特表2019-531044(P2019-531044A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-531044内部冷却システムを有する密閉型回転電気機械
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-531044(P2019-531044A)
(43)【公表日】2019年10月24日
(54)【発明の名称】内部冷却システムを有する密閉型回転電気機械
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/18 20060101AFI20190927BHJP
   H02K 9/06 20060101ALI20190927BHJP
【FI】
   H02K9/18
   H02K9/06 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-520375(P2019-520375)
(86)(22)【出願日】2017年9月25日
(85)【翻訳文提出日】2019年4月15日
(86)【国際出願番号】EP2017074237
(87)【国際公開番号】WO2018069030
(87)【国際公開日】20180419
(31)【優先権主張番号】1659996
(32)【優先日】2016年10月14日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】591007826
【氏名又は名称】イエフペ エネルジ ヌヴェル
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
(71)【出願人】
【識別番号】517357424
【氏名又は名称】マヴェル ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】MAVEL S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ディブ、 ヴィサム
(72)【発明者】
【氏名】ファブレ、 ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ベットーニ、 ダヴィデ
【テーマコード(参考)】
5H609
【Fターム(参考)】
5H609BB03
5H609BB19
5H609PP02
5H609QQ02
5H609QQ09
5H609RR06
5H609RR11
5H609RR17
5H609RR22
5H609RR53
5H609RR63
5H609RR67
(57)【要約】
本発明は、回転子(150)の2つの端部の所で回転子(150)の軸(160)に固定的に取り付けられた2つの内部ファン(181、182)を有する冷却システムを組み込んだ密閉回転電気機械に関し、各内部ファンが、内部ファンによって生成された空気流の向きを定め、かつ熱を取り込むことができるフィン(113、123)を有するフランジ(110、120)の内面(111、121)に面する。ケーシングは、電気機械の回転子と固定子(190)とを含み、2つのフランジによってシールされるように密閉される。ケーシングおよび各フランジを冷却するために、冷却システムは外部冷却手段も含み、この手段は空気(ファン(140))または液体であってよい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉型回転電気機械(100、200)であって、
ケーシング(130、230)内に配置され、複数のコイルを有する固定子(190)と、
回転軸(160、260)に固定されて前記固定子内で回転するように取り付けられた本体を有し、前記軸が軸線(X)を中心として回転する回転子(150)と、
前記回転軸(160、260)の負荷(160a、260a)を駆動する側と、前記回転軸(160、260)の前記負荷(160b、260b)を駆動する側と反対の側とを支持する軸受(171、172)の対と、
前記ケーシングの第1の端部の所に配置され、前記回転軸(160、260)の前記負荷(160a、260a)を駆動する側を支持する前部フランジ(110、210)と、
前記第1の端部とは反対側の前記ケーシングの第2の端部の所に配置され、前記回転軸(160、260)の前記負荷(160b、260b)を駆動する側と反対の側を支持する後部フランジ(120、220)と、を有し、
前記前部フランジおよび後部フランジが、前記ケーシング(130、230)をシールするように密閉するためにシーリング手段(114a、114b、124a、124b)を有し、各フランジが、内面(111、121)と、外面(112、122)と、前記軸受の一方を受け入れるために前記内面の中央部に位置するレセプタクル(116a、126a、216a、226a)とを有し、
前記密閉型回転電気機械は冷却システムをさらに有し、
前記冷却システムは、
前記回転子(150)が回転する間に前記ケーシング内部に空気流を発生させるために前記ケーシング(130、230)の内部に配置された内部ファンの対であって、各ファンが、前記回転子(150)の前記本体と前記軸受(171、172)との間において前記回転軸(160、260)に固定的に取り付けられた、内部ファン(181、182)の対と、
前記ケーシングと前記前部フランジおよび前記後部フランジとを冷却する外部冷却手段と、を有し、
空気流の向きを定め、前記空気流の熱を取り込むために、前記各フランジの前記内面が、前記軸受(171、172)の前記レセプタクル(116a、126a、216a、226a)の周囲部に設けられたフィン(113、123)を有する、密閉型回転電気機械。
【請求項2】
前記フランジの前記内面の前記フィンは平坦であり、概略的な形状が台形であり、前記回転軸(160、260)の前記軸線(X)に直交する複数の底部と、前記レセプタクル(116a、126a、216a、226a)と向かい合いかつ凹状である辺とを有する、請求項1に記載の電気機械。
【請求項3】
外部空気を前記ケーシング(130)に沿って前記前部フランジ(110)の方向に送るために、前記外部冷却手段は、前記後部フランジ(120)の前記外面(122)と対向するように配置され前記回転軸(160)に固定的に取り付けられた外部ファン(140)を有する、請求項1または2に記載の電気機械。
【請求項4】
前記ケーシング(130)は、前記回転軸(160)の前記軸線(X)に平行な軸線に実質的に沿って延びる冷却フィン(131)の組を有する外面を有し、
前記後部フランジ(120)は、円筒形の周囲部(128b)に連結された冠の形をした中央部(128a)と、前記外部ファン(140)によって送られた前記外部空気を前記ケーシング(130)の前記外面の前記冷却フィン(131)の組立体によって形成される通路に送るために、前記後部フランジ(120)の前記中央部(128a)と前記周囲部(128b)との間に配置された少なくとも1つの開口部(127)と、を有する、請求項3に記載の電気機械。
【請求項5】
前記空気が前記ケーシングに沿って循環する間に前記ケーシングの外面および前記冷却フィンの近傍に空気を保持するために、前記ケーシング(130)に取り付けられ、前記冷却フィン(131)を囲む金属プレート(132)をさらに有する、請求項4に記載の電気機械。
【請求項6】
前記前部フランジ(110)は、円筒形の周囲部(118b)に連結された冠の形をした中央部(118a)を有し、前記周囲部は、外面上で熱を放散させるフィン(117)を有し、熱を放散させる各前記フィン(117)は、前記回転軸の前記軸線(X)に平行な軸線に実質的に沿って延び、前記ケーシング(130)の前記冷却フィン(131)によって形成される各前記通路を延長する、請求項4または5に記載の電気機械。
【請求項7】
前記外部ファン(140)は、前記回転軸(160)に固定された、前記外部空気を移動させるホィールと、前記外部空気を吸引するためのオリフィス(129a)を有する保護プレート(129)と、を有し、前記プレートは、前記後部フランジ(120)の前記周囲部に固定されている、請求項4から6のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項8】
20kWから75kWまでの間の出力を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項9】
前記外部冷却手段は、冷却液体用の吸入口(233)と、前記冷却液体用の出口(234)と、前記ケーシング(230)に接する導管網(235)と、を有する冷却液体回路を有し、前記ケーシング(230)と前記前部フランジ(210)および前記後部フランジ(220)とを冷却するために、前記導管網(235)内で前記冷却液体が循環する、請求項1に記載の電気機械。
【請求項10】
前記導管網(235)は、前記ケーシング(230)に組み込まれた屈曲パイプである、請求項9に記載の電気機械。
【請求項11】
前記冷却液体は水を含む、請求項9または10に記載の電気機械。
【請求項12】
20kWから180kWまでの間の出力を有する、請求項9から11のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項13】
同期リラクタンス電気機械である請求項1から12のいずれか1項に記載の電気機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電気機械の分野に関し、特に回転電気機械の冷却に関する。
【0002】
詳細には、本発明は、同期リラクタンス回転電気機械の、特に空気による冷却に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、回転電気機械は、固定された部分、すなわち固定子と、回転運動する部分、すなわち回転子とを有し、固定子と回転子は互いに同軸に配置されている。回転子は一般に、固定子の内部に収容され、固定子は、磁界を発生させて回転子を回転させることを可能にする電気巻線を支持している。回転子は一般に、複数のプレートの積層体によって形成された本体によって形成され、回転軸に配置されている。これらのプレートは、回転子の周囲に複数の磁極を形成する複数の永久磁石またはコイルのためのレセプタクルを有する。各磁石は、回転子の表面上に配置されるか、または回転子と完全に一体化されてもよい。
【0004】
電気機械は、電磁損失(ジュール効果による損失および鉄損)と機械損失に起因して加熱される。この加熱によって電気機械の機能が損なわれ、性能の低下につながる。たとえば、磁石が冷却されない場合、磁束の強度が低くなって、トルクの低減、従って電気機械の性能の低下につながる。磁石の不可逆的な減磁が生じることがある。巻線も温度上昇に敏感であり、巻線の温度が高くなると、銅の導電率が高くなり、巻線の耐用年数が短くなる。銅の抵抗が高くなったときも、性能が低下する。したがって、回転電気機械の様々な電磁的な構成要素と、電気機械の各部において使用されるいくつかの絶縁材料は、作動中に生じる熱に対して敏感であり、機械の良好な性能を維持し、機械の性能の再現性を確保し、機械の耐用年数を延ばし、メンテナンスを制限するために、生じた熱を放散させるようにこれらの構成要素および絶縁材料の冷却が必須である。
【0005】
したがって、高性能な冷却の要件は、回転電気機械の製造者および組立者(integrator)にとって重要な課題である。
【0006】
しばしば機械の出力に適合させられる様々な種類の冷却が存在し、このような冷却には、一般に効率がより低く、モータの内部に悪影響を及ぼす、空気による冷却システムや、特に、電気トラクションモータのように損失がかなり大きいときに使用される、液体、たとえば水またはオイルによる冷却システムが含まれる。ヘリウムまたは液体窒素による他の冷却システムは、発電所の電気機械に使用することができる。
【0007】
空気による冷却はコスト面で有利な解決策であるが、他の冷却システムと比較して、一般に効率が低く、したがって、低出力の電気機械の冷却に限定されることが多い。これは、たとえば、空気による冷却が一般に出力が20kw未満の電気モータに使用されるトラクション用途(traction applications)の場合である。それよりも高い出力レベルでは、液体による冷却システムが実施されることが多い。
【0008】
さらに、空気による冷却は一般に、電気機械の外部と内部との間で空気を循環させる必要があり、それによって、「開放型」電気機械、すなわち、シールされない電気機械用であり、応用分野がさらに限定される。
【0009】
(シールされた)「密閉型」電気機械の空気による冷却システムも知られている。これは、軸と一体的なファンによる空気の強制的な対流による機械ハウジングの外部の冷却に限定される。これらのシステムでは、回転子に発生した熱が空隙の空気および固定子に伝達され、固定子の熱がハウジングを介して放出される。しかし、この種のシステムは、機械内部、特に回転子の所で発生した熱を十分に放出せず、特に、非常に高速に回転する電気機械の冷却に使用するのは困難である。したがって、空気による密閉型機械の冷却のためのそのようなシステムの効率は制限され、この場合、そのようなシステムの使用は低出力機械に限定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、前述した従来技術の欠点を克服し、電気機械に必要とされる性能および出力を確保するために、密閉型回転電気機械用の高性能冷却システムを提供することである。
【0011】
特に、本発明の目的は、規格EN60529に基づく高い保護指標「IP」、一般には保護指標IP67を有することができる回転電気機械の軸、回転子、および各コイルのヘッドと、ハウジングとを効率的に冷却するのを可能にすることである。
【0012】
本発明の目的はまた、機能するために電気エネルギーをまったく消費せず(受動システム)、またはほとんど消費せず、システムの機能に伴う機械損失を制限する冷却システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明は、上述の目的のうちの少なくとも1つを実現するために、特に密閉型回転電気機械を提案する。この密閉型回転電気機械は、
ケーシング内に配置され、複数のコイルを有する固定子と、
回転軸に固定されて固定子内で回転するように取り付けられた本体を有し、軸が軸線Xを中心として回転する回転子と、
回転軸の負荷を駆動する側と、回転軸の負荷を駆動する側と反対の側とを支持する軸受の対と、
ケーシングの第1の端部の所に配置され、回転軸の負荷を駆動する側を支持する前部フランジと、
第1の端部とは反対側のケーシングの第2の端部の所に配置され、回転軸の負荷を駆動する側と反対の側を支持する後部フランジと、を有し、
前部フランジおよび後部フランジが、ケーシングをシールするように密閉するためにシーリング手段を有し、各フランジが、内面と、外面と、軸受の一方を受け入れるために内面の中央部に位置するレセプタクルとを有し、
密閉型回転電気機械は冷却システムをさらに有し、
冷却システムは、
回転子が回転する間にケーシング内部に空気流を発生させるためにケーシングの内部に配置された内部ファンの対であって、各ファンが、回転子の本体と軸受との間において回転軸に固定的に取り付けられた、内部ファンの対と、
ケーシングと前部フランジおよび後部フランジとを冷却する外部冷却手段と、を有し、
空気流の向きを定め、空気流の熱を取り込むために、各フランジの内面が、軸受のレセプタクルの周囲部に設けられたフィンを有する。
【0014】
好ましくは、フランジの内面のフィンは平坦であり、概略的な形状が台形であり、回転軸の軸線に直交する複数の底部と、レセプタクルと向かい合いかつ凹状である辺とを有する。
【0015】
本発明の第1の実施形態によれば、外部空気をケーシングに沿って前部フランジの方向に送るために、外部冷却手段は、後部フランジの外面と対向するように配置され回転軸に固定的に取り付けられた外部ファンを有する。
【0016】
この第1の実施形態によれば、ケーシングは、回転軸の軸線Xに平行な軸線に実質的に沿って延びる冷却フィンの組を有する外面を有し、後部フランジは、円筒形の周囲部に連結された冠の形をした中央部と、外部ファンによって送られた外部空気をケーシングの外面の冷却フィンの組立体によって形成される通路に送るために、後部フランジの中央部と周囲部との間に配置された少なくとも1つの開口部と、を有する。
【0017】
この機械は、空気がケーシングに沿って循環する間にケーシングの外面および冷却フィンの近傍に空気を保持するために、ケーシングに取り付けられ、冷却フィンを囲む金属プレートをさらに有する。
【0018】
好ましくは、前部フランジは、円筒形の周囲部に連結された冠の形をした中央部を有し、周囲部は、外面上で熱を放散させるフィンを有し、熱を放散させる各フィンは、回転軸の軸線Xに平行な軸線に実質的に沿って延び、ケーシングの冷却フィンによって形成される各通路を延長する。
【0019】
好ましくは、外部ファンは、回転軸に固定された、外部空気を移動させるホィールと、外部空気を吸引するためのオリフィスを有する保護プレートと、を有し、プレートは、後部フランジの周囲部に固定されている。
【0020】
第1の実施形態によれば、電気機械は、好ましくは20kWから75kWの間の出力を有する。
【0021】
本発明の第2の実施形態によれば、外部冷却手段は、冷却液体用の吸入口と、冷却液体用の出口と、ケーシングに接する導管網と、を有する冷却液体回路を有し、ケーシングと前部フランジおよび後部フランジとを冷却するために、導管網内で冷却液体が循環する。
【0022】
有利には、導管網は、ケーシングに組み込まれた屈曲パイプである。
【0023】
好ましくは、冷却液体は水を含む。
【0024】
第2の実施形態によれば、電気機械は、好ましくは20kWから180kWの間の出力を有する。
【0025】
本発明に係る電気機械は、好ましくは同期リラクタンス電気機械である。
【0026】
本発明の他の目的および利点は、限定するわけではないが一例として示す本発明の特定の実施形態についての以下の説明を読むことによって明らかになるであろう。説明では、以下に記載された添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A】機械の冷却が全体的に空気によって実施される本発明の第1の実施形態に係る電気機械の前部の斜視図である。
図1B】機械の冷却が全体的に空気によって実施される本発明の第1の実施形態に係る電気機械の後部の斜視図である。
図2A】本発明の第1の実施形態に係る電気機械の前部フランジの内面の斜視図である。
図2B】本発明の第1の実施形態に係る電気機械の前部フランジの外面の斜視図である。
図3A】本発明の第1の実施形態に係る電気機械の後部フランジの内面の斜視図である。
図3B】本発明の第1の実施形態に係る電気機械の後部フランジの外面の斜視図である。
図4A】2つの内部ファンを有する本発明に係る電気機械の回転部の斜視図である。
図4B】2つの内部ファンを有する本発明に係る電気機械の回転部の側面図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る電気機械を上から見た図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る電気機械の長手方向断面図である。
図7A】本発明の第1の実施形態に係る電気機械の後部の、一部を取り外した斜視図である。
図7B】本発明の第1の実施形態に係る電気機械の前部の、一部を取り外した斜視図である。
図7C】外部ファンによって生成されケーシングの外側を循環する外部空気流を示す、電気機械の長手方向断面図である。
図8A】本発明の第1の実施形態に係る電気機械の背面を示す平面図である。
図8B】本発明の第1の実施形態に係る電気機械の同じ背面を示す斜視図である。
図9A】空気および液体によって冷却される本発明の第2の実施形態に係る電気機械の前部の斜視図である。
図9B】空気および液体によって冷却される本発明の第2の実施形態に係る電気機械の後部の斜視図である。
図9C】本発明の第2の実施形態に係る電気機械の長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
各図において、同じ参照符号は同一または類似の要素を示す。
【0029】
本発明の目的は、回転子の軸に固定的に取り付けられた2つの内部ファンを有する冷却システムであって、回転子の2つの端部において、各内部ファンが、内部ファンによって生成される空気流の向きを定めて熱を取り込むことができるフィンを有するフランジの内面に面する、冷却システムを組み込んだ密閉型回転電気機械を提案することである。
【0030】
密閉型電気機械は、回転子および固定子が、ハウジングという用語でも表すことができるシールされたケーシング内に封入された電気機械を意味する。
【0031】
本発明によれば、ケーシングは、電気機械の回転子および固定子を含んでおり、2つのフランジによってシールされて密閉されている。
【0032】
冷却システムは、ケーシングおよび各フランジを冷却する外部冷却手段も有しており、冷却は、空気または液体によって行うことができる。
【0033】
図1Aおよび図1Bは、電動またはハイブリッドの乗物において電気トラクションモータとして使用できる、本発明の第1の実施形態に係る密閉型電気機械を示している。
【0034】
たとえば、図1Aおよび図1Bに示されているようなモータは、シンクロリラクタントとも呼ばれる同期リラクタンスモータであり、連続出力が35kWで過渡(ピーク)出力が52kWであり、DCバス供給電圧350Vによって作動することができる。
【0035】
このモータは、同期リラクタンス電気機械に適用されるのが有利であるが、本発明はこの形態の電気機械に限定されず、より広範囲に任意の種類の電気機械、特に出力が20kWから180kWの間の電気機械に関する。より詳細には、第1の実施形態に係る電気機械は、出力が20kWから75kWの間であってもよく、後述する第2の実施形態に係る電気機械は、出力が20kWから180kWの間であってもよい。
【0036】
電気モータ100は、前部フランジ110および後部フランジ120によってシールされて密閉されたケーシング130を有している。電気モータの複数のコイルを有する固定子と回転子とは、密封されたケーシング130に含まれている。ケーシング130の内部は、図6によりよく示されており、モータの冷却システムに関連して、以下により詳細に説明する。端子(参照符号なし)を有し、分岐が実施されるボックスが、ケーシング130、特にモータの前部においてケーシングを密閉するフランジ110の所に固定されている。ケーシング130とフランジ110および120とは、金属、たとえばアルミニウムまたは鉄で作られている。
【0037】
本発明の第1の実施形態によれば、外部冷却手段は、外部空気をケーシング130に沿って前部フランジ110の方向に送るために、後部フランジ120の外面と向かい合うように配置され、回転子の回転軸160に固定的に取り付けられた外部ファン140を有している。
【0038】
軸線Xを中心として回転する回転軸160は、前部フランジ110および後部フランジ120によって支持されている。前部フランジ110は、ケーシング130の第1の端部の所に配置されており、回転軸160の負荷を駆動する側を支持している。後部フランジ120は、第1の端部と向かい合うケーシングの第2の端部の所に配置されており、回転軸160の負荷を駆動する側と反対の側を支持している。
【0039】
本説明の示唆では、機械の前部が、機械の、回転子の回転軸によって負荷が駆動される側を指しており、機械の後部がその反対側を指している。
【0040】
より詳細には、前部フランジ110および後部フランジ120の各々は、図2A図2B図3A、および図3Bに示されているように、内面111、121と、外面112、122と、内面111、121の中央部に位置して軸受を受け入れるレセプタクル116a、126aとを有している。図4Aおよび図4Bに見ることができる軸受171および172は、回転軸160の負荷160aを駆動する側と、回転軸の負荷160bを駆動する、前述した側の反対の側とを支持している。
【0041】
前部フランジ110および後部フランジ120は、ケーシング130をシールして密閉するためにシーリング手段を有している。
【0042】
前部フランジ110は、図2Aおよび図2Bに示されており、特に、前部フランジ110の内面111が図2Aに示され、前部フランジ110の外面112が図2Bに示されている。
【0043】
前部フランジ110は、冠の形をした中央部118aと、円筒形を有する周囲部118bとを有している。内面111は、ケーシング130の内部の方に面しており、内面の中央部に位置し、軸受171を受け入れるように構成されたレセプタクル116aを有している。レセプタクル116aは、回転子の回転軸160を通過させるように構成されたオリフィス116bを、レセプタクル116aの中央に有している。シール114b、114aが、軸160が通過できるようにオリフィス116bの所に設けられるとともに、ケーシング130に接するように構成された周囲部118bの周縁に設けられている。フランジ110の周囲部118bは、前部フランジ110をケーシング130に固定するために、固定点115、たとえば、図示されている例では4つの固定点115も有している。
【0044】
本発明によれば、前部フランジ110の内面111は、軸受のレセプタクル116aの周囲に設けられた一連のフィン113を有している。これらのフィンは、図4A図4B、および図6に関連して後述するように、軸受と回転子150との間に配置された内部ファン181を回転させることによって生成される空気流の向きを定め、この空気流の熱を取り込むという目的を果たす。前部フランジ110の内面111は、たとえば12個のフィン113を有している。
【0045】
各フィン113はレセプタクル116aの周りに規則的に分散されることが好ましい。各フィンとフランジの本体とは、たとえば型による製造中に得られる(一体型の)単体部品を形成することが好ましい。有利には、各フィンは、特定の内部空気の循環に寄与するような形状を有し、それによって機械のコイルヘッドおよび回転部を効率的に冷却する。各フィンは、好ましくは平坦であり、概略的な形状が台形であり、各底部(互いに平行な向かい合う辺)が軸線Xに直交しており、レセプタクル116aと向かい合う辺が、直線ではなく曲線であり、(フィンの半径方向延長部においてフランジの周囲118bに位置する点に対して)凹状である。フィンの縁部がこのように凹状であることによって、各コイルヘッドへの最適な近接が実現するとともに、効率的な冷却のための最適化された空気流が確保される。フィンについてのこの説明は、フランジの表面上に見ることができる部分に基づく(フランジの断面に基づく説明ではない)。フィンを通過する長手方向断面図によれば、フィンは、概略的な形状が矩形の台形(rectangular trapezium)であり、各底部(bases)と直角を形成する一辺が、レセプタクル116の壁を構成している(図6に示されている)。各内部フィンは、ある程度、鳥の翼の形を有しており、その肩羽の部分がフランジの内面と向かい合っている。各フィンの寸法は、内部ファンとの近接を維持するように、内部ファンと、内部ファンに向かい合う各フィンの頂部との間に最大空間が残されるような寸法であり、この近接は、機械のフランジと各内部要素との間に残された自由空間において空気が良好に循環するように構成される。限定するわけではない一例として、長さが約20mmの内部フィンを備えている、内径が約20cmのフランジを有する装置では、内部ファンと各フィンの頂部との間に4mm〜5mmの空間が残される。この場合、各フィンの長さ(高さでもある)は、軸線Xに沿った各フィンの寸法と理解される。
【0046】
前部フランジ110の周囲部118bは、フランジ110の外面112上で熱を放散させるフィン117をさらに有することが好ましい。放熱フィン117は、回転子の軸線Xに平行な軸線に実質的に沿って延びている。ケーシング130が、図5に示されているように冷却フィン131の組を有する外面を有する場合、前部フランジ110の各フィン117は、ケーシング130の冷却フィン131によって形成される通路を延長する。
【0047】
後部フランジ120は、図3Aでは後部フランジ120の内面121によって示され、図3Bでは後部フランジ120の外面122によって示されているが、円筒形の周囲部128bに連結された冠の形をした中央部128aを有している。前部フランジ110と同様に、ケーシング130の内部の方を向いた内面121は、内面の中央部に位置し軸受172を受け入れるように構成されたレセプタクル126aを有している。このレセプタクル126aは、回転子の回転軸160を通過させるように構成されたオリフィス126bをレセプタクル126aの中央に有している。シール124b、124aが、軸160が通過できるようにオリフィス126bの所に設けられるとともに、ケーシング130に接するように構成された中央部128bの周縁に設けられている。後部フランジ120の周囲部128bおよび中央部128aは、フランジをケーシングに固定するための点も有する連結部125を備えている。たとえば、後部フランジ120は、4つの固定点(たとえば、ねじを通過させるためのオリフィス)を含む4つの連結部125を有している。
【0048】
本発明によれば、前部フランジ110と同様に、後部フランジ120の内面121は、軸受のレセプタクル126aの周囲に設けられたフィン123の組を有している。これらのフィン123は、以下に図4A図4B、および図6に関連して後述するように、軸受と回転子150との間に配置された内部ファン182が回転することによって発生する空気流の向きを定め、この空気流の熱を取り込むという同じ機能を有する。後部フランジ120の内面121は、たとえば12個のフィン123を有している。
【0049】
各フィン123は、レセプタクル126aの周りに規則的に分散されることが好ましい。フィン123の形状および寸法は、前述した前部フランジ110の内面111の各フィン113の形状および寸法と同一であることが好ましい。
【0050】
後部フランジ120は、外部ファン140によって送られる外部空気をケーシング130に沿って送るために、具体的には、この空気をケーシング130の外面の冷却フィン131の組によって形成された通路に送り込むために、中央部128aと周囲部128bとの間に配置された少なくとも1つの開口部127を有している。後部フランジ120は、たとえば、図3Aおよび図3Bに示されているようにこの種の4つの開口部を有している。これらの開口部207は、たとえば、円弧の形を有しており、フランジ120の中央部128aの周縁に規則的に分散されている。
【0051】
図5は、本発明の第1の実施形態に係るモータの上から見た図に相当し、モータの側部をより詳細に示している。ケーシング130は、一般に金属、たとえば、鉄またはアルミニウムで作られており、回転子Xの軸線に実質的に平行な軸線に沿って延びる一連の冷却フィン131をケーシング130の外面上に有していてもよい。軸線Xに実質的に平行であるとは、この軸線に対しておおよそ25°以内であることを意味する。これらの冷却フィン131は、熱をより多く放散させるようにケーシング130の空気との交換表面を増大させ、空気流を一方のフランジから別のフランジまでケーシングの全長に広がるようにケーシングの表面の外側に送るという目的を果たす。前部フランジ110の周囲部も、好ましくはケーシング130の冷却フィンと同じ方向に向けられた放散フィン117を有する場合には、外部空気の流れが連続的になり、したがって、ケーシングおよび前部フランジの冷却が向上する。
【0052】
この説明では、外部空気は、密閉された回転電気機械の外部の空気を意味し、内部空気は、密閉型電気機械内に含まれる空気、より具体的には機械のシールされたケーシング内に含まれる空気を意味する。
【0053】
有利には、電気モータは、金属プレート132をさらに有しており、各金属プレート132は、好ましくはアルミニウムで作られ、ケーシング130に取り付けられ、各冷却フィン131を囲んでおり、空気をケーシングに沿って循環させる間にケーシング130の外面と冷却フィン131との近傍に空気を維持する。図5に示されているモータの例では、各金属プレート132は、ケーシングの外面の形状に追従するようにわずかに湾曲している。図5において、各金属プレート132は、金属プレート132の下に位置する構造を示すために透明なものとして示されている。同じことが、外部ファン140を透過的に示している後部フランジ120にも当てはまる。各金属プレート132は、ケーシングの周りに規則的に分散され、たとえば、8枚のプレートがケーシングに固定され、ケーシングの周りに離間されたユニットを形成するように複数の対にまとめられることが好ましい。
【0054】
各金属プレート132は、外部ファン140によって送られる外部空気を循環させる通路を残すようにケーシングに取り付けられている。したがって、後述する図7Aを見ると明確にわかるように、各金属プレート132は、後部フランジ120の周囲部に支持されてもよい。
【0055】
図4Aおよび図4Bは、本発明に従って2つの内部ファン181および182を支持する電気機械の回転部の斜視図および側面図である。回転子150は回転軸160に固定され、回転軸160は、回転軸160の負荷160aを駆動する側と、回転軸160の負荷160bを駆動する側と反対の側とにおいて、軸受171および172、たとえば玉軸受によってそれぞれ支持されている。回転子150は、固定子190(図4Aおよび図4Bには示されていない)内で回転運動可能に取り付けられている。本発明によれば、構想される実施形態にかかわらず、第1のファン181および第2のファン182は、回転子の両側で、回転子の本体と軸受171、172との間において回転軸160に固定的に取り付けられている。したがって、第1のファン181は、モータの前部側に配置され、モータの前部フランジ110の内面111に面しており、第2のファン182は、モータの後部側に配置され、後部フランジ120の内側121に面している。内部ファン181、182のこの対は、回転子が回転する間にケーシングの内部に空気流を発生させるためにケーシングの内部に配置されている。
【0056】
図6は、本発明の第1の実施形態に係るモータ100の断面図であり、機械の各要素を示し、作動する内部ファン181および182と、ケーシング130内の機械の構成要素、特にフランジ110および120の内面の構造との間の相互作用によって生じる、シールされたケーシングの内部における空気の循環を図示している(空気の流れ192を矢印で示している)。
【0057】
モータ100は、ケーシング130内に配置され、コイルを有する固定子190を有しており、固定子190内には、回転軸160に固定された回転子150が回転運動可能なように取り付けられている。モータの冷却システムは、第1に、各フランジのフィンと相互作用する内部ファン181および182の対を有し、第2に、ケーシングと前部フランジおよび後部フランジとを冷却するために外部冷却手段、すなわち、第1の実施形態における外部ファン140を有している。
【0058】
回転軸が回転する間に、向きを定められた内部空気流を発生させ、内部空気流の熱が、各フランジの内面のフィンによって取り込まれるように、内部ファン181および182が前部フランジ110および後部フランジ120の内面111および121のフィン113および123と相互作用する。
【0059】
より具体的には、前部フランジ110および後部フランジ120の内面111、121のフィン113、123は、各内部ファン181、182によって生成された空気流192を、半径方向において固定子190の各コイルのヘッド191に向かって送り(回転軸160の軸線Xを中心として遠心方向に沿って流れさせ)、次いで空気流を各コイルのヘッド191からフランジの中央に向かって戻す。すなわち、まず各コイルヘッドにおいて軸線Xに平行な方向に沿って送り、次いで半径方向において回転軸に向かって送る(軸線Xに平行に流れさせ、次いで軸線Xを中心として求心方向に沿って流れさせる)。したがって、この種の内部空気の循環は、モータの前部側および後部側、回転子150の両側で行われる。内部空気流の向きを定めることに加えて、各フランジ113および123の内面のフィンは、空気流の熱を放散させ、したがって、回転機械の軸160および回転子150と各コイルヘッド191とを冷却するのを可能にする。ファン140は、後部フランジ120の外面上に位置しており、外部空気流を発生させることによってケーシング130および各フランジの冷却に寄与する。外部空気流は、まず半径方向において後部フランジ120の外面の周囲に向かって送られ、次いで、ケーシング130の外面と隣り合うように、回転軸線Xに平行に前部フランジ110に向かって送られる。ケーシング130の外面は、好ましくは冷却フィン131を備え、好ましくは空気流をケーシング130の外面上にとどめる金属プレート132の下に位置する。したがって、空気は好ましくは、軸線Xに実質的に沿って延びるフィン同士の間に形成された各通路に流入するとともに、各金属プレートとケーシング130の外面との間に形成された空間にとどめられる。有利なことに、後部フランジ120の各開口部127は、ファン140によってフランジの外面から、好ましくは冷却フィン131を備えるケーシング130の外面に送られる外部空気が通過するのを可能にする。
【0060】
外部空気流は、図7A図7Bおよび図7Cに矢印193によって示されている。図7A図7Bおよび図7Cは第1の実施形態に係るモータを、背面図、正面図および長手方向断面図でそれぞれ示している。
【0061】
外部ファン140は、回転軸160に固定された、外部空気を移動させるホィールと、後部フランジ120の周囲部128bに固定された保護プレート129とを有している。外部ファン140は図8Aおよび図8Bに明確に見ることができ、図8Aおよび図8Bはそれぞれ、第1の実施形態に係るモータの背面の平面図と、同じ背面の斜視図である、保護プレート129は、ファン140の駆動ホイールによって吸引される外部空気を吸入するためのオリフィス129bを有している。外部ファン140は、内部ファン181および182よりも大きい寸法を有している。ファン140の寸法は、最適な冷却を実現するように、モータの出力および最大回転速度に応じて選択される。
【0062】
図9A図9Bおよび図9Cに示されている第2の実施形態によれば、本発明に係る機械は、液体によってモータのケーシングを冷却する装置を有している。
【0063】
本発明の第1の実施形態に係るモータと同様に、モータ200は、
ケーシング230内に配置され、複数のコイルを有する固定子と、
回転軸260に固定されて固定子内で回転するように取り付けられた本体を有する回転子と、
回転軸260の負荷260aを駆動する側と、回転軸260の負荷260bを駆動する側と反対の側とを支持する軸受の対と、
ケーシング230の第1の端部の所に配置され、回転軸260の負荷260aを駆動する側を支持する前部フランジ210と、
第1の端部とは反対側のケーシング230の第2の端部の所に配置され、回転軸260の負荷260bを駆動する側と反対の側を支持する後部フランジ220と、を有し、
前部フランジおよび後部フランジは、ケーシング230をシールするように密閉するためにシーリング手段を有し、各フランジが、内面と、外面と、前記軸受の一方を受け入れるために内面の中央部に位置するレセプタクル216a、226aとを有し、
モータ200は、
回転子が回転する間にケーシングの内部に空気流を発生させるためにケーシングの内部に配置された内部ファンの対を有する冷却システムであって、各ファンが、回転子の本体と軸受との間において回転軸に固定的に取り付けられている、冷却システムをさらに有し、
空気流の向きを定め、前記空気流の熱を取り込むために、各フランジの内面が、軸受のレセプタクルの周囲部に設けられたフィンを有する。
【0064】
第2の実施形態によれば、機械の内部の冷却は、第1の実施形態に関連して説明した冷却と同じであり、すなわち、前述したように、内部ファンの対が、前部フランジおよび後部フランジの内面のフィンと相互作用する。
【0065】
第2の実施形態によれば、ケーシングと前部フランジおよび後部フランジとを冷却する外部冷却手段は、冷却液体回路を有する。この回路は、冷却液体用の吸入口233と、冷却液体用の出口234と、ケーシング230と接する導管網235とを有しており、ケーシング230と前部フランジ210および後部フランジ220とを冷却するために、導管網235内で、水、または機械を冷却することができる任意のその他の液体が循環する。
【0066】
有利なことに、導管網は、図9Cを見ると分かるように、ケーシング230に組み込まれた屈曲パイプ(ワインディングパイプ)であり、図9Cでは、開口部235が、モータの長手方向断面図による屈曲パイプに相当する。
【0067】
図9A図9Bおよび図9Cに示されているモータ200の例では、モータは密閉されており、すなわち、モータは、ケーシング230と前部フランジ210および後部フランジ220とによって形成された、シールされたケースを有している。各フランジはケーシングをシールするように密閉する。より詳細には、前部フランジ210とケーシング230の一部とは、単一部材であり、後部フランジ220とケーシング230の一部とは第2の単一部材を形成しており、2つの部材を接合すると、シールされたケースが形成され、ケーシング230内に屈曲パイプを組み込むことが可能になる。
【0068】
この液体冷却回路は、フランジ210および220を含むモータ200のケーシング230全体を、これらの要素と冷却液体との間の熱交換によって冷却することを可能にする。
【0069】
本発明は、有利なことに、同期リラクタンスモータ、好ましくは出力が20kWから180kWまでの間の機械に適用される。限定するわけではないが一例として、本発明に係る冷却モータは、連続出力が30kWであり、過渡(ピーク)出力が52kWであり、350VのDCバス供給電力によって作動することができる。この冷却モータは、以下の寸法、すなわち、回転子の外径134mm、固定子の外径200mm、ケーシングの外径250mm、モータの長さ214mm、(回転子の各プレートの積層体の長さに相当する)能動部分の長さ100mmにすることができる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
【国際調査報告】