(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-532020(P2019-532020A)
(43)【公表日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】特定ゴムを用いた化粧料収容体を含む化粧品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20191011BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20191011BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20191011BHJP
A45D 34/04 20060101ALN20191011BHJP
【FI】
A61K8/02
A61Q1/00
A61Q17/04
A45D34/04 535C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2019-503339(P2019-503339)
(86)(22)【出願日】2017年7月24日
(85)【翻訳文提出日】2019年1月28日
(86)【国際出願番号】KR2017007959
(87)【国際公開番号】WO2018016931
(87)【国際公開日】20180125
(31)【優先権主張番号】10-2016-0093214
(32)【優先日】2016年7月22日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】517039760
【氏名又は名称】コスマックス、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ジョ ナ レ
(72)【発明者】
【氏名】キム スン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ユ クォン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】パク ミョン サム
(72)【発明者】
【氏名】パク チュン ホ
(72)【発明者】
【氏名】パク スン ミ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA071
4C083AA121
4C083AB081
4C083AB171
4C083AB222
4C083AB231
4C083AB232
4C083AB241
4C083AB242
4C083AB431
4C083AB432
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC331
4C083AC332
4C083AD021
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD662
4C083BB11
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC14
4C083CC19
4C083DD17
4C083DD47
4C083EE17
(57)【要約】
化粧料、および前記化粧料が充填される化粧料収容体を含み、前記化粧料収容体は、ニトリルブタジエン系ゴムを含み、約0.2mm〜約1mmの平均大きさの気孔を含むものであり、前記化粧料の粘度が約2,000cps〜約10,000cpsである、化粧品に関する。
【選択図】
図2a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料、および
前記化粧料が充填される化粧料収容体
を含み、
前記化粧料収容体は、ニトリルブタジエン系ゴムを含み、0.2mm〜1mmの平均大きさの気孔を含むものであり、
前記化粧料の粘度が2,000cps〜10,000cpsである、化粧品。
【請求項2】
前記化粧料の粘度が3,000cps〜8,000cpsである、請求項1に記載の化粧品。
【請求項3】
前記化粧料の粘度が5,000cps〜8,000cpsである、請求項1に記載の化粧品。
【請求項4】
前記ニトリルブタジエン系ゴムは親水性官能基を含む、請求項1に記載の化粧品。
【請求項5】
前記親水性官能基は、−COOH、−SO3、−PO4H、−(CH2)nSH(式中、nは1〜30の整数)、−((CH2)2O)nX(式中、X=水素またはアルキル基、nは2〜5の整数)、−OH、−SH、−O(CH2S)nSH(式中、nは1〜30の整数)、−NH2、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4に記載の化粧品。
【請求項6】
前記化粧料収容体は10ppi〜150ppiの気孔を含む、請求項1に記載の化粧品。
【請求項7】
前記化粧料収容体は、硬度がアスカー硬度計F型を基準に10〜95のものを含む、請求項1に記載の化粧品。
【請求項8】
前記化粧料収容体は、前記気孔がオープンセル(open cell)構造のものを含む、請求項1に記載の化粧品。
【請求項9】
前記化粧料が充填された前記化粧料収容体の充填効率が75%以上のものを含む、請求項1に記載の化粧品。
【請求項10】
前記化粧料収容体に充填された前記化粧料のピックアップ量が1回当たりに0.3g〜0.7gのものを含む、請求項1に記載の化粧品。
【請求項11】
前記化粧料収容体は抗菌剤をさらに含む、請求項1に記載の化粧品。
【請求項12】
前記化粧料は、油性成分、増粘剤、ピグメント、および水性成分を含む、請求項1に記載の化粧品。
【請求項13】
前記油性成分は、炭化水素、植物性オイル、合成エステル、シリコーン油、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものを含む、請求項12に記載の化粧品。
【請求項14】
前記ピグメントは、二酸化チタン、ポリメチルメタクリレート、シリカ、ナイロン、ポリウレタン、酸化鉄、ウルトラマリン、マイカ、合成マイカ、タルク、パール、セラサイト、窒化ホウ素、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものを含む、請求項12に記載の化粧品。
【請求項15】
前記水性成分は、精製水、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、フェノキシエタノール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものを含む、請求項12に記載の化粧品。
【請求項16】
前記化粧料は、ファンデーション、BB(Blemish Balm)クリーム、CC(Complete Correction)クリーム、メーキャップベース(Make−Up Base)、プライマー(Primer)、ブラッシャー(Blusher)、リップスティック、リップグロス、フェースパウダー、リップライナー、アイブロウペンシル、アイシャドウ、コンパクトパウダー、ツインケーキ、パクト、パウダーパクト、コンシーラー、またはサンスクリーン(Sunscreen)を含む、請求項1に記載の化粧品。
【請求項17】
前記化粧料を塗布するアプリケータをさらに含む、請求項1に記載の化粧品。
【請求項18】
前記化粧料、および前記化粧料が充填される化粧料収容体を収容する化粧品容器をさらに含む、請求項1に記載の化粧品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、化粧料、および前記化粧料が充填される化粧料収容体を含み、前記化粧料収容体は、ニトリルブタジエン系ゴムを含み、約0.2mm〜約1mmの平均大きさの気孔を含むものであり、前記化粧料の粘度が約2,000cps〜約10,000cps(centi poise)である、化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、クッションパクトはナチュラルベージュ色などで顔を化粧するベースメーキャップ化粧品であり、内容物である化粧料は主に溶液(液状f物)に製造されている。クッションパクトは、主に化粧料が含浸された含浸材、前記化粧料が含浸された含浸材を内蔵したリフィル用内部容器、および前記リフィル用内部容器を結合して収容できる外部容器を含む二重容器の形態である。
【0003】
従来、化粧品に用いられる含浸材としてはポリウレタンフォームを主に用い、このようなポリウレタンフォームは高分子重合反応に用いられるポリオールの種類に応じてポリエーテルポリオールフォーム、ポリエステルポリオールフォームに区分する。大韓民国登録特許第10−1257628号には、化粧料組成物を含浸したエーテルポリマータイプの網状構造を有する発泡ウレタンフォームを含む化粧品について開示されている。
【0004】
しかし、ポリウレタンフォームは、内容物の排出量と安定性が均一でないことがある。また、ポリウレタンフォームの構成成分がシリコーンオイル、紫外線遮断組成物などの活性物質と反応して、時間の経過に伴って前記ポリウレタンフォームが膨らんだり溶けたりするなどの耐久性の問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、化粧料、および前記化粧料が充填される化粧料収容体を含み、前記化粧料収容体は、ニトリルブタジエン系ゴムを含み、約0.2mm〜約1mmの平均大きさの気孔を含むものであり、前記化粧料の粘度が約2,000cps〜約10,000cpsである、化粧品を提供しようとする。
【0006】
また、本発明が解決しようとする課題は以上で言及した課題に制限されず、言及していない他の課題は下記の記載によって通常の技術者に明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1側面は、化粧料、および前記化粧料が充填される化粧料収容体を含み、前記化粧料収容体は、ニトリルブタジエン系ゴムを含み、約0.2mm〜約1mmの平均大きさの気孔を含むものであり、前記化粧料の粘度が約2,000cps〜約10,000cpsである、化粧品を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本願の実現例において、特定のニトリルブタジエン系ゴムを含む化粧料収容体を用いることによって、既存のクッションパクトを用いる場合より使用感が軟らかく化粧料が一定の量で均一に吐出されることができ、さらには、耐化学性、耐加水分解性および/または耐久性に優れた化粧料収容体を提供することができる。
【0009】
本願の実現例において、耐久性に優れた本願の実現例に係る化粧料収容体を用いる場合、使用者が手やパフなどのアプリケータを用いてフォームに反復的および持続的に加える圧力のためにフォームが磨耗して強度が低下するという問題を改善することができる。
【0010】
本願の実現例において、既存のポリウレタンフォームに低粘度の化粧料を含浸させた場合には、貯蔵性が低下して流れ落ちるなどの問題点があったが、本願の実現例において、前記特定のニトリルブタジエン系ゴムを含む化粧料収容体に低粘度の化粧料を含浸させる場合には、化粧料が安定的に担持されて貯蔵性に非常に優れる。
【0011】
本願の実現例において、本願の化粧料収容体は、化粧料の充填効率に優れるため、化粧料を化粧料収容体に適切に担持できる能力に優れる。
【0012】
本願の実現例において、消費者が本願の化粧品を用いる場合、前記化粧料収容体に上下圧力を加えることによって得られる化粧料のピックアップ量が一定であるため、化粧料が過度にまたは不十分に吐出されるのを防止できるため、使用が便利で且つ化粧効果に優れる。
【0013】
本願の実現例において、約2,000cps〜約10,000cpsの粘度を有する前記化粧料を本願の化粧品に用いる場合、低粘度の化粧料を安定的に担持できるため、長期間使っても外部へ前記化粧料が流出されない。
本願の実現例において、前記ニトリルブタジエン系ゴムに親水性官能基を含む場合、前記化粧料収容体が過度に前記化粧料を含浸するのを防止することができ、耐摩耗性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1a】本願の一実施例において、粘度約14,500cpsの化粧料を従来のNBRスポンジに含浸させた直後の写真である。
【
図1b】本願の一実施例において、粘度約14,500cpsの化粧料を従来のポリウレタンスポンジに含浸させた直後の写真である。
【
図2a】本願の一実施例において、製造された化粧料収容体のSEMイメージである。
【
図2b】本願の一実施例において、製造された化粧料収容体のSEMイメージである。
【
図3】本願の一実施例により製造されたNBR−基材化粧料収容体と従来のポリウレタンフォームの官能比較結果を示すグラフである。
【
図4a】従来のポリウレタンフォームに粘度約2,000cps〜約3,000cpsの化粧料を含浸させた直後の写真である。
【
図4b】本願の一実施例により製造されたNBR−基材化粧料収容体に粘度約2,000cps〜約3,000cpsの化粧料を含浸させた直後の写真である。
【
図4c】従来のポリウレタンフォームに粘度約2,000cps〜約3,000cpsの化粧料を含浸させてから約12時間が経過した後の写真である。
【
図4d】本願の一実施例により製造されたNBR−基材化粧料収容体に粘度約2,000cps〜約3,000cpsの化粧料を含浸させてから12時間が経過した後の写真である。
【
図5a】従来のポリウレタンフォームに粘度約6,500cpsの化粧料を含浸させた直後の写真である。
【
図5b】本願の一実施例により製造されたNBR−基材化粧料収容体に粘度約6,500cpsの化粧料を含浸させた直後の写真である。
【
図5c】従来のポリウレタンフォームに粘度約6,500cpsの化粧料を含浸させた後、約45℃で1ケ月間保管した後の写真である。
【
図5d】本願の一実施例により製造されたNBR−基材化粧料収容体に粘度約6,500cpsの化粧料を含浸させた後、約45℃で1ケ月間保管した後の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、添付図面を参照して、本願が属する技術分野で通常の知識を有した者が容易に実施することができるように本願の実施例について詳しく説明する。但し、本願は種々の相異した形態に実現できるものであって、ここで説明する実施例に限定されるものではない。そして、図面上、本願を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書の全体にわたって、類似した部分に対しては類似した図面符号を付するようにした。
【0016】
本願明細書の全体にわたって、ある部分が他の部分と「連結」されているとする時、これは、「直接的に連結」されている場合だけでなく、その間に他の素子を介在させて「連結」されている場合も含む。
【0017】
本願明細書の全体にわたって、ある部材が他の部材の「上に」位置しているとする時、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、二つの部材の間に他の部材が存在する場合も含む。
【0018】
本願明細書の全体にわたって、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反する記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。本願明細書の全体で用いられる程度の用語である「約」、「実質的に」などは、言及された意味に固有な製造および物の許容誤差が提示される時、その数値またはその数値に近接した意味として用いられ、本願の理解を助けるために正確または絶対的な数値が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に利用するのを防止するために用いられる。本願明細書の全体で用いられる程度の用語である「〜(する)ステップ」または「〜のステップ」は「〜のためのステップ」を意味するものではない。
【0019】
本願明細書の全体にわたって、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ」という用語は、マーカッシュ形式の表現に記載された構成要素からなる群より選択される一つ以上の混合または組み合わせを意味し、前記構成要素からなる群より選択される一つ以上を含むことを意味する。
【0020】
本願明細書の全体にわたって、「Aおよび/またはB」という記載は、「AまたはB、またはAおよびB」を意味する。
【0021】
本願明細書の全体にわたって、「アルキル基」および「アルキレン基」は各々独立して1〜24個の炭素原子、1〜20個の炭素原子、1〜18個の炭素原子、1〜15個の炭素原子、1〜12個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜5個の炭素原子、または1〜3個の炭素原子を有する、線状もしくは分枝状のアルキル基およびアルキレン基を表す。前記アルキル基またはアルキレン基がアルキル基に置換される場合、これは「分枝状のアルキル基」または「分枝状のアルキレン基」にも相互交換して用いられる。前記アルキル基またはアルキレン基に置換できる置換基としてはハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、ハロアルキル(例えば、CC1
3またはCF
3)、アルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシ、カルボキシ(−C(O)−OH)、アルキルオキシカルボニル(−C(O)−O−R)、アルキルカルボニルオキシ(−O−C(O)−R)、アミノ(−NH
2)、カルバモイル(−C(O)−NHR)、尿素(−NH−C(O)−NHR−)およびチオール(−SH)からなる群より選択される少なくとも一つが挙げられるが、これらに制限されるものではない。さらに、前述した前記アルキル基のうち炭素数2以上のアルキル基は、少なくとも一つの炭素対炭素二重結合または少なくとも一つの炭素対炭素三重結合を含んでもよいが、これらに制限されるものではない。例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコサニル、またはこれらの可能な全ての異性体を含んでもよいが、これらに制限されるものではない。例えば、本願で用いられたアルキル基は、炭素数が1〜10のアルキル基、すなわち、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、またはデシル(decyl)基であってもよく、または炭素数が1〜6のアルキル基、すなわち、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基であってもよく、または炭素数が1〜4のアルキル基、すなわち、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、またはn−ブチル基であってもよいが、これらに制限されるものではない。
【0022】
本願明細書の全体にわたって、「充填効率」は、化粧料収容体が化粧料を充填できる能力を意味し、目標充填量に対比して実際の化粧料収容体の充填量を計算して導出することができる。
【0023】
本願明細書の全体にわたって、「ピックアップ(pick−up)量」は、手やパフなどのアプリケータ(applicator)を用いて、前記化粧料が充填される前記化粧料収容体に上下圧力を加えることによって吐出される量を意味する。
【0024】
本願明細書の全体にわたって、「気孔の大きさ」または「気孔の平均大きさ」は、走査電子顕微鏡(SEM、製造会社:SEC、モデル名:SNE−4500M)を用いて測定された気孔サイズの平均値を意味する。
【0025】
以下では、添付図面を参照して、本願の実現例および実施例について詳しく説明する。但し、本願がこのような実現例および実施例と図面に制限されるものではない。
【0026】
本願の第1側面は、化粧料、および前記化粧料が充填される化粧料収容体を含み、前記化粧料収容体は、ニトリルブタジエン系ゴム(nitrile butadiene rubber、以下「NBR」という)を含み、約0.2mm〜約1mmの平均大きさの気孔を含むものであり、前記化粧料の粘度が約2,000cps〜約10,000cpsである、化粧品を提供する。
【0027】
本願の一実現例において、前記化粧料収容体の化粧料の充填前の全体重量100重量部に対し、前記NBRは、約80重量部以上、約85重量部以上、約90重量部以上、約95重量部以上、約97重量部以上、約99重量部以上、または約100重量部で含まれる。
【0028】
本願の一実現例において、前記化粧料収容体が含む気孔の平均大きさは、約0.2mm〜約1mmであってもよい。例えば、前記化粧料収容体が含む気孔の平均大きさは、約0.2mm〜約1mm、約0.2mm〜約0.9mm、約0.2mm〜約0.8mm、約0.2mm〜約0.7mm、約0.2mm〜約0.6mm、約0.2mm〜約0.5mm、約0.2mm〜約0.4mm、約0.2mm〜約0.3mm、約0.3mm〜約1mm、約0.3mm〜約0.9mm、約0.3mm〜約0.8mm、約0.3mm〜約0.7mm、約0.3mm〜約0.6mm、約0.3mm〜約0.5mm、約0.3mm〜約0.4mm、約0.4mm〜約1mm、約0.4mm〜約0.9mm、約0.4mm〜約0.8mm、約0.4mm〜約0.7mm、約0.4mm〜約0.6mm、または約0.4mm〜約0.5mmであってもよい。
【0029】
本願の一実現例において、前記化粧料収容体が含む気孔の平均大きさが0.2mm未満である場合には、化粧料を収容できる空間が小さくて充填効率が落ちる。また、前記化粧料収容体が含む気孔の平均大きさが1mm超過である場合には、気孔の空間が過度に大きくて化粧料を安定的に貯蔵することができず、化粧料の排出調節能力が低下して1回当たりのピックアップ量が一定でない。但し、これに制限されるものではない。
【0030】
本願の一実現例において、前記化粧料の粘度は、約2,000cps〜約10,000cpsであってもよい。例えば、約2,000cps〜約10,000cps、約2,000cps〜約9,000cps、約2,000cps〜約8,000cps、約2,000cps〜約7,000cps、約2,000cps〜約6,000cps、約2,000cps〜約5,000cps、約2,000cps〜約4,000cps、約2,000cps〜約3,000cps、約3,000cps〜約10,000cps、約3,000cps〜約9,000cps、約3,000cps〜約8,000cps、約3,000cps〜約7,000cps、約3,000cps〜約6,000cps、約3,000cps〜約5,000cps、約3,000cps〜約4,000cps、約4,000cps〜約10,000cps、約4,000cps〜約9,000cps、約4,000cps〜約8,000cps、約4,000cps〜約7,000cps、約4,000cps〜約6,000cps、約4,000cps〜約5,000cps、約5,000cps〜約10,000cps、約5,000cps〜約9,000cps、約5,000cps〜約8,000cps、約5,000cps〜約7,000cps、約5,000cps〜約6,000cps、約6,000cps〜約10,000cps、約6,000cps〜約9,000cps、約6,000cps〜約8,000cps、約6,000cps〜約7,000cps、約8,000cps〜約10,000cps、約8,000cps〜約9,000cps、または約9,000cps〜約10,000cpsであり、好ましくは約3,000cps〜約8,000cpsであり、より好ましくは約5,000cps〜約8,000cpsである。前記化粧料収容体に約2,000cps未満の粘度を有する化粧料を含浸させる場合には、化粧料が過度に薄くて前記化粧料収容体に安定的に担持されずに流れ出る。また、前記化粧料収容体に約10,000cps超過の粘度を有する化粧料を含浸させる場合には、
図1aに示すように、化粧料が前記化粧料収容体に含浸されずに外部に残る。
【0031】
これと関連し、本願は、従来のNBRスポンジに高粘度の化粧料を充填する場合、
図1aに示すように、充填直後にスポンジに化粧料が十分に含浸されず、スポンジの上部へ化粧料があふれたり、流れ出たり、または流出または吐出されたりする問題点があり、このような問題点を解決するために、本願のニトリルブタジエン系ゴムを含む化粧料収容体に好適な化粧料の粘度範囲に関する本願の前記実現例が提供される。具体的には、約14,500cpsの高粘度の化粧料を従来のポリウレタンスポンジに含浸させる場合には安定的に含浸されたが(
図1b)、従来のNBRスポンジに14,500cpsの高粘度の化粧料を含浸させる場合にはスポンジに化粧料が含浸されず、スポンジの上部に残っているのを確認することができる(
図1a)。したがって、本願の実現例は、NBRスポンジに最適の化粧料粘度の範囲である約2,000cps〜約10,000cps、好ましくは約3,000cps〜約8,000cps、またはより好ましくは約5,000cps〜約8,000cpsの粘度を有する化粧料を化粧料収容体に充填させる場合、化粧料収容体の充填直後および長期間保管時に安定的に含浸されて、前記本願のニトリルブタジエン系ゴムを含む化粧料収容体の外部へ前記化粧料が流出されないことを技術的な特徴とする。
【0032】
本願の一実現例において、前記ニトリルブタジエン系ゴムは、親水性官能基を含んでもよいが、これに制限されるものではない。前記親水性官能基は、例えば、−COOH、−SO
3、−PO
4H、−(CH
2)
nSH(式中、nは1〜30の整数)、−((CH
2)
2O)
nX(式中、X=水素またはアルキル基、nは2〜5の整数)、−OH、−SH、−O(CH
2S)
nSH(式中、nは1〜30の整数)、−NH
2、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよいが、これらに制限されるものではない。具体的には、親水性官能基としては、−COOHを含むものとして、カルボキシル化ニトリルブタジエン系ゴムを含むことができる。
【0033】
本願の一実現例において、前記ニトリルブタジエン系ゴムに含まれる親水性官能基は、前記化粧料充填前の前記化粧料収容体の全体重量に対して約20重量部以下、約15重量部以下、または約10重量部以下であってもよいが、これらに制限されるものではない。
【0034】
本願の一実現例において、前記ニトリルブタジエン系ゴムとして前記カルボキシル化ニトリルブタジエン系ゴムを用いる場合、−COOH基は、前記化粧料充填前の前記化粧料収容体の全体重量100重量部に対して約20重量部以下、約15重量部以下、または約10重量部以下であってもよいが、これらに制限されるものではない。
【0035】
本願の一実現例において、前記ニトリルブタジエン系ゴムに親水性官能基を含ませる場合、前記化粧料収容体に過度に前記化粧料が吸収されるのを防止し、耐摩耗性が向上する。
【0036】
本願の一実現例において、前記化粧料収容体は、約10ppi(pore per inch、1インチ当たりのポア数)〜約150ppiの気孔を含むものであってもよい。例えば、前記化粧料収容体の気孔が約10ppi〜約150ppi、約10ppi〜約130ppi、約10ppi〜約110ppi、約10ppi〜約90ppi、約10ppi〜約70ppi、約10ppi〜約50ppi、約10ppi〜約30ppi、約30ppi〜約150ppi、約30ppi〜約130ppi、約30ppi〜約110ppi、約30ppi〜約90ppi、約30ppi〜約70ppi、約30ppi〜約50ppi、約50ppi〜約150ppi、約50ppi〜約130ppi、約50ppi〜約110ppi、約50ppi〜約90ppi、約50ppi〜約70ppi、約70ppi〜約150ppi、約70ppi〜約130ppi、約70ppi〜約110ppi、約70ppi〜約90ppi、約90ppi〜約150ppi、約90ppi〜約130ppi、約90ppi〜約110ppi、約110ppi〜約150ppi、約110ppi〜約130ppi、または約130ppi〜約150ppiのものを含んでもよいが、これらに制限されるものではない。
【0037】
本願の一実現例において、前記化粧料収容体の硬度がアスカー硬度計F型基準に約10〜約95のものを含んでもよいが、これらに制限されるものではない。例えば、約10〜約95、約10〜約85、約10〜約75、約10〜約65、約10〜約55、約10〜約45、約10〜約35、約15〜約95、約15〜約85、約15〜約75、約15〜約65、約15〜約55、約15〜約45、または約15〜35のものを含んでもよいが、これらに制限されるものではない。
【0038】
本願の一実現例において、前記化粧料収容体は、オープンセル(open cell)構造を含んでもよいが、これに制限されるものではない。
【0039】
本願の一実現例において、前記化粧料が充填された前記化粧料収容体の充填効率が約75%以上のものを含んでもよいが、これに制限されるものではない。例えば、前記化粧品は、前記化粧料収容体の充填効率が約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、約97%以上、約99%以上または約100%のものを含んでもよいが、これらに制限されるものではない。前記「充填効率」は、目標充填量に対する化粧料収容体の充填量を意味する。
【0040】
本願の一実現例において、前記化粧料収容体に充填された前記化粧料のピックアップ量が1回当たりに約0.3g〜約0.7gのものを含んでもよいが、これに制限されるものではない。例えば、前記ピックアップ量が約0.3g〜約0.7g、約0.3g〜約0.6g、約0.3g〜0.5g、約0.4g〜約0.7g、約0.4g〜0.6g、または約0.4g〜約0.5gのものを含んでもよいが、これらに制限されるものではない。前記「ピックアップ量」は、手やパフなどのアプリケータを用いて前記化粧料が充填された前記化粧料収容体に上下圧力を加えることによって吐出される量を意味する。
【0041】
本願の一実現例において、前記アプリケータとしては前記化粧料を塗布するための用途として用いられるものは特に制限されずに含んでもよく、例えば、ブラシ、パフ、スポンジ、ローラ、またはスティックなどを含んでもよいが、これらに制限されるものではない。
【0042】
本願の一実現例において、前記化粧料収容体は、加硫剤、加硫促進剤、気泡安定剤、凝固剤、分散剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものを含んでもよいが、これらに制限されるものではない。
【0043】
本願の一実現例において、前記加硫剤としては、硫黄(S)、セレニウム(Se)、またはテルリウム(Te)が含まれた通常の加硫剤が用いられてもよいが、これらに制限されるものではない。
【0044】
本願の一実現例において、前記加硫剤の含量は、前記化粧料収容体の組成物中、総重量100重量部に対して約0.5重量部〜約1.5重量部が添加されてもよいが、これに制限されるものではない。前記加硫剤の含量が0.5重量部未満であれば、前記化粧料収容体の弾性力が低くなり、1.5重量部超過であれば、前記化粧料収容体に外部の一定の圧力を加えた時、十分な弾性復元力を有することができないが、これに制限されるものではない。
【0045】
本願の一実現例において、前記加硫促進剤としては、通常用いられる全ての種類の加硫促進剤を含んでもよいが、これらに制限されるものではない。例えば、前記加硫促進剤として亜鉛ジエチルジチオカルバメート(zinc diethyldithiocarbamate)、2−メルカプトベンゾチアゾ−ルの亜鉛塩(zinc of 2−mercaptobenzothiazole)、EZ、MZ、またはZnOが用いられてもよいが、これらに制限されるものではない。
【0046】
本願の一実現例において、前記加硫促進剤の含量は、前記化粧料収容体の組成物中、総重量100重量部に対して約0.5重量部〜約2重量部が添加されてもよいが、これに制限されるものではない。前記加硫促進剤の含量が約0.5重量部未満であれば、加硫温度および時間を短縮することができず、約2重量部超過であれば、加硫工程が過度に速く進行して均一な化粧料収容体を製造することができないが、これに制限されるものではない。
【0047】
本願の一実現例において、前記気泡安定剤は、通常用いられる全ての種類を含んでもよいが、これらに制限されるものではない。例えば、前記気泡安定剤としてトリメンベース(trimene base;ethane、chloro−、polymer with ammonia and formaldehyde)またはCore Tex TNM−14S(polyalkylene glycol derevatives)が用いられてもよいが、これらに制限されるものではない。
【0048】
本願の一実現例において、前記気泡安定剤の含量は、前記化粧料収容体の組成物中、総重量100重量部に対して約0.2重量部〜約1重量部が添加されてもよいが、これに制限されるものではない。前記気泡安定剤の含量が約0.2重量部未満であれば、液状組成物の攪拌時に発生する微細な泡を除去することができず、約1重量部超過であれば、前記化粧料収容体に変色が現れるが、これに制限されるものではない。
【0049】
本願の一実現例において、前記凝固剤は、通常用いられる全ての種類を含んでもよいが、これらに制限されるものではない。例えば、前記凝固剤はケイフッ化ソーダまたはベントナイトが用いられてもよいが、これらに制限されるものではない。
【0050】
本願の一実現例において、前記凝固剤の含量は、凝固速度に応じて投入量を調節することができる。前記凝固剤の含量は、前記化粧料収容体の組成物中、総重量100重量部に対して約0.5重量部〜約3重量部が添加されてもよいが、これに制限されるものではない。前記凝固剤の含量が約0.5重量部未満であれば、液状組成物の混合物が効果的に凝固されず、約3重量部超過であれば、前記化粧料収容体の老化を引き起こすが、これに制限されるものではない。
【0051】
本願の一実現例において、前記分散剤としては、通常用いられる全ての種類の分散剤を用いてもよいが、これらに制限されるものではない。例えば、前記分散剤としてはナトリウムブチルナフタレンスルホネート(sodium butylnaphthalene sulfonate)が用いられてもよいが、これに制限されるものではない。
【0052】
本願の一実現例において、前記分散剤の含量は、前記化粧料収容体の組成物中、総重量100重量部に対して約0.2重量部〜約1重量部が添加されてもよいが、これに制限されるものではない。前記分散剤の含量が約0.2重量部未満であれば、前記化粧料収容体の組成物混合物が均一に分散されず、約1重量部超過であれば、分散剤の分子が互いに会合して球状または棒状のミセル(micelle)を形成することによって、ニトリルブタジエン系ゴムの粒子の不安定性を招くが、これに制限されるものではない。
【0053】
本願の一実現例において、前記化粧料収容体は、抗菌剤をさらに含んでもよいが、これに制限されるものではない。
【0054】
本願の一実現例において、前記抗菌剤としては、金−イライト ナノコロイド溶液、銀−トルマリン ナノコロイド溶液、シリコン酸化物でコーティングされた金属ナノコロイド溶液を用いてもよいが、これらに制限されるものではない。前記シリコン酸化物でコーティングされた金属ナノコロイド溶液において、金属は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)、銅(Cu)、コバルト(Co)、およびニッケル(Ni)からなる群より選択されたものを含んでもよいが、これらに制限されるものではない。前記抗菌剤は、前記化粧料収容体で発生しうる細菌生息を防止し、細菌抑制を通じて皮膚炎症が誘発されるのを防止することができるが、これに制限されるものではない。
【0055】
本願の一実現例において、前記抗菌剤の含量は、前記化粧料収容体の組成物中、総重量100重量部に対して約0.1重量部〜約0.5重量部が添加されてもよいが、これに制限されるものではない。前記抗菌剤の含量が約0.1重量部未満であれば、前記化粧料収容体における坑菌作用が弱く、約0.5重量部超過であれば、抗菌剤粒子そのものに含まれた分散剤の含量により前記化粧料収容体のpHおよび粘度を落とすことになり、発泡時に気泡が破壊されて気孔が均一でない問題点があるが、これに制限されるものではない。
【0056】
本願の一実現例において、前記化粧料は、油性成分、増粘剤、ピグメント、および水性成分を含んでもよいが、これらに制限されるものではない。
【0057】
本願の一実現例において、前記油性成分は、炭化水素、植物性オイル、合成エステル、シリコーン油、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものを含んでもよいが、これらに制限されるものではない。
【0058】
本願の一実現例において、前記ピグメントは、二酸化チタン、ポリメチルメタクリレート、シリカ、ナイロン、ポリウレタン、酸化鉄、ウルトラマリン、マイカ、合成マイカ、タルク、パール、セラサイト、窒化ホウ素、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものを含んでもよいが、これらに制限されるものではない。
【0059】
本願の一実現例において、前記水性成分は、精製水、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、フェノキシエタノール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものを含んでもよいが、これらに制限されるものではない。
【0060】
本願の一実現例において、前記化粧料収容体に充填される前記化粧料は、メーキャップベース(Make−Up Base)、BB(Blemish Balm)クリーム、CC(Complete Correction)クリーム、ファンデーション(Foundation)、プライマー(Primer)、ブラッシャー(Blusher)、リップスティック、リップグロス、フェースパウダー、リップライナー、アイブロウペンシル、アイシャドウ、コンパクトパウダー、ツインケーキ、パクト、パウダーパクト、コンシーラー、またはサンスクリーン(Sunscreen)を含むが、これらに制限されるものではない。
【0061】
本願の一実現例において、前記化粧品は、前記化粧料を塗布するアプリケータをさらに含んでもよいが、これに制限されるものではない。前記アプリケータは、前記化粧料を塗布するための用途として用いられるものは特に制限されずに含んでもよく、例えば、ブラシ、パフ、スポンジ、ローラ、またはスティックなどを含んでもよいが、これらに制限されるものではない。
【0062】
本願の一実現例において、前記化粧品は、前記化粧料、および前記化粧料が充填される化粧料収容体を収容する化粧品容器をさらに含んでもよいが、これに制限されるものではない。
【0063】
本願の一実現例において、前記化粧品は、前記化粧料が充填される化粧料収容体を収容する内部容器および前記内部容器を収容する外部容器をさらに含んでもよいが、これに制限されるものではない。
【0064】
本願の一実現例において、前記化粧品は、塗布用アプリケータ、化粧料が充填された化粧料収容体、前記化粧料収容体を内蔵した内部容器、および前記内部容器を収容する外部容器を含むパクトタイプであってもよく、前記含浸材は、本願の一実現例に係るニトリルブタジエン系ゴムを含むものである。
【0065】
以下では本願について実施例を用いてさらに詳しく説明するが、下記の実施例は本願の理解を助けるために例示したものに過ぎず、本願の内容が下記の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0066】
1.NBRスポンジの気孔サイズに応じた充填効率、安定性および化粧料の含浸に対比した排出程度効果の実験
(1)実施例および比較例のサンプルの製造
下記の表1に記載されたように、気孔の大きさが互いに異なるNBR化粧料収容体に下記の表1に記載された組成からなる化粧料を約14.5g含浸させた後、25℃の恒温槽で1日以上保管した。ここで、実施例1により製造されたNBRスポンジのSEMイメージは
図2aおよび
図2bに示す。
【0067】
【表1】
【0068】
(2)充填効率および安定性関連の実験方法および結果
別途に準備した充填設備を用いて目標充填量約14.5gを目標に充填した。比較例1の場合、気孔の大きさが稠密し過ぎて充填量が約10gであって充填効率が68.9%として良くなかった。比較例2の場合、目標充填量約14.5gが全て充填されたが、気孔の大きさが大き過ぎるために化粧料がスポンジに担持されずに外部に吐出され、そのため、化粧料が安定的に担持され難い結果となった。その反面、実施例1の場合、目標充填量である約14.5gが全て充填されて充填効率が100%に測定され、且つ、化粧料がスポンジに安定的に担持されて化粧料の安定度を確保することができた。
【0069】
(3)化粧料の含浸に対比した排出効果の実験
1)実験方法
前記実施例1および前記比較例1のスポンジに前記化粧料を充填して製造された各々の3個のサンプルに対し、アプリケータとしてパフを用いて下記のように各ステップ別の消失量、総消失量、および充填量に対比した消失量を各々測定した。
【0070】
(1ステップ)ルビセルパフを用いて白色紙に塗って化粧料がほぼ付いて出ない時まで取った量
(2ステップ)含浸用スポンジの裏面を前にひっくり返した後、ルビセルパフを用いて白色紙に塗って化粧料がほぼ付いて出ない時まで取った量
(3ステップ)含浸用スポンジを取り出して直接白色紙に塗って化粧料がほぼ付いて出ない時まで取った量
【0071】
2)実験結果
下記の表2は実施例1のスポンジを用いた場合の実験結果であり、下記の表3は比較例1のスポンジを用いた場合の実験結果である。
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
表2および表3に示すように、比較例1の使用効率は約71%として相当に低い数値を示し、実施例1の使用効率は約84%〜約86%として相当に高い数値を示した。
【0074】
2.NBRスポンジとポリウレタンスポンジの官能比較評価
(1)評価方法
実施例1に係るNBRスポンジおよび実施例1で用いられた化粧料と同一な化粧料を含浸したポリウレタンスポンジのピックアップ量、密着感、カバー力、スポンジの質感、および展延性に対して選好度を評価した。
【0075】
各スポンジに対する選好度は官能評価(5点尺度法)からなるアンケート調査(30人を対象)を行い、非常に良い:5点、良い:4点、普通:3点、悪い:2点、非常に悪い:1点で評価した。
【0076】
(2)評価結果
図3は、NBRスポンジおよびポリウレタン(PU)スポンジを各々用いて行われた官能評価結果を示すグラフである。官能評価の進行時、大部分の項目においてNBRスポンジが高い評価を受けた。特に、スポンジの質感と内容物ピックアップ量に対して高い評価を受けた。NBRスポンジの場合、ポリウレタンスポンジより持続的に均一な内容物が吐出されてパフにピックアップされることにより、メーキャップの効果に助力をすることが確認された。
【0077】
3.NBRスポンジとポリウレタンスポンジの化粧料の含浸に対比した排出程度効果の比較実験
(1)実験例1
1)実験方法
表1に記載された化粧料において、増粘剤の含量を調節して粘度が約2,000cps〜約3,000cpsの化粧料を製造した後、気孔サイズが約0.5mmのポリウレタンスポンジおよび気孔サイズが約0.5mmのNBRスポンジ(実施例1のスポンジ)に各々充填させた。前記充填されたスポンジが入れられた容器を約12時間立てて保管した後、含浸された内容物の含浸状態を観察した。
【0078】
2)実験結果
図4a〜
図4dから確認できるように、約12時間後の化粧料の含浸状態を確認した結果、ポリウレタンスポンジは、化粧料をスポンジに安定的に担持できず、スポンジ外へ吐出されるのを確認することができた。その反面、NBRスポンジの場合、同一な化粧料を含浸させ、約12時間後にも、化粧料を含浸直後と同一な状態に担持しているのを確認した。したがって、低粘度の化粧料の安定度の維持において、本願の一実施例に係るNBRスポンジの優秀性を確認することができた。
【0079】
(2)実験例2
1)実験方法
表1に記載された化粧料において、増粘剤の含量を調整して粘度が6,500cpsの化粧料を製造した後、気孔サイズが約0.5mmのポリウレタンスポンジおよび気孔サイズが約0.5mmのNBRスポンジ(実施例1のスポンジ)に各々充填させた。前記充填されたスポンジが入れられた容器を45℃で1ケ月間立てて保管した後、含浸された内容物の含浸状態を観察した。
【0080】
2)実験結果
図5a〜
図5dから確認できるように、約45℃で1ケ月間保管した後の化粧料の含浸状態を確認した結果、ポリウレタンスポンジは、化粧料をスポンジに安定的に担持できず、スポンジ外へ吐出されるのを確認することができた。その反面、NBRスポンジの場合、同一な化粧料を含浸させ、約45℃で1ケ月間保管した後にも、化粧料を含浸直後と同一な状態に担持しているのを確認した。したがって、低粘度の化粧料の安定度の維持において、本願の一実施例に係るNBRスポンジの優秀性を確認することができた。
【0081】
前述した本願の例示は本発明を説明するためのものであって、本願が属する技術分野の通常の知識を有した者であれば、本願の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形が可能であることを理解することができるであろう。したがって、以上で記述した実施例は全ての面で例示的なものであって、必ずしも限定的なものではないことを理解しなければならない。例えば、単一型として説明された各構成要素は分散して実施されてもよく、それと同様に、分散したものとして説明された構成要素も結合した形態で実施されてもよい。
【0082】
本願の範囲は前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲そしてその均等概念から導き出される全ての変更または変形された形態が本願の範囲に含まれるものとして解釈しなければならない。
【手続補正書】
【提出日】2019年1月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
【
図1a】本願の一実施例において、粘度約14,500cpsの化粧料を従来のNBRスポンジに含浸させた直後の写真である。
【
図1b】本願の一実施例において、粘度約14,500cpsの化粧料を従来のポリウレタンスポンジに含浸させた直後の写真である。
【
図2a】本願の一実施例において、製造された化粧料収容体のSEMイメージである。
【
図2b】本願の一実施例において、製造された化粧料収容体のSEMイメージである。
【
図3】本願の一実施例により製造されたNBR−基材化粧料収容体と従来のポリウレタンフォームの官能比較結果を示すグラフである。
【
図4a】従来のポリウレタンフォームに粘度約2,000cps〜約3,000cpsの化粧料を含浸させた直後の写真である。
【
図4b】本願の一実施例により製造されたNBR−基材化粧料収容体に粘度約2,000cps〜約3,000cpsの化粧料を含浸させた直後の写真である。
【
図4c】従来のポリウレタンフォームに粘度約2,000cps〜約3,000cpsの化粧料を含浸させてから約12時間が経過した後の写真である。
【
図4d】本願の一実施例により製造されたNBR−基材化粧料収容体に粘度約2,000cps〜約3,000cpsの化粧料を含浸させてから12時間が経過した後の写真である。
【
図5a】
本願の一実施例により製造されたNBR−基材化粧料収容体に粘度約6,500cpsの化粧料を含浸させた後、約45℃で1ケ月間保管した後の写真である。
【
図5b】本願の一実施例により製造されたNBR−基材化粧料収容体に粘度約6,500cpsの化粧料を含浸させた直後の写真である。
【
図5c】従来のポリウレタンフォームに粘度約6,500cpsの化粧料を含浸させた後、約45℃で1ケ月間保管した後の写真である。
【
図5d】
従来のポリウレタンフォームに粘度約6,500cpsの化粧料を含浸させた直後の写真である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
2)実験結果
図5d、図b、図5c、図5aから確認できるように、約45℃で1ケ月間保管した後の化粧料の含浸状態を確認した結果、ポリウレタンスポンジは、化粧料をスポンジに安定的に担持できず、スポンジ外へ吐出されるのを確認することができた。その反面、NBRスポンジの場合、同一な化粧料を含浸させ、約45℃で1ケ月間保管した後にも、化粧料を含浸直後と同一な状態に担持しているのを確認した。したがって、低粘度の化粧料の安定度の維持において、本願の一実施例に係るNBRスポンジの優秀性を確認することができた。
【国際調査報告】