特表2019-526732(P2019-526732A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-526732風力タービンの構成要素を取り付ける方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-526732(P2019-526732A)
(43)【公表日】2019年9月19日
(54)【発明の名称】風力タービンの構成要素を取り付ける方法
(51)【国際特許分類】
   F03D 13/10 20160101AFI20190823BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20190823BHJP
   G01B 11/26 20060101ALI20190823BHJP
【FI】
   F03D13/10
   G01B11/00 A
   G01B11/26 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-503536(P2019-503536)
(86)(22)【出願日】2017年8月8日
(85)【翻訳文提出日】2019年3月19日
(86)【国際出願番号】EP2017070027
(87)【国際公開番号】WO2018029174
(87)【国際公開日】20180215
(31)【優先権主張番号】102016114833.4
(32)【優先日】2016年8月10日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】512197272
【氏名又は名称】ヴォッベン プロパティーズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】WOBBEN PROPERTIES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムタウヴェグ サマー
【テーマコード(参考)】
2F065
3H178
【Fターム(参考)】
2F065AA03
2F065AA04
2F065AA06
2F065AA37
2F065BB16
2F065CC08
2F065CC14
2F065DD11
2F065DD13
2F065DD16
2F065FF04
2F065FF41
2F065GG04
2F065JJ03
2F065MM11
2F065NN20
2F065PP11
2F065QQ25
2F065RR08
2F065TT02
2F065TT08
3H178AA03
3H178AA22
3H178AA43
3H178BB77
3H178CC02
3H178CC23
3H178CC25
3H178DD12Z
3H178DD67X
(57)【要約】
複数の構成要素を有する風力タービン(100)の構成要素を取り付ける方法を提供する。構成要素の少なくとも1つがクレーン(200)によって取り付けられる。取り付けられる構成要素に関する位置情報および/または距離情報が、レーザースキャナーユニット(300)によって検出される。取り付けられる構成要素の位置および/または距離を正確に求めるため、取り付けられる構成要素のCADデータが、検出された位置情報および/または距離情報と比較される。検出された位置情報および/または距離情報が、クレーンオペレータに出力される。取り付けられる構成要素の検出された位置情報および/または距離情報に基づいて、クレーン(200)を制御することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン(100)の構成要素を取り付ける方法であって、前記風力タービン(100)が複数の構成要素を有し、以下のステップ、すなわち、
少なくとも1つの構成要素をクレーン(200)によって取り付けるステップと、
前記取り付けられる構成要素の位置情報および/または距離情報をレーザースキャナーユニット(300)によって検出するステップと、
前記取り付けられる構成要素の位置および/または距離を正確に求めるため、前記取り付けられる構成要素に関するCADデータを、前記検出された位置情報および/または距離情報と比較するステップと、
前記位置情報および/または前記距離情報をクレーンオペレータに出力するステップと、
前記取り付けられる構成要素の前記検出された位置情報および/または距離情報に基づいて、前記クレーン(200)を制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記クレーンオペレータに出力される前記位置情報および/または前記距離情報に加えて、前記取り付けられる構成要素の向きが、前記レーザースキャナーユニット(300)によって検出される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記CADデータが、CADモデルに基づく、または、前記取り付けられる構成要素のスキャンによって取得される、
請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記レーザースキャナーユニット(300)が2次元スキャナーの形式であり、
カメラ(400)が設けられており、前記2次元スキャナーが前記カメラ(400)と一緒に、前記位置情報および/または前記距離情報を検出する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記レーザースキャナーユニット(300)が3次元スキャナーの形式であり、
カメラ(400)が設けられており、前記3次元スキャナーが前記カメラ(400)と一緒に、前記位置情報および/または前記距離情報を検出する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記レーザースキャナーユニットおよび/または前記カメラ(400)が、地上に、または前記クレーンに設けられる、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
風力タービンの構成要素に関する位置情報および/または距離情報を検出する目的での、運動学的な地上型レーザースキャナーの使用であって、前記構成要素が取付け作業においてクレーンによって吊り上げられ、検出された前記位置情報および/または前記距離情報が、前記取り付けられる構成要素のCADデータと比較され、クレーンのクレーンオペレータに伝えられる、運動学的な地上型レーザースキャナーの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力タービンの構成要素を取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
風力タービンは、一般には、多数の構成要素(ローターブレード、ポッド、発電機、パイロンなど)を有し、これらの構成要素は、適切に取り付けることができるようにクレーンによって吊り上げなければならない。例えば風力タービンのパイロンは、互いに上下に配置される多数のパイロンセグメント(pylon segment)を備えている。これらのパイロンセグメントは、鋼またはコンクリートから作製することができる。風力タービンの建造または建設は、例えば温度、風速、視界などの支配的な気象条件に大きく左右される。
【0003】
優先権を主張する独国特許出願に関して、独国特許商標庁は、次の文書、すなわち、特許文献1、特許文献2、および特許文献3を調査した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/0028609号明細書
【特許文献2】欧州特許第2424811号明細書
【特許文献3】独国特許発明第102007059820号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、風力タービンの構成要素を取り付ける方法であって、たとえ不良な気象条件の中でも風力タービンの建設を可能にする方法、を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載の、風力タービンを取り付ける方法、によって達成される。
【0007】
したがって、複数の構成要素を有する風力タービンの構成要素を取り付ける方法、を提供する。構成要素の少なくとも1つが、クレーンによって取り付けられる。取り付けられる構成要素に関する位置情報および/または距離情報が、レーザースキャナーユニットによって検出される。取り付けられる構成要素の位置および/または距離を正確に求めるため、取り付けられる構成要素のCADデータが使用される。検出された位置情報および/または距離情報とCADデータとが比較または照合され、それらのデータがクレーンオペレータに出力される。取り付けられる構成要素の検出された位置情報および/または距離情報に基づいて、クレーンを制御することができる。
【0008】
本発明の一態様によれば、クレーンオペレータに出力される位置情報および/または距離情報に加えて、取り付けられる構成要素の向きが、レーザースキャナーユニットによって検出される。
【0009】
本発明の一態様によれば、レーザースキャナーユニットは、2次元スキャナーの形式であり、カメラが設けられており、2次元スキャナーがカメラと一緒に位置情報および/または距離情報を検出する。
【0010】
本発明の一態様によれば、本方法を実施するために、カメラとともに、またはカメラなしで3次元レーザースキャナーを使用することができる。
【0011】
本発明は、風力タービンの構成要素に関する位置情報および/または距離情報を検出する目的での、運動学的な地上型レーザースキャナー(kinematic terrestrial laser scanner)の使用にも関し、取付け作業において構成要素がクレーンによって吊り上げられる。検出された位置情報および/または距離情報は、クレーンのクレーンオペレータに伝えられる。
【0012】
本発明は、取り付けられる風力タービンの構成要素(例えば、パイロン、ローターブレード、ポッド、スピナー、発電機など)を、例えばそれら構成要素を取り付けるときに、構成要素の位置および/または向きに関するフィードバックを得る目的でレーザースキャンによって検出する、という発想に関する。レーザースキャナーと、取り付けられる構成要素との間の距離を、レーザースキャン手順によって求めることができる。
【0013】
取り付けられる構成要素に関するCADデータを記憶しておくことができる。レーザースキャナーおよび記憶されているCADデータから、レーザースキャナーによって検出された距離に基づいて、取り付けられる構成要素の位置を正確に求めるようにすることが可能である。この点において、取り付けられる構成要素の正確な位置を、クレーンによって構成要素を持ち上げているときに求めることができるように、構成要素の位置を正確に求めるこの動作は動的である。取り付けられる構成要素の正確な位置決めを可能にするため、クレーンオペレータがクレーンを適切に制御できるように、この位置情報を例えばクレーンオペレータが利用できるようにすることができる。
【0014】
レーザースキャナーは、例えば運動学的な地上型k−TLSレーザースキャンとすることができる。レーザースキャン(3次元レーザースキャナー、またはカメラを使用する同期式の1次元レーザースキャナーもしくは2次元レーザースキャナーによる移動測定または定点測定)によって、取り付けられる構成要素の互いに対する間隔および位置を正確に確定できるようにすることができる。
【0015】
取り付けられる構成要素に関するCADモデル、またはCADプランもしくはCADデータは、あらかじめ利用可能にしておくことができる。この代替として、工場内または現場でレーザースキャン手順によってCADデータを確定することができる。
【0016】
本発明によれば、風力タービンの建設中に、取り付けられる構成要素の姿勢および位置を求めるために、それ自体公知であるレーザースキャンプロセス(例えば運動学的な地上型レーザースキャン)を使用することができる。特に、取り付けられる構成要素の、クレーンに対する向きを確定することが可能である。
【0017】
風力タービンを建設するとき、取り付けられる構成要素が配置される位置およびその向きが、レーザースキャンによって常に既知であるため、クレーンオペレータは、取り付けられる構成要素をもはや視認する必要がない。このことは、例えば霧の中や夜間などたとえ視界不良の中でも、風力タービンを建設する作業を実施できることを意味する。このようにして、風力タービンを建設するのに要求される時間を相当に短縮することができる。
【0018】
本発明の一態様によれば、取り付けられる、またはすでに取り付けられた風力タービンの構成要素のCADモデルを生成する目的で、またはこれら構成要素の間の間隔、相対位置、および角度位置(angular location)を確定する目的で、レーザースキャン手順を単独で、または追加のカメラと一緒に使用することができる。
【0019】
本発明の一態様によれば、測地モニタリング用の運動学的な地上型k−TLSレーザースキャンを使用することが可能であり、このスキャンによって、計測対象物の速い動きおよび変形を検出することが可能である。これに加えて、移動プラットフォームから周囲の幾何学情報を検出するためのモービルマッピング(mobile mapping)を使用することが可能である。
【0020】
本発明によれば、レーザースキャナーは、地上またはクレーンに設けることができる。このレーザーは、オプションとして、3Dモードで動作させることができる。これに代えて、レーザースキャナーを、カメラと組み合わせての1Dモードまたは2Dモードで動作させることができる。レーザースキャナーおよびカメラは、地上に、または据付型クレーン(installation crane)に配置することができる。
【0021】
本発明によれば、たとえ夜間または視界不良であるときにも取付けが可能になるため、クレーンの操作回数を減らすことが可能である。
【0022】
本発明の一態様によれば、レーザースキャナーを使用し、オプションとして、取り付けられる構成要素の利用可能なCADデータを用いて、スキャナーに対する構成要素の相対位置と、取り付けられる構成要素の角度位置を求めることが可能である。
【0023】
本発明によれば、CADモデルを作成できるように、取り付けられる構成要素をレーザースキャンによって検出することができる。これに代えて、風力タービンの構成要素の建設データを使用することができる。
【0024】
オプションとして、レーザースキャナーによって例えば現場で検出される、取り付けられる構成要素の寸法によって、CADモデルを生成することができる。
【0025】
前に確定されたCADデータと、レーザースキャナーの測定データとによって、取付け手順中に、取り付けられる構成要素の相対位置および角度位置を求めることが可能である。取り付けられる構成要素を所定の位置に適切に取り付けることができるように、これらの詳細情報によってクレーンをより正確に制御することができる。
【0026】
本発明のさらなる構成は、従属請求項の主題である。
【0027】
以下では、本発明の利点および一例としての実施形態について、図面を参照しながらさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】風力タービンの概略図を示している。
図2】風力タービンを取り付けるときの風力タービンの周囲の領域の概略図を示している。
図3】ローターブレードを取り付けるときの風力タービンの概略図を示している。
図4】本発明に係る、風力タービンの構成要素を取り付ける方法、の概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、風力タービンの概略図を示している。図1は、パイロン102およびポッド104を備えた風力タービン100を示している。ポッド104には、3枚のローターブレード108を有する空力ローター106およびスピナー110が配置されている。運転時、空力ローター106が風によって回転し、これにより、ポッド104の中の発電機を駆動して電力を発生させる。
【0030】
図2は、取付け作業中の、例えば図1に示した風力タービンのパイロンの概略図を示している。パイロン102は、互いに上下に配置される複数のパイロンセグメント102aを有する。パイロンセグメント102aは、クレーンによって地上から上方に吊り上げて、上部のパイロンセグメント102aの上に配置することができる。パイロンセグメント102aを取り付けるこの作業中、レーザースキャナーユニット300が、所定の位置に取り付けられるパイロンセグメント102aを検出する。取り付けられるパイロンセグメント102aの位置と、レーザースキャナーユニット300との間の距離は、例えば運動学的な地上型レーザースキャナーユニットの形式であるレーザースキャナーユニット300によって検出される。この位置情報または距離情報を、レーザースキャナーユニット300からクレーン200の制御ユニット220に渡すことができる。この代替として、この位置情報または距離情報を、クレーンのオペレータに渡すことができる。結果としてクレーンオペレータまたは制御ユニット220は、パイロンセグメント102aを別のパイロンセグメント102aの上に正確に配置する目的で、パイロンセグメント102aの位置を情報に基づき適切に制御することができる。
【0031】
レーザースキャナー300およびカメラ400は、取り付けられる部分102aと、これらの部分が上に取り付けられる台部とをモニターすることができる。
【0032】
図3は、ローターブレードを取り付けるときの風力タービンの概略図を示している。ローターブレード108をポッド104およびスピナー110に固定することができるように、ローターブレード108がクレーンフック210およびクレーン200によって上方に運ばれる。ローターブレード108を取り付ける作業中、レーザースキャナーユニット300が、ローターブレードの位置、またはレーザースキャナーユニット300からの距離を検出する。これに加えて、位置と一緒にローターブレード108の向きをレーザースキャナーユニット300によって検出することができる。これら位置情報および距離情報を、クレーンの制御ユニット220に出力することができる。これに代えて、またはこれに加えて、これらの情報をクレーンオペレータに出力することができる。例えば、これらの情報をクレーンのディスプレイユニット230に表示することができる。
【0033】
レーザースキャナーユニット300およびカメラ400は、取り付けられる部品108(ブレード)と、部品が取り付けられる基部110(ハブ)とをモニターすることができる。
【0034】
本発明の一態様によれば、レーザースキャナーユニット300(または別のユニット)は、取り付けられる風力タービンの構成要素のCADデータを有することができる、またはこのようなCADデータにアクセスすることができる。取り付けられる部品を所定の位置に正確に取り付けることを可能にする目的で、レーザースキャナーユニット300は、取り付けられる構成要素に関して、これらのCADデータを、自身によって検出された位置情報と比較することができる。例えば運動学的な地上型k−TLSレーザースキャンの形で使用されるレーザースキャンによって、たとえ視界不良の中でも位置情報を確定することができる。このように、本発明に係る、レーザースキャナーユニットの使用によって、例えば霧の発生時や暗闇の中などたとえ視界不良の中でも、風力タービンの構成要素を所定の位置に取り付けることが可能になる。
【0035】
レーザースキャナーユニット300によって、たとえ視界不良の中でも、取り付けられる構成要素のその時点の位置および/または向きに関するフィードバックを、例えばクレーンオペレータに渡すことが可能である。このことは、風力タービンの建設を実質的にスピードアップできることを意味する。
【0036】
本発明の一態様によれば、取り付けられる構成要素のCADデータを現場で検出するために、レーザースキャナーユニット300を使用することができる。
【0037】
本発明の一態様によれば、レーザースキャナーユニット300に加えて、オプションとしてカメラ400を設けることができる。
【0038】
運動学的な地上型レーザースキャナーユニットを使用することによって、取り付けられる構成要素の速い動きおよびたわみを検出することが可能になる。
【0039】
本発明によれば、レーザースキャナーユニット300は、地上に、またはクレーンに、または現場の他の場所に(例えば自動車またはトラックに)、設けることができる。このユニットは、取り付けられる構成要素のみならず、構成要素が取り付けられる基部もスキャンする。レーザーは、例えば3Dモードで動作させることができる。この代替として、レーザースキャナーをカメラ400と併用して1Dモードまたは2Dモードで動作させて、取り付けられる構成要素に関する位置情報を得ることができる。
【0040】
図4は、本発明に係る、風力タービンの構成要素を取り付ける方法、の概略図を示している。レーザースキャナーユニット300は、3Dモード310、2Dモード320、または1Dモード330で動作させることができ、あるいは、3次元レーザースキャナー、2次元レーザースキャナー、または1次元レーザースキャナーの形式とすることができる。ステップS10において、レーザースキャナーユニット300を作動させる。レーザースキャナーユニット300を2Dモード320で作動させる場合、カメラ400も作動させることができる。レーザースキャナーユニット300を1Dモード330で作動させる場合、カメラ400も作動させることができる。ステップS20においては、ステップS10におけるレーザースキャナーユニット300の測定結果に基づいて、CADモデルを作成する、もしくは既存のCADモデルに頼る、および/または、距離測定操作を実行する。ステップS30においては、検出される構成要素の座標を確定し、距離を求める。この情報は、ステップS70において例えばクレーンオペレータに出力することができる。
【0041】
CADモデルは、ステップS40において利用可能にすることができる、またはCADモデルに頼ることが可能である。CADモデルは、風力タービン全体、または風力タービンの構成要素に関連することができる。ステップS50は、CADモデルのデータと、検出される構成要素の検出された座標および/または距離との比較を含む。ステップS60においては、ステップS50におけるモデルの比較に基づいて、レーザースキャナーユニット300に対する座標および/または距離を確定し、例えばステップS70においてクレーンオペレータに出力する。このようにして、例えば霧や暗闇などたとえ視界不良の中でも、風力タービンの構成要素を所定の位置に取り付けることができるため、取付けまたは風力タービンの建設を相当に改善することができる。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2019年3月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン(100)の構成要素を取り付ける方法であって、前記風力タービン(100)が複数の構成要素を有し、以下のステップ、すなわち、
少なくとも1つの構成要素をクレーン(200)によって取り付けるステップと、
前記取り付けられる構成要素の位置情報および/または距離情報と向きとをレーザースキャナーユニット(300)によって検出するステップと、
前記取り付けられる構成要素の位置および/または距離を正確に求めるため、前記取り付けられる構成要素に関するCADデータを、前記検出された位置情報および/または距離情報と前記取り付けられる構成要素の前記向きと比較するステップと、
前記位置情報および/または前記距離情報をクレーンオペレータに出力するステップと、
前記取り付けられる構成要素の前記検出された位置情報および/または距離情報と前記向きとに基づいて、前記クレーン(200)を制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記クレーンオペレータに出力される前記位置情報および/または前記距離情報に加えて、前記取り付けられる構成要素の前記向きが、前記レーザースキャナーユニット(300)によって検出される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記CADデータが、CADモデルに基づく、または、前記取り付けられる構成要素のスキャンによって取得される、
請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記レーザースキャナーユニット(300)が2次元スキャナーの形式であり、
カメラ(400)が設けられており、前記2次元スキャナーが前記カメラ(400)と一緒に、前記位置情報および/または前記距離情報を検出する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記レーザースキャナーユニット(300)が3次元スキャナーの形式であり、
カメラ(400)が設けられており、前記3次元スキャナーが前記カメラ(400)と一緒に、前記位置情報および/または前記距離情報を検出する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記レーザースキャナーユニット(300)および/または前記カメラ(400)が、地上に、または前記クレーンに設けられる、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
風力タービンの構成要素位置情報および/または距離情報と向きとを検出する目的での、運動学的な地上型レーザースキャナーの使用であって、前記構成要素が取付け作業においてクレーンによって吊り上げられ、前記構成要素の前記向きに加えて、検出された前記位置情報および/または前記距離情報が、前記取り付けられる構成要素のCADデータと比較され、クレーンのクレーンオペレータに伝えられる、運動学的な地上型レーザースキャナーの使用。
【国際調査報告】