(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-525875(P2019-525875A)
(43)【公表日】2019年9月12日
(54)【発明の名称】ウェブ材料のログのテールエンドをシールする装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B65H 19/29 20060101AFI20190816BHJP
B65H 20/14 20060101ALI20190816BHJP
【FI】
B65H19/29
B65H20/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2019-502227(P2019-502227)
(86)(22)【出願日】2017年7月5日
(85)【翻訳文提出日】2019年3月18日
(86)【国際出願番号】EP2017066757
(87)【国際公開番号】WO2018015153
(87)【国際公開日】20180125
(31)【優先権主張番号】102016000075091
(32)【優先日】2016年7月18日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】504004902
【氏名又は名称】フアビオ・ペリニ・ソシエタ・ペル・アチオーニ
(74)【代理人】
【識別番号】100064388
【弁理士】
【氏名又は名称】浜野 孝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194113
【弁理士】
【氏名又は名称】八木田 智
(72)【発明者】
【氏名】マツアケリニ,グラチアノ
(72)【発明者】
【氏名】マダレニ,ロマノ
【テーマコード(参考)】
3F064
3F103
【Fターム(参考)】
3F064AA01
3F064CC01
3F064CC02
3F103AA01
3F103BC01
3F103EA15
(57)【要約】
本発明に係るウェブ材料のログ(R)のテールエンド(Lf)を閉じる装置は、ログ(R)の前進通路(P)及びログ前進通路に沿って設けられたテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーション(13)を備えている。テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーション(13)は、ログ前進通路の下方の入口(19)から下方に向けて延びる孔(21)を備えている。少なくとも一つの第一コアンダ効果ノズル(23)が、孔(21)の入口(19)に配置され、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーション(13)にあるログ(R)のテールエンド(Lf)を孔(21)の中に引き込むように適合された空気流(A)を生成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブ材料のログのテールエンドを閉じる装置であって、
ログ前進通路と、
ログ前進通路に沿って設けられたテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションと
を備え、
前記テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションが、ログ前進通路の下の入口から下方に向けて伸びる孔を備えている
装置において、
少なくとも一つの第一コアンダ効果ノズルが、孔の入口に配置され、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにあるログのテールエンドを孔の中に引き込むように適合された空気流を生成するようにした
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションに、周囲ログ接触ローラを設け、前記周囲ログ接触ローラをログ前進通路の下方に配置した
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ウェブ材料の機械式プライ結合部材を備え、前記機械式プライ結合部材が、ログ前進通路の下方に、孔に沿って配置されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
機械式プライ結合部材が、周囲ログ接触ローラを備えている
ことを特徴とする請求項2及び3に記載の装置。
【請求項5】
機械式プライ結合部材が、さらに、周囲ログ接触ローラと協働する少なくとも一つのプライ結合ホイールを備えている
ことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
ウェブ材料を機械器プライ結合部材に向けて引き込む、少なくとも一つの第二コアンダ効果ノズルを、前記孔内に備えている
ことを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第二コアンダ効果ノズルを、周囲ログ接触ローラ及び機械器プライ結合ホイールによって形成されたニップの中にウェブ材料を引き込むように配置した
ことを特徴とする請求項5及び6に記載の装置。
【請求項8】
付加的な機械式プライ結合部材が、孔の入口に関連付けられている
ことを特徴とする請求項3〜7の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
付加的な機械式プライ結合部材が、入口の第一の側部に配置された加圧部材を備え、前記加圧部材が、孔の第二の側部に配置された加圧面と協働する
ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
加圧部材が、ログ前進通路に対して横方向に整列され、かつ、ログ前進通路に対してほぼ直交する角度の支持シャフト上に空転可能に支持された複数の機械式プライ結合ホイールを備え、
ホイール支持シャフトが、機械式プライ結合ホイールが加圧面から距離を開けて位置する位置から、孔へのアクセスを可能にするように、機械式プライ結合ホイールが加圧面を押圧する位置まで移動可能である
ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記機械式プライ結合ホイールが、ログ前進通路に対して横方向に、かつ、ログがテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにある時にログの軸線方向とほぼ並行に移動するスライドによって支持されている
ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
少なくとも一つの第一コアンダ効果ノズル及び好ましくは少なくとも一つの第二コアンダ効果ノズルがスライドに配置されている
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
支持シャフトを移動させるために、少なくとも一つのアクチュエータがスライドによって支持されている
ことを特徴とする請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
ログ前進通路に亘って配置された連続可撓性部材を備えている
ことを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の装置。
【請求項15】
周囲ログ接触ローラ及び可撓性部材が、ログを、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションに保持し、それらの軸線上で回転させるように配置され、かつ、制御されている
ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションに、ブロワーノズルを設け、前記ブロワーノズルがログ前進通路の上方に配置され、前記ブロワーノズルが、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにあるログのテールエンドを開き、かつ、それを孔の入口に向けて持って行くように方向決めされている
ことを特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載の装置。
【請求項17】
接着剤ディスペンサを備えている
ことを特徴とする請求項1〜16の何れか一項に記載の装置。
【請求項18】
ウェブ材料が巻かれたログのテールエンドを閉じる方法であって、
・ログを、前進通路に沿って、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションまで動かすステップと、
・ログを、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションに保持し、ログからテールエンドを巻解き、前記孔の入口に配置された第一コアンダ効果ノズルからの空気噴流を用いて、テールエンドを、前進通路の下方に配置された孔の中に挿入するステップと、
・ウェブ材料のテールエンドが所定に位置にくるまで、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにおいてログを回転させるステップと、
・テールエンドを閉じ、かつ、前進通路に沿ってテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションからログを排出するステップと
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項19】
・機械式プライ結合によって、ログから巻解かれたウェブ材料に沿って、ログの円周とほぼ同じテールエンドからの距離に、中間折り目を形成するステップ、
・テールエンドが中間折り目に近接するまで、ログをテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションに維持しながら、ログにウェブ材料を巻き戻すステップ、
・機械式プライ結合によって、テールエンドを折り目に結合するステップ、及び
・テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションからログを排出するステップ
をさらに備えていることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ログの円筒状表面に接着剤を塗布するステップ、及び
前進通路に沿って転動させることによって、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションからログを排出しながら、テールエンドをログに巻き戻すステップ
をさらに備えていることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
ウェブ材料のログのテールエンドを閉じる装置であって、
ログ前進通路、
ログ前進通路の下方の入口から延びる孔を備え、ログ前進通路に沿って設けられたテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーション、並びに
ログ前進通路の下方に、前記孔に沿って相互に離間して配置された第一ウェブ材料機械式プライ結合部材及び第二機械式プライ結合部材
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項22】
ウェブ材料が巻き回されたログのテールエンドを閉じる方法であって、
・前進通路に沿って、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションまでログを移動させるステップと、
・テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにログを保持し、ログからテールエンドを巻解き、前進通路の下方に配置された孔の中にテールエンドを挿入するステップと、
・ウェブ材料のテールエンドが孔内の所定の位置にくるまで、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーション内でログを回転させるステップと、
・機械式プライ結合によって、ログから巻解かれたウェブ材料に沿って、ログの円周にほぼ等しいテールエンドからの距離に、中間折り目を形成するステップと、
・テールエンドが中間折り目に隣接するまで、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにログを維持しながら、ログにウェブ材料を巻き戻すステップと、
・機械式プライ結合によって、テールエンドを折り目に取り付けるステップと、
・テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションからログを排出するステップと
を備えている方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレットペーパーやキッチンタオル等のロールを製造するために、ウェブ材料のログ、例えば、薄葉紙のログのテールエンドをシールするための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙加工産業、特に、薄葉紙加工産業では、大径の親リールから紙プライを巻解き、次いで、一つ又は複数の接着されたプライを、最終消費用のロールの寸法と同じ直径を有し、かつ、親リールから巻解かれたプライの幅に等しい軸線方向長さを有するログに巻戻すことがしばしば必要とされる。巻取りは、巻戻し装置として公知の装置で実行され、製造されたログは、次いで、テールエンドをログの円筒状表面に貼り付けることによってシールされ、その後の作業、特に、ロールへの切断や販売用の包装を行うことを可能にする。
【0003】
ログのテールエンドは、接着剤によって、又は、ある場合には、機械的プライ結合によって、ログの円筒状表面に固定される。機械的プライ結合によってログのテールエンドをシールする装置は、米国特許第8652283号に開示されている。米国特許公開2015/0191325号は、選択的に、接着剤又は機械的プライ結合によってログのテールエンドをシールする装置を開示している。
【0004】
米国特許公開第2015/0041045号、米国特許公開第2015/0013887号、欧州特許第0541496号及び米国特許第5681421号は、接着剤を使用してログのテールエンドをシールする他の装置を開示している。
【0005】
最先端の装置は非常に効率的で高速であるが、幾つかの欠点を有する。それらの欠点は、特に、その寸法がかなり大きいことに起因する。この長さは、変換装置の全長に影響を及ぼす。他の非効率性は、吸引開口が設けられた装置にみられる。これらの装置は、避けることができない損失が原因で高い電力を必要とし、そして、特に騒音が多い。
【0006】
従って、ウェブ材料のログのテールエンドをシールする装置には、従来技術の装置の欠点を完全に又は部分的に克服するために、さらなる改良が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第8652283号
【特許文献2】米国特許公開2015/0191325号
【特許文献3】米国特許公開第2015/0041045号
【特許文献4】米国特許公開第2015/0013887号
【特許文献5】欧州特許第0541496号
【特許文献6】米国特許第5681421号
【発明の概要】
【0008】
第一の特徴によれば、ログ前進通路を備え、該通路に沿って、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションが配置されているウェブ材料のログのテールエンドをシールする装置が開示される。このテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションは、ログ前進通路の下の入口から下方に向けて延びる孔を有し得る。有利には、少なくとも、コアンダ効果ノズルが、孔の入口に設けられ得、前記ノズルは、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにあるログのテールエンドを孔内に引き込むように方向付けられた空気流を発生するように位置決めされ配置される。
【0009】
この方法では、特にコンパクトな装置を得ることができる。
【0010】
別の特徴によれば、ウェブ材料のログのテールエンドをシールする方法が開示される。この方法は、前進通路に沿って、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションまでログを動かすステップと、同時に、ログをテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションに保持するステップと、ログからテールエンドを巻解くステップと、第一コアンダ効果のゾルからの空気噴流を用いてテールエンドを、前進通路の下に位置決めされた孔に挿入するステップとを有する。ログは、ウェブ材料のテールエンドが所望に位置にくるまで、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションで保持されながら回転される。次いで、テールエンドはシールされ、ログは、前進通路に沿って、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションから移動される。
【0011】
テールエンドのシールは、機械的プライ結合システム又は接着剤システムを用いて行われ得る。接着剤システムを用いる場合、幾つかの実施例は、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションの出口に配置された接着剤塗布アッセンブリを有する。幾つかの実施例は、同じ装置で組み合わせられた機械式プライ結合部材及び接着剤塗布アプリケータを有し得る。これにより、テールエンドを、機械的にのみ、又は、接着剤のみでシールすることが可能になる。
【0012】
別の特徴によれば、ログ前進通路及びログ前進通路に沿って設けられたテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションを備え、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションが、ログ前進通路の下の入口から下方に向けて延びる孔を備え、さらに、ログ前進通路の下で、前記孔に沿って位置決めされたウェブ材料の第一機械式プライ結合部材及び第二機械式プライ結合部材を有するウェブ材料のログのテールエンドをシールする装置が提供される。第一機械式プライ結合部材及び第二機械式プライ結合部材は、孔の延長部に沿って、ログ前進通路に対して、二つの異なる距離fで、相互に間隔を開けて配置され得る。第一及び第二機械式プライ結合部材の一方は、例えば、典型的には、ログの円周方向の長さにほぼ等しい距離で、ウェブ材料の一部に沿って、中間折り目を形成するように配置され、構成される。前記第一及び第二機械的プライ結合部材の他方は、機械的プライ結合によって、テールエンドを中間折り目に結合するように構成され、配置されている。
【0013】
この場合、孔の中へのテールエンドの挿入は、コアンダ効果ノズルを用いて、又は、例えば吸引等の異なる挿入システムを用いて、実行され得る。
【0014】
さらに別の特徴によれば、前進通路に沿って、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションまでログを移動するステップを備えた、ウェブ材料のログのテールエンドをシールする装置が提供される。テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションでは、ログは、その軸線が実質的に固定された位置に保持され、かつ、ログからテールエンドを巻解き、かつ、空気噴流、吸引又は他の方法で、前進通路の下に位置する孔の中にテールエンドを挿入するように回転される。ログは、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにおいて、ウェブ材料のテールエンドが、前記孔内の所定の位置にくるまで回転される。次いで、ログから巻解かれたウェブ材料に沿って、ログの円周にほぼ等しいテールエンドからの距離で、機械的プライ結合によって、中間折り目が生成される。機械式プライ結合によってテールエンドを中間折り目に結合するように、テールエンドが中間折り目に隣接するまで、ウェブ材料は、ログに巻かれ、同時に、ログは、その軸線が実質的に静止した状態でテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーション内に維持される。最後に、ログは、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションから取り除かれる。
【0015】
本方法のさらなる別の特徴及び実施例は、以下の説明及び本明細書の不可欠な部分を形成する添付の特許請求の範囲に開示されている。
【0016】
本発明は、実施可能な実施例を示す以下の説明及び添付図面によってより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本明細書によるウェブ材料のログのテールエンドをシールする装置の垂直長手方向断面図を示している。
【
図2】
図2は、
図1の断面図に平行な長手方向面による
図1と同様の断面図を示している。
【
図3】
図1及び
図2の装置の機械式プライ結合ホイール及びコアンダ効果ノズルを支持するスライドの不当角投影図である。
【
図5A】第二実施例の動作サイクルの二つのステップの一方を示している。
【
図5B】第二実施例の動作サイクルの二つのステップの他方を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付図面を参照して、例示的な実施形態を詳細に説明する。異なる図面における同一の符号は、同一又は類似の構成要素を示している。加えて、図面は必ずしも一定の縮尺で描かれているものではない。また、以下の詳細な説明は、本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって画定される。
【0019】
明細書を通して使用する「一実施例」「ある実施例」又は「幾つかの実施例」は、ある実施例に関して説明した特定の特徴、構造又は特性が、開示された構成要件から成る少なくとも一つの実施例に含まれていることを意味する。従って、「一実施例において」、「ある実施例において」又は「幾つかの実施例において」というフレーズは、必ずしも同じ実施例を指すものではない。さらに、特定の特徴、構造又は特性は、一つ又は複数の実施例において、任意の適当な方法で組み合わせられ得る。
【0020】
最初に
図1〜
図3を参照すると、ウェブ材料NのログRのテールエンドLFをシールする装置の実施可能な実施例が、全体として符号1で示されている。この装置1は、処理されるべきログRのための前進通路Pを備えている。図示実施例では、前進通路Pは、連続上側可撓性部材3と、下側転動面5との間で画定されている。上側可撓性部材3は、相互に平行な複数の連続ベルトを有し得る。
【0021】
可撓性部材3は、アッセンブリ20によって支持され得、その位置は、転動面5に向かう方向及び転動面5から離れる方向に動くように矢印f20に従って調整可能であり、処理すべきログRの直径に応じて前進通路Pの垂直方向寸法を調整する。アッセンブリ20は、その上で可撓性部材3がガイドされる一組のアイドルホイール22と、不図示もモータを介して、可撓性部材3の動作を、二重矢印f3によって示された二つの異なる方向で制御する駆動ホイール24を支持し得る。各アイドルホイール22及び駆動ホイールは、単一のローラ、まてゃあ、複数の同軸プーリから成り得、各々の上で、各連続ベルトがガイドされ得、様々な連続ベルトが可撓性部材3を形成する。
【0022】
転動面5は、ログRの前進通路Pに対して約90度の角度で実質的に水平な軸線9Aを中心に回転するよう配置された回転ディストリビュータ9の表面7の一つによって、部分的に確定され得る。回転ディストリビュータ9は、矢印f9に従って回転し、個々のログRを前進通路P内に導入する。ログRは、装置1の上流に配置された巻戻し装置から送られてき得る。
【0023】
矢印Fで示したログRの前進方向に対する回転ディストリビュータ9の下流では、転動面5は、表面11、例えば、一つのシートによって、又は、ログRの軸線方向に平行に整列された複数のシートによって形成された表面11で画定されている。
【0024】
以下に詳細に説明するログRのテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーション13LFが、回転ディストリビュータ9及び表面11の間に配置されている。
【0025】
図示実施例では、ログRの周囲接触ローラ15が、各ログRのテールエンドLFの巻解き・位置決め及びシールステーション13に設けられている。周囲接触ローラ15は、転動面5の下方において、その回転軸線15Aが、前進通路PにおけるログRの前進方向Fに対して略直角の角度になるように配置されている。周囲接触ローラ15は、その円筒状表面の一部が前進通路Pの内部に突出し、それにより、以下に説明する目的のために、可撓性部材3と共に、ステーション13におけるログRを保持する部分を画定する。
【0026】
ビーム、即ち、プロファイル17が、ログRの周囲接触ローラ15に隣接して設けられており、その第一表面17Aは前進通路Pに面し、第二表面17Bは前進通路Pの下で下方に向けて延び、ログRの前進方向Fに対する下流に面している。
【0027】
転動面5の下で前進通路Pから下方に向けて延びる孔21の入口19が、プロファイル17と表面11との間で画定されている。孔21は、例えば、細長い矩形横断面を有するダクト内に画定され得、その
図1及び
図2の平面に対して直交する方向における寸法は、ログRの軸線方向長さと等しいか、又は、それより大きい。この方法では、ウェブ材料Nの一部が、ログから巻解かれ、孔21の中に挿入される。以下に詳細に説明するように、従来技術の装置と異なり、ウェブ材料Nのテールエンドは、好ましくは、吸引システムを使用することを回避して、層状空気噴流を用いて、孔21内に挿入される。
【0028】
この目的のために、その構造が
図2及び
図4A〜
図4Eの断面、並びに
図3に示された一つ又は複数のコアンダ効果ノズル23が、孔21の入口19に配置される。図示実施例では、コアンダ効果ノズル23は、実際には、前進通路Pに対して略直角の角度で、横方向D(
図3参照)に従って配置された複数のノズルセクションに分割されている。コアンダ効果ノズル23は、孔21及びその入口19に対して、入口19から孔21の内側に向かうように指向された空気流Aを生成するように方向決めされており、孔21内にテールエンドLF及びテールエンドLFに隣接するウェブ材料Nの一部分を引き込むようにされ、前記ウェブ材料Nの一部分は、以下に説明するように、巻解き・位置決め及びシールステーション13に配置されたログRから巻解かれる。
【0029】
コアンダ効果ノズル23の様々な部分は、アクチュエータ、例えば、電気モータ27によって制御されて、方向Dに従って往復運動するスライド25に取り付けられ得る(
図3)。電気モータは、往復回転運動によって、その周囲でチェーン、ベルト又は他の連続可撓性部材31が引っ張られるはめ歯歯車29を回転させる。スライド25は、可撓性部材31に拘束され、往復並進運動で動かされる。
【0030】
スライド25は、ガイド26上でガイドされ、ガイド26には、ブラケット30に固定されたパッド28が係合される。ブラケット30には、上下逆L字形状に曲げられたシート32が固定され、前進通路Pにおけるログの前進方向Fに延びるウィング32Aを形成し、転動面5に連続性を与える。
【0031】
コアンダ効果ノズル23に加えて、スライド25は、複数の機械的プライ結合ホイール33を支持する。機械的プライ結合ホイール33は、コアンダ効果ノズル23の部分間に配置される。言い換えれば、コアンダ効果ノズル23は、機械式プライ結合ホイール33を収容するための様々な位置で遮断されている。
【0032】
図示実施例では、機械的プライ結合ホイール33の一つの回転軸線を通過する垂直面の断面を示した
図1にも示すように、各機械的プライ結合ホイール33は、各支持シャフト35に設けられている。各支持シャフト35の軸線B−Bは、ログRの前進通路Pに対して略直交し、転動面5の下方に配置されている。各ホイール33は、そのシャフト35に空転可能に設けられており、以下に説明するように、ログのテールエンドをシールする工程において、軸線B−B上で回転する。
【0033】
図示実施例では、各支持シャフト35は、実質的に水平な軸37Aにヒンジ連結されたピボットブラケット37によって支持されている。各機械的プライ結合ホイール33及び各ピボットブラケット37に対して、アクチュエータ39、例えば、空気圧アクチュエータが設けられ得る。単一のアクチュエータを設けて、二つ以上の機械的プライ結合ホイール33、例えば、全ての機械的プライ結合ホイール33を動作させるようにすることもできる。
【0034】
図示実施例では、アクチュエータ39は、各ピボットブラケット37、よって、機械的プライ結合ホイール33を、両矢印f37に従って軸37Aを中心に旋回させる。
図1は、実線及び点線で、アクチュエータ39の動作により、軸37Aを中心に回転することで、各機械的プライ結合ホイール33がとり得る二つの別の位置を示している。点線で示された位置では、ホイール33は、プロファイル17の表面17Bに対して距離を開けて位置しており、転動面5の下方で延びている孔21の入口19にアクセスすることを可能にしている。
【0035】
幾つかの実施例では、第二コアンダ効果ノズル41は、スライド25のシート32に固定されており、コアンダ効果ノズル23の下方に位置し、かつ、それによって発生させられる空気噴流が、コアンダ効果ノズル23によって発生させられる空気噴流に対して約90度に向けられるように指向されている。
【0036】
第二コアンダ効果ノズル41は、また、機械式プライ結合ホイール33間に配置される複数の部分に分割され得る。第二コアンダ効果ノズル41は、また、方向Dに沿って相互に離間してセットされる複数のセグメント又はセクションに分割され得る。
【0037】
図2及び
図4A〜
図4Eから分かるように、第二コアンダ効果ノズル41は、それによって発生される空気噴流A1が、周囲ログ接触ローラ15と一連の別の機械式プライ結合ホイール43との間に画定されたニップに向くように、方向付けされる。第一コアンダ効果ノズル23と同様に、第二コアンダ効果ノズル41も層状空気噴流を生成する。
【0038】
機械式プライ結合ホイール43は、実質的に水平な軸5Aを中心に旋回する一つ又は複数のアーム45によって支持され得る。好ましくは、各機械式プライ結合ホイール43は、それ自身の独立したアームに設けられ、他の機械式プライ結合ホイールから独立して旋回することができるようにされている。符号47は、一つ又は複数のアクチュエータ、例えば、空気圧アクチュエータを示しており、前記アクチュエータは、機械式プライ結合ホイール43を、周囲ログ接触ローラ15の円筒状表面に対して矢印f43に従って押す。好ましくは、各機械式プライ結合ホイール43が、それ自身のピボットアーム45によって支持されている場合、独立したアクチュエータ47が各機械式プライ結合ホイール43に関連付けされる。
【0039】
上述した装置の動作を、
図4A〜
図4Eのシーケンスを参照して以下に説明していく。
【0040】
図4Aを参照すると、ログRは、可撓性部材3の矢印f3に従った動作によって、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーション13内で支持されている。ログRは、可撓性部材3及び周囲ログ接触ローラ15によって画定された位置にある。この位置では、ログRは停止しており、次の動作ステップのために、その軸線ARを、実質的に静止位置に維持している。ログの軸線ARは、周囲接触ローラ15の周速度に等しい速度で可撓性部材3の下側ブランチを動かすことによって、実質的に固定された位置で保持されており、これら二つの部材は、可撓性部材3及びローラ15のログRに対する各接触位置が、
図4Aにおいて矢印で示すように、異なる速度を持つように動作する。
【0041】
従って、ログRは、前記軸線ARを実質的に固定された位置に維持しながら、軸線AR上で回転する。部材3及び15の回転方向は、ログRが巻取り方向に回転するようにされている。
【0042】
このステップの間、ログRの円筒状表面を遮る空気噴流Gが、アッセンブリ20によって支持され得るノズル51によって生成される。その軸線AR上でログRが回転している間、ログのテールエンドLFは、空気噴流Gの空気流に入る。空気流は、ログRの円筒状表面からテールエンドLFを引き離し、前記テールエンドLFを、孔21の入口19上に運ぶ。
【0043】
孔21の入口19に配置された第一コアンダ効果ノズル23によって生成されている空気の流れによって、テールエンドLFは、
図4Aに示すように、孔21に入る。
図4Aにおいて、テールエンドLFは、ノズル51及びコアンダ効果ノズル23によって生成された空気流の影響の下でのテールエンドLFの動きを示す三つの異なる位置で示されている。
【0044】
一度テールエンドLFが孔21の中に入ると、
図4Bに示すように、周囲接触ローラ15及び可撓性部材3の動作方向は反転される。従って、ログRは、巻解き方向に回転し始め、第一コアンダ効果ノズル23によって生成される空気流のために、テールエンドLFは、孔21の中に引き込まれ、光学セル53又は他の検出部材の前方を通過する。ログRの巻解き動作は、光学セル53によって生成される信号並びに、(エンコードによって検知され得る)周囲接触ローラ15の角運動及び/又は可撓性部材3の直線運動に基づいて、ログRを形成するウェブ材料Nが、孔21の内部で適当な長さ巻解かれるまで続けられる。
【0045】
他の実施例では、周囲接触ローラ15の回転信号及び/又は可撓性部材3の動作を使用する代わりに、第二光学セル53を用いて、テールエンドLFが第二光学セル53Aに到達するまで、周囲接触ローラ15の回転方向に対して反対方向に、周囲接触ローラと同じ速度で可撓性部材3を動かし続けることによって、ウェブ材料Nが巻解かれる長さを決定することが可能である。
【0046】
孔21内にある、その長さの巻解かれたウェブ材料Nは、機械式プライ結合ホイール43及び周囲接触ローラ15を用いてウェブ材料に折り目Npを形成することを可能にする。
【0047】
孔21内の巻解かれたウェブ材料Nがある量に達した後も、周囲接触ローラ15及び可撓性部材3は、ウェブ材料Nをさらに巻解く方向に動き続け得、同時に、
図4Cに示すように、第二コアンダ効果ノズル41が作動される。符号A1は、第二コアンダ効果ノズル41によって生成された層状空気流を示している。空気流A1は、ウェブ材料Nを、周囲ログ接触ローラ15及び機械式プライ結合ホイール43間のニップに押し込み、周囲接触ローラ15の回転運動と共に、横方向折り目Npを形成するようにする。機械式プライ結合ホイール43がローラ15を押圧する圧力は、折り目を形成する二つの部分を機械的に結合し、前記折り目を安定させるものである。機械式プライ結合ホイール43は、その軸に空転可能に装着され得、周囲接触ローラ15との摩擦の結果として引っ張られて回転する。
【0048】
機械式プライ結合ニップ内でウェブ材料の折り目Npが形成され、かつ、機械式プライ結合の結果として、即ち、機械式プライ結合ホイール43と周囲接触ローラ15との間の高い圧力の結果として、前記折り目が安定された後、ログRは巻き戻され得る。この目的にために、周囲ログ接触ローラ15の回転方向及び可撓性部材3の動作方向は逆転され、ウェブ材料Nの孔21の内部に巻解かれた部分を巻き戻すようにする。ウェブ材料Nの巻解かれた部分をログRに巻き戻した後、周囲ログ接触ローラ15は、減速されるか、又は停止され得、その結果、ログRは、可撓性部材3によって与えられる推力の結果として、前進通路Pに沿って転がり始める。この転がり動作の間、ウェブ材料Nは巻き戻され続ける。
【0049】
ウェブ材料Nの巻戻しは、
図4D及び
図4Xの拡大図に示すように、折り目Np及びテールエンドLFを孔21の入口19に動かす。
図4Dは、ログRの二つの異なる位置を示しており、点線で示す第一の位置では、ログRはまだ周囲接触ローラ15と接触したままであり、一方、実践で示す位置では、ログRは周囲接触ローラ15との接触をなくし、可撓性部材13と、ビーム即ちプロファイル17の、転動面5の一部を形成する上側表面17Aとの間に位置する。
【0050】
折り目Np及びテールエンドLFを
図4D及び
図4Xに示す位置と一致する位置まで運ぶために、横方向折り目Npは、テールエンドLFから、ログRの円周寸法にほぼ等しい距離を開けて形成される。言い換えれば、折り目NpとテールエンドLFとの間には、ウェブ材料Nの一周分の距離がある。
【0051】
図4Dの位置に到達した後、可撓性部材3は、一時的に停止され得、スライド25上にある機械式プライ結合ホイール33は、
図4Eの位置まで運ばれ、プロファイル即ちビーム17の表面17Bを押圧する。表面17Bは、機械的プライ結合ホイール33と協働する押圧面を形成する。一度、機械的プライホイール33が、表面17Bに対する押圧位置まで運ばれると、スライド25は、矢印D(
図3)に従って並進運動し、一回又は複数回の往復運動をする。従って、折り目NpとテールエンドLFは、機械式プライ結合ホイール33及び押圧面17B間の圧力の結果として、相互に結合される。この機械式圧力は、折り目NpとテールエンドLFとを相互に結合する。押圧面17B上を転動する機械式プライ結合ホイール33の往復運動は、ログRの軸線ARに平行な方向の適当な長さの機械式結合ラインを生成するような長さである。幾つかの場合、往復運動は、二つの連続する機械式プライ結合ホイール33間のピッチと等しいか、又は、それより長くされ得、連続する結合ラインを生成するようにされている。
【0052】
機械式プライ結合によるウェブ材料のテールエンドLF及び折り目Npの機械式結合を実行した後、ログRはその転動動作を継続して、巻解き・位置決め及びシールステーション13から取り除かれ得る。この取り出し動作は、可撓性部材3を再始動することによって得られる。
【0053】
上述した実施例では、接着剤を使用することなく、専ら機械的システムで、その上にテールエンドLFが固定される折り目Npを形成することによって、テールエンドがシールされ、ログRの円筒状表面から突出するウェブ材料の折り目の存在によって簡単に開くことができるログRを形成するようにしている。
【0054】
別の実施例では、接着剤を使用してテールエンドLFをシールする従来の方法を実行する時に、テールエンドLFを装置1の孔21内に挿入するためにコアンダ効果ノズルの利点が使用され得る。
図5A及び
図5Bは、接着剤を使用してテールエンドLFをシールするための、符号1で示された装置の動作の二つのステップを示している。同一の符号は、
図1〜
図4Eにおける装置の部材と同一又は同等の部材を示している。これらの部材については、再度詳細には説明しない。
【0055】
図5A及び
図5Bの実施例では、機械的プライ結合ホイール33及び機械的プライ結合ホイール43は両方とも省かれている。スライド25もまた、省略され得る。さらに、単一のコアンダ効果ノズル23が設けられ、それは孔21の入口19に近接して固定位置に配置され得る。第二コアンダ効果ノズル41は省かれる。
【0056】
接着剤分配部材63を備えた接着剤ディスペンサ61が、巻解き・位置決め及びシールステーション13の下流で転動面5の一部を形成する表面11に沿って配置されている。図示実施例では、接着剤塗布装置61は、接着剤Cを収容したレシーバ65を備え、レシーバ65の内部に、接着剤分配装置63の一部を形成するブレード67又は他の塗布要素が周期的に浸漬される。公知の方法で、ログRを接着しなければならない時に、ブレード67は、転動面5に沿って配置されたスロット、即ち、孔69に向けて動かされ得る。
【0057】
図5Aは、アッセンブリ20に支持されたノズル51によって生成された空気噴流Gを用いてテールエンドLFを開くステップを示しており、同時に、可撓性部材3及び周囲接触ローラ15は図面に矢印で示す方向に従って動き、ログの軸線ARを固定位置にして、ログRを巻取方向に回転した状態に維持する。
【0058】
光学セル52は、コアンダ効果ノズル23によって生成された空気流の結果として、テールエンドLFが孔21内に入ったときに、テールエンドLFの位置を検知する。ログRを常に巻取り方向ののみ回転させることによって、又は、ログRの円筒状表面からテールエンドLFが単独で外された結果としてテールエンドLFが光学セル52に到達していない場合には巻解き方向に回転を反転させることによって、テールエンドLFの位置は到達され得る。
【0059】
一度テールエンドLFが光学セル52によって決められた所定の位置に達すると、周囲接触ローラ15は停止され得る一方、可撓性部材3は
図5A及び
図5Bに示す矢印に従って動き続け、ログRを表面5に沿って、内部にブレード67が配置されているスロット、即ち、孔69上に転がす(
図5B)。この方法では、接着剤ラインがログRの円筒状表面に塗布される一方で、ログRは転動面5上を転動している。この転動により、また、テールエンドLFは再巻取りされ、ブレード67によって塗布された接着剤ラインを覆うことになる。
【0060】
図5A及び
図5Bの実施例では、テールエンドLFの接着は、実質的に従来の方法で行われるが、コアンダ効果ノズル23の使用を通して、孔21におけるテールエンドLFの位置決めは、従来の装置に比べて非常に簡単になり、より効率的になっている。
【0061】
回転タイプ(即ち、ログが接着剤が配置された位置の上の回転する時に、例えば、ブレードを用いて、又は、オーバーフローノズル等を用いて、ログに接着剤を塗布するタイプ)の接着剤アプリケータ61の代わりに、例えば、接着剤を、巻解かれたテールエンド及び/又はログの円筒状表面に塗布するように配置され得る一つのノズル、又は一連の固定式若しくは可動式ノズルが設けられた別のタイプの接着剤アプリケータが設けられ得る。幾つかの実施例では、接着剤ノズルは、スライド25と同様のスライドに設けられ得る。接着剤ノズルは、機械式プライ結合ホイール33と共に、スライド25に設けることができ、かつ、機械的プライ結合ホイールと組み合わせて、又は選択的に使用され得る。
【0062】
幾つかの変形実施例では、装置1は、ホイール33及び表面17Bによって形成される機械式プライ結合部材、及び/又は周囲ログ接触ローラ15及び機械式プライ結合ホイール43によって形成された機械式プライ結合部材を、
図5A及び
図5Bに示したタイプの接着剤アプリケータ又は他のタイプの接着剤アプリケータと組み合わせて備えることができる。この場合、端部領域で折り重ねられ、ウェブ材料の厚みを実質的に二倍にするテールエンドに沿った安定した折り目を形成するために機械式プライ結合部材を使用することが可能である。テールエンドを機械式プライ結合部材によって折り重ねた後、折り重ねられたテールエンドが接着剤によってシールされ得る。
【0063】
例えば、装置には、機械式プライ結合ホイール33をなくして、スライド25によって支持された接着剤ディスペンサノズルと組み合わせた機械式プライ結合ホイール43のみを設けることができる。この場合、装置は、例えば、周囲ログ接触ローラ15と協働して機械式プライ結合ホイール43を用いてテールエンドを折り畳み、次いで、接着剤によってテールエンドをシールすることによって、テールエンドのシールを実行し得る。選択的に、二重にされたテールエンドを備えた簡単に開くことができるログを生産する必要がない場合、機械式プライ結合部材は機能しないままにされる。スライド25に設けたノズルの代わりに、これを省略して、
図5A及び
図5Bに示すような接着剤ディスペンサを代わりに設けてもよい。
【0064】
機械式プライ結合部材及び接着剤ディスペンサを両方組み合わせて備えた装置は、上述した方法の何れか一つに従って、動作することができ、高い柔軟性を有する。
【0065】
上述した例示的な実施形態に照らして、以下の説明は、特に、前記した説明の構成要件を形成する。
【0066】
第1項:ウェブ材料から成るログのテールエンドをシールする装置であって、ログ前進通路及びログ前進通路に沿って設けられたテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションを備え、該テールエンド巻取き・位置決め及びシールステーションが、ログ前進通路の下の入口から下方に向けて延びる孔を有している装置において、少なくとも第一コアンダ効果ノズルが、孔の入口に配置され、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにあるログのテールエンドを孔の中に引き込むように適合された空気流を生成するように構成されている装置。
【0067】
第2項:テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションに、巻取り方向にログを回転させるように配置されて制御される周囲ログ接触ローラが設けられ、前記周囲ログ接触ローラが、ログ前進通路の下方に配置されている第1項に記載の装置。
【0068】
第3項:ログ前進通路の下方で孔に配置されたウェブ材料の機械的プライ結合用部材を備えている第1項又は第2項に記載の装置。
【0069】
第4項:機械式プライ結合部材が周囲ログ接触ローラを備えている第2項及び第3項に記載の装置。
【0070】
第5項:機械式プライ結合部材が、さらに、少なくとも、周囲ログ接触ローラと協働するプライ結合ホイールを備えている第4項に記載の装置。
【0071】
第6項:少なくとも、機械式プライ結合部材に向けてウェブ材料を引き込むための第2コアンダ効果ノズルを前記孔内に備えている第3項、第4項又は第5項に記載の装置。
【0072】
第7項:前記第二コアンダ効果ノズルが、周囲ログ接触ローラ及び機械式プライ結合ホイールによって形成されたニップ内にウェブ材料を引き込むように配置されている少なくとも第5項に従属する第6項に記載の装置。
【0073】
第8項:第二機械式プライ結合部材が、孔の入口に関連付けられている第3項から第7項の何れか一項に記載の装置。
【0074】
第9項:第二機械式プライ結合部材が、孔の一方の側面において第一コアンダ効果ノズルに関連付けられた加圧部材を備え、前記加圧部材が孔の第二の側面に配置された加圧面と協働する第8項に記載の装置。
【0075】
第10項:加圧部材が、ログ前進通路に対してほぼ直交する角度で支持シャフトに空転可能に支持され、ログ前進通路に対して横方向に整列された複数の機械式プライ結合ホイールを備え、
前記ホイール支持シャフトが、機械式プライ結合ホイールが加圧面と距離を開けている位置から、孔へのアクセスを可能にするように、機械式プライ結合ホイールが加圧面を押圧する位置まで移動可能である
第9項に記載の装置。
【0076】
第11項:前記機械式プライ結合ホイールが、ログ前進通路に対して横方向に、かつ、ログがテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションに位置する時に、ログの軸線とほぼ平行に動くスライドによって支持されている第10項に記載の装置。
【0077】
第12項:前記少なくとも一つの第一コアンダ効果ノズルがスライド上に配置されている第11項に記載の装置。
【0078】
第13項:少なくとも、支持シャフトを動かすアクチュエータがスライドによって支持されている第11項又は第12項に記載の装置。
【0079】
第14項:ログ前進通路上に配置された連続可撓性部材を備えている第1項から第13項の何れか一項に記載の装置。
【0080】
第15項:周囲ログ接触ローラ及び可撓性部材が、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにログを保持し、ログの軸線上でログを回転させるように配置され、制御される第14項に記載の装置。
【0081】
第16項:前記テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションに、ブロワーノズルが設けられ、前記ノズルがログ前進通路の上方に配置され、前記ノズルが、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにあるログのテールエンドを開き、テールエンドを孔の入口に持っていくように方向決めされている第1項から第15項の何れか一項に記載の装置。
【0082】
第17項:接着剤ディスペンサを備えている第1項から第16項の何れか一項に記載の装置。
【0083】
第18項:接着剤ディスペンサが、ログ前進通路に沿ったログ前進方向に対して孔の下流に配置されている第17項に記載の装置。
【0084】
第19項:接着剤ディスペンサが、ログ前進通路の下方に配置され、ログが接着剤ディスペンサ上を前進通路に沿って転動することによって前進する時に、接着剤をログの表面に塗布するように配置され制御された接着剤塗布部材を有する第18項に記載の装置。
【0085】
第20項:接着剤ディスペンサが接着剤ノズルを有する第17項又は第18項に記載の装置。
【0086】
第21項:ウェブ材料が巻かれたログのテールエンドを閉じる方法であって、
・テールエンド巻解き・位置決めン及びシールステーションまで前進通路に沿ってログを移動させるステップ、
・テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにログを保持し、ログからテールエンドを巻解き、少なくとも第一コアンダ効果ノズルからの空気噴流を用いてテールエンドを、前進通路の下方に配置された孔内に導入するステップ、
・ウェブ材料のテールエンドが所定の位置にくるまでテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションでログを回転させるステップ及び
・テールエンドをシールし、ログをテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションから排出するステップ
を有する方法。
【0087】
第22項:
・機械式プライ結合によって、ログの円周にほぼ等しいテールエンドからの距離に、ログから巻解かれたウェブ材料に沿って中間折り目を生成するステップ、
・ログをテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションに維持しながら、テールエンドが中間折り目に隣接するまでログにウェブ材料を巻戻すステップ、
・機械式プライ結合によってテールエンドを折り目に結合するステップ及び
・テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションからログを除去するステップ
を有する第21項に記載の方法。
【0088】
第23項:前進通路に沿って転動させることによってログをテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションから除去する間に、ログの円筒状表面に接着剤を塗布し、ログ上にテールエンドを巻き戻すステップをさらに有する第21項に記載の方法。
【0089】
第25項:ウェブ材料のログのテールエンドを閉じる装置であって、
ログ前進通路及びテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションを備え、
テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションが、ログ前進通路の下方で入口から延びる孔を備え、
該装置が、さらに、ログ前進通路の下方で前記孔に配置されたウェブ材料機械式プライ結合部材を備え、該結合部材が、テールエンドから距離を開けてログのウェブ材料に中間折り目を生成する
ように構成されている装置。
【0090】
第25項:ウェブ材料のログのテールエンドを閉じる装置であって、ログ前進通路及びログ前進通路に沿って設けられたテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションを備え、前記テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションが、ログ前進通路の下方で入口から下向きに延びる孔を有し、該装置が、さらに、前記孔と関連付けられた第一機械式プライ結合部材及び第二機械式プライ結合部材を備えている装置。
【0091】
第26項:第一機械式プライ結合部材が前記孔の入口に隣接して配置され、第二機械式プライ結合部材が、第一機械式プライ結合部材の下方で孔に沿って配置されている第25項に記載の装置。
【0092】
第27項:孔の入口に少なくとも第一コアンダ効果ノズルが配置され、該ノズルが、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにあるログのテールエンドを孔の中に引き込むように適合された空気流を生成する第24項、第25項又は第26項に記載の装置。
【0093】
第28項:周囲ログ接触ローラが、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションに設けられ、周囲ログ接触ローラがログ前進通路の下方に配置されている第24項から第27項の何れか一項に記載の装置。
【0094】
第29項:第二機械式プライ結合部材が、周囲ログ接触ローラを備えている第28項に記載の装置。
【0095】
第30項:第二機械式プライ結合部材が、さらに、周囲ログ接触ローラと協働する、少なくとも一つのプライ結合ホイール、好ましくは、複数のプライ結合ホイールを備えている第29項に記載の装置。
【0096】
第31項:ウェブ材料を第二機械式プライ結合部材に向けて引き込むための少なくとも一つの第二コアンダ効果ノズルを前記孔内に備えている第25項及び第27項に記載の装置。
【0097】
第32項:前記第二コアンダ効果ノズルが、周囲ログ接触ローラ及び機械式プライ結合ホイールによって形成されたニップの中に、ウェブ材料を引き込むように配置されている第31項に記載の装置。
【0098】
第33項:第一機械式プライ結合部材が、孔の入口の一方の側面上に加圧部材を備え、孔の第二の側面上に位置する加圧表面と協働する第25項、第26孔、第29項、第31項及び第32項に記載の装置。
【0099】
第34項:加圧部材が、ログ前進通路に対してほぼ直角の角度の支持シャフト上に空転可能に支持され、かつ、ログ前進通路に対して横方向に整列された複数の機械式プライ結合ホイールを備え、
ホイール支持シャフトが、機械式プライ結合ホイールが加圧面から距離を開けて位置する位置から、孔へのアクセスが可能になるように、ホイールが加圧面を押圧する位置まで移動可能である
第33項に記載の装置。
【0100】
第35項:ホイールが、ログ前進通路に対して横方向に、かつ、ログがテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにある時にログの軸線に対してほぼ並行に移動するスライドによって支持されている第34項に記載の装置。
【0101】
第36項:少なくとも一つの第一コアンダ効果ノズルがスライド上に配置されている第35項に記載の装置。
【0102】
第37項:支持シャフトを移動させるために、少なくとも一つのアクチュエータが、スライドによって支持されている第35項から第36項の何れか一項に記載の装置。
【0103】
第38項:ログ前進通路に亘って配置された連続可撓性部材を備えている第1項から第37項の何れか一項に記載の装置。
【0104】
第39項:周囲ログ接触ローラ及び可撓性部材が、ログをテールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションに保持し、かつ、それらの軸線上でログを回転させるように配置され、かつ、制御される第28項及び第38項に記載の装置。
【0105】
第40項:前記テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションに、ログ前進通路の上方に配置されたブロワーノズルを設け、前記ブロワーノズルが、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションにあるログのテールエンドを開き、かつ、それを孔の入口に持って行くように方向決めされている第1項から第39項の何れか一項に記載の装置。
【0106】
第41項:ウェブ材料のログのテールエンドを閉じる方法であって、
・前進通路に沿って、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションまでログを移動させるステップ、
・テールエンド巻取り・位置決め及びシールステーションにログを保持し、ログからテールエンドを巻解き、かつ、そのテールエンドを前進通路の下に配置された孔の中に挿入するステップ、
・ウェブ材料のテールエンドが前記孔の内部の所定の位置にくるまで、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーション内でログを回転させるステップ、
・ログの円周にほぼ等しいテールエンドからの距離に、ログから巻解かれたウェブ材料に沿って中間折り目を生成するステップ、
・テールエンドが中間折り目に隣接するまで、実質的にその軸を固定した状態で、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーション内にログを維持しながら、ログにウェブ材料を巻き戻すステップ、及び
・機械式プライ結合によって中間折り目にテールエンドを取り付け、テールエンド巻解き・位置決め及びシールステーションからログを除去するステップ
を備えている方法。
【0107】
第42項:少なくとも一つの第一コアンダ効果ノズルによって生成した空気噴流を用いてテールエンドを孔の中に挿入する第41項に記載の方法。
【国際調査報告】