特表2019-529905(P2019-529905A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-529905監視デバイスおよび保護導体のインピーダンスを監視する方法、ならびに充電制御ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-529905(P2019-529905A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(54)【発明の名称】監視デバイスおよび保護導体のインピーダンスを監視する方法、ならびに充電制御ユニット
(51)【国際特許分類】
   G01R 27/02 20060101AFI20190920BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20190920BHJP
【FI】
   G01R27/02 R
   H02J7/00 P
   H02J7/00 Y
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-514081(P2019-514081)
(86)(22)【出願日】2017年9月15日
(85)【翻訳文提出日】2019年5月9日
(86)【国際出願番号】EP2017073317
(87)【国際公開番号】WO2018050841
(87)【国際公開日】20180322
(31)【優先権主張番号】102016217712.5
(32)【優先日】2016年9月16日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】キップ,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】カラッシュ,グレゴール
(72)【発明者】
【氏名】シュトロス,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】エンゲルト,シュテファン
【テーマコード(参考)】
2G028
5G503
【Fターム(参考)】
2G028AA05
2G028BF02
2G028BF04
2G028CG02
2G028DH01
2G028EJ07
2G028FK01
2G028KQ09
2G028MS03
2G028MS05
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503EA09
5G503FA06
(57)【要約】
本発明は、監視デバイスおよび保護導体のインピーダンスを監視する方法に関する。第1の分圧器が、第1の入力端子と第2の入力端子との間に配置されており、電圧源に接続することができる。第1の分圧器は、第1の抵抗器および第2の抵抗器の直列接続を備え、第2の抵抗器は、保護導体のインピーダンスの閾値に対応する。第2の分圧器が、第3の抵抗器およびブリッジダイオードの直列接続を備え、第3の抵抗器の第1の端部によって第1の抵抗器に接続されており、第2の端部によって保護導体に接続可能である。測定デバイスが、第1の抵抗器と第2の抵抗器との間に配置された第1のノードと、第3の抵抗器とブリッジダイオードとの間に配置された第2のノードとの間に接続されている。保護導体のインピーダンスが第2の抵抗器より高い場合、第1のノードと第2のノードとの間のブリッジ電圧が検出される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護導体(PE)のインピーダンス(RE)を監視する監視デバイスであって、
第1の入力端子(E1)と第2の入力端子(E2)との間に配置されており、電圧源に接続することができ、第1の抵抗器(R1)および第2の抵抗器(R2)の直列接続を備えている第1の分圧器と、
第3の抵抗器(R3)およびブリッジダイオード(D5)の直列接続を備え、前記第3の抵抗器(R3)の第1の端部によって前記第1の抵抗器(R1)に接続されており、第2の端部によって前記保護導体(PE)に接続可能である第2の分圧器と、
前記第1の抵抗器(R1)と前記第2の抵抗器(R2)との間に配置された第1のノード(K1)と、前記第3の抵抗器(R3)と前記ブリッジダイオード(D5)との間に配置された第2のノード(K2)との間に接続された測定デバイス(M)とを備えており、
前記第2の抵抗器(R2)が、前記保護導体(PE)の前記インピーダンス(RE)に対する閾値に対応する抵抗値を有し、前記測定デバイスは、前記保護導体(PE)の前記インピーダンス(RE)が前記第2の抵抗器(R2)の前記値より大きい場合、前記第1のノード(K1)と前記第2のノード(K2)との間のブリッジ電圧を検出するために用いることができる、監視デバイス。
【請求項2】
前記測定デバイス(M)は、アノード端子、カソード端子、コレクタ端子、およびエミッタ端子を有する光カプラ(OK1)を組み込んでおり、前記アノード端子は前記第1のノード(K1)に接続され、前記カソード端子は前記第2のノード(K2)に接続されており、前記保護導体の前記インピーダンスが前記第2の抵抗器(R2)の前記値より大きい場合、前記エミッタ端子に信号が現れる、請求項1に記載の監視デバイス。
【請求項3】
前記エミッタ端子は、第3の分圧器に接続されており、前記第3の分圧器は、第4の抵抗器(R4)および第5の抵抗器(R5)の直列回路を備え、前記監視デバイスの出力端子が、前記第4の抵抗器(R4)と前記第5の抵抗器(R5)との間に配置された第4のノードに接続されている、請求項2に記載の監視デバイス。
【請求項4】
整流ブリッジ回路(D1、D2、D3、D4)をさらに備えており、前記整流ブリッジ回路(D1、D2、D3、D4)は、前記電圧源の第1の外部導体(L1)および第2の外部導体(L2)と、前記第1の入力端子(E1)および前記第2の入力端子(E2)との間に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の監視デバイス。
【請求項5】
監視すべき電圧源に前記監視デバイスを時間制限接続するスイッチング手段をさらに備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載の監視デバイス。
【請求項6】
前記スイッチング手段は、前記第1の入力端子(E1)と前記第1の抵抗器との間に配置された第1のオプトトライアックと、前記ブリッジダイオード(D5)と前記保護導体との間に配置された第2のオプトトライアックとを備えており、前記第1のオプトトライアックおよび前記第2のオプトトライアックは、共通の制御ラインによって制御可能である、請求項5に記載の監視デバイス。
【請求項7】
前記スイッチング手段は、第1のオプトトライアックおよび第2のオプトトライアックを備えており、前記第1のオプトトライアックは、前記第1の入力端子(E1)と前記第2のオプトトライアックの第1の主端子との間に配置され、前記第2のオプトトライアックの第2の主端子が、前記第1の抵抗器(R1)に接続されており、前記第1のオプトトライアックおよび前記第2のオプトトライアックは、共通の制御ラインによって制御可能である、請求項5に記載の監視デバイス。
【請求項8】
前記第1のオプトトライアックおよび前記第2のオプトトライアックは、それぞれアノード端子およびカソード端子を有し、前記第1のオプトトライアックの前記アノード端子は、供給電圧に接続され、前記第1のオプトトライアックの前記カソード端子は、前記第2のオプトトライアックの前記アノード端子に接続され、前記第2のオプトトライアックの前記カソード端子は、制御可能な半導体スイッチを介して、基準電位に接続されている、請求項6または7に記載の監視デバイス。
【請求項9】
自動車内の電池の充電プロセスを制御する充電制御ユニットであって、請求項1から8のいずれか一項に記載の監視デバイスを備えている充電制御ユニット。
【請求項10】
自動車の電池を電圧源に接続する充電ケーブルであって、請求項9に記載の充電制御ユニットを組み込んでいる充電ケーブル。
【請求項11】
保護導体(PE)のインピーダンス(RE)を監視する方法であって、
電圧源の第1の外部導体(L1)および第2の外部導体(L2)に第1の分圧器を接続するステップであって、前記第1の分圧器が、第1の抵抗器(R1)および第2の抵抗器(R2)の直列接続を備え、前記第2の抵抗器(R2)が、前記保護導体(PE)の前記インピーダンス(RE)に対する閾値に対応する抵抗値を有する、ステップと、
第3の抵抗器(R3)およびブリッジダイオード(D5)の直列接続を備える第2の分圧器を、前記第3の抵抗器(R3)の第1の端部によって前記第1の抵抗器(R1)に接続し、第2の端部によって前記保護導体(PE)に接続するステップと、
前記保護導体(PE)の前記インピーダンス(RE)が前記第2の抵抗器(R2)の前記値より大きい場合、前記第1の抵抗器(R1)と前記第2の抵抗器(R2)との間に配置された第1のノード(K1)と、前記第3の抵抗器(R3)と前記ブリッジダイオード(D5)との間に配置された第2のノード(K2)との間のブリッジ電圧を検出するステップとを含む方法。
【請求項12】
前記第1の外部導体(L1)および前記第2の外部導体(L2)の電圧が、整流ブリッジ回路(D1、D2、D3、D4)によって整流される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記保護導体(PE)の前記インピーダンス(RE)を監視することが、短い試験間隔中にのみ行われる、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記保護導体(PE)の前記インピーダンス(RE)が前記第2の抵抗器(R2)の前記値より大きい場合、警告信号が生成され、かつ/または電池充電プロセスが中断される、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ブリッジ電圧は、光カプラ(OK1)の入力信号を構成しており、したがって前記保護導体(PE)の前記インピーダンス(RE)が前記第2の抵抗器(R2)の前記値より大きい場合、前記光カプラのエミッタ端子に出力信号が送達される、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視デバイスおよび保護導体のインピーダンスを監視する方法に関する。本発明はさらに、自動車内の電池の充電プロセスを制御する充電制御ユニット、および自動車の電池を電圧源に接続する、特に電気自動車を充電する充電ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、様々な充電モードで充電することができる。これらはとりわけ、安全デバイス、車両との通信、および充電容量に関して異なる。安全上の理由で、自動車製造業者の大部分は、モード3充電を選択している。しかし、モード2充電は、車両に適合している充電の形態を構成し、従来の家庭用プラグソケットデバイスを含む。これらの充電モードは、国際標準IEC61851−21:2010において、モード3充電が車両を充電するのに最も安全な手段であると定義されている。この動作は、IEC61851による特殊な充電設備、または「電気自動車供給設備」(EVSE)、すなわち充電用の基盤施設を備えた充電ステーションで完了する。充電デバイスは、車両内に設置される。充電ステーションでは、PWM通信、障害電流および過電流の保護、遮断設備、ならびに特有の充電コンセントの提供が求められている。
【0003】
モード2充電は、充電用基盤施設が利用可能でない場合、モード3充電に対する最も安全な代替手段に相当する。充電は、従来の家庭用プラグソケットデバイス(たとえば、SchukoまたはECプラグおよびソケット)を使用して完了し、制御および保護機能は充電ケーブルに一体化されている。充電デバイスは、車両内に設置される。
【0004】
モード3充電の場合、充電用基盤施設に対する要件は明確に定義されている。しかしモード2充電では、接続は家庭用、産業用、または「キャンプ場」用のプラグソケットデバイスによって提供される。標準的な家庭用設備を使用して電気自動車への充電接続を提供するには危険が伴うが、そのような危険について既存の解決策では包括的に考慮されていない。充電端子およびそれらの給電線は、定格連続電流が最大16Aになっていなければならない。しかし実際には、この定格は包括的に保証されていない。障害電流保護機能を備えていない家庭用設備およびソケットも依然として存在し、それらの給電線は、断面寸法が不十分である結果、そのように連続して負荷がかかると危険な過熱をおこしやすい。結果は深刻なものとなる可能性がある。車両は夜通し充電されることが多いため、使用者は、充電プロセスが安全かつ確実に行われることを信頼できなければならない。
したがって、標準によって定義された要件を越えて、たとえば基盤施設側のSchukoプラグ内の温度または保護導体の有無を含む様々なパラメータを監視するモード2充電ケーブルが知られており、それによってモード2充電は著しく安全になっている。モード2の場合、IEC標準61851は、保護レベルの向上のために移動デバイスを求めている(SPE−PRCD)。さらに、容量の設定および安全要件の実現のために、車両と通信するデバイス(PWMモジュール)が必要とされる。これらの構成要素は、「ケーブル内制御および保護デバイス」(IC−CPD)内に組み合わされる。IC−CPDは、充電ケーブル内に恒久的に一体化されており、保護導体の接続を監視し、充電電流の上限を車両に通信する。
障害または停電が生じた場合、使用者および電気自動車を保護するために、充電プロセスは直ちに中断される。この知的なIC−CPDはまた、充電が始まる前にも、基盤施設側のソケットの誤った配線を検出し、さらに入ってくる保護導体を監視する。
【0005】
保護導体を検査するために、公共送電線網における保護導体PEと中性線Nとの間のPME(保護用複数接地)抵抗が、最大値に対して検査される。この場合、評価に著しく影響することなく、広い制限範囲内で電源電圧を変動させることが可能でなければならない。さらに、安全上の理由で、評価は別個に実行されなければならない。現在この目的で、電流パルスを生成し、保護導体を流れる電流を測定する監視デバイスが利用可能である。さらに、光カプラを使用して測定電流のパルス幅が測定される回路が知られている。
【0006】
しかし、知られている構成には、電源電圧に強く依存するという欠点がある。さらに、光カプラ回路は著しい老化および温度ドリフトを受けやすく、したがってこれらの影響が測定結果に確実に組み込まれないようにしなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、知られている解決策の欠点をなくし、安全かつ確実に形成することができ、それにもかかわらず費用効果の高い、保護導体のインピーダンスを監視する監視デバイスが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、独立請求項の主題によって実現される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0009】
本発明は、修正されたホイートストーンブリッジを用いて保護導体のインピーダンスを監視するという概念に基づいている。概して、ホイートストーン測定ブリッジは、平衡状態でゼロのブリッジ電圧に関連付けられる高い感度、および回路の対称性に関連付けられる漂遊効果(たとえば、温度の影響)の広範な補償を特徴とする。
【0010】
具体的には、本発明によれば、保護導体のインピーダンスを監視する監視デバイスは、第1の入力端子と第2の入力端子との間に配置された第1の分圧器を有し、第1の分圧器は、電圧源に接続することができ、第1の抵抗器および第2の抵抗器の直列接続を備えている。第2の分圧器がさらに設けられ、第2の分圧器は、第3の抵抗器およびブリッジダイオードの直列接続を備え、第3の抵抗器の第1の端部によって第1の抵抗器に接続されており、第2の端部によって保護導体に接続可能である。本発明によれば、監視デバイスは、第1の抵抗器と第2の抵抗器との間に配置された第1のノードと、第3の抵抗器とブリッジダイオードとの間に配置された第2のノードとの間に接続された測定デバイスを組み込み、第2の抵抗器は、保護導体のインピーダンスに対する閾値に対応する抵抗値を有し、測定デバイスは、保護導体のインピーダンスが第2の抵抗器の値より大きい場合、第1のノードと第2のノードとの間のブリッジ電圧を検出するために用いることができる。
【0011】
言い換えれば、保護導体のインピーダンスが基準値と見なされる第2の抵抗器の値を超過しないことを条件として、ホイートストーンブリッジは平衡し、ブリッジ電圧はゼロになる。IEC標準61851は、インピーダンスが1.6kΩの値を超過してはならないことを指定している。しかし当業者であれば当然ながら、本発明による監視デバイスの特有の応用例に応じて、この値を自在に選択することができることが明らかである。
【0012】
安全上の理由で、電圧源および出力信号に接続された測定ブリッジは、ガルバニック絶縁しなければならない。この目的で、測定デバイスは、有利には、アノード端子、カソード端子、コレクタ端子、およびエミッタ端子を有する光カプラを組み込むことができ、そのアノード端子は第1のノードに接続され、カソード端子は第2のノードに接続されており、保護導体のインピーダンスが第2の抵抗器の値より大きい場合、エミッタ端子に信号が現れる。
【0013】
抵抗オーバーシュートが生じた場合に生成される出力信号の正確なノイズのない読出しのために、光カプラのエミッタ端子を第3の分圧器に接続することができ、第3の分圧器は、第4の抵抗器および第5の抵抗器の直列回路を備え、監視デバイスの出力端子が、第4の抵抗器と第5の抵抗器との間に配置された第4のノードに接続されている。
【0014】
さらに有利な実施形態によれば、整流ブリッジ回路がさらに設けられ、整流ブリッジ回路は、たとえば4つの整流ダイオードから構成され、電圧源の第1の外部導体および第2の外部導体と、第1の入力端子および第2の入力端子との間に配置されている。このようにして、全波整流を行うことができ、したがって実際の適用環境におけるホイートストーンブリッジの位置決めに関して柔軟性が維持されており、事前に決定する必要はない。
【0015】
本発明による監視デバイスは、監視すべき電圧源に監視デバイスを時間制限接続するスイッチング手段をさらに備えることができる。制限されかつ厳密に定義された時間間隔だけで適用されるそのような試験ルーチンの利点は、安全性の向上に関連すると考えられる。
【0016】
これらのスイッチング手段に対する制御回路が送電構成要素から確実にガルバニック絶縁されることを保証するために、スイッチング手段は、第1の入力端子と第1の抵抗器との間に配置された第1のオプトトライアックと、ブリッジダイオードと保護導体との間に配置された第2のオプトトライアックとを備えることができ、第1のオプトトライアックおよび第2のオプトトライアックは、共通の制御ラインによって制御可能である。別法として、スイッチング手段は、第1のオプトトライアックおよび第2のオプトトライアックを備えることができ、第1のオプトトライアックは、第1の入力端子と第2のオプトトライアックの第1の主端子との間に配置され、第2のオプトトライアックの第2の主端子が、第1の抵抗器に接続されており、第1のオプトトライアックおよび第2のオプトトライアックは、共通の制御ラインによって制御可能である。
【0017】
2つのオプトトライアックの同時トリガは、簡単に実現することができ、第1のオプトトライアックおよび第2のオプトトライアックは、それぞれアノード端子およびカソード端子を有し、第1のオプトトライアックのアノード端子は、供給電圧に接続され、第1のオプトトライアックのカソード端子は、第2のオプトトライアックのアノード端子に接続され、第2のオプトトライアックのカソード端子は、制御可能な半導体スイッチを介して、基準電位に接続されている。
【0018】
本発明はさらに、自動車内の電池の充電プロセスを制御する充電制御ユニットに関し、充電制御ユニットは、本発明による監視デバイスを備える。
【0019】
さらに本発明は、特に有利には、自動車の電池を電圧源に接続する充電ケーブルで用いることができ、充電ケーブルは、本発明による監視デバイスを備えた充電制御ユニットを組み込んでいる。
【0020】
本発明はさらに、保護導体のインピーダンスを監視する関連方法に関し、この方法は、
電圧源の第1の外部導体および第2の外部導体に第1の分圧器を接続するステップであって、第1の分圧器が、第1の抵抗器および第2の抵抗器の直列接続を備え、第2の抵抗器が、保護導体のインピーダンスに対する閾値に対応する抵抗値を有する、ステップと、
第3の抵抗器およびブリッジダイオードの直列接続を備える第2の分圧器を、第3の抵抗器の第1の端部によって第1の抵抗器に接続し、第2の端部によって保護導体に接続するステップと、
保護導体のインピーダンスが第2の抵抗器の値より大きい場合、第1の抵抗器と第2の抵抗器との間に配置された第1のノードと、第3の抵抗器とブリッジダイオードとの間に配置された第2のノードとの間のブリッジ電圧を検出するステップとを含む。
【0021】
既に述べたように、そのようなホイートストーンブリッジによって、保護導体のインピーダンスが事前定義された閾値を超過しないことを極めて正確かつ確実に保証することができる。したがって、保護導体が完全に機能しているかどうか、特に中断の存在を除外することができるかどうかを確認することができる。このようにして、使用者に対する(たとえば充電プロセスの)安全が強化される。
【0022】
本発明による方法の有利な発展形態によれば、保護導体のインピーダンスが基準値として働く第2の抵抗器の値より大きい場合、警告信号を生成すること、および/または電池充電プロセス中断することができる。したがって、正常通り動作しない保護導体に伴う潜在的な危険を回避することができる。当然ながら、保護を強化するための任意の他の方策をさらに実装することもできる。
【0023】
本発明の改善された理解のため、本発明について、添付の図に表す例示的な実施形態を参照して、以下でより詳細に説明する。本明細書では、同一の構成要素に同じ参照記号および同じ構成要素名が適用される。さらに、図示および記載する異なる実施形態からのいくつかの特徴または特徴の組合せはまた、独立した発明の解決策または本発明による解決策を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】ホイートストーンブリッジとして構成された監視デバイスの基本原理の概略図である。
図2図1で用いることができる測定デバイスの概略図である。
図3】本発明による監視デバイスの第1の有利な実施形態の回路図である。
図4】本発明による監視デバイスの第2の有利な実施形態の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明について、本発明による監視デバイス100に関して、図を参照して、特にまず図1を参照して、以下でより詳細に説明する。
【0026】
基本原理から始めると、本発明によれば、入力端子E1、E2間の抵抗および保護導体PEのインピーダンスREを監視するために、ホイートストーンブリッジ回路が用いられる。ブリッジ回路は、2つの並列接続された分圧器から構成され、これらの分圧器は、入力端子E1およびE2間に印加される入力電圧によって動作する。第1の分圧器は、抵抗器R1およびR2を備える。第2の分圧器は、抵抗器R3およびダイオードD5を個別の構成要素として備える。保護導体PEのインピーダンスは、仮想抵抗素子REをさらに構成する。
【0027】
ホイートストーン測定ブリッジで概して知られているように、ノードK1およびK2間のブリッジ枝路に電圧が存在しない場合、平衡状態が存在する。測定機器Mは、非平衡状態における電圧の有無を判定する。
【0028】
本発明によれば、第1の直列回路内の抵抗器R2は、第2の直列回路内の抵抗器REの閾値に対応するように選択される。抵抗器R1およびR3は、同一の抵抗値を有する。このようにして、ノードK1およびK2間に測定可能な電圧が存在することは、ブリッジが平衡していないこと、したがって抵抗REが閾値からずれていることを示す。以下にさらに記載するように、適切な回路構成によって、R2の値のアンダーシュートではなくオーバーシュートが生じた場合のみ、測定信号が測定デバイスM上に生成されることを保証することができる。
【0029】
保護導体PEのインピーダンス値REが、基準抵抗器R2によって定義される閾値を超過した場合には、動作不良が存在すると想定することができる。この場合、あらゆる危険を排除するために、測定手段Mによって適切な方策を実施することができる。監視デバイス100の特有の応用例において、たとえば、車両の充電ケーブル内に一体化されているケーブル内制御および保護デバイス(IC−CPD)によって、充電プロセスを中断すること、および/または危険信号を生成することができる。
【0030】
入力端子E1、E2上に高い電圧が存在する場合、または測定ブリッジ内に高い電流が流れるリスクがある場合、測定手段Mは、測定ブリッジの残り部分からガルバニック絶縁された出力信号を生成すると有利である。
【0031】
図2は、ブリッジに不平衡がある場合に、ノードK1、K2間に電圧が存在する場合、ノードK1、K2からガルバニック絶縁された出力信号を送達する適切な測定回路Mの有利な構成を示す。この目的で、測定回路Mは、光カプラOK1を組み込む。その入力で、光カプラOK1は、アノード端子Aとカソード端子Kとの間に発光ダイオード102を有する。発光ダイオードの順方向においてアノード端子Aとカソード端子Kとの間に電圧が存在する場合、ダイオードは、フォトトランジスタ104へ放射を伝送する。したがって、光カプラOK1のコレクタCとエミッタEとの間の接続は導通する。
【0032】
この光カプラOK1の単極接続によって、インピーダンスに対する閾値を超過した電圧のみが評価され、この値のアンダーシュート(通常動作で生じる)を示す電圧は評価されないことを保証することができる。
【0033】
出力端子106で出力信号(PEインピーダンス)を読み出すために、測定回路Mの本実施形態によれば、エミッタ端子Eは、抵抗器R4およびR5を組み込む第3の分圧器に接続され、接地に接続される。コレクタ端子Cは、たとえば+5VのDC供給電圧に接続される。したがって、フォトトランジスタ104が導通している場合、出力信号は、抵抗器R4およびR5間のノードK3で読み取ることができる。出力端子106は、ノードK1およびK2からガルバニック絶縁されている。
【0034】
図3は、詳細な回路図の形態で、本発明による監視デバイス100の第1の有利な実施形態を表す。図示の実施形態では、測定回路Mは、図2に示す変形形態に対して変わっていない。電圧源、たとえば電源電圧の外部導体L1、L2に対する保護導体PEのインピーダンスを監視する特有の応用例において、監視デバイスの入力端子E1、E2は、全波整流器D1〜D4を介して外部導体L1、L2に接続されている。この配置では、外部導体L1、L2はそれぞれ中性導体とすることができる。本発明による回路の入力電圧は、整流された電源電圧であり、したがって、監視デバイス100の機能に影響することなく、相導体および中性導体を入れ替えることができる。
【0035】
例示の目的で、図示の実施形態では、抵抗器R1およびR2に対して50kΩの抵抗値が選択されており、抵抗器R2は、IEC標準62752(2016年版)、120頁、段落9.7.7.5の図12に従って、基準値として1.6kΩの値を想定する。
【0036】
さらに、図3による回路構成では、模擬測定機能を短時間だけ挿入することが可能であり、したがって保護導体へ流れる電流が一時的にのみ挿入される。これは主に、安全上の理由で有利である。この目的で、ノードE1と抵抗器R1の第1の端子との間に、第1のオプトトライアック108が配置される。ダイオードD5のカソードと保護導体PEとの間に、第2のオプトトライアック110が配置される。
【0037】
オプトトライアック108、110はそれぞれ、2つの主端子を有しており、当業者にはよく知られているように、それぞれのトライアックに付随する発光ダイオードからの光信号によってトライアックがトリガされた場合、これらの主端子間に電流が流れることができる。保持電流のアンダーシュートが生じるまで、トライアックは導通しているままである。有利には、オプトトライアックの制御回路は、検証すべき電圧源からガルバニック絶縁される。
【0038】
図3に表す実施形態では、オプトトライアック108、110の発光制御ダイオードが、+5Vの供給電圧と接地電位との間に直列接続される。制御端子PEテストから導通状態に切り換えることができるスイッチングトランジスタTR1により、電流が発光制御ダイオードを流れることが可能になり、したがってオプトトライアック108、110のトリガが可能になる。試験ルーチンが終了すると直ちに、発光ダイオードを通る電流の流れが再び中断され、トライアック108、110はもはや導通しない。したがって、本発明による監視デバイスは、試験すべき電圧源に能動接続されなくなる。
【0039】
試験中に、保護導体PEのインピーダンス値REが抵抗器R2の閾値1.6kΩを超過した場合、測定ブリッジを通って保護導体PEへ流れる短期的な電流束が生じ、光カプラOK1の発光ダイオード102は、第3の分圧器の抵抗器R4、R5を通る電流束を流し始める。
【0040】
有利には、光カプラOK1のスイッチング値は、ネットワーク電圧とは独立して、広範な制限範囲内で可変であり、スイッチング点は、さらに非常に明確に定義される。さらに、光カプラOK1の出力で生成される電圧特性もまた、光カプラの老化およびあらゆるドリフト効果から実質上独立している。
【0041】
本発明による構成は、上述したように、電気駆動自動車のための充電ケーブルで用いることができる。しかし原則的に、監視デバイスは概して、供給に接続されているときでもそのようなインピーダンス監視を必要とする他のデバイスまたはセンサにおけるインピーダンス監視にも用いることができる。
【0042】
図4は、本発明による監視デバイス200の第2の有利な実施形態を示す。図3に表す配置とは異なり、2つのオプトトライアック108、110は、抵抗器R1およびR3の上流に互いに直接配置されている。さらに、2つのツェナーダイオードZ1、Z2、およびZ3、Z4から構成された直列回路が、トライアック108、110の主端子に対して並列に接続される。これらのツェナーダイオードの機能は、静電放電(ESD)から保護することである。
【0043】
この修正を除いて、第2の実施形態による監視デバイス200は、図3に表すように第1の実施形態による監視デバイス100と同様に機能する。
【符号の説明】
【0044】
100 第1の実施形態の監視デバイス
102 発光ダイオード
104 フォトトランジスタ
106 出力端子
108 第1のオプトトライアック
110 第2のオプトトライアック
200 第2の実施形態の監視デバイス
M 測定デバイス
OK1 光カプラ
E1、E2 入力端子
D1〜D4 整流ダイオード
D5 測定ブリッジダイオード
D6 光カプラに並列接続されたダイオード
R1、R3〜R8 抵抗器
R2 基準抵抗器
L1、L2 外部導体
PE 保護導体
RE 保護導体のインピーダンス
Z1〜Z4 ツェナーダイオード
TR1 スイッチングトランジスタ
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】