特表2019-521526(P2019-521526A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-521526半導体後工程用のチャックプレート、これを有するチャック構造物及びチャック構造物を有するチップ分離装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-521526(P2019-521526A)
(43)【公表日】2019年7月25日
(54)【発明の名称】半導体後工程用のチャックプレート、これを有するチャック構造物及びチャック構造物を有するチップ分離装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20190704BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20190704BHJP
【FI】
   H01L21/68 P
   H01L21/78 Y
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-500774(P2019-500774)
(86)(22)【出願日】2017年7月4日
(85)【翻訳文提出日】2019年1月10日
(86)【国際出願番号】KR2017007090
(87)【国際公開番号】WO2018012783
(87)【国際公開日】20180118
(31)【優先権主張番号】10-2016-0087260
(32)【優先日】2016年7月11日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】518110914
【氏名又は名称】ミコ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MICO LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヨン コン
(72)【発明者】
【氏名】ナム、ソン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン キ
(72)【発明者】
【氏名】チョン、イン ヨン
【テーマコード(参考)】
5F063
5F131
【Fターム(参考)】
5F063AA05
5F063DD85
5F063DD93
5F063FF04
5F131AA02
5F131AA04
5F131BA52
5F131BA53
5F131CA09
5F131DA03
5F131DA14
5F131DA42
5F131DB22
5F131DB44
5F131DB62
5F131DB72
5F131EB02
5F131EB04
5F131EB78
5F131EB81
(57)【要約】
半導体後工程用のチャック構造物は、外部から印加される電源によって熱を発生する発熱体を内蔵し、真空力を提供するために上面まで延びる第1真空ラインを有する加熱プレートと、前記加熱プレート上に設けられ、上面に複数のチップにダイシングされてテープに付着されたウエハーを支持し、前記チップが前記テープから分離されるように前記加熱プレートで発生した熱を前記ウエハーに伝達し、前記真空力で前記テープを吸着するために前記第1真空ラインと連結される第2真空ラインを有するチャックプレートと、を含み得る。したがって、前記チップを損傷なく前記テープから分離することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱プレート上に設けられ、上面に複数のチップにダイシングされてテープに付着されたウエハーを支持し、前記チップが前記テープから分離されるように前記加熱プレートで発生した熱を前記ウエハーに伝達し、真空力で前記テープを吸着するために上下を貫通する複数の真空ホールを有することを特徴とする半導体後工程用のチャックプレート。
【請求項2】
前記チャックプレートの下面に前記真空ホールと連結される真空溝を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体後工程用のチャックプレート。
【請求項3】
前記チャックプレートの下面が、10μm以下の平坦度を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体後工程用のチャックプレート。
【請求項4】
外部から印加される電源によって熱を発生する発熱体を内蔵し、真空力を提供するために上面まで延びる第1真空ラインを有する加熱プレートと、
前記加熱プレート上に設けられ、上面に複数のチップにダイシングされてテープに付着されたウエハーを支持し、前記チップが前記テープから分離されるように前記加熱プレートで発生した熱を前記ウエハーに伝達し、前記真空力で前記テープを吸着するために前記第1真空ラインと連結される第2真空ラインを有するチャックプレートと、を含むことを特徴とするチャック構造物。
【請求項5】
前記第2真空ラインが、
前記チャックプレートの下面に前記第1真空ラインと連結されるように備えられ、前記チャックプレートの下面と前記加熱プレートの上面によって限定されて空間を形成する真空溝と、
前記チャックプレートを貫通し、前記真空溝が形成された下面から前記チャックプレートの上面まで延びる複数の真空ホールと、を含むことを特徴とする請求項4に記載のチャック構造物。
【請求項6】
前記第1真空ラインが、
前記加熱プレートの上面に前記第2真空ラインと連結されるように備えられ、前記チャックプレートの下面と前記加熱プレートの上面によって限定されて空間を形成する真空溝と、
前記加熱プレートを貫通し、下面から前記真空溝が形成された上面まで延びる複数の真空ホールと、を含むことを特徴とする請求項4に記載のチャック構造物。
【請求項7】
前記加熱プレートの上面と前記チャックプレートの下面のうちいずれか一面には整列ピンが備えられ、残りの一面には前記整列ピンを収容して前記加熱プレート及び前記チャックプレートを整列するための収容溝が備えられることを特徴とする請求項4に記載のチャック構造物。
【請求項8】
前記加熱プレートで発生した熱を均一に伝達し、前記チャックプレートの温度分布を均一にするために、前記加熱プレート及び前記チャックプレートは、窒化アルミニウム(AlN)材質からなることを特徴とする請求項4に記載のチャック構造物。
【請求項9】
前記加熱プレートの上面縁部に沿って形成された溝にかかり、前記加熱プレートの周りをガイドするガイドリングと、
前記チャックプレートの上面縁部を覆った状態で前記ガイドリングに固定され、前記チャックプレートを前記加熱プレートに密着させて固定するクランプと、をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のチャック構造物。
【請求項10】
前記クランプの上面と前記チャックプレートの上面とが同じ高さに位置するよう、前記クランプは、前記チャックプレートの上面端部に沿って形成された溝に設けられることを特徴とする請求項9に記載のチャック構造物。
【請求項11】
前記加熱プレート及び前記チャックプレートの側面による熱損失を防止するために、前記ガイドリング及び前記クランプは、酸化アルミニウム材質からなることを特徴とする請求項9に記載のチャック構造物。
【請求項12】
前記加熱プレートと前記チャックプレートとの間を通して前記真空力が漏れることを防止するために、前記加熱プレートの上面及び前記チャックプレートの下面の平坦度は、各々10μm以下であることを特徴とする請求項4に記載のチャック構造物。
【請求項13】
外部から印加される電源によって熱が発生する発熱体を内蔵し、真空力を提供するために上面まで延びる第1真空ラインを有する加熱プレートと、前記加熱プレート上に設けられ、上面に複数のチップに個別化したウエハーをテープで付着した状態で支持し、前記チップが前記テープから分離されるように前記加熱プレートで発生した熱を前記ウエハーに伝達し、前記真空力で前記テープを吸着するために前記第1真空ラインと連結される第2真空ラインを有するチャックプレートと、を含むチャック構造物と、
前記チャック構造物上に備えられ、前記テープから分離されたチップを順次ピックアップして後続工程のために移送するピッカーと、を含むことを特徴とするチップ分離装置。
【請求項14】
前記ピッカーは、前記分離されたチップを加熱するためのヒーターをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のチップ分離装置。
【請求項15】
前記チップの分離のために前記ピッカーが待機中である状態で前記加熱プレートが前記熱を発生して前記チップを前記テープから分離することを特徴とする請求項13に記載のチップ分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体後工程用のチャックプレート、該チャックプレートを有するチャック構造物及びチャック構造物を有するチップ分離装置に関し、より詳しくは、複数のチップにダイシングされたチップをテープで付着した状態で支持するための半導体後工程用のチャックプレート、該チャックプレートを有するチャック構造物及びチャック構造物を有するチップ分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、半導体の製造工程は、前工程と後工程に分けられる。
前記半導体前工程は、ウエハーを加工して半導体回路を作る過程であって、蒸着工程、フォトレジストコーティング工程、露光工程、現像工程、エッチング工程、洗浄工程、検査工程などを含み得る。
【0003】
前記半導体後工程は、前記前工程によって半導体回路が形成されたウエハーを切断して個々のチップを一つの独立した半導体素子に作る過程であって、ダイシング工程、パッケージング工程、アセンブリー工程、洗浄工程、検査工程などの過程からなる。
【0004】
前記半導体後工程において、前記パッケージング工程を行うために、チャックは、複数のチップに個別化したウエハーをテープに付着して支持した状態で前記チップを移送する。この際、前記チャックの下部に備えられたイジェクトピンで前記テープの後面を押圧して前記チップを前記テープから分離する。
【0005】
しかし、前記チップが小型化して薄板化することにより、前記イジェクトピンの押圧力によって前記チップが損傷し得た。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、チップをテープから損傷なく分離することができる半導体後工程用のチャックプレートを提供する。
また、本発明は、前記半導体後工程用のチャックプレートを有するチャック構造物を提供する。
【0007】
また、本発明は、前記チャック構造物を有するチップ分離装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による半導体後工程用のチャックプレートは、加熱プレート上に設けられ、上面に複数のチップにダイシングされてテープに付着されたウエハーを支持し、前記チップが前記テープから分離されるように前記加熱プレートで発生した熱を前記ウエハーに伝達し、真空力で前記テープを吸着するために上下を貫通する複数の真空ホールを有し得る。
【0009】
本発明の一実施例によれば、前記チャックプレートは、下面に前記真空ホールと連結される真空溝を有し得る。
本発明の一実施例によれば、前記チャックプレートの下面は、10μm以下の平坦度を有し得る。
【0010】
本発明によるチャック構造物は、外部から印加される電源によって熱を発生する発熱体を内蔵し、真空力を提供するために上面まで延びる第1真空ラインを有する加熱プレートと、前記加熱プレート上に設けられ、上面に複数のチップにダイシングされてテープに付着されたウエハーを支持し、前記チップが前記テープから分離されるように前記加熱プレートで発生した熱を前記ウエハーに伝達し、前記真空力で前記テープを吸着するために前記第1真空ラインと連結される第2真空ラインを有するチャックプレートと、を含み得る。
【0011】
本発明の一実施例によれば、前記第2真空ラインは、前記チャックプレートの下面に前記第1真空ラインと連結されるように備えられ、前記チャックプレートの下面と前記加熱プレートの上面によって限定されて空間を形成する真空溝と、前記チャックプレートを貫通し、前記真空溝が形成された下面から前記チャックプレートの上面まで延びる複数の真空ホールと、を含み得る。
【0012】
本発明の一実施例によれば、前記第1真空ラインは、前記加熱プレートの上面に前記第2真空ラインと連結されるように備えられ、前記チャックプレートの下面と前記加熱プレートの上面によって限定されて空間を形成する真空溝と、前記加熱プレートを貫通し、下面から前記真空溝が形成された上面まで延びる複数の真空ホールと、を含み得る。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記加熱プレートの上面と前記チャックプレートの下面のうちいずれか一面には整列ピンが備えられ、残りの一面には前記整列ピンを収容して前記加熱プレート及び前記チャックプレートを整列するための収容溝が備えられ得る。
【0014】
本発明の一実施例によれば、前記加熱プレートで発生した熱を均一に伝達し、前記チャックプレートの温度分布を均一にするために、前記加熱プレート及び前記チャックプレートは、窒化アルミニウム材質からなり得る。
【0015】
本発明の一実施例によれば、前記チャック構造物は、前記加熱プレートの上面縁部に沿って形成された溝にかかり、前記加熱プレートの周りをガイドするガイドリングと、前記チャックプレートの上面縁部を覆った状態で前記ガイドリングに固定され、前記チャックプレートを前記加熱プレートに密着させて固定するクランプと、をさらに含み得る。
【0016】
本発明の一実施例によれば、前記クランプの上面と前記チャックプレートの上面とが同じ高さに位置するよう、前記クランプは、前記チャックプレートの上面端部に沿って形成された溝に設けられ得る。
【0017】
本発明の一実施例によれば、前記加熱プレート及び前記チャックプレートの側面による熱損失を防止するために、前記ガイドリング及び前記クランプは、酸化アルミニウム材質からなり得る。
【0018】
本発明の一実施例によれば、前記加熱プレートと前記チャックプレートとの間を通して前記真空力が漏れることを防止するために、前記加熱プレートの上面及び前記チャックプレートの下面の平坦度は、各々10μm以下であり得る。
【0019】
本発明によるチップ分離装置は、外部から印加される電源によって熱が発生する発熱体を内蔵し、真空力を提供するために上面まで延びる第1真空ラインを有する加熱プレートと、前記加熱プレート上に設けられ、上面に複数のチップに個別化したウエハーをテープで付着した状態で支持し、前記チップが前記テープから分離されるように前記加熱プレートで発生した熱を前記ウエハーに伝達し、前記真空力で前記テープを吸着するために前記第1真空ラインと連結される第2真空ラインを有するチャックプレートと、を含むチャック構造物と、前記チャック構造物上に備えられ、前記テープから分離されたチップを順次ピックアップして後続工程のために移送するピッカーと、を含み得る。
【0020】
本発明の一実施例によれば、前記ピッカーは、前記分離されたチップを加熱するためのヒーターをさらに含み得る。
本発明の一実施例によれば、前記チップの分離のために、前記ピッカーが待機中である状態で、前記加熱プレートが前記熱を発生して前記チップを前記テープから分離し得る。
【発明の効果】
【0021】
本発明によるチャックプレートは、ウエハーを吸着するための真空力によって加熱プレートと密着可能である。したがって、前記チャックプレートを別の締結部材なく前記加熱プレートに固定することができる。
【0022】
本発明によるチャック構造物は、ウエハーを吸着するための真空力によって加熱プレートとチャックプレートとを相互密着させることができる。したがって、前記加熱プレートと前記チャックプレートとを締結するための別の締結部材が不要である。
【0023】
また、前記真空力を解除することだけで、前記加熱プレートと前記チャックプレートとを分離して交替することができる。そのため、前記チャック構造物のメインテナンスを容易かつ迅速に行うことができる。
【0024】
そして、前記チャック構造物は、前記加熱プレートで発生した熱をチャックプレートを介してウエハーに伝達する。前記ウエハーにおいて、テープの接着剤は、熱によって接着力が弱くなるため、前記チャックプレートが伝達する熱によって前記チップが前記テープから分離可能となる。したがって、前記チップを損傷なく分離することができる。
【0025】
本発明によるチップ分離装置は、前記チャック構造物を用いてチップを損傷なく分離して移送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施例による半導体後工程用のチャック構造物を説明するための断面図である。
図2図1に示したチャック構造物の平面図である。
図3図1に示したチャックプレートを説明するための底面図である。
図4図1に示したチャックプレートの他の例を説明するための底面図である。
図5図1におけるA部分を拡大した拡大断面図である。
図6】本発明の一実施例によるチップ分離装置を説明するための概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明による半導体後工程用のチャックプレートは、加熱プレート上に設けられ、上面に複数のチップにダイシングされてテープに付着されたウエハーを支持し、前記チップが前記テープから分離されるように前記加熱プレートで発生した熱を前記ウエハーに伝達し、真空力で前記テープを吸着するために上下を貫通する複数の真空ホールを有し得る。
【0028】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例による半導体後工程用のチャックプレート、前記チャックプレートを有するチャック構造物及びチャック構造物を有するチップ分離装置を詳しく説明する。本発明は多様に変更することができ、多様な形態を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して本文に詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に限定することではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、乃至代替物を含むことを理解すべきである。各図面を説明において、類似の参照符号を類似の構成要素に対して付与した。添付の図面において、構造物の寸法は本発明の明確性のために実際よりも拡大して示した。
【0029】
第1、第2等の用語は、多様な構成要素を説明するために使用することができるが、構成要素は用語によって限定されない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲から外れることなく、第1構成要素は第2構成要素と称され、同様に第2構成要素も第1構成要素と称され得る。
【0030】
本明細書において使用する用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられたことであって、本発明を限定しない。単数の表現は、文脈上、明白に異ならせて表現しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを意図するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらの組合せの存在または付加の可能性を予め排除しないことを理解すべきである。
【0031】
なお、異なるものとして定義しない限り、技術的であるか科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に用いられる辞典に定義されているもののような用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有することと解釈すべきであり、本出願で明白に定義されない限り、理想的であるか過度に形式的な意味に解釈されない。
【0032】
図1は、本発明の一実施例による半導体後工程用のチャック構造物を説明するための断面図であり、図2は、図1に示したチャック構造物の平面図である。図3は、図1に示したチャックプレートを説明するための底面図であり、図4は、図1に示したチャックプレートの他の例を説明するための底面図である。図5は、図1におけるA部分を拡大した拡大断面図である。
【0033】
図1図5を参照すれば、チャック構造物100は、複数のチップ12にダイシングされ、テープ14に付着されたウエハー10を支持する。チャック構造物100は、半導体後工程に用いられることから、半導体前工程の真空状態及び非活性ガス雰囲気で用いられるセラミックヒーターとは違って、チャック構造物100は、大気状態及び酸化性ガス雰囲気で用いられ得る。
【0034】
チャック構造物100は、加熱プレート110、チャックプレート120、ガイドリング130、クランプ140、電源ケーブル150、温度センサー160及び軸170を含む。
【0035】
加熱プレート110は、ほぼ円板形態を有し、外部から印加される電源によって熱を発生する発熱体112を内蔵する。
発熱体112は、加熱プレート110の内側面に一定のパターンをなすように備えられ得る。発熱体112の例には、電極層、発熱コイルなどが挙げられる。
【0036】
加熱プレート110は、上面まで延びる第1真空ライン114を有する。第1真空ライン114は、加熱プレート110の下面または側面から前記上面まで延び得る。第1真空ライン114は、真空ポンプ(図示せず)と連結され、ウエハー10を吸着するための真空力を提供する。
【0037】
加熱プレート110は、上面に整列ピン116を有する。整列ピン116は、加熱プレート110及びチャックプレート120を整列するためのものであって、複数個が備えられ得る。整列ピン116は、加熱プレート110の上面縁部に配置され得る。
【0038】
また、加熱プレート110は、上面縁部に沿って形成された溝118を有する。溝118は、ガイドリング130の固定に用いられ得る。
チャックプレート120は、ほぼ円板形態を有し、加熱プレート110上に設けられる。チャックプレート120は、上面にウエハー10を支持する。
【0039】
チャックプレート120は、前記真空力でウエハー10のテープ14を吸着するために、第1真空ライン114と連結される第2真空ライン122を有する。
第2真空ライン122は、真空溝122a及び複数の真空ホール122bを有する。
【0040】
真空溝122aは、チャックプレート120の下面に形成される。例えば、図3のように、真空溝122aは、チャックプレート120の下面の中心を基準にして同心円の形態を有する溝と放射状で延びる溝とが結合した形状を有するか、図4のように、円形の溝形状を有し得る。この際、真空溝112aは、前記真空力の漏洩を防止するためにチャックプレート120の下面縁部までは延びない。
【0041】
チャックプレート120は、加熱プレート110上に設けられ、真空溝122aは、加熱プレート110の上面とチャックプレート120の下面によって限定されて空間を形成する。また、真空溝122aは、第1真空ライン114と連結される。
【0042】
真空ホール122bは、チャックプレート120を貫通して真空溝122aが形成された下面からチャックプレート120の上面まで延びる。真空ホール122bは、相互離隔するように配列される。例えば、真空ホール122bは、同心円の形状または放射状として配列され得る。
【0043】
したがって、第2真空ライン122は、第1真空ライン114と連結され、第1真空ライン114によって提供される真空力によってウエハー10のテープ14を吸着することができる。
【0044】
一方、図示していないが、本発明の他の実施例によれば、第2真空ライン122がチャックプレート120の上下を貫通する真空ホールからなり、第1真空ライン114が真空溝及び複数の真空ホールを有し得る。
【0045】
この際、前記真空溝は、加熱プレート110の上面に第2真空ライン122と連結されるように備えられ、加熱プレート110の上面とチャックプレート120の下面によって限定されて空間を形成する。前記真空ホールは、加熱プレート110を貫通して前記真空溝が形成された上面まで延びる。前記真空溝の形態と前記真空ホールの配列についての説明は、第2真空ライン122における真空溝122aの形態と真空ホール122bの配列についての説明と実質的に同一である。
【0046】
また、図示していないが、本発明のまた他の実施例によれば、第1真空ライン114及び第2真空ライン122は、別の真空溝なく複数の真空ホールのみを各々含み得る。即ち、第1真空ライン114は、加熱プレート110の下面から上面まで貫通して形成された複数の第1真空ホールを含み、第2真空ライン122は、チャックプレート120の下面から上面まで貫通して形成された複数の第2真空ホールを含む。この際、前記第1真空ホール及び前記第2真空ホールは、別の真空溝なく相互直接接触して連結され得る。
【0047】
そして、図示していないが、本発明のまた他の実施例によれば、第1真空ライン114及び第2真空ライン122が各々真空溝及び真空ホールを有し得る。即ち、第1真空ライン114が真空溝及び複数の真空ホールを有し、第2真空ライン122が、真空溝122a及び複数の真空ホール122bを有しても良い。この際、第1真空ライン114の真空溝と第2真空ライン122の真空溝122aとは、相互連結され得る。
【0048】
加熱プレート110の上面及びチャックプレート120の下面は、各々約10μmを超過する平坦度を有する場合、加熱プレート110とチャックプレート120との間に微細な間隔が存在し得る。したがって、加熱プレート110とチャックプレート120との間を通して前記真空力が漏洩し得る。
【0049】
加熱プレート110の上面及びチャックプレート120の下面は、各々約10μm以下、望ましくは7μm以下の平坦度を有する。この場合、加熱プレート110とチャックプレート120とが密着でき、加熱プレート110とチャックプレート120との間を通して前記真空力が漏れることを防止することができる。
【0050】
加熱プレート110及びチャックプレート120は、第1真空ライン114及び第2真空ライン122によって提供される前記真空力によって密着した状態を維持することができる。そのため、加熱プレート110とチャックプレート120とを締結するための別の締結部材が不要である。
【0051】
また、前記真空力を解除することだけで、加熱プレート110とチャックプレート120とを分離して交替することができる。これによって、チャック構造物100のメインテナンスを迅速に行うことができる。
【0052】
チャックプレート120は、加熱プレート110で発生した熱をウエハー10に伝達する。テープ14の接着剤は、熱によって接着力が弱化するので、チャックプレート120が伝達する熱によってチップ12がテープ14から分離可能となる。したがって、チップ12の損傷なくチップ12を分離することができる。
【0053】
加熱プレート110及びチャックプレート120は、各々窒化アルミニウム(AlN)材質で設けられ得る。前記窒化アルミニウムは、高い熱伝導率を有するため、発熱体112で発生した熱が加熱プレート110及びチャックプレート120に均一に伝達され得る。また、チャックプレート120の温度分布を均一にしてウエハー10を均一に加熱することができる。
【0054】
チャックプレート120は、整列ピン116を収容するための収容溝124を有する。収容溝124は、加熱プレート110の整列ピン116に対応する位置に形成され得る。例えば、収容溝124もチャックプレート120の縁部に配置され得る。
【0055】
チャックプレート120が加熱プレート110の上面に設けられるとき、加熱プレート110の整列ピン116がチャックプレート120の収容溝124に挿入され得る。したがって、加熱プレート110とチャックプレート120とが正確に整列されることが可能である。
【0056】
前記加熱プレート110に整列ピン116が備えられ、チャックプレート120に収容溝124が形成されることとして説明したが、加熱プレート110に収容溝が形成され、チャックプレート120に整列ピンが備えられてもよい。
【0057】
また、チャックプレート120は、上面縁部に沿って形成された溝126を有する。溝126は、クランプ140が載置されるのに用いられ得る。
ガイドリング130は、加熱プレート110の上面縁部に沿って形成された溝118にかかり、加熱プレート110の周りをガイドする。
【0058】
具体的に、ガイドリング130は、係止突起132を有し、係止突起132が溝118にかかることでガイドリング130が加熱プレート110に装着される。
一方、ガイドリング130の上面と加熱プレート110の上面とは、同じ高さに位置し得る。この場合、加熱プレート110にガイドリング130を装着した状態でチャックプレート120を加熱プレート110の上面に容易に載置することができる。
【0059】
また、ガイドリング130の上面が加熱プレート110の上面よりも高く位置する場合、チャックプレート120を加熱プレート110の上面に載置するとき、ガイドリング130を整列基準として用いることができる。
【0060】
クランプ140は、チャックプレート120の上面縁部を覆った状態でガイドリングに固定される。クランプ140は、締結ねじ142によってガイドリング130に固定され得る。
【0061】
一例で、クランプ140は、複数個が備えられ、チャックプレート120の上面縁部を部分的に覆い得る。他の例で、クランプ140が略リング形態を有し、チャックプレート120の上面縁部を全体的に覆い得る。
【0062】
クランプ140がチャックプレート120の上面縁部を覆った状態でガイドリング130に固定されるため、クランプ140がチャックプレート120を下方へ押圧し得る。したがって、クランプ140は、チャックプレート120を加熱プレート110に密着させることができる。そのため、加熱プレート110とチャックプレート120との間を通して前記真空力が漏れることを追加的に防止することができる。
【0063】
クランプ140は係止突起144を有し、係止突起144がチャックプレート120の溝126に設けられ得る。したがって、クランプ140の上面とチャックプレート120の上面とを同じ高さに位置させることができる。そのため、クランプ140の干渉なくウエハー10をチャックプレート120の上面へ安定的に移送して載置することができる。
【0064】
ガイドリング130及びクランプ140は、酸化アルミニウム(Al)材質からなり得る。前記酸化アルミニウムは断熱特性を有するため、ガイドリング130及びクランプ140は、加熱プレート110及びチャックプレート120の側面による熱損失を防止することができる。
【0065】
電源ケーブル150は、加熱プレート110の内部まで延びて発熱体112と連結され、発熱体112が熱を発生させるための電源を提供する。
温度センサー160は、加熱プレート110の外部から内部まで延び、発熱体112の温度を測定する。温度センサー160で測定された温度は、発熱体112の温度制御に用いられ得る。
【0066】
温度センサー160の例には、熱電対が挙げられる。
軸170は、加熱プレート110の下面に備えられ、加熱プレート110を支持する。例えば、軸170は、加熱プレート110にボルト締結され得る。
【0067】
電源ケーブル150及び温度センサー160は、軸170を貫通して加熱プレート110に装着され得、軸170は、電源ケーブル150及び温度センサー160を固定する役割を果たし得る。
【0068】
軸170は、加熱プレート110と相違する材質からなり得る。したがって、加熱プレート110で発生した熱が軸170によって損失することを防止することができる。
特に、軸170は、断熱特性を有する酸化アルミニウム(Al)材質からなり得る。したがって、加熱プレート110で発生した熱が軸170によって損失することをさらに抑制することができる。
【0069】
前記チャック構造物100は、ウエハー10を吸着するための真空力で加熱プレート110とチャックプレート120とを相互密着させることができる。したがって、加熱プレート110とチャックプレート120とを締結するための別の締結部材が不要である。
【0070】
また、前記真空力を解除することだけで加熱プレート110とチャックプレート120とを分離して交替することができる。これによって、チャック構造物100のメインテナンスを迅速に行うことができる。
【0071】
そして、前記チャック構造物110は、加熱プレート110で発生した熱をチャックプレート120を介してウエハー10に伝達する。テープ14の接着剤は、熱によって接着力が弱化するので、チャックプレート120が伝達する熱によってチップ12がテープ14から分離可能となる。したがって、チップ12の損傷なくチップ12を分離することができる。
【0072】
図6は、本発明の一実施例によるチップ分離装置を説明するための概略的な断面図である。
図6を参照すれば、チップ分離装置300は、チャック構造物100及びピッカー200を含む。
【0073】
チャック構造物100は、加熱プレート110、チャックプレート120、ガイドリング130、クランプ140、電源ケーブル150及び温度センサー160を含み、チャック構造物100についての具体的な説明は、図1図5を参照した説明と実質的に同一であるので、省略する。
【0074】
チャック構造物100は、チップ12のピックアップが行われる前、ピッカー200が待機中である状態で加熱プレート110が熱を発生する。前記熱がチャックプレート120を介してウエハー10に伝達され、チップ12をテープ14から分離する。チップ12をテープ14から分離するための時間を別に割り当てなくてもよいので、ピッカー200が遅延なくチップ12をピックアップすることができる。
【0075】
ピッカー200は、チャック構造物100の上方に水平方向及び垂直方向へ移動可能に備えられる。ピッカー200は、テープ14から分離されたチップ12を順次ピックアップして後続工程のために移送する。この際、ピッカー200は、真空力を用いてチップ12を固定することができる。
【0076】
例えば、ピッカー200は、チップ12をバッファーステージに移送するか、チップ12を基板に直接ボンディングし得る。
ピッカー200がチップ12をボンディングする場合、ピッカー200は、内部にヒーター210を含み得る。
【0077】
ヒーター210は、チップ12を加熱してチップ12が安定的に前記基板にボンディングされるようにする。
チップ分離装置300は、チャック構造物110で発生した熱を用いてチップ12をテープ14から分離し、分離されたチップ12はピッカー200に移送する。そのため、チップ分離装置300は、チップ12を損傷なく分離して移送することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
上述のように、本発明による半導体後工程用のチャックプレート、これを有するチャック構造物及びチャック構造物を有するチップ分離装置は、ウエハーを吸着するための真空力で加熱プレートとチャックプレートとを密着させることができる。そして、前記真空力を解除することだけで前記加熱プレートと前記チャックプレートとを分離して修理または交替が可能であるため、前記チャック構造物のメインテナンスを迅速に行うことができる。
【0079】
以上のように、本発明の望ましい実施例を参照して説明したが、本発明の技術分野における熟練した当業者が下記の特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域から脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】