特表2019-532021(P2019-532021A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-532021C5a受容体アンタゴニストとしての環状ペプチド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-532021(P2019-532021A)
(43)【公表日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】C5a受容体アンタゴニストとしての環状ペプチド
(51)【国際特許分類】
   C07K 7/56 20060101AFI20191011BHJP
   A61K 38/08 20190101ALI20191011BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20191011BHJP
【FI】
   C07K7/56
   A61K38/08
   A61K45/00
   A61P13/12
   A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】90
(21)【出願番号】特願2019-504100(P2019-504100)
(86)(22)【出願日】2017年7月17日
(85)【翻訳文提出日】2019年3月8日
(86)【国際出願番号】IB2017054314
(87)【国際公開番号】WO2018020358
(87)【国際公開日】20180201
(31)【優先権主張番号】62/368,262
(32)【優先日】2016年7月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/517,215
(32)【優先日】2017年6月9日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100133927
【弁理士】
【氏名又は名称】四本 能尚
(74)【代理人】
【識別番号】100137040
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100147186
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 眞紀
(74)【代理人】
【識別番号】100174447
【弁理士】
【氏名又は名称】龍田 美幸
(74)【代理人】
【識別番号】100185960
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 理愛
(72)【発明者】
【氏名】イェ チェ
(72)【発明者】
【氏名】イキング フェン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー メリル ヘイワード
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド ヘプワース
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ニール カイラ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス パパイオアノウ
【テーマコード(参考)】
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA07
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA09
4C084BA17
4C084BA28
4C084CA59
4C084DC50
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZC412
4C084ZC421
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA13
4H045BA31
4H045EA20
4H045EA22
4H045FA10
(57)【要約】
本発明は、環状ペプチド誘導体、医薬におけるそれらの使用、それらを含有する組成物、それらの調製のためのプロセス、およびこのようなプロセスにおいて使用される中間体に関する。より特定すると、本発明は、式(Ia)もしくは式(Ib)の環状ペプチドC5a受容体アンタゴニスト、または薬学的に許容できるその塩に関し、式中、R1a、R1b、R、RおよびRは、記述内容において定義されている通りである。C5a受容体アンタゴニストは、炎症性障害および免疫障害を含めた広範囲の障害の処置において潜在的に有用である。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物
【化1】
または薬学的に許容できるその塩(式中、
1aは、H、OH、O(CH)−C(O)OR、NH、NH−C(O)RまたはNH(CH)−C(O)ORであり、
1bは、NH、NH−C(O)RまたはNH(CH)−C(O)ORであり、
は、1個、2個もしくは3個の窒素原子を含有する5員、6員、9員もしくは10員のヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは、環炭素原子上において1個もしくは2個のRで置換されていてもよく、
は、水素またはC〜Cアルキルであり、
は、
【化2】
であり、
は、C〜Cアルキルであり、
は、HまたはC〜Cアルキルであり、
は、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである)。
【請求項2】
1aが、OH、O(CH)−C(O)OR、NH、NH−C(O)RもしくはNH(CH)−C(O)ORであるか、またはR1bが、NH、NH−C(O)RもしくはNH(CH)−C(O)ORである、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項3】
1aが、OHまたはO(CH)−C(O)ORである、請求項1または2に記載の式(Ia)の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項4】
1aが、OHである、請求項3に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項5】
1bが、NH、NH−C(O)RまたはNH(CH)−C(O)ORである、請求項1または2に記載の式(Ib)の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項6】
が、1個もしくは2個の窒素原子を含有する9員ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールが、環炭素原子上において1個もしくは2個のRで置換されていてもよい、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項7】
が、
【化3】
から選択されるヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールが、環炭素原子上においてRで置換されていてもよい、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項8】
が、ヘテロアリール
【化4】
であり、前記ヘテロアリールが、環炭素原子上においてRで置換されていてもよい、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項9】
が、メチルまたはメトキシである、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項10】
が、Hである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項11】
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン;
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−(カルボキシメトキシ)−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン;
N−[(2S)−1−({(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−[(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)メチル]−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル}アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン;
N−[(2S)−1−({(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−[(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)メチル]−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル}アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン;
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−1,4,7,10,16−ペンタオキソ−6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルメチル)イコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン;
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−1,4,7,10,16−ペンタオキソ−6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルメチル)イコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン;
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19S,20aS)−19−アミノ−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン;
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−19−アミノ−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン;
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−19−(アセチルアミノ)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン;
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19S,20aS)−19−(アセチルアミノ)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン;
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]−N−メチルグリシン;
{[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19S,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−[(カルボキシメチル)アミノ]−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}酢酸;
N−{(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−(3,5−ジジューテロフェニル)プロパン−2−イル}グリシン;
{[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−[(カルボキシメチル)アミノ]−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}酢酸;
N−[(2S)−1−({(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−[(6−メトキシ−1H−インドール−3−イル)メチル]−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル}アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン;
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インダゾール−3−イル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン;および
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((6−エチル−1H−インドール−3−イル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン
から選択される、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項12】
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシンである、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、および薬学的に許容できる添加剤を含む医薬組成物。
【請求項14】
1種もしくは複数のさらなる治療剤を含む、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
医薬として使用するための、請求項1から12のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項16】
C5aアンタゴニストが適応となる障害の処置において使用するための、請求項1から12のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【請求項17】
C5aアンタゴニストについての前記障害が、急性腎傷害(AKI)である、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
C5aアンタゴニストが適応となる障害の処置のための医薬の調製のための、請求項1から12のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩の使用。
【請求項19】
ヒトまたは動物に治療的有効量の請求項1から12のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む、前記ヒトまたは動物において、C5aアンタゴニストが適応となる障害を処置する方法。
【請求項20】
別の薬理的活性化合物と、または2種もしくはそれより多い他の薬理的活性化合物と組み合わせた、請求項1から12のいずれかに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状ペプチド誘導体、医薬におけるこれらの使用、これらを含有する組成物、これらの調製のためのプロセス、およびこのようなプロセスにおいて使用される中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
補体系は、生物から微生物および損傷された細胞を排除する抗体および食細胞の能力を増進(補完)する先天性免疫系の一部である。これは、血液中に不活性状態で通常存在するタンパク質の群(補体成分、C)からなる。いくつかのトリガーの1つによって刺激を受けるとき、補体系は、感染に対する防御を助ける酵素カスケードを開始させる。しかし、補体系の、制御されていない活性化または不適正な調節は、いくつかの炎症性および変性疾患と関連する。総説が、MorganおよびHarris(Nature Reviews Drug Discovery 14、857〜877(2015))によって提供されている。
【0003】
補体系活性化の3つの経路:古典的経路、レクチン経路、および代替経路が存在する。微生物、抗体または細胞成分は、これらの経路を活性化させ、C3−コンバターゼおよびC5−コンバターゼとして公知であるプロテアーゼ複合体の形成をもたらすことができる。それぞれの経路は、C3−コンバターゼがC3をフラグメントC3aおよびC3bに切断するとき、最終の共通経路へと収束する。補体系の概要は、SarmaおよびWard(Cell Tissue Res.、2011 Jan;343(1):227〜235)によって提供されている。
【0004】
C5aは、C5−コンバターゼ酵素によるC5の切断によって補体カスケードにおいて生じる。C5aは、内皮上の接着分子の発現の増加および平滑筋の収縮をもたらすアナフィラトキシンと、感染の部位における補体および食細胞の蓄積またはリンパ節への抗原提示細胞の動員を開始させる化学誘引物質との両方である。
【0005】
C5aは、膜結合Gタンパク質共役受容体(GPCR)である、C5a受容体1(C5AR1)またはCD88としてまた公知であるC5a受容体と相互作用し、いくつかの炎症誘発性効果を誘発する。C5aは、多形核白血球についての強力な化学誘引物質であり、好中球、好塩基球、好酸球および単球を炎症および/または細胞の傷害の部位に運び、実際、多種多様の炎症性細胞タイプについて公知である最も強力な化学走性剤の1つである。
【0006】
他の作用の中でも、C5aは、様々な抗菌機能(例えば、食作用)のために好中球を「予備刺激」(調製)し、炎症メディエーター(例えば、ヒスタミン、TNF−u、IL−I、IL−6、IL−8、プロスタグランジン、およびロイコトリエン)の放出、ならびにリソソーム酵素および顆粒球からの他の細胞毒性成分の放出を刺激し、活性酸素ラジカルの産生および平滑筋の収縮を促進する。
【0007】
C5a放出は、多くの疾患および症候群に直接的または間接的に関与していると考えられる。例は、敗血症、再灌流傷害、関節リウマチ、および免疫複合体に関連する疾患全般である。C5aが関連する疾患についての概要は、GuoおよびWard(Annu.Rev.Immunol.2005.23:821〜52)によって提供されている。
【0008】
僅か数日に亘る腎機能の喪失として定義される急性腎傷害(AKI)は、一般的で重症の臨床に関する問題である(Seminars in Nephrology、Vol 33、No6、November 2013、pp 543〜556)。その羅患率の推定は様々であるが、集中治療室(ICU)患者の20〜50%の範囲であり得、50%超の死亡率と関連し得る(Critical Care Research and Practice、Vol 2013(2013)、Article ID 479730、9 pages)。AKIは、根底にある腎疾患によってもたらされ得るか、または腎傷害によるものであり得る。虚血/再灌流は、入院患者におけるAKIの共通原因であり、移植、心臓手術、および敗血症の後のAKIの発生における主要な要因である。
【0009】
対症療法における医学の進歩にも関わらず、AKIは高い罹患率と死亡率と関連している。組織の炎症は、非免疫性損傷、例えば、虚血/再灌流および毒素の後でさえ腎傷害の病因の中心となり、補体系の活性化は、AKIの重大な原因である。さらに、傷害された腎臓内の補体系活性化は、腎臓への傷害を増悪させる多くの下流の炎症性事象を誘発する。補体系活性化はまた、遠隔の器官の傷害および患者の死亡率の一因になる全身性炎症性事象の主な原因となり得る。
【0010】
補体系の効果をモジュレートする特定の分子、例えば、ペプチドC5aモジュレーターが公知である。WO99/00406は、C5a受容体の環状アゴニストおよびアンタゴニストについて開示している。WO03/033528は、gタンパク質共役受容体アンタゴニストとしての環状ペプチドについて開示している。WO2005/010030およびWO2006/074964は、C5a受容体アンタゴニストについて開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、良好な薬物候補、特に、病院の環境における静脈内投与に適した分子である新規なC5a受容体アンタゴニストを提供することが依然として必要とされている。
【0012】
好ましい化合物は、下記の特性の1つもしくは複数を有する。
・安定な物理的形態;
・非経口投与のための容易な製剤化;
・静脈内注入に適した中程度のpH(例えば、3〜9のpH)における良好な熱力学的水溶解度、例えば、>5mg/ml、例えば、>25mg/ml;
・本明細書に記載されているアッセイによると、好ましくは、<100nM、例えば、<20nMのKbを伴う、C5aへの機能的反応、例えば、酸化バーストおよびCD11b上方調節の強力な阻害;ならびに/または
・C5a受容体遮断が化合物投与の休止によって急速に休止するような、短い薬物動態学的半減期、例えば、<2時間、例えば、<1時間。
【0013】
本発明者らは、今や新規な環状ペプチドC5a受容体アンタゴニストを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の態様によると、式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物
【0015】
【化1】
または薬学的に許容できるその塩を提供し、式中、
1aは、H、OH、O(CH)−C(O)OR、NH、NH−C(O)RまたはNH(CH)−C(O)ORであり、
1bは、NH、NH−C(O)RまたはNH(CH)−C(O)ORであり、
は、1個、2個もしくは3個の窒素原子を含有する5員、6員、9員もしくは10員のヘテロアリールであり、ヘテロアリールは、環炭素原子上において1個もしくは2個のRで置換されていてもよく、
は、水素またはC〜Cアルキルであり、
は、
【0016】
【化2】
で置換されているC〜Cシクロアルキルであり、
は、C〜Cアルキルであり、
は、HまたはC〜Cアルキルであり、
は、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
下記に記載するのは、本発明のこの第1の態様のいくつかの実施形態(E1)であり、便宜上、E1は、それと同一である。
E1 上記に定義されているような、式(Ia)もしくは式(Ib)の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E2 Rが、
【0018】
【化3】
で置換されているシクロヘキシルである、実施形態E1に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E3 Rが、
【0019】
【化4】
である、実施形態E1または実施形態E2に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E4 R1aが、OH、O(CH)−C(O)OR、NH、NH−C(O)RもしくはNH(CH)−C(O)ORであるか、またはR1bが、NH、NH−C(O)RもしくはNH(CH)−C(O)ORである、実施形態E1からE3のいずれか1つに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E5 R1aが、OH、O(CH)−C(O)OR、NH、NH−C(O)RまたはNH(CH)−C(O)ORである、実施形態E1からE4のいずれか1つに記載の式(Ia)の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E6 R1aが、OHまたはO(CH)−C(O)OHである、実施形態E5に記載の式(Ia)の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E7 R1aが、OHである、実施形態E6に記載の式(Ia)の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E8 R1bが、NH、NH−C(O)RまたはNH(CH)−C(O)ORである、実施形態E1からE4のいずれか1つに記載の式(Ib)の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E9 R1bが、NH、NH−C(O)CHまたはNH(CH)−C(O)OHである、実施形態E8に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E10 Rが、1個もしくは2個の窒素原子を含有する9員ヘテロアリールであり、ヘテロアリールが、環炭素原子上において1個もしくは2個のRで置換されていてもよい、実施形態E1からE9のいずれか1つに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E11 Rが、
【0020】
【化5】
から選択されるC−連結ヘテロアリールであり、
前記ヘテロアリールが、環炭素原子上においてRで置換されていてもよい、実施形態E1からE10のいずれか1つに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E12 Rが、C−連結ヘテロアリール
【0021】
【化6】
であり、前記ヘテロアリールが、環炭素原子上においてRで置換されていてもよい、実施形態E1からE11のいずれか1つに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E13 Rが、C−連結ヘテロアリール
【0022】
【化7】
である、実施形態E1からE12のいずれか1つに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E14 Rが、メチルまたはメトキシである、実施形態E1からE12のいずれか1つに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E15 Rが、Hまたはメチルである、実施形態E1からE14のいずれか1つに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E16 Rが、Hである、実施形態E1からE15のいずれか1つに記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
E17 N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン(実施例1の別名);
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−(カルボキシメトキシ)−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン(実施例2の別名);
N−[(2S)−1−({(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−[(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)メチル]−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル}アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン(実施例3の別名);
N−[(2S)−1−({(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−[(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)メチル]−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル}アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン(実施例4の別名);
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−1,4,7,10,16−ペンタオキソ−6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルメチル)イコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン(実施例5の別名);
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−1,4,7,10,16−ペンタオキソ−6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イルメチル)イコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン(実施例6の別名);
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19S,20aS)−19−アミノ−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン(実施例7の別名);
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−19−アミノ−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン(実施例8の別名);
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−19−(アセチルアミノ)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン(実施例9の別名);
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19S,20aS)−19−(アセチルアミノ)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン(実施例10の別名);
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]−N−メチルグリシン(実施例11の別名);
{[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19S,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−[(カルボキシメチル)アミノ]−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}酢酸(実施例12の別名);
N−{(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−(3,5−ジジュウテロフェニル)プロパン−2−イル}グリシン(実施例13の別名);
{[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−[(カルボキシメチル)アミノ]−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]アミノ}酢酸(実施例14の別名);
N−[(2S)−1−({(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−[(6−メトキシ−1H−インドール−3−イル)メチル]−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル}アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシン(実施例15の別名);
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インダゾール−3−イル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン(実施例16);および
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((6−エチル−1H−インドール−3−イル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン(実施例17)
から選択される、実施形態E1に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩。
【0023】
式(Ia)および式(Ib)の化合物において、
・必要な数の炭素原子を含有するアルキルおよびアルコキシ基は、分岐していないかまたは分岐状でよい。アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチルおよびt−ブチルを含む。アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、sec−ブトキシおよびt−ブトキシを含む。
・シクロアルキルの例は、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを含む。
・他に逆に特定しない限り、ヘテロアリールは、「C−連結」または「N−連結」していてもよい。用語「C−連結」は、ヘテロアリールが環炭素を介して接合していることを意味する。用語「N−連結」は、ヘテロアリールが環窒素を介して接合していることを意味する。
・5員、6員、9員および10員のヘテロアリールの具体例は、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾイル、トリアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピロロ[2,3−b]ピリジル、ピロロ[2,3−c]ピリジル、ピロロ[3,2−c]ピリジル、ピロロ[3,2−b]ピリジル、イミダゾ[4,5−b]ピリジル、イミダゾ[4,5−c]ピリジル、ピラゾロ[4,3−d]ピリジル、ピラゾロ[4,3−c]ピリジル、ピラゾロ[3,4−c]ピリジル、ピラゾロ[3,4−b]ピリジル、インドリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、1,6−ナフチリジニル、1,7−ナフチリジニル、1,8−ナフチリジニル、1,5−ナフチリジニル、2,6−ナフチリジニル、2,7−ナフチリジニル、ピリド[3,2−d]ピリミジニル、ピリド[4,3−d]ピリミジニル、ピリド[3,4−d]ピリミジニル、ピリド[2,3−d]ピリミジニル、ピリド[2,3−d]ピラジニルおよびピリド[3,4−b]ピラジニルを含む。
【0024】
文脈によって式(Ia)、式(Ib)、または式(Ia)および式(Ib)の両方に特に言及することを必要としない限り、本明細書の下記で式(I)は、式(Ia)および(Ib)の両方を集合的に言及するために使用される。
【0025】
本明細書の下記で、本発明の化合物への全ての言及は、下記でより詳細に考察するような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくはその多成分複合体、または式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩の薬学的に許容できる溶媒和物もしくは多成分複合体を含む。
【0026】
本発明の好ましい化合物は、式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩である。
【0027】
適切な酸付加塩は、無毒性の塩を形成する酸から形成される。例は、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カムシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩およびキシナホ酸塩を含む。
【0028】
適切な塩基性塩は、無毒性の塩を形成する塩基から形成される。例は、アルミニウム塩、アルギニン塩、ベンザチン塩、カルシウム塩、コリン塩、ジエチルアミン塩、ジオラミン塩、グリシン塩、リシン塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、オラミン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩および亜鉛塩を含む。
【0029】
酸および塩基のヘミ塩、例えば、ヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩をまた、形成し得る。
【0030】
上記の塩は、対イオンが、光学活性、例えば、d−乳酸塩もしくはl−リシン、またはラセミ体、例えば、dl−酒石酸塩もしくはdl−アルギニンであるものを含むことを当業者は認識するであろう。
【0031】
適切な塩についての総説については、「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties, Selection, and Use」、StahlおよびWermuth(Wiley−VCH、Weinheim、Germany、2002)を参照されたい。
【0032】
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩は、3つの方法の1つもしくは複数によって調製し得る。
(i)式(I)の化合物と所望の酸もしくは塩基とを反応させることによる;
(ii)所望の酸もしくは塩基を使用して、式(I)の化合物の適切な前駆体から酸もしくは塩基に不安定な保護基を除去することによる;または
(iii)適当な酸もしくは塩基との反応によって、または適切なイオン交換カラムの手段によって、式(I)の化合物の1種の塩を別の塩に変換することによる。
【0033】
3つの反応の全ては典型的には、溶液中で行われる。このように得られた塩は、沈殿し、濾過によって集め得るか、または溶媒の蒸発によって回収し得る。このように得られた塩におけるイオン化の程度は、完全にイオン化されているものから殆どイオン化されていないものまで変化し得る。
【0034】
式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩は、非溶媒和および溶媒和形態の両方で存在し得る。用語「溶媒和物」は、本明細書において、式(I)の化合物または薬学的に許容できるその塩と、1個もしくは複数の薬学的に許容できる溶媒分子、例えば、エタノールとを含む分子複合体を説明するために使用される。前記溶媒が水であるとき、用語「水和物」が用いられる。本発明による薬学的に許容できる溶媒和物は、結晶化の溶媒を同位体的に置換し得るもの、例えば、DO、d−アセトンおよびd−DMSOを含む。
【0035】
有機水和物のための現在認められている分類体系は、孤立部位水和物(isolated site hydrate)、チャネル水和物、または金属イオン配位水和物を定義しているものである。参照により本明細書中に組み込まれている、Polymorphism in Pharmaceutical Solids、K.R.Morris(Ed.H.G.Brittain、Marcel Dekker、1995)を参照されたい。孤立部位水和物は、水分子が、介在する有機分子によって互いとの直接の接触から孤立している。チャネル水和物において、水分子は、格子チャネル内に位置しており、そこでは、水分子は他の水分子の隣にある。金属イオン配位水和物において、水分子は、金属イオンに結合している。
【0036】
溶媒または水が密接に結合しているとき、複合体は、湿度とは関係なく明確な化学量論を有する。しかし、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物におけるように、溶媒または水が弱く結合しているとき、水/溶媒含量は、湿度および乾燥条件によって決まる。このような場合、非化学量論が標準である。
【0037】
式(I)の化合物の多成分複合体(塩および溶媒和物以外)または薬学的に許容できるその塩も本発明の範囲内に含まれ、ここでは、薬物および少なくとも1種の他の成分は、化学量論量または非化学量論量で存在する。このタイプの複合体は、クラスレート(薬物−ホスト包接複合体)および共結晶を含む。後者は典型的には、非共有結合性相互作用によって互いに結合しているが、塩との中性分子の複合体であり得る、中性分子構成物の結晶複合体として定義される。共結晶は、溶融結晶化によって、溶媒からの再結晶化によって、または諸成分を一緒に物理的に粉砕することによって調製し得る。参照により本明細書中に組み込まれている、Chem Commun、17、1889〜1896、O.AlmarssonおよびM.J.Zaworotko(2004)を参照されたい。多成分複合体の一般的な総説については、参照により本明細書中に組み込まれている、J Pharm Sci、64(8)、1269〜1288、Haleblian(August 1975)を参照されたい。
【0038】
本発明の化合物は、完全にアモルファスから完全に結晶性までの範囲の一連の固体状態で存在し得る。用語「アモルファス」は、材料が分子レベルで長距離秩序を欠いており、温度によって、固体または液体の物理的特性を示し得る状態を指す。典型的には、このような材料は、特有のX線回折パターンを示さず、固体の特性を示す一方で、液体としてより形式的に説明される。加熱によって、状態変化、典型的には、二次(「ガラス転移」)によって特性決定される固体から液体特性への変化が起こる。用語「結晶性」は、固相を指し、そこでは、材料が分子レベルにおいて規則的秩序の内部構造を有し、明確なピークを伴う特有のX線回折パターンを示す。このような材料はまた、十分に加熱されたとき、液体の特性を示すが、固体から液体への変化は、相変化、典型的には、一次(「融点」)によって特性決定される。
【0039】
本発明の化合物はまた、適切な条件に供されたとき、中間状態(中間相または液晶)で存在し得る。中間状態は、真の結晶状態および真の液体状態(溶融物または溶液)の間の中間物である。温度の変化の結果として起こる液晶性は、「サーモトロピック」として説明され、第2の成分、例えば、水または別の溶媒の添加からもたらされる液晶性は、「リオトロピック」として説明される。リオトロピック中間相を形成する可能性を有する化合物は、「両親媒性」として説明され、イオン性(例えば、−COONa、−COO、もしくは−SONa)または非イオン性(例えば、−N(CH)極性頭基を有する分子からなる。さらなる情報について、参照により本明細書中に組み込まれている、Crystals and the Polarizing Microscope、N.H.HartshorneおよびA.Stuart、4th Edition(Edward Arnold、1970)を参照されたい。
【0040】
本発明の化合物は、プロドラッグとして投与し得る。このように、それら自体が薬理活性を殆ど有さなくてもよいか、または有さなくてもよい式(I)の化合物の特定の誘導体は、体内にまたは体の上に投与されたとき、例えば、加水切断によって所望の活性を有する式(I)の化合物へと変換することができる。このような誘導体は、「プロドラッグ」と称される。プロドラッグの使用についてのさらなる情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、Vol.14、ACS Symposium Series(T HiguchiおよびW Stella)ならびに「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987(ed.E B Roche、American Pharmaceutical Association)において見出し得る。
【0041】
プロドラッグは、例えば、式(I)の化合物中に存在する適当な官能基を、例えば、「Design of Prodrugs」、H Bundgaard(Elsevier、1985)に記載されているような「プロ部分」として当業者には公知の特定の部分と置き換えることによって生成することができる。
【0042】
プロドラッグの例は、ホスフェートプロドラッグ、例えば、二水素またはジアルキル(例えば、ジ−tert−ブチル)ホスフェートプロドラッグを含む。上記の例による置換え基のさらなる例、および他のプロドラッグタイプの例は、上記の参照文献において見出し得る。
【0043】
式(I)の化合物の代謝物、すなわち、薬物の投与によってin vivoで形成される化合物も本発明の範囲内に含まれる。本発明による代謝物のいくつかの例は、式(I)の化合物がフェニル(Ph)部分を含有する場合、そのフェノール誘導体(−Ph>−PhOH)を含む。
【0044】
式(Ia)および(Ib)は、不斉炭素原子を含有し、立体特異的に定義されている。R1aおよびR1bが、それぞれ、NH、NH−C(O)RまたはNH(CH)−C(O)ORである場合、式(Ia)および(Ib)は、エピマーの対を定義することを当業者は認識するであろう。本発明は、全てのこのようなエピマーおよびこれらの混合物を含む。
【0045】
式(I)における1個もしくは複数の置換基は、1個もしくは複数のさらなる不斉炭素原子を導入し得ることを当業者はまた認識するであろう。前記1個もしくは複数のさらなる不斉炭素原子を含有する本発明の化合物は、2種もしくはそれより多い立体異性体として存在することができる。本発明の化合物の全てのこのような立体異性体、およびその2つもしくはそれより多いものの混合物が本発明の範囲内に含まれる。
【0046】
個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来の技術は、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用したラセミ化合物(または塩もしくは誘導体のラセミ化合物)の分割を含む。
【0047】
代わりに、ラセミ化合物(またはラセミ前駆体)は、適切な光学活性な化合物、例えば、アルコールと、または、式(I)の化合物が酸性もしくは塩基性部分を含有する場合は、塩基もしくは酸、例えば、1−フェニルエチルアミンもしくは酒石酸と反応し得る。このように得られたジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によって分離し得、ジアステレオ異性体の1つまたは両方は、対応する純粋なエナンチオマー(複数可)へと当業者には周知の手段によって変換し得る。
【0048】
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、クロマトグラフィー、典型的には、0〜50容量%のイソプロパノール、典型的には、2〜20容量%、および0〜5容量%のアルキルアミン、典型的には、0.1容量%のジエチルアミンを含有する炭化水素、典型的には、ヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を伴う、不斉樹脂上のHPLCを使用して鏡像異性的に富化された形態で得てもよい。溶出液の濃縮は、富化された混合物を提供する。
【0049】
亜臨界流体および超臨界流体を使用したキラルクロマトグラフィーを用いてもよい。本発明の一部の実施形態において有用なキラルクロマトグラフィーについての方法は公知である。例えば、Smith, Roger M.、Loughborough University、Loughborough、UK;Chromatographic Science Series(1998)、75(Supercritical Fluid Chromatography with Packed Columns)、pp.223〜249およびその中で引用されている参照文献を参照されたい。
【0050】
立体異性体の混合物は、当業者には公知の従来の技術によって分離し得る。例えば、「Stereochemistry of Organic Compounds」、E.L.ElielおよびS.H.Wilen(Wiley、New York、1994を参照されたい。
【0051】
構造異性体が低いエネルギー障壁によって相互転換できる場合、互変異性(「タウトメリズム」)および配座異性が起こり得る。
【0052】
タウトメリズムは、例えば、アミド基(すなわち、アミド−イミド酸タウトメリズム)を含有する式(I)の化合物におけるプロトンタウトメリズム、または芳香族部分を含有する化合物におけるいわゆる原子価タウトメリズムの形態を取ることができる。簡潔さのために、式(I)の化合物を本明細書において単一の互変異性形態で描いてきた一方、全ての可能な互変異性形態が本発明の範囲内に含まれる。
【0053】
配座異性は、異性体が単結合の周りの回転によってもっぱら相互変換することができる立体異性の一形態である。このような異性体は一般に、配座異性体またはコンフォマー、および具体的には、回転異性体と称される。式(I)のアミドは、回転異性体として存在することができる。簡潔さのために、式(I)の化合物を単一の立体配座形態で描いてきた一方、全ての可能なコンフォマーは本発明の範囲内に含まれる。
【0054】
本発明の範囲は、そのラセミ化合物およびラセミ混合物(集合体)を含めた、本発明の化合物の全ての結晶形態を含む。立体異性集合体はまた、本明細書の直前に記載されている従来の技術によって分離し得る。
【0055】
本発明の範囲は、本発明の全ての薬学的に許容できる同位体標識された化合物を含み、ここでは、1個もしくは複数の原子は、天然で優勢である原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数ではあるが同じ原子番号を有する原子で置き換えられている。
【0056】
本発明の化合物に含まれるのに適した同位体の例は、水素の同位体、例えば、HおよびH;炭素の同位体、例えば、11C、13Cおよび14C;窒素の同位体、例えば、13Nおよび15N;ならびに酸素の同位体、例えば、15O、17Oおよび18Oを含む。
【0057】
本発明の特定の同位体標識された化合物、例えば、放射性同位体を組み込んでいるものは、薬物および/または基質組織分布研究において有用である。放射性同位体であるトリチウム、すなわち、H、および炭素−14、すなわち、14Cは、それらの組込みの容易さおよび検出の使用可能な手段を考慮して、この目的のために特に有用である。より重い同位体、例えば、重水素(D)、すなわち、Hによる置換は、より大きな代謝安定性、例えば、in vivoでの半減期の増加または投与必要量の低減からもたらされる特定の治療上の利点をもたらし得、したがって、いくつかの状況において好ましくてもよい。ポジトロン放出同位体、例えば、11C、15Oおよび13Nによる置換は、基質受容体占有率を調査するためのポジトロン放出断層撮影(PET)研究において有用であり得る。
【0058】
特に対象となるのは、1個もしくは複数のHがDで置き換えられている式(I)の化合物である。本発明の一実施形態では、式(I)におけるフェニル環は、1個もしくは複数のDで置換されている。別の実施形態では、本発明は、式(Ia)または式(Ib
【0059】
【化8】
の3,5−ジジューテロフェニル化合物を提供する。
【0060】
実施形態E2〜E16は、式(Ia)および式(Ib)の化合物に適用されるように、式(Ia)および式(Ib)の化合物に適用されることを当業者は認識するであろう。式(Ia)および式(Ib)の化合物に関して、このような実施形態は、E2〜E16と称される。
【0061】
したがって、化合物N−{(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−(3,5−ジジューテロフェニル)プロパン−2−イル}グリシンは、式(Ia)および式(Ia)の両方の実施形態である。
【0062】
式(I)の同位体標識化合物は一般に、当業者には公知の従来の技術によって、または従前に用いた標識されていない試薬の代わりに適当な同位体標識された試薬を使用して添付の実施例および調製に記載されているものと類似しているプロセスによって調製することができる。
【0063】
本明細書の下記で定義するような中間化合物、その全ての塩、溶媒和物および複合体、ならびに式(I)の化合物について本明細書の上記に定義されているようなその塩の全ての溶媒和物および複合体も本発明の範囲内である。本発明は、上記の種の全ての多形およびその晶癖を含む。
【0064】
本発明によって式(I)の化合物を調製するとき、当業者は、この目的のための特徴の最良の組合せを提供する中間体の形態を通常選択し得る。このような特徴は、中間体形態の融点、溶解性、加工性および収率、ならびに生成物を単離によって精製し得る結果として生じる容易さを含む。
【0065】
本発明の化合物は、類似の構造の化合物の調製のための当技術分野において公知の任意の方法によって調製し得る。特に、本発明の化合物は、下記のスキームを参照して記載した手順によって、または実施例において記載されている特定の方法によって、またはいずれかと同様のプロセスによって調製することができる。
【0066】
下記のスキームにおいて記載する実験条件は、示された変換をもたらすための適切な条件の例示であることを、および式(I)の化合物の調製のために用いる正確な条件を変更することが必要であるか、または望ましくあり得ることを、当業者は認識するであろう。スキームにおいて記載したものと異なる順序で変換を行うか、または変換の1つもしくは複数を修正して、本発明の所望の化合物を提供することは必要であるか、もしくは望ましくあり得ることがさらに認識されるであろう。
【0067】
さらに、望ましくない副反応を防止するために、1個もしくは複数の感受性基を保護することは、本発明の化合物の合成における任意の段階において必要であるか、または望ましくあり得ることを当業者は認識するであろう。特に、ヒドロキシル、カルボキシルおよび/またはアミノ基を保護することは必要であるか、または望ましくあり得る。本発明の化合物の調製において使用される保護基は、通常の様式で使用し得る。例えば、参照により本明細書中に組み込まれている、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、Theodora W GreeneおよびPeter G M Wuts、fifth edition、(John Wiley and Sons、2014)に記載されているもの、ならびに特に、このような基の除去のための方法をまた説明する、それぞれ、第2章、第5章および第7章を参照されたい。
【0068】
下記の一般プロセスにおいて、R〜Rは、他に記述しない限り、式(I)の化合物について従前に定義された通りである。スキームは式(Ia)の化合物の調製について説明する一方、これらは式(Ib)の化合物の提供のために同等に適していることを当業者は認識するであろう。
【0069】
式(I)の化合物は、Rを含有する側鎖アミノ酸基が、シーケンスの初めにおいて大環状化の前に、またはシーケンスの終わりにおいて大環状化に続いて導入されるかどうかによって、スキーム1またはスキーム2によって調製し得る。両方のスキームは、アミノ酸であるオルニチンの保護されたバージョンを使用した最初のローディングステップを伴う、2−クロロトリチルクロリド(CTC)樹脂をベースとする固相合成(SPS)技術を利用する。
【0070】
第1のプロセスによると、式(Ia)の化合物は、スキーム1によって調製し得る。
【0071】
スキーム1によると、Nα−フルオレニルメチルオキシカルボニル−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを樹脂上へとローディングし、それに続いてフルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)基の除去によって、式(V)の化合物が得られ、これによってそれに続く、選択的に遊離αアミノ基上への、Rを含有する所望の側鎖アミノ酸の導入が可能となった。次いで、アリルオキシカルボニル基の除去によって、遊離δアミノ基上のアミノ酸カップリングが可能となった。それに続くFMOC保護されたアミノ酸を使用した確立したSPS技術を使用したペプチド鎖伸長によって、1個の遊離アミノ基を有する式(IVa)の樹脂結合ヘキサペプチドが得られた。それに続く樹脂からの切断によって、1個の遊離アミノ基および1個の遊離カルボン酸基を有する式(IIIa)のヘキサペプチドが得られ、これはマクロラクタム化を起こし、式(IIa)の環状ペプチドフレームワークが得られた。様々な酸に不安定な保護基PG、PG、PGおよびPbfの除去、それに続く精製によって、式(Ia)の最終環状ペプチドが得られた。
【0072】
【化9】
【0073】
第2のプロセスによると、式(Ia)の化合物は、スキーム2によって調製し得る。
【0074】
スキーム2によると、Nα−tert−ブチルオキシカルボニル−Nδ−フルオレニルメチルオキシカルボニル−L−オルニチンを樹脂上へとローディングし、それに続いてFMOC基を除去することによって、(X)の化合物が得られ、これによって遊離δアミノ基上のアミノ酸カップリングが可能となった。FMOC保護されたアミノ酸を使用した確立したSPS技術を使用したそれに続くペプチド鎖伸長によって、1個の遊離アミノ基を有する式(IXa)の樹脂結合ペンタペプチドを得た。それに続く、樹脂からの切断によって、1個の遊離アミノ基および1個の遊離カルボン酸基を有する式(VIIIa)のペンタペプチドを得て、これはマクロラクタム化を起こし、式(VIIa)の環状ペプチドプレームワークを得た。オルニチン残基からのNα−tert−ブチルオキシカルボニル基を含めた様々な酸に不安定な保護基、ならびにPG、PGおよびPbfの除去によって、1個の遊離アミノ基を有する式(VIa)の環状ペンタペプチドが得られた。遊離アミノ基上への側鎖アミノ酸の導入、それに続く精製によって、式(Ia)の最終環状ペプチドを得た。
【0075】
【化10】
【0076】
CTC樹脂および必要なアミノ酸は、市販であるか、文献から公知であるか、当業者には周知の方法によって容易に調製されるか、または本明細書に記載されている調製によって別の方法で作製することができる。
【0077】
式(I)の化合物を調製するための全ての新規なプロセス、およびこのようなプロセスにおいて用いられる対応する新規な中間体は、本発明のさらなる態様を形成する。
【0078】
製薬学的用途のために意図される本発明の化合物は、結晶性もしくはアモルファスの生成物として投与し得るか、または完全にアモルファスから完全に結晶性までの範囲の一連の固体状態で存在し得る。これらは、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、または蒸発による乾燥などの方法によって、例えば、固体プラグ、粉末、またはフィルムとして得てもよい。マイクロ波または高周波乾燥は、この目的のために使用し得る。
【0079】
これらは、単独で、または1種もしくは複数の他の本発明の化合物と組み合わせて、または1種もしくは複数の他の薬物と組み合わせて(または、任意のこれらの組合せとして)投与し得る。一般に、これらは、1種もしくは複数の薬学的に許容できる添加剤と関連して投与される。用語「添加剤」は、本明細書において本発明の化合物(複数可)以外の任意の構成要素を説明するために使用される。添加剤の選択は、かなりの程度まで、投与の特定のモード、溶解性および安定性に対する添加剤の効果、ならびに剤形の性質などの要因によって決まる。
【0080】
別の態様では、本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容できる添加剤を含む医薬組成物を提供する。
【0081】
本発明の化合物の送達に適した医薬組成物、およびこれらの調製のための方法は、当業者には容易に明らかである。このような組成物およびこれらの調製のための方法は、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、19th Edition(Mack Publishing Company、1995)において見出し得る。
【0082】
本発明の化合物は、非経口的に、すなわち、血流中に、筋肉中に、または内臓中に直接投与し得る。
【0083】
静脈内投与は、特に、本発明の化合物を投与するための好都合な手段を表す。非経口投与のための他の適切な手段は、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋内および皮下を含む。
【0084】
非経口投与のための適切な装置は、針(顕微針を含めた)のある注射器、針のない注射器および注入技術を含む。
【0085】
非経口製剤は典型的には、添加剤、例えば、塩、炭水化物および(好ましくは、3〜9のpHへの)緩衝剤を含有し得る水溶液であるが、いくつかの用途のために、これらは無菌の非水性溶液として、または適切なビヒクル、例えば、無菌の発熱物質を含まない水と共に使用される乾燥形態としてより適切に製剤化し得る。
【0086】
例えば、凍結乾燥による無菌状態下での非経口製剤の調製は、当業者には周知の標準的な医薬技術を使用して容易に達成し得る。
【0087】
非経口液の調製において使用される式(I)の化合物の溶解性は、適当な製剤化技術、例えば、溶解性増進剤の組込みを使用することによって増加し得る。
【0088】
非経口投与のための製剤は、即時放出および/または調節放出であるように製剤化し得る。好都合には、本発明の化合物は、即時放出のために製剤化される。
【0089】
調節放出製剤は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出を含む。このように、本発明の化合物は、活性化合物の調節放出を実現する埋め込まれたデポー剤としての投与のために固体、半固体、またはチキソトロープ液として製剤化し得る。このような製剤の例は、薬物コーティングしたステントおよびポリ(dl−乳酸−co−グリコール酸)(PGLA)ミクロスフィアを含む。
【0090】
他の投与のモードは、経口、局所、吸入/鼻腔内、直腸/膣内および眼/耳への投与を含む。これらの投与方法に適した製剤は、即時放出および/または調節放出を含む。調節放出製剤は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出を含む。
【0091】
本発明の化合物は、上記の投与方法のいずれかにおいて使用するための、それらの溶解性、溶解速度、味のマスキング、バイオアベイラビリティーおよび/または安定性を改善させるために、可溶性巨大分子実体、例えば、シクロデキストリンおよび適切なその誘導体またはポリエチレングリコール含有ポリマーと組み合わせ得る。
【0092】
薬物−シクロデキストリン複合体は、例えば、大部分の剤形および投与経路のために一般に有用であることが見出される。包接複合体および非包接複合体の両方を使用し得る。薬物との直接の複合体形成に代わるものとして、シクロデキストリンは、補助的添加物として、すなわち、担体、賦形剤、または可溶化剤として使用し得る。これらの目的のために最も一般に使用されるのは、ヒドロキシプロピルベータシクロデキストリンおよびスルホブチルエーテルベータシクロデキストリンナトリウムを含めたアルファ−、ベータ−およびガンマ−シクロデキストリンであり、それらの例は、国際出願WO91/11172、WO94/02518およびWO98/55148において見出し得る。
【0093】
ヒト患者への投与のために、本発明の化合物の総1日用量は典型的には、当然ながら、投与のモードおよび有効性によって、1mg〜10g、例えば、60mg〜6g、例えば、100mg〜1gの範囲である。例えば、静脈内投与は、400mg〜800mgの総1日用量を必要とし得る。総1日用量は、単回用量または分割用量で投与し得、医師の裁量で、本明細書において示す典型的な範囲に入らなくてもよい。これらの投与量は、約60kg〜70kgの重量を有する平均ヒト対象に基づく。医師は、その体重がこの範囲に入らない対象、例えば、幼児および高齢者のために容易に用量を決定することができる。
【0094】
上で述べたように、本発明の化合物は、動物において薬理活性、すなわち、C5a受容体アンタゴニズムを示すために有用である。より特定すると、本発明の化合物は、C5a受容体アンタゴニストが適応となる障害の処置において有用である。好ましくは、動物は、哺乳動物、より好ましくは、ヒトである。
【0095】
本発明のさらなる態様では、医薬として使用するための、本発明の化合物を提供する。
【0096】
本発明のさらなる態様では、C5a受容体アンタゴニストが適応となる障害の処置において使用するための本発明の化合物を提供する。
【0097】
本発明のさらなる態様では、C5a受容体アンタゴニストが適応となる障害の処置のための医薬の調製のための本発明の化合物の使用を提供する。
【0098】
本発明のさらなる態様では、前記動物に治療的有効量の本発明の化合物を投与することを含む、動物(好ましくは、哺乳動物、より好ましくは、ヒト)において、C5a受容体アンタゴニストが適応となる障害を処置する方法を提供する。
【0099】
C5a受容体アンタゴニストが適応となる障害は、炎症性障害および免疫障害を含む。
【0100】
炎症性障害には、これらに限定されないが、敗血症、例えば、急性の腎臓、肺、肝臓、心臓および脳傷害と関連する敗血症;アナフィラキシー;移植片拒絶、例えば、腎臓、肺、心臓、肝臓および膵臓と関連するもの;全身性血管炎、例えば、抗好中球細胞質抗体関連血管炎;眼疾患、例えば、黄斑変性症およびブドウ膜炎;肺疾患、例えば、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD);炎症性障害、例えば、COPDまたは全身性エリテマトーデス(SLE)の急性増悪;ならびに腎臓、肺、肝臓、心臓および脳の虚血再灌流傷害が含まれる。
【0101】
免疫障害には、これらに限定されないが、非定型的HUS(aHUS)を含めた溶血性尿毒症症候群(HUS);関節リウマチ;ギランバレー症候群;クローン病;潰瘍性大腸炎;重症筋無力症;抗リン脂質症候群;天疱瘡;類天疱瘡;SLE;IgAネフロパシー;およびループス腎炎が含まれる。
【0102】
特に対象となる障害は、
・根底にある腎疾患、例えば、糸球体腎炎もしくは溶血性尿毒症症候群によって;または
・薬物、虚血、感染、もしくは腎毒性代謝物によって
もたらされるAKIを含めた急性腎傷害(AKI)である。
【0103】
C5a受容体アンタゴニストは、別の薬理的活性化合物と、または2種もしくはそれより多い他の薬理的活性化合物と有用な形で組み合わせ得る。このような組合せは、患者の薬剤服用順守、投薬の容易さおよび相乗的活性を含めた重要な利点の可能性を提供する。
【0104】
このような組合せにおいて、本発明の化合物は、他の治療剤(複数可)と組み合わせて、同時に、逐次的にまたは別々に投与し得る。
【0105】
1種もしくは複数のさらなる治療剤は、下記の薬剤、または薬剤のタイプのいずれかから選択し得る。
1)TNF−アルファ阻害剤、例えば、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、エタネルセプト、インフリキシマブまたはゴリムマブ;
2)アルカリホスファターゼ、例えば、組換えアルカリホスファターゼ(例えば、PF−06853082);
3)トール様受容体(TLR)アンタゴニスト、例えば、中和抗体;
4)炎症性疾患および/または自己免疫疾患を処置するための別の薬剤、例えば、メトトレキサート、レフルノミド、スルファサラジンまたはアザチオプリン;
5)抗ヒスタミン受容体アンタゴニスト、例えば、H受容体アンタゴニスト(例えば、ジフェンヒドラミン);
6)ホルミルペプチド受容体(FPR)アンタゴニスト、例えば、FPR−1受容体アンタゴニスト;
7)別の補体系阻害剤、例えば、B因子阻害剤、C5a中和抗体またはC5L2阻害剤;
8)ケモカインまたはケモカイン受容体(CCR)中和抗体またはアンタゴニスト、例えば、CCR2受容体アンタゴニスト(例えば、PF−04136309)またはCCR2/5デュアル受容体アンタゴニスト、例えば、PF−04634817;
9)a.ヤヌスキナーゼの阻害剤、例えば、JAK1(例えば、PF−04965842)、JAK2もしくはJAK3(例えば、トファシチニブもしくはPF−06651600);
b.チロシンキナーゼ、例えば、TYK2の阻害剤;
c.p38の阻害剤;
d.MAPKの阻害剤;
e.Sykの阻害剤;
f.IKK2の阻害剤;または
g.上記のキナーゼの1種もしくは複数の阻害剤、例えば、TYK2/JAK1阻害剤(例えば、PF−06700841);
h.インターロイキン−1受容体関連キナーゼ(IRAK)の阻害剤、例えば、IRAK4の阻害剤(例えば、PF−06650833);
i.ブルトンチロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤
を含めたキナーゼ阻害剤;
10)インターロイキン(IL)阻害剤またはIL受容体阻害剤、例えば、IL−1阻害剤(例えば、アナキンラ)、IL−6阻害剤(例えば、トシリズマブ)、IL−12/IL−23阻害剤(例えば、ウステキヌマブ)、またはIL−33阻害剤(例えば、PF−0817024);
11)インテグリン阻害剤、例えば、ナタリズマブ;
12)非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、例えば、プロピオン酸誘導体(例えば、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロクス酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸およびチオキサプロフェン)。
【0106】
2種もしくはそれより多い医薬組成物(これらの少なくとも1つは、本発明の化合物を含有する)は好都合には、組成物の同時の投与に適したキットの形態において組み合わせ得ることは本発明の範囲内である。このように、本発明のキットは、2種もしくはそれより多い別々の医薬組成物(これらの少なくとも1つは、本発明の化合物を含有する)、および前記組成物を別々に保持するための手段、例えば、入れ物、分割されたボトル、または分割されたフォイルパケットを含む。このようなキットの一例は、錠剤、カプセル剤などのパッケージングのために使用される見慣れたブリスターパックである。本発明のキットは、異なる剤形、例えば、経口および非経口を投与するのに、異なる投与間隔で別々の組成物を投与するのに、または別々の組成物を互いに対して滴定するのに特に適している。服薬遵守を助けるために、キットは典型的には、投与についての指示を含み、いわゆるメモリーエイドと共に提供し得る。
【0107】
別の態様では、本発明は、C5a受容体アンタゴニストが適応となる障害の処置における同時、別々または逐次の使用のための組み合わされた調製物として、1種もしくは複数のさらなる治療活性剤と共に本発明の化合物を含む(例えば、キットの形態での)医薬製品を提供する。
【0108】
本明細書において処置への全ての言及は、治癒的処置、姑息的処置および予防的処置を含むことを理解すべきである。
【0109】
記述内容、および上記のスキームにおいて下記で詳述する非限定的実施例および調製において、下記の略語、定義および分析手順に言及し得る。
AcOHは、酢酸であり、
APCIは、大気圧化学イオン化であり、
aqは、水性であり、
bocは、tert−ブチルオキシカルボニルであり、
(boc)Oは、ジ−tert−ブチルジカーボネートであり、
℃は、摂氏温度であり、
Cbz−Clは、塩化カルボキシベンジル(クロロギ酸ベンジルとしてもまた公知である)であり、
CDClは、重水素化クロロホルムであり、
CDODは、ジューテロメタノールであり、
CTCは、2−クロロトリチルであり、
DBUは、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンであり、
DCEは、ジクロロエタンであり、
DCMは、ジクロロメタン(塩化メチレンとしてもまた公知である)であり、
DEAは、ジエチルアミンであり、
DIPEAは、ジイソプロピルエチルアミンであり、
DMAPは、ジメチルアミノピリジンであり、
DMEは、ジメトキシエタンであり、
DMFは、N,N−ジメチルホルムアミドであり、
DMSOは、ジメチルスルホキシドであり、
−DMSOは、ジューテロジメチルスルホキシドであり、
ESCIは、エレクトロスプレー化学イオン化であり、
ESIは、エレクトロスプレーイオン化であり、
EtOAcは、酢酸エチルであり、
Fmoc(FMOC)は、フルオレニルメチルオキシカルボニルであり、
Fmoc−OSuは、N−(9−フルオレニルメトキシカルボニオキシ)スクシンイミドであり、
gは、グラムであり、
HClは、塩酸であり、
HATUは、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェートであり、
HBTUは、O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロホスフェートであり、
HFIPAは、ヘキサフルオロイソプロパノールであり、
HPLCは、高圧液体クロマトグラフィーであり、
i−PrOHは、イソプロパノールであり、
Lは、リットルであり、
LC−MSは、液体クロマトグラフィー質量分析法であり、
Mは、モルであり、
MeCNは、アセトニトリルであり、
MeOHは、メタノールであり、
meqは、モル当量であり、
mgは、ミリグラムであり、
MHzは、メガヘルツであり、
分は、分であり、
mLは、ミリリットルであり、
mmolは、ミリモルであり、
molは、モルであり、
MTBEは、メチル第三ブチルエーテルであり、
MS m/zは、質量スペクトルピークであり、
NaHCOは、炭酸水素ナトリウムであり、
NaOHは、水酸化ナトリウムであり、
NHまたはNHOHは、アンモニアまたは水酸化アンモニウムであり、
NMMは、N−メチルモルホリンであり、
Pbfは、(2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニルであり、
PEは、石油エーテルであり、
pHは、水素イオン指数であり、
r.t.は、室温であり、
SFCは、超臨界流体クロマトグラフィーであり、
SPPSは、固相ペプチド合成であり、
TBAIは、ヨウ化テトラブチルアンモニウムであり、
TBMEは、tert−ブチルジメチルエーテルであり、
TEAは、トリエチルアミンであり、
TFAは、トリフルオロ酢酸であり、
THFは、テトラヒドロフランであり、
は、保持時間であり、
μLは、マイクロリットルであり、
μmolは、マイクロモルである。
【0110】
下記の実施例に関して下記の手順を使用した。
【0111】
方法A:固相反応の進行をモニタ−するためのLC−MS方法
少量のCTC樹脂結合ペプチド(約2〜5mg)を、DCM中の20%HFIPAでr.t.にて5分間処理した。揮発性物質を窒素流下で蒸発させ、残渣をメタノールに溶解し、濾過し、Waters LC−MSによって分析した。
【0112】
LC−MS条件:
カラム:Waters Acquity HSS T3、2.1mm×50mm、C18、1.7μm;温度:60℃;移動相A:水中の0.1%ギ酸(v/v);移動相B:アセトニトリル中の0.1%ギ酸(v/v);流量1.25ml/分。
・1.5分の実行:初期条件:A−95%:B−5%;0.0〜0.1分、初期で保持;0.1〜1.0分に亘りA−5%:B−95%への直線傾斜;1.0〜1.1分、A−5%:B−95%で保持;1.1〜1.5分、初期条件に戻す。
・3分の実行:初期条件:A95%:B5%;0.0〜0.1分、初期条件で保持、次いで、A5%への直線傾斜:0.1〜2.6分、B95%;A5%で保持:2.6〜2.95分、B95%、次いで、2.95〜3.0分、初期条件に戻す。
検出器:Waters Acquity PDA;200〜450nmスキャン;1.2nm間隔
Waters Acquity ELS検出器;ドリフトチューブ、65℃
Waters SQ MS(シングル四重極型)チューン:ESI−3.5kV、キャピラリー/APCI(ESCIモード)−0.3μAコロナピン、30Vコーン、ソース150℃、脱溶媒和475℃、脱溶媒和ガス、N2、400L/時間
MS方法:ESCI(ESI+/−、APCI+/−)、100〜2000m/zスキャン、0.4秒のスキャン時間、セントロイド
注入量:5μl
【0113】
方法B:CTC樹脂上へのFmoc保護されたアミノ酸のローディング(1mmol未満のスケール)
SPPSチューブ中で、CTC樹脂(CAS42074−68−0、ChemImpexから市販されている、カタログ番号04250、1.0〜1.7meq/g、1.0当量)を、選択したFmoc保護されたアミノ酸(1.1当量)およびDIPEA(6当量)のDMF/DCMの混合溶媒(1:10v/v、12ml/mmolのCTC樹脂)溶液と混合した。混合物をr.t.にて5時間振とうした。次いで、無水メタノール(16当量)を加え、未反応のCTC樹脂をキャップした。r.t.にてさらに30分間振とうした後、樹脂を濾別し、DMF(3×10ml)、DCM(3×10ml)、MeOH(3×10ml)、およびDMF(3×10ml)で洗浄した。Fmoc除去のために、次いで、樹脂をDMF(10ml)中の20%v/vピペリジンでr.t.にて振とう床上で30分間処理した。次いで、樹脂を濾過し、DMF(3×10ml)、DCM(3×10ml)、MeOH(3×10ml)で洗浄し、真空下で完全に乾燥させ、CTC樹脂結合アミノ酸を得て、これを固相合成においてさらに精製することなく直接使用した。ローディングされていないCTC樹脂と比較して、重量増加に基づいて樹脂ローディング率を推定した。
【0114】
方法C:2−クロロトリチル(CTC)樹脂上へのFmoc保護されたアミノ酸のローディング(1.0〜100mmolスケール)
オーバーヘッド機械式撹拌機を備えたSPPS容器において、CTC樹脂(1.0〜1.7meq/g、1.0当量)を、選択したFmoc保護されたアミノ酸(1.1当量)およびDIPEA(6当量)のDMF/DCMの混合溶媒(1:10v/v、6.6ml/mmolのCTC樹脂)溶液と混合した。混合物をr.t.にて5時間穏やかに撹拌した。無水メタノール(16当量)を加え、未反応のCTC樹脂をキャップした。r.t.にてさらに30分間撹拌した後、溶液を樹脂から真空濾過によって除去した。樹脂結合生成物をDMF(3×200ml)、DCM(3×200ml)、MeOH(3×200ml)、およびDMF(3×200ml)で洗浄した。Fmoc除去のために、次いで、樹脂をDMF(300ml)中の20%v/vピペリジンでr.t.にて穏やかに撹拌しながら30分間処理した。次いで、樹脂を真空下で濾過し、DMF(3×200ml)、DCM(3×200ml)、MeOH(3×100ml)で洗浄し、真空下で完全に乾燥させ、CTC樹脂結合アミノ酸を得て、これをさらに精製することなく固相合成において直接使用した。ローディングされていない樹脂と比較して、重量増加に基づいて樹脂ローディング率を推定した。
【0115】
方法D:直鎖状ペンタペプチド前駆体、SPS(1mmol未満のスケール)
CTC樹脂結合アミノ酸(1.0当量)を含有するSPPSチューブに、Fmoc保護されたアミノ酸(1.5当量)、HBTU(1.5当量)、DMF(12ml)およびDIPEA(3当量)を加えた。SPPSチューブをキャップし、r.t.にて振とう床上で2時間または方法Aを使用してLC−MSが反応の完了を示すまで振とうした。次いで、反応溶液を、真空濾過によってSPPSチューブから除去し、樹脂結合生成物を得て、これをDMF(3×10ml)、DCM(3×10ml)、MeOH(3×10ml)およびDMF(3×10ml)ですすいだ。Fmoc基の除去のために、樹脂をそれに続いてDMF中の10mlの20%v/vピペリジンでr.t.にて処理し、30分間、または方法Aを使用してLC−MSが反応の完了を示すまで振とう床上に入れた。樹脂を真空濾過し、DMF(3×12ml)、DCM(3×12ml)およびMeOH(3×10ml)ですすぎ、真空下で乾燥させ、遊離末端アミノ基を有する樹脂結合ペプチドを得て、これを次のアミノ酸カップリング反応においてさらに精製することなく直接使用した。
【0116】
上記のカップリング/脱Fmoc手順を毎回それぞれ、異なるアミノ酸を使用してさらに3回繰り返し、遊離末端アミノ基を有するCTC樹脂結合直鎖状ペンタペプチド配列を得た。
【0117】
方法E:直鎖状ペンタペプチド前駆体、SPS(1.0〜100mmolスケール)
焼結フィルタリングディスクおよびオーバーヘッド撹拌機を備えた500mlのSPPS容器に、CTC樹脂結合アミノ酸(1.0当量、ローディング方法Cを使用)、Fmoc保護されたアミノ酸(1.5当量)、HBTU(1.0当量)、DMF(100ml)およびDIPEA(3.0当量)を加えた。混合物をr.t.にて2時間または方法Aを使用してLC−MSが反応の完了を示すまで穏やかに撹拌した。次いで、反応溶液をSPPS容器から真空濾過によって除去し、樹脂性生物をDMF(3×100ml)、DCM(3×100ml)、MeOH(3×100ml)およびDMF(3×100ml)ですすいだ。Fmoc基の除去のために、樹脂をそれに続いてDMF中の100mlの20%v/vピペリジンでr.t.にて処理し、30分間または方法Aを使用してLC−MSが反応の完了を示すまで穏やかに撹拌した。樹脂を真空濾過し、DMF(3×120ml)、DCM(3×120ml)およびMeOH(3×100ml)ですすぎ、真空下で乾燥させ、遊離末端アミノ基を有する樹脂結合ペプチドを得て、これを次のアミノ酸カップリング反応においてさらに精製することなく直接使用した。
【0118】
上記のカップリング/脱Fmoc手順を、毎回それぞれ、異なるアミノ酸を使用してさらに3回繰り返し、遊離末端アミノ基を有するCTC樹脂結合直鎖状ペンタペプチド配列を得た。
【0119】
方法F:直鎖状ヘキサペプチド前駆体、SPS(1mmol未満のスケール)
側鎖アミノ酸導入
α−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(1.0当量)を、方法Bを使用してCTC樹脂上へとローディングした。SPPSチューブ中で、樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを、N保護されたアミノ酸(1.2当量)、HBTU(1.2当量)およびDMF(12ml/mmol)と混合し、r.t.にて約1時間または方法Aを使用してLC−MSが反応の完了を示すまで振とう床上で振とうした。樹脂を濾過し、DMF(3×10ml)、DCM(3×10ml)およびMeOH(3×10ml)で洗浄し、次いで、真空下で乾燥させた。
【0120】
アロキシカルボニルの除去
樹脂結合ジペプチド(1.0当量)を、磁気撹拌機を備えた丸底フラスコに移した。窒素雰囲気下で、DCM(8〜9ml/mmol)、フェニルシラン(16当量)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.12当量)を、逐次的に加えた。このように得られた混合物を、r.t.にて1時間N下で穏やかに撹拌し(約50rpm)、次いで、樹脂結合生成物を濾過し、DCM(3×10ml)、DMF(3×10ml)およびMeOH(3×10ml)で洗浄し、次いで、真空下で乾燥させ、遊離オルニチンδ−アミノ基を有する樹脂結合ジペプチドを得た。
【0121】
アミノ酸のさらなるカップリング
遊離オルニチンδ−アミノ基を有する樹脂結合ジペプチドをSPPSチューブ中に移し、次いで、Fmoc保護されたアミノ酸(1.5当量)、HBTU(1.5当量)、DMF(12ml)およびDIPEA(3当量)を加えた。SPPSチューブをキャップし、r.t.にて振とう床上で2時間または方法Aを使用してLC−MSが反応の完了を示すまで振とうした。次いで、反応溶液を、真空濾過によってSPPSチューブから除去し、樹脂結合生成物を得て、これをDMF(3×10ml)、DCM(3×10ml)、MeOH(3×10ml)およびDMF(3×10ml)ですすいだ。FMOC除去のために、樹脂をそれに続いてDMF中の10mlの20%v/vピペリジンでr.t.にて処理し、30分間または方法Aを使用してLC−MSが反応の完了を示すまで振とう床上に入れた。樹脂を真空濾過し、DMF(3×12ml)、DCM(3×12ml)およびMeOH(3×10ml)ですすぎ、次いで、真空下で乾燥させ、遊離末端アミノ基を有する樹脂結合ペプチドを得て、これを次のアミノ酸カップリング反応においてさらに精製することなく直接使用した。
【0122】
上記のカップリング/脱Fmoc手順を、毎回それぞれ、異なるアミノ酸を使用してさらに3回繰り返し、遊離末端アミノ基を有するCTC樹脂結合直鎖状ヘキサペプチド配列を得た。
【0123】
方法G:直鎖状ヘキサペプチド前駆体、SPS(1.0〜100mmolスケール)
側鎖アミノ酸導入
α−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(1.0当量)を、方法Cを使用してCTC樹脂上へとローディングした。オーバーヘッド機械式撹拌機を備えたSPPS容器中で、樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを、N保護されたアミノ酸(1.3当量)、HBTU(1.3当量)およびDMF(6〜6.6ml/mmolのローディングされた樹脂)と混合した。混合物をr.t.にて約2時間または方法Aを使用してLC−MSが反応の完了を示すまで穏やかに撹拌した。樹脂を濾過し、DMF(3×200ml)、DCM(3×200ml)およびMeOH(3×100ml)で洗浄し、次いで、真空下で乾燥させた。
【0124】
アロキシカルボニルの除去
樹脂結合ジペプチド(1.0当量)を含有するSPPS容器に、DCM(8〜9ml/mmol)、フェニルシラン(16当量)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.12当量)を逐次的に加えた。このように得られた混合物を、r.t.にて1時間N下で穏やかに撹拌した(約50rpm)。樹脂結合生成物を濾過し、DCM(3×200ml)、DMF(3×200ml)およびMeOH(3×100ml)で洗浄し、次いで、真空下で乾燥させ、遊離オルニチンδ−アミノ基を有する樹脂結合ジペプチドを得た。
【0125】
アミノ酸のさらなるカップリング
遊離オルニチンδ−アミノ基を有する樹脂結合ジペプチドを含有するSPPS容器に、Fmoc保護されたアミノ酸(1.5当量)、HBTU(1.5当量)、DMF(6〜7ml/mmolのローディングされた樹脂)およびDIPEA(3当量)を加えた。混合物をr.t.にて2時間または方法Aを使用してLC−MSが反応の完了を示すまで穏やかに撹拌した。次いで、反応溶液を真空濾過によってSPPS容器から除去し、樹脂結合生成物を得て、これをDMF(3×200ml)、DCM(3×200ml)、MeOH(3×100ml)およびDMF(3×100ml)ですすいだ。FMOC除去のために、樹脂をそれに続いてDMF中の20%v/vピペリジン(8〜9ml/mmolのローディングされた樹脂)でr.t.にて穏やかに撹拌しながら30分間または方法Aを使用してLC−MSが反応の完了を示すまで処理した。樹脂を真空濾過し、DMF(3×200ml)、DCM(3×200ml)およびMeOH(3×100ml)ですすぎ、次いで、真空下で乾燥させ、遊離末端アミノ基を有する樹脂結合ペプチドを得て、これを次のアミノ酸カップリング反応においてさらに精製することなく直接使用した。
【0126】
上記のカップリング/脱Fmoc手順を、毎回それぞれ、異なるアミノ酸を使用してさらに3回繰り返し、遊離末端アミノ基を有するCTC樹脂結合直鎖状ヘキサペプチド配列を得た。
【0127】
方法H:CTC樹脂からの直鎖状ペプチドの切断(1mmol未満のスケール)
樹脂結合ペンタペプチドまたはヘキサペプチドを、SPPSチューブ中のHFIPAのDCM溶液(20%v/v、12ml/mmolのローディングされた樹脂)で振とうしながら振とう床上でr.t.にて30分間処理した。樹脂を濾別し、濾液を集めた。揮発性物質を真空下で蒸発させ、直鎖状ペンタペプチドまたはヘキサペプチドを得た。
【0128】
方法I:CTC樹脂からの直鎖状ペプチドの切断(1.0〜100mmolスケール)
樹脂結合ペンタペプチドまたはヘキサペプチドを、SPPS容器中でr.t.にて30分間穏やかに撹拌しながらHFIPAのDCM溶液(20%v/v、12ml/mmolの基質)で処理した。混合物を濾過し、濾液を集めた。樹脂をDCM中の別の同一の容量の20%v/vのHFIPAでr.t.にてさらに30分間穏やかに撹拌することによって処理し、再び濾過した。濾液を合わせ、真空下で蒸発乾固させ、直鎖状ペンタペプチドまたはヘキサペプチドを得た。
【0129】
方法J:直鎖状ペンタペプチドまたはヘキサペプチド前駆体のマクロラクタム化(1mmol未満のスケール)
250mlの丸底フラスコ中で、直鎖状ペンタペプチドまたはヘキサペプチド固体(1.0当量)をDMFおよびTHFの混合溶媒(1:10v/v)に溶解し、0.013M濃度の溶液を得た。撹拌することによって、HATU(1.05当量)およびN−メチルモルホリン(3当量)を加えた。このように得られた混合物を、r.t.にて15〜60分間またはLC−MSが反応の完了を示す(方法A)まで撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をジエチルエーテルおよび酢酸エチル(1:1v/v)で希釈し、0.5MのHCl、飽和NaHCO、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固し、環状の完全に保護されているペンタペプチドまたはヘキサペプチドを得た。
【0130】
方法K:直鎖状ペンタペプチドまたはヘキサペプチド前駆体のマクロラクタム化(1.0〜100mmolスケール)
3Lの丸底フラスコ中で、直鎖状ペンタペプチドまたはヘキサペプチド固体(1.0当量)をDMFおよびTHFの混合溶媒(1:10v/v)に溶解し、0.013M濃度の溶液を得た。次いで、この溶液を、HATU(1.05当量)およびN−メチルモルホリン(3当量)のDMF(6ml/mmolのHATU)溶液中に滴下で添加した。このように得られた混合物を、r.t.にて15〜60分間またはLC−MSが反応の完了を示す(方法A)まで撹拌した。溶媒を蒸発によって除去し、残渣をジエチルエーテルおよび酢酸エチル(1:1v/v、15ml/mmolの基質)で希釈し、0.5MのHCl、飽和NaHCO、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固し、環状の完全に保護されているペンタペプチドまたはヘキサペプチドを得た。
【0131】
方法L:包括的脱保護(1mmol未満のスケール)
完全に保護されている環状ペプチド(1.0当量)を、0℃にて撹拌しながらHClのHFIPA溶液(1M、HFIPA、30当量への12MのHClの添加によって作製)に溶解した。このように得られた溶液をr.t.にて1時間またはLC−MSが反応の完了を示す(方法A)まで撹拌した。揮発性物質を蒸発によって除去し、残渣をMeCNと共に5回同時蒸留し、過剰なHClを除去した。次いで、残渣を水に溶解し、MTBEで抽出し、6MのNaOHを加えることによってpH6〜7に中和した。混合物をr.t.にて12時間またはLC−MS(方法A)がインドール−N−カルバミン酸が残っていないことを示すまで撹拌した。次いで、残渣をMeCNと共に減圧下で同時蒸発させ、水を除去した。MeOHを加え、溶液をr.t.にて約2時間静置した。沈殿したNaCl固体を濾別した。次いで、濾液を蒸発乾固し、完全に脱保護された粗環状ペプチドを得た。
【0132】
方法M:包括的脱保護(1.0〜100mmolスケール)
完全に保護されている環状ペプチド(1.0当量)のHFIPA(28ml/mmolの環状ペプチド)溶液に0℃にて、濃HClの溶液(12M、30当量)を撹拌しながら加えた。このように得られた溶液をr.t.にて1時間またはLC−MSが反応の完了を示す(方法A)まで撹拌した。揮発性物質を蒸発によって除去し、残渣をMeCNと共に5回同時蒸留し、過剰なHClを除去した。次いで、残渣を水に溶解し、MTBEによって抽出し、非極性不純物を除去し、6MのNaOHを加えることによってpH6〜7に中和した。混合物をr.t.にて12時間またはLC−MS(方法A)がインドール−N−カルバミン酸が残っていないことを示すまで撹拌した。次いで、残渣をMeCNと共に減圧下で同時蒸発させ、水を除去した。MeOHを加え、溶液をr.t.にて約2時間静置した。沈殿したNaCl固体を濾別した。次いで、濾液を蒸発乾固し、完全に脱保護された粗環状ペプチドを得た。
【0133】
方法N:完全に脱保護された環状ペンタペプチド上の側鎖アミノ酸導入、および最終の脱保護
完全に脱保護された環状ペンタペプチド(1.0当量)を、DMF中のN保護されたアミノ酸(1.1当量)、HATU(1.1当量)および4−メチルモルホリン(8当量)で処理し(37ml/mmolの環状ペプチド)、反応物をr.t.にて80分間またはLC−MS(方法A)が反応の完了を示すまで撹拌した。揮発性物質を真空下で除去した。残渣を酢酸エチルで希釈し、次いで、水およびブラインで洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濾過し、蒸発乾固し、固体残渣を得た。この固体をHFIPA中の1MのHClでr.t.にて1時間処理し、さらなるtert−ブチルエステルおよび/またはBoc基の除去をもたらし、最終の脱保護された粗環状ペプチドを得た。
【0134】
方法O:HPLC精製方法1
カラム:Luna、200×25mm(C18、10μm、100A)+Gemini150×30mm(C18、5μm、110A)
移動相:A、アセトニトリル;B、0.1%TFAを有する水。定組成22%A、それに続いて46分から50分まで24%Aへの勾配。
実行時間:60分、それに続くカラム洗浄(95%A)
検出器:214/254nm。流量:20ml/分
ローディング:水中の20mlの10%アセトニトリルに溶解した1gの粗材料。
【0135】
純粋な環状ペプチドを含有する全画分を合わせ、直接凍結乾燥し、環状ペプチドを固体TFA塩として得た。炭酸水素アンモニウム水溶液を含有する移動相を使用してTFA塩を同じカラムに再び通過させ、遊離双性イオン性形態を得た。
移動相:A、アセトニトリル;B、0.01MのNHHCOを有する水。定組成28%A、それに続いて30分から35分まで33%Aへの勾配。
実行時間:60分、それに続くカラム洗浄(95%A)
検出器:220/254nm。流量:20ml/分
ローディング:水中の7mlの5%アセトニトリルに溶解した約1.1gの粗製物
純粋な環状ペプチドを含有する全画分を合わせ、直接凍結乾燥し、式(I)の化合物を得た。
【0136】
方法P:HPLC精製方法2
カラム:50×250mm、Sunfire、C18、5μm。
移動相:A、アセトニトリル;B、0.1%TFAを有する水。定組成15%A、それに続いて45分から60分まで18%Aへの勾配。
実行時間:65分、それに続くカラム洗浄(95%A)
検出器:220nm。流量:100ml/分
ローディング:水中の3mlの20%アセトニトリルに溶解した300mgの粗製物。
【0137】
純粋な環状ペプチドを含有する全画分を合わせ、アセトニトリルをロータリーエバポレーションによって除去した。残った固体ペプチドTFA塩を水に溶解し、捕捉カラム上にローディングした。洗浄に続いて、炭酸水素アンモニウム水溶液を含有する移動相を使用した溶出によって、式(I)の化合物を得た。
【0138】
カラム:PoraPak逆相。
捕捉カラム上へとローディングした材料を、いくつかの床カラム容量の純水によってpHが中性近くとなるまで洗浄した。次いで、洗浄溶液のpHが概ね8となるまでカラムを炭酸水素アンモニウム溶液(1g/Lの水)で洗浄した。純粋な環状ペプチドを含有する全画分を合わせ、アセトニトリルをロータリーエバポレーションによって除去した。このように得られた環状ペプチドの水溶液を凍結乾燥し、式(I)の化合物を得た。
【0139】
下記の非限定的実施例および調製において、H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、全ての場合において、提示した構造と一致した。特徴的な化学シフト(δ)は、主要なピークを指定するための通常の略語(例えば、s=一重線であり、br s=幅広い一重線であり、d=二重線であり、dd=二重線の二重線であり、td=二重線の三重線であり、tは、三重線であり、qは、四重線であり、mは、多重項である)を使用して、テトラメチルシランからの百万分率(ppm)低磁場で示す。
【0140】
下記の実施例を参照すると、異なる化学命名規則は同じ化合物についての代替の名称を提供し得ることを当業者は認識するであろう。
【実施例】
【0141】
(実施例1)
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン
【0142】
【化11】
実施例1についての代替の化学名は、
N−[(2S)−1−{[(3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−カルバムイミドアミドプロピル)−19−ヒドロキシ−3−[(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]−6−(1H−インドール−3−イルメチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル]アミノ}−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル]グリシンである。
【0143】
ローディング
方法Cに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(33.6g、76mmol、1.5当量)、CTC樹脂(1.7meq、30.0g、51.1mmol、1.0当量)、DIPEA(72ml、406mmol、8当量)ならびにDMFおよびDCMの混合溶媒(1:10v/v、330ml)を使用した。混合物をr.t.にて5時間穏やかに撹拌し、MeOH(33ml)の添加によってキャップした。ローディング率は、樹脂の重量増加に基づいて、81%または41.3mmolであると推定した。次いで、樹脂をDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、Fmoc基を除去し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを得た。
【0144】
側鎖アミノ酸導入
CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(46.6g、41.3mmol)、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(20.4g、53.7mmol、1.30当量)、HBTU(21.0g、53.7mmol、1.30当量)、DIPEA(22.6ml、128mmol、3.1当量)およびDMF(250ml)をr.t.にて120分間穏やかに撹拌したが、その時、LC−MS(方法A)が反応の完了を示した。LC−MS(方法A、3分の実行):t1.92分、ESI−[M−H]、C2941についての計算値576.6;実測値576.5。
【0145】
アロキシカルボニルの除去
樹脂結合ジペプチドである(S)−5−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)−2−((S)−2−((2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フェニルプロパンアミド)ペンタン酸(47.7g、34.2mmol、1.0当量)を、DCM(285ml)に懸濁した。混合物を、フェニルシラン(70ml、547mmol、16当量)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(4.74g、4.10mmol、0.12当量)と共にr.t.にて1時間撹拌したが、その時、LC−MS(方法A)は反応の完了を示した。樹脂を濾別し、洗浄し、乾燥させ、樹脂結合(S)−5−アミノ−2−((S)−2−((2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フェニルプロパンアミド)ペンタン酸を得た。LC−MS(方法A、3分の実行):t1.22分、ESI−[M−H]、C2537についての計算値491.6;実測値492.4。
【0146】
アミノ酸のさらなるカップリング、および樹脂からの直鎖状ペプチドの切断
(3R,6S,9S,15S)−15−((S)−2−((2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フェニルプロパンアミド)−1−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシ)ピロリジン−2−イル)−6−((1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−インドール−3−イル)メチル)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10−テトラオキソ−9−(3−(3−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)グアニジノ)プロピル)−2,5,8,11−テトラアザヘキサデカン−16−酸(直鎖状ヘキサペプチド)の調製
樹脂結合(S)−5−アミノ−2−((S)−2−((2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フェニルプロパンアミド)ペンタン酸(28.5mmol、1.0当量)を、逐次的にNα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(33.3g、42mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−L−トリプトファン(30.0g、57mmol、2.0当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(15.2g、37mmol、1.3当量)、およびtrans−3−t−ブトキシ−N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−L−プロリン(15.2g、37mmol、1.3当量)と共に、方法Gに記載した固相カップリングおよびFmoc除去手順に供し、樹脂上の対応する直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合ペプチドを方法Iに記載されている切断条件に供し、直鎖状ヘキサペプチドを白色の固体、33.8g、78%として得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 8.49 (br s, 1H), 8.38 (br s, 1H), 8.21 -
7.94 (m, 3H), 7.91 (br s, 1H), 7.70 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.42 -
7.16 (m, 5H), 5.17 (td, J=6.7, 13.6 Hz, 2H), 4.76 - 4.48 (m, 2H), 4.47 - 4.25
(m, 1H), 4.25 - 4.13 (m, 2H), 4.07 (br s, 1H), 3.93 (br s, 1H), 3.84 - 3.62 (m,
2H), 3.55 (dd, J=10.9, 18.7 Hz, 3H), 3.36 (br s, 4H), 3.16 (d, J=14.4 Hz, 3H),
3.12 - 2.87 (m, 6H), 2.77 (d, J=12.5 Hz, 1H), 2.45 (s, 2H), 2.02 (s, 2H), 1.97
(br s, 1H), 1.87 - 1.67 (m, 2H), 1.64 (s, 4H), 1.58 (br s, 1H), 1.48 - 1.35 (m,
13H), 1.34 - 1.24 (m, 9H), 1.23 - 1.09 (m, 7H), 1.06 (br s, 1H), 0.98 (d,
J=16.0 Hz, 1H), 0.92 - 0.72 (m, 1H). LC-MS (方法A,
3分の実行): tR 1.96分,
ESI- [M-H] C78H116N11O18Sの計算値1525.9; 実測値1526.4.
【0147】
マクロラクタム化
tert−ブチル−3−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−19−(tert−ブトキシ)−15−((S)−2−((2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フェニルプロパンアミド)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソ−9−(3−(3−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)グアニジノ)プロピル)イコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−6−イル)メチル)−1H−インドール−1−カルボキシレート(環状ペプチド)の調製
マクロラクタム化のための方法Kに従って、直鎖状(3R,6S,9S,15S)−15−((S)−2−((2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フェニルプロパンアミド)−1−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシ)ピロリジン−2−イル)−6−((1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−インドール−3−イル)メチル)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10−テトラオキソ−9−(3−(3−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)グアニジノ)プロピル)−2,5,8,11−テトラアザヘキサデカン−16−酸(33.8g、22.2mmol、1.0当量)を、THF(1400ml)およびDMF(175ml)中のHATU(9.36g、24.4mmol、1.1当量)および4−メチルモルホリン(12.3ml、111mmol、5.0当量)とr.t.にて30分間反応させ、この時点で、LC−MS(方法A)が反応の完了を示した。環状ペプチドをオフホワイト色の粉末として単離し、それ以上精製することなく使用した。29.1g、87%。LC−MS(方法A):t2.44分、ESI+[M+H]、C781141117Sについての計算値1509.9;実測値1510.2。
【0148】
包括的脱保護。
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン(実施例1の表題化合物)の調製
方法Mに従って、環状ペプチドであるtert−ブチル3−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−19−(tert−ブトキシ)−15−((S)−2−((2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フェニルプロパンアミド)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソ−9−(3−(3−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)グアニジノ)プロピル)イコサヒドロピロロ[1,2a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−6−イル)メチル)−1H−インドール−1−カルボキシレート(29.1g、19.3mmol)を、HFIPA(529ml)中の12MのHCl(48ml)でr.t.にて90分間処理し、白色の粉末、21.1gを得て、これを方法Pに記載した方法を使用した分取HPLC精製に供し、表題化合物、実施例1を白色の固体、7.4g、40.7%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 10.92 (br s, 1H), 9.08 (br s, 1H), 8.59
(br s, 1H), 8.34 (br s, 1H), 7.97 (br s, 1H), 7.95 - 7.81 (m, 2H), 7.69 (d,
J=8.2 Hz, 2H), 7.52 (d, J=7.4 Hz, 1H), 7.36 - 7.15 (m, 8H), 7.14 - 6.95 (m,
3H), 6.90 (br s, 1H), 4.64 (d, J=6.6 Hz, 2H), 4.47 (br s, 1H), 4.24 (br s, 2H),
4.06 (br s, 1H), 3.93 (br s, 1H), 3.57 (br s, 1H), 3.45 (br s, 2H), 3.39 - 3.17
(m, 10H), 3.14 - 2.88 (m, 6H), 2.86 - 2.59 (m, 4H), 2.54 - 2.46 (m, 4H), 2.09
(s, 1H), 1.99 (br s, 1H), 1.86 (br s, 2H), 1.62 (br s, 1H), 1.56 - 1.40 (m,
3H), 1.36 (br s, 3H), 1.32 - 1.18 (m, 4H), 1.18 - 0.98 (m, 7H), 0.86 (br s,
3H). HRMS (m/z) [M+H]+ C47H66N11O10の計算値944.4989, 実測値944.4987.
【0149】
実施例1はまた、下記の手順に従って調製した。
【0150】
ローディング
方法Cに従って、Nα−t−ブチルオキシカルボニル−Nδ−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−L−オルニチン(8.73g、19.2mmol、1.2当量)、DIPEA(18ml、13.4g、102mmol、6.5当量)、およびCTC樹脂(1.2meq/g、13.3g、16mmol、1.0当量)を、ローディングステップにおいて使用した。FMOC除去に続いて、ローディング率は、樹脂の重量増加に基づいて3.6mmolであると推定した。
【0151】
アミノ酸のさらなるカップリング、および樹脂からの直鎖状ペプチドの切断
(3R,6S,9S,15S)−1−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシ)ピロリジン−2−イル)−6−((1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−インドール−3−イル)メチル)−15−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10−テトラオキソ−9−(3−(3−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)グアニジノ)プロピル)−2,5,8,11−テトラアザヘキサデカン−16−酸(直鎖状ペンタペプチド)の調製
方法Eに従って、Nα−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−N’,N’’−ビス−t−ブチルオキシカルボニル−L−アルギニン(3.50g、5.40mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−L−トリプトファン(2.46g、4.68mmol、1.3当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(2.15g、5.24mmol、1.3当量)およびtrans−3−t−ブトキシ−N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−L−プロリン(2.19g、5.35mmol、1.3当量)を、固相カップリングおよびFmoc除去手順のそれぞれにおいて逐次的に使用し、CTC樹脂結合直鎖状ペンタペプチドを得た。方法Iに従って、直鎖状ペンタペプチドを樹脂から切断し、表題化合物を白色の固体(5.59g、定量的収率(3.6mmolのローディングに基づいて計算))として得た。LC−MS(方法A、3分の実行):t1.71分、ESI−[M−H]、C63951015Sについての計算値1264.5、実測値1264.1。
【0152】
マクロラクタム化
tert−ブチル−3−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−19−(tert−ブトキシ)−15−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソ−9−(3−(3−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)グアニジノ)プロピル)イコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−6−イル)メチル)−1H−インドール−1−カルボキシレート(環状ペプチド)の調製
方法Kに従って、直鎖状ペンタペプチド(3R,6S,9S,15S)−1−((2S,4R)−4−(tert−ブトキシ)ピロリジン−2−イル)−6−((1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−インドール−3−イル)メチル)−15−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10−テトラオキソ−9−(3−(3−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)グアニジノ)プロピル)−2,5,8,11−テトラアザヘキサデカン−16−酸(5.48g、4.33mmol)を、THFおよびDMF(10:1v/v、330ml)に溶解し、HATU(1.91g、4.98mmol、1.15当量)および4−メチルモルホリン(2.41ml、21.7mmol、5当量)でr.t.にて15分間処理した。環状ペプチドを、オフホワイト色の固体、5.15g、95.3%として単離した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 8.55 (br s, 1H), 8.25 (br s, 1H),
8.02 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.78 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.58 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.54 -
7.49 (m, 1H), 7.36 - 7.28 (m, 1H), 7.27 - 7.20 (m, 1H), 6.90 (br s, 1H), 6.72
(d, J=7.0 Hz, 1H), 4.64 (d, J=5.5 Hz, 1H), 4.49 - 4.36 (m, 2H), 4.25 (br s,
1H), 4.18 - 4.08 (m, 2H), 3.67 - 3.57 (m, 1H), 3.11 - 2.89 (m, 6H), 2.43 (s,
3H), 2.01 (s, 4H), 1.88 (d, J=6.6 Hz, 1H), 1.82 - 1.73 (m, 1H), 1.62 (s, 10H),
1.52 (br s, 3H), 1.40 (s, 9H), 1.36 (br s, 13H), 1.21 - 1.13 (m, 3H), 1.00 (d,
J=11.3 Hz, 2H). LC-MS (方法A, 3分の実行): tR 2.12分, ESI+ [M+H] C63H95N10O14Sの計算値1248.5; 実測値1248.9.
【0153】
包括的脱保護。
1−(3−((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−15−アミノ−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−9−イル)プロピル)グアニジン(脱保護された環状ペプチド)の調製
方法Mに従って、環状ペプチドであるtert−ブチル3−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−19−(tert−ブトキシ)−15−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソ−9−(3−(3−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)グアニジノ)プロピル)イコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−6−イル)メチル)−1H−インドール−1−カルボキシレート(5.15g、4.11mmol、1.0当量)を、HFIPA(110ml)に溶解し、12MのHCl(10ml、12mmol、30当量)でr.t.にて1時間処理した。過剰なHClおよびNaClの除去によって、脱保護された環状ペプチドを得て、これを次のステップにおいて直接使用した。LC−MS(方法A、3分の実行)t0.59分、ESI+[M+H]、C365510についての計算値739.9;実測値739.6。
【0154】
完全に脱保護された環状ペンタペプチド上の側鎖アミノ酸導入、および最終の脱保護
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン(実施例1の表題化合物)の調製
方法Nに従って、環状ペンタペプチドである1−(3−((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−15−アミノ−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−9−イル)プロピル)グアニジン(4.11mmol、1.0当量)、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(1.72g、4.52mmol、1.10当量)、HATU(1.74g、4.52mmol、1.10当量)、4−メチルモルホリン(4ml、33mmol、8当量)およびDMF(150ml)を、r.t.にて80分間撹拌した。単離したオレンジ色のゴム状の粗残渣を、HFIPA(50ml)中の1MのHClでr.t.にて30分間処理したが、その時、LC−MS(方法A)が反応の完了を示した。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をHFIPA(30ml)に溶解した。このHFIPA溶液をMeCN(100ml)中にゆっくりと加え、ピンク色の懸濁液を得て、これを蒸発乾固し、EtOAc(50ml×2)と共にさらに同時蒸発させ、茶色の粉末、3.72gを得た。方法Pを使用して粉末を精製し、表題化合物、実施例1を白色の固体、204mg、回収21.5%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 10.92 (br s, 1H), 9.08 (br s, 1H), 8.59
(br s, 1H), 8.34 (br s, 1H), 7.97 (br s, 1H), 7.95 - 7.81 (m, 2H), 7.69 (d,
J=8.2 Hz, 2H), 7.52 (d, J=7.4 Hz, 1H), 7.36 - 7.15 (m, 8H), 7.14 - 6.95 (m,
3H), 6.90 (br s, 1H), 4.64 (d, J=6.6 Hz, 2H), 4.47 (br s, 1H), 4.24 (br s, 2H),
4.06 (br s, 1H), 3.93 (br s, 1H), 3.57 (br s, 1H), 3.45 (br s, 2H), 3.39 - 3.17
(m, 10H), 3.14 - 2.88 (m, 6H), 2.86 - 2.59 (m, 4H), 2.54 - 2.46 (m, 4H), 2.09
(s, 1H), 1.99 (br s, 1H), 1.86 (br s, 2H), 1.62 (br s, 1H), 1.56 - 1.40 (m,
3H), 1.36 (br s, 3H), 1.32 - 1.18 (m, 4H), 1.18 - 0.98 (m, 7H), 0.86 (br s, 3H).
HRMS (m/z) [M+H]+ C47H66N11O10の計算値944.4989, 実測値944.4987.
【0155】
(実施例2)
2−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−15−((S)−2−((カルボキシメチル)アミノ)−3−フェニルプロパンアミド)−9−(3−グアニジノプロピル)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−19−イル)オキシ)酢酸
方法Bに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、1.0g、1.0mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(1.0mmol)を得た。
【0156】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(973mg、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−L−トリプトファン(790mg、1.5当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(614mg、1.3当量)、および(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエトキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(701mg、1.5当量)を使用して、方法Fに記載されているカップリングおよびFmoc除去手順に従って構築し、樹脂上の直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を一般手順Hに記載されている切断条件に供し、直鎖状ヘキサペプチドを白色の固体、775mg、79%として得た。LC−MS(方法A、3分の実行)t1.97分、ESI+[M+H]、C8011820Sについての計算値1585.9;実測値1585.8。
【0157】
直鎖状ヘキサペプチド(775mg、0.489mmol、1.0当量)を方法Jに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている環状ペプチドを白色の固体、638mg、83%として得た。LC−MS(方法A、3分の実行)t2.49分、ESI+[M+H]、C801161119Sについての計算値1567.9;実測値1567.9。
【0158】
完全に保護されている環状ペプチド(638mg、0.407mmol、1.0当量)を方法Lに記載されている包括的脱保護条件に供し、これによって完全に脱保護された環状ペプチドを白色の粉末、435mgとして得た。この材料を、方法Oを使用したHPLCによって精製し、表題化合物、実施例2を白色の固体、151mg、35.8%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 8.61 (d, J=6.5 Hz, 1H), 8.37 (br s, 1H),
7.89 (dd, J=7.8, 17.3 Hz, 1H), 7.49 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.38 - 7.13 (m, 2H),
7.11 - 6.94 (m, 1H), 6.46 (d, J=8.5 Hz, 1H), 5.01 - 4.90 (m, 1H), 4.74 (d,
J=9.0 Hz, 1H), 4.54 (br s, 1H), 4.21 (br s, 1H), 4.01 (d, J=6.0 Hz, 1H), 3.80
(br s, 1H), 3.74 - 3.54 (m, 1H), 3.50 (br s, 1H), 3.26 - 3.08 (m, 1H), 3.06 -
2.86 (m, 1H), 2.79 (dd, J=7.5, 14.1 Hz, 1H), 2.70 - 2.57 (m, 1H), 2.07 (s, 1H),
1.87 (d, J=5.5 Hz, 1H), 1.68 (br s, 1H), 1.56 (d, J=17.1 Hz, 1H), 1.38 (br s,
1H), 1.27 (br s, 1H), 1.20 (br s, 1H), 1.16 - 0.92 (m, 1H), 0.87 (d, J=10.5 Hz,
1H), 0.71 (br s, 1H). LC-MS (方法A, 3分の実行) tR 0.76分, ESI-[M-H] C49H67N11O12の計算値1001.1; 実測値1000.7.
【0159】
(実施例3)
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−6−((4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン
方法Bに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、1.0g、1.0mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(0.6mmol)を得た。
【0160】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(340mg、0.9mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(585mg、0.9mmol、1.5当量)、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸(350mg、0.9mmol、1.5当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(360mg、0.9mmol、1.5当量)、および(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(tert−ブトキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(370mg、0.9mmol、1.5当量)を使用して、方法Fに記載されている手順に従って構築し、樹脂結合直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を一般手順Hに記載されている切断条件に供し、直鎖状ヘキサペプチドを白色の固体、670mg、80%として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.97分、ESI+[M/2+H]、C691081216Sについての計算値696.8;実測値696.4。
【0161】
直鎖状ヘキサペプチド(670mg、0.48mmol、1.0当量)を方法Jに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている環状ペプチドを白色の固体、320mg、48%として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.98分、ESI+[M/2+H]、C691061215Sについての計算値687.9;実測値687.4。
【0162】
完全に保護されている粗環状ペプチド(320mg、0.23mmol)を方法Lに記載されている包括的脱保護条件、それに続く方法Oを使用した分取HPLC精製に供し、表題化合物、実施例3を白色のふわふわした固体、80mg、46%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 8.60 (br s, 1H), 8.45 (br s, 2H), 7.70 (d,
J=8.5 Hz, 1H), 7.58 (t, J=5.6 Hz, 1H), 7.37 - 7.18 (m, 9H), 7.13 (br s, 3H),
4.64 - 4.53 (m, 2H), 4.50 - 4.38 (m, 3H), 4.38 - 4.23 (m, 2H), 4.23 - 4.02 (m,
3H), 3.88 (d, J=4.5 Hz, 2H), 3.68 (br s, 2H), 3.64 - 3.55 (m, 2H), 3.51 (d,
J=14.1 Hz, 6H), 3.38 (br s, 59H), 3.07 (br s, 8H), 2.74 (br s, 2H), 2.50 (d,
J=3.5 Hz, 27H), 2.01 - 1.90 (m, 6H), 1.79 (br s, 1H), 1.59 (d, J=3.0 Hz, 3H),
1.47 (br s, 4H), 1.43 - 1.28 (m, 9H), 1.25 (br s, 4H), 1.14 (br s, 2H). LC-MS (方法A, 1.5分の実行) tR 0.74分, ESI+[M+H] C43H65N12O10の計算値909.5; 実測値909.4.
【0163】
(実施例4)
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−6−((5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン
方法Bに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、100mg、0.1mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(0.1mmol)を得た。
【0164】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(57mg、0.15mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(98mg、0.15mmol、1.5当量)、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)プロパン酸(69mg、0.15mmol、1.5当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(61mg、0.15mmol、1.5当量)、(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(tert−ブトキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(62mg、0.15mmol、1.5当量)を使用して、方法Fに記載されている手順に従って構築し、樹脂結合直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を方法Hに記載されている切断条件に供し、直鎖状ヘキサペプチドを黄色の油、146mg、粗収率100%として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t1.00分、ESI+[M/2+H]、C741111117Sについての計算値729.4;実測値729.0。
【0165】
直鎖状粗ヘキサペプチド(146mg、0.10mmol、1.0当量)を方法Jに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている環状ペプチドをオフホワイト色の固体として得て、これを包括的脱保護ステップにおいてそれ以上精製することなく使用した。
【0166】
完全に保護されている環状ペプチドを方法Lに記載されている包括的脱保護条件、それに続く方法Oを使用した分取HPLC精製に供し、表題化合物、実施例4を白色の固体、5.9mg、6.0%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 10.80 - 10.72 (m, 1H), 8.52 (d, J=5.5 Hz,
1H), 8.35 (br s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.37 - 7.12 (m,
13H), 7.04 - 6.91 (m, 2H), 6.76 - 6.67 (m, 1H), 4.41 (br s, 5H), 4.10 (br s,
19H), 3.93 (br s, 5H), 3.75 (s, 7H), 3.70 (s, 15H), 3.17 (s, 31H), 1.36 (br s,
3H), 1.31 - 1.17 (m, 5H), 1.15 (br s, 3H), 1.10 (br s, 4H). LC-MS (方法A, 1.5分の実行) tR 0.61分, ESI+[M+H] C48H68N11O11Sの計算値975.1; 実測値974.6.
【0167】
(実施例5)
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,20aS)−6−((1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン
方法Bに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、200mg、0.2mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(0.2mmol)を得た。
【0168】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(114mg、0.3mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(195mg、0.30mmol、1.5当量)、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)プロパン酸(159mg、0.30mmol、1.5当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(1231mg、0.30mmol、1.5当量)および(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−L−プロリン(101mg、0.30mmol、1.5当量)を使用して、方法Fに記載されている手順に従って構築し、樹脂結合直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を方法Hに記載されている切断条件に供し、直鎖状ヘキサペプチドを黄色の油、271mg、粗収率100%として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.95分、ESI+[M/2+H−Boc]、C731061216Sについての計算値678.8;実測値678.5。
【0169】
直鎖状粗ヘキサペプチド(271mg、0.20mmol、1.0当量)を方法Jに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている環状ペプチドをオフホワイト色の固体、302mgとして得た。この材料を、包括的脱保護においてそれ以上精製することなく使用した。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.95分、ESI+[M/2+H]、C731061216Sについての計算値719.3;実測値718.5。
【0170】
完全に保護されている環状ペプチド(302mg、0.2mmol)を方法Lに記載されている包括的脱保護条件、それに続く方法Oを使用した分取HPLC精製に供し、表題化合物、実施例5を白色の固体、12.3mg、6.6%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 11.44 (s, 1H), 8.53 (d, J=7.5 Hz, 1H),
8.29 - 8.20 (m, 3H), 8.05 - 7.84 (m, 4H), 7.30 - 7.15 (m, 9H), 7.14 - 6.95 (m,
4H), 4.55 (br s, 2H), 4.37 - 3.86 (m, 6H), 3.52 (br s, 7H), 3.35 (br s, 210H),
3.17 (s, 17H), 3.09 (d, J=17.1 Hz, 7H), 3.04 - 2.86 (m, 8H), 2.50 (d, J=3.5 Hz,
254H), 2.33 (br s, 10H), 2.07 (s, 3H), 1.85 (br s, 4H), 1.65 (br s, 3H), 1.52
(br s, 6H), 1.33 (br s, 6H), 1.28 - 1.17 (m, 4H), 1.07 (d, J=10.0 Hz,
7H). LC-MS (方法A, 1.5分の実行) tR 0.51分, ESI+[M+H] C46H65N12O9の計算値927.1; 実測値929.6.
【0171】
(実施例6)
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン
方法Bに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、200mg、0.2mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(0.2mmol)を得た。
【0172】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(114mg、0.3mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(195mg、0.30mmol、1.5当量)、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)プロパン酸(159mg、0.30mmol、1.5当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(123mg、0.30mmol、1.5当量)および(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(tert−ブトキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(123mg、0.30mmol、1.5当量)を使用して、方法Fに記載されている手順に従って構築し、樹脂結合直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を方法Hに記載されている切断条件に供し、直鎖状ヘキサペプチドを黄色の油、286mg、粗収率100%として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.97分、ESI+[M/2+H−Boc]、C721081216Sについての計算値714.8;実測値714.4。
【0173】
直鎖状粗ヘキサペプチド(286mg、0.20mmol、1.0当量)を方法Jに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている環状ペプチドをオフホワイト色の固体、282mgとして得た。この材料を、包括的脱保護においてそれ以上精製することなく使用した。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t1.00分、ESI+[M/2+H]、C771121217Sについての計算値755.9;実測値755.5。
【0174】
完全に保護されている環状ペプチド(282mg、0.2mmol)を方法Lに記載されている包括的脱保護条件、それに続く方法Oを使用した分取HPLC精製に供し、表題化合物、実施例6を白色の固体、7.8mg、4.8%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 11.46 (br s, 1H), 8.54 (br s, 1H), 8.33
(br s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.21 - 8.13 (m, 1H), 8.10 - 8.00 (m, 1H), 7.93 (d,
J=8.5 Hz, 1H), 7.34 - 7.17 (m, 6H), 7.02 (dd, J=4.3, 7.8 Hz, 2H), 4.59 (br s,
1H), 4.40 (br s, 1H), 4.24 (br s, 2H), 4.09 (br s, 7H), 3.89 (br s, 3H), 3.33
(br s, 189H), 3.17 (s, 23H), 3.07 (d, J=16.1 Hz, 4H), 3.02 - 2.85 (m, 4H), 2.50
(d, J=3.5 Hz, 24H), 2.33 (s, 5H), 2.01 - 1.80 (m, 3H), 1.49 (br s, 4H), 1.32
(br s, 3H), 1.08 (d, J=10.0 Hz, 4H), 0.82 (br s, 1H). LC-MS (方法A) tR 0.57分, ESI+[M+H] C46H65N12O10の計算値946.1; 実測値946.6.
【0175】
(実施例7)
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19S,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−19−アミノ−9−(3−グアニジノプロピル)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン
方法Cに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、3.0g、3.0mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(3.0mmol)を得た。
【0176】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(1.71g、4.5mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(2.92g、4.5mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−L−トリプトファン(1.92g、4.5mmol、1.5当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(1.80g、4.5mmol、1.5当量)および(2S,4S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−2−カルボン酸(2.03g、4.5mmol、1.5当量)を使用して、方法Gに記載されている手順に従って構築し、樹脂結合直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を方法Iに記載されている切断条件に供し、直鎖状ヘキサペプチドを油、4.41g、100%として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.90分、ESI+[M/2+H]、C741081217Sについての計算値735.9;実測値735.1。
【0177】
直鎖状ヘキサペプチド(4.41g、3mmol、1.0当量)を、方法Kに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている環状ペプチドを黄色の固体、4.35g、100%として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.97分、ESI+[M+H]、C801061116Sについての計算値1452.8;実測値1452.2。
【0178】
完全に保護されている環状ペプチド(4.35g、3mmol、1.0当量)を、方法Mに記載されている包括的脱保護条件、それに続く方法Oを使用した分取HPLC精製に供し、表題化合物、実施例7を白色の固体、312mg、10%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 10.90 (s, 1H), 8.50 (br s, 3H), 8.30 (s,
1H), 8.10 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.76 (t, J=5.5 Hz, 1H), 7.51 (d, J=8.0 Hz, 5H),
7.32 (d, J=8.5 Hz, 2H), 7.27 - 7.16 (m, 6H), 7.13 (s, J=4.4 Hz, 1H), 7.05 (t,
J=7.5 Hz, 1H), 6.97 (t, J=6.7 Hz, 1H), 4.59 (d, J=6.5 Hz, 1H), 4.49 (br s, 1H),
4.25 (br s, 2H), 4.13 (d, J=7.0 Hz, 2H), 3.97 (br s, 2H), 3.77 (br s, 2H), 3.59
(br s, 3H), 3.43 (br s, 1H), 3.40 - 3.25 (m, 4H), 3.12 - 2.95 (m, 5H), 2.93 -
2.85 (m, 1H), 2.78 (d, J=6.0 Hz, 1H), 2.50 (d, J=1.5 Hz, 50H), 2.31 (d, J=14.1
Hz, 4H), 1.77 (br s, 2H), 1.61 (br s, 1H), 1.49 (br s, 3H), 1.40 (br s, 5H),
1.21 (br s, 6H), 1.14 (br s, 7H), 0.96 (br s, 2H). LC-MS (方法A, 1.5分の実行) tR 0.59分, ESI+[M+H] C47H66N12O9の計算値944.1; 実測値944.6.
【0179】
(実施例8)
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−19−アミノ−9−(3−グアニジノプロピル)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン
方法Bに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、1.0g、1.0mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(0.6mmol)を得た。
【0180】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(342mg、0.9mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(584mg、0.9mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−L−トリプトファン(384mg、0.9mmol、1.5当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(360mg、0.9mmol、1.5当量)および(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−2−カルボン酸(406mg、0.9mmol、1.5当量)を使用して、方法Fに記載されている手順に従って構築し、樹脂結合直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を方法Hに記載されている切断条件に供し、直鎖状ヘキサペプチドを粗油、774mg、100%として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.94分、ESI+[M/2+H]、C741081217Sについての計算値735.9;実測値735.6。
【0181】
直鎖状ヘキサペプチド(774mg、0.6mmol、1.0当量)を、方法Jに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている環状ペプチドを黄色の油として得て、これをそれ以上精製することなく次のステップで使用した。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.97分、ESI+[M/2+Na]、C801061116Sについての計算値749.1;実測値749.1。
【0182】
完全に保護されている環状ペプチドを方法Lに記載されている包括的脱保護条件、それに続く方法Oを使用した分取HPLC精製に供し、表題化合物、実施例8を白色の固体、37.6mg、6.6%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 10.91 (br s, 1H), 8.74 (br s, 1H), 8.63
(br s, 1H), 8.32 (s, 2H), 8.02 (br s, 1H), 7.88 (t, J=5.7 Hz, 1H), 7.63 (br s,
2H), 7.51 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.36 - 7.15 (m, 6H), 7.12 - 7.03 (m, 1H), 7.01 -
6.91 (m, 1H), 4.68 (br s, 1H), 4.57 (br s, 1H), 4.23 (br s, 3H), 4.07 (br s,
3H), 3.93 (br s, 4H), 3.80 (br s, 6H), 3.68 (br s, 7H), 3.56 (br s, 7H), 3.39
(br s, 3H), 3.33 (br s, 4H), 3.17 (s, 1H), 3.06 (d, J=15.6 Hz, 3H), 3.00 - 2.85
(m, 3H), 2.79 (br s, 1H), 2.68 (br s, 1H), 2.55 - 2.46 (m, 47H), 2.33 (br s,
2H), 2.02 (br s, 1H), 1.84 (br s, 2H), 1.62 (br s, 1H), 1.51 (br s, 3H), 1.34
(br s, 4H), 1.16 (d, J=12.5 Hz, 4H), 1.06 (br s, 4H), 0.83 (br s, 1H).
LC-MS (方法A, 1.5分の実行) tR 0.97分, ESI+[M/2+H] C47H66N12O9の計算値472.0; 実測値472.5.
【0183】
(実施例9)
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−19−アセトアミド−9−(3−グアニジノプロピル)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン
方法Bに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、1.0g、1.0mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(0.6mmol)を得た。
【0184】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(342mg、0.9mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(584mg、0.9mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−L−トリプトファン(384mg、0.9mmol、1.5当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(360mg、0.9mmol、1.5当量)および(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(アセチルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸(406mg、0.9mmol、1.5当量)を使用して、方法Fに記載されている手順に従って構築し、樹脂結合直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を方法Hに記載されている切断条件に供し、直鎖状ヘキサペプチドを粗油、847mg、100%として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.86分、ESI+[M+H]、C711031216Sについての計算値1412.7;実測値1412.5。
【0185】
直鎖状ヘキサペプチド(847mg、0.6mmol、1.0当量)を方法Jに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている環状ペプチドを黄色の油として得て、これをそれ以上精製することなく次のステップで使用した。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.93分、ESI+[M+H]、C711011215Sについての計算値1394.7;実測値1394.8。
【0186】
完全に保護されている環状ペプチドを方法Lに記載されている包括的脱保護条件、それに続く方法Oを使用した分取HPLC精製に供し、表題化合物、実施例9を白色の固体、113mg、20%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 10.91 (br s, 1H), 8.70 (br s, 1H), 8.30
(s, 1H), 8.22 (d, J=6.0 Hz, 2H), 8.01 (d, J=6.5 Hz, 2H), 7.52 - 7.38 (m, 4H),
7.32 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.27 - 7.16 (m, 7H), 7.05 (t, J=7.5 Hz, 1H), 6.97 (t,
J=7.3 Hz, 1H), 4.58 - 4.50 (m, 1H), 3.99 (br s, 1H), 3.64 (d, J=8.5 Hz, 5H),
3.53 (br s, 7H), 3.46 (br s, 7H), 3.42 - 3.33 (m, 8H), 3.28 (d, J=13.1 Hz, 5H),
3.21 - 3.07 (m, 6H), 3.04 (br s, 1H), 3.01 - 2.88 (m, 4H), 2.81 - 2.75 (m, 1H),
2.33 (br s, 4H), 2.06 (br s, 1H), 1.87 (d, J=8.5 Hz, 1H), 1.80 (s, 4H), 1.66
(br s, 2H), 1.48 (br s, 4H), 1.33 (br s, 4H), 1.25 (d, J=6.0 Hz, 2H), 1.14 (br
s, 3H), 1.12 - 0.95 (m, 7H), 0.82 (br s, 3H). LC-MS
(方法A, 1.5分の実行) tR 0.76分, ESI+[M+H] C49H69N12O10の計算値986.1; 実測値986.4.
【0187】
(実施例10)
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19S,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−19−アセトアミド−9−(3−グアニジノプロピル)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン
方法Bに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、1.0g、1.0mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(0.6mmol)を得た。
【0188】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(342mg、0.9mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(584mg、0.9mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−L−トリプトファン(384mg、0.9mmol、1.5当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(360mg、0.9mmol、1.5当量)および(2S,4S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(アセチルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸(406mg、0.9mmol、1.5当量)を使用して、方法Fに記載されている手順に従って構築し、樹脂結合直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を方法Hに記載されている切断条件に供し、直鎖状ヘキサペプチド中間体を粗油、847mg、100%として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.86分、ESI+[M+H]、C711031216Sについての計算値1412.7;実測値1412.5。
【0189】
直鎖状ヘキサペプチド(847mg、0.6mmol、1.0当量)を方法Jに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている環状ペプチドを黄色の油として得て、これをそれ以上精製することなく次のステップで使用した。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.93分、ESI+[M+H]、C711011215Sについての計算値1394.7;実測値1394.8。
【0190】
完全に保護されている環状ペプチドを方法Lに記載されている包括的脱保護条件、それに続く方法Oを使用した分取HPLC精製に供し、表題化合物、実施例10を白色の固体、130mg、30%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 10.88 (s, 1H), 8.61 (br s, 1H), 8.37 (br
s, 1H), 8.16 (br s, 1H), 8.07 (d, J=6.5 Hz, 1H), 7.52 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.39 -
7.13 (m, 10H), 7.12 - 6.94 (m, 2H), 4.56 (br s, 1H), 4.41 (t, J=7.5 Hz, 1H),
4.29 - 3.98 (m, 5H), 3.93 (br s, 3H), 3.57 (br s, 8H), 3.46 (br s, 7H), 3.39
(d, J=5.5 Hz, 7H), 3.25 (d, J=15.6 Hz, 4H), 3.20 - 3.04 (m, 6H), 3.04 - 2.85
(m, 3H), 2.77 (dd, J=7.8, 14.3 Hz, 2H), 2.67 (br s, 1H), 2.27 (br s, 1H), 1.87
(br s, 1H), 1.80 (s, 3H), 1.69 (br s, 1H), 1.52 (br s, 2H), 1.46 (br s, 2H),
1.34 (br s, 3H), 1.23 (br s, 2H), 1.12 (br s, 5H), 0.94 (br s, 1H). LC-MS
(方法A, 1.5分の実行) tR 0.76分, ESI+[M+H] C49H69N12O10の計算値986.1; 実測値986.5.
【0191】
(実施例11)
N−((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)−N−メチルグリシン
方法Bに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、300mg、0.3mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(0.3mmol)を得た。
【0192】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−メチル−L−フェニルアラニン(132mg、0.45mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(292mg、0.45mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−L−トリプトファン(237mg、0.45mmol、1.5当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(184mg、0.45mmol、1.5当量)および(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(tert−ブトキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(184mg、1.5当量)を使用して、方法Fに記載されている手順に従って構築し、樹脂上の直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を方法Hに記載されている切断条件に供し、直鎖状ヘキサペプチドを白色の固体、402mg、粗収率100%として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.81分、ESI+[M+H]、C8011820Sについての計算値1341.7;実測値1341.2。
【0193】
直鎖状ヘキサペプチド(402mg、0.3mmol、1.0当量)を、方法Jに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている環状ペプチドを白色の固体、194mg、粗収率100%として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.85分、ESI+[M+H]、C69991113Sについての計算値1323.6;実測値1323.5。
【0194】
完全に保護されている粗環状ペプチド(194mg、0.3mmol、1.0当量)を、方法Lに記載されている包括的脱保護条件に供し、これによって完全に脱保護された環状ペプチドを白色の粉末、287mgとして得た。この粉末を、方法Oを使用したHPLCによって精製し、表題化合物、実施例11を白色の固体、14.9mg、5.2%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 10.86 (s, 1H), 8.48 (d, J=6.0 Hz,
1H), 8.30 (s, 1H), 8.17 (br s, 1H), 7.83 (br s, 1H), 7.53 (d, J=7.5 Hz, 1H),
7.35 - 7.12 (m, 1H), 7.05 (t, J=7.0 Hz, 1H), 6.96 (t, J=7.5 Hz, 1H), 4.56 -
4.47 (m, 1H), 4.39 (br s, 1H), 4.26 (br s, 1H), 4.13 - 3.95 (m, 1H), 3.77 -
3.47 (m, 1H), 3.35 (br s, 46H), 3.20 - 2.91 (m, 2H), 2.89 - 2.60 (m, 1H), 2.52
- 2.48 (m, 40H), 2.36 - 2.30 (m, 1H), 2.24 (s, 1H), 1.97 (d, J=7.0 Hz, 1H),
1.85 (br s, 1H), 1.68 - 1.31 (m, 1H), 1.30 - 1.06 (m, 1H). LC-MS (方法A, 1.5分の実行) tR 0.51分, ESI+[M+H] C48H68N11O10の計算値959.1; 実測値959.6.
【0195】
(実施例12)
((3R,6S,9S,15S,19S,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−15−((S)−2−((カルボキシメチル)アミノ)−3−フェニルプロパンアミド)−9−(3−グアニジノプロピル)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−19−イル)グリシン
方法Bに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、200mg、0.2mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(0.2mmol)を得た。
【0196】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(114mg、0.3mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(195mg、0.30mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−L−トリプトファン(128mg、0.30mmol、1.5当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(123mg、0.30mmol、1.5当量)および(2S,4S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−((2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−2−カルボン酸(70mg、0.15mmol、0.75当量)を使用して、方法Fに記載されている手順に従って構築し、樹脂結合直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を方法Hに記載されている切断条件に供し、直鎖状ヘキサペプチドを黄色の油、297mg、粗収率100%として得た。LC−MS(方法A)t0.93分、ESI+[M/2+H]、C751101217Sについての計算値742.9;実測値742.5。
【0197】
直鎖状粗ヘキサペプチド(297mg、0.20mmol、1.0当量)を、方法Jに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている環状ペプチドを黄色の固体、293mgとして得た。この材料を、包括的脱保護においてそれ以上精製することなく使用した。LC−MS(方法A)t1.01分、ESI+[M/2+H]、C751081216Sについての計算値733.9;実測値734.3。
【0198】
完全に保護されている環状ペプチド(293mg、0.2mmol)を、方法Lに記載されている包括的脱保護条件、それに続く方法Oを使用した分取HPLC精製に供し、表題化合物、実施例12を白色の固体、11.3mg、5.7%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 10.83 (s, 1H), 9.78 (br s, 1H), 8.30 (s,
1H), 8.23 - 8.05 (m, 2H), 7.75 (br s, 1H), 7.59 (br s, 1H), 7.48 (d, J=7.5 Hz,
1H), 7.31 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.26 - 7.13 (m, 10H), 7.10 - 7.01 (m, 3H), 6.96
(t, J=7.3 Hz, 2H), 4.69 (br s, 1H), 4.43 (br s, 1H), 4.31 - 4.10 (m, 5H), 4.06
- 3.88 (m, 3H), 3.59 (br s, 9H), 3.06 (d, J=16.1 Hz, 22H), 2.91 - 2.73 (m,
10H), 2.67 (br s, 9H), 1.40 (br s, 12H), 1.27 - 1.11 (m, 13H). LC-MS (方法A, 1.5分の実行) tR 0.50分, ESI+[M+H] C49H68N12O11の計算値1002.1; 実測値1001.6.
【0199】
(実施例13)
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−(3,5−ジジューテロフェニル)プロパン−2−イル)グリシン
【0200】
【化12】
方法Nに従って、環状ペンタペプチドである1−(3−((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−15−アミノ−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−9−イル)プロピル)グアニジン(200mg、0.27mmol、1.0当量)を、HATU(162mg、0.43mmol、1.57当量)およびDIPEA(283μL、1.6mmol、6当量)の存在下で、(S)−2−((2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(3,5−ジブロモフェニル)プロパン酸(218mg、0.4mmol、1.5当量)と反応させ、ヘキサペプチドであるtert−ブチルN−((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−3−(((1s,4S)−4−(l1−オキシダニル)シクロヘキシル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−(l1−オキシダニル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−3−(3,5−ジブロモフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシネートを黄色の固体、320mg、94%粗収率として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0。87分、ESI+[M+H]、C5679Br1112についての計算値1259.1;実測値1258.7。
【0201】
この粗ヘキサペプチド(80mg、0.064mmol)を、HFIPA(3ml)を使用して方法Nに記載されている脱保護条件に供し、12MのHCl(0.27ml、3.2mmol、50当量)で約20℃にて1時間処理し、脱保護された粗生成物化合物((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−3−(3,5−ジブロモフェニル)−1−オキソプロパン−2−イル)グリシンを黄色の固体(100mg、100%粗収率)として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.68分、ESI+[M+H]、C4764Br1110についての計算値1102.9;実測値1103.1。
【0202】
脱保護された粗ヘキサペプチド(200mg、0.182mmol、1.0当量)を、10%Pd/C(19.3mg、0.182mg、1.0当量)およびMeOHを有する15mlのparrボトル中に入れた。反応槽を閉じ、10回、真空/Nパージによって脱気し、それに続いて3サイクルの真空/Dパージを行い、その後で、parrボトルにDガスを15psiまで投入し、18℃にて2時間撹拌した。容器をDガスで再充填し、r.t.にてさらに16時間撹拌した。次いで、混合物をceliteのパッドを通して濾過し、濾液を蒸発乾固し、黄色の油を得て、これを、方法Oを使用して分取HPLCによって精製し、表題化合物、実施例13を白色の固体、36.7mg、21.4%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 10.91 (br s, 1H), 8.58 (br s, 1H), 8.45
(br s, 1H), 8.37 - 8.27 (m, 1H), 8.10 - 7.85 (m, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.32 (d,
J=8.5 Hz, 1H), 7.27 - 7.15 (m, 3H), 7.12 - 6.91 (m, 2H), 4.69 - 4.55 (m, 1H),
4.61 (d, J=7.5 Hz, 4H), 4.42 (br s, 1H), 4.22 (br s, 2H), 4.08 (br s, 2H), 3.98
- 3.83 (m, 1H), 3.91 (br s, 5H), 3.39 (br s, 71H), 3.13 - 2.86 (m, 3H), 2.78
(s, 1H), 2.67 (s, 1H), 2.52 - 2.49 (m, 97H), 2.05 - 1.80 (m, 1H), 1.70 - 1.44
(m, 1H), 1.50 (br s, 3H), 1.08 (d, J=10.5 Hz, 4H), 1.42 - 0.92 (m, 5H). HRMS (m/z) [M+H]+ C47H64D2N11O10の計算値946.5114, 実測値946.5095.
【0203】
(実施例14)
((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インドール−3−イル)メチル)−15−((S)−2−((カルボキシメチル)アミノ)−3−フェニルプロパンアミド)−9−(3−グアニジノプロピル)−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−19−イル)グリシン
方法Bに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、400mg、0.4mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(0.4mmol)を得た。
【0204】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(230mg、0.6mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(390mg、0.60mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−L−トリプトファン(260mg、0.60mmol、1.5当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(252mg、0.60mmol、1.5当量)および(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−2−カルボン酸(135mg、0.24mmol、0.60当量)を使用して、方法Fに記載されている手順に従って構築し、樹脂結合直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を方法Hに記載されている切断条件に供し、直鎖状ヘキサペプチドを固体として得て、これを次のステップのためにそれ以上精製することなく使用した。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.96分、ESI+[(M−tBu)/2+H]、C751101217Sについての計算値714.1;実測値714.5。
【0205】
直鎖状ヘキサペプチド(0.40mmol、1.0当量)を、方法Jに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている環状ペプチドを黄色の固体、586mgとして得た。この材料を、それに続く包括的脱保護においてそれ以上精製することなく使用した。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t1.06分、ESI+[(M−tBu−tBu−Boc)/2+H]、C751081216Sについての計算値627.9;実測値627.5。
【0206】
完全に保護されている環状ペプチド(293mg、0.2mmol)を、方法Mに記載されている包括的脱保護条件、それに続く方法Oを使用した分取HPLC精製に供し、表題化合物、実施例14を白色の固体、38.9mg、19.4%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 10.86 (br s, 1H), 9.99 (br s, 1H), 8.62
(br s, 1H), 8.37 (br s, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.88 (d, J=6.5 Hz, 1H), 7.49 (d,
J=8.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.28 - 7.18 (m, 3H), 7.09 - 6.95 (m,
1H), 6.58 (br s, 1H), 4.74 (d, J=8.5 Hz, 1H), 4.56 (br s, 1H), 4.23 (br s, 1H),
4.12 (br s, 1H), 4.04 (br s, 1H), 3.83 (br s, 3H), 3.34 (br s, 6H), 3.25 - 2.94
(m, 7H), 2.94 - 2.85 (m, 1H), 2.81 (d, J=8.0 Hz, 1H), 2.67 (br s, 1H), 2.50 (br
s, 52H), 2.33 (s, 1H), 2.07 (br s, 1H), 1.93 - 1.71 (m, 1H), 1.64 (br s, 1H),
1.53 (br s, 1H), 1.29 (br s, 2H), 1.21 (br s, 1H), 1.14 (br s, 1H), 1.00 (d,
J=19.6 Hz, 2H). LC-MS (方法A,
1.5分の実行) tR 0.78分, ESI+[M+H] C49H68N12O11の計算値1002.1; 実測値1002.3.
【0207】
(実施例15)
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−6−((6−メトキシ−1H−インドール−3−イル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン
方法Bに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、400mg、0.4mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(0.4mmol)を得た。
【0208】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(230mg、0.6mmol、1.5当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(390mg、0.60mmol、1.5当量)、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(6−メトキシ−1H−インドール−3−イル)プロパン酸(276mg、0.60mmol、1.5当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(252mg、0.60mmol、1.5当量)および(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(tert−ブトキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(246mg、0.6mmol、1.50当量)を使用して、方法Fに記載されている手順に従って構築し、樹脂結合直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を方法Hに記載されている切断条件に供し、直鎖状ヘキサペプチドを固体として得て、これを次のステップのためにそれ以上精製することなく使用した。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.96分、ESI+[M+H]、C741091117Sについての計算値1457.8;実測値1457.5。
【0209】
直鎖状ヘキサペプチド(0.20mmol、1.0当量)を、方法Jに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている環状ペプチドを黄色の固体、288mgとして得た。この材料を、それに続く包括的脱保護においてそれ以上精製することなく使用した。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.99分、ESI+[(M−tBu−tBu−Boc)/2+H]、C741071116Sについての計算値613.9;実測値613.8。
【0210】
完全に保護されている環状ペプチド(293mg、0.2mmol)を方法Mに記載されている包括的脱保護条件、それに続く方法Oを使用した分取HPLC精製に供し、表題化合物、実施例15を白色の固体、4.5mg、2.3%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 10.75 (d, J=13.1 Hz, 1H), 8.53 (br s, 3H),
8.41 (s, 5H), 8.23 - 7.80 (m, 6H), 7.53 - 7.33 (m, 14H), 7.29 - 7.16 (m, 21H),
7.09 - 6.97 (m, 2H), 6.82 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.63 (d, J=8.0 Hz, 1H), 5.75 (s,
6H), 4.60 (br s, 8H), 4.41 (br s, 8H), 4.29 - 3.99 (m, 23H), 3.83 - 3.71 (m,
20H), 3.68 (br s, 17H), 3.17 (s, 21H), 3.12 - 2.84 (m, 4H), 2.52 - 2.48 (m,
163H), 2.41 - 2.31 (m, 30H), 2.07 - 1.77 (m, 6H), 1.52 (br s, 14H), 1.36 (br s,
17H), 1.24 (br s, 15H), 1.19 - 1.05 (m, 26H). LC-MS (方法A , 1.5分の実行) tR 0.51分, ESI+[M+H] C48H67N11O11の計算値975.1; 実測値975.5.
【0211】
(実施例16)
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((1H−インダゾール−3−イル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン
方法Bに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、600mg、0.6mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(0.6mmol)を得た。
【0212】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(227mg、0.60mmol、1.0当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(571mg、0.9mmol、1.5当量)、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)プロパン酸(317mg、0.60mmol、1.0当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(122mg、0.300mmol、0.5当量)、(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(tert−ブトキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(369mg、0.90mmol、1.5当量)を使用して、方法Fに記載されている手順に従って構築し、樹脂結合直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を方法Hに記載されている切断条件に供し、直鎖状粗ヘキサペプチド中間体を得て、これを逆相フラッシュクロマトグラフィー(Spherical2045mmカラム(C18、100A、26g)、勾配、アセトニトリル/水10%、5分から10分で90%へ、次いで6分で100%MeCN、35mL/分)によって精製し、所望の直鎖状ペプチドを白色の固体、100mg、収率10%として得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.926分、ESI+[M/2+H]、C771161218Sについての計算値764.4;実測値765.0。
【0213】
直鎖状粗ヘキサペプチド(90mg、0.059mmol、1.0当量)を方法Jに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている環状ペプチドをオフホワイト色の固体として得て、これを、包括的脱保護においてそれ以上精製することなく使用した。
【0214】
完全に保護されている粗環状ペプチドを方法Lに記載されている包括的脱保護条件、それに続く方法Oを使用した分取HPLC精製に供し、表題化合物、実施例16の双性イオン性形態を白色の固体、20.7mg、35%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 13.25 - 12.93 (m, 1H), 9.19 - 8.33
(m, 1H), 7.71 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.62 - 7.38 (m, 1H), 7.34 - 7.14 (m, 1H), 7.11
- 6.98 (m, 1H), 4.58 (br. s., 1H), 4.10 (d, J=3.0 Hz, 1H), 3.83 (br. s., 1H),
3.74 - 3.51 (m, 1H), 3.47 (br. s., 1H), 3.39 - 3.32 (m, 17H), 3.05 - 2.85 (m,
1H), 2.82 - 2.59 (m, 1H), 2.54 - 2.49 (m, 13H), 1.63 - 1.44 (m, 1H), 1.39 (br.
s., 1H), 1.25 (br. s., 1H), 1.20 - 1.00 (m, 1H), 0.89 (br. s., 1H). LC-MS (方法A, 1.5分の実行) tR 0.63分, ESI+[M+H] C46H65N12O10の計算値946.1; 実測値946.6.
【0215】
(実施例17)
((S)−1−(((3R,6S,9S,15S,19R,20aS)−6−((6−エチル−1H−インドール−3−イル)メチル)−9−(3−グアニジノプロピル)−19−ヒドロキシ−3−(((1s,4S)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)−1,4,7,10,16−ペンタオキソイコサヒドロピロロ[1,2−a][1,4,7,10,13]ペンタアザシクロオクタデシン−15−イル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)グリシン
方法Bに従って、Nα−Fmoc−Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチンを2−クロロトリチル樹脂(CTC樹脂、1.0meq、600mg、0.6mmol)上へとローディングし、それに続いてDMF中のピペリジン(20%v/v)で処理し、CTC樹脂結合Nδ−アリルオキシカルボニル−L−オルニチン(0.6mmol)を得た。
【0216】
ヘキサペプチド直鎖状配列をそれに続いて、逐次的に、N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン(227mg、0.60mmol、1.0当量)、Nα−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−Nω−((2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)スルホニル)−L−アルギニン(571mg、0.9mmol、1.5当量)、(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1−(tert−ブトキシカルボニル)−6−エチル−1H−インドール−3−イル)プロパン酸(333mg、0.60mmol、1.0当量)、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン(409mg、0.90mmol、1.5当量)、(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(tert−ブトキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(369mg、0.90mmol、1.5当量)を使用して、方法Fに記載されている手順に従って構築し、樹脂結合直鎖状ヘキサペプチドを得た。この樹脂結合生成物を方法Hに記載されている切断条件に供し、直鎖状粗ヘキサペプチド中間体、470mg、粗収率50%を得た。LC−MS(方法A、1.5分の実行)t0.96分、ESI+[M/2+H]、C801211118Sについての計算値777.9;実測値778.3。
【0217】
直鎖状粗ヘキサペプチド(470mg、0.302mmol、1.0当量)を方法Jに記載されているマクロラクタム化条件に供し、完全に保護されている粗環状ペプチドを黄色の固体として得て、これを逆相フラッシュクロマトグラフィー(球状、2045mmカラム(C18、100A、26g)、勾配、アセトニトリル/水10%、5分から10分で90%へ、次いで、6分で100%MeCN、35mL/分)によって精製し、環状ペプチドを白色の固体、195mg、収率42%として得た。
【0218】
精製された完全に保護されている環状ペプチドを方法Lに記載されている包括的脱保護条件、それに続く方法Oを使用した分取HPLC精製に供し、表題化合物、実施例17の双性イオン性形態を白色の固体、23.8mg、19%として得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) δ 10.91 - 10.63 (m, 1H), 8.97 (br. s.,
1H), 8.69 - 8.22 (m, 1H), 8.10 - 7.78 (m, 1H), 7.74 - 7.34 (m, 1H), 7.27 - 7.17
(m, 1H), 7.11 (d, J=11.5 Hz, 1H), 3.55 (br. s., 1H), 3.37 (br. s., 20H), 3.08
(br. s., 1H), 3.04 - 2.90 (m, 1H), 2.80 - 2.72 (m, 1H), 2.70 - 2.58 (m, 1H),
2.54 - 2.49 (m, 13H), 1.85 (br. s., 1H), 1.60 (br. s., 1H), 1.51 (br. s., 1H),
1.47 - 1.29 (m, 1H), 1.29 - 1.01 (m, 3H). LC-MS (方法A, 1.5分の実行) tR 0.63分, ESI+[M+H] C49H69N11O10の計算値972.5.1; 実測値973.1.
【0219】
調製1
N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニン
【0220】
【化13】
ステップ1
(R)−メチル2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエートの調製
撹拌棒を備えた2000mlの丸底フラスコに、(R)−3−(4−ヒドロキシフェニル)アラニン(150.0g、828mmol、1.00当量)、それに続いてメタノール(1000ml)を加えた。このように得られた懸濁液を、氷水浴中で冷却した。懸濁液に、SOCl(148g、1240mmol、1.50当量)を滴下で添加した。溶液を10℃に温め、次いで、85℃にて12時間還流させた。このように得られた溶液を減圧下で濃縮し、130gの表題化合物を固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップに持ち越した。
【0221】
ステップ2
(R)−メチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエートの調製
3Lの丸底フラスコに、粗(R)−メチル2−アミノ−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート(202g、871.8mmol、1.00当量)、トリエチルアミン(221g、2.2mol、2.50当量)およびDCM(1L)を加え、スラリーを得た。スラリーを氷浴中で冷却し、(Boc)O(209g、959mmol、1.10当量)のDCM(1L)溶液を滴下で添加した。添加の後、このように得られた無色の溶液を10℃に温め、18時間撹拌した。混合物に水(1.5L)を加え、それに続いてpH3まで濃HClのゆっくりとした添加を達成した。有機相を分離し、希HCl(0.2mol/L、1.5L)およびブライン(1.5L×2)で洗浄した。有機相を無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物に、DCM(400ml)およびPE(2L)を加え、白色の懸濁液を得た。懸濁液を10℃にて1時間撹拌し、次いで、濾過した。このように得られた濾過ケークを真空下で乾燥させ、210gの表題化合物を固体として得て、これをさらに精製することなく次のステップに持ち越した。
【0222】
ステップ3
(2R)−メチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパノエート(シスおよびトランス異性体の混合物)の調製
2つの2Lの水素化容器のそれぞれに、約105gの(R)−メチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート(355mmol、1.00当量)、それに続いてメタノール(3L)およびRh/C(36g、0.05当量、湿った炭素上5%)を加えた。黒色の懸濁液を真空下で排出させ、H(3×)を再充填した。このように得られた反応混合物を、50psiの水素圧力で50℃にて24時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を合わせ、粗油(約220g)へと減圧下で濃縮した。粗生成物をEtOAc(200ml)およびPE(1L)に懸濁させ、10℃にて30分間撹拌し、次いで、濾過した。濾過ケークを真空下で乾燥させ、84gの表題化合物を固体として得た。この固体は、シクロヘキシル基についてシスおよびトランス異性体の両方の混合物であり、これはそれに続くステップでも持ち越された後に、ステップ7に記載されているように、所望のシス異性体が最終的に単離された。
【0223】
ステップ4
(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン酸(シスおよびトランス異性体の混合物)の調製
2Lの丸底フラスコに、(2R)−メチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパノエート(84g、278.7mmol、1.0当量)、THF(500ml)、水(500ml)およびLiOH−HO(23.4g、557mmol、2.0当量)を加えた。溶液を10℃にて2時間撹拌した。THFの大部分を減圧下で除去し、1Mの希HCl水溶液の添加によって残渣をpH約5に酸性化した。混合物をDCM(800ml)およびEtOAc(500ml×2)で抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、80gの表題化合物を白色の固体として得て、これを精製することなく次のステップにおいて使用した。
【0224】
ステップ5
(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン酸(シスおよびトランス異性体の混合物)の調製
2Lの丸底フラスコに、(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン酸(80.0g、278.40mmol、1.0当量)、それに続いてEtOAc(500ml)を加えた。懸濁液に、15℃にてHClのEtOAc溶液(約4M、500ml、2mol、7.18当量)を加えた。反応混合物を15℃にて1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケークを真空下で乾燥させ、62gの表題化合物を白色の固体として得て、これを次のステップにおいて直接使用した。
【0225】
ステップ6
(2R)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン酸(シスおよびトランス異性体の混合物)の調製
2Lの丸底フラスコに、(2R)−2−アミノ−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン酸(62.0g、277.11mmol、1.0当量)、500mlのHOおよび500mlのジオキサン、それに続いてNaCO(88.1g、831mmol、3.00当量)を加えた。懸濁液を15℃にて10分間撹拌し、次いで、氷水浴中に入れた。氷浴中の反応混合物に、固体Fmoc−OSu(93.5g、277mmol、1.0当量)を少しずつ加えた。30分後、氷浴を除去し、混合物を90分間撹拌した。混合物を500mlの水で希釈し、飽和クエン酸水溶液の添加によってpH4に調整した。混合物をDCM(800ml×2)で抽出した。合わせた有機相を500mlのブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥した。溶液を濾過し、N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニンとしてもまた公知の120gの表題化合物に黄色の油として濃縮した。
【0226】
ステップ7
N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニンの単離
ステップ6(120g)からのN−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−3−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−D−アラニンのシスおよびトランス異性体の混合物からの表題化合物の単離は、40%アセトニトリルから開始し、27分に亘り60%アセトニトリルへと増加する、250ml/分の流量を伴う水中のアセトニトリルの溶離液を伴う、Phenomenex C18、250×80mm×10μmカラムを使用して分取HPLCによって達成した。この手順によって、62gの表題化合物を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.79-7.77 (d, 2H), 7.69-7.59 (m, 2H),
7.44-7.33 (m, 2H), 7.32-7.28 (m, 2H), 4.42-4.30 (m, 2H), 4.24-4.20 (m, 1.9 H),
4.03-3.98 (m, 0.1 H), 3.89-3.86 (m, 1H), 1.78-1.39 (m, 11H); LCMS: MS = 432.0
(M+Na).HPLC保持時間=4.31分。カラム:Ultimate XB−C18、3μm、3.0×50mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で100%MeCNへの勾配;100%MeCNで2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2ml/分。
【0227】
調製2
N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニン
【0228】
【化14】
ステップ1
(S)−ベンジル2−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチルアミノ)−3−フェニルプロパノエートの調製
3Lの丸底フラスコに、L−フェニルアラニネートベンジル塩酸塩(200.0g、609.3mmol、1.00当量)、DMF(2.0L)、およびKCO(168.0g、1220mmol、2.00当量)を加えた。スラリーを20℃にて30分間撹拌した。反応混合物に、未希釈のtert−ブチル2−ブロモアセテート(131.0g、670mmol、1.10当量)を滴下で添加した。添加の後、混合物を50℃に加熱し、4時間撹拌した。反応物を20℃に冷却し、EtOAc(4.0L)で希釈し、次いで、このように得られた混合物を水(6.0L×3)で洗浄し、有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、オフホワイト色の固体を得た。この固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:100/0〜0/100の石油エーテル/酢酸エチル)によって精製し、オフホワイト色の固体を得た。この固体に、PE(1.5L)を加え、このように得られた白色の懸濁液を室温にて1時間激しく撹拌し、次いで、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、114gの表題化合物を黄色の油として得た。LCMS:m/z391.9(M+Na)。HPLC保持時間:4.03分。カラム:Ultimate XB−C18、3μm、3.0×50mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で100%MeCNへの勾配;100%MeCNで2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2ml/分。
【0229】
ステップ2
(S)−ベンジル2−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フェニルプロパノエートの調製
1Lの丸底フラスコに、(S)−ベンジル2−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチルアミノ)−3−フェニルプロパノエート(20.0g、54.1mmol、1.00当量)および(Boc)O(118g、541mmol、10.0当量)を加え、このように得られた混合物を70℃に加熱した。反応物に、固体DMAP(19.8g、162mmol、3.00当量)を注意深く加えた。反応物を70℃にて10分間撹拌した。さらなる(Boc)O(177g、809mmol、15.0当量)を2時間の期間に亘り少しずつ加えた。このように得られた粗混合物を、同じ方法によって調製した粗(S)−ベンジル2−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フェニルプロパノエートの第2のバッチと合わせた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、100/0〜100/5の石油エーテル/酢酸エチル)による合わせたバッチの精製によって、15.5gの表題化合物を油として得た。LCMS:m/z492.3(M+Na)。HPLC保持時間=5.83分。カラム:Ultimate XB−C18、3μm、3.0×50mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で100%MeCNへの勾配;100%MeCNで2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2ml/分。光学回転:−69.248、MeOH中、c=0.133g/ml。
【0230】
ステップ3
N−(2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニンの調製
(S)−ベンジル2−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−フェニルプロパノエート(17.8g、37.9mmol、1.00当量)を、THF(150ml)およびMeOH(150ml)の溶媒混合物に加えた。反応物に、乾燥Pd/C(2.02g、10重量%、1.90mmol、0.05当量)を加えた。このように得られた懸濁液を真空下で排出させ、H(3×)を再充填し、次いで、50Psiの水素圧力下で20℃にて12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、12.7gの表題化合物を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.34-7.24 (m, 3H), 7.16-7.11 (m, 2H),
4.19-4.14 (d, 0.75H), 3.86-3.81 (m, 0.5H), 3.68-3.64 (m, 0.73H), 3.39-3.19 (m,
2H), 2.88-2.83 (d, 0.27H), 2.58-2.53 (d, 0.75H), 1.53-1.50 (m, 8H), 1.45-1.43
(m, 10H).HPLC保持時間=4.87分。カラム:Ultimate XB−C18、3μm、3.0×50mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で100%MeCNへの勾配;100%MeCNで2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2ml/分。SFCキラルカラム保持時間=2.21分。カラム:Chiralcel OD−3、150×4.6mm I.D.、3um;移動相:A:超臨界CO;B:エタノール(0.05%DEA);勾配:5分で5%〜40%のB、2.5分間40%で保持、次いで、2.5分間5%のB;流量:2.5ml/分;カラム温度:35℃。
【0231】
調製3
(S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−3−(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸
【0232】
【化15】
ステップ1
(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸の調製
50mlの丸底フラスコに、(S)−tert−ブチル2−オキソオキセタン−3−イルカルバメート(1870mg、9.99mmol、1.0当量)、4−メチル−1H−ピラゾール(984mg、12mmol、1.2当量)およびMeCN(30ml)を加えた。このように得られた溶液を50℃に16時間加熱した。混合物を減圧下で淡黄色の残渣へと濃縮した。残渣を熱いMeOH(5ml)に溶解した。反応物を冷却した後、白色の固体が溶液から沈殿した。このように得られた母液に、水(1ml×3)を加え、さらなる固体を沈殿させた。全ての固体を合わせ、1.8gの表題化合物を得て、これを精製することなく次のステップにおいて使用した。
【0233】
ステップ2
(S)−2−アミノ−3−(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸塩酸塩の調製
(S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸(1.8g、6.57mmol、1.0当量)および1,4−ジオキサン(30.0ml)の混合物に、HClの1,4−ジオキサン(10.0ml)飽和溶液を加えた。混合物を25℃にて1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、1.1gの表題化合物を油として得て、これを精製することなく次のステップにおいて使用した。
【0234】
ステップ3
(S)−2−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニルアミノ)−3−(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸の調製
(S)−2−アミノ−3−(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)プロパン酸塩酸塩(1100mg、6.57mmol、1.0当量)、ジオキサン(20ml)、水(5ml)およびNaCO(1040mg、9.86mmol、1.5当量)の混合物を氷浴中で冷却し、未希釈のFmoc−O−Su(2220mg、6.57mmol、1.0当量)を加えた。反応混合物を25℃に温め、さらに1時間撹拌した。混合物を水(60ml)で希釈し、酢酸の添加によってpH約4に酸性化し、DCM(50ml×3)で抽出した。合わせたDCM層を無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1.5gのオフホワイト色の固体を得た。この固体を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi Max−RP、25080、10u;移動相:水(0.2%FA)中の35%MeCNから水(0.2%FA)中の65%MeCNへ;流量:80ml/分;波長:220nm)によってさらに精製し、1.0gの表題化合物を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.80-7.78 (d, 2H), 7.62-7.60 (d, 2H),
7.45-7.31 (m, 5H), 6.96 (s, 1H), 5.71-5.70 (d, 1H), 4.74-4.38 (m, 5H),
4.26-4.22 (dd, 1H), 2.0 (s, 1H);
LCMS: m/z 392.2 (M+H+)
【0235】
調製4
(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(アセチルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸
【0236】
【化16】
ステップ1
(2S,4R)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル2−メチル4−アミノピロリジン−1,2−ジカルボキシレート塩酸塩の調製
(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸(1.00g、2.210mmol、1.00当量)を、MeOH(40ml)に溶解した。反応混合物を氷浴中に入れ、それに続いて未希釈のSOCl(526mg、4.42mmol、2.00当量)を滴下で添加した。添加の後、このように得られた反応混合物を70℃にて16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、890mgの表題化合物を固体として得た。粗材料をさらに精製することなく次のステップに持ち越した。
【0237】
ステップ2
(2S,4R)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル2−メチル4−アセトアミドピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの調製
粗(2S,4R)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル2−メチル4−アミノピロリジン−1,2−ジカルボキシレート塩酸塩(890mg、2.21mmol、1.00当量)のDCM(80ml)溶液に、NaCO(702mg、6.63mmol、3.00当量)を加えた。混合物を5分間撹拌し、次いで、氷浴中に入れた。反応物に、氷浴中で未希釈の塩化アセチル(347mg、4.42mmol、2.00当量)を滴下で添加し、混合物を氷浴中で0.5時間撹拌し、次いで、10℃に温めた。反応混合物を10℃にて2時間撹拌した。さらなる未希釈の塩化アセチル(200mg)を加え、反応混合物を10℃にてさらに20時間撹拌した。反応混合物に水(100ml)を加え、次いで、混合物を振とうし、分離した。有機相をブライン(100ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、900mgの表題化合物を黄色がかった油として得た。粗生成物をそれ以上精製することなく次のステップに持ち越した。
【0238】
ステップ3
(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(アセチルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸の調製
100mlの丸底フラスコに、i−PrOH(21ml)、水(9ml)および無水CaCl(2660mg、24mmol、10.9当量)を加えた。反応物を、10℃にて10分間撹拌した。第2の100mlの丸底フラスコに、(2S,4R)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル2−メチル−4−アセトアミドピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(900mg、2.20mmol、1.0当量)、それに続いて、第1の丸底フラスコ中で調製した0.8MのCaClのi−PrOH/HO(27ml)溶液を加えた。次いで、反応混合物に、固体NaOH(123mg、3.08mmol、1.4当量)を加えた。懸濁液を10℃にて46時間撹拌した。飽和クエン酸の添加、それに続く水(50ml)およびDCM(100ml)の添加によって混合物をpH約5に調整した。有機相を分離し、ブライン(50ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、1.2gの粗生成物を油として得た。フラッシュクロマトグラフィーによる粗生成物の精製によって、600mgの表題化合物を油として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ8.37-8.35 (d, 0.6H), 7.82-7.79 (m, 2H),
7.65-7.61 (m, 2H), 7.42-7.38 (m, 2H), 7.34-7.30 (m, 2H), 4.48-4.17 (m, 5H),
3.78-3.73 (m, 1H), 3.42-3.37 (m, 1H), 2.32-2.23 (m, 2H), 1.95-1.94 (d, 3H).HPLC保持時間=3.95分。カラム:Ultimate XB−C18、3μM、3.050mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で水(0.1%TFA)中の5%MeCNから100%MeCN(0.1%TFA)へ;100%MeCN(0.1%TFA)で2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2ml/分。
SFCキラルカラム保持時間=3.98分。カラム:Chiralpak AS−3、150×4.6mm I.D.、3um;移動相:A:CO、B:エタノール(0.05%DEA);勾配:5.5分で5%〜40%のB、3分間40%で保持、次いで、1.5分間5%のB;流量:2.5ml/分;カラム温度:40℃。
【0239】
調製5
(2S,4S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(アセチルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸
【0240】
【化17】
ステップ1
(2S,4S)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル2−メチル4−アミノピロリジン−1,2−ジカルボキシレート塩酸塩の調製
(2S,4S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸(2.00g、4.420mmol、1.00当量)をMeOH(60ml)に溶解し、反応混合物を氷浴中に入れた。これに続いて未希釈のSOCl(1.05g、8.84mmol、2.00当量)を滴下で添加した。添加の後、混合物を70℃にて1時間撹拌した。反応混合物を20℃に冷却し、減圧下で濃縮し、1.7gの表題化合物を固体として得て、これを精製することなく次のステップにおいて使用した。
【0241】
ステップ2
(2S,4S)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル2−メチル4−アセトアミドピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの調製
(2S,4S)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル2−メチル4−アミノピロリジン−1,2−ジカルボキシレート塩酸塩(1000mg、2.48mmol、1.00当量)のDCM(80ml)溶液に、NaCO(789mg、7.45mmol、3.00当量)を加えた。反応混合物を氷浴中に入れ、未希釈の塩化アセチル(390mg、4.96mmol、2.00当量)を加える前に5分間撹拌した。添加の後、混合物を氷浴中で0.5時間撹拌した。次いで、反応物を10℃に温め、17時間撹拌した。反応物に、水(100ml)を加えた。有機相を分離し、ブライン(100ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、1.0gの表題化合物を得て、これを精製することなく次のステップにおいて使用した。
【0242】
ステップ3
(2S,4S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(アセチルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸の調製
第1の100mlの丸底フラスコに、i−PrOH(21ml)、水(9ml)および無水CaCl(2660mg、24mmol、10.9当量)を加え、混合物を10℃にて10分間撹拌した。第2の100mlの丸底フラスコに、(2S,4S)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル2−メチル4−アセトアミドピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(1010mg、2.47mmol、1.0当量)、それに続いて第1の丸底フラスコ中で調製したi−PrOH/HO(27ml)溶液中の0.8MのCaClを加えた。次いで、反応混合物に、固体NaOH(138mg、3.46mmol、1.4当量)を加え、懸濁液を10℃にて22時間撹拌した。飽和クエン酸水溶液の添加によって混合物をpH約5に調整し、次いで、iPrOHの大部分を減圧下除去した。水性残渣に、水(50ml)およびDCM(100ml)を加えた。有機相を分離し、ブライン(50ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で粗油へと濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる粗油の精製によって、380mgの表題化合物を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ7.81-7.78 (dd, 2H), 7.65-7.60 (m, 2H),
7.41-7.37 (m, 2H), 7.34-7.29 (m, 2H), 4.41-4.16 (m, 5H), 3.87-3.75 (m, 1H),
3.35-3.26 (m, 1H), 2.67-2.54 (m, 1H), 2.07-1.92 (m, 4H).HPLC保持時間=4.01分。カラム:Ultimate XB−C18、3μM、3.050mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で水(0.1%TFA)中の5%MeCNから100%MeCN(0.1%TFA)へ;100%MeCN(0.1%TFA)で2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2ml/分。SFCキラルカラム保持時間=3.04分。カラム:Chiralcel OJ−H、150×4.6mm I.D.、5μm;移動相:A:超臨界CO;B:エタノール(0.05%DEA);勾配:5.5分で5%〜40%のB、3分間40%で保持、次いで、1.5分間5%のB。流量:2.5ml/分;カラム温度:40℃。
【0243】
調製6
(2S,4S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−((2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−2−カルボン酸
【0244】
【化18】
ステップ1
(2S,4S)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル2−メチル4−アミノピロリジン−1,2−ジカルボキシレート塩酸塩の調製
氷浴中のMeOH(15ml)中の(2S,4S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸(500mg、1.10mmol、1.00当量)の撹拌した反応混合物に、未希釈のSOCl(263mg、2.21mmol、2.00当量)を滴下で添加した。添加の後、混合物を70℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物を20℃に冷却し、減圧下で濃縮し、445mgの表題化合物を固体として得て、これを精製することなく次のステップにおいて使用した。
【0245】
ステップ2
(2S,4S)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル2−メチル4−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチルアミノ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの調製
撹拌した(2S,4S)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル2−メチル4−アミノピロリジン−1,2−ジカルボキシレート塩酸塩(295mg、0.73mmol、1.00当量)のDMF(20ml)溶液に、NaCO(233mg、2.20mmol、3.00当量)を加え、反応物を10℃にて5分間撹拌した。tert−ブチルブロモアセテート(143mg、0.732mmol、1.00当量)のDMF(4ml)溶液を滴下で添加した。添加の後、混合物を10℃にて2時間撹拌した。反応物に、さらなるtert−ブチルブロモアセテート(143mg、0.732mmol、1.00当量)を加え、混合物を10℃にてさらに17時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(120ml)で希釈し、それに続いて水(100ml×2)およびブライン(100ml)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、450mgの油を得た。油を、第2のバッチ(54mg)の油(上記の様式で調製)と合わせた。合わせたバッチをフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、240mgの表題化合物を油として得た。HPLC保持時間=4.16分。カラム:Ultimate XB−C18、3μm、3.0×50mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%ACNへ;次いで、5分で水(0.1%TFA)中の5%MeCNから100%MeCN(0.1%TFA)へ;100%MeCN(0.1%TFA)で2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2ml/分。LCMS:m/z481.1(M+H
【0246】
ステップ3
(2S,4S)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル−2−メチル−4−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの調製
(2S,4S)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル−2−メチル−4−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチルアミノ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(240mg、0.499mmol、1.00当量)およびNaCO(159mg、1.50mmol、3.00当量)のジオキサン(10ml)および水(10ml)溶液を、10℃にて10分間撹拌し、次いで、氷水浴中に入れた。氷水浴中の反応物に、未希釈の(Boc)O(436mg、2.00mmol、4.00当量)を加えた。このように得られた混合物を氷浴中で約30分間撹拌し、次いで、氷水浴を除去した。反応物を氷浴中で10℃にて18分間撹拌した。反応物に、EtOAc(80ml)および水(80ml)を加えた。有機相を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、480mgの表題化合物を油として得て、これを精製することなく次のステップにおいて使用した。
【0247】
ステップ4
(2S,4S)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−2−カルボン酸の調製
第1の100mlの丸底フラスコに、i−PrOH(7ml)、水(3ml)および無水CaCl(888mg、8mmol、9.68当量)を加えた。反応混合物を10℃にて10分間撹拌した。別の100mlの丸底フラスコに、(2S,4S)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル−2−メチル−4−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(480mg、0.83mmol、1.0当量)、それに続いて第1の丸底フラスコ中で調製したi−PrOH/水中の約0.8MのCaClの水性混合物(5ml)、次いで、NaOH(46.3mg、1.16mmol、1.4当量)を加えた。このように得られた反応混合物を10℃にて17時間撹拌した。反応混合物にさらなるNaOH(50mg)を加え、混合物を10℃にてさらに15時間撹拌した。飽和クエン酸水溶液の添加、それに続く水(30ml)の添加によって、反応混合物をpH約4に調整した。反応物をEtOAc(30ml×2)で抽出し、合わせた有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、200mgの黄色の油を得た。フラッシュクロマトグラフィーによる粗油の精製によって、200mgの固体を得た。分取HPLC(カラム:Agela Durashell C18、150×25mm、5μm;溶離液:水中の60%アセトニトリル;勾配:11分に亘り水中の60〜80%アセトニトリル;流量:35ml/分)によるこの固体のさらなる精製によって、75mgの表題化合物を固体として得た。HPLC保持時間=5.18分。カラム:Ultimate XB−C18、3μm、3.0×50mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で水(0.1%TFA)中の5%MeCNから100%MeCN(0.1%TFA)へ;100%MeCN(0.1%TFA)で2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2ml/分。SFCキラルカラム保持時間=3.76分。カラム:Chiralcel OD−3、100×4.6mm I.D.、3um;移動相:A:超臨界CO;B:エタノール(0.05%DEA);勾配:4.5分で5%〜40%のB、2.5分間40%で保持、次いで、1分間5%のB。流量:2.8ml/分;カラム温度:40℃。
【0248】
調製7
(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−2−カルボン酸
【0249】
【化19】
ステップ1
(2S,4R)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル2−メチル4−アミノピロリジン−1,2−ジカルボキシレート塩酸塩の調製
(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン−2−カルボン酸(500mg、1.10mmol、1.00当量)をMeOH(20ml)に溶解し、氷水浴中に入れた。反応混合物に、未希釈のSOCl(263mg、2.21mmol、2.00当量)を滴下で添加し、混合物を70℃にて1.5時間撹拌した。反応物を30℃に冷却し、減圧下で濃縮し、445mgの表題化合物を固体として得て、これを精製することなく次のステップにおいて使用した。
【0250】
ステップ2
(2S,4R)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル2−メチル4−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチルアミノ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの調製
(2S,4R)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル2−メチル4−アミノピロリジン−1,2−ジカルボキシレート塩酸塩(445mg、1.10mmol、1.00当量)のDMF(30ml)溶液に、NaCO(351mg、3.31mmol、3.00当量)を加えた。懸濁液を10℃にて5分間撹拌した。tert−ブチルブロモアセテート(215mg、1.10mmol、1.00当量)のDMF(4ml)溶液を滴下で添加した。添加の後、混合物を10℃にて5時間撹拌した。さらなる未希釈のtert−ブチルブロモアセテート(215mg、1.10mmol、1.00当量)を加え、混合物を10℃にてさらに17時間撹拌した。混合物をEtOAc(180ml)で希釈し、水(180ml×2)およびブライン(100ml)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、無色の油を得た。油をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、305mgの表題化合物を油として得た。
【0251】
ステップ3
(2S,4R)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル−2−メチル−4−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの調製
(2S,4R)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル−2−メチル−4−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチルアミノ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(305mg、0.635mmol、1.00当量)およびNaCO(202mg、1.90mmol、3.00当量)を、ジオキサン(15ml)および水(15ml)の混合物に溶解した。混合物を10℃にて10分間撹拌し、次いで、氷水浴中に入れた。氷水浴中の反応物に、未希釈の(Boc)O(554mg、2.54mmol、4.00当量)を加えた。このように得られた混合物を氷水浴中で30分間撹拌し、次いで、氷水浴を除去した。混合物を10℃に温め、18時間撹拌した。反応混合物に、EtOAc(100ml)およびHO(100ml)を加えた。有機相を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、730mgの表題化合物を油として得て、これを精製することなく次のステップにおいて使用した。
【0252】
ステップ4
(2S,4R)−4−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−2−カルボン酸の調製
100mlの丸底フラスコに、i−PrOH(14ml)、水(6ml)および無水CaCl(1780mg、16mmol)を加えた。反応物を10℃にて10分間撹拌した。第2の100mlの丸底フラスコに、(2S,4R)−1−(9H−フルオレン−9−イル)メチル−2−メチル−4−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(730mg、1.26mmol、1.0当量)、それに続いて第1の丸底フラスコからのi−PrOH/水中の10mlの約0.8MのCaCl溶液、次いで、固体NaOH(70.4mg、1.76mmol、1.4当量)を加えた。反応混合物を10℃にて41時間撹拌した。反応混合物にさらなるNaOH(80mg)を加え、混合物をさらに72時間撹拌した。反応混合物を50℃に加熱し、その温度にて24時間撹拌した。反応物に、さらなるNaOH(100mg)を加え、混合物を50℃にてさらに6時間撹拌した。飽和クエン酸水溶液の添加、それに続く水(10ml)の添加によって反応混合物をpH約4に調整した。混合物をEtOAc(30ml×2)で抽出し、合わせた有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、150mgの表題化合物を油として得て、これを精製することなく次のステップにおいて使用した。
【0253】
ステップ5
(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−2−カルボン酸の調製
(2S,4R)−4−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−2−カルボン酸(150mg、0.436mmol、1.00当量)およびNaCO(200mg、1.89mmol、4.33当量)のジオキサン(20ml)懸濁液を、10℃にて10分間撹拌し、次いで、氷水浴中に入れた。氷水浴中の反応物に、未希釈のFmoc−OSu(250mg、0.741mmol、1.70当量)を少しずつ加えた。このように得られた混合物を氷水浴中で30分間撹拌し、次いで、氷水浴を除去した。混合物を10℃に温め、17時間撹拌した。飽和クエン酸水溶液を加え、それに続いてEtOAc(50ml)および水(50ml)を加えることによって、混合物をpH約4に調整した。有機相を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、450mgの油を得た。分取HPLC(カラム:Agela Durashell C18、150×25mm、5μm;溶離液:水中の50%アセトニトリル;勾配:12分に亘り水中の50〜80%アセトニトリル;流量:25ml/分)による油の精製によって、140mgの表題化合物を固体として得た。LCMS:MS=589.1(M+Na)。HPLC保持時間=5.41分。カラム:Ultimate XB−C18、3μm、3.0×50mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で水(0.1%TFA)中の5%MeCNから100%MeCN(0.1%TFA)へ;100%MeCN(0.1%TFA)で2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2ml/分。SFCキラルカラム保持時間=3.48分。カラム:Chiralcel OD−3、100×4.6mm I.D.、3μm;移動相:A:超臨界CO;B:エタノール(0.05%DEA);勾配:4.5分で5%〜40%のB、2.5分間40%で保持、次いで、1分間5%のB。流量:2.8ml/分;カラム温度:40℃。
【0254】
調製8
(S)−2−((2−(tert−ブトキシ)−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(3,5−ジブロモフェニル)プロパン酸
【0255】
【化20】
ステップ1
メチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3,5−ジブロモフェニル)アクリレートの調製
5,5−ジブロモベンズアルデヒド(15.0g、56.837mmol、1.0当量)をDCM(50ml)に溶解し、反応物を真空によって脱気し、Nでパージした。混合物に、DBU(10.4g、68.2mmol、1.2当量)をゆっくりと加え、反応物を氷水浴中に入れた。第2のフラスコ中で、N−(tert−ブトキシカルボニル)−2−ホスホノグリシントリメチルエステル(16.9g、56.8mmol、1.0当量)をDCM(50ml)に溶解し、この混合物を、氷水浴中でシリンジを介して1時間の期間に亘り反応混合物に滴下で添加した。添加の後、混合物を氷水浴中で30分間撹拌した。氷水浴を除去し、混合物を撹拌しながら16時間約20℃に温めた。反応混合物を水(500ml)で希釈し、クエン酸(20重量%)を加えてpH約4に酸性化した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、30gの固体を得た。フラッシュクロマトグラフィーによるこの固体材料の精製によって、7.6gの表題化合物を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.58-7.55 (m, 3H), 7.10 (s, 1H), 6.50 (br,
s, 1H), 3.87 (s, 3H), 1.42 (br, s, 9H).HPLC保持時間=5.23分。カラム:Ultimate XB−C18、3μm、3.0×50mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で水(0.1%TFA)中の5%MeCNから100%MeCN(0.1%TFA)へ;100%MeCN(0.1%TFA)で2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2ml/分。LCMS:MS=457.9(M+Na)
【0256】
ステップ2
(S)−メチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3,5−ジブロモフェニル)プロパノエートの調製
250mlのParrボトルに、メチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3,5−ジブロモフェニル)アクリレート(6.0g、13.79mmol、1.0当量)および(−)−1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−ジエチルホスホラノ]ベンゼン(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート(100mg)、それに続いてMeOH(100ml)を加えた。反応混合物を10回、真空によって脱気し、Nでパージした。次いで、反応物をHガスで再び充填し、真空によって脱気し、Hガスで3回パージおよび再充填した。次いで、反応物にHガスを50psiの圧力まで充填し、撹拌しながら50℃まで24時間加熱した。室温に冷却した後に、反応混合物を濾過し、濃縮し、6.0gの表題化合物を油として得て、これをそれ以上精製することなく次のステップに持ち越した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.56-7.55 (t, 3H), 7.22 (bs, 2H), 5.05-5.03
(d, 1H), 4.55-4.53 (dd, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.13-3.08 (m, 1H), 2.99-2.94 (m,
1H), 1.44 (s, 9H).
【0257】
ステップ3
(S)−メチル2−アミノ−3−(3,5−ジブロモフェニル)プロパノエート塩酸塩の調製
(S)−メチル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(3,5−ジブロモフェニル)プロパノエート(4.73g、10.8mmol、1.0当量)をEtOAc(20ml)に溶解し、25mlのHClのEtOAc溶液(4M)を加えた。このように得られた溶液を15℃にて3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、4.0gの表題化合物を固体として得て、これを次のステップにおいて精製せずに使用した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.68 (bs, 3H), 7.77-7.76 (t, 1H), 7.55-7.54
(d, 2H), 4.39-4.36 (t, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.17-3.15 (d, 2H)
【0258】
ステップ4
(S)−メチル2−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチルアミノ)−3−(3,5−ジブロモフェニル)プロパノエートの調製
(S)−メチル2−アミノ−3−(3,5−ジブロモフェニル)プロパノエート塩酸塩(4.0g、11.0mmol、1.0当量)をDMF(60ml)に溶解し、DIPEA(8.76ml、42.8mmol、4.0当量)を加え、それに続いて未希釈のtert−ブチルブロモアセテート(2.51g、12.9mmol、1.2当量)を滴下で添加した。このように得られた溶液を15℃にて16時間撹拌した。さらなるtert−ブチルブロモアセテート(2.09g、10.7mmol、1.0当量)を、反応混合物に滴下で添加した。このように得られた溶液を15℃にてさらに24時間撹拌した。混合物に水(150ml)を加え、溶液をEtOAc(100ml×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200ml×2)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによるこのように得られた粗残渣の精製によって、4.0gの表題化合物を油として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.54-7.53 (t, 1H), 7.30-7.29 (d, 2H), 3.68
(s, 3H), 3.54-3.50 (t, 1H), 3.32-3.22 (q, 2H), 2.96-2.86 (m, 2H), 1.45 (s, 9H)
【0259】
ステップ5
(S)−メチル2−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(3,5−ジブロモフェニル)プロパノエートの調製
(S)−メチル2−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチルアミノ)−3−(3,5−ジブロモフェニル)プロパノエート(3.0g、6.65mmol、1.0当量)をDCM(50ml)に溶解し、(Boc)O(4.35g、19.9mmol、3.0当量)を加えた。混合物を40℃に加熱し、それに続いて未希釈のDMAP(1.62g、13.3mmol、2.0当量)を加えた。さらなる(Boc)O(39.2g、40.0mmol、27.0当量)を反応物に加え、混合物を40℃にて2時間撹拌した。フラッシュクロマトグラフィーによる粗混合物の精製によって、3.2gの表題化合物を油として得た。
【0260】
ステップ6
(S)−2−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(3,5−ジブロモフェニル)プロパン酸の調製
(S)−メチル2−((2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−(3,5−ジブロモフェニル)プロパノエート(3.2g、5.81mmol、1.0当量)を、THF(30ml)および水(30ml)の混合物に溶解した。反応物に、未希釈のLiOH−HO(536mg、12.8mmol、2.2当量)を加え、このように得られた混合物を15℃にて40分間撹拌した。クエン酸水溶液(5重量%)を加えて反応物をpH約4に酸性化し、減圧下で濃縮し、有機溶媒の大部分を除去した。このように得られた残渣を水(100ml)で希釈し、EtOAc(100ml×2)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、3.4gの油を得た。油を、上記のプロトコルによって調製した1.2gの油の第2のバッチと合わせた。フラッシュクロマトグラフィーによる合わせたバッチの精製によって、2.94gの表題化合物を固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ12.84 (bs, 1H), 7.67-7.64 (m, 1H),
7.51-7.47 (m, 2H), 4.79-4.75 (m, 0.6H), 4.65-4.61 (m, 0.5H), 3.84-3.70 (m, 2H),
3.19-3.11 (m, 1H), 3.04-2.97 (m, 1H), 1.37-1.29 (m, 18H).HPLC保持時間=5.50分。カラム:Ultimate XB−C18、3μm、3.0×50mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で水(0.1%TFA)中の5%MeCNから100%MeCN(0.1%TFA)へ;100%MeCN(0.1%TFA)で2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2ml/分。光学回転:MeOH中−49.518、c=1.4g/100ml
【0261】
調製9
(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)ピロリジン−2−カルボン酸
【0262】
【化21】
ステップ1
(2S,4R)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸の調製
3Lのフラスコに、(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(87.0g、663.46mmol、1.0当量)、水(1500ml)、NaCO(141.0g、1330mmol、2.0当量)およびNaHCO(55.7g、663mmol、1.0当量)を加えた。アセトン(250ml)を溶液に加え、次いで、これを氷水浴中で冷却した。混合物に、Cbz−Cl(141.0g、829mmol、1.25当量)をゆっくりと加えた。添加の後、反応混合物を22℃へと徐々に温め、15時間撹拌した。反応混合物をMTBE(600ml×2)で洗浄した。水相に、pH約2を達成するまで1NのHCl水溶液をゆっくりと加えた。このように得られた混合物をEtOAc(1L×3)で抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、190gの表題化合物を油として得て、これをそれ以上精製することなく次のステップに持ち越した。LCMS:MS=287.8(M+H)。
【0263】
ステップ2
(2S,4R)−ジベンジル4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの調製
3Lの丸底フラスコに、(2S,4R)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(190.0g、716mmol、1.0当量)、DMF(2.0L)およびCsCO(117g、358mmol、0.5当量)を加えた。このように得られた混合物を氷水浴中で冷却し、臭化ベンジル(172g、1000mmol、1.4当量)をゆっくりと加えた。添加の後、このように得られた懸濁液を22℃にて5時間撹拌した。反応混合物を水(5L)およびEtOAc(5L)で希釈した。水層を除去し、有機層をブライン(2×3L)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、250gの表題化合物を油として得て、これを精製することなく次のステップにおいて使用した。LCMS:MS=377.9(M+23)。
【0264】
ステップ3
(2S,4R)−ジベンジル4−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートの調製
窒素ガス雰囲気下の3Lの丸底フラスコに、乾燥THF(1L)およびNaH(14.3g、鉱油中60重量%、359mmol、1.5当量)を加えた。反応混合物に、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(8.83g、23.9mmol、0.1当量)、それに続いてtert−ブチルブロモアセテート(187g、957mmol、4.0当量)を加えた。得られた懸濁液を22℃にて0.5時間撹拌した。(2S,4R)−ジベンジル4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(85.0g、239mmol、1.0当量)のTHF(300ml)溶液を滴下で添加した。添加の後、懸濁液を22℃にて16時間撹拌した。反応物に、飽和NHCl水溶液(100ml)を加えた。有機層を分離し、水層をEtOAc(150ml×3)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、160gの黄色の油を得た。フラッシュクロマトグラフィーによる油の精製によって、60.0gの表題化合物を透明な油として得た。LCMS:MS:492.2(M+Na)。
【0265】
ステップ4
(2S,4R)−4−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)ピロリジン−2−カルボン酸の調製
磁気撹拌機を備えた2Lの水素化容器に、(2S,4R)−ジベンジル4−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(40.0g、85.192mmol、1.0当量)、エタノール(500ml)、EtOAc(500ml)およびPd/C(5.44g、湿った炭素上10%)を加えた。このように得られた黒色の懸濁液を真空下で排出させ、H(3×)を再充填した。容器を50psiの水素雰囲気へと加圧し、22℃にて14時間撹拌した。黒色の懸濁液を、celiteパッドを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、20gの白色の固体を得て、これをさらに精製することなく次のステップに持ち越した。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ4.38-4.36 (m, 1H), 4.22-4.17 (m, 1H),
4.13-4.04 (m, 2H), 3.50-3.39 (m, 2H), 2.61-2.56 (m, 1H), 2.11-2.03 (m, 1H),
1.49 (s, 9H)
【0266】
ステップ5
(2S,4R)−1−(((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)−4−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)ピロリジン−2−カルボン酸の調製
1Lの丸底フラスコに、(2S,4R)−4−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエトキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(15g、61.16mmol、1.0当量)、DCM(500ml)およびDIPEA(23.7g、183mmol、3.00当量)を加え、混合物を氷水浴中で冷却した。次いで、氷水浴中の反応物に、Fmoc−OSu(20.6g、61.2mmol、1.0当量)を加え、生成した混合物を氷水浴中で30分間撹拌した。氷水浴を除去し、混合物を22℃に温め、その温度にて4時間保持した。水(200ml)を加え、次いで、反応物をEtOAc(300ml×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を減圧下で濃縮し、55gの黄色の油を得た。分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi Max−RP、250×50mm×10μm;移動相:水中の40%MeCN(0.225%FA)から水中の70%MeCN(0.225%FA)へ;流量:30ml/分;波長:220nm)による油の精製によって、23gの表題化合物を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.77-7.75 (d, 1.2 H), 7.71-7.69 (d, 0.8H),
7.59-7.51 (m, 2H), 7.42-7.25 (m, 4H), 4.56-4.52 (t, 0.68H), 4.47-4.32 (m,
2.4H), 4.28-4.11 (m, 2H), 4.01-3.92 (m, 2H), 3.79-3.58 (m, 2H), 2.55-2.50 (m,
0.39H), 2.45-2.39 (m, 0.65H), 2.32-2.26 (m, 0.65H), 2.19-2.12 (m, 0.38H),
1.49-1.47 (d, 9H).HPLC保持時間=4.66分。カラム:Ultimate XB−C18、3μM、3.050mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で水(0.1%TFA)中の5%MeCNから100%MeCN(0.1%TFA)へ;100%MeCN(0.1%TFA)で2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2ml/分。SFCキラルカラム保持時間=3.18分。カラム:Chiralpak AD−3、100×4.6mm I.D.、3um;移動相:A:CO、B:エタノール(0.05%DEA);勾配:4.5分で5%〜40%のB、2.5分間40%で保持、次いで、1分間5%のB。流量:2.8ml/分;カラム温度:40℃。
【0267】
調製10
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)プロパン酸
【0268】
【化22】
ステップ1
メチル2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−(6−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)アクリレートの調製
100mLの丸底フラスコ中で、(±)−メチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(ジメトキシホスフィニル)アセテート(1.2g、3.6mmol)をDCM(15mL)に溶解した。反応混合物を真空下で注意深く脱気し、Nガスでパージした。反応物に、DBU(591mg、3.9mmol)をゆっくりと加え、氷水浴を使用して混合物を5℃に冷却した。第2のフラスコ中で、6−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−カルバルデヒド(1.0g、3.2mmol)をDCM(15mL)に溶解し、次いで、この溶液を、シリンジを介して反応混合物に5℃にて滴下で添加した。添加の後、混合物を5℃にて30分間撹拌した。氷水浴を除去し、混合物を室温(約25℃)に温め、さらに16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物を、MeCN/HOの溶媒混合物(0/100%から100/0%の勾配を伴う)を使用した逆相カラム上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物を含有する純粋な画分を集め、これらを減圧下で濃縮し、1.18gの表題化合物を固体として得た。LCMS:MS=515.9(M+H)。
【0269】
上記の反応を、下記の量の出発材料および試薬:(±)−メチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(ジメトキシホスフィニル)アセテート(3.5g、10.7mmol、1.1当量)、DCM(100mL)、DBU(1.8g、11.7mmol)および6−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−カルバルデヒド(6517−1)(3.0g、9.7mmol)で繰り返した。精製の後、0.94gの表題化合物を固体として得た。2つのバッチ(1.18g+0.94g)を合わせ、全部で2.12gの表題化合物を得た。
【0270】
ステップ2
メチル(2S)−2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−(6−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)プロパノエートの調製
250mLのparrボトルに、メチル2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−(6−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)アクリレート(2.12g、4.12mmol)および(+)−1,2−ビス((2S,5S)−2,5−ジエチルホスホラノ)ベンゼン(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(1)テトラフルオロボレート(150mg、0.23mmol)、それに続いて溶媒MeOH(50mL)およびTHF(50mL)の混合物を加えた。シリンジを介して溶媒を通してNガスを20分間通過させることによって、溶媒を使用の直前に処理した。次いで、このように得られた反応混合物を、10回、真空によって脱気し、Nガスでパージした。次いで、入れ物をHで再び充填し、次いで3回、脱気し、パージし、再充填した。次いで、入れ物をHガスで50psiまで加圧し、50℃にて22時間撹拌した。混合物を30℃に冷却し、次いで、減圧下で濃縮し、2.13gの粗表題化合物を油として得た。LCMS:MS=538.1(M+Na)。HPLC保持時間=5.26分。カラム:Ultimate XB−C18、3μm、3.050mm。移動相:勾配、1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で水(0.1%TFA)中の5%MeCNから100%MeCN(0.1%TFA)へ;100%MeCN(0.1%TFA)で2分間保持、次いで、8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNに戻し、2分間保持。流量:1.2mL/分。
【0271】
ステップ3
メチル(S)−2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)プロパノエートの調製
丸底フラスコ中で、粗メチル(2S)−2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−(6−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−3−イル)プロパノエート(2.13g、4.13mmol)をMeOH(50mL)に溶解し、HClの溶液(MeOH中4.0M、50mL)を加えた。このように得られた反応混合物を25℃にて2時間撹拌した。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、1.9gの粗表題化合物をガムとして得た。LCMS:MS=432.1(M+1)。HPLC保持時間=4.60分。カラム:Ultimate XB−C18、3μm、3.050mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへの勾配;次いで、5分で水(0.1%TFA)中の5%MeCNから100%MeCN(0.1%TFA)へ;100%MeCN(0.1%TFA)で2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2mL/分。
【0272】
ステップ4
tert−ブチル(S)−3−(2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−6−ブロモ−1H−インダゾール−1−カルボキシレートの調製
粗メチル(S)−2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−(6−ブロモ−1H−インダゾール−3−イル)プロパノエート(1.9g、4.4mmol)のDCM(100mL)溶液を含有する丸底フラスコに、DMAP(1.01g、8.2mmol)および(Boc)O(1.80g、8.2mmol)を加えた。このように得られた反応混合物を25℃にて18時間撹拌した。水(100mL)を反応混合物に加え、それに続いてpH約4が達成されるまで10%クエン酸の水溶液をゆっくりと加えた。次いで、有機相を分離し、ブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、粗油を得た。粗油を、EtOAcおよび石油エーテルの組合せ(0/100%から25/75%の勾配)を使用したシリカゲルカラム(40g)上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物を含有する画分を集め、濃縮し、固体を得て、これを逆相分取スケールHPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、25050、10u;移動相:水中の50%MeCN(0.05%水酸化アンモニウムを有する)から水中の75%MeCN(0.05%水酸化アンモニウムを有する)へ;流量:120ml/分;波長:220nm)を使用してさらに精製した。所望の生成物を含有する画分を減圧下で濃縮し、MeCNの大部分を除去し、次いで、凍結乾燥し、1.26gの表題化合物を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.33 (s, 1 H), 7.47 (d, 8.0 Hz, 1H),
7.38-7.30 (m, 6H), 5.80 (d, 8.0 Hz, 1H), 5.14-5.06 (m, 2H), 4.86-4.81 (m, 1H),
3.72 (s, 3H), 3.57-3.46 (m, 2H), 1.69 (s, 9H). HPLC保持時間 = 5.25分. カラム:
Ultimate XB-C18, 3μm, 3.0*50
mm.移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で水(0.1%TFA)中の5%MeCNから100%MeCN(0.1%TFA)へ;100%MeCN(0.1%TFA)で2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2mL/分。SFCキラルカラム保持時間=2.88分。カラム:Chiralpak AS−3、150×4.6mm I.D.、3um;移動相:A:CO、B:エタノール(0.05%DEA);勾配:5.5分で5%〜40%のB、3分間40%で保持、次いで、1.5分間5%のB。流量:2.5mL/分;カラム温度:40℃。
【0273】
ステップ5
tert−ブチル(S)−3−(2−アミノ−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1H−インダゾール−1−カルボキシレートの調製
250mLのparrボトルに、tert−ブチル(S)−3−(2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−6−ブロモ−1H−インダゾール−1−カルボキシレート(950mg、1.78mmol)のトリエチルアミン(1mL)およびMeOH(20mL)溶液を加えた。次いで、溶液に、乾燥Pd/C(570mg、0.54mmol)を加え、このように得られた懸濁液を3回、真空下で脱気し、Nガスで再び充填した。次いで、これを、3回真空下で脱気し、Hガスで再び充填した。このように得られた混合物を真空下で脱気し、20psiの圧力に達するまでHガスで再び充填し、次いで、反応混合物を25℃にて5時間撹拌した。混合物を、多孔質珪藻土フィルターを通過させ、濾液を減圧下で濃縮し、570mgの粗表題化合物をガムとして得た。LCMS:MS=263.1(M−56+1)
【0274】
ステップ6
tert−ブチル(S)−3−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1H−インダゾール−1−カルボキシレートの調製
250mLの丸底フラスコに、粗tert−ブチル(S)−3−(2−アミノ−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1H−インダゾール−1−カルボキシレート(570mg、1.8mmol)のDCM(15mL)溶液、およびトリエチルアミン(570mg、5.64mmol)を加えた。次いで、氷水浴を使用して溶液を0℃に冷却した。反応物に、Fmoc−OSu(634mg、1.88mmol)を少しずつ加え(5分以内)、次いで、混合物を氷浴中で30分間撹拌した。氷水浴を除去し、混合物を室温(25℃)に温め、次いで、その温度にて約3時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、1.1gの粗ガムを得た。粗ガムの精製を、MeCN/HO溶媒混合物(0〜70%の勾配)を用いたC−18カラム(120g)上のフラッシュクロマトグラフィーによって行った。所望の生成物を有する画分を合わせ、濃縮し、550mgの表題化合物を固体として得た。LCMS:MS=564.1(M+23)
【0275】
ステップ7
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−インダゾール−3−イル)プロパン酸の調製
100mLの丸底フラスコに、i−PrOH(10mL)、HO(10mL)および無水CaCl(1.6g、14.8mmol)を加えた。混合物を室温(28℃)にて10分間撹拌した。次いで、混合物に、tert−ブチル(S)−3−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1H−インダゾール−1−カルボキシレート(400mg、0.74mmol、1.0当量)、それに続いてNaOH(89mg、2.2mmol)を加えた。このように得られた反応混合物を室温(28℃)にて2時間撹拌した。次いで、反応物に、pH約6に達するまでギ酸を加えた。粗反応混合物を、MeCN/HO溶媒混合物(0/100%から80/20%の勾配)で溶出するC−18カラム(120g)上の逆相HPLCによって精製した。所望の生成物を含有する画分を合わせ、凍結乾燥によって濃縮し、350mgの表題化合物を固体として得た。反応を下記の量の出発材料および試薬:tert−ブチル(S)−3−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−1H−インダゾール−1−カルボキシレート(200mg、0.37mmol)、CaCl(820mg、7.4mmol)、NaOH(44mg、1.1mmol)、i−PrOH(10mL)およびHO(10mL)で繰り返し、200mgの表題化合物を固体として得た。精製の後、2つのバッチ(350mg+200mg)を合わせ、全部で550mgの表題化合物を得た。HPLC保持時間=5.24分。カラム:Ultimate XB−C18、3μm、3.050mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で水(0.1%TFA)中の5%MeCNから100%MeCN(0.1%TFA)へ;100%MeCN(0.1%TFA)で2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2mL/分。LCMS:MS=528.3(M+H)。
【0276】
調製11
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1−(tert−ブトキシカルボニル)−6−エチル−1H−インドール−3−イル)プロパン酸
【0277】
【化23】
ステップ1
tert−ブチル−6−ブロモ−3−ホルミル−1H−インドール−1−カルボキシレートの調製
250mLの丸底フラスコに、6−ブロモ−1H−インドール−3−カルバルデヒド(9.5g、42.4mmol)のDCM(150mL)溶液、それに続いてDMAP(6.7g、55.1mmol)を加えた。次いで、混合物に、BocO(13.9g、63.6mmol)を少しずつ10分に亘り加え、このように得られた反応混合物を室温(25℃)にて16時間撹拌した。反応混合物をDCM(200mL)で希釈し、10%クエン酸(200mL×2)、水(200mL×2)、ブライン(200mL)の水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、13.0gの表題化合物を固体として得た。LCMS:MS=223.6(M−100)
【0278】
ステップ2
tert−ブチル3−(2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−メトキシ−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル)−6−ブロモ−1H−インドール−1−カルボキシレートの調製
500mLの丸底フラスコに、(±)−メチル2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(ジメトキシホスフィニル)アセテート(14.6g、44.1mmol)、DCM(150mL)およびDBU(7.3g、48.1mmol)を加えた。次いで、氷水浴を使用して混合物を0℃に冷却した。第2のフラスコ中で、tert−ブチル−6−ブロモ−3−ホルミル−1H−インドール−1−カルボキシレート(13.0g、40.1mmol)をDCM(150mL)に溶解し、次いで、この溶液を、シリンジを介して反応混合物に0℃にて滴下で添加した。添加の後、混合物を0℃にて30分間撹拌した。次いで、氷水浴を除去し、混合物を室温(15℃)に温め、反応物をこの温度にて16時間撹拌した。混合物をDCM(100mL)で希釈し、5%クエン酸水溶液(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。このように得られた残渣を、石油エーテル/EtOAc溶媒混合物(100/10%から80/20%の勾配)を用いた120gのカラム上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物を含有する画分を合わせ、減圧下で濃縮し、16gの表題化合物を固体として得た。LCMS:MS=551.1(M+23)
【0279】
ステップ3
tert−ブチル(S)−3−(2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−6−ブロモ−1H−インドール−1−カルボキシレートの調製
250mLのparrボトルに、tert−ブチル3−(2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−メトキシ−3−オキソプロパ−1−エン−1−イル)−6−ブロモ−1H−インドール−1−カルボキシレート(6.5g、12.3mmol)および(+)−1,2−ビス((2S,5S)−2,5−ジエチルホスホラノ)ベンゼン(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(1)テトラフルオロボレート(250mg、0.38mmol)、それに続いてMeOH(100mL−MeOHはシリンジを介して溶媒を通してNガスを20分間泡立てることによって事前処理した)を加えた。このように得られた反応混合物を6回、真空によって脱気し、Nガスでパージした。次いで、入れ物を、Hで再び充填し、次いで3回、脱気し、パージし、再充填した。次いで、入れ物をHガスで50psiまで加圧し、50℃にて4日間撹拌した。混合物を28℃に冷却し、次いで、減圧下で濃縮した。このように得られた粗生成物を、MeCN/HO溶媒混合物(100/0%から0/100%の勾配)を用いたC−18カラム上の逆相HPLCによって精製した。所望の生成物を有する画分を合わせ、凍結乾燥し、5.1gの表題化合物を固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.31 (s, 1H), 7.39-7.26 (m, 8H), 5.37 (d,
8.0 Hz, 1H), 5.15-5.07 (m, 2H), 4.73-4.69 (m, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.27-3.15 (m,
2H), 1.66 (s, 9H). LCMS: MS = 554.4 (M+23)
【0280】
ステップ4
tert−ブチル(S)−3−(2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−6−エチル−1H−インドール−1−カルボキシレートの調製
100mLの丸底フラスコ中で、tert−ブチル−(S)−3−(2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−6−ブロモ−1H−インドール−1−カルボキシレート(1.8g、3.4mmol)を、無水ジオキサン(40mL)に溶解した。反応混合物を、3回真空下で脱気し、Nガスで再び充填した。次いで、反応物に、EtZnのトルエン(6.8mL、6.8mmol)溶液(1M)、それに続いてPd(dppf)Cl(124mg、0.17mmol)を滴下で添加した。このように得られた反応混合物を、3回、真空下で脱気し、Nガスで再び充填し、次いで、100℃に3時間加熱した。反応混合物を25℃に冷却し、次いで、飽和NHCl水溶液(100mL)でクエンチした。反応混合物をEtOAc(3×80mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル/EtOAc溶媒混合物(100/0%から70/30%の勾配)を伴うシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物を含有する画分を合わせ、濃縮し、1.5gの表題化合物を油として得た。LCMS:MS=503.2(M+23)
【0281】
ステップ5
tert−ブチル(S)−3−(2−アミノ−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−6−エチル−1H−インドール−1−カルボキシレートの調製
100mLの丸底フラスコに、tert−ブチル(S)−3−(2−(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−6−エチル−1H−インドール−1−カルボキシレート(1.6g、3.3mmol)のトリエチルアミン(0.9mL)およびMeOH(30mL)溶液を加えた。次いで、混合物に、乾燥10重量%のPd/C(709mg、0.7mmol)を加えた。このように得られた懸濁液混合物を3回、真空下で脱気し、Nガスで再び充填した。次いで、これを3回、真空下で脱気し、Hガスで再び充填した。このように得られた混合物を真空下で脱気し、Hガスのバルーンを用いてHガスで再び充填した。混合物を28℃にて3時間撹拌し、次いで、多孔質珪藻土フィルターを通過させ、濾液を減圧下で濃縮し、1.1gの粗表題化合物を油として得た。LCMS:MS=346.8
【0282】
ステップ6
tert−ブチル(S)−3−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−6−エチル−1H−インドール−1−カルボキシレートの調製
粗tert−ブチル(S)−3−(2−アミノ−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−6−エチル−1H−インドール−1−カルボキシレート(1.1g、3.2mmol)を含有する100mLの丸底フラスコに、ジオキサン(30mL)および水(10mL)を加えた。このように得られた溶液にNaCO(1.7g、15.9mmol)を加え、次いで、氷水浴を使用して混合物を0℃に冷却した。反応物に、Fmoc−OSu(2.7g、7.9mmol)を少しずつ5分に亘り加え、次いで、氷水浴を除去した。次いで、反応物を室温(28C)にて約6時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。石油エーテル/EtOAc溶媒混合物(100/0%から90/0%の勾配)を伴う80gのシリカゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィーによる粗材料の精製によって、2.0gの粗油を得た。次いで、油を、MeCN/HO溶媒混合物(100/0%から80/20%の勾配)を用いるC−18カラム(120g)上の逆相HPLCによって精製した。所望の生成物を有する画分を合わせ、濃縮し、1.0gの表題化合物を油として得た。LCMS:MS=591.3(M+23)
【0283】
ステップ7
(S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−(1−(tert−ブトキシカルボニル)−6−エチル−1H−インドール−3−イル)プロパン酸の調製
100mLの丸底フラスコに、i−PrOH(35mL)、HO(15mL)および無水CaCl(4.4g、40.0mmol)を加えた。混合物を室温(28℃)にて10分間撹拌した。第2の100mLの丸底フラスコ中に、tert−ブチル(S)−3−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−6−エチル−1H−インドール−1−カルボキシレート(900mg、1.6mmol)、第1の丸底フラスコからの反応混合物、それに続いてNaOH(89mg、2.2mmol)を加えた。このように得られた反応混合物を室温(28℃)にて16時間撹拌した。反応混合物をHO(約100mL)で希釈し、EtOAc(2×約100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、粗残渣を得た。次いで、下記の量の試薬:tert−ブチル(S)−3−(2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−メトキシ−3−オキソプロピル)−6−エチル−1H−インドール−1−カルボキシレート(100mg、0.18mmol)、CaCl(888mg、8.0mmol)、NaOH(9.9mg、0.25mmol)、i−PrOH(7mL)およびHO(3mL)を使用して上記の反応を繰り返した。DCM/MeOH溶媒混合物(100/0%から90/0%の勾配)を伴う40gのシリカゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィーによる合わせた粗残渣の精製によって、850mgの表題化合物を油として得た。油を分取SFCによって精製し、670mgの表題化合物を油として得た。油を、MeCN/HO溶媒混合物(100/0%から0/100%の勾配)で溶出するC−18カラム(120g)上の逆相HPLCによってさらに精製した。所望の生成物を含有する画分を合わせ、凍結乾燥によって濃縮し、350mgの表題化合物を固体として得た。LCMS:MS=577.2(M+23)。HPLC保持時間=5.51分。カラム:Ultimate XB−C18、3μm、3.050mm。移動相:1分で水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNから水(0.1%TFA)中の5%MeCNへ;次いで、5分で水(0.1%TFA)中の5%MeCNから100%MeCN(0.1%TFA)へ;100%MeCN(0.1%TFA)で2分間保持;8.01分において水(0.1%TFA)中の1.0%MeCNへと戻し、2分間保持。流量:1.2mL/分。
【0284】
下記のアッセイにおいて、下記の略語および定義に言及し得る。
APCは、アロフィコシアニンであり、
BSAは、ウシ血清アルブミンであり、
DMSOは、ジメチルスルホキシドであり、
EDTAは、エチレンジアミン四酢酸であり、
FBSは、ウシ胎仔血清であり、
HBBSは、ハンクス平衡塩類溶液であり、
HTSは、ハイスループットスクリーニングであり、
HWBは、ヒト全血であり、
MFは、平均蛍光であり、
PBSは、リン酸緩衝溶液であり、
EDTAは、エチレンジアミン四酢酸二カリウム塩であり、
TNF−αは、腫瘍壊死因子−アルファであり、
C5aは、補体成分5aであり、
HEPESは、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸である。
【0285】
生物学的アッセイ
HWB−酸化バーストアッセイ
酸化バースト活性の阻害を、TNF−αで予備刺激し、かつC5aで刺激したHWBにおいて決定した。次いで、C5aによって誘発される酸化バースト応答(活性酸素種の生成)を、化学発光シグナルとしてルミノールの存在下で検出した。
【0286】
アッセイの日に、HWBを健康な薬物治療していないボランティアから、3.8%クエン酸ナトリウム(HWB中の最終クエン酸ナトリウム濃度は0.38%である)を含有するチューブ中に集め、37℃の水浴中で使用するまで貯蔵した(60分以下)。
【0287】
アッセイを開始するために、TNF−αを、1.0nMの最終濃度までHWBに加え、68μLのこのHWB/TNF−αミックスを、384ウェルのホワイトOptiplate(アッセイプレート)の各ウェルに移した。次いで、4.0μLの様々な濃度の試験剤をアッセイプレートに加え、上下に吸引することによって穏やかに2回混合した。次いで、アッセイプレートをサーモシェーカー(JITTERBUG−4)上に入れ、37℃にてインキュベートした(振とうせず)。60分後、ルミノール(Sigma)中で調製したC5a(Complement Technology)をアッセイプレートに加え、上下に吸引することによって穏やかに2回混合した。次いで、プレートを、ViewLux1430マイクロプレートイメージャー(Perkin Elmer)中に入れた。5分後、酸化バースト活性を、ルミノール増強全血化学発光を測定することによってViewLuxで決定した。最終のアッセイ条件は、1.5mMのHEPES、pH7.5、0.015%BSA、15%HBSS、0.85ng/mLのTNFα、1.0mMのルミノール、20nMのC5a、76.5%HWB、0.15%DMSOおよび様々な濃度の試験剤であった。
【0288】
次いで、各濃度の試験剤におけるパーセント(%)効果を、各アッセイプレート内に含有される陽性(すなわち、C5aによって誘発される酸化バーストの完全阻害)および陰性(すなわち、完全に阻害されていないC5aによって誘発される酸化バースト)対照ウェルによって生じたシグナルの量に基づいて、およびその量に対して、計算した。試験剤についての濃度および効果値%をプロットし、50%効果のために必要とされる試験剤の濃度(IC50)を4パラメーターロジスティック用量応答等式(BioBook;IDBS)で決定した。次いで、LeffおよびDougalによって記載された等式(TIPS1993 14:110〜112)を使用してKb(nM)を計算した(BioBook;IDBS)。
【0289】
HWB−CD11b発現アッセイ
HWBを、健康な薬物治療していないボランティアから抗凝固剤としてKEDTAを有するBD Vacutainer(登録商標)採血管へと集めた。HWBを、96ウェルディープウェルVボトムプレートにおいて等分し(85μL/ウェル)、37℃にて30分間インキュベートした。試験化合物(5μL/ウェル)をHWBに加え、37℃にて30分間インキュベートした。APC(BD Biosciences)とコンジュゲートした抗ヒトCD11b抗体をHWB(5μL/ウェル)に加え、37℃にてさらに30分間インキュベートした。次いで、HWBをヒトC5a(最終1nM)に37℃にて30分間曝露させた。試料を温かい1×溶解/固定緩衝液(BD Biosciences)で処理し、活性化を終了させ、37℃にて20分間さらにインキュベートし、赤血球を溶解した。アッセイプレートを300×gで5分間遠心し、上清を吸引し、0.5%FBSを含有するPBSで細胞を1回洗浄した。洗浄した細胞を、0.5%FBSを含有するPBSに再懸濁し、HTSプレートローダー(BD Biosciences)を備えたLSRFortessaを使用したフローサイトメトリー分析に供した。顆粒球集団は、FACSDivaバージョン6.2(BD Biosciences)を使用してCD11b染色のMFの分析のためにゲートした。11の化合物濃度からのデータ(各濃度で1回)を、式
対照の%=100×(A−B)/(C−B)
(式中、Aは、試験化合物およびC5aを含有するウェルからのMFであり、Bは、C5aを有さないウェルからのMF(刺激されていない試料からのバックグラウンドMF)であり、Cは、C5aのみを含有するウェルからのMF(最大MF)である)に基づいて対照の百分率として規準化した。阻害曲線およびIC50値(50%阻害を生じさせる試験化合物の濃度)は、Prismバージョン5ソフトウェア(GraphPad)を使用して決定した。HWBはまた、11の異なる濃度のC5aで刺激し、応答曲線を構築し、Prismバージョン5ソフトウェアを使用してEC50値(最大半量応答を生じさせるC5aの濃度)および曲線スロープを得た。次いで、Kb(nM)を、LeffおよびDougalによって記載された等式(TIPS1993 14:110〜112)を使用して計算した。
【0290】
【表1-1】
【0291】
【表1-2】
【0292】
【表1-3】
【国際調査報告】