(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-531054(P2019-531054A)
(43)【公表日】2019年10月31日
(54)【発明の名称】eベイピング装置におけるベンチュリ効果によって駆動される製剤送達
(51)【国際特許分類】
A24F 47/00 20060101AFI20191004BHJP
【FI】
A24F47/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-504677(P2019-504677)
(86)(22)【出願日】2017年7月28日
(85)【翻訳文提出日】2019年1月28日
(86)【国際出願番号】EP2017069246
(87)【国際公開番号】WO2018020039
(87)【国際公開日】20180201
(31)【優先権主張番号】15/222,183
(32)【優先日】2016年7月28日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ホーズ エリック エイ
(72)【発明者】
【氏名】ラウ レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】ロスタミ アリ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC06
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC27
4B162AC41
(57)【要約】
口側端インサート(550)と、口側端インサート(550)に接続可能な貯蔵部(570)とを備えるeベイピング装置(500)が提供されており、貯蔵部(570)は、eベイピング装置(500)の長軸方向軸に沿った中空部分を含む。eベイピング装置(500)はまた、貯蔵部(570)の内部表面に沿って配分されている複数のオリフィス(530)と、貯蔵部(570)に接続可能な電力部分(510)とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口側端インサートと、
前記口側端インサートに接続可能な貯蔵部であって、前記eベイピング装置の長軸方向軸に沿った中空部分を含む貯蔵部と、
前記貯蔵部の内部表面に沿って配分されている複数のオリフィスと、
前記貯蔵部に接続可能な電力部分と、を備える、eベイピング装置。
【請求項2】
前記貯蔵部と前記口側端インサートの間の経路上に位置するヒーターをさらに備える、請求項1に記載のeベイピング装置。
【請求項3】
前記ヒーターが前記eベイピング装置の長軸方向軸に沿って位置する、請求項2に記載のeベイピング装置。
【請求項4】
ある量のプレベイパー製剤を前記ヒーターの上へと向けるようにある部分が構成された、請求項2または3に記載のeベイピング装置。
【請求項5】
前記部分が実質的に同心円状である、請求項4に記載のeベイピング装置。
【請求項6】
前記部分が、前記eベイピング装置の長軸方向で前記貯蔵部の表面から離れるように延びる、請求項4または5に記載のeベイピング装置。
【請求項7】
前記貯蔵部の前記表面と前記部分の間の角が約30度〜約120度である、請求項6に記載のeベイピング装置。
【請求項8】
前記貯蔵部の前記表面と前記部分の間の前記角が約90度である、請求項7に記載のeベイピング装置。
【請求項9】
前記貯蔵部が同心円状の貯蔵部である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項10】
前記複数のオリフィスが、前記貯蔵部の前記内部表面に沿って実質的に均一に配分されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項11】
前記複数のオリフィスが前記複数のオリフィスの平均直径の約1.5倍〜約2倍の間隙を介している、請求項1〜10のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項12】
前記複数のオリフィスの平均直径が約0.3ミリメートル〜約0.8ミリメートルである、請求項1〜11のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項13】
前記貯蔵部の壁の平均厚さが約0.1ミリメートル〜約0.4ミリメートルである、請求項1〜12のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項14】
前記貯蔵部が、前記eベイピング装置の軸方向で狭い通路および少なくとも一つのより広い通路を画定する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項15】
前記貯蔵部が前記eベイピング装置の前記軸方向で二つのより広い通路の間に狭い通路を画定する、請求項14に記載のeベイピング装置。
【請求項16】
前記狭い通路の幅が約0.5ミリメートル〜約1.0ミリメートルである、請求項14または15に記載のeベイピング装置。
【請求項17】
前記複数のオリフィスの平均直径が約0.3ミリメートル〜約0.8ミリメートルである、請求項1〜16のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項18】
前記貯蔵部が実質的に長方形の断面を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項19】
前記貯蔵部が実質的に楕円形の断面を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項20】
前記貯蔵部が実質的に三角形の断面を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態は概して、プレベイパー製剤送達方法およびシステム、ならびにベンチュリ効果に基づくプレベイパー製剤送達方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子ベイピング装置は、成人ベイパー吸引者がこの装置の一つ以上の出口を通してベイパー(蒸気)を吸う目的で、液体材料を気化するために使用される。これらの電子ベイピング装置は、eベイピング装置と呼ばれる場合がある。eベイピング装置は典型的に、電源セクションおよびカートリッジなど、幾つかのeベイピング要素を含む場合がある。電源セクションは電池を含み、またカートリッジはプレベイパー製剤または液体材料を保持する能力を有する貯蔵部とともにヒーターを含む。貯蔵部は、内側管または貯蔵部の一部分を中心として綿またはセルロースガーゼまたは他の繊維状材料が巻かれたものを含んでもよい。カートリッジは典型的に、芯を介してプレベイパー製剤と連通するヒーターを含み、ヒーターはベイパーを生成するために芯にてプレベイパー製剤を加熱するよう構成されている。プレベイパー製剤は典型的に、ベイパー形成体だけでなくある量のニコチンも含み、場合によっては水、酸、風味剤、および芳香剤のうちの少なくとも一つを含む。プレベイパー製剤は、ベイパーへと変形される場合がある材料または材料の組み合わせを含む。例えば、プレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、天然または人工風味、グリセリンおよびプロピレングリコールのうちの少なくとも一つなどのベイパー形成体、ならびにこれらの組み合わせ(ただしこれらに限定されない)を含む、液体製剤、固体製剤、またはゲル製剤のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
eベイピング装置の貯蔵部内に含まれるプレベイパー製剤は、成人ベイパー吸引者によってeベイピング装置の口側端インサートへとその動作中に駆動される。プレベイパー製剤が口側端インサートへと駆動される方法は、成人ベイパー吸引者に送達されるプレベイパー製剤の量だけでなく送達の量に影響を与え、これは結果的に成人ベイパー吸引者の体験に影響を与える。
【課題を解決するための手段】
【0004】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、ベンチュリ効果によって駆動されるシステムであって、eベイピング装置のプレベイパー製剤をeベイピング装置の動作中に、その口側端インサートに送達するシステムに関する。
【0005】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置は、口側端インサートと、口側端インサートに接続可能な貯蔵部と、内側貯蔵部を含む貯蔵部と、内側貯蔵部の表面に沿って配分されている複数のオリフィスと、貯蔵部に接続可能な電力部分とを含む。一部の例示的な実施形態において、内側貯蔵部は同心円状内側貯蔵部である。一部の例示的な実施形態において、複数のオリフィスは、内側貯蔵部の表面に沿って実質的に均一に配分されている。
【0006】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、複数のオリフィスは、複数のオリフィスの平均直径の約1.5倍〜約2倍の間隙を介している。例えば、複数のオリフィスの平均直径は、約0.3ミリメートル〜約0.8ミリメートルであり、また内側貯蔵部の壁の平均厚さは約0.1ミリメートル〜約0.4ミリメートルである。
【0007】
一部の例示的な実施形態において、内側貯蔵部はeベイピング装置の長軸方向に実質的に平行な方向で狭い通路および少なくとも一つのより広い通路を画定する。例えば、内側貯蔵部は、eベイピング装置の長軸方向に実質的に平行な方向で二つのより広い通路の間に狭い通路を画定する。一部の例示的な実施形態において、狭い通路の幅は約0.5ミリメートル〜約1.0ミリメートルであり、また複数のオリフィスの平均直径は約0.3ミリメートル〜約0.8ミリメートルである。
【0008】
一部の例示的な実施形態において、内側貯蔵部は実質的に円形の断面、実質的に長方形の断面、実質的に楕円形の断面、または実質的に三角形の断面を有してもよい。
【0009】
一部の例示的な実施形態において、口側端インサートはヒーターを含み、また一部分はある量のプレベイパー製剤をヒーターの上へと向けるように構成されている。この部分は同心円状であってもよく、またeベイピング装置の長軸方向に沿って延びてもよい。貯蔵部の表面(またはeベイピング装置の長軸方向の軸)と、この部分との間の角は、約30度〜約120度であってもよく、また例えば約90度であってもよい。
【0010】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置は、成人ベイパー吸引者が口側端インサートを吸う時間の長さと相関する量のプレベイパー製剤を送達する。例えば、成人ベイパー吸引者が口側端インサートを長く吸うほど、より多い量のプレベイパー製剤が貯蔵部から移動されて気化される。
【0011】
例示的な実施形態の上記およびその他の特徴および利点は、例示的な実施形態を添付の図面を参照しながら詳細に説明することによってさらに明らかとなる。添付の図面は、例示的な実施形態を描写することを意図したものであり、意図された特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。添付の図面は、明示的に注記されていない限り、実寸に比例して描かれていると考えられるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】
図2は、eベイピング装置の長軸方向の断面図である。
【
図3】
図3は、eベイピング装置の長軸方向の断面図である。
【
図4】
図4は、eベイピング装置の長軸方向の断面図である。
【
図5】
図5は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるeベイピング装置の長軸方向の断面図である。
【
図6(A)】
図6(A)は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるプレベイパー製剤用のベンチュリ効果に基づく貯蔵部の断面を図示する。
【
図6(B)】
図6(B)は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるプレベイパー製剤用のベンチュリ効果に基づく貯蔵部の断面を図示する。
【
図7】
図7は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるプレベイパー製剤用のベンチュリ効果に基づく貯蔵部の詳細な断面である。
【
図8(A)】
図8(A)は、例示的な実施形態によるプレベイパー製剤貯蔵部の断面である。
【
図8(B)】
図8(B)は、例示的な実施形態によるプレベイパー製剤貯蔵部の断面である。
【
図8(C)】
図8(C)は、例示的な実施形態によるプレベイパー製剤貯蔵部の断面である。
【
図8(D)】
図8(D)は、例示的な実施形態によるプレベイパー製剤貯蔵部の断面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
幾つかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型にすぎない。しかしながら、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0014】
それに応じて、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態の能力を有する一方で、その実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかし当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲の中に収まるあらゆる修正、均等物、代替物が網羅される。同様の数字は、図の説明の全体を通して同様の要素を指す。
【0015】
当然のことながら、要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接ある、それに直接的に接続される、それに直接的に連結される、またはそれを直接的に覆う場合があり、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に連結される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、本明細書の全体を通して同様の要素を指す。
【0016】
当然のことながら、第一の、第二の、第三のなどという用語は、様々な要素、領域、層、またはセクションを説明するために本明細書で使用されてもよく、これらの要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、一つの要素、領域、層、またはセクションを別の要素、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、下記で考察される第一の要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0017】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的関係の用語は、図に図示されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されていると理解されるべきである。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。従って、用語「下方に」は上方および下方の両方の方向を包含する場合がある。装置は、その他の方法で(90度回転して、または他の方向で)方向付けられる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0018】
本明細書で使用される用語は、様々な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。本明細書で使用される場合、単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、その内容が明らかにそうでないことを示していない限り、複数形も含むことが意図されている。本明細書で使用される時、「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は述べられた特徴、整数、工程、動作、または要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0019】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態の概略図(および中間構造)である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば製造技法または許容差の結果として得られた図の形状からの変化が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば製造に起因する形状の逸脱を含む。従って、図に図示された領域は、本質的に概略的なものであり、それらの形状は、装置の領域の実際の形状を図示することを意図せず、例示的な実施形態の範囲を限定することを意図しない。
【0020】
その他の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0021】
本明細書において「約」または「実質的に」という用語を数値と組み合わせて使用する場合、それに伴う数値が、明示した数値の前後±10%の許容度を含むということを意図する。さらに、本明細書において百分率に言及する場合、それら百分率は重さ、すなわち重量百分率に基づくことが意図される。「最大〜まで」という表現は、ゼロから、その表現した上限までの量およびその間にあるすべての値を含む。範囲を明記する場合、範囲はその範囲に収まるすべての値(例えば0.1%ずつに異なる値)を含む。その上、「一般に」および「実質的に」という単語が幾何学的形状に関連して使用される時、その幾何学的形状の正確さは要求されず、形状の許容範囲が本開示の範囲内であることが意図される。実施形態の管状要素は円筒状であってもよいが、正方形、長方形、楕円形、三角形、およびその他などの、その他の管状の断面形態も意図される。
【0022】
本明細書で使用される場合、「ベイパー形成体」という用語は、使用時に蒸気の形成を促進し、かつベイパー発生装置の動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を説明する。適切なベイパー形成体は、プロピレングリコールなどの多価アルコール類の様々な組成物から成る。少なくとも一つの実施形態において、ベイパー形成体はプロピレングリコールである。
【0023】
図1は、例示的な実施形態による、eベイピング装置または「紙巻たばこ様(cigalike)」装置60の側面図である。
図1では、eベイピング装置60は、ねじ継手74にて、または滑り嵌め、スナップ嵌め、戻り止め、クランプ、留め金、もしくはこれに類するもののうちの少なくとも一つなどの他の接続構造によって共に連結された、第一のセクションまたはカートリッジ70および第二のセクション72を含む。少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のセクションまたはカートリッジ70は、交換可能なカートリッジであってもよく、また第二のセクション72は再使用可能なセクションであってもよい。別の方法として、第一のセクションまたはカートリッジ70および第二のセクション72は、一つの部品として一体的に形成されてもよい。少なくとも一つの実施形態において、第二のセクション72は、その遠位端28にLEDを含む。
【0024】
図2は、eベイピング装置の例示的な実施形態の断面図である。
図2に示す通り、第一のセクションまたはカートリッジ70は、口側端インサート20、毛細管18、および貯蔵部14を収容することができる。
【0025】
一部の例示的な実施形態において、貯蔵部14は、内側管(図示せず)を中心としてガーゼを巻いたものであってもよい。貯蔵部14は、外側のガーゼを巻いたものを含んでもよく、これは同一の材料または異なる材料の内側のガーゼを巻いたものを包囲する。少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部14は、まとめられていない粒子、まとめられていない繊維、または織られた繊維もしくは不織繊維の形態のアルミナセラミックで構築されてもよく、または別の方法として貯蔵部14は、まとめられていない繊維の束の形態のセルロース系材料(綿もしくはガーゼ材料など)または高分子材料(ポリエチレンテレフタラートなど)で構築されてもよい。貯蔵部14のより詳細な記述を下記に提供する。
【0026】
第二のセクション72は、電源12と、電源12を制御するように構成された制御回路11と、吸煙センサー16とを収容することができる。吸煙センサーは、成人ベイパー吸引者がeベイピング装置60で吸煙する時に感知するように構成されており、これは制御回路11を介して電源12の動作を引き起こし、貯蔵部14内に収容されているプレベイパー製剤を加熱してベイパーを形成する。第二のセクション72のねじ部分74は、第一のセクションまたはカートリッジ70に接続されていない時に、電池充電器に接続して電池または電源セクション12を充電することができる。
【0027】
一部の例示的な実施形態において、毛細管18は導電性材料で形成され、または導電性材料を含み、従って管を通して電流を流すことによって管自体がヒーターとして作用する。毛細管18は、毛細管18が経験する動作温度で必要な構造的完全性を保持しながらも抵抗加熱する能力を有し、かつプレベイパー製剤とは反応しない任意の導電性材料であってもよい。毛細管18を形成するために適切な材料は、ステンレス鋼、銅、銅合金、フィルム抵抗性材料で被覆された多孔性セラミック材料、ニッケル・クロム合金、およびこれらの組み合わせのうちの一つ以上である。例えば、毛細管18はステンレス鋼毛細管18であり、毛細管18の長さに沿った直流電流または交流電流の通過のためにこれらに取り付けられる導線26を介してヒーターとして機能する。従って、ステンレス鋼毛細管18は、抵抗加熱によって加熱される。別の方法として、毛細管18は、例えばガラス管などの非金属管でもよい。こうした実施形態において、毛細管18は、例えばガラス管に沿って配置されたステンレス鋼線、ニクロム線、または白金線などの、抵抗加熱可能な導電性材料で形成されるか、これを含む。ガラス管に沿って配置されたヒーターが加熱されると、毛細管18内のプレベイパー製剤は、毛細管18内のプレベイパー製剤を少なくとも部分的に揮発させるのに十分な温度まで加熱される。
【0028】
少なくとも一つの実施形態において、少なくとも2本の導線26が金属毛細管18に結合される。少なくとも一つの実施形態において、1本の導線26は毛細管18の第一の上流部分101に連結され、また第二の導線26は毛細管18の下流の端部分102に連結される。
【0029】
動作時、成人ベイパー吸引者がeベイピング装置で吸煙する時、吸煙センサー16は成人ベイパー吸引者の吸煙によって生じた圧力勾配を検出し、制御回路11は毛細管18に電力を提供することによって、貯蔵部14内に位置するプレベイパー製剤を加熱する。毛細管18が加熱されると、毛細管18の加熱された部分の中に含まれるプレベイパー製剤が揮発されて出口63の外へと放出され、ここでプレベイパー製剤は拡張し、かつ空気と混合し、混合チャンバー240内でベイパーを形成する。
【0030】
図2に示す通り、貯蔵部14は貯蔵部14の中にプレベイパー製剤を維持し、また貯蔵部14が圧迫されて、貯蔵部へと圧力が印加された時に開放するように構成された弁40を含み、その結果、貯蔵部14は貯蔵部14の出口62を通してプレベイパー製剤を毛細管18に押し出す。少なくとも一つの実施形態において、臨界の最小圧力に達した時に弁40が開き、プレベイパー製剤が貯蔵部14から不注意に分与されることが回避される。少なくとも一つの実施形態において、圧力スイッチ44を押すのに必要な圧力は、偶発的な加熱を回避するように十分に高い。
【0031】
例示的な実施形態の電源12は、eベイピング装置60の第二のセクション72内に配置された電池を含むことができる。電源12は、電圧を印加して貯蔵部14内に収容されたプレベイパー製剤を揮発するように構成されている。
【0032】
少なくとも一つの実施形態において、毛細管18と導線26の間の電気接点または電気接続は、実質的に導電性かつ温度抵抗性であり、一方で毛細管18は実質的に電気抵抗性であるので、発熱は主に接点で生じるのではなく、毛細管18に沿って生じる。
【0033】
電源セクションまたは電池12は再充電可能であってもよく、外部充電装置による電池の充電を可能にする回路を含んでもよい。この場合、回路は、充電される時に、所定の吸煙回数分の電力を提供し、その後、回路を外部充電装置に再接続する必要があるようにしてもよい。
【0034】
少なくとも一つの実施形態において、eベイピング装置60は、プリント基板11上に搭載することができる制御回路を含んでもよい。制御回路11は、装置が起動された時に発光するように構成されたヒーター作動灯27も含んでもよい。少なくとも一つの実施形態において、ヒーター作動灯27は、少なくとも一つのLEDを備え、eベイピング装置60の遠位端28にあって、ヒーター作動灯27が吸煙中に燃焼する石炭の外観をしたキャップを照らすようにする。さらに、ヒーター作動灯27は、成人ベイパー吸引者に見えるように構成されうる。灯27はまた、所望する場合に灯27がベイピング中に点灯しないように、成人ベイパー吸引者が所望する時に灯27を点灯する、消灯する、または点灯および消灯の両方を行うことができるように構成されてもよい。
【0035】
少なくとも一つの実施形態において、eベイピング装置60は、軸から離れた少なくとも二つの分岐出口21を有する口側端インサート20をさらに含む。少なくとも一つの実施形態において、口側端インサート20は、少なくとも二つの分岐する出口21(例えば、3〜8個以上の出口)を含む。少なくとも一つの実施形態において、口側端インサート20の出口21は、軸から離れた通路23の端に位置し、eベイピング装置60の長軸方向に対して外向きの角度を有する(すなわち、分岐状)。本明細書で使用される「軸から離れた」という用語は、eベイピング装置の長軸方向に対してある角度を有することを意味する。また、口側端インサート(または流れガイド)20は、使用中にベイパーを成人ベイパー吸引者の口に実質的に均一に分配するように、口側端インサート20の周りに均一に分布された出口を含んでもよい。
【0036】
少なくとも一つの実施形態において、eベイピング装置60は、たばこ由来の製品とほぼ同じサイズである。一部の実施形態において、eベイピング装置60は、約80ミリメートル〜約110ミリメートルの長さ、例えば約80ミリメートル〜約100ミリメートルの長さおよび約7ミリメートル〜約10ミリメートルの直径としうる。
【0037】
eベイピング装置60の外側円筒形ハウジング22は、任意の適切な材料または複数の材料の組み合わせから形成されるか、これを含んでもよい。少なくとも一つの実施形態において、外側円筒形ハウジング22は、少なくとも部分的に金属で形成され、制御回路11と、電源12と、吸煙センサー16とを接続する電気回路の一部である。
【0038】
図2に示す通り、eベイピング装置60はまた、プレベイパー製剤貯蔵部14および毛細管18を収容することができる中間セクション(第三のセクション)73を含むことができる。中間セクション73は、第一のセクションまたはカートリッジ70の上流端でねじ継手74’、および第二のセクション72の下流端でねじ継手74に嵌合されるように構成されることができる。この例示的な実施形態において、第一のセクションまたはカートリッジ70は口側端インサート20を収容し、一方で第二のセクション72は電源12と、電源12を制御するように構成された制御回路11とを収容する。
【0039】
図3は、例示的な実施形態によるeベイピング装置の断面図である。少なくとも一つの実施形態において、毛細管18をクリーニングする必要性を回避するように、第一のセクションまたはカートリッジ70は交換可能である。少なくとも一つの実施形態において、第一のセクションまたはカートリッジ70と、第二のセクション72とを、ねじ接続なしで一体として形成されて、使い捨て可能なeベイピング装置を形成してもよい。
【0040】
図3に示す通り、他の例示的な実施形態において、弁40は二方弁とすることができ、貯蔵部14は加圧することができる。例えば、貯蔵部14は、貯蔵部14に一定の圧力を印加するように構成された加圧機構405を用いて加圧することができる。そのため、貯蔵部14内に収容されているプレベイパー製剤の加熱によって形成されたベイパーの放出が促進される。貯蔵部14に対する圧力が軽減されると弁40は閉じ、加熱された毛細管18は、弁40の下流に残留しているプレベイパー製剤があれば排出する。
【0041】
図4は、eベイピング装置の別の例示的な実施形態の長軸方向の断面図である。
図4では、eベイピング装置60は、上流シール15内に中央空気通路24を含むことができる。中央空気通路24は内側管65に対して開く。さらに、eベイピング装置60は、プレベイパー製剤を貯蔵するよう構成された貯蔵部14を含む。貯蔵部14は、プレベイパー製剤と、随意に貯蔵媒体25(中にプレベイパー製剤を貯蔵するように構成されたガーゼなど)とを含む。一実施形態において、貯蔵部14は外側管6と内側管65の間の外側環状部の中に収容されている。貯蔵部14からのプレベイパー製剤の漏れを防止するために、環状部は上流端でシール15によって密封され、下流端でストッパー10によって密封されている。ヒーターが起動された時、芯220の中央部分内のプレベイパー製剤が気化されてベイパーを形成するように、ヒーター19は芯220の中央部分を少なくとも部分的に包囲する。ヒーター19は、間隙を介した2本の導線26によって電池12に接続されている。eベイピング装置60は、少なくとも2つの出口21を有する口側端インサート20をさらに含む。口側端インサート20は、内側管65の内部と、ストッパー10を通して延びる中央通路64とを介して中央空気通路24と流体連通している。
【0042】
eベイピング装置60は、シール15内の中央空気通路24の下流端82で不浸透性プラグ30を備える気流ダイバーターを含んでもよい。中央空気通路24は、外側管6と内側管65の間の環状部の上流端を密封するシール15内で軸方向に延びる中央通路であることが好ましい。半径方向空気チャネル32は、中央通路20から内側管65に向かって外側に空気を方向付ける。動作時、成人ベイパー吸引者がeベイピング装置を吸煙する時、吸煙センサー16は、成人ベイパー吸引者の吸煙によって生じた圧力勾配を検出し、制御回路11はヒーター19に電力を提供することによって、貯蔵部14内に位置するプレベイパー製剤を加熱する。
【0043】
図5は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるeベイピング装置の長軸方向の断面図である。
図5では、eベイピング装置500は、電源(例えば電池など(図示せず))を含む電力部分510と、気化部分520と、口側端インサート550とを含む。気化部分または貯蔵部570において、プレベイパー製剤560は貯蔵部570内に収容されている。一部の例示的な実施形態において、貯蔵部570は、軸方向通路580を包囲するように同心円状に構成されてもよく、軸方向通路580は、eベイピング装置500の長軸方向または軸内で、電池部分510とヒーター540を含むeベイピング装置500の加熱部分との間にある。軸方向通路580を包囲する貯蔵部570の内部表面は、eベイピング装置500の軸に沿った通路580の実質的な長さに沿って複数のオリフィス530を含む。
【0044】
動作時に、eベイピング装置の動作中に成人ベイパー吸引者によって陰圧が作り出された時、例えば成人ベイパー吸引者が口側端インサート550を通して吸う時、陰圧によって口側端インサート550に向かって少量のプレベイパー製剤560(例えば、小さい液滴)が引き出される。一部の例示的な実施形態において、通路580の直径が十分に小さいので、成人ベイパー吸引者の吸い込む動作によってベンチュリ効果を介して作り出された圧力は、プレベイパー製剤560の液滴を貯蔵部570からオリフィス530を通して抽出し、通路580を通して口側端インサート550に移動するようなものである。貯蔵部570と口側端インサート550の間に位置するヒーター540は液滴を加熱し、口側端インサート550を経由してeベイピング装置500の外へ放出されるベイパーを発生する。
【0045】
一部の例示的な実施形態において、オリフィス530は貯蔵部570の内部表面で密に配分されてもよい。例えば、オリフィス530はオリフィス530の平均直径の約1.5倍〜約2倍の間隙を介してもよい。オリフィス530の平均直径は典型的に、プレベイパー製剤560の粘度に依存し、例えば約0.3ミリメートル〜約0.8ミリメートルの範囲内、また例えば、0.35ミリメートル、0.40ミリメートル、0.45ミリメートル、0.50ミリメートル、0.55ミリメートル、0.60ミリメートル、0.65ミリメートル、0.70ミリメートル、および0.75ミリメートルであってもよい。典型的には、プレベイパー製剤がより粘稠なほど、オリフィスはより大きいべきである。例えば、貯蔵部570の第一の部分は一つの粘度を有する液体を収容し、かつ貯蔵部570の第二の部分は異なる粘度を有する液体を収容する場合において、貯蔵部570の第一の部分および第二の部分のオリフィス530は異なるサイズを有して、貯蔵部570の両方部分の中の液体の間の粘度の差異を調整してもよい。
【0046】
一部の例示的な実施形態において、通路580に隣接する貯蔵部570の内部表面での壁の厚さは、約0.1ミリメートル〜約0.4ミリメートルである。典型的には、貯蔵部壁が薄いと、オリフィス530を通して貯蔵部570の内側から貯蔵部570の外側にプレベイパー製剤560を移動する時に、移動距離がより短いので、プレベイパー製剤560の空気通路580へのより良好な伝達を提供する。
【0047】
一部の例示的な実施形態において、ヒーター540はリード線545を経由して電力セクション510内に含まれる電池(図示せず)に接続されてもよい。ヒーターは、例えばコイルヒーター、フラットヒーター、またはメッシュヒーターであってもよい。
【0048】
様々な例示的な実施形態によると、方向付け部分または漏斗状部分525は、貯蔵部570とヒーター540の間に提供されてもよく、方向付け部分525はプレベイパー製剤をヒーター540上へと向けるように構成されている。例えば、方向付け部分525は漏斗のような部分であってもよい。一部の例示的な実施形態において、方向付け部分525は同心円状であってもよく、またeベイピング装置500の長軸方向に延びてもよい。
図5では部分525は貯蔵部570の表面に対して実質的に直角を成して図示されているが、部分525は貯蔵部570の表面に対して角度を有してもよい。例えば、貯蔵部570の表面と部分525の間の角αは、約30度〜120度であってもよい。
図5では、角αは約90度であるように図示されている。
【0049】
図6(A)〜
図6(B)は、少なくとも一つの例示的な実施形態による、ベンチュリ効果に基づくプレベイパー製剤用の貯蔵部の断面、および結果としてもたらされる空気圧力プロファイルを図示する。
図6(A)では、貯蔵部570は、通路580の一部分でより狭い通路585を画定し、このより狭い通路585は、ベンチュリ効果に起因して、成人ベイパー吸引者によるeベイピング装置の動作中に十分な量のプレベイパー製剤560を貯蔵部570から口側端インサート(図示せず)にオリフィス530を経由して移動するために十分大きい陰圧を提供するのに十分に狭い。貯蔵部570は、eベイピング装置の長軸方向において、狭い通路585の各々の側にテーパー付きまたは漏斗のような、最も狭い通路585から最も広い通路580に延びる内側表面を有してもよい。通路585の狭い幅に起因して(これはその場所でベンチュリ効果に起因してより高い陰圧を作り出す)、プレベイパー製剤の液滴は、eベイピング装置の長軸方向において口側端インサート(図示せず)に向かって貯蔵部570の外側に、より効率的に移動される。その後、抽出された液滴は、eベイピング装置の動作中に成人eベイパー吸引者によって受け入れられる前に、加熱および気化される。
【0050】
図6(B)は、通路580に沿った圧力プロファイルを図示する。具体的に、
図6(B)は、ベンチュリ効果に起因して、最も狭い通路585で最も大きい陰圧が生じることを示す。最も狭い通路585から離れると圧力は通路580が広くなるのと相関して増加するが、成人ベイパー吸引者によるeベイピング装置の継続使用に起因して陰圧のままである。通路585および580に沿った圧力は確実に陰圧なので、プレベイパー製剤560の液滴は、通路585および580を経由して貯蔵部570から口側端インサート(図示せず)に移動される。
【0051】
図7は、少なくとも一つの例示的な実施形態による、プレベイパー製剤用のベンチュリ効果に基づく貯蔵部の詳細な断面である。
図7では、プレベイパー製剤560を含む貯蔵部570は、eベイピング装置の長軸方向軸に沿った狭い通路585を含む。貯蔵部570の内表面は、少なくとも一つのオリフィス530を含み、また通路585の平均直径は「D」である。一部の例示的な実施形態において、通路585の直径「D」は、約0.5ミリメートル〜約1.0ミリメートルの範囲内であってもよい。一部の例示的な実施形態において、オリフィス530の直径「d」は、約0.3ミリメートル〜約0.8ミリメートルの範囲内であってもよい。
【0052】
図8(A)〜
図8(D)は、例示的な実施形態によるプレベイパー製剤貯蔵部の断面を図示する。
図8(A)〜
図8(D)は、異なる断面形状を有する貯蔵部570を図示する。例えば、
図8(A)は、eベイピング装置の長軸方向軸の周囲に実質的に円形断面を有する内部表面を有する貯蔵部570を図示する。貯蔵部570はプレベイパー製剤560と、その内部表面で複数のオリフィス530とを含む。
図8(B)では、貯蔵部570の断面は実質的に長方形である。
図8(C)は実質的に楕円形の断面を図示し、また
図8(D)は実質的に三角形断面を図示する。
図8(A)〜
図8(D)には特定の断面が図示されているが、例示的な実施形態による貯蔵部570は他の断面形状を含んでもよい。
【0053】
例示的な実施形態が説明されているため、これらは多くの方法で変化しうることが明らかであろう。こうした変化は、例示的な実施形態の意図される範囲を逸脱するものと見なされず、当業者にとって明らかであろうすべての修正は、以下の請求項の範囲内に含まれることが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2019年2月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
eベイピング装置であって、
口側端インサートと、
前記口側端インサートに接続可能であり、かつプレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部であって、前記eベイピング装置の長軸方向軸に沿った中空部分を含む貯蔵部と、
前記貯蔵部と前記口側端インサートとの間に位置するヒーターと、
ある量のプレベイパー製剤を前記ヒーターの上へと向けるように構成された漏斗状部分であって、前記eベイピング装置の長軸方向で前記貯蔵部の表面から離れるように延びる漏斗状部分と、
前記貯蔵部の内部表面に沿って配分されている複数のオリフィスと、
前記貯蔵部に接続可能な電力部分と、を備える、eベイピング装置。
【請求項2】
前記ヒーターが前記eベイピング装置の長軸方向軸に沿って位置する、請求項1に記載のeベイピング装置。
【請求項3】
前記漏斗状部分が実質的に同心円状である、請求項1〜2のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項4】
前記貯蔵部の前記表面と前記漏斗状部分の間の角が約30度〜約120度である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項5】
前記貯蔵部の前記表面と前記漏斗状部分の間の前記角が約90度である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項6】
前記貯蔵部が同心円状の貯蔵部である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項7】
前記複数のオリフィスが、前記貯蔵部の前記内部表面に沿って実質的に均一に配分されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項8】
前記複数のオリフィスが前記複数のオリフィスの平均直径の約1.5倍〜約2倍の間隙を介している、請求項1〜7のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項9】
前記複数のオリフィスの平均直径が約0.3ミリメートル〜約0.8ミリメートルである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項10】
前記貯蔵部の壁の平均厚さが約0.1ミリメートル〜約0.4ミリメートルである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項11】
前記貯蔵部が、前記eベイピング装置の軸方向で狭い通路および少なくとも一つのより広い通路を画定する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項12】
前記貯蔵部が前記eベイピング装置の前記軸方向で二つのより広い通路の間に前記狭い通路を画定する、請求項11に記載のeベイピング装置。
【請求項13】
前記狭い通路の幅が約0.5ミリメートル〜約1.0ミリメートルである、請求項11または12に記載のeベイピング装置。
【請求項14】
前記貯蔵部が実質的に長方形の断面を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項15】
前記貯蔵部が実質的に楕円形の断面を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【請求項16】
前記貯蔵部が実質的に三角形の断面を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のeベイピング装置。
【国際調査報告】