(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-531890(P2019-531890A)
(43)【公表日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】流体システムの恒常的なオンライン水質及び安全性監視用システム及び方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/00 20060101AFI20191011BHJP
E03B 1/00 20060101ALI20191011BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20191011BHJP
【FI】
C02F1/00 T
C02F1/00 V
E03B1/00 A
G06N20/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2019-517962(P2019-517962)
(86)(22)【出願日】2017年10月1日
(85)【翻訳文提出日】2019年5月27日
(86)【国際出願番号】IL2017051111
(87)【国際公開番号】WO2018061015
(87)【国際公開日】20180405
(31)【優先権主張番号】62/401,218
(32)【優先日】2016年9月29日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519110825
【氏名又は名称】サイワット テクノロジーズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CYWAT TECHNOLOGIES LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(74)【代理人】
【識別番号】100181582
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 直斗
(72)【発明者】
【氏名】フライシュマン,デイビッド
(57)【要約】
給水ネットワークの水質を監視する方法は、給水ネットワークに沿った所定位置に複数のセンサユニットを設けることと、給水ネットワーク内の水をセンサユニットを用いて監視して、検出されたセンサ値を受信することと、複数のセンサユニットからコンピュータサーバへリアルタイムで検出されたセンサ値を伝達することと、センサユニット間を移動する水の品質の変化を検出するため、コンピュータサーバでセンサ値を解析することと、コンピュータサーバから地理情報システム(GIS)ユーザインタフェース又はグラフィックユーザインタフェース(GUI)へリアルタイムデータを出力することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水ネットワーク内の水質の監視方法であって、
前記給水ネットワークに沿った所定位置に複数のセンサユニットを設けることと、
前記給水ネットワーク内の水を前記センサユニットを用いて監視し、検出されたセンサ値を受信することと、
各種パラメータに関して前記検出されたセンサ値に基づき、水プロファイルを検出することと、
前記複数のセンサユニットからコンピュータサーバへリアルタイムで前記検出されたセンサ値を伝達することと、
前記センサユニット間を移動する水の品質の変化を検出するため、前記コンピュータサーバで前記センサ値を解析することと、
前記コンピュータサーバから地理情報システム(GIS)ユーザインタフェース又はグラフィックユーザインタフェース(GUI)へリアルタイムデータを出力することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記コンピュータサーバが、格納リポジトリに前記検出されたセンサ値を記録し、前記複数のセンサユニットのそれぞれからのセンサ値と、前記リポジトリに格納された同じセンサユニットの記録値とを比較する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンピュータサーバが、連続配置されたセンサユニットから伝達されたセンサ値を比較し、前記連続配置されたセンサユニットのうちの一又は複数で、前記連続配置された他のセンサユニットと主センサに対して局所的異常が判定されたときに、前記GISユーザインタフェースにアラートを送信し、前記異常が、前記連続配置されたセンサユニット間の水の伝搬に基づく前記センサ値の予測変化からの逸脱である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コンピュータサーバが、伝達されたセンサ値と所定のセンサ値パラメータとを比較する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記伝達されたセンサ値が前記パラメータ外であるとき、前記GIS又はGUIにアラートを送信することを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記サーバコンピュータが、前記アラートが誤りであるとき、前記パラメータを調節するように学習する、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のセンサユニットが、主ユニット及び副ユニットを備え、前記所定のセンサ値パラメータが、前記主センサユニットで検出されたセンサ値に応じて較正される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記センサユニットが、受動センサのみ又は受動及び能動センサを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記出力することが、位置を含む異常又は不調の通知を送信することを含み、前記異常又は不調が、前記検出された水プロファイルに関する前記センサ値からの逸脱に基づき判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記位置からの水の分散速度に基づき、被害領域を算出することと、
以下のうち少なくとも1つを更に含む、請求項9に記載の方法。
前記被害領域の表示を含むアラートを送信することと、
水流速度を検出又は算出し、前記異常がどの程度まで拡がったかを算出又は推定することによって、前記被害領域を自動的に隔離し、封鎖することと、
給水ネットワーク管理者に命令を送信することと、
前記被害領域内の水に自動浄化プロセスを施すことと、
前記給水ネットワークから前記被害領域内の水を排出することと、
を実行すること
【請求項11】
前記複数のセンサユニットが、主ユニット及び副ユニットを含み、前記主ユニットが、前記副ユニットに対して処理水源に最も近接して配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記コンピュータサーバが、副ユニットから伝達されたセンサ値と、前記主ユニットから伝達されたセンサ値とを比較する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コンピュータサーバが、副ユニットから伝達されたセンサ値と、
以下の少なくとも1つを比較する、請求項11に記載の方法。
同じ支流内の他の前記副ユニットから伝達されたセンサ値、
前記主ユニットから伝達されたセンサ値、及び
近傍の支流内の前記並列副ユニットから伝達されたセンサ値
【請求項14】
前記コンピュータサーバが、汚染シグネチャのデータベースを更に含み、前記汚染シグネチャのうちの1つを検出する結果、アラートが前記GIS又はGUIに送信される、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記汚染シグネチャが、遊離塩素、PH、濁度、及び伝導度のうちの少なくとも2つのパラメータ間の相対値に基づく、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記汚染シグネチャが、遊離塩素値、PH値、濁度値、及び伝導度値のうちの少なくとも1つの所定の値に基づく、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記汚染シグネチャが、時間の経過と共に検出可能であり、前記記録された値が解析され、前記汚染シグネチャと比較され、前記検出が、突合せの結果又は今後の突合せの予測である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記汚染シグネチャが、一又は複数の水プロファイルに固有であり、前記プロファイルがそれぞれ異なる水源からの水に関連する、請求項15及び16に記載の方法。
【請求項19】
前記リポジトリに格納された前記センサ値の解析が、時間の経過に伴う給水管の劣化を検出する、請求項2に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の副ユニットのうちの1つが、各接合点に配置される、又は前記給水ネットワークに沿って送水管内で分配される、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
給水ネットワーク用監視システムであって、
前記給水ネットワークの水源からの出口に配置される主センサユニットと、
前記給水ネットワーク内に連続配置された複数の副ユニットと、
前記主センサユニット及び前記複数の副ユニットと電子的に通信する処理施設であって、前記主ユニット及び副ユニットから伝達されたセンサ値を受信するように構成され、プロセッサと非一時的メモリとを備え、
前記非一時的メモリが、前記プロセッサに対して、
前記副ユニットのそれぞれから受信したセンサ値と、前記主センサユニットから受信したセンサ値とを比較し、
前記副ユニットのそれぞれから受信したセンサ値と、前記残りのいずれかの副ユニットから受信したセンサ値とを比較し、
地理情報システム(GIS)又はグラフィックユーザインタフェース(GUI)に表示されるように集合セット値を伝達して、前記GIS又はGUIが前記受信したセンサ値の視覚的特徴を表示する、ように指示するコンピュータ読取り可能命令を格納した処理施設と、
を備えるシステム。
【請求項22】
前記プロセッサに対して、
前記受信したセンサ値をリポジトリに格納し、
主センサユニット又は所与の前記副ユニットから受信したセンサ値と、同じ前記ユニットに関して前記リポジトリに格納されたセンサ値とを比較し、
前記比較によって特定された異常パターンを通知する、
ように更に指示される、請求項21に記載の監視システム。
【請求項23】
前記主ユニットが物理的に較正され、前記副ユニットが、前記主ユニットを基準として用いて論理的に較正される、請求項7に記載の方法。
【請求項24】
前記主ユニットが、既知の基準サンプルに対して論理的に較正され、前記副ユニットが、前記較正された主ユニットを基準として用いて論理的に較正される、請求項7に記載の方法。
【請求項25】
前記センサ値が、前記検出された水プロファイルのセンサ値と比較される、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記センサユニット間を移動する際の前記水プロファイルの変化を検出するため、前記センサ値が、前記サーバコンピュータで受信され解析される、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記水プロファイルが、前記センサ間の水の予測される変化を含む、請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、品質及び安全性に関して水又はその他の流体源を監視するためのプラットフォーム及びシステムに関し、特に、現場ユニットから監視データを受信し、監視データを相互参照して、人工知能(AI)ソフトウェア及びアルゴリズムを用いてデータ解析を実行するオンラインのリアルタイムクラウドベースのシステムに関する。システムは水源を特定し、監視ユニットが、給水システム又はその他の流体システム全体にわたって分布される。
【背景技術】
【0002】
国及び地方の上水道などの重要なインフラ資源で発生する、生物剤若しくは化学薬品などの有害な薬剤の侵入又はその他の事象は、意図的でない場合でも大惨事をもたらす事象となり得る。
【0003】
水は国力と、生命と成長の源を構成する。それと同時に、敵対要素と衛生関連事象によって、水源には深刻な障害と重大な損傷が生じ得る。
【0004】
近年、全世界で発生した事象に鑑み、各種治安機関は、可能な限り最大限のダメージを及ぼすために、テログループが住民独自のインフラシステム及び生活様式を利用して、人口密集地域における国家のインフラ設備をターゲットにして攻撃する可能性が高いという一致した結論に達した。
【0005】
残念ながら、世界中の給水インフラシステム−多数の分枝及び副分岐を備えた木のように見える配管網−は共通設計を有するため、有害な薬剤が水を媒介に辺境地や郊外の極めて遠隔の住宅までも拡散する可能性がある。また、全ての脅威がテロリストから発生するとは限らない。従業員の無能さや機器の誤作動が、意図的ではないものの、致命的な水汚染事象を招く可能性がある。
【0006】
更に、地震、竜巻、及び台風などの天災、並びに採掘又は掘削中に発生する無作為の作業事故は、例えば、飲料水を含む送水管を損傷させることがある。このような損傷は、細菌や汚染物質を給水システムに浸透させて、疾病を広く拡散させる恐れがある。
【0007】
今日、都市の監視システムは、驚くべきことに、都市全体で限られた数の位置で実施される手動試験を利用しており、住民10000人の町では、1週間に1回、6又は7個の水質検査用水サンプルしかランダムに採取されない。その結果は、24〜48時間後でしか受け取れない。
【0008】
都市全体の水質を監視するシステムを導入することは、実際には、人手の制約、低整備機能、及び現行システムのコストのせいで達成不能な目標である。したがって、狭い地域ではほとんど実行されず、大きな国営機関しか大型の水質監視ステーションを運営及び維持することができない。
【0009】
現在の監視システムの設備は、不良かつ不確かな画像を描出する。機器は非常に大規模で高額であり、システムは不安定で、運転と定期的整備を実行するために熟練した人員を必要とし、いずれもコストがかかる。システムは定期的に較正し、大量に高価な化学薬品を使用する必要がある。
【0010】
更に、チェック対象の値の1つである遊離塩素の監視方法は2つあり、どちらも問題を抱えている。一方の方法は、高額な試薬を水に導入する比色分析である。この水は、試験後に給水システムに再投入することができない。
【0011】
他方の方法は、電流測定法であり、標準的な設計の電流測定センサは、カソードにおける次亜塩素酸の化学還元によって生じる電流変化を測定する2つの電極(アノード及びカソード)から成る。この還元のために流れる電流は、塩素濃度に比例する。メンブレンと電解質が、反応の制御を助ける。正確な測定のため、流量及び圧力を注意深く制御しなければならない。この方法は、定期的使用中の大量の較正を含み、新たな水源毎に再較正される必要がある。今日、任意の所与の給水システム用の水源は、たびたび変更されており、この方法の欠点を更に悪化させている。
【0012】
近年、既存のシステムで実行される試験では、専門家らが行う整備が最小限であり、専門家が結果を解析する必要なく、安定した信頼性の高い水質関連データを送信できる簡易な低コストの解決策を求めている。これらの基準を満たすシステムは未だに見つかっていない。
【発明の概要】
【0013】
本革新的なプラットフォームは、上述したように専門家によって規定された基準を満たすように設計される。この革新的プラットフォームは、給水施設の保護のみを目的とした従来のセキュリティ手段から、送水管内の処理場と水そのものの両方の保護を目的とした手段へのパラダイムシフトを提供する。
【0014】
これは、1年にわたって、住民に供給される水の品質に関する継続的情報を取得することによって達成される。この本発明のプラットフォームの画期的な方法は、水に対して一種の「サイバー保護」又は「オンライン/リアルタイム保護」を提供する。
【0015】
本プラットフォームは、地方の送水管及び送水システムの全てを監視し、継続的情報を提供し、ほぼゼロの整備しか必要とせず、遠隔較正機能と学習AIシステムを有する。本プラットフォームは、ハイテクの安価で革新的なセンサ及び/又はマルチセンサモジュールを装備した小型ユニットを含む。該ユニットは、多数の水質パラメータを試験し、試験結果データを、現場で取得された情報を格納及び解析するクラウドサーバへ送信する。
【0016】
本発明者が開発した高度アルゴリズム及びデータマイニングシステムを使用することによって、このプラットフォームは、発生直後であっても、リアルタイムで最高の精度で脆弱性及び不調を特定し、不調の進展を予想することができる。
【0017】
GISソフトウェアを使用して、ウェブベースのユーザインタフェースとライブの動的配管網のオンラインディスプレイが生成される。インタフェース及びディスプレイにより、システム管理者は、全ての送水管内の水の品質をリアルタイムで認識し、水質において検出される欠陥又は不調に関して特定のアラートを設定することができる。ユーザ(整備員、アナリスト、管理者、監督者など)が出先又は現場で監視、追跡、通知やアラートの受信などを行うことができるクライアント側のアプリケーションも提供される。
【0018】
このプラットフォームは、遠隔較正及び整備方法を用いることによって、現行の監視システムの整備の問題に対処する独自の解決策も提供する。
【0019】
本発明によると、給水ネットワークの水の品質を監視する方法が提供され、該方法は、給水ネットワークに沿った所定位置に複数のセンサユニットを設けることと、給水ネットワーク内の水をセンサユニットを用いて監視して、検出されたセンサ値を受信することと、複数のセンサユニットからコンピュータサーバへリアルタイムで検出されたセンサ値を伝達することと、センサユニット間を移動する水の品質の変化を検出するため、コンピュータサーバでセンサ値を解析することと、コンピュータサーバから地理情報システム(GIS)ユーザインタフェース又はグラフィックユーザインタフェース(GUI)へリアルタイムデータを出力することと、を含む。
【0020】
後述の発明の好適な実施形態における別の特徴によると、コンピュータサーバは、格納リポジトリに検出されたセンサ値を格納し、複数のセンサユニットのそれぞれからのセンサ値と、リポジトリに記憶された同じセンサユニットの記録値とを比較する。
【0021】
記載される好適な実施形態における更に別の特徴によると、コンピュータサーバは、連続配置されたセンサユニットから伝達されたセンサ値同士を比較し、連続配置されたセンサユニットの一又は複数で、連続配置された他のセンサユニットに対する局所的異常が判定されたとき、GISユーザインタフェースにアラートを送信する。
【0022】
別の特徴によると、コンピュータサーバは、伝達されたセンサ値と、所定のセンサ値パラメータとを比較する。
【0023】
別の特徴によると、該方法は、伝達されたセンサ値がパラメータ外であるとき、GIS又はGUIにアラートを送信することを更に含む。
【0024】
別の特徴によると、サーバコンピュータは、アラートが誤りであるときにパラメータを調節するように学習する。
【0025】
別の特徴によると、複数のセンサユニットは、主ユニット及び副ユニットを備え、所定のセンサ値パラメータは、主センサユニットで検出されたセンサ値に従って較正される。
【0026】
別の特徴によると、センサユニットは、受動センサのみ又は受動センサ及び能動センサを備える。
【0027】
別の特徴によると、出力することは、異常又は不調とその位置の通知を送信することを含む。
【0028】
別の特徴によると、該方法は、上記位置から水の分散速度に基づき被害領域を算出すること、及び被害領域の表示を含むアラートを送信することと、被害領域を自動的に隔離することと、被害領域内の水に自動浄化プロセスを施すことと、給水ネットワークから被害領域の水を排出することと、のうち少なくとも1つを更に含む。
【0029】
別の特徴によると、複数のセンサユニットは主ユニット及び副ユニットを備え、主ユニットが、副ユニットに対して処理水源に最も近接して配置されている。
【0030】
別の特徴によると、コンピュータサーバは、副ユニットから伝達されたセンサ値と、主ユニットから伝達されたセンサ値とを比較する。
【0031】
別の特徴によると、コンピュータサーバは、副ユニットから伝達されたセンサ値と、同じ支流における他の副ユニットから伝達されたセンサ値、主ユニットから伝達されたセンサ値、及び近傍の支流における並列副ユニットから伝達されたセンサ値のうちの少なくとも1つとを比較する。
【0032】
別の特徴によると、コンピュータサーバは、汚染シグネチャのデータベースを更に含み、汚染シグネチャのうちの1つを検出する結果、アラートがGIS又はGUIに送信される。
【0033】
別の特徴によると、汚染シグネチャは、遊離塩素、PH、濁度、及び伝導度のパラメータ間の相対値に基づく。
【0034】
別の特徴によると、汚染シグネチャは、遊離塩素値、PH値、濁度値、及び伝導度値の少なくとも1つの所定値に基づく。
【0035】
別の特徴によると、汚染シグネチャは時間の経過と共に検出可能であり、記録された値は解析され、汚染シグネチャと比較され、検出は突合せの結果又は今後の突合せの予測である。
【0036】
別の特徴によると、汚染シグネチャは一又は複数の水プロファイルに固有であり、各プロファイルはそれぞれ、異なる水源からの水に関連する。
【0037】
別の特徴によると、リポジトリに格納されたセンサ値の解析が、時間の経過に伴う給水管の劣化を検出する。
【0038】
別の特徴によると、複数の副ユニットのうちの1つが、各接合点に配置される、又は給水ネットワークに沿って送水管内で分配される。
【0039】
別の実施形態によると、給水ネットワーク用の監視システムが提供され、該システムは、給水ネットワークの水源からの出口に配置された主センサユニットと、給水ネットワーク内に連続配置された複数の副ユニットと、主センサユニット及び複数の副ユニットと電子的に連絡する処理施設とを含み、処理施設は、主ユニット及び副ユニットから伝達されたセンサ値を受信するように構成され、処理施設は、プロセッサと非一時的メモリを備え、非一時的メモリは、プロセッサに対して、副ユニットのそれぞれから受信したセンサ値と主センサユニットから受信したセンサ値とを比較し、副ユニットのそれぞれから受信したセンサ値と残りのいずれかの副ユニットから受信したセンサ値とを比較し、地理情報システム(GIS)又はグラフィックユーザインタフェース(GUI)に表示されるように値の集合セットを伝達し、GIS又はGUIが受信したセンサ値の視覚的特徴を表示する、ように指示するコンピュータ読取り可能命令を格納する。
【0040】
別の特徴によると、プロセッサは、受信したセンサ値をリポジトリに格納し、主センサユニット又は所与の副ユニットから受信したセンサ値と、同じユニットに関してリポジトリに格納されたセンサ値とを比較し、異常パターンが比較によって特定されることを通知する、ように更に指示される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
各種実施形態を、添付図面を参照して、単に例示として本明細書で説明する。
【
図1】恒常的なオンライン流体安全及び品質監視用のシステム/プラットフォームを示す図である。
【
図2】ユニットとサーバコンピュータとの相互接続性を示す図である。
【
図3】検出された異常の視覚通知の一例を示す図である。
【
図5】局所領域において発生する異常のグラフィックディスプレイの一例を示す図である。
【
図6】システムの例示的グラフィックディスプレイを示す図である。
【
図7A】主ユニットと副ユニット間及び/又は副ユニット間の比較/相互参照を示す図である。
【
図7B】主ユニットと副ユニット間及び/又は副ユニット間の比較/相互参照を示す図である。
【
図8】給水ネットワーク内の水質を監視するための方法及びプロセスを示すフローチャートである。
【
図9】給水ネットワーク内の水質を監視するための方法及びプロセスの一実施形態を示すフローチャートである。
【
図10】給水ネットワーク内の水質を監視するための方法及びプロセスの一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明に係る流体システムの水質を監視するためのプラットフォーム、システム、及び方法の原理及び動作は、図面及びそれに伴う説明を参照してより適切に理解することができる。
【0043】
次に図面を参照すると、
図1は、恒常的なオンライン流体安全性及び品質監視用のシステム/プラットフォームを示す。プラットフォーム機能は、水源の認識、配管網及び送水管の分布全体に関するオンライン多重レベルバッファの相互参照及びデータ解析、リアルタイムの早期警告機能、早期段階予測機能(例えば、予備表示、履歴データとの相互参照などに基づく)、クラウドベースのサーバ(クラウドコンピューティング)を介したデータ解析、AIソフトウェア、及びアルゴリズムを用いる有害物質のリアルタイムの検出及び認知を含む。
【0044】
本発明は、以下の3つのコンポーネントを備えるプラットフォーム100を設けることによって、既知の構造の欠点に首尾よく対応する。
【0045】
1.多数の高度センサモジュール又はユニットは、軍事施設、村、市、国などの規定の地理的位置に広がっている。各センサユニットは、給水システム内の水及び/又はその他の流体の各種特徴を試験する検電及び/又は電気光学センサなどの多数のセンサを含む。これらのパラメータは、水又は流体の品質及び衛生の総体的表示を提供する。ユニットは給水システム内に設置される。
【0046】
システム毎に、主ユニット102及び副ユニット104が、給水ネットワーク全体にわたって配分される。主ユニットは、給水ネットワークにちょうど入るときの最適な衛生及び品質の水を監視するため、処理施設又は飲料水容器10(まとめて互換可能に「水源」と称される)からの出口近傍に配置される。副ユニットは、流体ネットワークを通じて設置される。副ユニットは好ましくは、給水管システムの各接合点に配置される。この構成により、システムは、できる限り完全に給水ネットワークをカバーし、受け入れることができる。
【0047】
2.サーバコンピュータ130(例えば、クラウドサーバ)は、センサユニットから受信した生データ(システムに沿った並列ユニット間の比較、直列ユニット間の比較、同じユニットに関する新たに受信したデータと格納/履歴データとの比較)を解析する。副ユニットで検出されたセンサ値と主ユニットで検出されたセンサ値間だけでなく、副ユニットで検出されたセンサ値間の相互参照によって、オペレータに対して給水ネットワーク全体における水の衛生と品質を正確にリアルタイム表示できる。
【0048】
3.給水システムの動的配管網(すなわち、システム内の水の衛生)をエンドユーザに対して示すためのディスプレイシステム(
図6を参照)。
【0049】
革新的なことに、配管網に設置されるセンサユニットは、(例えば、主ユニットを較正し、副ユニットと手動で較正される主ユニットとを自動的に同期させることによって)遠隔で較正することができる。更に革新的なことに、好適な実施形態では、監視行為の大半で、水又は流体を[永久的に]給水システムから排除する必要がない。システムから水サンプルを除去する必要がある監視行為の場合、全ての監視行為は、例えば、水の反応を引き起こさない電気光学/分光写真/分光センサに基づき受動的であるため、水は監視手順中に変化しない。このように、処理、解析、及び監視のために給水システムから除去される水サンプルは、その後、システムに戻すことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、化学的及び/又は電気化学的解析がシステムから抽出された水サンプルで実行された後、水サンプルは廃棄される。
【0050】
本発明に係る流体源及び/又はシステムを監視するためのプラットフォーム及びシステムの原理及び動作は、図面とそれに伴う説明を参照してより適切に理解することができる。
【0051】
水/流体システム(以下、単に「給水システム」と称するが、給水システムへのあらゆる言及は、燃料、ガス、蒸気、下水システムなどの他の流体システム、特に、飲料水を提供するための給水ネットワークに同等に適用されることは明らかである)は通常、中央ノード/チャネルが主チャネルから流出する支流を有する木構造にしたがって構築される。構成要素を接続する管は「分岐」と呼ばれる。子のないノードは、リーフノード、「終端ノード」、又は「リーフ」と呼ばれる。
【0052】
革新的なプラットフォームは、「親」(主ユニット)ノード及び「子」(副ユニット)ノードを有する同様の木構造に応じて給水システムに組み込まれる。複数のセンサユニットが、給水ネットワークに沿った所定位置に設けられる。したがって、主センサユニットは主給水接合点に位置し、多数の副ユニットが主接合点から延びる並列支流全体にわたって分布される。好適な実施形態では、副ユニットは各接合点に配置されるため、配管系の分岐の管毎に、管の入口に1ユニット、出口に1ユニット存在する。主ユニットは送水管の水源に据えられ、この地点では最も清浄であるべき水の組成を分析する。シナリオによっては、主ユニットは、水源ではなく、高品質の水を含むと予測される開始点である主接合点に配置される。本開示の目的のため、水源は、水がリポジトリで処理されたか、又は別の水源からリポジトリに管を介して送られたかにかかわらず、処理水のリポジトリとして定義される。
【0053】
主管に沿って、副ユニットは、主管から延びる各管に配備され、その地点での水の組成を監視する。これらの副管がより小さな管に分割されるとき、副ユニットが小管に配置される。論理的には、副ユニットは大容量管が小容量管に分割される各接合点に配置することができるが、実際的には、監視の解像度(すなわち、給水システム毎の副ユニットの数)は、予算及び/又は物流上の課題(管寸法、アクセスし易さなど)に左右される。
【0054】
各ユニットは、化学的反応物質又は反応性物質などを使用せずに流体を監視する一又は複数の電気光学/分光写真/分光センサを含む。センサは、いくつかのパラメータを確認する。例えば、分光センサ(例えば、分光計)は、物質(水内の分子)の反射又は透過特性の量的測定値を、波長の関数として提示する。代替的又は追加的実施形態では、センサユニットは化学反応物質及び試薬を含む。電気光学的及び/又は化学的センサは、旧式のシステムよりも小型化され、安価で信頼性が高く低整備のセンサユニットを提供する。給水ネットワーク内の水は、センサユニットを用いて監視されて、検出されたセンサ値を受信する。
【0055】
分子が様々な波長の光を反射又は透過させる具体的な方法として、特定の水塊を、他の水塊又は時間の経過に伴う同じ水塊と突き合わせることができる特定の「指紋」又は「DNA」を付与する。「指紋」、「DNA」、又は「水プロファイル」は、各種パラメータに関する検出センサ値から成る。実施形態では、当該技術において既知である水の追加パラメータ/特性の測定値が、センサによって取得される。実施形態では、領域内の各水源の水プロファイルが、システムデータベースに格納及び分類される。
【0056】
図2は、ユニットとサーバコンピュータとの相互接続性を示す図である。複数のセンサユニットから検出されたセンサ値は、リアルタイム又は略リアルタイムでサーバコンピュータに伝達される200。この目的で、各ユニットは通信要素を含む。通信要素は、有線通信媒体を介してサーバに接続されるが、通信要素は好ましくは無線通信要素(部分的又は全体的)であり、監視データをサーバ/クラウドサーバに送信する130。データは好ましくは、所定回数送信されて、全データが同時に定期的に送信される。ユニットの局所タイムクロックを定期的に同期させて、伝達されたセンサ値が、同期化されたタイムスタンプを確実に保持することが必要であろう。同期化は、主ユニット、又はクラウドサーバの所定タイムクロック、又は衛星(例えば、GPS)タイムクロックなどの第三者源に対して実行することができる。
【0057】
センサ値は、サーバコンピュータで受信され、センサユニット間を移動する水の品質の変化を検出するために解析される132。データは、各種パラメータをチェックするためにアルゴリズム及びソフトウェアを用いて処理される。他のユニットからの全てのデータの比較及び計算と同様、個々のユニットからのデータが処理、比較、及び算出される。
【0058】
更に、クラウド上のシステムは、副ユニット間及び副ユニットと主ユニットとの間の両方で、同じ給水管上のユニットから収集されるデータを相互参照する。
図7Aは、副ユニット間の比較/相互参照を示す図である。相互参照は主ユニットとの相互参照を含んでもよく、副ユニット間の相互参照のみを含んでもよい。
図7Bは、副ユニットと主ユニットとの比較/相互参照を示す図である。この比較/相互参照は、最適精度を達成するため、最も早期な段階であっても問題点を検出できるように、開始点に対する最小限の逸脱も特定することによって達成される。
【0059】
要約すると、システムは、副ユニット間で、及び副ユニットと管に入った直後の最適な水質を示す基準点としての役割を果たす主ユニットとの間で、各ユニットによって検査されるパラメータについてオンラインで(かつリアルタイムで)相互参照する。
【0060】
また、サーバコンピュータは、検出されたセンサ値を格納リポジトリに記録し、センサユニットのそれぞれのセンサ値と、リポジトリに格納された同じセンサユニットの記録値とを比較する。実施形態では、これらのセンサ値は、追加的又は代替的に、他の副ユニット及び/又は主ユニットから記録された(履歴データ)センサ値と比較/相互参照される。格納設備、比較の方法、及び解析の種類は、本明細書の別の個所で詳述する。
【0061】
図3は、検出された異常の視覚通知の一例を示す。問題が発見されたとき、システムは即時にユーザに通知する。サーバコンピュータは、検出された(及び/又は算出された)異常又は不調だけでなくこれらの異常又は不調の位置の通知を送信することによってGISを更新する。GISシステムは、問題の性質(色に基づく)と被害領域の位置の両方を特定する役割を果たす色指標をデジタルマップにかぶせることによって、被害領域及び検出ユニット300をリアルタイム(又は略リアルタイム)でグラフィック表示することを含む。例えば、検出された異常の位置を示すユニット300は赤で表示され、通知詳細302はGIS上で赤で表示される。赤色は、当然ながら例示的に、緊急度又は現場に描かれた汚染を示す。実施形態では、追加の又は代わりのユーザインタフェースがプラットフォームに含まれる。ウェブベースのユーザインタフェースが設けられる。インタフェースは、ユーザ名及びパスワードなどを用いてコンピュータブラウザによって、デスクトップとモバイルコンピューティングデバイスの両方からアクセスすることができる。クライアント側コンピュータアプリケーションとモバイルアプリケーションは、データを受信し、GIS及び/又はクラウドサーバと相互作用する各種コンピューティングデバイス(固定及びモバイル)にダウンロードしてインストールすることができる。専用端末及びディスプレイは、コマンドセンター、又はリアルタイム又は略リアルタイムデータを必要とする他の場所に設置されてもよい。通知は、グラフィック、テキスト、音声、視覚、及び/又は音声−視覚媒体のいずれかで具現される。実施形態では、ユーザインタフェースは、GIS以外のグラフィックユーザインタフェース(GUI)である。
【0062】
図4は、算出された隔離領域の一例を示す。実施形態では、システムはまた、被害領域を隔離するように能動的に作業するようにプログラミングされる。システムは、水流速度を検出し(又はクラウドサーバで)水流速度を算出し、汚染がどの程度まで拡がったかを算出又は推定し、被害領域400を封鎖する。場合によっては、隔離は、汚染水が供給される領域の周囲の給水管弁を自動的に閉鎖することによって達成される。
【0063】
実施形態では、自動浄化プロセスは、被害領域の水で開始される。例示的に、プロセスは、水に浄化用化学薬品を自動的に投入することを含んでもよい。更に例示的に、プロセスは、浄化チームを始動させ(例えば、詳細アラートを送信する)、被害領域の位置、領域のサイズ、各種関連の環境条件、及び/又は汚染の性質をチームに供給することを含んでもよい。実施形態では、汚染されていると判定された水は、手動で又は自動的に給水ネットワークから排出することができる。
【0064】
既存のシステムの課題の1つは、監視システムが受け取る偽陽性の量である。本プラットフォームは複数のユニットを含み、該ユニットの多くは、隣接した支流とほぼ平行に延びる隣接又は近傍の支流において相互に並列に配置される。したがって、1つのユニットで受信されるアラームは、同一の支流内の連続ユニット又はランダムに選択された副ユニット及び/又は近傍の支流内の並列ユニットとクロスチェックして、アラームが異常であるか(副ユニットが故障している可能性を示す)、又はアラームが後続及び/又は並列副ユニットによって裏付けられるかを判定することができる。他の部分で述べたように、センサ値は、主ユニットのセンサ値と比較される。
【0065】
実施形態では、クラウドサーバは、連続配置されたセンサユニットから伝達されたセンサ値を比較し、連続配置されたセンサユニットのうちの1つに、異常が検出されなかった他の連続配置されたセンサユニットに対して局所的異常が判定されたとき、GISユーザインタフェースにアラートを送信する。概して、「連続配置された」ユニットという用語は、水流方向に連続的に配置されたセンサユニットを指す。通常、水は、任意の所与の管の単一方向に流れる。しかしながら、管は、接合点で様々な方向に分岐することができ、このような場合、単一方向、複数方向、又は全方向の水流は、状況に基づき、どのセンサユニットが次に連続するかを判定することができる。更に、水流方向は管内で変更することができる。また、新たな水源を管に導入して、流方向を変更することができる。システムは、方向の変更を感知して、新たな水源からの水の導入を特定することができる。
【0066】
給水システムは、現在、(1)様々な種類及び様々な水質の水の堀削、(2)開放水源からの圧送、(3)淡水化、を含め、いくつかの水源から供給されている。これらの異なる種類の水に対して検査される同一パラメータ/特性に関する測定値は、水の種類ごとに異なる。更に、水の種類が異なれば[同一環境に対して]異なる反応を示す。システムは、監視対象の水の種類を認識し、それに応じて水を解析し、パラメータを算出して水の種類を補正する。実施形態では、サーバコンピュータ(クラウド)は、伝達されたセンサ値と所定のセンサ値パラメータとを比較する。
【0067】
上述したように、各水源は特定のDNA又は「指紋」を有する。水プロファイルは、水源毎に作成され、センサ値に対する1セットのパラメータを定義する。追加の水プロファイルを水源毎に作成することができ、追加プロファイルは、水源に適用可能な様々な変数に基づく。水プロファイルは、システム全体のデータベースに格納される。このように、データベースは、複数の所定のセンサ値パラメータを含む。プロファイルは、特定の位置に関する最適なセンサ値パラメータを表してもよい。プロファイルは、所与の季節の特定の位置に関する最適なセンサ値パラメータを表してもよい。プロファイルは、異なるパラメータ間の相対値を含んでもよい。例えば、遊離塩素値がXに等しい場合、PH値は、Xを所定式に組み込む結果であるYに等しい。
【0068】
実施形態では、所与の給水ネットワーク(又はより大きなネットワークの副システム)の水プロファイルが動的に定義される。主ユニットは水浄化/処理センターに最も近いユニットであるため、主ユニットによって収集されるセンサ値は通常、最適なセンサ値である。しかしながら、主ユニットはまた、例えば、サーバが主ユニットからの現在のセンサ値と履歴(記録された)センサ値とを比較して、異常を特定したとき、処理センター内の故障又は不調を感知するように構成される。別の実施形態では、サーバは、システム内の副ユニットに対する異常読取り値を特定する。サーバコンピュータは、主ユニットのセンサ値に基づき、副ユニットに関する許容可能パラメータを算出する。有効には、コンピュータサーバは、副ユニットから伝達されたセンサ値と、主ユニットから伝達されたセンサ値とを比較する。
【0069】
水は広範囲に検査され、各種汚染がどの程度監視されたパラメータを発現するかを査定する。汚染を示す絶対センサ値は、各水プロファイルに関してデータベース内で分類される。汚染を示す相対センサ値も同様に、各水プロファイルに関してデータベース内で分類される(各汚染は、様々な源からの水/流体内で異なって発現する)。汚染を進展させるセンサ値(絶対値及び/又は相対値)もデータベース内で分類される。その結果、データベースは、発現している汚染又は進展している汚染の全種類、及び様々な多数の水プロファイルに関する値及び/又はパラメータである汚染シグネチャを含む。システムの学習アルゴリズムは、センサユニットから受信したセンサデータの継続的解析から学習するため、既存のデータベースは、新たなプロファイル及び新たなパラメータで常時更新される。
【0070】
本文書の目的のため、飲料水(又は有用な状態にあるその他の流体)に対する「汚染」という用語は、使用に適するとみなされる状態から変化した状態の水(又はその他の流体)を指す。汚染は、水を使用不能としない些細な汚染であってもよい、又は汚染は、水を使用不適にする重大な変化であってもよい。
【0071】
「汚染シグネチャ」は、システム内の水が汚染されていることを示す要因の組み合わせを指す。汚染シグネチャは、ウィルス検出ソフトウェアがファイルを走査する際、ウィルスシグネチャを探索するときのコンピュータウィルスシグネチャ(ここから用語を借用)に類似する。シグネチャは、コードがマルウェアであることをソフトウェアに示すコード内の明らかなサインである。ウィルスシグネチャを譬えとして使用して、汚染シグネチャは、水が汚染されていることを示すセットの絶対又は相対センサ値である。
【0072】
上述したように、汚染シグネチャ(汚染又は展開/進展しつつある汚染を示す絶対又は相対センサ値)は、サーバコンピュータデータベース内に格納及び分類される。汚染シグネチャの1つが給水ネットワーク内に検出されると、アラートがGISに送信される。実施形態では、汚染シグネチャは、遊離塩素、PH、濁度、及び伝導度のパラメータ間の相対値に基づく。実施形態では、汚染シグネチャは、遊離塩素値、PH値、濁度値、及び伝導度値のうちの一又は複数の所与の(絶対)値に基づく。実施形態では、汚染シグネチャは、水質を示すために当業界において既知である水の追加のパラメータ/特性の測定値に基づく。
【0073】
図5は、局所領域において発生するグラフィックディスプレイの一例を示す。システムは、現場から入って来る全ての継続的データを収集し、学習アルゴリズム136を含み、このアルゴリズムは、偽陽性を生成するデータを無視するため、時間の経過と共に観察された正常なシナリオと異なる通常の挙動を認識し、その挙動を解析する方法を理解及び/又は学習する。例えば、特定の管又は管群の緩やかな劣化の結果、システムは多数の偽陽性のフラグを立てる可能性がある。システムは、時間の経過に伴い比較されたセンサ値が、劣化、不調、又は差し迫った不調を示すことを学習し、適切な通知及びアラートを提供する。サーバコンピュータは、伝達されたセンサ値が所定のパラメータ外であると判明すると、アラート又は通知をGISに送信する。GIS上の例示的グラフィックディスプレイを
図5に示す。センサ読取り値は、あるユニット502と別のユニット504とでは異なり、直後に又は時間の経過後、ネットワークの画定可能区分506内で、整備の問題が検出されたことを示す。グラフィックディスプレイは、異なる色でユニットを示し(例えば、黄色は整備の必要があることを示す)、テキスト通知508をGISに送信して、GIS上に表示する。
【0074】
図6は、システムの例示的グラフィックディスプレイを示す。好適な実施形態では、GISは、コマンドセンター内のマルチメディアディスプレイ600だけでなく固定端末(例えば、デスクトップコンピュータ)及びモバイル端末(ラップトップ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、ナビゲーションデバイス)と、スタッフによってアクセス可能なウェブインタフェースの両方によって具現化される。GISは一例示的実施形態である。システムは、GUI又はテキスト(例えば、SMS、eメール、Whatsapp(登録商標)及び/又は他のメッセンジャーサービス)システム又は音声システム上に具現化されてもよいことは明らかである。
【0075】
上述したように、いくつかの汚染シグネチャは、時間の経過に伴い検出可能である。よって、記録値が解析され、データベース内の汚染シグネチャと比較される。合致が発見されれば、アラートが送信される。場合によっては、今後の突合せの予測を行って、同様の通知を発行することもできる。
【0076】
システムが多数のユニット−各セクタ内に最大数千のユニット−から成るという事実により、システムの整備を低減し最適化するため、システムの副ユニットは、主ユニットの手動較正によって遠隔から較正することができる。いったん主ユニットが(例えば、周期的に又は定期的オーバーホール中)適切に較正されると、主ユニットは、主ユニットに関連する全ての副ユニットに較正コマンドを送信する。副ユニットは、主ユニットの較正パラメータに応じて、自動的に再較正/リセットを行う。
【0077】
センサの精度を常時制御するため、システムは、以下の構成でセンサのクロスチェックを実行する。各センサタイプの試験は、故障が水の問題ではなくセンサの不調であるか否かを個別に特定するため、同じ主/副クラスタの全てのセンサで水平に実行される。汚染が存在するとき、水の2つ以上のパラメータに影響を及ぼすと推定されるため、他のセンサ値も水の問題を反映するはずであると仮定する。
【0078】
問題がセンサユニット内の特定のセンサにある場合、センサによって出力されたセンサ値は、(連続配置されたユニットにおける)同じ支流の他のセンサの出力値と異なるはずである。更に、ユニット全体によって検出される残りのパラメータは、衛生範囲内に属し、他のユニット内の同じセンサ読取り値と一致するはずである。よって、問題が、特定のユニット内の特定のセンサにあることを示す。水に問題があるとき、2つ以上のユニットがその問題を検出する可能性が高いため、異常なセンサ値が2つ以上のユニットから出力される。ユニット全体に故障又は不調が存在する場合、全てのセンサ値は、直列センサ、並列センサ(並列支流に沿った同様の位置のセンサ)、又はその両方からの値と一致するはずである。実施形態では、較正用流体は、不調が検出されたセンサを再較正する各センサユニットに永久的に格納される。較正用液体は、各センサが同じように反応すると推定される設定値/特性を有する。センサのうちの一又は複数が予想せざる又は「不正確な」値を返す場合、センサの異常が表示される。
【0079】
(センサ又はユニット全体の)不調が判定されると、通知がGISに送信される。不調に対処する1つの方法は、センサ又はユニットを遠隔でリセット又は再較正することである。代替的又は追加的に、サーバは、検出された逸脱を考慮に入れて読取り値を自動的に補正する。問題が続く場合、整備チームを派遣して、センサ/ユニットを物理的に固定する、又はセンサ/ユニットを交換することができる。
【0080】
センサ
各センサユニット(主ユニット又は副ユニット)は、各種センサを含む箱又は容器に収容される。容器の少なくとも一部は、流体を解析する光パルスを送受信する光センサ用に透明であってもよい。上述したセンサに加えて、該装置は、以下のセンサのうちの一又は複数を更に含んでもよい。
(a)濁度センサ
(b)塩素検出センサ
(c)PHセンサ
(d)EC−導電センサ
(e)TSSセンサ
(f)UV吸収センサ
(g)(k)ORPセンサ
(h)No2センサ
(i)No3センサ
(j)NH4+センサ
(k)O2センサ
発光センサ又は光検出センサ(多波長)は、
(a)IRセンサ
(b)光センサ−プリズムセンサ
(c)内部光源−各種光波長
(d)及び/又は任意のその他の適用可能なセンサを、装置のケース内に含む。
【0081】
センサユニットは、管の上/内に設置する、管の一部と交換する、又は「窓」、不透明ガラス、又はその他の透明材を通じて水を「観察」することができ、ユニットを通じ各種センサによって流体試験を実行する。
【0082】
実施形態によると、いくつかの試験は、小型保管タンク(ハウジング内又はハウジングに隣接)内に水又は流体を圧送することを要求してもよく、より正確なデータを取得するために、水の移動中ではなく静止中、流体をより綿密に解析することができる。試験の種類によっては、センサによる更に徹底的な検査用に流体の露出を必要とする。
【0083】
試験の最後に、流体は、ごく短期間、流サイクルから除去された場合を除いて、どのような目的でも使用されていなかったときに管に送り戻される。センサユニットは受動センサのみを備えるため、監視済みの水の再投入が可能である。反応物質又は試薬は水に投入されず、水の化学的及び生物学的組成を変更する別の種類の介入も行われない。他の実施形態では、水サンプルが(例えば、上述したように)侵襲的に試験されるため、サンプルを給水ネットワークに戻すことができない。このような場合、サンプルサイズは非常に小さく(例えば、ピコリットル又はそれより少し多い)、採用される化学薬品の量がそれに応じて低減される(その結果、大幅なコストの節約となる)。サンプルは、(定期的に空にされる)格納タンクに格納されてもよく、又は管外に排出されてもよい。
【0084】
本革新的なシステムによって提示されるパラダイムシフトの1つは、給水施設のみの保護から給水施設と水自体の両方の保護へ認識を変化させることである。
【0085】
給水ネットワーク内の水質を監視するための本革新的な方法及びプロセスの一実施形態を、
図8のフローチャートに示す。
【0086】
ステップ800で、複数のセンサユニットが、給水ネットワークに沿った所定位置に設けられる。複数のセンサユニットは主ユニットと副ユニットを含む。2つ以上のクラスタ(主ユニット及び副ユニット)を同じ給水ネットワークに配置して、主ネットワーク内に副ネットワークを有効に描写することができる。本開示の目的のため、各副ネットワークは、本来ネットワークとみなされる。主ユニットは、浄水場からの出口近傍に配置され、最適な水がセンサによって走査される結果、センサ値が副ユニット向けの基準パラメータとしての役割を果たすように確保される。実施形態では、副ユニットは、主ユニットからネットワークの終点に向けて離れていくように連続配置される。好適な実施形態では、副ユニットは、上述したように、ネットワーク内の各接合点に位置する。
【0087】
実施形態では、ステップ802で、副ユニットは、主ユニットからのセンサ値に基づき較正される。
【0088】
ステップ804で、水が、給水ネットワーク全体にわたるセンサユニットのネットワークによって監視される(又は、上述したように、サンプル採取されて、システムに戻される)。
【0089】
ステップ806は、複数のセンサユニットからサーバコンピュータへ検出されたセンサ値をリアルタイムで伝達することを含む。サーバコンピュータ(及びその変形)という用語は、専用サーバ、配置された装置とクラウドサーバ間の分散処理及び格納機能を備えたサーバファームを指すために使用される。
【0090】
サーバでは、ステップ808で、センサ値が、水の衛生レベルを監視し、センサユニット間を移動する水の衛生及び品質の変化を検出するために解析される。
【0091】
ステップ810で、サーバコンピュータからのリアルタイム(又はほぼリアルタイム)データが、地理情報システム(GIS)ユーザインタフェースに出力される。出力されたデータは、示された位置での水の衛生レベルを示す色コード表示を含む、給水ネットワークの視覚表示を含む。出力されたデータは、音声通知及びアラートだけでなく、記録されたメッセージを含む。出力データは、テキストベースの情報を含む。音声、視覚、音声−視覚、テキスト、及びその他の通知は、コマンドセンターのデジタルマップ/配管網、コンピュータ端末、モバイルコンピューティング装置(例えば、タブレット、スマートフォン、ラップトップなど)の複数の媒体のいずれかで提供することができる。通知は、インターネット、セルラー伝達、衛星通信、有線又は無線手段、RFベースの通信、及び当業界で既知な任意の他の種類の通信媒体を介して伝達される、eメール、プッシュ通知、音声アラーム、記録された音声メッセージ、SMSメッセージ、ナビゲーションアプリケーション対応の位置データ、及び任意の種類のアナログ及び/又はデジタルメッセージの形状をとることができる。
【0092】
給水ネットワーク内の水質を監視するための本革新的な方法及びプロセスの一実施形態を、
図9のフローチャートに示す。
【0093】
ステップ900で、センサユニットが配管網に配置される。ステップ902で、所定の及び/又は動的に定義される(又は動的に調整される)特徴、パラメータ、及び値範囲に基づき、給水システム全体にわたって水質が測定及び監視される。ステップ904で、センサ値が、(上で詳述したように有線又は無線で)サーバコンピュータ(クラウドサーバ)に伝達される。この通信は、所定間隔で恒常的に実行される。
【0094】
ステップ906で、センサ値/データは、センサユニット間の水質の変化を解析、比較、及び推定するためにクラウドサーバの処理施設で処理される。
【0095】
データ処理は、当業界において十分に既知であり、無数の方法で実行することができる。「処理施設」という用語は、本明細書で詳述されるタスクに必要なデータ処理を実行するために必要とされる全てのハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアを指す。一部のリストとしては、一又は複数のプロセッサ[CPU、マイクロプロセッサ、ASIP、GPU、PPU、DSPコプロセッサ、浮動小数点ユニット、ネットワークプロセッサ、マルチコアプロセッサ、フロントエンドプロセッサなど]、メモリ[揮発性及び不揮発性:RAM、DRAM、SRAM、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、ソリッドステート記憶装置、フラッシュメモリ、可動ヘッドハードドライブ、磁気テープ、光ディスクドライブなど]、ソフトウェア、アルゴリズム、機械学習論理回路、人工知能などが挙げられる。
【0096】
ステップ908で、システムは、異常(又は進展する異常、不調、又は故障)と、検出するセンサユニットの物理的位置を検出又は特定する。処理施設は、異常又は不調とその位置に関する通知をGISユーザインタフェースに送信する。異常の発生は、管劣化、処理施設の新たな又は慢性的な故障、人為的ミス、化学物質ディスペンサの不調、下水設備の漏出、天災、事故、違法な人的介入などによる細菌及びその他の生物剤の侵入を含むが、それらに限定されない。
【0097】
ステップ910で、システムは、物理的位置における水圧及び流速を検出し、異常を検出したセンサユニット又はユニットから水の分散速度を算出する。ステップ912で、以下の行為のうちの一又は複数が、汚染水を含むように算出された領域に対して実行される。(a)当該位置に派遣される整備スタッフ向けに、被害領域の表示を含むアラートを送信する、(b)給水システムの自動弁を閉鎖する、又は閉鎖するように給水ネットワーク管理者へ命令を送信することによって、被害領域を自動的に隔離する、(c)被害領域内の水に自動浄化プロセスを施す、(d)被害領域内の水を給水ネットワークから排出する。
【0098】
給水ネットワーク内の水質を監視するための本革新的な方法及びプロセスの一実施形態を、
図10のフローチャートに示す。
【0099】
ステップ1000で、センサユニットが配管網に配置される。ステップ1002で、水質は、所定の及び/又は動的に定義される(又は動的に調整される)特徴、パラメータ、及び値範囲に基づき、給水システム全体にわたって測定及び監視される。ステップ1004で、センサ値はサーバコンピュータに伝達される。この通信は、所定間隔で恒常的に実行される。
【0100】
ステップ1006で、センサ値/データは、クラウドサーバの処理施設によって処理されて、センサユニット間の水質の変化を解析、比較、及び推定する。
【0101】
ステップ1008で、サーバコンピュータが、検出されたセンサ値を格納リポジトリに記録する。解析の一部として、サーバは、複数のセンサユニットのそれぞれからのセンサ値と、リポジトリに格納された同じセンサユニットの記録値とを比較する。「リポジトリ」という用語は単独の装置を解釈するのに向いているが、リポジトリという用語によって意図される格納設備は、単独の格納装置、並置される複数の連結された格納装置、クラウド格納又はデジタルデータを格納するためのその他の方法若しくは機構であってもよいことは明らかである。
【0102】
記録された履歴データと機械学習を用いることによって、システムは、進展する異常発生を検出することができる。異常発生は、管劣化、処理施設の新たな又は慢性的な故障、人為的ミス、下水設備の漏出、天災、事故、違法な人的介入などによる細菌及びその他の生物剤の侵入を含むが、それらに限定されない。
【0103】
緩やかに進展する発生(例えば、管の劣化の結果、汚染物質は漸進的な速度で水中へ緩やかに放出される)は、旧式の監視システムにとって以下の2つの問題、すなわち、問題の非検出と、逆に多数の偽陽性(偽アラームにつながり、問題のある読取り値を見逃す傾向がある)をもたらす。漸進的な汚染は、システムにおいていくつかのフラグが立つが、所与の時点での概況としては、問題となる汚染が発生していないことになる。
【0104】
本革新的なデータ処理システムは、履歴ベースで時間の経過に伴う同じセンサからのデータと比較して水を解析し、システム及びプロセッサは、明白な不調、故障、汚染、又はそれらの組み合わせとなる前に進展中の異常を特定することができる。
【0105】
ステップ1010で、システムは、局所領域における漸進的劣化が履歴データの解析に基づき認識されると、GIS UIを介して通知を送信する。
【0106】
ステップ1012で、システムは、整備が必要とされる局所領域の位置をUIに通知する。
【0107】
ステップ1014で、通知は、コマンドセンターの地理情報システム(GIS)に表示される。追加的又は代替的に、通知の表示又はその他の形は、固定端末又はモバイル端末であり得る端末に送信されてもよい。必要な整備を実行するために整備スタッフを派遣して、モバイル端末(ナビゲーションデバイス、タブレットコンピュータ、スマートフォンなど)を適切な位置まで誘導することができる。
【0108】
上述のプロセスにおけるステップのいくつかは、スキップする、又は提示される順序と異なる順序で実現することができる。更に、
図8、9、及び10を参照して説明される各種プロセスのいくつかは、他のプロセスを説明する際に省略されているステップ又は詳細を含む。上述のステップは、例示的であり、他のプロセスからのステップと交換する、いくつかのプロセスに追加する、及び/又は他のプロセスから省略することができるのは明らかである。プロセスは、限定的であることを意図しておらず、革新的なシステムの好適な実施形態を実証することを目的とする。
【0109】
限られた数の実施形態に関して本発明を説明したが、本発明の多数の変形、変更、及びその他の適用も可能であると理解される。したがって、以下の請求項に記載される発明は、本明細書に記載の実施形態に限定されない。
【手続補正書】
【提出日】2019年5月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水ネットワーク内の水質の監視方法であって、
前記給水ネットワークに沿った所定位置に複数のセンサユニットを設けることと、
センサの位置で水のパラメータを示す各センサによって検出される値を生成することと、
前記複数のセンサユニットのそれぞれからコンピュータサーバへリアルタイムで前記検出値を伝達することと、
前記センサユニット間を移動する水の品質の変化を検出するため、前記コンピュータサーバで前記検出値を解析することと、
水流と連続配置されたセンサユニット間の前記検出値の伝達とに基づき、前記連続配置されたセンサユニットから伝達された検出値と、前記センサ値の予測変化とを前記コンピュータによって比較することと、
前記連続配置されたセンサユニットの一又は複数で、前記予測変化に対する逸脱が判定されたとき、ユーザインタフェースにアラートを送信することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記給水ネットワークが、2つ以上の水源を含み、前記解析することが、複数の水源プロファイルと前記ネットワーク内の水流とに関して、前記検出値を較正することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンピュータサーバが、前記逸脱と所定の汚染シグネチャとを比較することを更に含み、前記汚染シグネチャのシグネチャが前記逸脱内に検出されたときに汚染アラートが送信される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記汚染アラートが誤りであるとき、前記サーバコンピュータが、前記汚染シグネチャを調節するように学習することを更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
水パラメータの履歴記録を解析して、緩やかに進展する異常を特定することと、
局所領域における漸進的劣化の兆候として、前記緩やかに進展する異常を認識することと、を更に備え、
アラートを送信することが、前記劣化とその位置のアラートを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記位置からの水の分散速度に基づき、被害領域を算出することと、
以下のうち少なくとも1つを更に含む、請求項5に記載の方法。
前記被害領域の表示を含むアラートを送信することと、
水流速度を検出又は算出し、前記異常がどの程度まで拡がったかを算出又は推定することによって、前記被害領域を自動的に隔離し、封鎖することと、
給水ネットワーク管理者に命令を送信することと、
前記被害領域内の水に対して自動浄化プロセスを実行して、前記給水ネットワークから前記被害領域内の水を排出すること
【請求項7】
前記汚染シグネチャが、少なくとも2つのパラメータ間の相対値に基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも2つのパラメータが、遊離塩素、pH、濁度値、TSS値、UV吸収値、ORP値、O2濃度値、及び伝導度から成るセットから選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記汚染シグネチャがそれぞれ、遊離塩素値、PH値、濁度値、TSS値、UV吸収値、ORP値、O2濃度値、及び汚染の種類と関連付けられる伝導度値のうちの少なくとも1つの所定値を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
給水ネットワーク用監視システムであって、
前記給水ネットワークの水源からの出口に配置される主センサユニットと、
前記給水ネットワーク内に連続配置された複数の副ユニットと、
前記主センサユニット及び前記複数の副ユニットと電子的に通信する処理施設であって、前記主ユニット及び副ユニットから伝達されたセンサ値を受信するように構成され、プロセッサと非一時的メモリとを備え、
前記非一時的メモリが、前記プロセッサに対して、
前記副ユニットのそれぞれから受信したセンサ値と、前記主センサユニットから受信したセンサ値とを比較し、
前記副ユニットのそれぞれから受信したセンサ値と、前記残りの副ユニットから受信したセンサ値とを更に比較し、
前記比較および前記更なる比較の結果ならびに前記主ユニットと前記副ユニットとの間の流速の結果を、汚染事象に応答して、検出されたパラメータの予測された伝達を含む汚染シグネチャと突き合わせ、
前記結果が前記シグネチャに一致するとき、汚染アラートを発行する、ように指示する処理施設と、を備えるシステム。
【請求項11】
前記受信したセンサ値及び前記シグネチャが、時間の経過に伴う変化を含む、請求項10のシステム。
【請求項12】
前記突合せが、少なくとも2つのパラメータ間の相対値に基づく、請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも2つのパラメータが、遊離塩素、PH、濁度値、TSS値、UV吸収値、ORP値、O2濃度値、及び伝導度から成るセットから選択される、請求項12のシステム。
【請求項14】
前記突合せが、遊離塩素値、PH値、濁度値、TSS値、UV吸収値、ORP値、O2濃度値、及び伝導度値のうちの少なくとも1つの所定値に基づく、請求項10〜13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
センサ位置に格納された流体を較正することを更に備え、前記処理ユニットが、前記格納された較正用流体を用いてセンサを遠隔で再較正するために更にプログラミングされる、請求項10〜14のいずれか一項に記載のシステム。
【国際調査報告】