(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-529034(P2019-529034A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(54)【発明の名称】化粧品ケースをロックするための手段
(51)【国際特許分類】
A45D 40/00 20060101AFI20190920BHJP
A45D 40/06 20060101ALI20190920BHJP
【FI】
A45D40/00 P
A45D40/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-536710(P2019-536710)
(86)(22)【出願日】2017年9月20日
(85)【翻訳文提出日】2019年5月15日
(86)【国際出願番号】FR2017052514
(87)【国際公開番号】WO2018055286
(87)【国際公開日】20180329
(31)【優先権主張番号】1670542
(32)【優先日】2016年9月21日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518383781
【氏名又は名称】レブール・ソシエテ・パル・アクシオン・サンプリフィエ
【氏名又は名称原語表記】REBOUL S.A.S.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バシュロン,フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ドミ,ミシェル
(57)【要約】
回転する化粧品ケースであって、少なくとも1つの回転ロック手段および少なくとも1つの引張ロック手段の両方によって、合成材料のシース(2)に嵌合い、機械的に保持される外側金属ジャケット(1)を備え、1つの回転ロック手段は、金属ジャケット(1)の円筒状壁の下端で外向きに開口する切欠き(5)からなり、切欠き(5)は、シースにおける成形突起と協働して、取り付けられ、引張ロック手段は金属ジャケット(1)の円筒状壁の下部における少なくとも1つのオリフィス(7)を含み、金属ジャケットの下端とともに、シース(2)に位置する凹部に面する内向きの壁部(8)を画定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する化粧品ケースであって、少なくとも1つの回転ロック手段(3)および少なくとも1つの引張ロック手段(4)によって、合成材料のシース(2)によって機械的に保持される外側金属ジャケット(1)を備え、1つの回転ロック手段(3)は、前記金属ジャケット(1)の円筒状壁の下端において外向きに開口する切欠き(5)からなり、前記切欠き(5)は、前記シース(2)における成形突起(6)と協働して取り付けられ、回転ロック手段(3)は、前記金属ジャケット(1)の円筒状壁の下端において外向きに開口する切欠き(5)からなり、前記切欠き(5)は、前記シース(2)における成形突起(6)と協働して取り付けられ、前記引張ロック手段(4)は前記金属ジャケット(1)の円筒状壁の下部における少なくとも1つのオリフィス(7)からなり、前記金属ジャケットの下端とともに、前記シース(2)に位置するハウジング(9)に面する内向きの壁部(8)を画定する、回転する化粧品ケース。
【請求項2】
前記切欠き(5)は台形であることを特徴とする、請求項1に記載の回転する化粧品ケース。
【請求項3】
前記金属ジャケットの前記円筒状壁に対して径方向に配置される前記切欠き(5)の横断面が、前記シース(2)の突出輪郭(6)から同様に径方向に配置される面と当接することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の回転する化粧品ケース。
【請求項4】
前記壁部分(8)は内向きであり、少なくとも1つの凹部(10)を有することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の回転する化粧品ケース。
【請求項5】
少なくとも1つの凹部(10)は突出した輪郭を有することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の回転する化粧品ケース。
【請求項6】
前記金属ジャケット(1)の内側に向けられる前記壁部(8)の上端は、前記シース(2)の前記ハウジング(9)の上端部と接触していることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の回転する化粧品ケース。
【請求項7】
前記金属スリーブ(1)の前記壁部分(6)の下端は前記シース(2)の前記ハウジング(9)の下端と一致することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の回転する化粧品ケース。
【請求項8】
1つの壁部分(6)の高さは1つのハウジング(9)の高さよりも小さいことを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の回転する化粧品ケース。
【請求項9】
直径方向に対向して位置する2つの引張ロック手段(4)を備えることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の回転する化粧品ケース。
【請求項10】
前記シース(2)は、スパイラル状のエンベロープであり、それは、凹ゾーンとして記載される第1のゾーンに対応する少なくとも1つのらせん状の溝と、らせん状の溝の2つの部分の間に配置されるゾーンに対応する、凸ゾーンとして記載される第2のゾーンとを含み、少なくとも1つのハウジング(9)が少なくとも1つの凸ゾーンとの対応関係で位置することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の回転する化粧品ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リップスティックまたはリップクリームのスティックのような化粧品を収容するために使用されるタイプの回転する化粧品ケースの構成要素の回転および引張における機械的拘束に関する。
【背景技術】
【0002】
回転する化粧品ケースは、一般的に、取り外し可能なカバーを備えており、それは下側パッケージングと対応して組み立てられる。下側パッケージングは、ケースの把持を容易にする円筒カバーの役割を果たし、スパイラル状のエンベロープに入れられるシースに通常埋め込まれるリップスティックまたはリップクリームのスティックを受けるスライダからなる機構上に嵌められる。スライダは、シースのスライドに係合してスパイラル状エンベロープのらせん状の溝の中に延びるラグを備えている。下側パッケージングを回転させると、カーソルは回転および平行移動の同時移動を行い、リップスティックまたはリップクリームへのアクセスを可能にする。
【0003】
製品に対する美観および取り扱いの快適さを提供するために、回転機構の合成材料の同心要素は金属シースに埋め込まれる。このアセンブリの固定は一般に接着剤によって提供される。
【0004】
接着剤の使用は、その取り扱いに関する問題に加えて、機構の適切な機能に干渉する滲みおよびバリの形成を回避するための正確な量の塗布、接着剤の硬化時間および比較的長い揮発性生成物の蒸発の問題を生じさせ、それは、特定の組立ラインの編成を必要とし、生産率を低下させる。
【0005】
接着剤の使用に固有の欠点を解決するために、合成材料のシースを用いて金属ジャケットを保持するための機械的手段が開発された。
【0006】
これらの要素の効果的な機械的固定は、保護カバーの取り外しまたは移動過程の終わりでの機構への過度の応力を含む、ケースの取り扱いに関連する、過剰ならびに繰り返される引出および回転による金属ジャケットの分離の問題を制限するために必要である。
【0007】
一般的に使用されている1つの手段は合成シースに対して金属シースを打ち抜くことである。しかしながら、この機械的固定は、メンテナンスに関しては満足できるものであるが、回転機構を劣化させる危険性があり、高品質のチューブには適していない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述の欠点を克服するために、回転および引張におけるロック手段を提供する。
【0009】
したがって、本発明に従う回転する化粧品ケースは、少なくとも1つの回転ロック手段および少なくとも1つの引張ロック手段によって同時にプラスチックシースに嵌合および機械的に固定される外側金属ジャケットを備え、回転ロック手段は、金属ジャケットの円筒状壁の下端で外向きに開口する切欠きからなり、切欠きは、シースにおける成形突起と協働で取り付けられ、引張ロック手段は金属ジャケットの円筒状壁の下部における少なくとも1つのオリフィスからなり、金属ジャケットの下端とともに、シースに位置するハウジングに面する内向きの壁部を画定する。
【0010】
一実施形態によれば、切欠きは台形である。
1つの特徴によれば、金属スリーブの円筒状壁に対して径方向に配された切欠きの横断面は、シースの突出輪郭から同じく径方向に配置された面と当接する。
【0011】
壁部分は内側を向き、少なくとも1つの凹部を有し、少なくとも1つの凹部は突出する輪郭を有することに留意されたい。
【0012】
金属ジャケットの内向きの壁部分の上端は、シースのハウジングの上端と接触することに留意されたい。
【0013】
補足的な特徴によれば、金属ジャケットの内向きの壁部分の下端は、シースのハウジングの下端と一致する。
【0014】
1つの壁部分の高さは1つのハウジングの高さよりも低いことにも留意されたい。
一実施形態によれば、2つの引張ロック手段が直径方向に対向して位置する。
【0015】
別の特徴によれば、シースは、スパイラル状のエンベロープであり、それは、凹ゾーンと認められる第1のゾーンに対応する少なくとも1つのらせん状の溝と、らせん状の溝の2つの部分の間に配置されるゾーンに対応する、凸ゾーンと認められる第2のゾーンとを含み、少なくとも1つのハウジングが少なくとも1つの凸ゾーンとの対応関係で位置する。
【0016】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な例として示される添付の図面を参照しながら、以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1a】一実施形態による化粧品ケースおよびその構成要素の図であり、1つの角度位置から回転する機構の正面図である。
【
図1b】一実施形態による化粧品ケースおよびその構成要素の図であり、別の1つの角度位置から回転する機構の正面図である。
【
図2a】一実施形態による化粧品ケースおよびその構成要素の図であり、1つの角度位置からの金属ジャケットの正面図である。
【
図2b】一実施形態による化粧品ケースおよびその構成要素の図であり、別の1つの角度位置からの金属ジャケットの正面図である。
【
図2c】一実施形態による化粧品ケースおよびその構成要素の図であり、
図2aの拡大図である。
【
図3】一実施形態による化粧品ケースおよびその構成要素の図であり、金属ジャケットの斜視図である。
【
図4a】1つの角度位置によるスパイラル状エンベロープの正面図である。
【
図4b】別の1つの角度位置によるスパイラル状エンベロープの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
かくして、本発明による化粧品ケースは、金属ジャケット(1)の少なくとも1つの引張ロック手段(4)から独立した少なくとも1つの回転ロック手段(3)および合成材料のシース(2)を備える。
【0019】
これら2つのロック手段(3、4)の分離は、各手段を別々に最適化することによってそれらの効果を最適化することを可能にする。
【0020】
図示の実施形態によれば、化粧品ケースは、回転ロック手段(3)、および引張応力中に関与する力の分布を最適化するために直径方向に対向して配置される2つの引張ロック手段(4)を備える。
【0021】
本発明による回転におけるロック手段(3)および平行移動におけるロック手段(4)は、金属ジャケット(1)および合成材料のシース(2)の両方上に位置する形状協働によるロックによって提供されることが付け加えられる。
【0022】
回転ロック手段(3)は、担持される同心要素に対して径方向または実質的に径方向に配置される少なくとも2つの当接面の協働を中心とし、引張ロック手段(4)は、化粧品ケースの底部に同じく当接するがそれと平行または実質的に平行に配置される、すなわち回転機構の回転軸に垂直に配置される、少なくとも2つの面の接触によって導入される。
【0023】
図示の実施形態によれば、回転ロック手段(3)は、金属ジャケット(1)の円筒状壁の下端に形成された切欠き(5)とシース(2)における成形突起(6)との協働からなり、切欠き(5)の少なくとも1つの対応の側面と成形突起(6)とが互いに当接し、各横面は、それらのそれぞれの平面が径方向または実質的に径方向を向くように、つまり機構の一般的な回転軸と鋭角をなすように、向きを付けられる。
【0024】
成形突起(6)の全体的な輪郭は、金属ジャケット(1)の外形を超えないように意図され、すなわち、成形突起(6)の外形は、金属ジャケット(1)の外形と一致することが注記される。
【0025】
好ましくは、切欠き(5)および成形突起(6)の当接面は、
図XXに示すように、機構の概ね回転軸に対して1°〜45°の間の角度、好ましくは1°〜20°の角度、より好ましくは5°である。
【0026】
これらの面同士の向きは、合成材料のシース(2)上に金属ジャケット(1)を嵌める間において、成形突起(6)の周囲に切欠き(5)を容易に挿入することを可能にする。
【0027】
一つの特徴によれば、切欠き(5)は台形である。
前述の特徴によれば、台形状の切欠き(5)の下端はテーパされており、すなわち丸みを帯びている。
【0028】
成形突起(6)は切欠き(5)の形状に対応する形状を有すること、すなわち切欠き(5)が台形である場合、成形突起(6)も同様であり、それらのそれぞれの横面が接触して当接し、全ての回転範囲を阻止することに留意されたい。
【0029】
切欠き(5)と成形突起(6)との協働により、特に化粧品のスティックの上昇および下降の両方の間におけるストロークの終わりの応力の間に、回転機構の両方の回転方向に回転ロック手段(3)を形成することが可能になる。
【0030】
回転する化粧品ケースは少なくとも1つの平行移動ロック手段(4)も含むことを思い出されたい。
【0031】
図示の実施形態によれば、平行移動ロック手段(4)は、金属ジャケット(1)の下端に位置する壁部分(8)によって提供され、それは、内側に向かって湾曲し、合成材料のシース(2)に配置される好適なハウジング(9)に埋め込まれる。
【0032】
壁部分(8)は、金属ジャケット(1)の実質的に下端に位置するオリフィス(7)によって形成されている。したがって、壁部分(8)は、少なくともオリフィス(7)の下端と金属ジャケット(1)の下端とによって画定される。この壁部分(8)の形状は、好ましくは長手方向であり薄く、なぜならば、金属ジャケット(1)の全体的な輪郭を損なうことなくその内方向にそのねじれを許容するように可撓性であることが意図されるからである。
【0033】
図示の実施形態によれば、オリフィス(7)は横長形状を有し、壁部分(8)は直線部分を与えるが、それは、そうでない場合もあり、つまり平行六面体形状のオリフィス(7)であり得る。
【0034】
壁部分(8)は少なくとも1つの凹部(10)、好ましくは少なくとも2つの凹部(10)を有し、それ(ら)の輪郭は有利に突出していることに留意されたい。
【0035】
金属スリーブ(1)をシース(2)の周りにともに嵌めると、壁部分(8)の上面は、ハウジング(9)の上面に接触するか、またはそれに抗して応力下におかれさえすることに留意されたい。
【0036】
補足的な特徴によれば、壁部分(6)の高さはハウジング(9)の高さよりも小さい。これは、外側ジャケットの円筒形の輪郭を変えることなく、凹部(10)を形成するために加えられる力を制限するためである。
【0037】
図示の実施形態によれば、合成材料のシース(2)は、スパイラル状のエンベロープであり、それは、凹ゾーンとして記載される第1のゾーンに対応する少なくとも1つのらせん状の溝と、らせん状の溝の2つの部分の間に配置されるゾーンに対応する、凸ゾーンとして記載される第2のゾーンとを含み、少なくとも1つのハウジング(9)が少なくとも1つの凸ゾーンとの対応関係で位置する。
【国際調査報告】