(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-520997(P2019-520997A)
(43)【公表日】2019年7月25日
(54)【発明の名称】工作機械
(51)【国際特許分類】
B25J 9/06 20060101AFI20190704BHJP
B23Q 1/50 20060101ALI20190704BHJP
B23Q 11/12 20060101ALI20190704BHJP
B23Q 11/00 20060101ALI20190704BHJP
【FI】
B25J9/06 B
B23Q1/50 A
B23Q11/12 A
B23Q11/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2019-503324(P2019-503324)
(86)(22)【出願日】2017年7月19日
(85)【翻訳文提出日】2019年1月18日
(86)【国際出願番号】FR2017051972
(87)【国際公開番号】WO2018015662
(87)【国際公開日】20180125
(31)【優先権主張番号】1656971
(32)【優先日】2016年7月21日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517341401
【氏名又は名称】コマウ フランス
【氏名又は名称原語表記】COMAU FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】バセルガ,ヴィンセント
【テーマコード(参考)】
3C048
3C707
【Fターム(参考)】
3C048DD16
3C707AS12
3C707BS10
3C707HT27
3C707KS21
3C707KX15
(57)【要約】
工作機械(M)に関連する発明であって、工作機械(M)は電気スピンドル(300)の軸に垂直な面で電気スピンドル(300)を動かす運動的構造(100)を含んでおり、該運動的構造(100)は、電気スピンドル(300)の軸に平行な回転軸周りに関節をなす2つの関節アーム(110、120)を含む関節構造であり、第二アーム(120)の第二端(122)は電気スピンドル(300)を受け、電気スピンドル(300)の工具(O)に対する、電気スピンドル(300)の軸に平行な直線移動におけるワーク(P)の移動運動は、ワーク(P)支持モジュール(200)またはプレート(130)支持モジュールによって行われることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削工具(O)を備えた電気スピンドル(300)を動かす運動学的構造(100)を含む工作機械(M)であって、前記切削工具(O)は電気スピンドル(300)の軸で回転し、
前記運動学的構造(100)は、前記電気スピンドル(300)の軸に対して垂直な位置決め面で前記電気スピンドル(300)を動かし、
前記工作機械(M)はワーク(P)支持モジュール(200)を含んでおり、
前記運動学的構造(100)は、前記位置決め面で前記電気スピンドルを位置決めし、2つの関節アーム(110、120)を含む関節構造であり、
- 第一アーム(110)は2つの端(111、112)を有し、前記第一アーム(110)の第一端(111)は、プレート(130)に対して、前記電気スピンドル(300)の軸に平行な単一の回転軸周りで旋回するように取り付けられ、回転している第一駆動手段(140)は、前記軸周りの運動を確実にする回転シャフトモータを含み、
- 第二アーム(120)は2つの端(121、122)を有し、前記第二アーム(120)の第一端(121)は、前記第一アーム(110)の前記第二端(112)に対して、前記電気スピンドル(300)の前記軸に平行な単一の回転軸周りで旋回するように取り付けられ、回転している第二駆動手段(150)は前記軸周りの運動を確実にする回転シャフトモータを含み、
前記第二アーム(120)の前記第二端(122)は前記電気スピンドル(300)を受け、前記運動学的構造によって前記位置決め面に位置され固定されている前記電気スピンドルに対して、ワークを相対的に並行移動させることによって、機械加工が行われ、
ワーク(P)を前記電気スピンドル(300)の前記工具(O)に対して、前記電気スピンドル(300)の前記軸に平行な直線移動で並行移動させることは、前記ワーク(P)支持モジュール(200)またはプレート(130)支持モジュールによって行われること
を特徴とする、工作機械(M)。
【請求項2】
前記関節構造(100)の各回転軸は2つのエンコーダを装備されることを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項3】
前記関節構造(100)の前記回転軸はそれぞれ2つの軸受を含むことを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項4】
前記関節構造(100)の前記回転軸は、バックラッシュのないサイクロイド減速機を有する移動手段を装備していることを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項5】
各第二のいわゆるリカバリ軸受は、各第二エンコーダを支持することを特徴とする、請求項2および3に従う工作機械(M)。
【請求項6】
工作機械(M)を構成する様々なサブアセンブリによって生成される熱を逃すことによって構造を安定させる、冷却回路および/または複数のラジエータを含むことを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項7】
前記ワーク(P)支持モジュール(200)は、ワーク(P)を方向付けるために1つ以上の回転軸を含むことを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項8】
前記電気スピンドル(300)によって決められる位置は、適切な機械加工域と、前記電気スピンドル(300)が機械加工の外部で様々な処置を受け得るメンテナンス域との2つの域に分けられ、前記関節構造によってもたらされる可動性によって前記電気スピンドル(300)が前記機械加工域を超えられることを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項9】
前記プレートは傾いていることを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項10】
前記プレートは、迅速に交換できる連結インターフェースによってフレームに連結されていることを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項11】
前記電気スピンドルが、前記機械加工域のみでなくその域を超えて清掃することを可能にする、清掃具を備えていることを特徴とする、請求項8に従う工作機械(M)。
【請求項12】
前記エンコーダは同じ機能を有しないで、第一エンコーダは速度を測定するのに使用され、一方で第二エンコーダは各軸の位置を測定することを特徴とする、請求項2に従う工作機械(M)。
【請求項13】
前記モータはそれぞれ減速機を含んでおり、第一エンコーダは減速機より上流にあるモータに付随して、速度を測定し、第二エンコーダはリカバリ軸受に付随して、位置を測定することを特徴とする、請求項12に従う工作機械(M)。
【請求項14】
位置を測定するための前記第二エンコーダは、少なくとも1つのアームに対して、シース内を摺動するロッドを含み、前記アームの他端の角度位置を測定し、したがって位置が計測されている前記アームの撓み変形を考慮できることを特徴とする、請求項13に従う工作機械(M)。
【請求項15】
前記ロッドと前記シースとのアセンブリはさらに、
- 関節の軸に平行な撓みを測定する線形センサ、
- 前記アームの長手方向における半径方向の伸長を測定する線形センサ、
- 前記アームのねじれを測定する角度センサ、
のうちの1つ以上のセンサを含むことを特徴とする、請求項16に従う工作機械(M)。
【請求項16】
少なくとも1つの関節が2つのモータを含むことを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項17】
前記関節構造と協働する自己誘導式送り台を含むことを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械加工の分野に関し、特に、機械加工を最善の状態で行うために、工具を動かす工作機械の運動学的構造を適合することに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術には、電気工具キャリアスピンドルを3つの線形軸X、Y、およびZで動かすような、線形変位し直列な運動学的構造を使用する工作機械が存在する。
【0003】
したがって、たとえば、仏国特許出願公開第2743741号明細書は、その駆動箇所がスピンドルキャリアの変位を3軸に沿って摺動させる論理的構造を使用する、スピンドルキャリア型の高速工作機械を開示する。駆動箇所のこの論理構造は、垂直面に位置する支持架からなる固定ベッドで構成される。この支持架は、X軸として知られる軸に沿う従来の横方向の水平運動によって、支持フレームを形成する垂直テーブルの摺動を可能にする、一組の平行な横方向の水平レールを含む。この垂直テーブルは垂直に設置された第二組の平行垂直レールによって側面に束縛されており、Y軸として知られる軸に沿う従来の垂直運動によって、主軸台が摺動するのを可能にする。この主軸台は前述の軸に垂直な、Z軸として知られる軸に沿う長手方向の水平運動で作動するスピンドルキャリア送り台によって交差されている。
【0004】
運動は線形モータによって作動され得る。
【0005】
電気スピンドルの端に設置される工具に関して、同様に、ワークは変位の線形軸だけでなく回転軸もまた供給するワーク支持構造に設置され得る。
【0006】
このような構造は、広い範囲の迅速で精密な機械加工を提供するという利点がある。各運動軸におけるこの速さおよびこの精度を実装するのに必要とされる手段は、このような構造を使用する高速工作機械が大きな予算を必要とすることを意味する。
【0007】
部品を完全に機械加工するには、複数の工作機械を通過することが要求されるので、原価要素は一層重要になる。
【発明の概要】
【0008】
上述のように、出願者は、従来の構造によって実施される機械加工の範囲の大部分を提供し、高速機械加工の速さと精度に関する要求をさらに満たす、より安価な構造を備えた工作機械を提案することを目的とした研究を行った。
【0009】
この研究は、切削工具を備えた電気スピンドルを動かす運動学的構造を含む工作機械であって、切削工具は電気スピンドルの軸で回転し、運動学的構造は、電気スピンドルの軸に対して垂直な位置決め面で電気スピンドルを動かし、工作機械はワーク支持モジュールを含んでいる、工作機械の設計および実現をもたらした。
【0010】
本発明によると、該工作機械は、該運動学的構造が、位置決め面で電気スピンドルを位置決めして、2つの関節アームを含む関節構造であり、
- 第一アームは2つの端を有し、第一アームの第一端は、プレートに対して、電気スピンドルの軸に平行な単一の回転軸周りで旋回するように取り付けられ、第一回転駆動手段は、この軸周りの運動を確実にする回転シャフトモータを含み、
- 第二アームは2つの端を有し、第二アームの第一端は、第一アームの第二端に対して、電気スピンドルの軸に平行な単一の回転軸周りで旋回するように取り付けられ、第二回転駆動手段はこの軸周りの運動を確実にする回転シャフトモータを含み、
第二アームの第二端は電気スピンドルを受け、
運動学的構造によって該位置決め面に位置され固定されている電気スピンドルに対して、ワークを相対的に並行移動させることによって、機械加工が行われ、
ワークを電気スピンドルの工具に対して、電気スピンドルの軸に平行な直線移動で並行移動させることは、ワーク支持モジュールまたはプレート支持モジュールによって行われることを特徴とする。
【0011】
工作機械のこの構造は、電気スピンドルの回転軸に垂直な面において電気スピンドルの運動を作動させるために、2つのアームに関節構造を設けるということに特に利点がある。2つの旋回するアームによって形成される関節構造は、従来の積層構造よりも簡素で、実装するための費用が低い。
【0012】
線形軸に沿った唯一の動作は、電気スピンドルの軸に平行な、ワークと工具との間の移動の間に実施されるものであり、インフィード運動に対応している。
【0013】
このインフィード動作は、ワークホルダモジュールに関連するモジュールを動かして、プレートは移動の間に固定されていることによるか、あるいはプレートに関連するモジュールを動かして、ワークは機械加工の間の移動の間に固定されていることによって行われる。
【0014】
もちろん、ロボット型の多軸関節構造は従来技術で周知である。それにもかかわらず、これらの構造は本発明で所望される精度基準のもとで使用するのに十分な精度や剛性を有しない。この精度の欠如は、関節の数がかなり多いこと、および、機能が各関節に対して分けられていないことによる。
【0015】
したがって本発明は、変位軸の数を減らすのみでなく選定すること、および、関節構造によって実装される位置決め軸と並行移動によって実装される作業軸との間で分割することによる結果である。よって、提案される運動学的構造は余剰な動作をしない。
【0016】
運動軸の数を減らすことによって、付随する移動手段を節減し、したがって位置決めの不確実性を減少させることを可能にする。
【0017】
軸方向の機械加工力(穴あけ、タッピングなど)を実行するのは、関節構造ではなく、むしろワークまたはプレートの下にある軸である。
【0018】
関節構造を使用することで、機械加工が施されるウィンドウを拡大することができる。そのうえ、関節構造はウィンドウの外部で動作を行うことができ、したがって次のような複数の作業をより簡単にする。
- 工具交換、
- メンテナンス、
- 異なる域における機械加工の実施、
- など。
【0019】
この工作機械の構成は、開放的でそのアクセス域がより大きく、次における大きな柔軟性をもたらす。
- 工具マガジンの位置決め、
- 工具マガジンの統合、
- 工具交換点の位置決め、
- 工具交換方法の選定、
- プレートの位置決め、
- 本発明に従う複数の工作機械の並列、
- 機械加工域にまたはその付近に入ることができるロボット型台車を受けることと、様々な機能を果たすことができる工具を備えることとの可能性。
【0020】
このような構成は実際に新しい域を定義することができるが、従来の工作機械は従来のようにその機械加工域で作動する。本発明の工作機械の関節構造は、電気スピンドルが機械加工域を超えられるようにする。
【0021】
本発明の特に有益な特徴によると、電気スピンドルによって決められる位置は、適切な機械加工域と、電気スピンドルが機械加工の外部で様々な処置を受け得るメンテナンス域との2つの域に分けられ、関節構造によってもたらされる可動性によって電気スピンドルは機械加工域を超えられる。
【0022】
電気スピンドルの全ての動きは、ケーシングによって保護されることがある。
【0023】
機械加工およびメンテナンス域が、ケーシングで保護されている適切な機械加工域と、メンテナンス域とに分けられるとき、電気スピンドルはケーシング域の外部で様々な処理を受ける場合がある。このような構造によって提供される可動性は、実際、関節アームの端に位置する電気スピンドルがケーシング域を超えられるようにする。
【0024】
別の特に有益な特徴によると、工作機械は関節構造と協働する自己誘導式送り台を含む。この送り台は、関節構造が送り台に届くように部分的にこの域に入ることによって、保護された域と協働することが可能である。
【0025】
固定されたベッドは2つの関節構造を支持することができる。同様に、ワークホルダモジュールまたはモジュールは1つまたは2つの関節構造と協働できる。
【0026】
異なる域で機械加工を実施できることによって、複数のワークホルダモジュールを有することができる。したがって、たとえば、工作機械の関節アームの動作半径が大きいことを利用して、第二ワークホルダモジュールが他の機械加工域に設置されてもよい。
【0027】
本発明の別の特に有益な特徴によると、プレートは、例えば45度傾いている。本発明の工作機械の構造は、方向付けを可能にし、シェービング加工の操作を容易にし、工作機械をよりコンパクトにするという利点をもっている。傾きはさらに、第一関節の減速機を機械加工域において予圧状態に保つため、そして機械的性能を向上させるために、構造のバランスを取ることを可能にする。
【0028】
本発明の別の特に有益な特徴によると、プレートは、迅速に交換できる連結インターフェースによってフレームに連結されている。したがって、関節アームによって形成される構造は、従来の運動構造によって遂行されるものと比べて、非常に迅速に交換される場合がある。本発明のおかげで、2つの関節アームで構成される運動構造は、したがって、交換可能なモジュールになる。置換を容易にするために、アームは折りたたまれる。さらに、2つのうち少なくとも1つのアームは保持フックまたはリングを装備されている。この離脱性は、関節構造が関節の軸の数を限定し、したがって簡素化された連結具の組を供給するという事実の長所によって最適化される。関節の軸の選定と、その数の限定はまた、あまり重くない交換可能な関節構造を得ることに寄与する。
【0029】
本発明の別の特に有益な特徴によると、電気スピンドルが、機械加工域のみでなくその域を超えて清掃することを可能にする清掃具(ブラシ、吹き払い、吸引)を備えている。したがって、本発明の工作機械は自己清掃することができる。
【0030】
関節アームの位置決め性能はまた、ワークもしくは機械加工されているワークの、係止具または取り付けを交換するのに役立つ。同様のことがワークホルダモジュール自身にもあてはまる。
【0031】
本願出願人はこの関節構造が十分な剛性と精度を備えるように努力した。
【0032】
線形軸に沿って動く工作機械のそれらに最もよく似ている、精度、剛性、および再現性を備えるために、出願人は、軸の適切な選定を超えた特徴を有する工作機械を設計した。
【0033】
したがって、本発明の別の特に有益な特徴によると、該関節構造の各回転軸は2つのエンコーダを装備される。2つのエンコーダが存在することで、慣性力および重力の機械加工ストレスを受ける軸の変形を検出し修正することが可能になる。したがって、エラーが考慮され、各関節に対して修正される。これを遂行するために、エンコーダは関節の軸の各端に付随する。したがって、工作機械の制御モジュールは、各関節に対する2つのデータ項目を管理し、2つのエンコーダの間で測定されるエラーと、数値制御システムによって計算される位置および速度に関する理論的セットポイントとを修正することによって可能な、最も精密な動作を実行する。
【0034】
本発明の別の特に有益な特徴によると、エンコーダは同じ機能を有しないで、第一エンコーダは速度を測定するのに使用され、一方で第二エンコーダは各軸の位置を測定する。
【0035】
別の特徴によると、エンコーダはできるだけ離れた位置にある。
【0036】
本発明の別の特に有益な特徴によると、該関節構造の回転軸はそれぞれ2つの軸受を含む。関節の各軸に対する系統的なリカバリ軸受の存在によって、剛性が最適化される。好ましい一実施形態によると、このような各リカバリ軸受は、各第二エンコーダを支持する。したがって、全ての第二エンコーダは、軸受にできるだけ近く位置しており、これによって測定工程が最適化される。
【0037】
本発明の他の特に有益な特徴によると、モータはそれぞれ減速機を含んでおり、第一エンコーダは減速機より上流にあるモータに付随して、速度を測定し、第二エンコーダはリカバリ軸受に付随して、位置を測定する。好ましい一実施形態によると、減速機より上流にあるモータに付随する第一エンコーダは速度を測定し、自由端に付随しているエンコーダは位置を測定する。位置測定は機械的ストレスが最小の側で実施され、したがって駆動工程によって発生するエラーを回避する。エンコーダは変形後の実際の位置を示す。
【0038】
本発明の別の特に有益な特徴によると、位置を測定するための第二エンコーダは、少なくとも1つのアームに対して、シース内に摺動するロッドを含み、アームの他端の角度位置を考慮でき、したがって位置が計測されているアームの撓み変形を考慮できる。このような特徴は、可能な最も精密な位置測定を行うことを可能にする。
【0039】
本発明の別の特に有益な特徴によると、ロッドとシースとのアセンブリはさらに、次のセンサのうちの1つを含む。
- 関節の軸に平行な撓みを測定する線形センサ、
- アームの長手方向における半径方向の伸長を測定する線形センサ、
- 該アームのねじれを測定する角度センサ。
【0040】
これらの様々な測定は、よりよい位置決めそしてより良い機械加工に寄与する。
【0041】
ロッドおよびシースによって形成される機械的アセンブリを測定ベースとして使用することは、機械加工域からの様々な突起物によってかき乱されることなく計測を行うことを可能にする。
【0042】
本発明の別の特に有益な特徴によると、該関節構造の回転軸は、バックラッシュのないサイクロイド減速機を有する移動手段を装備している。したがって、運動の伝達はより精密である。
【0043】
構造の剛性に寄与する他の特徴は、それを構成するアームを短くすることであり、同様に旋回連結のガイド軸受における許容負荷に関して寸法を大きくすることである。
【0044】
本発明の別の特に有益な特徴によると、少なくとも1つの関節が2つのモータを含み、あるいはモータが減速機に付随しているときは2つのモータ減速機を含む。
【0045】
別の特に有益な特徴によると、工作機械は、
- モータ、減速機、電気スピンドル、回転軸などの、
それを構成する様々なサブアセンブリによって生成される熱を逃すことによって構造を安定させる、冷却回路および/または複数のラジエータを含む。
【0046】
この冷却回路はまた、周辺温度、切削油などの外部干渉に関する温度を調整できる。
【0047】
機械加工が可能な範囲を拡大するために、ワーク支持モジュールは、ワークを方向付けるために1つ以上の回転軸を含む。方向付けの異なる可能性は、単一軸周りで回転するベッド、または他のベッドに関して回転しそれ自体は他の垂直軸周りに回転するベッドによって行われ得る。さらに、支持モジュールは複数のワークを支持することがある。
【0048】
上記に記載される本発明の基本概念はその最も基本的な形態であって、他の詳細および特徴は、本発明に従う工作機械の複数の実施形態の非限定的な例として与えられる、以下の説明を読むことによって、そして添付の図を見ることによって、より明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】本発明の工作機械の第一実施形態の部分外観斜視図の概略図である。
【
図2】
図1の関節スピンドル支持構造の正面図の概略図である。
【
図3】
図1の関節スピンドル支持構造の側面図の概略図である。
【
図4】同じ断面に位置する2つのアームを伴う断面図の概略図である。
【
図5】第二エンコーダに関する異なる実施形態を図示する背面図の概略図である。
【
図6】可動なプレートを備えておりワークホルダモジュールを含む工作機械の、別の実施形態の斜視図の概略図である。
【
図6a】固定されたプレートを備えておりワークホルダモジュールを含む工作機械の、別の実施形態の斜視図の概略図である。
【
図7】可動なプレートを備えており2つのワークホルダモジュールを含む工作機械の、別の実施形態の斜視図の概略図である。
【
図8】可動性を図示する、
図7の実施形態の正面図の概略図である。
【
図9】機械加工域に対するケーシングおよび可動性を含む本発明の工作機械の、別の実施形態の正面図の概略図である。
【
図10】ケーシングを含む本発明の工作機械の、別の実施形態の正面図の概略図である。
【
図11】隣に並列になっている本発明に従う2つの工作機械の、上面図の概略図である。
【
図12】機械加工域を中心として星型に配置される本発明に従う4つの工作機械の、上面図の概略図である。
【
図13】機械加工域がセルの中心にあり、2つの線形セルに2つずつ反対に対称的に配置された本発明に従う4つの工作機械の、上面図の概略図である。
【
図14】2つの線形セルに2つずつ反対に配置される本発明に従う4つの工作機械の、上面図の概略図である。
【
図15】線形セル内に配置される本発明に従う3つの工作機械の、上面図の概略図である。
【
図16】取り外し可能な、
図6の実施形態の概略図である。
【
図17】本発明に従う工作機械の別の実施形態の概略図である。
【
図18】清掃手段を装備した
図6の実施形態の概略図である。
【
図19】本発明に従う工作機械の別の実施形態の斜視図の概略図である。
【
図20】
図19の工作機械の関節構造の可動性を図示する、正面図の概略図である。
【
図21】2つのモータを有する関節を備えた、別の実施形態の、同じ断面に2つのアームが位置する、断面側面図の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1、2、3、および4の図に示されるように、全体を通してMとして参照される工作機械は、ベッドBに配置され、関節工具Oホルダ構造100および、ワークPホルダモジュール200を含む。
【0051】
関節構造100は電気工具Oキャリアスピンドル300を動かす。電気スピンドル300は工具Oを回転させる。電気スピンドル300の軸は、水平軸Zに平行である。
【0052】
この関節構造100は電動で、電気スピンドル300の軸に垂直な平面、つまり、Z軸に垂直でXおよびY軸によって定義される垂直平面で、電気スピンドル300を動かす。
【0053】
本発明に従って、該関節構造100は2つのアーム110および120を含む。
【0054】
第一アーム110は2つの端111および112を有し、第一端111はプレート130に対して、Z軸に平行な単一の回転軸周りで回転するように誘導される。第一回転駆動手段140が、この軸の周りに該アーム110が動くことを確かにする。
【0055】
第二アーム120は2つの端121および122を有し、第一端121は第一アーム110の第二端112に対して、Z軸に平行な単一の回転軸周りに回転するように誘導される。第二回転駆動手段150が、この軸周りに該アーム120を動かす。
【0056】
第二アーム120の第二端122は、固定した方法で、電気スピンドル300を受ける。本発明に従って、工具O、並びにアーム110および120の関節の回転軸は、互いに平行で、したがってZ軸に平行である。
【0057】
ワークPを、機械加工のために、電気スピンドル300の工具Oに向かってZ軸に平行な線形動作で移動させるのは、様々な方法で行われ得る。
【0058】
例えば
図6の図に示されるように、プレート130がレール131および132に沿って変位され、移動手段(図示なし)を装備されており、ワークPホルダモジュール200が移動の際に固定されている。
【0059】
あるいは、たとえば
図6aの図に示される実施形態に従って、ワークホルダモジュール200がレールに沿って変位し、移動手段を装備されている。
【0060】
関節構造100は、XおよびYで定義される垂直面で、Zに平行な軸周りで回転動作をするように電気スピンドル300を変位させ、工具をワークPと接触させて機械加工を遂行させるために、Z軸に沿った移動で動く。
【0061】
したがって、図示される関節構造100は2つの旋回連結と、電気スピンドル300の軸に沿った1つの摺動連結のみを実装しており、これによって剛性構造を有することを可能にしている。このような構造は特に、単一軸のみに沿った動きによって、全てのインフィード機械加工の操作を精密に実施することが可能である。
【0062】
この剛性を最適化するために、関節構造100の各回転軸は、特にZ軸に沿ったインフィード移動の動きの間に該回転軸が受けるストレスを考慮した、リカバリ軸受を実装される。したがって、第一アーム110の第一端111を連結する回転軸は、プレート130で機能する2つのガイド軸受133および134を含む。同様に、アーム110の第二端112を第二アーム120の第一端121に連結する回転軸は、第一アーム110の第二端112で機能する2つのガイド軸受113および114を含む。
【0063】
再び、剛性を最適化するために、各回転軸は、各軸に直接設置されたモータ(140、150)およびバックラッシュのないサイクロイド型の減速機(160、170)によって作動される。
【0064】
この最適化された剛性に加えて、構造が受けるストレスによっておこる変形を考慮するために、各回転軸は2つのロータリエンコーダ610、620および630、640を装備される。第一ロータリエンコーダ610、630は、モータおよび減速機のブロック(140、160)および(150、170)に関連する場合があり、第二エンコーダ620、640は図示されるように、リカバリ軸受133、113の周辺で、軸の端部に位置する場合がある。各軸における2つのロータリエンコーダの間の距離が精度を最適化する。
【0065】
各関節における2つのエンコーダは同じ機能を有しない。より正確には、減速機160、170より上流にある、モータ140、150に関連する第一ロータリエンコーダ610、630は速度を測定する機能を有し、一方でリカバリ軸受133、113の周辺に位置する第二エンコーダ620、640は、変形を考慮しながら位置を測定する機能を有する。
【0066】
したがって、工作機械Mの制御ユニット(図示なし)は、関節構造の各回転軸に関する2つのエンコーダから来る情報を管理する。したがって、この制御ユニットに関連する数値制御システムは、マシニングセンタに適合され、所望の精度基準を満たすことを確実にするタイプのものである。
【0067】
動かされる異なる要素の多くに適合される移動手段を提供するために、プレート130にある下部アーム110の動作が2つのモータ140および140’によってもたらされる構成が
図21の図に示される。各モータ140、140’は減速機より上流に位置する速度エンコーダ610、610’を含む。図示されるように、位置エンコーダ620”は、共通して設置され2つの軸受の間の中心位置に位置する。
【0068】
図示されていない一実施形態に従って、各旋回連結は2つのモータ減速機を含む。
【0069】
最も精密で可能な位置測定を追求するによって、本願出願人は第二エンコーダが、各関節に関して、それが関連するアームによって受ける撓みを考慮できると想起した。
図5の図に示される実施形態は、アームの撓みを考慮する構造を有するエンコーダ620’および640’を図示する。
【0070】
実際、各エンコーダ620’は可動な回転部分を含み、回転部分の回転角度はエンコーダに関連するアームの末端によって決められる回転の角度で定義される。これを遂行するために、各エンコーダ620’および640’の回転部分は、ロッド622’および642’が中で摺動するシース621’および641’を形成し、角度位置が測定されているアームの末端に回転中にしっかり結合されている。したがって、位置エンコーダは単にアームのベースの角度位置を測定するのではなく、アームの曲げも考慮する。
【0071】
測定を最適化するために、そして本発明に従って、ロッドとシースとのアセンブリはさらに、次のセンサのうちの1つ以上を含む。
- ロッドと末端との間の連結の高さに位置する関節の、軸に平行な撓みを測定する線形センサ、
- アームの長手方向における半径方向の伸長を測定し、ロッドのシース内への摺動を測定する線形センサ、
- シースとロッドとの間に位置する該アームのねじれを測定する角度センサ。
【0072】
図1の図面に図示される実施形態に従って、ワークPホルダモジュール200は、ワークPが図面の位置で、Y、Z面に平行な軸周りおよびX軸に平行な水平軸周りで回転されるように設計されている。これを遂行するために、ワークPホルダモジュールは可動なワークP支持ベッド210を含む。この可動なベッド210は、ワークホルダモジュール200の固定部分230に対して水平軸周りに回転する、スウィングベッド220に対して回転する。これらの異なる回転は、本発明の利点を保ちながら、機械加工が可能な範囲を拡大する。
【0073】
図6の図に示される実施形態は、
図1の図に示される実施形態の実装をより詳細に図示する。ベッドBは、その一端がワークホルダモジュール200’に配置されている、平行六面体の支持レール131および132を含み、固定されている。図示されるように、構造は開放的で、全ての側面から容易にアクセスできる。同様に、設置面積の大きさが低減される。
【0074】
この実施形態は、本発明に従う工作機械によってもたらされる様々な技術的効果を図示するための基礎としての役割を果たす。
【0075】
したがって例えば
図7の図は、互いに並行して設置されてベッドBの同じ端に位置する2つのワークホルダモジュール201および202を備えて稼働する、このような機械の可能性を図示する。これらの可能性は、
図8の図に示されるように、可動性を有する2つのアームによって形成される関節構造によるものである。
【0076】
これらの可動性は2つの域に分けられる。
- ベッドBの両側にある2つのウィンドウZuによって図示される機械加工域、
- 2つの機械加工ウィンドウを取り囲む線Zmによって図示されるメンテナンス域。
【0077】
機械加工ウィンドウはスピンドルの位置に対応しており、特に構造の剛性に関して、所望される機械加工基準を達成できるようにする。メンテナンス域Zmは、関節構造の旋回連結によって可能になった位置に対応しており、図示されるように機械加工域Zuより遠くに広がる。
【0078】
図9および10の図に示されるように、関節構造によってもたらされる位置決めの可能性は、したがって、工作機械MにケーシングCを装備して機械加工域Zuを保護することを可能にする。
図9の図に示されるように、電気スピンドルはメンテナンス処置を受けるためにケーシングCから出ることがある。
【0079】
図10に図示されるように、工作機械Mは、ケーシングCに保護された域に部分的に入る自己誘導式送り台400を含む。そうするために、この送り台400は、機能的メンテナンスモジュール411を支持するブラケット410の形態で、車輪420上のプラットフォームに固定される。ブラケット410を支持するために、車輪420上の該送り台は、該ブラケットの投影と同等の地表面を有する。ブラケット410の端がケーシングCに保護されている域に入るようにするために、後者は該送り台400が障害なく動くように、送り台が動いている表面に対して上昇される。この図に示されるように、関節構造の位置決めの可能性のおかげで、機能的メンテナンスモジュールが工作機械の2つの関節に届くことができる。
【0080】
図19の図に示されるように、この位置決めの柔軟性はまた、45度傾いた平面に沿って動くプレート130を有する工作機械M’を提案可能にする。
【0081】
図20は、例えば工具マガジンのような、位置決めの可能性において大きな柔軟性をもたらす、このような機械M’の可動性を図示する。
【0082】
図16の図に示される実施形態は、工作機械M”の移動構造の互換性をもたらす、本発明の他の特徴を図示する。したがって、プレート130と、2つのアーム110および120と、電気スピンドル300とによって形成されるアセンブリは、レール131および132上を摺動するベッド133に対する互換性を容易にするために固定される。
【0083】
図17の図に示されるように、工作機械Mは、複数のワークを運搬する揺動トレイ型のワークホルダモジュール203と組み合わせることができる。
【0084】
図18は、電気スピンドル300にブラシO’を装備することによる、工作機械Mの可動性の新たな利用を図示する。すでに記載された様々な可能性に従って、ブラシO’はケーシング内の機械加工域およびメンテナンス域の両方を清掃するために備えられる場合がある。
【0085】
工作機械が互いに組み合わされる必要がある場合、本発明の工作機械のアクセス性によって複数の配置が可能になる。
【0086】
工作機械M1およびM2が並んで設置され、対称的な配置を有する、本発明に従う2つの工作機械の組み合わせの第一例が
図11の図に示されている。
【0087】
4つの工作機械M3、M4、M5、およびM6が同一のもので、ワークホルダモジュールが位置する中心周りに互いから90度離れて星型に配置されている、本発明に従う4つの工作機械の組み合わせの他の例が
図12の図に示されている。
【0088】
4つの工作機械M7、M8、M9、およびM10が、2つの線形セルに2つずつ反対に対称的に配置されており、機械加工域が線形セルの中心にある、本発明に従う4つの工作機械の組み合わせの他の例が
図13の図に示されている。
【0089】
本発明に従う4つの工作機械M11、M12、M13、M14が2つの線形セル内に2つずつ反対に配置されている、本発明に従う4つの工作機械の組み合わせの他の例が
図14の図に示されている。
【0090】
前述の組み合わせは、メンテナンスと機械加工域を中心にすることを容易にするために、可能な最もコンパクトな構成をもたらすことを目的とする。
【0091】
図15の図に示されるように、3つの同一の工作機械M15、M16、およびM17を線形に並んだセル内に組み合わせることは、アクセスを容易にしてたとえば自己誘導式送り台との組み合わせを可能にするために、同じ側に配置される機械加工域とワークホルダモジュールをもたらす。
【0092】
ここに記載され説明される工作機械は、限定するよりむしろ開示を目的としたものであることを理解されるであろう。もちろん、様々な配置、変更形態および改良が、本発明の範囲を超えることなく、上記の例で実施され得る。
【0093】
したがって、例えば、工具交換装置システムを備えていてもいなくても、工具マガジンが上記実施形態を補完し得る。
【手続補正書】
【提出日】2018年5月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削工具(O)を備えた電気スピンドル(300)を動かす運動学的構造(100)を含む工作機械(M)であって、前記切削工具(O)は電気スピンドル(300)の軸で回転し、
前記運動学的構造(100)は、前記電気スピンドル(300)の軸に対して垂直な位置決め面で前記電気スピンドル(300)を動かし、
前記工作機械(M)はワーク(P)支持モジュール(200)を含んでおり、
前記運動学的構造(100)は、前記位置決め面で前記電気スピンドルを位置決めし、2つの関節アーム(110、120)を含む関節構造であり、
- 第一アーム(110)は2つの端(111、112)を有し、前記第一アーム(110)の第一端(111)は、プレート(130)に対して、前記電気スピンドル(300)の軸に平行な単一の回転軸周りで旋回するように取り付けられ、回転している第一駆動手段(140)は、前記軸周りの運動を確実にする回転シャフトモータを含み、
- 第二アーム(120)は2つの端(121、122)を有し、前記第二アーム(120)の第一端(121)は、前記第一アーム(110)の前記第二端(112)に対して、前記電気スピンドル(300)の前記軸に平行な単一の回転軸周りで旋回するように取り付けられ、回転している第二駆動手段(150)は前記軸周りの運動を確実にする回転シャフトモータを含み、
前記第二アーム(120)の前記第二端(122)は前記電気スピンドル(300)を受け、前記運動学的構造によって前記位置決め面に位置され固定されている前記電気スピンドルに対して、ワークを相対的に並行移動させることによって、機械加工が行われ、
ワーク(P)を前記電気スピンドル(300)の前記工具(O)に対して、前記電気スピンドル(300)の前記軸に平行な直線移動で並行移動させることは、前記ワーク(P)支持モジュール(200)またはプレート(130)支持モジュールによって行われること
を特徴とする、工作機械(M)。
【請求項2】
前記関節構造(100)の各回転軸は2つのエンコーダを装備されることを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項3】
前記関節構造(100)の前記回転軸はそれぞれ2つの軸受を含むことを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項4】
前記関節構造(100)の前記回転軸は、バックラッシュのないサイクロイド減速機を有する移動手段を装備していることを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項5】
各第二のいわゆるリカバリ軸受は、各第二エンコーダを支持することを特徴とする、請求項2および3に従う工作機械(M)。
【請求項6】
工作機械(M)を構成する様々なサブアセンブリによって生成される熱を逃すことによって構造を安定させる、冷却回路および/または複数のラジエータを含むことを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項7】
前記ワーク(P)支持モジュール(200)は、ワーク(P)を方向付けるために1つ以上の回転軸を含むことを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項8】
前記電気スピンドル(300)によって決められる位置は、適切な機械加工域と、前記電気スピンドル(300)が機械加工の外部で様々な処置を受け得るメンテナンス域との2つの域に分けられ、前記関節構造によってもたらされる可動性によって前記電気スピンドル(300)が前記機械加工域を超えられることを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項9】
前記プレートは傾いていることを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項10】
前記プレートは、迅速に交換できる連結インターフェースによってフレームに連結されていることを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項11】
前記電気スピンドルが、前記機械加工域のみでなくその域を超えて清掃することを可能にする、清掃具を備えていることを特徴とする、請求項8に従う工作機械(M)。
【請求項12】
前記エンコーダは同じ機能を有しないで、第一エンコーダは速度を測定するのに使用され、一方で第二エンコーダは各軸の位置を測定することを特徴とする、請求項2に従う工作機械(M)。
【請求項13】
前記モータはそれぞれ減速機を含んでおり、第一エンコーダは減速機より上流にあるモータに付随して、速度を測定し、第二エンコーダはリカバリ軸受に付随して、位置を測定することを特徴とする、請求項12に従う工作機械(M)。
【請求項14】
位置を測定するための前記第二エンコーダは、少なくとも1つのアームに対して、シース内を摺動するロッドを含み、前記アームの他端の角度位置を測定し、したがって位置が計測されている前記アームの撓み変形を考慮できることを特徴とする、請求項13に従う工作機械(M)。
【請求項15】
前記ロッドと前記シースとのアセンブリはさらに、
- 関節の軸に平行な撓みを測定する線形センサ、
- 前記アームの長手方向における半径方向の伸長を測定する線形センサ、
- 前記アームのねじれを測定する角度センサ、
のうちの1つ以上のセンサを含むことを特徴とする、請求項16に従う工作機械(M)。
【請求項16】
少なくとも1つの関節が2つのモータを含むことを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項17】
前記関節構造と協働する自己誘導式送り台を含むことを特徴とする、請求項1に従う工作機械(M)。
【請求項18】
関節構造によって実装される位置決め軸と、並行移動によって実装される作業軸とに変位軸を分けること、および、前記運動学的構造によって前記位置決め面に位置され固定される前記電気スピンドルに対する、前記ワークの相対的な並行移動によって機械加工を実施することを含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれかに従う工作機械の機械加工の方法。
【国際調査報告】