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0341】
164.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.c及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0342】
165.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.d及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0343】
166.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.e及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0344】
167.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.f及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0345】
168.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.a及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0346】
169.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.b及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0347】
170.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.c及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0348】
171.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.d及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0349】
172.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.e及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0350】
173.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.f及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0351】
174.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.a及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0352】
175.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.b及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0353】
176.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.c及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0354】
177.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.d及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0355】
178.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.e及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0356】
179.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:iii.f及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0357】
180.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:ii.a及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0358】
181.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:ii.b及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0359】
182.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:ii.c及びiv.aを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0360】
183.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:ii.a及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0361】
184.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:ii.b及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0362】
185.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:ii.c及びiv.bを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0363】
186.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:ii.a及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0364】
187.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:ii.b及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0365】
188.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:ii.c及びiv.cを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0366】
189.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:ii.a及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0367】
190.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:ii.b及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0368】
191.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:ii.c及びiv.dを含む赤血球細胞の集団である、実施形態10〜20のいずれかの方法。
【0369】
192.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定されて、集団における細胞の84〜99%、85〜95%、又は約90%は、GPA陽性であることを含む赤血球細胞の集団である、実施形態3〜191のいずれかの方法。
【0370】
193.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定されて、集団における細胞の少なくとも84%、85%、90%、95%、又は99%は、GPA陽性であることを含む赤血球細胞の集団である、実施形態3〜191のいずれかの方法。
【0371】
194.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定されて、集団における細胞の54〜99%、55〜98%、60〜95%、65〜90%、70〜85%、又は75〜80%は、バンド3陽性であることを含む赤血球細胞の集団である、実施形態3〜191のいずれかの方法。
【0372】
195.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定されて、集団における細胞の少なくとも54%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、バンド3陽性であることを含む赤血球細胞の集団である、実施形態3〜191のいずれかの方法。
【0373】
196.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定されて、集団における細胞の96〜100%、97〜99%、又は約98%の細胞は、α4インテグリン陽性であることを含む赤血球細胞の集団である、実施形態3〜191のいずれかの方法。
【0374】
197.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、以下の特性:例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイによって測定されて、集団における細胞の少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の細胞は、α4インテグリン陽性であることを含む赤血球細胞の集団である、実施形態3〜191のいずれかの方法。
【0375】
198.複数の細胞を、外来性タンパク質をコードする核酸、例えばmRNAと接触させる前又は接触させた後、複数の細胞は、赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団から分離され、例えば、複数の細胞は、脱核状態に基づいて集団から分離される(例えば、複数の細胞は、有核細胞であり、及び集団の残りのものは、脱核細胞である)、実施形態3〜197のいずれかの方法。
【0376】
199.複数の細胞を、外来性タンパク質をコードする核酸、例えばmRNAと接触させる前又は接触させた後、例えば集団を脱核の阻害剤(ヒストンデアセチラーゼ(HDACの阻害剤)の阻害剤、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)の阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の阻害剤、又はプロテアソーム阻害剤)と共にインキュベートすることにより、例えば集団の成長、発達、ヘモグロビン合成、又は脱核プロセスを停止させることにより、赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団を同期させることを含む、実施形態3〜197のいずれかの方法。
【0377】
200.停止は、集団における細胞の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10%以下の脱核前に行われる、実施形態199の方法。
【0378】
201.外来性タンパク質を発現する網状赤血球の集団を製造する方法であって、
(e)赤血球前駆体細胞(例えば、CD34+細胞)の集団を提供することと、
(f)赤血球前駆体細胞の集団を分化条件下で培養して、分化している赤血球細胞の集団を提供することと、
(g)分化している赤血球細胞を、外来性タンパク質をコードするmRNAと、分化している赤血球細胞によるmRNAの取込みを可能にする条件下で接触させることであって、分化している赤血球細胞の集団が0.1〜25%脱核されている(例えば、0.1〜20%脱核されている、0.1〜15%脱核されている、0.1〜12%脱核されている、又は0.1〜10%脱核されている)ときに行われる、接触させることと、
(h)分化している赤血球細胞を更に培養して、網状赤血球の集団を提供することと
を含み、それにより、外来性タンパク質を発現する網状赤血球の集団を製造する、方法。
【0379】
202.更なる培養は、3、2、又は1未満の集団の倍加を含む、実施形態201の方法。
【0380】
203.接触は、分化している赤血球細胞の少なくとも50%(少なくとも60%、70%、75%、80%、90%、又は95%)が正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すときに行われる、実施形態201又は202の方法。
【0381】
204.外来性タンパク質を発現する網状赤血球の集団を製造する方法であって、(a)赤血球前駆体細胞の集団を提供することと、(b)赤血球前駆体細胞の集団を分化条件下で培養して、分化している赤血球細胞の集団を提供することと、(c)分化している赤血球細胞を、外来性タンパク質をコードするmRNAと接触させることとを含み、改善は、接触が、分化している赤血球細胞の集団が0.1〜25%脱核されている(例えば、0.1〜20%脱核されている、0.1〜15%脱核されている、0.1〜12%脱核されている、又は0.1〜10%脱核されている)ときに行われることを含む、方法。
【0382】
205.接触は、分化している赤血球細胞の集団が細胞分裂におけるプラトーの前に3、2、又は1未満の集団の倍加を有するときに行われる、実施形態204の方法。
【0383】
206.接触は、分化している赤血球細胞の少なくとも50%(少なくとも60%、70%、75%、80%、90%、又は95%)が正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すときに行われる、実施形態204又は205の方法。
【0384】
207.異種非翻訳領域(UTR)に作動可能に結合されたコード領域を含む外来性mRNAを含み、異種UTRは、調節エレメントを含む、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞。
【0385】
208.表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾、表3の1つ以上の化学修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせを含む外来性mRNAを含む赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞。
【0386】
209.赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞を生成する方法であって、
a)赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞を、調節エレメントを含む異種UTRに作動可能に結合されたコード領域を含む外来性mRNA(例えば、単離RNA又はインビトロ転写RNA)と接触させることと、
b)接触された赤血球細胞を外来性mRNAの取込みに好適な条件下で維持することと
を含み、それにより、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞を生成する、方法。
【0387】
210.赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞を生成する方法であって、
a)赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞を、表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾、表3の1つ以上の化学修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせを含む外来性mRNAと接触させることと、
b)接触された赤血球細胞を外来性mRNAの取込みに好適な条件下で維持することと
を含み、それにより、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞を生成する、方法。
【0388】
211.脱核赤血球細胞における外来性タンパク質を生成する方法であって、
a)調節エレメントを含む異種UTRに作動可能に結合されたコード領域を含む外来性mRNA(例えば、単離RNA又はインビトロ転写RNA)を含む赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞を提供し、且つ
b)赤血球細胞を外来性タンパク質の生成に好適な条件下で培養し、それにより、外来性タンパク質を生成する、方法。
【0389】
212.脱核赤血球細胞における外来性タンパク質を生成する方法であって、
a)表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾、表3の1つ以上の化学修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせを含む赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞を提供することと、
b)赤血球細胞を外来性タンパク質の生成に好適な条件下で培養することと
を含み、それにより、外来性タンパク質を生成する、方法。
【0390】
213.外来性タンパク質を対象に提供するか、外来性タンパク質を生成することができる脱核赤血球細胞を対象に提供するか、又は対象を処置する方法であって、
調節エレメントを含む異種UTRに作動可能に結合されたコード領域を含む外来性mRNA(例えば、単離RNA又はインビトロ転写RNA)を含む赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞を対象に投与すること
を含み、それにより、外来性タンパク質を対象に提供するか、外来性タンパク質を生成することができる脱核赤血球細胞を対象に提供するか、又は対象を処置する、方法。
【0391】
214.外来性タンパク質を対象に提供するか、外来性タンパク質を生成することができる脱核赤血球細胞を対象に提供するか、又は対象を処置する方法であって、
赤血球細胞、例えば表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾、表3の1つ以上の化学修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせを含む外来性mRNAを含む有核赤血球細胞を対象に投与すること
を含み、それにより、外来性タンパク質を対象に提供するか、外来性タンパク質を生成することができる脱核赤血球細胞を対象に提供するか、又は対象を処置する、方法。
【0392】
215.赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞(又はそのような細胞のバッチ)を評価する方法であって、
a)調節エレメントを含む異種UTRに作動可能に結合されたコード領域を含む外来性mRNAを含む赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞(又はそのような細胞のバッチ)を提供することと、
b)赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞(又はそのような細胞のバッチ)を、予め選択されたパラメーターに関して評価することと
を含み、それにより、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞(又はそのような細胞のバッチ)を評価する、方法。
【0393】
216.赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞(又はそのような細胞のバッチ)を評価する方法であって、
a)表1の1つ以上の化学修飾ヌクレオチド、表2の1つ以上の化学的バックボーン修飾、表3の1つ以上の化学修飾キャップ、又はそれらの任意の組み合わせを含む赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞を提供することと、
b)赤血球細胞、例えば有核赤血球細胞(又はそのような細胞のバッチ)を、予め選択されたパラメーターに関して評価することと
を含み、それにより、赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞(又はそのような細胞のバッチ)を評価する、方法。
【0394】
217.集団における細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、mRNAと接触させてから5日後に外来性タンパク質を含む、実施形態207の方法。
【0395】
218.集団における細胞は、例えば、mRNAとの接触から5日後に外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む、実施形態207の方法。
【0396】
219.細胞は、mRNAと接触させた後、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15日間にわたって外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む、実施形態207の方法。
【0397】
220.外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を作製する方法であって、
赤血球細胞及び外来性タンパク質をコードするmRNAを含む反応混合物を、例えば反応混合物中にリボヌクレアーゼ阻害剤を含めることにより、mRNAの分解を阻害する条件下で提供することと、
赤血球細胞によるmRNAの取込みを可能にする条件下で反応混合物を維持することと
を含み、それにより、外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を作製する、方法。
【0398】
221.赤血球細胞の集団を提供することと、集団を、外来性タンパク質をコードするmRNAと接触させることとを含む、実施形態220の方法。
【0399】
222.集団の複数の赤血球細胞は、外来性タンパク質をコードするmRNAをそれぞれ取込む、実施形態220又は221の方法。
【0400】
223.細胞又は複数の細胞は、外来性タンパク質を発現する、実施形態220〜222のいずれかの方法。
【0401】
224.細胞又は複数の細胞は、外来性タンパク質を含む、実施形態220〜223のいずれかの方法。
【0402】
225.細胞又は細胞の集団を電気穿孔することを更に含む、実施形態220〜224のいずれかの方法。
【0403】
226.赤血球細胞の集団をリボヌクレアーゼ阻害剤と接触させることを更に含む、実施形態220〜225のいずれかの方法。
【0404】
227.細胞をmRNAと接触させる前、接触させている間、又は接触させた後に、細胞の集団をリボヌクレアーゼ阻害剤と接触させることを含む、実施形態220〜226のいずれかの方法。
【0405】
228.成熟段階の4、5、又は6日目に細胞をプロテアソーム阻害剤と接触させることを含む、実施形態220〜227のいずれかの方法。
【0406】
229.細胞は、成熟段階にある、実施形態220〜228のいずれかの方法。
【0407】
230.細胞が、以下の特性:
i.a)集団における細胞の2〜40%、3〜33%、5〜30%、10〜25%、又は15〜20%は、脱核されていること、
i.b)集団における細胞の0%、0.1%、0.2%、又は0.5%を超えるが、2%、3%、4%、又は5%未満は、脱核されていること、
i.c)集団における細胞の0%、0.1%、0.2%、又は0.5%を超えるが、6%、10%、15%、20%、又は25%未満は、脱核されていること、
i.d)集団における細胞の0%、0.1%、0.2%、又は0.5%を超えるが、30%、35%、40%、45%、又は50%未満は、脱核されていること、
i.e)集団における細胞の1%、2%、3%、5%、10%、15%、又は20%以下は、脱核されていること、
i.f)集団における細胞の25%、30%、35%、40%、45%、又は50%以下は、脱核されていること、
i.g)細胞の集団は、最大脱核の6〜70%、10〜60%、20〜50%、又は30〜40%に到達していること、
i.h)細胞の集団は、最大脱核の1%、2%、3%、5%、10%、15%、又は20%以下に到達していること、
i.i)細胞の集団は、最大脱核の25%、30%、35%、40%、45%、50%、又は60%以下に到達していること、
ii.a)細胞の集団は、細胞分裂におけるプラトーから3、2、又は1未満だけ倍加した集団であること、
ii.b)細胞の集団は、3、2、又は1未満の集団の倍加が可能であること、
ii.c)集団は、集団が集団における細胞の少なくとも70%の脱核レベルに到達する前に1.5、2、又は3倍以下だけ増大すること、
iii.a)集団における細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)であること、
iii.b)集団における細胞の少なくとも50%、60%、70%、75%、又は79%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)であること、
iii.c)集団における細胞の30〜90%、40〜90%、50〜90%、60〜90%、又は70〜90%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すこと、
iii.d)集団における細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すこと、
iii.e)集団における細胞の少なくとも50%、60%、70%、75%、又は79%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すこと、
iii.f)集団における細胞の30〜90%、40〜90%、50〜90%、60〜90%、又は70〜90%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すこと、
iv.a)細胞の集団は、最大翻訳活性の少なくとも60%、70%、80%、又は90%を有すること、
iv.b)細胞の集団は、最大翻訳活性の少なくとも20%、30%、40%、又は50%を有すること、
iv.c)BONCATアッセイ、例えば実施例10の翻訳アッセイによって測定されて、細胞の集団は、少なくとも600,000、800,000、1,000、000、1,200,000、1,400,000、1,600,000、1,800,000、2,000,000、2,200,000、又は2,400,000の翻訳活性を有すること、又は
iv.d)BONCATアッセイ、例えば実施例10の翻訳アッセイによって測定されて、細胞の集団は、600,000〜2,400,000、800,000〜2,200,000、1,000、000〜2,000,000、1,200,000〜1,800,000、又は1,400,000〜1,600,000の翻訳活性を有すること
の1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、又はそれを超える)を含む時点で細胞をリボヌクレアーゼ阻害剤と接触させることを含む、実施形態220〜229のいずれかの方法。
【0408】
231.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性及びiiの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態230の方法。
【0409】
232.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性及びiiiの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態230の方法。
【0410】
233.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態230の方法。
【0411】
234.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iiの特性及びiiiの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態230の方法。
【0412】
235.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iiの特性及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態230の方法。
【0413】
236.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iiiの特性及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態230の方法。
【0414】
237.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性、iiの特性、及びiiiの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態230の方法。
【0415】
238.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性、iiの特性、及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態230の方法。
【0416】
239.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性、iiiの特性、及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態230の方法。
【0417】
240.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iiの特性、iiiの特性、及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態230の方法。
【0418】
241.(例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイにより)細胞が、以下の特性:
集団における細胞の84〜99%、85〜95%、又は約90%は、GPA陽性であること、
集団における細胞の少なくとも84%、85%、90%、95%、又は99%は、GPA陽性であること、
集団における細胞の54〜99%、55〜98%、60〜95%、65〜90%、70〜85%、又は75〜80%は、バンド3陽性であること、
集団における細胞の少なくとも54%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、バンド3陽性であること、
集団における細胞の96〜100%、97〜99%、又は約98%は、α4インテグリン陽性であること、又は
集団における細胞の少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%は、α4インテグリン陽性であること
の1つ以上(例えば、2、3、4、5、又はそれを超える)を含む時点で細胞をリボヌクレアーゼ阻害剤と接触させることを含む、実施形態220〜240のいずれかの方法。
【0419】
242.mRNAは、インビトロ転写mRNAである、実施形態220〜241のいずれかの方法。
【0420】
243.集団の細胞の少なくとも80%、85%、90%、又は95%は、細胞がmRNAと接触されてから5日後に生存可能である、実施形態220〜242のいずれかの方法。
【0421】
244.集団の細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%は、細胞がmRNAと接触されてから5日後に脱核されている、実施形態220〜243のいずれかの方法。
【0422】
245.細胞がmRNAと接触されてから5日後に脱核されている細胞の割合は、リボヌクレアーゼ阻害剤で処理されていない他に同様の細胞の集団における脱核されている細胞の割合の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又は95%である、実施形態220〜244のいずれかの方法。
【0423】
246.細胞の集団は、細胞がmRNAと接触される時点で少なくとも1×106、2×106、5×106、1×107、2×107、5×107、又は1×108細胞を含む、実施形態220〜245のいずれかの方法。
【0424】
247.細胞の集団は、細胞がmRNAと接触されてから5日以内に少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%だけ拡大する、実施形態220〜246のいずれかの方法。
【0425】
248.集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、細胞がmRNAと接触されてから5日後に外来性タンパク質を発現する、実施形態220〜247のいずれかの方法。
【0426】
249.集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、細胞がmRNAと接触されてから5日後に外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む、実施形態220〜248のいずれかの方法。
【0427】
250.細胞の集団は、リボヌクレアーゼ阻害剤で処理されていない他に同様の細胞の集団よりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%だけ多い、又は少なくとも2倍、3倍、4倍、若しくは5倍だけ多い外来性タンパク質を含む、実施形態220〜249のいずれかの方法。
【0428】
251.i)赤血球細胞、ii)外来性タンパク質を含むmRNA、及びiii)リボヌクレアーゼ阻害剤を含む反応混合物。
【0429】
252.mRNAは、赤血球細胞内にある、実施形態251の反応混合物。
【0430】
253.複数の赤血球細胞を含む、実施形態251又は252の反応混合物。
【0431】
254.リボヌクレアーゼ阻害剤に関する外来性タンパク質を含む脱核赤血球細胞を含む反応混合物をアッセイする方法であって、
外来性タンパク質を含む脱核赤血球細胞を含む反応混合物を提供することと、
例えば、反応混合物のアリコートにおける例えばELISA、ウェスタンブロット、又は質量分析により、リボヌクレアーゼ阻害剤の存在又はレベルに関してアッセイすることと
を含む方法。
【0432】
255.リボヌクレアーゼ阻害剤のレベルを基準値と比較することを更に含む、実施形態254の方法。
【0433】
256.比較に応答して、
集団を、例えば必須要件を満たすか又は必須要件を満たさないとして分類することであって、例えば、必須要件は、リボヌクレアーゼ阻害剤のレベルが基準値を下回る場合に満たされる、分類すること、
例えば、リボヌクレアーゼ阻害剤のレベルが基準値を上回る場合、集団が、続く精製ステップに好適であるとき、集団を、続く処理ステップに好適であるか又は好適でないとして分類すること、
集団を、治療としての使用に好適であるか又は好適でないとして分類すること、又は
例えば、リボヌクレアーゼ阻害剤のレベルが基準値を下回る場合、集団又はそのアリコートを治療的使用のために処方又は包装すること
の1つ以上を更に含む、実施形態255の方法。
【0434】
257.リボヌクレアーゼ阻害剤は、RNAsin Plus、Protector RNAse Inhibitor、又はRibonuclease Inhibitor Humaである、実施形態220〜256のいずれかの反応混合物又は方法。
【0435】
258.外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を作製する方法であって、
赤血球細胞及び外来性タンパク質をコードするmRNAを含む反応混合物を、例えば反応混合物中にプロテアソーム阻害剤を含めることにより、タンパク質分解を阻害する条件下で提供することと、
赤血球細胞によるmRNAの取込みを可能にする条件下で反応混合物を維持することと
を含み、それにより、外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を作製する、方法。
【0436】
259.赤血球細胞の集団を提供することと、集団を、外来性タンパク質をコードするmRNAと接触させることとを含む、実施形態258の方法。
【0437】
260.集団の複数の赤血球細胞は、外来性タンパク質をコードするmRNAをそれぞれ取込む、実施形態258又は259の方法。
【0438】
261.細胞又は複数の細胞は、外来性タンパク質を発現する、実施形態258〜260のいずれかの方法。
【0439】
262.細胞又は複数の細胞は、外来性タンパク質を含む、施形態258〜261のいずれかの方法。
【0440】
263.細胞又は細胞の集団を電気穿孔することを更に含む、実施形態258〜262のいずれかの方法。
【0441】
264.赤血球細胞の集団をプロテアソーム阻害剤と接触させることを更に含む、実施形態258〜263のいずれかの方法。
【0442】
265.細胞をmRNAと接触させる前、接触させている間、又は接触させた後、例えば細胞をmRNAと接触させる0.5〜2日前又は後に細胞の集団をプロテアソーム阻害剤と接触させることを含む、実施形態258〜264のいずれかの方法。
【0443】
266.成熟段階の4、5、又は6日目に細胞をプロテアソーム阻害剤と接触させることを含む、実施形態258〜265のいずれかの方法。
【0444】
267.細胞は、成熟段階にある、実施形態258〜266のいずれかの方法。
【0445】
268.細胞が、以下の特性:
i.a)集団における細胞の2〜40%、3〜33%、5〜30%、10〜25%、又は15〜20%は、脱核されていること、
i.b)集団における細胞の0%、0.1%、0.2%、又は0.5%を超えるが、2%、3%、4%、又は5%未満は、脱核されていること、
i.c)集団における細胞の0%、0.1%、0.2%、又は0.5%を超えるが、6%、10%、15%、20%、又は25%未満は、脱核されていること、
i.d)集団における細胞の0%、0.1%、0.2%、又は0.5%を超えるが、30%、35%、40%、45%、又は50%未満は、脱核されていること、
i.e)集団における細胞の1%、2%、3%、5%、10%、15%、又は20%以下は、脱核されていること、
i.f)集団における細胞の25%、30%、35%、40%、45%、又は50%以下は、脱核されていること、
i.g)細胞の集団は、最大脱核の6〜70%、10〜60%、20〜50%、又は30〜40%に到達していること、
i.h)細胞の集団は、最大脱核の1%、2%、3%、5%、10%、15%、又は20%以下に到達していること、
i.i)細胞の集団は、最大脱核の25%、30%、35%、40%、45%、50%、又は60%以下に到達していること、
ii.a)細胞の集団は、細胞分裂におけるプラトーから3、2、又は1未満だけ倍加した集団であること、
ii.b)細胞の集団は、3、2、又は1未満の集団の倍加が可能であること、
ii.c)集団は、集団が集団における細胞の少なくとも70%の脱核レベルに到達する前に1.5、2、又は3倍以下だけ増大すること、
iii.a)集団における細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)であること、
iii.b)集団における細胞の少なくとも50%、60%、70%、75%、又は79%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)であること、
iii.c)集団における細胞の30〜90%、40〜90%、50〜90%、60〜90%、又は70〜90%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)であること、
iii.d)集団における細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すこと、
iii.e)集団における細胞の少なくとも50%、60%、70%、75%、又は79%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すこと、
iii.f)細胞の30〜90%、40〜90%、50〜90%、60〜90%、又は70〜90%は、正赤芽球(例えば、多染性又は正染性正赤芽球)の形態を示すこと、
iv.a)細胞の集団は、最大翻訳活性の少なくとも60%、70%、80%、又は90%を有すること、
iv.b)細胞の集団は、最大翻訳活性の少なくとも20%、30%、40%、又は50%を有すること、
iv.c)細胞の集団は、BONCATアッセイ、例えば実施例10の翻訳アッセイによって測定されて、少なくとも600,000、800,000、1,000、000、1,200,000、1,400,000、1,600,000、1,800,000、2,000,000、2,200,000、又は2,400,000の翻訳活性を有すること、又は
iv.d)細胞の集団は、BONCATアッセイ、例えば実施例10の翻訳アッセイによって測定されて、600,000〜2,400,000、800,000〜2,200,000、1,000、000〜2,000,000、1,200,000〜1,800,000、又は1,400,000〜1,600,000の翻訳活性を有すること、
の1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、又はそれを超える)を含む時点で細胞をプロテアソーム阻害剤と接触させることを含む、実施形態258〜267のいずれかの方法。
【0446】
269.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性及びiiの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態268の方法。
【0447】
270.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性及びiiiの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態268の方法。
【0448】
271.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態268の方法。
【0449】
272.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iiの特性及びiiiの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態268の方法。
【0450】
273.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iiの特性及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態268の方法。
【0451】
274.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iiiの特性及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態268の方法。
【0452】
275.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性、iiの特性、及びiiiの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態268の方法。
【0453】
276.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性、iiの特性、及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態268の方法。
【0454】
277.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iの特性、iiiの特性、及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態268の方法。
【0455】
278.赤血球細胞の集団又は分化している赤血球細胞の集団は、iiの特性、iiiの特性、及びivの特性を含む赤血球細胞の集団である、実施形態268の方法。
【0456】
279.(例えば、フローサイトメトリーアッセイ、例えば実施例10のフローサイトメトリーアッセイにより)細胞が、以下の特性:
集団における細胞の84〜99%、85〜95%、又は約90%は、GPA陽性であること、
集団における細胞の少なくとも84%、85%、90%、95%、又は99%は、GPA陽性であること、
集団における細胞の54〜99%、55〜98%、60〜95%、65〜90%、70〜85%、又は75〜80%は、バンド3陽性であること、
集団における細胞の少なくとも54%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、バンド3陽性であること、
集団における細胞の96〜100%、97〜99%、又は約98%は、α4インテグリン陽性であること、又は
集団における細胞の少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%は、α4インテグリン陽性であること
の1つ以上(例えば、2、3、4、5、又はそれを超える)を含む時点で細胞をプロテアソーム阻害剤と接触させることを含む、実施形態258〜278のいずれかの方法。
【0457】
280.mRNAは、インビトロ転写mRNAである、実施形態258〜279のいずれかの方法。
【0458】
281.集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、細胞がmRNAと接触されてから5日後に生存可能である、実施形態258〜280のいずれかの方法。
【0459】
282.集団の細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%は、細胞がmRNAと接触されてから5日後に脱核されている、実施形態258〜281のいずれかの方法。
【0460】
283.細胞がmRNAと接触されてから5日後に脱核されている細胞の割合は、プロテアソーム阻害剤で処理されていない他に同様の細胞の集団における脱核されている細胞の割合の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又は95%である、実施形態258〜282のいずれかの方法。
【0461】
284.細胞の集団は、細胞がmRNAと接触される時点で少なくとも1×10
6、2×10
6、5×10
6、1×10
7、2×10
7、5×10
7、又は1×10
8細胞を含む、実施形態258〜283のいずれかの方法。
【0462】
285.細胞の集団は、細胞がmRNAと接触されてから5日以内に少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%だけ拡大する、実施形態258〜284のいずれかの方法。
【0463】
286.集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、細胞がmRNAと接触されてから5日後に外来性タンパク質を含む、実施形態258〜285のいずれかの方法。
【0464】
287.集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、例えば、細胞がmRNAと接触されてから5日後に外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む、実施形態258〜286のいずれかの方法。
【0465】
288.細胞の集団は、プロテアソーム阻害剤で処理されていない他に同様の細胞の集団よりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%だけ多い、又は少なくとも2倍、3倍、4倍、若しくは5倍だけ多い外来性タンパク質を含む、実施形態258〜287のいずれかの方法。
【0466】
289.i)赤血球細胞、ii)外来性タンパク質を含むmRNA、及びiii)プロテアソーム阻害剤を含む反応混合物。
【0467】
290.mRNAは、赤血球細胞内にある、実施形態289の反応混合物。
【0468】
291.複数の赤血球細胞を含む、実施形態289又は290の反応混合物。
【0469】
292.プロテアソーム阻害剤に関する外来性タンパク質を含む脱核赤血球細胞を含む反応混合物をアッセイする方法であって、
外来性タンパク質を含む脱核赤血球細胞を含む反応混合物を提供することと、
例えば、反応混合物のアリコートにおける例えばELISA、ウェスタンブロット、又は質量分析により、プロテアソーム阻害剤の存在又はレベルに関してアッセイすることと
を含む方法。
【0470】
293.プロテアソーム阻害剤のレベルを基準値と比較することを更に含む、実施形態292の方法。
【0471】
294.比較に応答して、
集団を、例えば必須要件を満たすか又は必須要件を満たさないとして分類することであって、例えば、必須要件は、プロテアソーム阻害剤のレベルが基準値を下回る場合に満たされる、分類すること、
例えば、プロテアソーム阻害剤のレベルが基準値を上回る場合、集団が、続く精製ステップに好適であるとき、集団を、続く処理ステップに好適であるか又は好適でないとして分類すること、
集団を、治療としての使用に好適であるか又は好適でないとして分類すること、又は
例えば、プロテアソーム阻害剤のレベルが基準値を下回る場合、集団又はそのアリコートを治療的使用のために処方又は包装すること
の1つ以上を更に含む、実施形態293の方法。
【0472】
295.プロテアソーム阻害剤は、20Sプロテアソーム阻害剤、例えばMG−132若しくはカルフィルゾミブ、又は26Sプロテアソーム阻害剤、例えばボルテゾミブである、実施形態258〜294のいずれかの反応混合物又は方法。
【0473】
296.第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を作製する方法であって、
a)例えば、成熟段階における赤血球細胞を提供することと、
b)赤血球細胞を、第1の外来性タンパク質をコードするmRNA、及び第2の外来性タンパク質をコードする第2のmRNAと、赤血球細胞による第1のmRNA及び第2のmRNAの取込みを可能にする条件下で接触させることと
を含み、それにより、第1のmRNA及び第2のmRNAを含む赤血球細胞を作製する、方法。
【0474】
297.赤血球細胞は、例えば、mRNAとの接触から5日後に第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質の少なくとも1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む、実施形態296の方法。
【0475】
298.第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質を発現する赤血球細胞の集団を生成する方法であって、
a)例えば、成熟段階における赤血球細胞の集団を提供することと、
b)赤血球細胞の集団を、第1の外来性タンパク質をコードする第1のmRNA、及び第2の外来性タンパク質をコードする第2のmRNAと接触させることと
を含み、それにより、外来性タンパク質をコードするmRNAを含む赤血球細胞を作製する、方法であって、集団における細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%は、第1のmRNA及び第2のmRNAの両方を含む、方法。
【0476】
299.赤血球細胞の集団は、例えば、mRNAとの接触から5日後に1細胞当たり第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質の少なくとも平均1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000、又は100,000コピーを含む、実施形態298の方法。
【0477】
300.接触は、電気穿孔を行うことを含む、実施形態296〜299のいずれかの方法。
【0478】
301.細胞の集団は、細胞が第1及び第2のmRNAと接触されてから少なくとも5日後に細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%において第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質を含む、実施形態298〜300のいずれかの方法。
【0479】
302.集団における細胞の少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%は、第1の外来性タンパク質及び第2の外来性タンパク質を発現し、集団は、細胞を第1又は第2の外来性タンパク質をコードするDNAと接触させることによって作製されたものではない、赤血球細胞の集団。
【0480】
303.1細胞当たり外来性タンパク質の所定の数のコピーを含む複数の赤血球細胞を生成する方法であって、集団を、外来性タンパク質をコードする所定の量のmRNAと接触させることを含み、それにより、所定の量の外来性タンパク質を含む赤血球細胞を作製する、方法。
【0481】
304.複数の赤血球細胞(例えば、脱核赤血球細胞)の1つ以上を評価して、外来性タンパク質の量を決定することを更に含む、実施形態303の方法。
【0482】
305.赤血球細胞、例えば脱核赤血球細胞のサンプル中の外来性タンパク質の量を評価する方法であって、
1細胞当たり外来性タンパク質の所定の数のコピーを含む複数の赤血球細胞を提供することであって、赤血球細胞は、集団を、外来性タンパク質をコードする所定の量のmRNAと接触させることにより作製されたものである、提供することと、
複数の赤血球細胞における外来性タンパク質の量を決定することと
を含む方法。
【0483】
306.細胞集団を、集団における5E6細胞当たり0.6±20%ugのmRNAと接触させることは、1細胞当たり外来性タンパク質の1,000,000±20%のコピーを発現する細胞の集団を産出し、
細胞集団を、集団における5E6細胞当たり0.4±20%ugのmRNAと接触させることは、1細胞当たり外来性タンパク質の870,000±20%のコピーを発現する細胞の集団を産出し、
細胞集団を、集団における5E6細胞当たり0.2±20%ugのmRNAと接触させることは、1細胞当たり外来性タンパク質の610,000±20%のコピーを発現する細胞の集団を産出し、
細胞集団を、集団における5E6細胞当たり0.1±20%ugのmRNAと接触させることは、1細胞当たり外来性タンパク質の270,000±20%のコピーを発現する細胞の集団を産出し、
細胞集団を、集団における5E6細胞当たり0.05±20%ugのmRNAと接触させることは、1細胞当たり外来性タンパク質の100,000±20%のコピーを発現する細胞の集団を産出し、又は
細胞集団を、集団における5E6細胞当たり0.025±20%ugのmRNAと接触させることは、1細胞当たり外来性タンパク質の43,000±20%のコピーを発現する細胞の集団を産出する、実施形態303〜305のいずれかの方法。
【0484】
307.集団の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、又は95%は、細胞が外来性タンパク質と接触されてから1日後に外来性タンパク質を発現する、実施形態303〜306のいずれかの方法。
【実施例】
【0485】
実施例1:外来性修飾又は非修飾RNAの送達方法
レンチウイルス形質導入K562細胞の場合、導入遺伝子に含まれるエピトープタグ(HAタグ)の発現は、プロウイルス長に逆相関し、およそ6kbを超えるプロウイルスコンストラクトでは、HAタグを発現する細胞のパーセントにおいておよそ1−log低下している(
図1を参照されたい)。任意の特定の理論に束縛されるものではないが、形質導入効率の低下の理由は、より長いプロウイルス配列のレンチウイルス内のパッケージング効率の低下が関与すると考えられる。3.6kb〜8.2kbの範囲のプロウイルス長のレンチウイルスコンストラクトのセットを試験した(
図2を参照されたい)。ELISAで測定したp24カプシドタンパク質の数を用いて、生成されたレンチウイルス粒子の数を定量化した。プロウイルスRNAのコピーの数を定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)により測定した。正規化により、プロウイルス長の関数としてのp24カプシドタンパク質の1マイクログラム当たりのRNAコピーの数量化が提供された。実験では、プロウイルス長<5kbの場合、p24の1マイクログラム当たり約3×10
9のRNAコピーが観察された。コンストラクト>6kbの場合、p24カプシドの1マイクログラム当たり約8×10
8超のRNAコピーを示すウイルス製剤は存在しなかった。形質導入効率の低下をもたらす、RNA含有ウイルス製剤とRNA欠損ウイルス製剤との間のサイズ依存性相違が認められる。
【0486】
260V/150μFの単一パルスによる、K562細胞の電気穿孔、及び赤血球細胞(初代細胞からの)と緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードするmRNAとの培養を行った(
図3を参照されたい)。GFPからの蛍光を読み取ることにより遺伝子導入の成功を測定し、この成功は、mRNAが細胞に進入した後、タンパク質に翻訳されることを必要とする。K562細胞の電気穿孔の成功をもたらす文献の条件(Van Tendeloo et al.Blood 2001 98(1):49−56)は、培養した赤血球細胞(初代前駆細胞由来の)への外来性核酸の有効な送達には不十分である。初代前駆細胞由来の培養赤血球細胞の電気穿孔に関する50を超える異なる条件を試験した。遺伝子導入効率は、0.1%の遺伝子導入細胞〜85%超の遺伝子導入細胞の範囲であった(
図4A〜4Cを参照されたい)。
図4A〜4Cは、12の異なる条件に関する分化8日目の、初代前駆細胞由来の培養赤血球細胞の電気穿孔後のmRNAからのGFPの翻訳を示す。生存率は、Life Technologiesの生/死染色を使用して測定し、染色が陰性であった細胞は、生存可能であると見なされた。条件1は、非遺伝子導入対照に対応する(0.21% GFP、97.39%生存率)。用いた電気穿孔条件に応じて、細胞は、非常に良好なmRNAの取込み(86.9%)及び高い生存率(92.6%)を有し(例えば、条件2)、又は乏しいmRNAの取込み(30.9%)及び乏しい生存率(42.7%)を有した(例えば、条件9)。
【0487】
細胞が継続的に分化するにつれて、高い生存率を維持すると共に良好な導入遺伝子取込み及び発現を達成するために、異なる電気穿孔条件を必要とする。およそ20日の分化培養の過程にわたって細胞に対する50を超える条件を試験して、良好な遺伝子導入及び良好な生存率を促す条件を特定した。
図5は、3つの異なる時点−8日目、13日目、及び15日目における、電気穿孔によるGFP mRNAを用いた細胞の遺伝子導入の成功を示す。好適な条件を表5〜7にまとめる。培養赤血球細胞は分化の10日目及び12日目にも電気穿孔によりGFP mRNAを遺伝子導入され、GFP発現をもたらした(データは示さず)。
【0488】
本明細書に開示した条件下における、初代前駆細胞から培養した赤血球細胞の電気穿孔は、高分化する細胞の能力を損なわないように思われることも認められた。一度電気穿孔された細胞は、再び電気穿孔され、再び導入遺伝子を問題なく取込み、翻訳した。
図6は、9日目に電気穿孔され4日間分裂させた、初代前駆細胞から培養した赤血球細胞の集団を示し、その4日間の間、おそらく細胞分裂によるmRNA及びタンパク質の希釈に起因して、GFP蛍光の量が低下し、13日目に再び電気穿孔された。
【0489】
培養赤血球細胞を、細胞が比較的未分化である増殖段階中である、分化の4日目にGFP mRNAを用いて電気穿孔した。分化の8日目に、細胞は、GFP蛍光を示し、表8に示すように、7AAD染色による高い生存率を示した。表8において、P1は、細胞を構成する主要集団の百分率を示し(例えば、、高いP1値は、低いデブリレベルを意味する);% GFPは、GFP蛍光を示すP1における細胞のパーセントを示し、MFIは、GFP+細胞の蛍光強度を意味し、%AAD−は、AAD陰性である細胞のパーセントを示し、ここで、生存可能細胞は、AAD陰性である。
【0490】
実施例2:ELISA
市販のキット(Clontech)を使用して、製造両者のプロトコルに従ってP24タンパク質を定量化した。手短には、ウイルス上清を、20uL溶解緩衝液を有するチューブ内に分配し、37Cで60分間インキュベートした後、マイクロタイタープレートに移動した。マイクロタイタープレートを洗浄し、100μlの抗p24(ビオチンコンジュゲート)検出器抗体と共に37Cで60分間インキュベートした。洗浄後、プレートを100μlのストレプトアビジン−HRPコンジュゲートと共に室温で30分間インキュベートした後、再び洗浄した。12。基質溶液をプレートに加え、室温(18〜25℃)で20(±2)分間インキュベートした。反応を停止溶液により停止し、450nmでの光吸収により比色分析読み取りを検出した。
【0491】
実施例3:qPCR
市販のレンチウイルスベクターqRT−PCRキット(Clontech)を使用して、製造業者のプロトコルに従って、ウイルスRNAコピーを定量化した。手短には、RNAウイルス精製キットを使用して、レンチウイルス上清からRNAを抽出した。ウイルスゲノム上の保存配列を認識し、ベクターによりコードされる特定の導入遺伝子に依存しない、標準的なレンチウイルスプライマー(フォワード及びリバース)を用いてPCR反応を行った。42Cで5分間のインキュベーション、次いで95℃で10秒間のインキュベーション、次いで95Cで5秒間及び60Cで30秒間の40サイクルによりRT反応を行った。使用した機器は、Life Technologies QuantStudioであった。
【0492】
実施例4:インビトロ転写によるmRNAの生成
mRNAのインビトロ生成のためのキットは、市販されている(例えば、Life TechnologiesのMAxiscript T7キット)。手短には、関心対象の遺伝子を、標準的な分子生物学的技術により、適切なT7プロモーターを含有するプラスミドDNAにクローン化する。転写反応を1ug DNA鋳型、2uL 10×転写緩衝液、各々1uLの10mM ATP、CTP、GTP、及びUTP、2uLのT7ポリメラーゼ酵素ミックスを用いて総容積20uLで設定する。反応物を徹底的に混合し、37Cで1時間インキュベートする。汚染する残留プラスミドDNAを除去するために、1uLターボDNAseを加え、反応物を37Cで15分間インキュベートする。1uL 0.5M EDTAを加えて反応を停止する。転写産物をゲル電気泳動又はスピンカラム精製により精製する。
【0493】
実施例5:電気穿孔
細胞をRPMI緩衝液中で洗浄し、10uLの総容積中の密度1×10
7細胞/mLでLife TechnologiesのNeon電気穿孔機器に負荷し、以下の条件で電気穿孔した:1000Vの1パルス、50msのパルス幅。
【0494】
実施例6:化学修飾mRNAを用いた電気穿孔
GFPをコードする化学修飾mRNAをTriLinkから購入した。RNAは、シュード−ウリジン及び5−メチルシトシンを含む。分化している赤血球細胞を、分化の4、8、10、又は12日目に電気穿孔した。試験した全ての分化の日、試験した異なる電気穿孔条件下でGFP蛍光を観察した。表9は、4日目に電気穿孔され、8日目に観察した際のGFP蛍光レベルを示す。表10は、細胞が12日目に電気穿孔され、15日目に観察した際のGFP蛍光レベルを示す。分化の8日目又は10日目に電気穿孔された細胞におけるGFP蛍光も観察した(データは示さず)。
【0495】
トリパンブルー染色を用いて、電気穿孔細胞における細胞生存率及び増殖能を測定した。細胞を分化の8日目に、非修飾GFP mRNA、又はシュード−ウリジン及び5−メチルシトシンを含むTriLink化学修飾RNAを用いて電気穿孔した。9日目に、非修飾又は修飾RNAを受容した細胞におけるGFP蛍光を観察した(データは示さず)。また、9日目に細胞の総数、生細胞の数、及び細胞生存率を測定した。非修飾mRNAを用いて電気穿孔したサンプルでは、生細胞の数は、外来性核酸を加えずに電気穿孔した対照細胞における生細胞の数よりも少なかった(表11を参照されたい)。この減少は、修飾RNAを使用した場合、部分的に逆転した(表11)。これは、非修飾RNAを用いた電気穿孔が細胞の成長又は生存率を低下させ得、修飾RNAの使用が成長又は生存率を少なくとも部分的に救い得ることを示す。
【0496】
実施例7:異種非翻訳領域
ヘモグロビン3’UTR配列が追加されたインビトロ転写GFP mRNA(「Hemo−GFP」)を用いて赤血球細胞を電気穿孔した。mRNAは、化学的に修飾されていなかった。次いで、電気穿孔から2日後に細胞をフローサイトメトリーによりGFP蛍光に関してアッセイした。59.7%の細胞は、GFP陽性であった。GFP陽性細胞の平均蛍光強度は、35069単位であった。
【0497】
実施例8:成熟段階中のmRNA電気穿孔
図7Aに示すように、赤血球細胞分化は、3つの段階に分割することができる:増殖(増殖の0〜5日目、これは全体の0〜5日目に対応する)、分化(分化の1〜9日目、これは全体の6〜14日目に対応する)、及び成熟(成熟の1〜14日目、これは全体の15〜28日目に対応する)。増殖は、初期培養物を増幅して臨床的用量の必須要件を満たすための非分化環境内での造血性前駆細胞の単離及び増殖の段階を説明する。分化は、赤血球生成を誘導し、赤血球細胞機能に特殊化させるための成長因子及び培地添加物の使用を説明する。成熟は、赤血球細胞が最初に核を、続いてそれらのミトコンドリア及びリボソーム内容物を喪失する最終ステージを指す。成熟赤血球細胞は、新たなmRNA合成又はタンパク質翻訳の能力を有さない。
【0498】
赤血球細胞分化は、インビトロで行い、細胞は異なる時点においてGFP mRNAを用いて電気穿孔された。細胞が分化の9日目(全体の14日目)に電気穿孔された際、GFP発現は、当初観察されたが、実験の9日間の過程にわたって減少した(
図7B)。細胞が成熟の7日目(全体の21日目)に電気穿孔された際、GFP発現は、実験の9日間の過程全体に延長した(
図7C)。4つの異なる電気穿孔プロトコル(P1〜P4)の下で、結果は同様であり、この効果は、電気穿孔条件に比較的依存しないことが示された。
【0499】
このような後期ステージでの電気穿孔が、電気穿孔が機能した場合と同様に機能したことは驚くべきことであった。Steinberg(Steinberg,M.Disorders of Hemoglobin:Genetics,Pathophysiology,and Clinical Management,Cambridge University Press,2001)に引用されているように、成体赤血球は、気体輸送におけるその役割のために合成ヘモグロビンを搬送するよう組織化され;核、タンパク質合成の能力、及びその機能を多様化する能力が、生物学的に経済的な手段を介したヘモグロビン輸送の最終目的のために放棄されている」。当技術分野では、一般に、成熟は、赤血球細胞が脱核し、リボソーム及びミトコンドリアが脱落するときの段階と考える。リボソームの脱落は、成熟段階の赤血球細胞の翻訳が乏しくなり、従って新たなタンパク質合成が不可能な筈であるという予想をもたらす。
【0500】
そのため、成熟段階の赤血球細胞が少なくとも分化段階の赤血球細胞と同様に遺伝子導入mRNAを翻訳できることは驚くべきことであり、また、成熟段階の赤血球細胞が分化段階の赤血球細胞よりも持続したレベルの遺伝子導入タンパク質を生成したことは更に驚くべきことであった。これは、従来のモデルに反する赤血球発達の独特のステージを特定し、ステージでは、外来的に提供されたRNAからの新たなタンパク質合成が脱核赤血球細胞内で達成され得る。これは、後期ステージの赤血球細胞生成物における安定なタンパク質生成を達成するための未知の経路をここに特定する。
【0501】
実施例9:電気穿孔のタイミング
成熟条件下での赤血球細胞の集団へのレポータータンパク質(GFP)をコードするmRNAの電気穿孔に関して、いくつかの異なる時点を試験した。詳細には、電気穿孔を成熟の4、5、6、及び7日目に試験した。電気穿孔後、細胞をフローサイトメトリーにより、少なくとも6日間、24時間毎にGFP発現に関してアッセイした。好適な電気穿孔条件は、例えば、本明細書の実施例1、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる国際出願国際公開第2016/183482号パンフレットに記載されている。
【0502】
図8Aに示すように、全ての時点の電気穿孔細胞は、延長されたGFP発現を与えた。しかしながら、M4及びM5日に電気穿孔された細胞は、M6又はM7に電気穿孔された細胞よりも高い百分率のGFPを発現する細胞を与えた。この実験は、特に導入遺伝子の発現に適した赤血球細胞成熟の窓口(window)を示す。
図8Bは、集団におけるGFPレベルが、時間の経過と共に、M4又はM5で遺伝子導入された細胞において幾分減少していることを示す。しかしながら、これらの細胞におけるGFP発現は、対照細胞と、後の時点で電気穿孔された細胞とのGFP発現よりも依然として高い。
【0503】
理論に束縛されるものではないが、窓口は、細胞の翻訳機構が依然として喪失されていない、成熟における十分早期であるが、外来性mRNA及びコード化タンパク質が続く細胞分裂により過度に希釈されていない、成熟における十分後期である時点を示し得る。この窓口は、実施例10に記載されるように更に特徴付けられる。
【0504】
実施例10:成熟している赤血球細胞の特徴付け
次に、成熟している赤血球細胞をそれらの翻訳活性及び脱核レベルに関していくつかの時点で特徴付けた。翻訳活性は、生体直交型非標準アミノ酸タグ化、即ちBONCATにより測定した。好適なBONCATアッセイは、例えば、Hatzenpichler et al.,“In situ visualization of newly synthesized proteins in environmental microbes using amino acid tagging and click chemistry”Environmental Microbiology(2014)16(8),2568−2590に記載されている。このアッセイは、L−メチオニンの代理、非標準アミノ酸L−アジドホモアラニン(AHA)のインビボ組み入れと、その後の組み入れられたAHA細胞タンパク質のクリックケミストリーによる蛍光標識化とに基づく。このプロトコルを修正し、AHA濃度を1mMから2mMに増大させ、インキュベーション時間を3時間に最適化し、ゲル電気泳動及び赤外線撮像による分析を可能にするジベンゾシクロオクチン基(DBCO)を使用した銅フリークリックケミストリーにより、哺乳動物初代細胞、特にヒト赤血球前駆細胞に対して最適化した。赤血球細胞の集団を拡大、分化、及び成熟条件に暴露し、3×10
6細胞のサンプルをM3、M5、M7、M9、M11、M15、及びM16日に収集した。
図9に示すように、細胞の翻訳活性は、時間の経過と共に劇的に減少し、赤血球細胞が翻訳機構を喪失したことが示された。同じ時間の経過と共に、集団における脱核細胞の割合は、劇的に上昇した。
【0505】
細胞表面マーカーも、成熟の異なるステージにおいて、赤血球細胞内でフローサイトメトリーによりアッセイした。表13に示すように、GPA陽性細胞及びバンド3陽性細胞の百分率は、成熟中に上昇し、Α4インテグリン陽性の百分率は、時間的経過全体において高いままであった。
【0506】
実施例11:リボヌクレアーゼ阻害剤は、電気穿孔赤血球細胞内のタンパク質発現を増大させる
この実験は、赤血球細胞をリボヌクレアーゼ阻害剤に暴露すると、導入遺伝子の発現が増大することを示す。
【0507】
赤血球細胞を分化させ、成熟条件に暴露し、レポーター遺伝子(mCherry)をコードするmRNAを用いてM4日に電気穿孔した。2×10
6細胞をRNasinで処理した後、mRNAを0.5U/uL、1U/uL、若しくは2U/uLレベルで細胞に加え、又はRNasinなしを対照とした。非電気穿孔対象も含まれていた。細胞をM5、M7、M9、及びM11日にアッセイした。
図10に示すように、mCherryを発現する細胞の百分率は、特にM11日の時点で、RNasinで処理しなかった細胞内よりもRNasinで処理した細胞内で高かった。RNasin処理は、細胞生存率又は脱核に負の影響を与えなかった(データは示さず)。
【0508】
実施例12:プロテアソーム阻害剤は、電気穿孔赤血球細胞内のタンパク質発現を増大させる
この実験は、赤血球細胞をプロテアーゼ阻害剤に暴露すると、導入遺伝子の発現が増大することを示す。
【0509】
赤血球細胞を分化させ、成熟条件に暴露し、レポーター遺伝子(GFP)をコードするmRNAを用いてM5日に電気穿孔した。細胞をMG−132、ボルテゾミブ、及びカルフィルゾミブから選択されたプロテアソーム阻害剤でM4、M5、又はM6日に処理した。全ての細胞サンプルは、M7、M9、及びM11にアッセイした際、75%を超える高いGFP陽性細胞の百分率をもたらした(データは示さず)。
図11に示すように、電気穿孔前の20Sプロテアソーム阻害剤、MG−132又はボルテゾミブを用いた処理は、1つ以上の時点でGFPの有効な発現の増大をもたらした。ボルテゾミブ処理は、プロテアソーム阻害剤で処理されなかった細胞と比較して、有効なGFP発現の4倍の増大をもたらした。電気穿孔前の20Sプロテアソーム阻害剤を用いた処理も、正常な脱核をもたらした(データは示さず)。
【0510】
実施例13:2つ以上のRNAの共発現
この実施例は、赤血球細胞内での2つ以上のmRNAの共発現を示す。
【0511】
最初に、EGFP mRNA単独(表14、第1のデータ列)、mCherry mRNA単独(表14、第2のデータ列)、又は両方のmRNA(表14、第3のデータ列)を用いて赤血球細胞をM5日に電気穿孔した。フローサイトメトリーによりEGFP及びmCherry蛍光をM6、M11、M18、及びM18日にアッセイした。EGFP及びmCherryの両方).を発現する細胞の百分率は、時点全体において一貫して高く(66.05%〜86.55%)、1つのみのmRNAを用いて電気穿孔した後の細胞の蛍光発光のパーセントと同等であった。この実験は、2つのmRNAを同時に均一に発現させることが可能であることを示す。
【0512】
発現レベルもアッセイした。M13日に、mCherry mRNAのみを用いて電気穿孔した細胞内のmCherryの有効な発現は、117であり、mCherry mRNA及びEGFP mRNAの両方を用いて電気穿孔した細胞内のmCherryの有効な発現は、85であった。EGFP mRNAのみを用いて電気穿孔した細胞内のEGFPの有効な発現は219であり、mCherry mRNA及びEGFP mRNAの両方を用いて電気穿孔した細胞内のEGFPの有効な発現は201であった。そのため、発現レベルは、1つ又は2つのmRNAを用いて電気穿孔した細胞内で同様であった。
【0513】
生存率は、2つのmRNAを用いて共電気穿孔した細胞では、いずれかのmRNA単独を用いて電気穿孔した細胞におけるもの以上であった(データは示さず)。
【0514】
HA−タグ化m4−1BBL及びFLAG−タグ化アベルマブをコードする他のmRNAの対を赤血球細胞内で共発現させた。RNAを分化の6日目(D6)又は分化の7日目(D7)に、25×10
6赤血球細胞に濃度0.6又は0.8mg/ml mRNAで加えた。外来性タンパク質を、抗HA抗体及び抗FLAG抗体を使用してフローサイトメトリーにより検出した。表15に示すように、タンパク質の共発現は、58.5%の細胞において達成され、この数は、1つのみのmRNAを用いて電気穿孔したサンプルにおけるいずれかのタンパク質単独を発現した細胞の数と同等であった。
【0515】
実施例14:用量−発現研究
この実験は、所定の量の外来性タンパク質が、赤血球細胞の集団を、外来性タンパク質をコードする所定の量のmRNAと接触させることにより生成し得ることを示す。
【0516】
成熟の4日目の5×10
6細胞を異なる量のmRNA(サンプル当たりRNA0.0025〜0.6ug)と接触させ、電気穿孔した。電気穿孔から24時間後にタンパク質発現をアッセイした。外来性タンパク質を、抗HA抗体を使用してフローサイトメトリーにより定量化した。細胞当たりのタンパク質の平均数を計算した。これを表16に示す。外来性タンパク質を発現する細胞のパーセントも表16に示す。注目すべきことに、試験した全mRNAレベルにおいて、外来性タンパク質を発現する細胞のパーセントは高い。しかしながら、1細胞当たりのコピーの数は、使用したmRNAの量と共にほぼ線形に上昇する。そのため、所望のタンパク質発現の量は、適切なmRNAを選択すると共に、細胞の集団全体で均一な発現を維持することによって得ることができる。
【0517】
実施例15:修飾RNAからの発現
5’キャップ(ARCA)、ポリAテイル、及びシュードウリジンの1つ以上を含む修飾mRNAを生成した。mRNAは、翻訳を促進するためのIRES、検出を促進するためのHA−コード領域、並びにGFP及びPAL(フェニルアラニンアンモニアリアーゼ)の融合をコードする領域を含む。mRNAを電気穿孔によりM4日に赤血球細胞に導入し、M5(24時間後)、M6、M7、及びM10日に分析した。GFP発現をフローサイトメトリーにより測定した。
図12に示すように、シュードウリジンmRNAを発現する細胞は、完全に非修飾のRNAを発現する細胞よりも高いGFP陽性細胞の百分率を有した。ポリAテイル及びキャップの付加は、GFP陽性細胞の百分率を更に増大させた。最終的に、GFPレポーターの発現を示す細胞の百分率は、キャップ、ポリ−Aテイル、及びシュードウリジン組み入れを有するmRNAと接触させた細胞で最大であった。
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前述した本発明は、理解を深める目的で解説及び例により幾分詳細に記載されてきたが、添付の特許請求の範囲の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本発明の教示を考慮して特定の変更形態及び修正形態がなされ得ることが当業者に容易に明らかになるであろう。