【実施例1】
【0032】
図1に示した情報処理アーキテクチャは、
・データ生成の第1の段であって、
− 複数の車載センサ(1〜3)と、
− 外部情報ソースと通信する複数のコネクトされた構成要素(11〜13)と
を具備する第1の段と、
・それぞれが1つまたは複数のセンサおよびコネクトされた構成要素からの信号の入力ポートを有する超知覚モジュールと、対象物の超知覚プログラムを実行するプロセッサとを備えるデータ直接活用の第2の段であって、
− 車両がその環境を解釈し、静的または動的な対象物を知覚することを可能にする知覚の機能と、
− 車両がマッピング上で自らの位置を特定することを可能にする位置確認の機能と
を果たす第2の段と、
・超知覚モジュールによってもたらされる信号を活用する第3の段であって、
− 一連の操縦命令を計算することで、車両がたどらなければならない横方向および長手方向の進路を計算することのできるプランニング機能を実現する名目超プランニングモジュール(31)と、
− 最も危急的な状況にあっても車両を安全な状態に持っていくための退避方案を計算する救難超プランニングモジュール(32)と
を具備する第3の段と
を備える。
【0033】
処理はすべて宣言型であって決定論なものではない。したがって、使用される情報および計算される情報には常に信頼度レベルが関連づけられるが、その値はプログラムの実行中しかわからない。
【0034】
ロバスト性のための以下の4つのメカニズムが利用される。
・物理的な計算媒体および処理モジュールに関する固有の冗長性。その冗長性は多数決によるものであってよい整合性テストにつながる。
・データおよび中間結果の生成に関して(環境条件による)条件づけと(信頼度レベルによる)加重がなされた機能冗長性。
・進路計算の結果の生成に関する機能冗長性。
・確実な監視およびインテリジェント決定の戦略のためのクロスおよび突合による情報の集中型利用。
【0035】
本発明によるシステムは以下の技術的オプションを用いる。
− 第1段(5)における多様なセンサ、および第2段(15)における同じ対象物を異なる仕方で知覚するための知覚の機能冗長性の使用。そうすることにより、その知覚結果に対して、関連する信頼性、整合性および信頼度のレベルでクロステストを行って、それぞれの異なる基準による比較を行い、最善の知覚結果を選ぶことができる。
− 第3段(25)における知覚結果の供給を受ける多様なプランニング手段の利用による複数の可能な進路の規定。それにより、その進路に対して、関連する信頼性、整合性および信頼度のレベルでクロステストも行って、それぞれの異なる基準による比較を行い、最善の進路を選ぶことができる。
− 緊急時におけるあらゆる退避の可能性を確保するため、すなわち避難進路を規定するための多様なプランニング手段の利用。避難の超プランニングである。
− 最も安全な進路をたどるための最善の進路と車両走行の背景条件(すなわち、障害物、インフラ、履歴など)のクロス。
【0036】
こうすることで、自動運転車両のシステムは、その工学的、機能的能力を最大限に利用しながら、より信頼性の高いものとなっていく。また、エラーに対する許容度も高まる。これは、エラーの検出と自らの挙動の不断の適合によってそれに備えることができるためである。
【0037】
第1段
第1段(5)は、車両に搭載された様々なセンサおよび外部データを受け取るコネクトされたモジュール(4〜6)から来る信号の処理モジュール(1〜3)を備える。
【0038】
複数のセンサおよびソースは同じ対象物を検出する。それらのデータの融合によって知覚を確認することができる。
【0039】
自動運転車両のソースは環境の検出のための多様な基盤をなすものである。それぞれのセンサ、それぞれのソースは信頼性および信頼度レベルを表す情報と関連づけられる。
【0040】
次いで検出結果には、第2段の知覚変数の生成において活用可能なものとなるための処理が施される。
【0041】
第2段
超知覚段(15)は以下の2つの部分からなる。
− センサおよびそれ以外のソースの検出内容を解釈して対象物を表す知覚変数を計算する知覚アルゴリズムのすべてをまとめた「知覚変数生成」部。
− 信頼性、ソフト的、ハード的エラー、信頼度レベルおよびアルゴリズムの整合性に関する一連のクロステストをまとめた「Safe監視」部。このセットにより、最も有力な知覚対象物、すなわち表現性、信頼度、信頼性および健全性に関して最善の知覚対象物を特定することができる。
【0042】
これらの検出結果、およびいくつかのアルゴリズムを通して知覚変数が計算される。知覚変数は、システムがその場面の対象物を記述し、その対象物をもとに車両にとって安全な進路を定義することを可能にする。
【0043】
安全の方法論を満たすためには、対象物の知覚変数は少なくとも2つの異なるアルゴリズムによって与えられなければならない。複数ソースの融合は、それが可能であるときは、それら変数を生成するために同様に利用されなければならない。
【0044】
複数のセンサまたはそれ以外のソースがかかわる融合アプローチはどれもインテリジェントアルゴリズムで組み合わされることで、それぞれの知覚変数を改善することができる。次いで、対象物の知覚変数全体がクロスされて、知覚変数の妥当性および知覚変数に与えられ得る信頼度レベルがテストされる。これが第3のステップである。
【0045】
この段階では、同じ対象物を表す変数の複数のセットの計算が行われた。そこで変数が互いに比較され、「最善」のものを選ぶことができるようにしなければならない。
【0046】
この選択は以下の4つのステップで進められる。
・ソース/アルゴリズムの信頼度レベルと環境条件に関する既存の相関関係に基づく変数の分類を可能にする信頼度レベルのソート。このテストは、変数を計算したアルゴリズムの信頼度レベルも、そのソースの信頼度レベルも考慮することになる。これは次のような問いに答えようとするものにほかならない。どの変数の質がより高いか、最も安全と思われるものは?
・対象物の知覚に至るすべての要素は本質的に信頼性のあるものであるという確認を可能にする信頼性処理。そこで、この解析は、すべてのハードウェアおよびソフトウェアの信頼性を検討することになる。これは次のような問いに答えようとするものにほかならない。知覚された対象物は動作の安全原則に照らして信頼性のあるものか?
・知覚対象物の様々な変数を互いに比較して潜在的な整合性のなさを特定するアルゴリズム整合性解析。この解析は整合性のない変数または不合理な変数を明らかにするものである。これは次のような問いに答えようとするものにほかならない。最も整合性に乏しいものを排除する上で、どの変数が最も整合性を有しているか?
【0047】
プロセッサは、結果全体を合成し、プランニングに送るべき最善の対象物を決める処理を実行する。これは次のような問いに答えようとするものにほかならない。整合性、信頼性および信頼度に関して最善の対象物はどれか?
【0048】
この第2段は、ハード的(プロセッサおよび通信バス)にもソフト的にも2分割されている。
【0049】
したがって、第2段は、2つの別々の通信バスを通して第1段のセンサからの信号を受け取る独立した2つのプロセッサを備える。
【0050】
この第2段は第3段に同じデータを2回伝送する。
【0051】
第3段
超プランニングの第3段(35)は自動運転車両の操縦のプランニングのための2つのモジュール(31、32)を備える。
【0052】
プランニングプロセスは明確に異なる3つの部分に分けられる。
− 各種機能の全体と、それぞれの知覚機能に関連する超知覚と、位置確認結果をほかで知られている情報と比較し、それによって自動運転車両の進路を計算することができるマッピングファイルのようなその他の入力モジュールとがまとめられた「超知覚モジュール」部。
− 各種プランニングアルゴリズムの全体がまとめられており、自動運転車両がたどることができる様々な進路を計算する「進路生成」部。この進路計算は車両の環境知覚機能をその拠りどころとする。
− 信頼性、信頼度レベルおよびアルゴリズムの整合性に関する一連のクロステストセットがまとめられた「安全監視・インテリジェント決定」部。このセットは、最も有力な進路、すなわち表現性、信頼度、信頼性および健全性に関して最善である進路を特定することができる。
【0053】
この部分は、第2段からの信号を2系列で受け取り、その2系列の信号のハード的およびソフト的信頼性を決定して妥当性のある方の系列の信号を選択する。
【0054】
自動運転車両が取ることができる進路を複数のアルゴリズムが計算する。それぞれのアルゴリズムは取り上げる知覚対象物に即した進路のタイプを計算する。ただし、アルゴリズムは、潜在的に車両が取り得る車路の数に応じて同じタイプの1つまたは複数の進路を計算することができる。たとえば、車両が2車路の道路区間を移動しているとき、プランニングシステムはそれぞれの車路について進路を計算することができる。
【0055】
用意された安全方法論を満たすため、進路計算アルゴリズムはその1つまたは複数の潜在的な進路をそれぞれに関連する信頼度レベルおよび固有の信頼性とあわせて送出しなければならない。安全方法論のもう1つの特長は、進路計算手段をさらに多様化させるために多重知覚融合アルゴリズムを利用することである。
【0056】
この段階では、複数の進路が計算された。それらの進路については、互いに比較し、道路の背景条件(道路交通規則、履歴、インフラ、障害物、ナビゲーション)と突き合わせることによって優先順位をつけなければならない。
【0057】
この優先順位づけは以下の4つのステップで進められる。
− ソース/アルゴリズムの信頼度レベルと環境条件との間の既存の相関関係のみに基づく進路の選択を方向づける信頼度レベルのソート。そこで、このテストは、進路を計算したアルゴリズムの信頼度レベルも、そのソースの信頼度レベルも考慮することになる。これは次のような問いに答えようとするものにほかならない。信頼度レベルに関してどの進路の質がより高いか?
− 進路の規定に至るすべての要素は本質的に信頼性を備えたものであることを確認する信頼性のコントロール。そこで、この解析では、すべての電子回路および情報処理開発の信頼性が検討されることになる。これは次のような問いに答えようとするものにほかならない。計算された進路は動作の安全原則に適合したものか?
− 進路を互いに比較して、不整合の有無を判別するアルゴリズムの整合性解析。この解析は整合性を欠いた進路または不合理な進路を明らかにするものである。これは次のような問いに答えようとするものにほかならない。どの進路が最大の整合性を有しているか?
− 結果全体を総合し、人命にかかわる所与の状況下での人員の安全という観点から1つまたは複数の最善の進路を決定する安全に関するインテリジェント決定。これは次のような問いに答えようとするものにほかならない。車両が人員の安全を保証しつつ取り得る最善の進路はどれか?
【0058】
この選択は、たとえばISO規格26262で規定されているように、自動車両がたどった経路、交通の流れ、インフラの種類、道路安全にかかわる適正行動の振る舞い、道路交通規則および個々の進路に関連した潜在的リスクの大きさについての履歴による影響を受ける。この選択には避難モードの超プランニングが含まれる。
【0059】
挙動選択アルゴリズムは、可能なすべての戦略を解析し、最も安心を与えるものであるとともに最も「快適」なものを選択する最後のインテリジェント層である。そして、車両のために最も適した進路とそれに伴うべき速度とを選択する。
【0060】
避難超プランニングモジュール(32)は、緊急時に想定されるあらゆる退避の可能性を保証するために避難進路を計算する。この進路は、超知覚および超プランニングの方法論に従って決定される知覚対象物をもとに計算されるが、この場合、対象物は避難モードの別法のためのものとして検討される。
【実施例2】
【0061】
第2の実施例は車両の指令車路の特定のための特別な場合に関する。
【0062】
この例は、「OICA」4または5レベル、すなわち運転者が「out of the loop(ループ外)」(英語による用語)にある自動運転レベルとして認定されなければならない自動運転車両に関する。このシステムは、一定のインフラ上で、またいかなる環境のもとであっても、自動車の動きを運転者による介入なしに単独で操縦し、決定しなければならない。
【0063】
以下の説明は、既存の車両プラットフォーム上に設けるものとして設計されたVEDECOMの自動運転車両「上部システム」について、その信頼性を高め、機能安全性を向上させるとともに、その「上部システム」の知能が活用する情報およびそれによって下される決定の健全性を保証するための機能安全性アーキテクチャに関するものである。
【0064】
本発明による自動運転車両の安全アーキテクチャはロバスト性に関する以下の4つのメカニズムに基づいて作り上げられた。
・物理的計算媒体および処理モジュールに本質的に備わる冗長性。
・それぞれの機能に関するデータおよび結果の生成を可能にする機能冗長性。データおよび結果は環境によって調整され、信頼度レベルによって加重される。
・進路計算の結果の生成を可能にする機能冗長性。このメカニズムは同じ機能に関して以下を可能にする。
− 結果の整合性および信頼度レベルの健全性をコントロールする。
− データおよび結果に対して環境による調整を加える。
・監視戦略のためのクロス・突合情報の集中型利用。モジュールが結果を検査して、車両およびその環境の挙動に基づいた決定スキームによって最も安全な結果を判別する。
【0065】
知覚に関しては、これらの原則に基づいて共通スキームが作り上げられた。この構成ブロックを
図2に示す。
【0066】
走行車路の知覚は次の4つのアルゴリズムを介して提供される。
− GPS−RTK+高詳細度マッピングによる位置確認によって与えられる車路
− SLAM+高詳細度マッピングによる位置確認によって与えられる車路
− マーキング(そのソースはカメラ)によって与えられる車路
− 先行車両の追従によって(その車両の位置の履歴が車路の履歴に対応しているという前提の上で)与えられる車路
【0067】
Safe知覚は以下の機能を有している。
1)4つのソース(GPS−RTK、SLAM、マーキング、追従)の知覚情報から4つの指令車路を構築する。
2)その4つのアルゴリズムによって与えられる最善の情報を選択する。
3)手動モードにあるときは、それらアルゴリズムによって与えられた車路に十分な信頼度インデックスがない場合に自動モードへの移行を禁止する。
4)自動運転モードにあるときは、それらアルゴリズムによって与えられた車路に十分な信頼度インデックスがないか、または4つのアルゴリズムによって与えられた車路が互いに整合性を欠く場合には緊急制動を要求し、あわせて手動に戻すことを要求する。
【0068】
構成ブロックは、情報ソースを構成するセンサ(40、41)を有している。
【0069】
たとえば次の4つのソースを区別する。
− 1というソース:前方Lidarを利用して障害物に追従する機能
− 2というソース:ステレオカメラを利用してマーキングを検出する機能
− 3というソース:SLAMという位置確認機能であって、1つまたは複数のLidar(または融合に関連づけられた4つのセンサ)を使用するもの。
− 4というソース:GPSという位置確認機能であって、GPS、IMUおよびRTK補正を使用するもの。
【0070】
これら入力機能はシステムによって受け止められる(機器またはビルディングブロックに関連した機能)。そのため、これら4つのソースの出力は、きわめて均質でないものである。
・ソース1(追従機能)は自車両基準系に障害物の後部中央のxy位置を与える。障害物は(ターゲットの変更があるかどうかわかるようにするため)識別子番号によって判別される。追従に関する信頼度インデックスは提供されない。
・ソース2(マーキング機能)は、左右のマーキングの多項式(y=ax
2+bx+c)のパラメータに対応する2つのベクトル(a、b、c)とその信頼度インデックスを自車両基準系に与える。
・ソース3(SLAM機能)は車両の位置確認(x,y,cap)をSLAMの基準系の中に与える。位置確認の信頼度が与えられる。
・ソース4(GPS位置確認機能)は車両の位置確認(x,y,cap)を絶対基準系の中に与える。メートル単位の位置確認の標準偏差が与えられる。
【0071】
「ソース」ブロック(40、41)のそれぞれの機能、および均質でない出力から、1つまたは複数のプロセッサが知覚アルゴリズム(42、43)を適用して、対象物に関する均質な出力を与える。説明する例では、対象物は指令車路である。指令車路は、自車両基準系における車路の多項式(y=ax
2+bx+c)に対応するベクトル(a、b、c)によって与えられる。
【0072】
ここでは、それぞれの知覚アルゴリズムについて手短に説明する。
【0073】
追従による「車路」知覚アルゴリズム(42)はガード車両のx,y位置を利用する。すなわち、「ガード」車両は自動運転車両の指令車路の中にあるということが重要な前提としてある。
【0074】
車路は次のようにして作り上げられる。
1)車両基準系における追従対象車両の位置の回収
2)移動基準系における車両の位置決め
3)移動基準系における追従対象車両の位置決め
4)移動基準系における追従対象車両位置の履歴の記憶装置への書込み(約6秒)。この履歴は動的マッピング:[xy]
移動基準系ベクトルをなす。
5)動的マッピングにおける車両の位置確認
6)動的マッピングにおけるローカル進路の特定
7)ローカル進路の車両基準系への移行:[xy]
自車両基準系ベクトル
8)[xy]ベクトルの多項式による内挿
【0075】
そのため、出力は、その多項式による内挿の3つの変数(a、b、c)によって規定される「車路」変数である。
【0076】
実際のところ、マーキング検出アルゴリズム(43)はすでに車両の左右に位置する白線の二次多項式をすでに提供している。
右側:y
右=a
右x
2+b
右x+c
右
左側:y
左=a
左x
2+b
左x+c
左
【0077】
したがって、車路の多項式は単に2つの多項式の2つの係数の平均である。すなわち、
【0078】
知覚アルゴリズムによる2つのマーキングのうちの一方を喪失した場合(セーフ−知覚に対する信頼度レベルの下落によって示される)には、道路の幅(マッピングされた「レーン幅」入力)および左側/右側が同じ形状である対称性を考慮に入れて推定が行われる。そのため、右側のマーキングの喪失に対しては次式のようになる。
【0079】
3というセンサからのデータを活用するGPS−RTKによる車路知覚アルゴリズムは以下のそれぞれを拠りどころとする。
・2つの基礎変数:
車両の位置[x,y]
車両のヨー角
・絶対基準系(Lambert93、WG84など)において規定されたIMU−RTKマッピングであって、以下を含むもの。
x_p進路ベクトル
y_p進路ベクトル
上記2つのベクトルから次の関係式によって導き出されるSベクトル(「曲線長」):
S
i=S
i−1+sqrt(dx_p
2+dy_p
2)
【0080】
マッピングは、指令車路上の単純走行と、GPSによって与えられるx,y値の記録とによって上流側で行われる。したがって、GPSによって与えられる位置は常に高精度のものである(<20cm)(したがって修正信号RTK OK)ことが重要な前提としてあるが、それは常にそうであるとは限らない。
【0081】
このGPS位置をもとに、以下の車路構成のステップが行われる。
・IMU−RTKマッピングにおける車両の位置確認
・マップの絶対基準系による進路「車路」の構成
・車両基準系への進路の移行
・多項式による内挿
【0082】
4というセンサからのデータを活用するSLAMによる車路知覚アルゴリズムはGPS−RTKと同じ原則を拠りどころとしており、唯一の相違点は位置確認の基準にある。すなわち、SLAMの場合、x,y位置も、ヨーも、したがって関連するマッピングもSLAMの基準系の中で与えられ、GPS型の絶対基準系の中で与えられるものではない。
【0083】
信頼度の指標はアルゴリズム(45)によって計算される。
【0084】
内部信頼度は、追従による車路知覚アルゴリズムの入力または出力情報のみを消費するため、ここでは:
・追従対象車両のxy位置
・追従対象車両の識別子
【0085】
信頼度はここでは以下のようにして構築されるブール指標である。
・障害物が当車両の軸の中で「TempoTracking」秒(「TempoTracking」はパラメータ設定可能であるが、デフォルトでは4秒)の間追従され、かつ追従対象のターゲットが存在し、かつターゲットの変更がなかった場合には、信頼度は1になる。
・ターゲットの変更があった場合、または追従するターゲットがなくなった場合には、信頼度は0になる。
【0086】
「追従するターゲットがなくなった」条件は識別子の読取りを通して与えられる。追従機能によって提供される対象物がないときには、この識別子の実際の値は「−1」である。
【0087】
「ターゲットの変更」条件は通常は識別子が「−1」になることで示される。さらに、返されてくる位置の不連続性に関するテストも加えられた。(たとえば、ある対象物がx=5mにあり、次のステップでx=30mとなったときには同じ対象物ではないと考えられるだろう。)不連続性の閾値はサンプリング期間Te(Te=50ms)当たりxに関しては3m、Te当たりyに関しては0.8mと設定された。
【0088】
追従対象車両の長手方向位置xが自車両から1mから50mまでの間にある場合、およびその横方向位置yが−1.5m<y<1.5mである場合は、「軸内に車両」条件は1とされる。
【0089】
固定されたターゲットを追うことがないように、対象物の絶対速度がゼロでないこと、とりわけ自車両の速度がゼロでない場合にはそのことを確認することが追加の作動条件とされる。
【0090】
理想的には、当該対象物は車両(であって歩行者でないもの)として特徴づけられることを確認する必要があろう。
【0091】
マーキングによる「車路」の信頼度は単純に2つのマーキングの2つの信頼度から計算される。
(右側マーキング信頼度>閾値または左側マーキング信頼度>閾値)であれば車路信頼度=1
(右側マーキング信頼度<閾値かつ左側マーキング信頼度<閾値)であれば車路信頼度=0
【0092】
実際、すでに記したように、知覚アルゴリズムによる2つのマーキングのうちの一方を喪失した場合には、道路の幅(マッピングされた「レーン幅」入力)および左側/右側が同じ形状である対称性を考慮に入れて推定が行われる。そのため、1つのマーキングだけで事足りる。
【0093】
SLAM信頼度は、SLAMの位置確認信頼度が一定の閾値よりも下がると直ちに0に落ちてそのままとなるブール値である。実際、このSLAM VEDECOMは、SLAMアルゴリズムがいったん「喪失」すると位置確認の計算を行うことができなくなる。
【0094】
また、SLAM VEDECOMはいつでも自動運転車両の行程スタート後直ちに作動可能となるわけではない。そのため、SLAMがすでに初期化段階(マップ上の正確なポイントによって示される)にあったのでなければ、その前の状態が起動されてはならない。
【0095】
マッピングに関係する1つの条件が加えられた。SLAMが非ヌルの信頼度を持つために1つの条件、すなわち車両はSLAMによって与えられる車路から4メートル未満のところにある、という条件が新たに付け加えられ、そのために車両のLaneShift、すなわちSLAMによって与えられる「車路」知覚の多項式の変数「c」(y切片)が回収される。
【0096】
SLAMとしては、信頼度は以下のそれぞれの積である。
・位置確認に関する信頼度:この信頼度は、位置確認の標準偏差<閾値のときは1である。SLAMとは異なり、信頼度が0に落ちてもそれは不可逆ではない。
・マッピングに関する信頼度:車両がIMU−RTKによって与えられる車路から1.8メートル超のところにある場合にはこの信頼度は0であり、そのために車両のLaneShift、すなわちIMU−RTK「車路」知覚によって与えられる車路の多項式の変数「c」(y切片)が回収される。
【0097】
外部信頼度は環境条件に関係する。
【0098】
環境条件は以下のそれぞれの条件に対応する。
・気象条件:雨、霧、夜間、低高度の陽光など
・地理的条件:トンネル、特殊な種類の道路など
【0099】
場合によっては、気象条件は考慮に入れられておらず、条件の悪い場合には一般にデモンストレーションは中断される。
【0100】
トポロジーマッピングにおいて地理的条件が考慮される。ごく一般的には、自動車両の行程で想定されるそれぞれの地理的区間について、それぞれの事由(トンネル、強い勾配など)とはかかわりなく外部信頼度(0または1のブール値)が提供される。そのため、トポロジーマッピングには以下の4つの列がある。
・追従モードの外部信頼度
・マーキングモードの外部信頼度
・SLAMモードの外部信頼度
・IMU−RTKモードの外部信頼度
【0101】
そのため、たとえばトンネル内に入るとき、したがってGPS−RTKによる位置確認が続けられなくなるときには、外部信頼度はトンネル入口前でゼロにされる。
【0102】
一般に、デモンストレーションで車両が行程のある区間を何度も走行してもあるモードが一度も内部信頼度1に達することがない場合には、その数メートル手前で外部信頼度はそのモードで強制的に0にされる。それによって、早々に失われることになりかねないモードに移行するのを防ぐ。
【0103】
ロバスト性は内部信頼度と外部信頼度ウォッチドッグの小さい方である。
【0104】
それぞれのセンサの信頼性は、センサのベンダーから一般に提供されるセンサの自己診断テストに基づく。たとえば、Continental製カメラは以下のそれぞれの状態をとる「拡張クオリファイア」を出力側に供給する。
【0105】
信頼性計算(46)も行う。センサの信頼性は、拡張修飾子=0の場合にのみOK(カメラ信頼性=1)であると考える。
【0106】
したがって、信頼性A(追従による車路の信頼性)は、(LIDARセンサ信頼性OK)かつ(ウォッチドッグテストOK)ならば1(OK状態)
信頼性B(マーキングによる車路の信頼性)は、(カメラセンサ信頼性OK)かつ(ウォッチドッグテストOK)ならば1(OK状態)
信頼性C(SLAMによる車路の信頼性)は、(LIDAR SLAMセンサ信頼性)かつ(ウォッチドッグテストOK)ならば1(OK状態)
信頼性D(IMU−RTKによる車路の信頼性)は、(GPSセンサ信頼性=1およびIMU信頼性=1)かつ(ウォッチドッグテストOK)ならば1(OK状態)
【0107】
ウォッチドッグのテストはウォッチドッグのインクリメント(上流側知覚プロセッサからの情報)が正しく行われるか確認するものである。
【0108】
それぞれのアルゴリズムの信頼性は、テストに関係するそれぞれのセンサソースの信頼性と関係する。
【0109】
整合性機能(45)には次の2種類のテストが含まれる。
・本質的整合性
・他の対象物との比較による整合性
【0110】
本質的整合性は対象物自体の妥当性を検証することが目的である。たとえば、障害物の本質的整合性テストは視認対象物が実際にセンサの視認ゾーン内にあるか検証する。
【0111】
考えられるテストの1つは、直近のN秒間について、アルゴリズムで与えられた車路が車両履歴の車路に近いものかどうかを検証するというものであろう。たとえば、アルゴリズムのLaneShift(車路の多項式の変数「c」)に着目して、直近の5秒間にそれが0に近いか検証することができる。
【0112】
目的は、アルゴリズムによって与えられる「車路」が別のものによって与えられる車路に対して整合性を持つかどうかを示すブール値を出力することにある。4つのアルゴリズムA、B、C、Dによって4つの車路が与えられるため、計算すべきブール値としてはAB、AC、AD、BC、BD、CDの6つがある。
【0113】
2つの車路の比較は各アルゴリズムの指令向首角の比較を通して大まかに行われる。具体的には、比較は次のようにして行われる。
1)各アルゴリズムによって与えられる「車路」多項式について、3つの異なる時間枠(0.5s、1s、3s)で指令向首角を計算する。
【0114】
指令向首角はatan(指令LaneShift/規定時間枠での距離)に等しい。
1)次いで、2つの「車路」アルゴリズムによって与えられる3つの向首角の差を計算し、全体の平均を取る。
2)2秒に設定した低域フィルタ(約2秒間の平均を表す)に全体をかけ、デフォルトで10°に設定された基準閾値「CapCoherence_deg」で割る。
3)全体で1超の結果が得られた場合は、2つの車路には整合性がないと判断される。
4)このテストは可能性のある6つのペアの車路、AB、AC、AD、BC、BD、CDについて行われる。
【0115】
決定ブロック(47)は、信頼度、整合性、信頼性インデックスおよび性能インデックスに応じて車路の最終選択を行う。不具合が発生した場合や、信頼度インデックスが低すぎる場合、または実際の車路と提案される選択との間に不整合がある場合には、緊急制動の決定を要求することができる。
【0116】
全体的な原則は以下のとおりである。
1)信頼度と信頼性インデックスの小さい方に相当するロバスト性が計算される。
2)車路アルゴリズム(A:追従、B:マーキング、C:SLAM、D:GPS−RTK)は「デフォルトの等級」(信頼度、整合性または信頼性にかかわりなく)で定められた優先順位インデックスを受け取る。この等級は性能などに関する専門的知見ルールに関係する。
【0117】
デフォルトの等級=[D、A、C、B]のときは、4つのアルゴリズムは優先順位によって等級が分けられる。すなわち、(1:D:GPS−RTK、2:A:追従、3:C:SLAM、4:B:マーキング)
3)各アルゴリズムに関係するすべての属性(信頼度、整合性)にも等級が与えられる。この例では、D−Aの整合性は1−2の整合性になる。
4)シーケンス論理によって以下のそれぞれに応じてアルゴリズムが選択される。
a.信頼度
b.整合性。たとえば、アルゴリズム2の車路からアルゴリズム3の車路に移るためには整合性2−3がOKでなければならない。
c.変数「Algo1Prio」。このインデックスが1の場合、「デフォルトの等級」で優先順位の高いものとして規定されているアルゴリズムが常に優先される(例:DのGPS−RTK)。このインデックスが0の場合、利用中のアルゴリズム(この例の場合、現に3:C:SLAMで、1:D:GPS−RTKの信頼度が戻ったときには、それでも3:C:SLAMに留まる)。
5)信頼度が広く低下した場合、または現用アルゴリズムの車路と可能な選択肢による車路との間に不整合がある場合は、意思決定手段によって緊急制動のフラグが立てられる。手動モードにある場合は、これは自動モードへの移行を禁止するものとなる。
6)最後の機能では、優先インデックス(最優先の1から優先順位最後の4まで)で参照されたアルゴリズムの選択は当初の等級インデックス(A:追従、B:マーキング、C:SLAM、D:GPS−RTK)に戻される。
【0118】
このブロック(47)の入力側には以下のものがある。
4つのアルゴリズムに対する内部/外部信頼度(A:追従、B:マーキング、C:SLAM、D:GPS−RTK)、すなわちc’A、c’B、c’C、D。
4つのアルゴリズムの信頼性インデックス(A:追従、B:マーキング、C:SLAM、D:GPS−RTK)、すなわちfA、fB、fC、fD。
【0119】
ロバスト性c’’はその2つのうちの小さい方、すなわち、
c’’X=min(c’X,fX)である。
【0120】
専門的知見ルールは、この場合は車路構築アルゴリズムに関するものであるVEDECOMの知見に発するものとして課される予備ルールからなる。
【0121】
そのため、たとえば、経験的に以下のことが知られている。
・GPS−RTKによって与えられる車路は4つのアルゴリズムの中で最善の追跡性能を提供する(精度および動特性)。しかし、市街地モードではしばしば喪失をまねく。
・SLAMによって与えられる車路はハンドルにある種のノイズ(位置確認ノイズ)を生じさせ、それは特に低速で顕著となる。また、その精度、したがってそれに関連した性能は、環境が変化する中(高速道路よりも市街地)にあっては一段と重要度を増す。
・追従は「信頼のおける」車両が自分の前にいることを前提とするが、どこでも利用可能であり、車路の変更すら可能であるという利点がある。
・Continental製カメラによって与えられるマーキングは現在では最も効果の低いアルゴリズムであり、とりわけ150mの曲率半径未満では利用不能である。
【0122】
自動運転車両は今のところは「シャトル」モードでのみ利用されており、その行程を4つのモードで走り回ることで行われている実験では、所与の行程のために全体的に最も力を発揮するモードはどれかを知ることができる。
【0123】
また、専門家による知見として、リアルタイムで情報ベース(48)に記録される履歴に応じて特定のアルゴリズムを常に優先するようにするのがよい(たとえ、現用アルゴリズムの利用を止めて優先アルゴリズムに戻らなければならないとしても)ことが示されている。もっとも、(仮に最も優れた性能のアルゴリズムが再び利用可能になったとしても)現用アルゴリズムを最大限保持することで(安全で快適な挙動と比較してハンドルに微振動を生じかねない)アルゴリズムの切替えを避けるために切替えを最小限に抑えるのがよいとする専門家もある。
【0124】
そのため、専門的知見にかかわる2つのパラメータが設けられた。すなわち、
1)4つのアルゴリズム(A:追従、B:マーキング、C:SLAM、D:GPS−RTK)を優先順位で分けるサイズ4の「優先等級」ベクトル。
a.たとえば市街地タイプの行程については、市街地で力を発揮するSLAMが最も優先され、そのあとはIMU−RTK、追従、マーキングの順の「デフォルトの等級」=[C,D,A,B]が用意される。
b.たとえば高速道路タイプの行程では、GPS−RTK、次にマーキングが優先され、追従、SLAMと続く「デフォルトの等級」=[D,B,A,C]を用意することができる。
2)「Algo1Prio」パラメータ:
a.このインデックスが1の場合、「デフォルトの等級」で優先順位の高いものとして規定されているアルゴリズムが常に優先される(例:「デフォルトの等級」=[C,D,A,B]の場合にはCのSLAM)。
b.このインデックスが0の場合は利用中のアルゴリズムを優先する(「デフォルトの等級」=[C,D,A,B]の場合で、現にA:追従にあり、そこへC:SLAMの信頼度が戻ってきたときであってもA:追従に留まる)。
【0125】
「アルゴ番号−>優先順位番号移行」機能は、デフォルトで(A:追従、B:マーキング、C:SLAM、D:GPS−RTK)と参照されている信頼度変数および整合性変数のナンバリングを変更するもので、この移行関数によってこれらの変数は(1:最優先アルゴリズム、2:第2優先アルゴリズム、3:第3優先アルゴリズム、4:最劣後アルゴリズム)とナンバリングされる。
【0126】
たとえば、「デフォルトの等級」=[D,B,A,C]の場合、信頼度「A」が信頼度「3」になると、整合性B−Aは整合性2−3になる。
【0127】
シーケンス論理は以下の入力を持つStateflowスキームである。
・4つの信頼度(優先等級順にナンバリングされたもの)。したがって、「信頼度_1」は優先アルゴリズムの信頼度である。
・6つの整合性(優先等級順にナンバリングされたもの)。したがって、「整合性1_4」は優先アルゴリズムと優先順位の最も低いものによる車路間の整合性である。
【0128】
2つの出力は以下のとおりである。
1)選択されたアルゴリズムの番号(優先等級順にナンバリングされたもの)。したがって、Number_algo_used=2であれば、それは、指令車路について選択されたアルゴリズムが第2優先アルゴリズム(たとえば、「デフォルトの等級」=[C,D,A,B]であればGPS−RTK(D))であることを示す。
2)「緊急制動」ブール値。この変数が1であれば、自動運転車両の緊急制動が作動される。手動モードでは、この変数は自動運転モードの作動を阻止する働きをする。
【0129】
手動モードの車両
手動モードにあるときは、この機能は、自動運転モードへの切替えが行われようとしているときに可能な限り最善のアルゴリズムを特定することがその目的となる。
【0130】
しかし、この機能は、とりわけ、いずれのアルゴリズムも十分な信頼度インデックス(ここでは非ヌル)を有していない場合に自動運転モードへの移行を禁止するものでなければならないであろう。
【0131】
一般にこのダイアグラムはモード1への回帰、すなわち優先アルゴリズムに向かう選択を優先する。考慮されるのは信頼度インデックスだけである。整合性は考慮されない。これは、手動モードの場合、自動運転モードとは異なり、2つの車路の間の整合性が悪くてもそれによる影響(ハンドルの振動の類)を生じることはないためである。
【0132】
そのため、優先アルゴリズム3は、アルゴリズム1および2の信頼度がヌルでない限りは選択されることはない。
【0133】
すべてのアルゴリズムの信頼度がヌルである場合には、Safetyモード:緊急制動=1に移行する。しかし、車両に実際に緊急制動がかかるわけではなく(手動モードにあるため)、自動運転モードへの移行が禁止されるに過ぎない(緊急制動=1で、かつ手動モードであれば、自動運転モードへの移行は禁止される)。
【0134】
自動運転モードの車両
以下のような例を考える:「デフォルトの等級」=[C,D,A,B](すなわち、[SLAM,GPS−RTK,追従,マーキング])
MODE_AUTO_1は、現行アルゴリズムが優先アルゴリズム(たとえば「デフォルトの等級」=[C,D,A,B]の場合のSLAM(C))であるときのスキームを表す。
【0135】
この例で:
SLAMの信頼度=1であれば、SLAMに留まり、
SLAMの信頼度が0になれば、別モード(2,3,4)が選択され:
GPS−RTKによる車路の信頼度が1であり、かつSLAMによって与えられる車路とGPS−RTKによる車路に整合性がある(coherence_1_2=1)場合は、モード2(D:GPS−RTK)に移行する。
さもなければ:GPS−RTKへの移行が可能でなく(前フレーズの条件参照)、かつ追従による車路の信頼度が1のとき、かつSLAMによって与えられる車路と追従による車路に整合性があるときは、モード1からモード3(A:追従)に直接移行する。
さもなければ:GPS−RTKへの移行が可能でなく、かつ追従への移行が可能でなく、かつマーキングによる車路の信頼度が1であり、かつSLAMによって与えられる車路とマーキングによる車路に整合性があるときは、モード1からモード4(B:マーキング)に直接移行する。
さもなければ:緊急制動に移行する
【0136】
モード2に移行した例(したがってD:GPS−RTK)について考える。
MODE_AUTO_2は、現行アルゴリズムが第2優先アルゴリズム(したがって「デフォルトの等級」=[C,D,A,B]の場合のGPS−RTK)であるときのスキームを表す。
【0137】
「AlgoPrio1」のパラメータ設定に応じて2つの典型的なケースがある。
【0138】
「AlgoPrio1=0」であり、かつGPS−RTKによる車路の信頼度=1であれば、GPS−RTKに留まる。
「AlgoPrio1=1」で、かつGPS−RTKによる車路の信頼度=1であれば、SLAMの信頼度が1で、かつSLAMによって与えられる車路とGPS−RTKによる車路に整合性がある(coherence_1_2=1)場合、ともかく優先モード1に移行する(すなわちSLAMに戻る)。
その後は前述のものと同じ原則をなぞる。
【0139】
GPS−RTKの信頼度が0になれば、別モード(3,4)が選択され:
追従による車路の信頼度が1のとき、かつGPS−RTKによって与えられる車路と追従による車路に整合性があるときは、モード2からモード3(A:追従)に移行する。
さもなければ:追従への移行が可能でなく、かつマーキングによる車路の信頼度が1であり、かつGPS−RTKによって与えられる車路とマーキングによる車路に整合性があるときは、モード2からモード4(A:マーキング)に直接移行する。
さもなければ:緊急制動に移行する。
【0140】
一般に車路の選択は以下を基本とするシーケンスダイアグラムに基づく。
・ それぞれのアルゴリズムによる車路の信頼度
・ ペアをなすそれぞれのアルゴリズムによって与えられる車路の間の整合性
・ 「AlgoPrio1」パラメータ。1であれば優先モードに戻るための切替えを優先する。0であれば、切替えを制限して、車両が現に利用中のアルゴリズムに留まるようにする。
【0141】
優先順位番号−>アルゴ番号移行機能は、優先等級(1:最優先アルゴリズム、2:第2優先アルゴリズム、3:第3優先アルゴリズム、4:最劣後アルゴリズム)とデフォルトの等級(A:追従、B:マーキング、C:SLAM、D:GPS−RTK)との間での移行を行うものである。
【0142】
そのため、「デフォルトの等級」=[D,B,A,C]の場合で、シーケンス論理ブロックが第3のアルゴリズムを最優先として選んだ場合には、選択されるアルゴリズム(A:追従)となる。