(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
第1の成分が遺伝子操作抗原提示細胞(eAPC)(成分Aと呼ぶ)であり、第2の成分が被分析物 抗原提示複合体(aAPX)及び/又は被分析物 抗原性分子(aAM)をコードする1又は2以上のORFの送達用遺伝子ドナーベクター(成分Cと呼ぶ)である多成分システムであって、
b.各々が少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする少なくとも1つのORFの組込みのための少なくとも2つのゲノム受容部位(成分B及び成分Dと呼ぶ)を含有し、
第1の成分が遺伝子操作抗原提示細胞(eAPC)(成分Aと呼ぶ)であり、第2の成分が被分析物 抗原提示複合体(aAPX)及び/又は被分析物 抗原性分子(aAM)をコードする1又は2以上のORFの送達用遺伝子ドナーベクター(成分Cと呼ぶ)である多成分システムであって、
成分Aが
a.aAPX及び/又はaAMの少なくとも1つのファミリーの内因性表面発現を欠き、
b.各々が少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする少なくとも1つのORFの組込みのための少なくとも2つのゲノム受容部位(成分B及び成分Dと呼ぶ)を含有し、
成分Cが成分Bにマッチし、
c.少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする単一ORF又は
d.少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする2又は3以上のORF
を送達するように設計されており、
ゲノム受容部位B及びDはリコンビナーゼ媒介交換(RMCE)用に設計されている合成構築物である、多成分システム。
前記ORFがBゲノム受容部位に安定的に組み込まれることができ、aAPX及び/又はaAMが発現されるように、c及び/又はdが組込みの選択マーカーをコードしていてもいなくてもよい、請求項1に記載の多成分システム。
成分C及び/又はEが、成分C'及び/又はE'が得られるように少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする少なくとも1つのORFと組み合わされている、請求項3〜9のいずれか1項に記載の多成分システム。
1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、eAPC-pがaAPXを細胞表面で発現するように、成分C'及び/又はE'にコードされる1又は2以上のaAPX ORFを成分B及び/又はDに組み込んで細胞(eAPC-pと呼ぶ)を得るために、成分Aと組み合わされており、ここで、成分B及び/又はDは成分B'及び/又はD'となる、請求項10又は11に記載の多成分システム。
1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、eAPC-aがaAMを細胞表面又は細胞内で発現するように、成分C'及び/又はE'にコードされる1又は2以上のaAM ORFを成分B及び/又はDに組み込んで、細胞(eAPC-aと呼ぶ)を得るために、成分Aと組み合わされており、ここで、成分B及び/又はDは成分B'及び/又はD'となる、請求項10又は11に記載の多成分システム。
1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、eAPC-paがaAPX及びaAM及び/又はaAPX:aAMを発現するように、成分C'及び/又はE'にコードされる1又は2以上のaAPX ORF及び/又は1又は2以上のaAMを成分B及び/又はDに組み込んで細胞(eAPC-paと呼ぶ)を得るために、成分Aと組み合わされており、ここで、成分B及び/又はDは成分B'及び/又はD'となる、請求項10又は11に記載の多成分システム。
1若しくは2以上の成分C'又はE'が、eAPC-paがaAPX及びaAM及び/又はaAPX:aAMを発現するように、成分C'又はE'にコードされる1又は2以上のaAM ORFを成分B又はDに組み込んで細胞(eAPC-paと呼ぶ)を得るために、eAPC-pと組み合わされており、ここで、成分B又はDは成分B'又はD'となる、請求項12に記載の多成分システム。
1若しくは2以上の成分C'又はE'が、eAPC-paがaAPX及びaAM及び/又はaAPX:aAMを発現するように、成分C'又はE'にコードされる1又は2以上のaAPX ORFを成分B又はDに組み込んで細胞(eAPC-paと呼ぶ)を得るために、eAPC-aと組み合わされており、成分B又はDは成分B'又はD'となる、請求項13に記載の多成分システム。
a.成分Aを成分C'及び/又はE'の少なくとも1つと組み合わせ、組込み因子と組み合わせること、ここで、1又は2以上の成分C'及び/又はE'は1又は2以上のaAPXをコードし、及び
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAPXの表面発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
の少なくとも1つ
を含んでなる、請求項12に規定されるeAPC-pを製造する方法。
離散的及び規定されたeAPC-pのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の工程aが、別異のeAPC-pが得られるように、別異のaAPXを用いて行われる、請求項19に記載の方法。
1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、ライブラリーを得るために、工程aにおける2又は3以上の別異のaAPXの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-pが単一aAPXを発現するeAPC-pの混合集団を含んでなる、請求項17又は18に記載の方法。
a.成分Aを成分C'及び/又はE'の少なくとも1つと組み合わせ、組込み因子と組み合わせること、ここで、1又は2以上の成分C'及び/又はE'は1又は2以上のaAMをコードし、及び
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAPXの表面発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
の少なくとも1つ
を含んでなる、請求項13に規定されるeAPC-aを製造する方法。
離散的及び規定されたeAPC-aのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の工程aが、別異のeAPC-aが得られるように、別異のaAMを用いて行われる、請求項24に記載の方法。
1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、ライブラリーを得るために、工程aにおける2又は3以上の別異のaAMの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-aが単一aAMを発現するeAPC-aの混合集団を含んでなる、請求項22又は23に記載の方法。
a.eAPC-aを成分C'及び/又はE'の少なくとも1つと組み合わせ、組込み因子と組み合わせること、ここで、1又は2以上の成分C'及び/又はE'は1又は2以上のaAPX ORFをコードし、及び
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAPXの表面発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
の少なくとも1つ
を含んでなる、請求項16に規定されるeAPC-paを製造する方法。
離散的及び規定されたeAPC-paのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の工程aが、別異のeAPC-paが得られるように、別異のaAPXを用いて行われる、請求項29に記載の方法。
1若しくは2以上の成分C'又はE'が、ライブラリーを得るために、工程aおける2又は3以上の別異のaAPXの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-paが請求項39の工程aに用いるプールから単一aAPXを発現するeAPC-paの混合集団を含んでなる、請求項39又は40に記載の方法。
a.eAPC-pを成分C'又はE'の少なくとも1つと組み合わせ、組込み因子と組み合わせること、ここで、1若しくは2以上の成分C'又はE'は1又は2以上のaAM ORFをコードし、
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAMの発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
を含んでなる、請求項15に規定されるeAPC-paを製造する方法。
離散的及び規定されたeAPC-paのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の工程aが、別異のeAPC-paが得られるように、別異のaAMを用いて行われる、請求項34に記載の方法。
1若しくは2以上の成分C'又はE'が、ライブラリーを得るために、工程aおける2又は3以上の別異のaAMの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-paが工程aに用いるプールから単一aAMを発現するeAPC-paの混合集団を含んでなる、請求項32又は33に記載の方法。
a.eAPCを成分C'又はE'の少なくとも1つと組み合わせ、組込み因子と組み合わせること、ここで、1又は2以上の成分C'及び/又はE'は1又は2以上のaAM ORF及び1又は2以上のaAPX ORFをコードし、
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAMの発現及び/又は1又は2以上のaAPXの表面発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
を含んでなる、請求項14に規定されるeAPC-paを製造する方法。
離散的及び規定されたeAPC-paのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の工程aが、別異のeAPC-paが得られるように、別異のaAM及び/又は別異のaAPXの少なくとも1つを用いて行われる、請求項39に記載の方法。
1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、ライブラリーを得るために、工程aにおける2又は3以上の別異のaAM及び/又は2又は3以上の別異のaAPXの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-paが工程aに用いるプールから単一aAM及び単一aAPXを発現するeAPC-paの混合集団を含んでなる、請求項37又は38に記載の方法。
請求項1〜16のいずれか1項に記載の多成分システムの、eAPC-p及び/又はeAPCa及び/又はeAPC-paから選択される1又は2以上の被分析物eAPCを製造するための使用。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
例えば、アレルギー及び自己免疫症候群についての寛容治療並びに病原体に対する予防的ワクチン接種を含む他の免疫アプローチは、T細胞抗原の詳細な知識を必要とした。後者の予防ワクチンの場合、全てのHLAアレレにおいて共通の病原体に由来するT細胞抗原についての知識は驚くほど乏しく、ほんの一握りのHLAアレレに関する知識しかないという事実が依然として存在する。この知識を拡大して、共通の及び新生の病原体に有効なワクチンを開発する系統的アプローチの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明は上記の必要性に取り組むものである。詳細には、本発明は、少なくとも、遺伝子操作抗原提示細胞(eAPC)、遺伝子操作されたゲノム受容部位及びマッチする遺伝子ドナーベクターである3つの成分で構成される多成分システムの構築、組立て及び使用に関する。本発明は、抗原及び同族TCR配列の同定及び特徴決定のための、種々の形態の抗原性分子を提示する安定な派生細胞の迅速で高スループットな作製に用いられる。具体的には、eAPCは、ヒト白血球抗原(HLA)分子、HLA様分子並びに別異の形態の抗原提示分子及び抗原性分子の細胞表面提示がないようにゲノム編集により遺伝子操作されている。加えて、多成分システムの一部としてのeAPCは、オープンリーディングフレーム(ORF)をコードする抗原提示分子の挿入、必要に応じて、遺伝的にコードされる被分析物抗原の挿入のためのゲノム受容部位を含む。本システムは更に、被分析物 抗原分子及び/又は抗原提示複合体をコードするORFを迅速に送達するように、APCのゲノム受容部位を標的するよう設計された遺伝子ドナーベクターを含んでなる。本多成分システムは、臨床免疫診断における分析システムとして用いられてもよい。更に、本発明は、免疫療法剤及び免疫診断剤の製造用のT細胞抗原及び同族TCRを同定し特徴付けるための、多成分システムの使用に関する。
【0033】
本発明により、系統化された様式での種々の被分析物eAPC形態の組立てのための高度に標準化されたシステムが可能となる。この標準化及びシステム化は、マッチしたドナーベクター/ゲノム受容部位サブシステムを用いる、抗原提示複合体及び抗原性分子ORFの高度に規定され制御可能なゲノム組込みにより達成される。この制御可能で予測可能なシステムは、eAPC集団を生成するプロセスに顕著な効率性をもたらし、このプロセスのサイクル時間及びコストを低減させる。以前のシステムは、無誘導のゲノム組込み及び/又はウイルスアプローチを用いるランダムな組み込みに依拠していた。更に、システムのデザインは、部分的には、組み込まれたORFの制御可能なコピー数、通常は単一コピーを確実にし、組み込まれたORF産物の達成可能な発現レベルの厳格な管理を可能にすることである。より重要なことには、ベクタープールからORFを単一コピーで組み込む能力により、いわゆる「ショットガン組込み」(ドナーベクターが組み込まれた各細胞は、多様なORF集団をコードする可能性があるベクターのライブラリーから単一ORFのみを受容し得る)が可能となる。このことにより、ドナーベクターにコードされるORFライブラリーを、eAPCクローン亜集団ごとに単一の所望の被分析物ORFを発現するeAPCライブラリー(本質的には、バクテリオファージ又は酵母ディスプレイシステムに似た細胞ベースアレイシステムである)へ変換することが可能になる。このアレイシステムは、配列ライブラリー内での未知の被分析物 抗原配列の、eAPCにより提示されたときのTCR又はその他の親和性反応剤の反応性に基づく同定、及びその後の未知の「反応性」配列の保有体eAPCからの回収を容易にすることができる。更に、ショットガン組込みにより、標的細胞内での各被分析物抗原の効率的製造が可能になる。被分析物抗原配列の大きなプールの一過性トランスフェクション(任意の所与の被分析物抗原について入手可能な転写物の僅かなレベルをもたらす)と比較して、ショットガン組込みにより作製したeAPCライブラリー中の各細胞は、eAPCによる表面提示のための単一被分析物を確実に発現し、よって、種々の手段による被分析物抗原の同定が容易になる。
【0034】
本発明は、その成分が1又は2以上の被分析物eAPCの製造に用いられる、遺伝子操作された多成分システムの提供に関する。これら被分析物eAPCは、その後、1又は2以上の出力を得るために、1又は2以上の被分析物TCR(まとめて、eAPC:TCRシステム、eAPC:T)と組み合わされる。ここで、被分析物TCRは、可溶性又は不動化反応剤として提供され得、細胞の表面に提示されるか又は非細胞ベースの粒子(NCBP)により提示され得る。eAPCは、候補の被分析物抗原を被分析物TCRに対して提示する。
【0035】
最小形態の多成分システムは、ゲノム受容部位としての第2の成分を含むeAPCとしての第1の成分(成分Aと呼ぶ)を含んでなり、第3の成分が遺伝子ドナーベクター(成分Cと呼ぶ)である(
図1)。
eAPCは、本システムの他の全ての成分が関係する、多成分システムの基本成分である。したがって、eAPCは、天然型であるか又は操作された或る特徴を含み、この特徴により、eAPCは、被分析物eAPC集団を作製するための使用に適切とされる。
【0036】
本発明に関して、eAPC(成分A)は、
i.抗原提示複合体(aAPX)及び/又は被分析物抗原性分子(aAM)の少なくとも1つのファミリーの内因性表面発現を欠き、
ii.少なくとも1つのゲノム受容部位(成分Bと呼ぶ)を含有し、
ここで、i)は、aAPX及び/又はaAMの発現を欠く天然に存在する細胞集団の選択により得てもよいし、又は当該発現を欠くように操作されていてもよく、ii)は、合成のものであってもよいし、特異的若しくは非特異的なゲノム組込みにより導入されていてもよい。
【0037】
天然に存在する細胞集団からの所望のaAPX及び/又はaAM発現を欠くeAPC細胞候補の選択は、当該技術において周知の方法により達成できる。このことは、eAPCからの欠如が望ましいaAPX及び/又はaAMに特異的な親和性反応剤を用いる標的細胞の染色、並びに標的aAPX及び/又はaAM発現を欠く細胞の選択により直接達成できる。
aAPX及び/又はaAM発現を欠くように細胞を操作することは、非標的化又は標的化手段により達成できる。細胞の非標的化変異誘発は、細胞に化学的、放射線学的又はその他の変異原を提供し、次いで、標的aAPX及び/又はaAM発現を欠く細胞を選択することにより達成できる。ゲノム遺伝子座の標的化変異は、限定されないが:
i.ジンクフィンガーヌクレアーゼ、
ii.CRISPR/Cas9媒介ターゲティング、
iii.合成転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)
による部位特異的変異誘発を含む異なる手段により達成でき、
ここで、前記部位特異的ヌクレアーゼは、標的遺伝子座で部位特異的DNA修復エラー変異誘発を誘発して、その後、変異細胞を、標的aAPX及び/又はaAM発現を欠く細胞の選択により得る。
【0038】
成分A(eAPC)は、必要に応じて、追加のT細胞共刺激レセプターを含んでもよい。この特徴により、被分析物eAPCと被分析物TCR提示細胞(被分析物TC)との強固な又は変化する形態のコミュニケーションが可能となり、整調可能なコミュニケーションは、特異的被分析物TCR及び/又は被分析物抗原の同定又は特徴決定に適切である。本発明に関して、被分析物TCでの種々の形態のCD28ライゲーションは、1又は2以上のCD80、CD86及び/又は更なるB7ファミリータンパク質を含むことにより促進され得る。
成分A(eAPC)は、必要に応じて、細胞表面接着分子成分の導入又は内因性細胞表面接着分子の除去を更に含んで、それぞれ、被分析物TCとのeAPCの結合及び免疫シナプスの形成を促進し、又はeAPC:T組合せシステム内での堅固な結合及び有害な細胞クラスタリングの形成を回避してもよい。成分Aに追加のORFとして導入され得るか又は成分Aから遺伝子除去され得る接着分子は、接着タンパク質のインテグリンファミリーから選択できる。
eAPCは、、必要に応じて、抗原をプロセスし、天然型のプロセシング及び積載(loading)機構により積荷(cargo)としてaAPXに積載する能力を有していてもよい(aAPX:aAMと呼ぶ)。抗原をプロセスし、天然型のプロセシング及び積載機構により積荷としてaAPXに積載する能力を有するeAPCはまた、eAPC又は(eAPCを含む)培養系に対して内因性である積荷分子(cargo molecule;CM)をプロセスし、積載する能力も有する(CMが積載されているaAPXをaAPX:CM複合体と呼ぶ)(
図17)。
【0039】
最小多成分システムの第2の成分は、少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする少なくとも1つのORFの組込みのために用いられる遺伝子ドナーベクター(成分C)である(
図1)。
成分Cは、eAPC(成分A)のゲノム内に含まれる成分Bのゲノム受容部位とカップリングされている遺伝子ドナーベクターである。成分Cは、遺伝子ドナーベクターにコードされる、aAPX及び/又はaAMをコードする1又は2以上のORFのゲノム受容部位(成分B)への組み込みのために設計されている。ここで、この組込みは、標的eAPCによるaAPX及び/又はaAMの発現をもたらす。
本発明に関して、対をなす遺伝子ドナーベクター及びゲノム受容部位は組込みカップルとも記載される。
拡大形態の多成分システムにおいて、成分A(eAPC)は、第2の遺伝子ドナーベクター(成分Eと呼ぶ;これもまた本システムに追加される)とカップリングされた第2のゲノム受容部位(成分Dと呼ぶ)を更に含んでいてもよい(
図2)。多成分システムは、1又は2以上の追加の組込みカップルを更に含んでなってもよい。
【0040】
eAPC及び1又は2の組込みカップルを含んでなる多成分システムは、誘導体eAPC形態:
i.eAPC-p
ii.eAPC-a
iii.eAPC-pa
の製造に用いられ、ここで、各遺伝子ドナーベクターは、1又は2以上のaAPX及び/又はaAMをコードする1又は2以上のORFを含み、該ORFをカップリングされたゲノム受容部位に組み込むためのものであってもよく、i)は少なくとも1つのaAPXを発現し、ii)は少なくとも1つのaAMを発現し、iii)は少なくとも1つのaAPX及び少なくとも1つのaAMを発現する(
図3)。
遺伝子ドナーベクター及びゲノム受容部位は、多成分システムの組込みカップルサブシステムとして働く。遺伝子ドナーベクターは、先ず、標的ORFと組み合わされなければならず、ここで、基本ドナーベクターが当該標的ORFをコードするようになる。次いで、組立てられて準備が整ったドナーベクターは、標的ORFをゲノム受容部位と交換するために標的eAPCに導入され、よって、標的ORFが、標的細胞のカップリングされた受容部位に組み込まれる(
図4)。
【0041】
遺伝子ドナーベクター成分C及び/又はEを含んでなる多成分システムは、成分C'及び/又はE'が得られるように、少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする少なくとも1つのORFと組み合わされてもよい。ここで、組合せは、遺伝子ドナーベクターの正しいコーディングフレームへの正しい配向での、遺伝物質のライゲーションとして定義される。
遺伝子ドナーベクターC及び/又はEへの1又は2以上のORFの組合せは、独特なORFのライブラリーを用いて、
i.複数のORFをコードするC'及び/又はE'ベクターの別個のライブラリーを得るための別個の反応
ii.複数のORFをコードするC'及び/又はE'ベクターのプールされたライブラリーを得るための単一反応
として複数回行なってもよい。ここで、別個のライブラリーは、独特なaAPX及び/又はaAMをコードする独特なORFを有するeAPCの別個のライブラリーが得られるように、成分Aと複数回組み合わされてもよく、プールされたライブラリーは、独特なaAPX及び/又はaAMをコードする独特なORFを各々が有するeAPCのプールされたライブラリーが得られるように、成分Aと単一事象として組み合わされてもよい。
ゲノム受容部位への予測可能なコピー数の1又は2以上のORFの効率的組込みは、被分析物eAPC集団が迅速に調製及び特徴決定され得る標準化eAPCの動作のために非常に有利である。よって、ゲノム受容部位及びカップリングされたドナーベクターはeAPCの機能に重要である。更に、eAPCを、成分B及びDが互いに隔離されてドナーベクター成分Cが成分Bで組み込まれず、その逆も同様であるようにすることが非常に望ましい。加えて、成分B及び/又は成分Dが、規定された単一のaAPX-及び/又はaAM-含有構築物の導入が迅速で反復可能であり、単一被分析物のみの正しい組込み及び送達の可能性が高いeAPCの作製方法に適することも望ましい。
【0042】
ゲノム受容部位は:
i.リコンビナーゼ媒介カセット交換(RMCE)用に設計された合成構築物
ii.部位特異的相同組換え用に設計された合成構築物
iii.部位特異的相同組換え用の天然型ゲノム部位
から選択でき、ここで、i)が好ましい。RMCE法は、各成分B及びDが隔離された特異性を有するように、個別のリコンビナーゼ酵素に特異的である選択された異種特異的部位を採用してよい。
ゲノム受容部位である成分B及び/又は成分Dは、以下の遺伝子エレメント:
i.異種特異的リコンビナーゼ部位
ii.相同性アーム
iii.真核生物プロモーター
iv.真核生物条件付き調節エレメント
v.真核生物ターミネーター
vi.選択マーカー
vii.スプライスアクセプター部位
viii.スプライスドナー部位
ix.非タンパク質コーディング遺伝子
x.インスレーター
xi.可動遺伝子エレメント
xii.メガヌクレアーゼ認識部位
xiii.内部リボソーム進入部位(IRES)
xiv.ウイルス性自己切断ペプチドエレメント
xv.コザックコンセンサス配列
の少なくとも1つを含んでなる。
【0043】
好ましいゲノム受容部位は、以前に記載したエレメントのリストからの以下の選択されたエレメントを用いる2つの異なる配置で構成される。第1の配置は、RMCE組込みにより、1又は2以上のaAPX及び/又はaAM及び/又は組込みの選択マーカーをコードする単一ORFを受け入れるためのものであり、ここで、該配置は
5'-[A] [B] [C] [D] [E] [F]-3'
であり、ここで、
A)は、エレメントiii)構成性又は誘導性真核生物プロモーターであり、
B)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位1であり、
C)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
D)は、エレメントvi)FACS及び/又はMACS適合性コード化タンパク質マーカーであり、
E)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位2であり、
F)は、エレメントv)真核生物ターミネーターである。
【0044】
第2の配置は、RMCE組込みにより、1又は2以上のaAPX及び/又はaAM及び/又は組込みの選択マーカーをコードする2つのORFを受け入れるためのものであり、ここで、該配置は:
5'-[A] [B] [C] [D] [E] [F] [G] [H] [I]-3'
であり、ここで、
A)は、エレメントiii)構成性又は誘導性真核生物プロモーターであり、
B)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位1であり、
C)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
D)は、エレメントvi)FACS及び/又はMACS適合性のコード化タンパク質マーカー1であり、
E)は、エレメントv)真核生物二方向転写ターミネーターであり、
F)は、エレメントvi)FACS及び/又はMACS適合性コード化タンパク質マーカー2であり、
G)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
H)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位2であり、
I)は、エレメントiii)構成性又は誘導性真核生物プロモーターであり、
更に、この第2の配置において、エレメントF、G及びIは、アンチセンス方向にコードされる。
【0045】
成分C及び/又はEは、以下の遺伝子エレメント:
i.異種特異的リコンビナーゼ部位
ii.相同性アーム
iii.真核生物プロモーター
iv.真核生物条件付き調節エレメント
v.真核生物ターミネーター
vi.選択マーカー
vii.スプライスアクセプター部位
viii.スプライスドナー部位
ix.非タンパク質コーディング遺伝子
x.インスレーター
xi.可動遺伝子エレメント
xii.メガヌクレアーゼ認識部位
xiii.内部リボソーム進入部位(IRES)
xiv.ウイルス性自己切断fエレメント
xv.コザックコンセンサス配列
xvi.組込みの選択マーカー
xvii.抗生物質耐性カセット
xviii.細菌性複製起点
xix.酵母複製起点
xx.クローニング部位
の少なくとも1つで構成される。
【0046】
遺伝子ドナーベクターの好適な実施形態において、成分C及び/又は成分Eは、以前に記載したエレメントのリストからの以下の選択されたエレメントを用いる2つの異なる、可能性のある配置で構成される。
第1の配置は、RMCE組込みによる、1又は2以上のaAPX及び/又はaAM及び/又は組込みの選択マーカーをコードする単一ORFの送達のためのものであり、ここで、該配置は
5'-[A] [B] [C] [D] [E]-3'
であり、ここで、
A)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位1であり、
B)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
C)は、エレメントxx)1又は2以上のaAPX及び/又はaAM及び/又はエレメントxvi)組込みの選択マーカーをコードする単一ORFのクローニング部位であり、
D)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位2であり、
E)は、非特異的配向でのエレメントxvii)抗生物質耐性カセット及びエレメントxviii)細菌性複製起点であり、
更に、エレメントviii及び/又はxivを、複数のaAPX及び/又はaAM及び/又はエレメントxviを一緒に連結するために用いてよい。
【0047】
第2の配置は、RMCE組込みによる、1又は2以上のaAPX及び/又はaAM及び/又は組込みの選択マーカーをコードする2つのORFの送達のためのものであり、ここで、該配置は:
5'-[A] [B] [C] [D] [E] [F]-3'
であり、ここで、
A)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位1であり、
B)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列であり、
C)は、1又は2以上のaAPX及び/又はaAM及び/又はエレメントxvi)組込みの選択マーカーをコードし、真核生物のターミネーターを有する2又は3以上のORFの導入のためのクローニング部位であり、
D)は、エレメントxv)コザックコンセンサス配列(アンチセンス方向)であり、
E)は、エレメントi)異種特異的リコンビナーゼ部位2であり、
F)は、非特異的配向でのエレメントxvii)抗生物質耐性カセット及びエレメントxviii)細菌複製起点であり、
更に、エレメントviii及び/又はxivを、複数のaAPX及び/又はaAM及び/又はエレメントxviを各ORF内で一緒に連結するために用いてよい。
【0048】
多成分システムを用いる被分析物eAPCの作製
上記多成分システムは、その動作中に、eAPC:T組合せシステム内で、被分析物TCRに被分析物aAPX、aAM、aAPX:aAM及びaAPX:CMを提示するように働く、別異の形態の被分析物eAPC又はそのライブラリーを作製するために複数の様式で用いてもよい(
図27を参照)。
単一組込みカップルを含んでなる多成分システムは、aAPXのORFと組み合わされた成分C'を提供することにより、eAPC-pを成分Aから一工程で作製するために用いてもよい。このaAPXは部位Bに組み込まれ、成分B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPXを発現し、aAPXは細胞表面に提示される(
図5)。
2つの組込みカップルを含んでなる多成分システムは、aAPXのORFと組み合わされた成分C'を提供することにより、eAPC-pを成分Aから一工程で作製するために用いてもよい。このaAPXは部位Bに組み込まれ、成分B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPXを発現し、aAPXは細胞表面に提示される。第2の組込みカップルD/Eは非改変のままであり、下流の組込み工程に用い得る(
図6)。
単一組込みカップルを含んでなる多成分システムは、aAMのORFと組み合わされた成分C'を提供することにより、eAPC-aを成分Aから一工程で作製するために用いてもよい。このaAMは部位Bに組み込まれ、成分B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAMを発現し、aAMは細胞表面に提示されるか、又は細胞内に保持される(
図7)。
2つの組込みカップルを含んでなる多成分システムは、aAMのORFと組み合わされた成分C'を提供することにより、eAPC-aを成分Aから一工程で作製するために用いてもよい。このaAMは部位Bに組み込まれ、成分B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAMを発現し、aAMは細胞表面に提示されるか、又は細胞内に保持される。第2の組込みカップルD/Eは非改変のままであり、下流の組込み工程に用い得る(
図8)。
【0049】
単一組込みカップルを含んでなる多成分システムは、一方はaAPXをコードし、他方はaAMをコードする2つのORFと組み合わされた成分C'を提供することにより、eAPC-paを成分Aから一工程で作製するために用いてもよい。aAPX及びaAMは共に部位Bに組み込まれ、成分B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPX及びaAMを発現し、aAPX:aAMを細胞表面に提示してもよい(
図9)。
2つの組込みカップルを含んでなる多成分システムは、一方はaAPXをコードし、他方はaAMをコードする2つのORFと組み合わされた成分C'を提供することにより、eAPC-paを成分Aから一工程で作製するために用いてもよい。aAPX及びaAMは共に部位Bに組み込まれ、成分B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPX及びaAMを発現し、aAPX:aAMを細胞表面に提示してもよい。第2の組込みカップルD/Eは非改変のままであり、下流の組込み工程に用い得る(
図10)。
2つの組込みカップルを含んでなる多成分システムは、各々がaAPX又はaAMのいずれかをコードする1つのORFと組み合わされた成分C'及びE'を提供することにより、eAPC-paを成分Aから一工程で作製するために用いられてもよい。aAPX及びaAMは共に部位B又はDに組み込まれ、成分B'及びD'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPX及びaAMを発現し、aAPX:aAMを細胞表面に提示してもよい(
図11)。
2つの組込みカップルを含んでなる多成分システムは、aAPXをコードするORFと組み合わされた成分C'を先ず提供することにより、eAPC-paを成分Aから二工程で作製するために使用されてもよい。このaAPXは部位Bに組み込まれ、成分B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPXを発現し、aAPXは細胞表面に提示される(eAPC-p中間体)。第2の組込みカップルD/Eは非改変のままである。第2の工程において、ドナーベクターがaAMをコードするORFと組み合わされたE'が提供される。このaAMは部位Eに組み込まれ、成分E'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAMを発現し、これはaAPXにおいてプロセスされて積荷として積載され、細胞表面でaAPX:aAM複合体を形成してもよい(
図12)。
2つの組込みカップルを含んでなる多成分システムは、aAMをコードするORFと組み合わされた成分C'を先ず提供することにより、eAPC-paを成分Aから二工程で作製するために用いてもよい。このaAMは部位Bに組み込まれ、成分B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAMを発現する(eAPC-a中間体)。第2の組込みカップルD/Eは非改変のままである。第2の工程において、ドナーベクターがaAPXをコードするORFと組み合わされたE'が提供される。このaAPXは部位Eに組み込まれ、成分E'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPXを発現し、これは細胞表面に提示される。第1の工程で組み込まれたaAMは、aAPXにおいてプロセスされて積荷として積載され、細胞表面でaAPX:aAM複合体を形成してもよい(
図13)。
【0050】
被分析物eAPC-p、eAPC-a及びeAPC-pa集団をeAPCから作製する上記の例において、多成分システムは、既知のaAPX及びaAM候補を規定された様式で提供して、規定されたaAPX及び/又はaAMを発現する被分析物eAPCの別個の集団を作製するために用いられる。この方法は、システムの動作中にeAPC:T組合せシステムに提供するeAPC-p、eAPC-a及びeAPC-paのライブラリーを構築するために複数回繰り返されてもよい。代替アプローチは、遺伝子ドナーベクターと組み合わされる候補のaAPX及び/又はaAM ORFのプールされたライブラリーを採用し、これらを単一反応で組み込んで、複数のaAPX、aAM及び/又はaAPX:aAMを発現する被分析物eAPC-p、eAPC-a又はeAPC-paのプールされたライブラリーを取得することである。ベクタープールをeAPC-p、-a及び/又は-paのプールに変換するこの方法は、ショットガン組込みと呼ばれる。これは、候補aAMの大きなライブラリーを固定されたaAPXに対して分析するとき、又はその逆のときに特に有用である。
2つの組込みカップルを含んでなる多成分システムは、aAPXをコードするORFと組み合わせた成分C'を先ず提供することにより、eAPC-paを成分Aから二工程で作製するために用いてもよい。このaAPXは部位Bに組み込まれ、成分B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAPXを細胞表面で発現する(eAPC-p中間体)。第2の組込みカップルD/Eは非改変のままである。第2の工程において、複数のE'のライブラリーが提供され、ここで、ドナーベクターのライブラリーは、各々がaAMをコードする単一ORFと組み合わされたベクタープールを含んでなり、各aAMは単一細胞で部位Eに組み込まれ、成分E'が作製される。得られる細胞プールは細胞の集団を含み、ここで、各細胞は元のベクタープールからの単一ランダムaAM ORFが組み込まれている。第2の工程で組み込まれたaAMは、第1の工程で組み込まれたaAPXにおいてプロセスされて積荷として積載され、細胞表面でaAPX:aAM複合体を形成してもよい(
図14)。
【0051】
2つの組込みカップルを含んでなる多成分システムは、aAMをコードするORFと組み合わされた成分C'を先ず提供することにより、eAPC-paを成分Aから二工程で作製するために用いられてもよい。このaAMは部位Bに組み込まれ、成分B'が作製される。得られる細胞株は提供されたaAMを発現する(eAPC-a中間体)。第2の組込みカップルD/Eは非改変のままである。第2の工程において、複数のE'のライブラリーが提供され、ここで、ドナーベクターのライブラリーは、各々がaAPXをコードする単一ORFと組み合わされたベクタープールを含んでなる。各aAPXは、単一細胞内で、部位Eに組み込まれ、成分E'が作製される。得られる細胞プールは細胞の集団を含み、ここで、各細胞は、元のベクタープールからの単一ランダムaAPX ORFが組み込まれている。第1の工程で組み込まれたaAMは、第2の工程で組み込まれたaAPXにおいてプロセスされて積荷として積載され、細胞表面でaAPX:aAM複合体を形成してもよい(
図15)。
2つの組込みカップルを含んでなる多成分システムは、各々がaAPXのライブラリー又はaAMのライブラリーのいずれかをコードするORFのライブラリーと組み合わされた成分C'及びE'を提供することにより、eAPC-paを成分Aから一工程で作製するために用いられてもよい。aAPX及びaAMは共に部位B又はDに組み込まれ、B'及びD'が作製される。得られる細胞プールは細胞の集団を含み、ここで、各細胞は、元のベクタープールからの単一ランダムaAPX ORF及び単一ランダムaAM ORFが組み込まれている。プールされたライブラリー中の各細胞内で、組み込まれたaAMは、プロセスされ、同一細胞中に組み込まれたaAPXに積荷として積載されて、細胞表面でaAPX:aAM複合体を形成してもよい。このプールされたライブラリーは、提供されたaAPX及びaAMセットからaAPX:aAMの可能性のある全ての組合せを含み得る(
図16)。
eAPC-paのプールされたライブラリーを提供するための上記ショットガン組込み法において、システムの堅牢性は単一コピーのゲノム受容部位に依拠する。このことは、単一被分析物のみが組込みカップルを介して各細胞に導入されることを確実にする。この単一コピーゲノム受容部位は、eAPCSの1つの任意選択の側面である。なぜならば、同一ゲノム受容部位の複数コピーは、提供されたベクターのライブラリーからの複数の「アレレ」が製造されたeAPCにおいて取得され得る組込み工程の提供において有益であり得るからである。
【0052】
本発明に関して、aAPXは、以下:
i.HLAクラスIの1又は2以上のメンバー
ii.HLAクラスIIの1又は2以上のメンバー
iii.1又は2以上の非HLA抗原提示複合体
の1つから選択され得る。
本発明に関して、aAPXは、以下:
i.被分析物抗原として提供されるポリペプチド又はポリペプチドの複合体
ii.被分析物抗原として提供されるポリペプチドに由来するペプチド
iii.被分析物抗原として提供されるペプチド
iv.被分析物抗原として提供される代謝物
v.被分析物抗原性分子ORFから翻訳されるポリペプチド又はポリペプチドの複合体
vi.被分析物抗原性分子ORFから翻訳されるポリペプチドに由来するペプチド
vii.成分Aプロテオームの変更に由来するペプチド
viii.成分Aプロテオームに由来するポリペプチド
ix.成分Aメタボロームの変更に由来する代謝物
の1つから選択され得る。
【0053】
被分析物eAPCと被分析物TCとの接触
本発明は、遺伝子操作された多成分システムの提供に関する。成分A及び1又は2以上の成分C'及び/又は1又は2以上の成分E'を用いて1又は2以上の被分析物eAPC集団を作製する。次いで、これら被分析物eAPCを1又は2以上の被分析物TCRと組み合わせて、eAPC:TCR分析システム(eAPC:T)を構築し、1又は2以上の出力を得る(
図27)。ここで、eAPCは被分析物抗原を提供し、被分析物TCRは以下:
i.TCR分子及び/又は
ii.被分析物抗原に関して親和性を有する分子
により表されてもよく、被分析物TCRは、eAPC:Tシステム内で、以下:
i.被分析物TCR提示細胞(TC)及び/又は
ii.可溶性又は不動化親和性反応剤及び/又は
iii.非細胞ベースの粒子(NCBP)
として表されるeAPCに対して異なる態様で提示されてもよく、ここで、
i)被分析物TCR提示細胞(TC)は、被分析物TCRをeAPCに提示することができる任意のTCと考えられ;ii)親和性反応剤は、APC:Tシステムにおいて、eAPCの細胞表面でのTCR結合及び/又は刺激を探索するための被分析物として作製される任意の反応剤と考えられる。この反応剤は、eAPCを染色するために用いられる被分析物TCRマルチマー反応剤(例えば、TCR「テトラマー」)であり得る。この点に関して、親和性反応剤は抗体又は類似物であり得る;iii)非細胞ベースの粒子(NCBP)は、粒子が、eAPC:Tシステム内でeAPC表面での被分析物抗原の結合について評価されるべき被分析物TCR又はその他物質である限りにおいて、親和性反応剤に類似する様式で作用する。しかし、NCBPは、提示された被分析物TCR又は他の結合体の識別体として直接又は間接に作用する、遺伝子又は他の情報を更に運搬することが可能なより大きな物質として考えることもできる。NCBPの代表例は、ファージディスプレイ場面でのバクテリオファージであり、ここで、ファージは抗体フラグメント-抗原結合(FAB)をディスプレイし得る。陽性標識されたeAPCは、ファージと共に回収され、配列決定されて、eAPC表面の被分析物抗原に特異的なFABが同定されてもよい。
【0054】
更に、被分析物TCRの細胞による提示は、以下:
i.初代T細胞
ii.組換えT細胞
iii.遺伝子操作TCR提示細胞
iv.被分析物抗原に関して親和性を有する分子を提示する遺伝子操作された細胞
(まとめて、被分析物TCと呼ぶ)のいずれの形態であってもよい。
eAPC:T分析システムは、1又は2以上の被分析物eAPC集団及び被分析物TCRで構成される(
図27)。被分析物eAPC集団は上記の様に多成分システムを用いて作製される(
図3〜16)。eAPC:Tシステムは、被分析物eAPCと被分析物TCRとの物理的接触を可能にする形式で提供され、この接触により1又は2以上の被分析物eAPCにより提示される被分析物抗原と被分析物TCRとの間の複合体形成が可能となる。
【0055】
被分析物抗原は、被分析物TCRがeAPC:Tシステムにおいて推定上結合できる任意の物質であり:
i.aAPX(被分析物抗原提示複合体)及び/又は
ii.aAM(被分析物抗原性分子)及び/又は
iii.aAPX:aAM(被分析物抗原性分子を提示する被分析物抗原提示複合体)及び/又は
iv.CM(非被分析物積荷分子)及び/又は
v.aAPX:CM(積荷分子を提示する被分析物抗原提示複合体)
であることができ、ここで、aAPXは、aAMを提示できる複合体であり、aAMは、TCRにより直接認識されるか又はaAPXに積載された場合にTCRにより認識される任意の分子であり、aAPX:aAMは、aAMを積載したaAPXであり、CMは、aAPXに積載され得るが、被分析物でなく、よって被分析物抗原提示細胞(APC)又はアッセイシステム自体に由来し得る積荷分子であり、aAPX:CMは、CMが積載されたaAPXである。
【0056】
本発明に関して、eAPC:Tシステムは:
i.単一被分析物eAPCの入力又は
ii.プールされた被分析物eAPCのライブラリーの入力
で構成され、以下:
iii.単一被分析物TCの入力、又は
iv.単一被分析物親和性反応剤の入力、又は
v.単一被分析物NCBPの入力、又は
vi.被分析物TCのプールされたライブラリの入力、又は
vii.被分析物親和性反応剤のプールされたライブラリの入力、又は
viii.被分析物NCBPのプールされたライブラリの入力
の1つと組み合わされる。
【0057】
緩衝液系における接触
被分析物eAPCと被分析物TCとの接触は、許容される細胞培養系又は緩衝化培地で行われ、ここで、当該系は、被分析物eAPC及び被分析物TC細胞の両方、被分析物親和性反応剤又は被分析物NCBPの機能を許容する培地を含む。
可溶性被分析物TCR、不動化被分析物TCR及び/又は被分析物NCBPと被分析物eAPCとの接触は、許容される緩衝化系で行われ、ここで、当該系は、被分析物TCR及び被分析物eAPC細胞の両方の機能を許容する緩衝化培地を含む。
【0058】
親和性反応剤又はNCBPでのeAPCの標識
多成分システムから得られる被分析物eAPCは、eAPCにより提示される被分析物抗原の特徴決定に用いることができる。この特徴決定は、被分析物eAPCが不動化若しくは可溶性親和性反応剤又はNCBPと接触してeAPCが標識されるような様式で行うことができる(
図24)。
eAPCの標識は、フローサイトメトリー、顕微鏡観察、分光分析若しくはルミノメトリーのような方法による標識の直接観察により、又は被分析物抗原の同定のための不動化親和性反応剤若しくはNCBPでの捕捉により検出されることが考えられる。
【0059】
シグナル応答の定義
多成分システムから得られる被分析物eAPCは、被分析物TCRに対する被分析物eAPCのシグナル応答の特徴決定のために用いられ、ここで、このシグナル応答は、二値(binary)又は徐々に変化するもののいずれであってもよく、eAPCに固有なもの(
図21)及び/又は含まれるならば被分析物TCに固有なもの(
図20)として測定され得る。このシグナルは、フローサイトメトリー、顕微鏡観察、分光分析若しくはルミノメトリー又は当業者に公知のその他の方法のような方法により検出できる。
【0060】
一般的方法−eAPCの選択
eAPC:T組合せシステムから、入力の被分析物eAPC又は被分析物eAPCのライブラリーからの1又は2以上の被分析物eAPCを選択して、1又は2以上の被分析物eAPCを得る方法であって、発現した被分析物抗原が1又は2以上の被分析物TCRと結合する方法は:
i.1又は2以上の被分析物eAPCを1又は2以上の被分析物TCRと組み合わせて、被分析物抗原と被分析物TCRとの接触をもたらすことと、以下の少なくとも1つ:
ii.もしあるならば、1又は2以上の被分析物抗原と1又は2以上の被分析物TCRとの間での複合体の形成を測定すること、及び/又は
iii.標識された被分析物TCRからのシグナルを測定すること、及び/又は
iv.もしあるならば、1又は2以上の被分析物抗原と1又は2以上の被分析物TCRとの間での複合体形成により誘導される被分析物eAPCによるシグナル応答を測定すること、及び/又は
v.もしあるならば、1又は2以上の被分析物抗原と1又は2以上の被分析物TCRとの間の複合体形成により誘導される被分析物TCによるシグナル応答を測定することと、
vi.工程ii、iii、iv及び/又はvに基づく1又は2以上の被分析物eAPCの選択であって、選択が、ポジティブ及び/又はネガティブ測定により行われることと
を含み、ここで、i、iv及びvi又はi、v及びviは、好ましい構成を含む。
【0061】
一般的方法−被分析物TCRの選択
入力の被分析物TCR又は被分析物TCRのライブラリーから1又は2以上の被分析物TCRを選択して1又は2以上の被分析物TCRを得る方法であって、発現した被分析物抗原が、1又は2以上の被分析物TCRと結合する方法は:
i.1又は2以上の被分析物APCと1又は2以上の被分析物TCRとを組み合わせて、被分析物APCにより提示される被分析物抗原と1又は2以上の被分析物TCRとの接触をもたらすことと、
ii.もしあるならば、1又は2以上の被分析物抗原と1又は2以上の被分析物TCRとの間での複合体の形成を測定することと、及び/又は
iii.標識された被分析物TCRからのシグナルを測定することと、及び/又は
iv.もしあるならば、被分析物TCRと被分析物抗原との間での複合体形成により誘導される1又は2以上の被分析物TCにおけるシグナル応答を測定することと、及び/又は
v.もしあるならば、1又は2以上の被分析物TCRと1又は2以上の被分析物抗原との間での複合体形成により誘導される被分析物APCによるシグナル応答を測定することと、
vi.工程ii、iii、iv及び/又はvからの1又は2以上の被分析物APCの選択であって、選択が、ポジティブ及び/又はネガティブ測定により行われることと
を含み、ここで、i、iv及びvは、好ましい構成を含む。
【0062】
シグナル応答についての一般的方法
報告されるシグナル応答に基づいてeAPC:T組合せシステムから被分析物eAPC及び/又は被分析物TC及び/又は親和性反応剤及び/又はNCBPを選択する方法は:
i.天然型シグナル伝達応答を決定することと、及び/又は
ii.合成シグナル伝達応答を決定すること(eAPCがそのような応答回路を含む場合及び/又は被分析物TCが等価の合成レポーター回路を含む場合)
を含む。
APC及び/又は被分析物TCに固有である誘導された天然型又は合成のシグナル応答は、以下:
i.分泌された生体分子
ii.分泌された化学物質
iii.細胞内生体分子
iv.細胞内化学物質
v.表面発現された生体分子
vi.被分析物eAPCに対する被分析物TCの細胞毒性作用
vii.シグナル応答が被分析物APCにおいて誘導され、i〜vのいずれかの増減を検出することにより決定されるような被分析物eAPCに対する被分析物TCのパラクリン作用
viii.被分析物TCの増殖
ix.被分析物TCと被分析物eAPCとの間の免疫シナプス
の1又は2以上の増減を検出することにより測定され、ここで、前記検出されるシグナル応答は、eAPC:T組合せシステム及び/又は並行して組み立てられた組合せシステムの組立ての前の、被分析物eAPC及び/又は被分析物TCに固有の非誘導シグナル応答状態と比較され、ここで、被分析物eAPC及び/又は被分析物TCは、用いるeAPC:T組合せシステム内でシグナル応答を誘導しないことが知られている対照の被分析物抗原及び/又は被分析物TCR種及び/又は可溶性被分析物抗原を提示し得る。
【0063】
標識及び/又はシグナル応答による選択の方法
eAPC:T組合せシステムから、被分析物eAPC及び/又は被分析物親和性反応剤及び/又は被分析物NCBPを選択する方法は:
i.親和性反応剤又はNCBPによるeAPCの標識を決定する
ことを含み、
ii.天然型シグナル伝達応答を決定すること、及び/又は
iii.合成シグナル伝達応答を決定すること(eAPCがそのような応答回路を含む場合)
も含んでよく、ここで、eAPCの標識を検出することによりeAPC及び/又は親和性反応剤及び/又はNCBPを選択することは、親和性反応剤及び/又はNCBPに検出可能な標識を含ませることによる、親和性反応剤及び/又はNCBPによるeAPCの表面標識の検出を含んでよい。この検出可能な標識は、蛍光、発光、分光、化学、放射化学又は親和性部分であってよい。よって、eAPCのこの選択は、FACS、MACS又は等価な高スループットスクリーニング及び選択方法に基づいて行ってよい。
【0064】
まとめ
eAPC:T組合せシステム内で、1又は2以上の被分析物eAPC又は1若しくは2以上の被分析物TCにおけるシグナル応答の測定、又は被分析物抗原と被分析物TCRとの間の複合体形成により媒介され得るeAPCの標識(
図27 工程iv)は、一次システム出力の選択に重要であり(
図27 工程v)、ここで、一次システム出力は、単一細胞若しくは細胞プール、及び/又は単一親和性反応剤若しくは親和性反応剤プール、及び/又は単一NCBP若しくはNCBPプールである。ここで、細胞又は反応剤の選択は、接触させた被分析物eAPC若しくは被分析物TC細胞のいずれか及び/又は両方において報告されるシグナル応答の存否に対して、或いは親和性反応剤又はNCBPでのeAPCの測定可能な標識により行うことができる。
【0065】
eAPC:Tシステムからの一次システム出力の取得
本発明は、遺伝子操作された多成分システムの提供に関する。成分A及び1又は2以上の成分C'及び/又は1又は2以上の成分E'を用いて、1又は2以上の被分析物eAPC集団を作製する。次いで、これら被分析物を、eAPC:Tシステムにより1又は2以上の被分析物TCRと組み合わせて、1又は2以上の出力を得る。被分析物TCRは、可溶性又は不動化反応剤として提供されるか、細胞表面に提示されるか又は非細胞ベースの粒子(NCBP)により提示される。被分析物TCRの細胞による提示は、以下:
i.初代T細胞
ii.組換えT細胞
iii.遺伝子操作TCR提示細胞
iv.被分析物抗原に関して親和性を有する分子を提示する遺伝子操作細胞
(以上、まとめて、被分析物TCと呼ぶ)
のいずれかの形態であり得る。
【0066】
本システムは、1又は2以上の被分析物eAPC集団と被分析物TCRの選択で構成される(
図27)。被分析物eAPC集団は多成分システムを上記の様に用いて作製される(
図3〜16)。eAPC:Tシステムは、被分析物eAPCと被分析物TCRとの物理的接触を許容する形式で提供され、ここで、この接触は、1又は2以上の被分析物eAPCにより提示される被分析物抗原と被分析物TCRとの間の複合体形成を許容し、ここで、被分析物抗原は、以下:
i.aAPX及び/又は
ii.aAM及び/又は
iii.aAPX:aAM及び/又は
iv.CM及び/又は
v.aAPX:CM
のいずれかであり、ここで、被分析物TCRは、被分析物eAPCにより提示される被分析物抗原との可能な結合のために、被分析物TCにより提示されるか、又は可溶性若しくは不動化被分析物親和性反応剤のいずれかにより提示されるか、又は被分析物NCBPにより提示され、複合体形成は、その複合体の安定化を導くことができ、eAPCの標識及び/又は被分析物eAPC内でのシグナル伝達の誘導を導き、eAPCの標識及び/又は被分析物eAPC内でのシグナル伝達の誘導及び/又は被分析物TCが報告され、測定され得る。
【0067】
誘導されたシグナル応答の報告及び/又はeAPCの標識の態様は上述の通りであり、eAPC:Tシステムに構築される多成分システムの一次出力の取得時に測定される必要があるのは、これらの報告される応答及び/又は標識である。
eAPC:Tシステムからの一次出力は、選択された細胞集団及び/又は選択された親和性反応剤若しくは選択されたNCBPであり、ここで、選択は:
i.親和性反応剤若しくはNCBPによるeAPCの測定可能な標識、及び/又は
ii.eAPCにおいて検出されるシグナル応答、及び/又は
iii.eAPCにおける検出されるシグナル応答の欠如、及び/又は
iv.被分析物TCにおいて検出されるシグナル応答、及び/又は
v.被分析物TCにおいて検出されるシグナル応答の欠如
に基づいて行われ、ここで、一次出力は、単一細胞若しくは細胞プール及び/又は1又は2以上のeAPC結合親和性反応剤若しくはNCBP(eAPCに結合した親和性反応剤若しくはNCBP)として表すことができる。
【0068】
eAPC:T組合せシステムから、被分析物親和性反応剤、NCBP若しくは被分析物TC及び/又は被分析物eAPCを、接触細胞における応答に基づいて選択できる。つまり、被分析物TCは、接触している被分析物eAPCにおける、報告される応答又はその欠如に基づいて選択できる。逆に、被分析物eAPCは、接触している被分析物TCRにおける、報告される応答又はその欠如に基づいて選択できるか、或いは被分析物TCが被分析物親和性反応剤又はNCBPである場合は、被分析物親和性反応剤又はNCBPはeAPC応答から選択できる。
【0069】
システムからのeAPC及び/又は被分析物TC出力は、選択された細胞であり、ここで、選択は、被分析物TC又はeAPCのいずれかにおける報告されるシグナル応答の存否に基づいて行われ、これら細胞は、1若しくは2以上のeAPC及び/又は1若しくは2以上の被分析物TCを含んでよく、ここで、選択された細胞は、単一細胞、同じアイデンティティの細胞プール又は異なるアイデンティティの細胞プールを含んでよい(
図27工程v)。
システムからの一次被分析物親和性反応剤又はNCBP出力は、親和性反応剤又はNCBPが結合しているか又はしていない選択された細胞であり、ここで、選択は、被分析物eAPCによる標識又は報告されるシグナル応答の存否に基づいて行われ、ここで、選択された親和性反応剤又はNCBPは、単一親和性反応剤若しくはNCBP、同じアイデンティティの親和性反応剤若しくはNCBPのプール又は異なるアイデンティティの親和性反応剤若しくはNCBPのプールを含んでよい(
図27工程v)。
【0070】
二元組成物からの出力
eAPC:T組合せシステム内の被分析物eAPC及び/又は被分析物TCにおいて報告されるシグナルは、被分析物細胞集団を選択して一次出力を提供するために用いてもよい。本発明に関して、被分析物eAPCの一次出力は、eAPC:T組合せシステムが1又は2以上の被分析物eAPCと被分析物TCRとの二元組成のものである場合(例えば、
図24)、二元システムから、被分析物TCRで標識される所望の被分析物eAPC集団を選択することにより達成され得る。
被分析物親和性反応剤又はNCBPの一次出力は、eAPC:T組合せシステムが1又は2以上の被分析物eAPCと被分析物親和性反応剤又は被分析物NCBPとの二元組成のものである場合(例えば
図24)、二元システムから、被分析物親和性反応剤又は被分析物NCBPで標識される所望の被分析物eAPC集団を選択することにより達成できる。
eAPC及び/又は被分析物TC型の一次出力は、eAPC:T組合せシステムが、固定された被分析物eAPC及びプールされたライブラリー被分析物TCの性質のものである場合(例えば
図22)又はeAPC:T組合せシステムが、固定された被分析物TC及びプールされた被分析物eAPCライブラリーの性質のものである場合(例えば、
図23)、組合せの培養系から所望の被分析物APC及び/又は被分析物TC集団を選択することにより達成できる。
被分析物eAPCの一次出力は、eAPC:T組合せシステムが、固定された被分析物TCR及びプールされたライブラリー被分析物eAPCの性質のものである場合(例えば
図24)又はeAPC:T組合せシステムが、固定されたeAPC及びプールされた可溶性被分析物親和性反応剤又はNCBPライブラリーの性質のものである場合、組合せの培養系から所望の被分析物eAPC集団を選択することにより達成できる。
被分析物親和性反応剤又は被分析物NCBPの一次出力は、eAPC:T組合せシステムが、固定された可溶性被分析物親和性反応剤若しくは被分析物NCBP及びプールされたライブラリー被分析物eAPCの性質のものである場合(例えば、
図24)又はeAPC:T組合せシステムが、固定されたeAPC及びプールされた被分析物親和性反応剤若しくは被分析物NCBPライブラリーの性質のものである場合、組合せの培養系から所望の被分析物親和性反応剤又は被分析物NCBP集団を選択することにより達成できる。
【0071】
出力を取得する態様
一次出力を得ることができる幾つかの異なる態様があり、ここで、各態様は、細胞選別工程を伴う。選別は、蛍光活性化細胞選別(FACS)及び/又は磁性活性化細胞選別(MACS)及び/又は異なる親和性活性化細胞選別法により達成してよい。
一次出力たるeAPC及び/又は被分析物TC細胞及び/又はeAPC結合親和性反応剤若しくはNCBPは、単一細胞選別により単一細胞を得てもよく、及び/又は細胞プール選別により細胞プールを得てもよい。
一次出力たるeAPC及び/又は被分析物TC細胞は、単一細胞選別により単一細胞を得てもよく、必要に応じてその後、単一細胞を増殖させて、選択されたeAPC又は被分析物TC細胞のモノクローナルプールを得てもよい。
一次出力たるeAPC及び/又は被分析物TC細胞はまた、細胞プール選別により細胞プールを得てもよく、必要に応じてその後、細胞プールを増殖させて、選択されたeAPC及び/又はTC細胞のプールを得てもよい。
【0072】
eAPC:Tシステムからの終端システム出力の取得
測定されるシグナル応答又は安定な複合体形成に基づいて選択された被分析物eAPC及び/又は被分析物TC及び/又は被分析物NCBPである一次出力を取得する上記の方法に続いて、eAPC:Tシステムからの終端出力を、選択されたeAPC及び/又は被分析物TC及び/又はNCBP一次出力の更なる加工処理により得ることができる(
図27、工程vi)。
多成分システムからの終端出力は、被分析物APC又は被分析物TC又は被分析物親和性反応剤又は被分析物NCBPにより提示され、eAPC:T組合せシステムからの選択により多成分システムからの一次出力として得られる
i.aAPX及び/又は
ii.aAM及び/又は
iii.aAPX:aAM及び/又は
iv.CM及び/又は
v.aAPX:CM及び/又は
vi.TCR
のアイデンティティである。
【0073】
eAPC:Tシステム内で、被分析物eAPC及び被分析物TCにより提示される被分析物分子が遺伝子にコードされている場合が頻繁にある。例えばNCBPがバクテリオファージによりディスプレイされる場合、被分析物NCBPが遺伝子にコードされるアイデンティティを有する場合もそうである。よって、被分析物eAPC又は被分析物TC又は被分析物NCBPにより提示される被分析物分子を同定するために、作製された被分析物eAPC、TC及びNCBPの遺伝子配列決定を行ってよい。
選択された一次出力は、選別された及び/又は増殖させた細胞のゲノム又はトランスクリプトームについて遺伝子配列を得て:
i.aAPX及び/又は
ii.aAM及び/又は
iii.aAPX:aAM
iv.CM及び/又は
v.aAPX:CM及び/又は
vi.被分析物TCR
のアイデンティティを決定するように加工処理してよく、ここで、得られるアイデンティティは、eAPC:Tシステムの終端出力を表す。遺伝子成分を有するNCBPは、選別されたNCBPのゲノム又はトランスクリプトームについて遺伝子配列を得て、被分析物TCRのアイデンティティを決定するように加工処理してよく、ここで、得られるアイデンティティはeAPC:Tシステムの終端出力を表す。
【0074】
eAPCは、選別及び/又は増殖されたTC細胞の成分B'及び/又は成分D'について遺伝子配列を得て、被分析物抗原のアイデンティティを決定するように加工処理してよく、ここで、被分析物抗原の得られるアイデンティティは、eAPC:Tシステムの終端出力を表す。
被分析物TCは、選別及び/又は増殖されたTC細胞のゲノム又はトランスクリプトームについて遺伝子配列を得て、被分析物TCRのアイデンティティを決定するように加工処理してよく、ここで、TCRの得られるアイデンティティはeAPC:Tシステムの終端出力を表す。
【0075】
遺伝子配列決定は、様々な態様で、様々な遺伝物質源から、特定の加工処理あり又はなしで達成できる。配列決定工程の前に
i.ゲノムDNAを抽出すること、及び/又は
ii.成分B'及び/又はD'のRNA転写物を抽出すること、及び/又は
iii.成分B'及び/又はD'のDNA及び/又はRNA転写産物をPCR及び/又はRT-PCRによりにより増幅すること
を行ってよい。
配列決定工程は、多成分システムの一次出力として得られるeAPC又はTC、NCBp又はそれらのプールに対して破壊的であってよい。
【0076】
配列決定工程が一次出力eAPCに対して破壊的であるeAPC:Tシステムから一次出力を得ることが望ましい場合、多成分システムの終端出力として得られる配列情報を用いて、被分析物eAPCと等価な出力eAPCを作製してよい。
遺伝子によりコードされる被分析物分子の上記場面において、eAPC:Tシステムの終端出力は、成分B'及び/又はD'並びに/又は細胞ゲノム及び/若しくはトランスクリプトームから配列情報を得ることにより得てよい。しかし、幾つかの実施形態では、抗原情報は、遺伝子によりコードされない。翻訳後修飾される抗原、非遺伝子的手段によりeAPC:T組合せシステムに提供される抗原、被分析物eAPCプロテオーム又は代謝産物の誘導又は改変された状態から現れる抗原、eAPC:Tシステムに固有のCMは、遺伝子配列決定手段により合理的に同定されない場合がある。
【0077】
非遺伝子手段によりeAPC:Tシステムに提供され得るaAMの重要な場合において、提供されたaAMをaAPX:aAM複合体としてAPCが提示し得る2つの異なる態様が存在する。第1の場面において、aAMは、aAPXと直接結合でき、細胞表面でaAPX:aAM複合体を形成する形態で提供される(
図18)。このようなaAMの例は、HLA複合体についてのペプチド抗原である。第2の場面において、aAMは、被分析物eAPCにより取り込まれ、aAPXにおいて積荷として積載され、細胞表面でaAPX:aAM複合体を形成するようにプロセスされる形態で提供される(
図19)。
aAM積荷又はCM積荷を選択し同定する方法であって、積荷が、多成分システムの一次出力として選択されて得られるeAPCのaAPXに積載される代謝物及び/又はペプチドである方法は、
i.aAPX:aAM又はaAPX:CM又は積荷aM又は積荷CMを単離することと、
ii.積載された積荷を同定することと
を含み、ここで、同定される積載された積荷(CM又はaAM)は、多成分システムの終端出力である。
【0078】
一般に、選択されたAPCから積荷分子を同定できる2つの態様が存在する。第一に、aAPX:aAM又はaAPX:CMからの積荷の強制放出により、その後の同定に利用可能なaAM又はCMの単離がもたらされる(
図25)。この例は、HLA複合体からペプチドaAMを遊離させるeAPCの酸洗浄である。第二に、(例えば複合体の遊離及び免疫親和性単離法による)aAPX:aAM又はaAPX:CMの捕捉により、aAPX:aAM又はaAPX:CM複合体の単離がもたらされ、aAM又はCMを同定できる(
図26)。
単離aAM及び/若しくはCMを直接に又は単離aAPX:aAM若しくはaAPX:CM複合体から同定する方法は:
i.質量分析
ii.ペプチド配列決定分析
を含むことができ、ここで、含まれるaAM及び/又はCMアイデンティティは、多成分システムの終端出力である。
【0079】
eAPC:Tシステムを用いる、被分析物抗原に関する被分析物TCRの親和性の決定
一次出力を得る上記の方法であって、一次出力が、測定されるシグナル応答に基づいて選択される被分析物eAPC細胞である方法の後に、eAPC一次出力を親和性分析に供して、同族被分析物TCRに対する被分析物抗原の親和性を決定してよく、ここで、被分析物抗原は、以下:
i.aAPX及び/又は
ii.aAM及び/又は
iii.aAPX:aAM及び/又は
iv.CM及び/又は
v.aAPX:CM
のいずれかであり、ここで、被分析物TCRは、可溶性親和性反応剤として提供されるか又は被分析物TC若しくは被分析物NCBPにより提示され、被分析物抗原の親和性は以下の方法:
i.選択された被分析物eAPCを、所定範囲の濃度の被分析物TCRで標識すること、
ii.工程aの染色された被分析物eAPCについてFACS分析を行うこと、
iii.所定の濃度範囲の被分析物TCRについて被分析物eAPCの蛍光標識の強度を決定すること、
iv.被分析物抗原の被分析物TCRに対する親和性を算出すること
により決定される。
【0080】
本発明に関して、被分析物抗原の親和性は、以前に記載された方法(ただし、標識された参照物も含んでいてよい)によって決定してもよく、親和性は参照物の蛍光強度に対する被分析物抗原の蛍光強度の比を用いて算出され、ここで、標識された参照物は:
i.1つの被分析物抗原に対する親和性反応剤で標識された被分析物eAPC、
ii.1以上のCD3タンパク質に対する親和性反応剤で標識される被分析物eTPC-t
iii.標識された参照物たる被分析物抗原を提示する細胞又は粒子
から選択される。
図面の説明
本発明を以下の非限定的図面において更に説明する。
【実施例】
【0082】
材料及び方法
ARH-77細胞のエレクトロポレーション
反応あたり、4×10
6細胞を、500μl RPMI 1640中、Gene Pulser XCELL
TM(Bio-Rad)を使用するGlutamax-I(Life Technologies)を以下の設定で用いてエレクトロポレートした:方形波285V、パルス長12.5ms、1秒間隔で2パルス。Cas9プラスミドV1.A.8に用いたDNA濃度は、組込み部位を標的するgRNAについて10μg/ml及び7.5μg/mlであった(HLA内因性遺伝子座における組込みについてはV2.I.10及びV2.J.1、標的AAVS1部位についてはV2.J.6)(表3)。
組込みベクターを濃度7.5μg/ulでエレクトロポレートした。HLA遺伝子座におけるHDR組込みのためには、HLAクラスI V1.C.6及びV1.C.9プラスミドを用いた。AAVS1遺伝子座におけるHDR組込みのためには、HLAクラスI V1.F.8及びV1.F.10並びにHLAクラスII V1.I.5及びV1.I.7を用いた。pp65 ORFのバリアントを事前に作製したHLAモノアレレ株に組み込んだ。GFPマーカーに連結した形態のpp65を含有するプラスミドV1.G.9及びV1.H.1をこの目的に用いた。1つのRMCE部位を有するARH-77 HLA-ヌル株を作製するため、マーカーに隣接する異種特異的リコンビナーゼ部位を有するプラスミドを用いた。RFPについてはV4.B.2、BFPについてはV4.B.3を用いた。同プラスミドを同時エレクトロポレートして、2つのRMCE部位を含む安定な株を作製した。RMCEを用いてモノアレレHLA株もまた作製し、ここでは、ベクターV4.D.2を、1つのRMCE部位を含有する細胞にエレクトロポレートした。エレクトロポレーション後、細胞を、Glutamax-I+10% FBSを含む培養培地RPMI 1640中で2日間インキュベートした(37℃,5% CO
2)後、分析した。
【0083】
HEK293細胞のトランスフェクション
トランスフェクションの1日前、細胞を1.2〜1.4×10
6細胞/60mmディッシュの密度で90% DMEM+2mML-グルタミン+10% HI-FBS(Life Technologies)中に播種した。翌日、65%コンフルーエントの細胞を、総量5μgのDNA及びjetPEI(登録商標)(Polyplusトランスフェクション試薬、Life Technologies)(N/P比6)でトランスフェクトした。培地を交換した後、トランスフェクションを行った。DNA及びjetPEI(登録商標)のストック溶液を、それぞれ滅菌1M NaCl及び150mM NaClに希釈した。各溶液の最終容量を総混合容量の50%とした。次いで、PEI溶液を希釈したDNAに加え、混合物を室温にて15分間インキュベートした。最後に、DNA/PEI混合物を60mmディッシュに、細胞フィルムを破壊しないように注意深く加えた。
細胞を(37℃,5% CO
2,95%相対湿度で)48時間インキュベートした後、GFP発現分析を行った。HLAクラスI遺伝子の欠失のために、細胞を、0.42μgのCas9_GFPをコードするDNAベクター(V1.A.8)、HLA-A、B及びCを標的するgRNA(それぞれ、V2.A.1、V2.A.7及びV2.B.3)及び空ベクター(V1.C.2)でトランスフェクトした。AAVS1遺伝子座におけるRMCE部位の組込みのために、細胞を0.5μgのV1.A.8;0.625μgのgRNA V2.J.6及び0.75μgの(RMCE部位によって挟まれる2つのマーカーをコードする)プラスミド(RFPについてはV4.B.2、BFPについてはV4.B.3)でトランスフェクトし、空ベクターV1.C.2を用いて5μgのDNAを満たした。
【0084】
ポリクローナルGFP発現細胞の選別
Cas9-P2A-GFP(V1.A.8)又はGFP選択マーカーをコードするプラスミド(V1.A.4)をエレクトロポレートし又はトランスフェクトした細胞を、FACSJAzz
TM細胞ソーター(BD Biosciences)を用いて、一過性GFP発現について選別した。HEK 293細胞を、TrypLE
TM Express Trypsin(ThermoFisher Scientific)を用いて採集し、適切な容量のDPBS 1×(Life Technologies)中に再懸濁した後、20% HI-FBS及び抗Anti 100X (Life Technologies)を含有するDMEM 1×培地中で細胞選別を行った。ARH-77細胞を洗浄し、適切な容量のDPBS中に再懸濁した後、Glutamax-I並びに20% HI-FBS及び抗Anti 100X(Life Technologies)を含むRPMI 1640中で選別を行った。
【0085】
興味対象の成分の安定発現を有するポリクローナ及びモノクローナル細胞の選別
組み込まれたタンパク質又はマーカーを構成的に発現する細胞の集団を取得するために、細胞を、第1のGFP+選択の7〜15日後に選別した。表面タンパク質を発現すると予測される細胞については、抗体染色を行なった後、選別を行った。HLAクラスI遺伝子については、PE-Cy
TM5マウス抗ヒトHLA-ABC抗体(BD Biosciences)を用いた。HLA-DR及びHLA-DPの染色は、Alexa Fluor(登録商標) 647マウス抗ヒトHLA-DR、DP、DQ(BD Biosciences)を用いて行った。HEK 293由来細胞株の場合、細胞を、TrypLE
TM Express Trypsin(ThermoFisher Scientific)を用いて採集し、適切な容量のDPBS 1×(Life Technologies)中で洗浄した後、20% HI-FBS及び抗Anti 100X(Life Technologies)を含有するDMEM 1×培地中で細胞選別を行った。ARH-77由来細胞株を適切な容量のDPBS中で洗浄した後、Glutamax-I並びに20% HI-FBS及び抗Anti 100X(Life Technologies)を含むRPMI 1640中で選別を行った。
【0086】
【表1】
【0087】
HLAノックアウト又は組込みのために、細胞の選択を、それぞれHLA発現の喪失又は獲得に基いて行った。RMCE部位が組み込まれた細胞を、BFP及びRFPマーカーの発現に基いて選別し、pp65変異体が組み込まれたHLAモノクローンをGFP発現について選別した(表4)。興味対象の遺伝子を発現する細胞のモノクローナル選別を、200μlの増殖培地を含む96ウェルプレート中で行った。サンプルあたり1〜2のプレートを選別した。直後に、残りの細胞のポリクローナル選別を、FACSチューブ中、細胞ソーターInflux
TM(BD Biosciences)において二方式選別設定を用いて行った。
【0088】
モノクローナル集団の表現型スクリーニング
増殖させたモノクローン集団の20,000細胞のサンプルを、分析のためにマイクロタイタープレートに移し、細胞を250μlのDPBS 1×(Life Technologies)に再懸濁し、LRSFortessa
TM(BD Biosciences)で分析した。BFP及びRFP発現を、それぞれBV421用PMTs及びPE-Texas Red fluorophoreを用いて検出した。表面発現を有するタンパク質については、細胞を先ず、PE-Cy
TM5マウス抗ヒトHLA-ABC抗体(BD Biosciences)又はAlexa Fluor(登録商標) 647マウス抗ヒトHLA-DR、DP、DQ(BD Biosciences)を用いて染色した。染色溶液は、100μlの染色緩衝液(DPBS+2% FBS)に希釈した推奨される抗体容量を用いて調製した。細胞を1時間4℃にてインキュベートし、次いで、500μlの染色緩衝液で2回洗浄した後、分析を行った。選択モノクローンは通常の増殖培地で維持した。HEK239細胞はDMEM+2mML-グルタミン+10% HI-FBS(Life Technologies)中で増殖させ、ARH-7細胞は、Glutamax-I+10% HI-FBSを含むRPMI 1640中で増殖させた。細胞のコンフルーエンスを、10〜12×10
6に達するまで毎日モニターした。DNAを5×10
6細胞から、QIAamp DNA Minikit(Qiagen)を用いて抽出した。残りの細胞を更に増殖させ、密度3×10
6細胞/mlで、70%増殖培地+20% HI-FBS+10% DMSO中に凍結保存した。
【0089】
【表2】
【0090】
正しいゲノム位置への組込みの検証
所望の表現型特徴を有するモノクローンをスクリーニングし、分子レベルで評価し、これを、製造業者が推奨する成分及び容量を用いる20μlの反応剤中、Q5(登録商標) Hot Start High-Fidelity DNAポリメラーゼ(NBE)を用いるPCRにより行った。HLA I ORFがHLA遺伝子座に組み込まれたかどうかを決定するため、プライマー9.C.4及び9.D.6を用いた;正しい右相同性アーム組換えは1kbアプリコンにより示された(表5)。AAVS1遺伝子座におけるHLA組込みについて、4セットのプライマーを用いた:正しい左相同性アーム組換え(1.1kb)を評価する9.C.3及び9.C.8、右相同性アーム組換え(660bp)を評価する9.C.4及び9.D.1、内部構築物のCMVプロモーター(810bp)を増幅する1.C.5及び9.C.5、並びに内部構築物のSV40pAターミネーターについてのアプリコンを取得する1.C.2及び9.C.10(380bp)。HEK293及びARH-77 HLA-ヌル株におけるRMCE部位組込みの評価を、プライマーセット2及び4を用いて行った。HEK293細胞におけるHLAクラスI欠失を確証するため、特異的HLAプライマーを以下のとおり用いた:HLA-Aを標的する4.A.3及び4.A.4、HLA-Bについての4.A.7及び4.B.1、並びにHLA-Cについての4.B.5及び8.A.1。最初に、PCR Master Mixを、全成分(Q5(登録商標)反応緩衝液、dNTP、Hot-Start Q5(登録商標) DNAポリメラーゼ、プライマーFwd及びRev、100ngのDNAテンプレート並びにH20)を用いて調製した。PCR反応は、C1000 Touch
TM Thermal Cycler(Bio-Rad)を用いて行った。PCR産物は、1×TAE緩衝液中、1%アガロースゲルで、PowerPac Basic(Bio-Rad)を用いて泳動させ、10,000希釈のsybersafeで染色し、Fusion SL(Vilber Lourmat)を用いて分析した。
【0091】
【表3】
【0092】
遺伝子コピー数の同定
選択されたモノクローンのDNAを、特異的な、興味対象の遺伝子を標的するプライマー及び組み込まれた遺伝子のフラグメントを認識し相同性アームまで伸びるプローブを用いて分析した。HLA遺伝子座におけるHLAクラスI組込みのために、プライマー4.I.9及び9.C.4を用いて興味対象の遺伝子を増幅し、FAMと接合した8.B.2をプローブとして用いた。AAVS1遺伝子座に組み込まれた構築物について、プライマー9.D.6及び9.D.7並びにプローブ9.J.2(これもまたFAMと接合された)を用いた。全ての場合で、参照遺伝子(TRAC)を同時にスクリーニングして、プライマー10.A.9及び10.A.10並びにHEXと接合した蛍光プローブ10.B.6を用いて染色体のコピー数を決定した。組込みコピー数から、参照遺伝子(TRAC)について、ARH-77細胞は二倍体でありHEK293細胞は三倍体であると考えられた。デジタルドロップPCRの前に、DNAをMfeI(NEB)で消化し、直列組込みを分離した。反応セットアップ及びサイクル条件は、QX200
TM Droplet Reader及びDroplet Generator及びC1000 Touch
TM deep-well Thermal cycler(Bio-Rad)を用いるddPCR
TM Supermix for Probes(No dUTP)(Bio-Rad)のプロトコルに従った。QuantaSoft
TMソフトウェアを用いてデータを取得し、FAMの検出にはCh1を用い、HEXについてはCh2を用いた。
【0093】
【表4】
【0094】
【表5】
【0095】
eAPC細胞株におけるHLA-A
*02:01配列のFlp-媒介組込み
eAPC細胞を、Flpをコードするベクター、送達を追跡するためのマーカーをコードするDNA(GFPをコードするベクター)及びHLA-A
*02:01を含有するベクターでエレクトロポレートした。HLA-A
*02:01配列は、3'末端にリンカー及び3×Myc-タグもコードしていた。用いたエレクトロポレーション条件は、258V、12.5ms、2パルス、1パルス間隔であった。
各組込みベクターとFlp-ベクターとの比は1:3であった。2日後のGFP選別についてのゲートを設定するために、GFP-ベクターのみをエレクトロポレートした細胞及びエレクトロポレートしていない細胞をそれぞれコントロールとして用いた。翌日(エレクトロポレーションの2日後)に、細胞を分析し、GFP発現に基いて選別した。BD Influx細胞ソーターを用いて細胞を選別した。
エレクトロポレーションの3日後、GFP発現に基づく選別を行い、エレクトロポレートされた細胞を富化した。エレクトロポレーションの7〜8日後、細胞を採集し、HLA-ABC発現に関して表面を染色した。BFP+ve RFP-ve HLA+ve細胞を単一細胞選別してモノクローナルとした。
細胞を遺伝子型決定するため、100ngのDNAをテンプレートとして用いて、PCR反応を行い、組込みが予想された組込み部位で生じているかどうかを検証した。組込みカセットを標的するフォワードプライマー(Pan_HLA_GT_F1(Insert SEQ ID NO))及び組込み部位の直ぐ外側を標的するリバースプライマー(SV40pA_GT_R1 Insert SEQ ID NO)を用い、PCR産物を1%アガロースゲルで泳動した。
【0096】
eAPC-p細胞株におけるHCMV ORF配列のFlp-媒介組込み
eAPC-p細胞を、Flpをコードするベクター、送達を追跡するマーカーをコードするDNA(GFPをコードするベクター)及びHCMV pp28、pp52又はpp65 aAM-ORFを含有するベクターでエレクトロポレートした。HCMV-ORF配列は、3'末端にリンカー及び3×Myc-タグもまたコードしていた。用いたエレクトロポレーション条件は、258V、12.5ms、2パルス、1パルス間隔であった。
各組込みベクターとFlp-ベクターとの比は1:3であった。2日後のGFP選別についてのゲートを設定するために、GFP-ベクターのみをエレクトロポレートした細胞及びエレクトロポレートしていない細胞をそれぞれコントロールとして用いた。翌日(エレクトロポレーションの2日後)に、細胞を分析し、GFP発現に基いて選別した。BD Influx細胞ソーターを用いて細胞を選別した。
【0097】
eAPC-p細胞株における3つのHCMV ORF配列のFlp-媒介ショットガン組込み
eAPC-p細胞を、Flpをコードするベクター、送達を追跡するマーカーをコードするDNA(GFPをコードするベクター)及びHCMV pp28、pp52又はpp65 aAM-ORFを含有するベクターでエレクトロポレートした。HCMV-ORF配列は、3'末端でリンカー及び3×Myc-タグもまたコードしていた。用いたエレクトロポレーション条件は、258V、12.5ms、2パルス、1パルス間隔であった。ショットガン組込みのため、HCMV-ORFを含有するベクターを比1:1:1でプールし、混合物をeAPC-p細胞にエレクトロポレートした。得られるeAPC-pa細胞はポリクローナルであった。個々のモノクローン細胞を選別し、遺伝的に特徴付けて、ポリクローンが3つ全てのHCMV-ORFを含有する細胞で構成されることを証明した。
【0098】
成分DへのHCMV ORFのRMCE-組込みを評価するPCR反応
HCMV ORFの組込みを評価するために用いるプライマーを、リンカー(フォワードプライマー10.D.1(Insert SEQ ID)及びEF1aplhaプロモーター(リバースプライマー15.H.4)にアニールさせた。予想サイズは、pp28については0.8kb、pp52については1.5kb、pp65については1.9kbであった。
【0099】
【表6】
【0100】
【表7】
【0101】
PCR産物は、1×TAE緩衝液中、1%アガロースゲルで、PowerPac Basic(Bio-Rad)を用いて泳動させ、10,000希釈のsybersafeで染色し、Fusion SL(Vilber Lourmat)を用いて分析した。
【0102】
抗原-特異的CD8+細胞の増殖
末梢血単核細胞(PBMC)を、CMV-A.0201-NLVPに特異的なCD8+ T細胞を有することが知られている健常血液ドナーから、Ficoll Paque Plus(GE Healthcare)を用いて単離した。細胞を、CDマーカーに対する表面抗体で染色した。特異的なT細胞集団を、BD Influx 細胞ソーターを用いて選別し、ペレット化し、OSG培地+10% HS中200 000細胞/mlに再懸濁した。
【0103】
ペプチドマルチマーでのeAPのパルス
HLA-A
*02:01 eAPCを、1μMペプチド(NLVPMVATV(配列番号3)又は完全OSG培地+10% HS中)で4時間パルスした。細胞を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中で3回洗浄し、OSG培地+10%ヒト血清(HS)中100 000細胞/mlに再懸濁した。
【0104】
抗原-特異的CD8+とeAPCとの共培養
CD8+細胞を、eAPCと、96ウェルポリスチレン(wp)丸底プレートにおいて、1:1比で、すなわち、100μL培養体積中、5000細胞の各細胞タイプ、計10000細胞/ウェルで共培養した。再刺激を培養9日目に行った結果、150μLの培養物が維持され、ウェルあたり容量50μLの5000の新鮮なパルスされたeAPC細胞で再刺激された。
並行して行った実験において、CD8+ T細胞を、pp65を安定に発現するeAPC-pa細胞株と、96wp丸底において、1:1比で、100μL培養体積中、5000細胞の各細胞タイプ、計10000細胞/ウェルで共培養した。パルスしていないHLAヌル及びeAPC-pa細胞をコントロールとして含ませた。再刺激は行わなかった。
【0105】
表現型決定
表現型決定を14日目に行った。条件あたり、5つの複製物及び20ウェルのプールを表現型決定した。細胞を別個に、100倍希釈DCM(Zombie NIR)で染色し、続いて50倍希釈マルチマー(表4)で10分間染色し、その後、表面マーカー(表4)を25μL/サンプルで30〜60分間加えた。細胞を染色緩衝液(PBS+2% FBS)に再懸濁し、データをLSRFortessaで取得し、FlowJoで分析した。
【0106】
抗原-特異的CD4+細胞の増殖
末梢血単核細胞(PBMC)を、INFL-DRB1
*01:01-PKYVに特異的なCD4+ T細胞を有することが知られている健常血液ドナーから、Ficoll Paque Plus(GE Healthcare)を用いて単離した。細胞を、CDマーカーに対する表面抗体で染色した。特異的なT細胞集団を、BD Influx細胞ソーターを用いて選別し、ペレット化し、OSG培地+10% HS中100000又は400000細胞/mlに再懸濁した。
【0107】
ペプチドマルチマーでのeAPCのパルス
HLA DRB1
*01:01 eAPCを、1μMペプチド(PKYVKQNTLKLAT(配列番号1)又は完全OSG培地+10% HS中)で2時間パルスした。細胞をリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中で3回洗浄し、OSG培地+10%ヒト血清(HS)中5000細胞/mlに再懸濁した。
【0108】
抗原-特異的CD4+とeAPCとの共培養
CD4+細胞を、eAPCと、96wp丸底において、100μL培養体積中、250のeAPC及び5.000 対 20.000のCD4+細胞で共培養した。培養物をOSG+10% HS中に維持した。1日目に、幾つかの培養物に対して100U/mL IL-2を投与した。IL-2を投与しない培養物には培地を与えた。14日間培養した培養物には7日目にIL-2を追加した。
【0109】
表現型決定
表現型決定を14日目に行った。条件あたり、5つの複製物及び20ウェルのプールを表現型決定した。細胞を染色した。細胞を別個に、100倍希釈DCM(Zombie NIR)で染色し、続いて50倍希釈マルチマー(表4)で10分間染色し、その後、表面マーカー(表4)を25μL/サンプルで30〜60分間加えた。細胞を染色緩衝液(PBS+2% FBS)に再懸濁し、データをLSRFortessaで取得し、FlowJoで分析した。
【0110】
細胞傷害性アッセイ
eAPCのペプチドでのパルス
2×10
6細胞を、1μM NLVPMVATV(配列番号3)ペプチドで2mlの完全Roswell Park Memorial Institute(RPMI)培地において一晩パルスし、採集し、PBSで3回洗浄し、完全RPMIに再懸濁した。
【0111】
抗原-特異的CD8+ T細胞の作製
抗原-特異的CD8+ T細胞は、健常ドナーのPBMCに由来するものであった。細胞を、CDマーカーに対する表面抗体で染色した。特異的なT細胞集団を、BD Influx細胞ソーターを用いて選別し、計数し、液体窒素に保管した。実験の1日前に、細胞を解凍し、完全OSG培地中で一晩休止させた。細胞を計数し、完全OSG培地に再懸濁した。
【0112】
eAPCと抗原特異的CD8+細胞との共培養
ペプチドでパルスしたeAPC及びパルスしていないeAPCを、細胞傷害性CD8+ T細胞と共培養した。ウェルあたり10 000 eAPCを96ウェルプレート(50μlの完全RPMI中)に播種した。eAPCをCD8+ T細胞と漸増比で共培養した。試験した比は、総容量100μl中、eAPC単独1:0(eAPC:CD8+)、1:1(eAPC:CD8+)、1:8(eAPC:CD8+)であった。細胞を4〜5時間共培養した。
【0113】
染色
細胞をウェルからマイクロチューブに移し(1ウェル→1マイクロチューブ)、チューブあたり400μlのRPMIを加えた。細胞を3分間、400gで遠心分離し、上清を抜き取り、細胞ペレットを25μlの染色ミックス又はRPMI(非染色コントロール)(染色ミックス:アネキシンV BV711+CD80 APC+CD8 APC-H7)に再懸濁し、20分間RTで450rpmにてインキュベートした。チューブあたり400μlのRPMIを添加することにより染色を終了し、続いて、遠心分離を行い、上清を除去した。染色は表4に記載されている。細胞ペレットを、1μg/mlのヨウ化プロピジウムを含有する150μlのRPMI(染色サンプル)又は150μlのRPMI(非染色サンプル)に再懸濁し、Fortessaによるデータ取得のためにサンプルを96ウェルプレート移した。
【0114】
金属親和性クロマトグラフィー
パルス実験に用いたペプチドは、Genscript Biotechから購入した。
APD-2:NLVPMVATV(配列番号3)pp65は、野生型ペプチドであり、HLA-A
*02:01への結合に制限されており、APD-21:NLGPMAAGV(配列番号4)pp65は、ADP-2 NLVPMVATV(配列番号3)pp65のV3G,T8G,V6A三重変異体ペプチドであり、APD-11:VYALPLKML(配列番号5)は、HLA-A
*24:02への結合に制限されている野生型ペプチドである。
細胞を、10% FBSを補充したRPMI中、37℃及び5% CO
2にて培養した。実験の当日に、細胞を採集し温PBS 1×中で2回洗浄し、2×10
6細胞/mlで再播種し、1μMペプチドで2時間パルスした。パルスした細胞を採集し、氷冷PBSで2回洗浄し、氷冷溶解緩衝液(150mM塩化ナトリウム(NaCl)、50mM Tris pH 8、1% 3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)、5mMイミダゾール、0,2mMヨードアセトアミド及び1×Haltプロテアーゼ阻害剤カクテル(Thermo Scientific))中で溶解させ、激しく撹拌し、4℃にて20分間インキュベートした。
明澄な溶解物をHisPur
TM ニッケル-ニトリロ酢酸(Ni-NTA)樹脂(Thermo Scientific)と混合し、2時間4℃にて回転させた。溶解物非結合画分の除去後、樹脂を高塩緩衝液(250mM NaCl、50mM Tris pH8、25mMイミダゾール)で2回洗浄し、低塩緩衝液(50mM NaCl、50mM Tris pH8)で2回洗浄した。洗浄済みビーズを低塩洗浄緩衝液に採集し、スピンカラム(Thermo Scientific)に移した。結合画分を10%酢酸に溶出させ、3kD Nanosep Omegaカラム(Pall)で限外濾過した。ペプチド画分を、水飽和エチル酢酸と1:1混合し、十分に激しく撹拌して、有機相を除去することにより、液体抽出に供した。続いて固相抽出を、2層のEmporeスチレンジビニルベンゼン-逆相スルホネート(SDB-RPS)マトリクス47mmディスク(3M)を用いて組み立てたステージチップで行った。SDB-RPS膜をアセトニトリルで活性化し、SDB洗浄緩衝液(0.2% TFA、milli-Q、pH<2)で平衡化した後、サンプルをロードした。次いで、SDB膜を2回洗浄した後、吸着したペプチド画分を溶出緩衝液(80%アセトニトリル(ACN)、1% NH
3、milli-Q、pH>10)において溶出させた。サンプルをHPLC-ガラスバイアルに移し、減圧乾燥させ、-20℃で保管後、LC-MS/MS分析に供した。
【0115】
質量分析
ペプチドを10μlの溶媒A(3% CAN、0.1%ギ酸(FA)、MQ)に再懸濁した後、LC-MS/MS分析に供した。各サンプルを、各サンプルバイアルから8μl注入することによいr、Dionex nano-UHPLCシステム(Thermo Fisher Scientific)に接続したQ Exactive HF(Thermo Fisher, Germany)で分析した。UHPLCにトラップカラム(Acclaim PepMap 100, 75μm×2cm、nanoviper、C18、3μm、100Å;Thermo Fisher Scientific)及び50℃に加温した分析カラム(PepMap RSLC C18、2μm、100Å、50μm×50cm;Thermo Fisher Scientific)を取り付けた。nLC分離用移動相緩衝液は溶媒A及び溶媒B(95% CAN、0.1% FA、MQ)からなっていた。ペプチドを30分間のグラジエントの間に溶出させ、質量分析機に直接スプレーした。流速は400nL/分に設定し、LCグラジエントは次のとおりであった:5分以内の2〜5%溶媒B、30分間以内の5〜40%溶媒B、5分間以内の40〜47%溶媒B、5分間以内の47〜100%溶媒B並びに8分間の100%溶媒B及び5分間の2%溶媒B。ナノスプレーは1.8kVの印加電圧で達成した。
質量分析機はデータ依存取得(DDA)モード(最も強い10のピーク)にプログラムされ、400〜1600m/z(解像度200m/zで60,000)のフーリエ変換サーベイスキャン、AGCターゲット1e6、最大注入時間250msを実行するように構成されていた。MS2スキャンを、10の最も豊富な、荷電状態1〜7のMS1イオンに対して、HCD断片化及び30秒の動的排除についての1.2m/zの四重極単離ウィンドウを用いて取得した。
【0116】
データ分析
生MSファイルを、実験に用いたペプチドを含み、一般的なLC-MS/MS夾雑物のリストを補充したペプチドfastaファイルに対してMaxQuant(バージョン1.5.6.5)を用いて検索した。消化特異性は非特異に設定し、ペプチド可変修飾は、酸化(M)を許容する設定とし、最初のサーチトレランスは20ppmに設定し、FDRは1%に設定した。
【0117】
実施例
実施例1:標的化変異誘発によるAPX遺伝子ファミリーの欠失
本実施例では、遺伝子操作された抗原提示細胞(eAPC)の第1の形質を作製するために、抗原提示複合体(APX)のファミリーをコードする遺伝子の標的化変異誘発をどのように達成したかを記載する。前記形質はAPXファミリーの少なくとも1つのメンバーの表面発現の欠失である。
本実施例では、標的付けられたAPXは、HEK293細胞株における主要HLAクラスIファミリーの3つのメンバーHLA-A、HLA-B及びHLA-Cを含んでなっていた。HEK293細胞は、HLA-ABCの内因性表面発現を示すヒト胚性腎臓細胞に由来するものであった。細胞遺伝学的分析は、この細胞株が三倍体に近い核型を有し、したがってHEK293細胞が各HLA-A、HLA-B及びHLA-C遺伝子の3つのアレレをコードしていることを証明した。
HLA-A、HLA-B及びHLA-C遺伝子の標的化変異誘発は遺伝子操作されたCRISPR/Cas9システムを用いて行われ、該システムでは、Cas9ヌクレアーゼ活性は、合成ガイドRNA(gRNA)によりHLA-A、HLA-B及びHLA-C遺伝子座に標的付けられた。4〜5の独特なgRNAが、各HLA遺伝子遺伝子座について、保存されたヌクレオチド配列を標的するように設計され、標的付けられた部位は遺伝子コーディング配列の開始点に向けられた。なぜならば、このことがヌルアレレを生じさせる可能性がより高いからであった。標的付けられた遺伝子座で変異を誘導するgRNAの効率が決定され、最も効率的なgRNAが、HLA-A、HLA-B及びHLA-Cヌル(HLA-ABC
null)HEK293細胞株を生じさせるために選択された。
【0118】
HLA-A、HLA-B及びHLA-C遺伝子座を標的する最適なgRNAをコードするプラスミドを、Cas9-P2A-GFPをコードするプラスミドと共に、「方法」に記載するように、HEK293細胞にトランスフェクトした。Cas9-P2A-GFPプラスミド取込みについてポジティブな細胞を、トランスフェクションの2日後にGFP蛍光に基いてFAC選別した(
図28a)。遺伝子編集事象が生じるに十分な時間、有害変異の場合には、残る内因性HLAIタンパク質の発現を喪失させるに十分な時間を可能とするために、GFP選別された細胞を5日間以上更に増殖させた。この増殖期間後、細胞を、汎-HLA-ABC抗体で染色し、表面でのHLA-ABC発現が低減した細胞を同定した(
図28b)。汎-HLA-ABC抗体染色の欠如は、各HLA-A、HLA-B及びHLA-Cアレレが変異したことを示唆した。個々のHLA-ABCネガティブ細胞を選別し、増殖させてモノクローン集団とした。
【0119】
HLA-ABC
nullモノクローンは、HLA-ABCの表面発現の欠如により確証された。モノクローンのサブセットがHLA-ABCの表面発現を欠くことを証明した。その3つの例のモノクローンACL-414、ACL-415及びACL-416を
図29に示す。HLAI表面発現を欠くモノクローンの更なる遺伝子特徴決定を、細胞株がHLA-A、HLA-B及びHLA-C遺伝子の全てのアレレにおいて基礎をなす遺伝子変異を有することを決定することにより行った(
図30)。アプリコンサイズ変化の検出のためにgRNAゲノム標的部位に亘るプライマー及び/又は配列決定のためのテンプレートとして用いるプライマーを使用するPCRにより、遺伝子特徴決定を行った。
図30は、基本細胞株(例えば、ACL-414)のアプリコンサイズと比較して短いPCRアプリコンにより検出されるHLA-A、HLA-B及びHLA-C遺伝子のアレレに遺伝子欠失を含むHLA-ABC
nullモノクローンの選択を示す。
結論として、遺伝子改変されたHEK293細胞株(ACL-414、ACL-415及びACL-416を含む)は、HLA-ABCの表面発現を欠くことが証明され、したがって遺伝子操作された抗原提示細胞(eAPC)の第1の形質を有していた。
【0120】
実施例2:成分Bを含むeAPCの作製
本実施例では、成分BをHLA-ABC
nullモノクローン株ACL-414に安定に組み込んでeAPCの第2の形質を生じさせる方法を記載する。前記第2の形質は、少なくとも1つのORFの組込みのための少なくとも1つのゲノム受容部位を含み、ここで、ゲノム受容部位はリコンビナーゼ媒介カセット交換(RMCE)用に設計された合成構築物であった。
本実施例では、ゲノム組込み部位(成分B)は選択された遺伝子エレメントで構成される。2つの独特な異種特異的リコンビナーゼ部位FRT及びF3(これらは、選択マーカー青色蛍光タンパク質(BFP)をコードするORFを挟み込む)。FRT部位の5'側にはEF1aプロモーターがコードされ、F3部位の3'側にはSV40ポリアデニル化シグナルターミネーターがコードされていた。異種特異的リコンビナーゼ部位の外側に非コーディングシス調節エレメントが位置することの利点は、それらがマッチした遺伝子ドナーベクター(成分C)に必要でないことである。したがって、遺伝子ドナーベクターの細胞送達後、コードされるORFの一過性発現は観察されない。このことから、奏功するRMCEの選択が、遺伝子ドナーベクターからのORFの細胞発現がおそらく成分Bへの正しい組込み後にのみ生じるような、より信頼できるものとなった。なぜならば、適切なシス調節エレメントが含まれているからである(実施例6を参照)。
【0121】
ゲノムセーフハーバー遺伝子座(AAVS1)への成分Bの安定なゲノム組込みを促進するため、成分BのDNAエレメントがAAVS1左右相同性アームに挟まれたプラスミドを構築した。各アームは、AAVS1ゲノム遺伝子座に相同な>500bpの配列で構成されていた。
成分Bの安定な組込みは、ゲノムセーフハーバー遺伝子座AAVS1での相同性指向組換え(HDR)のプロセスにより達成された。ACL-414細胞株を、AAVS1遺伝子座を標的する最適なgRNAをコードするプラスミド、Cas9-P2A-GFPをコードするプラスミド及びAAVS1左右相同性アームが隣接する成分B遺伝子エレメントをコードするプラスミドでトランスフェクトした。Cas9-P2A-GFPプラスミド取込みについてポジティブな細胞を、トランスフェクションの2日後にGFP蛍光に基いてFAC選別した(
図31a)。GFP選別された細胞を7日間以上更に増殖させて、HDRが生じ、選択マーカーBFPの一過性発現を喪失するに十分な時間を許容させた。この増殖期間の後、細胞をFACS装置で分析し、個々のBFPポジティブ細胞を選別し、増殖させてモノクローン集団とした(
図31c)。
【0122】
個々のモノクローン株を、維持されたBFP発現に基いて、所望のAAVS1ゲノム位置への成分Bの単一組込みのためのeAPCとして選択した。細胞株ACL-469及びACL-470は、BFP発現が維持されたモノクローンであった(
図32a及びb)。遺伝子特徴決定を、モノクローンACL-469及びACL-470から抽出したDNAについて行い、それらのゲノムに成分Bが組み込まれていること及び成分BがAAVS1部位に組み込まれていることを証明した(
図33)。ゲノム組込みの確証は、成分Bに特異的なプライマーを用いた予想サイズのPCRアプリコンの検出により決定した(
図33a)。成分BがAAVS1部位に組み込まれていることの確証は、相同性アームによりコードされる領域に対して遠位であるAAVS1ゲノム配列に対して設計されたプライマー及び成分BがコードするSV40 pAターミネーターに独特なプライマーを用いた予想サイズのPCRアプリコンの検出により決定した(
図33b)。成分Bのコピー数はデジタルドロップPCRにより決定し、ここでは、成分B及び参照遺伝子DNA分子の数を測定し比を算出した(表1)。モノクローンACL-469及びACL-470は、1対3の比で成分B分子及び参照遺伝子分子を含んでいた。基本のHEK293細胞株は三倍体に近い核型を有することを考慮すると、このことは、ACL-469及びACL-470細胞株への成分Bの単一組込みを証明している。
結論として、遺伝子改変されたACL-469及びACL-470細胞株はHLA-ABC
nullであり、単一コピーの、RMCE用に設計された合成ゲノム受容部位を含んでおり、したがって単一合成組込み受容部位を有するeAPCの作製が証明された。
【0123】
実施例3:成分B及び成分Dを含有するeAPCの作製
本実施例では、成分B及び成分DをHLA-ABC
nullモノクローン株ACL-414に安定に組み込んでeAPCの第2の形質を生じさせる方法を記載する。前記第2の形質は、少なくとも1つのORFの組込みのための2つのゲノム受容部位を含み、ここで、ゲノム受容部位はリコンビナーゼ媒介カセット交換(RMCE)用に設計された合成構築物であった。
本実施例は、第2のゲノム受容部位(成分D)を追加したことを除き、実施例2に記載されたものと同じ方法及び成分を使用する。成分D遺伝子エレメントは、成分Bとは異なる2つの独特な異種特異的リコンビナーゼ部位F14及びF15で構成された。これら部位は、選択マーカー赤色蛍光タンパク質(RFP)をコードするORFを挟むものであった。F14部位の5'側にはEF1aプロモーターがコードされ、F15部位の3'側にはSV40ポリアデニル化シグナルターミネーターがコードされていた。実施例2のように、成分D遺伝子エレメントは、各々がAAVS1ゲノム遺伝子座に相同な>500bpの配列で構成されるAAVS1左右相同性アームに挟まれていた。
成分B及び成分Dを、成分Dエレメントをコードするプラスミドのトランスフェクションミックスへの追加を除き、実施例2に記載したようにAAVS1に組み込んだ。Cas9-P2A-GFPプラスミド取込みについてポジティブな細胞を、トランスフェクションの2日後にGFP蛍光に基いてFAC選別した(
図31a)。GFP選別された細胞を7日間以上更に増殖させ、その後、細胞をFACS装置で分析し、個々のBFP及びRFPポジティブ細胞を選別し、増殖させて、モノクローン集団とした(
図31b)。
【0124】
個々のモノクローン株を、維持されたBFP及びRFP発現に基き、異なるAAVS1アレレへの成分Bの単一組込み及び成分Dの単一組込みのためのeAPCとして選択した。細胞株ACL-472はBFP及びRFP発現が維持された代表的なモノクローンであった(
図32c)。実施例2に記載のように、遺伝子特徴決定を、モノクローンACL-472から抽出したDNAについて行い、それらのゲノムに成分B及び成分Dが組み込まれていること及び両成分がAAVS1部位に組み込まれていることを証明した(
図33)。両成分B及びDのコピー数はデジタルドロップPCRにより決定し、ここでは、成分B、D及び参照遺伝子DNA分子の数を測定し比を算出した。モノクローンACL-472は、2対3の比で成分B及びD分子と参照遺伝子分子とを含んでいた(表2)。基本のHEK293細胞株は三倍体に近い核型を有することを考慮すると、このことは、ACL-472細胞株への成分Bの単一組込み及び成分Dの単一組込みを証明している。
結論として、遺伝子改変されたACL-472細胞株はHLA-ABC
nullであり、単一コピーの、RMCE用に設計された合成ゲノム受容部位 成分B及び成分Dを含んでおり、2つの独特な合成組込み受容部位を有するeAPCの作製が証明された。
【0125】
実施例4:1つの組込みカップルを用いる一工程で構築された、成分C'が単一HLAI ORFをコードするeAPC-p
本実施例では、ゲノム受容部位(成分B)が天然型ゲノム部位であり、遺伝子ドナーベクター(成分C')が1つの被分析物抗原提示複合体(aAPX)をコードする単一ORFを含んでなるeAPC-pを、1つの組込みカップルを用いる一工程で構築する方法を記載する。
本実施例では、eAPCは遺伝子改変されたARH-77細胞株(ACL-128と呼ぶ)であり、ここでは、2つのファミリーのAPX主要HLAクラスIファミリー及びHLAクラスIIを変異させた。基本の細胞株ARH-77は、強いHLA-A、B、C及びHLA-DR、DP、DQ細胞表面発現を示す、形質細胞白血病に由来するBリンパ芽球である。細胞遺伝子分析により、基本のARH-77細胞株は、二倍体に近い核型を有するが、また、HLA遺伝子座をコードする領域である染色体6p21の欠失を示すことが証明された。ARH-77遺伝子座のDNA配列決定により、ARH-77はHLA-A、HLA-B及びHLA-C並びにHLA-DRA、HLA-DRB、HLA-DQA、HLA-DQB、HLA-DPA及びHLA-DPB遺伝子ファミリーの単一アレレのみをコードすることが確証された。
HLA-ABC
null及びHLA-DR,DP,DQ
null細胞株ACL-128を、実施例1に記載の方法を用い、HLA-A、HLA-B及びHLA-C並びにHLA-DRA、HLA-DRB、HLA-DQA、HLA-DQB、HLA-DPA及びHLA-DPB遺伝子ファミリーを標的するgRNAでのCRISPR/cas9標的化変異誘発により作製した。汎-抗HLA-ABC又は汎-抗HLA-DR,DP,DQでの表面標識により、ACL-128は両APXファミリーの表面発現を欠くことが確証された(それぞれ、
図34b及び35並びに
図37b)。
【0126】
本実施例では、ゲノム受容部位 成分Bは天然型AAVS1ゲノム部位であり、標的付けられた組込みをHDRにより達成した。成分Cが、各々がAAVS1ゲノム遺伝子座に相同な>500bpの配列で構成されるAAVS1左右相同性アームをコードすることにより、遺伝子ドナーベクター(成分C)を成分Bにマッチさせた。AAVS1左右相同性アーム間で、プラスミドはCMVプロモーター及びSV40ターミネーターをコードしていた。興味対象のaAPXをプロモーターとターミネーターとの間にクローニングして成分C'を作製した。本実施例では、成分C'は、1つのaAPX、HLA-A
*24:02又はHLA-B
*-07:02をコードする単一ORFを含んでなっていた(それぞれ、成分C'
HLA-A*24:02及び成分C'
HLA-B*-07:02と呼ぶ)。
eAPC-pを構築する方法は、成分B'を作製するための成分Bへの成分C'のHDR誘導組込みによるものであった。細胞株ACL-128を、AAVS1遺伝子座を標的する最適なgRNAをコードするプラスミド、Cas9-P2A-GFP及び成分C'でエレクトロポレートした。Cas9-P2A-GFPプラスミド取込みについてポジティブな細胞を、GFP蛍光に基いて、エレクトロポレーションの2日後にFAC選別した(
図34a)。GFP選別された細胞を、7日間以上更に増殖させ、HDRが生じ、aAPXの一過性発現を喪失するに十分な時間を許容させた。この増殖期間の後、細胞を汎-HLA-ABC抗体で染色し、被分析物HLAの表面での発現を獲得した細胞を同定した(
図34b)。汎-HLA-ABC抗体染色の存在により、成分C'にコードされる被分析物HLA ORFがゲノムに組み込まれたことが示された。個々のHLA-ABCポジティブ染色細胞を選別し、増殖させてeAPC-pモノクローン集団とした。
【0127】
個々のモノクローン株を、維持された被分析物HLA表面発現及びゲノム受容部位への被分析物ORFの組込み(成分B'の作製)に基いて、eAPC-pとして選択した。細胞株ACL-321及びACL-331は、それぞれHLA-A
*24:02又はHLA-B
*-07:02の被分析物HLA表面発現が維持された代表的なモノクローンであった(
図35)。遺伝子特徴決定を、選択されたモノクローンACL-321、ACL-327、ACL-331及びACL-332から抽出したDNAについて行い、そのゲノムが成分C'を組込み、該組込みがAAVS1ゲノム受容部位に生じ、成分B'が作製されたことを証明した(
図36)。ゲノム組込みの確証は、成分C'に特異的なプライマーを用いた予想サイズのPCRアプリコンの検出により決定した(
図36a)。成分B'の存在を、相同性アームによりコードされる領域に対して遠位であるAAVS1ゲノム配列に対して設計されたプライマー及び被分析物HLA ORFに連結されたSV40 pAターミネーターに独特なプライマーを用いた予想サイズのPCRアプリコンの検出により確証した(
図36b)。
結論として、それぞれaAPX HLA-A
*24:02又はHLA-B
*-07:02 ORFのコピーをゲノム受容部位 成分B'内に含む遺伝子改変されたACL-321及びACL-331細胞株の作製により、前記被分析物aAPXのみが、細胞表面に発現される主要HLAクラスIメンバーであるという結果がもたらされた。したがって、このことから、多成分システムを用いての、2つの規定されたeAPC-p細胞株の作製が証明された。
【0128】
実施例5:1つの組込みカップルを用いる一工程で構築された、成分C'が対をなすHLAII ORFをコードするeAPC-p
本実施例では、eAPC-pを1つの組込みカップルを用いる一工程で構築する方法を記載する。ここでは、ゲノム受容部位 成分Bが天然型ゲノム部位であり、遺伝子ドナーベクター(成分C')は2つのaAPX鎖をコードする単一ORFを含んでなるものであった。
本実施例は、eAPC、ACL-128及び成分Bを利用した。いずれも実施例4に規定されるものであった。しかし、成分C'は、HLA-DRB1
*01:01アレレにウイルス性自己切断ペプチドエレメントにより連結されたHLA-DRA
*01:01アレレ、又はHLA-DPB1
*04:01アレレにウイルス性自己切断ペプチドエレメントにより連結されたHLA-DPA1
*01:03アレレをコードする単一ORFを含んでいた(それぞれ、成分C'
HLA-DRA*01:01/HLA-DRB1*01:01及び成分C'
HLA-DPA1*01:03/HLA-DPB1*04:01と呼ぶ)。ウイルス性自己切断ペプチドエレメントは、転写されたとき、合成されたペプチドの自己切断をもたらし、各HLA鎖を規定する2つのポリペプチドを生じるペプチド配列をコードするものであった。
【0129】
eAPC-pを構築する方法は、被分析物HLAの表面での発現を獲得した細胞の同定を汎-抗HLA-DR,DP,DQ抗体での細胞表面標識により行ったことを除き、実施例4に記載したとおりであった(
図37)。汎-抗HLA-DR,DP,DQ抗体染色の存在により、成分C'にコードされる被分析物HLA ORFがゲノムに組み込まれたことが示された。個々のHLA-DR,DP,DQポジティブ染色細胞を選別し、増殖させてeAPC-pモノクローン集団とした。
実施例4に記載のとおり、個々のモノクローン株を、維持された被分析物HLA表面発現及びゲノム受容部位への被分析物ORFの組込み(成分B'の作製)に基いて、eAPC-pとして選択した。細胞株ACL-341及びACL-350は、HLA-DRA
*01:01/HLA-DRB1
*01:01又はHLA-DPA1
*01:03/HLA-DPB1
*04:01の被分析物HLA表面発現が維持されている代表的なモノクローンであった(
図38)。
結論として、それぞれaAPX HLA-DRA
*01:01/HLA-DRB1
*01:01又はHLA-DPA1
*01:03/HLA-DPB1
*04:01 ORFのコピーをゲノム受容部位 成分B'内に含む遺伝子改変されたACL-341及びACL-350細胞株の作製により、前記被分析物aAPXのみが、細胞表面に発現される主要HLAクラスIIメンバーであるという結果がもたらされた。したがって、このことから、多成分システムを用いての、2つの規定されたeAPC-p細胞株の作製が証明された。
【0130】
実施例6:1つの組込みカップルを用いる一工程で構築された、成分Bが合成構築物であるeAPC-p
本実施例では、eAPC-pを1つの組込みカップルを用いる一工程で構築する方法を記載する。ここでは、ゲノム受容部位 成分BがRMCEゲノム部位用に設計された合成構築物であり、遺伝子ドナーベクター(成分C')は、1つのaAPXをコードする単一ORFを含むものであった。
本実施例では、ゲノム組込み部位(成分B)は、選択された遺伝子エレメントで構成された。2つの独特な異種特異的リコンビナーゼ部位FRT及びF3(これらは、選択マーカー青色蛍光タンパク質(BFP)をコードするORFを挟み込む)。FRT部位の5'側にはEF1aプロモーターがコードされ、F3部位の3'側にはSV40ポリアデニル化シグナルターミネーターがコードされていた。成分Bの遺伝子エレメントを、実施例2に記載のものと同じプラスミドを用いてエレクトロポレーションにより、細胞株ACL-128に組み込んだ。実施例2に記載のように、個々のモノクローン株を、維持されたBFP発現に基いて選択し、所望のAAVS1ゲノム位置への成分Bの単一組込みを含んでいることを遺伝子的に特徴付けた(
図39a)。得られるeAPC細胞株ACL-385は、HLA-ABC
null及びHLA-DR,DP,DQ
nullであり、RMCE用に設計された合成ゲノム受容部位 成分Bの単一コピーを含んでいた。
【0131】
成分Cが同じ異種特異的リコンビナーゼ部位FRT及びF3をコードするように、遺伝子ドナーベクター(成分C)を成分Bにマッチさせた。興味対象のaAPX ORF(追加で、開始コドンの直前にコザック配列をコードする)を、2つの異種特異的リコンビナーゼ部位の間にクローニングし、成分C'を作製した。本実施例では、成分C'は、1つのaAPX HLA-A
*02:01(成分C'
FRT:HLA-A*02:01:F3と呼ぶ)をコードする単一ORFを含んでいた。
eAPC-pを、Tyr-リコンビナーゼFlpをコードするプラスミドと成分C'
FRT:HLA-A*02:01:F3とを用いる細胞株ACL-385のエレクトロポレーションによるRMCEにより作製した。。エレクトロポレーションの4〜10日後、HLAI表面発現についてポジティブであり、成分B選択マーカーによりコードされる蛍光タンパク質マーカーBFPについてネガティブ/低減である個々の細胞を選別した。より成長した個々のモノクローン株を、維持されたHLAIアレレ発現及び(予想されたRMCEが生じたことを示す)BFP蛍光の喪失に基いて選択した。このモノクローンを同定するため、表現型及び遺伝子検査の両方を行った。先ず、全てのモノクローン細胞株を、細胞表面HLA-ABC発現及びBFP蛍光の欠如についてスクリーニングした(
図39)。ゲノムDNAを、当該細胞株、例えば、ACL-421及びACL-422から抽出し、成分B'を生じる、成分Bへの成分C'の組込みを、成分B'に特異的なPCR産物の検出により確証した(
図40)。
結論として、それぞれaAPX HLA-A
*02:01 ORFのコピーを合成ゲノム受容部位 成分B'内に含む遺伝子改変されたACL-421及びACL-422細胞株の作製により、前記被分析物aAPXのみが、細胞表面に発現される主要HLAクラスIメンバーであるという結果がもたらされた。したがって、このことから、多成分システムを用いての、2つの規定されたeAPC-p細胞株の作製が証明された。
【0132】
実施例7:2つの組込みカップルを用いる二工程で構築されたeAPC-pa
本実施例では、eAPC-paを二工程で構築する方法を記載する。工程1 ゲノム受容部位 成分Bは天然型ゲノム部位であり、遺伝子ドナーベクター(成分C')は1つのaAPXをコードする単一ORFを含んでなるものであった。工程2 ゲノム受容部位(成分D)は第2の天然型ゲノム部位であり、遺伝子ドナーベクター 成分E'は1つの被分析物抗原分子(aAM)をコードする単一ORFを含むものであった。
本実施例では、eAPCがACL-128であり、ゲノム受容部位 成分Bが変異HLA-Aアレレゲノム部位(HLA-A
nullと呼ぶ)であり、標的付けられた組込みがHDRにより達成される工程1を行った。成分Cが、各々がHLA-A
nullゲノム遺伝子座に相同な>500bpの配列で構成されるHLA-A
null左右相同性アームをコードすることにより、遺伝子ドナーベクター(成分C)を成分Bにマッチさせた。HLA-A
null左右相同性アーム間で、プラスミドはCMVプロモーター及びSV40ターミネーターをコードしていた。興味対象のaAPXをプロモーターとターミネーターとの間にクローニングして、成分C'を作製した。本実施例では、成分C'は、1つのaAPX HLA-A
*02:01又はHLA-B
*-35:01をコードする単一ORFを含んでなっていた(それぞれ、成分C'
HLA-A*02:01、成分C'
HLA-B*-35:01と呼ぶ)。
成分Bへの成分C'の組込み及びモノクローンeAPC-p細胞株の選択は、成分Bへの成分C'のHDR組込みを促進するためにHLA-A
nullゲノム遺伝子座を標的するgRNAを用いたことを除き、実施例4のとおりであった。モノクローンeAPC-p ACL-191及びACL-286は、細胞表面に、それぞれHLA-A
*02:01又はHLA-B
*-35:01を発現した(
図41a)。
【0133】
本実施例では、ゲノム受容部位(成分D)が天然型AAVS1ゲノム部位であり、標的付けられた組込みをHDRにより達成する工程2を行った。成分Eが、各々がAAVS1ゲノム遺伝子座に相同な>500bpの配列で構成されるAAVS1左右相同性アームをコードすることにより、遺伝子ドナーベクター成分Eを成分Dにマッチさせた。AAVS1左右相同性アーム間で、プラスミドはCMVプロモーター及びSV40ターミネーターをコードしていた。興味対象のaAMをプロモーターとターミネーターとの間にクローニングして成分E'を作製した。本実施例では、成分E'は、hCMV-pp65をコードするaAM ORFに連結された選択マーカーGFPをコードする単一ORFを含んでいた(成分E'
GFP:2A:pp63と呼ぶ)。ウイルス性自己切断ペプチドエレメントは、転写されたとき、合成されたペプチドの自己切断をもたらし、2つのポリペプチドGFP及び細胞内hCMV-pp65タンパク質を生じるペプチド配列をコードするものであった。
成分Dへの成分E'の組込みは実施例4のとおりであった。個々のモノクローン株ACL-391及びACL-395を、維持された選択マーカーGFP発現に基いて、eAPC-paとして選択した(
図41b)。
結論として、それぞれaAPX HLA-A
*02:01又はHLA-B
*-35:01 ORFのコピーをゲノム受容部位 成分B'内に含み、aAM ORF pp65をゲノム受容部位 成分D'内に含む遺伝子改変されたACL-391及びACL-395細胞株が作製された。これら遺伝子改変により、前記aAPXのみが、細胞表面に発現される主要HLAクラスIメンバーであり、該細胞表面には前記aAMもまた発現されるという結果がもたらされた。したがって、このことから、多成分システムを用いての、2つの規定されたeAPC-pa細胞株の作製が証明された。
【0134】
実施例8:一工程で構築され、成分C'が単一HLAI ORFをコードするeACP-p
本実施例では、被分析物抗原提示複合体(aAPX)をコードする単一HLAI ORFを組み込むための、単一組込みカップル事象による一工程でのeAPC-pへのeAPCの変換を記載する。ここでは、eAPCは、RMCEベースのゲノム組込み用に設計された2つの合成ゲノム受容部位 成分B及び成分Dを含む。作製されたeAPC-pは、HLAI ORFにより占められた1つのゲノム受容部位(成分B')を有する一方、残る成分Dは追加の組込みカップル事象に利用可能である(
図6)。
本実施例は、成分B及びDを含む、実施例3で作製されたeAPC(ACL-402)を利用した。ここで、成分Bは、選択マーカー赤色蛍光タンパク質(RFP)をコードするORFを挟む2つの独特な異種特異的リコンビナーゼ部位F14及びF15を含む。F14部位の5'側にはEF1aプロモーターがコードされ、F15部位の3'側にはSV40ポリアデニル化シグナルターミネーターがコードされていた。成分Dは、選択マーカー青色蛍光タンパク質(BFP)をコードするORFを挟む2つの独特な異種特異的リコンビナーゼ部位FRT及びF3を含む。FRT部位の5'側にはEF1aプロモーターがコードされ、F15部位の3'側にはSV40ポリアデニル化シグナルターミネーターがコードされていた。
本実施例は、異種特異的リコンビナーゼ部位F14及びF15を含み、よって成分Bにマッチする成分C遺伝子ドナーベクターを使用する。2つの独立成分C'を成分Cから作製した。ここで、1つのベクター(V4.H.5)は、F14/F15部位間に、コザック配列、開始コドン及びHLA-A
*02:01をコードするaAPX ORFを含み、第2のベクター(V4.H.6)は、F14/F15部位間に、コザック配列、開始コドン及びHLA-A
*24:02をコードするaAPX ORFを含む。
【0135】
eAPC(ACL-402)を、エレクトロポレーションにより、RMCEリコンビナーゼ酵素の発現をコードするベクター(Flp、V4.1.8)及びV4.H.5又はV4.H.6のいずれかの各成分C'と独立して組み合わせた。細胞を4〜10日間培養した。その後、細胞を選択し、組込みの選択マーカーRFPの喪失及び細胞表面でのHLAIの獲得に基いて選別した。その後、より成長した個々のモノクローン株を特徴付け、確証し、HLAI表面発現の獲得及びRFP蛍光の喪失(成分BのB'への予想された変換が生じたことを示す)に基いて選択した。選択されたeAPC-pモノクローンACL-900(V4.H.5、HLA-A
*02:01)及びACL-963(V4.H.6、HLA-A
*24:02)は、親のACL-402細胞株と比較してRFPについてネガティブであり、HLAI表面発現を維持する(
図43a)。更に、両モノクローンはBFP組込みの選択マーカーの発現を保持し、このことから、成分Dは成分B組込みカップル事象とカップリングされておらず、隔離されていることが示される。eAPC-pモノクローンを更に特徴付けるため、ゲノムDNAを細胞から抽出し、成分C'と成分Bとの間での組込みカップル(成分B'を生じる)の確証を、成分B'に特異的なPCR産物の検出により行った(
図43b,表5は遺伝子型決定に用いたプライマーを列挙する)。ゲノム受容部位に隣接する領域を標的するプライマー(プライマーID 8.B.3)及び組込みカップル事象内の領域を標的するプライマー(プライマーID 15.H.2)を設計した。特異的組込みの場合にのみ増幅が生じ、コントロールの組換え(ACL-3)からもオフターゲット組換えからも産物は生成しなかった。
まとめると、本実施例は、多成分システムを用いての、eAPCのeAPC-pへの変換の2つの具体例を証明する。ここでは、2つの異なるaAPXは個々に送達され(成分C')、単一ゲノム受容部位(成分B)にRMCEゲノム組込み法により組み込まれた後、2つの別個のeAPC-pを含む限定的なライブラリーが作製される。更に、第2のゲノム受容部位(成分D)は隔離されており、成分B/成分C'組込みカップルにより影響されないことが示された。
【0136】
実施例9:eAPC-pから一工程で構築され、成分D'が単一被分析物抗原分子(aAM)ORFをコードするeAPC-pa
本実施例は、親のeAPC-p(実施例8に記載)から複数のeAPC-paを並行して構築する方法を記載する。ここでは、ゲノム受容部位(成分D)は、プライムされた遺伝子ドナーベクター(aAMをコードする単一ORFを含んでなる成分E')による組込みについて標的される。
本実施例では、用いた親のeAPC-p株は、成分B'に組み込まれている単一aAPX(HLA-A
*02:01)を発現するACL-900であった(実施例8に記載)。eAPC-p 成分Dは、開いたままであり、選択マーカー青色蛍光タンパク質(BFP)をコードするORFを挟む2つの独特な異種特異的リコンビナーゼ部位FRT及びF3を含む。FRT部位の5'側にはEF1aプロモーターがコードされ、F15部位の3'側にはSV40ポリアデニル化シグナルターミネーターがコードされていた。本実施例では、遺伝子ドナーベクター 成分Eを用い、これは2つの異種特異的リコンビナーゼ部位F14及びF15を含み、よって成分Dにマッチしていた。本実施例では、成分Eを、HCMVpp28(V9.E.6)、HCMVpp52(V9.E.7)又はHCMVpp65(V9.E.8)(これらは各々C末端にc-mycタグをコードする)から選択される1つの興味対象のaAM ORFで更にプライムした。更に、各成分E'は、aAM ORFの直ぐ5'側にコザック配列及び開始コドンを更に含む。よって、3つのベクターを含む成分E'の小さな別個のライブラリーが作製された。
【0137】
eAPC-p(ACL-900、実施例8)を、RMCEリコンビナーゼ酵素(Flp、V4.1.8)及びV9.E.6、V9.E.7又はV9.E.8の各成分E'の発現をコードするベクターとエレクトロポレーションにより独立して組み合わせた。組込みカップルが生じさせるため、細胞を4〜10日間インキュベートした後、個々のeAPC-paを選択し、単一細胞(モノクローン)を、成分Dによりコードされる組込みの選択マーカーBFPのシグナル低下に基いて選択した(
図44a)。その後、より成長した個々のモノクローンeAPC-pa、ACL-1219(pp28)、ACL-1227(pp52)及びACL-1233(pp65)を特徴付け、確証し、BFP発現の喪失及び維持されたHLAIの表面発現(このことは、成分DのD'への予想された変換が生じたことを示す)に基いて選択した(成分B'にaAPX)(
図44b)。更に、維持されたaAPXの表面発現は、成分B'が成分Dと成分E'との間の組込みカップル事象により影響されず、同事象から隔離されていることを示した。選択されたeAPC-paモノクローンを更に特徴付けるため、ゲノムDNAを抽出し、成分E'と成分Dとの間の組込みカップル(成分D'を生じる)の確証を、成分D'に特異的なポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アプリコン産物の検出により行った。
図44cに、3つのeAPC-paの各々2つのモノクローンを示す。ここでは、aAM ORF pp28(0.8kb)、pp52(1.5kb)及びpp65(1.9kb)について、予想サイズのアプリコン産物が観察され、予想された組込み事象が生じたことが更に確証される。
まとめると、本実施例は、多成分システムを用いての、eAPC-pのeAPC-paへの変換の3つの具体例を証明する。ここでは、3つの異なるaAMは個々に送達され(成分E')、単一ゲノム受容部位(成分D)にRMCEゲノム組込み法により組み込まれた後、3つの異なるaAM ORFを有する3つの別個のeAPC-paの小さなライブラリーが作製される。更に、積載された第2のゲノム受容部位(成分B')は隔離されており、成分D/成分E'組込みカップルにより影響されないことが示された。
【0138】
実施例10:プールされたeAPC-pライブラリーを単一工程で作製するための複数の被分析物抗原分子ORFのeAPC-pへのショットガン組込み
本実施例では、複数のaAM ORF(HCMVpp28、HCMVpp52及びHCMVpp65)をまとめてコードするプライムされた成分Eベクター(成分E')のプールを単一工程で親のeAPC-p(実施例8に記載)に組み込んで、プールされたeAPC-pライブラリーを作製する方法を記載する。ここでは、各個の細胞には、元のベクタープールに由来する単一ランダム被分析物抗原ORFが成分D'で組み込まれる結果、各々のeAPC-paは単一ランダムaAMを発現するが、eAPC-paのプールされたライブラリーは、集団として、元のプールされたベクターライブラリーにコードされていたaAM ORFの全てを表す。各々がベクタープールに由来する単一ランダムORFを発現するeAPC-paのプールを作製するこの方法は、ショットガン組込みと呼ばれる。
本実施例では、用いた親のeAPC-p株は、aAPX(HLA-A
*02:01)を細胞表面に発現するACL-905であり(細胞株の構築は実施例8に記載)、成分D及び成分E'は実施例9に記載のとおりであった。本実施例では、それぞれHCMVpp28、HCMVpp52及びHCMVpp65をコードするaAM ORFを含む実施例9の個々の成分E'ベクターV9.E.6、V9.E.7及びV9.E.8を一緒にモル比1:1:1で混合してベクタープールを作製した。eAPC-p(ACL-905)を、ベクタープール及びRMCEリコンビナーゼ酵素の発現をコードするベクター(Flp、V4.1.8)とエレクトロポレーションにより組み合わせた。細胞を4〜10日間インキュベートした後、成分Dによりコードされる組込みの選択マーカーBFPのシグナル低下に基いて細胞をバルク選別し(
図45a)、プールされた細胞集団ACL-1050を作製した(
図45b)。
【0139】
eAPC-paプールACL-1050が、各々がHCMVpp28、HCMVpp52又はHCMVpp65の1つを成分D'にコードするeAPC-paの混合物で構成されることを確証するため、個々の細胞をポリクローナル集団から単一細胞に選別し、遺伝子特徴決定のための12の細胞をランダムに選択した。成分D'の増幅を、各aAMに亘るプライマーを用いて行った(表5、
図45c)。
図45cに、12細胞について生成されたアプリコンをコントロールと共に示す。ここで、12細胞全てについて、aAM ORF pp28(0.8kb)、pp52(1.5kb)及びpp65(1.9kb)の1つについての予想サイズと一致する単一アプリコン産物が観察された。更に、各aAM ORFが少なくとも1回同定された。このことから、eAPC-paプールは、プール中の各eAPC-paが元の3つのベクターのプールの単一ランダムaAM ORFを組み込まれているeAPC-paの混合物で構成されることが示される。
結論として、本実施例は、eAPC-pを、3つの異なる被分析物抗原分子をコードする3つのベクター(成分E')のプールされたライブラリーと組み合わせ、RMCEベースのショットガン組込みアプローチを利用することによる、eAPC-pのeAPC-paのプールされたライブラリーへの単一工程での変換のための多成分システムの使用を証明する。更に、本実施例により、作製されたeAPC-paプール中の各eAPC-paは、元のベクタープールからの単一ランダムaAM ORFが成分Dと成分E'との間の組込みカップル事象により組み込まれていること及び3つ全てのaAM ORFが作製されたプールされたeAPC-pライブラリー内に表されることが証明される。
【0140】
実施例11:初代CD8細胞の、eAPC-paにより誘導される抗原特異的増殖に関する2つのeAPC:Tシステムの証明
本実施例は、2つの異なるeAPC:Tシステムの編成及び使用を記載する。ここで、第1のシステムは、eAPC-p、外因性に提供されるaAM(eAPC-pにより提示されるaAPX:aAMを生じる)及び被分析物 初代T細胞(被分析物TC)で構成され、第2のシステムは、aAPX:aAMを提示するeAPC-pa及び被分析物 初代T細胞(被分析物TC)で構成される。eAPC:Tシステムを用いて、被分析物抗原(aAPX:aAM)に対する応答を可能にするTCRを保有する被分析物TCを、分析物TCの増殖及び成長の検出により同定し選択した。
本実施例では、CD8+ T細胞集団からの抗原-特異的CD8+ T細胞の誘導された増殖をモニターした。ここで、aAPXはHLA-A
*02:01(HLAクラスI)であり、aAMはペプチドNLVPMVATVである。eAPC-pで構成されるシステムにおいて、aAMは外因性に提供され、eAPC-paで構成されるシステムにおいて、aAMは、組み込まれた被分析物抗原ORF(HCMVpp65)から天然にプロセスされる。用いた細胞株は、それぞれ実施例8及び9に記載されるeAPC-p(ACL-191)及びeAPC-pa(ACL-390)である。被分析物TC CD8+ T細胞を、「材料及び方法」に記載したように、NLVPMVATVペプチドに特異的なCD8+ T細胞を有することが知られている健常血液ドナーから単離した。
第1のeAPC:Tシステムにおいて、「材料及び方法」に記載したように、eAPC-p(ACL-191)を、ペプチド濃度1μMの外因性NLVPMVATV(配列番号3)ペプチドで4時間パルスした。次いで、eAPC:Tシステムを、パルスしたeAPC-p細胞と被分析物TC(バルク選別されたCD8+ T細胞)とを組み合わせて、標準条件下で共培養することにより編成した。9日間の共培養後、細胞を、被分析物抗原と被分析物TCRとの間で協調的複合体を形成した細胞について、CMV-A.0201-NLVPテトラマー(可溶性反応剤としてのaAPX:aAM)での特異的染色により分析して、抗原-特異的T細胞の増殖をフローサイトメトリーにより検出した。非パルスACL-191細胞(aAMなし)又はパルスしたHLAヌルACL-128(aAPXなし)細胞又は非パルスHLAヌルACL-128細胞(aAPX:aAMなし)を含むeAPC:Tシステムと比較した。NLVPMVATV(配列番号3)ペプチドに特異的であるとHLA-A
*02:01-NLVPテトラマー染色により確証された被分析物TC(CD8+ T細胞)の有意な増殖が、NLVPMVATVでパルスされたeAPC-p細胞を含むeAPC:Tシステムにおいてのみ観察された(
図46a)。
【0141】
第2のeAPC:Tシステムを、eAPC-pa(ACL-390)細胞と被分析物TC(バルク選別されたCD8+ T細胞)とを組み合わせて標準条件下で共培養することにより編成した(材料及び方法を参照)。第1のシステムを用いた場合と同様に、共培養細胞を採集し、被分析物抗原及び被分析物TCRにより誘導された細胞について、CMV-A.0201-NLVPテトラマー(可溶性反応剤としてのaAPX:aAM)での特異的染色により分析した。
図46bは、pp65 ORF(aAM)及びaAPX(HLA-A
*02:01)を安定発現し、よってaAPX:aAMを提示するeAPC-pa(ACL-390)細胞と共培養した初代CD8+ T細胞の抗原-特異的増殖を証明する。pp65 ORFの安定発現を有する及び有しないeAPC-p(ACL-191)細胞及びHLAヌルACL-128細胞を含む2つの他のeAPC:Tシステムと比較した。eAPC-paにより提示されるaAPX:aAMに特異的なCD8+ T細胞の増殖は、eAPC-pa(ACL-390)を含むeAPC:Tシステムにおいてのみ、CMV-A.0201-NLVPテトラマー染色により同定された。
まとめると、本実施例は、提示された被分析物抗原(aAPX:aAM)によるT細胞刺激を可能にする被分析物TCRを有する被分析物TCの同定及び選択のための、被分析物TC(CD8+ T細胞)を選択的に増殖させ得る編成されたeAPC-TシステムにおけるeAPC-p及びeAPC-pa細胞の使用を証明する。更に、2つのeAPC:Tシステムは、異なる形態のaAPX:aAMの使用を証明し、ここで、1つのシステムでは、aAMは外因性に提供され、第2のシステムでは、aAMは、eAPC-paの発現された組込み被分析物抗原ORFから、天然型細胞機構によるプロセシングにより提供される。
【0142】
実施例12:初代CD4細胞の、eAPC-paにより誘導される抗原-特異的増殖に関するeAPC:Tシステムの証明
本実施例は、eAPC:Tシステムの編成及び使用を記載する。ここで、このシステムは、eAPC-p、外因性に提供されるaAM(eAPC-pにより提示されるaAPX:aAMを生じる)及び被分析物 初代T細胞(被分析物TC)で構成される。eAPC:Tシステムを用いて、被分析物抗原(aAPX:aAM)に対する応答を可能にするTCRを保有する被分析物TC及び被分析物TCRを、特定の被分析物TCの増殖及び成長の検出により同定し選択した。
本実施例では、特定のaAPX:AM(aAPXはHLA-DRB1
*01:01(HLAクラスII)であり、aAMはペプチドPKYVKQNTLKLAT(配列番号1)である)による、CD4+ T細胞集団からの抗原-特異的CD4+ T細胞の誘導された増殖は、外因性に提供された。用いた細胞株は、実施例8及び9に記載のものと類似する様式で構築したeAPC-p(ACL-341)であった。被分析物TC CD4+ T細胞を、「材料及び方法」の項に記載したように、PKYVKQNTLKLATペプチドに特異的なCD4+ T細胞を有することが知られている健常血液ドナーから単離した。
【0143】
本実施例では、eAPC-p(ACL-341)を、「材料及び方法」の項に記載したように、ペプチド濃度1μMの外因性PKYVKQNTLKLAT(配列番号1)ペプチドで2時間パルスした。eAPC:Tシステムを、パルスしたeAPC-p細胞と被分析物TC(バルク選別されたCD4+ T細胞)とを組み合わせて標準条件下で共培養することにより編成した。7日間の共培養後、細胞を分析した。提示されたaAPX:aAMにより誘導される細胞について、INFL-DRB1
*01:01-PKYVテトラマー(可溶性反応剤としてのaAPX:aAM)での特異的染色により分析して、抗原-特異的T細胞の増殖をフローサイトメトリーにより検出した。非パルスACL-341細胞(aAPX:CM)を含むeAPC:Tシステムと比較した。PKYVKQNTLKLAT(配列番号1)ペプチドに特異的であるとCMV-A.0201-NLVPテトラマー染色により確証された被分析物TC(CD4+ T細胞)の有意な増殖が、PKYVKQNTLKLATでパルスされたeAPC-p細胞を含むeAPC:Tシステムにおいてのみ観察された(
図47)。
結論として、本実施例は、提示された被分析物抗原(aAPX:aAM)と協調的複合体を形成する被分析物TCRを有する被分析物TCの同定及び選択のための、被分析物TC(CD4+ T細胞)を選択的に増殖させ得るeAPC:Tシステムに編成されたHLAクラスIIベースのeAPC-pの使用を証明する。
【0144】
実施例13:共培養された初代CD8細胞による、eAPC-paにより誘導される抗原-特異的細胞毒性作用に関するeAPC:Tの証明
本実施例は、2つの異なるeAPC:Tシステムの編成及び使用を記載する。ここで、第1のシステムは、eAPC-p、外因性に提供されるaAM(eAPC-pにより提示されるaAPX:aAMを生じる)及び被分析物 初代T細胞(被分析物TC)で構成され、第2のシステムは、aAPX:aAMを提示するeAPC-pa及び被分析物 初代T細胞(被分析物TC)で構成される。eAPC:Tシステムを用いて、提示された被分析物抗原(aAPX:aAM)に関する被分析物TCの特異性を、被分析物TCによるeAPC-p又は-paに対する細胞毒性作用の検出により確証した。
本実施例では、CD8+ T細胞集団に由来し、被分析物TCRとaAPX:AMとの間で協調的複合体を形成する抗原-特異的CD8+ T細胞の細胞毒性作用を証明する。ここで、aAPXはHLA-A
*02:01(HLAクラスI)であり、aAMはペプチドNLVPMVATV(配列番号3)である。eAPC-pで構成されるシステムにおいて、aAMは外因性に提供され、eAPC-paで構成されるシステムにおいて、aAMは、組み込まれた被分析物抗原ORF(HCMVpp65)から天然にプロセスされる。用いた細胞株は、それぞれ実施例8及び9に記載されるeAPC-p(ACL-191)及びeAPC-pa(ACL-390)である。被分析物TC CD8+ T細胞を、「材料及び方法」に記載したように、NLVPMVATVペプチドに特異的なCD8+ T細胞を有することが知られている健常血液ドナーから単離した。
第1のeAPC:Tシステムにおいて、「材料及び方法」に記載したように、eAPC-p(ACL-191)を、ペプチド濃度1μMの外因性NLVPMVATVペプチドで2時間パルスした。次いで、eAPC:Tシステムを、パルスしたeAPC-p細胞と被分析物TC(バルク選別されたCD8+ T細胞)とを組み合わせて、標準条件下で共培養することにより編成した。共培養細胞を、被分析物抗原と被分析物TCRとの協調的複合体について、アネキシンV及びPI染色並びにフローサイトメトリーによりeAPC-p細胞の殺傷を評価することによって分析した。パルスしたHLAヌルACL-128細胞(aAPXなし)又は非パルスHLAヌルACL-128細胞(aAPX:aAMなし)を含むeAPC:Tシステムと比較した。被分析物TC(CD8+ T細胞)による有意な細胞毒性作用は、NLVPMVATVでパルスしたeAPC-p細胞を含むeAPC:Tシステムにおいてのみ確証される(
図48a)。
【0145】
第2のeAPC:Tシステムを、eAPC-pa(ACL-390)細胞と被分析物TC(バルク選別されたCD8+ T細胞)とを組み合わせて標準条件下で共培養することにより編成した。第1のシステムを用いた場合と同様に、共培養細胞を採集し、被分析物抗原と被分析物TCRとの協調的複合体について、アネキシンV及びPI染色並びにフローサイトメトリーによりeAPC-pa細胞の殺傷を評価することによって分析した。
図48bは、pp65 ORF(aAM、成分D')及びaAPX(HLA-A
*02:01、成分B')の安定発現を有し、よってaAPX:aAMを提示するeAPC-pa(ACL-390)細胞と共培養した初代CD8+ T細胞の抗原-特異的細胞毒性作用を証明する。pp65 ORF(aAMなし)の安定発現を有しないeAPC-p(ACL-191)細胞及びHLAヌルACL-128細胞(aAPX:aAMなし)を含む2つの他のeAPC:Tシステムと比較した。eAPC-paにより提示されるaAPX:aAMに特異的なCD8+ T細胞の抗原-特異的細胞毒性作用は、eAPC-pa(ACL-390)を含むeAPC:Tシステムにおいてのみ観察された。
結論として、本実施例は、提示された被分析物抗原(aAPX:aAM)と協調的複合体を形成する被分析物TCRを有する被分析物TCの同定及び選択のための、被分析物TC(CD8+ T細胞)による細胞毒性作用を選択的に誘導し得る編成されたeAPC-TシステムにおけるeAPC-p及びeAPC-pa細胞の使用を証明する。更に、2つのeAPC:Tシステムは、異なる形態のaAPX:aAMの使用を証明し、ここで、1つのシステムでは、aAMは外因性に提供され、第2のシステムでは、aAMは、eAPC-paの発現された組込み被分析物抗原ORFから、天然型細胞機構によるプロセシングにより提供される。
【0146】
実施例14:eAPC-pに積載されたaAMの、質量分析による同定
本実施例は、外因性被分析物抗原分子(aAM)を投与したeAPC-pの使用を記載する。ここで、aAPX:aAM複合体はその後、金属親和性クロマトグラフィーより捕捉され、aAM積荷は質量分析により同定される。このことにより、aAPX:aAMがaAMを含むこと、すなわち、抗原性ペプチドのHLA-制限提示が同定される。
本実施例は、実施例8のeAPC-p細胞株を使用する。ここで、eAPC-pは成分B'にaAPXが組み込まれている(ACL-900(HLA-A
*02:01)及びACL-963(HLA-A
*24:02))。aAPX ORFは、C末端に、金属親和性クロマトグラフィーによる捕捉のための6×ヒスチジンタグもコードする。eAPC-pを外因性aAMと組み合わせて、濃度1μMのペプチドで2時間パルスした。ここで、ペプチドとして以下のaAMの1つからなる4つの別個のパルスを行った:NLVPMVATV(APD-2、配列番号3)、NLGPMAAGV(APD-21、配列番号4)若しくはVYALPLKML(APD-11、配列番号5)又はペプチドなし。
パルス後、「材料及び方法」に記載したとおりに、eAPC-pを採集し、溶解して、その後、aAPX:aAMを金属親和性クロマトグラフィーにより捕捉した。捕捉後、ペプチド(aAM及びCM)を、aAPXから単離し、酸洗浄し濾過した。その後、ペプチド画分を液体抽出及び有機相の除去に供し、続いて、固相抽出し、ペプチド画分の同定のための質量分析に供した。
【0147】
図49は、異なるeAPC-p/aAMパルスの組合せの質量分析結果をまとめた表を示す。結果は、ペプチドNLVPMVATV及びVYALPLKMLがそれぞれaAPX HLA-A
*02:01及びaAPX HLA-A
*24:01と結合して複合体を形成する一方、aAPX:aAMの他の全ての組合せは、検出可能なaAPX:aM複合体を形成しないことを示している。これら結果は、3つのペプチドの既知のペプチド-HLA結合親和性と一致している。
結論として、本実施例は、eAPC-pが、aAPX:aAMの捕捉によるaAMとaAPXとの選択的結合を同定するため、及びその後の、質量分析による同定のためのaAMの放出及び富化に使用できることを証明する。したがって、このことは、被分析物抗原性分子のHLA-制限提示を決定するために、eAPC-pを使用できることを証明する。
【0148】
SEQUENCE LISTING
<110> Genovie AB
<120> An Engineered Multi-component System for Identification and Characterisation of T-cell receptors and T-cell antigens
<130> P018243PCT1
<160> 72
<170> BiSSAP 1.3
<210> 1
<223> Analyte Antigenic Molecule
<210> 2
<223> Analyte Antigenic Molecule
<210> 3
<223> Analyte Antigenic Molecule, APD-2
<210> 4
<223> Analyte Antigenic Molecule, APD-21
<210> 5
<223> Analyte Antigenic Molecule, APD-11
<210> 6
<223> V1.A.4 pcDNA3.1_GFP
<210> 7
<223> SpCas9-2A-GFP Vector V1.A.8
<210> 8
<223> pMA-SV40pA vector V1.C.2
<210> 9
<223> HLA-A 02:01 6xHis + Exon2/3-HA-L+R vector V1.C.6
<210> 10
<223> HLA-B 35:01 6xHis + Exon2/3-HA-L+R vector V1.C.9
<210> 11
<223> AAVS1-S_A24_6xH vector V1.F.8
<210> 12
<223> AAVS1-L_B07_6xH vector V1.F.10
<210> 13
<223> AAVS1-l_GFP_HCMVpp65_WT vector V1.G.10
<210> 14
<223> AAVS1-l_GFP_HCMVpp65 ANET vector V1.G.9
<210> 15
<223> AAVS1-l_GFP_HCMVpp65 AIN vector V1.H.1
<210> 16
<223> AAVS1_DRA_Flag-DRB1_6xHis vector V1.I.5
<210> 17
<223> AAVS1_DPA1_Flag-DPB1_6xHis vector V1.I.7
<210> 18
<223> HLA-A-sg-sp-opti1 vector V2.A.1
<210> 19
<223> HLA-B-sg-sp-3 vector V2.A.7
<210> 20
<223> HLA-C-sg-sp-4 vector V2.B.3
<210> 21
<223> HLA-A-ex2-3_sg-sp-opti_1 vector V2.I.10
<210> 22
<223> HLA-A-ex2-3_sg-sp-opti_2 vector V2.J.1
<210> 23
<223> AAVSI_sg-sp-opti_3 vector V2.J.6
<210> 24
<223> AAVS_Efla-intron_F14_RFPnls_F15 vector V4.B.2
<210> 25
<223> AAVS_Efla-intron_FRT_BFPnls_F3 vector V4.B.3
<210> 26
<223> pMA_FRT_HLA-A*02:01-6xHis_F3 vector V4.D.2
<210> 27
<223> pMA_F14_HLA-A*02:01-6xHis_F15 vector V4.H.5
<210> 28
<223> pMA_F14_HLA-A*24:02-6xHis_F15 vector V4.H.6
<210> 29
<223> pMA_F14_HLA-B*07:02-6xHis_F15 vector V4.H.7
<210> 30
<223> pMA_F14_HLA-B*35:01-6xHis_F15 vector V4.H.8
<210> 31
<223> CMVpro_FLP_Sv40pA_V2 vector V4.1.8
<210> 32
<223> FRT_HCMVpp28-3xMYC_F3 vector V9.E.6
<210> 33
<223> FRT_HCMVpp52-3xMYC_F3 vector V9.E.7
<210> 34
<223> FRT_HCMVpp52-3xMYC_F3 vector V9.E.8
<210> 35
<223> pMA-sv40_OE_F1 primer 1.C.2
<210> 36
<223> pMA-sv40_OE_R1 primer 1.C.3
<210> 37
<223> HLA-A-GT-Rg3 primer 4.A.3 1
<210> 38
<223> HLA-A-GT-Fg2 primer 4.A.4
<210> 39
<223> HLA-B-GT-Fg2 primer 4.A.7
<210> 40
<223> HLA-B-GT-Rg2 primer 4.B.1
<210> 41
<223> HLA-C-GT-Fg2 primer 4.B.5
<210> 42
<223> HLA-A-02_GT_Rg4 primer 4.I.9
<210> 43
<223> HLA-A-Exon3_HA-RE-BglII_F1 primer 6.I.9
<210> 44
<223> HLA-C-04-GT-Rg1 primer 8.A.1
<210> 45
<223> CMV-pA-HLA-Ex3_Probe_F1 primer 8.B.2
<210> 46
<223> CMV-pro_GT_R1 primer 9.C.3
<210> 47
<223> sv40pA_GT_F1 primer 9.C.4
<210> 48
<223> AAVS1_GT_F1 primer 9.C.5
<210> 49
<223> AAVS1_GT_F3 primer 9.C.7
<210> 50
<223> AAVS1_GT_F4 primer 9.C.8
<210> 51
<223> AAVS1_GT_R2 primer 9.C.10
<210> 52
<223> AAVS1_GT_R3 primer 9.D.1
<210> 53
<223> AAVS1_GT_R4 primer 9.D.2
<210> 54
<223> HLA-A-intron4_GT_R1 primer 9.D.6
<210> 55
<223> sv40pA-GT primer 9.D.7
<210> 56
<223> sv40pA-AAVS1-probe-FAM-F1 primer 9.J.2
<210> 57
<223> TRAC_TCRA-ex1_R1 primer 10.A.9
<210> 58
<223> TRAC_TCRA-promoter_F1 primer 10.A.10
<210> 59
<223> TRAC_probe (HEX) primer 10.B.6
<210> 60
<223> Pan-HLA_GT_F1 primer 8.B.3
<210> 61
<223> SV40pA_GT_R1 primer 15.H.2
<210> 62
<223> 3xMyc_OE_R1 primer 10.C.4
<210> 63
<223> CtermCysLink_OE_R1 primer 10.D.1
<210> 64
<223> Ef1a_intron_GT_F2 primer 15.H.4
<210> 65
<223> HCMVpp65_GT_F2ddPCR primer/probe 21.I.1
<210> 66
<223> HCMVpp28_GT_F1 ddPCR primer/probe 21.I.2
<210> 67
<223> HCMVpp52_GT_F1 ddPCR primer/probe 21.I.3
<210> 68
<223> Myc-Tag_GT_R1 ddPCR primer/probe 20.H.10
<210> 69
<223> Linker-Myc_Probe_Fam ddPCR primer/probe 20.H.9
<210> 70
<223> TRAC-TCRA-ex1-F1 ddPCR primer/probe 10.A.9
<210> 71
<223> TRAC-TCRA-ex1-F1 ddPCR primer/probe
<210> 72
<223> TRAC-probe (HEX) ddPCR primer/probe
【0149】
略語リスト
aAPX 被分析物抗原提示複合体
aAM 被分析物抗原性分子
APC 抗原提示細胞
APX 抗原提示複合体
BFP 青色蛍光タンパク質
CAR-T CAR T細胞
CM 積荷分子
CRISPR クラスター化した規則配置性短パリンドローム配列反復
gRNA Cas9ガイドRNA
【0150】
CAR キメラ抗原レセプター
CDR 相補性決定領域
C領域 定常領域
CMV サイトメガロウイルス
DAMPS 危険関連分子パターン
DC 樹状細胞
DNA デオキシリボ核酸
D領域 多様性領域
eAPC 遺伝子操作された抗原提示細胞
eAPC-p 被分析物抗原提示複合体を提示する遺伝子操作された抗原提示細胞
【0151】
eAPC-pa 被分析物抗原提示複合体及び被分析物抗原性分子を提示する遺伝子操作された抗原提示細胞
eAPC-a 被分析物抗原性分子を発現する遺伝子操作された抗原提示細胞
eAPC:T 被分析物eAPCが被分析物TCRと組み合わされているeAPC:TCRシステム
FACS 蛍光活性化細胞選別
GEM T細胞 生殖系列によりコードされるミコリル反応性T細胞
GFP 緑色蛍光タンパク質
HLAI HLAクラスI
HLAII HLAクラスII
HDR 相同性指向組換え
HLA ヒト白血球抗原
IgSF イムノグロブリンスーパーファミリー
【0152】
IRES 内部リボソーム進入部位
iNK T細胞 インバリアントナチュラルキラーT細胞
J領域 連結領域
MACS 磁性活性化細胞選別
MAGE メラノーマ関連抗原
MAIT 粘膜関連インバリアントT
NCBP 非細胞ベース粒子
ORF オープンリーディングフレーム
PAMPS 病原体関連分子パターン
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
【0153】
RMCE リコンビナーゼ媒介カセット交換
RFP 赤色蛍光タンパク質
DNA リボ核酸
SH2 Src相同性2
T細胞 Tリンパ球
TC TCR又はTCR模擬親和性反応剤を提示する細胞
TCR T細胞レセプター
TRA TCRα
TRB TCRβ
TRD TCRδ
【0154】
TCRsp CD3と複合体化したTCR表面タンパク質
TALEN 転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ
TRG TRCγ
TAA 腫瘍関連抗原
V領域 可変領域
β2M β2-ミクログロブリン
ZAP-70 70kDaのζ-鎖関連タンパク質
【0155】
定義
相補TCR鎖の対:翻訳されたタンパク質がTCR提示細胞の表面でTCRspを形成できる2つのTCR鎖。
親和性:2又は3以上の分子又はタンパク質の間の相互作用の動的又は平衡パラメータ
親和性反応剤:被分析物に関して特異的親和性を有するように設計された任意の反応剤。HLA-抗原複合体に関する親和性について使用されることがおおい。
アレレ:所与の遺伝子のバリアント形態。
AM:被分析物抗原性分子。一般に、ゲノムDNA及び/又は特定の導入遺伝子配列から細胞により発現されるタンパク質であるが、代謝産物でもあり得る。AMは、細胞で発現され、フラグメントが次いで積荷としてAPXにより又はそれ自体で細胞表面で提示され得る。積荷としてであってもなくても、AMは、次いで、T細胞レセプター保有細胞又は関連する親和性反応剤の標的になり得る。
アンプリコン:PCRを含む様々な方法を用いる人工的増幅の源及び/又は生成物であるDNA又はRNA片。
【0156】
被分析物:組合せシステムにおいて同定及び/又は測定及び/又は照会される興味対象の物質。
被分析物TC:表面に被分析物TCRを提示する被分析物細胞であり、初代T細胞、組換えT細胞又は遺伝子操作TCR提示細胞であり得る。
被分析物TCR:可溶性反応剤、不動化反応剤の形態で提供されるか、NCBPにより提示されるか又は細胞表面に提示されるTCRsp又はTCR模擬親和性反応剤。
抗原:TCRが結合し得、T細胞内で伝達されるシグナルをもたらし、抗原提示複合体により提示されることがおおい任意の分子。
被分析物抗原:集合的に、分析的決定のために抗原を提示する任意の物質を表すeAPC:Tシステム。
抗体:B細胞と呼ばれる免疫系の専門細胞により発現され、2つの鎖を含む親和性分子。B細胞は、一般には自己タンパク質に結合しないが、宿主を脅かす病原体又は毒素に結合して中和することができる、非常に多くの非常に多様なレパートリーの抗体を発現する。天然の又は人工的に遺伝子操作された抗体は親和性反応剤として用いられることがおおい。
APC:抗原提示細胞。細胞表面にAM、APX、APXを保有する細胞。
APX:抗原提示複合体。有核細胞により、ゲノムDNA及び/又は特定の導入遺伝子配列をコードする遺伝子/ORFから細胞表面で発現及び提示されるタンパク質。APXは、ペプチド又はその他の代謝物分子である積荷を提示する。
C領域:定常領域。T細胞レセプターの組立てに用いられる遺伝子セグメントの1つ。c領域は、TCRの多様性を駆動するのではなく、免疫系における全般的機能を規定する別個のセグメントである。
【0157】
積荷積載装置:細胞に見出されるタンパク質又は他の提示される分子から、積荷分子を生成してAPXに積載する細胞性タンパク質セット。
CDR:相補性決定領域。標的結合機能のほとんどを行う、TCR及び抗体の、抗原に面する端部の短い配列。各抗体及びTCRは、6つのCDRを含み、これらは、一般に、多数の多様な標的分子の検出を可能にする、当該分子の最も可変な部分である。
CM:積荷子。抗原提示複合体、例えばHLA I又はHLA IIにより提示されるペプチド又は代謝物。CMは、ゲノムDNAから固有に細胞により発現されるか、培養培地に導入されるか又は特異的に導入された遺伝子配列から発現されることができる。
コピー数:細胞のゲノム内でコードされる規定された配列の存在総数。
細胞遺伝学的:染色体の構造及び機能に関する遺伝学、すなわち細胞の核型の決定。
細胞傷害性/細胞毒性:標的細胞を直接的で特異的に損傷する因子をT細胞が放出するプロセス。
D領域:多様性領域。T細胞レセプターの組立てに用いられる遺伝子セグメントの1つ。各個が、これら領域の多くの異なるバリエーションを有し、そのことにより、各個体は非常に多種類の異なるTCRを有するT細胞で武装することが可能である。
DNA:デオキシリボ核酸。遺伝子及びタンパク質をコードする遺伝物質を形成する分子の化学名称。
eAPC:TCRシステム:一次及び終端出力が得られるように被分析物eAPCが被分析物TCRと組み合わされているeTPC:Tシステム。
内因性:細胞内に起源を発する物質。
【0158】
遺伝子操作された細胞:遺伝子改変によりゲノムが遺伝子操作されている、改変された細胞。
真核生物条件付き調節エレメント:規定された条件下で誘導又は抑制され得る、プロモーターの活性に影響し得るDNA配列
真核生物プロモーター:RNAポリメラーゼ結合部位及び応答エレメントをコードするDNA配列。プロモーター領域の配列は、RNAポリメラーゼ及び転写因子の結合を制御し、したがって、プロモーターは、興味対象の遺伝子がどこでいつ発現されるかを決定する大きな役割を演じる。
真核生物ターミネーター/シグナルターミネーター:RNAポリメラーゼIIと結合して転写終結プロセスの誘引するタンパク質因子により認識されるDNA配列。これは、ポリAシグナルもコードする。
FACS/フローサイトメトリー:蛍光活性化細胞選別。個々の細胞を特異的細胞表面及び細胞内マーカーの発現について分析できる分析技術。この技術の変法である細胞選別は、規定されたマーカーセットを有する細胞を、更なる分析のために回収することを可能にする。
APXのファミリー:抗原提示複合体を構成する機能的に関連するタンパク質をコードする幾つかの類似する遺伝子のセット。
蛍光(タンパク質)マーカー:特異的な消光及び発光の特徴を有し、顕微鏡観察、FACS及び関連技術により検出できる分子。
遺伝子ドナーベクター:遺伝物質をゲノム受容部位に送達するための遺伝子ベースのベクター。
【0159】
ゲノム受容部位:遺伝子ドナーベクター内にコードされるドナー遺伝物質の標的付けられた組込みのためのゲノム内の部位。
異種特異的リコンビナーゼ部位:2つのDNA分子のクロスオーバーを促進するための、リコンビナーゼ酵素により認識されるDNA配列。
HLA I:ヒト白血球抗原クラスI。ヒトにおいて全ての有核細胞で発現される遺伝子。発現したHLA Iは、細胞表面に輸送されて、そこで、内部タンパク質の短いフラグメント、ペプチドを積荷としてT細胞レセプターに提示する。このように、これは、進行中の感染の可能性のある固有タンパク質のフラグメントを提示する。HLA Iは、加えて、培養培地に加えられるか、導入遺伝子エレメントから発現されたタンパク質から生成されるか又は細胞により取り込まれたタンパク質から生成されるペプチドを積荷として提示できる。HLAクラスI遺伝子は多型であり、これは、異なる個体が、提示におけるバリエーションを導く同一遺伝子におけるバリエーションを有する可能性があることを意味する。HLAクラスIIと関連する。
HLA II:ヒト白血球抗原クラスII。ヒトにおいて適応免疫応答を調和し援助する特定細胞(例えば樹状細胞)で発現される遺伝子。HLAクラスIと関連する。HLAクラスIIタンパク質は、細胞表面に輸送され、そこで、外部タンパク質の短いフラグメント、ペプチドを積荷としてT細胞レセプターに提示する。このように、これは、進行中の感染の可能性のある固有タンパク質のフラグメントを提示する。加えて、HLA IIは、培養培地に加えられるか、導入遺伝子エレメントから発現されたタンパク質から生成されるか又は細胞により取り込まれたタンパク質から生成ペプチドを積荷として提示できる。HLAクラスII遺伝子は、多型であり、これは、異なる個体が、提示におけるバリエーションを導く同一遺伝子におけるバリエーションを有する可能性があることを意味する。
【0160】
相同アーム:相補相同アームとほぼ同一の配列同一性を有し、よって細胞プロセスである相同性指向修復による2つのDNA分子の交換を促進するDNA伸長部。
免疫監視:免疫系が感染、悪性病変又はその他の病原性である可能性のある変化を検出し、それにより活性化されるプロセス。
インスレーター:遺伝子が近傍の遺伝子の活性化又は抑制により影響されることを妨ぐDNA配列。インスレーターは、サイレント化された遺伝子から活発に転写される遺伝子へのヘテロクロマチンの広がりも妨ぐ。
組込み:細胞の染色体へのDNA配列の物理的ライゲーション。
組込みカップル:対をなす組込みベクター及びゲノム受容部位
内部リボソーム進入部位(IRES):転写されると、キャップ非依存様式で翻訳の開始を可能にするRNAエレメントをコードするDNA配列。
J領域:連結領域。T細胞レセプターの組立てに用いられる遺伝子セグメントの1つ。各個体は、これらの領域の多数の異なるバリエーションを有して、各個体が非常に多種類の異なるTCRを有するT細胞で武装できるようにする。
核型:細胞の染色体組成。
コザック配列:翻訳の効率的な開始に必要な短い配列
【0161】
主要HLAクラスI:遺伝子HLA-A、HLA-B及びHLA-Cで構成されるAPXのファミリー。
マッチした(する):2つの成分が、相補成分間の相互作用を導き及び制限する遺伝子エレメントをコードするとき。
メガヌクレアーゼ認識部位:メガヌクレアーゼと一般に呼ばれるエンドデオキシリボヌクレアーゼにより認識されるDNA配列
代謝物:細胞の代謝経路により生成又は改変された分子
可動遺伝子エレメント:トランスポサーゼ酵素の活性を有するDNAの組込みを許容するDNA配列。
モノクローン細胞株:細胞複製の反復により単一始祖細胞から生成される規定された細胞群。
天然型:細胞に天然に生じる物質。
非コーディング遺伝子:機能的非コーディングRNA分子に転写されるタンパク質非コーディングDNA配列。
ORF:オープンリーディングフレーム。リボソームによるタンパク質(ポリペプチド)の合成のための翻訳フレームをコードする遺伝物質伸長部。
パラクリン:近傍細胞に直接作用する可溶性因子によるシグナル伝達。
【0162】
PCR:特定の標的DNA分子が指数関数的に増幅されるポリメラーゼ連鎖反応
ペプチド:6〜30アミノ酸長のアミノ酸の短い一続き。
表現型分析:細胞の観察可能な特徴の分析。
多型:同一遺伝子の異なるアレレの存在により、同一種の個体における異なる形態の存在。
ポリペプチド:三次元構造を形成する、一続きのペプチドからなるタンパク質。
一次出力:終端出力を誘導及び/又は決定することができるeAPC細胞、被分析物TC細胞、NCBP又は他の被分析物TCR形態。
プライマー:例えばPCRの間に、標的DNA配列の特異的認識を可能にする短いDNA配列。
プロモーター:遺伝子発現の制御された開始のための調節DNAエレメント。
選択マーカー:人工的選択法に適切な形質を与えるDNA配列。
ショットガン組込み:ベクターのライブラリーが細胞集団に導入されるプロセスであって、このプロセスにより、任意の所与のベクターインサートの単一コピーのみが各単一細胞のゲノムに組み込まれ得る。組込みカップルを介する所与の細胞集団へのプールされたベクターの組込みを言うときに用いる。
【0163】
スプライスアクセプター部位:表面にTCRspを有する細胞又はTCRspベースの反応剤との相互作用のための、イントロンAM、APX CM又は親和性反応剤の3'末端のDNA配列。
スプライスドナー部位:イントロンの5'末端のDNA配列。
合成:人工的に生成又は細胞に導入された物質。
T細胞:Tリンパ球。その表面でT細胞レセプターを発現する白血球。自己と反応しないが、感染及び悪性疾患を認識し、同じ種のほとんどのメンバーからの移植片を拒絶する能力を有するように免疫系により選択される。
TCR:T細胞レセプター。Tリンパ球と呼ばれるリンパ球の亜群により発現される親和性分子。
TCR模擬親和性反応剤:天然のTCRspに模擬する様式で被分析物抗原と相互作用し結合することができるタンパク質又は分子。
TCRsp:CD3と複合体化して表面タンパク質として発現される相補性TCR鎖対、又は可溶性反応剤、不動化反応剤の形態のタンパク質若しくはNCBPにより提示されるタンパク質として発現される相補性TCR鎖対。
終端出力:AM、APX、APX:CM、APX:AM、TCRsp又はTCR模擬親和性反応剤の形態の被分析物抗原及びTCR配列。
【0164】
TRA:TCRαをコードする遺伝子座。VDJ組換えTCR鎖を形成できる遺伝子をコードする4つの異なる遺伝子座のうちの1つ。翻訳されたTCRα鎖タンパク質は、代表的には、翻訳されたTCRβ鎖タンパク質と対合して、α/βTCRspを形成する。
TRB:TCRβをコードする遺伝子座。VDJ組換えTCR鎖を形成できる遺伝子をコードする4つの異なる遺伝子座のうちの1つ。翻訳されたTCRβ鎖タンパク質は、代表的には、TCRα鎖タンパク質と対合して、α/βTCRspを形成する。
TRD:TCRδをコードする遺伝子座。VDJ組換えTCR鎖を形成できる遺伝子をコードする4つの異なる遺伝子座のうちの1つ。翻訳されたTCRδ鎖タンパク質は、代表的には、翻訳されたTCRγ鎖タンパク質と対合して、γ/δTCRspを形成する。
TRG:TCRγをコードする遺伝子座。VDJ組換えTCR鎖を形成できる遺伝子をコードする4つの異なる遺伝子座のうちの1つ。翻訳されたTCRγ鎖タンパク質は、代表的には、転写されたTCRδ鎖タンパク質と対合して、γ/δTCRspを形成する。
V領域:可変領域。T細胞レセプターの組立てに用いられる遺伝子セグメントの1つ。各個が、これら領域の多くの異なるバリエーションを有し、そのことにより、各個体は非常に多種類の異なるTCRを有するT細胞で武装することが可能である。
【0165】
本発明は下記の項目において更に説明される:
項目
1.第1の成分が遺伝子操作された抗原提示細胞(eAPC)(成分Aと呼ぶ)であり、第2の成分が被分析物抗原提示複合体(aAPX)及び/又は被分析物抗原性分子(aAM)をコードする1又は2以上のORFの送達用遺伝子ドナーベクター(成分Cと呼ぶ)である多成分システム。
2.成分Aが
a.aAPX及び/又はaAMの少なくとも1つのファミリーの内因性表面発現を欠き、
b.少なくともaAPX及び/又はaAMをコードする少なくとも1つのORFの組込みのための少なくとも1つのゲノム組込み部位(成分Bと呼ぶ)を含有する
項目1に記載の多成分システム。
3.成分Cが成分Bにマッチし、成分Cが
a.少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする単一ORF、及び/又は
b.少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする2又は3以上のORF
を送達するように設計されており、前記ORFがBゲノム受容部位に安定的に組み込まれることができ、aAPX及び/又はaAMが発現されるように、a及び/又はbは組込みの選択マーカーをコードしてもしていなくてもよい、項目1又は2に記載の多成分システム。
4.eAPC(成分Aと呼ぶ)とaAPX及び/又はaAMをコードする1又は2以上のORFの送達用遺伝子ドナーベクター(成分Cと呼ぶ)とを含んでなり、成分Aが
a.aAPX及び/又はaAMの少なくとも1つのファミリーの内因性表面発現を欠き、
b.少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする少なくとも1つのORFの組込みのための少なくとも1つのゲノム組込み部位(成分Bと呼ぶ)を含有し、
成分Cが成分Bにマッチし、成分Cが
c.少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする単一ORF、又は
d.少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする2又は3以上のORF
を送達するように設計されており、前記ORFがBゲノム受容部位に安定的に組み込まれることができ、aAPX及び/又はaAMが発現されるように、c及び/又はdは組込みの選択マーカーをコードしてもしていなくてもよい、項目1〜3のいずれか1項に記載の多成分システム。
【0166】
5.成分Aが、少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする1又は2以上のORFの組込みのためのゲノム組込み部位である更なる成分(成分Dと呼ぶ)を含んでなる、項目1〜4のいずれか1項に記載の多成分システム。
6.更なる成分(Eと呼ぶ)がDにマッチする遺伝子ベクターであり、成分Eが
a.少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする単一ORF、又は
b.少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする2又は3以上のORF
を送達するように設計されており、前記ORFがDゲノム受容部位に安定的に組み込まれることができ、aAPX及び/又はaAMが発現されるように、a及び/又はbは組込みの選択マーカーをコードしてもしていなくてもよい、項目5に記載の多成分システム。
7.1又は2以上の追加のゲノム受容部位及びマッチング遺伝子ドナーベクターが該システムの追加の成分として追加されている項目1〜6のいずれか1項に記載の多成分システム。
8.ゲノム受容部位B及び/又はDを含み、ゲノム受容部位B及び/又はDが
a.リコンビナーゼ媒介カセット交換(RMCE)用に設計された合成構築物
b.部位特異的相同組換え用に設計された合成構築物
c.部位特異的相同組換え用の天然型ゲノム部位
から選択される、項目1〜7のいずれか1項に記載の多成分システム。
9.成分AがT細胞共刺激レセプターを発現する、項目1〜8のいずれか1項に記載の多成分システム。
【0167】
10.成分AがT細胞共刺激レセプターCD80及び/又はCD83及び/又はCD86を発現する、項目9に記載の多成分システム。
11.aAPXが細胞表面で発現されるように、少なくとも1又は2以上のaAPXをコードする1又は2以上のORFをコードする遺伝物質と共に提供されるとき、成分Aが積荷分子(CM)を積載することができる(aAPX:CMと呼ぶ)、項目1〜10のいずれか1項に記載の多成分システム。
12.aAPXが、天然型のプロセシング及び積荷積載機構によりCMを積載することができる、項目11に記載の多成分システム。
13.aAPXがaAMをCMとして積載することができる(aAPX:aAMと呼ぶ)、項目11又は12に記載の多成分システム。
14.aAPXが下記
a.HLAクラスIの1又は2以上のメンバー
b.HLAクラスIIの1又は2以上のメンバー
c.1又は2以上の非HLA抗原提示複合体
d.又は、組合せa、b及び/又はc
のいずれかであってもよい、項目1〜13のいずれか1項に記載の多成分システム。
【0168】
15.aAMが
a.被分析物抗原として提供されるポリペプチド又はポリペプチドの複合体
b.被分析物抗原として提供されるポリペプチドに由来するペプチド
c.被分析物抗原として提供されるペプチド
d.被分析物抗原として提供される代謝物
e.被分析物抗原性分子ORFから翻訳されるポリペプチド又はポリペプチドの複合体
f.被分析物抗原性分子ORFから翻訳されるポリペプチドに由来するペプチド
g.成分Aプロテオームの変更に由来するペプチド
h.成分Aプロテオームの変更に由来するポリペプチド
i.成分Aメタボロームの変更に由来する代謝物
及び/又はそれらの組合せから選択される、項目1〜14のいずれか1項に記載の多成分システム。
16.成分B及び/又はDを含み、成分B及び/又はDが以下の遺伝子エレメント
a.異種特異的リコンビナーゼ部位
b.相同性アーム
c.真核生物プロモーター
d.真核生物条件付き調節エレメント
e.真核生物ターミネーター
f.選択マーカー
g.スプライスアクセプター部位
h.スプライスドナー部位
i.非タンパク質コーディング遺伝子
j.インスレーター
k.可動遺伝子エレメント
l.メガヌクレアーゼ認識部位
m.内部リボソーム進入部位(IRES)
n.ウイルス性自己切断ペプチドエレメント
o.コザックコンセンサス配列
の少なくとも1つを含んでなる、項目1〜15のいずれか1項に記載の多成分システム。
【0169】
17.成分C及び/又はEを含み、成分C及び/又はEが以下の遺伝子エレメント
a.異種特異的リコンビナーゼ部位
b.相同性アーム
c.真核生物プロモーター
d.真核生物条件付き調節エレメント
e.真核生物ターミネーター
f.選択マーカー
g.組込みの選択マーカー
h.スプライスアクセプター部位
i.スプライスドナー部位
j.非タンパク質コーディング遺伝子
k.インスレーター
l.可動遺伝子エレメント
m.メガヌクレアーゼ認識部位
n.内部リボソーム進入部位(IRES)
o.ウイルス性自己切断ペプチドエレメント
p.抗生物質耐性カセット
q.細菌性複製起点
r.酵母複製起点
s.クローニング部位
t.コザックコンセンサス配列
の少なくとも1つを含んでなる、項目1〜16のいずれか1項に記載の多成分システム。
18.成分B及び/又はDを含み、成分B及び/又はDが単一ORFのRMCE組込み用であり、下記:
a.真核生物プロモーター
b.一対の異種特異的リコンビナーゼ部位
c.コザックコンセンサス配列
d.選択マーカー
e.真核生物ターミネーター
を含んでなる、項目1〜17のいずれか1項に記載の多成分システム。
【0170】
19.成分B及び/又はDを含み、成分B及び/又はDが、2又は3以上のORFのRMCE組込み用であり、以下の遺伝子エレメント:
a.真核生物プロモーター
b.一対の異種特異的リコンビナーゼ部位
c.2又は3以上のコザックコンセンサス配列
d.選択マーカー
e.真核生物ターミネーター
f.第2の真核生物プロモーター
g.第2の選択マーカー
h.第2の真核生物ターミネーター
を含んでなる、項目1〜18のいずれか1項に記載の多成分システム。
20.成分C及び/又はEが存在し、単一ORFのRMCE組込み用であり、以下の遺伝子エレメント:
a.一対の異種特異的リコンビナーゼ部位
b.コザックコンセンサス配列
c.抗生物質耐性カセット
d.細菌性複製起点
e.1又は2以上のaAPX及び/又はaAM及び/又は組込みの選択マーカーをコードする単一ORFの導入のためのクローニング部位
項目1〜19のいずれか1項に記載の多成分システム。
【0171】
21.成分C及び/又はEが存在し、2又は3以上のORFのRMCE組込み用であり、下記:
a.一対の異種特異的リコンビナーゼ部位
b.2又は3以上のコザックコンセンサス配列
c.抗生物質耐性カセット
d.細菌性又は酵母複製起点
e.1又は2以上のaAPX及び/又はaAM及び/又は組込みの選択マーカーをコードする2又は3以上のORFを真核生物のターミネーターと共に導入するためのクローニング部位
を含んでなる、項目1〜20のいずれか1項に記載の多成分システム。
22.成分C及び/又はEが少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする少なくとも1つのORFと組み合わされて成分C'及び/又はE'が得られる、項目1〜21のいずれか1項に記載の多成分システム。
23.組合せは、成分C'及び/又はE'のライブラリーが得られるよう複数回行われる、項目22に記載の多成分システム。
24.1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、eAPC-pがaAPXを細胞表面で発現するように、成分C'及び/又はE'にコードされる1又は2以上のaAPX ORFを成分B及び/又はDに組み込んで細胞(eAPC-pと呼ぶ)を得るために、成分Aと組み合わされており、ここで、成分B及び/又はDは成分B'及び/又はD'となる、項目22又は23に記載の多成分システム。
25.1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、eAPC-aがaAMを細胞表面又は細胞内に発現するように、成分C'及び/又はE'にコードされる1又は2以上のaAM ORFを成分B及び/又はDに組み込んで細胞(eAPC-a)を得るために、成分Aと組み合わされており、ここで、成分B及び/又はDは成分B'及び/又はD'となる、項目22又は23に記載の多成分システム。
【0172】
26.1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、eAPC-paがaAPX及びaAM及び/又はaAPX:aAMを発現するように、成分C'及び/又はE'にコードされる1又は2以上のaAPX ORF及び/又は1又は2以上のaAMを成分B及び/又はDに組み込んで細胞(eAPC-pa)を得るために、成分Aと組み合わされており、ここで、成分B及び/又はDは成分B'及び/又はD'となる、項目22又は23に記載の多成分システム。
27.1若しくは2以上の成分C'又はE'が、eAPC-paがaAPX及びaAM及び/又はaAPX:aAMを発現するように、成分C'又はE'にコードされる1又は2以上のaAM ORFを成分B又はDに組み込んで細胞(eAPC-pa)を得るために、eAPC-pと組み合わされており、ここで、成分B又はDは成分B'又はD'となる、項目24に記載の多成分システム。
28.1若しくは2以上の成分C'又はE'が、eAPC-paがaAPX及びaAM及び/又はaAPX:aAMを発現するように、成分C'又はE'にコードされる1又は2以上のaAPX ORFを成分B又はDに組み込んで細胞(eAPC-pa)を得るために、eAPC-aと組み合わされており、ここで、成分B又はDは成分B'又はD'となる、項目25に記載の多成分システム。
29.a.成分Aを少なくとも1つの成分C'及び/又はE'と組み合わせること、ここで、1又は2以上の成分C'及び/又はE'は1又は2以上のaAPXをコードし、及び、組込み因子と組み合わせること、並びに下記:
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAPXの表面発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
の少なくとも1つを含んでなる、項目24に規定するeAPC-pの製造方法。
【0173】
30.b、c及びdを含む項目29に記載の方法。
31.1又は2以上の成分C'及び/又はE'が項目29の工程aにおける単一aAPXをコードする、項目29又は30に記載の方法。
32.
離散的及び規定されたeAPC-pのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の項目29の工程aが、独特なeAPC-pが得られるように、独特なaAPXを用いて行われる、項目31に記載の方法。
33.1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、ライブラリーを得るために、項目29の工程aにおける2又は3以上の独特なaAPXの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-pが項目29の工程aに用いるプールから単一aAPXを発現するeAPC-pの混合集団を含んでなる、項目29又は30に記載の方法。
34.a.成分Aを少なくとも1つの成分C'及び/又はE'と組み合わせること、ここで、1又は2以上の成分C'及び/又はE'は1又は2以上のaAMをコードし、及び組込み因子と組み合わせること、並びに下記:
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAMの発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
の少なくとも1つを含んでなる、項目25に規定するeAPC-aの製造方法。
35.b及びdを含む項目34に記載の方法。
【0174】
36.1又は2以上の成分C'及び/又はE'が項目34の工程aにおける単一aAMをコードする、項目34又は35に記載の方法。
37.離散的及び規定されたeAPC-aのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の項目34の工程aが、独特なeAPC-aが得られるように、独特なaAMを用いて行われる、項目36に記載の方法。
38.1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、ライブラリーを得るために、項目34の工程aにおける2又は3以上の独特なaAMの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-aが項目34の工程aに用いるプールから単一aAMを発現する、eAPC-aの混合集団を含んでなる、項目34又は35に記載の方法。
39.a.eAPC-aと少なくとも1つの成分C'又はE'と組み合わせること、ここで、1若しくは2以上の成分C'又はE'1又は2以上のaAPX ORFをコードし、及び組込み因子と組み合わせること、並びに下記:
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAPXの表面発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
の少なくとも1つを含んでなる、項目28に規定するeAPC-paの製造方法。
40.b、c及びdを含む項目39に記載の方法。
41.1若しくは2以上の成分C'又はE'が項目39の工程aにおける単一aAPXをコードする、項目39又は40に記載の方法。
42.離散的及び規定されたeAPC-paのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の項目39の工程aが、独特なeAPC-paが得られるように、独特なaAPXを用いて行われる、項目41に記載の方法。
43.1若しくは2以上の成分C'又はE'が、ライブラリーを得るために、項目39の工程aにおける2又は3以上の独特なaAPXの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-paが項目39の工程aに用いるプールから単一aAPXを発現するeAPC-paの混合集団を含んでなる、項目39又は40に記載の方法。
【0175】
44.
a.eAPC-pを少なくとも1つの成分C'又はE'と組み合わせること、ここで、1若しくは2以上の成分C'又はE'は1又は2以上のaAM ORFをコードし、及び組込み因子と組み合わせること、並びに下記:
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAMの発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
の少なくとも1つを含んでなる、項目27に規定するeAPC-paの製造方法。
45.b及びdを含む項目44に記載の方法。
46.1若しくは2以上の成分C'又はE'が項目44の工程aにおける単一aAMをコードする、項目44又は45に記載の方法。
47.離散的及び規定されたeAPC-paのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の項目44の工程aが、独特なeAPC-paが得られるように、独特なaAMを用いて行われる、項目46に記載の方法。
48.1若しくは2以上の成分C'又はE'が、ライブラリーを得るために、項目44の工程aおける2又は3以上の独特なaAMの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-paが項目44の工程aに用いるプールから単一aAMを発現するeAPC-paの混合集団を含んでなる、項目44又は45に記載の方法。
49.a.EAPCを少なくとも1つの成分C'又はE'と組み合わせること、ここで、1又は2以上の成分C'及び/又はE'は1又は2以上のaAM ORF及び1又は2以上のaAPX ORFをコードし、及び組込み因子と組み合わせること、並びに下記:
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAMの発現及び/又は1又は2以上のaAPXの表面発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
の少なくとも1つを含んでなる、項目26に規定するeAPC-paの製造方法。
【0176】
50.b、c及びdを含む項目49に記載の方法。
51.1又は2以上の成分C'及び/又はE'が項目49の工程aにおける単一aAM及び単一aAPXをコードする、項目49又は50に記載の方法。
52.離散的及び規定されたeAPC-paのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の項目49の工程aが、独特なeAPC-paが得られるように、少なくとも1つの独特なaAM及び/又は独特なaAPXを用いて行われる、項目51に記載の方法。
53.1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、ライブラリーを得るために、項目49の工程aにおける2又は3以上の独特なaAM及び/又は2又は3以上の独特なaAPXの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-paが項目49の工程aに用いるプールから単一aAM及び単一aAPXを発現するeAPC-paの混合集団を含んでなる、項目49又は50に記載の方法。
54.下記の特徴決定:
a.発現した被分析物抗原の被分析物親和性反応剤に対する特異性、及び/又は
b.発現した被分析物抗原の被分析物親和性反応剤に対する親和性
c.1又は2以上の被分析物TCRを発現する被分析物細胞(被分析物TC)の発現した被分析物抗原に対するシグナル応答(ここで、被分析物抗原はaAPX:aAM及び/又はaAM及び/又はaAPX及び/又はaAPX:CMから選択され、被分析物eAPCはeAPC-p及び/又はeAPC-a及び/又はeAPC-paから選択される)に用いるための、項目1〜28のいずれか1項に記載の多成分システムから得られる被分析物eAPC。
【0177】
55.入力の被分析物eAPC又は被分析物eAPCのライブラリーから1又は2以上の被分析物eAPCを選択して、1又は2以上の被分析物TCRに結合する1又は2以上の被分析物eAPCを得る方法であって、下記
a.1又は2以上の被分析物eAPCを1又は2以上の被分析物TCRと組み合わせて、被分析物eAPCにより提示される被分析物抗原と被分析物TCRとの間の接触を生じさせること
b.形成される場合、1又は2以上の被分析物抗原と1又は2以上の被分析物TCRとの間での複合体の形成を測定すること、、及び/又は
c.誘導される場合、被分析物抗原と1又は2以上の被分析物TCRとの間での複合体形成により誘導される1又は2以上の被分析物eAPCのシグナル応答を測定すること、及び/又は
d.誘導される場合、被分析物抗原と1又は2以上の被分析物TCにより発現される1又は2以上の被分析物TCRとの間での複合体形成により誘導される1又は2以上の被分析物TCのシグナル応答を測定すること、及び
e.工程bである1又は2以上の被分析物eAPCを測定すること、ここで、選択はポジティブ及び/又はネガティブ測定によるなされる
を含んでなり、被分析物抗原がaAPX:aAM及び/又はaAM及び/又はaAPX及び/又はaAPX:CMから選択され、被分析物eAPCがeAPC-p及び/又はeAPC-a及び/又はeAPC-paから選択され、被分析物TCRは、以下:可溶性反応剤、非細胞ベースの粒子(NCBP)、細胞表面(TC)により提示される不動化反応剤の少なくとも1つの形態であるTCR鎖対又はTCR-模擬親和性反応剤であり、細胞は、初代T細胞及び/又は組換えT細胞及び/又は遺伝子操作された細胞から選択することができる、方法。
【0178】
56.選択工程が単一細胞選別及び/又はプールへの細胞選別により行われる、項目55に記載の方法。
57.選別が、選別された単一細胞の拡大に先行する、項目56に記載の方法。
58.選別が、選別された細胞プールの拡大に先行する、項目56に記載の方法。
59.選別された及び/又は拡大された細胞の成分B'及び/又は成分D'を配列決定する工程を更に含んでなる項目56〜58のいずれか1項に記載の方法。
60.配列決定工程が下記:
a.ゲノムDNAを抽出すること、及び/又は
b.成分B'及び/又は成分D'のRNA転写物を抽出すること、及び/又は
c.成分B'及び/又は成分D'のDNA及び/又はRNA転写物をPCR及び/又はRT-PCRにより増幅すること
に後続する、項目59に記載の方法。
61.配列決定工程が細胞に対して破壊的であり、得られる配列決定情報が項目55の工程eにおいて選択される被分析物eAPCを製造するために用いられる、項目59又は60に記載の方法。
62.選択された被分析物eAPCが親和性分析に付されて、被分析物抗原の被分析物TCRに対する親和性が決定され、下記:
a.選択された被分析物eAPCを、或る範囲の濃度の被分析物TCRで標識すること、
b.工程aの標識された被分析物eAPCについてFACS分析を行うこと、
c.被分析物親和性反応剤の濃度範囲にわたって被分析物eAPCの蛍光標識の強度を決定すること、
d.被分析物抗原の被分析物TCRに対する親和性を算出すること、
を更に含んでなる、項目55、56、57、58、61のいずれか1項に記載の方法。
【0179】
63.工程b〜cが標識された参照物を用いて行われ、工程dが被分析物親和性反応剤の蛍光強度 対 参照物の蛍光強度の比を用いて親和性を算出することである、項目62に記載の方法。
64.標識された参照物が、
a.被分析物抗原に対する親和性反応剤で標識された被分析物eAPC
b.標識された参照物被分析物抗原を提示する細胞又は粒子
から選択される、項目63に記載の方法。
65.選択された被分析物eAPCがシグナル応答の特徴決定に付され、下記:
a.天然型シグナル伝達応答を決定すること、及び/又は
b.合成シグナル伝達応答を決定すること
を更に含んでなる項目55、56、57、58、61のいずれか1項に記載の方法。
66.誘導されたシグナル応答が、非誘導シグナル応答状態と比較した下記:
a.分泌された生体分子
b.分泌された化学物質
c.細胞内生体分子
d.細胞内化学物質
e.表面発現された生体分子
f.被分析物eAPCに対する被分析物TCの細胞毒性作用
g.被分析物eAPCに対する被分析物TCのパラクリン作用(ここで、シグナル応答は被分析物eAPCにおいて誘導され、a〜eのいずれかの増減の検出により決定される)
h.被分析物TCの増幅
i.被分析物TCと被分析物eAPCとの間での免疫学的シナプス形成
の1又は2以上の増減を検出することにより決定される、項目65に記載の方法。
【0180】
67.入力の被分析物TCR又は被分析物TCRのライブラリー(ここで、被分析物TCRは1又は2以上の被分析物eAPCに結合する)から1又は2以上の被分析物TCRを選択して、被分析物TCRにコードされる一対又は二対以上のTCR鎖の配列を取得し、及び/又は被分析物TCRを取得する方法であって、
a.1又は2以上の被分析物eAPCを1又は2以上の被分析物TCRと組み合わせて、被分析物eAPCにより提示される被分析物抗原と1又は2以上の被分析物TCRとの間での接触を生じさせること、
b.形成する場合、被分析物抗原と1又は2以上の被分析物TCRとの間での複合体の形成を測定すること、及び/又は
c.誘導される場合、被分析物抗原と1又は2以上の被分析物TCにより発現される1又は2以上のTCRとの間での複合体形成により誘導される1又は2以上の被分析物TCのシグナル応答を測定すること、及び/又は
d.誘導される場合、被分析物抗原と1又は2以上の被分析物TCRとの間での複合体形成により誘導される1又は2以上の被分析物eAPCのシグナル応答を測定すること、及び
e.工程b、c及び/又はdから1又は2以上の被分析物TCRを選択すること、ここで、選択はポジティブ及び/又はネガティブ測定によるなされる
を含み、被分析物抗原は、aAPX:aAM及び/又はaAM及び/又はaAPX及び/又はaAPX:CMから選択され、被分析物eAPCは、eAPC-p及び/又はeAPC-a及び/又はeAPC-paから選択され、被分析物TCRは、可溶性反応剤又は非細胞ベースの粒子(NCBP)により又は細胞表面(TC)に提示される不動化反応剤の少なくとも1つの形態であるTCR鎖対又はTCR-模擬親和性反応剤であり、細胞は初代T細胞及び/又は組換えT細胞及び/又は遺伝子操作された細胞から選択することができる、方法。
【0181】
68.選択工程が単一細胞選別及び/又はプールへの細胞選別により行われる項目67に記載の方法。
69.選別が選別された単一細胞の拡大に先行する、項目68に記載の方法。
70.選別が選別された細胞プールの拡大に先行する、項目68に記載の方法。
71.選別された及び/又は拡大された細胞の被分析物TCR鎖を配列決定する工程を更に含んでなる項目67〜70のいずれか1項に記載の方法。
72.配列決定工程が下記
a.ゲノムDNAを抽出すること、及び/又は
b.被分析物TCR鎖RNA転写物を抽出すること、及び/又は
c.被分析物TCR鎖のDNA及び/又はRNA転写物をPCR及び/又はRT-PCRにより増幅すること
に後続する、項目71に記載の方法。
73.選択された被分析物TCがシグナル応答の特徴決定付され、下記:
a.天然型シグナル伝達応答を決定すること、及び/又は
b.合成シグナル伝達応答を決定すること
を更に含んでなる項目67、68、69、70のいずれか1項に記載の方法。
【0182】
74.誘導されたシグナル応答が、非誘導シグナル応答状態と比較した下記:
a.分泌された生体分子
b.分泌された化学物質
c.細胞内生体分子
d.細胞内化学物質
e.表面発現された生体分子
f.被分析物eAPCに対する被分析物TCの細胞毒性作用
g.被分析物eAPCに対する被分析物TCのパラクリン作用(ここで、シグナル応答は被分析物eAPCにおいて誘導され、a〜eのいずれかの増減の検出により決定される)
h.被分析物TCの増幅
i.被分析物TCと被分析物eAPCとの間での免疫学的シナプス
の1又は2以上の増減を検出することにより決定される、項目73に記載の方法。
75.aAM積荷又はCM積荷を選択及び同定する方法であって、積荷が、被分析物eAPCのaAPXに積載されている代謝物及び/又はペプチドであり、下記:
a.aAPX:aAM若しくはaAPX:CM又は積荷aM若しくは積荷CMを単離すること、及び
b.積載された積荷を同定すること
を含んでなる方法。
【0183】
76.工程bが、単離されたaAPX:aAM又はaAPX:CMを1又は2以上の下記:
a.質量分析
b.ペプチド配列決定分析
に付することを含んでなる、項目75に記載の方法。
77.下記:
a.診断
b.医学
c.美容
d.研究開発
の少なくとも1つに用いるための、項目67〜74に規定する方法により選択されたTCR鎖対配列又はTCR鎖対配列のライブラリー。
78.下記:
a.診断
b.医学
c.美容
d.研究開発
の少なくとも1つに用いるための、項目55〜66又は75、76に規定する方法により選択された抗原性分子及び/又は前記抗原性分子をコードするORF又はそのライブラリー。
79.下記:
a.診断
b.医学
c.美容
d.研究開発
の少なくとも1つに用いるための、項目55〜66又は75、76に規定する方法により選択された、抗原性分子を積荷として積載する抗原提示複合体及び/又は前記複合体をコードするORF又はそのライブラリー。
【0184】
80.下記:
a.診断
b.医学
c.美容
d.研究開発
の少なくとも1つに用いるための、項目55〜66に規定する方法により選択されたeAPC又はeAPCのライブラリー。
81.下記:
a.診断
b.医学
c.美容
d.研究開発
の少なくとも1つに用いるための、項目67〜74に規定する方法により選択されたTCRを細胞表面にCD3と複合体して発現する細胞又はそのライブラリー。
82.下記:
a.診断
b.医学
c.美容
d.研究開発
の少なくとも1つに用いるための、項目1〜28のいずれか1項に記載の多成分システム。
【0185】
83.下記:
a.診断
b.医学
c.美容
d.研究開発
の少なくとも1つに用いるための、項目67〜74に規定する方法により選択されたTCR-模擬親和性反応剤配列又はTCR-模擬親和性反応剤配列のライブラリー。
84.下記
a.診断
b.医学
c.美容
の少なくとも1つに用いるための、項目67〜74に規定する方法により選択されたTCR対又はTCR-模擬親和性反応剤を有するNCBP又はTCR対又はTCR-模擬親和性反応剤を有するNCBPのライブラリー。
第1の成分が遺伝子操作抗原提示細胞(eAPC)(成分Aと呼ぶ)であり、第2の成分が被分析物 抗原提示複合体(aAPX)及び/又は被分析物 抗原性分子(aAM)をコードする1又は2以上のORFの送達用の一対の遺伝子ドナーベクター(成分C及びEと呼ぶ)である多成分システムであって、
成分Aが
a.aAPX及び/又はaAMの少なくとも1つのファミリーの内因性表面発現を欠くように遺伝子操作されており及び/又は選択され、
b.各々が少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする少なくとも1つのORFの組込みのための少なくとも2つのゲノム受容部位(成分B及び成分Dと呼ぶ)を含有し、
成分C及びEがそれぞれ成分B及びDにマッチし、
c.少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする単一ORF又は
d.少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする2又は3以上のORF
を送達するように設計されており、
ゲノム受容部位B及びDはリコンビナーゼ媒介交換(RMCE)用に設計されている合成構築物である、多成分システム。
前記ORFがBゲノム受容部位に安定的に組み込まれることができ、aAPX及び/又はaAMが発現されるように、c及び/又はdが組込みの選択マーカーをコードしていてもいなくてもよい、請求項1に記載の多成分システム。
成分C及び/又はEが、成分C'及び/又はE'が得られるように少なくとも1つのaAPX及び/又はaAMをコードする少なくとも1つのORFと組み合わされている、請求項3〜9のいずれか1項に記載の多成分システム。
1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、eAPC-pがaAPXを細胞表面で発現するように、成分C'及び/又はE'にコードされる1又は2以上のaAPX ORFを成分B及び/又はDに組み込んで細胞(eAPC-pと呼ぶ)を得るために、成分Aと組み合わされており、ここで、成分B及び/又はDは成分B'及び/又はD'となる、請求項10又は11に記載の多成分システム。
1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、eAPC-aがaAMを細胞表面又は細胞内で発現するように、成分C'及び/又はE'にコードされる1又は2以上のaAM ORFを成分B及び/又はDに組み込んで、細胞(eAPC-aと呼ぶ)を得るために、成分Aと組み合わされており、ここで、成分B及び/又はDは成分B'及び/又はD'となる、請求項10又は11に記載の多成分システム。
1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、eAPC-paがaAPX及びaAM及び/又はaAPX:aAMを発現するように、成分C'及び/又はE'にコードされる1又は2以上のaAPX ORF及び/又は1又は2以上のaAMを成分B及び/又はDに組み込んで細胞(eAPC-paと呼ぶ)を得るために、成分Aと組み合わされており、ここで、成分B及び/又はDは成分B'及び/又はD'となる、請求項10又は11に記載の多成分システム。
1若しくは2以上の成分C'又はE'が、eAPC-paがaAPX及びaAM及び/又はaAPX:aAMを発現するように、成分C'又はE'にコードされる1又は2以上のaAM ORFを成分B又はDに組み込んで細胞(eAPC-paと呼ぶ)を得るために、eAPC-pと組み合わされており、ここで、成分B又はDは成分B'又はD'となる、請求項12に記載の多成分システム。
1若しくは2以上の成分C'又はE'が、eAPC-paがaAPX及びaAM及び/又はaAPX:aAMを発現するように、成分C'又はE'にコードされる1又は2以上のaAPX ORFを成分B又はDに組み込んで細胞(eAPC-paと呼ぶ)を得るために、eAPC-aと組み合わされており、成分B又はDは成分B'又はD'となる、請求項13に記載の多成分システム。
a.成分Aを成分C'及び/又はE'の少なくとも1つと組み合わせ、組込み因子と組み合わせること、ここで、1又は2以上の成分C'及び/又はE'は1又は2以上のaAPXをコードし、及び
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAPXの表面発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
の少なくとも1つ
を含んでなる、請求項12に規定されるeAPC-pを製造する方法。
離散的及び規定されたeAPC-pのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の工程aが、別異のeAPC-pが得られるように、別異のaAPXを用いて行われる、請求項19に記載の方法。
1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、ライブラリーを得るために、工程aにおける2又は3以上の別異のaAPXの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-pが単一aAPXを発現するeAPC-pの混合集団を含んでなる、請求項17又は18に記載の方法。
a.成分Aを成分C'及び/又はE'の少なくとも1つと組み合わせ、組込み因子と組み合わせること、ここで、1又は2以上の成分C'及び/又はE'は1又は2以上のaAMをコードし、及び
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAPXの表面発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
の少なくとも1つ
を含んでなる、請求項13に規定されるeAPC-aを製造する方法。
離散的及び規定されたeAPC-aのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の工程aが、別異のeAPC-aが得られるように、別異のaAMを用いて行われる、請求項24に記載の方法。
1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、ライブラリーを得るために、工程aにおける2又は3以上の別異のaAMの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-aが単一aAMを発現するeAPC-aの混合集団を含んでなる、請求項22又は23に記載の方法。
a.eAPC-aを成分C'及び/又はE'の少なくとも1つと組み合わせ、組込み因子と組み合わせること、ここで、1又は2以上の成分C'及び/又はE'は1又は2以上のaAPX ORFをコードし、及び
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAPXの表面発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
の少なくとも1つ
を含んでなる、請求項16に規定されるeAPC-paを製造する方法。
離散的及び規定されたeAPC-paのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の工程aが、別異のeAPC-paが得られるように、別異のaAPXを用いて行われる、請求項29に記載の方法。
1若しくは2以上の成分C'又はE'が、ライブラリーを得るために、工程aおける2又は3以上の別異のaAPXの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-paが請求項39の工程aに用いるプールから単一aAPXを発現するeAPC-paの混合集団を含んでなる、請求項39又は40に記載の方法。
a.eAPC-pを成分C'又はE'の少なくとも1つと組み合わせ、組込み因子と組み合わせること、ここで、1若しくは2以上の成分C'又はE'は1又は2以上のaAM ORFをコードし、
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAMの発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
を含んでなる、請求項15に規定されるeAPC-paを製造する方法。
離散的及び規定されたeAPC-paのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の工程aが、別異のeAPC-paが得られるように、別異のaAMを用いて行われる、請求項34に記載の方法。
1若しくは2以上の成分C'又はE'が、ライブラリーを得るために、工程aおける2又は3以上の別異のaAMの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-paが工程aに用いるプールから単一aAMを発現するeAPC-paの混合集団を含んでなる、請求項32又は33に記載の方法。
a.eAPCを成分C'又はE'の少なくとも1つと組み合わせ、組込み因子と組み合わせること、ここで、1又は2以上の成分C'及び/又はE'は1又は2以上のaAM ORF及び1又は2以上のaAPX ORFをコードし、
b.ゲノム受容部位選択マーカーの喪失について選択すること
c.1又は2以上のaAMの発現及び/又は1又は2以上のaAPXの表面発現の獲得について選択すること
d.1又は2以上の組込みの選択マーカーの獲得について選択すること
を含んでなる、請求項14に規定されるeAPC-paを製造する方法。
離散的及び規定されたeAPC-paのライブラリーを得るために複数回行われ、各回の工程aが、別異のeAPC-paが得られるように、別異のaAM及び/又は別異のaAPXの少なくとも1つを用いて行われる、請求項39に記載の方法。
1又は2以上の成分C'及び/又はE'が、ライブラリーを得るために、工程aにおける2又は3以上の別異のaAM及び/又は2又は3以上の別異のaAPXの混合プールをコードし、ここで、ライブラリーは、各eAPC-paが工程aに用いるプールから単一aAM及び単一aAPXを発現するeAPC-paの混合集団を含んでなる、請求項37又は38に記載の方法。
請求項1〜16のいずれか1項に記載の多成分システムの、eAPC-p及び/又はeAPCa及び/又はeAPC-paから選択される1又は2以上の被分析物eAPCを製造するための使用。