(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
少なくとも80重量%の潤滑油ベース油、0.8〜5重量%の1種以上の金属清浄剤、0〜5重量%の1種以上の分散剤、0〜1.5重量%のジアルキルジチオリン酸亜鉛抗摩耗剤、0〜0.2重量%のジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、0〜2重量%の粘度変性剤(活性成分に基づく)、および0.01〜5重量%の他の潤滑油添加剤。
また、本開示は、伝導率促進剤および伝導率抑制剤を使用することによって、潤滑油を製造するための方法、電動車両およびハイブリッド車両を潤滑するための方法、ならびに潤滑油の電気伝導率を制御するための方法に関する。
前記潤滑油ベース油は、グループIベースストック、グループIIベースストック、グループIIIベースストック、グループIVベースストック、グループVベースストックまたはその混合物を含む、請求項1に記載の潤滑油。
前記粘度変性剤は、メタクリレート、ブタジエン、オレフィンまたはスチレンのコポリマー、ポリマー、線形または星形のポリマー、およびその混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の潤滑油。
前記電動車両またはハイブリッド車両は、電気モータ、電気駆動モータ、モータ、トランスミッション、フロントアクセル、リアアクセル、ギアボックス、デファレンシャル、ギア、ベアリング、バッテリ、コンデンサ、ジェネレータ、オルタネータ、コンバータ、運動エネルギーアキュムレータまたは運動エネルギーリカバリシステムの1種以上を含む電動車両のパワートレインを含む、請求項1に記載の潤滑油。
前記潤滑油ベース油は、グループIベースストック、グループIIベースストック、グループIIIベースストック、グループIVベースストック、グループVベースストックまたはその混合物を含む、請求項8に記載の方法。
前記粘度変性剤は、メタクリレート、ブタジエン、オレフィンまたはスチレンのコポリマー、ポリマー、線形または星形のポリマー、およびその混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
前記電動車両またはハイブリッド車両のパワートレインの前記1種以上のコンポーネントは、電気モータ、電気駆動モータ、モータ、トランスミッション、フロントアクセル、リアアクセル、ギアボックス、デファレンシャル、ギア、ベアリング、バッテリ、コンデンサ、ジェネレータ、オルタネータ、コンバータ、運動エネルギーアキュムレータまたは運動エネルギーリカバリシステムの1種以上を含む、請求項8に記載の方法。
前記粘度変性剤は、メタクリレート、ブタジエン、オレフィンまたはスチレンのコポリマー、ポリマー、線形または星形のポリマー、およびその混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
前記電動車両またはハイブリッド車両は、電気モータ、電気駆動モータ、モータ、トランスミッション、フロントアクセル、リアアクセル、ギアボックス、デファレンシャル、ギア、ベアリング、バッテリ、コンデンサ、ジェネレータ、オルタネータ、コンバータ、運動エネルギーアキュムレータまたは運動エネルギーリカバリシステムの1種以上を含む、電動車両のパワートレインを含む、請求項15に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲内の全ての数値は、示された値に「約」または「およそ」によって修飾され、および当業者によって予想されるであろう実験的誤差および変動が考慮される。「本質的に含まない」という句は、それが本明細書および請求項の潤滑油に含まれる成分に関する場合、特定の成分が潤滑油中で0重量%であるか、または代わりに潤滑油中の不純物種レベル(100ppm未満、または20ppm未満、または10ppm未満、または1ppm未満)であることを意味する。「他の潤滑油添加剤」という句は、本明細書および請求項において使用される場合、明細書または請求項の特定の部分において特に記載されない他の潤滑油添加剤を意味する。例えば、他の潤滑油添加剤としては、限定されないが、酸化防止剤、清浄剤、分散剤、抗摩耗添加剤、腐食抑制剤、粘度変性剤、金属受動態化剤、流動点抑制剤、シール適合性剤、消泡剤、極圧剤、摩擦変性剤およびその組合せが含まれ得る。
【0016】
本開示において、電動車両という用語には、全電動および完全電動車両ならびにハイブリッドおよびハイブリッド電動車両が含まれ、かつそのような車両において使用される機械および電気システム、サブシステムおよび構成部品が含まれる。これらの機械および電気システム、サブシステムおよびコンポーネント(又は成分又は構成部品又は要素又は構成要素(components))としては、例えば、電動車両のパワートレイン(又は伝動機構(powertrains))、パワートレインコンポーネント(又は伝動機構構成部品(powertrain components))、ドライブトレインコンポーネント(又は動力伝達系路構成部品(drivetrain components))、運動エネルギーリカバリシステム(kinetic energy recovery systems)(KERS)、エネルギー再生システム(energy regenerative systems)などが含まれ得る。電動車両およびハイブリッド車両という用語は、互換的に使用され得る。本開示において、潤滑油という用語には、潤滑流体、潤滑剤、潤滑油、作動流体、グリース、冷却流体、冷却油および冷却剤が含まれ、そのような用語は、互換的に使用され得る。本開示において、電動車両という用語には、単独または組合せで、様々な並列または直列動力伝達系路構造のいずれかを有し得るハイブリッド車両およびハイブリッド電動車両が含まれる。
【0017】
ここで、改善された潤滑剤の電気伝導率制御は、潤滑油中に1種以上の潤滑油添加剤(例えば、酸化防止剤、清浄剤、分散剤、抗摩耗添加剤、腐食抑制剤、粘度変性剤および金属受動態化剤)を有する配合油を潤滑油として使用することにより、潤滑油によって潤滑された電動車両において達成可能であることが見出された。配合油は、主成分としての潤滑油ベースストックと、少数成分としての1種以上の潤滑油添加剤とを含む組成物を有する。本開示の潤滑油は、乗用電動車両伝導機構油製品として特に有利である。1種以上の潤滑油添加剤を含有する潤滑油は、特に低粘度電動車両伝導機構油において電気伝導率を制御することにおいて有用である。1種以上の潤滑油添加剤を含有する本開示の潤滑油は、特に電荷蓄積および火花発生を最小化し、かつ高電圧構成部品における火花関連摩耗を保護するために、潤滑剤電気伝導率を制御することにおいて有用である。ここで、潤滑油は、周囲温度において約3,000pS/m〜約20,000pS/mの電気伝導率および100℃において約2cSt〜約20cStの動粘度を有する。
【0018】
一実施形態において、1種以上の潤滑油添加剤以外の少数成分を含有する潤滑油を使用して達成された潤滑剤電気伝導率制御、広い温度範囲にわたっての酸化安定性、沈着物制御、腐食抑制、ならびに電動車両構成部品および材料との潤滑剤適合性と比較して、電動車両における潤滑剤電気伝導率制御は改善され、かつ広い温度範囲にわたっての酸化安定性、沈着物制御、腐食抑制、ならびに電動車両構成部品および材料との潤滑剤適合性の少なくとも1つが維持または改善される。
【0019】
本開示の実施形態において、伝導率促進剤としては、例えば、潤滑または作動流体の伝導率を増加させる1種以上の成分が含まれる。
【0020】
本開示の実施形態において、伝導率促進剤は、例えば、1種以上の金属清浄剤、分散剤およびその混合物が含まれる。
【0021】
本開示の実施形態において、金属清浄剤としては、例えば、金属がカルシウム、マグネシウム、アルカリまたはアルカリ土類である1種以上の金属アルキルスルホネート、金属アルキルフェナート、金属アルキルサリチレートおよびその混合物が含まれる。そのような清浄剤は、中性または過塩基性であり、典型的に、中性(100未満のTBN)、適度に過塩基性(約100のTBN〜約200のTBN)、高度に塩基性(約200より高いTBN)として定義される。
【0022】
本開示の実施形態において、金属清浄剤は、約0重量%〜約6重量%、約0重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%、約0.1重量%〜約1重量%の濃度で有用である。
【0023】
本開示の実施形態において、中性金属清浄剤は、約0重量%〜約6重量%、約0重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%、約0.1重量%〜約1重量%の濃度で有用である。
【0024】
本開示の実施形態において、カルシウムアルキルサリチレートは、約0重量%〜約6重量%、約0重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%、約0.1重量%〜約1重量%の濃度で有用である。より好ましくは、カルシウムアルキルサリチレートは、約0.8重量%未満、約0.5重量%未満、約0.2重量%未満、約0.1重量%未満において有用である。
【0025】
本開示の実施形態において、分散剤としては、例えば、1種以上の無灰分散剤、アミン型分散剤、アンキャップドアミン型分散剤、キャップドまたは変性アミン型分散剤、ホウ素変性アミン型分散剤、亜鉛変性アミン型分散剤、アミンアルキルスクシンイミド、ポリアミンアルキルスクシンイミド、ホウ素変性アミンアルキルスクシンイミド、ホウ素変性ポリアミンアルキルスクシンイミドおよび金属変性アミンアルキルスクシンイミド、金属変性ポリアミンアルキルスクシンイミド、アミンPIBスクシンイミド、ポリアミンPIBスクシンイミド、ホウ素変性アミンPIBスクシンイミド、ホウ素変性ポリアミンPIBスクシンイミドおよび金属変性アミンPIBスクシンイミドおよび金属変性ポリアミンPIBスクシンイミド(そのような金属として例えば亜鉛が含まれる)、ならびにマンニッヒ型分散剤が含まれる。
【0026】
本開示の実施形態において、分散剤は、約0重量%〜約8重量%、約0重量%〜約6重量%、約0.1重量%〜約6重量%、約0.1重量%〜約5重量%、約0.1重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%の濃度で有用である。
【0027】
本開示の実施形態において、アミン型分散剤は、約0重量%〜約8重量%、約0重量%〜約6重量%、約0.1重量%〜約5重量%、約0.1重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%の濃度で有用である。
【0028】
本開示の実施形態において、例えば、1種以上のアンキャップドポリアミンPIBスクシンイミド、キャップドポリアミンPIBスクシンイミド、ホウ素変性ポリアミンPIBスクシンイミド、亜鉛変性ポリアミンPIBスクシンイミドおよびその混合物を含むポリアミンPIBスクシンイミド分散剤は、約0重量%〜約8重量%、約0重量%〜約6重量%、約0.1重量%〜約5重量%、約0.1重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%の濃度で有用である。
【0029】
本開示の実施形態において、伝導率抑制剤としては、例えば、潤滑または作動流体の伝導率を減少させる1種以上の成分が含まれる。
【0030】
本開示の実施形態において、伝導率抑制剤としては、例えば、1種以上のジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)、モリブデン有機金属錯体およびその混合物が含まれる。特定の例において、マグネシウムアルキルスルホネート清浄剤は、伝導率抑制剤として作用することが可能である。
【0031】
本開示の実施形態において、伝導率抑制剤は、約0重量%〜約8重量%、約0重量%〜約6重量%、約0.1重量%〜約6重量%、約0.1重量%〜約5重量%、約0.1重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%の濃度で有用である。
【0032】
本開示の実施形態において、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)添加剤は、約0重量%〜約6重量%、約0.05重量%〜約6重量%、約0.05重量%〜約5重量%、約0.1重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%、約0.1重量%〜約1重量%の濃度で有用である。
【0033】
本開示の実施形態において、モリブデン有機金属添加剤は、約0重量%〜約3重量%、約0.01重量%〜約3重量%、約0.05重量%〜約2重量%、約0.1重量%〜約1重量%の濃度で有用である。
【0034】
本開示の実施形態において、マグネシウムアルキルスルホネート添加剤は、約0重量%〜約5重量%、約0.05重量%〜約5重量%、約0.05重量%〜約4重量%、約0.05重量%〜約3重量%、約0.05重量%〜約2重量%の濃度で有用である。
【0035】
本開示の実施形態において、伝導率抑制剤対促進剤の比率は、約0〜約10、好ましくは約0〜約5、より好ましくは0〜約3、なおより好ましくは約0〜約2であり、および特定の例において約0.05〜約10、好ましくは約0.05〜約5、より好ましくは約0.05〜約3、なおより好ましくは約0.05〜約2である。
【0036】
本開示の潤滑剤組成物は、例えば、伝動機構、ドライブライン、トランスミッション、差重機、ギア、ギアトレイン、ギアセット、ギアボックス、ベアリング、ブッシング、軸、タービン、コンプレッサ、ポンプ、油圧系統、バッテリ、コンデンサ、電気モータ、ドライブモータ、ジェネレータ、AC/DCコンバータ、オルタネータ、トランスフォーマ、運動エネルギーコンバータ、運動エネルギーリカバリシステムなどの1つ以上からなり得る電動車両の有利な酸化安定性、沈着物制御および腐食抑制、潤滑における性能を含む有利な潤滑剤電気伝導率制御を提供する。一実施形態において、単一潤滑剤組成物が電動車両で使用される。別の実施形態において、電動車両において2種以上の潤滑剤組成物が使用され、例えば、1種の潤滑剤組成物は、トランスミッション用であり、かつ別の潤滑剤組成物は、車両システムの別の構成部品用である。
【0037】
なおさらに、本開示の潤滑剤組成物は、例えば、水力学的、弾性流体力学的、境界、混合潤滑、極圧レジームなどを含む電動車両システムおよびサブシステムの多様な潤滑レジーム下での有利な酸化安定性、沈着物制御および腐食抑制、性能を含む有利な潤滑剤電気伝導率制御を提供する。
【0038】
本開示の潤滑剤組成物は、1MPas〜10GPasより高く、好ましくは10MPasより高く、より好ましくは100MPasより高く、なおより好ましくは300MPasより高くまでの範囲の潤滑接触圧力下の電動車両における有利な酸化安定性、沈着物制御および腐食抑制、性能を含む有利な潤滑剤電気伝導率制御を提供する。特定の状況下では、本開示の潤滑剤組成物は、0.5GPasより高く、多くの場合に1GPasより高く、時には2GPasより高くにおいて、5GPasより高い選択された状況下、電動車両における有利な酸化安定性、沈着物制御および腐食抑制、性能を含む有利な潤滑剤電気伝導率制御を提供する。
【0039】
さらに、本開示の潤滑剤組成物は、例えば、金属、合金、非金属、非金属合金、混合炭素−金属複合材料および合金、混合炭素−非金属複合材料および合金、鉄合金、第一鉄複合材料および合金、非鉄金属、非第一鉄複合材料および合金、チタン、チタン複合材料および合金、アルミニウム、アルミニウム複合材料および合金、マグネシウム、マグネシウム複合材料および合金、イオン注入金属および合金、プラズマ変性表面;表面変性材料;コーティング;単層、多層および勾配層状コーティング;ホーニング加工表面;研磨面;エッチング加工表面;テクスチャー加工表層;テクスチャー加工表層上のミクロおよびナノ構造;超仕上表面;ダイヤモンド様炭素(DLC)、高水素含有量を有するDLC、適度な水素含有量を有するDLC、低水素含有量を有するDLC、ゼロに近い水素含有量を有するDLC、DLC複合材料、DLC−金属組成物および複合材料、DLC−非金属組成物および複合材料;セラミック、セラミック酸化物、セラミック窒化物、FeN、CrN、セラミックス炭化物、混合セラミック組成物、サーメットなど;ポリマー、熱可塑性ポリマー、エンジニアリングポリマー、ポリマーブレンド、ポリマーアロイ、ポリマー複合材料;例えば、例えば、グラファイト、炭素、モリブデン、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリペルフルオロプロピレン、ポリペルフルオロアルキルエーテルなどを含む乾燥潤滑剤を含有する材料組成物および複合材料;超疎水性表面;超親水性表面;自己回復作用表面;追加的に製造されたまま使用され得るか、または印刷後表面仕上げを用いて使用され得るか、または印刷後表面コーティングを用いて知硫黄され得る、3−D印刷または添加剤製造技術から誘導された表面を含む電動車両の潤滑表面における有利な酸化安定性、沈着物制御および腐食抑制、性能を含む有利な潤滑剤電気伝導率制御を提供する。
【0040】
なおさらに、本開示の潤滑剤組成物は、本開示に従う有効濃度範囲および有効比率における1種以上の潤滑油添加剤を有する電動車両における有利な酸化安定性、沈着物制御および腐食抑制、性能を含む有利な潤滑剤電気伝導率制御を提供する。
【0041】
本明細書で使用される場合、電気伝導率は、ASTM 2624(修正)に従って決定される。誘電率測定は、ASTM D924およびTEC FPP8 800を使用して行なわれた。動粘度は、ASTM D445によって決定され、全酸価(TAN)は、ASTM D974によって決定され、金属含有量は、ASTM 6376によって決定され、活性硫黄含有量は、ASTM D129によって決定され、粘度指数(VI)は、ASTM D2270によって決定され、密度は、ASTM D4052によって決定され、および比熱容量は、ASTM D1269によって決定される。
【0042】
一実施形態において、本開示の潤滑油は、約3,000pS/m〜約60,000pS/m、または約3,000pS/m〜約40,000pS/m、または約3,000pS/m〜約20,000pS/m、または約3,000pS/m〜約10,000pS/m、または約3,000pS/m〜約8,000pS/mの電気伝導率を有する。
【0043】
一実施形態において、本開示の潤滑油は、約2cSt〜約20cSt、または約3cSt〜約18cSt、または約4cSt〜約16cSt、または約5cSt〜約14cSt、または約6cSt〜約12cSt、または約8cSt〜約12cStの100℃における動粘度を有する。
【0044】
一実施形態において、本開示の潤滑油は、約3未満、または約2.8未満、または約2.6未満、または約2.4未満、または約2.2未満、または約2未満、または約1.8未満、または約1.6未満、または約1.4未満、または約1.2未満、または約1未満、または約0.8未満、または約0.6未満、または約0.4未満、または約0.2未満の全酸価(TAN)を有する。
【0045】
一実施形態において、本開示の潤滑油は、約200ppm未満の活性硫黄、または約100ppm未満の活性硫黄、または約75ppm未満の活性硫黄、または約50ppm未満の活性硫黄、または約25ppm未満の活性硫黄、または約10ppm未満の活性硫黄を有するか、あるいは硫黄を含まない。
【0046】
本明細書で使用される場合、活性硫黄は、低温で表面と反応し、かつそのような表面、特に黄色金属(例えば、黄銅、青銅、銅など)に対して腐食性がある種類の硫黄である。活性硫黄は、化学的に攻撃的であり、かつ黄色金属は、鋼板より軟質であり、それらは、このような化学的攻撃のため、へこみを生じ、かつ破砕を形成し始める可能性がある。活性硫黄が、熱の存在下で銅と接触する場合、硫化銅が形成される。この単純な化学反応は、電動車両の信頼度に対して破壊的な影響を有する。極圧状況において、二硫化銅が形成可能である。銅のこれらの結晶形の両方とも、非常に硬質であり、かつ伝動機構表面への研摩損傷をもたらす可能性がある。それとは対照的に、非活性硫黄は、高温において表面とのみ反応する。
【0047】
一実施形態において、本開示の潤滑油は、約50より高い、または約60より高い、または約70より高い、または約80より高い、または約90より高い、または約100より高い、または約110より高い、または約120より高い粘度指数(VI)を有する。
【0048】
一実施形態において、本開示の潤滑油は、約0.8g/mLより高い、または約0.82g/mLより高い、または約0.84g/mLより高い、または約0.86g/mLより高い、または約0.88g/mLより高い、または約0.9g/mLより高い、または約0.92g/mLより高い、または約0.94g/mLより高い、または約0.96g/mLより高い、または約0.98g/mLより高い、または約1.0g/mLより高い仕上げ潤滑剤密度を有する。別の実施形態において、本開示の潤滑油は、約0.8g/mL〜約1.2g/mL、または約0.81g/mL〜約1.0g/mL、または約0.82g/mL〜約0.96g/mL、または約0.83g/mL〜約0.92g/mL、または約0.84g/mL〜約0.9g/mLの仕上げ潤滑剤密度を有する。
【0049】
一実施形態において、本開示の潤滑油は、約1.9kJ/kg Kより高い、または2.0kJ/kg Kより高い、または約2.1kJ/kg Kより高い、または約2.2kJ/kg Kより高い、または約2.3kJ/kg Kより高い、または約2.4kJ/kg Kより高い、または約2.5kJ/kg Kより高い、または約2.7kJ/kg Kより高い、または約2.9kJ/kg Kより高い、または約3.1kJ/kg Kより高い、または約3.3kJ/kg Kより高い、または約3.5kJ/kg Kより高い仕上げ潤滑剤比熱容量を有する。
【0050】
一実施形態において、本開示の潤滑油は、例えば、グリースなどの固体または半固体潤滑剤を含み得る。
【0051】
誘電破壊は、本開示の潤滑油の別の重要な特性である。誘電破壊は、潤滑油が破壊なしで耐えることができる電気応力である。誘電破壊は、ASTM D877によって決定される。破壊が生じる電圧(すなわち電極間を通過するスパーク)が試験結果である。本開示の潤滑油は、電動車両で安全かつ効率的に使用されるために十分な誘電破壊特性を有する。
【0052】
潤滑油ベースストックおよびコベースストック
広範囲の潤滑剤ベース油が当該技術分野において既知である。本開示において有用である潤滑剤ベース油は、天然油、鉱油および合成油であり、かつ非慣例的な油(またはその混合物)を未精製、精製または再精製の状態で使用することもできる(後者は再生利用または再処理油としても既知である)。未精製油は、天然または合成供給源から直接得られるものであり、かつ追加的な精製を行わずに使用される。これらには、乾留操作から直接得られる頁岩油、一次蒸留から直接得られる石油、およびエステル生成プロセスから直接得られるエステル油が含まれる。精製油は、少なくとも1つの潤滑油特性を改善するための1回以上の精製工程を受けることを除き、未精製油に関して議論された油に類似する。当業者は多くの精製プロセスに精通している。これらのプロセスには、溶媒抽出、二次蒸留、酸抽出、塩基抽出、ろ過およびパーコレーションが含まれる。再精製油は、精製油に類似であるが、以前に使用されたことのある油を供給ストックとして使用する。
【0053】
グループI、II、III、IVおよびVは、潤滑剤ベース油のガイドラインを作成するためにAmerican Petroleum Institute(API Publication 1509;www.API.org)によって開発および定義された広範囲のベース油ストックの分類である。グループIベースストックは、約80〜120の粘度指数を有し、約0.03%より多い硫黄および/または約90%未満の飽和を含有する。グループIIベースストックは、約80〜120の粘度指数を有し、約0.03%以下の硫黄および約90%以上の飽和を含有する。グループIIIストックは、約120より高い粘度指数を有し、約0.03%以下の硫黄および約90%より多い飽和を含有する。グループIVは、ポリアルファオレフィン(PAO)を含む。グループVベースストックは、グループI〜IVに含まれないベースストックを含む。以下の表に、これらの5つのグループのそれぞれの特性を要約する。ベースストックは、典型的に、潤滑粘度の1つの特に特徴づけられた流体として認識されている。ベース油は、典型的に、潤滑粘度の流体として組合せで使用される1種以上のベースストックとして認識されている。
【0055】
天然油には、動物油、植物油(例えば、ヒマシ油およびラード油)、ならびに鉱油が含まれる。好ましい熱酸化安定性を有する動物および植物油を使用することができる。天然油の中で、鉱油が好ましい。鉱油は、それらの原油産地により、例えば、それらがパラフィン系、ナフテン系または混合パラフィン−ナフテン系であるかどうかにより大きく異なる。石炭または頁岩から誘導される油も有用である。天然油は、それらの製造および精製のために使用される方法により、例えば、それらの蒸留範囲により、およびそれらが直留であるか、または分解されたか、水素化精製されたか、または溶媒抽出されたかどうかによっても異なる。
【0056】
アルキル芳香族および合成エステルなどの合成油を含むグループIIおよび/またはグループIII水素化処理または水素化分解ベースストックも周知のベースストック油である。(それぞれ、グループII+およびグループIII+として知られ得る)高品質グループIIおよびグループIII水素化処理または水素化分解炭化水素ベースストックは、有用なベースストック油として周知である。例えば、ExxonMobil EHC(商標)ベースストックは、本発明において有効なグループIIベースストックである。
【0057】
合成油には、炭化水素油が含まれる。炭化水素油には、重合および共重合オレフィン(例えば、ポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレンイソブチレンコポリマー、エチレン−オレフィンコポリマーおよびエチレン−アルファオレフィンコポリマー)などの油が含まれる。ポリアルファオレフィン(PAO)油ベースストックは、一般に使用される合成炭化水素油である。例として、C
8、C
10、C
12、C
14またはそれらの混合物から誘導されるPAOが利用され得る。例えば、米国特許第4,956,122号明細書、同第4,827,064号明細書および同第4,827,073号明細書を参照されたい。
【0058】
既知の材料であり、かつExxonMobil Chemical Company、Chevron Phillips Chemical Company、BPおよび他などの供給元から商業的規模で一般に入手可能であるPAOの数平均分子量は、典型的に250〜3,000の範囲であるが、PAOは約150cSt(100℃)までの粘度で製造され得る。PAOは、典型的に、アルファオレフィンの比較的低分子量の水素化ポリマーまたはオリゴマーから構成され、これらには、限定されないが、C
2〜約C
32アルファオレフィンが含まれ、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどのC
8〜約C
16アルファオレフィンが好ましい。好ましいポリアルファオレフィンは、ポリ−1−オクテン、ポリ−1−デセンおよびポリ−1−ドデセンならびにそれらの混合物および混合オレフィン誘導ポリオレフィンである。しかしながら、C
14〜C
18の範囲のより高級なオレフィンの二量体が、十分低揮発性の低粘度ベースストックを供給するために使用され得る。粘度グレードおよび出発オリゴマー次第で、PAOは、主に、1.5〜12cStの粘度範囲を有する、わずかな量のより高級なオリゴマーによる出発オレフィンの三量体および四量体であり得る。特定の用途のPAO流体は、3.0cSt、3.4cStおよび/または3.6cStならびにそれらの混合を含み得る。必要に応じて、1.5〜およそ150cSt以上の粘度範囲を有するPAO流体の混合物が使用され得る。
【0059】
PAO流体は、例えば、三塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、または三フッ化ホウ素と水との錯体、エタノール、プロパノールまたはブタノールなどのアルコール、酢酸エステルまたはプロピオン酸エチルなどのカルボン酸またはエステルを含むフリーデル−クラフツ触媒などの重合触媒の存在下でのアルファオレフィンの重合によって都合よく製造され得る。例えば、米国特許第4,149,178号明細書または同第3,382,291号明細書によって開示された方法が本明細書において都合よく使用され得る。PAO合成についての他の説明は、米国特許第3,742,082号明細書、同第3,769,363号明細書、同第3,876,720号明細書、同第4,239,930号明細書、同第4,367,352号明細書、同第4,413,156号明細書、同第4,434,408号明細書、同第4,910,355号明細書、同第4,956,122号明細書および同第5,068,487号明細書に見られる。C
14〜C
18オレフィンの二量体は、米国特許第4,218,330号明細書に記載される。
【0060】
他の有用な潤滑性油ベースストックとしては、水素異性化ワックス状ストック(例えば、ガス油、スラックワックス、燃料水素化分解装置残留物などのワックス状ストック)、水素異性化フィッシャー−トロプシュワックス、気体−液体(GTL)ベースストックおよびベース油、およびほかの異性化ワックス水素異性化ベースストックおよびベース油、またはそれらの混合物を含む異性化ワックスベースストックおよびベース油が含まれる。フィッシャー−トロプシュワックスは、フィッシャー−トロプシュ合成の高沸点残留物であり、非常に低い硫黄含有量を有する高パラフィン系炭化水素である。そのようなベースストックの製造のために使用される水素化処理では、特別な潤滑油水素化分解(LHDC)触媒の1種などの非晶質水素化分解/水素異性化触媒、または結晶質水素化分解/水素異性化触媒、好ましくはゼオライト系触媒が使用され得る。例えば、1つの有用な触媒は、その開示が全体として参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,075,269号明細書に記載のされるZSM−48である。水素化分解/水素異性化蒸留物および水素化分解/水素異性化ワックスの製造方法は、例えば、米国特許第2,817,693号明細書、同第4,975,177号明細書、同第4,921,594号明細書および同第4,897,178号明細書、ならびに英国特許第1,429,494号明細書、同第1,350,257号明細書、同第1,440,230号明細書および同第1,390,359号明細書に記載される。上記特許はそれぞれ、全体として参照によって本明細書に組み込まれる。特に好ましい方法は、参照によって本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開第464546号明細書および同第464547号明細書に記載される。フィッシャー−トロプシュワックス供給材料を使用する方法は、その開示が全体として参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,594,172号明細書および同第4,943,672号明細書に記載される。
【0061】
気体−液体(GTL)ベース油、フィッシャー−トロプシュワックス誘導ベース油、および他のワックス誘導水素異性化(異性化ワックス)ベース油は本開示において都合よく使用され得、かつ100℃において約3cSt〜約50cSt、好ましくは約3cSt〜約30cSt、より好ましくは約3.5cSt〜約25cStの有用な動粘度、例えば、GTL4の場合、100℃において約4.0cSTの動粘度および約141の粘度指数を有し得る。これらの気体−液体(GTL)ベース油、フィッシャー−トロプシュワックス誘導ベース油、および他のワックス誘導水素異性化ベース油は、約−20℃以下の有用な流動点を有し得、およびいくつかの条件下では、約−25℃以下の都合のよい流動点を有し得るが、有用な流動点は約−30℃〜約−40℃以下である。気体−液体(GTL)ベース油、フィッシャー−トロプシュワックス誘導ベース油、およびワックス誘導水素異性化ベース油の有用な組成は、例えば、全体として参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,080,301号明細書、同第6,090,989号明細書および同第6,165,949号明細書に記載される。
【0062】
ヒドロカルビル芳香族は、ベース油またはベース油成分として使用され得、かつベンゼノイド部分またはナフテノイド部分またはそれらの誘導体などの芳香族部分から誘導されるその重量の少なくとも約5%を含有するいずれかのヒドロカルビル分子であることも可能である。これらのヒドロカルビル芳香族には、アルキルベンゼン、アルキルナフタリン、アルキルジフェニルオキシド、アルキルナフトール、アルキルジフェニルスルフィド、アルキル化ビスフェノールA、アルキル化チオジフェノールなどが含まれる。芳香族は、モノアルキル化、ジアルキル化、ポリアルキル化などされ得る。芳香族は、単官能化または多官能化され得る。ヒドロカルビル基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基および他の関連ヒドロカルビル基の混合物から構成されることも可能である。ヒドロカルビル基は、約C
6〜約C
60の範囲であり得るが、約C
8〜約C
20の範囲が多くの場合に好ましい。ヒドロカルビル基の混合物が多くの場合に好ましく、およびそのような置換基の3個までが存在し得る。ヒドロカルビル基は、任意選択的に、硫黄、酸素および/または窒素含有置換基を含有し得る。芳香族基は、分子の少なくとも約5%が上記種類の芳香族部分から構成されることを条件として、天然(石油)供給源から誘導されることも可能である。ヒドロカルビル芳香族成分に関して、約3cSt〜約50cStの100℃における粘度が好ましく、約3.4cSt〜約20cStの粘度がより好ましい。一実施形態において、アルキル基が主に1−ヘキサデセンから構成されるアルキルナフタレンが使用される。芳香族の他のアルキレートが有利に使用されることも可能である。例えば、ナフタレンまたはメチルナフタレンは、オクテン、デセン、ドデセン、テトラデセンまたはより高級なオレフィンなどのオレフィン、同様のオレフィンの混合物などによってアルキル化し得る。潤滑油組成物中のヒドロカルビル芳香族の有用な濃度は、用途次第で、約2〜約25%、好ましくは約4%〜約20%、より好ましくは約4%〜約15%であり得る。
【0063】
本開示のヒドロカルビル芳香族などのアルキル化芳香族は、芳香族化合物の周知のフリーデル−クラフツアルキル化法によって製造され得る。Friedel−Crafts and Related Reactions,Olah,G.A.(ed.),Inter−science Publishers,New York,1963を参照されたい。例えば、ベンゼンまたはナフタレンなどの芳香族化合物は、フリーデル−クラフツ触媒の存在下で、オレフィン、ハロゲン化アルキルまたはアルコールによってアルキル化される。Friedel−Crafts and Related Reactions,Vol.2,part 1,chapters 14,17および18、Olah,G.A.(ed.),Inter−science Publishers,New York,1964を参照されたい。多くの均質または不均質固体触媒が当業者に知られている。触媒の選択は、出発材料の反応性および製品の要求品質次第である。例えば、AlCl
3、BF
3またはHFなどの強酸が使用され得る。いくつかの場合、FeCl
3またはSnCl
4などのより穏やかな触媒が好ましい。より新しいアルキル化技術では、ゼオライトまたは固体超酸が使用される。
【0064】
エステルは有用なベースストックを構成する。付加的な溶解作用およびシール適合性特徴は、モノアルカノールとの二塩基酸のエステルおよびモノカルボン酸のポリオールエステルなどのエステルの使用によって確保され得る。前者の種類のエステルには、例えば、フタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、アジピン酸、リノール酸二量体、マロン酸、アルキルマロン酸、アルケニルマロン酸などのジカルボン酸と、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールなどの様々なアルコールとのエステルが含まれる。これらの種類のエステルの具体的な例としては、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、フマル酸ジ−n−ヘキシル、セバシン酸ジオクチル、アゼライン酸ジイソオクチル、アゼライン酸ジイソデシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、セバシン酸ジエイコシルなどが含まれる。
【0065】
特に有用な合成エステルは、1種以上の多価アルコール、好ましくはヒンダードポリオール(ネオペンチルポリオール、例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールおよびジペンタエリトリトールなど)を、少なくとも約4個の炭素原子を含有するアルカノン酸、好ましくはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エイコサン酸およびベヘン酸を含む飽和直鎖脂肪酸、もしくは相当する分枝鎖脂肪酸、もしくはオレイン酸などの不飽和脂肪酸、またはこれらの材料のいずれかの混合物などのC
5〜C
30酸と反応させることによって得られるものである。
【0066】
適切な合成エステル成分には、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトールおよび/またはジペンタエリトリトールと、約5〜約10個の炭素原子を含有する1種以上のモノカルボン酸とのエステルが含まれる。これらのエステルは商業的に広く入手可能であり、例えば、ExxonMobil Chemical CompanyのMobil P−41およびP−51エステルである。
【0067】
ココナツ、ヤシ、ナタネ、ダイズ、ヒマワリなどの再生可能な材料から誘導されるエステルも有用である。これらのエステルは、モノエステル、ジエステル、ポリオールエステル、複合エステルまたはそれらの混合物であり得る。これらのエステルは商業的に広く入手可能であり、例えば、ExxonMobil Chemical CompanyのMobil P−51エステルである。
【0068】
再生可能なエステルを含有するエンジン油組成物は本開示に含まれる。そのような組成物に関して、エステルの再生可能な含有量は、典型的に、約70重量パーセントより多く、好ましくは約80重量パーセントより多く、および最も好ましくは約90重量パーセントより多い。
【0069】
有用なベースストック流体としては、ポリエーテル、ポリグリコール、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリプロパノール、ポリアルキレンプロパノール、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、ポリテトラヒドロフラン、ポリアルキレンテトラヒドロフランおよびポリエーテル型流体の相似体も含まれ得、そのようなポリエーテルは、例えば、エーテル、エステル、ケトン、ウレタン、芳香族、ヘテロ芳香族、ヒドロカルビル部分などを含み得る官能基によってキャッピングされていなくても、一キャッピング、二キャッピング、または多キャッピングされ得る。加えて、有用なポリエーテル型ベースストック流体としては、ポリエーテルまたはPAGまたはポリアルキレンエーテルまたはポリアルキレンオキシドの油溶性または炭化水素溶性型が含まれる。
【0070】
潤滑粘度の他の有用な流体としては、高性能潤滑特性を提供するように好ましくは触媒によって処理または合成された非従来型または非慣例型ベースストックが含まれる。
【0071】
非従来型または非慣例型ベースストック/ベース油としては、1種以上の気体−液体(GTL)材料から誘導されたベースストックの混合物、ならびに天然ワックスもしくはワックス状供給材料、鉱油(又は鉱物油)および/または非鉱油(又は非鉱物油)のワックス状供給ストック、例えば、スラックワックス、天然ワックス、およびワックス状ストック、例えば、ガス油、ワックス状燃料水素化分解装置残留物、ワックス状ラフィネート、水素化分解生成物、熱分解生成物もしくは他の鉱物、鉱油、または非石油誘導ワックス状材料、例えば、石炭液化から受け取られたワックス状材料もしくは頁岩油から誘導された異性化/イソ脱ロウ化ベースストック、およびそのようなベースストックの混合物の1種以上が含まれる。
【0072】
GTL材料は、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、プロピン、ブタン、ブチレンおよびブチンなどの供給ストックとしての気体状炭素含有化合物、水素含有化合物および/または要素からの1種以上の合成、組合せ、変換、転位、および/または分解/脱構築プロセスによって誘導される材料である。GTLベースストックおよび/またはベース油は、一般に、炭化水素、例えば、それら自体が供給ストックとしてより単純な気体状炭素含有化合物、水素含有化合物および/または他の要素から誘導されるワックス状合成炭化水素から誘導される潤滑粘度のGTL材料である。GTLベースストックおよび/またはベース油には、潤滑油沸騰範囲で沸騰する油であって、(1)合成されたGTL材料から、例えば、蒸留などによって分離/分留され、その後、流動点が減少した/低流動点の潤滑油を製造するために、触媒脱ロウプロセスまたは溶媒脱ロウプロセスの一方または両方を含む最終ワックス処理工程を受けるもの;(2)例えば、水素脱ロウまたは水素異性化された触媒および/または溶媒脱ロウされた合成ワックスまたはワックス状炭化水素を含む合成異性化ワックス;(3)水素脱ロウまたは水素異性化された触媒および/または溶媒脱ロウされたフィッシャー−トロプシュ(F−T)材料(すなわち炭化水素、ワックス状炭化水素、ワックスおよび可能な類似のオキシジェネート);好ましくは水素脱ロウまたは水素異性化され/続いて、触媒および/または溶媒脱ロウされたF−Tワックス状炭化水素、あるいは水素脱ロウまたは水素異性化され/続いて、触媒(または溶媒)脱ロウされたF−Tワックス、またはそれらの混合物が含まれる。
【0073】
GTL材料から誘導されるGTLベースストックおよび/またはベース油、特に水素脱ロウまたは水素異性化され/続いて、触媒および/または溶媒脱ロウされたワックスまたはワックス状供給材料、好ましくはF−T材料誘導ベースストックおよび/またはベース油は、典型的に、約2mm
2/秒〜約50mm
2/秒の100℃における動粘度を有することを特徴とする(ASTM D445)。それらは、典型的に、約5℃〜約40℃以下の流動点を有することをさらに特徴とする(ASTM D97)。またそれらは、典型的に、約80〜約140以上の粘度指数を有することを特徴とする(ASTM D2270)。
【0074】
加えて、GTLベースストックおよび/またはベース油は、典型的に、高度パラフィン系であり(>90%飽和)、かつ非環式イソパラフィンとの組合せでモノシクロパラフィンおよびポリシクロパラフィンの混合物を含有し得る。そのような組合せにおけるナフタレン系(すなわちシクロパラフィン)含有量の比率は、使用された触媒および温度によって変化する。さらに、GTLベースストックおよび/またはベース油は、典型的に、非常に低い硫黄および窒素含有量を有し、一般に、約10ppm未満、より典型的に、約5ppm未満のこれらの元素のそれぞれを含有する。F−T材料、特にF−Tワックスから得られるGTLベースストックおよび/またはベース油の硫黄および窒素含有量は、本質的にゼロである。加えて、リンおよび芳香族がないことにより、これは、低SAP製品を配合するために本質的に特に適切となる。
【0075】
GLTベースストックおよび/またはベース油および/またはワックス異性体ベースストックおよび/またはベース油という用語は、製造プロセスで回収された広い粘度範囲のそのような材料の個々のフラクション、そのようなフラクションの2つ以上の混合物、ならびに標的の動粘度を示すブレンドを製造するための低粘度フラクションの1つまたは2つ以上と、高粘度フラクションの1つまたは2つ以上との混合物を包括するものとして理解される。
【0076】
GLTベースストックおよび/またはベース油が誘導されるGLT材料は、好ましくは、FT材料(すなわち炭化水素、ワックス状炭化水素、ワックス)である。
【0077】
本開示において有用な配合潤滑油で使用するためのベース油は、APIグループI、グループII、グループIII、グループIVおよびグループV油およびそれらの混合物、好ましくはAPIグループII、グループIII、グループIVおよびグループV油およびそれらの混合物、より好ましくはグループIII、グループIV、およびグループVベース油およびそれらの混合物に相当する様々な油のいずれかである。高度パラフィン系ベース油は、本開示において有用な配合潤滑油で有利に使用可能である。配合潤滑油製品中にブレンドするための添加剤を希釈するために使用される量などの少量のグループIストックも使用可能である。グループIIストックに関しても、グループIIストックが、そのストックに関してより高品質の範囲にあること、すなわち100<VI≦120の範囲の粘度指数を有するグループIIストックが好ましい。
【0078】
ベース油は、本開示のエンジン油潤滑油組成物の主成分を構成し、および組成物の全重量に基づき、典型的に約50〜約99重量%、好ましくは約70〜約95重量%、より好ましくは約85〜約95重量%の範囲の量で存在する。ベース油は、火花点火および圧縮点火エンジンのためのクランク室潤滑油として典型的に使用される合成または天然油のいずれかからも選択され得る。ベース油は、都合よく、ASTM規格に従って、100℃で約2.5cSt〜約12cSt(またはmm
2/秒)、好ましくは100℃で約2.5cSt〜約9cSt(またはmm
2/秒)の動粘度を有する。必要に応じて、合成および天然ベース油の混合物が使用され得る。必要に応じて、グループI、II、III、IVおよび/またはVベースストックの二峰性混合物が使用され得る。
【0079】
酸化防止剤
潤滑油組成物は、少なくとも1種の酸化防止剤を含む。酸化防止剤は、使用間のベース油の酸化分解を遅らせる。そのような分解は、金属表面上の沈着物、スラッジの存在または潤滑油中の粘度増加をもたらし得る。当業者は、潤滑油組成物において有用である多様な酸化防止剤を知っている。例えば、Klamann in Lubricants and Related Products,前掲書および米国特許第4,798,684号明細書および同第5,084,197号明細書を参照されたい。
【0080】
例示的な酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールおよび2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2−オクチル−3−プロパノイック)フェノール;N,N−ジ(アルキルフェニル)アミン;ならびにアルキル化フェニレンジアミンなどの立体障害アルキルフェノールが含まれる。
【0081】
酸化防止剤は、潤滑油組成物の重量で、0.01〜5%、好ましくは0.4〜0.8%の量で適切に存在するブチル化ヒドロキシトルエンなどのヒンダードフェノール系酸化防止剤であり得る。代わりに、または加えて、酸化防止剤は、単独で、または組み合わせて使用されるモノ−オクチルフェニルアルファナフチルアミンまたはp,p−ジオクチルジフェニルアミンなどの芳香族アミン酸化防止剤を含み得る。アミン酸化防止剤成分は、潤滑剤組成物の重量で、0.01〜5%、より好ましくは0.5〜1.5%の量で適切に存在する。
【0082】
有用な酸化防止剤としては、ヒンダードフェノールが含まれる。これらのフェノール系酸化防止剤は、無灰分(金属を含まない)フェノール系合物または特定のフェノール化合物の中性もしくは塩基性金属塩であり得る。典型的なフェノール系酸化防止剤化合物は、立体障害ヒドロキシル基を含有するヒンダードフェノールであり、かつこれらには、ヒドロキシル基が互いにoまたはp位にあるジヒドロキシアリール化合物のそれらの誘導体が含まれる。典型的なフェノール系酸化防止剤としては、C6+アルキル基で置換されたヒンダードフェノール、およびこれらのヒンダードフェノールのアルキレン結合誘導体が含まれる。この種類のフェノール系材料の例は、2−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール;2−t−ブチル−4−オクチルフェノール;2−t−ブチル−4−ドデシルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−ドデシルフェノール;2−メチル−6−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール;および2−メチル−6−t−ブチル−4−ドデシルフェノールである。他の有用なヒンダードモノフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ヒンダード2,6−ジアルキル−フェノール系プロピオン酸エステル誘導体が含まれ得る。ビス−フェノール系酸化防止剤も、本開示と組み合わせて有利に使用され得る。オルト結合フェノールの例としては、2,2−ビス(4−ヘプチル−6t−ブチル−フェノール);2,2−ビス(4−オクチル−6−t−ブチル−フェノール);および2,2’−ビス(4−ドデシル−6−t−ブチル−フェノール)が含まれる。パラ結合ビスフェノールとしては、例えば、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)および4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)が含まれる。
【0083】
他の例示的なフェノール系酸化防止剤としては、硫化および非硫化フェノール系酸化防止剤が含まれる。「フェノール型」または「フェノール系酸化防止剤」という用語は、本明細書で使用される場合、それ自体が単核、例えば、ベンジル、または多核、例えば、ナフチルおよびスピロ芳香族化合物であり得る芳香族環に結合した1個または2個以上のヒドロキシル基を有する化合物を含む。したがって、「フェノール型」には、フェノール自体、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ナフトールなど、ならびにそのアルキルまたはアルケニルおよび硫化アルキルまたはアルケニル誘導体、ならびにアルキレン架橋、硫黄架橋または酸素架橋によって結合したそのようなビフェノール化合物を含むビスフェノール型化合物が含まれる。アルキルフェノールとしては、アルキルまたはアルケニル基が3〜100個の炭素、好ましくは4〜50個の炭素を含有するモノ−およびポリ−アルキルまたはアルケニルフェノール、ならびにその硫化誘導体が含まれる。芳香族間中に存在するアルキルまたはアルケニル基の数は、芳香族環に結合したヒドロキシル基の数を数えた後に残る1から芳香族環の利用可能な不満足原子価までの範囲である。
【0084】
したがって、一般に、フェノール系酸化防止剤は、次の一般式:
(R)x−−Ar−−(OH)y
(式中、Ar基は、
【化1】
からなる群から選択され、Rは、C3〜C100アルキルもしくはアルケニル基、硫黄置換アルキルもしくはアルケニル基、好ましくはC4〜C50アルキルもしくはアルケニル基または硫黄置換アルキルもしくはアルケニル基、より好ましくはC3〜C100アルキルもしくは硫黄置換アルキル基、最も好ましくはC4〜C50アルキルであり、Rgは、C1〜C100アルキレン基もしくは硫黄置換アルキレン基、好ましくはC2〜C50アルキレンもしくは硫黄置換アルキレン基、より好ましくはC2〜C20アルキレンもしくは硫黄置換アルキレン基であり、yは、少なくとも1からArの利用可能な原子価までであり、xは、0からAr−yの利用可能な原子価までの範囲であり、zは、1〜10の範囲であり、nは、0〜20の範囲であり、かつmは、0〜4の範囲であり、かつpは、0または1であり、好ましくは、yは、1〜3の範囲であり、xは、0〜3の範囲であり、zは、1〜4の範囲であり、かつnは、0〜5の範囲であり、かつpは0である)によって表され得る。
【0085】
好ましいフェノール系酸化防止剤化合物は、立体障害ヒドロキシル基を含有するヒンダードフェノールおよびフェノール系エステルであり、かつこれらには、ヒドロキシル基が互いにoまたはp位にあるジヒドロキシアリール化合物のそれらの誘導体が含まれる。典型的なフェノール系酸化防止剤としては、C1+アルキル基で置換されたヒンダードフェノール、およびこれらのヒンダードフェノールのアルキレン結合誘導体が含まれる。この種類のフェノール系材料の例は、2−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール;2−t−ブチル−4−オクチルフェノール;2−t−ブチル−4−ドデシルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−ドデシルフェノール;2−メチル−6−t−ブチル−4−ヘプチルフェノール;2−メチル−6−t−ブチル−4−ドデシルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4メチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール;および2,6−ジ−t−ブチル4アルコキシフェノール;ならびに
【化2】
である。
【0086】
フェノール型酸化防止剤は、潤滑産業界で周知であり、かつEthanox(商標)1710、Irganox(商標)1076、Irganox(商標)L1035、Irganox(商標)1010、Irganox(商標)L109、Irganox(商標)L118、Irganox(商標)L135などの市販品の例は当業者によく知られている。上記は、使用可能なフェノール系酸化防止剤の種類の例としてのみ提示されており、限定するものではない。
【0087】
フェノールベースの酸化防止剤の他の例としては、2−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、3−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン(「Antage DBH」の商標名でKawaguchi Kagaku Co.によって製造される)、2,6−ジ−t−ブチルフェノールおよび2,6−ジ−t−ブチル−4−アルキルフェノール、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールおよび2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−アルコキシフェノール、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノールおよび2,6−ジ−t−ブチル−4−エトキシフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトオクチル−1アセテート、アルキル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、例えば、n−オクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(「Yonox SS」の商標名でYoshitomi Seiyaku Co.によって製造される)、n−ドデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートおよび2’−エチルヘキシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート;2,6−ジ−t−ブチル−アルファ−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−アルキル−6−t−ブチルフェノール)化合物、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(「Antage W−400」の商標名でKawaguchi Kagaku Co.によって製造される)および2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(「Antage W−500」の商標名でKawaguchi Kagaku Co.によって製造される);ビスフェノール、例えば、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチル−フェノール)(「Antage W−300」の商標名でKawaguchi Kagaku Co.によって製造される)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)(「Ionox 220AH」の商標名でLaporte Performance Chemicalsによって製造される)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−(ジ−p−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、ヘキサメチレングリコールビス[3,(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](「Irganox L109」の商標名でCiba Speciality Chemicals Co.によって製造される)、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−y−5−メチルフェニル)プロピオネート](「Tominox 917」の商標名でYoshitomi Seiyaku Co.によって製造される)、2,2’−チオ[ジエチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](「Irganox L115」の商標名でCiba Speciality Chemicals Co.によって製造される)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ]エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(「Sumilizer GA80」の商標名でSumitomo Kagaku Co.によって製造される)および4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(「Antage RC」の商標名でKawaguchi Kagaku Co.によって製造される)、2,2’−チオビス(4,6−ジ−t−ブチルレゾルシノール);ポリフェノール、例えば、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナト[メタン(「Irganox L101」の商標名でCiba Speciality Chemicals Co.によって製造される)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(「Yoshinox 930」の商標名でYoshitomi Seiyaku Co.によって製造される)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(「Irganox 330」の商標名でCiba Speciality Chemicalsによって製造される)、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)酪酸]グリコールエステル、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−メチル−4−(2’’,4’’−ジ−t−ブチル−3’’−ヒドロキシフェニル)メチル−6−t−ブチルフェノールおよび2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール;およびフェノール/アルデヒド縮合物、例えば、p−t−ブチルフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物およびp−t−ブチルフェノールとアセトアルデヒドとの縮合物が含まれる。
【0088】
有効量の1種以上の触媒的酸化防止剤も使用され得る。触媒的酸化防止剤は、有効量のa)1種以上の油溶性多金属有機化合物と、有効量のb)1種以上の置換N、N’−ジアリール−o−フェニレンジアミン化合物またはc)1種以上のヒンダードフェノール化合物;あるいはb)およびc)の両方の組合せを含む。触媒的酸化防止剤は、全体として参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第8,048,833号明細書により完全に記載される。
【0089】
例示的な芳香族アミン酸化防止剤としては、次の分子構造:
【化3】
(式中、R
zは、水素またはC
1〜C
14直鎖もしくはC
3〜C
14分枝鎖アルキル基、好ましくはC
1〜C
10直鎖もしくはC
3〜C
10分枝鎖アルキル基、より好ましくは直鎖または分枝鎖C
6〜C
8であり、かつnは、1〜5の範囲の整数、好ましくは1である)によって記載されるフェニル−アルファ−ナフチルアミンが含まれる。特定の例はIrganox L06である。
【0090】
他の芳香族アミン酸化防止剤としては、芳香族モノアミンなどの他のアルキル化および非アルキル化芳香族アミンが含まれる。
【0091】
典型的な芳香族アミン酸化防止剤は、少なくとも6個の炭素原子のアルキル置換基を有する。脂肪族基の例としては、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシルが含まれる。一般に、脂肪族基は、14個より多い炭素原子を含まないであろう。存在し得るそのような他の追加のアミン酸化防止剤の一般的な種類は、ジフェニルアミン、フェノチアジン、イミドジベンジルおよびビフェニルフェニレンジアミンが含まれる。そのような他の追加の芳香族アミンの2種以上の混合物も存在し得る。ポリマーアミン酸化防止剤も使用可能である。
【0092】
本開示の潤滑油組成物において有用な酸化防止剤または酸化防止剤は、ヒンダードフェノール(例えば、2,6−ジ−(t−ブチル)フェノール);芳香族アミン(例えば、アルキル化ビフェニルアミン);アルキルポリスルフィド;セレニド;ボレート(例えば、エポキシド/ホウ酸反応生成物);ホスホロジチオ酸、エステルおよび/または塩;ならびにジチオカルバメート(例えば、ジチオカルバミン酸亜鉛)である。一実施形態において、これらの酸化防止剤または酸化防止剤は、好ましい混合物の1:10〜10:1のアミン/フェノール比において利用可能である。
【0093】
本開示の潤滑油石油組成物においても有用である酸化防止剤または酸化防止剤は、塩素化脂肪族炭化水素、例えば、塩素化ワックス;有機スルフィドおよびポリスルフィド、例えば、ベンジルジスルフィド、ビス(クロロベンジル)ジスルフィド、ジブチルテトラスルフィド、オレイン酸の硫化メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテンおよび硫化テルペン;ホスホ硫化炭化水素、例えば、リンスルフィドとテレビン油またはオレイン酸メチルとの反応生成物、主に二炭化水素および三炭化水素亜リン酸エステルを含むリンエステル、例えば、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジヘプチル、亜リン酸ジシクロヘキシル、亜リン酸ペンチルフェニル、亜リン酸ジペンチルフェニル、亜リン酸トリデシル、亜リン酸ジステアリル、亜リン酸ジメチルナフチル、亜リン酸オレイル4−ペンチルフェニル、ポリプロピレン(分子量500)置換亜リン酸フェニル、ジイソブチル置換亜リン酸フェニル;チオカルバミン酸金属、例えば、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛およびヘプチルフェニルジチオカルバミン酸バリウム;ジチオリン酸第II族金属、例えば、ジシクロヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジオクチルジチオリン酸亜鉛、ジ(ヘプチルフェニル)ジチオリン酸バリウム、ジノニルジチオリン酸カドミウム、および五硫化リンとイソプロピルアルコール、4−メチル−2−ペンタノールおよびn−ヘキシルアルコールの等モル混合物との反応物である。
【0094】
硫黄、窒素、リンおよびいくつかのアルキルフェノールを含有する有機化合物を含む酸化抑制剤は、本開示の潤滑油組成物において有用な添加剤である。酸化防止剤の2つの一般的な種類は、不活性化合物を形成するために開始剤、ペルオキシラジアルおよびヒドロペルオキシドで反応するものと、活性の低い化合物を形成するためにこれらの材料を分解させるものである。例は、ヒンダード(アルキル化)フェノール、例えば、6−ジ(t−ブチル)−4−メチルフェノール[2,6−ジ(t−ブチル)−p−クレゾール、DBPC]および芳香族アミン、例えば、N−フェニル−アルファ−ナフタルアミンである。
【0095】
硫化アルキルフェノールおよびそのアルカリまたはアルカリ土類金属塩も有用な酸化防止剤である。
【0096】
潤滑油組成物において使用され、かつ存在し得る酸化防止剤の別の種類は、油溶性の銅化合物である。いずれの油溶性の適切な銅化合物も潤滑油にブレンドされ得る。適切な銅酸化防止剤の例としては、ジヒドロカルビルチオ−またはジチオリン酸銅あるいは(自然由来または合成)カルボン酸の銅塩が含まれる。他の適切な銅の塩としては、銅ジチオカルバメート、スルホネート、フェナートおよびアセチルアセトネートが含まれる。アルケニルコハク酸または無水物から誘導される塩基性、中性または酸性の銅Cu(I)および/またはCu(II)塩も特に有用であることが知られている。
【0097】
硫黄含有酸化防止剤は、硫黄を含有するいずれかおよび全ての酸化防止剤であり得、例えば、チオジプロピオン酸ジアルキル、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリルおよびチオジプロピオン酸ジステアリル、ジアルキルジチオカルバミン酸誘導体(金属塩を除く)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、メルカプトベンゾチアゾール、無水リン酸とオレフィンとの反応生成物およびジセチルスルフィドが含まれる。これらの中でも、チオジプロピオン酸ジラウリルおよびチオジプロピオン酸ジステアリルなどのチオジプロピオン酸ジアルキルが好ましい。アミン型酸化防止剤としては、例えば、モノアルキルジフェニルアミン、例えば、モノオクチルジフェニルアミンおよびモノノニルジフェニルアミン;ジアルキルジフェニルアミン、例えば、4,4’−ジブチルジフェニルアミン、4,4’−ジフェニルジフェニルアミン、4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン、4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミンおよび4,4’−ジノニルジフェニルアミン;ポリアルキルジフェニルアミン、例えば、テトラブチルジフェニルアミン、テトラヘキシルジフェニルアミン、テトラオクチルジフェニルアミンおよびテトラノニルジフェニルアミン;ならびにナフチルアミン、例えば、アルファ−ナフチルアミン、フェニル−アルファ−ナフチルアミン、ブチルフェニル−アルファ−ナフチルアミン、ペンチルフェニル−アルファ−ナフチルアミン、ヘキシルフェニル−アルファ−ナフチルアミン、ヘプチルフェニル−アルファ−ナフチルアミン、オクチルフェニル−アルファ−ナフチルアミンおよびノニルフェニル−アルファ−ナフチルアミンが含まれる。これらの中でも、ジアルキルジフェニルアミンが好ましい。
【0098】
硫黄ベースの酸化防止剤の例としては、ジアルキルスルフィド、例えば、ジドデシルスルフィドおよびジオクタデシルスルフィド;チオジプロピオン酸エステル、例えば、ジドデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルヒオジプロピオネートおよびドデシルオクタデシルチオジプロピオネートおよび2−メルカプトベンズイミダゾールが含まれる。
【0099】
そのような酸化防止剤は、個々に、または酸化防止剤の1種以上の種類の混合物として使用され得、利用される合計量は、約0.01〜約5重量%、好ましくは0.1〜約4.5重量%、より好ましくは0.25〜3重量%である(受け取ったままの基準において)。
【0100】
清浄剤
潤滑油組成物は、少なくとも1種の清浄剤を含む。本開示において有用な例示的な清浄剤としては、例えば、アルカリ金属清浄剤、アルカリ土類金属清浄剤または1種以上のアルカリ金属清浄剤および1種以上のアルカリ土類金属清浄剤の混合物が含まれる。典型的な清浄剤は、分子の長鎖疎水性部分と、分子のより小さいアニオン性または疎油性の親水性部分とを含むアニオン性材料である。清浄剤のアニオン性部分は、有機酸、例えば、硫黄酸、カルボン酸(例えば、サリチル酸)、亜リン酸、フェノールまたはそれらの混合物から誘導される。対イオンは典型的にアルカリ土類またはアルカリ金属である。
【0101】
清浄剤は、好ましくは、有機または無機酸の金属塩、フェノールの金属塩、あるいはそれらの混合物である。金属は、好ましくは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属およびそれらの混合物から選択される。有機または無機酸は、脂肪族有機または無機酸、脂環式有機または無機酸、芳香族有機または無機酸およびそれらの混合物から選択される。
【0102】
金属は、好ましくは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属およびそれらの混合物から選択される。より好ましくは、金属は、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)およびそれらの混合物から選択される。
【0103】
有機酸または無機酸は、好ましくは、硫黄酸、カルボン酸、リン酸およびそれらの混合物から選択される。
【0104】
好ましくは、有機または無機酸の金属塩、あるいはフェノールの金属塩は、カルシウムフェナート、スルホン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、マグネシウムフェナート、スルホン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウムおよびそれらの混合物を含む。
【0105】
実質的に化学量論的量の金属を含有する塩は中性塩として記載され、かつ0〜80の全アルカリ価(TBN、ASTM D2896によって測定される)を有する。多くの組成物は過塩基性であり、過剰量の金属化合物(例えば、金属水酸化物または酸化物)と(二酸化炭素などの)酸性気体とを反応させることによって達成される金属塩基を大量に含有する。有用な清浄剤は、中性であるか、わずかに過塩基性であるか、または高度に過塩基性であり得る。これらの清浄剤は、中性、過塩基性、高度に過塩基性のカルシウムサリチレート、スルホネートおよびフェネートおよび/またはマグネシウムサリチレート、スルホネート、フェネートの混合物において使用可能である。TBNの範囲は、低、中程度および高製品まで変動可能であり、0程度の低TBNから600程度の高TBNまで含まれる。好ましくは、清浄剤によってもたらされるTBNは、1〜20である。より好ましくは、1〜12である。スルホネート、フェネート、サリチレートおよびカルボキシレートを含むカルシウムおよびマグネシウム金属ベース清浄剤と一緒に、低、中程度、高TBNの混合物を使用することができる。金属比1の清浄剤混合物を、金属比2の清浄剤および金属比5の清浄剤との組合せで使用することができる。ホウ酸化清浄剤も使用することができる。
【0106】
アルカリ土類フェネートは、他の有用な種類の清浄剤である。これらの清浄剤は、アルカリ土類金属水酸化物または酸化物(例えば、CaO、Ca(OH)
2、BaO、Ba(OH)
2、MgO、Mg(OH)
2)をアルキルフェノールまたは硫化アルキルフェノールと反応させることによって製造可能である。有用なアルキル基としては、直鎖または分枝鎖C
1〜C
30アルキル基、好ましくはC
4〜C
20またはそれらの混合物が含まれる。適切なフェノールの例としては、イソブチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノールなどが含まれる。なお、出発アルキルフェノールが、それぞれ独立して直鎖または分岐鎖である2個以上のアルキル置換基を含有し得、かつこれを0.5〜6重量%使用し得ることに留意するべきである。非硫化アルキルフェノールが使用される場合、硫化生成物は、当該技術分野において周知の方法によって得ることができる。これらの方法には、アルキルフェノールおよび硫化剤(硫黄元素、二塩化硫黄などのハロゲン化硫黄などを含む)の混合物を加熱し、次いで、硫化フェノールをアルカリ土類金属塩基と反応させることが含まれる。
【0107】
カルボン酸の金属塩は有用な清浄剤である。これらのカルボン酸清浄剤は、塩基性金属化合物と少なくとも1種のカルボン酸を反応させ、および反応生成物から水分を除去することによって調製され得る。サリチル酸から製造された清浄剤は、カルボン酸から誘導される清浄剤の好ましい1種である。有用なサリチレートとしては、長鎖アルキルサリチレートが含まれる。組成物の有用な系統群の1種は、次式
【化4】
(式中、Rは、1〜約30個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは1〜4の整数であり、かつMはアルカリ土類金属である)である。好ましいR基は、少なくともC
11、好ましくはC
13以上のアルキル鎖である。Rは、清浄剤の機能を妨害しない置換基によって任意選択的に置換され得る。Mは、好ましくは、カルシウム、マグネシウムまたはバリウムである。より好ましくは、Mは、カルシウムである。
【0108】
ヒドロカルビル置換サリチル酸は、コルベ反応によってフェノールから調製され得る(米国特許第3,595,791号明細書を参照されたい)。ヒドロカルビル置換サリチル酸の金属塩は、水またはアルコールなどの極性溶媒中での金属塩の複分解によって調製され得る。
【0109】
アルカリ土類金属ホスフェートも清浄剤として使用され、これは当該技術分野において既知である。
【0110】
清浄剤は、単一清浄剤、またはハイブリッドもしくは複合清浄剤として既知であるものであり得る。後者の清浄剤は、別々の材料をブレンドすることを必要とせずに、2種の清浄剤の特性を提供することができる。米国特許第6,034,039号明細書を参照されたい。
【0111】
例示的な清浄剤としては、マグネシウム、バリウムまたはナトリウムなどの別の金属イオンが使用される、カルシウムアルキルサリチレート、カルシウムアルキルフェナートおよびカルシウムアルカリルスルホネートが含まれる。使用可能であるクリーニングおよび分散剤の例としては、金属ベースの清浄剤、例えば、中性および塩基性アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェナートおよびアルカリ土類金属サリチレート、アルケニルスクシンイミドおよびアルケニルスクシンイミドエステルおよびそれらのホウ化水素、フェナート、サリエニウス(salienius)錯体清浄剤および硫黄化合物によって変性された無灰分分散剤が含まれる。これらの試薬は、都合よく、ベース油の重量で0.01〜1重量部の範囲内の量で、個々に、または混合物の形態で、添加および使用可能であり;これらは、また高TBN、低TBNまたは高/低TBNの混合物であることも可能である。
【0112】
好ましい清浄剤としては、スルホン酸カルシウム、スルホン酸マグネシウム、サリチル酸カルシウム、サリチル酸マグネシウム、カルシウムフェネート、マグネシウムフェネートおよび他の関連成分(ホウ酸化清浄剤を含む)ならびにそれらの混合物が含まれる。清浄剤の好ましい混合物としては、スルホン酸マグネシウムおよびサリチル酸カルシウム、スルホン酸マグネシウムおよびスルホン酸カルシウム、スルホン酸マグネシウムおよびカルシウムフェナート、カルシウムフェナートおよびサリチル酸カルシウム、カルシウムフェナートおよびスルホン酸カルシウム、カルシウムフェナートおよびサリチル酸マグネシウム、カルシウムフェナートおよびマグネシウムフェナートが含まれる。
【0113】
本開示の潤滑油中の清浄剤の濃度は、潤滑油の全重量に基づき、約0.01〜約10重量%、好ましくは約0.1〜7.5重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約5重量%の範囲であることが可能である。
【0114】
本明細書で使用される場合、清浄剤濃度は、「送達された時」を基準にして示される。典型的に、活性清浄剤はプロセス油とともに送達される。「送達された時」の清浄剤は、典型的に、約20重量%〜約100重量%、または約40重量%〜約60重量%の活性清浄剤を「送達された時」の清浄剤中に含む。
【0115】
分散剤
潤滑油組成物は、少なくとも1種の分散剤を含む。エンジン運転の間、油不溶性の酸化副産物が生じる。分散剤は、これらの副産物を溶液中に保持することを促進し、したがって、金属表面上でのそれらの堆積が低減する。潤滑油の配合で使用される分散剤は、本質的に無灰型または灰分形成型であり得る。好ましくは、分散剤は、無灰である。いわゆる無灰分散剤は、燃焼時に実質的に灰分を形成しない有機材料である。例えば、非金属含有またはホウ酸化された金属を含まない分散剤が無灰であると思われる。対照的に、上記の金属含有清浄剤は燃焼時に灰分を形成する。
【0116】
適切な分散剤は、典型的に、比較的高分子量の炭化水素鎖に結合した極性基を含有する。極性基は、典型的に、窒素、酸素またはリンの少なくとも1種の元素を含有する。典型的な炭化水素鎖は、50〜400個の炭素原子を含有する。いくつかの実施例において、炭化水素鎖は、6〜50個の炭素原子の範囲であり得る。
【0117】
分散剤の特に有用な種類は、典型的に長連ヒドロカルビル置換コハク酸化合物、通常、ヒドロカルビル置換無水コハク酸とポリヒドロキシまたはポリ網の化合物との反応によって製造される(ポリ)アルキルコハク酸誘導体である。油中での溶解性を与える分子の親油性部分を構成する長鎖ヒドロカルビル基は、通常、ポリイソブチレン基である。この種類の分散剤の多くの例は、商業的におよび文献において周知である。そのような分散剤を記載する代表的な米国特許は、米国特許第3,172,892号明細書、同第3,2145,707号明細書、同第3,219,666号明細書、同第3,316,177号明細書、同第3,341,542号明細書、同第3,444,170号明細書、同第3,454,607号明細書、同第3,541,012号明細書、同第3,630,904号明細書、同第3,632,511号明細書、同第3,787,374号明細書および同第4,234,435号明細書である。他の種類の分散剤は、米国特許第3,036,003号明細書、同第3,200,107号明細書、同第3,254,025号明細書、同第3,275,554号明細書、同第3,438,757号明細書、同第3,454,555号明細書、同第3,565,804号明細書、同第3,413,347号明細書、同第3,697,574号明細書、同第3,725,277号明細書、同第3,725,480号明細書、同第3,726,882号明細書、同第4,454,059号明細書、同第3,329,658号明細書、同第3,449,250号明細書、同第3,519,565号明細書、同第3,666,730号明細書、同第3,687,849号明細書、同第3,702,300号明細書、同第4,100,082号明細書、同第5,705,458号明細書に記載される。分散剤のさらなる記載は、例えば、この目的のために参照される欧州特許出願公開第471 071号明細書に見出され得る。
【0118】
ヒドロカルビル置換コハク酸およびヒドロカルビル置換無水コハク酸誘導体は、有用な分散剤である。特に、炭化水素置換期中に好ましくは少なくとも50個の炭素原子を有する炭化水素置換コハク酸化合物と、少なくとも1当量のアルキレンアミンとの反応によって調製されたスクシンイミド、コハク酸エステルまたはコハク酸エステルアミドは特に有用である。
【0119】
スクシンイミドは、ヒドロカルビル置換無水コハク酸とアミンとの縮合反応によって形成される。モル比は、ポリアミド次第で変動可能である。例えば、ヒドロカルビル置換無水コハク酸対TEPAのモル比は、約1:1〜約5:1で変動可能である。代表的な例は、米国特許第,087,936号明細書、同第3,172,892号明細書、同第3,219,666号明細書、同第3,272,746号明細書、同第3,322,670号明細書および同第3,652,616号明細書、同第3,948,800号明細書に示される。
【0120】
コハク酸エステルは、ヒドロカルビル置換無水コハク酸とアルコールまたはポリオールとの縮合反応によって形成される。モル比は、使用されるアルコールまたはポリオール次第で変動可能である。例えば、ヒドロカルビル置換無水コハク酸およびペンタエリスリトールの縮合物は有用な分散剤である。
【0121】
コハク酸エステルアミドは、ヒドロカルビル置換無水コハク酸とアルカノールアミンとの縮合反応によって形成される。例えば、適切なアルカノールアミンとしては、エトキシル化ポリアルキルポリアミン、プロポキシル化ポリアルキルポリアミンおよびポリエチレンポリアミンなどのポリアルケニルポリアミンが含まれる。一例は、プロポキシル化ヘキサメチレンジアミンである。代表例は、米国特許第4,426,305号明細書に示される。
【0122】
前段で使用されるヒドロカルビル置換無水コハク酸の分子量は、典型的に800〜2,500以上の範囲である。上記生成物は、硫黄、酸素、ホルムアルデヒド、オレイン酸などのカルボン酸などの種々の試薬とその後反応させ得る。上記生成物は、一般に分散剤反応生成物1モルあたり約0.1〜約5モルのホウ素を有するホウ酸化分散剤を形成するために、ホウ酸、ホウ酸エステルまたは高度にホウ酸化された分散剤などのホウ素化合物と、その後反応させることも可能である。
【0123】
マンニッヒ塩基分散剤は、アルキルフェノール、ホルムアルデヒドおよびアミンの反応から製造される。参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,767,551号明細書を参照されたい。オレイン酸およびスルホン酸などのプロセス助剤および触媒も反応混合物の一部であり得る。アルキルフェノールの分子量は、800〜2,500の範囲である。代表例は、米国特許第3,697,574号明細書、同第3,703,536号明細書、同第3,704,308号明細書、同第3,751,365号明細書、同第3,756,953号明細書、同第3,798,165号明細書および同第3,803,039号明細書に示される。
【0124】
本開示において有用な典型的な高分子量脂肪酸変性マンニッヒ縮合生成物は、高分子量アルキル置換ヒドロキシ芳香族またはHNR
2基含有反応物から調製することができる。
【0125】
ヒドロカルビル置換アミン無灰分散剤添加剤は当業者に周知であり、例えば、米国特許第3,275,554号明細書、同第3,438,757号明細書、同第3,565,804号明細書、同第3,755,433号明細書、同第3,822,209号明細書および同第5,084,197号明細書を参照されたい。
【0126】
例示的な分散剤としては、モノスクシンイミド、ビススクシンイミドおよび/またはモノおよびビススクシンイミドの混合物からのそれらの誘導体を含む、ホウ酸化および非ホウ酸化スクシンイミドが含まれ、ヒドロカルビルスクシンイミドは、約500〜約5,000、または約1,000〜約3,000、または約1,000〜約2,000のMnを有するポリイソブチレンなどのヒドロカルビレン基、またはそのようなヒドロカルビレン基の混合物から誘導され、これは、多くの場合、高末端ビニル基を有する。他の好ましい分散剤としては、コハク酸エステルおよびアミド、アルキルフェノール−ポリアミン結合マンニッヒ付加物、それらのキャップ形成誘導体および他の関連化合物が含まれる。
【0127】
ポリメタクリレートまたはポリアクリレート誘導体は、別の種類の分散剤である。これらの分散剤は、典型的に、窒素含有モノマーと、エステル基中に5〜25個の炭素原子を含有するメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルとを反応させて調製する。代表的な例は、米国特許第2、100、993号明細書および同第6,323,164号明細書に示される。ポリメタクリレートおよびポリアクリレート分散剤は、通常、多機能性粘度変性剤として使用される。より低分子量のものは、潤滑油分散剤または燃料清浄剤として使用されることができる。
【0128】
本開示において有用な他の例示的な分散剤としては、ポリアルケニル置換モノ−またはジカルボン酸、無水物またはエステルから誘導されるものが含まれ、この分散剤は、少なくとも900の数平均分子量を有するポリアルケニル部分を有し、かつポリアルケニル部分(中間官能性分散剤)あたり1.3より高く1.7まで、1.3より高く1.6まで、1.3より高く1.5までの官能基(モノ−またはジカルボン酸製造部分)を有する。官能性(F)は、次式に従って決定することができる:
F=(SAP×Mn)/((112,200×A.I.)−(SAP×98))
式中、SAPは、けん化価(すなわちASTM D94に従って決定される、スクシン含有反応生成物の1グラム中の酸基の完全中和において消費されるKOHのミリグラム数)であり;Mnは、直鎖オレフィンポリマーの数平均分子量であり;かつA.I.は、スクシン含有反応生成物のパーセント活性成分である(残りは、未反応オレフィンポリマー、無水コハク酸および希釈剤である)。
【0129】
分散剤のポリアルケニル部分は、少なくとも900、適切には、少なくとも1500、好ましくは1800〜3,000、例えば、2,000〜2,800、より好ましくは約2,100〜2,500、最も好ましくは約2,200〜約2,400の数平均分子量を有し得る。分散剤の分子量は、一般に、ポリアルケニル部分の分子量に関して表される。これは、分散剤の正確な分子量の範囲が、分散剤を誘導するために使用されるポリマーの種類、官能基の数および利用される求核基の種類を含む多数のパラメーターに依存するためである。
【0130】
ポリマー分子量Mnは、種々の既知の技術によって決定可能である。1つの都合のよい方法は、分子量分布の情報もさらに抵抗するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)である(W.W.Yau,J.J.KirklandおよびD.D.Bly,“Modern Size Exclusion Liquid Chromatography”,John Wiley and Sons,New York,1979を参照されたい)。特により低分子量のポリマーのために、分子量を決定するための別の有用な方法は、蒸気圧浸透圧測定法(例えば、ASTM D3592)である。
【0131】
分散剤中のポリアルケニル部分は、好ましくは、重量平均値分子量(Mw)対数平均値分子量(Mn)の比率によって決定される、多分散性とも呼ばれる狭い分子量分布(MWD)を有する。2.2未満、好ましくは2.0未満のMw/Mnを有するポリマーが最も望ましい。適切なポリマーは、約1.5〜2.1、好ましくは約1.6〜約1.8の多分散性を有する。
【0132】
分散剤の形成において利用される適切なポリアルケンとしては、ホモポリマー、インターポリマーまたはより低分子量の炭化水素が含まれる。そのようなポリマーの1系統は、エチレンおよび/または少なくとも1種のC
3〜C
24アルファオレフィンのポリマーを含む。好ましくは、そのようなポリマーは、上記式のエチレンおよび少なくとも1種のアルファオレフィンのインターポリマーを含む。
【0133】
別の有用な種類のポリマーは、イソブテンおよびスチレンなどのモノマーのカチオン重合によって調製されたポリマーである。この種類からの一般的なポリマーとしては、35〜75重量%のブテン含有量および30〜60重量%のイソブテン含有量を有するC4精製所流の重合によって得られるポリイソブテンが含まれる。ポリ−n−ブテンを製造するためのモノマーの好ましい供給源は、ラフィネートIIなどの石油供給原料流である。これらの原料は、米国特許第4,952,739号明細書など、当該技術分野において開示されている。好ましい実施形態では、純粋なイソブチレン流またはラフィネートI流から調製されたポリイソブチレンを利用して、末端ビニリデンオレフィンを有する反応性イソブチレンポリマーを調製する。利用され得るポリイソブテンポリマーは、一般に、1,500〜3,000のポリマー鎖をベースとする。
【0134】
アルケニルまたはアルキル基を含有する分散剤は、約500〜約5000のMn値および約1〜約5のMw/Mn比を有する。好ましいMn間隔は、ろ過性を改善する薬剤の化学的性質次第である。無水マレイン酸あるいは他の酸材料または酸形成材料との反応のために適切なポリオレフィンポリマーとしては、C
2〜C
5モノオレフィンの主成分量、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンおよびペンテンを含有するポリマーが含まれる。非常に適切なポリオレフィンポリマーは、ポリイソブテンである。反応物質として好ましい無水コハク酸は、PIBSA、すなわちポリイソブテニル無水コハク酸である。
【0135】
分散剤が、無水コハク酸とポリアミドとの反応生成物を含むスクシンイミドを含有する場合、反応物質として機能する無水コハク酸のアルケニルまたはアルキル置換基は、好ましくは、約1200〜約2500のMn値を有する重合イソブテンからなる。より有利には、反応物質として機能する無水コハク酸のアルケニルまたはアルキル置換基は、約2100〜約2400のMn値を有する重合イソブテンからなる。ろ過性を改善する薬剤が、無水コハク酸および脂肪族多価アルコールの反応生成物を含むコハク酸のエステルを含有する場合、反応物質として機能する無水コハク酸のアルケニルまたはアルキル置換基は、有利に、約500〜約1500のMn値を有する重合イソブテンからなる。好ましくは、850〜1200のMn値を有する重合イソブテンが称される。
【0136】
アミドは、モノ−またはポリカルボン酸のアミドあるいはその反応誘導体であり得る。アミドは、約6〜約90個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基によって特徴づけられ得;それぞれが、独立して、水素、あるいはヒドロカルビル、アミノヒドロカルビル、ヒドロキシヒドロカルビルまたは複素環式置換ヒドロカルビル基であるが、ただし、両方が水素ではなく;それぞれが、独立して、約10個までの炭素原子を含有するヒドロカルビレン基である。
【0137】
アミドは、モノカルボン酸、6〜約30または38個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基から誘導可能であり、より多くは、12〜約24個の炭素原子を含有する脂肪酸から誘導されるヒドロカルビル基であろう。
【0138】
ジ−またはトリカルボン酸から誘導押される例示的なアミドは、ポリカルボン酸の種類次第で、6〜約90個以上の炭素原子を含有するであろう。例えば、アミドがダイマー酸から誘導される場合、約18〜約44個以上の炭素原子を含有するであろう。またトライマー酸から誘導されるアミドは、一般に、平均で約44〜約90個の炭素原子の値を含有するであろう。それぞれは、独立して、水素、あるいは約10個までの炭素原子を含有するヒドロカルビル、アミノヒドロカルビル、ヒドロキシヒドロカルビルまたは複素環式置換炭化水素基である。それは、独立して、複素環式置換基がピロール、ピロリン、ピロリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピリジン、ピペコリなどから誘導される、複素環式置換ヒドロカルビル基であり得る。具体的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、2−エチルピリジン、1−エチルピロリジン、1−エチルピペリジンなどが含まれる。
【0139】
例示的な脂肪族モノアミンとしては、脂肪族基が飽和であっても、不飽和であり得、かつ直鎖または分子鎖であり得る、モノ−脂肪族およびジ−脂肪族置換アミンが含まれる。そのようなアミンは、例えば、モノ−およびジ−アルキル置換アミン、モノ−およびジ−アルケニル置換アミンなどが含まれる。そのようなモノアミンの具体的な例としては、エチルアミン、ジエチルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、イソブチルアミン、ココアミン、ステアリルアミン、オレイルアミンなどが含まれる。脂環式置換脂肪族アミンの例は、2−(シクロヘキシル)−エチルアミンである。複素環式置換脂肪族アミンの例としては、2−(2−アミノエチル)−ピロール、2−(2−アミノエチル)−1−メチルピロール、2−(2−アミノエチル)−1−メチルピロリジンおよび4−(2−アミノエチル)モルホリン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペリジン、2−(2−アミノエチル)ピリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、1(3−アミノプロピル)イミダゾール、3−(2−アミノプロピル)インドール、4−(3−アミノプロピル)モルホリン、1−(3−アミノプロピル)−2−ピペコリン、1−(3−アミノプロピル)−2−ピロリジノンなどが含まれる。
【0140】
例示的な脂環式モノアミンは、環式環構造中で炭素原子を通ってアミノ窒素に直接結合した1個の脂環式置換基が存在するモノアミンである。脂環式モノアミンの例としては、シクロヘキシルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキセニルアミン、シクロペンテニルアミン、N−エチル−シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどが含まれる。脂肪族置換、芳香族置換および複素環式置換脂環式モノアミンの例としては、プロピル置換シクロヘキシルアミン、フェニル置換シクロペンチルアミンおよびピラニル置換シクロヘキシルアミンが含まれる。
【0141】
例示的な芳香族アミンとしては、芳香族環構造の炭素原子がアミノ窒素に直接結合しているモノアミンが含まれる。芳香環は、通常、単核芳香族環(すなわちベンゼンから誘導されるもの)であるが、縮合芳香族環、特にナフタレンから誘導されるものも含むことができる。芳香族モノアミンの例としては、アニリン、ジ−(パラ−メチルフェニル)アミン、ナフチルアミン、N−(n−ブチル)−アニリンなどが含まれる。脂肪族置換、脂環式置換および複素環式置換芳香族モノアミンの例としては、パラ−エトキシ−アニリン、パラ−ドデシルアニリン、シクロヘキシル置換ナフチルアミン、種々の置換フェナチアジンおよびチェニル置換アニリンが含まれる。
【0142】
例示的なポリアミンは、それらの構造内の追加的なアミノ窒素の存在を除き、上記モノアミンと類似の脂肪族、脂環式および芳香族ポリアミンである。追加的なアミノ窒素は、第一級、第二級または第三級アミノ窒素であることが可能である。そのようなポリアミンの例としては、N−アミノ−プロピルシクロヘキシルアミン、N,N−ジ−n−ブチル−パラフェニレンジアミン、ビス−(パラ−アミノフェニル)メタン、1,4−ジアミノシクロヘキサンなどが含まれる。
【0143】
例示的なヒドロキシ置換アミンは、カルボニル炭素原子以外の炭素原子に直接結合したヒドロキシ置換基を有するものであり、すなわち、それらは、アルコールとして機能することができるヒドロキシ基を有する。そのようなヒドロキシ置換アミンの例としてぇあ、エタノールアミン、ジ−(3−ヒドロキシプロピル)−アミン、3−ヒドロキシブチル−アミン、4−ヒドロキシブチル−アミン、ジエタノールアミン、ジ−(2−ヒドロキシアミン、N−(ヒドロキシプロピル)−プロピルアミン、N−(2−メチル)−シクロヘキシルアミン、3−ヒドロキシシクロペンチルパラヒドロキシアニリン、N−ヒドロキシエタルピペラジンなどが含まれる。
【0144】
一実施形態において、アミンは、水素、あるいは約10個までの炭素原子を含有するヒドロカルビル、アミノヒドロカルビル、ヒドロキシヒドロカルビルまたは複素環式置換ヒドロカルビル基を含むアルキレンポリアミンである。そのようなアルキレンポリアミンの例としては、メチレンポリアミン、エチレンポリアミン、ブチレンポリアミン、プロピレンポリアミン、ペンチレンポリアミン、ヘキシレンポリアミン、ヘプテンポリアミンなどが含まれる。
【0145】
アルキレンポリアミンとしては、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ジ(ヘプタメチレン)トリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、トリメチレンジアミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジ(トリメチレン)トリアミンなどが含まれる。2種以上の上記アルキレンアミンを縮合することによってえら得る、より高級な同族体は、上記ポリアミンのいずれか2種以上の混合物と同様に有用である。
【0146】
上記のものなどのエチレンポリアミンは、特に費用および有効性の理由のため有用である。そのようなポリアミンは、「Diamines and Higher Amines」という題名で、The Encyclopedia of Chemical Technology,Second Edition,Kirk and Othmer,Volume 7,pages 27−39,Interscience Publishers,Division of John Wiley and Sons,1965において詳細に記載されている。上記文献は、有用なポリアミンの開示に関して、参照によって本明細書に組み込まれる。そのような化合物は、塩化アルキレンとアンモニアとの反応、またはエチレンイミンとアンモニアの開環試薬との反応などによって最も好都合に調製される。これらの反応は、ピペラジンなどの環式縮合生成物を含む、アルキレンポリアミンのいくらか複雑な混合物の製造をもたらす。
【0147】
ポリアミン混合物の他の有用な種類は、上記ポリアミン混合物のストリッピングから得られるものである。この場合、より低分子量のポリアミンおよび揮発性汚染物質がアルキレンポリアミン混合物から除去されて、残渣として、多くの場合に「ポリアミンボトム」と呼ばれるものが残る。一般に、アルキレンポリアミンボトムは、約200℃未満の沸点を有する材料を2(重量)%未満、通常、1(重量)%未満有することを特徴とすることが可能である。容易に利用可能であり、かつ非常に有用であることが見出されたエチレンポリアミンボトムの例において、ボトムは、約2(重量)%未満の全ジエチレントリアミン(DETA)またはトリエチレンテトラミン(TETA)を含有する。そのようなエチレンポリアミンボトムの典型的な試料は、「E−100」という名称で、Dow Chemical Company of Freeport,Tex.から得られるものである。そのような試料のガスクロマトグラフィー分析は、それが約0.93(重量)%の「ライトエンド」(最も可能性があるのはDETA)、0.72(重量)%のTETA、21.74(重量)%のテトラエチレンペンタミンおよび76.61(重量)%のペンタエチレンヘキサミンおよびより高級なものを含有していることを示した。これらのアルキレンポリアミンボトムは、ピペラジンおよびジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのより高級類似体などの環式縮合生成物を含む。
【0148】
例示的な分散剤は、高分子量フェノール、アルキレンポリアミンおよびホルムアルデヒドなどのアルデヒドの縮合反応生成物であるマンニッヒ塩基;有機ヒドロキシ化合物および/またはアミンとさらに反応させたオレフィンポリマーおよびスクシンアシル化剤(酸、無水物、エステルまたはハロゲン化物)の反応生成物であるスクシンベースの分散剤;高分子量アミドおよびエステル、例えば、ヒドロカルビルアシル化剤および多価脂肪族アルコール(グリセロール、ペンタエリトリトールまたはソルビトールなど)の反応生成物から選択される。分散される粒子と結合する極性官能基に連結した油溶性高分子量主鎖を通常含有する無灰分(金属を含まない)ポリマー材料が散らされるために粒子で連合する極地の機能的なグループに関連づけたAshless(金属のフリー)は典型的に分散剤として使用される。キャッピングされた酢酸亜鉛、またいずれかの処理された分散剤としては、約0.1から10〜20%以上の範囲の処理速度で、ホウ酸化、環式カルボネート、エンドキャップド、ポリアルキレン無水マレイン酸など;および上記の混合物が含まれる。一般に使用される炭化水素主鎖材料は、オレフィンポリマーおよびコポリマー、すなわちエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、スチレンであり;その分子量が300〜最大5000(まで(tp to 5000))の範囲であるポリマーの主鎖中に組み込まれたさらなる官能基が存在してもしなくてもよい。アミン、アルコール、アミドまたはエステルなどの極性材料も架橋を介して主鎖に結合する。
【0149】
分散剤は、好ましくは、非ポリマー(例えば、モノ−またはビス−スクシンイミド)である。そのような分散剤は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2008/0020950号明細書に開示されるものなどの従来プロセスによって調製可能である。
【0150】
分散剤は、米国特許第3,087,936号明細書、同第3,254,025号明細書および同第5,430,105号明細書に一般に開示されるような従来手段によってホウ酸化させることが可能である。
【0151】
そのような分散剤は、約0.01〜20重量%または0.01〜10重量%、好ましくは約0.5〜8重量%、またはより好ましくは0.5〜4重量%の量で使用され得る。あるいはそのような分散剤は、約2〜12重量%、好ましくは約4〜10重量%、またはより好ましくは6〜9重量%の量で使用され得る。活性成分基準で、そのような添加剤は、約0.06〜14重量%、好ましくは約0.3〜6重量%の量で使用され得る。分散剤原子の炭化水素部分は、C
60〜C
1000、またはC
70〜C
300、またはC
70〜C
200で変動可能である。これらの分散剤は、中性および塩基性窒素の両方、ならびに両方の混合物を含有し得る。分散剤は、ボレートおよび/または環式カルボネートによってエンドキャップされることが可能である。仕上げ油中の窒素含有量は、重量で約200ppm〜重量で約2,000ppm、好ましくは重量で約200ppm〜重量で約1,200ppmで変動可能である。塩基性窒素は、重量で約100ppm〜重量で約1,000ppm、好ましくは重量で約100ppm〜重量で約600ppmで変動可能である。
【0152】
本明細書で使用される場合、清浄剤濃度は、「送達された時」を基準にして示される。典型的に、活性清浄剤はプロセス油とともに送達される。「送達された時」の清浄剤は、典型的に、約20重量%〜約80重量%、または約40重量%〜約60重量%の活性清浄剤を「送達された時」の清浄剤中に含む。
【0153】
抗摩耗添加剤
潤滑油組成物は、少なくとも1種の抗摩耗剤を含む。適切な抗摩耗剤の例としては、リン化合物の油溶性アミン塩、硫化オレフィン、金属ジヒドロカルビルジチオ−ホスフェート(例えば、ジアルキルジチオリン酸亜鉛)、チオカルバメート含有化合物、例えば、チオカルバメートエステル、チオカルバメートアミド、チオカルバミン酸エーテル、アルキレン結合チオカルバメート、およびビス(S−アルキルジチオカルバミル)ジスルフィドが含まれる。
【0154】
潤滑油の配合において使用される抗摩耗剤は、無灰分であり得るか、または本質的に灰分形成し得る。好ましくは、抗摩耗剤は、無灰分である。いわゆる無灰分抗摩耗剤は、燃焼時に実質的に灰分を形成しない材料である。例えば、非金属含有抗摩耗剤は無灰分であると考えられる。
【0155】
一実施形態において、油溶性リンアミン抗摩耗剤としては、リン酸エステルのアミン塩またはそれらの混合物が含まれる。リン酸性エステルのアミン塩としては、リン酸エステルおよびそのアミン塩;ジアルキルジチオリン酸エステルおよびそのアミン塩;亜リン酸エステルのアミン塩;ならびにリン含有カルボン酸エステル、エーテルおよびアミドのアミン塩;ならびにそれらの混合物が含まれる。リン酸エステルのアミン塩は、単独で、または組合せで使用され得る。
【0156】
一実施形態において、油溶性リンアミン塩としては、部分的アミン塩−部分的金属塩化合物またはそれらの混合物が含まれる。一実施形態において、リン化合物は、分子中に硫黄原子をさらに含む。一実施形態において、リン化合物のアミン塩は、無灰分、すなわち金属を含まなくてもよい(他の成分との混合前)。
【0157】
アミン塩としての使用のために適切であり得るアミンとしては、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンおよびそれらの混合物が含まれる。アミンとしては、少なくとも1個のヒドロカルビル基、あるいは特定の実施形態では、2個または3個のヒドロカルビル基を有するものが含まれる。ヒドロカルビル基は、2〜30個の炭素原子、あるいは他の実施形態では、8〜26個または10〜20個または13〜19個の炭素原子を含む。
【0158】
第一級アミンとしては、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミンおよびドデシルアミン、ならびに、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミンおよびオレイアミンなどの脂肪アミンが含まれる。他の有用な脂肪アミンとしては、文字記号が、ココ、オレイル、獣脂またはステアリル基などの脂肪基に関連する、Armeen C、Armeen O、Armeen OL、Armeen T、Armeen HT、Armeen SおよびArmeen SDなどの「Armeen(商標)」アミン(Akzo Chemicals,Chicago,Ill.から入手可能な製品)などの商業的に入手可能な脂肪アミンが含まれる。
【0159】
適切な第二級アミンの例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、メチルエチルアミン、エチルブチルアミンおよびエチルアミルアミンが含まれる。第二級アミンは、ピペリジン、ピペラジンおよびモルホリンなどの環式アミンであり得る。
【0160】
アミンは、第三級脂肪族第一級アミンであり得る。脂肪族基は、この場合、2〜30個または6〜26個または8〜24個の炭素原子を含有するアルキル基であり得る。第三級アルキル基としては、tert−ブチルアミン、tert−ヘキシルアミン、1−メチル−1−アミノ−シクロヘキサン、tert−オクチルアミン、tert−デシルアミン、tert−ドデシルアミン、tert−テトラデシルアミン、tert−ヘキサデシルアミン、tert−オクタデシルアミン、tert−テトラコサニルアミンおよびtert−オクタコサニルアミンが含まれる。
【0161】
一実施形態において、リン酸アミン塩としては、C
11〜C
14第三級アルキル第一級基を有するアミンまたはそれらの混合物が含まれる。一実施形態において、リン酸アミン塩としては、C
14〜C
18第三級アルキル第一級基を有するアミンまたはそれらの混合物が含まれる。一実施形態において、リン酸アミン塩としては、C
18〜C
22第三級アルキル第一級基を有するアミンまたはそれらの混合物が含まれる。
【0162】
本開示において、アミンの混合物も使用され得る。一実施形態において、アミンの有用な混合物は、「Primene(商標)81R」および「Primene(商標)JMT」である。Primene(商標)81RおよびPrimene(商標)JMT(両方ともRohm & Haasによって製造および販売される)は、それぞれ、C
11〜C
14第三級アルキル第一級アミンおよびC
18〜C
22第三級アルキル第一級アミンの混合物である。
【0163】
一実施形態において、リン化合物の油溶性アミン塩としては、リン含有化合物の硫黄を含まないアミン塩が含まれ、これは、アミンと、(i)リン酸のヒドロキシ置換ジエステルまたは(ii)リン酸のリン酸化ヒドロキシ置換ジ−またはトリエステルのいずれかとを反応させることを含むプロセスによって入手され得る/入手可能であり得る。この種類の化合物のより詳細な説明は、国際特許出願PCT/US08/051126号パンフレットに開示される。
【0164】
一実施形態において、アルキルリン酸エステルのヒドロカルビルアミン塩は、C
14〜C
18アルキル化リン酸と、C
11〜C
14第三級アルキル第一級アミンの混合物であるPrimene 81RT(商標)(Rohm & Haasによって製造および販売される)との反応生成物である。
【0165】
ジアルキルジチオリン酸エステルのヒドロカルビルアミン塩の例としては、イソプロプル、メチル−アミル(4−メチル−2−ペンチルまたはその混合物)、2−エチルヘキシル、ヘプチル、オクチルまたはノニルジチオリン酸と、エチレンジアミン、モルホリンまたはPrimene 81R(商標)との反応生成物ならびにそれらの混合物が含まれる。
【0166】
一実施形態において、ジチオリンを、エポキシドまたはグリコールと反応させ得る。この反応生成物を、リン酸、無水物またはより低級のエステルとさらに反応させる。エポキシドとしては、脂肪族エポキシドまたは酸化スチレンが含まれる。有用なエポキシドの例としては、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブテン、酸化オクテン、酸化ドデセンおよび酸化スチレンが含まれる。一実施形態において、エポキシドは、酸化プロピレンであり得る。グリコールは、1〜12個または2〜6個または2〜3個の炭素原子を有する脂肪族グリコールであり得る。ジチオリン酸、グリコール、エポキシド、無機リン剤およびその反応方法は、米国特許第3,197,405号明細書および同第3,544,465号明細書に記載される。次いで、結果として得られる酸はアミンによって塩化され得る。
【0167】
ジチオカルバメート含有化合物は、ジチオカルバメート酸または塩と不飽和化合物との反応によって調製され得る。ジチオカルバメート含有化合物は、アミン、二硫化炭素および不飽和化合物を同時に反応させることによっても調製され得る。一般に、反応は、25℃〜125℃の温度で生じる。
【0168】
硫化オレフィンを形成するために硫化され得る適切なオレフィンの例としては、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンテン、ヘキサン、ヘプテン、オクタン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ウンデシル、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、オクタデセネン、ノナデセン、エイコセンまたはそれらの混合物が含まれる。一実施形態において、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、オクタデセネン、ノナデセン、エイコセンまたはそれらの混合物ならびにそれらの二量体、三量体および四量体は特に有用なオレフィンである。代わりに、オレフィンは、1,3−ブタジエンおよび不飽和エステル、例えば、アクリル酸ブチルなどのジエンのディールズ−アルダー(Diels−Alder)付加物であり得る。
【0169】
別の硫化オレフィンの種類としては、脂肪酸およびそれらのエステルが含まれる。脂肪酸は、多くの場合、植物油または動物油から得られ;かつ典型的に4〜22個の炭素原子を含有する。適切な脂肪酸およびそれらのエステルの例としては、トリグリセリド、オレイン酸、リノール酸、パルミトレイン酸またはそれらの混合物が含まれる。多くの場合、脂肪酸は、ラード油、トール油、ピーナッツ油、ダイズ油、綿実油、ヒマワリ種子油またはそれらの混合物から得られる。一実施形態において、脂肪酸および/またはエステルはオレフィンと混合される。
【0170】
ポリオールとしては、ジオール、トリオール、およびより高いアルコールOH基価を有するアルコールが含まれる。多価アルコールとしては、ジ−、トリ−およびテトラエチレングリコールを含むエチレングリコール;ジ−、トリ−およびテトラプロピレングリコールを含むプロピレングリコール;グリセロール;ブタンジオール;ヘキサンジオール;ソルビトール;アラビトール;マンニトール;スクロース;フルクトース;グルコース;シクロヘキサンジオール;エリトリトール;ならびにジ−およびトリペンタエリトリトールを含むペンタエリトリトールが含まれる。多くの場合、ポリオールは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ペンタエリトリトールまたはジペンタエリトリトールである。
【0171】
別の実施形態において、無灰分抗摩耗剤は、ポリオールおよび脂肪族カルボン酸、多くの場合に12〜24個の炭素原子を含有する酸のモノエステルであり得る。多くの場合、ポリオールおよび脂肪族カルボン酸のモノエステルは、前記混合物の5〜95重量%、いくつかの実施形態では、10〜90重量%、または20〜85重量%または20〜80重量%で混合物中に存在し得るヒマワリ油などとの混合物の形態である。エステルを形成する脂肪族カルボン酸(特にモノカルボン酸)は、典型的に、12〜24または14〜20個の炭素原子を含有するそれらの酸である。カルボン酸の例としては、ドデカン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ベヘン酸およびオレイン酸が含まれる。
【0172】
本開示において有用な例示的な抗摩耗添加剤としては、例えば、カルボン酸の金属塩が含まれる。金属は遷移金属とその混合物から選択される。カルボン酸は、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、芳香族カルボン酸およびそれらの混合物から選択される。
【0173】
金属は、好ましくは、第10族、第11族および第12族金属ならびにそれらの混合物から選択される。カルボン酸は、好ましくは、約8〜約26個の炭素原子を有する脂肪族、飽和、非分枝鎖カルボン酸およびそれらの混合物である。
【0174】
金属は、好ましくは、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)およびそれらの混合物から選択される。
【0175】
カルボン酸は、好ましくは、カプリル酸(C8)、ペラルゴン酸(C9)、カプリン酸(C10)、ウンデシル酸(C11)、ラウリン酸(C12)、トリデシル酸(C13)、ミリスチン酸(C14)、ペンタデシル酸(C15)、パルミチン酸(C16)、マルガリン酸(C17)、ステアリン酸(C18)、ノナデシル酸(C19)、アラキジン酸(C20)、ヘンイコシル酸(C21)、ベヘン酸(C22)、トリコシル酸(C23)、リグノセリン酸(C24)、ペンタコシル酸(C25)、セロチン酸(C26)およびそれらの混合物から選択される。
【0176】
好ましくは、カルボン酸の金属塩は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸銀、ステアリン酸パラジウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銀、パルミチン酸パラジウムおよびそれらの混合物を含む。
【0177】
カルボン酸の金属塩は、本開示のエンジン油組成物中、配合油の全重量に基づき、約0.01重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0178】
アルキルチオリン酸金属、およびより特に金属成分が亜鉛であるジアルキルジチオリン酸金属、またはジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)は、本開示の潤滑油の有用な成分であることが可能である。ZDDPは、第一級アルコール、第二級アルコールまたはそれらの混合物から得ることができる。ZDDP化合物は、一般に、次式
Zn[SP(S)(OR
1)(OR
2)]
2
(式中、R
1およびR
2はC
1〜C
18アルキル基、好ましくはC
2〜C
12アルキル基である)のものである。これらのアルキル基は、直鎖または分枝鎖であり得る。ZDDPにおいて使用されるアルコールは、2−プロパノール、ブタノール、第二級ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、例えば、4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、アルキル化フェノールなどであることが可能である。第二級アルコール、あるいは第一級および第二級アルコールの混合物が好ましくなる可能性がある。
アルキルアリール基が使用され得る。
【0179】
商業的に入手可能な好ましいジチオリン酸亜鉛には、例えば、The Lubrizol Corporationから商標名「LZ 677A」、「LZ 1095」および「LZ 1371」、例えば、Chevron Oroniteから商標名「OLOA 262」、ならびに例えば、Afton Chemicalから商標名「HITEC 7169」から入手可能なものなどの第二級ジチオリン酸亜鉛が含まれる。
【0180】
ZDDPは、典型的に、潤滑油の全重量に基づき、約0.4重量%〜約1.2重量%、好ましくは約0.5重量%〜約1.0重量%、より好ましくは約0.6重量%〜約0.8重量%の量で使用されるが、多くの場合により多い量またはより少ない量を有利に使用することができる。好ましくは、ZDDPは、第二級ZDDPであり、かつ潤滑油の全重量に基づき、約0.6重量%〜約1.0重量%の量で存在する。
【0181】
本開示において、低リンエンジン油組成物が含まれる。そのような組成物に関して、リン含有量は、典型的に、約0.12重量%未満、好ましくは約0.10重量%未満、最も好ましくは約0.085重量%未満、および特定の例では約0.065重量%未満である。
【0182】
本開示において有用な他の例示的な抗摩耗剤としては、例えば、アルカリジチオリン酸亜鉛、アリールホスフェートおよびホスフィット、硫黄含有エステル、リン硫黄化合物および金属または無灰分ジチオカルバマートが含まれる。
【0183】
本開示の潤滑油中の抗摩耗添加剤濃度は、潤滑油の全重量に基づき、約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約4.5重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約4重量%の範囲であることが可能である。
【0184】
腐食抑制剤
潤滑油組成物は、少なくとも1種の腐食抑制剤を含む。腐食抑制剤は、潤滑油組成物と接触している金属部品の分解を減少させるために使用される。適切な腐食抑制剤としては、アリールチアジン、アルキル置換ジメルカプトチオジアゾール、アルキル置換ジメルカプトチアジアゾールおよびそれらの混合物が含まれる。
【0185】
腐食抑制剤は、水または他の汚染物質による化学的攻撃に対して、潤滑された金属表面を保護する添加剤である。多様なこれらが商業的に入手可能である。本明細書で使用される場合、腐食抑制剤は、抗さび添加剤および金属不活性化剤を含む。
【0186】
腐食抑制剤の1種は、金属表面を優先的に湿潤市、油の膜によってそれを保護する極性化合物である。別の種類の腐食抑制剤は、油のみが金属表面に接触するように、油中水エマルジョンにそれを組み込むことによって水を吸収する。さらに別の種類の腐食抑制剤は、非反応性表面を生じるように化学的に結合する。適切な添加剤の例には、ジチオリン酸亜鉛、金属フェノレート、塩基性金属スルホネート、脂肪酸およびアミンが含まれる。そのような添加剤は、約0.01〜5重量%、好ましくは約0.01〜1.5重量%の量で使用され得る。
【0187】
例示的な腐食抑制剤としては、(短鎖)アルケニルコハク酸、その部分的エステルおよびその窒素含有誘導体;ならびに金属ジノニルナフタレンスルホネートなどの合成アルカリルスルホネートが含まれる。腐食抑制剤としては、例えば、8〜30個の炭素原子を有するモノカルボン酸、アルキルまたはアルケニルスクシネートまたはその部分的エステル、12〜30個の炭素原子を有するヒドロキシ脂肪酸およびその誘導体、8〜24個の炭素原子を有するサルコシンおよびその誘導体、アミノ酸およびその誘導体、ナフテン酸およびその誘導体、ラノリン脂肪酸、メルカプト脂肪酸およびパラフィンオキシドが含まれる。
【0188】
特に好ましい腐食抑制剤を以下に示す。モノカルボン酸(C
8〜C
30)の例は、カプリル酸、ペラルゴン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、オレイン酸、ドコサン酸、エルカ酸、エイコセン酸、牛脂脂肪酸、ダイズ脂肪酸、ココナッツ油脂肪酸、リノール酸(linolic acid)、リノール酸(linoleic acid)、トール油脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ラウリルサルコシン酸、ミリスチルサルコシン酸、パルミチルサルコシン酸、ステアリルサルコシン酸、オレイルサルコシン酸、アルキル化(C
8〜C
20)フェノキシ酢酸、ラノリン脂肪酸およびC
8〜C
24メルカプト脂肪酸である。
【0189】
腐食抑制剤として機能する多塩基価カルボン酸の例としては、アルケニル(C
10〜C
100)コハク酸ならびにそのエステル誘導体、二量体酸、N−アシル−N−アルキルオキシアルキルアスパラギン酸エステルが含まれる(米国特許第5,275,749号明細書)。腐食抑制剤として、またはアミドを生じる上記カルボキシレートとの反応生成物としてなど機能するアルキルアミンの例は、第一級アミン、例えば、ラウリルアミン、ココナッツ−アミン、n−トリデシルアミン、ミリスチルアミン、n−ペンタデシルアミン、パルミチルアミン、n−ヘプタデシルアミン、ステアリルアミン、n−ノナデシルアミン、n−エイコシルアミン、n−ヘンエイコシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリコシルアミン、n−ペンタコシルアミン、オレイルアミン、牛脂−アミン、水素化牛脂−アミンおよびダイズ−アミンによって表される。第二級アミンの例としては、ジラウリルアミン、ジ−ココナッツ−アミン、ジ−n−トリデシルアミン、ジミリスチルアミン、ジ−n−ペンタデシルアミン、ジパルミチルアミン、ジ−n−ペンタデシルアミン、ジステアリルアミン、ジ−n−ノナデシルアミン、ジ−n−エイコシルアミン、ジ−n−ヘンエイコシルアミン、ジ−n−ドデシルアミン、ジ−n−トリコシルアミン、ジ−n−ペンタコシル−アミン、ジオレイルアミン、ジ−牛脂−アミン、ジ−水素化牛脂−アミンおよびジ−ダイズ−アミンが含まれる。上記N−アルキルポリアルキレンジアミンの例としては、エチレンジアミン、例えば、ラウリルエチレンジアミン、ココナッツエチレンジアミン、n−トリデシルエチレンジアミン、ミリスチルエチレンジアミン、n−ペンタデシルエチレンジアミン、パルミチルエチレンジアミン、n−ヘプタデシルエチレンジアミン、ステアリルエチレンジアミン、n−ノナデシルエチレンジアミン、n−エイコシルエチレンジアミン、n−ヘンエイコシルエチレンジアミン、n−ドデシルエチレンジアミン、n−トリコシルエチレンジアミン、n−ペンタコシルエチレンジアミン、オレイルエチレンジアミン、牛脂−エチレンジアミン、水素化牛脂−エチレンジアミンおよびダイズ−エチレンジアミン;プロピレンジアミン、例えば、ラウリルプロピレンジアミン、ココナッツプロピレンジアミン、n−トリデシルプロピレンジアミン、ミリスチルプロピレンジアミン、n−ペンタデシルプロピレンジアミン、パルミチルプロピレンジアミン、n−ヘプタデシルプロピレンジアミン、ステアリルプロピレンジアミン、n−ノナデシルプロピレンジアミン、n−エイコシルプロピレンジアミン、n−ヘンエイコシルプロピレンジアミン、n−ドデシルプロピレンジアミン、n−トリコシルプロピレンジアミン、n−ペンタコシルプロピレンジアミン、ジエチレントリアミン(DETA)またはトリエチレンテトラミン(TETA)、オレイルプロピレンジアミン、牛脂−プロピレンジアミン、水素化牛脂−プロピレンジアミンおよびダイズ−プロピレンジアミン;ブチレンジアミン、例えば、ラウリルブチレンジアミン、ココナッツブチレンジアミン、n−トリデシルブチレンジアミン−ミリスチルブチレンジアミン、n−ペンタデシルブチレンジアミン、ステアリルブチレンジアミン、n−エイコシルブチレンジアミン、n−ヘンエイコシルブチレンジアミン、n−ドデシルブチレンジアミン、n−トリコシルブチレンジアミン、n−ペンタコシルブチレンジアミン、オレイルブチレンジアミン、牛脂−ブチレンジアミン、水素化牛脂−ブチレンジアミンおよびダイズブチレンジアミン;ならびにペンチレンジアミン、例えば、ラウリルペンチレンジアミン、ココナッツペンチレンジアミン、ミリスチルペンチレンジアミン、パルミチルペンチレンジアミン、ステアリルペンチレンジアミン、オレイル−ペンチレンジアミン、牛脂−ペンチレンジアミン、水素化牛脂−ペンチレンジアミンおよびダイズペンチレンジアミンが含まれる。
【0190】
他の例示的な腐食抑制剤としては、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールおよびその誘導体、メルカプトベンゾチアゾール、アルキルチアゾールおよびベンゾトリアゾールが含まれる。本開示において使用され得る腐食抑制剤として有用な二塩基酸の例は、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカンジ酸、3−ニトロフタル酸、1,10−デカンジカルボン酸およびフマル酸である。腐食抑制剤は、35重量%までの量で任意選択的に硫化され得る、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和モノカルボン酸またはそのエステルであることが可能である。好ましくは、酸は、C
4〜C
22直鎖不飽和モノカルボン酸である。この添加剤の好ましい濃度は、全潤滑油組成物の重量の0.001%〜0.35%である。好ましいモノカルボン酸は、硫化オレイン酸である。しかしながら、他の適切な材料はオレイン酸自体;吉草酸およびエルカ酸である。例示的な腐食抑制剤は、以前に定義されたトリアゾールを含む。トリアゾールは、全組成物の重量の.005%〜0.25%の濃度で使用されるべきである。好ましいトリアゾールは、本開示の組成物に含まれ得るトリルトリアゾールであり、金属不活性化剤または金属受動態化剤として有用なトリアゾール、チアゾールおよび特定のジアミン化合物が含まれる。例としては、トリアゾール、ベンゾトリアゾールおよび置換ベンゾトリアゾール、例えば、アルキル置換誘導体が含まれる。アルキル置換基は、一般に、1.5個まで、好ましくは8個までの炭素原子を含有する。トリアゾールは、ハロゲン、ニトロ、アミノ、メルカプトなど芳香族環上に他の置換基を含有し得る。適切な化合物の例は、ベンゾトリアゾールおよびトリトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、ヘキシルベンゾトリアゾール、オクチルベンゾトリアゾール、クロロベンゾトリアゾールおよびニトロベンゾトリアゾールである。ベンゾトリアゾールおよびトリトリアゾールが特に好ましい。35重量%までの量で任意選択的に硫化され得る、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和モノカルボン酸;またはそのような酸のエステル;およびそのトリアゾールまたはアルキル誘導体、あるいは5個までの炭素原子の短鎖アルキル;nがゼロであるか、または包括的である1〜3の間の整数であり;かつその水素、モルホリノ、アルキル、アミド、アミノ、ヒドロキシまたはアルキルもしくはアリール置換誘導体であり;あるいは1,2,4トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、5−アニロ−1,2,3,4−チアトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1−H−ベンゾトリアゾール−1−イル−メチルイソシアニド、メチレン−ビス−ベンゾトリアゾールおよびナフトトリアゾールから選択されるトリアゾール。
【0191】
腐食抑制剤は、潤滑油組成物の全重量に基づき、0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜1.5重量%、より好ましくは0.01〜0.2重量%、なおより好ましくは0.01〜0.1重量%の量で使用され得る(受け取ったままの基準において)。
【0192】
粘度変性剤
(粘度指数向上剤(VI向上剤)および粘度向上剤としても知られている)粘度変性剤は、本開示の潤滑油組成物に含まれることが可能である。
【0193】
粘度変性剤は、高温および低温実施可能性を潤滑油に提供する。これら添加剤は、高温において剪断安定性を付与し、かつ低温において許容範囲内の粘度を付与する。
【0194】
適切な粘度変性剤としては、高分子量炭化水素、ポリエステル、および粘度変性剤および分散剤の両方として作用する粘度変性剤分散剤が含まれる。これらのポリマーの典型的な分子量は、約10,000〜1,500,000、より典型的に約20,000〜1,200,000、さらにより典型的に約50,000〜1,000,000である。
【0195】
適切な粘度変性剤の例は、リレート、ブタジエン、オレフィンまたはアルキル化スチレンの線形または星形のポリマーおよびコポリマーである。ポリイソブチレンは、一般的に使用される粘度変性剤である。別の適切な粘度変性剤は、そのいくつかの組成物が流動点抑制剤としても機能するポリメタクリレート(例えば、種々の鎖長のアルキルメタクリレートのコポリマー)である。他の適切な粘度変性剤としては、エチレンおよびプロピレンのコポリマー、スチレンおよびイソプレンの水素化ブロックコポリマーおよびポリアクリレート(例えば、種々の鎖長のアクリレートのコポリマー)が含まれる。具体的な例としては、50,000〜200,000の分子量のスチレン−イソプレンまたはスチレン−ブタジエンベースのポリマーが含まれる。
【0196】
オレフィンコポリマーは、Chevron Oronite Company LLCから「PARATONE(登録商標)」の商標名(例えば、「PARATONE(登録商標)8921」および「PARATONE(登録商標)8941」);Afton Chemical Corporationから「HiTEC(登録商標)」の商標名(例えば、「HiTEC(登録商標)5850B」);ならびにThe Lubrizol Corporationから「Lubrizol(登録商標)7067C」の商標名で商業的に入手可能である。水素化ポリイソプレン星形ポリマーは、Infineum International Limitedから、例えば、「SV200」および「SV600」の商標名で商業的に入手可能である。水素化ジエン−スチレンブロックコポリマーは、Infineum International Limitedから、例えば、「SV50」の商標名で商業的に入手可能である。
【0197】
ポリメタクリレートまたはポリアクリレートポリマーは、Evnoik Industriesから「Viscoplex(登録商標)」の商標名(例えば、「Viscoplex 6−954」)で入手可能である線形ポリマー、またはLubrizo Corporationから「designation Asteric(商標)」の商標名(例えば、Lubrizol 87708およびLubrizol 87725)で入手可能である星形のポリマーであることが可能である。
【0198】
本開示において有用な例示的なビニル芳香族含有ポリマーは、主にビニル芳香族炭化水素モノマーから誘導され得る。本開示において有用な例示的なビニル芳香族含有コポリマーは次の一般式:
A−B
(式中、Aは、ビニル芳香族炭化水素モノマーから主に誘導されるポリマーブロックであり、かつ共役ジエンモノマーから誘導されるポリマーブロックである)によって表され得る。
【0199】
本開示の一実施形態において、粘度変性剤は、配合油または潤滑エンジン油の全重量に基づき、約10重量%未満、好ましくは約7重量%未満、より好ましくは約4重量%未満の量で使用され得、かつ特定の例では、2重量%未満、好ましくは約1重量%未満、より好ましくは約0.5重量%未満の量で使用され得る。粘度変性剤は、典型的に、大量の希釈油中で濃縮液として添加される。
【0200】
粘度変性剤は、潤滑油組成物の全重量に基づき、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜7.5重量%、なおより好ましくは1〜5重量%の量で使用され得る(受け取ったままの基準において)。
【0201】
本明細書で使用される場合、粘度変性剤濃度は、「送達されたままの」基準で与えられる。典型的に、活性ポリマーは、希釈油と一緒に送達される。「送達されたままの」粘度変性剤は、典型的に、「送達されたままの」ポリマー濃度で、ポリメタクリレートまたはポリアクリレートポリマーに関しては、20重量%〜75重量%の活性ポリマーを含有するか、あるいはオレフィンコポリマー、水素化ポリイソプレン星形ポリマー、または水素化ジエン−スチレンブロックコポリマーに関しては、8重量%〜20重量%の活性ポリマーを含有する。
【0202】
金属受動態化剤
潤滑油組成物は、少なくとも1種の金属受動態化剤を含む。金属受動態化剤/不活性化剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールの、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジアルキル−2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール;N,N’−ジサリチリデンエチレンジアミン、N,N’−ジサリチリデンプロピレンジアミン;ジアルキルジチオリン酸亜鉛およびジアルキルジチオカルバメートが含まれる。
【0203】
本開示のいくつかの実施形態は、黄色金属受動態化剤をさらに含み得る。本明細書で使用される場合、「黄色金属」は、黄銅および青銅合金、アルミニウム青銅、リン青銅、銅、銅ニッケル合金およびベリリウム銅を含む冶金群を意味する。典型的な黄色金属受動態化剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、トツトリアゾール、トリルトリアゾール、ナトリウムトルトリアゾールおよびトリトリアゾールの混合物ならびにその組合せが含まれる。1つの特定の非限定的な実施形態において、トリトリアゾールを含有する化合物が選択される。典型的な商業的な黄色金属受動態化剤としては、現在BASEの一部であるCiba Specialty Chemicalsから入手可能なIRGAMET(商標)−30およびIRGAMET(商標)−42、ならびにR.T.Vanderbilt Company,Inc.から入手可能なVANLUBE(商標)601および704、およびCUVAN(商標)303および484が含まれる。
【0204】
本開示の潤滑油中の金属受動態化剤の濃度は、潤滑油の全重量に基づき、約0.01重量%〜約5.0重量%、好ましくは約0.01重量%〜約3.0重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約1.5重量%の範囲であることが可能である。
【0205】
他の添加剤
本開示において有用な配合潤滑油は、限定されないが、極性剤、非極性剤、イオン液体、伝導性剤、極圧添加剤、抗焼付剤、ワックス変性剤、流体損失添加剤、シール適合性剤、潤滑剤、抗汚染剤、発色剤、消泡剤、抗乳化剤、乳化剤、濃縮剤、湿潤剤、ゲル化剤、粘着剤、着色剤、脂質(親水性、親油性、両親媒性)、リン脂質、糖脂質、グリセロリン脂質、レシチンおよび他を含む1種以上の他の一般に使用される潤滑油性能添加剤を追加的に含有し得る。本開示において有用な伝導性剤は、一般に、例えば、O、N、P、S、Bなどのヘテロ原子、ハライド、金属を含む極性官能基を有する材料、成分、化学物質または流体を含む。そのような極性官能基は、一般に、例えば、エステル、エーテル、ケトン、アルコール、アルコキシド、アルデヒド、カルボキシレート、カルボン酸、カルボン酸塩、スルフェート、スルホン、スルホネート、スルフィネート、ヘテロ原子−金属塩、アミン塩、アミン、アミド、イミド、イミン、複素芳香族、有機金属などを含む。伝導性剤は、そのような比較流体に有効量で添加された場合、明白な量で、例えば、+100pS/m以上の増加によって比較流体の伝導率を増加させる材料、成分、化学物質または流体を含む。伝導性剤には、伝導率促進剤および伝導率抑制剤の両方が含まれる。伝導率促進剤は、有効量でそのような組成物に添加された場合、明白な量で組成物の伝導率を増加させる材料、成分、薬品または流体を含む。伝導率促進剤は、有効量でそのような組成物に添加された場合、好ましくは約100pS/m以上の増加によっての組成物の伝導率を増加させる。伝導率促進剤としては、例えば、イオン液体、リン脂質、脂肪酸、分散剤、カルシウム清浄剤、極性ベースストック流体およびその混合物が含まれる。伝導率抑制剤は、有効量でそのような組成物に添加された場合、明白な量で組成物の伝導率を減少させる材料、成分、薬品または流体を含む。伝導率抑制剤は、有効量でそのような組成物に添加された場合、好ましくは約100pS/m以上の増加によって組成物の伝導率を減少させる。伝導率抑制剤として、例えば、亜鉛型抗摩耗剤、モリブデン型摩擦変性剤または抗摩耗剤、マグネシウム清浄剤およびその混合物が含まれる。
【0206】
多くの一般に使用される添加剤に関しては、KlamannのLubricants and Related Products,Verlag Chemie,Deerfield Beach,FL;ISBN 0 89573 177 0を参照されたい。Noyes Data Corporation of Parkridge,NJ(1973)によって出版されたM.W.Ranney著「Lubricant Additives」も参照され、また全体として本明細書に組み込まれる米国特許第7,704,930号明細書も参照されたい。これらの添加剤は、5重量%〜50重量%の範囲であり得る様々な量の希釈剤油とともに一般に送達される。
【0207】
本開示において有用な添加剤は、潤滑油中で可溶性である必要はない。油中のステアリン酸亜鉛などの不溶性添加剤は、本開示の潤滑油中に分散可能である。
【0208】
潤滑剤組成物中で本開示と組み合わせて使用される性能添加剤の種類および量は、例として本明細書に示される実施形態によって限定されない。
【0209】
イオン液体(IL)
イオン液体は、いわゆる、好ましくは室温において液体であり、かつ/または定義上、融点<100℃を有する塩溶融体である。それらはほとんど蒸気圧を有さず、したがって、空洞化特性を有さない。加えて、イオン液体中のカチオンおよびアニオンの選択により、潤滑油の寿命および潤滑効果は増加し、および電気伝導率を調整することにより、充電増加のある装置、例えば、電動車両において、これらの液体は使用可能である。イオン液体のための適切なカチオンとしては、四級アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、オキサゾリウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、チアゾリウムカチオン、グアニジニウムカチオン、モルホリニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオンまたはトリアゾリウムカチオンが含まれ、それは、[PF
6]
−、[BF
4]
31、[CF
3CO
2]
31、[CF
3SO
3]
−およびそのより高級な同族体、[C
4F
9−−SO
3]
31または[C
8F
17−−SO
3]
−およびより高級なペルフルオロアルキルスルホネート、[(CF
3SO
2)
2N]
−、[(CF
3SO
2)(CF
3COO)N]
−、[R
1−−SO
3]
−、[R
1−−O−−SO
3]
31、[R
1−−COO]
−、Cr
−、Br
−、[NO
3]
−、[N(CN)
2]
−、[HSO
4]
−、PF
(6−x)R
3xまたは[R
1R
2PO
4]
−からなる群から選択されるアニオンによって置換され得、かつ基R
1およびR
2は、互いに独立して、水素;1〜20個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和、脂肪族または脂環式アルキル基;ヘテロアリールラジカル中に3〜8個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1個のN、OおよびSのヘテロ原子を有し、C
1〜C
6アルキル基および/またはハロゲン原子から選択される少なくとも1つの基と組み合わされ得るヘテロアリール、ヘテロアリール−C
1〜C
6−アルキル基;アリールラジカル中に5〜12個の炭素原子を有し、少なくとも1つのC
1〜C
6アルキル基によって置換され得るアリール−アリールC
1〜C
6アルキル基から選択され;R
3は、ペルフルオロエチル基またはより高級なペルフルオロアルキル基であり得、xは、1〜4である。しかしながら、他の組合せも可能である。
【0210】
高度なフッ化アニオンを有するイオン液体は、それらが通常、高い熱安定性を有するため、が特に好ましい。水分吸収力は、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオンの場合、そのようなアニオンによって有意に減少し得る。
【0211】
例示的なイオン液体としては、例えば、例えば、ブチルメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(MBPイミド)、メチルプロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(MPPイミド)、ヘキシルメチルイミダゾリウムトリス(ペルフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(HMIMPFET)、ヘキシルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(HMIMイミド)、ヘキシルメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(HMP)、テトラブチルホスホニウムトリス(ペルフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(BuPPFET)、オクチルメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(OMIMPF6)、ヘキシルピリジニウムビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミド(Hpyイミド)、メチルトリオクチルアンモニウムトリフルオロアセテート(MOAac)、ブチルメチルピロリジニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(MBPPFET)、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(HPDイミド)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルフェート(EMIMエチルスルフェート)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(EMIMイミド)、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(EMMIMイミド)、N−エチル−3−メチルピリジニウムノナフルオロブタンスルホネート(EMPyflate)、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムビス(2,4,4−トリフルオロメチルペンチル)ホスフィネート、トリブチル(テトラデシル)ホスホニウムドデシルベンゼンスルホネートなどが含まれる。
【0212】
イオン液体を導くカチオン/アニオンの組合せとしては、例えば、ジアルキルイミダゾリウム、ピリジニウム、アンモニウムおよびホスホニウムなどと、スルホネート、イミド、メチドなどの有機アニオン、ならびにハライドおよびホスフェートなどの無機アニオンとが含まれる。低融点が達成可能であるカチオンおよびアニオンの他のいずれかの組合せも考慮される。イオン液体は、それらの化学構造次第で、極めて低い蒸気圧を有し、かつ不燃性であり、多くの場合に260℃より高い温度までの熱安定性を有し、かつさらに潤滑剤としても適切である。
【0213】
潤滑油のそれぞれの望ましい特性は、カチオンおよびアニオンの適切な選択により、イオン液体によって達成される。これらの所望の特性は、潤滑油の電気伝導率をその使用領域を広げるように調整すること、潤滑油の使用寿命および潤滑効果を増加させること、ならびに温度適合性を改善するように粘度を調整することを含む。イオン液体のために適切なカチオンは、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミド、ペルフルオロアルキルスルホネート、トリス(ペルフルオロアルキル)メチデン、ビス(ペルフルオロアルキル)イミデン、ビス(ペルフルオロアリール)イミド、ペルフルオロアリールペルフルオロアルキルスルホニルイミドおよびトリスペルフルオロアルキル)トリフルオロホスフェートから選択されるフッ素を含有するアニオンと、またはハロゲンを含まないアルキルスルフェートアニオンと組み合わされ得る、ホスホニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオンまたはピロリジニウムカチオンであることが証明されている。
【0214】
本開示において有用なイオン液体は、炭化水素中で可溶性、疎水性型、流体(すなわち油溶性)および適切な潤滑/作動流体中で可溶性であるものである。本開示において有用なイオン液体は、極性、親水性また両親媒性型、流体(例えば、エステル、エーテルなど)中で可溶性、および適切な潤滑/作動流体中で可溶性であるものでもある。さらに、本開示において有用なイオン液体は、例えば、グリースなどの固体または半固体潤滑剤で使用され得る。
【0215】
一実施形態において、そのようなイオン液体添加剤は、約0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜7.5重量%、より好ましくは約0.75〜5重量%の量で使用され得る。
【0216】
帯電防止剤
電動車両において、特に潤滑油が使用中である時に静電気が生じる。そのような危険を低減するために、潤滑油中に導電性帯電防止添加剤を添加および分散させることが可能である。この潤滑油は、それにより、静電気増加からのベースストックの局所的分解および安全上の問題に関連するその性能の減少を回避するであろう。
【0217】
同様に石油蒸留物である「帯電防止流体」または「帯電防止添加剤」と呼ばれる種類の製品を添加して、安全レベルまで、例えば、メーター伝導率あたり100ピコシーメンス以上に潤滑油の伝導率を調整することができる。所望のレベル、すなわち1,000ガロンの炭化水素あたり約10〜30ミリリットルに伝導率を高めるために、これらの帯電防止流体の非常に少量が必要とされる。
【0218】
本開示の別の特徴によると、帯電防止添加剤は、材料が潤滑油と化学的に適合する能力、および潤滑油の期待される応用のために所望のレベルまで潤滑油の伝導率を調製することの費用効果に基づいて、商業的に入手可能な材料の集団から選択される。
【0219】
典型的な帯電防止流体は、Exxsol(商標)流体として知られる脱芳香族炭化水素流体のExxonMobil(商標)Chemicalのラインである。代表的な流体およびそれらの蒸留点としては、Exxsol(商標)帯電防止流体ヘキサン(65IBP(℃)最小、71DP(℃)最大、および添加剤量30ml/1000gal)、D40(150IBP(℃)最小、210DP(℃)最大、および添加剤量30ml/1000gal)、D3135(152IBP(℃)最小、182DP(℃)最大、および添加剤量10ml/1000gal)、ならびにD60(177IBP(℃)最小、220DP(℃)最大、および添加剤量30ml/1000gal)が含まれる。IBPは、材料の1%が蒸留される温度であり、かつDPは、材料の96%が蒸留される温度である。
【0220】
他の例示的な帯電防止剤は、長鎖脂肪族アミン(任意選択的にエトキシル化される)およびアミド、四級アンモニウム塩(例えば、ベヘントリモニウムクロリドまたはコカミドプロピルベタイン)、リン酸のエステル、ポリエチレングリコールエステルまたはポリオールをベースとする。追加的な帯電防止剤としては、長鎖アルキルフェノール、エトキシル化アミン、グリセロールエステル、例えば、グリセロールモノステアレート、アミド、グリコールおよび脂肪酸が含まれる。
【0221】
潤滑油の伝導率を調整するために必要とされる帯電防止剤の量は、帯電防止添加剤が混合された時の潤滑油の伝導率を測定し、かつその応用に一致する所望の伝導率に達した時に停止することによって決定される。混合された帯電防止添加剤の量は、重量で潤滑油の0.001%〜10%、好ましくは1重量%〜7.5重量%であるが、それは、10〜100,000ppmの液体体積で混合され得る。
【0222】
流動点降下剤(PPD)
必要に応じて、従来の流動点降下剤(潤滑油流動性向上剤としても知られている)を本開示の潤滑油組成物に添加し得る。これらの流動点降下剤は、流体が流動し得るか、または流れ出ることが可能であろう最低温度を低下させるために、本開示の潤滑組成物に添加され得る。適切な流動点降下剤の例としては、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアリールアミド、ハロパラフィンワックスおよび芳香族化合物の縮合生成物、ビニルカルボキシレートポリマー、ならびにジアルキルフマレート、脂肪酸のビニルエステルおよびアリルビニルエーテルのターポリマーが含まれる。米国特許第1,815,022号明細書、同第2,015,748号明細書、同第2,191,498号明細書、同第2,387,501号明細書、同第2,655,479号明細書、同第2,666,746号明細書、同第2,721,877号明細書、同第2,721,878号明細書および同第3,250,715号明細書には、有用な流動点降下剤および/またはそれらの調製が記載されている。そのような添加剤は、約0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%、より好ましくは約0.5〜1.5重量%の量で使用され得る。
【0223】
シール適合性剤
潤滑油組成物は、少なくとも1種のシール適合性剤を含むことができる。シール適合性剤は、流体中で化学反応を、またはエラストマー中で物理変化をもたらすことにより、エラストマー性シールを膨張させることを促進する。潤滑油に適切なシール適合性剤には、有機ホスフェート、芳香族エステル、芳香族炭化水素、エステル(例えば、ブチルベンジルフタレート)およびポリブテニル無水コハク酸が含まれる。そのような添加剤は、約0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%、より好ましくは約0.5〜1.5重量%の量で使用され得る。
【0224】
消泡剤
消泡剤は有利に潤滑剤組成物に添加され得る。これらの薬剤は安定した気泡の形成を阻害する。シリコーンおよび有機ポリマーは、典型的な消泡剤である。例えば、シリコン油またはポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサンが消泡剤特性をもたらす。消泡剤は商業的に入手可能であり、および解乳化剤などの他の添加剤と一緒に従来通り少量で使用され得、通常、これらの組み合わされた添加剤の量は1重量%未満であり、多くの場合に0.1重量%未満である。一実施形態において、そのような添加剤は、約0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%、より好ましくは0.5〜1.5重量%の量で使用され得る。
【0225】
摩擦変性剤
潤滑油組成物は、少なくとも1種の摩擦変性剤を含むことができる。摩擦変性剤は、そのような材料を含有するいずれかの潤滑剤または流体によって潤滑された表面の摩擦係数を変更することができる、いずれかの材料である。摩擦減少剤、または潤滑剤もしくは油性剤、および潤滑された表面の摩擦係数を変性するためにベース油、配合潤滑剤組成物または機能的な流体の能力を変更する他のそのような薬剤としても知られている摩擦変性剤は、必要に応じて、本開示のベース油または潤滑剤組成物と一緒に効果的に使用され得る。摩擦係数を低下する摩擦変性剤は、本開示のベース油および潤滑油組成物と組み合わせて特に都合がよい。
【0226】
例示的な摩擦変性剤としては、例えば、有機金属化合物もしくは材料、またはそれらの混合物が含まれ得る。本開示の潤滑エンジン油組成物において有用である例示的な有機金属摩擦変性剤としては、例えば、モリブデンアミン、モリブデンジアミン、モリブデンアミン、モリブデンジアミン、有機タングステネート、モリブデンジチオカルバメート、ジチオリン酸モリブデン、モリブデンアミン錯体、モリブデンカルボキシレートなど、およびそれらの混合が含まれる。同様のタングステンをベースとする化合物が好ましくなり得る。
【0227】
本開示の潤滑エンジン油組成物において有用な他の例示的な摩擦変性剤としては、例えば、アルキル化脂肪酸エステル、アルカノールアミド、ポリオール脂肪酸エステル、ホウ酸化グリセロール脂肪酸エステル、脂肪アルコールエーテルおよびそれらの混合物が含まれる。
【0228】
例示的なアルキル化脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、脂肪酸ポリグリコールエステルなどが含まれる。これらは、ポリオキシプロピレンステアレート、ポリオキシブチレンステアレート、ポリオキシエチレンイソステアレート、ポリオキシプロピレンイソステアレート、ポリオキシエチレンパルミテートなどを含むことができる。
【0229】
例示的なアルカノールアミドには、例えば、ラウリン酸ジエチルアルカノールアミド、パルミチン酸ジエチルアルカノールアミドなどが含まれる。これらは、オレイン酸ジエチルアルカノールアミド、ステアリン酸ジエチルアルカノールアミド、オレイン酸ジエチルアルカノールアミド、ポリエトキシル化ヒドロカルビルアミド、ポリプロポキシル化ヒドロカルビルアミドなどを含むことができる。
【0230】
例示的なポリオール脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセロールモノオレエート、飽和モノ−、ジ−およびトリグリセリドエステル、グリセロールモノステアレートなどが含まれる。これらは、ポリオールエステル、ヒドロキシル含有ポリオールエステルなどを含むことができる。
【0231】
例示的なホウ酸化グリセロール脂肪酸エステルには、例えば、ホウ酸化グリセロールモノオレエート、ホウ酸化飽和モノ−、ジ−およびトリグリセリドエステル、ホウ酸化グリセロールモノステアレートなどが含まれる。グリセロールポリオールに加えて、これらは、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ソルビタンなどを含むことができる。これらのエステルは、ポリオールモノカルボキシレートエステル、ポリオールジカルボン酸エステル、場合によりポリオールトリカルボキシレートエステルであることができる。好ましくは、グリセロールモノオレエート、グリセロールジオレエート、グリセロールトリオレエート、グリセロールモノステアレート、グリセロールジステアレート、ならびにグリセロールトリステアレートおよび相当するグリセロールモノパルミテート、グリセロールジパルミテートおよびグリセロールトリパルミテートおよびそれぞれのイソステアラート、リノーレエートであり得る。場合により、グリセロールエステル、ならびにこれらのいずれかを含有する混合物が好ましくなる可能性がある。根本ポリオールとしてグリセロールを特に使用して、ポリオールのエトキシル化、プロポキシル化、ブトキシル化脂肪酸エステルが好ましくなる可能性がある。
【0232】
例示的な脂肪アルコールエーテルとしては、例えば、ステアリルエーテル、ミリスチルエーテルなどが含まれる。C
3〜C
50の炭素数を有するものを含むアルコールは、エトキシル化、プロポキシル化またはブトキシル化して、相当する脂肪酸アルキルエーテルを形成することができる。基本的なアルコール部分は、好ましくは、ステアリル、ミリスチル、C
11〜C
13炭化水素、オレイル、イソステアリルなどであることができる。
【0233】
本開示の潤滑油は、摩擦変性剤の存在下または非存在下において、所望の特性、例えば、摩耗制御を示す。
【0234】
摩擦変性剤の有用な濃度は、0.01重量%〜5重量%、または約0.1重量%〜約2.5重量%、または約0.1重量%〜約1.5重量%、または約0.1重量%〜約1重量%の範囲であり得る。モリブデン含有材料の濃度は、多くの場合、Mo金属濃度に関して記載される。Moの都合のよい濃度は25ppm〜700ppm以上の範囲であり得、多くの場合、好ましい範囲は、50〜200ppmである。全ての種類の摩擦変性剤は、単独で、または本開示のとの混合物で使用され得る。多くの場合、2種以上の摩擦変性剤の混合物、または別の表面活性化材料との摩擦変性剤の混合物も望ましい。
【0235】
極圧剤
潤滑油組成物は、少なくとも1種の極圧剤(EP)を含むことができる。油溶性であるEP剤としては、硫黄およびクロロ硫黄含有EP剤、塩素化炭化水素EP剤およびリンEP剤が含まれる。そのようなEP剤の例としては、塩素化ワックス;硫化オレフィン(例えば、硫化イソブチレン)、有機スルフィドおよびポリスルフィド、例えば、ジベンジルジスルフィド、ビス(クロロベンジル)ジスルフィド、ジブチルテトラスルフィド、オレイン酸の硫化メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテン、硫化テルペンおよび硫化ディールズ−アルダー(Diels−Alder)付加物;ホスホ硫化炭化水素、例えば、リンスルフィドとテレビン油またはオレイン酸メチルとの反応生成物;二炭化水素および三炭化水素亜リン酸エステルなどのリンエステル、例えば、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジヘプチル、亜リン酸ジシクロヘキシル、亜リン酸ペンチルフェニル;亜リン酸ジペンチルフェニル、亜リン酸トリデシル、亜リン酸ジステアリルおよびポリプロピレン置換亜リン酸フェニル;ジチオカルバミン酸金属、例えば、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛およびバリウムヘプチルフェノール二価酸;アルキルおよびジアルキル酸リン酸のアミン塩およびその誘導体;ならびにそれらの混合物(米国特許第3,197,405号明細書に記載される)が含まれる。
【0236】
極圧剤は、潤滑油組成物の全重量に基づき、0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜1.5重量%、より好ましくは0.01〜0.2重量%、なおより好ましくは0.01〜0.1重量%の量で使用され得る(受け取ったままの基準において)。
【0237】
潤滑油組成物が上記添加剤の1種以上を含有する場合、添加剤は、それがその意図された機能を実行するために十分な量で組成物中にブレンドされる。本開示において有用なそのような添加剤の典型的な量を以下の表1に示す。
【0238】
多くの添加剤は、特定の量のベース油希釈剤と一緒に、1種以上の添加剤を一緒に含有する濃縮物として、添加剤製造業者から出荷されることは留意される。したがって、以下の表中の重量、ならびに本明細書に記載された他の量は、(成分の非希釈剤部分である)有効成分の量に関する。以下に示される重量%(wt%)は、潤滑油組成物の全重量に基づくものである。
【0240】
上記添加剤は、全て商業的に入手可能な材料である。これらの添加剤は、独立して添加され得るが、通常、潤滑油添加剤の供給元から入手可能であるパッケージ中で事前に組み合わされている。様々な成分、特性および特徴を有する添加剤パッケージが入手可能であり、かつ適切なパッケージの選択は、根本的な組成物の必要な用途を考慮に入れるであろう。
【0241】
本発明の1つの好ましい態様において、潤滑油は、少なくとも約80重量%の潤滑油ベース油(又は潤滑ベース油又は潤滑(油)ベースオイル(lubricating base oil))と、約0.8〜約5重量%の1種以上の金属清浄剤と、約0〜約5重量%の1種以上の分散剤と、約0〜約1.5重量%のジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)抗摩耗剤と、約0〜約0.2重量%のジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)と、約0〜約2重量%の活性粘度変性剤と、約0.01〜約5重量%の他の潤滑油添加剤とを含む組成物を有する。それぞれの重量パーセントは、潤滑油の全重量に基づく。潤滑油は、約3,000pS/m〜約20,000pS/mの電気伝導率および100℃において約2cSt〜約20cStの動粘度を有する。
【0242】
本発明の別の好ましい態様において、潤滑油は、少なくとも約80重量%の潤滑油ベース油と、約0.8〜約1.25重量%の1種以上の金属清浄剤と、約0.5〜約5重量%の1種以上の分散剤と、約0.6〜約1.5重量%のジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)抗摩耗剤と、約0.15重量%のジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)と、約0〜約2重量%の活性粘度変性剤と、約0.01〜約5重量%の他の潤滑油添加剤とを含む組成物を有する。それぞれの重量パーセントは、潤滑油の全重量に基づく。潤滑油は、約3,000pS/m〜約8,000pS/mの電気伝導率および100℃において約2cSt〜約20cStの動粘度を有する。
【0243】
以下の非限定的な実施例は、本開示を例証するために提供される。
【実施例】
【0244】
潤滑油組成物ならびにそのような組成物の粘度および伝導率試験結果を以下および
図1〜7に示す。組成物の成分は、重量%で記載されており、重量%は、潤滑油の全重量に基づく。
【0245】
図1〜4は、約3,000pS/m〜約20,000pS/mの範囲において適切な電気伝導率を有する組成物の実施例を示す。
【0246】
図5は、伝導率抑制剤を識別し、かつ潤滑剤組成物の伝導率を減少する効果を提供する。これらの例において、識別された伝導率抑制剤は、ジチオジアルキルリン酸亜鉛(実施例45)、ジチオカルバミン酸モリブデン(実施例46)およびアルキルスルホン酸マグネシウム(実施例47)であった。それらの抑制剤効果は、実施例25の組成物と比較して観察された。これらの抑制剤効果は、この場合、約7,500pS/m〜100,000pS/m超のより高い伝導率範囲において実証されたが、そのような効果は、3,000pS/m〜20,000pS/mのより低い伝導率範囲においても有効である。
【0247】
図6は、約1.3重量%までの合計濃度の(<100〜>200の範囲のTBNを有する)サリチル酸カルシウム清浄剤の混合物の伝導率促進剤活性を実証する。電気伝導率の増加は、サリチレート清浄剤を有する組成物と有さない組成物とを比較することにより、例えば、組成物実施例3対実施例35、および実施例5対実施例48、および実施例10対実施例18を比較することによって観察した。これらのサリチル酸カルシウム清浄剤の活性の伝導率促進剤は、例えば、ZDDPに関して、約1.4重量%までの範囲の伝導率抑制剤濃度において有効であった。
【0248】
図7は、伝導率抑制剤の伝導率活性におけるアンキャップドPIBスクシンイミド分散剤の作用を例示する。実施例3対実施例6および実施例21対実施例24は、高濃度のアンキャップドPIBスクシンイミド分散剤が伝導率抑制剤(例えば、ZDDP、MoDTC)と相乗的に作用し、潤滑剤組成物の伝導率を減少させることを実証する。
【0249】
電動車両のための潤滑油は、グループI、グループII、グループIII、グループIV、グループVベースストックおよびその組合せから選択される少なくとも1種の潤滑油ベースストックと、重量%で、酸化防止剤、清浄剤、分散剤、抗摩耗添加剤、粘度変性剤、摩擦変性剤および消泡剤から選択される1種以上の潤滑油添加剤とを混合することによって調製された。任意選択的な添加剤は、1種以上の流動点抑制剤、金属不活性化剤、シール適合性添加剤および極圧剤および腐食抑制剤である。
【0250】
動粘度の結果は、100℃においてASTM D445を使用して得られ、および伝導率の結果は、周囲温度においてASTM D2624を使用して得られた。
【0251】
PCTおよびEP条項(又は請求項又はクレーム)
1
電動車両またはハイブリッド車両における使用のための潤滑油であって、
少なくとも80重量%の潤滑油ベース油と、
0.8〜5重量%の1種以上の金属清浄剤と、
0〜5重量%の1種以上の分散剤と、
0〜1.5重量%のジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)抗摩耗剤と、
0〜0.2重量%のジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)と、
0〜2重量%の粘度変性剤(活性成分に基づく)と、
0.01〜5重量%の他の潤滑油添加剤と
を含み、
3,000pS/m〜20,000pS/mの電気伝導率と、100℃における2cSt〜20cStの動粘度とを有する、
潤滑油。
【0252】
2
潤滑油ベース油は、グループIベースストック、グループIIベースストック、グループIIIベースストック、グループIVベースストック、グループVベースストックまたはその混合物を含む、条項1の潤滑油。
【0253】
3
1種以上の分散剤は、ホウ酸化分散剤、非ホウ酸化分散剤およびその混合物からなる群から選択される、条項1〜2の潤滑油。
【0254】
4
ジアルキルジチオリン酸亜鉛は、二級ジアルキルジチオリン酸亜鉛である、条項1〜3の潤滑油。
【0255】
5
粘度変性剤は、メタクリレート、ブタジエン、オレフィンまたはスチレンのコポリマー、ポリマー、線形または星形のポリマー、およびその混合物からなる群から選択される、条項1〜4の潤滑油。
【0256】
6
電動車両またはハイブリッド車両は、電気モータ(electric motor)、電気駆動モータ(又は電動モータ又は電気ドライブモータ(electric drive motor))、モータ、トランスミッション、フロントアクセル(又は前車軸(front axle))、リアアクセル(又は後車軸(rear axle))、ギアボックス、デファレンシャル(又はデフ又は差重機(differential))、ギア、ベアリング、バッテリ、コンデンサ(又はキャパシタ(capacitor))、ジェネレータ、オルタネータ、コンバータ、運動エネルギーアキュムレータ(kinetic energy accumulator)または運動エネルギーリカバリシステム(kinetic energy recovery system)の1種以上を含む電動車両のパワートレイン(又は伝動機構(powertrain))を有する、条項1〜5の潤滑油。
【0257】
7
1種以上の金属清浄剤は、0.8〜1.25の量で存在し、
1種以上の分散剤は、0.5〜5重量%の量で存在し、
ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)抗摩耗剤は、0.6〜1.5重量%で存在し、
ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)は、0.15重量%の量で存在し、
潤滑油は、3,000pS/m〜8,000pS/mの電気伝導率を有する、
条項1〜6の潤滑油。
【0258】
8
電動車両またはハイブリッド車両を潤滑するための方法であって、電動車両またはハイブリッド車両のパワートレインの1種以上のコンポーネントに、
少なくとも80重量%の潤滑油ベース油と、
0.8〜5重量%の1種以上の金属清浄剤と、
0〜5重量%の1種以上の分散剤と、
0〜1.5重量%のジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)抗摩耗剤と、
0〜0.2重量%のジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)と、
0〜2重量%の粘度変性剤(活性成分に基づく)と、
0.01〜5重量%の他の潤滑油添加剤と
を含む潤滑油を提供することを含み、
潤滑油は、3,000pS/m〜20,000pS/mの電気伝導率と、100℃において2cSt〜20cStの動粘度とを有する、
方法。
【0259】
9
潤滑油ベース油は、グループIベースストック、グループIIベースストック、グループIIIベースストック、グループIVベースストック、グループVベースストックまたはその混合物を含む、条項8の方法。
【0260】
10
1種以上の分散剤は、ホウ酸化分散剤、非ホウ酸化分散剤およびその混合物からなる群から選択される、条項8〜9の方法。
【0261】
11
ジアルキルジチオリン酸亜鉛は、二級ジアルキルジチオリン酸亜鉛である、条項8〜10の方法。
【0262】
12
粘度変性剤は、メタクリレート、ブタジエン、オレフィンまたはスチレンのコポリマー、ポリマー、線形または星形のポリマー、およびその混合物からなる群から選択される、条項8〜11の方法。
【0263】
13
電動車両またはハイブリッド車両のパワートレインの1種以上のコンポーネントは、電気モータ、電気駆動モータ、モータ、トランスミッション、フロントアクセル、リアアクセル、ギアボックス、デファレンシャル、ギア、ベアリング、バッテリ、コンデンサ、ジェネレータ、オルタネータ、コンバータ、運動エネルギーアキュムレータまたは運動エネルギーリカバリシステムの1種以上を含む、条項8〜12の方法。
【0264】
14
1種以上の金属清浄剤は、0.8〜1.25の量で存在し、
1種以上の分散剤は、0.5〜5重量%の量で存在し、
ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)抗摩耗剤は、0.6〜1.5重量%で存在し、
ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)は、0.15重量%の量で存在し、
潤滑油は、3,000pS/m〜8,000pS/mの電気伝導率を有する、
条項8〜13の方法。
【0265】
15
電動車両またはハイブリッド車両における使用のための潤滑油を製造する方法であって、
少なくとも80重量%の潤滑油ベース油と、
0.8〜5重量%の1種以上の金属清浄剤と、
0〜5重量%の1種以上の分散剤と、
0〜1.5重量%のジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)と、
0〜0.2重量%のジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)と、
0〜2重量%の活性粘度変性剤と、
0.01〜5重量%の他の潤滑油添加剤と
を提供すること、および
潤滑油を製造するために、潤滑油ベース油と、1種以上の分散剤と、1種以上の金属清浄剤と、ジアルキルジチオリン酸亜鉛と、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンと、活性粘度変性剤と、1種以上の他の潤滑油添加剤とをブレンドする(又は混合又は配合する)こと
を含み、
潤滑油は、3,000pS/m〜20,000pS/mの電気伝導率と、100℃における2cSt〜20cStの動粘度とを有する、
方法。
【0266】
本明細書に引用される全ての特許および特許出願、試験手順(ASTM法、UL法など)および他の文献は、そのような開示が本開示と一致する限り、およびそのような組み込みが容認される全ての権限に関して、参照によって完全に組み込まれる。
【0267】
数値的な下限および数値的な上限が本明細書に記載される場合、いずれかの下限からいずれかの上限までの範囲が考慮される。本開示の例示的な実施形態が詳細に記載されているが、様々なその他の修正形態は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者にとって明らかであり、かつ当業者によって容易になされ得ることが理解されるであろう。したがって、添付された特許請求の範囲は、本明細書で明らかにされた実施例および記載に限定されるように意図されず、むしろ、請求項が、本開示が関連する当業者により、その均等物として扱われるであろう全ての特徴を含めて、本開示に存在する特許取得可能な新規性の全ての特徴を包含すると解釈される。
【0268】
本開示は、多数の実施形態および個々の実施例を参照して上記された。上記の詳細な説明を考慮に入れて、当業者は多くの変形形態を提案するであろう。全てのそのような明白な変形形態は、添付の請求項の全ての意図された範囲内にある。