(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-525876(P2019-525876A)
(43)【公表日】2019年9月12日
(54)【発明の名称】プラットフォームの装荷ステータスの決定
(51)【国際特許分類】
B65G 61/00 20060101AFI20190816BHJP
G01S 17/88 20060101ALI20190816BHJP
【FI】
B65G61/00 524
G01S17/88
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-505493(P2019-505493)
(86)(22)【出願日】2017年8月2日
(85)【翻訳文提出日】2019年2月1日
(86)【国際出願番号】US2017045102
(87)【国際公開番号】WO2018026919
(87)【国際公開日】20180208
(31)【優先権主張番号】15/229,495
(32)【優先日】2016年8月5日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】500043574
【氏名又は名称】ブラックベリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BlackBerry Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】チェンナケシュ, サンディープ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ, ユー
(72)【発明者】
【氏名】ストルプマン, ビクター ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ベネット, ジェシー ウィリアム
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA03
5J084AA05
5J084AB09
5J084AC02
5J084AD01
5J084AD02
5J084AD03
5J084BA04
5J084BA31
5J084CA07
(57)【要約】
少なくとも1つのセンサからの測定データとベースラインとの間の関係に基づいて、プラットフォームの装荷ステータスが、決定される。プラットフォームが空であることを決定する等、決定された装荷ステータスに応答して、ベースラインは、ベースライン推定器を使用して精緻化され、プラットフォームのさらなる装荷ステータスを決定するために使用され得る、精緻化されたベースラインを生成する。移動式プラットフォームの具体的装荷ステータスを示す条件は、規定された値または規定された値の範囲を有するメトリック(または複数のメトリック)として表されることができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサによって実施される方法であって、
少なくとも1つのセンサからの測定データとベースラインとの間の関係に基づいて、プラットフォームの装荷ステータスを決定することと、
前記決定に応答して、ベースライン推定器を使用して、前記ベースラインを精緻化し、精緻化されたベースラインを生成することと、
さらなる測定データおよび前記精緻化されたベースラインに基づいて、前記プラットフォームのさらなる装荷ステータスを決定することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記さらなる装荷ステータスの決定に応答して、前記ベースライン推定器を使用して、前記精緻化されたベースラインをさらに精緻化し、コンテナの装荷ステータスの別の決定において使用するためのさらなる精緻化されたベースラインを生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ベースラインを精緻化することは、前記少なくとも1つのセンサからの測定データに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ベースラインを精緻化することは、前記プラットフォームが空であることを示す、前記少なくとも1つのセンサからの測定データに応答する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記プラットフォームの入口障壁の閉鎖を検出することをさらに含み、
前記装荷ステータスの決定は、前記コンテナの入口障壁の閉鎖の検出に応答して実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセンサは、前記プラットフォームの内側の反射信号を検出する飛行時間センサを備え、前記反射信号は、前記プラットフォーム内で放出される信号に応答し、前記反射信号は、前記プラットフォームが空であるとき、前記プラットフォームの表面から生じ、前記反射信号は、前記プラットフォームが前記物理的アイテムで装荷されているとき、物理的アイテムの表面から生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ベースライン推定器は、カルマンフィルタを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プラットフォームの装荷ステータスの決定は、前記測定データと前記ベースラインから導出される閾値との比較に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記装荷ステータスの決定および前記ベースラインの精緻化は、前記少なくとも1つのセンサを含むセンサデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実施され、前記方法はさらに、
前記センサデバイスの通信構成要素によって、前記装荷ステータスのインジケーションを遠隔サーバに伝送すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記装荷ステータスの決定および前記ベースラインの精緻化は、サーバの少なくとも1つのプロセッサによって実施され、前記方法はさらに、
ネットワークを経由して、前記少なくとも1つのセンサを含むセンサデバイスから、前記測定データを受信すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記精緻化されたベースラインが閾値に違反したかどうかを決定することと、
前記精緻化されたベースラインが前記閾値に違反したことの決定に応答して、前記精緻化されたベースラインを前記ベースライン推定器によって設定されたものと異なる値に設定することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
装置であって、
少なくとも1つのプロセッサであって、
適応決定プロセスを実行し、少なくとも1つのセンサからの測定データに基づいて、プラットフォームの装荷ステータスの決定を行うことと、
前記決定をフィードバックし、前記適応決定プロセスを精緻化し、精緻化された適応決定プロセスを生成することと、
前記精緻化された適応決定プロセスを実行し、前記少なくとも1つのセンサからのさらなる測定データに基づいて、前記プラットフォームのさらなる装荷ステータスの次の決定を行うことと
を行うように構成される、少なくとも1つのプロセッサ
を備える、装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのセンサと、前記少なくとも1つのプロセッサとを備える、センサデバイスを備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
サーバを備え、前記サーバは、前記少なくとも1つのセンサからの測定データをネットワークを経由して受信する通信構成要素を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記適応決定プロセスは、ベースラインを生成するベースライン推定器を備え、前記ベースラインは、前記プラットフォームの装荷ステータスを決定するために、前記測定データと比較され、前記適応決定プロセスの精緻化は、前記ベースラインの精緻化を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記ベースライン推定器は、カルマンフィルタを備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記プラットフォームへの入口障壁の閉鎖を検出するセンサをさらに備え、前記適応決定プロセスの実行は、前記入口障壁の閉鎖の検出に応答する、請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記測定データは、飛行時間センサから生じる、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
非一過性機械可読記憶媒体であって、前記非一過性機械可読記憶媒体は、命令を記憶しており、前記命令は、実行に応じて、システムに、
少なくとも1つのセンサからの測定データとベースラインとの間の関係に基づいて、プラットフォームの装荷ステータスを決定することと、
前記決定に応答して、ベースライン推定器を使用して、前記ベースラインを精緻化し、精緻化されたベースラインを生成することと、
さらなる測定データおよび前記精緻化されたベースラインに基づいて、前記プラットフォームのさらなる装荷ステータスを決定することと
を行わせる、非一過性機械可読記憶媒体。
【請求項20】
前記プラットフォームの装荷ステータスの決定は、センサが前記プラットフォームの入口障壁が閉鎖されていることを検出することに応答する、請求項19に記載の非一過性機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
コンテナを搬送するためのシャーシに接続される、トラック、トラクタトレーラ、またはトラクタは、商品を含む、積荷を輸送するために使用されることができる。トラック、トラクタトレーラ、およびコンテナは、典型的には、輸送されている積荷へのアクセスを可能にするために開放され、積荷を守るために閉鎖されることができる、ドアを有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
移動式プラットフォームは、物理的アイテムを異なる地理的場所間で搬送するために使用されることができる。例えば、移動式プラットフォームは、コンテナ(トラクタに取り付けられる)、トラック、またはトレーラであることができ、その中に物理的アイテムが、出荷の間、保管されることができる。他の実施例では、移動式プラットフォームは、物理的アイテムを搬送可能な別のタイプの担体構造を含むことができる。より一般的には、移動式プラットフォームは、該当する場合、トラック、トレーラ、トラクタ、車、電車、船舶、航空機等の車両の一部である、その上に搭載される、またはそこ取り付けられることができる。続く議論では、移動式プラットフォームは、コンテナと称され得る。いくつかの実装による、技法または機構は、開放および閉鎖され得る入口障壁を伴う、他の積荷搬送プラットフォームにも適用されることができることに留意されたい。
【0003】
移動式プラットフォームは、ドアを含むことができ、それを通して物理的アイテムは、それぞれ、移動式プラットフォームの内側チャンバの内外に装荷または除荷されることができる。ドアは、開放および閉鎖され得る、入口障壁(またはより単純に、「障壁」)の実施例である。障壁の他の実施例は、開口部を通して進入を可能にするために開放される、または開口部を通して進入を阻止するために閉鎖され得る、窓または任意の他の構造を含む。
【0004】
商品の運送業者、配送業者、製造業者、販売業者等のエンティティ、または任意の他のエンティティは、移動式プラットフォームを使用して輸送されているアセット(積荷等)を追跡することを所望し得る。そのために、センサデバイスが、移動式プラットフォーム上に搭載されることができる。種々の移動式プラットフォーム上のセンサデバイスは、センサ情報をネットワークを経由して遠隔サービスに通信し、遠隔サービスが、種々の移動式プラットフォームによって移動されているアセットを追跡することを可能にすることができる。遠隔サービスは、サーバまたはサーバの集合および関連付けられたネットワーク機器を含むことができ、これは、1つの固定場所においてまたはモバイルユニット内に位置し得るか、または、データセンタまたはクラウドの一部として位置し得る。アセット追跡は、アセットの現在の場所、移動式プラットフォームの積荷装荷ステータス、アセットの周囲の環境の条件(そのような条件は、測定された温度、測定された湿度等を含むことができる)、および/または他の情報の追跡を含むことができる。
【0005】
センサデバイスは、通信構成要素を含み、ネットワークを経由して通信することができる。いくつかの実施例では、移動式プラットフォーム上に搭載されるセンサデバイスは、デバイスのより大きいネットワークの一部であることができる。デバイスの本より大きいネットワークは、「モノのインターネット」(IoT)技術パラダイムの一部であって、異なるタイプのデバイスが、異なるタイプのデータ(センサデータ、音声データ、ビデオデータ、電子メールデータ、写真または画像データ、メッセージングデータ、ウェブブラウジングデータ等を含む)を通信することを可能にすることができる。コンピュータ、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、および同等物によって通信されるネットワークトラフィックに加え、IoT技術パラダイムは、家電、車両、センサデバイス、サーモスタット等を含む、他のタイプのデバイスが、ネットワークへのコネクティビティを有し、デバイスが個別のデータを通信することを可能にすることを検討する。
【0006】
より一般的には、ネットワーク接続センサデバイスを使用したアセット追跡は、センサデータを入手し、センサデータを伝送し、そのようなセンサデータを集約する、またはセンサデータに基づいて他の測定値を生成し、移動式プラットフォームによって輸送されているアセットと関連付けられた情報を決定することを伴うことができる。センサデバイスから受信されたデータに基づいて、サーバ(または複数のサーバ)は、さらなる決定またはアクションが実施され得るように、データベースを更新し、分析を起動し、および/または表示のためにステータス情報を提示することができる。アセット追跡は、保有車両利用率を改良し、運営コストを削減し、盗難に起因するアセットの損失を低減させる等のために使用されることができる。
【0007】
いくつかの実施例では、移動式プラットフォーム上に搭載されるセンサデバイスによって行われる測定に基づいて導出され得る、測定値は、移動式プラットフォームの装荷ステータスであって、装荷ステータスは、移動式プラットフォームが積荷等の任意の物理的アイテムを含有する(すなわち、コンテナが空である、またはコンテナが少なくとも1つの物理的アイテムを含有する)かどうかを指し得る。コンテナの装荷ステータスを正確に検出することは、1つ以上の要因に起因して困難であり得る。例えば、移動式プラットフォームの特性は、移動式プラットフォームのチャンバ内の構造の追加、移動式プラットフォームチャンバ内の残骸の存在、移動式プラットフォームの内側チャンバの清掃、移動式プラットフォームの内壁の再塗装等に起因して、経時的に変化し得る。加えて、センサデバイスのハードウェアもまた、変動する温度等に起因して、またはハードウェアの経年劣化に起因して、経時的に変動し得、これは、センサデバイス内のセンサの感度、利得、および/または他の特性に影響を及ぼし得る。さらに、異なる移動式プラットフォームおよび異なるセンサデバイスは、製造および/または構成上の相違に起因して、異なる特性を有し得る。さらに、移動式プラットフォームのサイズおよび構造組成物も、移動式プラットフォーム毎に変動し得る。また、異なるセンサデバイスのための周囲環境も、異なり得る。移動式プラットフォームおよび/またはセンサデバイスのそのような変動する特性に起因して、センサデバイスからの測定データに基づく装荷ステータスの決定は、正確ではない場合がある。
【0008】
本開示のいくつかの実装によると、適応ベースライン推定器は、移動式プラットフォームが空である、または少なくとも1つの物理的アイテムで装荷されているかどうかを決定するために使用される、ベースラインを適応させる(精緻化する)ことができる。概して、「ベースライン」は、移動式プラットフォームの具体的装荷ステータスを示す条件を指し得る。移動式プラットフォームの具体的装荷ステータスを示す条件は、規定された値または規定された値の範囲を有するメトリック(または複数のメトリック)として表されることができる。いくつかの実施例では、ベースラインは、移動式プラットフォームが空であることを示す条件を指し得る。そのようなベースラインは、「空ベースライン」と称され得る。続く議論では、移動式プラットフォームの装荷ステータスを決定するために使用されるベースラインは、空ベースラインであると仮定される。他の実装では、ベースラインは、移動式プラットフォームが少なくとも1つの物理的アイテムで装荷されることを示す条件を指し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示のいくつかの実装が、以下の図に関して説明される。
【0010】
【
図1】
図1A−1Bは、いくつかの実装による、車両によって運搬されるコンテナの概略図であって、コンテナは、ドアおよびセンサデバイスを含む。
【0011】
【
図2】
図2は、いくつかの実施例による、センサデバイスのブロック図である。
【0012】
【
図3】
図3は、いくつかの実施例による、飛行時間センサのブロック図である。
【0013】
【
図4】
図4は、いくつかの実施例による、装荷ステータス決定論理のブロック図である。
【0014】
【
図5】
図5は、いくつかの実施例による、測定データ、ベースライン、および閾値のグラフである。
【0015】
【
図6】
図6は、いくつかの実施例による、プロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1A−1Bは、トラクタユニット102と、トラクタユニット102によって運搬されるコンテナ104(シャーシ上に提供される)とを含む、例示的トラック100を図示する。コンテナ104は、物理的アイテムを搬送するために使用され得る、移動式プラットフォームの実施例である。
図1Bは、コンテナ104の斜視図であって、コンテナ104が開放位置と閉鎖位置との間で枢動可能なドア106(または他の入口障壁)を有することを示す。
【0017】
図1Bでは、ドア106は、開放位置にある。ドア106は、ヒンジ108に枢動可能に搭載され、これは、コンテナ104のドアフレーム110に取り付けられる。ドア106は、ヒンジ108を中心として開放位置と閉鎖位置との間で回転可能である。
図1Bは、2つのヒンジ108を示すが、他の実施例では、ドア106は、1つのみのヒンジまたは2つを上回るヒンジ上に搭載されることができることに留意されたい。
【0018】
いくつかの実施例では、センサデバイス112は、ドア106が閉鎖されると、センサ112がコンテナ104の内側チャンバ114に向かって面するように、ドア106の内部表面に搭載される。前述のように、コンテナ104は、移動式プラットフォームの実施例である。コンテナ104の内側チャンバ114(続く議論では、「コンテナチャンバ」と称される)は、移動式プラットフォームの内側空間の実施例であって、その中で物理的アイテムが、搬送されることができる。コンテナチャンバ114は、コンテナ104の壁によって画定される。他の実施例では、センサデバイス112は、ドア106上に搭載されず、むしろ、コンテナ104の内側の別の表面上に搭載されることができる。
【0019】
いくつかの実装では、ドア閉鎖イベントに応答して、センサデバイス112は、コンテナ104の装荷ステータスを決定する際に使用するための測定を行う、すなわち、任意の物理的アイテムがコンテナ104のコンテナチャンバ114内に位置するかどうかを決定することができる。いくつかの実施例では、センサデバイス112は、飛行時間(ToF)センサ116を含む。
【0020】
図1Aでは、物理的アイテム118は、コンテナチャンバ114内に位置すると仮定される。ToFセンサ116は、コンテナチャンバ114の内側の表面から反射される信号113を放出可能である。ToFセンサ116によって反射される信号の検出に基づいて、センサデバイス112は、ToFセンサ116と放出される信号113を反射したコンテナチャンバ114内の表面との間の距離を表す、測定可能特徴を決定可能である。
【0021】
測定可能特徴は、ToFセンサ116とコンテナチャンバ114内の表面との間の距離であることができる。他の実施例では、伝送される周期的信号と反射された周期的信号との間の位相差、反射される信号の大きさ、ToFセンサ116内のアナログ/デジタル(ADC)コンバータまたは他の回路によって捕捉された同相および直角位相係数、同相および直角位相係数に関連する位相および大きさ係数等の他の測定可能特徴も、決定されることができる。
【0022】
ToFセンサ116が発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含む実施例では、伝送される周期的信号は、光エミッタのオンオフ変調(OOK)を採用する複数の光パルスを含むことができる。他の実施例では、他のタイプの伝送される周期的信号も、採用されることができる。
【0023】
代替として、測定可能特徴は、測定可能特徴の複数のサンプルの平均値、分散、共分散、標準偏差、および/または中央値、または、異なるタイプの測定可能特徴の任意の組み合わせ等の測定可能特徴の複数のサンプルに基づく統計であることができる。さらなる実施例では、他のタイプの測定可能特徴も、採用されることができる。
【0024】
続く議論では、ToFセンサ116の測定データから導出される測定可能特徴は、距離であると仮定される。しかしながら、いくつかの実装による技法または機構も、他のタイプの測定可能特徴に適用されることができる。
【0025】
図1Aの実施例では、放出される信号113は、最も後方の物理的アイテム118の背面表面120から反射される。背面表面120は、コンテナ104のドア106に面する。複数の物理的アイテムが存在する実施例では、ToFセンサ116は、ドア106に最も近い物理的アイテム118までの距離を測定する。物理的アイテム118が存在する配列では、ToFセンサ116の測定値から決定される距離測定値は、センサデバイス112と最も後方の物理的アイテム118の背面表面120との間の距離を表す。
【0026】
物理的アイテム118が、コンテナ104の正面表面122からコンテナ104の背面におけるドア106に向かって、コンテナチャンバ114内に装荷されると仮定される場合、決定される距離測定値は、装荷のパーセンテージまたはコンテナチャンバ114の内側の積荷装荷量の他の測定値等、コンテナ104の装荷レベルを提供することができる。例えば、第1の値を有する距離測定値は、コンテナチャンバ114内の第1の非ゼロ量の積荷装荷を示すことができ、第2の値を有する距離測定値は、コンテナチャンバ内の第2の非ゼロ量の積荷装荷を示すことができる等となる。
【0027】
物理的アイテム118が、コンテナチャンバ114内に存在しない場合、ToFセンサ116は、コンテナ104の正面表面122までの距離測定を行う。この場合、距離測定値は、コンテナチャンバ114が空であることを示す別の値を有する。
【0028】
コンテナ104の正面表面122は、コンテナ104の最も前の壁であることができる。他の実施例では、フレーム等の別の構造も、コンテナチャンバ114内に位置することができ、それに対して物理的アイテム118が設置されることができる。そのような他の実施例では、正面表面122は、そのような他の構造の表面またはコンテナ104の床である。
【0029】
本議論は、ドア106が、コンテナ104の背面に位置し、物理的アイテム118が、コンテナチャンバ114の正面からコンテナチャンバ114の背面まで装荷される実施例を指すが、他の実施例では、ドア106は、コンテナ104の側壁上またはコンテナ104の正面壁上等、コンテナ104の異なる部分に位置することができることに留意されたい。そのような他の実施例では、物理的アイテムの装荷は、側面から側面、または背面から正面であることができる。センサデバイス112はまた、そのような他の実施例では、コンテナ104の側壁または正面壁上に位置することができる。
【0030】
前述の議論では、センサデバイス112は、コンテナチャンバ114の全体の装荷ステータスを決定するために使用されると仮定される。他の実施例では、コンテナチャンバ114は、複数のゾーンに分割されることができ、センサデバイス112(または複数のセンサデバイス112)は、これらの複数のゾーンの各ゾーンの装荷ステータスを決定するために使用されることができる。したがって、センサデバイス112は、第1のゾーンの装荷ステータス、第2のゾーンの装荷ステータス等を決定することができる。
【0031】
図2は、いくつかの実施例による、センサデバイス112のブロック図である。センサデバイス112は、ToFセンサ116と、プロセッサ(または複数のプロセッサ)202と、通信構成要素204とを含む。プロセッサは、マイクロプロセッサ、マルチコアマイクロプロセッサのコア、マイクロコントローラ、プログラマブルゲートアレイ、プログラマブル集積回路デバイス、または任意の他のハードウェア処理回路等のハードウェア処理回路を含むことができる。
【0032】
いくつかの実施例では、プロセッサ202は、測定データをToFセンサ116から受信し、測定データに基づいて、プロセッサ202は、コンテナ104の装荷ステータス(コンテナの全体の装荷ステータスまたはコンテナ内の複数のゾーンのゾーンの装荷ステータスのいずれか)を決定可能である。プロセッサ202は、装荷ステータスインジケーションを通信構成要素204に提供し、これは、装荷ステータスインジケーション206を、ネットワークを経由して、アセット追跡を実施するために使用される遠隔サービス等の宛先に伝送する。
【0033】
通信構成要素204は、無線送受信機および関連付けられた回路を含み、センサデバイス112による出力データ206のネットワークへの無線通信を可能にすることができる。無線通信は、セルラーアクセスネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク、衛星ネットワーク等を経由して、無線通信を含むことができる。代替として、通信構成要素204は、有線送受信機および関連付けられた回路を含み、センサデバイス108と宛先との間の有線通信を実施することができる。
【0034】
他の実施例では、センサデバイス112は、装荷ステータス決定を実施せず、むしろ、センサデバイス112は、ToFセンサ116のToFデータに基づく測定データを通信構成要素204を使用して宛先に伝送する。そのような実施例では、装荷ステータスの決定は、センサデバイス112によって伝送される測定データに基づいて、サーバ(または複数のサーバ)によって宛先において実施されることができる。そのような実施例では、プロセッサ202は、単に、宛先への伝送のために、ToFセンサ116から受信された測定データを通信構成要素204に転送することができる。代替として、プロセッサ202は、ToFセンサ116からの複数の測定データサンプルを集約することができ、集約された測定データを宛先に伝送させることができる。複数の測定データサンプルの集約は、複数の測定データサンプルを平均すること、複数の測定データサンプルの平均値を計算すること、複数の測定データサンプルの最大または最小値を計算すること、または、複数の測定データサンプルに基づいて、ある他の統計または測定値を計算することを含むことができる。
【0035】
センサデバイス112のプロセッサ202が、装荷ステータス決定を実施するように構成される実施例では、プロセッサ202は、適応ベースライン推定器208および装荷ステータス検出器209を実行することができる。適応ベースライン推定器208は、装荷ステータス検出器209によって使用されるベースラインを作成し、ToFセンサ116からの測定データに基づいて、コンテナ104の装荷ステータスを決定する。適応ベースライン推定器208によって作成されるベースラインは、コンテナ104の空ステータスに対応する、距離値または他の測定可能特徴であることができる。そのような他の測定可能特徴は、位相差測定、大きさ測定、同相および直角位相係数、同相および直角位相係数に関連する位相および大きさ係数等を含むことができる。代替として、ベースラインは、空ステータスを示す測定可能特徴の複数のサンプルの平均値、分散、共分散、標準偏差、および/または中央値等の測定可能特徴の複数のサンプルに基づく統計であることができる。さらなる実施例では、ベースラインは、測定可能特徴と測定可能特徴に基づく統計の両方の混合であることができる。なおもさらなる実施例では、他のタイプのベースラインも、採用されることができる。
【0036】
適応ベースライン推定器208によって作成されたベースラインは、反復的に精緻化され、装荷ステータス検出器209による装荷ステータス決定の正確度を改良することができる。適応ベースライン推定器208によって作成されたベースラインが距離ベースラインである実施例では、ベースラインの初期推定値は、コンテナ104の既知の長さに基づくことができる。ベースラインは、次いで、コンテナ104の空ステータスを示す付加的測定データに基づいて、反復的に精緻化されることができる。
【0037】
適応ベースライン推定器208および装荷ステータス検出器209は、プロセッサ202上で実行可能な機械可読命令等、ソフトウェアで実装されることができる。他の実施例では、適応ベースライン推定器208および/または装荷ステータス検出器209は、ハードウェアを使用して実装されることができる。
【0038】
センサデバイス112が装荷ステータス決定を実施しない実施例では、適応ベースライン推定器208および装荷ステータス検出器209は、センサデバイス112から遠隔のサーバ(または複数のサーバ)に提供されることができる。装荷ステータス決定をセンサデバイス112において実施する代わりに、コンテナの装荷ステータスの決定を遠隔サーバにシフトさせることによって、センサデバイス112の複雑性を低減させることができ、センサデバイス112が、殆ど電力を消費せず、センサデバイス112内のバッテリ電力を節約することを可能にすることができる。
【0039】
センサデバイス112はさらに、電力をセンサデバイス112に提供するバッテリ210を含む。
【0040】
いくつかの実施例では、センサデバイス112の電力消費を低減させ、したがって、バッテリ電力を保存するために、センサデバイス112は、イベントが、センサデバイス112をトリガし、測定を行い、および/または処理タスクを実施するまで、スリープ状態に維持されることができる。スリープ状態は、センサデバイス112が、動作状態等のセンサデバイスの別の状態より少量の電力を消費するように、センサデバイスがオフにされる、またはセンサデバイス112の一部がオフにされる、センサデバイス112の状態を指す。センサデバイス112の動作状態は、データの測定および/またはデータの処理を含む、センサデバイスが規定されたタスクを実施可能である、センサデバイス112の状態である。動作状態では、センサデバイス112は、スリープ状態におけるセンサデバイスによって消費される電力より多くの電力を消費する。
【0041】
いくつかの実施例では、センサデバイス112をトリガし、スリープ状態から動作状態に遷移し得るイベントは、ドア閉鎖イベントであることができ、これは、ドアが開放位置から閉鎖されるときに作成される。センサデバイス112は、ドアステータスセンサ212を含み、ドア106(
図1)または他の入口障壁の開放または閉鎖のいずれかを検出することができる。
図2は、センサデバイス112の一部として、ドアステータスセンサ212を示すが、他の実施例では、ドアステータスセンサ212は、センサデバイス112の外部にあり得ることに留意されたい。
【0042】
ドアステータスセンサ212は、種々の機構のいずれかを使用して、ドア106のステータスの変化を検出することができる。例えば、スイッチは、ドアに取り付けられることができ、スイッチは、ドアが開放または閉鎖されることに応答して、状態を変化させる。別の実施例として、磁気センサが、使用されることができ、磁気センサは、ドアが閉鎖されると、磁石に近接し得るが、ドアが開放されると、磁気センサは、磁石から離れるように移動する。磁気センサは、したがって、ドアが開放または閉鎖されるかどうかに応じて、異なる値を出力することができる。他の実施例では、加速度計からの加速データおよび回転センサからの回転データ(ジャイロスコープまたは回転ベクトルセンサ等)は、ドアが開放および閉鎖されていることを検出するために使用されることができる。
【0043】
ドアステータスセンサ212がドアが開放位置から閉鎖されたことを示すことに応答して、センサデバイス112は、スリープ状態から動作状態にウェイクアップされることができる。例えば、ToFセンサ116は、より低い電力状態からより高い電力状態にアクティブ化されることができ、および/またはプロセッサ202は、より低い電力状態からより高い電力状態にアクティブ化される。いくつかの実施例では、ドアが閉鎖されたことを検出することに応答して、センサデバイス112は、人がドアを迅速に連続して開放および閉鎖することに起因して等、スリープ状態と動作状態との間の複数の遷移を短期間内でトリガすることを回避する等のために、スリープ状態から動作状態に遷移する前に、規定された時間持続時間を待機することができる。加えて、プロセッサ202は、より低い電力状態からより高い電力状態に遷移することを待機し、ToFセンサ116が、電源をオンにし、初期化し、測定を行う時間を可能にすることができる。
【0044】
図3は、例示的ToFセンサ116のブロック図であって、これは、光エミッタ302と、光検出器304とを含む。1つの光エミッタ302および1つ光検出器304のみが、
図3に示されるが、ToFセンサ116は、他の実施例では、複数の光エミッタおよび/または複数の光検出器を含むことができる。光エミッタ302は、可視スペクトルまたは非可視スペクトル(例えば、赤外線または紫外線光)のいずれかの光を生成し得る、発光ダイオード(LED)または別のタイプの光源を含むことができる。光検出器304は、光感知ダイオードまたは他のタイプの光検出器を含むことができる。
【0045】
光エミッタ302は、いくつかの実施例では、1つ以上の光パルスを含み得る、放出された光信号306をコンテナチャンバ114の中に伝送するために使用されることができる。入力電圧301が、光エミッタ302に印加され、光エミッタ302に放出された光信号306を伝送させる。放出された光信号306は、反射された光信号308として、コンテナチャンバ104の内側の表面から反射され、表面は、物理的アイテム118の背面表面120またはコンテナ104の正面表面122であることができる。反射された光信号308は、光検出器304によって検出され、これは、反射された光信号308に応答する、出力310を生成する。出力310は、出力電圧または出力電流を含むことができ、これは、反射された光信号308の性質に基づく、値(例えば、振幅)を有する。図示されないが、出力310は、アナログ/デジタル(ADC)コンバータ、増幅器、バッファ等の中間回路を含む、信号鎖を通して提供されることができる。
【0046】
図4は、コンテナ104の装荷ステータスを決定するための例示的装荷ステータス決定論理400を示す。装荷ステータス決定論理400は、装荷ステータス検出器209と、適応ベースライン推定器208とを含む。いくつかの実施例では、装荷ステータス決定論理400は、
図2に示されるように、センサデバイス112の一部であることができる。他の実施例では、装荷ステータス決定論理400は、センサデバイス112から遠隔の別の電子デバイス(例えば、サーバまたは複数のサーバ)の一部であることができる。
【0047】
ToFセンサ116による測定に基づく、測定データ402(例えば、前述のように、距離測定値または他の測定可能特徴)が、装荷ステータス検出器209および適応ベースライン推定器208のそれぞれに入力される。いくつかの事例では、測定データ402は、コンテナ104が空であることを示すことができる一方、他の事例では、測定データ402は、コンテナ104が装荷されていることを示すことができる。測定データ402が、コンテナ104が空であることを示す度に、適応ベースライン推定器208は、動作され、ベースラインを更新することができる。
【0048】
測定データ402は、ToFセンサ116からの単一測定データサンプルであることができる。代替として、測定データ402は、ToFセンサ116によって異なる時間において入手された複数の測定データサンプルを含むことができる、または、測定データ402は、複数の測定データサンプルの集約であることができる。前述のように、複数の測定データサンプルの集約は、複数の測定データサンプルを平均すること、複数の測定データサンプルの平均値を計算すること、複数の測定データサンプルの最大または最小値を計算すること、または複数の測定データサンプルに基づいて、ある他の統計または測定値を計算することを含むことができる。複数の測定サンプルを考慮することによって、測定データ内の雑音に起因する影響は、低減されることができる。
【0049】
適応ベースライン推定器208は、空ステータスを示す新しい測定データ402に基づくベースラインの更新されたバージョンである、精緻化されたベースライン404−Rを生成する。ベースラインを精緻化する能力は、コンテナ104および/またはセンサデバイス112の特性が経時的に変化するにつれて、および/または環境条件が変化するにつれて、コンテナ104の装荷ステータスのより正確な決定を可能にする。
【0050】
精緻化されたベースライン404−Rは、コンテナの空ステータスを示す条件を表す空ベースラインであることができる。例えば、精緻化されたベースライン404−Rは、前述のように、ベースライン距離または異なる測定可能特徴であることができる。遅延要素408が、適応ベースライン推定器208の出力と装荷ステータス検出器209の入力との間に提供される。遅延要素408は、現在のベースライン404(すなわち、精緻化されたベースライン404−Rの計算に先立って、適応ベースライン推定器208の前の反復において計算されたベースライン)を出力する。例えば、遅延要素408は、ベースライン404を記憶するバッファであることができる。適応ベースライン推定器208は、新しく受信された測定データ404(装荷ステータス検出器209によって考慮される同一測定データ)に従って、精緻化されたベースライン404−Rを更新可能であるため、遅延要素408は、適応ベースライン推定器208および装荷ステータス検出器209の動作間の競合条件を回避するために提供される。
【0051】
装荷ステータス検出器209は、測定データ402およびベースライン404を受信し、測定データ402およびベースライン404に基づいて、コンテナ104の装荷ステータスの決定を行う。装荷ステータス検出器209は、次いで、装荷ステータスインジケーションを出力し、決定された装荷ステータスのインジケーションを提供する。
図4による実施例では、装荷ステータスインジケーションは、空インジケーション406の形態であって、これは、コンテナ104が空であることを示すアクティブ値およびコンテナ104が装荷されていることを示す非アクティブ値に設定される。
【0052】
いくつかの実施例では、装荷ステータス検出器209は、測定データ402によって表される測定された距離とベースライン404を比較することができる。より具体的には、装荷ステータス検出器209は、測定された距離とベースライン404に基づいて導出される閾値を比較することができる。測定された距離が閾値を超える場合、装荷ステータス検出器209は、コンテナ104が空であることを決定する。しかしながら、測定された距離が閾値未満である場合、装荷ステータス検出器209は、コンテナ104が少なくとも1つの物理的アイテムで装荷されていることを決定する。
【0053】
いくつかの実施例では、閾値は、ベースライン404の規定されたパーセンテージであることができる。例えば、閾値は、ベースライン404の99.5%またはベースライン404のある他のパーセンテージに設定されることができる。さらなる実施例では、閾値は、ベースライン404と等しく設定されることができる、またはベースライン404を上回る値に設定されることができる。より一般的には、閾値は、閾値がベースライン404と等しくあり得る、またはベースライン404と異なる値であり得るように、ベースライン404から導出されることができる。
【0054】
図4にさらに示されるように、空インジケーション406は、スイッチ410への入力として提供される。空インジケーション406が、アクティブ状態にアクティブ化される場合、スイッチ410は、閉鎖され、適応ベースライン推定器208が、測定データ402を受信することを可能にする。適応ベースライン推定器208は、次いで、測定データ402に基づいて、精緻化されたベースライン404−Rを算出することができる。しかしながら、測定データ402がコンテナ104が空ではないことを示すため、空インジケーション406が、非アクティブ状態に維持される場合、スイッチ410は、適応ベースライン推定器208がベースラインを更新しないように、開放位置のままである。
【0055】
より一般的には、適応ベースライン推定器208は、適応決定プロセスを実行し、少なくとも1つのセンサからの現在の測定データ(例えば、ToFセンサ116)に基づいて、コンテナの装荷ステータスの決定を行うことが可能である。プロセスはさらに、決定のフィードバックを実施し、適応決定プロセスを精緻化し、少なくとも1つのセンサからのさらなる測定データの受信に応答して、コンテナの装荷ステータスに関する次の決定を行う。
【0056】
装荷ステータス決定論理400によって生成された装荷ステータスインジケーション(例えば、空インジケーション406)は、他の処理論理に出力され、装荷ステータスインジケーションに基づいて、さらなるアクションを実施することができる。そのようなさらなるアクションは、装荷ステータスインジケーションをデータベース内に記憶すること(測定データを伝送したセンサデバイスの識別子、コンテナに関連する情報、例えば、寸法等の付加的情報とともに)、アセット追跡の一部として装荷ステータスインジケーションに基づいて、データ分析を実施すること等を含むことができる。
【0057】
いくつかの実施例では、装荷ステータス検出器209、適応ベースライン推定器208、遅延要素408、およびスイッチ410は、プロセッサ(または複数のプロセッサ)412上で実行可能な機械可読命令等のソフトウェアとして実装されることができる。プロセッサ412は、センサデバイス112(
図2)内のプロセッサ202であることができる、またはセンサデバイス112から遠隔のサーバ(または複数のサーバ)内のプロセッサであることができる。
【0058】
図5は、ToFセンサ116の測定に基づく測定データが経時的に(
図5のグラフ内の水平軸によって表される)受信されるにつれて精緻化されたベースライン404−Rがどのように更新されるかの実施例を図示する、グラフである。測定データは、曲線502によって表される。例えば、測定データは、距離を表すことができる。
図5から分かるように、精緻化されたベースライン404−Rは、新しく受信された測定データに伴って変動する。
【0059】
図5はまた、閾値504を示し、これは、ベースラインの規定されたパーセンテージである。
図5から分かるように、閾値504は、精緻化されたベースライン404−Rに伴って変動する。
【0060】
図6は、
図2のプロセッサ202等の少なくとも1つのプロセッサによって実施され得る、プロセスのフロー図である。少なくとも1つのプロセッサは、センサデバイス112の一部であることができる、または代替として、少なくとも1つのプロセッサは、センサデバイス112から遠隔のサーバまたは他の電子デバイスの一部であることができる。
【0061】
図6のプロセスは、少なくとも1つのセンサ(例えば、ToFセンサ116)からの測定データ(例えば、
図4における402)とベースライン(例えば、404)との間の関係に基づいて、プラットフォーム(例えば、
図1A−1Bのコンテナ104)の装荷ステータスを決定するステップ(602において)を含む。例えば、プロセスは、測定データによって表される距離がベースラインから導出される閾値を超えるかどうかを決定することができる。該当する場合、決定された装荷ステータスは、空ステータスである。距離が閾値を超えない場合、決定された装荷ステータスは、装荷ステータスである。
【0062】
プロセスは、決定された装荷ステータスが空ステータスであるかまたは装荷ステータスであるかをチェックする(604において)。装荷ステータスである場合、プロセスは、タスク602に戻る。しかしながら、決定された装荷ステータスが空ステータスである場合、プロセスは、適応ベースライン推定器208を使用して、ベースラインを精緻化し(606において)、精緻化されたベースラインを生成する。
【0063】
プロセスは、次いで、タスク602に戻り、さらなる測定データ(ToFセンサ116の次のアクティブ化に応じて、ToFセンサ116から受信される)および精緻化されたベースラインに基づいて、コンテナのさらなる装荷ステータスを決定する。
【0064】
本開示のいくつかの実装では、適応ベースライン推定器208は、カルマンフィルタを含み、これは、前述のように、ベースラインを出力することができる。ベースラインは、反復的に更新され、精緻化されたベースラインを生成することができる。
【0065】
以下は、いくつかの実施例による、カルマンフィルタのパラメータである。
【化1】
【0066】
パラメータz[n]は、ToFセンサ116からの瞬間nにおける測定データ(例えば、
図4における402)を表す。例えば、
【化2】
であって、式中、d[n]は、ToFセンサ116とコンテナ104内の表面との間の実際の距離x[n]に対応するToFセンサ116から決定された観察される測定可能距離特徴である
(例えば、
【化3】
)。
【0067】
パラメータx[n]は、瞬間nにおけるベースラインの真状態(例えば、コンテナ104の空ステータスに対応する実際の距離)を表す。パラメータ
【化4】
は、現在の測定データz[n]に基づいて、瞬間nにおいて精緻化されたベースライン(例えば、
図4における404−R)を表す。
【0068】
いくつかの実施例では、カルマンフィルタの以下のパラメータは、時間(n)に伴って変化せず、したがって、以下のように設定される。
【化5】
【0069】
方程式1では、F[n]は、状態遷移モデルを表し、Q[n]は、プロセス雑音モデルを表し、H[n]は、観察モデルを表し、B[n]は、制御入力モデルを表し、w[n]は、雑音を表す。
【0070】
本開示のいくつかの実装では、カルマンフィルタのあるパラメータの初期値は、空ステータスに対応するコンテナ104の実際の長さ等のコンテナ104の既知の特性に基づく。したがって、いくつかの実施例では、初期のa posterioriなカルマン推定値は、以下を含むことができる(他の実施例では、他の初期推定値が、使用されることができることに留意されたい)。
【化6】
式中、μ
x[0]は、コンテナ104の既知の特性から決定された初期ベースラインである(例えば、μ
x[0]は、コンテナの長さと等しく設定されることができる)、μ
v[0]は、初期ベースライン特徴であって(例えば、μ
x[0]における初期変化率であって、ゼロまたは他の初期値、μ
v[0]=0に設定されてもよい)、σ
x2[0]は、μ
x[0]の分散の初期近似値であって、σ
v2[0]は、μ
v[0]の分散の初期近似値である。
【0071】
状態遷移モデルF、観察モデルH、およびプロセス雑音モデルQモデルは、以下のように設定されることができる(他の実施例では、これらのモデルは、他の値に設定されることができる)。
【化7】
式中、σ
w12[0]は、第1の次元に関するプロセス雑音分散の初期近似値であって、σ
w22[0]は、第2の次元に関するプロセス雑音分散の初期近似値である。また、いくつかの実施例では、観察共分散R[n]は、以下のように設定されることができる。
【化8】
【0072】
他の実施例では、カルマンフィルタのあるパラメータの初期値は、以下のように設定されることができる。
【化9】
式中、μ
x[0]およびσ
x2[0]は、上記に表される初期近似値である。しかしながら、状態遷移モデルF、観察モデルH、およびプロセス雑音モデルQモデルは、以下のように設定されることができる。
【化10】
【0073】
瞬間nでは、測定データを表すパラメータz[n]およびカルマンフィルタの真状態を表すパラメータx[n]は、以下のように表される。
【化11】
【0074】
加えて、カルマンフィルタの他のパラメータは、以下のように表される。
【化12】
【0075】
n=1、2、3、...に関して、カルマンフィルタは、瞬間nにおける測定データz[n]を使用して、ベースラインを精緻化し、精緻化されたベースラインは、
【化13】
として表される。
【化14】
【0076】
他の実装では、カルマンフィルタを使用する代わりに、適応ベースライン推定器208は、異なるタイプのフィルタを含むことができる。より一般的には、例えば、適応ベースライン推定器208は、線形フィルタ、低域通過フィルタ、または非線形フィルタを含むことができる。
【0077】
いくつかの実施例では、サニティチェックフィルタは、無関係な測定データに基づいてベースラインを精緻化する可能性を防止または低減させるために使用されることができる。例えば、サニティチェックフィルタが、装荷ステータス検出器209がコンテナ104内に存在する積荷を欠測することに起因して、適応ベースライン推定器208にずれが生じ、したがって、誤って、コンテナ104が空であることを示し、適応ベースライン推定器208に破損した特徴測定値を精緻化されたベースラインの中に組み込ませ得るとき、ベースラインをリセットするために使用されることができる。
【0078】
いくつかの実装では、サニティチェックフィルタは、精緻化されたベースラインと上限閾値を比較することができる。精緻化されたベースラインが上限閾値を超える場合、サニティチェックフィルタは、精緻化されたベースラインを上限閾値に設定することができる。同様に、いくつかの実装では、サニティチェックフィルタは、精緻化されたベースラインのダイナミックレンジを下限閾値に制限することができる(すなわち、精緻化されたベースラインは、下限閾値を下回ることができない)。なおもさらなる実施例では、サニティチェックフィルタは、精緻化されたベースラインが上限または下限閾値のいずれかに違反する(すなわち、精緻化されたベースラインが上限閾値を超える、または精緻化されたベースラインが下限閾値を下回る)ことに応答して、精緻化されたベースラインを以前に計算された精緻化されたベースラインに戻すことができる。他の実施例では、サニティチェックフィルタは、精緻化されたベースラインを所定のベースライン値(例えば、初期ベースライン値)と置換することができる。別の代替として、サニティチェックフィルタは、所定の数のToF測定後、精緻化されたベースラインを所定のベースライン値に設定することができる。さらなる実施例として、サニティチェックフィルタは、所定の期間後、精緻化されたベースラインを所定のベースライン値に設定することができる。
【0079】
より一般的には、サニティチェックフィルタは、精緻化されたベースラインが閾値に違反したかどうかを決定し、そのような違反に応答して、サニティチェックフィルタは、精緻化されたベースラインを適応ベースライン推定器208によって設定されたものと異なる値に設定する。
【0080】
前述のような種々の構成要素が機械可読命令等のソフトウェアとして実装される、実装では、機械可読命令は、非一過性機械可読またはコンピュータ可読記憶媒体内に記憶されることができる。記憶媒体は、半導体メモリデバイス、例えば、動的または静的ランダムアクセスメモリ(DRAMまたはSRAM)、消去可能およびプログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能およびプログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、およびフラッシュメモリ、磁気ディスク、例えば、固定または可撤性ディスク、または他のタイプの記憶デバイスを含む、1つ以上の異なる形態のメモリを含むことができる。前述のソフトウェアまたは機械可読命令は、1つのコンピュータ可読または機械可読記憶媒体上に提供されることができる、または代替として、可能性として複数のノードを有する大システム内に分散された複数のコンピュータ可読または機械可読記憶媒体上に提供されることができることに留意されたい。そのようなコンピュータ可読または機械可読記憶媒体またはそのような複数の媒体は、物品(または製造品)の一部と見なされる。物品または製造品は、任意の製造される単一構成要素または複数の構成要素を指し得る。記憶媒体またはそのような複数の媒体は、機械可読命令上で実行する機械内に位置するか、または機械可読命令が実行のためにネットワークを経由してダウンロードされ得る遠隔施設に位置するかのいずれかであることができる。
【0081】
前述の説明では、多数の詳細が、本明細書に開示される主題の理解を提供するために記載される。しかしながら、実装は、これらの詳細のうちのいくつかを伴わずに実践されてもよい。他の実装は、前述の詳細からの修正および変形例を含んでもよい。添付の請求項は、そのような修正および変形例を網羅することが意図される。
【国際調査報告】