特表2019-532052(P2019-532052A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-532052(P2019-532052A)
(43)【公表日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】TRPV4拮抗薬
(51)【国際特許分類】
   C07D 207/48 20060101AFI20191011BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 7/10 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 11/16 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 15/04 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 1/10 20060101ALI20191011BHJP
   A61P 1/14 20060101ALI20191011BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20191011BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20191011BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20191011BHJP
   A61K 31/40 20060101ALI20191011BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20191011BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20191011BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20191011BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20191011BHJP
   C07D 498/10 20060101ALI20191011BHJP
   A61K 31/5386 20060101ALI20191011BHJP
【FI】
   C07D207/48
   A61P9/10 101
   A61P7/10
   A61P27/02
   A61P9/10
   A61P31/04
   A61P9/12
   A61P29/00
   A61P19/00
   A61P9/04
   A61P11/00
   A61P11/16
   A61P43/00 105
   A61P11/02
   A61P37/08
   A61P11/06
   A61P13/10
   A61P25/04
   A61P25/00
   A61P21/02
   A61P9/00
   A61P13/12
   A61P27/06
   A61P15/00
   A61P15/04
   A61P17/00
   A61P17/04
   A61P1/16
   A61P3/10
   A61P3/00
   A61P3/04
   A61P25/06
   A61P25/28
   A61P1/18
   A61P35/00
   A61P37/06
   A61P19/02
   A61P1/04
   A61P1/10
   A61P1/14
   A61P43/00 111
   A61K45/00
   A61P43/00 121
   C07D401/12
   A61K31/4439
   A61K31/40
   C07D417/12
   A61K31/427
   C07D403/12
   A61K31/506
   C07D498/10 S
   A61K31/5386
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】157
(21)【出願番号】特願2019-515428(P2019-515428)
(86)(22)【出願日】2017年9月20日
(85)【翻訳文提出日】2019年5月20日
(86)【国際出願番号】IB2017055702
(87)【国際公開番号】WO2018055526
(87)【国際公開日】20180329
(31)【優先権主張番号】62/397,008
(32)【優先日】2016年9月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/482,300
(32)【優先日】2017年4月6日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】513110104
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン、インテレクチュアル、プロパティー、(ナンバー2)、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLAXOSMITHKLINE INTELLECTUAL PROPERTY (NO.2) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100143971
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100172557
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 啓靖
(72)【発明者】
【氏名】エドワード、ジェイ、ブルナルディク
(72)【発明者】
【氏名】カール、エイ.ブルックス
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン、グリフィン、ロウホーン
(72)【発明者】
【氏名】ペン、リ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ、エム.マシューズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジェフリー、マカティー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー、ロバート、センダー
(72)【発明者】
【氏名】ラモント、ロスコー、テレル
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ、イー.ペロ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド、ジェイ.ベーム
【テーマコード(参考)】
4C063
4C069
4C072
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB08
4C063CC12
4C063CC29
4C063CC62
4C063DD03
4C063EE01
4C069AA11
4C069AA23
4C069BC18
4C069CC13
4C069CC20
4C072AA04
4C072BB02
4C072CC02
4C072CC11
4C072EE07
4C072FF03
4C072GG07
4C072HH07
4C072JJ03
4C072UU01
4C084AA19
4C084MA13
4C084MA52
4C084MA65
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA012
4C084ZA082
4C084ZA152
4C084ZA162
4C084ZA232
4C084ZA332
4C084ZA362
4C084ZA422
4C084ZA452
4C084ZA592
4C084ZA602
4C084ZA662
4C084ZA682
4C084ZA692
4C084ZA702
4C084ZA722
4C084ZA752
4C084ZA812
4C084ZA832
4C084ZA892
4C084ZA962
4C084ZB082
4C084ZB112
4C084ZB132
4C084ZB222
4C084ZB262
4C084ZB352
4C084ZC212
4C084ZC352
4C084ZC752
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC07
4C086BC17
4C086BC42
4C086BC82
4C086CB22
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA13
4C086MA52
4C086MA65
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA08
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA23
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA42
4C086ZA45
4C086ZA59
4C086ZA60
4C086ZA66
4C086ZA68
4C086ZA69
4C086ZA70
4C086ZA72
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA83
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZB22
4C086ZB26
4C086ZB35
4C086ZC21
4C086ZC35
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、ピロリジンスルホンアミド類似体(I)、それらを含有する医薬組成物およびTRPV4拮抗薬としてのそれらの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iによる化合物:
【化1】
[式中、
は、
アリール、
で1〜4回置換されたアリール、
ヘテロアリール、
で1〜4回置換されたヘテロアリール、
ビシクロヘテロアリール、および
で1〜4回置換されたビシクロヘテロアリール
から選択され;
は、
アリール、
で1〜4回置換されたアリール、
ヘテロアリール、
で1〜4回置換されたヘテロアリール、
ビシクロヘテロアリール、および
で1〜4回置換されたビシクロヘテロアリール
から選択され;
は、
1−6アルキル、ならびに
以下から独立に選択される1〜9個の置換基(substitutents):
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
ヨード、
−OC1−6アルキル、
フルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換された−OC1−6アルキル、
メルカプト、
−S(O)H、
−S(O)H、
オキソ、
ヒドロキシ、
アミノ、
−NHRx11
(ここで、Rx11は、C1−6アルキル、ならびにフルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、−CN、−OC1−5アルキル、フルオロと−NHで1〜6回置換された−OC1−5アルキルから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから選択される)、
−NRx12x13
(ここで、Rx12およびRx13はそれぞれ、C1−6アルキル、ならびにフルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから独立に選択される)、
−C(O)OH
−C(O)NH
アリール、
−Oアリール、
ヘテロアリール、
−Oヘテロアリール、
−S(O)NH
−NHS(O)H、
ニトロ、および
シアノ
で置換されたC1−6アルキル
から選択されるか、または
は、隣接する−OHと一緒になって、以下から選択される複素環式環:
モルホリニル、
−CHで置換されたモルホリニル、および
オキサゾリジン−2−オン
を形成し;
各Rは、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
ヨード、
−OH、
1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから独立に選択される1〜5個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
シアノ、
−OC1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから独立に選択される1〜5個の置換基で置換された−OC1−6アルキル、
−Oフェニル、
−C(O)OC1−6アルキル、
フルオロで1〜5回置換された−C(O)OC1−6アルキル、および
−Oシクロアルキル
から独立に選択され;かつ、
各Rは、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
ヨード、
−OH、
1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから独立に選択される1〜5個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
シアノ、
−OC1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから独立に選択される1〜5個の置換基で置換された−OC1−6アルキル、
−Oシクロアルキル、
フェニル、
−C≡C−Si(CH、および
−C≡C−シクロアルキル
から独立に選択される]
またはその薬学上許容可能な塩。
【請求項2】
下式(II)で表される請求項1に記載の化合物:
【化2】
[式中、
21は、
アリール、
a2で1〜3回置換されたアリール、
ヘテロアリール、
a2で1〜3回置換されたヘテロアリール、
ビシクロヘテロアリール、および
b2で1〜3回置換されたビシクロヘテロアリール
から選択され;
22は、
アリール、
b2で1〜4回置換されたアリール、
ヘテロアリール、および
b2で1〜3回置換されたヘテロアリール
から選択され;
21は、
1−6アルキル、ならびに
以下から独立に選択される1〜9個の置換基(substitutents):
フルオロ、
クロロ、
−OC1−6アルキル、
フルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換された−OC1−6アルキル、
オキソ、
ヒドロキシ、
アミノ、
−NHRx21
(ここで、Rx21は、C1−5アルキル、ならびにフルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−5アルキルから選択される)、
−C(O)OH、
−C(O)NH
ニトロ、および
シアノ
で置換されたC1−6アルキル
から選択されるか、または
21は、隣接する−OHと一緒になって、
モルホリニル、および
−CHで置換されたモルホリニル
を形成し;
各Ra2は、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
ヨード、
−OH、
1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから独立に選択される1〜5個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
シアノ、
−OC1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから独立に選択される1〜5個の置換基で置換された−OC1−6アルキル、
−Oフェニル、
−C(O)OC1−5アルキル、
フルオロで1〜5回置換された−C(O)OC1−5アルキル、および
−Oシクロアルキル
から独立に選択され;かつ
各Rb2は、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
−OH、
1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから選択される1〜5個の置換基で独立に置換されたC1−6アルキル、
シアノ、
−OC1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから独立に選択される1〜5個の置換基で置換された−OC1−6アルキル、
−Oシクロアルキル、および
フェニル
から独立に選択される]
またはその薬学上許容可能な塩。
【請求項3】
下式(III)で表される請求項1または請求項2に記載の化合物:
【化3】
[式中、
31は、
フェニル、
a3で1〜3回置換されたフェニル、
チアゾール、
a3で1〜3回置換されたチアゾール、
ピリミジン、
a3で1〜3回置換されたピリミジン、
ピリジン、および
a3で1〜3回置換されたピリジン
から選択され;
32は、
フェニル、
b3で1〜3回置換されたフェニル、
ピリジン、および
b3で1〜3回置換されたピリジン
から選択され;かつ
31は、
−CHOH、
−CH(OH)CH
−CH(OH)CHCH
−C(OH)(CH
−CHNH
−CHNHRx30、および
−CH(NH)CH
から選択されるか、または
31は、隣接する−OHと一緒になって、
モルホリニル
を形成し、
ここで、各Rx30は、C1−6アルキル、ならびにフルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから独立に選択され;
各Ra3は、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
−OH、
1−6アルキル、
シアノ、
−CF
−C1−5アルキルCF
−CHF
−CHF、
−OC1−5アルキル、
−OCF
−OC1−5アルキルCF
−Oフェニル、
−Oベンジル、
1−5アルキルCN、
−C(O)OC1−5アルキル、
−C(O)OH、および
−Oシクロアルキル
から独立に選択され;
各Rb3は、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
−OH、
1−6アルキル、
シアノ、
−CF
−C1−5アルキルCF
−CHF
−CHF、
−OC1−5アルキル、
−OCF
−OC1−5アルキルCF
−C(O)CH
−OCHF
−Oシクロプロピル、および
フェニル
から独立に選択される]
またはその薬学上許容可能な塩。
【請求項4】
下式(IV)で表される請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物:
【化4】
[式中、
41は、
フェニル、
b4で1〜3回置換されたフェニル、
チアゾール、
a3で1〜3回置換されたチアゾール、
ピリミジン、
a3で1〜3回置換されたピリミジン、
ピリジン、および
a3で1〜3回置換されたピリジン
から選択され;
42は、
フェニル、
b4で1〜3回置換されたフェニル、
ピリジン、および
b4で1〜3回置換されたピリジン
から選択され;かつ
41は、
−CHOH、
−CH(OH)CH
−CHNH、および
−CHNHRx40
から選択されるか、または
31は、隣接する−OHと一緒になって、
モルホリニル
を形成し、
ここで、各Rx40は、C1−6アルキル、ならびにフルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから独立に選択され;
各Ra4は、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
−OH、
1−6アルキル、
シアノ、
−CF
−C1−5アルキルCF
−CHF
−CHF、
−OC1−5アルキル、
−C(O)OC1−5アルキル、および
−C(O)OH
から独立に選択され;かつ
各Rb4は、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
−OH、
1−6アルキル、
シアノ、
−CF
−C1−5アルキルCF
−CHF
−CHF、
−OC1−5アルキル、
−OCF
−OC1−5アルキルCF
−C(O)CH
−OCHF
−Oシクロプロピル
から独立に選択される]
またはその薬学上許容可能な塩。
【請求項5】
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−シアノフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2−クロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−メチルフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2,4−ジクロロ−5−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−シアノフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−メチルフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロ−5−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
5−クロロ−2−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
(3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−メチルベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−ブロモ−4−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3S,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−4−((4−ブロモフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−1−((2−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−1−((4−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−ブロモフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−メトキシベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2−クロロ−4−(ジフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
3−ブロモ−4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−ブロモ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
5−クロロ−2−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−1−((2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(ジフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2−クロロ−4−(フルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(フルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((4−シアノフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−エチルベンゾニトリル;
2−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−(ジフルオロメチル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−エトキシベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−シクロプロポキシベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−クロロ−2−メトキシフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−ブロモ−2−メトキシフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
2−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−(ジフルオロメチル)−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−メトキシベンゾニトリル;
3−シクロプロポキシ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−メチルフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−ブロモ−4−クロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−ブロモ−4−メトキシフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−シクロプロポキシ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロ−5−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−クロロ−2−(ジフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンズイミド酸メチル;
(3R,4S)−1−((4−クロロ−2−(ジフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
2−(5−クロロ−2−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)フェニル)アセトニトリル;
(3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−1−((2−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−3−イル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−(チアゾール−2−イルスルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
2−フルオロ−4−(((3S,4R)−1−((2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−シアノ−2−メチルフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
2−フルオロ−4−(((3S,4R)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−1−((2−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
2−フルオロ−4−(((3S,4R)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−1−((2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロチアゾール−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−ブロモフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
(3S,4S)−4−((4−クロロ−3−フルオロフェニル)スルホニル)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
2−(((3S,4S)−4−((3,4−ジフルオロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル;
(3S,4S)−4−((4−クロロ−3−フルオロフェニル)スルホニル)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
4−(((3S,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2,5−ジフルオロベンゾニトリル;
2−クロロ−4−(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−4−((5−ブロモピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
5−クロロ−2−(((3R,4S)−4−((4−シアノフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−((3,4−ジフルオロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
4−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−3−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2,6−ジフルオロベンゾニトリル;
(3R,4S)−4−((4−クロロ−3−フルオロフェニル)スルホニル)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2,6−ジフルオロベンゾニトリル;
5−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ピコリノニトリル;
2−(((3R,4S)−4−((3,4−ジフルオロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル;
2−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((3,4,5−トリフルオロフェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2,5−ジフルオロベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−3−オール;
(3R,4S)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
(3R,4S)−4−((4−クロロ−3−フルオロフェニル)スルホニル)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
(3R,4S)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−((6−クロロピリジン−3−イル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−メチルベンゾニトリル;
2−クロロ−4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−((4−フルオロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
2−クロロ−5−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((4−エチルフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−イソプロピルフェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−プロピルフェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((4−クロロ−3−フルオロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)−4−((2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル)スルホニル)ピロリジン−3−オール;
3−クロロ−4−(((3S,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ピコリノニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((5−ブロモピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−((3,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
(3S,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−((3,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
(3R,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)−4−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)スルホニル)ピロリジン−3−オール;
2−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)−4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−3−オール;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−((R)−1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−((S)−1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−3−(アミノメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−3−(アミノメチル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−3−(アミノメチル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3S,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−((メチルアミノ)メチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−3−(アミノメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−3−(アミノメチル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−3−(アミノメチル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;および
3−クロロ−4−(((4S,5R)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−6−オキサ−2,9−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−イル)スルホニル)ベンゾニトリル
から選択される請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容可能な塩。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩と薬学上許容可能な賦形剤とを含んでなる、医薬組成物。
【請求項7】
必要とするヒトにおいて、アテローム性動脈硬化症、血管原性浮腫、術後腹水腫、眼浮腫、脳浮腫、局所性および全身性浮腫、体液貯留、敗血症、高血圧症、炎症、骨関連機能障害およびうっ血性心不全、肺障害、慢性閉塞性肺疾患、人工呼吸器誘発肺損傷、高地肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、急性肺損傷、肺線維症、副鼻腔炎/鼻炎、喘息、COPD、咳嗽、急性咳嗽、亜急性咳嗽、慢性咳嗽、肺高血圧症、過活動膀胱、膀胱炎、疼痛、運動ニューロン障害、遺伝性機能獲得型障害、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、心血管疾患、急性、慢性および多発性嚢胞腎疾患、脳卒中、水頭症、緑内障、網膜症、子宮内膜症、早期陣痛、皮膚炎、掻痒症、肝疾患の掻痒症、門脈圧亢進症および肝硬変の腹水および合併症、糖尿病、代謝障害、肥満、片頭痛、アルツハイマー病、膵炎、腫瘍抑制、免疫抑制、骨関節炎、クローン病、大腸炎、下痢、腸管の不規則性(過敏性/反応低下)、大便失禁、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、腸管疼痛および痙攣、セリアック病、ラクトース不耐症、および鼓腸から選択される病態を処置する方法であって、そのようなヒトに安全かつ有効な量の請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)による化合物またはその薬学上許容可能な塩を投与することを含んでなる、方法。
【請求項8】
前記化合物またはその薬学上許容可能な塩が経口投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記化合物またはその薬学上許容可能な塩が静脈内に投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物またはその薬学上許容可能な塩が吸入により投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記病態がうっ血性心不全である、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記病態が急性肺損傷である、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記病態が脳浮腫である、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記病態が心不全である、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記病態が急性呼吸窮迫症候群である、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記病態が咳嗽である、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
前記病態が急性咳嗽である、請求項7に記載の方法。
【請求項18】
前記病態が亜急性咳嗽である、請求項7に記載の方法。
【請求項19】
前記病態が慢性咳嗽である、請求項7に記載の方法。
【請求項20】
アテローム性動脈硬化症、血管原性浮腫、術後腹水腫、眼浮腫、脳浮腫、局所性および全身性浮腫、体液貯留、敗血症、高血圧症、炎症、骨関連機能障害およびうっ血性心不全、肺障害、慢性閉塞性肺疾患、人工呼吸器誘発肺損傷、高地肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、急性肺損傷、肺線維症、副鼻腔炎/鼻炎、喘息、COPD、咳嗽、急性咳嗽、亜急性咳嗽、慢性咳嗽、肺高血圧症、過活動膀胱、膀胱炎、疼痛、運動ニューロン障害、遺伝性機能獲得型障害、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、心血管疾患、急性、慢性および多発性嚢胞腎疾患、脳卒中、水頭症、緑内障、網膜症、子宮内膜症、早期陣痛、皮膚炎、掻痒症、肝疾患の掻痒症、門脈圧亢進症および肝硬変の腹水および合併症、糖尿病、代謝障害、肥満、片頭痛、アルツハイマー病、膵炎、腫瘍抑制、免疫抑制、骨関節炎、クローン病、大腸炎、下痢、腸管の不規則性(過敏性/反応低下)、大便失禁、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、腸管疼痛および痙攣、セリアック病、ラクトース不耐症、または鼓腸の処置において使用するための薬剤の製造における、請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)による化合物またはその薬学上許容可能な塩の使用。
【請求項21】
必要とするヒトにおいてTRPV4活性を阻害する方法でえあって、そのようなヒトに安全かつ有効な量の請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)による化合物またはその薬学上許容可能な塩を投与することを含んでなる、方法。
【請求項22】
請求項7に記載の、必要とするヒトにおいて病態を処置する方法であって、そのようなヒトに安全かつ有効な量の
a)請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)による化合物またはその薬学上許容可能な塩;および
b)エンドセリン受容体拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシン(angiotension)II受容体拮抗薬、バソペプチダーゼ阻害剤、バソプレシン受容体調節薬、利尿薬、ジゴキシン、β遮断薬、アルドステロン拮抗薬、強心薬、NSAIDS、一酸化窒素供与体、カルシウムチャネル調節薬、ムスカリン性拮抗薬、ステロイド系抗炎症薬、気管支拡張薬、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン拮抗薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、二重非選択性Pアドレナリン受容体およびn1−アドレナリン受容体拮抗薬、タイプ5ホスホジエステラーゼ阻害剤、およびレニン阻害剤からなる群から選択される少なくとも1種類の薬剤
を投与することを含んでなる、方法。
【請求項23】
薬学上許容可能な賦形剤および有効な量の請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)による化合物またはその薬学上許容可能な塩を含有する医薬組成物を調製する方法であって、式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を薬学上許容可能な賦形剤と会合させることを含んでなる、方法。
【請求項24】
療法において使用するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)による化合物またはその薬学上許容可能な塩の使用。
【請求項25】
アテローム性動脈硬化症、血管原性浮腫、術後腹水腫、眼浮腫、脳浮腫、局所性および全身性浮腫、体液貯留、敗血症、高血圧症、炎症、骨関連機能障害およびうっ血性心不全、肺障害、慢性閉塞性肺疾患、人工呼吸器誘発肺損傷、高地肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、急性肺損傷、肺線維症、副鼻腔炎/鼻炎、喘息、COPD、咳嗽、急性咳嗽、亜急性咳嗽、慢性咳嗽、肺高血圧症、過活動膀胱、膀胱炎、疼痛、運動ニューロン障害、遺伝性機能獲得型障害、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、心血管疾患、急性、慢性および多発性嚢胞腎疾患、脳卒中、水頭症、緑内障、網膜症、子宮内膜症、早期陣痛、皮膚炎、掻痒症、肝疾患の掻痒症、門脈圧亢進症および肝硬変の腹水および合併症、糖尿病、代謝障害、肥満、片頭痛、アルツハイマー病、膵炎、腫瘍抑制、免疫抑制、骨関節炎、クローン病、大腸炎、下痢、腸管の不規則性(過敏性/反応低下)、大便失禁、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、腸管疼痛および痙攣、セリアック病、ラクトース不耐症、または鼓腸の処置において使用するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)による化合物またはその薬学上許容可能な塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロリジンスルホンアミド類似体、それらを含有する医薬組成物およびTRPV4拮抗薬としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
TRPV4は、カチオンチャネルのTRP(Transient Receptor Potential)スーパーファミリーのメンバーであり、熱により活性化され、生理学的温度で自発的活性を示す(Guler et al., 2002. J Neurosci 22: 6408-6414)。その多様式の活性化特性に一致して、TRPV4はまた、ホスホリパーゼA2活性化、アラキドン酸およびエポキシエイコサトリエン酸の生成を伴う機構を介して(Vriens et al., 2004. Proc Natl Acad Sci U S A 101:396-401)、緊張低下および物理的な細胞ストレス/圧力によっても活性化される(Strotmann et al., 2000. Nat Cell Biol 2: 695-702)。加えて、提案されている他の機構の中でも、チロシンキナーゼ活性ならびにタンパク質AおよびCもまたTRPV4を調節し得る(Wegierski et al., 2009. J Biol Chem. 284: 2923-33; Fan et al., 2009. J Biol Chem 284: 27884-91)。
【0003】
心不全は、駆出率および/または左心室拡張の低下によって示される、血液を末梢循環に送り込む左心室の能力の低下をもたらす。これによって左室拡張末期圧が上昇し、肺血圧の上昇が起こる。これにより、循環系水性環境と肺胞気腔を分離する中隔壁が危険に曝される。うっ血性心不全患者に見られるように、肺動脈圧が上昇すると肺循環から肺胞腔内へ体液が流入して肺水腫/うっ血が起こる。
【0004】
TRPV4は肺で発現され(Delany et al., 2001. Physiol. Genomics 4: 165-174)、その発現レベルは、うっ血性心不全患者でアップレギュレートされている(Thorneloe et al., 2012. Sci Transl Med 4: 159ra148)。TRPV4は、単離された内皮細胞および無傷の肺においてCa2+流入を仲介することが示されている(Jian et al., 2009. Am J Respir Cell Mol Biol 38: 386-92)。内皮細胞は、酸素/二酸化炭素交換を仲介する毛細血管の形成を担い、肺の中隔壁に寄与している。TRPV4チャネルが活性化すると、培養系では内皮細胞の収縮およびin vivoでは心血管虚脱が起こるが(Willette et al., 2008. J Pharmacol Exp Ther 325: 466-74)、これは1つには、中隔壁で濾過が促進され、肺水腫および出血が引き起こされるためである(Alvarez et al., 2006. Circ Res 99: 988-95)。実際、中隔壁での濾過は血管圧および/または気道内圧の上昇に応答して増大し、この応答はTRPV4チャネルの活性に依存している(Jian et al., 2008. Am J Respir Cell Mol Biol 38:386-92)。これらの所見に一致して、TRPV4拮抗薬は、心不全モデルにおいて肺水腫を予防し、消散させる(Thorneloe et al., 2012. Sci Transl Med 4: 159ra148)。全体的に見ると、このことは、急性および/または慢性心不全に関連する肺うっ血の処置における、TRPV4機能を阻害することの臨床的有用性を示唆している。
【0005】
肺水腫/うっ血、感染症、炎症、肺リモデリングおよび/または気道反応性の変化を含む症状が現れる、肺が基になっている病状においてTRPV4機能を阻害することのさらなる有用性が示唆されている。TRPV4と慢性閉塞性肺疾患(COPD)との遺伝子的関連が最近確認されており(Zhu et al., 2009. Hum Mol Genetics, 18: 2053-62)、肺気腫を併発する、または併発しないCOPDの処置においてTRPV4調節の潜在的有効性が示唆されている。TRPV4活性の増強は、人工呼吸器誘発肺損傷の主要な動因でもあり(Hamanaka et al., 2007. Am J Physiol 293: L923-32)、TRPV4の活性化が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、肺線維症(Rahaman et al., 2014. J Clin Invest 124: 5225-38)、咳嗽(Bonvini et al., 2016 J Allergy Clin Immunol 138: 249-61)および喘息(Liedtke & Simon, 2004. Am J Physiol 287: 269-71)に関与する病状の根底にある可能性が示唆されている。副鼻腔炎ならびにアレルギー性および非アレルギー性鼻炎の処置におけるTRPV4遮断薬の潜在的な臨床的利益もまた支持されている(Bhargave et al., 2008. Am J Rhinol 22:7-12)。
【0006】
TRPV4は、急性肺損傷(ALI)に関与することが示されている。TRPV4の化学的活性化は肺胞中隔の血液関門を乱して、肺水腫をもたらす可能性がある(Alvarez et al, Circ Res. 2006 Oct 27;99(9):988-95)。動物モデルでは、TRPV4拮抗作用は、HCl、塩素ガス、および血小板活性化因子などの化学薬剤および生物学的毒素によって引き起こされる肺損傷を低減させる(Balakrishna et al., 2014. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 307: L158-72; Morty et al., 2014. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 307: L817-21; Yin et al., 2016. Am J Respir Cell Mol Biol 54: 370-83)。加えて、TRPV4は、ヒトにおいてALIを生じさせる、または増悪することが知られるプロセスにおいて必要である(Hamanaka et al, Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 2007 Oct;293(4):L923-32)。全体的にみて、このことは、ARDSおよびALIの処置におけるTRPV4機能の阻害の臨床的利益を示唆する。
【0007】
さらに、TRPV4は、近年、TRPV4拮抗薬が有意な臨床的利益をもたらす可能性のある複数の他の生理学的/病態生理学的プロセスに関連付けられている。これらには、疼痛の様々な側面(Todaka et al., 2004. J Biol Chem 279: 35133-35138; Grant et al., 2007. J Physiol 578: 715-733; Alessandri-Haber et al., 2006. J Neurosci 26: 3864-3874)、遺伝性運動ニューロン障害(Auer-Grumbach et al., 2009. Nat Genet. PMID: 20037588; Deng et al., 2009. Nat Genet PMID: 20037587; Landoure et al., 2009. Nat Genet. PMID: 20037586)、心血管疾患(Earley et al., 2005. Circ Res 97: 1270-9; Yang et al., 2006. Am. J Physiol. 290:L1267-L1276)、骨関連障害[骨関節炎(Muramatsu et al., 2007. J. Biol. Chem. 282: 32158-67)、遺伝性機能獲得型突然変異(Krakow et al., 2009. Am J Hum Genet 84: 307-15; Rock et al., 2008 Nat Genet 40: 999-1003)および破骨細胞分化(Masuyama et al. 2008. Cell Metab 8: 257-65)を含む]、掻痒(Akiyama et al., 2016. J Invest Dermatol 136: 154-60; Chen et al., 2016. J Biol Chem 291: 10252-62)、脳卒中および脳浮腫関連障害(Li et al., 2013. Front Cell Neurosci 7: 17; Jie et al., 2015. Front Cell Neurosci 9: 141)、炎症性腸障害(Vergnolle, 2014. Biochem Pharmacol 89: 157-61)、緑内障および網膜症を含む眼の様々な疾患(Monaghan et al., 2015. PloS One 10: e0128359; Jo et al., 2016. Proc Natl Acad Sci U S A 113: 3885-90)、ならびに肥満および糖尿病を含む代謝症候群(Ye et al., 2012. Cell 151: 96-110; Duan et al., 2015. Mol Genet Genomics 290: 1357-65)が含まれる。
【0008】
Thornelone et al., 2012. Sci Trans Med 4:159ra148; Balakrishna et al., 2014 Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 307:L158-L172; Hilfiker et al., 2013 ACS Med. Chem. Lett. 4: 293-296; Skerratt et al., 2013 Med. Chem. Commun. 4: 244-251; Everaerts et al., 2010, Proc Natl Acad Sci U S A 107: 19084-19089;およびVincent et al., 2009 Biochem Biophys Res Commun 389: 490-494は、TRPV4の拮抗薬を記載している。
【0009】
慢性咳嗽は、世界中で有病率が高く、患者の生活の質に大きな影響を及ぼし、典型的な咳嗽の頻度は起きている間、1時間に10〜50回である。慢性咳嗽は、求心性感覚信号に対する慢性疼痛と同様の様式での過度の脊髄および皮質応答に関与する神経過敏の状態を表すと推定されている。in vivoにおいてTRPV4チャネルの活性化は、ATP放出を引き起こし、ATPのP2X3チャネルへの結合を介して肺からの求心性感覚信号を惹起し、咳嗽を引き起こす(Bonvini SJ, et al., J Allergy Clin Immunol. 2016 Jul;138(1):249-261.e12)。ATPレベルは、咳嗽に関連する疾患、例えば、COPD患者の呼気で上昇している(Basoglu OK, et al., Chest. 2015 Aug;148(2):430-5)。最近、P2X3拮抗薬(anatagonist)は、第二相臨床試験において慢性咳嗽の軽減および生活の質のスコアの改善に高レベルの有効性が示されている(Abdulqawi R, et al. Lancet. 2015 Mar 28; 385(9974):1198-1205)。これらの臨床データは、前臨床モデルからのデータとともに、咳嗽の発生におけるTRPV4受容体の役割を示唆する。TRPV4受容体は、気道平滑筋細胞で(McAlexander MA, et al., J Pharmacol Exp Ther. 2014 Apr;349(1):118-25)、気道上皮細胞で(Delany NS, et al., Physiol Genomics. 2001 Jan 19;4(3):165-74)、および気道特異的求心ニューロン由来のAd線維を含め肺の感覚ニューロンで(Bonvini SJ, et al., J Allergy Clin Immunol. 2016 Jul;138(1):249-261.e12)発現される。考え合わせると、これらのデータは、急性咳嗽、亜急性咳嗽および慢性咳嗽を含む咳嗽におけるTRPV4拮抗薬の潜在的な治療上の役割を示唆する。
【発明の概要】
【0010】
一つの側面では、本発明は、式(I)のピロリジンスルホンアミド化合物、それらの薬学上許容可能な塩、およびそれらを含有する医薬組成物を提供する。
【0011】
第2の側面では、本発明は、TRPV4拮抗薬としての式(I)の化合物の使用を提供する。
【0012】
別の側面では、本発明は、療法において使用するための式(I)の化合物を提供する。
【0013】
別の側面では、本発明は、TRPV4不均衡に関連する病態を処置するための式(I)の化合物の使用を提供する。
【0014】
さらに別の側面では、本発明は、アテローム性動脈硬化症、血管原性浮腫に関連する障害、術後腹水腫、眼浮腫、脳浮腫、局所性および全身性浮腫、体液貯留、敗血症、高血圧症、炎症、骨関連機能障害およびうっ血性心不全、肺障害、慢性閉塞性肺疾患、人工呼吸器誘発肺損傷、高地肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、急性肺損傷、肺線維症およびその他の線維症関連障害、副鼻腔炎/鼻炎、喘息、COPD、咳嗽(急性咳嗽、亜急性咳嗽および慢性咳嗽を含む)、肺高血圧症、過活動膀胱、膀胱炎、疼痛、運動ニューロン障害、遺伝性機能獲得型障害、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、心血管疾患、急性、慢性および多発性嚢胞腎疾患、脳卒中、水頭症、緑内障、網膜症、子宮内膜症、早期陣痛、皮膚炎、掻痒症、肝疾患の掻痒症、門脈圧亢進症および肝硬変の腹水および合併症、糖尿病、代謝障害、肥満、片頭痛、アルツハイマー病、膵炎、腫瘍抑制、免疫抑制、骨関節炎、クローン病、大腸炎、下痢、腸管の不規則性(過敏性/反応低下)、大便失禁、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、腸管疼痛および痙攣、セリアック病、ラクトース不耐症、または鼓腸の処置方法を提供し、その方法は、それを必要とする対象、好適には、ヒト対象に、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を投与することを含んでなる。
【0015】
さらに別の側面では、本発明は、アテローム性動脈硬化症、血管原性浮腫に関連する障害、術後腹水腫、眼浮腫、脳浮腫、局所性および全身性浮腫、体液貯留、敗血症、高血圧症、炎症、骨関連機能障害およびうっ血性心不全、肺障害、慢性閉塞性肺疾患、人工呼吸器誘発肺損傷、高地肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、急性肺損傷、肺線維症、副鼻腔炎/鼻炎、喘息、COPD、咳嗽(急性咳嗽、亜急性咳嗽および慢性咳嗽を含む)、肺高血圧症、過活動膀胱、膀胱炎、疼痛、運動ニューロン障害、遺伝性機能獲得型障害、心血管疾患、急性、慢性および多発性嚢胞腎疾患、脳卒中、緑内障、網膜症、子宮内膜症、早期陣痛、皮膚炎、掻痒症、肝疾患の掻痒症、糖尿病、代謝障害、肥満、片頭痛、膵炎、腫瘍抑制、免疫抑制、骨関節炎、クローン病、大腸炎、下痢、腸管の不規則性(過敏性/反応低下)、大便失禁、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、腸管疼痛および痙攣、セリアック病、ラクトース不耐症、または鼓腸の処置のための、式(I)の化合物およびそれらの薬学上許容可能な塩の使用を提供する。
【0016】
さらに別の側面では、本発明は、アテローム性動脈硬化症、血管原性浮腫に関連する障害、術後腹水腫、眼浮腫、脳浮腫、局所性および全身性浮腫、体液貯留、敗血症、高血圧症、炎症、骨関連機能障害およびうっ血性心不全、肺障害、慢性閉塞性肺疾患、人工呼吸器誘発肺損傷、高地肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、急性肺損傷、肺線維症、副鼻腔炎/鼻炎、喘息、COPD、咳嗽(急性咳嗽、亜急性咳嗽および慢性咳嗽を含む)、肺高血圧症、過活動膀胱、膀胱炎、疼痛、運動ニューロン障害、遺伝性機能獲得型障害、心血管疾患、急性、慢性および多発性嚢胞腎疾患、脳卒中、緑内障、網膜症、子宮内膜症、早期陣痛、皮膚炎、掻痒症、肝疾患の掻痒症、糖尿病、代謝障害、肥満、片頭痛、膵炎、腫瘍抑制、免疫抑制、骨関節炎、クローン病、大腸炎、下痢、腸管の不規則性(過敏性/反応低下)、大便失禁、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、腸管疼痛および痙攣、セリアック病、ラクトース不耐症、または鼓腸の処置において使用するための式(I)の化合物およびそれらの薬学上許容可能な塩を提供する。
【0017】
さらに別の側面では、本発明は、アテローム性動脈硬化症、血管原性浮腫に関連する障害、術後腹水腫、眼浮腫、脳浮腫、局所性および全身性浮腫、体液貯留、敗血症、高血圧症、炎症、骨関連機能障害およびうっ血性心不全、肺障害、慢性閉塞性肺疾患、人工呼吸器誘発肺損傷、高地肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、急性肺損傷、肺線維症、副鼻腔炎/鼻炎、喘息、COPD、咳嗽(急性咳嗽、亜急性咳嗽および慢性咳嗽を含む)、肺高血圧症、過活動膀胱、膀胱炎、疼痛、運動ニューロン障害、遺伝性機能獲得型障害、心血管疾患、急性、慢性および多発性嚢胞腎疾患、脳卒中、緑内障、網膜症、子宮内膜症、早期陣痛、皮膚炎、掻痒症、肝疾患の掻痒症、糖尿病、代謝障害、肥満、片頭痛、膵炎、腫瘍抑制、免疫抑制、骨関節炎、クローン病、大腸炎、下痢、腸管の不規則性(過敏性/反応低下)、大便失禁、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、腸管疼痛および痙攣、セリアック病、ラクトース不耐症、または鼓腸の処置のための薬剤の製造における、式(I)の化合物およびそれらの薬学上許容可能な塩の使用を提供する。
【0018】
TRPV4拮抗薬は、単独で投与してもよいし、または1種類以上の他の治療薬、例えば、エンドセリン受容体拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシン(angiotension)II受容体拮抗薬、バソペプチダーゼ阻害剤、バソプレシン受容体調節薬、利尿薬、ジゴキシン、β遮断薬、アルドステロン拮抗薬、強心薬、NSAIDS、一酸化窒素供与体、カルシウムチャネル調節薬、ムスカリン性拮抗薬、ステロイド系抗炎症薬、気管支拡張薬、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン拮抗薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、二重非選択性Pアドレナリン受容体およびnq−アドレナリン受容体拮抗薬、タイプ5ホスホジエステラーゼ阻害剤、およびレニン阻害剤からなる群から選択される薬剤とともに投与してもよい。
【0019】
本発明のその他の側面および利点を、以下の本発明の好ましい実施形態の詳細な説明でさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の詳細な説明
本発明は、式(I)の化合物:
【化1】
[式中、
は、
アリール、
で1〜4回置換されたアリール、
ヘテロアリール、
で1〜4回置換されたヘテロアリール、
ビシクロヘテロアリール、および
で1〜4回置換されたビシクロヘテロアリール
から選択され;
は、
アリール、
で1〜4回置換されたアリール、
ヘテロアリール、
で1〜4回置換されたヘテロアリール、
ビシクロヘテロアリール、および
で1〜4回置換されたビシクロヘテロアリール
から選択され;
は、
1−6アルキル、ならびに
以下から独立に選択される1〜9個の置換基(substitutents):
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
ヨード、
−OC1−6アルキル、
フルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換された−OC1−6アルキル、
メルカプト、
−S(O)H、
−S(O)H、
オキソ、
ヒドロキシ、
アミノ、
−NHRx11
(ここで、Rx11は、C1−6アルキル、ならびにフルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、−CN、−OC1−5アルキル、フルオロと−NHで1〜6回置換された−OC1−5アルキルから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから選択される)、
−NRx12x13
(ここで、Rx12およびRx13はそれぞれ、C1−6アルキル、ならびにフルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから独立に選択される)、
−C(O)OH
−C(O)NH
アリール、
−Oアリール、
ヘテロアリール、
−Oヘテロアリール、
−S(O)NH
−NHS(O)H、
ニトロ、および
シアノ
で置換されたC1−6アルキル
から選択されるか、または
は、隣接する−OHと一緒になって、以下から選択される複素環式環:
モルホリニル、
−CHで置換されたモルホリニル、および
オキサゾリジン−2−オン
を形成し;
各Rは、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
ヨード、
−OH、
1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから独立に選択される1〜5個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
シアノ、
−OC1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから独立に選択される1〜5個の置換基で置換された−OC1−6アルキル、
−Oフェニル、
−C(O)OC1−6アルキル、
フルオロで1〜5回置換された−C(O)OC1−6アルキル、および
−Oシクロアルキル
から独立に選択され;かつ、
各Rは、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
ヨード、
−OH、
1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから独立に選択される1〜5個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
シアノ、
−OC1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから独立に選択される1〜5個の置換基で置換された−OC1−6アルキル、
−Oシクロアルキル、
フェニル、
−C≡C−Si(CH、および
−C≡C−シクロアルキル
から独立に選択される]
またはその薬学上許容可能な塩および本発明の方法における式(I)の化合物の使用に関する。
【0021】
好適には、式(I)の化合物において、Rは、
アリール、
で1〜4回置換されたアリール、
ヘテロアリール、
で1〜4回置換されたヘテロアリール、
ビシクロヘテロアリール、および
で1〜4回置換されたビシクロヘテロアリール
から選択される。
【0022】
好適には、式(I)の化合物において、Rは、
アリール、
で1〜4回置換されたアリール、
ヘテロアリール、
で1〜4回置換されたヘテロアリール、
ビシクロヘテロアリール、および
で1〜4回置換されたビシクロヘテロアリール
から選択される。
【0023】
好適には、式(I)の化合物において、Yは、
1−6アルキル、ならびに
以下から独立に選択される1〜9個の置換基(substitutents):
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
ヨード、
−OC1−6アルキル、
フルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換された−OC1−6アルキル、
メルカプト、
−S(O)H、
−S(O)H、
オキソ、
ヒドロキシ、
アミノ、
−NHRx11
(ここで、Rx11は、C1−6アルキル、ならびにフルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、−CN、−OC1−5アルキル、フルオロと−NHで1〜6回置換された−OC1−5アルキルから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから選択される)、
−NRx12x13
(ここで、Rx12およびRx13はそれぞれ、C1−6アルキル、ならびにフルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから独立に選択される)
−C(O)OH、
−C(O)NH
アリール、
−Oアリール、
ヘテロアリール、
−Oヘテロアリール、
−S(O)NH
−NHS(O)H、
ニトロ、および
シアノ
で置換されたC1−6アルキル
から選択されるか、または
は、隣接する−OHと一緒になって、以下から選択される複素環式環:
モルホリニル、
−CHで置換されたモルホリニル、および
オキサゾリジン−2−オン
から選択される。
【0024】
式(I)の化合物には、式(II)化合物:
【化2】
[式中、
21は、
アリール、
a2で1〜3回置換されたアリール、
ヘテロアリール、
a2で1〜3回置換されたヘテロアリール、
ビシクロヘテロアリール、および
b2で1〜3回置換されたビシクロヘテロアリール
から選択され;
22は、
アリール、
b2で1〜4回置換されたアリール、
ヘテロアリール、および
b2で1〜3回置換されたヘテロアリール
から選択され;
21は、
1−6アルキル、ならびに
以下から独立に選択される1〜9個の置換基(substitutents):
フルオロ、
クロロ、
−OC1−6アルキル、
フルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換された−OC1−6アルキル、
オキソ、
ヒドロキシ、
アミノ、
−NHRx21
(ここで、Rx21は、C1−5アルキル、ならびにフルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−5アルキルから選択される)、
−C(O)OH、
−C(O)NH
ニトロ、および
シアノ
で置換されたC1−6アルキル
から選択されるか、または
21は、隣接する−OHと一緒になって、
モルホリニル、および
−CHで置換されたモルホリニル
を形成し;
各Ra2は、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
ヨード、
−OH、
1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから独立に選択される1〜5個の置換基で置換されたC1−6アルキル、
シアノ、
−OC1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから独立に選択される1〜5個の置換基で置換された−OC1−6アルキル、
−Oフェニル、
−C(O)OC1−5アルキル、
フルオロで1〜5回置換された−C(O)OC1−5アルキル、および
−Oシクロアルキル
から独立に選択され;かつ
各Rb2は、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
−OH、
1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから選択される1〜5個の置換基で独立に置換されたC1−6アルキル、
シアノ、
−OC1−6アルキル、
フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキルオキシ、−OH、C1−4アルキル、フェニル、オキソ、−COOH、−NO、−NHおよび−CNから独立に選択される1〜5個の置換基で置換された−OC1−6アルキル、
−Oシクロアルキル、および
フェニル
から独立に選択される]
またはその薬学上許容可能な塩が含まれる。
【0025】
好適には、式(II)の化合物において、R21は、
アリール、
a2で1〜3回置換されたアリール、
ヘテロアリール、
a2で1〜3回置換されたヘテロアリール、
ビシクロヘテロアリール、および
b2で1〜3回置換されたビシクロヘテロアリール
から選択される。
【0026】
好適には、式(II)の化合物において、R22は、
アリール、
b2で1〜4回置換されたアリール、
ヘテロアリール、および
b2で1〜3回置換されたヘテロアリール
から選択される。
【0027】
好適には、式(II)の化合物において、Y21は、
1−6アルキル、ならびに
以下から独立に選択される1〜9個の置換基(substitutents):
フルオロ、
クロロ、
−OC1−6アルキル、
フルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換された−OC1−6アルキル、
オキソ、
ヒドロキシ、
アミノ、
−NHRx21
(ここで、Rx21は、C1−5アルキル、ならびにフルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−5アルキルから選択される)、
−C(O)OH、
−C(O)NH
ニトロ、および
シアノ
で置換されたC1−6アルキル
から選択されるか、または
21は、隣接する−OHと一緒になって、
モルホリニル、および
−CHで置換されたモルホリニル
を形成する。
【0028】
式(I)の化合物には、式(III)の化合物:
【化3】
[式中、
31は、
フェニル、
a3で1〜3回置換されたフェニル、
チアゾール、
a3で1〜3回置換されたチアゾール、
ピリミジン、
a3で1〜3回置換されたピリミジン、
ピリジン、および
a3で1〜3回置換されたピリジン
から選択され;
32は、
フェニル、
b3で1〜3回置換されたフェニル、
ピリジン、および
b3で1〜3回置換されたピリジン
から選択され;かつ
31は、
−CHOH、
−CH(OH)CH
−CH(OH)CHCH
−C(OH)(CH
−CHNH
−CHNHRx30、および
−CH(NH)CH
から選択されるか、または
31は、隣接する−OHと一緒になって、
モルホリニル
を形成し、
ここで、各Rx30は、C1−6アルキル、ならびにフルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから独立に選択され;
各Ra3は、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
−OH、
1−6アルキル、
シアノ、
−CF
−C1−5アルキルCF
−CHF
−CHF、
−OC1−5アルキル、
−OCF
−O1−5アルキルCF
−Oフェニル、
−Oベンジル、
1−5アルキルCN、
−C(O)OC1−5アルキル、
−C(O)OH、および
−Oシクロアルキル
から独立に選択され;
各Rb3は、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
−OH、
1−6アルキル、
シアノ、
−CF
−C1−5アルキルCF
−CHF
−CHF、
−OC1−5アルキル、
−OCF
−OC1−5アルキルCF
−C(O)CH
−OCHF
−Oシクロプロピル、および
フェニル
から独立に選択される]
またはその薬学上許容可能な塩が含まれる。
【0029】
好適には、式(III)の化合物において、R31は、
フェニル、
a3で1〜3回置換されたフェニル、
チアゾール、
a3で1〜3回置換されたチアゾール、
ピリミジン、
a3で1〜3回置換されたピリミジン、
ピリジン、および
a3で1〜3回置換されたピリジン
から選択される。
【0030】
好適には、式(III)の化合物において、R32は、
フェニル、
b3で1〜3回置換されたフェニル、
ピリジン、および
b3で1〜3回置換されたピリジン
から選択される。
【0031】
好適には、式(III)の化合物において、Y31は、
−CHOH、
−CH(OH)CH
−CH(OH)CHCH
−C(OH)(CH
−CHNH
−CHNHRx30、および
−CH(NH)CH
から選択されるか、または
31は、隣接する−OHと一緒になって、
モルホリニル
を形成し、
ここで、各Rx30は、C1−6アルキル、ならびにフルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから独立に選択される。
【0032】
式(I)の化合物には、式(IV)の化合物:
【化4】
[式中、
41は、
フェニル、
b4で1〜3回置換されたフェニル、
チアゾール、
a3で1〜3回置換されたチアゾール、
ピリミジン、
a3で1〜3回置換されたピリミジン、
ピリジン、および
a3で1〜3回置換されたピリジン
から選択され;
42は、
フェニル、
b4で1〜3回置換されたフェニル、
ピリジン、および
b4で1〜3回置換されたピリジン
から選択され;かつ
41は、
−CHOH、
−CH(OH)CH
−CHNH、および
−CHNHRx40
から選択されるか、または
31は、隣接する−OHと一緒になって、
モルホリニル
を形成し、
ここで、各Rx40は、C1−6アルキル、ならびにフルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−6アルキルから独立に選択され;
各Ra4は、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
−OH、
1−6アルキル、
シアノ、
−CF
−C1−5アルキルCF
−CHF
−CHF、
−OCC1−5アルキル、
−C(O)OC1−5アルキル、および
−C(O)OH
から独立に選択され;かつ
各Rb4は、
フルオロ、
クロロ、
ブロモ、
−OH、
1−6アルキル、
シアノ、
−CF
−C1−5アルキルCF
−CHF
−CHF、
−OC1−5アルキル、
−OCF
−OC1−5アルキルCF
−C(O)CH
−OCHF
−Oシクロプロピル
から独立に選択される]
またはその薬学上許容可能な塩が含まれる。
【0033】
好適には、式(IV)の化合物において、R41は、
フェニル、
b4で1〜3回置換されたフェニル、
チアゾール、
a3で1〜3回置換されたチアゾール、
ピリミジン、
a3で1〜3回置換されたピリミジン、
ピリジン、および
a3で1〜3回置換されたピリジン
から選択される。
【0034】
好適には、式(IV)の化合物において、R42は、
フェニル、
b4で1〜3回置換されたフェニル、
ピリジン、および
b4で1〜3回置換されたピリジン
から選択される。
【0035】
好適には、式(IV)の化合物において、Y41は、
−CHOH、
−CH(OH)CH
−CHNH、および
−CHNHRx40
から選択されるか、または
31は、隣接する−OHと一緒になって、
モルホリニル
を形成し、
ここで、各Rx40は、C1−6アルキル、ならびに
フルオロ、オキソ、−OH、−COOH、−NH、および−CNから独立に選択される1〜6個の置換基で置換されたC1−6アルキル
から独立に選択される。
【0036】
好適には、式(I)の化合物において、Rは、シアノ、ブロモ、クロロおよび/またはフルオロで独立に1〜3回置換されたフェニルまたはピリジルである。
【0037】
好適には、式(I)の化合物において、Rは、置換フェニルである。
【0038】
好適には、式(I)の化合物において、Yは、−CHOH、−CH(CH)OHおよび−CHNHから選択される。
【0039】
本発明の代表的な化合物には、適当であれば、本明細書に記載の特定の化合物、例えば、実施例の式(I)の化合物、ならびに任意の選択的立体異性形態、遊離酸/塩基形態、塩形態、およびそれらの選択的塩形態(特に、薬学上許容可能な塩またはその選択的塩形態)が含まれる。よって、いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、以下から選択される式(I)の化合物:
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−シアノフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2−クロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−メチルフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2,4−ジクロロ−5−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−シアノフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−メチルフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロ−5−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
5−クロロ−2−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
(3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−メチルベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−ブロモ−4−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3S,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−4−((4−ブロモフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−1−((2−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−1−((4−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−ブロモフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−メトキシベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2−クロロ−4−(ジフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
3−ブロモ−4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−ブロモ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
5−クロロ−2−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−1−((2−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(ジフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2−クロロ−4−(フルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(フルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((4−シアノフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−エチルベンゾニトリル;
2−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−(ジフルオロメチル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−エトキシベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−シクロプロポキシベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−クロロ−2−メトキシフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−ブロモ−2−メトキシフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
2−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−(ジフルオロメチル)−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−メトキシベンゾニトリル;
3−シクロプロポキシ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−メチルフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−ブロモ−4−クロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−ブロモ−4−メトキシフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−シクロプロポキシ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロ−5−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−クロロ−2−(ジフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンズイミド酸メチル;
(3R,4S)−1−((4−クロロ−2−(ジフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
2−(5−クロロ−2−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)フェニル)アセトニトリル;
(3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−1−((2−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−3−イル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−(チアゾール−2−イルスルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
2−フルオロ−4−(((3S,4R)−1−((2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((4−シアノ−2−メチルフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
2−フルオロ−4−(((3S,4R)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−1−((2−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
2−フルオロ−4−(((3S,4R)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)−1−((2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロチアゾール−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((4−ブロモフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
(3S,4S)−4−((4−クロロ−3−フルオロフェニル)スルホニル)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
2−(((3S,4S)−4−((3,4−ジフルオロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル;
(3S,4S)−4−((4−クロロ−3−フルオロフェニル)スルホニル)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
4−(((3S,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2,5−ジフルオロベンゾニトリル;
2−クロロ−4−(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−4−((5−ブロモピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−フルオロベンゾニトリル;
5−クロロ−2−(((3R,4S)−4−((4−シアノフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−((3,4−ジフルオロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
4−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−3−フルオロベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2,6−ジフルオロベンゾニトリル;
(3R,4S)−4−((4−クロロ−3−フルオロフェニル)スルホニル)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2,6−ジフルオロベンゾニトリル;
5−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ピコリノニトリル;
2−(((3R,4S)−4−((3,4−ジフルオロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル;
2−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((3,4,5−トリフルオロフェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2,5−ジフルオロベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピロリジン−3−オール;
(3R,4S)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
(3R,4S)−4−((4−クロロ−3−フルオロフェニル)スルホニル)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
(3R,4S)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−((6−クロロピリジン−3−イル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)−2−メチルベンゾニトリル;
2−クロロ−4−(((3S,4R)−1−((2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−((4−フルオロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
2−クロロ−5−(((3S,4R)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((4−エチルフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−イソプロピルフェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((4−プロピルフェニル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((4−クロロ−3−フルオロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)−4−((2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル)スルホニル)ピロリジン−3−オール;
3−クロロ−4−(((3S,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ピコリノニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−4−((2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル)スルホニル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−4−((5−ブロモピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−((3,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
(3S,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−4−((3,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール;
(3R,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)−4−((5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)スルホニル)ピロリジン−3−オール;
2−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル;
(3R,4S)−1−((2,4−ジクロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)−4−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−3−オール;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−((R)−1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−((S)−1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−3−(アミノメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−3−(アミノメチル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−3−(アミノメチル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3S,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−((メチルアミノ)メチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−3−(アミノメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル;
4−(((3S,4S)−3−(アミノメチル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
4−(((3R,4S)−3−(アミノメチル)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(((2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ)メチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;および
3−クロロ−4−(((4S,5R)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−6−オキサ−2,9−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−イル)スルホニル)ベンゾニトリル;
またはそれらの薬学上許容可能な塩である。
【0040】
当業者ならば、式(I)による化合物の薬学上許容可能な塩を含む塩が作製可能であることを認識するであろう。実際に、本発明の特定の実施形態では、式(I)による化合物の薬学上許容可能な塩を含む塩は、個々の遊離のまたは塩を形成してない化合物よりも好ましい場合がある。よって、本発明は、式(I)による化合物の薬学上許容可能な塩を含む塩をさらに対象とする。
【0041】
本発明の化合物の薬学上許容可能な塩を含む塩は、当業者によって容易に作製される。
【0042】
一般に、本発明の塩は、薬学上許容可能な塩である。用語「薬学上許容可能な塩」内に包含される塩は、本発明の化合物の非毒性塩を指す。
【0043】
代表的な薬学上許容可能な酸付加塩としては、限定されるものではないが、4−アセトアミド安息香酸塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、安息香酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、酪酸塩、エデト酸カルシウム、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩(カンシル酸塩)、カプリン酸塩(デカン酸塩)、カプロン酸塩(ヘキサン酸塩)、カプリル酸塩(オクタン酸塩)、桂皮酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、ジグルコン酸塩、2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩、ジコハク酸塩、ドデシル硫酸塩(エストール酸塩)、エデト酸塩(エチレンジアミンテトラ酢酸塩)、エストール酸塩(ラウリル硫酸塩)、エタン−1,2−ジスルホン酸塩(エジシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、ギ酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸塩)、ゲンチジン酸塩(2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩)、グルコヘプトン酸塩(グルセプト酸塩)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリセロホスホラート(glycerophosphorate)、グリコール酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、馬尿酸塩、ヒドラバミン(N,N’−ジ(デヒドロアビエチル)−エチレンジアミン)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩(ナパジシル酸塩)、ナフタレン−2−スルホン酸塩(ナプシル酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、p−アミノベンゼンスルホン酸塩、p−アミノサリチル酸塩(p-aminosalicyclate)、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パントテン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルエチルバルビタール酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、ステアリン酸塩、スバセチン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(8−クロロテオフィリナート(8-chlorotheophyllinate))、チオシアン酸塩、トリエチオジド、ウンデカン酸塩、ウンデシレン酸塩、および吉草酸塩が含まれる。
【0044】
代表的な薬学上許容可能な塩基付加塩としては、限定されるものではないが、アルミニウム、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(TRIS、トロメタミン)、アルギニン、ベネタミン(N−ベンジルフェネチルアミン)、ベンザチン(N,N’−ジベンジルエチレンジアミン)、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、ビスマス、カルシウム、クロロプロカイン、コリン、クレミゾール(1−pクロロベンジル−2−ピロルリジン(pyrrolildine)−1’−イルメチルベンズイミダゾール)、シクロヘキシルアミン、ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、ジエチルトリアミン、ジメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ドーパミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、L−ヒスチジン、鉄、イソキノリン、レピジン、リチウム、リシン、マグネシウム、メグルミン(N−メチルグルカミン)、ピペラジン、ピペリジニル、カリウム、プロカイン、キニーネ、キノリン、ナトリウム、ストロンチウム、t−ブチルアミン、および亜鉛が含まれる。
【0045】
式Iによる化合物は、1以上の不斉中心(キラル中心とも呼ばれる)を含んでもよく、従って、個々の鏡像異性体、ジアステレオマー、またはその他の立体異性形として、またはそれらの混合物として存在し得る。キラル炭素原子などのキラル中心は、アルキル基などの置換基内に存在し得る。式Iの化合物に、または本明細書に示される任意の化学構造に存在するキラル中心の立体化学が明示されていない場合には、その構造はあらゆる個々の立体異性体およびそれらのあらゆる混合物を包含することが意図される。よって、1以上のキラル中心を含む式Iによる化合物は、ラセミ混合物、鏡像異性体的にもしくはジアステレオマー的に富化された混合物、または鏡像異性体的にもしくはジアステレオマー的に純粋な個々の立体異性体として使用され得る。
【0046】
式(I)による化合物およびそれらの薬学上許容可能な塩は、同位体標識された化合物の形態であってもよく、この場合、式(I)の1以上の原子が、通常自然界に見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換されている。このような同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素、および塩素の同位体、例えば、H、H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iが含まれる。
【0047】
同位体標識された化合物、例えば、Hまたは14Cなどの放射性同位体が組み込まれているものは、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム、すなわち、H同位体、および炭素−14、すなわち、14C同位体は、調製の容易さおよび検出力のために特に好ましい。11Cおよび18F同位体は、PET(陽電子放射断層撮影法)で特に有用であり、125I同位体は、SPECT(単光子放射コンピューター断層撮影法)で特に有用であり、両方とも脳の撮像に有用である。さらに、重水素、すなわち、Hなどのより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えば、in vivo半減期の延長または用量要求の低減をもたらすある特定の治療利益を与えることができ、ゆえに、場合によっては好ましいことがある。同位体標識された化合物は、一般に、非同位体標識試薬を容易に入手可能な同位体標識試薬に置き換えることによって調製することができる。
【0048】
式(I)による化合物は、二重結合またはその他の幾何学的不斉中心も含んでよい。式(I)に、または本明細書に示される任意の化学構造に存在する幾何学的不斉中心の立体化学が明示されていない場合には、その構造はトランス(E)幾何異性体、シス(Z)幾何異性体、およびそれらのあらゆる混合物を包含することが意図される。同様に、総ての互変異性体形態も、そのような互変異性体が平衡状態で存在する場合であれ、主として一形態で存在する場合であれ、式(I)に含まれる。
【0049】
本発明の化合物は、固体形態または液体形態で存在し得る。固体形態では、本発明の化合物は、完全非晶質から完全結晶性までに及ぶ固体状態の連続体で存在し得る。用語「非晶質」は、材料が分子レベルで長距離秩序を欠き、温度によって、固体または液体の物理的性質を示し得る状態を指す。一般に、このような材料は特徴的なX線回折パターンを示さず、固体の特性を呈しつつ、より形式的には液体として記載される。加熱すると、固体特性から液体特性への変化が起こり、これは状態、一般に、二次状態の変化を特徴とする(「ガラス転移」)。用語「結晶性」は、素材が分子レベルで規則的秩序のある内部構造を有し、かつ、定義されたピークを持つ特徴的なX線回折パターンを示す固相を指す。このような素材は、十分に加熱した際に、液体の特性も呈するが、固体から液体への変化は、一般に、一次状態の相変化(「融点」)を特徴とする。
【0050】
本発明の化合物は、2以上の形態で結晶化する能力を有する場合があり、これは多形(「多形体」)として知られる特徴である。多形は一般に、温度または圧力または両方の変化への応答として生じ得るものであり、結晶化過程の変動からも生じ得る。多形体は、X線回折パターン、溶解度および融点などの当技術分野で公知の物理的特徴によって識別することができる。
【0051】
式(I)の化合物は、溶媒和物形態および非溶媒和形態で存在する場合がある。本明細書で使用する場合、用語「溶媒和物」は、溶質(本発明では、式(I)の化合物または塩)と溶媒によって形成される様々な化学量論的組成の複合体を指す。このような溶媒は、本発明において、その溶質の生物活性に干渉してはならない。当業者ならば、結晶性化合物に関して、結晶化の際に溶媒分子が結晶格子に組み込まれた薬学上許容可能な溶媒和物が形成され得ることを認識するであろう。組み込まれる溶媒分子は、水分子またはエタノール、イソプロパノール、DMSO、酢酸、エタノールアミン、および酢酸エチル分子などの非水性分子であり得る。水分子が組み込まれた結晶格子構造は、一般に、「水和物」と呼ばれる。水和物には、化学量論的水和物ならびに様々な量の水を含有する組成物が含まれる。
【0052】
また、式(I)の化合物は互変異性体を形成し得ることにも留意されたい。「互変異性体」は、相互交換可能な形態の特定の化合物構造であり、かつ、水素原子および電子の置換が異なる化合物を指す。よって、2つの構造は、π電子および原子(通常はH)の移動によって平衡状態にあり得る。例えば、エノールおよびケトンは、酸または塩基のいずれかでの処理によって容易に相互変換されるので互変異性体である。本発明の化合物のあらゆる互変異性体および互変異性体の混合物が本発明の化合物の範囲内に含まれると理解される。
【0053】
各変数の特徴は一般に各変数について個別に上記に列挙されているが、本発明は、式(I)のいくつかのまたは各特徴が、上記に列挙された特徴のそれぞれから選択される化合物を含む。よって、本発明は、各変数の特徴のあらゆる組合せを含むものとする。
【0054】
定義
「アルキル」は、示された数の「員原子」を有する炭化水素鎖を指す。例えば、C−Cアルキルは、1〜6個の員原子を有するアルキル基を指す。アルキル基は、飽和、不飽和、直鎖または分岐型であり得る。代表的な分岐アルキル基は、1つ、2つ、または3つの分岐を有する。アルキルとしては、限定されるものではないが、メチル、エチル、エチレン、エチニル、プロピル(n−プロピルおよびイソプロピル)、ブテン、ブチル(n−ブチル、イソブチル、およびt−ブチル)、ペンチルおよびヘキシルが含まれる。
【0055】
「アルコキシ」は、−O−アルキル基を指し、ここで、「アルキル」は本明細書で定義される通りである。例えば、C−Cアルコキシは、1〜4個の炭素員原子を有するアルコキシ基を指す。このような基の例としては、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、およびt−ブトキシが含まれる。
【0056】
「アリール」は、芳香族炭化水素環系を指す。アリール基は、単環式、二環式、および三環構造であり、合計5〜14個の環員原子を有し、少なくとも1つの環系が芳香族であり、その環系の各環が3〜7個の員原子を含み、限定されるものではないが、例えば、フェニル、ジヒドロインデン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレンおよびビフェニルである。好適にはアリールは、フェニルである。
【0057】
「シクロアルキル」は、そうではないことが定義されない限り、3〜7個の炭素原子を有する飽和または不飽和非芳香族炭化水素環を指す。シクロアルキル基は、単環式環系である。例えば、C−Cシクロアルキルは、3〜7個の員原子を有するシクロアルキル基を指す。シクロアルキルの例としては、本明細書で使用する場合、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプチルが含まれる。好適には、シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択される。
【0058】
「ヘテロアリール」は、1〜7個の炭素原子を含み、かつ、1〜4個のヘテロ原子を含む単環式芳香族4〜8員環を指し、ただし、炭素原子の数が3である場合、芳香環は少なくとも2個のヘテロ原子を含む。2個以上のヘテロ原子を含むヘテロアリール基は、異なるヘテロ原子を含んでもよい。ヘテロアリールとしては、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、フラザニル、チエニル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニルが含まれる。好適には、「ヘテロアリール」には、ピラゾール、ピロール、イソキサゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、およびイミダゾールが含まれる。
【0059】
「ビシクロヘテロアリール」としては、2つの縮合環であって、そのうち少なくとも一方が員原子として1〜6個のヘテロ原子を含む芳香族であるものを指す。2個以上のヘテロ原子を含むビシクロヘテロアリール基は、異なるヘテロ原子を含んでよい。ビシクロヘテロアリール環は、6〜11個の員原子を有する。ビシクロヘテロアリールとしては、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン、1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン、1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、チエノ[3,2−c]ピリジン、チエノ[2,3−d]ピリミジン、フロ[2,3−c]ピリジン、フロ[2,3−d]ピリミジン
インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インダゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、プテリジニル、シンノリニル、アザベンズイミダゾリル、テトラヒドロベンズイミダゾリル、ベンゾキサジアゾール、イミダゾチアゾール、ベンズイミダゾリル、ベノピラニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、イミダゾ[4.5−c]ピリジン、イミダゾ[4.5−b]ピリジン、フロピリジニルおよびナフチリジニル(napthyridinyl)が含まれる。好適には、「ビシクロヘテロアリール」としては、ベンゾキサジアゾールおよびイミダゾチアゾールが含まれる。
【0060】
「ヘテロ原子」は、窒素、硫黄または酸素原子を指す。
【0061】
「ハロゲン」および「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を指す。
【0062】
本明細書で使用する場合、用語「メルカプト」は、基−SHを指す。
【0063】
本明細書で使用する場合、用語「オキソ」は、基=Oを指す。
【0064】
本明細書で使用する場合、用語「ヒドロキシ」は、基−OHを指す。
【0065】
本明細書で使用する場合、用語「アミノ」は、基−NHを指す。
【0066】
本明細書で使用する場合、用語「カルボキシ」は、基−C(O)OHを指す。
【0067】
本明細書で使用する場合、用語「シアノ」は、基−CNを指す。
【0068】
本明細書で使用する場合、用語「ニトロ」は、基−NOを指す。
【0069】
化合物の製造
式(I)による化合物は、従来の有機合成法を用いて製造される。好適な合成経路を以下の一般反応スキームに後述する。出発材料は総て市販されているか、または市販の出発材料から当業者により容易に製造される。
【0070】
当業者ならば、本明細書に記載の置換基が本明細書に記載の合成方法に適合しなければ、その置換基はそれらの反応条件に安定な好適な保護基で保護し得ることを認識するであろう。保護基は、所望の中間体または目的化合物を得るために一連の反応の好適な時点で除去することができる。好適な保護基およびそのような好適な保護基を用いて種々の置換基を保護および脱保護するための方法は当業者に周知であり、その例は、T. Greene and P. Wuts, Protecting Groups in Chemical Synthesis (第3版), John Wiiey & Sons, NY (1999)に見出すことができる。場合によっては、置換基は、使用する反応条件下で反応性であるように特に選択することができる。これらの状況下で、それらの反応条件は、選択された置換基を、中間化合物として有用であるか、または目的化合物中で所望の置換基である別の置換基に変換する。
【0071】
スキームで使用する場合、「Ar」基は、式I〜IVのいずれかで対応する基を表す。一般に、式I〜IVの化合物は、出発材料に対して適当な置換を用い、これらのスキームに一般に記載されるように製造することができる。
【化5】
【0072】
スキーム1に示されるように、式(I)の化合物は、多段階手順によって製造することができる。Bocで保護されたピロリジンのメシル酸塩に、KCOなどの塩基の存在下、適宜置換されたチオフェノールで置換を施し、対応する硫化物を得ることができる。この硫化物は、m−CPBAで処理することによりスルホンに酸化することができる。ピロリジン環の環外オレフィンは、共酸化剤としてNMOを用い、触媒としてのOsOでジヒドロキシル化することができ、この工程または次工程のいずれかで、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの分離技術によってトランス−ジアステレオマーを得ることができる。TFAなどの酸でBoc保護基を除去した後、脱保護されたピロリジンを適宜置換された塩化アリールスルホニルおよびNaHCOなどの塩基で処理すると、式(I)の化合物が得られる。
【化6】
【0073】
あるいは、式(I)の化合物は、スキーム2に示されるように製造することもできる。Bocで保護されたピロリジンのメシル酸塩に、適宜置換されたチオフェノールおよびKCOなどの塩基で置換を施し、対応する硫化物を得ることができる。ピロリジン環の環外オレフィンは、共酸化剤としてNMOを用い、触媒としてのOsOでジヒドロキシル化することができ、このシス/トランスジアステレオマー(diasteromer)中間体の混合物を次反応に送る。この硫化物のスルホンへの酸化は、m−CPBAにより達成することができる。ジオキサン中HClなどの酸でBoc保護基を除去した後、脱保護されたピロリジンを適宜置換された塩化アリールスルホニルおよびNaHCOなどの塩基で処理すると、式(I)の化合物がシス/トランスジアステレオマーの混合物として得られる。鏡像異性体として純粋なトランスおよびシス異性体は、式(I)の個々のジアステレオマーの(diasteroemeric)シスおよびトランス化合物を得るためのシリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの分離技術によって得ることができる。
【化7】
【0074】
あるいは、式(I)の化合物は、スキーム3に示されるように製造することもできる。Bocで保護されたピロリジンのメシル酸塩に、適宜置換されたチオフェノールおよびKCOなどの塩基で置換を施し、対応する硫化物を得ることができる。ピロリジン環の環外オレフィンを、共酸化剤としてNMOを用い、触媒としてのOsOでジヒドロキシル化することができ、生成したシス/トランスジアステレオマー(diasteromers)の混合物を次の二工程に送ることができる。この硫化物のスルホンへの酸化は、m−CPBAにより達成することができる。ジヒドロキシ化合物の環状ケタールとしての保護は、水中2,2−ジメトキシプロパンおよびトシル酸で達成することができ、個々の鏡像異性体として純粋なシスおよびトランスジアステレオマーは、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの分離技術によって得ることができる。シスまたはトランスジアステレオマーは、いずれも次の二工程に送ると、式(I)の化合物を得ることができる。Boc保護基および環状ケタール保護基は、脱保護されたピロリジンをTFAなどの酸で加水分解することができる。脱保護されたピロリジンを適宜置換された塩化アリールスルホニルおよびNaHCOなどの塩基で処理すると、式(I)の化合物が得られる。
【化8】
【0075】
あるいは、式(I)の化合物は、スキーム4に示されるように製造することもできる。保護されたヒドロキシピロリジンのBoc基は、TFAなどの酸で除去することができ、脱保護されたピロリジンを適宜置換された塩化アリールスルホニルで処理すると、スルホンアミドを得ることができる。ヒドロキシル基を塩化メシルでメシル化した後に、適宜置換されたチオフェノールおよびKCOなどの塩基で置換を行うと、硫化物を得ることができる。ピロリジン環の環外オレフィンは、共酸化剤としてNMOを用い、触媒としてのOsOでジヒドロキシル化することができ、個々の鏡像異性体として純粋なトランスおよびシス異性体は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの分離技術によって得ることができる。シスまたはトランスジアステレオマーは、いずれもm−CPBAで酸化すると、式(I)の化合物を得ることができる。
【化9】
【0076】
スキーム5に示されるように、式(I)の化合物は、置換塩化スルホニルから多段階手順によって製造することができる。適当な塩化スルホニルを、KCOなどの塩基を用いてアルキルアミンで置換すると第二級スルホンアミドを得ることができ、次にこれをアルキルハリドで処理すると、第三級スルホンアミドを得ることができる。この第三級スルホンアミドを、第二世代グラブス触媒などの触媒を用いたオレフィンメタセシスにより環化すると、ピロリンを得ることができる。このピロリンをm−CPBAでエポキシ化し、このエポキシド環を、CsCOなどの塩基を用いて、適宜置換されたチオフェノールで開環すると、ピロリジンをトランスジアステレオマーのラセミ混合物として得ることができる。この硫化物はm−CPBAでスルホンに酸化することができ、ラセミシスおよびトランスジアステレオマーは、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの技術によって分離することができる。個々のジアステレオマーのシリル保護基を酢酸中TBAFで除去し、個々の鏡像異性体をキラルクロマトグラフィーなどの技術によって分離すると、式(I)の化合物を得ることができる。
【化10】
【0077】
スキーム6に示されるように、式(I)の化合物は多段階手順によって製造することができる。Bocで保護されたピロリジンのヒドロキシル基を塩化メシルでメシル化した後に、KCOなどの塩基を用い、適宜置換されたチオフェノールで置換すると、硫化物が得られる。ピロリジン環の環外オレフィンは、共酸化剤としてNMOを用い、触媒としてのOsOでジヒドロキシル化することができ、生成したシス/トランスジアステレオマー(diasteromers)の混合物を次の工程に送ることができる。ジヒドロキシ化合物の環状ケタールとしての保護は、水中2,2−ジメトキシプロパンおよびトシル酸で達成することができ、シス/トランスジアステレオマーの混合物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの技術によって分離することができる。個々のシスまたはトランスジアステレオマーは、いずれも次の工程に送ると、式(I)の化合物を得ることができる。Boc保護基および環状ケタール保護基は、TFAなどの酸で加水分解し、脱保護されたピロリジンを適宜置換された塩化アリールスルホニルおよびNaHCOなどの塩基で処理すると、スルホンアミドを得ることができる。ピロリジンヒドロキシル基を塩化メシルでメシル化し、このメシル酸塩をアジ化ナトリウムで置換し、このアジ化物を、ポリマー支持トリフェニルホスフィンを用いてアミンに還元することができる。アミンをBoc無水物で保護し、この硫化物を、m−CPBAを用いてスルホンに酸化し、TFAでBoc保護基を除去すると、式(I)の化合物が得られる。
【化11】
【0078】
あるいは、式(I)の化合物は、スキーム7に示されるように多段階手順によって製造することもできる。Bocで保護されたピロリジンのヒドロキシル基を塩化メシルでメシル化した後に、適宜置換されたチオフェノールで置換すると、対応する硫化物が得られる。ピロリジン環の環外オレフィンを、共酸化剤としてNMOを用い、触媒としてのOsOでジヒドロキシル化することができ、生成したシス/トランスジアステレオマー(diasteromers)の混合物を、分離されるまで次の工程に送ることができる。ピロリジンヒドロキシル基を塩化メシルでメシル化し、このメシル酸塩をアジ化ナトリウムで置換し、このアジ化物をトリメチルホスフィンでアミンに還元することができる。モルホリン−3−オンへの変換は、このアミンを塩化2−クロロアセチルおよびTEAでアシル化した後にt−BuOKで環化することによって行うことができる。Boc保護基をTFAなどの酸で除去し、適宜置換された塩化アリールスルホニルで処理すると、スルホンアミドが得られる。この硫化物をm−CPBAで酸化すると、スルホンがシス/トランスジアステレオマーの混合物として得られ、これはこの時点で、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの技術によって個々の鏡像異性体に分離することができる。個々のシスまたはトランスジアステレオマーはいずれも次の工程に送ると、式(I)の化合物を得ることができる。モルホリン−3−オンは、THF中ボランで還元することによってモルホリンに変換することができ、このアミンは、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの技術による精製を簡単にするためにBoc無水物を用いてBocで保護される。このBoc保護基をHClなどの酸によって除去すると、式(I)の化合物を得ることができる。
【0079】
生物活性
上述のように、式Iによる化合物はTRPV4拮抗薬である。式Iによる化合物の生物活性は、TRPV4拮抗薬としての候補化合物の活性を決定するための任意の好適なアッセイ、ならびに組織およびin vivoモデルを用いて決定することができる。式(I)の化合物の生物活性は、以下の試験によって実証される。
【0080】
BHK細胞で発現されるhTRPV4のFLIPRアッセイ:
TRPV4チャネルの活性化は、カルシウムを含む二価および一価陽イオンの流入をもたらす。結果として生じる細胞内カルシウムの変化を、カルシウム特異的蛍光色素Fluo−4(MDS Analytical Technologies)を用いてモニタリングした。ヒトTRPV4遺伝子を発現するBacMamウイルスで形質導入したBHK/AC9細胞を、384ウェルポリ−Dリシンコーティングプレート(15mM HEPES、10%FBS、1%ペニシリン−ストレプトマイシンおよび1%L−グルタミンとともにDMEM/F12を含有する50μLの培養培地中、15,000細胞/ウェル)にMOI 78で播種した。細胞を37℃および5%COで24時間インキュベートした。次に、Tecanプレートウォッシャーを用いて培養培地を吸引し、20μL/ウェルの色素ローディングバッファー:HBSS、500μM ブリリアントブラック(MDS Analytical Technologies)および2μMのFluo−4 AMに置き換えた。次に、色素添加プレートを暗所、室温で1〜1.5時間インキュベートした。HBSS(1.5mMの塩化カルシウム、1.5mMの塩化マグネシウムおよび10mMのHEPES、pH7.4含有)+0.01% Chapsに希釈した10μLの試験化合物をプレートの各個のウェルに加え、暗所、室温で10分間インキュベートした後、10μLの作動薬(N−((S)−1−(((R)−1−((2−シアノフェニル)スルホニル)−3−オキソアゼパン−4−イル)アミノ)−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド(Thorneloe et al, Sci. Transl. Med. (2012), 4, 159ra148)(以下、作動化合物)を作動薬EC80に相当する終濃度となるように加えた。カルシウムシグナルを、FLIPRTETRA(MDS Analytical Technologies)またはFLIPR384(MDS Analytical Technologies)を用いて測定し、作動化合物により誘導されるカルシウムシグナルの、試験化合物による阻害を判定した。
【0081】
本明細書に記載の総ての例は、0.1nM〜1μMのIC50範囲のTRPV4生物活性を有した(下表参照)。
【0082】
実施例1の化合物を一般に上記のTRPV4アッセイに従って試験したところ、少なくとも1つの試験実施セットで平均IC50(nM)値5を示した。
【0083】
実施例22の化合物を一般に上記のTRPV4アッセイに従って試験したところ、少なくとも1つの試験実施セットで平均IC50(nM)値13を示した。
【0084】
【表1】
【0085】
使用方法
さらに別の側面では、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩の投与によって、アテローム性動脈硬化症、血管原性浮腫に関連する障害、術後腹水腫、眼浮腫、脳浮腫、局所性および全身性浮腫、体液貯留、敗血症、高血圧症、炎症、骨関連機能障害およびうっ血性心不全、肺障害、慢性閉塞性肺疾患、人工呼吸器誘発肺損傷、高地肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、急性肺損傷、肺線維症およびその他の線維症関連障害、副鼻腔炎/鼻炎、喘息、COPD、咳嗽(急性咳嗽、亜急性咳嗽および慢性咳嗽を含む)、肺高血圧症、過活動膀胱、膀胱炎、疼痛、運動ニューロン障害、遺伝性機能獲得型障害、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、心血管疾患、急性、慢性および多発性嚢胞腎疾患、脳卒中、水頭症、緑内障、網膜症、子宮内膜症、早期陣痛、皮膚炎、腎機能障害、掻痒症、肝疾患の掻痒症、門脈圧亢進症および肝硬変の腹水および合併症、糖尿病、代謝障害、肥満、片頭痛、アルツハイマー病、膵炎、腫瘍抑制、免疫抑制、骨関節炎、クローン病、大腸炎、下痢、腸管の不規則性(過敏性/反応低下)、大便失禁、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、腸管疼痛および痙攣、セリアック病、ラクトース不耐症、および鼓腸から選択される病態の処置における式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。好適には、本発明の化合物は、うっ血性心不全の処置において使用される。好適には、本発明の化合物は、急性肺損傷の処置において使用される。好適には本発明の化合物は、脳浮腫の処置において使用される。好適には、本発明の化合物は、心不全の処置において使用される。好適には、本発明の化合物は、急性咳嗽、亜急性咳嗽および慢性咳嗽を含む咳嗽の処置において使用される。好適には本発明の化合物は、急性呼吸窮迫症候群の処置において使用される。よって、別の側面では、本発明は、このような病態を処置する方法を対象とする。
【0086】
式(I)の化合物は、in vivoにおいて、咳嗽が誘発される前臨床モデル、例えば、Bonvini SJ, et al., J Allergy Clin Immunol. 2016 Jul;138(1):249-261.e12に挙げられているモルモットモデルで、咳嗽を処置するそれらの能力に関して試験される。式(I)の化合物の有効性は、患者において、Abdulqawi R, et al. Lancet. 2015 Mar 28; 385(9974):1198-1205に挙げられているような客観的咳嗽監視および特定のQOL質問票(quality of life instruments)を用いて、急性咳嗽、亜急性咳嗽および慢性咳嗽を含む咳嗽を処置するそれらの能力に関して試験される。
【0087】
本発明の処置方法は、安全かつ有効な量の式Iによる化合物またはその薬学上許容可能な塩を、それを必要とする患者に投与することを含んでなる。
【0088】
本明細書で使用する場合、病態に関して「処置する」とは、(1)病態もしくは病態の1以上の生物学的徴候を改善すること、(2)(a)病態をもたらす、もしくは病態の原因となる生体カスケードにおける1以上の点、または(b)病態の1以上の生物学的徴候を妨げること、(3)病態に関連する1以上の症状もしくは影響を緩和すること、または(4)病態もしくは病態の1以上の生物学的徴候の進行を遅らせることを意味する。
【0089】
用語「治療すること」およびその派生語は、治療的療法を指す。治療的療法は、症状を緩和するまたは疾患の初期徴候もしくはその進行を処置するために適当である。
【0090】
当業者ならば、「予防」が絶対的な用語でないことを認識するであろう。医学では、「予防」は、病態もしくはその生物学的徴候の可能性もしくは重篤度を実質的に減じるため、またはこのような病態もしくはその生物学的徴候の発症を遅らせるための薬物の予防的投与を指すと理解される。
【0091】
本明細書で使用する場合、本発明の化合物または他の薬学上活性な薬剤に関して「安全かつ有効な量」とは、健全な医学的判断の範囲内で、(妥当な利益/リスク比で)患者の病態を治療するには十分であるが、重大な副作用を回避するのに十分少ない化合物の量を意味する。化合物の安全かつ有効な量は、選択する特定の化合物(例えば、化合物の効力、有効性、および半減期を考慮する);選択する投与経路;処置される病態;処置される病態の重篤度;処置される患者の年齢、大きさ、体重および健康状態;処置される患者の病歴;処置期間;併用療法の性質;所望の治療効果などの要因によって異なるが、当業者ならば慣例的に決定することができる。
【0092】
本明細書で使用する場合、「患者」または「対象」は、ヒトまたはそれ以外の哺乳動物を指す。
【0093】
さらなる側面において、本発明は、アテローム性動脈硬化症、血管原性浮腫に関連する障害、術後腹水腫、眼浮腫、脳浮腫、局所性および全身性浮腫、体液貯留、敗血症、高血圧症、炎症、骨関連機能障害およびうっ血性心不全、肺障害、慢性閉塞性肺疾患、人工呼吸器誘発肺損傷、高地肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、急性肺損傷、肺線維症およびその他の線維症関連障害、副鼻腔炎/鼻炎、喘息、COPD、咳嗽(急性咳嗽、亜急性咳嗽および慢性咳嗽を含む)、肺高血圧症、過活動膀胱、膀胱炎、疼痛、運動ニューロン障害、遺伝性機能獲得型障害、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、心血管疾患、急性、慢性および多発性嚢胞腎疾患、脳卒中、水頭症、緑内障、網膜症、子宮内膜症、早期陣痛、皮膚炎、掻痒症、肝疾患の掻痒症、門脈圧亢進症および肝硬変の腹水および合併症、糖尿病、代謝障害、肥満、片頭痛、アルツハイマー病、膵炎、腫瘍抑制、免疫抑制、骨関節炎、クローン病、腎機能障害、大腸炎、下痢、腸管の不規則性(過敏性/反応低下)、大便失禁、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、腸管疼痛および痙攣、セリアック病、ラクトース不耐症、または鼓腸の処置において使用するための式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。好適には、本発明は、うっ血性心不全の処置において使用するための式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。好適には、本発明は、急性肺損傷の処置において使用するための式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。好適には、本発明は、脳浮腫の処置において使用するための式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。好適には、本発明は、心不全の処置において使用するための式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。好適には、本発明は、急性咳嗽、亜急性咳嗽および慢性咳嗽を含む咳嗽の処置において使用するための式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。好適には、本発明は、急性呼吸窮迫症候群の処置において使用するための式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。
【0094】
別の側面では、本発明は、アテローム性動脈硬化症、血管原性浮腫に関連する障害、術後腹水腫、眼浮腫、脳浮腫、局所性および全身性浮腫、体液貯留、敗血症、高血圧症、炎症、骨関連機能障害およびうっ血性心不全、肺障害、慢性閉塞性肺疾患、人工呼吸器誘発肺損傷、高地肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、急性肺損傷、肺線維症およびその他の線維症関連障害、副鼻腔炎/鼻炎、喘息、COPD、咳嗽(急性咳嗽、亜急性咳嗽および慢性咳嗽を含む)、肺高血圧症、過活動膀胱、膀胱炎、疼痛、運動ニューロン障害、遺伝性機能獲得型障害、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、心血管疾患、急性、慢性および多発性嚢胞腎疾患、脳卒中、水頭症、緑内障、網膜症、子宮内膜症、早期陣痛、皮膚炎、掻痒症、肝疾患の掻痒症、門脈圧亢進症および肝硬変の腹水および合併症、糖尿病、代謝障害、肥満、片頭痛、アルツハイマー病、膵炎、腫瘍抑制、免疫抑制、骨関節炎、クローン病、大腸炎、下痢、腸管の不規則性(過敏性/反応低下)、大便失禁、過敏性腸症候群(IBS)、便秘、腸管疼痛および痙攣、セリアック病、ラクトース不耐症、または鼓腸の処置のための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩の使用を提供する。好適には、本発明は、うっ血性心不全の処置のための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩の使用を提供する。好適には、本発明は、急性肺損傷の処置のための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩の使用を提供する。好適には、本発明は、脳浮腫の処置のための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩の使用を提供する。好適には、本発明は、心不全の処置のための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。好適には、本発明は、急性咳嗽、亜急性咳嗽および慢性咳嗽を含む咳嗽の処置のための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。好適には、本発明は、急性呼吸窮迫症候群の処置のための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を提供する。
【0095】
本発明の化合物は、全身投与および局所投与の両方を含む、好適な任意の投与経路で投与することができる。全身投与としては、経口投与、非経口投与、経皮投与、直腸投与および吸入による投与が含まれる。非経口投与とは、経腸、経皮または吸入以外の投与経路を指し、一般に注射または点滴によるものである。非経口投与としては、静脈内、筋肉内および皮下の注射または点滴が含まれる。吸入とは、口を介する吸入であれ鼻道を介する吸入であれ、患者の肺への投与を指す。局所投与としては、皮膚への塗布ならびに眼内、耳内、膣内および鼻腔内投与が含まれる。好適には、投与は経口である。好適には、投与は静脈内である。好適には、投与は吸入による。
【0096】
本発明の化合物は、1回で投与してもよいし、または一定の時間にわたって様々な時間間隔で複数の用量が投与される投与計画に従って投与してもよい。例えば、用量は1日あたり1回、2回、3回または4回投与してもよい。用量は、所望の治療効果が達成されるまで、または所望の治療効果を維持するために無期限に投与してもよい。本発明の化合物の好適な投与計画は、吸収、分布および半減期などの、化合物の薬物動態学的特性によって決まるが、それは当業者によって決定可能である。加えて、そのような計画を行う期間を含む、本発明の化合物の好適な投与計画は、処置される病態、処置される病態の重篤度、処置される患者の年齢および健康状態、処置される患者の病歴、併用療法の性質、所望の治療効果、ならびに当業者の知識および専門技術の範囲内の同様の要因によって決まる。当業者にはさらに、好適な投与計画は、その投与計画に対する個々の患者の応答を考慮して、あるいは個々の患者の要求の変化に応じて経時的に、調整をする必要があり得ることが理解されるであろう。
【0097】
典型的な1日用量は、選択する特定の投与経路によって変わり得る。経口投与の典型的な用量は、1人1用量あたり1mg〜1000mgの範囲である。好ましい用量は1人あたり1〜500mgを1日1回または1日2回(BID)投与である。
【0098】
さらに、本発明の化合物はプロドラッグとして投与してもよい。本明細書で使用する場合、本発明の化合物の「プロドラッグ」とは、患者に投与すると最終的にin vivoにて本発明の化合物を遊離する、本化合物の機能的誘導体である。本発明の化合物をプロドラッグとして投与することにより、当業者は以下の1以上を成し得る:(a)in vivoにおける本化合物の作用発現の改変、(b)in vivoにおける本化合物の作用持続時間の改変、(C)in vivoにおける本化合物の輸送または分布の改変、(d)in vivoにおける本化合物の溶解度の改変、および(e)本化合物に伴う副作用または他の問題の克服。プロドラッグの調製に用いる典型的な機能的誘導体としては、in vivoにおいて化学的または酵素的に切断される本化合物の修飾物が含まれる。このような修飾物は、リン酸塩、アミド、エーテル、エステル、チオエステル、炭酸塩およびカルバミン酸塩の調製物を含み、当業者には周知である。
【0099】
式(I)の化合物およびそれらの薬学上許容可能な塩は、呼吸器系疾患の予防または治療に有用であり得る1以上の他の薬剤、例えば、抗原免疫療法、抗ヒスタミン薬、コルチコステロイド(例えば、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フロ酸モメタゾン、トリアムシノロン、フルニソリド)、NSAIDS、ロイコトリエン調節薬(例えば、モンテルカスト、ザフィルルカスト、プランルカスト)、トリプターゼ阻害剤、IKK2阻害剤、p38阻害剤、Syk阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、例えば、エラスターゼ阻害剤、インテグリン拮抗薬(例えば、β−2インテグリン拮抗薬)、アデノシンA2a作動薬、伝達物質遊離抑制剤、例えば、クロモグリク酸ナトリウム、5−リポキシゲナーゼ阻害剤(zyflo)、DP1拮抗薬、DP2拮抗薬、PI3Kδ阻害剤、ITK阻害剤、LP(リゾホスファチジン酸)阻害剤またはFLAP(5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質)阻害剤(例えば、3−(3−(tert−ブチルチオ)−1−(4−(6−エトキシピリジン−3−イル)ベンジル)−5−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)−1H−インドール−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸ナトリウム)、気管支拡張薬(例えば、ムスカリン性拮抗薬、β−2作動薬)、メトトレキサート、および類似の薬剤;モノクローナル抗体療法、例えば、抗IgE、抗TNF、抗IL−5、抗IL−6、抗IL−12、抗IL−1および類似の薬剤;サイトカイン受容体療法、例えば、エタネルセプトおよび類似の薬剤;抗原非特異的免疫療法(例えば、インターフェロンまたは他のサイトカイン/ケモカイン、ケモカイン受容体調節薬、例えば、CCR3、CCR4またはCXCR2拮抗薬、他のサイトカイン/ケモカイン作動薬または拮抗薬、TLR作動薬および類似の薬剤)と併用可能である。
【0100】
好適には、喘息、COPDの処置には、本発明の化合物または医薬処方物は、例えばコルチコステロイドなどの抗炎症薬、またはその医薬処方物とともに投与してよい。例えば、本発明の化合物は、コルチコステロイドなどの抗炎症薬とともに、吸入用のドライパウダー処方物などの単一の処方物中に製剤化してよい。あるいは、本発明の化合物を含んでなる医薬処方物は、コルチコステロイドなどの抗炎症薬を含んでなる医薬処方物とともに、同時または逐次のいずれかで投与してよい。一つの実施形態では、本発明の化合物を含んでなる医薬処方物およびコルチコステロイドなどの抗炎症薬を含んでなる医薬処方物をそれぞれ、吸入による両処方物の同時投与に好適な装置に保持させてもよい。
【0101】
本発明の化合物とともに投与するのに好適なコルチコステロイドとしては、限定されるものではないが、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(beclomethasone diproprionate)、ブデソニド、シクレソニド、フロ酸モメタゾン、トリアムシノロン、フルニソリドおよびプレドニシロン(prednisilone)が含まれる。本発明の一つの実施形態では、吸入により本発明の化合物とともに投与するためのコルチコステロイドとしては、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(beclomethasone diproprionate)、ブデソニド、シクレソニド、フロ酸モメタゾン、およびフルニソリドが含まれる。
【0102】
好適には、COPDの処置には、本発明の化合物または医薬処方物は、1以上の気管支拡張薬またはその医薬処方物とともに投与してよい。例えば、本発明の化合物は、1以上の気管支拡張薬とともに、吸入用のドライパウダー処方物などの単一の処方物中に製剤化してよい。あるいは、本発明の化合物を含んでなる医薬処方物は、1以上の気管支拡張薬を含んでなる医薬処方物とともに、同時または逐次のいずれかで投与してよい。さらなる選択肢では、本発明の化合物と気管支拡張薬を含んでなる処方物は、さらなる気管支拡張薬を含んでなる医薬処方物とともに投与してよい。一つの実施形態では、本発明の化合物を含んでなる医薬処方物および1以上の気管支拡張薬を含んでなる医薬処方物はそれぞれ、吸入による両処方物の同時投与に好適な装置に保持させてもよい。さらなる実施形態では、気管支拡張薬とともに本発明の化合物を含んでなる医薬処方物およびさらなる気管支拡張薬を含んでなる医薬処方物はそれぞれ、吸入による両処方物の同時投与に好適な1以上の装置に保持させてもよい。
【0103】
本発明の化合物とともに投与するために好適な気管支拡張薬としては、限定されるものではないが、β−アドレナリン受容体作動薬および抗コリン作動薬が含まれる。β−アドレナリン受容体作動薬の例としては、例えば、ビランテロール、サルメテロール、サルブタモール、フォルモテロール、サルメファモール、フェノテロール カルモテロール、エタンテロール、ナミンテロール、クレンブテロール、ピルブテロール、フレルブテロール、レプロテロール、バムブテロール、インダカテロール、テルブタリンおよびその塩、例えば、サルメテロールのキシナホ酸(1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸)塩、サルブタモールの硫酸塩またはフォルモテロールのフマル酸塩が含まれる。好適な抗コリン作動薬としては、ウメクリジニウム(例えば、臭化物として)、イプラトロピウム(例えば、臭化物として)、オキシトロピウム(例えば、臭化物として)およびチオトロピウム(例えば、臭化物として)が含まれる。本発明の一つの実施形態では、本発明の化合物は、ビランテロールなどのβ−アドレナリン受容体作動薬、およびウメクリジニウムなどの抗コリン作動薬とともに投与してよい。
【0104】
組成物
本発明の化合物は、必ずしも必要ではないが通常、患者に投与する前に医薬組成物として製剤化される。よって、別の側面では、本発明は、本発明の化合物および薬学上許容可能な添加剤を含んでなる医薬組成物を対象とする。
【0105】
本発明の医薬組成物は、安全かつ有効な量の本発明の化合物が抽出できるバルク形態で調製および包装された後、散剤またはシロップ剤などとともに患者に与えることができる。あるいは、本発明の医薬組成物は、物理的に個別の各単位が安全かつ有効な量の本発明の化合物を含有している単位投与形で調製および包装してもよい。単位投与形で調製する場合、本発明の医薬組成物は一般に1mg〜1000mgを含有する。
【0106】
本発明の医薬組成物は一般に、本発明の1種類の化合物を含有する。しかしながら、特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、本発明の2種類以上の化合物を含有する。例えば、特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、本発明の2種類の化合物を含有する。さらに、本発明の医薬組成物は、場合により1種類以上の付加的な薬学上有効な化合物をさらに含んでなってもよい。
【0107】
本明細書で使用する場合、「薬学上許容可能な添加剤」とは、医薬組成物に剤形または稠度を付与することに関与する薬学上許容可能な材料、組成物またはビヒクルを意味する。各添加剤は、混合した際に、患者に投与した時に本発明の化合物の有効性を実質的に低下させてしまう相互作用、および薬学上許容可能でない医薬組成物が生じてしまう相互作用が避けられるように、その医薬組成物の他の成分と適合しなければならない。さらに、各添加剤は、当然ながら、それを薬学上許容可能なものとするのに十分高い純度でなければならない。
【0108】
本発明の化合物および薬学上許容可能な1または複数の添加剤は、一般に、所望の投与経路で患者に投与するのに適した投与形に製剤化される。例えば、投与形としては、(1)錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤、トローチ錠、散剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、液剤、乳剤、サシェ剤およびカシェ剤などの経口投与に適したもの、(2)再構成用の滅菌溶液、懸濁剤および散剤などの非経口投与に適したもの、(3)経皮パッチなどの経皮投与に適したもの、(4)坐剤などの直腸投与に適したもの、(5)ドライパウダー、エアロゾル、懸濁剤および液剤などの吸入に適したもの、ならびに(6)クリーム、軟膏、ローション、液剤、ペースト、スプレー、フォームおよびゲルなどの局所投与に適したものが含まれる。
【0109】
好適な薬学上許容可能な添加剤は、選択する特定の投与形によって異なる。さらに、好適な薬学上許容可能な添加剤は、その添加剤が組成物中で果たし得る特定の機能に関して選択してもよい。例えば、特定の薬学上許容可能な添加剤は、均一な投与形の製造を容易にするその能力に関して選択してもよい。特定の薬学上許容可能な添加剤は、安定な投与形の製造を容易にするその能力に関して選択してもよい。特定の薬学上許容可能な添加剤は、本発明の1または複数の化合物を患者に投与した後に、ある器官またはある身体部分から別の器官または別の身体部分への運搬または輸送を容易にするその能力に関して選択してもよい。特定の薬学上許容可能な添加剤は、患者のコンプライアンスを高めるその能力に関して選択してもよい。
【0110】
好適な薬学上許容可能な添加剤としては、以下の種類の添加剤:希釈剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、造粒剤、被覆剤、湿潤剤、溶媒、補助溶媒、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、香味剤、矯味剤、着色剤、固化防止剤、保湿剤(hemectant)、キレート剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、保存剤、安定剤、界面活性剤および緩衝剤が含まれる。当業者ならば、特定の薬学上許容可能な添加剤が、2つ以上の機能を果たし得ること、および処方物中にどれだけの量の添加剤が存在するか、また、処方物中に存在する他の成分によって、別の機能を果たし得ることを認識するであろう。
【0111】
当業者は、本発明に用いるのに適切な量の好適な薬学上許容可能な添加剤を選択することができるだけの当技術分野における知識および技術を有している。さらに、薬学上許容可能な添加剤について記載し、好適な薬学上許容可能な添加剤の選択において有用であり得る、当業者が利用可能な情報源が数多くある。例としては、 Remington's Pharmaceutical Sciences 第17版(Mack Publishing Company)、The Handbook of Pharmaceutical Additives 1997 (Gower Publishing Limited)、およびThe Handbook of Pharmaceutical Excipients 第6版(the American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Press)が挙げられる。
【0112】
本発明の医薬組成物は、当業者に公知の技術および方法を用いて調製される。当技術分野において慣用される方法のいくつかは、Remington's Pharmaceutical Sciences 第17版(Mack Publishing Company)に記載されている。
【0113】
一つの側面では、本発明は、安全かつ有効な量の本発明の化合物および希釈剤または増量剤を含んでなる錠剤またはカプセル剤などの固形経口投与形を対象とする。好適な希釈剤および増量剤としては、ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプンおよびアルファ化デンプン)、セルロースおよびその誘導体(例えば、微晶質セルロース)、硫酸カルシウムならびに第二リン酸カルシウムが含まれる。経口固形投与形は結合剤をさらに含んでなってもよい。好適な結合剤としては、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプンおよびアルファ化デンプン)、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、トラガカント、グアーガム、ポビドン、ならびにセルロースおよびその誘導体(例えば、微晶質セルロース)が含まれる。経口固形投与形は崩壊剤をさらに含んでなってもよい。好適な崩壊剤としては、クロスポビドン、グリコール酸ナトリウムデンプン、クロスカルメロース、アルギン酸およびカルボキシメチルセルロースナトリウムが含まれる。経口固形投与形は滑沢剤をさらに含んでなってもよい。好適な滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよびタルクが含まれる。
【0114】
本化合物は、単独でまたは1以上の他の治療薬とともに投与してよく、前記薬剤は、エンドセリン受容体拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシン(angiotension)II受容体拮抗薬、バソペプチダーゼ阻害剤、バソプレシン受容体調節薬、利尿剤、ジゴキシン、β遮断薬、アルドステロン拮抗薬、強心薬、NSAIDS、一酸化窒素供与体、カルシウムチャネル調節薬、ムスカリン性拮抗薬、ステロイド系抗炎症薬、気管支拡張薬、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン拮抗薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、二重非選択性Pアドレナリン受容体およびn1−アドレナリン受容体拮抗薬、タイプ5ホスホジエステラーゼ阻害剤、およびレニン阻害剤からなる群から選択される。
【0115】
別の側面では、本発明は、吸入による患者への投与に適した投与形を対象とする。例えば、本発明の化合物は、ドライパウダー、エアロゾル、懸濁液、または溶液として肺に吸入されてよい。
【0116】
吸入による肺への送達のためのドライパウダー組成物は一般に、微粉としての本発明の化合物を微粉としての1種類以上の薬学上許容可能な添加剤とともに含んでなる。ドライパウダーで使用するために特に適合し薬学上許容可能な添加剤は当業者に知られており、ラクトース、デンプン、マンニトール、および単糖類、二糖類および多糖類が含まれる。
【0117】
本発明に従って使用するためのドライパウダー組成物は、吸入装置を介して投与される。一例として、このような装置は、例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジ、または例えば、ラミネートアルミホイルのブリスターを包含し得る。種々の実施形態において、各カプセル、カートリッジまたはブリスターは、本明細書に示される教示に従って特定の用量の組成物を含有し得る。吸入装置の例としては、本明細書に示される総ての装置を含む、組成物の単位用量または多用量送達に意図されるものを含み得る。一例として、多用量送達の場合、処方物は、前計量(例えば、Diskus、GB2242134、米国特許第6,032,666号、同第5,860,419号、同第5,873,360号、同第5,590,645号、同第6,378,519号および同第6,536,427号参照またはDiskhaler、英国特許第2178965号、同第2129691号および同第2169265号、米国特許第4,778,054号、同第4,811,731号、同第5,035,237号参照)または使用時計量(例えば、Turbuhaler、欧州特許第69715号、または米国特許第6,321,747号に記載の装置)が可能である。単位用量装置の例として、Rotahaler(英国特許第2064336号参照)がある。一つの実施形態では、Diskus吸入装置は、その長さに沿って間隔をおいて配置された複数の凹部を有するベースシートと、それに対して、各容器が中に所望により本明細書に教示される他の添加剤および添加物をともに化合物を含有する吸入可能な処方物を含む複数の容器を画定するように剥離可能に封止されたリッドシートとから形成される細長いストリップを含んでなる。剥離可能なシールは工作シールであり、一つの実施形態では、工作シールは、気密シールである。好ましくは、このストリップは、ロール状に巻かれるのに十分柔軟である。リッドシートおよびベースシートは、好ましくは、互いに封止されない先端部を有し、それらの先端部の少なくとも1つは巻き取り部材に接着されて構成される。また、好ましくは、ベースシートとリッドシートの間の工作シールは、それらの全幅に及ぶ。リッドシートは好ましくは、ベースシートの最初の末端から長手方向にベースシートから剥離し得る。
【0118】
ドライパウダー組成物はまた、組成物の2つの異なる成分の個別収容を可能とする吸入装置で提供してもよい。よって、例えば、これらの成分は同時に投与されるが、例えば、国際公開第03/061743 A1号、同第2007/012871 A1号および/または同第2007/068896号、ならびに米国特許第8,113,199号、同第8,161,968号、同第8,511,304号、同第8,534,281号、同第8,746,242号および同第9,333,310号に記載されるような別個の医薬組成物として個別に保存される。
【0119】
一つの実施形態では、成分の個別収容を可能とする吸入装置は、2本の剥離可能なブリスターストリップを有する吸入装置であり、各ストリップは、長さに沿って配置されたブリスターポケット、例えば、ELLIPTA(登録商標)に見られるような各ブリスターストリップ内の複数の容器に前計量用量を含有する。前記デバイスは、装置が作動される度に、各ストリップのポケットを剥離開封し、各ストリップの新たに露出した各用量が、装置のマウスピースと連絡するマニホールドと隣接するような位置にブリスターを置く内部インデックス機構を有する。患者がマウスピースで吸入すると、各用量は、同時に、その関連するポケットからマニホールド中へ吸い出され、マニホールドを介して患者の気道へ飛沫同伴する。異なる成分の個別収容を可能とするさらなる装置は、InnovataのDUOHALER(商標)である。さらに、吸入装置の様々な構造が、同時送達の他、装置からの医薬組成物の逐次または個別送達を提供する。エアロゾルは、本発明の化合物を液化噴射剤中に懸濁または溶解させることによって形成され得る。好適な噴射剤としては、ハロカーボン、炭化水素、およびその他の液化ガスが含まれる。代表的な噴射剤としては、トリクロロフルオロメタン(噴射剤11)、ジクロロフルオロメタン(噴射剤12)、ジクロロテトラフルオロエタン(噴射剤114)、テトラフルオロエタン(HFA−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFA−152a)、ジフルオロメタン(HFA−32)、ペンタフルオロエタン(HFA−12)、ヘプタフルオロプロパン(HFA−227a)、ペルフルオロプロパン、ペルフルオロブタン、ペルフルオロペンタン、ブタン、イソブタン、およびペンタンが含まれる。本発明の化合物を含んでなるエアロゾルは一般に、定量噴霧式吸入器(MDI)を介して患者に投与される。このような装置は当業者に公知である。エアロゾルは、一般に多用量吸入器とともに使用される、処方物の物理的安定性を改善するため、バルブ性能を改善するため、溶解度を改善するため、または味を改善するための、界面活性剤、滑沢剤、補助溶媒およびその他の添加剤などの薬学上許容可能な付加的添加剤を含有してよい。
【0120】
本発明の化合物を含んでなる懸濁液および溶液はまた、ネブライザーを介して患者に送達することもできる。噴霧化に使用される溶媒または懸濁化剤は、水、生理食塩水、アルコールまたはグリコール、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど、またはそれらの混合物などの任意の薬学上許容可能な液体であり得る。生理食塩水は、投与後に薬理活性をほとんどまたは全く示さない塩を使用する。アルカリ金属またはアンモニウムハロゲン塩などの両有機塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウムまたは有機塩、例えば、カリウム、ナトリウムおよびアンモニウム塩または有機酸、例えば、アスコルビン酸、クエン酸、酢酸、酒石酸などがこの目的で使用可能である。他の薬学上許容可能な添加剤も懸濁液または溶液に添加可能である。本発明の化合物は、無機酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸および/またはリン酸;有機酸、例えば、アスコルビン酸、クエン酸、酢酸、および酒石酸など;EDTAまたはクエン酸およびその塩などの錯化剤;またはビタミンEもしくはアスコルビン酸などの酸化防止剤の添加によって安定化され得る。これらは、本発明の化合物を安定化させるために単独でまたは一緒に使用することができる。塩化ベンザルコニウムまたは安息香酸およびその塩などの保存剤も添加可能である。界面活性剤は、特に懸濁液の物理的安定性を改善するために添加可能である。これらには、レシチン、ジオクチルスルホコハク酸二ナトリウム、オレイン酸およびソルビタンエステルが含まれる。
実施例
【0121】
以下の実施例により、本発明を説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の化合物、組成物および方法を製造および使用するための指針を当業者に提供することを意図したものである。本発明の特定の実施形態について記載するが、当業者ならば、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の変更および改変を行うことができることを認識するであろう。
【0122】
これら実施例では、
化学シフトは百万分率(ppm)の単位で表す。カップリング定数(J)はヘルツ(Hz)の単位である。分裂パターンは見かけの多重度を表すものであり、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、dd(二重の二重線)、dt(二重の三重線)、m(多重線)、br(ブロード)として示される。
【0123】
フラッシュカラムクロマトグラフィーはシリカゲル上で行った。
【0124】
LCMSデータは、10%〜100%アセトニトリル/0.05%または0.1%いずれかのTFAを含有する水の勾配で溶出するC18カラム備えたエレクトロスプレーポジティブ[M+Hイオンを与えるためにES+ve]を用いて作成した。
【0125】
使用した命名プログラムは、ACD Name Pro 6.02またはChem Draw Ultra 12の命名機能である。
【0126】
以下の略語および用語は、示されている意味を一貫して有する。
【0127】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【0128】
中間体1
3−ヒドロキシ−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル
【化12】
【0129】
工程1:3−(ベンゾイルオキシ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化13】
【0130】
オーバーヘッドスターラーを備えた3Lの反応容器に、2−メチルテトラヒドロフラン(1500mL)中、3−ヒドロキシ−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(158g、793mmol、Alcaraz, L.; Cridland, A.; Kinchin, E. Org. Lett. 2001, 3, 4051の方法で製造)およびEtN(170mL、1.19mol)を充填した。この溶液に10℃(内部温度)で、温度が10〜12℃に維持されるように塩化ベンゾイル(110mL、952mmol)を加え、次いで、DMAP(19.4g、159mmol)を加え、その後、この混合物を周囲温度に温め、一晩撹拌した。この混合物を水(1L)で洗浄し、有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して琥珀色の油状物を得た。ヘプタン中10〜25%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)によって純粋な生成物画分を得、これをプールし、濃縮し、静置した際に標題化合物を低融点(56〜58℃)の白色固体として得た(210g、671mmol、収率85%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 7.91-8.07 (m, 2H), 7.62-7.71 (m, 1H), 7.47-7.59 (m, 2H), 5.73 (dd, J = 4.4, 2.9 Hz, 1H), 5.42 ( s, 1H), 5.35 (s, 1H), 4.05-4.16 (m, 1H), 3.92-4.02 (m, 1H), 3.73-3.85 (m, 1H), 3.50 (dd, J = 12.4, 2.6 Hz, 1H), 1.41 (br s, 9H)。
【0131】
工程2:キラル分割:3−(ベンゾイルオキシ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)および(S)−tert−ブチル
【化14】
【0132】
ラセミ3−ヒドロキシ−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(800g)を500mL/分の流速のヘプタン/IPA(75/25)で溶出する分取HPLC(Chiralpak IC、100×250mm)により、12.5gバッチにて10分周期で分割した。各鏡像異性体画分を合わせ、減圧下で濃縮し、EtOから再濃縮し、各鏡像異性体を薄黄色の液体として得た、R−異性体:380g、キラルHPLC:96.2%ee、1H NMR (400 MHz, CD3OD) d: 8.03 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.60-7.68 (m, 1H), 7.47-7.54 (m, 2H), 5.81 (br s, 1H), 5.50 (br s, 1H), 5.36 (br s, 1H), 4.17-4.25 (m, 1H), 4.01-4.10 (m, 1H), 3.83 (br s, 1H), 3.64 (dd, J = 12.5, 1.8 Hz, 1H), 1.51 (br s, 9H)。MS (m/z) 304 (M+H+)。S−異性体:352g、キラルHPLC:98%ee、1H NMR (400 MHz, CD3OD) d: 7.99-8.06 (m, 2H), 7.60-7.67 (m, 1H), 7.47-7.54 (m, 2H), 5.80 (br s, 1H), 5.49 (br s, 1H), 5.36 (br s, 1H), 4.16-4.25 (m, 1H), 4.01-4.09 (m, 1H), 3.83 (br s, 1H), 3.64 (dd, J = 12.4, 2.1 Hz, 1H), 1.51 (s, 9H)。MS (m/z) 303.9 (M+H+)。
【0133】
工程3:3−ヒドロキシ−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル
KOHペレット(61.4g、1.09mol)を室温でMeOH(200mL)に加えた。この温/熱溶液を氷浴中で冷却して温度を25℃に下げた。氷浴中で冷却しながら、MeOH(100mL)中、3−(ベンゾイルオキシ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(83g、274mmol)の溶液を一度に加えた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。懸濁液をセライトで濾過し、ケークをMeOH(60mL)およびMTBE(100mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮し、固体残渣を水(250mL)に溶かした。水相を減圧下で再濃縮してMeOHの最後の痕跡を除去し、MTBE(3×330mL)で抽出した。合わせた有機液をブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物を淡褐色がかった油状物として得た(55.0g、収率95%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) d: 5.27 (br s, 1H), 5.14 (br s, 1H), 4.54-58 (m, 1H), 4.03-4.12 (m, 1H), 3.91-3.99 (br m, 1H), 3.58-3.68 (m, 1H), 3.21-3.28 (1H, 部分的に溶媒ピークに隠れている), 1.49 (s, 9H)。MS (m/z) 199.9 (M+H+)。
【0134】
立体化学の反転
3−(ベンゾイルオキシ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル
【化15】
【0135】
工程1:3−ヒドロキシ−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル
【化16】
【0136】
KOHペレット(66.0g、1.18mol)を室温でMeOH(250mL)に加えた。この温/熱溶液を氷浴中で冷却して温度を25℃に下げた。氷浴中で冷却しながら、MeOH(150mL)中、3−(ベンゾイルオキシ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル(102g、336mmol)の溶液を一度に加えた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。懸濁液をセライトで濾過し、ケークをMeOH(100mL)およびMTBE(150mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮し、固体残渣を水(300mL)に溶かした。水相を減圧下で再濃縮してMeOHの最後の痕跡を除去し、MTBE(3×330mL)で抽出した。合わせた有機液をブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物を淡褐色がかったシロップとして得た(68.7g、収率103%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) d: 5.26 (br s, 1H), 5.15 (br s, 1H), 4.56 (br s, 1H), 4.01-4.14 (m, 1H), 3.97 (d, J = 4.8Hz, 1H) 3.64 (br s, 1H), 3.23-3.28 (1H, 部分的に溶媒ピークに隠れている), 1.49 (s, 9H)。MS (m/z) 199.9 (M+H+)。
【0137】
工程2:3−(ベンゾイルオキシ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル
機械的撹拌機、温度計を備えた2L RB 3口フラスコに、窒素下で、THF(700mL)、次いで、3−ヒドロキシ−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル(37.0g、186mmol)、安息香酸(27.2g、223mmol)およびPS−PPh(3mmol/g)(105g、316mmol)を加えた。純アゾジカルボン酸ジイソプロピル(46.0g、223mmol)を、内部温度が10℃を超えないように、添加漏斗を介して少量ずつ、1時間かけて滴下した。添加が完了した後、この混合物を氷浴中で30分間撹拌した。氷浴を外し、反応物を2時間温めた。この混合物に室温で2.5gのDIADおよび10gのPPh−固相ビーズを加え、この混合物を室温でさらに20時間撹拌した。この懸濁液を濾過し、樹脂をEtOAc(4×100mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、褐色がかった粗油状物(108g)を得た。この油状物をMTBE(100mL)に取って懸濁液とし、これを濾過して灰白色固体を除去した。濾液を濃縮し、ヘキサン中0〜50%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、減圧下で濃縮し、標題化合物を透明な淡黄色がかった油状物として得た(39.17g、収率70%)。キラル純度:97.8%ee。1H NMR (400 MHz, CD3OD) d: 8.02 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.59-7.66 (m, 1H), 7.46-7.53 (m, 2H), 5.80 (br s, 1H), 5.49 (br s, 1H), 5.35 (br s, 1H), 4.16-4.24 (m, 1H), 4.01-4.09 (m, 1H), 3.82 (br s, 1H), 3.64 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 1.50 (s, 9H)。MS (m/z) 304.1 (M+H+)。この化合物を加水分解すると、上記のような中間体1を得ることができる。
【0138】
中間体2
3−メチレン−4−((メチルスルホニル)オキシ)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル
【化17】
【0139】
3−メチレン−4−((メチルスルホニル)オキシ)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル
DCM(200mL)中、3−ヒドロキシ−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(20.4g、103mmol)の冷却溶液に、0℃でEtN(21.4mL、154mmol)を加え、次いで、塩化メタンスルホニル(11.9mL、154mmol)を滴下し、この反応混合物を室温で30分間撹拌した。この反応混合物をDMEで希釈し、HOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物を褐色油状物として得た(28.8g、収率100%)。標題化合物をそのまま次の反応で使用した。
【0140】
中間体3
【化18】
【0141】
中間体3は、Maguire, R. J.; Mulzer, J.; Bats, J. W. J. Org. Chem. 1996, 61, 6936に記載の手順に従って製造され得る。
【0142】
中間体4
2−クロロ−5−メルカプトベンゾニトリル
【化19】
【0143】
工程1:ジメチルカルバモチオ酸O−(4−クロロ−3−シアノフェニル)
【化20】
【0144】
2−クロロ−5−ヒドロキシベンゾニトリル(700mg、4.56mmol)をCHCl(15ml)に懸濁させ、DMAP(55mg、0.45mmol)TEA(1.9ml、13.7mmol)およびジメチルカルバモチオン酸塩化物(dimethylcarbamothioic chloride)(676mg、5.47mmol)で処理した。次に、この混合物を45℃で一晩加熱した後、DCM(100mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜30%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。目的生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物を白色固体として得た(965mg、収率88%)。MS (m/z) 240.8 (M+H+)。
【0145】
工程2:ジメチルカルバモチオ酸S−(4−クロロ−3−シアノフェニル)
【化21】
【0146】
ジメチルカルバモチオ酸O−(4−クロロ−3−シアノフェニル)(965mg、4.01mmol)を200℃で3.5時間加熱した。この反応混合物を冷却し、粗材料をそのまま工程3で使用した(965mg、収率100%)。MS (m/z) 240.8 (M+H+)。
【0147】
工程3:2−クロロ−5−メルカプトベンゾニトリル
MeOH(10mL)およびTHF(7.5mL)中、ジメチルカルバモチオ酸S−(4−クロロ−3−シアノフェニル)(965mg、4.0mmol)の溶液に、KOH(400mg、7.2mmol)を加え、この反応混合物を室温で6日間撹拌した。この反応混合物を窒素流下、40℃で濃縮した。残渣をEtOAc(100mL)で処理し、0.1M HCl(水溶液)を加えてpH=2に調整した。有機層を水およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜40%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。目的生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物を白色固体として得た(383mg、収率56%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 7.92 (br s, 1H), 7.55-7.71 (m, 2H), 6.10 (br s, 1H)。MS (m/z) 169.9 (M+H+)。
【0148】
中間体5〜9は、適当なフェノールから、中間体4に関して記載したものと同様の三段階法によって製造した。
【表3】
【0149】
中間体10
5−メルカプトピコリノニトリル
【化22】
【0150】
5−メルカプトピコリノニトリル
脱酸素した(窒素スパージした)DMF(75mL)中、NaS(2.25g、28.8mmol)の混合物を、脱酸素したDMF(25mL)中、5−フルオロピコリノニトリル(3.22g、26.3mmol)の溶液で処理し、室温で19時間撹拌した。この混合物を1N NaOH(水溶液)(50mL)で希釈し、ブラインで形成された乳濁液を粉砕するDCM(2×100mL)で抽出した。この水相のpHを1N HCl(水溶液)(50mL)で約4に調整し、生じた沈澱を濾取し、乾燥させ、標題化合物を黄褐色粉末として得た(1.48g、収率41%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.67 (s, 1H), 7.98 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 8.3 Hz, 1H)。MS (m/z) 136.7 (M+H+)。
【0151】
中間体11
6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−チオール
【化23】
【0152】
工程1:S−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)カルボノジチオ酸O−エチル
【化24】
【0153】
CHCN(100mL)および水(10mL)中、p−トルエンスルホン酸一水和物(30g、160mmol)の溶液に、CHCN(40mL)中、6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−アミン(10g、62mmol)の溶液、次いで、水(50mL)中、O−エチルカルボノジチオ酸カリウム(20g、125mmol)および亜硝酸ナトリウム(8g、120mmol)の溶液を加えた。この反応混合物を室温で2時間撹拌した後、水で希釈し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をNaHCOおよび水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜5%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製し、標題化合物を淡黄色油状物として得た(13.5g、収率82%)。MS (m/z) 267.8 (M+H+)。
【0154】
工程2:6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−チオール
エタノール(100mL)中、S−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)カルボノジチオ酸O−エチル(13.5g、50.5mmol)および1N NaOH(水溶液)(100ml、100mmol)の混合物を、80℃で40分間撹拌した。この反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮し、水で希釈し、DCMで抽出した。次に、水層を酢酸で中和し、得られた混合物をDCMで抽出した。有機抽出液を無水MgSOで乾燥させ、濃縮し、標題化合物を無色の油状物として得た(6.5g、収率72%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) d: 8.60 (s, 1H), 7.76 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 3.63 (s, 1H)。MS (m/z) 179.8 (M+H+)。
【0155】
中間体12
【化25】
エタノール(9mL)中、硫化水素ナトリウム(一水和物)(365mg、6.51mmol)の懸濁液に、5−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン(603mg、2.66mmol)を加え、この反応混合物を18時間還流した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、水(10mL)を加えた。水相を1N HCl(水溶液)でpH約3〜4に調整し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。有機抽出液を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、標題化合物を淡褐色油状物として得た(319mg、収率67%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 9.20 (s, 2H), 4.44-5.48 (br s, 1H)。MS (m/z) 202.9 (M+Na+)。
【0156】
中間体13
6−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−3−スルホニルクロリド
【化26】
【0157】
工程1:5−(ベンジルチオ)−2−(ジフルオロメトキシ)ピリジン
【化27】
【0158】
窒素下、トルエン(25mL)中、ベンジルメルカプタン(0.528mL、4.46mmol)、5−ブロモ−2−(ジフルオロメトキシ)ピリジン(1g、4.46mmol)、キサントホス(0.258g、0.446mmol)、およびDIPEA(1.56mL、8.93mmol)の混合物をPd(dba)(0.204g、0.223mmol)で処理し、110℃で一晩加熱した。この反応混合物を冷却し、水を加えた。この混合物を濾過し、濾液をEtOAcで抽出した。有機層を飽和NaHCO(水溶液)およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、ヘキサン中0〜100%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物を黄色油状物として得た(970mg、収率81%)。MS (m/z) 268.2 (M+H+)。
【0159】
工程2:6−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−3−スルホニルクロリド
酢酸(10mL)および水(3.3mL)中、5−(ベンジルチオ)−2−(ジフルオロメトキシ)ピリジン(860mg、3.2mmol)の溶液に、NCS(1.7g、13mmol)を加え、この反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、飽和NaHCO(水溶液)を加え、この混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中0〜100%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物を透明な油状物として得た(900mg、収率80%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.40 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.03 (dd, J = 8.5, 2.3 Hz, 1H), 7.53-7.94 (m, 1H), 7.01-7.09 (m, 1H)。
【0160】
中間体14〜16は、中間体13に関して記載したものと同様の二段階法によって製造した。第一段階で使用した適当なArXは、臭化物(X=Br)または塩化物(X=Cl)として市販されていた。第二段階のチオエーテルの塩化スルホニルへの変換は、別法としてClガスをギ酸中チオエーテルの溶液にバブリングすることによって達成することもできる。
【0161】
【表4】
【0162】
中間体17
2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド
【化28】
【0163】
2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド
濃HCl(4mL)および酢酸(3mL)の混合物中に、2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)アニリン(1g、5.6mmol)を加えた。この混合物を10℃に冷却し、最少量の水中、亜硝酸ナトリウム(0.42g、6.1mmol)の溶液を滴下し、この混合物を10℃で45分間撹拌し、ジアゾニウム塩を形成させた。別の反応フラスコで、二酸化硫黄(0.36g、5.6mmol)を飽和するまで酢酸(8mL)にバブリングした。塩化銅(I)(0.17g、1.7mmol)を加え、この混合物が緑色になるまで撹拌した。フラスコを氷浴中で冷却し、ジアゾニウム塩混合物を滴下し、この反応混合物を撹拌しながら一晩、室温に温めた。この反応混合物を氷に注ぎ、生じた固体を濾取し、水で洗浄し、乾燥させて標題化合物を得た(0.70g、収率48%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) d: 8.17 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.61-7.71 (m, 2H)。
【0164】
中間体18は、適当なアニリンから、中間体17に関して記載したものと同様の一段解法によって製造した。
【0165】
【表5】
【0166】
中間体19
4−シアノ−2−シクロプロポキシベンゼン−1−スルホニルクロリド
【化29】
【0167】
工程1:ジメチルカルバモチオ酸O−(4−シアノ−2−シクロプロポキシフェニル)
【化30】
【0168】
3−シクロプロポキシ−4−ヒドロキシベンゾニトリル(0.90g、5.1mmol)およびDMAP(0.063g、0.51mmol)をCHCl(17ml)に溶かした。TEA(2.1ml、15mmol)、次いで、ジメチルカルバモチオ酸塩化物(0.64g、5.2mmol)を加え、この反応混合物を45℃で17時間加熱した。この反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮し、粗生成物を、ヘキサン中0〜100%MTBEの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。所望の画分をプールし、減圧下で濃縮し、標題化合物を黄色油状物として得た(1.15g、収率85%。MS (m/z) 262.8 (M+H+)。
【0169】
工程2:ジメチルカルバモチオ酸S−(4−シアノ−2−シクロプロポキシフェニル)
【化31】
【0170】
ジメチルカルバモチオ酸O−(4−シアノ−2−シクロプロポキシフェニル)(1.15g、4.36mmol)を200℃で4時間加熱した後、冷却し、DCMで処理し、50℃にて窒素流下でほぼ乾固するまで濃縮した。粗生成物を、DCM中0〜10%MeOHの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。所望の画分をプールし、減圧下で濃縮し、標題化合物を赤色油状物として得、これは静置すると固化した(0.89g、収率78%)。MS (m/z) 262.9 (M+H+)。
【0171】
工程3:4−シアノ−2−シクロプロポキシベンゼン−1−スルホニルクロリド
ジメチルカルバモチオ酸S−(4−シアノ−2−シクロプロポキシフェニル)(0.89g、3.40mmol)をMeOH(5ml)およびTHF(5ml)に溶かした。NCS(1.4g、10mmol)を加え、この反応混合物を室温で30分間撹拌した。この混合物をほぼ乾固するまで減圧下で濃縮し、ヘキサン中0〜50%MTBEの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。所望の画分をプールし、減圧下で濃縮して標題化合物を透明な油状物として得、これは静置すると白色固体となった(466mg、収率53%)。MS (m/z) 258.1 (M+H+)。
【0172】
中間体20は、適当なフェノールから、中間体19に関して記載したものと同様の三段階法によって製造した。
【0173】
【表6】
【0174】
中間体21
4−シアノ−2−(ジフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド
【化32】
【0175】
工程1:4−ブロモ−3−(ジフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化33】
【0176】
4−ブロモ−3−ホルミルベンゾニトリル(1.04g、4.94mmol)をDCM(59.5ml)に溶かし、デオキソフルオル(2.7ml、14.8mmol)で処理し、45℃で1.5時間加熱した。この反応混合物を氷/水浴中で冷却し、飽和NaHCO(水溶液)で注意深く急冷した。層を分離し、水相をDCMで抽出した。有機層を合わせ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜75%MTBEの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。目的生成物画分をプールし、減圧下で濃縮し、標題化合物を白色固体として得た(980mg、収率85%)。MS ( m/z) 231.9 (M+H+)。
【0177】
工程2:4−(ベンジルチオ)−3−(ジフルオロメチル)ベンゾニトリル
【化34】
【0178】
4−ブロモ−3−(ジフルオロメチル)ベンゾニトリル(980mg、4.2mmol)、キサントホス(82mg、0.14mmol)およびPd(dba)(97mg、0.11mmol)を1,4−ジオキサン(30mL)中で合わせた。DIPEA(1.5mL、8.5mmol)およびベンジルメルカプタン(600μl、5.1mmol)を加え、この反応混合物を100℃で1時間加熱した。この混合物を濃縮し、粗生成物を、ヘキサン中0〜35%MTBEの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。目的生成物画分をプールし、減圧下で濃縮し、標題化合物を橙色の油状物として得た(1.1g、収率100%)。MS (m/z) 276.1 (M+H+)。
【0179】
工程3:4−シアノ−2−(ジフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド
4−(ベンジルチオ)−3−(ジフルオロメチル)ベンゾニトリル(1.1g、4.2mmol)をTHF(6mL)およびMeOH(6mL)に溶かし、NCS(1.70g、13mmol)を加え、この反応混合物を室温で30分間撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮し、ヘキサン中0〜40%MTBEの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。目的生成物画分をプールし、減圧下で濃縮し、標題化合物を白色固体として得た(540mg、収率51%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) d: 8.34 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.06 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.40-7.73 (m, 1H)。
【0180】
中間体22は、適当なベンズアルデヒドから、中間体21に関して記載したものと同様の三段階法によって製造した。
【0181】
【表7】
【0182】
実施例1
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル
【化35】
【0183】
工程1:3−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル
【化36】
【0184】
3−メチレン−4−((メチルスルホニル)オキシ)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(22.2g、80mmol)をDMF(300mL)に溶かし、5−クロロピリジン−2−チオール(11.7g、80mmol)、次いで、KCO(16.7g、120mmol)を加えた。この反応混合物は撹拌すると粘稠となり、室温で1時間後に完了した。この混合物を氷水に注ぎ、400mLの酢酸エチル/ヘキサン(1:1V/V)で抽出した。有機抽出液を水(2×400mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物を得た。ヘキサン中0〜15%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製を行った。プールした生成物画分を濃縮し、標題化合物をやや黄色がかった油状物として得た(21.2g、収率81%)。MS (m/z) 327.1 (M+H+)。
【0185】
工程2:3−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル
【化37】
【0186】
DCM(200mL)中、3−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル(21g、64mmol)の溶液を含有するフラスコを氷/アセトン浴中で冷却した。m−CPBA(59g、260mmol)を二等分し、これらを20分あけて加え、この混合物を1.5時間撹拌した。この混合物を10%Na(水溶液)(300mL)で急冷し、DCM(300mL)で抽出した。有機抽出液を飽和NaHCO(水溶液)(2×300mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、DCM中0〜10%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。プールした生成物画分を濃縮し、標題化合物を白色固体として得た(13.6g、収率59%)。MS (m/z) 302.9 (M+H+)。
【0187】
工程3:4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3R,4S)−tert−ブチル
【化38】
【0188】
THF(100mL)中、3−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル(13.5g、37.6mmol)の溶液に、OsO(t−BuOH中2.5%)(24mL、1.9mmol)、次いで、NMO(水中50%、19.5mL、94mmol)を加え、この反応混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物を飽和NaSO(水溶液)(120mL)で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出液をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中、0〜40%酢酸エチル/エタノール(3:1V)の勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。合わせた生成物画分を濃縮し、標題化合物を白色固体として得た(14.5g、収率98%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.91 (s, 1H), 8.33 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.59 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 4.75-4.85 (m, 1H), 4.13-4.24 (m, 1H), 3.55-3.75 (m, 4H), 3.45 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.18-3.29 (m, 1H), 1.40 (s, 9H)。MS (m/z) 393.0 (M+H+)。
【0189】
工程4:3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル
DCM(60mL)およびTFA(60mL、780mmol)中、4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3R,4S)−tert−ブチル(14.5g、36.9mmol)の混合物を室温で20分間撹拌した。この混合物を濃縮し、残渣をTHF(100mL)で希釈し、飽和NaHCO(水溶液)で塩基性とした。この混合物に、THF(100mL)中、2−クロロ−4−シアノベンゼン−1−スルホニルクロリド(10.5g、44.3mmol)の溶液を滴下し、この混合物を室温で30分間撹拌した後、ブラインで希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出液をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜40%酢酸エチル/エタノール(3:1V)の勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物を無色の半固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.90 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.37 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.33 (dd, J = 8.5, 2.4 Hz, 1H), 8.11-8.16 (m, 1H), 8.02-8.08 (m, 2H), 5.81 (s, 1H), 4.92 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.30 (dd, J = 7.6, 3.0 Hz, 1H), 3.88-3.96 (m, 1H), 3.79 (dd, J = 11.6, 3.0 Hz, 1H), 3.54-3.71 (m, 3H), 3.33-3.38 (1H, 部分的に溶媒ピークに隠れている)。MS (m/z) 492.0 (M+H+)。
【0190】
実施例2
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル
【化39】
【0191】
工程1:3−((4−クロロフェニル)チオ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル
【化40】
【0192】
DMF(177mL)中、3−メチレン−4−((メチルスルホニル)オキシ)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(8.85g、31.9mmol)の溶液に、KCO(8.82g、63.8mmol)、次いで、4−クロロベンゼンチオール(5.54g、38.3mmol)を加え、この反応混合物を室温で16時間撹拌した後、水で希釈し、EtOAcで抽出した(4回)。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、粗生成物を、ヘキサン中0〜40%MTBEの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。所望の画分をプールし、減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させ、標題化合物を白色固体として得た(5.14g、収率49%)。MS (m/z) 326.2 (M+H+)。
【0193】
工程2:4−((4−クロロフェニル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3R,4S)−tert−ブチルおよび4−((4−クロロフェニル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3S,4S)−tert−ブチル
【化41】
【0194】
3−((4−クロロフェニル)チオ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル(5.14g、15.7mmol)をTHF(150mL)に溶かした。NMO(水中50%、6.5mL、31.5mmol)、次いで、OsO(t−BuOH中2.5%)(10mL、0.80mmol)を加えた。この反応混合物を、混合を確保するために撹拌した後、撹拌しながら一晩(16時間)0℃の冷蔵庫に置いた。この混合物を撹拌しながら4時間かけて室温に温め、飽和NaSO(40mL)が入った分液漏斗に注いだ。この溶液を数時間静置し、ブラインで希釈し、層を分離した。水層をさらにEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機画分を減圧下で濃縮し、粗生成物を、ヘキサン中0〜45%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。所望の画分をプールし、減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させ、標題化合物を白色固体泡沫として得た(2.88g、収率51%)。このサンプルは、トランス/シス異性体の推定80/20混合物を含有していた(NMRによる)。この混合物は最終工程でその個々のトランス異性体およびシス異性体に分離することができる。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 7.11-7.70 (m, 4H), 5.29 (s, 1H), 4.87 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 3.68-3.82 (m, 2H), 3.54 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 3.46 (dd, J = 10.9, 4.6 Hz, 1H), 3.22-3.29 (m, 1H), 3.12-3.21 (m, 1H), 1.38 (m, 9H)。MS (m/z) 360.1 (M+H+)。
【0195】
工程3:4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3R,4S)−tert−ブチルおよび4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3S,4S)−tert−ブチル
【化42】
【0196】
4−((4−クロロフェニル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3R,4S)−tert−ブチルおよび4−((4−クロロフェニル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3S,4S)−tert−ブチル(2.9g、8.0mmol)の混合物をDCM(160mL)に溶かし、氷/水浴中で冷却した。m−CPBA(3.87g、16.8mmol)を少量ずつ加え、この反応混合物を週末にかけて(67時間)撹拌した。この混合物を濃縮し、粗生成物を、ヘキサン中0〜50%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。所望の画分をプールし、減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させ、標題化合物を白色固体として得た(1.12g、2.72mmol、収率34%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 7.91 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.78 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 5.54 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 4.86 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 3.98 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 3.71-3.79 (m, 1H), 3.44-3.70 (m, 4H), 3.17-3.29 (m, 1H), 1.36-1.42 (m, 9H)。MS (m/z) 392.1 (M+H+)。
【0197】
工程4:(3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール,塩酸塩および(3S,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール,塩酸塩
【化43】
【0198】
1,4−ジオキサン(14mL)中、4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3R,4S)−tert−ブチルおよび4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3S,4S)−tert−ブチル(1.12g、2.86mmol)の混合物に、窒素雰囲気下、ジオキサン中4N HCl(14mL、56.0mmol)を加えた。2時間後、2回目のジオキサン中4N HCl(8mL、32.0mmol)を加え、撹拌を6時間続けた。この反応混合物を減圧下で、次いで高真空下で一晩濃縮し、標題化合物を白色固体として得た(920mg、2.80mmol、収率98%)。MS (m/z) 291.9 (M+H+)。
【0199】
工程5:3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル
(3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール,塩酸塩および(3S,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−オール,塩酸塩(100mg、0.31mmol)の混合物をTHF(1.9mL)と飽和NaHCO(水溶液)(1.3mL)とで分液した。2−クロロ−4−シアノベンゼン−1−スルホニルクロリド(86mg、0.366mmol)をTHF(2mL)に懸濁させ、よく撹拌した混合物に滴下した。1時間後、層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を窒素流下、50℃で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜80%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。トランス異性体画分をプールし、減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させ、標題化合物を白色泡沫として得た(115mg、0.227mmol、収率75%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.38 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 8.11-8.15 (m, 1H), 8.05-8.10 (m, 1H), 7.82-7.87 (m, 2H), 7.75-7.79 (m, 2H), 5.79 (s, 1H), 4.99 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 4.14 (dd, J = 7.3, 3.3 Hz, 1H), 3.72-3.84 (m, 2H), 3.62-3.70 (m, 2H), 3.57 (dd, J = 11.4, 3.3 Hz, 1H), 3.37 (d, J = 9.9 Hz, 1H)。MS (m/z) 490.9 (M+H+)。
【0200】
以下の化合物は、適宜置換された出発材料を用い、実施例2に記載のものと同様の手順を用いて製造した。当業者に認識されるように、これらの類似の実施例は、一般反応条件に変更を含み得る。
【0201】
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【表8-4】
【表8-5】
【表8-6】
【表8-7】
【表8-8】
【0202】
実施例22
4−(((3S,4R)−1−((2−ブロモ−4−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル
【化44】
【0203】
工程1:3−((4−シアノフェニル)チオ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル
【化45】
【0204】
機械的撹拌機および熱電対を備えた3口フラスコに、DMF(300mL)中、3−メチレン−4−((メチルスルホニル)オキシ)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(28.8g、104mmol)の溶液を充填した。4−メルカプトベンゾニトリル(16.9g、125mmol)、次いで、KCO(21.5g、156mmol)を加え、この反応混合物を室温で1時間撹拌した。撹拌を助けるためにさらなるDMF(100mL)を追加し、さらに2回の4−メルカプトベンゾニトリル(各4.2g、31mmoL)を30分あけて追加した。この反応物をHO(500mL)で急冷し、ヘキサン/EtOAc(1:1、2×500mL)で抽出した。合わせた抽出液をHO(4×500mL)、ブライン(1×500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜60%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、濃縮し、DCM/ヘキサン(100mL/300mL)で摩砕した。固体を濾別し、ヘキサン(3×100mL)で洗浄し、廃棄した。濾液を減圧下で濃縮し、標題化合物を黄色油状物として得た(19.7g、収率60%)。MS (m/z) 251.2 (M+H+-Boc)。
【0205】
工程2:4−((4−シアノフェニル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3R,4S)−tert−ブチルおよび4−((4−シアノフェニル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3S,4S)−tert−ブチル
【化46】
【0206】
THF(300mL)中、3−((4−シアノフェニル)チオ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル(19.6g、61.8mmol)の溶液に、NMO(水中50%)(29.0g、124mmol)、次いで、OsO(t−BuOH中2.5%)(38.8mL、3.09mmol)を加え、この混合物を室温で撹拌した。2.5時間後、この混合物をDCMで希釈し、10%Na(水溶液)とともに72時間撹拌した。有機層を取り出し、10%NaHCO(水溶液)、水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物を粘着性のベージュの泡沫として得た(24.6g 収率114%)。MS (m/z) 251.2 (M+H+-Boc)。この材料をそのまま次の工程で使用した。
【0207】
工程3:4−((4−シアノフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3R,4S)−tert−ブチルおよび4−((4−シアノフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3S,4S)−tert−ブチル
【化47】
【0208】
4−((4−シアノフェニル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3R,4S)−tert−ブチルおよび4−((4−シアノフェニル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3S,4S)−tert−ブチル(26.4g、75mmol)の混合物をDCM(500mL)に溶かし、m−CPBA(67.5g、300mmol)を少量ずつ加えて処理し、室温で18時間撹拌した。この反応物を10%Na(水溶液)(500mL)で急冷し、得られた懸濁液を濾過して非生成物固体を濾過した。この二相性濾液を分液漏斗に移し、水層を除去し、DCM相を10%NaHCO(水溶液)で洗浄した。DCM層を回収し、塩基性の水相をDCM(200mL)で2回抽出した。有機抽出液を合わせ、HOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物を白色泡沫として得た(21.6g、収率75%)。このサンプルは、トランス/シス異性体の推定80/20混合物を含有しており(LCMSによる)、そのまま次の工程で使用した。MS (m/z) 405.0 (M+Na+)。
【0209】
工程4:9−((4−シアノフェニル)スルホニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサ−7−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸(5R,9S)−tert−ブチルまたは9−((4−シアノフェニル)スルホニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサ−7−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸(5S,9S)−tert−ブチル
【化48】
【0210】
2,2−ジメトキシプロパン(70mL、570mmol)中、4−((4−シアノフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3R,4S)−tert−ブチルおよび4−((4−シアノフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3S,4S)−tert−ブチル(21.7g、56.7mmol)の懸濁液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(2.2g、11.3mmol)を加え、この混合物を室温で1.5時間撹拌した。この反応混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO(水溶液)で急冷した。水層を除去し、DCM層をHOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。この粗異性体混合物を精製し、ヘキサン中0〜50%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により分離し、標題化合物を個々のトランスおよびシス異性体として得た。トランス異性体:第1溶出物、白色泡沫(13.5g、収率56.4%)、1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.22 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 8.11-8.20 (m, 2H), 4.51-4.61 (m, 1H), 4.36 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 4.13 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.46-3.59 (m, 3H), 3.32-3.38 (m, 1H, 部分的に溶媒ピークに隠れている), 1.28-1.45 (m, 15H), MS (m/z) 323.2 (M+H+-Boc)。シス異性体:第2溶出物、白色固体(4.31g、収率18%)、1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.14-8.22 (m, 2H), 8.05-8.13 (m, 2H), 4.41 (br s, 1H), 3.91-4.08 (m, 3H), 3.43-3.67 (m, 2H), 3.32-3.40 (m, 1H, 部分的に溶媒ピークに隠れている), 1.42 (d, J = 4.8 Hz, 9H), 1.17-1.26 (m, 3H), 0.68 (d, J = 8.0 Hz, 3H), MS (m/z) 445.2 (M+Na+)。
【0211】
工程5:4−(((3S,4R)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル,塩酸塩
【化49】
【0212】
室温で、DCM(70mL)中、9−((4−シアノフェニル)スルホニル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサ−7−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸(5R,9S)−tert−ブチル(13.5g、32.0mmol)の溶液を、TFA(150mL、1.95mol)、次いで、HO(1.15mL、63.9mmol)で処理し、1時間撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮し、残渣をCHCl(3×300mL)と共沸した。残渣をMeOHに溶かし、EtO中1N HCl(200mL)を加え、濃縮した。残渣を2回目のEtO中1N HCl(200mL)で処理し、濃縮した。残渣を再溶解させ、EtO(3×、各150mL)から再濃縮し、減圧下で乾燥させ、標題化合物を淡ベージュの固体として得た(12.6g、収率126%)。MS (m/z) 283.1 (M+H+)。
【0213】
工程6:4−(((3S,4R)−1−((2−ブロモ−4−フルオロフェニル)スルホニル)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル
THF(2.5mL)中、4−(((3S,4R)−4−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−3−イル)スルホニル)ベンゾニトリル,塩酸塩(100mg、0.317mmol)の懸濁液に、10%NaHCO(水溶液)(2.5mL)、次いで、2−ブロモ−4−フルオロベンゼン−1−スルホニルクロリド(95mg、0.347mmol)を加え、この混合物を30分間撹拌した。この反応混合物をEtOAcで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、ヘキサン中0〜60%EtOAc/EtOH(3:1)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、減圧下で濃縮して白色固体を得た(84mg)。このサンプルを、10〜95%CHCN/HO(0.1%TFA)の勾配で溶出する逆相半分取HPLCによりさらに精製した。純粋な画分をプールし、EtOAcで希釈し、水相を分離した。有機相を10%NaHCO(水溶液)、HOおよびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物を白色泡沫として得た(52mg、収率32%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.18 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 8.01-8.10 (m, 3H), 7.93 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.50 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 5.79 (s, 1H), 4.99 (br s, 1H), 4.25 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 3.54-3.83 (m, 5H), 3.30-3.36 (1H, 部分的に溶媒ピークに隠れている)。MS (m/z) 519.0 (M+H+)。
【0214】
以下の化合物は、適宜置換された出発材料を用い、実施例22に記載のものと同様の手順を用いて製造した。当業者に認識されるように、これらの類似の実施例は、一般反応条件に変更を含み得る。
【0215】
【表9-1】
【表9-2】
【表9-3】
【表9-4】
【表9-5】
【表9-6】
【表9-7】
【表9-8】
【表9-9】
【表9-10】
【表9-11】
【表9-12】
【表9-13】
【表9-14】
【表9-15】
【表9-16】
【表9-17】
【表9-18】
【0216】
実施例74
4−(((3R,4S)−4−((4−ブロモフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル
【化50】
【0217】
工程1:(S)−3−クロロ−4−((3−ヒドロキシ−4−メチレンピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル
【化51】
【0218】
DCM(50mL)中、3−ヒドロキシ−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(10.5g、52.6mmol)の溶液に、TFA(60mL、779mmol)を加え、この反応混合物を室温で30分間撹拌し、減圧下で濃縮して褐色油状物を得た。残渣をDCM(100mL)に溶かし、0℃に冷却し、EtN(37mL、265mmol)をゆっくり加えて処理し(発熱)、過剰なTFAを急冷した。2−クロロ−4−シアノベンゼン−1−スルホニルクロリド(12.4g、52.6mmol)を加え、この混合物を室温で1時間撹拌した後、DCM(300mL)で希釈し、水(100mL)、0.1N HCl(水溶液)(200mL)、およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物を褐色がかった油状物として得た(17.0g、収率108%)。MS (m/z) 281.0 (M+H+ -H2O)。
【0219】
工程2:メタンスルホン酸(S)−1−((2−クロロ−4−シアノフェニル)スルホニル)−4−メチレンピロリジン−3−イル
【化52】
【0220】
(S)−3−クロロ−4−((3−ヒドロキシ−4−メチレンピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル(17.0g、56.9mmol)をDCM(100mL)に溶かし、氷浴中で0℃に冷却した。EtN(14mL、100mmol)を加えた後、塩化メタンスルホニル(5.5mL、71mmol)を滴下した。添加が完了した後、この反応混合物を室温に温め、18時間撹拌した。この反応混合物をDCM(80mL)で希釈し、0.1N HCl(水溶液)(2×50mL)、次いで、ブラインで洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、やや褐色の固体を得た。固体残渣をヘキサン中15%EtOAcで摩砕し、濾過した。濾過ケークをヘキサンで洗浄し、高真空下で乾燥させ、標題化合物をベージュの固体として得た(15.2g、40.2mmol、収率71%)。MS (m/z) 281.0 (M+H+ -OMs)。
【0221】
工程3:(R)−4−((3−((4−ブロモフェニル)チオ)−4−メチレンピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル
【化53】
【0222】
DMF(80mL)中、メタンスルホン酸(S)−1−((2−クロロ−4−シアノフェニル)スルホニル)−4−メチレンピロリジン−3−イル(4.54g、12.05mmol)の溶液に、4−ブロモベンゼンチオール(3.29g、17.40mmol)、次いで、KCO(1.85g、13.39mmol)を加え、この反応混合物を室温で18時間撹拌した。この混合物をEtOAcで希釈し、HO(2×)およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、ヘキサン中0〜40%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、減圧下で濃縮し、標題化合物を白色固体として得た(1.3g、収率20%)。MS (m/z) 468.9 (M+H+)。
【0223】
工程4:4−(((3R,4S)−4−((4−ブロモフェニル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル
【化54】
【0224】
THF(20mL)および水(2mL)中、(R)−4−((3−((4−ブロモフェニル)チオ)−4−メチレンピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル(1.3g、2.77mmol)の溶液に、NMO(HO中50%)(1.3mL、5. 7mmol)、次いで、OsO(t−BuOH中2.5%、1.4mL、0.11mmol)を加え、この反応混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を−20℃の冷凍庫で一晩保存した。この反応混合物をDCMで希釈し、10%Na(水溶液)、10%NaHCO(水溶液)、HOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、暗色の半固体を得た。この粗異性体混合物を、ヘキサン中0〜75%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製および分離し、標題化合物を個々のシス異性体およびトランス異性体として得た。シス異性体:第1溶出物、白色泡沫(350mg、収率25%)、1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.36 (s, 1H), 8.12-8.16 (m, 1H), 8.05 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.33 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.58 (s, 1H), 5.17 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 4.00 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 3.76-3.84 (m, 1H), 3.62 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 3.44-3.54 (m, 2H), 3.32-3.40 (m, 2H, 部分的に溶媒ピークに隠れている)。トランス異性体:第2溶出物、白色固体(808mg、収率58.0%)、1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.35 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.10-8.15 (m, 1H), 8.03 (dd, J = 8.3, 1.5 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.56 (s, 1H), 4.98 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 3.96 (dd, J = 10.2, 5.9 Hz, 1H), 3.82 (dd, J = 5.8, 4.0 Hz, 1H), 3.60 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 3.45-3.57 (m, 2H), 3.34-3.38 (1H, 部分的に溶媒ピークに隠れている), 3.31 (d, J = 10.3 Hz, 1H)。
【0225】
工程5:4−(((3R,4S)−4−((4−ブロモフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル
DCM(20mL)中、4−(((3R,4S)−4−((4−ブロモフェニル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル(803mg、1.59mmol)の溶液に、m−CPBA(1.79g、7.97mmol)を加え、この反応混合物を室温で1時間撹拌した。この反応混合物をDCMで希釈し、10%Na(水溶液)、HOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料を、ヘキサン中0〜100%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、減圧下で濃縮し、標題化合物を白色泡沫として得た(798mg、収率93%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.38 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.10-8.15 (m, 1H), 8.04-8.09 (m, 1H), 7.91 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.75 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.79 (s, 1H), 4.99 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 4.14 (dd, J = 7.6, 3.3 Hz, 1H), 3.72-3.85 (m, 2H), 3.62-3.71 (m, 2H), 3.57 (dd, J = 11.5, 3.4 Hz, 1H), 3.37 (d, J = 9.9 Hz, 1H)。MS (m/z) 535.0 (M+H+)。
【0226】
以下の化合物は、適宜置換された出発材料を用い、実施例74に記載のものと同様の手順を用いて製造した。当業者に認識されるように、これらの類似の実施例は、一般反応条件に変更を含み得る。
【0227】
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【表10-4】
【表10-5】
【表10-6】
【表10-7】
【表10-8】
【表10-9】
【表10-10】
【表10-11】
【表10-12】
【表10-13】
【表10-14】
【表10-15】
【0228】
実施例119
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−((S)−1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル
【化55】
【0229】
工程1:N−アリル−2−クロロ−4−シアノベンゼンスルホンアミド
【化56】
【0230】
水(50mL)およびDCM(50mL)中、2−クロロ−4−シアノベンゼン−1−スルホニルクロリド(2.6g、11.0mmol)およびKCO(10g、72.4mmol)の溶液に、プロパ−2−エン−1−アミン(1.26g、22.0mmol)を加え、この反応混合物を室温で一晩撹拌した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、標題化合物を黄色油状物として得た(2.8g、収率99%)。MS (m/z) 257.0 (M+H+)。
【0231】
工程2:N−アリル−N−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−メチレンブチル)−2−クロロ−4−シアノベンゼンスルホンアミド
【化57】
【0232】
CHCN(75mL)中、N−アリル−2−クロロ−4−シアノベンゼンスルホンアミド(2.6g、10.1mmol)、((3−(ブロモメチル)ブタ−3−エン−2−イル)オキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(4.1g、12.2mmol)およびKCO(1.40g、10.1mmol)の混合物を55℃で72時間撹拌した。この反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、粗生成物を、ヘキサン中0〜50%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。目的生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物を透明な油状物として得た(3.3g、収率72%)。MS (m/z) 477.2 (M+Na+)。
【0233】
工程3:4−((3−(1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル
【化58】
【0234】
DCM(60mL)中、N−アリル−N−(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−メチレンブチル)−2−クロロ−4−シアノベンゼンスルホンアミド(2.8g、6.15mmol)および第二世代グラブス触媒(300mg、0.353mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を濾過し、濾液を、ヘキサン中0〜40%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。目的生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物を透明な粘着性の薄膜として得た(2.07g、収率79%)。MS (m/z) 427.2 (M+H+)。
【0235】
工程4:4−((1−(1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−6−オキサ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル
【化59】
【0236】
DCM(50mL)中、4−((3−(1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル(2.07g、4.85mmol)の溶液に、m−CPBA(3.26g、14.5mmol)を少量ずつ加え、この反応混合物を室温で一晩撹拌した。この反応物を飽和NaHSO(水溶液)重硫酸塩、次いで、飽和NaHCO(水溶液)で急冷し、この混合物を30分間撹拌した。有機層を分離し、水層をEtOAc(150ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、ヘキサン中0〜40%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。目的生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物をジアステレオマーの4:1混合物(NMRによる)を得た(2.1g、収率98%)。MS (m/z) 443.2 (M+H+)。
【0237】
工程5:4−(((3R,4S)−3−(1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリルおよび4−(((3S,4R)−3−(1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル
【化60】
【0238】
NMP(10mL)中、4−((1−(1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−6−オキサ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル(2.1g、4.74mmol)、5−クロロピリジン−2−チオール(0.76g、5.21mmol)およびCsCO(0.77g、2.37mmol)の混合物に、65℃で1時間、マイクロ波照射を施した。この反応混合物をEtOAcで希釈し、水(2×)ブライン(2×)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を、ヘキサン中0〜100%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。目的生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物を白色固体として得た(2.0g、収率72%)。MS (m/z) 588.0 (M+H+)。
【0239】
工程6:4−(((3R,4S)−3−((R)−1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリルおよび4−(((3S,4R)−3−((S)−1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル
または
4−(((3R,4S)−3−((S)−1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリルおよび4−(((3S,4R)−3−((R)−1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル
【化61】
【0240】
DCM(26.0mL)中、異性体混合物4−(((3R,4S)−3−(1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリルおよび4−(((3S,4R)−3−(1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル(1.07g、1.82mmol)の溶液に、m−CPBA(1.26g、7.27mmol)を少量ずつ加え、この反応混合物を室温で46時間撹拌した。この反応物を飽和NaHSO(水溶液)(100mL)で急冷し、この混合物を1時間撹拌した。有機層を取り出し、飽和NaHCO(水溶液)(100mL)で洗浄し、濃縮した。粗生成物を精製し、ジアステレオマー(diasteomers)をヘキサン中0〜50%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により分離した。標題化合物の個々のラセミジアステレオマーを単離した。4−(3R,4S)−3−(R)および4−(3S,4R)−3−(S)異性体のラセミ混合物:第1溶出物、黄色油状物(792mg、収率67%):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.89 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.31-8.36 (m, 2H), 8.09-8.14 (m, 1H), 8.03-8.08 (m, 1H), 7.91 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.39 (s, 1H), 4.33 (q, J = 6.2 Hz, 1H), 4.27 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 3.82 (dd, J = 11.9, 6.7 Hz, 1H), 3.66 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.46 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.30-3.35 (m, 1H. 部分的に溶媒ピークに隠れている), 1.19 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 0.86 (s, 9H), 0.09 (d, J = 9.0 Hz, 6H)。MS (m/z) 620.0 (M+H+)。4−(3R,4S)−3−(S)および4−(3S,4R)−3−(R)異性体のラセミ混合物:第2溶出物、黄色油状物(180mg、収率15.1%):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.91 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.31-8.41 (m, 2H), 8.08 (d, J = 0.8 Hz, 2H), 7.93 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 5.77 (s, 1H, 部分的に溶媒ピークに隠れている), 4.35 (q, J = 5.9 Hz, 1H), 4.12 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 3.90 (dd, J = 12.2, 6.9 Hz, 1H), 3.68 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 3.53-3.63 (m, 2H), 1.08 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.78-0.91 (m, 9H), 0.06 (d, J = 1.5 Hz, 6H)。MS (m/z) 620.0 (M+H+)。
【0241】
工程7:3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−((S)−1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル
酢酸(3.4mL)中、ラセミ混合物4−(((3R,4S)−3−((S)−1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリルおよび4−(((3S,4R)−3−((S)−1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル(478mg、0.769mmol)の溶液に、TBAF(4.34mL、4.34mmol)を加え、この反応混合物を65℃で一晩撹拌した。この反応混合物をEtOAcで希釈し、NHCl(水溶液)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をヘキサン中0〜100%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。次に、鏡像異性体を、45mL/分の流速のMeOH/CHCN(90/100)で溶出する分取キラルHPLC(Chiralpak IF、30×250mm)を用いて分離した。
【0242】
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−((S)−1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル:第1溶出物、白色固体(85mg、収率21%):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.86 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.37 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.29 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 8.13-8.18 (m, 1H), 8.02-8.10 (m, 2H), 5.48 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.00-4.07 (m, 1H), 3.90-3.98 (m, 2H), 3.48 (dd, J = 10.0, 1.3 Hz, 1H), 3.25 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 0.97 (d, J = 6.0 Hz, 3H)。MS (m/z) 506.1 (M+H+)。
【0243】
3−クロロ−4−(((3S,4R)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−((R)−1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル:第2溶出物、白色固体(85mg、収率21%):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.86 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.36 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.29 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 8.13-8.19 (m, 1H), 8.01-8.09 (m, 2H), 5.49 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 4.00-4.06 (m, 1H), 3.90-3.98 (m, 2H), 3.48 (dd, J = 9.9, 1.1 Hz, 1H), 3.25 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 0.93-0.99 (m, 3H)。MS (m/z) 506.1 (M+H+)。
【0244】
実施例120
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−((R)−1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル
【化62】
【0245】
酢酸(3mL)中、ラセミ混合物4−(((3R,4S)−3−((R)−1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリルおよび4−(((3S,4R)−3−((S)−1−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル(180mg、0.769mmol)の溶液に、TBAF(12mL、12mmol)を加え、この反応混合物を65℃で一晩撹拌した。この反応混合物をEtOAcで希釈し、NHCl(水溶液)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜100%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。次に、鏡像異性体を、60G/分の流速のCO/EtOH(80/20)で溶出する分取キラルSFC(Chiralpak AS、20×250mm)を用いて分離した。
【0246】
3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−((R)−1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル:第1溶出物、白色固体(16mg、収率11%)(>99%ee):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.91 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.32-8.39 (m, 2H), 8.09-8.14 (m, 1H), 8.03-8.08 (m, 1H), 7.99 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.70 (s, 1H), 4.99 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 4.07-4.17 (m, 2H), 3.92 (dd, J = 12.0, 7.0 Hz, 1H), 3.69 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 3.63 (d, J = 11.5 Hz, 1H), 3.50 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 1.07 (d, J = 6.0 Hz, 3H)。MS (m/z) 506.0 (M+H+)。
【0247】
3−クロロ−4−(((3S,4R)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−((S)−1−ヒドロキシエチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル:第2溶出物、白色固体(17mg、収率12%)(>99%ee):1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.91 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.32-8.39 (m, 2H), 8.09-8.14 (m, 1H), 8.03-8.08 (m, 1H), 7.99 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.70 (s, 1H), 4.99 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 4.12 (dt, J = 9.7, 5.8 Hz, 2H), 3.92 (dd, J = 12.0, 6.8 Hz, 1H), 3.69 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 3.63 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 3.50 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 1.07 (d, J = 6.3 Hz, 3H)。MS (m/z) 506.1 (M+H+)。
【0248】
実施例121
4−(((3S,4S)−3−(アミノメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル
【化63】
【0249】
工程1:3−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル
【化64】
【0250】
DCM(30mL)中、3−ヒドロキシ−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(2.0g、10.0mmol)の溶液に、EtN(2.1mL、15.1mmol)を加えた後、MsCl(0.94mL、12.1mmol)を滴下した。この混合物を30分間撹拌し、水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮した。中間体残渣3−メチレン−4−((メチルスルホニル)オキシ)ピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチルをDMF(100mL)に溶かし、5−クロロピリジン−2−チオール(1.46g、10.0mmol)、次いで、KCO(2.08g、15.1mmol)を加えた。この反応混合物を室温で1時間撹拌した後、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出液を水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜15%EtOAcの勾配を用いるクロマトグラフィー(SiO)により精製し、標題化合物を無色透明の油状物として得た(3.0g、収率91%)。MS (m/z) 327.0 (M+H+)。
【0251】
工程2:4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(4S)−tert−ブチル
【化65】
【0252】
THF(30mL)中、3−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル(3.0g、9.2mmol)、OsO(t−BuOH中2.5%、4.61mL、0.367mmol)、およびNMO(2.8mL、14mmol)の混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物を飽和NaSO(水溶液)(40mL)で急冷し、EtOAc(40mL)で抽出した。有機抽出液をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜55%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製し、標題化合物のシスおよびトランス異性体の混合物(NMRおよびHPLCにより45/55)を無色透明の油状物として得た(2.58g、収率78%. MS (m/z) 261.1 (M+H+-Boc)。
【0253】
工程3:シス異性体:9−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサ−7−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸(5S,9S)−tert−ブチルまたはトランス異性体:9−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサ−7−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸(5R,9S)−tert−ブチル
【化66】
【0254】
DCM(20mL)中、4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(4S)−tert−ブチル(2.58g、7.15mmol)、2,2−ジメトキシプロパン(2.64mL、21.5mmol)、およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.136g、0.715mmol)の混合物を、室温で30分間撹拌した。この反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機抽出液をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜25%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製し、標題化合物を分離されたシスおよびトランス異性体として得た。シス異性体:第2溶出剤、無色透明の油状物(1.1g、収率38%)、1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.51 (s, 1H), 7.79 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.31-4.46 (m, 1H), 3.92-4.15 (m, 3H, 部分的に溶媒ピークに隠れている), 3.45-3.62 (m, 2H), 3.15-3.28 (m, 1H), 1.33-1.48 (m, 15H)。MS (m/z) 345.2 (M+H+-Boc)。トランス異性体:第1溶出剤、無色透明の油状物(1.1g、収率38.4%)、1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.55 (s, 1H), 7.83 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.37 (d, J = 15.3 Hz, 1H), 3.97-4.17 (m, 2H, 部分的に溶媒ピークに隠れている), 3.79-3.96 (m, 1H), 3.51 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 3.33-3.44 (m, 2H, 部分的に溶媒ピークに隠れている), 1.29-1.53 (m, 15H)。MS (m/z) 345.2 (M+H+-Boc)。
【0255】
工程4:3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル
【化67】
【0256】
TFA(7.8mL、100mmol)およびDCM(3mL)中、9−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサ−7−アザスピロ[4.4]ノナン−7−カルボン酸(5R,9S)−tert−ブチル(800mg、2.0mmol)の溶液を室温で30分間撹拌した。この混合物を濃縮し、残渣を飽和NaHCO(水溶液)で塩基性とし、得られた懸濁液をさらなるTHF(10mL)に溶かした。THF(10mL)中、2−クロロ−4−シアノベンゼン−1−スルホニルクロリド(0.92g、3.0mmol)を滴下し、この混合物を室温で30分間撹拌した。この混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出液をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜60%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物を半固体として得た(850mg、収率93%)。MS (m/z) 460.1 (M+H+)。
【0257】
工程5:4−(((3S,4S)−3−(アジドメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル
【化68】
【0258】
DCM(8mL)中、3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル(280mg、0.61mmol)の溶液に、EtN(0.15mL、1.1mmol)、次いで、MsCl(0.057mL、0.73mmol)を加え、この反応混合物を室温で10分間撹拌した。この混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。有機抽出液を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮し、4−(((3S,4S)−3−(アジドメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリルを得た。MS(m/z) 538.1(M+H+)。残渣をDMF(5mL)に溶かし、アジ化ナトリウム(100mg、1.5mmol)を加え、この反応混合物を80℃で40分間撹拌した。この反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出液を水で洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜25%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物を無色のワックスとして得た(115mg、収率39%)。MS (m/z) 485.1 (M+H+)。
【0259】
工程6:4−(((3S,4S)−3−(アミノメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル
【化69】
【0260】
THF(4mL)中、4−(((3S,4S)−3−(アジドメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル(115mg、0.28mmol)の溶液に、THF中1.0Mトリメチルホスフィン(0.47mL、0.47mmol)を加え、この反応混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物をSCXカートリッジに載せ、メタノールで洗浄し、メタノール中2M NH溶液で溶出した。このNH溶液を回収し、濃縮し、標題化合物を無色のワックスとして得た(92mg、収率85%)。MS (m/z) 459.1 (M+H+)。
【0261】
工程7:(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−シアノフェニル)スルホニル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化70】
【0262】
THF(4mL)中、4−(((3S,4S)−3−(アミノメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル(92mg、0.20mmol)の溶液に、BocO(0.06mL、0.26mmol)、次いで、EtN(0.056mL、0.401mmol)を加えた。この反応混合物を室温で30分間撹拌した。この混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出液を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜30%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物を無色の半固体として得た(75mg 収率67%)。MS (m/z) 559.2 (M+H+)。
【0263】
工程8:(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−シアノフェニル)スルホニル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化71】
【0264】
DCM(4mL)中、(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−シアノフェニル)スルホニル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル(75mg、0.13mmol)およびm−CPBA(77mg、0.34mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。この混合物を10%NaSO(水溶液)で急冷し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、飽和NaHCO(水溶液)で洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜35%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物を無色の半固体として得た(78mg、収率98%)。MS (m/z) 491.1 (M+H+-Boc)。
【0265】
工程9:4−(((3S,4S)−3−(アミノメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)スルホニル)−3−クロロベンゾニトリル
DCM(1.0mL)中、(((3S,4S)−1−((2−クロロ−4−シアノフェニル)スルホニル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−3−ヒドロキシピロリジン−3−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル(78mg、0.132mmol)およびTFA(0.30mL、4.0mmol)の混合物を室温で30分間撹拌した。この混合物を濃縮し、残渣を水で希釈した。得られた溶液を飽和NaHCO(水溶液)で塩基性とし、白色固体が沈澱した。この固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させ、標題化合物を白色固体として得た(37mg、収率37%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.90 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.31-8.40 (m, 2H), 8.00-8.17 (m, 3H), 4.29 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 3.91 (dd, J = 11.8, 7.3 Hz, 1H), 3.70 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 3.58 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 3.43 (d, J = 10.0 Hz, 1H, 部分的に溶媒ピークに隠れている), 2.83-2.98 (m, 2H)。MS (m/z) 491.3 (M+H+)。
【0266】
以下の化合物は、適宜置換された出発材料を用い、実施例121に記載のものと同様の手順を用いて製造した。当業者に認識されるように、これらの類似の実施例は、一般反応条件に変更を含み得る。
【0267】
【表11-1】
【表11-2】
【0268】
実施例129
3−クロロ−4−(((4S,5R)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−6−オキサ−2,9−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−イル)スルホニル)ベンゾニトリル,塩酸塩
【化72】
【0269】
工程1:3−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル
【化73】
【0270】
3−ヒドロキシ−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(S)−tert−ブチル(10g、50mmol)をCHCl(100mL)に溶かし、EtN(28mL、200mmol)を加え、この混合物を窒素でスパージし、氷水浴中で冷却した。MsCl(4.30mL、55.2mmol)を滴下し、さらなるMsClを3回(各0.43mL、5.5mmol)加えて反応を完了させた。この反応物に5−クロロピリジン−2−チオール(18g、120mmol)を加え、氷浴を外し、反応物を撹拌しながら一晩、室温に温めた。得られた透明な橙色の溶液を水(150mL)で洗浄し、有機層を分離した。水相をCHCl(30mL)で2回抽出した。有機抽出液を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、ヘキサン中0〜5%EtOAcの勾配で溶出するクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、減圧下で濃縮し、標題化合物を粘稠な淡黄色油状物として得た(12.0g、収率73%)。MS (m/z) 271.1 (M+H+- t-Bu)。
【0271】
工程2:4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3S,4S)−tert−ブチル
【化74】
【0272】
3−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−4−メチレンピロリジン−1−カルボン酸(R)−tert−ブチル(11.2g、34.3mmol)およびNMO(6.02g、51.4mmol)をTHF(110mL)中に混合し、OsO(t−BuOH中2.5重量%、12.9mL、1.03mmol)を加えた。この反応混合物を室温で撹拌し、さらなるNMO(2×1.94g、2×16.6mmol)を3時間かけて充填し、反応を完了させた。この反応物を飽和NaHSO(水溶液)(70mL)で急冷し、DCM(3×25mL)で抽出した。DCM抽出液を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗生成物を、ヘキサン中0〜45%EtOAcの勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、減圧下で濃縮し、標題化合物の分離不能のシスおよびトランス異性体混合物を白色固体として得た(6.21g、収率50%)。MS (m/z) 305.1 (M+H+- t-Bu)。トランス異性体はその後の変換の後に除去された。
【0273】
工程3:4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(((メチルスルホニル)オキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3S,4S)−tert−ブチル
【化75】
【0274】
4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3S,4S)−tert−ブチル(2g、5.5mmol)をDCM(28mL)に溶かし、EtN(1.2mL、8.3mmol)を加え、この混合物を、ドライアイス/IPA浴を用いて−20℃(内部熱電対)に冷却した。この混合物にMsCl(0.46mL、6.0mmol)を加え、反応が完了するまで撹拌した。この反応混合物を水に注ぎ、DCM層を分離し、水層をDCM(2×20mL)で抽出した。有機抽出液を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、標題化合物のシスおよびトランス異性体混合物を象牙色の固体として得た(2.47g、収率102%)。MS (m/z) 383.2 (M+H+- t-Bu)。
【0275】
工程4:3−(アジドメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸(3S,4S)−tert−ブチル
【化76】
【0276】
乾燥DMF(28mL)中、4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシ−3−(((メチルスルホニル)オキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸(3S,4S)−tert−ブチル(2.47g、5.6mmol)をNaN(1.1g、17mmol)と混合し、80℃に温め、4時間撹拌した。この反応混合物を冷却し、水(1L)とEtOAcとで分液し、水層を除去した。有機層を水(3×)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。この粗生成物をヘキサン中0〜25%EtOAcの勾配で溶出するクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物のシスおよびトランス異性体混合物を得た(617mg、収率28%)。MS (m/z) 330.1 (M+H+- t-Bu)。
【0277】
工程5:3−(アミノメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸(3R,4S)−tert−ブチル
【化77】
【0278】
3−(アジドメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸(3S,4S)−tert−ブチル(7.55g、19.6mmol)をTHF(100mL)に溶かし、水(7mL、390mmol)を加えた。この混合物を窒素でスパージした後、密閉窒素雰囲気下で、MeP(THF中1M)(29.3mL、29.3mmol)を加え、この反応混合物を室温で20分間撹拌した。この混合物を水に注ぎ、DCMで数回抽出した。有機抽出液を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、DCM中0〜10%MeOH:濃NHOH(9:1)の勾配で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物のシスおよびトランス異性体混合物を綿毛様の白色〜黄色固体として得た(6.42g、収率91%)。MS (m/z) 360.4 (M+H+)。
【0279】
工程6:4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−8−オキソ−6−オキサ−2,9−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸(4S,5R)−tert−ブチル
【化78】
【0280】
3−(アミノメチル)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸(3R,4S)−tert−ブチル(1.5g、4.2mmol)をDCM(30mL)に溶かし、EtN(1.2mL、8.3mmol)を加えた後、塩化2−クロロアセチル(0.348mL、4.38mmol)を少量ずつ加えた。さらに2回の塩化2−クロロアセチル(各45□L、0.57mmol)を加えて反応を完了させた。この反応混合物を水(40mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を室温で乾燥THF(30mL)に溶かし、t−BuOK(0.56g、5.0mmol)を加え、この混合物を5分間撹拌した。次に、この反応混合物をDCMと飽和NaHCO(水溶液)とで分析した。有機層を分離し、水相をさらなるDCM(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中0〜85%EtOAcの勾配で溶出するクロマトグラフィー(SiO)により精製し、生成物画分をプールし、濃縮し、標題化合物のシスおよびトランス異性体混合物を得た(1.02g、収率61%)。MS (m/z) 344.0 (M+H+-t-Bu)。
【0281】
工程7:3−クロロ−4−(((4S,5R)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−8−オキソ−6−オキサ−2,9−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−イル)スルホニル)ベンゾニトリル
【化79】
【0282】
4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−8−オキソ−6−オキサ−2,9−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸(4S,5R)−tert−ブチル(1.02g、2.55mmol)をTFA(10mL、130mmol)に溶かした。反応をTLCにより確認したところ、完了したことが判明した。反応物を蒸発乾固し、DCM(3×)を用いて再蒸発させ、脱保護されたピロリジンを得た。この中間体をDCM(30mL)に溶かし、EtN(1.8mL、13mmol)、次いで、2−クロロ−4−シアノベンゼン−1−スルホニルクロリド(0.63g、2.7mmol)を加えた。添加後のTLCは、反応が完了していることを示す。この混合物を蒸発乾固し、粗生成物を、ヘキサン中0〜95%EtOAcの勾配で溶出するクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、蒸発させ、標題化合物のシスおよびトランス異性体混合物を白色泡沫として得た(1.21g、収率95%)。MS (m/z) 498.9 (M+H+)。
【0283】
工程8:3−クロロ−4−(((4S,5R)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−8−オキソ−6−オキサ−2,9−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−イル)スルホニル)ベンゾニトリル
【化80】
【0284】
3−クロロ−4−(((4S,5R)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)チオ)−8−オキソ−6−オキサ−2,9−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−イル)スルホニル)ベンゾニトリル(1.21g、2.42mmol)をDCM(12mL)に溶かし、m−CPBA(1.36g、6.06mmol)を加え、この反応混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物をDCMで希釈し、NaHSO(水溶液)で洗浄し、DCM層を分離した。水層をDCM(2×)で抽出した。DCM層を合わせ、NaHCO(水溶液)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、標題化合物のシスおよびトランス異性体の粗混合物を得た(1.25g、収率97%)。このシス/トランス混合物(850mg)を逆相HPLC(Sunfire C18カラム、35%CHCN/HO(0.1%TFA)無勾配allyで溶出する)により分離した。分離された異性体画分をそれぞれプールし、DCMで処理し、NaHCO(水溶液)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、標題化合物の個々のシスおよびトランス異性体を得た。シス異性体:第1溶出物、(355mg)、1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.83 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.28 (br d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.20 (br d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.67 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 4.11 (dd, J = 11.0, 6.9 Hz, 1H), 3.91-3.96 (m, 1H), 3.82 (s, 1H), 3.73-3.78 (m, 1H), 3.70-3.81 (m, 3H), 3.48 (d, J = 10.9 Hz, 1H)。MS (m/z) 530.9 (M+H+)。トランス異性体:第2溶出物、(339mg)、1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 8.86 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.34 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.12-8.15 (m, 1H), 8.08-8.11 (m, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.93 (br s, 1H), 4.83-4.86 (m, 1H), 4.24 (d, J = 17.2Hz, 1H), 4.02 (d, J = 17.2 Hz, 1H), 3.93-3.97 (m, 2H), 3.63 (br d, J = 3.5 Hz, 2H), 3.58-3.62 (m, 1H), 3.47-3.51 (m, 1H)。MS (m/z) 530.9 (M+H+)。
【0285】
工程9:3−クロロ−4−(((4S,5R)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−6−オキサ−2,9−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−イル)スルホニル)ベンゾニトリル,塩酸塩
3−クロロ−4−(((4S,5R)−4−((5−クロロピリジン−2−イル)スルホニル)−8−オキソ−6−オキサ−2,9−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−イル)スルホニル)ベンゾニトリル(65mg、0.12mmol)を乾燥THF(3mL)に溶かした。この溶液を窒素でスパージし、氷/IPA浴中で冷却した後、ボランTHF複合体(0.73mL、0.73mmol)を加えた。この反応混合物を2時間撹拌した後、MeOH(3mL)の滴下で急冷した。この混合物を濃縮し、MeOHに溶かし、12N HCl(水溶液)で滴下処理し、撹拌した。次に、この反応混合物を濃縮し、残渣にDCM(20mL)、次いで、EtN(0.085mL、0.61mmol)を加えた。Boc−無水物(43μl、0.18mmol)を追加し、反応が完了するまで撹拌した。この反応混合物を蒸発させ、残渣を、ヘキサン中0〜55%EtOAcの勾配で溶出するクロマトグラフィー(SiO)により精製した。生成物画分をプールし、濃縮し、残渣をジオキサン中4M HCl(5mL)で処理し、室温で40分間撹拌し、濃縮した。残渣をMeCN/水(1:1)中で凍結乾燥させ、標題化合物を象牙色の固体として得た(28mg、収率41%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) d: 9.63 (br s, 1H), 9.26 (br s, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.29 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.05-8.18 (m, 3H), 4.73 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 4.27 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.10 (t, J = 9.4 Hz, 1H), 3.87 (t, J = 9.5 Hz, 1H), 3.37-3.75 (m, 6H, 部分的に溶媒ピークに隠れている), 3.13 (d, J = 12.5 Hz, 1H)。MS (m/z) 516.9 (M+H+)。
【0286】
実施例130−カプセル剤組成物
本発明を投与するための経口投与形は、標準的なツーピースゼラチン硬カプセルに下表2に示される割合の成分を充填することにより製造される。
【0287】
【表12】
【0288】
実施例131−注射用非経口組成物
本発明を投与するための注射形態は、水中10容量%のプロピレングリコール中で1.7重量%の3−クロロ−4−(((3R,4S)−4−((4−クロロフェニル)スルホニル)−3−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)スルホニル)ベンゾニトリル(実施例2の化合物)を撹拌することにより製造される。
【0289】
実施例132 錠剤組成物
下表2に示されるようにスクロース、硫酸カルシウム二水和物およびTRPV4阻害剤を示された割合で10%ゼラチン溶液と混合し、造粒する。これらの湿潤顆粒を篩にかけ、乾燥させ、デンプン、タルクおよびステアリン酸と混合し、篩にかけ、打錠する。
【0290】
【表13】
【0291】
本発明の好ましい実施形態が上記により示されるが、本発明は本明細書に開示される厳密な説明に限定さないこと、および以下の特許請求の範囲の範囲内にある総ての改変に対する権利が留保されるものと理解されるべきである。
【国際調査報告】