(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-532736(P2019-532736A)
(43)【公表日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】装着装置
(51)【国際特許分類】
A45C 13/38 20060101AFI20191018BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
A45C13/38
A45C11/00 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-520874(P2019-520874)
(86)(22)【出願日】2017年11月2日
(85)【翻訳文提出日】2019年4月18日
(86)【国際出願番号】EP2017078005
(87)【国際公開番号】WO2018083146
(87)【国際公開日】20180511
(31)【優先権主張番号】16197494.4
(32)【優先日】2016年11月7日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100123342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 承平
(72)【発明者】
【氏名】ハンス ループレヒト
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA41
3B045BA24
3B045EA02
3B045FB02
(57)【要約】
運搬機器3に少なくとも1つの容器2、特にケースを装着するための装置1であって、容器2の凹部11に挿入される保持ブラケット4により達成される。容器2が第1及び第2の軸受ピン13、14を備えた保持ブラケット4に留め付けられて運搬機器3に装着される。運搬機器3は第1の軸受ピン13を収容するための第1の軸受要素5と、第2の軸受ピン14を収容するための第2の軸受要素6とを備え、第1及び第2の軸受ピン13、14は特定の軸受要素5、6において共有軸Rの周りを回ることができる。保持ブラケット4は運搬機器3上の第1及び第2の面で可逆的に位置することができ、第1の面にある時は実質的に水平方向に延び且つ第2の面にある時は実質的に垂直方向に延びる。保持ブラケット4が第2の面に位置する場合、容器2の凹部11に挿入可能となる。第1及び第2の軸受要素5、6はそれぞれ凹部15、16を備え、保持ブラケット4が取出し位置に位置する場合、第1及び第2の軸受ピン13、14は軸受要素5、6から取出し可能となる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬機器(3)に少なくとも1つの容器(2)、特にケースを装着するための装置(1)であって、
前記容器(2)の凹部(11)に挿入するための保持ブラケット(4)であって、前記容器(2)は前記保持ブラケット(4)に留め付けられ、前期保持ブラケット(4)は第1及び第2の軸受ピン(13、14)を備え、前記容器(2)は前記保持ブラケット(4)に留め付けられて前記運搬機器(3)に装着され、
前記運搬機器(3)は前記第1の軸受ピン(13)を収容するための第1の軸受要素(5)と、前記第2の軸受ピン(14)を収容するための第2の軸受要素(6)とを備え、前記第1及び第2の軸受ピン(13、14)は前記軸受要素(5、6)内で共有軸(R)の周りを回ることができ、
前記保持ブラケット(4)は前記運搬機器(3)の第1及び第2の面で可逆的に位置することができ、前記第1の面は実質的に水平方向に延び且つ前記第2の面は実質的に垂直方向に延び、前記保持ブラケット(4)が前記第2の面に配置される場合、前記保持ブラケット(4)は前記容器(2)の前記凹部(11)に挿入可能になり、
前記第1及び第2の軸受要素(5、6)はそれぞれ凹部(15、16)を備え、前記保持ブラケット(4)が取出し位置に配置されている場合、前記第1及び第2の軸受ピン(13、14)が前記軸受要素(5、6)から取出し可能となる
よう構成された装置(1)。
【請求項2】
前記第1及び第2の軸受要素(5、6)はそれぞれ弾性要素を備え、よって前記軸受要素(5、6)において前記凹部(15、16)の開口幅が可変となる、ことを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記第1又は第2の面で前記保持ブラケットを確実に留め付けるための位置決め装置(P)を備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記位置決め装置(P)は、少なくとも1つのノッチ(60)と、前記ノッチ(60)に対応する突起(32)とを備える、ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬機器に少なくとも1つの容器、特にケースを装着するための装置であって、容器の凹部に挿入される保持ブラケットを備え、それにより容器が運搬機器に装着される。この保持ブラケットは第1及び第2の軸受ピンを備える。この運搬機器には、第1の軸受ピンを収容するための第1の軸受要素と第2の軸受ピンを収容するための第2の軸受要素とが備えられ、第1及び第2の軸受ピンは特定の軸受要素内において共有軸の周りを回ることができる。保持ブラケットは第1及び第2の面に可逆的に位置することができ、第1の面にある時は実質的に水平方向に延び且つ第2の面にある時は実質的に垂直方向に延びる。保持ブラケットが第2の面に配置される場合、容器の凹部に挿入可能となる。
【背景技術】
【0002】
工具、特にケースを備えた容器は、建設現場への搬出入が大きな問題となることが多い。この容器は大重量及び/又は大規模のものが多く、容器の長距離及び長時間の持ち運びはほぼ不可能である。運搬機器、例えば、可動水処理装置は、大重量且つ大規模な容器の運搬に使用することができる。しかし、運搬機器、例えば、水処理装置に容器を装着するための先行技術の装置は実用的でないことが多く、不適切に使用すると簡単に故障し得る。特に、容器を保持装置から適切に外さなければ、保持装置は変形し故障し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、本発明の目的は、少なくとも1つの容器、特にケースを運搬機器に装着する装置であって、不適切に使用された場合にも保持装置への損傷を容易に防ぐことができる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、独立項1の要旨により達成される。従属項は、本発明の要旨の優位性のある態様を記載している。
【0005】
本発明の目的は、運搬機器に少なくとも1つの容器、特にケースを装着するための装置であって、容器の凹部に挿入される保持ブラケットにより達成される。容器が第1及び第2の軸受ピンを備えた保持ブラケットに留め付けられて運搬機器に装着される。運搬機器は、第1の軸受ピンを収容するための第1の軸受要素と、第2の軸受ピンを収容するための第2の軸受要素とを備え、第1及び第2の軸受ピンは特定の軸受要素内において共有軸の周りを回ることができる。保持ブラケットは第1及び第2の面に可逆的に位置することができ、第1の面にある時は実質的に水平方向に延び且つ第2の面にある時は実質的に垂直方向に延びる。保持ブラケットが第2の面に位置する場合、容器の凹部に挿入可能となる。
【0006】
本発明では、水供給装置において、第1及び第2の軸受要素はそれぞれ凹部を備え、保持ブラケットが取出し位置に配置されている場合、第1及び第2の軸受ピンが特定の軸受要素から取出し可能である。
【0007】
本発明の1つの優位性のある態様において、第1及び第2の軸受要素はそれぞれ弾性要素を備え、よって特にそれらの軸受要素において凹部の開口幅が可変となる。
【0008】
本発明のもう1つの優位性のある態様においては、第1又は第2の面で保持ブラケットを確実に留め付けるための位置決め装置が備えられている。
【0009】
本発明の1つの優位性のある態様においては、位置決め装置は、少なくとも1つのノッチと、そのノッチに対応する突起とを備える。
【0010】
さらなる優位性は、以下の図面についての記載により実現する。本発明の様々な実施例が図面に示されている。図面、発明の詳細な説明、及び請求の範囲には、様々な技術的特徴の組み合わせが記載されている。当業者は、それぞれの特徴を考慮し、さらなる有意義な組み合わせを実現するであろう。
【0011】
図面では、同一及び同等の要素が同一の参照番号により特定されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ケースとして構成された容器を装着するための本発明の装置を備えた、水処理装置として構成された運搬機器の側面図である。
【
図2】容器を装着するための本発明の装置を備えた運搬機器の後方図である。
【
図3】保持ブラケットが第1の面に位置している、容器を装着するための本発明の装置を備えた運搬機器の斜視図である。
【
図4】保持ブラケットが第1の面に位置している、容器を装着するための装置の詳細図である。
【
図5】保持ブラケットが第2の面に位置している、容器を装着するための本発明の装置を備えた運搬機器の斜視図である。
【
図6】保持ブラケットが第2の面に位置している、容器を装着するための装置の詳細図である。
【
図8】デテントラグを備えた保持ブラケットの詳細斜視図である。
【
図10】軸受要素及びデテント溝を備えた位置決め装置の詳細図である。
【
図11】軸受要素及びデテント溝を備えた位置決め装置のさらなる詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1、2、及び3は、運搬機器3に少なくとも1つの容器2、特にケースを装着するための装置1を示す。ここで運搬機器3は水処理装置であって、電動工具、例えば、コアドリルに洗浄用及び冷却用の水を供給するために用いられる。このケースは、特に電動工具、例えば、ドリルハンマ又は研削機を収納するために用いられる。
【0014】
装置1は必要なものとして、保持ブラケット4と、第1の軸受要素5と、第2の軸受要素6とを備える。
【0015】
特に
図7が示す通り、保持ブラケット4は、基体要素7と、第1の柱状突起要素8と、第2の柱状突起要素9とを備える。第1及び第2の柱状突起要素8、9は互いに平行に配置され、基体要素7と垂直に位置している。第1及び第2の柱状突起要素8、9のそれぞれが、第1の端部8a、8b及び第2の端部9a、9bを備える。特に
図8及び9が示す通り、第1及び第2の柱状突起要素8、9の特定の第1の端部8a、9aは、基体要素7に接続されている。
図7から明らかな通り、第1及び第2の柱状突起要素8、9の間に接続要素10が配置されている。この接続要素10はA方向から見て第1及び第2の柱状突起要素8、9の長さの最後の約3分の1の区分に位置し、2つの柱状突起要素8、9が互いに離れないようにするために用いられている。しかし、接続要素10は、柱状突起要素8、9の中間に位置することも、柱状突起要素8、9の特定の第2の端部8b、9bに位置することもできる。接続要素10は、支持又は安定化要素と呼ぶこともできる。
【0016】
保持ブラケット4又は保持ブラケット4の2つの柱状突起要素8、9は、ケースとして構成される容器2の凹部11への挿入に用いられ、よって容器2は保持ブラケット4に留め付けられるとともに水処理装置として構成される運搬機器3に装着される。ケース2の凹部11はケース2のハンドル12に配置され、実際にユーザーがケース2のハンドル12を片手で掴むことができるよう使用される。
【0017】
さらに、保持ブラケット4は、第1及び第2の軸受ピン13、14を備える。第1の軸受ピン13は、第1の柱状突起要素8の第1の端部8aに配置される。第2の軸受ピン14は、第2の柱状突起要素9の第1の端部9aに配置される。
図7及び8が示す通り、第1及び第2の軸受ピン8、9はそれぞれ、円形の断面領域を有する円筒として構成される。軸受ピン13、14の両方が2つの柱状突起要素8、9に対し水平又は垂直方向に延びる。
【0018】
図10及び11が示す通り、第1の軸受要素5は第1の軸受ピン13を収容し支持するよう構成され、第2の軸受要素6は第2の軸受ピン14を収容し支持するよう構成されている。第1及び第2の軸受ピン13、14は特に軸受要素5、6内で、共有軸Rの周りを回転可能で、保持ブラケット4全体が第1及び第2の面に可逆的に配置され得る。第1の面は実質的に水平方向に延び、第2の面は実質的に垂直方向に延びている。
図4において、第1の水平面に位置する保持ブラケット4が示されている。
図1、2、3、及び5は、第2の垂直面に位置する保持ブラケット4を示す。
【0019】
保持ブラケット4が第1の水平面に配置される場合、保持ブラケット4は、水処理装置として構成される運搬機器3の上面に対して平たく押しつけられている。対照的に、保持ブラケット4が第2の垂直面に配置される場合、保持ブラケット4すなわちその2つの柱状突起要素8、9は水処理装置として構成される運搬機器3の上面から垂直に突出し、そのため保持ブラケット4はケースとして構成される容器2の凹部11に挿入され得る。
【0020】
第1及び第2の軸受要素5、6の両方がそれぞれ凹部15、16を備えているので、保持ブラケット4が取出し位置にある場合、第1及び第2の軸受ピン13、14は特定の軸受要素5、6から取出しできる。
図10及び11が示す通り、第1及び第2の軸受要素5、6の形状はS型である。S型の円弧下部は凹部を備え、軸受ピン13、14の実際のレセプタクルすなわち軸受を形成する。円弧下部は弾性又は柔軟性を持つよう構成されており、円弧下部へ圧力がかかっても軸受要素5、6の損傷には直接つながらない。特定の軸受要素5、6は、円弧上部により、水処理装置として構成される運搬機器3に配置される。第1の軸受要素5の円弧上部は第1の留め要素25を囲み、第2の軸受要素6の円弧上部は第2の留め要素26を囲む。第1及び第2の留め要素25、26の両方が十字型の断面領域を有するピンとして構成される。第1の軸受要素5はB方向で第1の留め要素25から取出しでき、第2の軸受要素6はB’方向で第2の留め要素26から取出しできる。
【0021】
さらに、保持ブラケット4の基体要素7は、中央レセプタクル要素30と凹部40とを備える(
図8)。レセプタクル要素30は、突出32と、窪み34とを備える。
【0022】
さらに、装置1は弾性的に支持された留め要素50を備え、留め要素50は水処理装置として構成される運搬機器3の上面に配置され、第1及び第2の軸受要素5、6の間に配置される。保持ブラケット4が運搬機器3に配置される場合、この留め要素50が第1又は第2の面で保持ブラケット4を留め付け又は係止するために用いられる。留め要素50は水平方向に延びるノッチ60を備える。組み立てられた状態、すなわち軸受ピン13、14が軸受要素5、6に位置した場合、留め要素50は保持ブラケット4に当接する。保持ブラケット4が第1の水平面に置かれた場合、レセプタクル要素30の自由端は留め要素50のノッチ60に押接される。保持ブラケット4が第2の垂直面に配置された場合、レセプタクル要素30の突起32が留め要素50のノッチ60に収まる。レセプタクル要素30の窪み34及び凹部40は、レセプタクル要素30が留め要素50上又はその周りで移動できるようにするために主に用いられる。
【0023】
レセプタクル要素30と留め要素50の組み合わせを位置決め装置Pと呼んでもよく、この位置決め装置Pにより保持ブラケット4を第1又は第2の面に配置することができる。
【0024】
保持ブラケット4が運搬機器3に留め付けられている場合、保持ブラケット4はN方向に第1の水平面から第2の面に可逆的に移動することができる。上述の通り、軸受ピン13、14は軸受要素5、6での回転を可能にする。保持ブラケット4は、レセプタクル要素30及び留め要素50により、第1又は第2の面に係止させられ得る。弾性的に支持された留め要素4は、レセプタクル要素30の係止状態からの離脱を可能にする。
【0025】
保持ブラケット4が第2の面からさらにN方向に回転した場合、保持ブラケット4は取出し位置に位置する。この取出し位置において、保持ブラケット4を運搬機器3から外すこと、すなわち軸受要素5、6から軸受ピン13、14をC方向に外して取出すことができる。
【0026】
保持ブラケット4が第2の面からN方向にさらに押圧されると、軸受要素5、6の凹部15、16及び軸受要素5、6の円弧下部の弾性又は柔軟性により、軸受ピン13、14を軸受要素5、6から取出すことができ、その場合軸受要素5、6及び特に軸受要素5、6の円弧下部が保持ブラケット4により損傷を受けることはない。
【国際調査報告】