特表2019-525093(P2019-525093A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-525093オレンジピール型の斜平面クランプ及びその管連結部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-525093(P2019-525093A)
(43)【公表日】2019年9月5日
(54)【発明の名称】オレンジピール型の斜平面クランプ及びその管連結部材
(51)【国際特許分類】
   F16L 23/08 20060101AFI20190809BHJP
   F16J 15/06 20060101ALI20190809BHJP
【FI】
   F16L23/08
   F16J15/06 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2019-506360(P2019-506360)
(86)(22)【出願日】2017年7月31日
(85)【翻訳文提出日】2019年2月18日
(86)【国際出願番号】CN2017095213
(87)【国際公開番号】WO2018024174
(87)【国際公開日】20180208
(31)【優先権主張番号】201610626698.7
(32)【優先日】2016年8月1日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519036824
【氏名又は名称】楊順立
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】楊順立
【テーマコード(参考)】
3H016
3J040
【Fターム(参考)】
3H016CA02
3J040AA02
3J040AA11
3J040AA17
3J040BA01
3J040EA16
3J040EA18
3J040EA22
3J040FA01
3J040FA12
3J040HA30
(57)【要約】
本発明は、2組に分け、各組内の各枚のクランプ同士が連結パイプ軸に平行であるピン
で連結され、組同士がパイプ軸に垂直であるボルトで連結され、各々のクランプの何れの
外形も部分的な円環柱であり、裏面は円弧の溝であり、溝の上下面は対称である部分的な
内錐面であり、各クランプが環状に連結されるとブロックチェーンになるオレンジピール
型の斜平面のパイプ連結用クランプ及び管連結部材を公開する。クランプと連結管のテー
パーとの結合面は斜平面であり、石綿マット、金属巻きガスケット及び金属リング等の各
種のガスケットを採用してよく、DN50以上の口径のフランジの代わりに、中高圧及び
可燃物・爆発物媒質の管路の連結に用いられてよく、且つ重量が単にフランジの20〜3
0%であり、製造コストがフランジより遥かに低い。
【選択図】図2C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2組に分け、各組内の各枚のクランプ同士がパイプ軸に平行であるピンで連結され、組
同士がパイプ軸に垂直であるボルトで連結され、各々のクランプの何れの外形も部分的な
円環柱であり、裏面は円弧の溝であり、溝の上下面は対称である部分的な内錐面であり、
各クランプが環状に連結されるとブロックチェーンになることを特徴とするオレンジピー
ル型の斜平面のパイプ連結用クランプ。
【請求項2】
クランプの内錐面の円錐角つまり内錐面の法線方向とブロックチェーンの軸方向との夾
角はα=10〜20°であり、前記クランプの枚数Nは偶数であり、Nは同じ口径のフラ
ンジのボルト数を越えないことを特徴とする請求項1に記載のパイプ連結用クランプ。
【請求項3】
各々のクランプの内錐面の中間部分が突出して台形の平面になり、平面が錐面に平行で
あり、つまり平面の斜角が錐面の円錐角に等しいことを特徴とする請求項1に記載のパイ
プ連結用クランプ。
【請求項4】
単一クランプの台形の斜平面の2つの側辺がブロックチェーンの円心に延ばして形成さ
れた台形角γの合計はΓ=180〜300°であり、単一クランプの台形角はγ=Γ/N
であることを特徴とする請求項1に記載のパイプ連結用クランプ。
【請求項5】
一端が管頭であり、他端が突出したテーパーであり、管頭は管路に溶接され、テーパー
の外円錐角がクランプの内円錐角に等しく、テーパーの外錐面に錐面に平行であるN個の
凹んだ台形の斜平面が切削されることを特徴とする請求項1乃至4に記載のパイプ連結用
クランプに合わせた連結管。
【請求項6】
連結管のテーパーにおける台形の斜平面の2つの側辺が連結管の円心に延ばして形成さ
れた台形角の合計はΒ=90〜120°であり、クランプの台形角と連結管の台形角との
比はγ/β?2であることを特徴とする請求項5に記載の連結管。
【請求項7】
連結管のテーパーの底面は密封面であり、強制的なガスケットを採用し、密封面の形態
は平面、凹凸面、さねはぎ面、リング溝面又は三角ループの内溝面であり、自己締付機能
を持つソフトガスケットを採用してもよいことを特徴とする請求項5に記載の連結管。
【請求項8】
連結管の管頭と管路とは、ねじ山で連結されることを特徴とする請求項5に記載の連結
管。
【請求項9】
請求項1に記載のブロックチェーン及び請求項5に記載の連結管からなる管路の連結部
材において、1セットのブロックチェーン及び1対の連結管が1セットの管路の連結部材
を構成し、2つの連結管のテーパーの間にガスケットが置かれ、2つの連結管の管頭がそ
れぞれ両側の管路に溶接され又はねじ山で連結されることを特徴とする管路の連結部材。
【請求項10】
バルブの製造に用いられ、つまり従来のフランジで連結されるバルブにおけるフランジ
を請求項5に記載の連結管に変え、バルブと管路とが請求項1に記載のブロックチェーン
で連結され、連結管の口径DNはDN50〜700であることを特徴とする請求項9に記
載の管路の連結部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機械分野に属し、クランプ及びクランプパイプの連結部材に関し、石油加工、
化学工業、製薬、電力、冶金、ボイラー等の業界における管路の連結に好適に用いられる
【背景技術】
【0002】
工業において、管路の連結として、一般的にフランジを採用し、バルブもフランジ型の
バルブである。フランジは、大きく粗く、材料を無駄にし、取り付けも面倒であるが、好
適な代用物はまだない。DN50以下の小口径の管路であれば、フランジの代わりにユニ
オンを使用してもよい。ユニオンは、フランジよりも取り付けやすく、重量がフランジの
20〜30%のみであり、コストが30〜50%低下する。ユニオン型のバルブも、フラ
ンジ型のバルブの材料及びコストより大体同様な比例で低下し、現在、民間用管路の連結
業界にしか使用されないが、遅かれ早かれ化学工業の業界に普及する。本発明者の提出し
た三角ループ状のガスケットにより、ユニオンの化学工業の業界での使用の密封の問題が
既に解決される(CN203756982U、CN204717181U参照)。大口径
の管路については、フランジの代わりにクランプを使用してもよいが、クランプはゴムシ
ールであり、水管路の連結のみに適合され、現在、消火用水主管、食品及び製薬の業界の
みに使用されるが、他の業界ではめったに使用されない。石油工業用の高圧クランプは、
硬いシールワッシャーを採用し、加工精度に対する要求が高く、コストが高いので、普及
することはできない。
【0003】
従来のクランプは、主に、水管の連結に用いられ、クランプ、ハブフランジ、ボルト及
びガスケットからなる。図1を参照されたい。クランプは、一般的に2枚であり、せいぜ
い3枚(中華人民共和国国家標準参照)しかない。取り付けられた後で、クランプの内錐
面とハブフランジの外錐面とがぴったり合い、図面においてbは切点である。仮にガスケ
ットを石綿マットとして、暫く使用された後で従来の漏洩現象が発見され、締め付ける必
要があり、ボルトを締め付けた後でクランプが内へ収縮し、切点がbからc点に移し、こ
の場合、軸方向の断面D-Dにおいて、クランプの雌コーンの直径がハブフランジの雄コ
ーンの直径よりも大きく、他の断面でもその通りである。この場合、2つの錐面が既に緊
密に結合されず、1枚のクランプの内錐面とハブフランジの外錐面とが1枚のクランプの
内錐面の中部に位置する1本の線のみで貼り合わせ、クランプの両側が浮き上がって、2
枚のクランプに対して2本の線のみで貼り合わせる。クランプを取り付ける場合にb点に
ならないうちに、ガスケットが既にしっかりシールし又はナットを締め付けることができ
なくなると、この場合、1枚のクランプとハブフランジの錐面とがクランプの外縁に位置
する2本の線で貼り合い、クランプの真ん中が膨れ、隣接する2枚のクランプのラグの距
離が近く、2本の貼り合わせ線の作用が1本に相当する。これにより、従来のクランプガ
スケットとしては、ソフトシールしか採用できず、石綿板、金属巻きガスケット等の強制
的なガスケットを採用できないことが判明される。
【0004】
まとめていうと、従来のクランプでは、取り付けられた後で、何れもクランプの内錐面
と連結管のテーパーの外錐面とを貼り合わせ、僅かなズレも許さず、所定の位置まで締め
付けられた後でボルトが少し締め付けられると、クランプが浮き上がるので、ゴム製のO
リング、ゴム製のCリングのような自己締付作用を持つソフトシールしか使用できず、使
用範囲が非常に狭い。
【0005】
石油工業において、クランプを高圧管路の連結に使用されることもあり、ガスケットと
して八角リングを採用し、製造過程としてはクランプにガスケットを加えて環状に取り付
けた後で旋盤で仕上げ、価格が高く、且つ小口径の管路しか適用されない。実際的に、G
B150.3「圧力容器第3部:設計」には、クランプの「シールリングは自己締付機能
を持つべきである」(p281)、シールリングとしてはゴム製のOリング及びゴム製の
Cリングしか採用できないことが指摘されている。
【0006】
そのため、クランプは、工業でずっと普遍に普及されず、現在、消防及び下降管・上昇
管のみに管理部門により強制に普及され、シールリングはゴム製のCリングである。化学
工業の業界における管路で輸送される流体は殆ど可燃物・爆発物の媒質であり、且つ温度
が高く、ガスケットとして一般的にゴム材料の使用を許さないので、従来のクランプは、
化学工業の業界に適用されることはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のクランプに基づいて、本発明の目的は、新規なパイプ連結用クランプ及びその管
連結部材を提出することである。オレンジピール型の斜平面クランプ及びオレンジピール
型の斜平面クランプパイプの連結部材を、フラットフープ及びバックルと略称する。クラ
ンプと連結管のテーパーとの結合面は斜平面であり、石綿マット、金属巻きガスケット及
び金属リング等の各種のガスケットを採用してよく、DN50以上の口径のフランジの代
わりに、低圧、中高圧及び可燃物・爆発物媒質の管路の連結に用いられてよい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の技術案は、2組に分け、各組内の各枚のクランプ同士が連結パイプ軸に平行で
あるピンで連結され、組同士がパイプ軸に垂直であるボルトで連結され、各々のクランプ
の何れの外形も部分的な円環柱であり、裏面は円弧の溝であり、溝の上下面は対称である
部分的な内錐面であり、各クランプが環状に連結されるとブロックチェーンになるオレン
ジピール型の斜平面パイプ連結用クランプである。
【0009】
前記クランプにおいて、クランプの内錐面の円錐角、つまり内錐面の法線方向とブロッ
クチェーンの軸方向との夾角はα=5〜80であり、最も好ましくは10〜20であ
る。前記クランプの枚数Nは偶数であり、Nは最も好ましくは同じ口径のフランジのボル
ト数を越えず、例えば4枚、6枚、8枚、10枚、12枚、18枚等であってよい。
【0010】
前記クランプにおいて、各々のクランプの内錐面の中間部分が突出して台形の平面にな
り、平面が軸平面に平行であり、つまり平面の斜角が錐面の円錐角に等しい。
【0011】
前記クランプにおいて、単一クランプの台形の斜平面の2つの側辺がブロックチェーン
の円心に延ばして形成された台形角γの合計はΓ=40〜330であり、最も好ましく
は180〜300であり、単一クランプの台形角はγ=Γ/Nである。
【0012】
本発明は、上記パイプ連結用クランプに合わせた管連結部材つまり連結管を更に提出し
、従来のクランプの基準ではハブフランジと呼ばれ、ここで連結管と呼ばれる。連結管は
、一端が管頭であり、一端が突出したテーパーであり、管頭が連結管路によって溶接され
、ねじ山で連結されてもよい。テーパーの外円錐角がクランプの内円錐角に等しく、テー
パーの外錐面にバイトで錐面に平行である凹んだN個の台形の斜平面が切削される。連結
管の台形の斜平面の2つの側辺が連結管の円心角に延ばして形成された台形角の合計はB
=20〜180であり、最も好ましくは90〜120であり、クランプ台形角と連結
管の台形角との比はγ/β&#8805;1.1であり、最も好ましくはγ/β&#8805;2である
【0013】
前記連結管において、連結管のテーパーの底面は密封面であり、例えば石綿マット、金
属巻きガスケット及び金属リング等の強制的なガスケットを採用し、密封面の形態は平面
、凸凹面、さねはぎ面、リング溝面又は三角ループの内部溝面等である。例えば、ゴム製
のOリング、ゴム製のCリングのような、自己締付機能を持つソフトガスケットを採用し
てもよい。
【0014】
上記ブロックチェーンが連結管に合わせて、オレンジピール型の斜平面クランプパイプ
の連結部材(バックルと略称する)と呼ばれる新しい管路の連結部材を形成する。1セッ
トのブロックチェーン及び1対の(2つの)連結管が1セットのバックルを構成して、2
つの連結管のテーパーの間にガスケットが置かれ、2組のクランプの連結ボルトを締め付
け、2つの連結管の管頭をそれぞれ両側の管路に溶接すると、バックルの取り付けが完成
される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の提出したバックルは、DN15〜3000管路の連結に用いられてよいが、最
も好ましくはDN50〜700である。圧力で、低圧から高圧にする。温度で、零下の低
温から高温にする。クランプ材は、亜鉛メッキ炭素鋼であり、黒変、リン酸塩処理、ニッ
ケルメッキ等をされてもよく、ステンレス材料を採用してもよい。連結管材は炭素鋼又は
ステンレスであり、他の材料を採用してもよい。クランプ及び連結管の製造は、何れも半
完成品を鍛造した後で機械加工し、主に、化学工業の業界に用いられ、民間用管路の連結
に使用される場合に鋳造されてもよい。
【0016】
本発明の提出したバックルは、連結管直段の重量を除去すれば、1対のフランジの重量
と比較すると、単にフランジの重量の20〜30%である。直管段を除去した連結管の重
量のみを算出すれば、重量は1対のフランジの2.5〜6%のみである。バックルの製造
に当たっては、円錐角に対して厳しく要求する以外、他のサイズに対する要求は高くなく
、製造しやすい。バックルが市販された後で、低圧炭素鋼のバックルは、価格がフランジ
の半分のみであり、中高圧の価格の優勢がより大きい。ステンレスのバックルは、価格が
ステンレスのフランジの20〜30%のみである。バックルは、バルブの製造に用いられ
ることができ、バルブの両側のフランジを連結管に変え、管路用クランプに連結させて、
バルブの製造コスト及び価格を大幅に低下させる。本発明のバックルの普及により、工業
パイプ弁部材の業界及び管路の連結分野で革命が起こる可能性があり、現代工業の発進や
国民経済に重大な意義がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】Aは従来のクランプの取付図であり、BはAの局部拡大図である。
図2】バックルの3次元図であり、Aはめど辺箍であり、Bはラグ辺箍であり、Cは組立図である。
図3】バックル部品の3次元投影図であり、Aは連結管であり、Bはラグ辺箍であり、Cはめど辺箍である。
図4】バックルの断面図であり、1は連結管であり、2はガスケットであり、3はクランプであり、4は下連結管である。
図5】連結管の標識図であり、A、Bはそれぞれ上連結管の縦断面図及び上面図であり、CはBにおける局部拡大図であり、D、Eはそれぞれ下連結管の下面図及び縦断面図である。
図6】4枚のクランプの標識図である。A、Bはそれぞれ縦断面図及びAにおける局部拡大図の上面図であり、C、DはそれぞれA図面におけるA-Aの左右の部材の断面図であり、E、Fはそれぞれ図Cにおける2点での断面図であり、G、Hはそれぞれ図Dにおける2点での断面図である。
図7】6枚のクランプの標識図である。A、Bはそれぞれ縦断面図及びAにおける局部拡大図の上面図であり、C、DはそれぞれA図面における左右の部材及び上下の部材の断面図であり、E、Fはそれぞれ図C、Dにおける2点での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.命名
【0019】
本発明は新規な製品であり、述べる前に製品及び部品を命名しなければならず、図2
7を参照されたい。
【0020】
本発明では、クランプを4枚以上に分け、従来のクランプの錐面のよる貼り合わせを斜
平面による貼り合わせに変え、学術名はオレンジピール型の斜平面クランプであり、フラ
ットフープと略称する。従来のクランプを錐箍と略称する。クランプの連結部材と管路と
の溶接部を、従来の基準及び文献でハブフランジと呼ばれ、ここで連結管という。連結管
の管路に連結される辺を溶接端と称し、クランプに連結される辺をテーパーと称する。
【0021】
クランプパイプの連結部材は、クランプ、連結管、ボルト及びピンの4つのパーツから
なり、クランプ及び連結管は主材であり、ボルト及びピンは連結部材(付属品)である。
クランプは周辺箍及び中央箍の2つに分け、周辺箍はまためど辺箍及びラグ辺箍に分け、
めど辺箍、ラグ辺箍及び中央箍はまた単箍と称される。クランプの枚数は2の倍数(偶数
)であり、少なくとも4枚である。図2、3は4枚の箍の管路の連結部材の3次元図及び
3次元投影図であり、Aはめど辺箍であり、Bはラグ辺箍であり、cは組立図であり、ク
ランプパイプの連結部材をまとめてバックルと略称する。周辺箍(A、B)の一端はラグ
であり、めど辺箍(A)の他端はピンめどであり、ラグ辺箍(B)の他端はピンラグであ
る。4枚からなるクランプについては、1つのめど辺箍及び1つのラグ辺箍をピンで連結
すると、1組のクランプになり、2組のクランプをボルトで連結すると、ブロックチェー
ンと呼ばれる1つの全体になり、ブロックチェーンと連結管とがバックルを構成する。
【0022】
図7は6枚のクランプであり、6枚の箍が2組に分け、1組に3枚がり、両側はめど辺
箍、ラグ辺箍であり、中間は中央箍である。中央箍は、一端がピンめどであり、一端がピ
ンラグである。中央箍がピンによって周辺箍に連結される。6枚以上のクランプからなる
ブロックチェーンであれば、何れもめど枚箍、ラグ辺箍及び中央箍の3つの単箍からなり
、3つの金型だけで製造することができる。
【0023】
1セットのブロックチェーン及び1対の(2つの)連結管が1セットの管路の連結部材
を構成し、2つの連結管の錐底は密封面であり、密封面及びガスケットとしては各種の形
態を採用してよく、2つの連結管の管頭がそれぞれ両側の管路に溶接され、ねじ山で連結
されてもよい。
【0024】
ブロックチェーンの材料は炭素鋼、ステンレス等の金属であり、半完成品の鍛造、機械
加工の方法で製造され、高温・高圧に耐え、可燃物・爆発物媒質に用いられることができ
る。
【0025】
前記クランプパイプの連結部材は、バルブの製造の連結に使用され、つまり従来のフラ
ンジで連結されるバルブにおけるフランジの代わりに前記連結管を使用し、バルブと管路
とが前記ブロックチェーンで連結されてよい。
【0026】
前記クランプパイプの連結部材として、強制型ガスケットを採用し、そのサイズを化学
工業及び石油化学工業の設計基準に基づいて設計し、中高圧、可燃物・爆発物媒質の管路
及び設備の連結に用いられる。
【0027】
前記クランプパイプの連結部材において、クランプは鋳造の方法で製造されてもよく、
連結管の管頭と管路とが溶接され又はねじ山で連結され、ガスケットとして強制ガスケッ
ト又はソフトガスケットを採用し、民間用、低圧及び不燃媒質の管路の連結に使用される
【0028】
前記クランプパイプの連結部材(バックル)として、連結管の口径はDN15〜300
0であり、最も好ましくはDN50〜700である。
【0029】
2.定義
【0030】
バックルは、新しい製品であり、主に、DN50以上の大口径のフランジの代わりに、
化学工業、石油、発電、精錬等の工業分野に使用され、圧力容器の中華人民共和国国家標
準及び工業金属管路の中華人民共和国国家標準の規範に基づいて設計されなければならな
い。設計式を導き出す前に、まず、添付図面を参照して、各部位について命名し及び標識
符号を選択すべきである。
【0031】
B――ガスケットの有効幅であり、
――連結管の溶接端の管肉厚の負偏差であり、C=12.5%であり、
Dn――連結管のテーパーの斜平面の内接円Dで形成された弓形の弓長であり、算
出時に円の直径としてD+2vを取るべきであり、
Dw――連結管のテーパーの斜平面の外接円Dで形成された弓形の弓長であり、
En――クランプの斜平面の内接円Dで形成された弓形の弓長であり、算出時に円
の直径としてD+2vを取るべきであり、
Ew――クランプの斜平面の外接円Dで形成された弓形の弓長であり、
――連結管の溶接端の内径であり、
――連結管の溶接端の外径であり、
――連結管と錐面との過渡円弧が錐面と交差して形成された円の直径であり、D
=D+2r(1-sinα)であり、
――内接円の直径であり、つまり連結管のテーパーの切点での直径であり、ブロッ
クチェーンの孔径にも等しく、
――外接円の直径であり、つまり連結管のテーパーの底面直径であり、
――密封面の有効直径であり、
――スタッドの最小断面の直径であり、
――ボルト孔の直径であり、
――ピンの直径であり、
――ダウエルホールの直径であり、
――ピンラグの外径であり、
――クランプの内径であり、
――クランプの外径であり、
――クランプ孔での直段高度であり、つまり内切点でクランプの厚さであり、
――クランプの切点での厚さであり、つまり外切点でクランプの厚さであり、
――連結管のテーパーの錐面と斜平面との間隔であり、
――クランプの錐面と斜平面との距離であり、
Δg――バックルが組み立てられた後で連結管のテーパーの斜平面とクランプの斜平面
との距離であり、
――連結管のテーパーの切点での厚さであり、つまり連結管のテーパーの内切点で
の厚さであり、
――連結管のテーパーの円柱段の高度であり、つまり連結管のテーパーの外切点で
の厚さであり、
――ラグの力臂の長さであり、
――ラグの幅であり、
――ラグの厚さであり、
M――ガスケットの係数であり、ディメンションゼロであり、
N――クランプの枚数であり、
――材料の引っ張り強度の安全係数であり、
――材料の降伏強度の安全係数であり、
PN――公称圧力、設計の最大使用圧力、barであり、
P――内圧(MPa)であり、p=(PN+1)/10であり、
――連結管の錐面との過渡円弧の半径であり、
――加工内過渡円弧の半径、つまり内面取りであり、1〜2mmを取り、
――加工外過渡円弧の半径、つまり外面取りであり、0.5〜1mmを取り、
――ピンラグの高度であり、
――ピンめどの高度であり、
――連結管のテーパーの斜平面の外接円で形成された弓形の弓高であり、
――クランプの斜平面の内接円で形成された弓形の弓高であり、
y――ガスケットの密封単位圧力(MPa)であり、
α――円錐角又は斜角であり、錐面の錐底に対する夾角であり、つまり錐面の法線方向
と錐軸方向との夾角であり、連結管頭の外錐面とクランプの内錐面との円錐角、連結管の
斜平面及びクランプの斜平面の軸方向の断面との夾角を含み、4つの角が等しく、
B――連結管のテーパーのN個の台形角の合計であり、
β――連結管の台形角であり、連結管のテーパー台形の斜平面の2つの側辺が連結管
の円心に延ばして形成された台形角であり、外接円Dを基準として、β=B/Nであり

β――連結管の台形角であり、内接円Dを基準とし、
Γ――ブロックチェーンのN個の単一クランプの台形角の合計であり、
γ――クランプの台形角であり、単一クランプの台形の斜平面の2つの側辺がブロッ
クチェーンの円心に延ばして形成された台形角であり、内接円Dを基準として、γ=Γ
/Nであり、
γ――クランプの台形角であり、外接円Dを基準とし、
δ――連結管の溶接端の肉厚であり、
δ――クランプの円筒段の肉厚であり、
ΔC――弓長許容量であり、取り付けられた後で、同一の円周においてクランプの斜平
面の弓長が連結管のテーパーの斜平面の弓長より長い部分であり、両側に同様な長さが出
ることを指し、
ΔL――バックルの間隔であり、ブロックチェーンの孔辺と連結管のテーパーの台形の
斜平面における底線との距離であり、
μ――摩擦角であり、鋼・鋼のμ=5〜8°、小さい値μ=5°、大きい値μ=8
°であり、
σb1――連結管材の引っ張り強度(MPa)であり、
σb2――クランプ材の引っ張り強度(MPa)であり、
σs3――ボルト及びピン材料の降伏強度(MPa)であり、
[σ]b1――連結管材の許容応力(MPa)であり、
[σ]b2――クランプ材の許容応力(MPa)であり、
[σ]s3――ボルト及びピン(軸)材料の許容応力(MPa)であり、
φ――溶接係数であり、連結管の溶接端にグローブ、電気溶接が設計され、φ=0.8
を取ってよく、
ω――弓長比であり、取り付けられた後で、同一の円周においてクランプの斜平面と連
結管のテーパーの斜平面の弓長との比である。
【0032】
3.はめ合い寸法
【0033】
(1)台形角
【0034】
台形の斜平面の2つの側辺が円心まで延伸して形成された台形角の略称であり、実際的
に、斜平面の2つの側辺は直線ではなく、単に直線に近似する。連結管の斜平面の面積を
連結管の外錐の総面積の1/4と規定し、つまり連結管の台形角の合計B=90であり
、連結管のテーパーの円柱段の直径Dを基準として、連結管のテーパーにおける単一の
斜平面の夾角は、下記の通りである。
【0035】
(3-1)
【0036】
このような設計によれば、バックルの連結部材の接触面(クランプと連結管との斜平面
)がフランジの連結部材の接触面(フランジとボルト)より遥かに大きく、フランジが浮
き上がって曲がる現象はなく、ガスケットの名義幅bを矯正する必要はなく、つまりb
=bである。
【0037】
クランプ台形角の合計はΓであり、設計案により比較すると、Γ=180〜300
取ることが好ましく、クランプ孔の直径Dを基準として、各々のクランプの斜平面の夾
角は下記の通りである。
【0038】
(3-2)
【0039】
公差、加工誤差及び取り付ける場合のズレを考慮すると、クランプの斜平面と連結管の
斜平面とがぴったり合うように保証するために、γ/β&#8805;2を取ることが好ましい
【0040】
(2)斜平面と錐面との間隔
【0041】
図5に示すように、連結管のテーパーの斜平面の外接円Dで形成された弓形の弓高v
は下記の通りである。
(3-3)
【0042】
連結管のテーパーの斜平面と錐面との間隔gは下記の通りである。
(3-4)
【0043】
図6に示すように、クランプの斜平面の内接円Dで形成された弓形の弓高vは下記
の通りである。
(3-5)
【0044】
クランプの錐面と斜平面との距離gは下記の通りである。
(3-6)
【0045】
バックルが組み立てられた後で、連結管の出縁の錐面とクランプの錐面との距離Δgは
下記の通りである。
(3-7)
【0046】
設計によると、Δgをできるだけ大きくするように要求され、0.7mmより小さくし
てはならず、つまり2つの錐面はできるだけ大きい間隔を有するべきである。
【0047】
斜平面が錐面に平行であり、gが何処でも等しいので、vは何処でも等しく、製図
する場合に、これにより、台形の斜平面側辺の投影曲線を作ってよく、直線に近似する。
【0048】
(3)弓長比
【0049】
図5に示すように、連結管の出縁の斜平面の外接円D(錐底円)で形成された弓形の
弓長CDwは下記の通りである。
(3-8)
【0050】
斜平面が錐面に平行であり、gが何処でも等しいので、vは何処でも等しく、これ
により、下記のことが判明される。内接円D(ブロックチェーン孔円)における連結管
の出縁の台形角βは下記の通りである。
(3-9)
【0051】
連結管の出縁の斜平面の内接円で形成された弓形の弓長CDnは下記の通りである。
(3-10)
【0052】
同様に、クランプの斜平面の内接円で形成された弓形の弓長CEnは下記の通りである

(3-11)
【0053】
外接円におけるクランプの台形角γは下記の通りである。
(3-12)
【0054】
クランプの斜平面の外接円で形成された弓形の弓長CEwは下記の通りである。
(3-13)
【0055】
クランプと連結管の出縁の内外接円での弓長との比はそれぞれ下記の通りである。
(3-14)
(3-15)
【0056】
クランプと連結管のテーパーの内外接円での弓長許容量はそれぞれ下記の通りである。
(3-16)
(3-17)
【0057】
弓長比ω及び弓長許容量ΔCにより、クランプの斜平面の連結管のテーパーの斜平面に
貼り合う信頼度が反映される。DN50以上のバックルに対しては、ω&#8805;2、ΔC&
#8805;10mmに設計されることが要求される。クランプと連結管との弓長比ωが台形角
比に近似し、つまりω&#8776;γ/β&#8805;2である。
【0058】
(4)バックルの間隔
【0059】
連結管のテーパーの斜平面の中心線における剪断点での円の直径はDであり、クラン
プ孔の直径もDである。連結管の外径と錐面との過渡円弧rが錐面と交差して形成さ
れた円の直径はDであり、連結管のテーパー台形の斜平面台形における底辺線が円D
と交差する。ブロックチェーン孔辺(D円)と連結管のテーパー台形の斜平面台形にお
ける底辺線(D円の箇所)との距離をバックルの間隔ΔLと称し、図5によると、下記
のことが判明される。
(3-18)
【0060】
ΔL=4〜6mmを取るように設計され、大口径のバックルに対しては、大きいΔLを
取るべきである。
【0061】
4.応力分析
【0062】
下記設計・算出式は、主に、中華人民共和国国家標準GB150-2011「圧力容器
」の基準釈義、中華人民共和国国家標準GB150.1〜4-2.11「圧力容器」、中
華人民共和国国家標準GB50316-2000「工業金属管路の設計規範」、国家化学
工業の業界基準HG/T20582-2.11「鋼製化学工業容器強度の算出規定」を参
照する。
【0063】
4.1軸方向の荷重
【0064】
(1)内圧の連結管の軸方向の断面に作用する引っ張り強さFは下記の通りである。
(4-1)
【0065】
(2)内圧のクランプ及び連結管のテーパーに作用する軸方向の引っ張り強さFは下
記の通りである。
(4-2)
【0066】
(3)ガスケットの軸方向の予締付力Fは下記の通りである。
(4-3)
【0067】
自己締付型のガスケットを採用する場合、F=0である。
【0068】
式中、b=bであり、ブロックチェーンの連結管のテーパーにはフランジが浮き上が
って曲がる現象はない。
【0069】
(4)操作状態でのクランプの受けた軸方向の合計の引っ張り強さ
【0070】
各国の圧力容器基準の何れも1940年代の研究成果に基づいたものであり、操作状態
時の密封面での締固応力は設計圧力pの2m倍であると考えられ、つまり下記の通りであ
る。
(4-4)
【0071】
mはガスケットの係数と称され、ガスケットの材料、形態及びサイズによって、表3-
4-1に列記される。自己締付型のガスケットを採用する場合、F=0である。
【0072】
操作状態での軸方向の引き伸ばし力Fは媒質圧力による軸方向の力FGとガスケット
の操作状態に必要な密封締固応力による軸方向の力Fとの合計であるべきであり、下記
のように示されてよい。
(4-5)
【0073】
4.2縦方向の荷重
【0074】
(1)ガスケットの予締付時に発生した縦方向の内圧力
は下記の通りである。
(4-6)
【0075】
(2)操作状態でのクランプの受けた縦方向での合計外圧力Ftjは下記の通りである

(4-7)
【0076】
鋼・鋼摩擦係数f=0.1〜1.5、摩擦角μ=tan-1f=5.71〜8.53&
#8776;5〜8であり、算出結果を信頼的にするために、予締付時のμとしてμ=8
の大きい値を取り、使用状態のμとしてμ=5の小さい値を取り、つまり応力として
できるだけ最大値を取る。
【0077】
4.3ボルト及びピンの荷重
【0078】
クランプの如何なる縦方向の断面において、その受けた両側への合計引っ張り強さは縦
方向の圧力の
倍であるので、クランプの対向する2つのボルトの受けた引っ張り強さ(ボルトの合計荷
重)を算出することができ、その値がクランプの対向する2対のピンの合計荷重にも等し
い。
【0079】
(1)予締付状態でのボルトの合計荷重
は下記の通りである。
(4-8)
【0080】
(2)操作状態でのボルトの合計荷重Ftmは下記の通りである。
(4-9)
【0081】
ボルトのサイズを算出する場合、
における最大値を取るべきであり、つまり下記の通りである。
(4-10)
【0082】
4.4説明
【0083】
従来のクランプパイプの連結部材であれば、クランプとハブフランジとの錐面がちょう
ど貼り合わせるという1つの結合状態しか持たず、このような状態は変わらず、ボルトが
固定の作用しか果たさないため、基準及び文献の応力分析及び強度の算出式の何れも実際
に即さない仮設に基づいたものだと言ってもよい。
【0084】
GB150.3において、クランプ強度の算出に対して更に予荷重状態が規定される。
クランプの連結部材の予締付状態の場合に2つの密封面が互いに接近し、ハブフランジの
外錐面がクランプの内錐面に対して外へ移動し、クランプの錐面に裏への摩擦力Fが発生
する。操作状態で、2つの密封面が分離する趨勢にあり、ハブフランジの外錐面がクラン
プの内錐面に対して裏へ移動し、クランプのハブフランジに対する接触面の摩擦力方向が
予締付状態の方向に反対し、クランプの錐面に外への摩擦力Fが発生する。予締付状態か
ら操作状態へ変更する過程中、クランプの斜面における摩擦力Fが裏へから外へまで変更
する。媒質圧力が上昇する場合、2つの密封面が分離しようとする趨勢にある瞬間で、ク
ランプの斜面に作用する摩擦力が相変わらず裏に向き、この場合、予荷重状態と呼ばれ、
ボルト荷重と軸方向の応力との関係としては、式(4-9)における(α-μ)を(α+
μ)に変える。実際的に、これは、生産におけるある特別な状況、つまり始める場合に操
作不適当による瞬間の超高圧に対するものであり、このような状況DN15〜25以下の
小口径の管路で発生しやすいが、クランプがDN50以上の大口径の管路の連結のみに適
応され、このような状況は発生することはなく、或いは発生する可能性は非常に低い。
【0085】
GB150.3において、内圧のクランプ及び連結管のテーパーに作用する軸方向の荷
重Fは下記のように算出される。
(4-2a)
【0086】
これは内圧がクランプ及び連結管のテーパーの軸方向に作用する片面の応力であり、明
らかに誤る。GB150.1において、炭素鋼、低合金鋼材料の引っ張り強度の安全係数
=2.7、降伏強度の安全係数n=1.5(ボルトを除く)、炭素鋼ボルト材料の
降伏強度の安全係数nsm=2.7であると規定される。nsm/n=1.8であり、
ボルト降伏強度の安全係数を大きくするのは、実際的に式(4-2a)のミスに対する補
償である。式(4-2)で内圧の軸方向の荷重を算出し、ボルト降伏強度の安全係数とし
て1.5を取るのは、GB150.3による算出結果と実に同じであり、且つより信頼的
であり、このように、ボルト材料の安全係数に対する特別な規定を取り消し、算出方法の
設計を簡単化する。
【0087】
5.サイズの算出
【0088】
従来のクランプのサイズの設計・算出式はいずれも非常に複雑であり、例えば、GB1
50.3において、算出式が37個もある。既に連結管の斜平面の面積が連結管の外錐の
面積の1/4を占めると設定され、連結管のテーパーの切点での厚さを算出する場合、切
点での円周の1/4のみに対して強度を算出するが、他の3/4の円周が強化の作用を果
たすことができる。そのため、クランプ及び連結管のサイズに対する算出については、連
結管の管肉厚δ、連結管のテーパーの切点での有効厚さh、クランプの切点での厚さf
wのみを算出し、連結管のテーパー及びクランプの錐面の湾曲変形を考慮する必要はなく
、設計・算出過程が大いに簡単化される。
【0089】
5.1連結管の管肉厚
【0090】
従来の管肉厚の算出式は、何れも簡単化されて近似式であり、算出過程が複雑であり、
それはコンピュータ及びカルキュレイターが現れる前に得られた式である。応力平衡によ
ると、管肉厚の精確な算出式が得られる。
(5-1)
【0091】
上記式の算出結果がGB50316における算出式の算出結果と同じである。
【0092】
5.2クランプの肉厚
【0093】
ブロックチェーンボルトラグ及びピンでの逃げ角を合計で60°とし、つまりN個のク
ランプの円弧の合計円周をブロックチェーンの円周の300/360とし、力平衡から下
記式が得られる。
(5-2)
【0094】
ピンラグ及びボルトラグを設計する場合、ブロックチェーンの逃げ角の合計は60°よ
り小さいべきである。
【0095】
5.3連結管のテーパーの切点での厚さ
【0096】
力平衡から、下記式が得られる。
(5-3)
【0097】
0.8[σ]b1は許容せん断応力である。
【0098】
5.4クランプの切点での厚さ
(5-4)
【0099】
5.5ボルト
【0100】
(1)スタッドの直径
【0101】
単一ラグのクランプに対して、力平衡から、下記式が得られる。
(5-5)
【0102】
ダブルラグのクランプについては、算出式は下記の通りである。
(5-6)
【0103】
(2)ラグの算出
【0104】
クランプラグの抗折力、対向する2対のボルトの合計荷重は4つのラグにより分担され
、下記式が得られる。
(5-7)
(5-8)
【0105】
力臂L=ナットの外接円の直径+5〜6である。ラグ幅L、単一ラグはL=0.
8Eであり、ダブルラグはL=1.5×ナットの外接円の直径である。ボルトの孔径d
=1.2dである。
【0106】
5.6)ピン
【0107】
(1)ピンの直径
【0108】
各々のピンは4つの剪断面を有し、力平衡から、下記式が得られる。
(5-9)
【0109】
(2)ピンラグ及びピンめど(クランプごとの両端の連結部材)
【0110】
孔の直径はピン直径の1.2倍であり、d=1.2dである。ピンラグの高度をu
、ピンめどの高度をu、u=2u、u+2u=0.8Fとすると、u=0
.2Fである。力平衡から、下記式が得られる。
(5-10)
【0111】
5.7材料の安全係数
【0112】
材料の許容応力を算出するために、材料の引っ張り強度の安全係数n及び降伏強度の
安全係数nsを必要とする。GB150により、「現在、圧力容器の安全法規及び技術基
準に採用される安全係数は粗放的なものであり、数多くの細かい問題を全て安全係数によ
って保障するため、装置又は設備の安全限界を正確に評価できないという問題がある」こ
とが指摘される。GB150の紹介した米国動的安全係数の理念を採用し、安全係数とし
て各国の国家基準における低い方、つまりイギリスの国家基準を採用し、DN&#8804;1
5、PN&#8804;100のパイプに係数2(最も操作ミスして超高圧になりやすいもの)
をかけ、DN20〜25、PN&#8804;40のパイプに係数1.5をかけ、DN32〜5
0、PN&#8804;40のパイプに係数1.2をかける。
【0113】
【0114】
5.8材料のパラメーター
【0115】
(1)力的性質
【0116】
本発明の実例に用いられる材料の力的性質については、GB150.2-2011、G
B/T1220-2000から取られ、表5-2を参照されたい。
【0117】

【0118】
(2)ガスケットの係数
【0119】
本発明の実例のガスケットとして、ステンレス・石墨巻きガスケットを採用し、ガスケ
ットの係数m=3、ガスケットの単位圧力y=17であり、石綿マットの単位圧力11の
1.5倍を採用する。本発明の実例では、密封面としてさねはぎ面を採用し、ガスケット
幅b=(ほぞ幅+ガスケット幅)/2で算出する。基準及び文献において、ステンレス・
石墨巻きガスケットの単位圧力y=90であり、これにより算出すれば、フランジが石綿
マットから金属ガスケットに変わった後で、ボルトを締め付ける力の強さが8倍大きくな
り、フランジの厚さも8倍大きくなり、これは明らかなミスであり、又は機械により測定
された粗末な結果である。実際的に、フランジが石綿マットから金属ガスケットに変わっ
た後で、ボルトを締め付ける力は僅かに増大すればよいが、均一に締め付けなければなら
ず、つまりボルトを締め付ける場合に対向して1回ずつにゆっくりと締め付けなければな
らず、これは石綿マットを締め付ける場合の要求よりも高い。ブロックチェーンの締め付
けは非常に簡単であり、力を入れてボルトを締め付ければよいので、これもバックルの優
勢の一つである。
【0120】
6.本発明の設計・算出結果
【0121】
前記の本発明の設計方法によって、DN50〜600のバックルのサイズ、圧力PN2
5、40、63を算出し、密封面はさねはぎ面であり、ガスケットはステンレス・石墨巻
きガスケットであり、ガスケットの厚さは3.2であり、設計された連結管を表6-1、
2、3に示し、そのいずれも典型的な実施例である。表中のデータから、弓長許容量は1
3〜37mmであり、バックルの間隔は4.7〜6.3mmであり、加工精度に対する要
求が高くではなく、製造しやすいことが判明される。クランプのサイズが明らかにフラン
ジより遥かに小さく、大口径のバックルはフランジのように粗いボルトを要するものでは
なく、価格がフランジより遥かに低い。
【0122】
更にフランジと比較するために、バックルの重量を算出する。バックルとフランジとの
重量を比較する場合、フランジは、1対の(2枚)の重量であるべきである。バックルの
重量は1セットのクランプの重量に1対の連結管のテーパーの重量を加えるものであるべ
きである。連結管のテーパーの重量を算出する場合に、内径としては管外径を取るべきで
あり、つまりフランジの取り付ける場合にもあるパイプを除去し、便利に説明するために
有効テーパー重量と呼ばれる。バックルボルトとピンとの重量の合計は、フランジの1セ
ットのボルトの重量より軽く、ボルトの価値が低いので、両者の重量を比較する場合にこ
れを計算しない。フランジの重量は、GB/T9124-2010の板型下向き溶接フラ
ンジから由来する。算出結果を表に示す。バックルの重量はフランジの10〜30%のみ
であり、口径が大きいほど、圧力が高く、バックルがフランジより軽いことが判明される
。バックル連結管の有効テーパーの重量はフランジの重量の2.5〜6%のみであり、バ
ックルがフランジに取って代わる場合に連結管をステンレスに変えればよいので、クラン
プとして炭素鋼(亜鉛メッキ、ニッケルメッキ)を使用してよい。ステンレスのバックル
はステンレスのフランジよりも価格の優勢が大きい。
【0123】





【0124】

【0125】


【0126】
7.実例:1)DN100PN25バックルを、表6-1のデータに基づいて製造し、
テスト水圧5MPaで、24時間保持し、漏洩はなかった。
【0127】
2)DN150PN40バックルを、表6-2のデータに基づいて製造し、テスト水圧
10MPaで24時間保持し、漏洩はなかった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】