(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-527564(P2019-527564A)
(43)【公表日】2019年10月3日
(54)【発明の名称】可搬式の軽量播種装置
(51)【国際特許分類】
A01C 7/20 20060101AFI20190906BHJP
【FI】
A01C7/20 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-529125(P2019-529125)
(86)(22)【出願日】2017年8月9日
(85)【翻訳文提出日】2019年4月2日
(86)【国際出願番号】MY2017000029
(87)【国際公開番号】WO2018030889
(87)【国際公開日】20180215
(31)【優先権主張番号】PI2016702905
(32)【優先日】2016年8月10日
(33)【優先権主張国】MY
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519047152
【氏名又は名称】ワルダニア タニ エスディーエヌ ビーエイチディー
【氏名又は名称原語表記】WALDANIA TANI SDN BHD
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】オスマン ムハンマド フィトリ
(72)【発明者】
【氏名】オスマン ムハンマド リズアン
(72)【発明者】
【氏名】オスマン ムハンマド フィルハン
(72)【発明者】
【氏名】オスマン シディク ファディル
【テーマコード(参考)】
2B054
【Fターム(参考)】
2B054AA17
2B054AA20
2B054BA01
2B054BB03
2B054CA06
2B054DD02
2B054DD12
2B054DD22
2B054DD29
2B054DD30
(57)【要約】
種子トレイ内の種子植え付け用の可搬式の播種装置であって、種子保持プレートであって前記種子保持プレート上で種子の供給分を保有するよう適合され、また前記種子保持プレート上で前記種子を分配するよう適合された穴を有する種子保持プレートと、真空圧を蓄積するよう適合され、また前記種子保持プレートに接触する、真空室と、前記真空室内に真空圧を付与する真空発生機と、播種装置の片手での操作に適合された、前記真空室上に形成されたハンドルと、を備え、前記真空発生機は、前記ハンドルと一体的に形成され、前記真空室内への真空効果の付与により、真空吸引が前記保持プレート上の種子に付与されることで、前記種子が前記種子保持プレートの穴上に保持され、その後、前記装置は前記種子保持トレイの上で逆さに保持され、前記真空効果が失われ、また前記種子が、前記種子を植え付けるために前記穴から前記種子トレイに解放される、装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種子トレイ内の種子植え付け用の可搬式の播種装置であって、
種子保持プレートであって前記種子保持プレート上で種子の供給分を保有するよう適合され、また前記種子保持プレート上で前記種子を分配するよう適合された穴を備える種子保持プレートと、
前記真空室上に形成されたハンドルと、
真空圧を蓄積するよう適合され、また前記種子保持プレートに接触する、真空室と、
真空圧を提供する真空発生機と、を備え、
前記真空発生機は、前記真空室内に真空効果を付与するとともに前記播種装置を片手で操作するためのハンドルに隣接して一体的に設けられ、
前記真空室内への真空効果の付与により、真空吸引が前記種子保持プレート上の前記種子に付与されることで、前記種子が前記種子保持プレートの前記穴上に保持され、その後、前記装置が前記種子トレイの上で逆さに保持され、前記真空効果が失われ、前記種子が、前記種子を植え付けるために前記穴から前記種子トレイに解放される、装置。
【請求項2】
前記種子保持プレートは、前記真空室の側面の少なくとも1つの側面に沿って摺動可能であるよう適合された、前記種子保持プレートを前記種子トレイとそろえる種子トレイガイドをさらに備える、請求項1に記載の可搬式の播種装置。
【請求項3】
前記真空室は、前記種子トレイガイドを受けるよう適合された各側壁上に形成された延長部を含んで、前記延長部に沿った摺動を提供する、請求項2に記載の可搬式の播種装置。
【請求項4】
前記種子トレイガイドは、開口部を有する細長いブラケットと前記真空室の前記側壁に沿った所定位置で前記細長いブラケットを固定する固着機構とを備える、請求項2に記載の可搬式の播種装置。
【請求項5】
前記固着機構は切込みを有する平坦なストリップを有し、前記ストリップの少なくとも一方の端部は、前記細長いブラケット上に形成された開口部を通って挿入可能であるよう適合された、請求項4に記載の可搬式の播種装置。
【請求項6】
前記真空室の前記側壁に沿って所定位置で前記ブラケットを固着するため、ストリップは開口部内に挿入され、また切込みはストリップが開口部から引き離されることを防止する、請求項2に記載の可搬式の播種装置。
【請求項7】
前記装置が前記種子トレイの上で逆さにされる場合に前記種子を格納または保持する種子だめをさらに備える、請求項1に記載の可搬式の播種装置。
【請求項8】
前記種子だめは前記真空室の少なくとも1つの側壁上に取り外し可能に固定される、請求項3に記載の可搬式の播種装置。
【請求項9】
前記種子トレイガイドは、1組のブラケットであって、各ブラケットは前記種子保持プレートの少なくとも1つの側面に沿って摺動可能であるよう適合されたブラケットと、前記ブラケットを前記側壁に沿った望ましい位置で固定する固着機構とを備える、請求項2に記載の可搬式の播種装置。
【請求項10】
前記種子トレイガイドは単軸または二軸に基づいた調整を可能にする、請求項2に記載の可搬式の播種装置。
【請求項11】
前記真空発生機に電力供給する前記真空発生機に接続した電源コードをさらに備える、請求項1に記載の可搬式の播種装置。
【請求項12】
前記穴は、様々なサイズの種子の供給分を保有するよう適合され、また、所定の距離で互いに離れて形成された空間である、請求項1に記載の可搬式の播種装置。
【請求項13】
前記種子保持プレートは、穴が開いた部分と、前記穴が開いた部分から鉛直に延在する側壁とを含む、請求項1に記載の可搬式の播種装置。
【請求項14】
前記種子保持プレートの前記穴が開いた部分は、前記真空室に接触している、請求項9に記載の可搬式の播種装置。
【請求項15】
前記真空室は、前記種子保持プレートを収容する寸法とされた、請求項1に記載の可搬式の播種装置。
【請求項16】
前記真空室は前記真空発生機を収容する突起部を含む、請求項1に記載の可搬式の播種装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に播種装置とシステムとに関し、より詳細には、種子の植え付けを容易にする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多分割された播種トレイ上の種子の供給分を、苗床または他の適切な植栽領域に移す前に分配することがしばしば望まれる。播種トレイの補助を用いて、種子は、種子が進化または成長するのに十分なスペースを有するよう配置され得る。分配される種子のサイズと、典型的には分配される種子は数が多いこととにより、種子が播種トレイの各セグメント内または各区画内に正確に割り当てられることを確実にするために手動で、特に手で種子を分配する作業は時間がかかり、困難であり得る。種子の不正確な分配と置き間違いとは種子の供給分の途絶した成長と無駄とをもたらし得る。この問題に部分的に対処すべく、播種トレイ内の種子の分配の自動化機構を可能にするため、または提供するための様々な機械と器具とが開発されている。しかしながら、これらの機械の大多数は複数の複雑な部品を備えており、その結果、ユーザはそれらを取り扱う際、または操作する際に困難に直面し得る。さらに、複数の複雑な部品を有することは、通常、複雑性と相当な保守の必要性とを生じる。
【0003】
従来技術の播種器具の実施例が、テッシュ(Tesch)氏に対し特許された米国特許第4,573,609号において開示されており、ここで、半自動化プロセスにおいて、平坦面上または種子植え付けトレイ上の長方形アレイ内の適切な位置内に種子を分配する器具が提供されている。器具は2つの別個の部品を備えており、1つは、植え付けつけられる種子より小さいサイズの穴の長方形アレイをその中に有し、また天板の四方を囲む直立側壁を有する平坦な天板を有する種子分配トレイであり、もう1つは、ホースによって分配トレイに接続された、種子分配トレイに真空吸引を付与する真空掃除機である。複数の別個の部品を備えることから、目に見えて、当該器具は、分配トレイを取り扱って種子をその上に均等に割り当てる者と真空供給を操作する者との2人の人間によって操作されなくてはならないよう適合されている。そのような必要性は、種子植え付け作業に1人のオペレータのみしか参加できない場合に大変面倒であり得る。これとは別に、オペレータが両方の分離した部品を運ぶ必要があることから、播種位置または播種領域に真空掃除機を運ぶことを含む、移動性は限られる。
【0004】
本発明の目的は、上述した従来の播種装置と播種器具との明白な欠点の少なくとも1つを緩和することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4573609号
【発明の概要】
【0006】
一態様において、本発明は、種子トレイ内の種子植え付け用の可搬式の播種装置であって、種子保持プレートであって当該種子保持プレート上で種子の供給分を保有するよう適合され、また当該種子保持プレート上で種子を分配するよう適合された穴を備える種子保持プレートと、播種装置の片手での操作に適合された真空室上に形成されたハンドルと、真空圧を蓄積するよう適合され、また種子保持プレートに接触する、真空室と、真空室内に真空効果を付与するハンドルに隣接して一体的に設けられた真空発生機と、を備え、真空室内への真空効果の付与により、真空吸引が当該保持プレート上の種子に付与されることで、種子が種子保持プレートの穴上に保持され、その後、装置は種子トレイの上で逆さに保持され、真空効果が失われ、当該種子は、種子を植え付けるために当該穴から当該種子トレイ内に解放される、装置を提供する。
【0007】
好ましくは、種子保持プレートは、真空室の側面の少なくとも1つの側面に沿って摺動可能であるよう適合された、種子保持プレートを種子トレイとそろえる種子トレイガイドをさらに備える。
【0008】
好ましくは、真空室は、種子トレイガイドを受けるよう適合された各側壁上に形成された延長部を含んで、当該延長部に沿った摺動を提供する。
【0009】
好ましい一実施形態では、種子トレイガイドは、開口部を有する細長いブラケットと真空室の側壁に沿った所定位置で細長いブラケットを固定する固着機構とを備える。
【0010】
固着機構は切込みを有するストリップを含み、ストリップの少なくとも一方の端部は、細長いブラケット上に形成された開口部を通って挿入可能であるよう適合される。真空室の側壁に沿って所定位置でブラケットを固定、または固着するため、ストリップは開口部内に挿入され、また切込みはストリップが開口部から引き離されることを防止する。
【0011】
可搬式の播種装置は、装置が種子トレイの上で逆さにされる場合に種子を格納または保持する種子だめをさらに備える。種子だめは真空室の少なくとも1つの側壁上に取り外し可能に固定される。
【0012】
好ましくは、種子トレイガイドは1組のブラケットであって、各ブラケットは種子保持プレートの少なくとも1つの側面に沿って摺動可能であるよう適合されたブラケットと、前記ブラケットを前記側壁に沿った望ましい位置で固定する固着機構とを備える。
【0013】
種子トレイガイドは単軸または二軸に基づいた調整を可能にする。
【0014】
好ましくは、可搬式の播種装置は、真空発生機に電力供給する真空発生機に接続した電源コードをさらに備える。
【0015】
種子保持プレートの上の穴は、様々なサイズの種子の供給分を保有するよう適合され、また、所定の距離で互いに離れて形成された空間である。
【0016】
好ましい一実施形態では、種子保持プレートは、穴が開いた部分と当該穴が開いた部分から鉛直に延在する側壁とを含み、ここで種子保持プレートの穴が開いた部分は真空室に接触している。
【0017】
真空室は、種子保持プレートを収容する寸法とされ、また、真空発生機を収容する突起部を含む。
【0018】
本発明の実施形態は、添付図面と共に以下の説明を参照してさらに良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態による播種装置の全体図である。
【
図2】本発明の実施形態による種子保持プレートの立面図である。
【
図3】本発明の実施形態による固着機構を有する種子トレイガイド部材を示す図である。
【
図4A】本発明の実施形態による真空室の斜視図である。
【
図4B】本発明の実施形態による真空室の斜視図である。
【
図4C】本発明の実施形態による真空室の斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態による播種装置の真空発生機を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態による播種装置の種子だめの立面図である。
【
図7】本発明の実施形態による播種装置の操作に含まれるステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上記の概要に基づいて、本発明の特徴を理解するため、複数の特定の、かつ代替的な実施形態の以下の記述を提供する。しかしながら、そのような特定の詳細を伴わずに本発明を実施できることは当業者にとっては明らかであろう。本発明が不明瞭とならないように、いくつかの詳細については長々と説明しない場合がある。参照の便宜上、複数の図に共通する同一または同様の特徴を参照するときには複数の図を通して共通の参照数字が使用される。
【0021】
本発明の播種装置は、可搬式であって、軽量であるよう適合され、また、片手で操作され得る。播種装置のすべての部材はプラスチック材から構成され、また容易に取り外すことができ、したがって保守を容易にするためにモジュール方式を可能にする。
【0022】
図1に最も良く示すように、一実施形態では、播種トレイ内の種子植え付け用の可搬式の播種装置100は、種子保持プレート20上で種子の供給分を保有するよう適合され、また前記種子保持プレート20の上で種子を分配するよう適合された穴を有する種子保持プレート20と、種子保持プレート20の少なくとも1つの表面上に取り外し可能に取り付けられた、または固定された真空室25と、真空室25内に真空効果を付与する真空発生機と、播種装置100の片手操縦または片手操作を可能にする真空室上に形成されたハンドル35とを備える。播種装置100は、真空発生機30に電力供給する真空発生機30に接続した電力コードを有する電力供給ユニットをさらに備える。
【0023】
ここで
図2を参照すると、本発明の実施形態による
図1の播種装置の種子保持プレート20は任意の幾何学的デザインであり得、好ましくは長方形または正方形である。穴21は、種子の供給分を保有するため、保持プレート20の少なくとも1つの表面上に形成され、ここで穴のタイプはテーパ状または非テーパ状のものを含む。好ましい別の実施形態では、プレート20の2つの使用可能な表面が提供され、ここで1つの表面は球状で丸いタイプの種子を収容するテーパ状の穴を用いて形成され、一方、非テーパ状の穴は平坦で尖ったタイプの種子を収容するものである。穴は様々なサイズの種子の供給分を保有するよう適合され、また所定の距離で互いに離れて形成された空間である。
【0024】
種子プレート20は穴が開いた部分20bを備え、ここで種子保持プレート20の穴が開いた部分20bは真空室25と係合できるよう適合され、また、適切な締結手段を用いてそこに固定される。種子保持プレート20は、任意の従来型の切削加工法によって構成され得る。
【0025】
図3に示すように、種子トレイガイド26は、種子保持プレートを種子トレイとそろえるため、真空室25の少なくとも1つの側壁に沿って摺動可能または調整可能であるよう適合される。好ましい一実施形態では、トレイガイド26は取り外し可能に真空室25の側壁44に固定される。2つの交換可能なタイプのトレイガイド26の調整手段があり、第1の調整手段は単軸調整手段であり、第2の調整手段は二軸調整手段である。播種装置100を播種トレイの上に取り付けることに関連して、単軸調整手段は、横方向または水平方向のみの調整が必要である場合に実施され、一方、二軸調整手段は水平方向と鉛直方向との両方の調整が必要な場合に実施される。
【0026】
一実施形態では、調整手段の第2の軸線を提供するため、種子トレイガイド26は、一組の細長いブラケット26aであって、そのそれぞれが真空室25の少なくとも1つの側面に沿って摺動可能であるよう適合された一組の細長いブラケット26aと、真空室25の前記側壁44に沿った望ましい位置に当該ブラケット26aを固定する固着機構とを備える。細長いブラケット26aのそれぞれは、真空室25の側壁上にブラケット26aの位置を固定する固着機構の部材を受けるのに適した寸法とされた開口部41を含む。ブラケット26aのそれぞれは、側壁44にスナップフィット式で取り付けられ、したがってブラケット26aを所定の位置に取り付ける。
【0027】
好ましい一実施形態では、固着機構26bは複数の規則的に間隔を開けた切込み43を有する細長いストリップ42を含む。望ましい所定位置でブラケット26aを固定するために、細長いストリップ42の一端は開口部41に挿入され、また、ストリップ42の動きは切込み43によって制限され、その結果現在の位置にブラケット26aを固着する。真空室の側壁に沿って所定位置でブラケット26aを固着するために、ストリップは開口部内に挿入され、切込みはストリップが開口部から引き離されることを防止する。ストリップに沿ったブラケットの調整手段は、トレイガイドを播種トレイと調整する、またはそろえる、第2の機構を提供する。
【0028】
ここで
図4Aを参照すると、真空室25は一般に、種子保持プレート20の上に取り付けられる、または固定される寸法とされ、好ましくは種子保持プレート20のそれに対応する形状と面積とを有する。真空室25は、穴の中に種子の供給分を保有または保持する種子保持プレート20に真空吸引を付与することができるよう、分離可能に、または取り外し可能に、種子保持プレート20の少なくとも1つの表面の上に固定され得る。真空室25は、形成された真空圧が蓄積され得るように適合され、また、形成された真空圧が様々な表面の少なくとも50個の種子を種子保持プレート20の穴の中で保持するために十分であり得るように、適合される。
【0029】
好ましい一実施形態によれば、真空室25は空洞の部材であって、一般に側壁44を有する長方形であり、また、少なくとも1つの表面は種子保持プレート20を受けるよう適合される。真空室25の内面は真空吸引の間、種子保持プレート20の可撓性のある穴が開いた部分20bの支持を提供するよう適切に適合される。一実施形態では、真空室25は、真空領域の最適な体積を維持するために薄いが広い表面を用いて構成される。
図4Aにおいて見られるように、開口部25bは真空発生機30の筒状の部材を受けるのに適した寸法とされ、真空室25の頂面上に形成される。この配置は以下においてさらに説明する。開口部25bは、真空が解放されることを防ぐように密封面を用いて適切に適合される。
図4Bにおいて見られるように、更なる支持を提供するため、また所定の位置で種子保持プレート20を固定するため、例えば、真空室25は各角上に、種子保持プレート20の角をそれに応じて受けるのに適した寸法とされた切欠部またはくぼみを備え、したがってプレート20をそこで支持し得る。
【0030】
図4A、
図4B、および
図4Cを参照すると、真空室25の側壁44のそれぞれは、種子トレイガイド26の細長いブラケット26aを取り付けるのに適した寸法とされた外側延長部40であって、細長いブラケット26aの摺動を可能にするよう適合された外側延長部40を含む。
【0031】
好ましい一実施形態によれば、真空室25の頂面は真空室25内に真空環境を形成する一体的な真空発生機30を収容する部分を含み、一方、底面は種子保持プレート20に接触し、またより詳細には、種子保持プレート20の穴が開いた表面20bに接触している。好ましい一実施形態では、真空発生手段30を収容するのに十分な寸法とされた突起部が提供され、ここで当該突起部は、形成された真空が種子保持プレート20の穴が開いた表面20bに付与されるよう、種子保持プレート20と関連して配置される。
【0032】
ここで
図5を参照すると、真空発生機30はモータと、真空羽根車と、ハウジングとを備える。好ましい一実施形態では、モータと真空羽根車とは、モータが真空羽根車用の運動を提供するように接続される。ハウジングは一般に筒状であり、真空羽根車とモータの両方を納めるよう適合され、ここでハウジングはモータのノイズの抑制を容易にし、また操作の間モータによって形成された力のみを吸収する。ハウジングは、少なくとも1つの空気出口と、真空発生機30を作動させる電力供給装置に接続した電源コードとを含み得る。組み立てられた場合、羽根車とモータとを備える筒状のハウジングは、真空室25の開口部25bに向かって延在する。
【0033】
真空発生機30は、播種装置100の片手操縦用に適合されたハンドル35をさらに含む。したがって、真空発生機30はハンドル35に隣接して一体的に形成され得る。好ましい一実施形態では、ハンドル35は中央に位置し、真空室25の頂面から上向きに延在している。播種装置の操縦と取り扱いとを容易にするため、ハンドル35は男性の握り手のサイズに合うよう構成され、また、オン―オフスイッチに手が届いて播種装置100を作動し、また非作動にすることを可能にする。装置は、装置100が左利きのオペレータと右利きのオペレータとの両者によって保持され得るよう適合される。オン―オフスイッチは、装置100を保持するときに容易に届くことができる、ハンドル35上の位置にあり得る。幾何学的形状の一実施例では、ハンドル35は、X字構造を形成して堅固な保持機構を形成する、互いに直角に交わって位置する一組のアーチ状の部材を備える。
【0034】
本発明の好ましい一実施形態による播種装置100は、真空室25の少なくとも1つの側壁に取り外し可能にまたは分離可能に固定されるよう適合された種子だめ50をさらに備える。
図6に示したような種子だめ50は、使用中に播種装置100を逆さにする場合に種子が落ちることを防ぎ、また、約300個の種子を含むことができる。一の構成では、種子だめ50は種子だめ50をいつでも取り外し、または取り除くことを可能にする、クランプ、クリップ、または任意の形態の固着機構等の適切な締結手段によって、真空室25の側壁の全長に沿って固定され得る。
図6を参照すると、種子だめはスライドサポート部分51と、当該サポート部分から水平に延在する容器52とを備える。容器52は、種子を受ける複数のセグメントを備える。
【0035】
真空室25への種子だめ50の固定は、真空室25と関連して所定位置に種子保持プレート20を保持することを補助する。
【0036】
組み立てられると、一体的な真空発生機30を有する真空室25は位置決めされ、分離可能に種子保持プレート20の上に固定され、ここで、真空室25内に真空効果が付与されると、種子が種子保持プレートの穴上に保持されるよう、真空吸引が保持プレート20上の種子に付与される。その後、装置は種子トレイの上で保持され、真空効果は失われ、種子は種子を植え付けるために穴から種子トレイ内に解放される。
【0037】
図7は、本発明の好ましい実施形態による播種装置100の操作におけるステップを表すフローチャートを示す。使用の間、トレイガイド26は、S701で播種装置100の種子保持プレートを種子トレイとそろえるよう適切に調整される。次にS702で様々なサイズの種子は種子保持プレート20の穴が開いた部分20bの上にまき散らされ、また、穴の中に種子を割り当てるためにその上に適切に分配される。S703で、真空発生機30は真空室25内に真空雰囲気を形成するために作動させられ、その結果、その中に種子を保有する種子保持プレート20の穴が開いた部分20b上に真空吸引を付与する。オペレータはハンドル35によって片手で種子保持プレートを傾けて、種子保持プレート20上で均等に種子を分配し、また、穴の中に種子を割り当て得る。S704で、播種装置100は、種子保持プレート20の種子で充填された穴を開けられた部分が、従来の種子トレイまたは標準の種子トレイの区分けされた部分に接触するように、種子トレイの上で逆さにされ、位置決めされる。このプロセスでは、トレイガイド26は適切に再調整されて、種子保持プレート20を種子トレイとつけ得、またはそろえ得る。一旦それらがそろえられると、真空発生機30は非作動にされ、したがって種子への真空吸引が失われ、その結果、種子トレイのセグメント内にそれらを解放する。
【0038】
当業者には明らかなように、前述の方法および構成要素は、既存の播種装置に対する多くの変形形態、修正形態、または代替形態で提供することができる。本明細書に開示されている原理および概念はまた、本明細書に具体的に記載されていないが、以下の特許請求の範囲の範囲および文言に含まれると理解されるべき様々な方法で実施され得る。
【国際調査報告】