特表2019-526764(P2019-526764A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーメンス アクティエンゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特表2019526764-ガスシール 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-526764(P2019-526764A)
(43)【公表日】2019年9月19日
(54)【発明の名称】ガスシール
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/34 20060101AFI20190823BHJP
   F16J 15/40 20060101ALI20190823BHJP
【FI】
   F16J15/34 Z
   F16J15/40 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-513983(P2019-513983)
(86)(22)【出願日】2017年8月22日
(85)【翻訳文提出日】2019年4月11日
(86)【国際出願番号】EP2017071109
(87)【国際公開番号】WO2018050406
(87)【国際公開日】20180322
(31)【優先権主張番号】16188480.4
(32)【優先日】2016年9月13日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517298149
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・キルヒナー
【テーマコード(参考)】
3J041
3J042
【Fターム(参考)】
3J041AA02
3J041BA04
3J041BA11
3J041BD06
3J041DA12
3J042AA04
3J042AA13
3J042BA03
3J042DA20
(57)【要約】
本発明は、軸(X)に関して周方向(CDR)に延在するガスシールに、特に乾燥ガスシールに関し、このガスシールは、回転スリップリング(RSR)及び静止スリップリング(SSR)を備え、静止スリップリング(SSR)は、軸方向に移動可能である。ガスシール(GDS)は、スリップスリーブ(SLV)を備え、スリップスリーブ(SLV)は、第1スライド面(SSF1)を用いて、第2スライド面(SSF2)上で静止スリップリング(SSR)を軸方向移動方向に案内する。ガスシールは、スリップスリーブ(SLV)がガスシール(GDS)のステータ(STS)に固定されることを特徴としており、スリップスリーブ(SLV)は、周方向(CDR)に延在する第1凹所(RZ1)を有し、ステータ(STS)は、固定領域において第1凹所(RZ1)とは反対側にありかつ周方向(CDR)に延在する第2凹所(RZ2)を有し、それにより、第1凹所(RZ1)及び第2凹所(RZ2)は、周方向(CDR)に延在する共通のキャビティ(CRV)を画成する。キャビティ(CRV)には、第1凹所(RZ1)及び第2凹所(RZ2)を少なくとも部分的に満たす細長い固定素子(FXE)があり、それにより、固定素子(FXE)が径方向に変形したときにのみ、非制限的な軸方向相対移動は、可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸(X)に関して周方向(CDR)に延在するガスシール、特に乾燥ガスシールであって、
回転スライドリング(RSR)及び静止スライドリング(SSR)を備え、
前記静止スライドリング(SSR)が、軸方向に移動可能であり、
前記ガスシール(GDS)が、スライドスリーブ(SLV)を備え、
第1スライド面(SSF1)を用いて、前記スライドスリーブ(SLV)が、軸方向の移動方向に沿って、第2スライド面(SSF2)上で前記静止スライドリング(SSR)を径方向に案内し、
前記スライドスリーブ(SLV)が、前記ガスシール(GDS)のステータ(STS)に固定されており、
前記スライドスリーブ(SLV)が、前記周方向(CDR)に延在する第1凹所(RZ1)を有し、前記ステータ(STS)が、前記周方向(CDR)に沿って延在しかつ固定領域において前記第1凹所(RZ1)の反対側に位置する第2凹所(RZ2)を有し、それにより、前記第1凹所(RZ1)及び前記第2凹所(RZ2)が、環状の態様で前記周方向(CDR)に延在する共通のキャビティ(CAV)を画成し、
前記キャビティ(CAV)には、前記第1凹所(RZ1)及び前記第2凹所(RZ2)を少なくとも部分的に満たす細長い固定素子(FXE)が配設されており、それにより、前記固定素子(FXE)が径方向に変形したときにのみ、非制限的な軸方向相対移動が可能であることを特徴とするガスシール。
【請求項2】
前記スライドスリーブ(SLV)が、セラミックからなり、前記ステータ(STS)が、金属からなることを特徴とする請求項1に記載のガスシール。
【請求項3】
前記固定素子(FXE)が、前記固定素子(FXE)の長手方向に関して横方向に曲げ変形能が設けられるように、弾性変形されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガスシール。
【請求項4】
前記ステータ(STS)または前記スライドスリーブ(SLV)が、前記キャビティ(CAV)内へ開口する挿入チャネル(ASC)を有し、それにより、前記固定素子(FXE)が、前記挿入チャネル(ASC)を通して前記キャビティ(CAV)内へ導入されることが可能であることを特徴とする請求項3に記載のガスシール。
【請求項5】
前記挿入チャネル(ASC)が、少なくとも部分的に、前記キャビティ(CAV)に関してほぼ接線方向に延在していることを特徴とする請求項4に記載のガスシール。
【請求項6】
前記スライドスリーブ(SLV)が、少なくとも部分的に、炭化タングステンまたは炭化ケイ素からなることを特徴とする請求項2に記載のガスシール。
【請求項7】
前記固定素子(FXE)が、螺旋バネの形態で、特にチューブバネまたはウォームバネの形態で、設計されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のガスシール。
【請求項8】
前記固定素子(FXE)が、ワイヤの形態で、特に中実ワイヤの形態で、設計されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のガスシール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスシールに、特に乾燥ガスシールに関し、このガスシールは、軸に関して周方向に延在し、回転スライドリング及び静止スライドリングを備えており、静止スライドリングは、軸方向に移動可能であり、ガスシールは、スライドスリーブを備え、第1スライド面を用いて、スライドスリーブは、軸方向移動方向に沿って第2スライド面上で静止スライドリングを径方向に案内する。
【背景技術】
【0002】
導入部で規定されたタイプのガスシールまたは乾燥ガスシールは、様々な公報からすでに公知である。これら公報の例は、特許文献1、2である。
【0003】
上記タイプの乾燥ガスシールは、一般に、セラミックからなる、特に炭化ケイ素または炭化タングステンから製造された構成部材を備える。セラミック構成部材は、通常、静止及び/または回転スライドリングと、必要に応じて隣接素子と、である。特許文献からのさらなる例は、特許文献3がある。
【0004】
導入部で規定されたタイプのガスシールは、特許文献4からすでに公知である。特許文献5は、異なる材料からなる2つの構成部材を同心接続するために螺旋バネを使用することを示している。
【0005】
これらセラミック材料の熱膨張は、約3.5x10−6m/Kにメートルを乗じたものに達する。これと比較して、一般にシールのこれらセラミックに隣接して取り付けられた材料である鋼鉄の熱膨張は、約11x10−6m/Kにメートルを乗じたものに達する。熱膨張係数間のこの差の結果として生じるセラミック構成部材と鋼鉄構成部材との間の相対的な膨張は、相応に補償されなければならず、セラミックの軸シール構成部材を鋼鉄構成部材に単純に固定することは、選択肢にはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2014/037150号
【特許文献2】国際公開第2014/023581号
【特許文献3】独国特許第3925403号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0177161号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第0315941号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、導入部で規定されたガスシールのセラミック構成部材を鋼鉄構成部材に固定するための高性能かつ簡素な技術的解決法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を達成するために、導入部で規定されたタイプのガスシールであって請求項1の特徴部分における追加の特徴を有するガスシールを提案する。後方を参照した従属請求項は、本発明の有利な改良点を包含する。
【0009】
「軸方向」、「径方向」、「接線方向」または「周方向」の用語は、特定されていなければ、本発明にかかるガスシールが延在している周方向における中心軸に関する。一般的に、上記軸は、シャフトの回転軸と同軸であり、この回転軸に関して、ガスシールは、回転可能なシャフトすなわちロータと筐体との間の間隙をシールするために、シャフトシールを形成する。わかっていることは、従来技術においてガスシールのスライドスリーブをガスシールのステータにまたは他の筐体構成部材に固定することが、大部分において非常に煩わしく、大量の空間を取る、特に径方向で大量の空間を取る設計に寄与すること、である。
【0010】
好ましくは、本発明にかかるシャフトシールまたはガスシールは、独立して移送可能なインサート(しばしばカートリッジとも称される)の形態で設計されており、その結果、このモジュール性により、例えば欠陥のあるガスシールを正常なガスシールと簡易に交換することが可能となる。原則的に、本発明によれば、ステータを、機械の筐体における直接的な、必要に応じて単一片の、構成部材とすることが可能となり、例えば径方向ターボ圧縮機であるこの機械には、ガスシールが設置されている。
【0011】
本発明の1つの有利な改善は、ガイドスリーブがセラミックからなる、特に炭化ケイ素または炭化タングステンからなることを提供する。スライドリング及びスライドスリーブは、好ましくは、セラミックの恒久的な高い寸法精度要件のため、上記セラミックからなる。
【0012】
固定素子を有利に簡素な態様で取り付けることができるようにするために、有利な改善によれば、固定素子は、固定素子の長手方向に関して横方向に曲げ変形性が提供されるように、弾性的に形成されている。このようにして、固定素子は、相応に曲がって、好ましくは接線方向で、周方向に延在する湾曲キャビティ内に挿入されることが可能となる。特に好ましくは、このために、ステータまたはスライドスリーブ自体は、キャビティ内に開口する挿入チャネルを有しており、それにより、固定素子は、挿入チャネルを通してキャビティ内に導入されることができる。挿入チャネルは、好都合には、周方向に延在するキャビティに対して接線方向に延在する。
【0013】
別の有利な改善は、固定素子が、同様に、径方向に変形可能な態様で設計されていることを提供する。このために、固定素子は、特に、螺旋バネの形態で、特に好ましくは、チューブバネまたはウォームバネの形態で、設計され得る。原則的に、ここで、固定素子が弾性材料からまたは例えば螺旋状に形付けられた鋼鉄の外形からなることが可能となり、このプロファイルは、特に好ましくは、平坦な外径を有する。螺旋バネまたは固定素子は、ほぼ遊びのない態様でキャビティ内に導入され得る、または、スライドスリーブをステータにしっかりと固定するようにキャビティ内に配設され得る。固定素子の弾性変形は、特に軸方向において、ガスシールの弾性の追加の利点を引き起こす。軸方向の可撓性にかかわらず、本発明にかかるスライドスリーブを固定することは、特に振動に関して、必要な安定性を確立するのに十分である。例えばターボ機械の場合においてロータが軸方向に振動するので、スライドスリーブを固定する際における追加の軸方向の弾性は、シールに関して特に有利である。
【0014】
図面を参照した例示的な実施形態に基づいて、本発明を以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明にかかるガスシールを通る長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明にかかるガスシールを通る長手方向断面図を示しており、この図は、隣接筐体CAS及び隣接シャフトSHを有する。
【0017】
本発明にかかるガスシールDGSは、筐体CAS及びシャフトSHとは独立して輸送されることが可能なインサートの形態で設計されている。
【0018】
ロータリングRRGは、2つの肩部SH1、SH2を用いてシャフトSHに径方向及び軸方向に固定されており、肩部SH1、SH2のうちの少なくとも一方または2つは、詳細には図示されていない方法で取り外し可能な態様でシャフトSHに固定されている。ロータリングRRGは、シャフトSHに向けて、回転静止シールRSSを有する。
【0019】
この図において、左側には、機械内圧P2があり、右側には、より低い外圧P1がある。
【0020】
回転スライドリングRSRは、ウォームバネRSEを用いてロータリングRRGに固定されており、ウォームバネRSEにより、径方向の変形のみを伴って目標位置から回転スライドリングRSRを外へ軸方向に移動させることが可能となる。回転スライドリングRSRは、第2回転静止シールRS2を用いてロータリングRRGに関してシールされている。
【0021】
回転スライドリングRSRにおけるシール面SFCの軸方向の反対側には、対応するシール面SFCを有する静止スライドリングSSRがあり、押圧素子PSEを用いて、バネSPRは、回転スライドリングのシール面SFCを介して、静止スライドリングSSRを回転スライドリングRSRに当接させて軸方向に押圧する。
【0022】
押圧素子PSEは、周方向に延在する2つの部分である第1部分PSE1及び第2部分PSE2に軸方向で分割されており、バネSPRを用いて、2つの部分は、互いに軸方向に当接してかつ静止スライドリングSSRに軸方向に当接して押圧されている。第1部分PSE1は、金属で設計されており、第2部分PSE2は、好ましくはスライドスリーブSLVと同じセラミックからなるセラミックで設計されており、このスライドスリーブは、周方向に延在し、押圧素子PSE及び静止スライドリングSSRの軸方向の移動のためのガイドとして機能する。スライドスリーブSLVと第2部分PSE2との間の遊びは、小さくなるように形成されており、その結果、第2部分、ひいては押圧素子PSE全体は、径方向で備え付けられかつ軸方向に変位可能な態様で案内される。静止スライドリングSSR及び押圧素子PSEに関するスライドスリーブSLVの径方向の遊びの図解は、図面には示されておらず、同様に、遊びを小さくする任意の比率が可能であり、同様に、径方向の遊びの比率は、図示した態様で再現されていない。
【0023】
第2部分PSE2には、軸方向突起APRが設けられており、この軸方向突起は、静止スライドリングSSRの第2接触面CS2に当接する第1軸方向接触面CS1を有する。2つの接触面CS1、CS2は、互いに当接して重ね合わされる態様で形成されており、その結果、ほとんど遊びのない接触は、シールとして機能する。
【0024】
周方向に延在するテフロン(登録商標)シールTFLは、2つの部分の間に配設されており、押圧素子PSEの接触圧を用いて静止スライドリングSSRに保持されており、それにより、2つの部分PSE1、PSE2は、互いにシール式に当接して位置する。
【0025】
静止スライドリングSSRは、若干の径方向の遊びを有してスライドスリーブSLV上を軸方向に変位可能な態様でガイドされ、それにより、移動自由度は、軸方向の移動に制限される。同様に、押圧素子PSEの第2部分PSE2は、同様に備え付けられている。静止スライドリングSSR及びスライドスリーブSLV双方は、炭化タングステンまたは炭化ケイ素から製造されている。
【0026】
押圧素子PSEのテフロンシールTFLは、押圧素子PSEの2つの部分PSE1、PSE2間の接触面を越えて径方向内側に延在する。テフロンシールTFLは、同様に、押圧素子PSEとスライドスリーブSLVとの間の移行点を越えてより高い圧力の側に軸方向に延在している。スライドスリーブSLVと押圧素子PSEの第2部分PSEとの間の小さな径方向の遊びにより、テフロンシールTFLは、圧力を受けて、若干のみこの径方向の間隙内へ押し出され、それにより、シール動作を確実にする。
【0027】
静止スライドスリーブSLVは、固定素子FXEを用いてステータSTSに固定されており、同時に、ステータSTSは、ガスシールDGSの筐体CSCに固定されている。
【0028】
キャビティCAVは、ステータSTSにおける、周方向CDRに延在する第1凹所RZ1と周方向CDRに延在しかつ固定領域の反対側に位置する第2凹所RZ2とによって画成されている。
【0029】
ガスシールDGSの筐体CSCは、OリングシールORGを用いて、ターボ機械の筐体CASに関してシールされている。原則的に、ターボ機械の筐体及びガスシールDGSの筐体CSCは、同様に、単一の構成部材であることを想定され得る。固定素子FXEは、ほぼ接線方向の挿入チャネルASCを通してキャビティCAV内へ接線方向で導入されることができる。
【0030】
固定素子FXEは、ウォームバネの形態で設計されており、したがって、固定素子は、基本的に、好ましくは金属材料からなる螺旋バネである。シールする目的で、ステータシールSSSは、同様に、スライドスリーブSLVとステータSTSとの間に設けられ、外圧P1と内圧P2との間の圧力差を維持する。
【0031】
あるいは、固定素子FXEは、ワイヤの形態で、特に中実のすなわち横断面で計画的な空隙がないワイヤの形態で設計され得る。ワイヤの形態にある設計は、特に、コスト効率が高く、固定素子FXEがほぼ接線方向の挿入チャネルASCを通してキャビティCAV内に接線方向で導入され得る可能性に良好に適合する。この場合において、ワイヤの変形能は、一般に、異なる膨張係数を補償するのに十分である。
【0032】
所望の位置に固定する目的で、テフロンシールTFLは、周方向CDRに延在する螺旋状バネ素子HSCを用いて、径方向内側に突出しかつスライドスリーブSLVに当接する端部を径方向に押圧し、それにより、特に静止スライドリングSSRとスライドスリーブSLVとの間の領域における、圧力差は、テフロンシールTFLによってシールされる。この場合において、テフロンシールTFLは、スライドスリーブSLVと押圧素子との間の間隙内に部分的に押し出される。螺旋状バネ素子HSCは、この目的に適した位置でのみテフロンシールTFLを保持する。
【符号の説明】
【0033】
ASC 挿入チャネル、CAV キャビティ、CDR 周方向、FXE 固定素子、GDS ガスシール、RSR 回転スライドリング、RZ1 第1凹所、RZ2 第2凹所、SLV スライドスリーブ、SSF1 第1スライド面、SSF2 第2スライド面、SSR 静止スライドリング、STS ステータ、X 軸
図1
【国際調査報告】