(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-528873(P2019-528873A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(54)【発明の名称】バイオメカトロニクスデータ通信システム
(51)【国際特許分類】
A61N 1/05 20060101AFI20190920BHJP
A61N 1/36 20060101ALI20190920BHJP
【FI】
A61N1/05
A61N1/36
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-513418(P2019-513418)
(86)(22)【出願日】2017年4月17日
(85)【翻訳文提出日】2019年4月22日
(86)【国際出願番号】TR2017050146
(87)【国際公開番号】WO2018048369
(87)【国際公開日】20180315
(31)【優先権主張番号】2016/12947
(32)【優先日】2016年9月9日
(33)【優先権主張国】TR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】514210049
【氏名又は名称】ウトゥク・ビュユクシャヒン
【氏名又は名称原語表記】Utku BUYUKSAHIN
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】ウトゥク・ビュユクシャヒン
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB31
4C053BB35
4C053JJ02
4C053JJ11
4C053JJ21
(57)【要約】
電気データをターゲットへ送信するためのデータ送信システム、および、ターゲットから電気データを受信するためのデータ受信システムは本発明によって提供される。当該データ送信システムは、それぞれに光(l)によって刺激されて電気信号を形成する少なくとも2つのフォトトランジスタ結晶(T)と、光(l)をフォトトランジスタ結晶(T)へ送って各フォトトランジスタ結晶(T)へ送信された光(l)の量を互いに独立して制御することを可能とする画像ソース(4)と、画像ソース(4)に接続しており、画像ソース(4)から各フォトトランジスタ結晶(T)へ送信された光(l)の量を制御する少なくとも1つの制御ユニットと、を備える。当該データ受信システムは、それぞれに少なくとも1つのターゲットに接続しており、対応するターゲットから受信する電気信号によって光(l)を発する少なくとも2つの液晶(P)と、互いに独立して各液晶(P)によって発せられる光を検出するための画像センサ(14)と、画像センサ(14)に接続している少なくとも1つの制御ユニットであって、画像センサ(14)によって生成される画像が制御ユニットに送信される制御ユニットと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットへ電気データを送信するためのデータ送信システムであって、
それぞれに光(l)によって刺激されて電気信号を形成する少なくとも2つのフォトトランジスタ結晶(T)であって、
少なくとも1つの信号出力部(1)であって、前記信号出力部(1)において電気信号が生成され、前記生成された電気信号が送信されるべき前記ターゲットに連結している信号出力部(1)と、
少なくとも1つの電圧入力コモン端子(3)と、
受信した前記光(l)の量にしたがって、前記信号出力部(1)において生成された電気信号のレベルを制御するための少なくとも1つの閾値光強度制御入力部(2)と、
を備える前記少なくとも2つのフォトトランジスタ結晶(T)と、
前記光(l)を前記フォトトランジスタ結晶(T)へ送るため、かつ、各前記フォトトランジスタ結晶(T)へ送信する前記光(l)の量を互いに独立して制御するための少なくとも1つの画像ソース(4)と、
前記画像ソース(4)に接続しており、前記画像ソース(4)から各前記フォトトランジスタ結晶(T)へ送信される前記光(l)の量を制御する少なくとも1つの制御ユニットと、
を備える、データ送信システム。
【請求項2】
前記画像ソース(4)は可視光(l)を発する構造を有する、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項3】
前記画像ソース(4)は赤外線光(l)を発する構造を有する、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項4】
前記画像ソース(4)は紫外線光(l)を発する構造を有する、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項5】
前記信号出力部(1)は少なくとも1つの第1伝導部(1a)を備える、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項6】
前記制御ユニットおよび前記画像ソース(4)に互いに接続している少なくとも1つのデータ入力部(21)を備える、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項7】
内部において前記少なくとも1つのフォトトランジスタ結晶(T)が配置されている少なくとも1つの本体(6)を備える、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項8】
前記本体(6)は、前記フォトトランジスタ結晶(T)をターゲットに容易に接続させるための少なくとも1つの上蓋(7)を備える、請求項7に記載のデータ送信システム。
【請求項9】
前記本体(6)は、前記閾値光強度制御入力部(2)に接続している少なくとも1つの第2伝導部(8)を備える、請求項7に記載のデータ送信システム。
【請求項10】
前記本体(6)は少なくとも1つの下蓋(10)を備え、前記下蓋(10)は、前記画像ソース(4)に対向している前記フォトトランジスタ結晶(T)の側に設けられている、請求項7に記載のデータ送信システム。
【請求項11】
前記下蓋(10)は透明構造を有する、請求項10に記載のデータ送信システム。
【請求項12】
異なるフォトトランジスタ結晶(T)の前記電圧入力コモン端子(3)に接続している少なくとも1つの第3伝導部(9)を備える、請求項7に記載のデータ送信システム。
【請求項13】
前記画像ソース(4)とフォトトランジスタ結晶(T)との間に設けられた少なくとも1つの光学素子(5)を備える、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項14】
各フォトトランジスタ結晶(T)は前記画像ソース(4)の1つ以上の画素に対応している、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項15】
ターゲットから電気データを受信するためのデータ受信システムであって、
それぞれに少なくとも1つのターゲットに接続しており、前記対応するターゲットから受信する電気信号によって光(l)を発する少なくとも2つの液晶(P)であって、
前記ターゲットに接続しており、前記ターゲットから前記電気信号を受信する少なくとも1つの信号入力部(11)と、
前記信号入力部(11)から受信する前記電気信号に基づいて、前記液晶(P)において生成される光の最小値およびレベルを制御するための少なくとも1つの閾値信号電圧制御入力部(12)と、
少なくとも1つの電圧入力コモン端子(13)と、
を備える前記液晶(P)と、
互いに独立して各液晶(P)によって発せられる前記光を検出するための少なくとも1つの画像センサ(14)と、
前記画像センサ(14)に接続している少なくとも1つの制御ユニットであって、前記画像センサ(14)によって生成される前記画像が前記制御ユニットに送信される前記制御ユニットと、
を備える、データ受信システム。
【請求項16】
前記液晶(P)は可視光(l)を発する構造を有する、請求項15に記載のデータ受信システム。
【請求項17】
前記液晶(P)は赤外線光(l)を発する構造を有する、請求項15に記載のデータ受信システム。
【請求項18】
前記液晶(P)は紫外線光(l)を発する構造を有する、請求項15に記載のデータ受信システム。
【請求項19】
前記信号入力部(11)は、少なくとも1つの第1伝導部(11a)を備える、請求項15に記載のデータ受信システム。
【請求項20】
前記制御ユニットおよび前記画像センサ(14)に互いに接続している少なくとも1つのデータ出力部(22)を備える、請求項15に記載のデータ受信システム。
【請求項21】
内部において少なくとも1つの液晶(P)が配置されている本体(16)を備える、請求項15に記載のデータ受信システム。
【請求項22】
前記本体(16)は、前記液晶(P)をターゲットに容易に接続させるための少なくとも1つの上蓋(17)を備える、請求項21に記載のデータ受信システム。
【請求項23】
前記本体(16)は、前記閾値光強度制御入力部(12)に接続している少なくとも1つの第2伝導部(18)を備える、請求項21に記載のデータ受信システム。
【請求項24】
前記本体(16)は少なくとも1つの下蓋(20)を備え、前記下蓋(20)は、前記画像センサ(14)に対応している前記液晶(P)の側に設けられている、請求項21に記載のデータ受信システム。
【請求項25】
前記下蓋(20)は透明構造を有する、請求項21に記載のデータ受信システム。
【請求項26】
異なる液晶(P)の前記電圧入力コモン端子(13)に接続している少なくとも1つの第3伝導部(19)を備える、請求項21に記載のデータ受信システム。
【請求項27】
前記画像センサ(14)と液晶(P)との間に設けられた少なくとも1つの光学素子(15)を備える、請求項15に記載のデータ受信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、神経細胞から電気データを受信し、神経細胞へ電気データを送信することが可能なデータ通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人体において、脳と脊髄と他の器官との間のデータ通信は神経細胞を介して達成されている。通常、器官から受信されるデータおよび器官へ送信されるデータは電気信号の形式である。また、神経細胞間の通信は電気的または化学的に行われている。
【0003】
神経と器官との間の通信は電気信号によって提供されるため、神経によって外部からデータを送信することも可能である。例えば、肢体不自由の人の場合、電気信号を不自由な肢体に関連する神経細胞に送信し、不自由な肢体から受信されるべきデータを偽装することが可能である。こうすれば、例えば、手が不自由な患者に利用される人工器官からの特定データは、患者の神経を介して患者の脳へ送信されうる。
【0004】
従来技術において、神経細胞に接続している電極は、電気信号を神経細胞へ送信するように利用される。しかしながら、神経細胞が非常に敏感な構造を有するため、神経細胞へ送られる電気信号は非常に精確に制御されなければならない。神経細胞へ送る信号がより高い電圧または電流値を有する場合、神経細胞は感知されうる高度の痛みによって損傷を受ける可能性がある。さらに、例えば、複数の神経細胞へ分離した信号を送るように、各電極へ送られる電気信号を個別に制御するニーズは、このようなシステムに複雑で高価で大きな構造を持たせる。
【発明の概要】
【0005】
ターゲットへ電気データを送信することが可能なデータ送信システム、および、ターゲットから電気データを受信することが可能なデータ受信システムは本発明によって提供される。当該データ送信システムは、それぞれに光によって刺激されて電気信号を形成する少なくとも2つのフォトトランジスタ結晶と、光をフォトトランジスタ結晶へ送って各フォトトランジスタ結晶へ送信する光の量を互いに独立して制御することを可能とする画像ソースと、画像ソースに接続しており、画像ソースから各フォトトランジスタ結晶へ送信された光の量を制御する少なくとも1つの制御ユニットと、を備える。各フォトトランジスタ結晶は、少なくとも1つの信号出力部であって、当該信号出力部において電気信号が生成され、生成された電気信号が送信されるべきターゲットに連結している信号出力部と、少なくとも1つの電圧入力コモン端子と、受信した光の量にしたがって、信号出力部において生成された電気信号のレベルを制御することが可能な少なくとも1つの閾値光強度制御入力部と、を備える。
【0006】
データ受信システムは、それぞれに少なくとも1つのターゲットに接続しており、対応するターゲットから受信する電気信号によって光を発する少なくとも2つの液晶(light crystals)と、互いに独立して各液晶によって発せられる光を検出するための少なくとも1つの画像センサと、画像センサに接続している少なくとも1つの制御ユニットであって、画像センサによって生成される画像が制御ユニットに送信される制御ユニットと、を備える。各液晶は、ターゲットに接続しており、ターゲットから電気信号を受信する少なくとも1つの信号入力部と、信号入力部から受信する電気信号に基づいて、液晶において生成される光の最小値およびレベルを制御するための少なくとも1つの閾値信号電圧制御入力部と、少なくとも1つの電圧入力コモン端子と、を備える。
【0007】
本発明に係るデータ送信システムにおいて、電気信号がフォトトランジスタ結晶を介して神経細胞などのターゲットへ送信されるため、送信される電気信号はある最大値を超えないことが確実である。さらに、大量のフォトトランジスタ結晶およびLCDパネルを用いることによって、電気信号が個別に複数のターゲットへ送ることも確実である。同様に、本発明に係るデータ受信システムにおいて、大量の液晶および画像センサを用いるため、複数のターゲットから受信される電気信号は互いに独立して検出されることが確実である。本発明のデータ送信システムおよびデータ受信システムに基づいて、信号閾値は閾値光強度制御入力部および閾値信号電圧制御入力部によって制御可能である。また、データ送信システムおよび/またはデータ受信システムが上蓋を備える実施例において、上蓋は癒着を伴う顕微手術などの手段によって神経の末端に固定される。同様に、この技術は本発明の手段によって健康な人の神経にも適用可能であり、よって、その脳へ信号を送ることおよび/またはその脳から信号を受信することが可能となる。
【0008】
[発明の目的]
本発明の1つの目的は、複数の神経細胞へ個別に電気データを送信することが可能なデータ送信システムを提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの目的は、1つの神経細胞へ電気データを送信することが可能なデータ送信システムを提供することである。
【0010】
本発明のもう1つの目的は、複数の神経細胞から個別に電気データを受信することが可能なデータ受信システムを提供することである。
【0011】
本発明のまた1つの目的は、1つの神経細胞から電気データを受信することが可能なデータ受信システムを提供することである。
【0012】
本発明のさらに1つの目的は、コンパクトで容易に制御可能なデータ受信システムおよびデータ送信システムを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係るデータ送信システムにおいて利用されるフォトトランジスタ結晶の斜視図
【
図4】本発明に係るデータ受信システムにおいて利用される光源の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るデータ送信システムおよびデータ受信システムの例示的な実施例は添付図面によって示されている。
【0015】
肢体不自由の患者の場合、当該肢体に関連する神経細胞は通常は依然として有効である。依然有効な神経細胞を利用することによって、電気信号は患者の脳へ送るおよび/または患者の脳から受信することができる。よって、神経細胞などのターゲットへ電気データを送信することが可能なデータ送信システム、および、神経細胞などのターゲットから電気データを受信することが可能なデータ受信システムは本発明によって提供される。
【0016】
図1−3に示されているように、本発明に係るデータ送信システムは、光によって刺激されて電気信号を形成する少なくとも2つのフォトトランジスタ結晶(T)と、光(l)を前記フォトトランジスタ結晶(T)へ送信し、各フォトトランジスタ結晶(T)へ送信された光(l)の量を互いに独立して制御することを可能とする少なくとも1つの画像ソース(4、例えば、LCDパネル、OLEDパネル、スクリーンなど)と、画像ソース(4)に接続しており、画像ソース(4)から各フォトトランジスタ結晶(T)へ送信された光(l)の量を制御する少なくとも1つの制御ユニット(図に示されていない)と、を備える。フォトトランジスタ結晶(T)は、少なくとも1つの信号出力部(1)であって、当該信号出力部(1)において電気信号が生成され、生成された電気信号が送信されるべきターゲットに連結している信号出力部(1)と、少なくとも1つの電圧入力コモン端子(3)と、受信した光(l)の量にしたがって、信号出力部(1)において生成された電気信号のレベルを制御することが可能な少なくとも1つの閾値光強度制御入力部(2)と、を備える。本発明によれば、画像ソース(4)の各画素は独立した光源として働く。ここで、画像ソース(4)は光(l)を個別に各フォトトランジスタ結晶(T)へ送信することが可能なため、各フォトトランジスタ結晶(T)から受信される電気信号はリアルタイムで個別に制御されうることが確実である。画像ソース(4)は、可視光(l)を発する構造を有してもよく、不可視の周波数の光(l)、例えば赤外線または紫外線を発する構造を有してもよい。
【0017】
データ送信システムの例示的な実施例において、フォトトランジスタ結晶(T)はNPNトランジスタまたはPNPトランジスタの構造を有する。
図3に示されているように、信号出力部(1)(N端子またはP端子)は少なくとも1つの神経細胞(N)に接続している。好ましくは、信号出力部(1)は少なくとも1つの第1伝導部(1a)を備え、第1伝導部(1a)によって、信号出力部(1)はターゲットに容易に接続でき、ターゲットへ電気信号を送信することができる。ここで、制御ユニットおよび画像ソース(4)に互いに接続している少なくとも1つのデータ入力部(21)から受信されるデータにしたがって、光(l)は画像ソース(4)によってフォトトランジスタ結晶(T)において送信される。送信された光(l)の量に関連する電気信号は信号出力部(1)において生成され、生成される信号は神経細胞(N)へ送信される。こうすれば、望ましい電気信号が神経細胞(N)へ送られることが確実である。ここで、制御ユニットを介して画像ソース(4)の輝度を制御する効果によって、フォトトランジスタ結晶(T)を照射する光(l)の量、ひいては信号出力部(1)において取得される電気信号のレベルは制御される。こうすれば、神経細胞(N)へ送信される信号は制御されることが確実である。閾値光強度制御入力部(2)(P端子またはN端子)から送られる制御信号によって、信号出力部(1)において取得されるべき信号の最小値が制御されうる。よって、例えば、画像ソース(4)から受信される光(l)のレベルが特定の閾値より低いとき、信号は信号出力部(1)において取得されないが、光(l)のレベルが当該閾値以上に上昇するとき、信号は信号出力部(1)において取得されることが確実である。
【0018】
本発明の好ましい実施例において、データ送信システムは、内部において少なくとも1つのフォトトランジスタ結晶(T)が配置されている少なくとも1つの本体(6)を備える。好ましくは、本体(6)は絶縁性ゲルの形式である。この実施例において、本体(6)は、システムの回路短絡、および、環境因子からフォトトランジスタ結晶(T)への損傷を回避するような絶縁層として働く。好ましい実施例において、本体(6)は、フォトトランジスタ結晶(T)をターゲットに容易に接続させるための少なくとも1つの上蓋(7)を備える。例示的な実施例において、上蓋(7)は神経細胞(N)の外部にある神経鞘(M)(例えば、神経束)に連結しており、よって、神経細胞(N)はフォトトランジスタ結晶(T)に強固かつ高い信頼性で結びつけられていることが確実である。本体(6)は、閾値光強度制御入力部(2)に接続している少なくとも1つの第2伝導部(8)をさらに備え、よって、閾値光強度制御入力部(2)において制御信号を送ることができる。もう1つの好ましい実施例において、本体(6)は、少なくとも1つの下蓋(10)を備え、下蓋(10)は、画像ソース(4)に対向しているフォトトランジスタ結晶(T)の側に設けられている。下蓋(10)は透明(光(l)透過)構造を有し、当該透明構造は、画像ソース(4)から来る光線(l)がフォトトランジスタ結晶(T)に達することを可能とする。もう1つの好ましい実施例において、データ送信システムは、異なるフォトトランジスタ結晶(T)の電圧入力コモン端子(3)に接続している少なくとも1つの第3伝導部(9)を備える。
【0019】
このシステムに利用される第1伝導部(1a)、第2伝導部(8)および第3伝導部(9)は、導電(ゼロ電気抵抗)材料、または個別の一定の電気抵抗を有する材料から製造されてもよい。本発明の代替的な実施例において、第1伝導部(1a)、第2伝導部(8)および第3伝導部(9)に対して異なる電気抵抗値(R1、R2、R3)を有する伝導体を利用することによって、フォトトランジスタ結晶(T)の利得制御を行うことが可能となり、出力電圧値は制御されうるおよび/または固定の上限値に制限されうる。さらに、異なる半導体(SiN、GePなど)で製造されたフォトトランジスタ結晶(T)を利用することによって、システムに必要な最大の電流および電圧の制限が達成可能である。
【0020】
本発明に係るデータ送信システムの回路図は
図2に示されている。ここで、信号出力部(1)において取得される信号はV1で示し、閾値光強度制御入力部(2)へ送る制御信号はV2で示す。R1、R2、R3で示された抵抗は、それぞれ、第1伝導部(1a)、第2伝導部(8)および第3伝導部(9)の電気抵抗値である。この実施例において生成される信号の極性に基づいて、電圧V1は負極性または正極性を有する(フォトトランジスタ結晶(T)がNPNまたはPNPであることを問わない)。よって、回路を完結する電圧の極性もシステムの出力極性に基づいて変化する。この原因で、電気スキームにおける(+)または(−)の符号の利用の代わりに、電圧自体および(逆極性を有する)その反対が示されている。オーバーラインで示されているのは関連する電圧の「反対極性」である。すなわち、V1の極性が正(+)である場合、その反対極性は負(−)の極性で表示される。V1の極性が負(−)である場合、その反対極性は正(+)の極性で表示される。
【0021】
本発明の好ましい実施例において、データ送信システムは、画像ソース(4)とフォトトランジスタ結晶(T)との間に設けられた少なくとも1つの光学素子(5)をさらに備える。好ましくは、光学素子(5)はフォトトランジスタ結晶(T)を画像ソースの画素に対応させることができる。
【0022】
本発明の例示的な実施例において、データ送信システムは触覚センサ(例えば、国際公開第2014011126号に説明された触覚センサ)とともに利用される。この実施例において、制御ユニットは、接触センサから受信される触覚情報(触覚の位置、強度など)に基づいて、光(l)がどのレベルでどのフォトトランジスタ結晶(T)へ送るべきかを制御する。よって、義肢を介する接触(タッチ)の強度および位置は、例えば、本発明に従って開発されるデータ送信システムによって脳に送信されうる。
【0023】
本発明に係る制御ユニットは、いかなる有線または無線のデータ送受信方法によって、光(l)がどのレベルでどのフォトトランジスタ結晶(T)へ送るべきかに関連する情報を受信してもよい。よって、人に取り付けられた人工器官などの人工装置のセンサによって、または、遠隔装置との接続によって、データは本発明が適用される人の脳へ送信可能である。
【0024】
本発明によって開発されるデータ送信システムは、前述した例示において神経細胞(N)へデータを送信するために利用されるが、データ送信システムの利用範囲は神経細胞(N)に限られていない。本発明のデータ送信システムに基づいて、フォトトランジスタ結晶(T)の信号出力部(1)から受信される電気信号のレベル(電圧値)が常に最大電圧値以下であるため、当該データ送信システムは繊細なデータ送信を求める全てのデータ送信システムに利用されうる。さらに、データ送信システムが複数のフォトトランジスタ結晶(T)を備える実施例において、本発明によって開発されるデータ送信システムは、各フォトトランジスタ結晶(T)から受信される電気信号が個別に制御されうるため、多チャンネルのデータ送信も提供する。
【0025】
神経細胞(N)によって運ばれる電気信号は、パルス幅変調(pulse width modulation、PWM)信号として送信される。すなわち、神経細胞(N)によって運ばれる電気信号の電圧値は一定であり、その信号の周波数が変化する。よって、本発明によって開発されるデータ送信システムが特に神経細胞(N)に利用される実施例において、フォトトランジスタ結晶(T)の信号出力部(1)から受信される電気信号もPWM信号の形式である。この実施例において、制御ユニットは、また、画像ソース(4)の周波数(点滅周波数)および輝度レベルを制御するように構成されている。よって、信号出力部(1)から受信される電気信号は制御されることが確実である。例示的な実施例において、各フォトトランジスタ結晶(T)へ送られる光の輝度レベルは同様であり、光の点滅周波数を変化させることによって、フォトトランジスタ結晶(T)から取得される電気信号のパルス幅変調は制御されうる。
【0026】
本発明のもう1つの好ましい実施例において、フォトトランジスタ結晶(T)を画像ソース(4)の各画素に対応させる代わりに、1つのフォトトランジスタ結晶(T)は1つ以上の画素に対応している。よって、フォトトランジスタ結晶(T)へ送られる光(l)の量はより精確に増加されうるおよび/または制御されうる。
【0027】
本発明のもう1つの好ましい実施例において、フォトトランジスタ結晶(T)はフォトトランジスタの構造を有する。よって、現在利用可能なフォトトランジスタは本発明のデータ送信システムに利用されることを可能とする。
【0028】
図4−6に示されているように、本発明に係るデータ受信システムは、それぞれに少なくとも1つのターゲットに接続されており、対応するターゲットから受信する電気信号によって光(l)を発する少なくとも2つの液晶と、互いに独立して各液晶(P)によって発せられる光を検出するための少なくとも1つの画像センサ(14)(例えば、CMOS、CCDなど)と、画像センサ(14)に接続している少なくとも1つの制御ユニット(図に示されていない)であって、画像センサ(14)によって、好ましくは少なくとも2つのデータ出力部(22)によって、生成される画像が制御ユニットに送信される制御ユニットと、を備える。各液晶(P)は、ターゲットに接続しており、ターゲットから電気信号を受信する少なくとも1つの信号入力部(11)と、信号入力部(11)から受信する電気信号に基づいて、液晶(P)において生成される光の最小値およびレベル(輝度)を制御するための少なくとも1つの閾値信号電圧制御入力部(12)と、少なくとも1つの電圧入力コモン端子(13)と、を備える。好ましくは、液晶(P)は、可視、または不可視(例えば、赤外線または紫外線)の光(l)を発する構造(例えば、LED構造)を有してもよい。ここで、各液晶(P)によって発せられる光(l)は画像センサ(14)によって個別に検出されるため、各液晶(P)によって発せられる光(l)はリアルタイムで個別に検出されうることが確実である。
【0029】
データ受信システムの例示的な実施例において、基本的に、液晶(P)はNPN結晶(LED)またはPNP結晶(LED)の構造を有する。
図6に示されているように、信号入力部(N端子またはP端子)は少なくとも1つの神経細胞(N)に接続している。好ましくは、信号入力部(11)は少なくとも1つの第1伝導部(11a)を備え、第1伝導部(11a)によって、ターゲットに容易に接続でき、ターゲットに電気信号を送信することができる。ここで、光(l)は液晶(P)において、神経細胞(N)から来る電気信号によって生成される。生成される光が画像センサ(14)によって検出されるため、神経細胞(N)から来る電気信号の特性は画像センサ(14)によって取得されうる。閾値信号電圧制御入力部(12)(P端子またはN端子)から送られる制御信号によって、液晶(P)において取得されるべき光の輝度の最大値および最小値が制御されうる。よって、例えば、神経細胞(N)から受信される電気信号が特定の閾値より低いときに、光は液晶(P)において取得されないが、電気信号が当該閾値以上に上昇するとき、光は液晶(P)において取得されることが確実である。
【0030】
本発明のもう1つの好ましい実施例において、データ受信システムは、内部において少なくとも1つの液晶(P)が配置されている少なくとも1つの本体(16)を備える。本体(16)は絶縁性ゲルの形式である。この実施例において、本体(16)は、システムの回路短絡、および、環境因子から液晶(P)への損傷を回避するような絶縁層として働く。好ましい実施例において、本体(16)は、液晶(P)をターゲットに容易に接続させるための少なくとも1つの上蓋(17)を備える。例示的な実施例において、上蓋(17)は神経細胞(N)の外部にある神経鞘(M)(例えば、神経束)に連結しており、よって、神経細胞(N)は液晶(P)に強固かつ高い信頼性で結びつけられていることが確実である。本体(16)は、閾値信号電圧制御入力部(12)に接続している少なくとも1つの第2伝導部(18)をさらに備え、よって、閾値信号電圧制御入力部(12)において制御信号を送ることができる。もう1つの好ましい実施例において、本体(16)は、少なくとも1つの下蓋(20)を備え、下蓋(20)は、画像センサ(14)に対向している液晶(P)の側に設けられている。下蓋(20)は透明(光(l)透過)構造を有し、当該透明構造は、液晶(P)から来る光線(l)が画像センサ(14)に達することを可能とする。もう1つの好ましい実施例において、データ受信システムは、異なる液晶(P)の電圧入力コモン端子(13)に接続している少なくとも1つの第3伝導部(19)を備える。
【0031】
このシステムに利用される第1伝導部(11a)、第2伝導部(18)および第3伝導部(19)は、導電(ゼロ電気抵抗)材料、または個別の一定の電気抵抗を有する材料から製造されてもよい。本発明の代替的な実施例において、第1伝導部(11a)、第2伝導部(18)および第3伝導部(19)に対して異なる電気抵抗値(R1、R2、R3)を有する伝導体を利用することによって、フォトトランジスタの利得制御を行うことが可能となり、出力電圧値は制御されうるおよび/または固定の上限値に制限されうる。さらに、異なる半導体(Si、GaSb、GaAs、SiGeなど)で製造された液晶(P)を利用することによって、システムに必要な電流および電圧の制限が達成可能である。
【0032】
本発明に係るデータ受信システムの回路図は
図5に示されている。ここで、信号入力部(11)から来る信号はV1で示し、閾値信号電圧制御入力部(12)へ送る制御電圧はV2で示す。R1、R2、R3で示された抵抗は、それぞれ、第1伝導部(11a)、第2伝導部(18)および第3伝導部(19)の電気抵抗値である。この実施例において生成される信号の極性に基づいて、電圧V1は負極性または正極性を有する(液晶(P)がNPNまたはPNPであることを問わない)。よって、回路を完結する電圧の極性もシステムの出力極性に基づいて変化する。この原因で、電気スキームにおける(+)または(−)の符号の利用の代わりに、電圧自体および(逆極性を有する)その反対が示されている。オーバーラインで示されているのは関連する電圧の「反対極性」である。すなわち、V1の極性が正(+)である場合、その反対極性は負(−)の極性で表示される。V1の極性が負(−)である場合、その反対極性は正(+)の極性で表示される。
【0033】
本発明の好ましい実施例において、データ受信システムは、画像センサ(14)と液晶(P)との間に設けられた少なくとも1つの光学素子(15)をさらに備える。好ましくは、光学素子(15)は液晶(P)を画像センサの画素に対応させることができる。
【0034】
本発明のもう1つの好ましい実施例において、画像センサ(14)の各画素を液晶(P)に対応させる代わりに1つの液晶(P)は1つ以上の画素に対応している。よって、画像センサ(14)へ送る光(l)の量はさらに精確に増加および/または制御されうる。
【0035】
本発明によって開発されるデータ受信システムは、前述した例示において神経細胞(N)からデータを受信するために利用されるが、データ受信システムの利用範囲は神経細胞(N)に限られていない。本発明のデータ受信システムが複数の液晶(P)を備える実施例において、本発明によって開発されるデータ受信システムは、各液晶(P)によって発せられる電気信号が個別に検出されうるため、多チャンネルのデータ送信も提供する。
【0036】
神経細胞(N)によって運ばれる電気信号は、パルス幅変調(pulse width modulation、PWM)信号として送信される。すなわち、神経細胞(N)によって運ばれる電気信号の電圧値は一定であり、その信号の周波数が変化する。よって、本発明によって開発されるデータ受信システムが特に神経細胞(N)に利用される実施例において、一定の輝度および可変な周波数を有して液晶(P)によって発せられる光(l)が取得される。さらに、神経細胞(N)から受信される信号の情報は、光の周波数変化量にしたがって取得される。
【0037】
例示的な実施例において、本発明のデータ送信システムおよびデータ受信システムはともに利用されうる。これらの間の接続は有線通信または無線通信の形式であってもよい。この実施例において、患者の脳と器官との間において神経離断(neural disconnection)が発生するとき、脳から来る電気信号が検出されるように、脳に接続された神経細胞末端はデータ受信システムに結びつける。器官に接続している神経細胞末端をデータ送信システムに結びつけること、および、データ受信システムによって検出される電気信号をデータ送信システムへ送ることによれば、脳から来るコマンドは器官へ送ることが確実である。
【0038】
もう1つの実施例において、神経細胞(N)はデータ送信システムとデータ受信システムともに接続してもよい。この実施例において、神経細胞(N)は液晶(P)の信号入力部(11)とフォトトランジスタ結晶(T)の信号出力部(1)とも接続している。ここで、液晶(P)の信号入力部(11)とフォトトランジスタ結晶(T)の信号出力部(1)とは神経細胞(N)を介して相互接続されているため、フォトトランジスタ結晶(T)の信号出力部(1)において取得される電気信号は液晶(P)にも刺激する。よって、この実施例において、データ受信システムにおける制御ユニットとデータ送信システムにおける制御ユニットとは互いに接続しており、データ受信システムにおいて神経細胞(N)から受信される信号を検出するために、データ送信システムによって神経細胞(N)へ送られる電気信号も考慮される。この実施例において、神経細胞(N)に対して双方向のデータ送信(データの受信および送信)は達成されうる。複数の神経細胞(N)との1つの接続が確立される場合、複数の光搬送器(例えば、光ファイバケーブル)は、各液晶(P)を画像センサの画素に対応させ、各フォトトランジスタ結晶(T)をLCDパネルの各画素に対応させるように利用されうる。ここで、第1光ファイバケーブルハーネスは液晶(P)と画像センサとの間の光(l)の送信を可能とし、第2光ファイバケーブルハーネスはフォトトランジスタ(T)とLCDパネルとの間の光(l)の送信を可能とする。
【0039】
本発明に係るデータ送信システムおよびデータ受信システムにおいて、受信されるデータおよび送信されるデータのエネルギーレベルは制御ユニットによって制御可能である。よって、例えば、データ送信システムを利用する義肢という応用の場合、検出される接触の強度は、制御ユニットによって、増加、減少、局部的につけること、局部的に止めること、および/または、様々なフィルタを適用することをもって神経細胞(N)へ送信されうる。こうすれば、ユーザの知覚の感度が増加されうるまたは減少されうる。もう1つの例示的な実施例において、神経細胞(N)から受信された、例えば神経損傷による弱い信号は、データ受信システムにおける制御ユニットによって増加され、より強く知覚されうる。よって、データ受信システムは神経の疾患を有する人においても利用可能であることが確実である。
【0040】
本発明のデータ受信システムによって、人体内に異なる神経細胞(N)を介して搬送される電気信号は簡単にコンピュータまたはプロセッサと送受信され、保存され、分析されうることが確実である。したがって、例えば、健康な人と特定の疾患を有する人とから取得されるデータを比較することによって、関連する疾患の原因が分かる。さらに、電気信号を分析することによって、脳および神経系に関連する多くのミステリーも究明されうる。
【0041】
本発明のデータ受信および送信システムを用いて、器官を刺激するために求められる神経インパルスが人工的にこれらの器官へ送れ、または、送られる信号がいかなる望ましい形式で検出され送信されうる。例えば、すい臓におけるベータ細胞へ信号を送ることによって、インスリン分泌が達成できる。
【0042】
また、例えば、特定の神経によって運ばれる信号は保存されてもよく、必要がある場合、保存されたデータは、本発明によって開発されるデータ送信システムを利用することによって神経細胞(N)へ送信されうる。例示的な実施例において、映画における接触、耳ざわりな音(jarring)、動きなどの知覚は、映画の撮影時に記録されるまたは後に追加されることによって、鑑賞者に人工的に伝達される。例えば、嗅覚によって神経細胞(N)において生成される電気信号は、複製され、人工的に現出させることができ、よって、嗅覚はデジタル的に送信されうる。
【0043】
本発明に係るデータ受信システムおよびデータ送信システムは、アナログ電圧、デジタルI/O信号、PWM信号、CANバスの信号、または、いかなる他の通信プロトコルの信号を送受信することに利用されうる。
【0044】
本発明に係るデータ送信システムにおいて、電気信号がフォトトランジスタ結晶(T)を介して神経細胞(N)などのターゲットへ送信されるため、送信される電気信号はある最大値を超えないことが確実である。さらに、大量のフォトトランジスタ結晶(T)およびLCDパネルを用いることによって、電気信号が個別に複数のターゲットへ送ることも確実である。同様に、本発明に係るデータ受信システムにおいて、大量の液晶(P)および画像センサを用いるため、複数のターゲットから受信される電気信号は互いに独立して検出されることが確実である。本発明のデータ送信システムおよびデータ受信システムに基づいて、信号閾値は閾値光強度制御入力部(2)および閾値信号電圧制御入力部(12)によって制御可能である。また、データ送信システムおよび/またはデータ受信システムが上蓋(7、17)を備える実施例において、上蓋(7、17)は癒着を伴う顕微手術などの手段によって神経の末端に固定される。同様に、この技術は本発明の手段によって健康な人の神経にも適用可能であり、よって、その脳へ信号を送ることおよび/またはその脳から信号を受信することが可能となる。
【0045】
図面に示された全ての部分が個別に参照番号に指定され、これらの番号に対応するものは以下のように列挙されている。
【0046】
フォトトランジスタ結晶 (T)
液晶 (P)
神経細胞 (N)
神経鞘 (M)
光 (l)
信号入力部 (1)
第1伝導部 (1a、11a)
第2伝導部 (8、18)
第3伝導部 (9、19)
閾値光強度制御入力部 (2)
電圧入力コモン端子 (3、13)
画像ソース (4)
光学素子 (5、15)
本体 (6、16)
上蓋 (7、17)
下蓋 (10、20)
信号入力部 (11)
閾値信号電圧制御入力部 (12)
画像センサ (14)
データ入力部 (21)
データ出力部 (22)
【手続補正書】
【提出日】2018年5月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経細胞(N)へ電気データを送信するためのデータ送信システムであって、
それぞれに光(l)によって刺激されて電気信号を形成する少なくとも2つのフォトトランジスタ結晶(T)であって、
少なくとも1つの信号出力部(1)であって、前記信号出力部(1)において電気信号が生成され、前記生成された電気信号が送信されるべき前記神経細胞(N)に連結している信号出力部(1)と、
少なくとも1つの電圧入力コモン端子(3)と、
受信した前記光(l)の量にしたがって、前記信号出力部(1)において生成された電気信号のレベルを制御するための少なくとも1つの閾値光強度制御入力部(2)と、
を備える前記少なくとも2つのフォトトランジスタ結晶(T)と、
前記光(l)を前記フォトトランジスタ結晶(T)へ送るため、かつ、各前記フォトトランジスタ結晶(T)へ送信する前記光(l)の量を互いに独立して制御するための少なくとも1つの画像ソース(4)と、
前記画像ソース(4)に接続しており、前記画像ソース(4)から各前記フォトトランジスタ結晶(T)へ送信される前記光(l)の量を制御する少なくとも1つの制御ユニットと、
を備える、データ送信システム。
【請求項2】
前記画像ソース(4)は可視光(l)を発する構造を有する、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項3】
前記画像ソース(4)は赤外線光(l)を発する構造を有する、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項4】
前記画像ソース(4)は紫外線光(l)を発する構造を有する、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項5】
前記信号出力部(1)は少なくとも1つの第1伝導部(1a)を備える、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項6】
前記制御ユニットおよび前記画像ソース(4)に互いに接続している少なくとも1つのデータ入力部(21)を備える、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項7】
内部において前記少なくとも1つのフォトトランジスタ結晶(T)が配置されている少なくとも1つの本体(6)を備える、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項8】
前記本体(6)は、前記フォトトランジスタ結晶(T)を神経細胞(N)に容易に接続させるための少なくとも1つの上蓋(7)を備える、請求項7に記載のデータ送信システム。
【請求項9】
前記本体(6)は、前記閾値光強度制御入力部(2)に接続している少なくとも1つの第2伝導部(8)を備える、請求項7に記載のデータ送信システム。
【請求項10】
前記本体(6)は少なくとも1つの下蓋(10)を備え、前記下蓋(10)は、前記画像ソース(4)に対向している前記フォトトランジスタ結晶(T)の側に設けられている、請求項7に記載のデータ送信システム。
【請求項11】
前記下蓋(10)は透明構造を有する、請求項10に記載のデータ送信システム。
【請求項12】
異なるフォトトランジスタ結晶(T)の前記電圧入力コモン端子(3)に接続している少なくとも1つの第3伝導部(9)を備える、請求項7に記載のデータ送信システム。
【請求項13】
前記画像ソース(4)とフォトトランジスタ結晶(T)との間に設けられた少なくとも1つの光学素子(5)を備える、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項14】
各フォトトランジスタ結晶(T)は前記画像ソース(4)の1つ以上の画素に対応している、請求項1に記載のデータ送信システム。
【請求項15】
神経細胞(N)から電気データを受信するためのデータ受信システムであって、
それぞれに少なくとも1つの神経細胞(N)に接続しており、前記対応する神経細胞(N)から受信する電気信号によって光(l)を発する少なくとも2つの液晶(P)であって、
前記神経細胞(N)に接続しており、前記神経細胞(N)から前記電気信号を受信する少なくとも1つの信号入力部(11)と、
前記信号入力部(11)から受信する前記電気信号に基づいて、前記液晶(P)において生成される光(l)の最大値および最小値およびレベルを制御するための少なくとも1つの閾値信号電圧制御入力部(12)と、
少なくとも1つの電圧入力コモン端子(13)と、
を備える前記液晶(P)と、
互いに独立して各液晶(P)によって発せられる前記光(l)を検出するための少なくとも1つの画像センサ(14)と、
前記画像センサ(14)に接続している少なくとも1つの制御ユニットであって、前記画像センサ(14)によって生成される前記画像が前記制御ユニットに送信される前記制御ユニットと、
を備える、データ受信システム。
【請求項16】
前記液晶(P)は可視光(l)を発する構造を有する、請求項15に記載のデータ受信システム。
【請求項17】
前記液晶(P)は赤外線光(l)を発する構造を有する、請求項15に記載のデータ受信システム。
【請求項18】
前記液晶(P)は紫外線光(l)を発する構造を有する、請求項15に記載のデータ受信システム。
【請求項19】
前記信号入力部(11)は、少なくとも1つの第1伝導部(11a)を備える、請求項15に記載のデータ受信システム。
【請求項20】
前記制御ユニットおよび前記画像センサ(14)に互いに接続している少なくとも1つのデータ出力部(22)を備える、請求項15に記載のデータ受信システム。
【請求項21】
内部において少なくとも1つの液晶(P)が配置されている本体(16)を備える、請求項15に記載のデータ受信システム。
【請求項22】
前記本体(16)は、前記液晶(P)を神経細胞(N)に容易に接続させるための少なくとも1つの上蓋(17)を備える、請求項21に記載のデータ受信システム。
【請求項23】
前記本体(16)は、前記閾値光信号電圧制御入力部(12)に接続している少なくとも1つの第2伝導部(18)を備える、請求項21に記載のデータ受信システム。
【請求項24】
前記本体(16)は少なくとも1つの下蓋(20)を備え、前記下蓋(20)は、前記画像センサ(14)に対向している前記液晶(P)の側に設けられている、請求項21に記載のデータ受信システム。
【請求項25】
前記下蓋(20)は透明構造を有する、請求項21に記載のデータ受信システム。
【請求項26】
異なる液晶(P)の前記電圧入力コモン端子(13)に接続している少なくとも1つの第3伝導部(19)を備える、請求項21に記載のデータ受信システム。
【請求項27】
前記画像センサ(14)と液晶(P)との間に設けられた少なくとも1つの光学素子(15)を備える、請求項15に記載のデータ受信システム。
【国際調査報告】