特表2019-533315(P2019-533315A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-533315半導体基板に対する湿式工程の装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-533315(P2019-533315A)
(43)【公表日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】半導体基板に対する湿式工程の装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20191018BHJP
【FI】
   H01L21/304 643A
   H01L21/304 643Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-522438(P2019-522438)
(86)(22)【出願日】2016年10月25日
(85)【翻訳文提出日】2019年6月24日
(86)【国際出願番号】CN2016103150
(87)【国際公開番号】WO2018076151
(87)【国際公開日】20180503
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】510005650
【氏名又は名称】エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン フゥイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン シー
(72)【発明者】
【氏名】チォン チォン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ジュン
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB13
5F157BB44
5F157BB45
5F157BE12
5F157CC11
5F157CF22
5F157DC90
(57)【要約】
本発明によれば、半導体基板の湿式工程用の装置および方法が提供される。前記装置は、プロセスチャンバと、前記プロセスチャンバに配置され、前記半導体基板を保持および位置決めするチャックと、前記チャックを回転駆動する回転駆動機構と、前記プロセスチャンバを囲むように配置されたチャンバシュラウドと、前記チャンバシュラウドを駆動して上下方向に移動させる少なくとも一つの垂直駆動機構と、遮蔽カバーと、前記遮蔽カバーを駆動して、前記遮蔽カバーを被せるように下降させたり上昇させたりする少なくとも一つの駆動装置と、液体を前記半導体基板表面に吹き付けるディスペンサを備えた少なくとも一つのディスペンサモジュールとを備えている。前記遮蔽カバーが前記プロセスチャンバの上方を覆う際に、前記チャンバシュラウドは上方に移動し前記遮蔽カバーと連結することによって前記プロセスチャンバを封止して、前記液体が前記プロセスチャンバから飛び散ることを防止する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の湿式工程用の装置であって、
プロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバに配置され、前記半導体基板を保持および位置決めするチャックと、
前記チャックを回転駆動する回転駆動機構と、
前記プロセスチャンバを囲むように配置されたチャンバシュラウドと、
前記チャンバシュラウドを駆動して上下方向に移動させる少なくとも一つの垂直駆動機構と、
遮蔽カバーと、
前記遮蔽カバーを駆動して、前記遮蔽カバーを被せるように下降させたり上昇させたりする少なくとも一つの駆動装置と、
液体を前記半導体基板表面に吹き付けるディスペンサを備えた少なくとも一つのディスペンサモジュールとを備え、
前記遮蔽カバーが前記プロセスチャンバを覆う際に、前記チャンバシュラウドが移動して前記遮蔽カバーと結合し、前記プロセスチャンバを密封して前記液体が前記プロセスチャンバから飛び散ることを防止することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ディスペンサモジュールは、ディスペンサの走査動作を制御するリニアアクチュエータを有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記遮蔽カバーは桁に固定されており、前記桁の両端部は、二本のアームに連結されており、前記二本のアームは、一対の駆動装置によって駆動され、前記遮蔽カバーを被せるように下降させたり上昇させたりするように動作することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記遮蔽カバーには排液孔が少なくとも一つ形成されており、前記遮蔽カバーが上昇した際に液体が排出されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
排液孔を介して排出される液体を下流側にガイドする廃液トレーをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記遮蔽カバーには、前記遮蔽カバーの内側面に洗浄液を供給して前記遮蔽カバーを洗浄する少なくとも一つの洗浄ノズルが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記洗浄ノズルは、前記洗浄液が前記チャンバシュラウドの内部に噴射されることを防止する角度で取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記洗浄ノズルからの供給期間および洗浄トリガー条件はプログラム可能であることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記遮蔽カバーの頂部は、斜面または円弧形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセスチャンバの横に配置され、化学薬品、脱イオン水、または、乾燥用ガスを前記半導体基板の表面に供給する少なくとも一つの揺動ノズルをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記揺動ノズルを回転駆動する回転アクチュエータをさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記チャンバシュラウドは、前記遮蔽カバーが駆動されて被せるように下降したり上昇したりする際に、下方に位置することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記ディスペンサは、揺動アームの端に固定されたソケットに取り付けられており、前記リニアアクチュエータは、シャフトを中心に、θ1からθ2まで回転するように前記揺動アームを駆動し、前記回転駆動機構が前記チャックを回転駆動している状態で、前記揺動アームがθ1からθ2まで回動することによって、前記半導体基板の中心から縁に亘って、前記半導体基板の面に液体が噴射されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項14】
前記ディスペンサと前記半導体基板の表面との間の距離「d」は、前記揺動アームの長さを調節することによって調整可能であることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ディスペンサは、ロッドの端に固定されたソケットに取り付けられており、リニアアクチュエータが、シャフトに沿って、中心に対してL1からL2に移動するようにロッドを駆動し、前記回転駆動機構が前記チャックを回転駆動している状態で、前記ロッドがL1からL2に移動することによって、前記半導体基板の中心から縁に亘って、前記半導体基板の面に液体が噴射されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項16】
前記ディスペンサと前記半導体基板の表面との間の距離「d」は、前記ロッドの長さを調節することによって調整可能であることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ディスペンサによって前記半導体基板の表面に噴射される液体の圧力は、10psi〜5000psiの範囲で制御されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
半導体基板の湿式工程用の方法であって、
チャンバシュラウドを下降させ、
プロセスチャンバを覆うように遮蔽カバーを駆動し、
前記チャンバシュラウドを上昇させて前記遮蔽カバーと結合させ前記プロセスチャンバを封止してから、薬液または脱イオン水をディスペンサから前記半導体基板の表面に供給し、
前記半導体基板の表面への前記薬液または前記脱イオン水の供給を停止し、前記チャンバシュラウドを下降させ、
遮蔽カバーを駆動して上昇させることを特徴とする方法。
【請求項19】
前記ディスペンサを駆動して、前記半導体基板の中心と縁との間を走査させることにより、高圧の前記薬液または前記脱イオン水を前記半導体基板の表面に均一に噴射することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記薬液または前記脱イオン水の圧力は、10psi〜5000psiの範囲で制御されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記薬液または前記脱イオン水の流量は、10ml〜4000mlの範囲で制御されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記プロセスチャンバがアイドル状態であり、前記遮蔽カバーが上昇している状態であるときに、洗浄薬液または脱イオン水を遮蔽カバーの内側面に供給して遮蔽カバーを洗浄することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記洗浄ノズルからの供給期間および洗浄トリガー条件はプログラム可能であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
チャンバシュラウドを下降させるステップの前に、前記半導体基板をチャックに装着し、前記チャンバシュラウドを上方に移動させ、前記半導体基板を回転させ、
前記揺動ノズルを前記プロセスチャンバ内に回転移動させて、洗浄薬液または脱イオン水を前記半導体基板の表面に供給し、
前記半導体基板の表面への前記洗浄薬液または前記脱イオン水の供給を停止し、前記揺動ノズルを前記プロセスチャンバの外側に回転移動させることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記遮蔽カバーを駆動するステップの後に、前記チャンバシュラウドを上昇させてから、前記揺動ノズルを前記プロセスチャンバ内に回転移動させて、洗浄薬液または脱イオン水を前記半導体基板の表面に供給し、
前記半導体基板を乾燥させ、
前記揺動ノズルを前記プロセスチャンバの外側に回転移動させ、前記半導体基板の回転を停止させ、前記チャンバシュラウドを下降させてから、前記半導体基板をチャックから取り外すことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧ディスペンサモジュールを利用して高圧の液体を半導体基板上に噴射する、半導体基板上の湿式工程のための装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の製造工程中、洗浄、エッチング、フォトレジスト剥離、金属リフトオフなどの湿式工程用に、化学薬品や脱イオン水などの高圧の液体が半導体基板上に供給される。高圧の液体は、半導体基板に80〜3000psiの圧力で噴射されると、派手に飛散したりミストを発生させたりすることがよくある。飛散した化学薬品または脱イオン水は、半導体基板が処理されるチャンバ近傍の部品に対して、腐食、汚染、機能の損傷の問題を引き起こす。飛散された化学薬品または脱イオン水は、続いて行われる湿式工程および半導体基板の製造工程の後工程である乾燥工程にも影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0003】
従って、本発明の目的は、高圧の液体が半導体基板上に均一に噴射された際にプロセスチャンバから高圧の液体が飛び散ることを防止する装置及び方法を提供することである。
【0004】
本発明の一実施形態は半導体基板の湿式工程用の装置であって、プロセスチャンバと、前記プロセスチャンバに配置され、前記半導体基板を保持および位置決めするチャックと、前記チャックを回転駆動する回転駆動機構と、前記プロセスチャンバを囲むように配置されたチャンバシュラウドと、前記チャンバシュラウドを駆動して上下方向に移動させる少なくとも一つの垂直駆動機構と、遮蔽カバーと、前記遮蔽カバーを駆動して、前記遮蔽カバーを被せるように下降させたり上昇させたりする少なくとも一つの駆動装置と、前記遮蔽カバーに取り付けられ、高圧の液体を前記半導体基板表面に吹き付ける高圧ディスペンサを備えた少なくとも一つの高圧ディスペンサモジュールと、を備える。前記遮蔽カバーで前記プロセスチャンバを覆う際に、前記チャンバシュラウドは移動して前記遮蔽カバーと結合し、前記プロセスチャンバを密封して前記高圧の液体が前記プロセスチャンバから飛び散ることを防止する。
【0005】
本発明の一実施形態では、半導体基板の湿式工程の方法は以下のステップを備えている。
【0006】
チャンバシュラウドを下降させ、半導体基板をチャックに装着し、前記チャンバシュラウドを上方に移動させ、前記半導体基板を回転させる。
【0007】
揺動ノズルをプロセスチャンバ内に回転移動させて、洗浄薬液または脱イオン水を前記半導体基板の表面に供給する。
【0008】
前記半導体基板の表面への前記洗浄薬液または前記脱イオン水の供給を停止し、前記揺動ノズルを前記プロセスチャンバの外側に回転移動させ、その後前記チャンバシュラウドを下降させる。
【0009】
前記プロセスチャンバを覆うように前記遮蔽カバーを駆動する。
【0010】
前記チャンバシュラウドを上昇させて前記遮蔽カバーと結合させプロセスチャンバを封止してから、高圧の化学薬品または前記脱イオン水を前記半導体基板の表面に供給する。
【0011】
前記半導体基板の表面への前記高圧の化学薬品または前記脱イオン水の供給を停止し、前記チャンバシュラウドを下降させる。
【0012】
遮蔽カバーを駆動して上昇させる。
【0013】
前記チャンバシュラウドを上昇させてから、前記揺動ノズルを前記プロセスチャンバ内に回転移動させて、洗浄薬液または脱イオン水を前記半導体基板の表面に供給する。
【0014】
前記半導体基板を乾燥させる。
【0015】
前記揺動ノズルを前記プロセスチャンバの外側に回転移動させ、前記半導体基板の回転を停止させ、前記チャンバシュラウドを下降させてから、前記半導体基板をチャックから取り外す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による半導体基板の湿式工程用の例示的な装置を示す側面図であって、装置の遮蔽カバーが、装置のプロセスチャンバを封止するよう覆っている様子を示す図である。
図2図1に示された装置の上面図である。
図3】遮蔽カバーを上昇させた状態を示す側面図である。
図4図3に示された装置の上面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る装置の高圧ディスペンサモジュールを示す側面図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る装置の高圧ディスペンサモジュールを示す側面図である。
図7A】装置を用いて半導体基板に湿式処理を行う処理手順を示す側面図である。
図7B】装置を用いて半導体基板に湿式処理を行う処理手順を示す側面図である。
図7C】装置を用いて半導体基板に湿式処理を行う処理手順を示す側面図である。
図7D】装置を用いて半導体基板に湿式処理を行う処理手順を示す側面図である。
図7E】装置を用いて半導体基板に湿式処理を行う処理手順を示す側面図である。
図7F】装置を用いて半導体基板に湿式処理を行う処理手順を示す側面図である。
図7G】装置を用いて半導体基板に湿式処理を行う処理手順を示す側面図である。
図7H】装置を用いて半導体基板に湿式処理を行う処理手順を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、半導体基板の湿式工程用の例示的な装置であって、高圧ディスペンサモジュールを通して高圧の液体を半導体基板に均一に噴霧する際に、遮蔽カバーをチャンバシュラウドと結合させて、高圧の液体がプロセスチャンバから飛び散ることを防止する装置を提供する。
【0018】
図1図4に示されるように、本発明の半導体基板の湿式工程用の例示的な装置は、プロセスチャンバ1005と、プロセスチャンバ1005を取り囲むように配置されたチャンバシュラウド1006とを備えている。チャンバシュラウド1006は、チャンバシュラウド1006を駆動して上下方向に移動させる少なくとも一つの垂直駆動機構に接続されている。プロセスチャンバ1005には、半導体基板1001を保持および位置決めするチャック1002が配置されている。チャック1002は、回転スピンドル1003を介して、回転駆動機構1004に接続されている。回転駆動機構1004は、チャック1002を回転駆動する。装置は、遮蔽カバー1007をさらに備えている。遮蔽カバー1007上部には、少なくとも一つの高圧ディスペンサモジュール1014が取り付けられる。各高圧ディスペンサモジュール1014は、圧力が10〜5000psiの高圧の液体、化学薬品、または、脱イオン水を半導体基板1001の表面に噴射する高圧ディスペンサ1030を有している。高圧ディスペンサモジュール1014は、高圧ディスペンサ1030の走査動作を制御するためのリニアアクチュエータ1013を有している。これによって、チャック1002を20〜3000rpmの速度で駆動回転させながら、半導体基板1001の中心から縁部まで半導体基板1001の表面に高圧の液体、化学薬品、または、脱イオン水が噴射される。
【0019】
前記遮蔽カバー1007は、少なくとも一つの駆動装置によって、被せるように下降したり上昇したりするように駆動される。一実施形態において、遮蔽カバー1007は桁1024上に固定される。桁1024の両端部は、二本のアーム1012a、1012bに連結されている。二本のアーム1012a、1012bは、一対の駆動装置1008a、1008bによって駆動され、遮蔽カバー1007を被せるように下降させたり上昇させたりするように動作する。遮蔽カバー1007には排液孔1016が少なくとも一つ形成されており、遮蔽カバー1007が上昇した際に液体が排出されるようになっている。排液孔1016は遮蔽カバー1007が上昇した状態で遮蔽カバー1007の底部に位置する。これにより、遮蔽カバー1007の頂部に飛散した液体は、重力によって排液孔1016へと流れ落ちてくる。遮蔽カバー1007から、排液孔1016を介して排出される液体は、廃液トレー1017によって下流側にガイドされる。遮蔽カバー1007には、遮蔽カバー1007を洗浄する少なくとも一つの洗浄ノズル1036が、排液孔1016に対抗して配置されている。一実施形態において、遮蔽カバー1007の洗浄用に、三つの洗浄ノズル1036a、1036b、1036cが遮蔽カバー1007に配置されている。遮蔽カバー1007が上昇した状態では、少なくとも一つの洗浄ノズル1036a、1036b、1036cが遮蔽カバー1007の上部に位置しており、遮蔽カバー1007の内面に洗浄薬液または脱イオン水を供給することにより遮蔽カバー1007を洗浄する。洗浄薬液または脱イオン水は、遮蔽カバー1007の内面に沿って下方に移動し、重力によって排液孔1016を通って排出される。洗浄ノズル1036a、1036b、1036cは、洗浄薬液または脱イオン水がチャンバシュラウド1006の内部に噴射されることを防止する角度で取り付けられている。遮蔽カバー1007の頂部は、液体がプロセスチャンバ1005にガイドされるように斜面または円弧形状に形成されている。洗浄ノズル1036a、1036b、1036cからの供給期間はプログラム可能である。遮蔽カバー1007の洗浄トリガー条件は、処理した半導体基板1001の数または累積時間に基づいてプログラム可能である。
【0020】
プロセスチャンバ1005の横には、化学薬品の液体、脱イオン水、または、乾燥用ガスを半導体基板1001の表面に供給する少なくとも一つの揺動ノズル1018が配置されている。回転アクチュエータ1020は、揺動ノズル1018がプロセスチャンバ1005内で揺動して半導体基板1001の全面を走査できるように、揺動ノズル1018を駆動する。
【0021】
図1および図2に示されるように、半導体基板1001に上述した装置を用いて、例えば、洗浄、エッチング、フォトレジスト剥離、金属リフトオフ等の湿式工程を行う場合、半導体基板1001はチャック1002上に載置される。回転駆動機構1004は、チャック1002を20〜3000rpmの速度で回転駆動する。遮蔽カバー1007は、プロセスチャンバ1005をカバーするように、駆動装置1008a、1008bによって駆動される。その後、チャンバシュラウド1006が、上方へ移動するように駆動される。遮蔽カバー1007とチャンバシュラウド1006との組合せによって、プロセスチャンバ1005が封止され、半導体基板1001の表面上に噴射された高圧の化学薬品または脱イオン水がプロセスチャンバ1005から飛び散ることを防止する。高圧の化学薬品または脱イオン水は、高圧ディスペンサモジュール1014の高圧ディスペンサー1030を介して、10〜5000psiの圧力で半導体基板1001の表面に噴射される。半導体基板1001の高圧処理が終了した後、図3および図4に示すように、チャンバシュラウド1006は下に移動するように駆動される。その後、遮蔽カバー1007は、駆動装置1008a、1008bによって上昇するように駆動される。遮蔽カバー1007は、プロセスチャンバ1005の横にある。次に、チャンバシュラウド1006を上に移動させ、次いで回転アクチュエータ1020が揺動ノズル1018を駆動してプロセスチャンバ1005内に移動させ、半導体基板1001の表面に化学薬品の液体、脱イオン水、または、乾燥用ガスを供給する。チャンバシュラウド1006は、遮蔽カバー1007がプロセスチャンバー1005を覆うように駆動されたとき、または、遮蔽カバー1007がプロセスチャンバ1005の開口部の横の位置に向かって上昇するように駆動されたとき、下方に位置しており、揺動ノズル1018が容易に移動できる充分なスペースがある。
【0022】
図5には、本発明の一実施形態に係る装置の高圧ディスペンサモジュールが示されている。高圧ディスペンサモジュール3014は、遮蔽カバー3007に搭載されている。高圧ディスペンサモジュール3014は、高圧ディスペンサ3030を備えている。高圧ディスペンサ3030は、揺動アーム3032の端に固定されたソケット3031に取り付けられている。高圧ディスペンサモジュール3014は、高圧ディスペンサ3030の走査動作を制御するリニアアクチュエータ3013を有している。具体的には、リニアアクチュエータ3013は、シャフト3033を中心にθ1からθ2まで回転するように揺動アーム3032を駆動する。図5に示すように、リニアアクチュエータ3013が、揺動アーム3032を駆動してθ1に回転させると、高圧ディスペンサ3030から供給された液体は半導体基板3001の中心に噴射される。リニアアクチュエータ3013が、揺動アーム3032を駆動してθ2に回転させると、高圧ディスペンサ3030から供給された液体は半導体基板3001の縁に噴射される。これにより、回転駆動機構3004がチャック3002を回転駆動している状態で、揺動アーム3032がθ1からθ2まで回動することによって、半導体基板3001の中心から縁に亘って、半導体基板3001の面に高圧の液体が噴射される構成となっている。また、高圧ディスペンサ3030と半導体基板3001の表面との間の距離「d」は、揺動アーム3032の長さを調節することによって調整可能である。高圧ディスペンサ3030は、迅速接続によってソケット3031に搭載される。また、高圧ディスペンサ3030は、所望のタイプの高圧ディスペンサと容易に取り替えることが可能である。異なるタイプの高圧ディスペンサ3030を用いることによって、高圧ディスペンサ3030から噴射される液体を選択的に円錐形状、コラム形状、または、扇状にすることができる。ライン3034は高圧ディスペンサ3030に接続され、高圧ディスペンサ3030に高圧の化学薬品または脱イオン水を供給する。圧力計3039はライン3034上に設置され、10〜5000psiの範囲で圧力を制御する。流量計3043はライン3034上に設置され、流量を制御する。オン/オフバルブ3038はライン3034上に設置され、ライン3034からの高圧の液体の供給を制御する。洗浄ノズル3036に接続された別のライン3040は、洗浄ノズル3036に洗浄薬液または脱イオン水を供給して遮蔽カバー3007の内面を洗浄する。ライン3040上には、流量を制御する別の流量計3044が設置されている。また、ライン3040上には、ライン3040からの洗浄薬液または脱イオン水の供給を制御する別のオン/オフバルブ3041が設置されている。
【0023】
図6には、本発明の別の実施形態に係る装置の高圧ディスペンサモジュールが示されている。高圧ディスペンサモジュール5014は、遮蔽カバー5007に搭載されている。高圧ディスペンサモジュール5014は、高圧ディスペンサ5030を備えている。高圧ディスペンサ5030は、ロッド5034の端に固定されたソケット5031に取り付けられている。高圧ディスペンサモジュール5014は、高圧ディスペンサ5030の走査動作を制御するリニアアクチュエータ5013を有している。具体的には、リニアアクチュエータ5013は、シャフト5033に沿って、中心に対してL1からL2に移動するようにロッド5034を駆動する。リニアアクチュエータ5013が、ロッド5034を駆動してL1に移動させると、高圧ディスペンサ5030から供給された液体は半導体基板5001の中心に噴射される。リニアアクチュエータ5013が、ロッド5034を駆動してL2に移動させると、高圧ディスペンサ5030から供給された液体は半導体基板5001の縁に噴射される。これにより、回転駆動機構5004がチャック5002を回転駆動している状態で、ロッド5034がL1からL2に移動することによって、半導体基板5001の中心から縁に亘って、半導体基板5001の面に高圧の液体が噴射される構成となっている。また、高圧ディスペンサ5030と半導体基板5001の表面との間の距離「d」は、ロッド5034の長さを調節することによって調整可能である。高圧ディスペンサ5030は、迅速接続によってソケット5031に搭載される。また、高圧ディスペンサ5030は、所望のタイプの高圧ディスペンサと容易に取り替えることが可能である。異なるタイプの高圧ディスペンサ5030を用いることによって、高圧ディスペンサ5030から噴射される液体を選択的に円錐形状、コラム形状、または、扇状にすることができる。ライン5034は高圧ディスペンサ5030に接続され、高圧ディスペンサ5030に高圧の化学薬品または脱イオン水を供給する。圧力計5039はライン5034上に設置され、10〜5000psiの範囲で圧力を制御する。流量計5043はライン5034上に設置され、流量を制御する。オン/オフバルブ5038はライン5034上に設置され、ライン5034からの高圧の液体の供給を制御する。洗浄ノズル5036に接続された別のライン5040は、洗浄ノズル5036に洗浄薬液または脱イオン水を供給して遮蔽カバー5007の内面を洗浄する。ライン5040上には、流量を制御する別の流量計5044が設置されている。また、ライン5040上には、ライン5040からの洗浄薬液または脱イオン水の供給を制御する別のオン/オフバルブ5041が設置されている。
【0024】
従って、本発明は、半導体基板の湿式工程用の方法であって、高圧ディスペンサモジュールを通して高圧の液体を半導体基板に均一に噴霧する際に、遮蔽カバーをチャンバシュラウドと結合させて、高圧の液体がプロセスチャンバから飛び散ることを防止する装置を提供する。
【0025】
図7A図7Hを参照して、処理の手順を示す。
【0026】
ステップ1:チャンバシュラウド7006を下降させ、チャック7002に半導体基板7001を装着し、チャンバーシュラウド7006を上昇させ、半導体基板7001を10RPM〜3000RPMの速度で回転させる。
【0027】
ステップ2:図7Aに示すように、揺動ノズル7018をプロセスチャンバ7005内に回転移動させて、洗浄薬液または脱イオン水を半導体基板7001の表面に供給する。
【0028】
ステップ3:図7Bに示すように、半導体基板7001の表面への洗浄薬液または脱イオン水の供給を停止し、揺動ノズル7018をプロセスチャンバ7005の外側に回転移動させてからチャンバシュラウド7006を下降させる。
【0029】
ステップ4:図7(c)に示すように、遮蔽カバー7007を駆動してプロセスチャンバ7005を覆う。
【0030】
ステップ5:チャンバシュラウド7006を移動させて遮蔽カバー7007と連結し、遮蔽カバー7007とチャンバシュラウド7006の組み合わせによって、プロセスチャンバ7005を封止し、その後、図7Dに示されるように、高圧ディスペンサ7030から高圧の化学薬品または脱イオン水を半導体基板7001の表面に供給する。
【0031】
ステップ6:図7Eに示すように、半導体基板7001の表面への高圧の化学薬品または脱イオン水の供給を停止し、チャンバシュラウド7006を下降させる。
【0032】
ステップ7:図7Fに示されるように、遮蔽カバー7007を駆動して上昇させる。
【0033】
ステップ8:チャンバシュラウド7006を上昇させて、図7Gに示すように、揺動ノズル7018をプロセスチャンバ7005内に回転移動させて、洗浄薬液または脱イオン水を半導体基板7001の表面に供給する。
【0034】
ステップ9:半導体基板7001を乾燥させる。
【0035】
ステップ10:揺動ノズル7018をプロセスチャンバ7005の外側に回転移動させ、半導体基板7001の回転を停止させ、チャンバシュラウド7006を下降させてから、半導体基板7001をチャック7002から取り外す。
【0036】
ステップ5では、高圧ディスペンサ7030が駆動されて、半導体基板7001の中心と縁との間を走査することで、高圧の化学薬品または脱イオン水が半導体基板7001の表面に均一に噴射される。高圧の化学薬品または脱イオン水の圧力は、10psi〜5000psiの範囲で制御され、高圧の化学薬品または脱イオン水の流量は、10ml〜4000mlの範囲で制御される。
【0037】
プロセスチャンバ7005がアイドル状態で遮蔽カバー7007が上昇させられた場合、洗浄ノズルは、洗浄薬液または脱イオン水をシールドカバー7007の内面に供給して遮蔽カバー7007を洗浄する。洗浄ノズルからの供給期間はプログラム可能である。洗浄トリガー条件は、処理した半導体基板の数または累積時間に基づいてプログラム可能である。
【0038】
本発明の前述の説明は、例示および説明のために提示されたものである。本発明の正確な開示として限定または網羅するものではなく、上記の教示内容に鑑みて多くの修正および変形が可能であることは自明である。当業者に自明な改変および変形は、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
【国際調査報告】