特表2019-533410(P2019-533410A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-533410モータと減速機とが連結された入力軸構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-533410(P2019-533410A)
(43)【公表日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】モータと減速機とが連結された入力軸構造
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/116 20060101AFI20191018BHJP
   F16D 1/09 20060101ALI20191018BHJP
   F16D 1/06 20060101ALI20191018BHJP
   F16D 1/08 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
   H02K7/116
   F16D1/09 500
   F16D1/06 110
   F16D1/08 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-513285(P2019-513285)
(86)(22)【出願日】2017年1月20日
(85)【翻訳文提出日】2019年3月25日
(86)【国際出願番号】CN2017071838
(87)【国際公開番号】WO2018045705
(87)【国際公開日】20180315
(31)【優先権主張番号】201621047987.3
(32)【優先日】2016年9月9日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】511268454
【氏名又は名称】ジン−ジン エレクトリック テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヨンウー
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ピン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジエンウェン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ティエンジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,シーシエン
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607BB01
5H607BB14
5H607CC03
5H607CC09
5H607DD03
5H607DD08
5H607DD19
5H607EE17
5H607EE31
5H607FF01
5H607GG01
5H607GG08
5H607JJ02
5H607JJ04
5H607JJ10
(57)【要約】
【解決手段】モータ4と減速機1とが連結された入力軸構造は、主軸5を含み、主軸の入力端がモータ内に位置し、モータのロータに連結されており、主軸の出力端が減速機内に位置し、減速機の駆動ギア2に連結されており、主軸の両端及び中間部のいずれにも、軸方向の位置決めを行う軸受6、9、14が設けられており、駆動ギアのボス2-1が両側に延びており、ボスの内孔が前記主軸の軸径と合わせて径方向の位置決めを行うことで、前記駆動ギアと主軸との同心性が確保される。モータの軸と減速機の入力軸とが一体型入力軸として設計されることで、動力部分全体の軸方向寸法が小さくなり、車両全体のレイアウトに有利であり、そして軽量である。駆動ギアの両端には径方向の位置決め構造が追加され、駆動ギアと主軸との同心性が確保され、システムの安定性が向上する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸を含み、前記主軸の入力端がモータ内に位置し、該モータのロータに連結されており、前記主軸の出力端が減速機内に位置し、該減速機の駆動ギアに連結されており、前記主軸の両端及び中間部のいずれにも、軸方向の位置決めを行う軸受が設けられている、モータと減速機とが連結された入力軸構造であって、
前記駆動ギアのボスが両側に延びており、前記ボスの内孔が前記主軸の軸径と合わせて径方向の位置決めを行うことで、前記駆動ギアと前記主軸との同心性が確保される、
ことを特徴とするモータと減速機とが連結された入力軸構造。
【請求項2】
前記ボスの右端の内孔と前記主軸とが中間ばめ又は締りばめし、前記ボスの左端の内孔と前記主軸との間にブッシュが設けられており、前記ブッシュと、前記ボスの左端の内孔と、前記主軸との三者が、中間ばめ又は締りばめを形成している、
ことを特徴とする請求項1に記載の入力軸構造。
【請求項3】
前記主軸に、前記ブッシュを係止するカラーが設けられているか、又は、前記主軸に、前記ブッシュを締め付けるロックナットが設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の入力軸構造。
【請求項4】
前記軸受が、左端軸受と、右端軸受と、中間部軸受とを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の入力軸構造。
【請求項5】
前記左端軸受が前記減速機のハウジングに固定して取り付けられ、前記右端軸受が前記モータのハウジングに固定して取り付けられ、前記モータと前記減速機との間に中間ハウジングが設けられており、前記中間部軸受が前記中間ハウジングに固定して取り付けられている、
ことを特徴とする請求項4に記載の入力軸構造。
【請求項6】
前記中間ハウジングには、前記中間部軸受の左側に、前記中間部軸受の外端面を押し付ける押さえリングが設けられており、前記中間部軸受の右側に、オイルシールが設けられている、
ことを特徴とする請求項5に記載の入力軸構造。
【請求項7】
前記主軸には、前記中間部軸受の左側に雄スプラインが設けられており、前記駆動ギアに雌スプラインが設けられており、前記駆動ギアが雌スプラインを介して前記主軸の前記雄スプラインに連結される、
ことを特徴とする請求項4に記載の入力軸構造。
【請求項8】
前記駆動ギアのボスの右端が前記中間部軸受の内端面を押し付けるか、又は、前記駆動ギアのボスの右端に、前記中間部軸受の内端面を押し付ける軸スリーブが設けられている、
ことを特徴とする請求項4に記載の入力軸構造。
【請求項9】
前記主軸と前記駆動ギアとがフラットキーによって連結されるか、又は、前記駆動ギアの内孔がネジ無し孔であり、締りばめ又は溶接で前記主軸に連結される、
ことを特徴とする請求項1に記載の入力軸構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータと減速機との間でモーメントを伝達するための、モータと減速機とが連結された入力軸構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車において、モータの軸と減速機の入力軸とはそれぞれ独立した主軸であって、両者がスプラインを介して連結されてモーメントを伝達する。この伝達構造は比較的複雑であり、且つ減速機及びモータの軸方向寸法が大きくなり、車両全体のレイアウトに不利であり、そして、重量も重い。
【0003】
従来技術におけるギアは、一般的に主軸とフラットキーで連結され、ギアと主軸とが隙間ばめ又は中間ばめしており、同心性を確保するのが困難であり、システムの安定性に影響を及ぼしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記問題に鑑みて、本発明は、モータと減速機とが連結された入力軸構造を提供しており、モータの軸と減速機の入力軸とが一体型入力軸として設計されることにより、動力部分全体の軸方向寸法が小さくなり、車両全体のレイアウトには有利であり、そして軽量である。駆動ギアのボスが両側に延びており、ボスの内孔が主軸の軸径と合わせて径方向の位置決めを行うことで、駆動ギアと主軸との同心性が確保され、システムの安定性が向上する。上記目的に達するように、本発明の技術案は、下記のように実現される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
モータと減速機とが連結された入力軸構造は、主軸を含み、前記主軸の入力端がモータ内に位置し、該モータのロータに連結されており、前記主軸の出力端が前記減速機内に位置し、該減速機の駆動ギアに連結されており、前記主軸の両端及び中間部のいずれにも、軸方向の位置決めを行う軸受が設けられており、前記駆動ギアのボスが両側に延びており、前記ボスの内孔が前記主軸の軸径と合わせて径方向の位置決めを行うことで、前記駆動ギアと前記主軸との同心性が確保される。
【0006】
また、前記ボスの右端の内孔と前記主軸とが中間ばめ又は締りばめし、前記ボスの左端の内孔と前記主軸との間にブッシュが設けられており、前記ブッシュと、前記ボスの左端の内孔と、前記主軸との三者が、中間ばめ又は締りばめを形成していてもよい。
【0007】
また、前記主軸に、前記ブッシュを係止するカラーが設けられているか、又は、前記主軸に、前記ブッシュを締め付けるロックナットが設けられていてもよい。
【0008】
また、前記軸受が、左端軸受と、右端軸受と、中間部軸受とを含んでもよい。
【0009】
また、前記左端軸受が前記減速機のハウジングに固定して取り付けられ、前記右端軸受が前記モータのハウジングに固定して取り付けられ、前記モータと前記減速機との間に中間ハウジングが設けられており、前記中間部軸受が前記中間ハウジングに固定して取り付けられてもよい。
【0010】
また、前記中間ハウジングには、前記中間部軸受の左側に、前記中間部軸受の外端面を押し付ける押さえリングが設けられており、前記中間部軸受の右側に、オイルシールが設けられていてもよい。
【0011】
また、前記主軸には、前記中間部軸受の左側に雄スプラインが設けられており、前記駆動ギアに雌スプラインが設けられており、前記駆動ギアが雌スプラインを介して前記主軸の前記雄スプラインに連結されてもよい。
【0012】
また、前記駆動ギアのボスの右端が前記中間部軸受の内端面を押し付けるか、又は、前記駆動ギアのボスの右端に、前記中間部軸受の内端面を押し付ける軸スリーブが設けられていてもよい。
【0013】
また、前記主軸と前記駆動ギアとがフラットキーによって連結されるか、又は、前記駆動ギアの内孔がネジ無し孔であり、締りばめ又は溶接で前記主軸に連結されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
上記構造を採用した本発明は、以下の利点を有する。
【0015】
本発明は、モータの軸と減速機の入力軸とが一体型入力軸として設計され、構造が簡単で、取り付けが便利であり、動力部分全体の軸方向寸法が小さくなり、車両全体のレイアウトに有利であり、そして軽量である。
【0016】
本発明において、駆動ギアのボスが両側に延びており、ボスの内孔が主軸の軸径と合わせて径方向の位置決めを行うことで、駆動ギアと主軸との同心性が確保され、システムの安定性が向上する。
【0017】
上記の説明は、本発明の技術案の概要に過ぎず、本発明の技術手段をより明らかに理解して、それらを明細書の内容に従って実施することができるように、また、本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点をより容易に理解するために、以下、本発明の具体的な実施形態を例示する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の断面図である。
図2】本発明に用いられた主軸の断面図である。
図3】本発明に用いられた駆動ギアの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことにより、様々な他の利点及びメリットが当業者にとって明らかになる。図面は、好ましい実施形態を例示するためのものだけであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。また、図面全体において、同じ部品には同じ符号が付されている。
【0020】
以下、図面を参照して本発明の例示的な実施例をさらに詳しく説明する。本発明の例示的な実施例が図面に示されているが、本発明は、様々な形態で実現されてもよく、ここに記載の実施例によって限定されないことを理解すべきである。むしろ、これらの実施例は、本発明がよりよく理解され、本発明の範囲が当業者に完全に伝えられるように提供される。
【0021】
[実施例1]
図1図2図3に示すのは、本発明の一つの実施例であり、この実施例において、モータと減速機とが連結された入力軸構造は、主軸5を含み、主軸5の入力端がモータ4内に位置し、モータ4のロータに連結されており、主軸5の出力端が減速機1内に位置し、減速機1の駆動ギア2に連結されており、主軸5の両端及び中間部のいずれにも、軸方向の位置決めを行う軸受が設けられており、駆動ギア2のボス2-1が両側に延びており、ボスの内孔が主軸5の軸径と合わせて径方向の位置決めを行うことで、駆動ギア2と主軸5との同心性が確保される。
【0022】
減速機1内に、通常、複数段のギアが設けられており、例えば、駆動ギア2に従動ギア11が噛み合っており、他のギアは図示されていない。ボス2-1の右端の内孔と主軸5とが中間ばめ又は締りばめし、ボス2-1の左端の内孔と主軸5との間にブッシュ15が設けられており、ブッシュ15と、ボス2-1の左端の内孔と、主軸5との三者が、中間ばめ又は締りばめを形成している。
【0023】
主軸5に、ブッシュ15を係止するカラー12が設けられ、それに応じて、主軸5に係止溝5-2が設けられる。或いは、主軸5に、ブッシュ15を締め付けるロックナットが設けられ、それに応じて、主軸5にねじ山が設けられる。
【0024】
図1に示すように、位置決め軸受は、左端軸受14と、右端軸受6と、中間部軸受9とを含む。
【0025】
左端軸受14が減速機1のハウジングに固定して取り付けられ、右端軸受6がモータ4のハウジングに固定して取り付けられており、モータ4と減速機1との間に中間ハウジング3が設けられており、中間部軸受9が中間ハウジング3に固定して取り付けられ、それに応じて、中間ハウジング3に取付孔溝を設ける必要がある。
【0026】
図1に示すように、中間ハウジング3には、中間部軸受9の左側に、中間部軸受9の外端面を押し付ける押さえリング10が設けられ、中間部軸受9の右側に、オイルシール8が設けられている。オイルシール8によって、減速機1内の潤滑油がモータ4の内部に入り込むのを防止することができる。
【0027】
オイルシール8が中間部軸受9の右側に設けられているので、中間部軸受9をオイル潤滑モードにして、減速機1内の潤滑油で潤滑することができ、従来技術におけるグリース潤滑モードに比べると、軸受の寿命が向上する。
【0028】
図1図2図3に示すように、主軸5には、中間部軸受9の左側に雄スプライン5-1が設けられており、駆動ギア2に雌スプライン2-2が設けられており、駆動ギア2が雌スプライン2-2を介して主軸5の雄スプライン5-1に連結される。
【0029】
駆動ギア2のボス2-1の右端が中間部軸受9の内端面を押し付けるか、又は、駆動ギア2のボス2-1の右端に、中間部軸受9の内端面を押し付ける軸スリーブが設けられている。
【0030】
[実施例2]
実施例1とは異なり、この実施例において、スプライン連結の代わりに、主軸5と駆動ギア2とがフラットキーによって連結されるか、或いは、駆動ギア2の内孔がネジ無し孔であり、締りばめ又は溶接で主軸5に連結される。
【0031】
上記したのは、あくまでも本発明の好ましい実施例であり、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の精神及び原則内になされたいかなる補正、均等的置換、改善等、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0032】
1…減速機、2…駆動ギア、2-1…ボス、2-2…雌スプライン、3…中間ハウジング、4…モータ、5…主軸、5-1…雄スプライン、5-2…係止溝、6…右端軸受、7…ハウジング、8…オイルシール、9…中間部軸受、10…押さえリング、11…従動ギア、12…カラー、13…ハウジング、14…左端軸受、15…ブッシュ
図1
図2
図3
【国際調査報告】