特表2019-526741(P2019-526741A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウォルブロ エルエルシーの特許一覧

特表2019-526741燃料供給モジュールおよび制御システム
<>
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000003
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000004
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000005
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000006
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000007
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000008
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000009
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000010
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000011
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000012
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000013
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000014
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000015
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000016
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000017
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000018
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000019
  • 特表2019526741-燃料供給モジュールおよび制御システム 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-526741(P2019-526741A)
(43)【公表日】2019年9月19日
(54)【発明の名称】燃料供給モジュールおよび制御システム
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/10 20060101AFI20190823BHJP
   F02M 37/18 20060101ALI20190823BHJP
   F02M 51/02 20060101ALI20190823BHJP
   F02M 69/54 20060101ALI20190823BHJP
【FI】
   F02M37/10 B
   F02M37/18 A
   F02M51/02 C
   F02M69/54 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2019-511912(P2019-511912)
(86)(22)【出願日】2017年9月1日
(85)【翻訳文提出日】2019年2月28日
(86)【国際出願番号】US2017049899
(87)【国際公開番号】WO2018045311
(87)【国際公開日】20180308
(31)【優先権主張番号】62/426,836
(32)【優先日】2016年11月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/383,166
(32)【優先日】2016年9月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/477,663
(32)【優先日】2017年3月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/524,813
(32)【優先日】2017年6月26日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517156322
【氏名又は名称】ウォルブロ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン エリック ディ.
(72)【発明者】
【氏名】バウアー トラヴィス ピー.
(72)【発明者】
【氏名】フィッシュ エルトン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハリー サイラス エム.
(72)【発明者】
【氏名】イスラエルソン ケヴィン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ラマー ジェラルド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】リントン ロビー エル.
(72)【発明者】
【氏名】タラスキ エドワード ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3G066
【Fターム(参考)】
3G066AB02
3G066BA51
3G066CA01U
3G066CD01
3G066CD04
3G066CD26
3G066CE21
(57)【要約】
少なくともいくつかの実装形態では、燃料供給モジュールは、貯蔵部と、この貯蔵部によって運ばれる燃料ポンプとを含む。貯蔵部は、燃料の供給源を収容するための内部容積を画定する本体および蓋を含むことができ、貯蔵部は、燃料が内部容積に入る入口と、燃料が燃料供給モジュールから排出される出口とを含むことができる。燃料ポンプは、貯蔵部によって支持され、内部容積から燃料ポンプ内に燃料を取り込むために内部容積と連通する第1の入口と、内部容積から燃料ポンプに流体又は蒸気を取り出すために重力の方向に対して第1の入口の上方に離間された第2の入口とを有する。燃料ポンプは、貯蔵部出口を通ってエンジンに供給するために流体が排出される出口を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料供給部を収容するための内部容積を画定する本体と蓋とを含む貯蔵部であって、燃料が前記内部容積に入る入口と燃料が燃料供給モジュールから排出される出口とを含む貯蔵部と、
貯蔵部によって支持され、前記内部容積から燃料ポンプ内に燃料を取り込むために前記内部容積と連通する第1の入口と、前記内部容積から前記燃料ポンプへ流体を取り込むために重力の方向に対して前記第1の入口の上方に離間した第2の入口と、を有する燃料ポンプと、
を備えた燃料供給モジュールであって、
前記燃料ポンプは、前記貯蔵部の前記出口を通してエンジンに供給するためにそこから流体が排出される出口を含むことを特徴とする燃料供給モジュール。
【請求項2】
前記第2の入口は前記内部容積の上側3分の1に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給モジュール。
【請求項3】
前記第1の入口は前記内部容積の下側3分の1に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料供給モジュール。
【請求項4】
前記第2の入口は、0.1mmから7mmの間の直径を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料供給モジュール。
【請求項5】
前記第2の入口は一端で前記第1の入口に隣接してから前記第2の入口を画定する第2の端部まで延在する管内に画定され、約0.05psiから0.5psiの間の圧力降下が管を通して流体を引き込むために必要であることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給モジュール。
【請求項6】
1)燃料ポンプ出口から排出された燃料の少なくとも一部を受けるために、前記燃料ポンプ出口と、及び2)前記第2の入口と連通して前記第2の入口を通して流体を引き込むジェットポンプと、連通するバイパスラインをさらに備えた請求項1に記載の燃料供給モジュール。
【請求項7】
前記ジェットポンプは、0.2mmから0.8mmの間のサイズを有するノズルまたはオリフィスを備えることを特徴とする請求項6に記載の燃料供給モジュール。
【請求項8】
前記ジェットポンプを通る流体の流れは、前記第2の入口を通して流体を引き込む圧力降下を生じさせることを特徴とする請求項6に記載の燃料供給モジュール。
【請求項9】
前記燃料ポンプ出口は、前記第2の入口よりも前記内部容積の底部近くに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給モジュール。
【請求項10】
前記燃料ポンプは、ポンピング要素と、燃料がポンピング要素に入る燃料ポンプ入口とを備え、
前記燃料ポンプ入口は、前記第1の入口と前記第2の入口の両方と連通し、
前記第1の入口と前記第2の入口に引き込まれた流体は、前記燃料ポンプ入口に送られ、
前記第1の入口は、前記燃料ポンプ入口よりも前記燃料ポンプ出口の近くに配置されていることを特徴とする請求項9に記載の燃料供給モジュール。
【請求項11】
前記内部容積は入口チャンバと一次チャンバを備え、
第2燃料ポンプは前記貯蔵部によって支持され、前記入口チャンバ及び燃料供給部と連通する入口と、前記一次チャンバと連通する出口を有して前記入口チャンバから前記一次チャンバへ燃料を排出し、
前記燃料ポンプの前記第1の入口は前記一次チャンバと連通していることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給モジュール。
【請求項12】
圧力センサ、燃料圧力調整器、または前記一次チャンバ内の燃料レベルに応答する装置をさらに備え、
前記第2燃料ポンプは、前記圧力センサ、前記燃料圧力調整器、または前記一次チャンバ内の燃料レベルに応答する前記装置からのフィードバック機能として動作することを特徴とする請求項11に記載の燃料供給モジュール。
【請求項13】
前記第2燃料ポンプの動作を制御するために前記第2燃料ポンプに結合されたコントローラをさらに備え、
他方の燃料ポンプは、可変出力を提供するために可変速度で駆動され、
前記コントローラは、他方の燃料ポンプの少なくとも1つの動作特性に応答し、他方の燃料ポンプの前記少なくとも1つの動作特性の関数として前記第2燃料ポンプの動作を制御することを特徴とする請求項11に記載の燃料供給モジュール。
【請求項14】
前記少なくとも1つの動作特性は、他方の燃料ポンプの電流引き込み、または他方の燃料ポンプから吐出される燃料の流量、またはバイパス通路内の流量または流量のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項13に記載の燃料供給モジュール。
【請求項15】
前記第2燃料ポンプの動作を制御するために前記第2燃料ポンプに結合されたコントローラをさらに備え、
前記コントローラは、前記燃料供給モジュールによって燃料が供給されるエンジンの少なくとも1つのエンジン動作特性に応答し、前記少なくとも1つのエンジン動作特性の関数として前記第2燃料ポンプの動作を制御することを特徴とする請求項11に記載の燃料供給モジュール。
【請求項16】
前記少なくとも1つのエンジン動作特性は、スロットル位置または燃料噴射器のデューティサイクルのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項15に記載の燃料供給モジュール。
【請求項17】
燃料供給部を収容するための内部容積を有する貯蔵部であって、燃料が前記内部容積に入る入口と、燃料が燃料供給モジュールから排出される出口とを備えた貯蔵部と、
前記貯蔵部によって支持され、前記内部容積から燃料を取り込むために前記内部容積と連通する第1の入口と、加圧燃料が排出される出口とを有する燃料ポンプと、
燃料ポンプ出口と連通する入口と、貯蔵部出口と連通する第1の出口と、圧力センサと連絡する第2の出口と、を有するマニホールドと、
を有する燃料供給モジュールであって、
前記マニホールドおよび前記圧力センサは前記内部容積内に収容され、前記圧力センサは前記内部容積と直接には連通しない状態で前記マニホールドと前記貯蔵部の間に収容されていることを特徴とする燃料供給モジュール。
【請求項18】
圧力調整器をさらに備え、
前記マニホールドは、前記燃料ポンプ出口から放出された燃料が前記圧力調整器と連通するように前記圧力調整器と連通する第3の出口を備え、
前記圧力調整器は前記内部容積内に収容されていることを特徴とする請求項17に記載の燃料供給モジュール。
【請求項19】
前記燃料ポンプのハウジングは前記圧力調整器の一部と重なっていることを特徴とする請求項18に記載の燃料供給モジュール。
【請求項20】
貯蔵部は蓋と蓋に結合された本体とを備え、
前記本体は、前記本体に対して前記燃料ポンプを保持しかつ位置決めするために前記燃料ポンプハウジングの一部を収容する取り付け機構を備えることを特徴とする請求項17に記載の燃料供給モジュール。
【請求項21】
前記マニホールドは外部ポートを備え、
前記ポートから燃料が流出するのを防止するために、プラグが前記ポート内に収容され、
前記燃料ポンプハウジングまたは前記貯蔵部の一部は、前記ポートから前記プラグの長さよりも短い距離に配置されることを特徴とする請求項17に記載の燃料供給モジュール。
【請求項22】
コントローラを動作させるための命令またはプログラムを備えたメモリを有するかまたは関連するコントローラであって、
燃料圧力または燃料流量センサからの出力、燃料ポンプが使用されるエンジンに関連するコントローラからの出力、エンジンのスロットル位置センサ、エンジンの燃料要求および燃料ポンプ用電源の表示、を備えた少なくとも1つの入力と、そしてその大きさが少なくとも一つの入力に依存する電源の燃料ポンプへの出力と、をさらに備えるコントローラを有する燃料ポンプ用制御システム。
【請求項23】
前記燃料ポンプの性能を示す第2の出力をさらに備る、請求項22に記載の燃料ポンプ用制御システム。
【請求項24】
前記出力が無線送信機によって提供されることを特徴とする請求項23に記載の燃料ポンプ用制御システム。
【請求項25】
燃料ポンプに供給されるべき設定電流または速度値と前記燃料ポンプに供給される実際の電流または速度値との間の差を求めるステップと、
前記差を以前の電流値に加算して前記燃料ポンプに供給される指令電流を供給するステップと、
前記指令電流を前記以前の電流として記憶するステップと、
を備えた燃料ポンプの動作方法。
【請求項26】
前記燃料ポンプから放出された燃料の圧力またはバイパスされた燃料の流れをセンサで求めるステップと、
前記燃料ポンプから吐出される燃料の圧力またはバイパスされた燃料の流れの関数として前記燃料ポンプの動作を制御するステップと、
前記センサの障害の有無を判断して、次に、請求項25に記載の前記燃料ポンプに供給される電流または燃料ポンプの速度の関数としてではなく、前記燃料ポンプから排出される燃料の圧力の関数として、またはバイパス燃料流量に基づいて圧力を制御し、センサが故障している場合、請求項25に記載の前記燃料ポンプに供給される電流または前記燃料ポンプの速度の関数として前記燃料ポンプを制御するステップと、
をさらに備える請求項25に記載の燃料ポンプの動作方法。
【請求項27】
前記燃料ポンプの前記出口と連通する入口と、前記入口の燃料圧力がしきい値よりも大きいときに開く弁と、前記弁の開放時に圧力調整器から排出される燃料が通過するバイパス出口と、を有する燃料圧力調整器と、
燃料が前記燃料圧力調整器の前記出口から流れる第1の導管と、
前記第2の入口を画定する開口端を有する第2の導管と、
前記第1の導管および前記第2の導管と連通して両方の導管から燃料ポンプ入口に向かって流体の流れを向ける少なくとも1つの通路を有する入口本体と、
前記入口本体から前記燃料ポンプの前記入口への流体の流量を制御するために、前記入口本体によって支持された少なくとも1つの流量制限器と、
をさらに備えた請求項1に記載の燃料供給モジュール。
【請求項28】
前記流量制限器は、前記入口本体の前記通路内の流体の流れの方向に関して第1の導管と第2の導管との間に配置されていることを特徴とする請求項27に記載の燃料供給モジュール。
【請求項29】
前記入口本体は、前記両方の導管から流れる流体が前記燃料ポンプの前記入口に入る前にチャンバを通って流れなければならないように、燃料ポンプ入口と両方の導管との間にチャンバを備え、
前記チャンバは、前記両方の導管と前記チャンバとを連通する入口と、前記チャンバの入口の高さよりも上に位置する出口とを備えることを特徴とする請求項27に記載の燃料供給モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年9月2日出願の米国仮特許出願第62/383,166号明細書、2016年10月28日出願の米国仮特許出願第62/426,836号明細書、2017年3月28日出願の米国仮特許出願第62/477,663号明細書、および2017年6月26日出願の米国仮特許出願第62/524,813号明細書に基づき、これに対する優先権を主張し、これを参照によって全体的に本明細書に組み込む。
【0002】
本開示は、概して、エンジンによる使用のために加圧下で燃料を供給するための燃料供給モジュールおよび制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
燃料ポンプは、燃料の供給源が収容されている貯蔵部(reservoir)を有する燃料供給モジュールに含めることができ、燃料ポンプは、エンジンで使用するために貯蔵部から燃料を汲み上げる。貯蔵部内の流体は、液体燃料を含むことが多く、また貯蔵部の上部領域、液体燃料の上に集まる空気および燃料蒸気のようなガスも含む。燃料ポンプは、貯蔵部から燃料を汲み出すためにポンピング要素を駆動する電気モータを含むことができる。燃料ポンプモータの改善された制御は、システムの効率を改善し、ポンプに必要な電気エネルギーを低減し、そして燃料圧力およびエンジン燃料需要の関数としてエンジンに燃料を供給する能力を含むシステム性能を改善するために必要とされる。さらに、貯蔵部からの空気および燃料蒸気のパージを制御することが必要または望ましい場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
少なくともいくつかの実装形態では、燃料供給モジュールは、貯蔵部と、この貯蔵部によって支持される燃料ポンプとを備える。貯蔵部は、燃料の供給部を収容するための内部容積を画定する本体および蓋を備え、貯蔵部は、燃料が内部容積に入る入口と、燃料が燃料供給モジュールから排出される出口とを備える。燃料ポンプは貯蔵部によって支持され、燃料ポンプは内部容積から燃料ポンプ内に燃料を取り込むために内部容積と連通する第1の入口と、重力の方向に対して第1の入口の上方に間隔を空けて内部容積から燃料ポンプ内に流体を取り込むための第2の入口とを有する。燃料ポンプは、貯蔵部の出口を通ってエンジンに供給するために流体が排出される出口を備える。
【0005】
少なくともいくつかの実装形態では、燃料供給モジュールは、貯蔵部と、貯蔵部によって支持される燃料ポンプと、燃料ポンプと連通するマニホールドとを備える。貯蔵部は、燃料の供給部を収容するための内部容積と、燃料が内部容積に入る入口と、燃料が燃料供給モジュールから排出される出口とを有する。燃料ポンプは、内部容積から燃料ポンプ内に燃料を取り込むために内部容積と連通する第1の入口と、加圧燃料が排出される出口とを有する。そして、マニホールドは、燃料ポンプ出口と連通する入口と、貯蔵部の出口と連通する第1の出口と、圧力センサと連通する第2の出口と、を有する。マニホールドおよび圧力センサは、マニホールドと貯蔵部との間に圧力センサを収容した状態で内部容積内に収容されており、圧力センサは内部容積と直接には連絡されていない。
【0006】
少なくともいくつかの実装形態では、燃料ポンプのための制御システムは、コントローラの動作のための命令またはプログラムを含むメモリを有するかまたは関連付けられたコントローラを備える。コントローラはまた、燃料圧力または燃料流量センサからの出力、燃料ポンプが使用されるエンジンに関連するコントローラからの出力、エンジンのスロットル位置センサ、エンジンの燃料要求および燃料ポンプ用電源の表示を備えた少なくとも1つの入力と、その大きさが少なくとも1つの入力に依存する電源の燃料ポンプへの出力と、を備える。
【0007】
少なくともいくつかの実装形態では、燃料ポンプの動作方法は、燃料ポンプに供給されるべき設定電流または速度値と前記燃料ポンプに供給される実際の電流または速度値との間の差を求めるステップと、前記差を以前の電流値に加算して前記燃料ポンプに供給される指令電流を供給するステップと、前記指令電流を前記以前の電流として記憶するステップと、を備える。
【0008】
特定の実施形態および最良の形態の以下の詳細な説明は、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】燃料供給モジュールの概略図である。
図2】別の燃料供給モジュールの概略図である。
図3】また別の燃料供給モジュールの概略図である。
図4】さらに別の燃料供給モジュールの概略図である。
図5】燃料ポンプの制御システムの概略図である。
図6】代表的な燃料ポンプ運転データのグラフである。
図7】貯蔵部の上部、マニホールド、圧力センサ、圧力調整器、および燃料ポンプの一部を示す燃料供給モジュールの一部の断面図である。
図8】貯蔵部の下部、入口アダプタおよびポンプ取り付け機構を示す図7の燃料供給モジュールの部分断面図である。
図9】燃料供給モジュールの断面図である。
図10】燃料供給モジュールの斜視図である。
図11図10の燃料供給モジュールのマニホールドの部分断面図である。
図12】燃料供給モジュールの貯蔵部または本体の下部の部分断面図である。
図13】燃料供給モジュールの貯蔵部または本体の下部の部分断面図である。
図14】燃料供給モジュールの貯蔵部または本体の下部の部分断面図である。
図15】燃料供給モジュールの入口本体の断面図である。
図16】燃料供給モジュールの貯蔵部または本体の下部の部分斜視図である。
図17】燃料ポンプ制御方式のチャートである。
図18】燃料ポンプ制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面をより詳細に参照して、図1は、燃料の供給部が収容されている貯蔵部12と、エンジン16による使用のために貯蔵部12から燃料を汲み上げる燃料ポンプ14とを有する燃料供給モジュール10を示している。貯蔵部12は、流体が保持される内部容積22を一緒に画定する本体18および蓋20を含むか、それらによって画定される。流体はしばしば液体燃料24を含み、また液体燃料の上の(重力の方向に関して上の)上部領域25に集まる空気および燃料蒸気のようなガスも含む。燃料ポンプ14は、内部容積22から燃料を取り入れ、燃料の圧力を高め、エンジン16に供給するために加圧下で燃料を放出する。
【0011】
貯蔵部12の本体18および蓋20は、汲み上げられる燃料と共に使用するのに適した任意の所望の材料から形成することができる。貯蔵部12からの漏れを防ぐために、蓋20は本体18に対して封止されてもよい。貯蔵部12は、任意の所望の形状とすることができ、そして任意の所望の内部容積22を提供できる。図示の例では、本体18は、一端が底壁28によって閉鎖され、他端が開放されて構成要素(例えば燃料ポンプ)が内部空間22内に収容されることができるように概して円筒形の側壁26を有する。蓋20は、本体18の上部開口端部を閉じて内部容積22を囲むように本体18に結合されている。少なくともいくつかの実装形態では、貯蔵部12は、それを通して燃料が内部容積22に入ることができる入口30と、そこから燃料が貯蔵器12から放出される出口32とを備える。入口30は、燃料ポンプ14の入口より上のレベルで内部容積22に開口していてもよく、重力下で、または内部容積内に存在し得る内圧下で内部容積から燃料が排出されるのを回避する。少なくともいくつかの実装形態では、入口30は、貯蔵部12の底壁28よりも上壁または蓋20に近い位置で内部容積22に開口している。そして図示の実施形態では、入口30は、内部容積22の全高の1%から50%以内である上壁20の距離内に配置されている。必要に応じて、リフトポンプと呼ばれることもある二次燃料ポンプを内部容積の内側または外側のいずれかに設けて、燃料を燃料供給部34(例えば燃料タンク)から入口30を通して内部容積22に送り込むことができる。図1に示す例では、貯蔵部12の上部領域25は通気されていない、すなわち、上部領域25内のガス状物質は、通気口または通気弁を介して内部容積22から出ることができない。代わりに、ガス状物質は、以下により詳細に説明されるように、上部領域25に開口する第2の入口36を通って燃料ポンプ14に取り込まれる。
【0012】
燃料ポンプ14は、電気モータ38と、このモータによって駆動されるポンピング要素40とを含むことができる。ポンピング要素40は、ジェロータまたはスクリューポンプのような容積式タイプのもの、またはタービンタイプポンプのような求心ポンプのものとすることができる。内部容積22から燃料を取り込むために、燃料ポンプ14は第1の入口42を有する。第1の入口42は、貯蔵部12の底壁28に近づくように内容積22内に配置することができる。いくつかの実施形態では、第1の入口42は、(重力に対して)内部容積22の高さの底部3分の1以内にあり、内部容積の高さの底部10%以内にあってもよい。この位置では、第1の入口42は、燃料供給モジュール10の通常運転中に液体燃料に浸されてもよく、燃料供給モジュール10の通常運転とは主燃料タンク34の燃料が少ない場合及び貯蔵器12がその中に燃料がまったく入っていない低いレベルを有する場合を除く、すべてまたはほぼすべての場合を含み得る。これにより、第1の入口42で液体の頭部が維持され、第1の入口が濡れてポンプ14の性能および効率が向上する。図示の例では、第1の入口42は比較的小さいサイズであり、燃料ポンプ14とは別の本体44内に画定されていてもよく、例えば、燃料ポンプ14のハウジング46または第1の入口42に結合された入口本体44は、ハウジング46内またはハウジング46によって画定されてもよい。少なくともいくつかの実装形態では、第1の入口42は、1mmから12mmの間のサイズ(例えば、直径)を有し得る。入口本体44は、上部領域25に開口し、それを通してガス状物質が第1の入口42に通じる管または他の通路48に引き込まれる第2の入口36を含み得る。少なくとも特定の状況では、いくつかの気体物質が第2の入口36、通路48を通って燃料ポンプ14内に引き込まれ、そして、燃料ポンプ14から排出された液体燃料と混合して燃料ポンプ14の出口49から排出される。
【0013】
ガス状物質がいつ燃料ポンプ14内に引き込まれるかを制御するために、第1の入口42は、それを通る流体の流れを制限するような大きさにすることができる。さらに、モータ38を可変速度で駆動することができ、燃料ポンプ14に吸い込まれる燃料の流量は、モータ速度の関数として変化する。燃料ポンプ14を通る燃料の流速が閾値を下回ると、第2の入口36を横切る圧力降下は管48を通して空気を引き込むのに十分ではなく、液体燃料は管内に残り、空気は貯蔵部12からパージされない。燃料ポンプ14を通る燃料の流速が閾値速度を超えると、第2の入口36を横切る圧力降下は、管48から流体を引き込み、管を通して空気を引き込むのに十分大きい。空気が管48を通って引き込まれて貯蔵部12からパージされると、貯蔵部12内の燃料のレベルは、液体燃料が第2の入口36のレベルになるまで増加する。その燃料レベルでは、燃料の表面より上の空気は貯蔵部12内に閉じ込められてパージされず、ポンプ14は液体燃料を吸い込みそして送り出す。少なくともいくつかの実装形態では、内部容積22内の燃料レベルが貯蔵部入口30の高さよりも低く維持されるように、貯蔵部入口30は第2の入口36の高さよりも上の(重力に対する)高さに配置され、燃料は、貯蔵部入口30を通って燃料タンク34に逆流することはない。もちろん、所望ならば、他の構成を使用することができ、そして燃料タンク34への燃料の逆流を防止するために貯蔵部入口30の相対的な高さに関係なく逆止弁を追加することができる。
【0014】
燃料ポンプ出口49と連通する分岐通路51に逆止弁50を設けて、エンジン16によって要求されるよりも大きい流量で燃料ポンプ14から排出された燃料を貯蔵部12に戻すことができる。逆止弁50は、弁に作用する燃料が閾値圧力を超えたときにのみ弁が開くように、ばねなどによって付勢されてもよい。このようにして、逆止弁50は、所望の最大圧力を超えて燃料を貯蔵部12に戻すようにバイパスする圧力調整器として機能することができる。逆止弁50はまた、燃料ポンプの下流の燃料管路52内にいくらかの燃料を維持して、例えば、エンジンの初期クランキング時にエンジンに供給される準備ができた燃料の供給を維持することによってエンジンの始動を容易にする。エンジン16に通じる燃料ライン52内に燃料が維持されていない場合には、燃料がエンジンに供給される前にそれらの燃料ラインに最初に燃料を充填しなければならない。第2の逆止弁54をポンプ14またはその下流に設けることができ、加圧下の燃料が燃料ポンプ14から排出されることを可能にするが、燃料が燃料ポンプを通って貯蔵部12に逆流するのを防ぐ。
【0015】
管48の長さまたは高さ(したがって、第2の入口36の高さ)は、管48を通して空気を引き込むのに十分な圧力降下を引き起こすのに必要な燃料の流量を決定する1つの要因である。少なくともいくつかの実装形態では、管48は、第2の入口36から管48の最低点までの長さが2〜16インチの間であり得る。そして、第2の入口36は、(内部容積の頂部から底部まで測定して)内部容積22の中心線または中間レベルの上方に配置されてもよい。いくつかの実装形態では、第2の入口36は、内部容積22の上部3分の1以内にあってもよく、いくつかの実装形態では、内部容積の上部の10%以内にあってもよい(すなわち、内部容積の上部から下部までの内部容積の全高の10%以下である内部容積の最上部または最高点からの距離内)。
【0016】
管48を通って引き込まれる空気の流速を決定する他の要因は、第2の入口36の大きさである。第1の入口42は、貯蔵部12から空気を追い出すのに十分な閾値流量で圧力降下をもたらすような大きさにすることができるが、閾値以下の流速では空気をパージしない。例えば、これは、エンジンへの空気の供給が過度にまたは負にエンジン動作に影響を与え得るようなエンジン16がアイドリング中または低速であるときに空気がパージされるのを防止することができる。より高速では、エンジン16は、空気がパージされるときの一時的な空気供給をよりよく処理することができる。したがって、第1および第2の入口36、42は、十分なまたは閾値の燃料流量がエンジン16によって要求され、燃料ポンプ14によって送出されるまで空気が貯蔵部12からパージされないことを確実にするようにサイズ決めできる。少なくともいくつかの実装形態では、第2の入口36は、0.1mm〜3mm以上(例えば、いくつかの実装形態では最大7mm)の直径を有し、約0.05psi〜0.5psiの圧力降下が、空気が管を通って引き込むために必要とされる。少なくともいくつかの実施形態では、システムは、エンジンへの燃料の流れが、全開スロットルエンジン運転をサポートするのに必要な流れの25%〜75%であるときに空気の流れが始まるように較正または構築できる。第2の入口36用のより大きいサイズと組み合わせた第1の入口42用のより小さいサイズは、エンジン始動またはアイドリング前に空気をパージすることを可能にし得るが、これはエンジン始動をわずかに遅らせ、その後のシステム動作および性能を改善し得る。あるいは、第2の入口36のより小さいサイズは、エンジン運転への影響をより少なくしながらより遅い空気パージを可能にし得る。
【0017】
図1に示す燃料供給モジュールに関して説明したように、図2では、燃料供給モジュール100は、本体18および蓋20を含むことができる貯蔵部12と、貯蔵器内の燃料ポンプ14とを備える。燃料供給モジュール10の構成要素と同一または類似の燃料供給モジュール100の構成要素には、燃料供給モジュール100の説明および理解を容易にするために同じ参照番号を付している。
【0018】
この例では、燃料ポンプ14への第1の入口102は制限されていない(すなわち、入口に流入する燃料による入口での著しい圧力降下はない)。代わりに、管または通路48を通して空気を引き込むのに必要な圧力降下はジェットポンプ104によって提供される(ジェットポンプを通る流れが重力の方向に垂直であるように向けられる)。図示の例では、ジェットポンプ104は、少なくともいくつかの動作条件下で流体を通路48内に放出し、それによって通路48内に圧力降下を生じさせて第2の入口36を通して流体を引き込むオリフィスまたはノズル106を含む。ジェットポンプ104は、燃料がエンジン16に供給される前、および場合によっては燃料が貯蔵部12から排出される前に、燃料ポンプ出口49から排出される燃料の一部によって動力を供給され得る。またはジェットポンプ104は、異なる燃料ポンプからの、または燃料レールもしくはインジェクタもしくは貯蔵部の下流側もしくは内側の圧力調整器に流れた後に貯蔵部12に戻される燃料などの異なる燃料流によって動力を供給され得る。どのような原因からも、ノズル106から管48内に流れる流体の速度が、それによって引き起こされる圧力降下の大きさを決定する。そのようにして生じた圧力降下が閾値よりも大きいとき、内部容積22内の液体燃料のレベルが液体燃料のみが通路48とポンプ14に取り込まれる第2の入口36に達するまで流体は第2の入口36を通して引き込まれて貯蔵部から空気を追い出す。また、入口に対するジェットポンプの向き、大きさおよび垂直位置(例えば重力方向に対する高さ)は、その動作に影響を与えるパラメータである。
【0019】
図示の例では、一端が燃料ポンプ出口49と連通し、他端がノズル106と連通するバイパスライン51に逆止弁50が設けられている。逆止弁50は、第2の閾値を超える圧力が作用したときに開き、燃料ポンプ14から吐出される燃料の圧力が第2の閾値を下回るときに燃料がノズル106に流れないように開かないように構成されている。従って、異なる圧力で燃料の出力を提供するために燃料ポンプ14が可変的に駆動される(すなわち、異なる速度または入力パワーで)場合、低速で低出力のエンジン動作に関連して逆止弁50は低圧燃料ポンプ動作中に閉じたままにすることができる。これは、エンジンが低速および低出力で動作しているときに、比較的大きな供給空気を一度に吸い込み、その空気をエンジン16に送ることを回避することができる。低圧燃料ポンプ動作は、そうでなければ、(例えば、燃料ポンプの出力圧力が、エンジンに燃料を供給する燃料噴射器を横切ってほぼ一定の圧力降下をもたらすように比較的均一になるように設計されているシステムにおいて)エンジン16の冷間始動中に起こり得るような低電圧状態に関連し得る。燃料ポンプ14の低電圧動作中、燃料をノズル106にバイパスすることを回避し、その代わりに、燃料の全部または実質的に全部をエンジン16に供給してエンジン動作を支援することが望ましい場合がある。通常の燃料ポンプ動作中、出力燃料圧力は、逆止弁50を開いてノズル106に燃料を供給するのに十分であり得る。そして、ノズルを通るそのような燃料流は、通路48を通って空気を引き込み、内部容積22から空気をパージするのに十分な速度であり得る。少なくともいくつかの実施形態では、燃料圧力がシステム内の公称最大燃料圧力の20%〜80%の間にあるときに逆止弁50が開くことができるし、いくつかのシステムでは最大燃料圧力の40%〜60%の間の圧力で開く逆止弁を備える。ノズル106は、最大燃料圧力が250kPa〜475kPaであるものなど、少なくともいくつかの実施態様では、0.05mm〜0.30mmの流路面積を有することができる。別のシナリオでは、逆止弁は常にまたは通常開いており、ノズルは小さな面積を有しており、さまざまな条件で比較的一貫した空気パージを可能にする。
【0020】
図3の燃料供給モジュール120は、少なくともいくつかの点で前述の燃料供給モジュール10、100と同様であり、また、前述の構成要素と同一または類似の構成要素には、同じ参照番号を使用する。この燃料供給モジュール120はまた、本体18と蓋20とを有する貯蔵部12と、貯蔵部によって支持された燃料ポンプ14とを備える。
【0021】
この例では、燃料ポンプ14は、重力の方向に対してポンプの第1の入口42がポンプの出口49の上方に位置するように反転している。そのように構成されて、第1の入口42は、燃料ポンプ14が作動していないときなどの少なくともいくつかの条件下で、液体燃料24のレベルより上の空間内に配向することができる。この例では、入口管48は、液体燃料に浸され、燃料ポンプの作動中にそれを通して液体燃料が燃料ポンプ14内に引き込まれる第2の入口36に通じている。したがって、燃料ポンプ14が作動しているとき、空気は第1の入口42に引き込まれ、燃料は第2の入口36に引き込まれ、そして入口管48を通して燃料ポンプに供給される。燃料および空気が燃料ポンプ14内に引き込まれる速度は、燃料ポンプを通る流体の流量に従って変化し、それは要求に応じて変化させることができる。第1の入口42のサイズは、第1の入口への空気の流量を制限するために小さく、したがって、空気が燃料ポンプ14から排出される速度を制限する。この構成では、燃料ポンプが作動している限り、内部容積22内の燃料のレベルが第1の入口42を覆うまで、空気が燃料ポンプ14に流入する。
【0022】
少なくともいくつかの実装形態では、第1の入口42は、直径が0.1mmから1mmの間(および/または流路面積が0.0075から0.785mmの間)であり、それを通る空気の流速を制御するようにサイズ設定される。フィルタまたはスクリーン122を使用して、第1の入口42が使用中の汚染物質によって塞がれるのを防ぐことができる。ポンプ出口49と連通するバイパスライン51内の逆止弁50を使用して、燃料供給モジュール120から送出される燃料の最大圧力を制限することができる。
【0023】
したがって、いくつかの例として燃料供給モジュール10、100、120が示されており、そこでは、燃料供給モジュール内の空気が燃料ポンプ14内に引き込まれ、燃料ポンプから吐出された液体燃料と共に燃料供給モジュールから送出される。必要に応じて、燃料および空気を貯蔵部12から引き込み、単一のポンプ14によってそこから送給することができる。したがって、燃料供給モジュール10、100、120は、燃料供給モジュールにコストを追加することになる通気弁を有する必要がない。さらに、しばしば使用される通気弁は、モジュール内のより高い燃料レベルで弁を閉じるための浮動弁要素を含み、これはシステムを複雑にし、モジュールからの燃料および/または炭化水素の漏れの原因となり得る。さらに、そのような通気式モジュールは、通気式ガスから炭化水素を除去し、本質的に清浄な空気を大気に放出するための蒸気キャニスターを含むことが多い。これらのキャニスターはまた、システムにコストと複雑さを追加する。燃料供給モジュール10、100、120の少なくともいくつかは、反転ポンプを使用せずに、単一のポンプで貯蔵部から空気を排出する方法を提供するので、反転ポンプに関連した圧力損失無しに、また管を介して上昇したポンプ入口に燃料を引き込むことなく、燃料をポンプによってより容易に引き込むことができる。図1〜3の例では、単一の吸気口36または42が示されているが、複数の吸気口を設けてもよく、例えば、モジュール内の燃料レベルに応じて、または燃料ポンプによって生じる圧力降下の関数として、モジュールからの空気の流量を変えるために、吸気口のサイズは異なってもよく、内部容積内の垂直位置も異なってよい。
【0024】
図4に示すように、燃料供給モジュール150は2つ以上の燃料ポンプを含むことができる。第1の燃料ポンプ14は、内部容積22から燃料を汲み上げ、エンジン16による使用のために加圧下で燃料供給モジュール150から燃料を放出するように構成することができる。そして第2の燃料ポンプ152は、燃料供給源34(例えば、燃料タンク)から貯蔵部12の内部容積22に燃料を送り込むように構成することができる。第1のポンプ14は、制限された第1の入口42と、空気および/または燃料を第1のポンプに引き込むことができる第2の入口36を有する入口管48とを備えて図1に示すように構成および配置することができる。そして、バイパス通路51および逆止弁50を介して、第1のポンプから排出された燃料を内部容積22または必要に応じて他の場所に送ることができる。図4に示すように、圧力センサ154を第1のポンプ14の出口と関連付けて、(出口49および燃料ライン52を介して)第1のポンプから排出される燃料の圧力を求めることができる。
【0025】
第2のポンプ152は、燃料を燃料供給部34から貯蔵部12内に移動させるための容積式ポンプまたは他の適切な種類のポンプ(例えば、タービン型またはダイアフラム型ポンプ)とすることができる。第2のポンプ152は、貯蔵部12の入口30と連通する入口156と、内部容積22と連通し、それによって第1のポンプ14の第1の入口42と連通する出口158とを有する。第2のポンプ入口156は、貯蔵部12の内壁162によって画定された入口チャンバ160に開口し、入口チャンバ160は、一次チャンバ164と称す内部容積22の残りの部分から分離される。このように、第2のポンプ152によって生じる圧力降下は、一次チャンバ164とではなく入口チャンバ160と連通するので、第2のポンプ152は一次チャンバ164から燃料を吸い込まず、その燃料は第1のポンプ14が利用可能である。逆止弁166を入口チャンバ160と一次チャンバ164との間に設けて、燃料が一次チャンバ164から入口チャンバ160へ流れることを可能にして、少なくとも十分な燃料供給部が一次チャンバ164内に存在するとき、第2のポンプ152が濡れたままであること、またはその入口156を液体燃料に浸すことを確実にする。同様に、入口チャンバ160と燃料供給源34との間に逆止弁168を設けて、入口チャンバ内の燃料が燃料供給源に戻るのを防ぐことができる。最後に、代替の組立体がバイパス通路51から入口チャンバ160へ燃料を供給することができ、そして破線170で示すように、バイパス通路51は、必要に応じて、逆止弁172を通って入口チャンバ160に入り、入口チャンバ160からの燃料の逆流を防ぐことができる。また、この回路を使用することで、両方のポンプが濡れているか、または乾いていないことを確認できる。
【0026】
第1のポンプ14が可変の速度または速度で駆動されるか、または可変の出力流量を供給するとき、第2のポンプ152はまた、エンジン16の要求を満たすのに十分な量の燃料を第1のポンプに確実に供給するために、第2のポンプ152を可変速度で駆動できる。一例では、第2のポンプ152は、第2の圧力センサ174によって決定または感知され得るように、一次チャンバ164内の圧力の関数として駆動され得る。したがって、一次チャンバ164内の圧力が所望の値を下回ると、二次ポンプ152をオンにして、一次チャンバ164内により多くの燃料を供給することができるし、または、第2のポンプがすでに作動している場合は、第2のポンプの出力を上げることができる(例えばポンプモータの速度を上げて出力流量を増やすことができる)。このようにして、一貫した圧力および一貫した体積の燃料が、第1のポンプ14によってポンピングされるのに利用可能である主チャンバ164内に維持され得る。上述のように、圧力センサ154は第1のポンプ14の出口49における圧力を監視し、第1のポンプ14の出力は圧力センサ154における圧力の関数として駆動されてもよいので、エンジンがより少ない燃料を消費しているとき、第1のポンプ14はより低い速度で燃料を出力することができ、またその逆も可能である。したがって、第2のポンプ152は、圧力センサ174で感知された圧力の関数として駆動されてもよく、第1のポンプは、圧力センサ154で感知された圧力の関数として駆動されてもよい。いくつかの例では、60から90kPaの圧力が一次チャンバ164内で望ましいことがあり、そして、圧力センサ174で感知された圧力が設定閾値より小さいとき、第2のポンプ152は燃料を供給するように(又はすでに燃料を供給している場合は、より高い割合で燃料を供給するように)駆動されてもよい。同様に、第2のポンプ152の出力は、一次チャンバ164に開口し、一次チャンバの圧力が閾値以上に上昇したときにそれを通して燃料が一次チャンバに供給される任意の圧力調整器(166で概略的に示す)によって調整され得る。圧力調整器は、必要に応じてダイアフラム型、バイアス付き逆止弁、または他の構造のものとすることができる。閾値(例えば、60から90kPa)よりも大きい圧力差が圧力調整器を横切って存在するときに圧力調整器は開き、燃料が一次チャンバ内に流れることを可能にする。一例として、圧力調整器は、圧力が閾値圧力を超えたときにバイパス弁が開かれるバイパスタイプの調整器であってもよい。圧力スイッチまたは流量センサを使用してバイパス燃料流量を検出し、スイッチまたはセンサからの出力を使用して第2のポンプを制御することができる。
【0027】
第1および第2のポンプ14、152は、ブラシ型ポンプまたはブラシレスポンプとすることができ、ポンプの出力を変えるために可変電圧でまたはパルス幅変調信号によって駆動することができる。例えば、燃料ポンプ14、152の速度および/または出力流量は、燃料ポンプに供給される電力が変化すると変化する。燃料ポンプ14、152に供給されるより低い電圧は、より低い速度および/または出力流量をもたらし、そして燃料ポンプからのより少ない電流引き込みをもたらし得る。このエネルギーの減少はまた、システム内で発生する熱および燃料に供給される熱の減少をもたらす。燃料に提供される熱の減少は、燃料の気化を減少させ、モジュール150からの液体燃料のより安定した供給を可能にすることができる(例えば同伴するガス状物質が少ない液体燃料)。より少ない蒸気/ガスを含む出力がエンジン燃料要求をより容易に満たすので、蒸気発生の減少はまた燃料ポンプを作動させるのに必要とされるエネルギーの減少を可能にし得る。燃料ポンプの熱の減少は、燃料ポンプの寿命を延ばすことができ、(例えば使用時に水が汲み上げられるウォータージャケットまたはウォーターチャンバーを用いた)海洋用途における燃料ポンプの水冷など、燃料ポンプまたは燃料供給モジュールの二次冷却を提供する必要性を排除することができる。ポンプを通る燃料の流れ、および燃料ポンプの外部の周りへの燃料の供給は、燃料ポンプの二次冷却なしにポンプを冷却するのに十分であり得る。これらの利点はまた、可変式/駆動式ポンプ14を利用することができる燃料供給モジュール10、100、および120にも提供することができる。
【0028】
次に、第2のポンプ152は、一次チャンバの圧力を監視する圧力センサ174を必要とせずに、第1のポンプ14の出力の関数として駆動することができる。第2のポンプ152は、例えば、過剰な流れを一次チャンバ164から迂回させることを可能にする圧力調整器166に連結することができる。第2のポンプ152は、第1のポンプ14の動作を支援するために圧力調整器166と組み合わせて第2のポンプが十分な燃料を一次チャンバ164内に確実に供給するように他の方法で制御されてもよい。例えば、第1のポンプ14の電流引き込みまたは駆動周波数は、監視または感知され、第2のポンプ152の動作を制御するコントローラ180への入力として使用されてもよい。使用中、第1のポンプ14の電流引き込みまたは駆動周波数は出力燃料流量と相関させることができ、その情報は第2のポンプ152の動作を制御するために使用することができるので、第1のポンプ14の作動を支援するのに十分な燃料が一次チャンバ164内に供給される。さらに、第2のポンプ152は、第2のポンプの電圧および電流引き込みを感知することによって、そして第2のポンプの出力を変えるために必要に応じて第2のポンプに供給される電流を変えることによって調整され得る。さらに、圧力調整器166から出る燃料の流量の流量計または他のセンサを設けてもよく、そのような計器またはセンサからの出力を用いて第2のポンプ152を制御してもよい。さらに、圧力調整器166を含めることで、第2のポンプ152は、1つまたは複数のエンジンシステムからのフィードバックを介して決定され得るエンジン需要の関数として制御され得る。例えば、スロットル位置センサ182は、燃料噴射器の動作(例えば、ソレノイド184のデューティサイクルまたは噴射器の他の電気機械式弁)またはエンジン16に関連する他のシステムと同様に、エンジン燃料要求に関する情報を提供することができる。したがって、第1のポンプ14の流量は、燃料システムの要求(例えば、エンジンの燃料要求)に適合させることができ、そして、第2のポンプ152の流量は、第1のポンプ14の必要性の関数として制御されて、両方のポンプ14、152を駆動するのに必要なエネルギーを減らし、両方のポンプによって発生する熱を減らし、そして燃料の加熱を減らす。
【0029】
第1のポンプ14は、120kPaから1,000kPaの間など、比較的高い圧力で燃料を供給することができ、これは、本明細書に開示される他の燃料供給モジュール10、100、120の少なくともいくつかの実装形態ではポンプ14に当てはまる。第2のポンプ152は、10kPaから200kPaの間の圧力で燃料を供給することができる。燃料供給モジュール150は、船舶(例えば、ボートもしくは小型滑走艇、または陸上ベースの乗り物)と共に使用するように適合させることができる。第1のポンプ14および第2のポンプ152の両方は、入口チャンバ160および一次チャンバ164からの燃料の引き込みを容易にするために、それらの入口がそれらの出口よりも低くなるように向けられてもよい。必要に応じて、一方または両方のポンプを逆にすることができる。
【0030】
さらに、第2のポンプ152の電流引き込みを監視して、第2のポンプが燃料をポンピングしているかどうか、または第2のポンプの入口156に十分な燃料がないかどうかを判断することができる。第2のポンプ152が液体燃料を汲み上げているかどうかが未知である状況では、燃料が第2のポンプの入口156で利用可能でない場合、ポンプの引き込みは変化する(一般に、それはより低くなる)。したがって、閾値期間の間に第2のポンプの異なる(例えばより低い)消費電流を検出することは、少なくともそのような期間の間、入口チャンバ160への燃料の供給が停止したことの指標として使用することができる。これは、主燃料タンク34が空またはほぼ空になった場合、または燃料が一時的に入口チャンバ160に利用できなくなる主タンク34内の燃料のスロッシングまたは他の動きのために起こり得る。(例えば、ポンプを通る液体燃料の流れによって通常提供される冷却の欠如のために)乾燥状態で長時間運転される場合に起こり得る燃料ポンプ152の損傷を防ぐために、第2のポンプ152の動作は、低電流引き込み条件が少なくともしきい値期間の間検出または決定されたときに停止できる。エンジンの運転を支援するために第1のポンプ14によって汲み上げられるのに不十分な燃料が利用可能であるとき、エンジン16は運転を停止するが、これは第2のポンプ152がもはや一次チャンバ164内の燃料の量に起因して燃料をポンピングしていないときよりも後で起こり得る。
【0031】
少なくともいくつかの実施形態では、主燃料タンク34が空になったとき、オペレータはその状態を修正しなければならず、次いでエンジン16の再始動時または再始動の試み時に、第2ポンプ152は再び作動可能になる(例えば、イグニッションキーをオフ位置に回すとシステムがリセットされ、イグニッションキーがオン位置またはスタート位置に回されたときにポンプが再び作動可能になり、エンジン停止時に電源をオフにするとシステムがリセットされるので、キーが使用されているかどうかにかかわらず、エンジンの再始動を試みるとシステムは再び使用可能になる)。主燃料タンク34内の燃料のスロッシュまたは動きが、入口チャンバ160および一次チャンバ164にとって燃料を利用不可能にした場合、エンジン16の再始動の試みは、燃料が入口チャンバ160に利用可能である場合には成功でき、そして、第2のポンプ152は、エンジンの再始動の試みを支援するために作動可能にすることができる。ここで、オペレータは低燃料状態に注意を喚起されてもよく、したがって主燃料タンクに追加するために追加の燃料を探す。
【0032】
図5は、燃料システム内の1つまたは複数の燃料ポンプ14、152を制御するように動作可能な燃料ポンプ制御装置202を備えた制御システム200を示す。ポンプコントローラ202は、エンジンコントローラに情報を提供し、エンジンコントローラから情報を受信するために、車両またはエンジンコントローラ204と通信することができる。ポンプコントローラ202はまた、圧力センサ206、圧力調整器バイパス流量センサ208、燃料噴射器電圧センサなどのような1つまたは複数のセンサと、およびバッテリーなどの燃料ポンプのための電源210と通信することができる。さらに、ポンプコントローラ202は、動作命令または他のプログラムおよびアルゴリズム、ならびにエンジン、ポンプ、またはエンジンとポンプの両方に関連する動作データを含むメモリまたは記憶装置212を備えるかまたはそれらに関連することができる。ポンプコントローラ202との通信は、例えば、プログラムまたは他の情報をコントローラに提供するために、またはコントローラからデータやその他の情報を受信するために、1つまたは複数のワイヤを介して、または無線送信機214によって無線で(任意の所望のプロトコル、たとえばwifiまたはブルートゥース(登録商標)などを利用して)行われ得る。いくつかの実装形態では、ポンプコントローラ202は、燃料ポンプ14のハウジング46または燃料貯蔵部内に配置されてもよく、燃料ポンプを通る燃料流によって冷却されてもよく、またはポンプコントローラは、燃料ポンプの外側に配置され、1つまたは複数のワイヤを介して燃料ポンプと通信してもよい。
【0033】
メモリ212は、1つまたは複数の記憶装置等を含む、任意の非一時的コンピュータ利用可能またはコンピュータ可読媒体を含み得る。例示的な非一時的コンピュータ利用可能記憶装置は、従来のコンピュータシステムのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読み出し専用メモリ)、EPROM(消去可能、プログラム可能ROM)、EEPROM(電気的消去可能、プログラム可能ROM)、および磁気または光ディスクまたはテープを含む。少なくとも1つの実施形態では、ポンプコントローラ202のメモリはEEPROM装置またはフラッシュメモリ装置を備える。
【0034】
ポンプコントローラ202は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積または個別部品を含む電子制御回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等を含む、電子命令を処理することができる任意の種類の装置であり得る1つまたは複数のプロセッサも含み得る。プロセッサは、ポンプコントローラ専用に使用される専用プロセッサとすることも、他の車両やエンジンシステムと共有することもできる。プロセッサ(単数または複数)は、メモリに格納され得るソフトウェアまたはファームウェアプログラムなどの様々な種類のデジタルに格納された命令を実行して、ポンプコントローラを機能させることを可能にする。例えば、プロセッサは、プログラムを実行し、データおよび/または命令を処理し、それにより、本明細書で論じるように燃料ポンプの少なくとも1つの属性を制御することができる。少なくとも一実施形態では、プロセッサは、ハードウェア、ソフトウェア、またはその両方で構成することができる。
【0035】
図5に示す例のように、ポンプ制御装置202は、図4を参照して説明した第1および第2のポンプ14、152などの2つのポンプの動作を制御するために1つまたは複数の入力を使用する。コントローラに提供される代表的な入力は、1つまたは複数の圧力センサまたは流量センサ(例えば、図4に示す圧力センサ154、174)からの出力216、218、エンジンコントローラ204から(またはセンサから直接)提供され得るスロットル位置センサ182からの出力220、エンジンマニホールド圧力に応答する圧力センサからの出力222、及びエンジン燃料需要を決定するセンサからの出力224を含む。さらなる入力は、情報がポンプコントローラに関連するメモリに格納されることを可能にする入力226、エンジンコントローラから少なくとも一時的にポンプコントローラ記憶装置に記憶されるべきデータを受け取る入力228、電源から供給される電力および燃料噴射器電圧データを受け取る入力230、及びバイパス流量を測定するセンサからの入力を含む。ポンプコントローラ202からの代表的な出力は、エンジンコントローラ204へのデータまたは他の情報(例えば、ポンプ動作データおよび診断情報)を含む出力232、エンジン制御装置への燃料圧力を示す出力234、診断または他のデータを外部情報源238(例えばコンピュータまたは診断機器)に送るための出力236、第1のポンプ14のための出力240、および、第2ポンプ152のための出力242を含む。出力240および242は電力出力とすることができ、ポンプ14、152に供給される電圧はポンプから必要とされる燃料需要に従って変化することができる。このようにして、燃料ポンプ14、152は、必要に応じて、そして本明細書に記載の様々な可能性に従って制御することができる。さらに、燃料ポンプ14、152の動作をエンジンコントローラ204と通信して、エンジン16および燃料システムを共に所望の動作にすることを確実にし、可能にすることができる。これは、とりわけ上述のようにエネルギー消費および熱発生を低減するための実際の要求に従って燃料ポンプ14、152を動作させることを容易にすることができる。
【0036】
図6は、ポンプ制御装置202とエンジン制御装置204との間で共有することができる、または外部供給源238に提供することができるグラフおよび関連データを含む。図6に示されているものに加えて、またはその代わりに、他のデータ等が通信されてもよい。図6では、ポンプコントローラ202は、そのメモリに格納された、現在インストールされているプログラムまたは制御ソフトウェア(フィールド244に示す)、プログラムがコントローラにロードされた日時をフィールド246に、制御ソフトウェアがコントローラにロードされた回数をフィールド248に、コントローラ202、エンジン16または他の構成要素の総実行時間をフィールド250に、コントローラ202の最後の実行時間をフィールド252に、エンジン停止数をフィールド254に、エンストまたは意図しない停止の数をフィールド256に、そして、時間の関数としてのエンジン速度の棒グラフ258を表示している。ここでは、エンジン回転数は500rpm間隔で、棒グラフはエンジンが各500rpm間隔で運転された時間(時間単位)を示す。例えば、チャートは、エンジンが合計約1.4時間の間2,000rpmと2,500rpmの間の速度で、そして約2時間の間4,500rpmと5,000rpmの間の速度で運転されたことを示している。総時間は、必要に応じてコントローラの最後のプログラミングから、または合計時間にすることができる。もちろん、必要に応じて他のデータを提供することができる。データは、構成要素の性能、運転時間、耐久性を決定するために、あるいはシステムまたは構成要素の誤動作または異常を検出するためなどの他の目的のために使用され得る。
【0037】
さらに、圧力センサ(例えばセンサ174)またはレベルセンサからの情報と組み合わせてポンプの動作を変える能力を有するコントローラは、燃料蒸気および/またはコンテナ内の空気の相対レベルを決定するためのアルゴリズムを開発することを可能にする。例えば、コンテナを満たすためにポンプを全負荷で運転するように促す液体10%および蒸気90%の組み合わせが存在する。一例では、容積が一杯になるかまたは燃料が一杯になる(最大所望レベルまで充填される)場合、ポンプの流量を変えることによって燃料を加えるかまたは燃料レベルを下げると、圧力はより急速に変わる。空気中で運転していると判断されたときにポンプの最高速度を制限し、空気中で運転しているときにポンプに起こり得る損傷を制限するためにアルゴリズムを使用することができる。
【0038】
図7図9は、貯蔵部304の蓋または上部302、貯蔵部の内部容積310内の燃料ポンプ308の出口306、燃料ポンプ出口306に連結された入口314を有するマニホールド312、マニホールド312の第1の出口318と連通しているモジュール300から燃料が排出される貯蔵部304の出口316、マニホールドの第2の出口322と連通する圧力調整器320、およびマニホールドの第3の出口325と連絡しているセンサ324を備えた燃料供給モジュール300の一部を示す。マニホールド312、圧力調整器320およびセンサ324はすべて、モジュール300によって支持され、そして少なくともいくつかの実装形態では、構成要素はすべて、貯蔵部304の内部容積310内に収容される。これらの構成要素は、上述したように、また以下でさらに説明するように、モジュール300から排出される燃料の流量および圧力を制御するように機能することができる。
【0039】
燃料が燃料ポンプ308を通って貯蔵部304内に逆流するのを防ぐために、逆止弁326を燃料ポンプ出口306と動作可能に関連付けることができる。逆止弁326は、燃料ポンプ出口306からの流体の流出を可能にするが、燃料の逆流を阻止または防止する。逆止弁326は、マニホールド312によって、燃料ポンプ308のハウジング328によって、またはその両方によって支持される。図示の実施形態では、逆止弁326は、マニホールドの入口314の少なくとも一部を画定する、および/またはマニホールドの入口314に通じるマニホールド312のキャビティ330内に少なくとも部分的に収容され、そして、逆止弁326は、燃料ポンプ308のハウジング構成要素(例えばエンドキャップ)内の通路によって画定することができる燃料ポンプハウジング328の出口306と係合しているかまたはその中に少なくとも部分的に収容されている。したがって、逆止弁326は、燃料ポンプ308とマニホールド312との間にインターフェースを提供することができる。適切なシール332を設けて、出口とマニホールドとの間のインターフェースからの燃料漏れを防止することができる。逆止弁326を通って流れる燃料は、マニホールド312に放出され、そして燃料の一部は、マニホールドの第1、第2および第3の出口と連通している。第1の出口318に流れる燃料の一部は、貯蔵部304から排出され、その後燃料システム内で所望通りに送られる。燃料の残りの部分は、調整器320およびセンサ324の一方または両方と連絡している。
【0040】
第2の出口322に流入する燃料は、任意の所望の構造および配置のものであり得る圧力調整器320と連通される。図示されるように、弁要素334は、燃料が圧力調整器320のバイパス出口336を通って貯蔵部の内部容積310に逆流するのを防止される(または少なくとも抑制される)閉位置に降伏可能に付勢され、燃料は貯蔵部の内部容積310に戻って燃料ポンプ308によって再び汲み出される。弁体334に作用する燃料の圧力が閾値圧力を超える(すなわち、弁体を閉じた状態に保つ力よりも大きい)と、弁体は開かれ、燃料はバイパス出口336から流出する。したがって、マニホールド312内の燃料は閾値圧力以下に維持され、それによって、貯蔵部出口316から排出される燃料は閾値圧力以下になる。ジェット340(図7)または他の流量制御装置が弁要素334の上流に設けられてもよく、第2の出口322への燃料の流量を制御するために減少した流路面積のオリフィスまたは通路を有してもよい。ジェット340は、マニホールド312とは別体の部品であってもよく、組立時に、またはマニホールドが形成されるプロセス(例えばインサート成形プロセス)中にマニホールド312内に挿入される。異なる用途で異なる流速を達成するために、同じ構造のマニホールドに異なるジェットを使用することができる。このようにして、所望に応じて、1つのマニホールド設計を異なる弁、圧力センサと共に、そして燃料供給モジュールの異なる用途において使用することができる。ジェット340はまた、マニホールド312内に一体的に形成されてもよい。
【0041】
本明細書で論じるように、1つまたは複数の圧力センサ324をシステム内で使用して燃料ポンプの動作を制御することができる。図7に示す例では、圧力センサ324は、第3マニホールド出口325を介して燃料ポンプ308から吐出された燃料と連通する。燃料圧力センサ324は、ひずみゲージのような様々なトランスデューサ型センサ、ならびに容量性、誘導性および圧電性センサを含むがこれらに限定されない任意の所望の種類のものとすることができる。図示の例では、圧力センサ324は、第3のマニホールド出口326と連通しており、第3のマニホールド出口326に結合されてシールされて内部に燃料を受け入れる入口本体342を備える。入口本体は、センサ素子が加圧燃料によって作用されるように、センサ素子346の一方の側に開口するチャンバ344の少なくとも一部を画定することができる。センサ素子346の反対側には、基準チャンバ348をセンサのハウジングによって、またはモジュール貯蔵部(例えば上部302)によって画定することができる。図示の例では、センサ324は、モジュール貯蔵部304に一体化されており、他の方法でモジュール貯蔵部に組み込まれていても、または組み込まれていてもよいが、内蔵型ユニットではない。基準チャンバ348は、モジュール貯蔵部304の基準入口350(図7)に開口していてもよい。基準入口350は、例えば、大気またはエンジンの吸気マニホールドのような他の圧力源と連通することができる。信号線352は、センサ素子346からモジュール貯蔵部304内のポート354を通って延在してもよく、必要に応じて圧力センサ324からのデータを通信するためにコントローラまたは他のインターフェースに経路指定されてもよい。信号線352、および圧力センサ324に関連付けられてモジュール貯蔵部304内に収容された任意の電気要素/電子機器は、基準チャンバ348から封止されてもよく、そうでなければ、ワイヤ352が通過することができ、(例えば、Oリング、接着剤、ポッティング、溶接などによって)ポート354の端部の上流でモジュール貯蔵部304に封止されることができるプラグ356によって封止されてもよい。
【0042】
組み立てを単純化し、加圧燃料が構成要素を移動またはシフトさせるのを阻止または防止するために、マニホールド312をモジュール貯蔵部304に固定することができる。図示の実施形態では、マニホールド312は、蓋およびマニホールドの1つまたは複数の相手方接続機構などによって、蓋または貯蔵部の上部302にしっかりと固定されている。図示されるように、接続機構は、蓋302に対するマニホールド312の位置を維持するために、整列された穴と、穴に受け入れられたねじ358(図7)または他の締結具とを備える。他の接続機構、例えばラッチ、スナップ嵌合または締まり嵌め機構が使用でき、またはその代わりに、構成要素を互いに接着するために接着剤、溶接、ヒートステーキングなどを使用することができる。
【0043】
図8に示すように、モジュール貯蔵部304内に燃料ポンプ308を保持および/または配置するために、モジュール貯蔵部の下部360は、ブラケット、ボスなどの1つまたは複数の取り付け機構362を含むことができ、そこには燃料ポンプハウジング328の一部が収容されている。図示の例では、取り付け機構362は、モジュール貯蔵部304の下部360の残りの部分と同じ材料から一体的に形成された1つまたは複数の壁362を含む。壁362は、燃料ポンプハウジング328の入口端部キャップ362が収容されるソケットを画定することができる。したがって、燃料ポンプ308は、マニホールド312とモジュール貯蔵部304の下部360との間に捕捉され、それによって、モジュール貯蔵部またはマニホールド312に対して軸方向に移動することを抑制または防止される。さらに、ゴムまたはエラストマーアイソレータを壁362によって形成されたキャビティ内に設置して、ポンプをモジュール貯蔵部304から機械的に隔離することができる。
【0044】
燃料ポンプ308はまた、上述のように他の構成要素を含んでもよく、モジュール貯蔵部304および/またはマニホールド312は、そのような構成要素を収容または支持するように構成されてもよい。例えば、燃料が燃料ポンプ内に引き込まれるときに燃料を濾過するために、燃料ポンプ入口にフィルタを設けることができる。フィルタは、燃料ポンプハウジング328の入口端部キャップ366に結合された取り付け本体または入口アダプタ364を備えることができ、そして、取り付け機構362は、入口エンドキャップ366の代わりにまたはそれに加えて入口アダプタ364と協働して、同じ効果(すなわち、燃料ポンプ/燃料ポンプアセンブリの保持)を達成することができる。さらに、燃料ポンプ308は、本明細書に記載のように管48(図8)を含むことができ、管は、モジュール貯蔵部304およびマニホールド312の一方または両方によって支持することができる。図示の例では、管48は、マニホールド312から延在するか、そうでなければマニホールド312によって画定されるブラケット368に結合するか、またはブラケット368によって支持することができる。
【0045】
図8、9に示すように、入口アダプタ364は、貯蔵部内部容積310から燃料ポンプハウジング入口370への流れ経路の一部を画定する制限された入口(例えば、管48内など)を有することができ、それは燃料ポンプ入口370への空気および/または燃料の流れを制御するように構成される。管48は入口アダプタ364に結合されてもよく、そして、入口アダプタ364は、モジュール貯蔵部304の下部360(取り付け機構と係合されるかまたは取り付け機構によって保持される)と燃料ポンプハウジング328の入口端部キャップ366との間に捕捉されてもよい。このようにして、比較的簡単な組み立て手順を達成することができ、広範囲の燃料供給モジュール用途に必要な部品数を減らすことができる。
【0046】
組み立てにおいて、マニホールド312はモジュール貯蔵部上部302に連結されてもよく、燃料ポンプ308は、ポンプ出口306をマニホールド入口314に挿入することによって(その間に適切なシールをして)マニホールドに連結することができ、入口アダプタ364は入口端部キャップ366に結合されてもよく、そして、貯蔵部下側360(例えば本体)は、入口アダプタ364に取り付けられ、貯蔵部上側302(例えば蓋)に固定されてもよい。さらに、図9に最もよく示されるように、マニホールド312の1つまたは複数の通路は、内部穿孔または成形通路によって形成することができ、また、マニホールド312の外部にある少なくとも1つのポート372は、望ましくない燃料がマニホールドから流出するのを防ぐためにプラグ374によって閉じる必要がある場合がある。図示の例では、マニホールドがモジュール貯蔵部内に設置されたときにポート372がプラグ374の長さよりもモジュール貯蔵部304の壁376の近くに位置するように、マニホールド312およびモジュール貯蔵部304が配置されている。このようにして、たとえプラグ374がマニホールド312内の流体圧力によって変位したとしても、プラグが貯蔵部壁376と係合することによってプラグはポート372内に保持される。言い換えれば、壁376は、ポート372からのプラグ374の排出に対するバックストップを提供する。少なくともいくつかの実装形態では、マニホールドポート372は、貯蔵部壁の5mm以内に配置され、いくつかの用途では壁の2または3mm以内にある。マニホールド312内またはマニホールド312上に構成要素を保持するのを助けるために、燃料ポンプ308がマニホールド312に結合されると、燃料ポンプハウジング328の一部が構成要素と重なり合ってもよい。図示の例では、燃料ポンプハウジング328は、圧力調整器320が収容されているマニホールド312内のポケット380からの圧力調整器の移動を阻止または防止するために、圧力調整器320の少なくとも一部と重なっている。燃料ポンプ308は、マニホールド312内の加圧燃料が圧力調整器320に作用する方向とは反対の停止面を提供する。それに加えてまたはその代わりに、燃料ポンプ308は、マニホールドに対するこれらの構成要素のうちの1つまたは複数の保持を助けるために、プラグ372の一部、圧力センサ324の一部、またはその両方と重なり合ってもよい。
【0047】
図10図13は、略カップ形状の貯蔵部402、貯蔵部402の開口端を閉じる蓋または上部404、貯蔵部の内部容積410内の燃料ポンプ408の出口406、蓋404と一体であるかまたはそれによって画定され、燃料ポンプ出口406に結合された入口414を有するマニホールド412、燃料が燃料供給モジュール400から排出される出口に通じているマニホールド412の第1の出口416、圧力センサ420、およびマニホールドの第2の出口422を備えた燃料供給モジュール400を示す。これらの構成要素は、上述したように、また以下でさらに説明するように、とりわけ、燃料供給モジュール400から排出される燃料の流量および圧力を制御するように機能し得る。
【0048】
図11に示すように、マニホールド412は、ポンプ408による吸い込みのために流体を貯蔵部402の底部に運ぶ通路(例えば導管428内に画定される)内に流体ジェット424および圧力調整器426を収容する。流体が導管428を下って移動すると、それは角を曲がり、ジェットポンプのように機能し得る第2のジェット430(図12)に入る。ジェット430を出る流体は、モジュール400の蓋404付近で開いている通路432(図10および図12に示すように配置された管内に少なくとも部分的に画定される)の端部またはモジュール400が収容される燃料タンクの頂部と連通する圧力の低下を生じさせる。通路432におけるこの圧力降下は、管/通路432の頂部から空気を引き込み、それをポンプ408の入口433に向けて送る。
【0049】
サージングによる過剰な空気または蒸気のポンプ入口への進入を防止するために、開放管、ポートまたは通路434および流量制限器436の一方または両方がジェット430とポンプ入口433との間の通路438にさらに配置される。開放通路434は、過剰の空気が通路438(ベンチュリ管のように作用し得る)から出ることを可能にし、流れ制限器436はさらに、ポンプ入口433への空気または蒸気または流体の流れを禁止または制限する。また、2つのジェット424および430(1つはレギュレータ426の上流にあり、もう1つは下流にある)の組み合わせは、ジェットポンプのポンピング動作をさらに制御することを可能にする。導管428および432は、燃料供給モジュールの入口本体439の継手435、437に結合することができる。入口本体439は、ジェット430、通路434、438、流量制限器436、および燃料ポンプ入口に通じる主入口通路制限部444を支持または備えることができる。入口本体439はまた、燃料ポンプ入口に流れる燃料から少なくともいくらかの汚染物質を除去するためにフィルタまたはスクリーン446を支持することができ、それらの間を燃料がモジュール内の周囲の体積からフィルタ446および入口通路制限部444に流れることを可能にするスタンドオフまたは脚部448を提供し得る。
【0050】
また、図13に示されるように、少なくともいくつかの実装形態では、流体が貯蔵部402の頂部から垂直に配向され得るかまたはそうでなければモジュール400の上部(例えば、空気/蒸気空間内)近くに開口端部を含み得る管または通路440を通ってポンプ入口433に入るための追加の経路を作り出すことによって、モジュール設計にさらなる柔軟性が加えられる。この通路440は、通路440を通って流れる流体が燃料ポンプ入口433に入る前に絞り444を通って流れないように、主入口通路絞り444の上にある端部442で開口している。追加の通路444を使用する1つの目的は、ポンプが生成する速度をわずかに超える速度で貯蔵部402内の空気または蒸気を吸い込むことを可能にすることである。この追加の通路444は、エンジンアイドル速度を超えるエンジン速度で、より高い流速での蒸気の摂取を可能にするであろう。
【0051】
図14図16は、燃料供給モジュール用の燃料ポンプアセンブリ450、特に燃料ポンプ408用の入口本体452の別の構成を示している。入口本体439と同様に、図14に示すように、入口本体452は、導管428、432に結合された1つ以上の取り付け具435、437およびインサート(例えば入口本体とは別に形成された構成要素)又は入口本体452と一体的に形成された通路438の小径部分によって画定される第2のジェット430を含み得る。ジェット430は、燃料ポンプ入口433に向かう燃料流路に関して、通路438内かつ継手435、437の間、したがって導管428、432の間にある。入口本体452と一体のジェット430を形成するのを助けるために、または別個のジェットを入口本体内に挿入するのを助けるために、通路438は入口本体を通って外面454まで延びることができ、燃料が入口本体からプラグの方向に流れ出るのを防止するためのプラグ456によって閉じることができる。
【0052】
図14に示す実施形態では、通路438は、ポンプ入口通路462に通じる出口ポート460を有する管またはチャンバ458に通じる。通路438は、第1の高さに配置されているチャンバの入口464でチャンバ458内に開口するかまたは連通し、ポンプ入口通路462は、第2の高さにあるチャンバ出口ポート460を介してチャンバ458内に開口するか又はこれと連通し、そして、第2の高さは、重力の方向に関して、第1の高さより高いかまたは大きい。少なくともいくつかの実装形態では、第2の高さは、ポンプ入口通路462の入口端にある出口ポート460の中心で測定され、第1の高さは、チャンバ入口464の中心で測定され、そして、第2の高さは第1の高さより少なくとも2mm大きい。チャンバ458または管は、少なくともいくつかの実装形態では第1の高さ以下であるその下端466で開口し得る。ポート468、470は、通路438と同軸上に整列させることができ、例えば入口本体452が形成されている金型内にコアを挿入することによって一体型ジェットの形成を容易にすることができる。いくつかの実装形態では、ポート468、470が設けられている場合、それを通る燃料の流れを防ぐために栓をするかまたは塞いでもよい。貯蔵部からの燃料は、入口本体452の脚部448間の間隙を含むがこれに限定されない他のポートまたは流れ領域を通ってフィルタ446に到達することができる。
【0053】
ポンプ入口通路462は、通路438およびチャンバ458または管よりも小さい流路面積を有する部分を少なくとも含み得る。減少した流れ面積は、入口本体と一体的であり得るか、または別個のインサートもしくはジェットによる制限によって画定され得る。ポンプ入口通路462の出口端472は、ポンプ入口通路から燃料ポンプ408への流体の直接収集のために入口本体内のフィルタ446および入口絞り444の上に配置されてもよい。ポンプ入口通路462は、出口472が第2の高さよりも大きい第3の高さにあるように角度を付けることができる。ポンプ入口通路462の中心線と通路438の中心線との間の角度αは、45〜75度である。ポンプ入口通路462の制限された流路面積および角度は、それを通る流体の流速を減少させる傾向があり、液体燃料または過剰な蒸気を第2の高さと同じかそれより低い高さである開口下端部466または出口ポート468を通してチャンバ458から流出させる傾向があり、そして、空気または燃料蒸気がポンプ入口通路462を通って制御された速度で引き込まれて燃料ポンプ408によってポンピングされる傾向がある。
【0054】
図15および図16は、チャンバ458からの第2の出口ポートがない(例えば、ポンプ入口本体452のようにポート468がない)入口本体480を示す。代わりに、通路438と軸方向に整列してデフレクタ482が設けられ、流体はポンプ入口通路462またはチャンバの開放下端466のいずれかを通ってチャンバ458から出なければならない。図15に示すように、デフレクタ482は、チャンバ458の一部を画定する入口本体480の壁によって画定される。図16に示すように、デフレクタ482は、入口本体480に結合されているかまたは別の方法で支持されているが入口本体とは別に形成されている偏向本体484の壁によって画定されている。図16に示すように、チャンバ458は、部分的に入口本体480によって、また部分的にデフレクタ本体484によって画定される。図16に示す実施形態では、デフレクタ本体484は、チャンバ458の下端466の全部または大部分を囲む下壁486を含み、出口ポート488は、入口本体480およびデフレクタ本体484の一方または両方によって画定される。また図示されるように、デフレクタ本体484は、出口ポート488と位置合わせされ、出口ポートから出る流体の流れの方向に対して少なくとも部分的に対向または垂直に配置された壁490によって画定される第2のデフレクタを含み得る。さらに、第2のデフレクタ490は、後壁すなわちデフレクタ482から燃料ポンプ408から離れる方向に延びており、下部壁486は、デフレクタ壁482まで部分的にまたは完全に延びている。そのように配置されて、デフレクタ本体484は、燃料ポンプの入口から離れるように開口する壁482、486、490の間の燃料出口領域494を画定し、その結果、燃料および空気/蒸気は、チャンバ458から出て燃料ポンプの入口から離れる。したがって、液体燃料および排出された蒸気は、空気または蒸気が燃料ポンプ入口に向けられないように、ポンプ入口から離れて貯蔵部の内部410に向けられる。少なくともいくつかの燃料流条件下では、チャンバからの流出はかなり乱流となり、燃料に泡立ちおよび泡立ちを引き起こす可能性がある。泡または気泡のポンプ内への摂取は、エンジンへの燃料供給を不安定にし、エンジン動作に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、デフレクタ本体484は、より乱流をポンプ入口から遠ざけて貯蔵部内部容積内のより大きな容積の燃料に向けるように働き、そこでフロスおよび気泡は、燃料ポンプに取り込まれる前に沈降する。
【0055】
上述のように、燃料供給モジュールまたは燃料供給システムは、燃料ポンプから排出される燃料の圧力またはバイパスされた燃料の流れの関数として燃料ポンプの閉ループフィードバック制御を可能にするための圧力または流れセンサを含み得る。また上述したように、バイパスされた燃料流の存在を検出する流量センサと共にバイパス圧力調整器を使用することができる。この点に関するセンサは、必要に応じて、バイパスされた燃料流の存在を示すスイッチ等であり得、その結果、燃料ポンプ出力は、バイパス流を最小化し、それによってポンプ出力を所望の値またはその近くに保持するためのアルゴリズムまたは他の制御方式(例えばPWM制御)を用いて出力を低減するために調整され得る。少なくともいくつかの実施形態では、エンジン燃料需要が既知であり、速度および/または電圧および圧力に基づいて燃料ポンプを制御するためにアルゴリズム/制御方式が使用された場合、これら2つの相対的な差は、特定の圧力調整器のバイパス流を許容するためだけに使用することができる。この制御されたバイパス流が0lph(little per hour)に非常に近い場合、圧力センサ調整システムと比較してこのタイプのシステムの動作にはほとんどまたは全く違いはなく、少なくともいくつかの実施形態ではバイパス流れ制御システムはより安価であり得る。
【0056】
燃料の流れを制御する方法の他の例は、米国特許第6,279,541号明細書に定義されているように、圧力調整器を使用して圧力調整器のバイパスを検知し制御することであり、その開示は全体が参照により本明細書に組み込まれる。一実施態様では、前記米国特許によって教示されたシステムは、ポンプ出力と消費されたエンジン流との間の差を検証するために、著名なバイパス流スイッチを含めることによって変更することができる。これらの考えを組み合わせることの利点は、何らかの理由で燃料ポンプの出力流量が低下した場合に、センサ/フロースイッチを使用して、ポンプ性能のシフトに対応するためのアルゴリズムまたは方式に基づいて出力流量を検証または修正することができることである。図17および図18は、センサまたはスイッチがアクティブであり、かつセンサまたはスイッチが故障しているかそうでなければ非アクティブである場合の両方で燃料ポンプを制御するためのシステムおよび方法を示す。
【0057】
図17は、所望の電流値または燃料ポンプモータ速度値が502に設定され、504において誤差値に加算されるシステム500を示す。燃料ポンプに供給されるフィードバック電流またはモータ速度は、506で検知または決定され、504で値から差し引かれ、そして得られた値は、510において燃料ポンプに供給される燃料ポンプへの指令電流を508において調整するためにコントローラ507によって使用される。指令電流は512でサンプリングされ記憶され、508で調整に加えられ、そして、508での調整された前の指令電流は、次の指令電流になるので、その結果、指令された電流は、508での調整係数と512で記憶された以前の電流値との関数である。車両(例えばボートまたは船舶)が運転されて使用に供されるように、燃料ポンプ出力は、少なくともエンジンの運転を維持するのに十分に、燃料ポンプに供給される電流に合理的に追従する。様々なものが、電流制御に基づいて燃料ポンプを正確に作動させる能力に影響を与える。例えば、異なる車両/船舶ではしばしば異なる燃料システム構成要素の容積、機械式バルブ等の変動、貯蔵部内の燃料の容積などである。したがって、このモードの電流制御は、他の可能性の中でも、「リンプホーム」モードとして使用することができ、そこでは船舶やその乗客が離れた場所に立ち往生しないようにするために、ボートや他の乗り物が何らかの減速または公称速度で運転されることがある。この制御モードは、圧力センサの故障後に少なくともいくらかのエンジン動作を可能にするための冗長燃料ポンプ制御方式を提供する。
【0058】
図18は基本燃料ポンプ制御方法518のフローチャートである。方法は、520で、または522でモータを始動すると開始する。次に、524で、モータが回転しているかどうかが判定され、回転していない場合、方法は522に戻り、モータが始動するのを待つ。モータが作動している場合、方法は526に続き、燃料ポンプは流量センサフィードバックの閉ループ圧力に基づいて制御される。528で、圧力センサが故障したかどうかが判定される。圧力センサが故障していなければ、燃料ポンプの閉ループ圧力またはバイパス流量センサフィードバック制御が継続する。圧力センサの故障が検出された場合、方法は530に進み、そこで燃料ポンプは、図17に示されたような燃料ポンプ電流制御方式に基づいて作動される。このモードは、モータが作動しなくなるまで(例えば、キーをオフ位置に回すことなどによってエンジンが停止されるまで)アクティブのままであり得る。エンジンを再始動すると(例えば、キーがオンにされるかまたは開始位置になると)、方法は520で開始に戻り、上記のステップを繰り返すことができる。必要に応じて、圧力センサまたはバイパス流量センサが正しく動作していないと判断または検出されたときに、故障表示(例えば、車両ディスプレイパネル上のサービスエンジンライトの点灯)を提供することができる。したがって、現在の制御方法は、圧力または流量ベースの閉ループ制御方式に障害が発生した場合にバックアップまたは二次制御方式を提供することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、ジェットポンプ出口および燃料ポンプ入口は、50cc以上の液体燃料が貯蔵部内にあるときに液体燃料に浸される。システムは、エンジン吸気マニホールドのように、大気圧未満の圧力源を基準とする燃料圧力調整器も含むことができる。圧力調整器からのバイパス流は、流体をジェットポンプに送る第1の導管と、第1の導管に取り付けられるかまたは第1の導管から分岐接続部(例えばT接続部)から流れを受ける流れスイッチとに供給し得て、流れスイッチの出力信号はシステムを制御するのに使用することができる(例えば、流れスイッチに燃料が存在して第1の出力を生じさせ、スイッチに燃料流が存在しないことによって、出力しない場合を含む異なる出力を生じさせる)。
【0060】
本明細書に開示された本発明の形態は現在好ましい実施形態を構成し、他の多くの形態および実施形態が可能である。本明細書では、本発明の全ての可能な同等の形態または派生に言及することを意図していない。本明細書で使用される用語は限定的ではなく単なる説明的なものであり、本発明の精神または範囲から逸脱することなく様々な変更がなされ得ることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】