(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-532722(P2019-532722A)
(43)【公表日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法
(51)【国際特許分類】
A47C 7/22 20060101AFI20191018BHJP
B68G 7/05 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
A47C7/22
B68G7/05 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-517318(P2019-517318)
(86)(22)【出願日】2017年10月18日
(85)【翻訳文提出日】2019年5月24日
(86)【国際出願番号】EP2017076630
(87)【国際公開番号】WO2018077702
(87)【国際公開日】20180503
(31)【優先権主張番号】102016000107855
(32)【優先日】2016年10月26日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519106884
【氏名又は名称】ポルトローナ フラウ エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】POLTRONA FRAU S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】トゥレッティ, ジャンバティスタ
(57)【要約】
長手方向に延びる複数の座部(40)を備える型部材(34)上にカバー材料(32)を載置するステップ(12)と、型部材(34)の複数の座部(40)に長手方向に延びる複数の成形ロッド(42)を挿入し、カバー材料(32)を型部材(34)に接着させ、カバー材料(32)に複数の座部(33)を設ける、ステップ(14)と、型部材(34)、カバー材料(32)、および複数の成形ロッド(42)を含む第1の組合せ体を加熱プレスし、カバー材料(32)を熱成形する、ステップ(16)と、第1の組合せ体から複数の成形ロッド(42)を取り外すステップ(18)と、型部材(34)およびカバー材料(32)を冷却するステップ(20)と、を含む、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法(10)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延びる複数の座部(40)を備える型部材(34)上にカバー材料(32)を載置するステップ(12)と、
前記型部材(34)の前記複数の座部(40)に長手方向に延びる複数の成形ロッド(42)を挿入し、前記カバー材料(32)を前記型部材(34)に接着させ、前記カバー材料(32)に複数の座部(33)を設けるステップ(14)と、
前記型部材(34)、前記カバー材料(32)および前記複数の成形ロッド(42)を備える第1の組合せ体を加熱プレスし、前記カバー材料(32)を熱成形するステップ(16)と、
前記第1の組合せ体から前記複数の成形ロッド(42)を取り外すステップ(18)と、
前記型部材(34)および前記カバー材料(32)を冷却するステップ(20)と
を含むことを特徴とする、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法(10)。
【請求項2】
外側を向いている前記カバー材料(32)の表面と複数のパッド条片(44)との両方に一層のホットグルーを塗布するステップ(22)と、
前記カバー材料(32)の前記複数の座部(33)の内側に前記複数のパッド条片(44)を配置するステップ(24)と、
接触面に塗布されている一層のホットグルーを含む被覆シート(46)で、前記型部材(34)、前記カバー材料(32)および前記パッド条片(44)を備える第2の組合せ体を覆うステップ(26)と、
前記型部材(34)、前記カバー材料(32)、前記複数のパッド条片(44)および前記被覆シート(46)を備える第3の組合せ体を加熱プレスして、前記一層のホットグルーを熱で再活性化するステップ(28)と、
前記型部材(34)およびカバー(48)を冷却するステップ(30)と
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法(10)。
【請求項3】
前記型部材(34)が、板状の基部(36)と、長手方向に延びる複数の立ち上がり部(38)とを備え、前記基部(36)および前記複数の立ち上がり部(38)が、前記複数の座部(40)を画定し前記複数の座部(40)の境界を定めるようになっていることを特徴とする、請求項1または2に記載の特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法(10)。
【請求項4】
第1の前記加熱プレス(16)が、65℃〜75℃の温度で、1平方センチメートル当たり2.5〜3キログラムの圧力で、75分〜85分の時間で行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法(10)。
【請求項5】
第2の前記加熱プレス(28)が、65℃〜75℃の温度で、1平方センチメートル当たり2.5〜3キログラムの圧力で、15分〜25分の時間で行われることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法(10)。
【請求項6】
前記型部材(34)が、アルミニウムまたはその合金で作られることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法(10)。
【請求項7】
前記複数の成形ロッド(42)が、アルミニウムまたはその合金で作られることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法(10)。
【請求項8】
ホットグルーが、ポリウレタン系ポリマーの水性分散液を用いたタイプのものであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法(10)。
【請求項9】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法(10)によって得ることができるカバー(48)。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法(10)によって得ることができるカバー(48)を備える製品(50)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば家具の分野で肘掛け椅子、ソファーなどを製造するのに使用できる皮革製カバーの製造において、限定されるものではないが特に有用かつ実用的であるリブ加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
織物および家具の分野で操業する産業の専門用語では、リブ加工とは、適切なプロセスの結果として、例えば皮革または布帛などの材料上に得られる、程度の差はあれ隆起した一種のリブを形成することを指す。
【0003】
現在、皮革または布帛のカバーのリブ加工は、加工対象の材料に様々な種類のステッチを施すことによって行われている。これらのステッチは、隣接するリブ同士を分離し、リブ加工の典型的な視覚的効果および美的外観を得ることを可能にする。
【0004】
しかしながら、既知のタイプのリブ加工方法には欠点がある。その欠点としては、カバーの1つのリブと隣接するリブとの間の前記ステッチが見えてしまい、その結果、特に最終消費者の観点から見栄えが悪いという事実が挙げられる。
【0005】
既知のタイプのリブ加工方法の別の欠点は、それらが、実質的に丸い形状の断面を有するリブを備えたカバーしかもっぱら提供できないことにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のねらいは、上記の背景技術の限界を克服し、所望の美的外観に応じて様々な寸法を有する隆起したリブを形成することを可能にする、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法を提供することである。
【0007】
このねらいの範囲内で、本発明の目的は、1つのリブと隣接するリブとの間にある見栄えの悪いステッチを回避することを可能にする、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、所望の美的外観に応じて、可変サイズの断面を有し、必ずしも丸みを帯びていない形状、例えば実質的に正方形の断面を有するリブを形成することを可能にする、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、所望の柔らかさの程度に応じて、可変密度を有するパッドをカバーに詰めることを可能にする、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法を提供することである。
【0010】
本発明のまたさらなる目的は、信頼性が高く、提供が比較的簡単であり、そして背景技術と比較した場合に競争力のあるコストで、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のねらい、ならびに以下でより明らかとなる上記の目的および他の目的は、
長手方向に延びる複数の座部を備える型部材上にカバー材料を載置するステップと、
前記型部材の前記複数の座部に長手方向に延びる複数の成形ロッドを挿入し、前記カバー材料を前記型部材に接着させ、前記カバー材料に複数の座部を設ける、ステップと、
前記型部材、前記カバー材料および前記複数の成形ロッドを含む第1の組合せ体を加熱プレスし、前記カバー材料を熱成形する、ステップと、
前記第1の組合せ体から前記複数の成形ロッドを取り外すステップと、
前記型部材および前記カバー材料を冷却するステップと
を含むことにより特徴付けられている、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法によって達成される。
【0012】
意図されたねらいおよび目的はまた、本明細書で説明される、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法によって得ることができるカバーによって達成される。
【0013】
意図されたねらいおよび目的は、本明細書で説明される、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法によって得ることができるカバーを備える製品によってさらに達成される。
【0014】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を用いて非限定的な例として示される、本発明による、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法の好ましいが排他的ではない実施形態の説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明による、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図2】本発明による、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法の一実施形態の第1のステップの分解斜視図である。
【
図3】本発明による、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法の一実施形態の第2のステップの斜視図である。
【
図4】本発明による、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法の一実施形態の第3のステップの分解斜視図である。
【
図5】本発明による、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法により得られたカバーの一実施形態の一部の斜視図である。
【
図6】本発明による、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法により得られたカバーを備える物品、具体的には家具の一実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照すると、参照番号10で概して示されている、本発明による、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法は、実質的に以下のステップを含む。
【0017】
最初に、ステップ12において、例えば皮革または布帛の一部などの加工対象のカバー材料32が型部材34上に広げられる。
【0018】
型部材34は板状の基部36を備え、この基部36は、場合に応じて変更され得る広がりを有する。また、型部材34は、長手方向に延び、好ましくは互いに平行である複数の立ち上がり部38を備え、この立ち上がり部38の高さおよび相互距離は場合に応じて変更され得る。
【0019】
好ましくは、型部材34は金属製である。さらにより好ましくは、型部材34は、アルミニウムまたはその合金で作られる。
【0020】
型部材34は、長手方向に延び、好ましくは互いに平行である複数の座部40を備え、これらの座部40は、板状の基部36と、長手方向に延び、好ましくは互いに平行である複数の立ち上がり部38とによって形成されその境界が定められている。
【0021】
各座部40の高さは、対応する立ち上がり部38の高さに実質的に対応し、各座部40の幅は、対応する立ち上がり部38間の相互距離に実質的に対応する。
【0022】
本発明によるリブ加工方法10の一実施形態では、2つの立ち上がり部38間の相互距離、従って、対応する座部40の幅は、型部材34の広がりに沿って常に同じである。例えば、すべての立ち上がり部38は、互いに2センチメートルだけ離間することができ、従って、すべての座部40は、2センチメートルの幅となり得る。
【0023】
本発明によるリブ加工方法10の別の実施形態では、2つの立ち上がり部38間の相互距離、従って、対応する座部40の幅は、型部材34の広がりに沿って変わる。例えば、一対の立ち上がり部38を互いに2センチメートルだけ離間させることができ、従って、対応する座部40の幅を2センチメートルとすることができると同時に、隣接する一対の立ち上がり部38を互いに3センチメートル離間させることができ、従って、対応する座部40の幅を3センチメートルとすることができる。
【0024】
次いで、ステップ14において、長手方向に延びる複数の成形ロッド42を型部材34の複数の座部40に挿入して、前に載置されたカバー材料32を型部材34に接着させ、カバー材料32に複数の座部33を得て、その結果、前記カバー材料32に所望の形状が与えられるようにする。特に、少なくとも1つの成形ロッド42が、型部材34のそれぞれの各座部40に挿入される。
【0025】
各成形ロッド42の高さは、立ち上がり部38がプレス中に曲がったり損傷したりすることを防止するために、数ミリメートル、例えば4ミリメートル大きくされたそれぞれの座部40の高さに実質的に対応し、各成形ロッド42の幅は、カバー材料32の厚さ2倍分小さくされたそれぞれの座部40の幅に実質的に対応する。
【0026】
好ましくは、成形ロッド42は金属製である。さらにより好ましくは、成形ロッド42は、アルミニウムまたはその合金で作られる。
【0027】
次いで、ステップ16において、型部材34、加工対象のカバー材料32および成形ロッド42を含む組合せ体が加熱プレスされる。この第1のプレス16は、カバー材料32を熱成形し、カバー材料32に設けられた座部33を実質的に不可逆的にするようになっている。例えば、加熱プレスは、既知のタイプのプレート式プレスによって行うことができる。
【0028】
本発明によるリブ加工方法10の一実施形態では、特に加工対象のカバー材料32が皮革である場合、この第1のプレス16は、65℃〜75℃の温度、好ましくは70℃に等しい温度で、1平方センチメートル当たり2.5〜3キログラムの圧力で、75分〜85分の時間、好ましくは80分に等しい時間で行われる。
【0029】
加工対象のカバー材料32が例えば合成皮革または布帛などの別のタイプのものである場合、第1のプレス16は、皮革加工に関して上で言及した段落に示されたものと同一または類似の温度、圧力および時間で行われ得る。
【0030】
第1のプレス16が終わると、ステップ18において、型部材34、加工対象のカバー材料32、および成形ロッド42を含む組合せ体が、プレス機から引き出され、複数の成形ロッド42が前記組合せ体から取り外される。
【0031】
次いで、ステップ20において、型部材34および加工対象のカバー材料32が冷却される。本発明によるリブ加工方法10の一実施形態では、冷却20は、大気温度である室内で、従って自然な態様で行われる。本発明によるリブ加工方法10の別の実施形態では、冷却20は、空調された部屋で行われ、従って人為的な態様で行われる。
【0032】
型部材34および加工対象のカバー材料32が冷却されると、ステップ22において、一層のホットグルー(ホットメルト接着剤)または熱接着剤が、外側を向いている加工対象のカバー材料32の表面上、すなわち型部材34と接触している表面とは反対側を向いている表面上と、例えばスポンジゴム製の複数のパッド条片44上との両方に塗布される。好ましくは、塗布されるホットグルーは、ポリウレタン系ポリマーの水性分散液を用いたタイプのものである。例えば、ホットグルーの塗布は、スプレーガンまたは既知のタイプのローラマシンによって行うことができる。
【0033】
次いで、ステップ24において、加工対象のカバー材料32に設けられた複数の座部33の内側に複数のパッド条片44が配置される。特に、少なくとも1つのパッド条片44が、カバー材料32のそれぞれの対応の座部33に挿入される。
【0034】
次いで、ステップ26において、型部材34、加工対象のカバー材料32およびパッド条片44を含む組合せ体が、その接触面に塗布されている一層のホットグルーを含む布帛製の被覆シート46で覆われる。特に、被覆シート46は、主にパッド条片44と接触し、場合により加工対象のカバー材料32と接触する。
【0035】
被覆シート46は、結果として得られるカバー48を安定させ、例えば加工対象のカバー材料32のそれぞれの座部33内のパッド条片44の移動によって引き起こされる、見栄えが悪くなるという影響を防ぐように構成されている。好ましくは、被覆シート46は綿製である。被覆シート46はまた、例えばアクリル繊維製または伸縮性布帛製とすることができる。
【0036】
次いで、ステップ28において、型部材34、加工対象のカバー材料32、パッド条片44および被覆シート46を含む組合せ体が加熱プレスされる。この第2のプレス28は、型部材34を除いて、上で言及した組合せ体の要素上に以前に噴霧されたホットグルーの層を熱で再活性化するようになっている。例えば、加熱プレスは、既知のタイプのプレート式プレスによって行うことができる。
【0037】
本発明によるリブ加工方法10の一実施形態では、特に加工対象のカバー材料32が皮革である場合、この第2のプレスは、65℃〜75℃の温度、好ましくは70℃に等しい温度で、1平方センチメートル当たり2.5〜3キログラムの圧力で、15分〜25分の時間、好ましくは20分に等しい時間で行われる。
【0038】
加工対象のカバー材料32が例えば合成皮革または布帛などの別のタイプのものである場合、第2のプレスは、皮革加工に関して上で言及した段落に示されたものと等しいまたは類似の温度、圧力、および時間で行われ得る。
【0039】
最後に、第2のプレス28が終わると、ステップ30において、型部材34、加工対象のカバー材料32、パッド条片44および被覆シート46を含む組合せ体がプレス機から取り出され、カバー材料32、パッド条片44および被覆シート46は、互いに接着されて、カバー48を形成している。
【0040】
ステップ30において、型部材34および結果として得られるカバー48が再び冷却され、そして一旦冷却されると、例えば
図6に示される家具の品目などの製品50を製造するために取り上げられて使用され得る。
【0041】
本発明によるリブ加工方法10の一実施形態では、冷却30は、大気温度である室内で、従って自然な態様で行われる。本発明によるリブ加工方法10の別の実施形態では、冷却30は、空調された部屋で行われ、従って人為的な態様で行われる。
【0042】
実際に、本発明は、意図するねらいおよび目的を完全に達成することが判明している。特に、このようにして提供された、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法は、背景技術の品質的問題点を克服することを可能にすることが判明しており、これは、所望の美的外観に応じて可変寸法を有する隆起したリブを備えた皮革または他の材料で作られたカバーを提供することができるためである。
【0043】
本発明による、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法の1つの利点は、1つのリブと隣接するリブとの間に見栄えの悪いステッチなしに、皮革または他の材料で作られたカバーを提供できることにある。
【0044】
本発明による、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法の別の利点は、所望の美的外観に応じて、可変サイズの断面を有し、例えば実質的に正方形の形状を有する断面などの必ずしも丸みを帯びていない形状のリブが設けられた、皮革または他の材料で作られたカバーを提供することができることにある。
【0045】
本発明による、特に皮革製カバーを提供するためのリブ加工方法のまたさらなる利点は、所望の柔らかさの程度に応じて、可変密度を有するパッドを使用してパッド詰めされた、皮革または他の材料で作られたカバーを提供できることにある。
【0046】
本発明によるリブ加工方法は、特に皮革製のカバーを提供するために提供されたものであるが、いかなる場合でも、例えば、合成皮革、布帛、生地、ビロード、および/または不織布などの、この用途に適した任意の材料製のカバーを提供するために一般的に使用することができる。
【0047】
このようにして提供された本発明は、多数の修正および変形が可能であり、それらはすべて添付の特許請求の範囲内に包含される。すべての詳細はさらに他の技術的に均等な要素と置き換えられてもよい。
【0048】
実際には、使用される材料は、それらが特定の用途、ならびに可能な形状および寸法と適合性がある限り、要件および技術水準に従って任意のものとすることができる。
【0049】
最後に、特許請求の範囲の保護の範囲は、例として説明に示された図例または好ましい実施形態によって限定されるべきではなく、特許請求の範囲は、当業者によって均等物として扱われるであろうすべての特徴を含む、本発明に存在する特許性のある新規性のすべての特徴を備える。
【0050】
本願が優先権を主張する伊国特許出願第102016000107855号明細書(UA2016A007687)における開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
特許請求の範囲に記載された技術的特徴の後に参照符号が付されている場合、それらの参照符号は、特許請求の範囲の理解度を高めるという唯一の目的のために含まれており、従って、そのような参照符号は、このような参照符号によって例として識別される各要素を解釈するにあたり、いかなる限定的な効果も持たない。
【国際調査報告】