(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-534304(P2019-534304A)
(43)【公表日】2019年11月28日
(54)【発明の名称】炎症性疾患の治療のための化合物及びその医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/541 20060101AFI20191101BHJP
A61K 31/366 20060101ALI20191101BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20191101BHJP
A61K 31/52 20060101ALI20191101BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20191101BHJP
A61K 38/13 20060101ALI20191101BHJP
A61K 38/17 20060101ALI20191101BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20191101BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20191101BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20191101BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20191101BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20191101BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20191101BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20191101BHJP
【FI】
A61K31/541
A61K31/366
A61K31/675
A61K31/52
A61K45/00
A61K38/13
A61K38/17 100
A61K39/395 N
C07D471/04 101
A61P17/14
A61P17/00
A61P13/12
A61P37/02
A61P43/00 121
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】76
(21)【出願番号】特願2019-524273(P2019-524273)
(86)(22)【出願日】2017年11月9日
(85)【翻訳文提出日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】EP2017078701
(87)【国際公開番号】WO2018087202
(87)【国際公開日】20180517
(31)【優先権主張番号】1618959.9
(32)【優先日】2016年11月10日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1618960.7
(32)【優先日】2016年11月10日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1618962.3
(32)【優先日】2016年11月10日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1618963.1
(32)【優先日】2016年11月10日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1618964.9
(32)【優先日】2016年11月10日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1618961.5
(32)【優先日】2016年11月10日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】504064364
【氏名又は名称】ガラパゴス・ナムローゼ・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Galapagos N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】チャンタル テレセ タスセット
(72)【発明者】
【氏名】ピルレ ハリソン
(72)【発明者】
【氏名】レネ アレクサンドレ ガリエン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン サージェント サンディ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジー. マクハッチソン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス オリオーダン
(72)【発明者】
【氏名】ネールファー モザッファリアン
(72)【発明者】
【氏名】ウプタル ディネシュ パテル
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー アール. ワトキンス
(72)【発明者】
【氏名】デービッド エル. ゴセージ
【テーマコード(参考)】
4C065
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA03
4C065BB03
4C065CC01
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH05
4C065JJ01
4C065KK01
4C065LL06
4C065PP17
4C084AA02
4C084AA19
4C084BA41
4C084BA44
4C084DA11
4C084DA39
4C084MA02
4C084NA05
4C084ZA811
4C084ZA891
4C084ZA921
4C084ZB071
4C084ZB382
4C084ZC202
4C084ZC412
4C084ZC751
4C085AA14
4C085CC23
4C085DD62
4C085EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA17
4C086CB05
4C086CB07
4C086DA35
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA92
4C086ZB07
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、円形脱毛症、白斑、皮膚ループス、ループス腎炎、巨細胞動脈炎、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための、化合物又はそれを含む医薬組成物の使用に関する。特に、前記化合物は、JAK阻害剤である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形脱毛症、白斑、皮膚ループス、ループス腎炎、巨細胞動脈炎、サルコイドーシス、及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための、式I:
【化1】
による化合物、又はその医薬として許容し得る塩、又はその溶媒和物もしくは溶媒和物の塩、又はその活性代謝産物。
【請求項2】
前記活性代謝産物が、式II:
【化2】
によるものである、請求項1記載の使用のための化合物。
【請求項3】
前記式Iによる化合物が、医薬として許容し得る塩であり、該塩が、臭化水素酸、塩酸、硫酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-2-エタンジスルホン酸、メタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、リン酸、エタンスルホン酸、マロン酸、2-5-ジヒドロキシ安息香酸、又はL-酒石酸から選択される塩形成剤と形成されたものである、請求項1記載の使用のための化合物。
【請求項4】
前記式Iによる化合物が、医薬として許容し得る塩であり、該塩が、マレイン酸と形成されたものである、請求項1記載の使用のための化合物。
【請求項5】
さらなる治療薬剤と組み合わされた、請求項1〜4のいずれか1項記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物又はその医薬として許容し得る塩、及び医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含む、円形脱毛症、白斑、皮膚ループス、ループス腎炎、巨細胞動脈炎、サルコイドーシス、及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための医薬組成物。
【請求項7】
さらなる治療薬剤を含む、請求項6記載の使用のための医薬組成物。
【請求項8】
前記さらなる治療薬剤が、円形脱毛症の予防及び/又は治療のための薬剤である、請求項5記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項7記載の使用のための医薬組成物。
【請求項9】
円形脱毛症、白斑、皮膚ループス、ループス腎炎、巨細胞動脈炎、サルコイドーシス、及び/又はサルコイドーシス関連状態に苦しむ個体における、請求項1〜4のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項6もしくは7記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記化合物が、100mg b.i.dの用量で投与される、請求項1〜9のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項11】
前記化合物が、200mg qdの用量で投与される、請求項1〜9のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項12】
前記化合物が、少なくとも4、6、8、10、12、14、16、20、又は24週間の期間にわたって投与される、請求項1〜11のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項13】
前記化合物が、少なくとも12週間の期間にわたって投与される、請求項1〜11のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項14】
重症度脱毛症ツール(SALT)スコアによって特徴づけられる円形脱毛症に苦しむ個体における、請求項1〜4のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項6もしくは7記載の医薬組成物。
【請求項15】
少なくとも25%のSALTスコアによって特徴づけられる円形脱毛症に苦しむ個体における、請求項1〜4のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項6もしくは7記載の医薬組成物。
【請求項16】
少なくとも50%のSALTスコアによって特徴づけられる円形脱毛症に苦しむ個体における、請求項1〜4のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項6もしくは7記載の医薬組成物。
【請求項17】
少なくとも75%のSALTスコアによって特徴づけられる円形脱毛症に苦しむ個体における、請求項1〜4のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項6もしくは7記載の医薬組成物。
【請求項18】
治療前と比較して治療後で再成長改善が、少なくとも10%(SALT10)、20%(SALT20)、30%(SALT30)、40%(SALT40)、又は50%(SALT50)である、請求項1〜4のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項6もしくは7記載の医薬組成物。
【請求項19】
円形脱毛症の予防及び/又は治療のための方法であって:
a)個体のSALTスコアを、患者の左側、右側、頂部、及び後部の脱毛を評価して頭皮脱毛分析を行うことによって測定する工程であって、該左側及び該右側がそれぞれ、全頭表面の18%を占め、該頂部が、全頭表面の40%を占め、かつ該後部が、全頭表面の24%を占める、前記工程;
b)各エリアに残っている毛髪のタイプを評価する工程(色素沈着/色素不沈着/確定不能)、
c)下記式によってSALTスコアを算出する工程:
d)SALTスコア=(%左側)*0.18+(%右側)*0.18+(%頂部側)*0.40+(%後部側)*0.24;及び
e)該個体への投与のために、25mg〜400mgの間で含まれる前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩の一日量を決定する工程
を含む、前記方法。
【請求項20】
円形脱毛症に苦しむ個体における、請求項1〜4のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項6もしくは7記載の医薬組成物であって、該使用が、
a)血液サンプルをアッセイする工程、
b)少なくとも1つの円形脱毛症関連バイオマーカーのレベルを測定する工程、
c)治療的有効量の該化合物又はその医薬として許容し得る塩を、該個体に投与する工程、
d)該円形脱毛症関連バイオマーカーの治療後レベルを測定して、治療前レベルと比較する工程、及び
e)該個体に投与されるべき化合物又はその医薬として許容し得る塩の投薬量を調整する工程であって、12週間後の該円形脱毛症関連バイオマーカーのレベルに2%未満の低減が検出される場合に、該投薬量が、増量される、前記工程
を含む、前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は前記医薬組成物。
【請求項21】
前記バイオマーカーが、IFNγである、請求項20記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項22】
前記バイオマーカーレベルが、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも15%低減される、請求項20記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項23】
前記IFNγが、12週間の治療後に治療前レベルと比較して少なくとも5%低減される、請求項20記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項24】
前記さらなる治療薬剤が、白斑の予防及び/又は治療のための薬剤である、請求項5記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項7記載の使用のための医薬組成物。
【請求項25】
白斑に苦しむ個体における、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項6もしくは7記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記化合物が、100mg b.i.dの用量で投与される、請求項1〜7、24、又は25のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項27】
前記化合物が、200mg qdの用量で投与される、請求項1〜7、24、又は25のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項28】
前記化合物が、少なくとも4、6、8、10、12、14、16、20、又は24週間の期間にわたって投与される、請求項1〜9、24、又は25のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項29】
前記化合物が、少なくとも12週間の期間にわたって投与される、請求項1〜9、24、又は25のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項30】
白斑活性重症度インデックス(VASI)スコアによって特徴づけられる白斑に苦しむ個体における、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項24もしくは25記載の医薬組成物。
【請求項31】
少なくとも25%のVASIスコアによって特徴づけられる白斑に苦しむ個体における、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項24もしくは25記載の医薬組成物。
【請求項32】
少なくとも50%のVASIスコアによって特徴づけられる白斑に苦しむ個体における、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項24もしくは25記載の医薬組成物。
【請求項33】
少なくとも75%のVASIスコアによって特徴づけられる白斑に苦しむ個体における、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項24もしくは25記載の医薬組成物。
【請求項34】
VASI改善が、治療前と比較して治療後で少なくとも10%、20%、30%、40%、又は50%である、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項24もしくは25記載の医薬組成物。
【請求項35】
白斑の予防及び/又は治療のための方法であって:
a)手(手掌+全ての指の掌側の表面)を単位として用いて、個体の手、上肢(手を除く)、体幹、下肢(足を除く)、及び足の色素脱失を測定する工程、
b)以下の式によってVASIスコアを算出する工程:
a.VASI=Σ体の全部位[手単位]x[残存色素脱失]
c)該個体への投与のために、25mg〜400mgの間で含まれる前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩の一日量を決定する工程
を含む、前記方法。
【請求項36】
白斑に苦しむ個体における、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項24もしくは25記載の医薬組成物であって、該使用が:
a)血液サンプルをアッセイする工程、
b)少なくとも1つの白斑関連バイオマーカーのレベルを測定する工程、
c)治療的有効量の該化合物又はその医薬として許容し得る塩を、該個体に投与する工程、
d)該白斑関連バイオマーカーの治療後レベルを測定して、治療前レベルと比較する工程、及び
e)該個体に投与されるべき該化合物又はその医薬として許容し得る塩の投薬量を調整する工程であって、12週間後の該白斑関連バイオマーカーのレベルに2%未満の低減が検出される場合に、該投薬量が、増量される、前記工程
を含む、前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項37】
前記バイオマーカーが、IFNγである、請求項36記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項38】
前記バイオマーカーレベルが、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも15%低減される、請求項36記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項39】
前記IFNγが、12週間の治療後に治療前レベルと比較して少なくとも5%低減される、請求項36記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項40】
前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩、及び医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含む、皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のための医薬組成物。
【請求項41】
さらなる治療薬剤を含む、請求項40記載の使用のための医薬組成物。
【請求項42】
皮膚ループスに苦しむ個体における、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項40もしくは41記載の使用のための医薬組成物。
【請求項43】
ヒトにおいて皮膚ループスを治療する方法であって、皮膚ループスに苦しむ個体に、治療的有効量の請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、前記方法。
【請求項44】
少なくとも1つのさらなる治療薬剤を投与することを含む、請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記さらなる治療薬剤が、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、抗マラリア薬、スタチン、シクロホスファミド、アザチオプリン、6-メルカプトプリン、アバタセプト、リツキシマブ、ベリムマブ、シクロスポリン、及び他のカルシニューリン阻害剤から選択される、請求項5記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項41記載の使用のための医薬組成物、又は請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記皮膚ループスが、慢性皮膚エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、急性皮膚エリテマトーデス、及び薬剤誘発性エリテマトーデスからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項40もしくは42記載の使用のための医薬組成物、又は請求項43記載の方法。
【請求項47】
前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物の投与が、バイオマーカーの検出可能な変化をもたらす、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項40又は41記載の使用のための医薬組成物。
【請求項48】
皮膚ループスに苦しむ個体における、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項40もしくは41記載の医薬組成物であって、該使用が、
a)血液サンプルをアッセイする工程、
b)少なくとも1つの皮膚ループス関連バイオマーカーのレベルを測定する工程、
c)治療的有効量の該化合物又はその医薬として許容し得る塩を、該個体に投与する工程、d)該皮膚ループス関連バイオマーカーの治療後レベルを測定して、治療前レベルと比較する工程、及び
e)該個体に投与されるべき該化合物又はその医薬として許容し得る塩の投薬量を調整する工程であって、12週間後の該皮膚ループス関連バイオマーカーのレベルに2%未満の低減が検出される場合に、該投薬量が、増量される、前記工程
を含む、前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項49】
前記バイオマーカーが、IL-6及び補体成分からなる群から選択される、請求項47又は48記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項50】
前記バイオマーカーが、IL6である、請求項47又は48記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項51】
前記バイオマーカーレベルが、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%低減される、請求項47又は48記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項52】
皮膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度インデックス(CLASI)によって特徴づけられる皮膚ループスに苦しむ個体における、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項40もしくは41記載の使用のための医薬組成物、又は請求項43もしくは44記載の方法。
【請求項53】
前記化合物が、100mg b.i.dの用量で投与される、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項40もしくは41記載の使用のための医薬組成物、又は請求項43もしくは44記載の方法。
【請求項54】
前記化合物が、200mg qdの用量で投与される、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項40もしくは41記載の使用のための医薬組成物、又は請求項43もしくは44記載の方法。
【請求項55】
前記化合物が、少なくとも6ヶ月の期間にわたって投与される、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項40もしくは41記載の使用のための医薬組成物、又は請求項43もしくは44記載の方法。
【請求項56】
前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩、及び医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含む、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための医薬組成物。
【請求項57】
さらなる治療薬剤を含む、請求項56記載の使用のための医薬組成物。
【請求項58】
ループス腎炎に苦しむ個体における、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項56もしくは57記載の使用のための医薬組成物。
【請求項59】
ヒトにおいてループス腎炎を治療する方法であって、ループス腎炎の患者に、治療的有効量の請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、前記方法。
【請求項60】
前記ループス腎炎が、膜性ループス腎炎である、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項56もしくは57記載の使用のための医薬組成物、又は請求項59記載の方法。
【請求項61】
さらなる治療薬剤を投与することを含む、請求項59記載の方法。
【請求項62】
さらなる治療薬剤が、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、抗マラリア薬、スタチン、シクロホスファミド、アザチオプリン、6-メルカプトプリン、アバタセプト、リツキシマブ、ベリムマブ、シクロスポリン、及び他のカルシニューリン阻害剤から選択される、請求項5記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項57記載の使用のための医薬組成物、又は請求項61記載の方法。
【請求項63】
前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物の投与が、バイオマーカーの検出可能な変化をもたらす、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項56もしくは57記載の使用のための医薬組成物。
【請求項64】
ループス腎炎に苦しむ個体においてループス腎炎を治療する方法であって、
a)血液サンプルをアッセイする工程、
b)少なくとも1つのループス腎炎関連バイオマーカーのレベルを測定する工程、
c)治療的有効量の該化合物又はその医薬として許容し得る塩を、該個体に投与する工程、
d)該ループス腎炎関連バイオマーカーの治療後レベルを測定して、治療前レベルと比較する工程、及び
e)該個体に投与されるべき該化合物又はその医薬として許容し得る塩の投薬量を調整する工程であって、12週間後の該ループス腎炎関連バイオマーカーのレベルに2%未満の低減が検出される場合に、該投薬量が、増量される、前記工程
を含む、前記方法。
【請求項65】
前記バイオマーカーが、IL-6、IL-10、IFNγ、及びTGFβからなる群から選択される、請求項63記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、もしくは医薬組成物、又は請求項64記載の方法。
【請求項66】
前記バイオマーカーが、IL6である、請求項63記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、もしくは医薬組成物、又は請求項64記載の方法。
【請求項67】
前記バイオマーカーレベルが、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%低減される、請求項63記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、もしくは医薬組成物、又は請求項64記載の方法。
【請求項68】
前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は前記医薬組成物の投与が、対象における蛋白尿症を減少させる、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項56もしくは57記載の使用のための医薬組成物、又は請求項59もしくは61記載の方法。
【請求項69】
蛋白尿症の減少が、24時間尿蛋白、24時間蛋白/クレアチニン比、スポット蛋白/クレアチニン比、24時間尿アルブミン、24時間アルブミン/クレアチニン比、スポットアルブミン/クレアチニン比によってか、又は尿試験紙によって測定される、請求項68記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物、又は方法。
【請求項70】
前記化合物又はその医薬として許容し得る塩の定期的な投与が、対象の蛋白/クレアチニン比を減少させる、請求項68記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物、又は方法。
【請求項71】
前記対象の蛋白/クレアチニン比が、ベースラインと比べて、少なくとも50%減少する、請求項70記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物、又は方法。
【請求項72】
前記化合物が、100mg b.i.dの用量で投与される、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項56もしくは57記載の使用のための医薬組成物、又は請求項59もしくは61記載の方法。
【請求項73】
前記化合物が、200mg qdの用量で投与される、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項56もしくは57記載の使用のための医薬組成物、又は請求項59もしくは61記載の方法。
【請求項74】
前記化合物が、少なくとも6ヶ月の期間にわたって投与される、請求項72又は73記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物、又は方法。
【請求項75】
前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩、及び医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含む、サルコイドーシスの予防及び/又は治療における使用のための医薬組成物。
【請求項76】
さらなる治療薬剤を含む、請求項75記載の使用のための医薬組成物。
【請求項77】
サルコイドーシスに苦しむ個体における、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項75もしくは76記載の使用のための医薬組成物。
【請求項78】
ヒトにおいてサルコイドーシスを治療する方法であって、サルコイドーシスの患者に、治療的有効量の請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、前記方法。
【請求項79】
さらなる治療薬剤の投与をさらに含む、請求項78記載の方法。
【請求項80】
前記さらなる治療薬剤が、抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制性化合物、及び抗生物質から選択される、請求項79記載の方法。
【請求項81】
前記さらなる治療薬剤が、コルチコステロイド、プレドニゾン、メトトレキサート、アザチオプリン、ヒドロキシクロロキン、シクロホスファミド、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、クロロキン、インフリキシマブ、ペニシリン系抗生物質、セファロスポリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質、リンコマイシン系抗生物質、及びテトラサイクリン系抗生物質から選択される、請求項79記載の方法。
【請求項82】
前記サルコイドーシスが、心サルコイドーシス、皮膚サルコイドーシス、肝サルコイドーシス、肺サルコイドーシス、神経サルコイドーシス、レフグレン症候群、及び慢性皮膚サルコイドーシスからなる群から選択される、請求項1〜5又は75〜81のいずれか1項記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、医薬組成物、又は方法。
【請求項83】
前記サルコイドーシスが、皮膚サルコイドーシスである、請求項1〜5又は75〜81のいずれか1項記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、医薬組成物、又は方法。
【請求項84】
前記サルコイドーシスが、レフグレン症候群である、請求項1〜5又は75〜81のいずれか1項記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、医薬組成物、又は方法。
【請求項85】
前記サルコイドーシスが、神経サルコイドーシスである、請求項1〜5又は75〜81のいずれか1項記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、医薬組成物、又は方法。
【請求項86】
前記サルコイドーシスが、心サルコイドーシスである、請求項1〜5又は75〜81のいずれか1項記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、医薬組成物、又は方法。
【請求項87】
前記サルコイドーシスが、肺サルコイドーシスである、請求項1〜5又は75〜81のいずれか1項記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、医薬組成物、又は方法。
【請求項88】
前記サルコイドーシスが、肺サルコイドーシスによって引き起こされる肺線維症である、請求項1〜5又は75〜81のいずれか1項記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、医薬組成物、又は方法。
【請求項89】
前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物の投与が、バイオマーカーの検出可能な変化をもたらす、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項75もしくは77記載の使用のための医薬組成物、又は請求項78もしくは79記載の方法。
【請求項90】
サルコイドーシスに苦しむ個体においてサルコイドーシスを治療する方法であって、
a)血液サンプルをアッセイする工程、
b)少なくとも1つのサルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態関連バイオマーカーのレベルを測定する工程、
c)治療的有効量の該化合物又はその医薬として許容し得る塩を、該個体に投与する工程、
d)該サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態関連バイオマーカーの治療後レベルを測定して、治療前レベルと比較する工程、及び
e)該個体に投与されるべき化合物又はその医薬として許容し得る塩の投薬量を調整する工程であって、12週間後の該サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態関連バイオマーカーのレベルに2%未満の低減が検出される場合に、該投薬量が、増量される、前記工程、
を含む、前記方法。
【請求項91】
前記バイオマーカーが、CXCL9又はCXCL10である、請求項89記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、もしくは医薬組成物、又は請求項90記載の方法。
【請求項92】
前記バイオマーカーが、CXCL10である、請求項89記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、もしくは医薬組成物、又は請求項90記載の方法。
【請求項93】
前記バイオマーカーレベルが、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%低減される、請求項89記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、もしくは医薬組成物、又は請求項90記載の方法。
【請求項94】
前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は前記医薬組成物の投与が、前記サルコイドーシスの1つ以上の症状の検出可能な改善をもたらす、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項75もしくは77記載の使用のための医薬組成物、又は請求項78もしくは79記載の方法。
【請求項95】
前記症状が、肉芽腫の形成、疲労、体重減少、発熱、痛み、疼痛、関節炎、ドライアイ、膝の腫脹、霧視、息切れ、咳、及び皮膚病変のうちの1つ以上である、請求項94記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物、又は方法。
【請求項96】
前記化合物が、100mg b.i.dの用量で投与される、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項75もしくは77記載の使用のための医薬組成物、又は請求項78もしくは79記載の方法。
【請求項97】
前記化合物が、200mg qdの用量で投与される、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項75もしくは77記載の使用のための医薬組成物、又は請求項78もしくは79記載の方法。
【請求項98】
前記化合物が、少なくとも6ヶ月の期間にわたって投与される、請求項97記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物、又は方法。
【請求項99】
前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩、及び医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含む、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療における使用のための医薬組成物。
【請求項100】
さらなる治療薬剤を含む、請求項99記載の使用のための医薬組成物。
【請求項101】
前記さらなる治療薬剤が、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療のための薬剤である、請求項5記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項100記載の使用のための医薬組成物。
【請求項102】
巨細胞動脈炎に苦しむ個体における、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項99もしくは100記載の医薬組成物。
【請求項103】
3mg/L超のCRPレベルによって特徴づけられる巨細胞動脈炎に苦しむ個体における、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項99もしくは100記載の医薬組成物。
【請求項104】
30mm/h超の赤血球沈降速度によって特徴づけられる巨細胞動脈炎に苦しむ個体における、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項99もしくは100記載の医薬組成物。
【請求項105】
前記化合物が、100mg b.i.dの用量で投与される、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、もしくは医薬組成物、又は請求項99もしくは100記載の医薬組成物。
【請求項106】
前記化合物が、200mg qdの用量で投与される、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、もしくは医薬組成物、又は請求項99もしくは100記載の医薬組成物。
【請求項107】
前記化合物が、少なくとも4、6、8、10、12、14、16、20、又は24週間の期間にわたって投与される、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、もしくは医薬組成物、又は請求項99もしくは100記載の医薬組成物。
【請求項108】
前記化合物が、少なくとも12週間の期間にわたって投与される、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、もしくは医薬組成物、又は請求項99もしくは100記載の医薬組成物。
【請求項109】
巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療のための方法であって、
a)個体のESRを測定する工程、
b)個体のCRPレベルを測定する工程、
c)該ESR及び/又はCRPレベルを正常値と比較する工程、
d)該個体への投与のために、25mg〜400mgの間で含まれる前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩の一日量を決定する工程
を含む、前記方法。
【請求項110】
巨細胞動脈炎に苦しむ個体における、請求項1〜5記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は請求項99もしくは100記載の医薬組成物であって、
該使用が、
a)血液サンプルをアッセイする工程、
b)少なくとも1つの巨細胞動脈炎関連バイオマーカーのレベルを測定する工程、
c)治療的有効量の該化合物又はその医薬として許容し得る塩を、該個体に投与する工程、
d)該巨細胞動脈炎関連バイオマーカーの治療後レベルを測定して、治療前レベルと比較する工程、及び
e)該個体に投与されるべき該化合物又はその医薬として許容し得る塩の投薬量を調整する工程であって、12週間後の該巨細胞動脈炎関連バイオマーカーのレベルに2%未満の低減が検出される場合に、該投薬量が、増量される、前記工程
を含む、前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項111】
前記バイオマーカーが、IL6である、請求項110記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項112】
前記バイオマーカーが、IL1である、請求項110記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項113】
前記バイオマーカーが、GM-CSFである、請求項110記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項114】
前記バイオマーカーレベルが、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%低減される、請求項109〜113のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【請求項115】
前記バイオマーカーレベルが、12週間後に少なくとも5%低減される、請求項109〜113のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、円形脱毛症、白斑、皮膚ループス、ループス腎炎、巨細胞動脈炎、サルコイドーシス、及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療に有用な化合物に関する。特に、本発明の化合物は、JAKを阻害する。より特定的には、本発明の化合物は、JAK1を阻害する。本発明はまた、本発明の化合物を投与することを含む、円形脱毛症、白斑、皮膚ループス、ループス腎炎、巨細胞動脈炎、サルコイドーシス、及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
円形脱毛症は、挫折的な心理社会的帰結を伴う脱毛をもたらす自己免疫疾患である。全世界では数百万の人々が罹患するその高い有病率にもかかわらず、米国においては、円形脱毛症は、一般集団の0.1%〜0.2%に生じ、生涯リスクは1.7%であると推定された(Alkhalifahらの文献、2010年)。
【0003】
円形脱毛症は、関連する皮膚の可視の瘢痕や炎症を伴わない突発性の毛髪喪失として現れる。円形脱毛症に冒された患者の5%において、状態が広がって、全頭皮(全頭脱毛症(AT))又は全身(汎発性脱毛症;AU)に影響を及ぼすこともある。円形脱毛症は、爪の変化、アトピーの増加、及び他の関連する自己免疫性及び内分泌の障害、例えば、甲状腺疾患を伴うこともある。
【0004】
円形脱毛症の割合は、男性及び女性の双方で同様であり、患者の大多数は、30歳〜59歳の間の年齢である(Wang及びMcElweeの文献、2011年)。円形脱毛症は、小児においては経時的に悪化し、かつより持続性である傾向がある(Alkhalifahらの文献、2010年)。高率の不安及び大うつ病が、円形脱毛症と併存していることが示されている(Kariaらの文献、2015年)。円形脱毛症の予後は、AT又はAU、蛇行状の脱毛パターン、該状態の家族歴、若年での疾患の発症、爪の関与、及び別の合併する自己免疫疾患がある患者で悪い(Alkhalifahらの文献、2010年)。
【0005】
現在までのところ、FDAによって承認されている円形脱毛症の治療はない。しかしながら、本疾患に対処しようとして、以前の研究で、円形脱毛症において、JAKを介してシグナルを送る、顕著なインターフェロンガンマ(IFN-γ)シグネチャーが確認されている(Xingらの文献、2014年)。
【0006】
本疾患から生ずる心理社会的ストレスは、患者にとって精神的外傷を与えるものでありかつ病的状態の原因となり得るが(Kariaらの文献、2015年)、円形脱毛症単独では、生命を危うくする状態ではなく、従って、適当な治療薬剤は、関連副作用が軽く、安全であるべきである。
【0007】
白斑は、皮膚の色素脱失が生じ、従って、患者の自尊心に対して負の影響を与える美観を損う白色の斑点をもたらす自己免疫疾患である(Allam及びRiadの文献、2013年)。全世界では、白斑は、たいていの集団で0.5〜1%の推定有病率で生じる。患者のほぼ半数において、白斑は、20歳前に始まり、男性及び女性は、おおよそ等しい頻度で罹患する(Ezzedineらの文献、2012年)。
【0008】
該疾患を弱める治療は、局所ステロイド塗布及び/又はカルシニューリン阻害剤から光線療法にわたって存在するものの(Allam及びRiadの文献、2013年)、現在までのところ、FDAによって承認されている白斑の治療はない。しかしながら、本疾患に対処しようとして、以前の研究で、ケモカインCXCL9、10、及び11を含む顕著なインターフェロンガンマ(IFN-γ)シグネチャーが確認されている(Rashighiらの文献、2014年)。IFN-γが、その受容体に結合すると、それが、JAK/STAT経路を活性化し、今度は、それが、ケラチノサイトにおけるCXCL10の産生に繋がる。従って、直接的なCXCL10阻害又はJAK/STAT経路阻害は、新たな治療方針の魅力的な標的となり得る(Di Lernia及びBardazziの文献、2016年)。
【0009】
本疾患から生ずる心理社会的なストレスは、患者に精神的外傷を与え得るとともに、病的状態への寄与因子となり得る(Kariaらの文献、2015年)が、白斑単独では、生命を危うくする状態ではなく、それゆえに、適当な治療薬剤は、関連副作用が軽く安全であるべきである。
【0010】
ループス又は紅斑性狼瘡は、身体のさまざまな部位、特に、皮膚、関節、血液、及び腎臓で、慢性の炎症を引き起こすことがある自己免疫障害である。ループスの最も好発する3つの種類としては、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚エリテマトーデス(CLE)、及び薬剤誘発性ループスが挙げられる。
【0011】
皮膚エリテマトーデス(CLE)又は皮膚ループス(CL)は、主に皮膚を冒し、通常、皮膚炎症、皮疹、及び皮膚での出血を特徴とする。本炎症は、B及びT細胞媒介性損傷性炎症を制御するインターフェロン(IFN)制御性炎症促進性サイトカインによって推進される(Robinson及びWerthの文献、2015年)。皮膚ループスは、毛髪及び粘膜も冒し得るが、通常、SLEのように内部器官を巻き込むことはない。皮膚ループスは、急性皮膚エリテマトーデス(ACLE)、亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)、及び慢性皮膚エリテマトーデス(CCLE)を含む群に分類することができる。
【0012】
ACLEは、多くの場合、活性な全身性疾患の患者にみられる。平らな赤色のパッチが、頬及び鼻にみられ、蝶形発疹と呼ばれ、これらは、ACLEで非常によくみられる。個体は、腕部、脚部、及び体幹にも平らな赤色のパッチを有することがある。これらの病変は、UV光に感受性があり、通常、太陽に露出される領域に出現する。
【0013】
SCLEは、非瘢痕性非萎縮発生性光線過敏性皮膚症である。場合によっては、SCLEは、多くの場合太陽光への曝露後に、上背部及び上胸部に非掻痒性環状乾性発疹として出現する。SCLEは、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、及び補体の第2成分(C2d)の欠乏患者に生じ得る。時には、それは、薬剤誘発性であることもある。
【0014】
CCLE又は円板状エリテマトーデス(DLE)は、慢性、瘢痕性、萎縮発生性、光線過敏性皮膚症である。DLEは、通常、赤色の鱗状のパッチとして出現し、それは、白色の瘢痕を残す。DLEは、主に、頬及び鼻を冒すが、時には、上背部、頚部、手背部、頭皮の頭髪のない領域、及び口唇を巻き込む。DLEは、SLEの患者に起こり得る。
【0015】
本疾患の根底にある機序を理解するため、及び治療のための有望な標的を特定するために多数の研究がなされている(Kuhnらの文献、2006年)。
【0016】
CLE遺伝子発現分析により、免疫系のいくつかの経路の損傷性活性化(lesional activation)が明らかにされ、従って、有望な新たな治療標的が提供された。TLR依存性及びTLR非依存性免疫活性化、NfkB、TBK1、PI3K、MAPK、及びJAK/STAT経路を含む、皮膚エリテマトーデスの病態形成への特定の経路及び標的の関与を示すものが存在する(Klaeschen及びWenzelの文献、2016年)。
【0017】
CLEの治療において、皮膚科医は、患者教育並びに局所及び全身療法の組合せを通じて病変の形成及び進行を予防すること、及び皮膚外観を改善することを目指す。現在は、CLE病変の治療は、ステロイド及び/又はカルシニューリン阻害剤を含む局所療法で開始される。広汎性又は瘢痕性の疾患が存在する場合又は局所治療に対し抵抗性である場合に、全身療法が適応となる。全身治療が処方される場合、局所剤は、通常、補助療法として継続される。現在のところ、CLEの治療に特別に承認された薬物療法は存在しない。CLEのさまざまなサブタイプの治療に使用される薬物は、サリドマイドを除き、一般に、SLEの治療にも使用される。
【0018】
しかしながら、これらの薬物は、ある皮膚ループスを治療するのに常に有効であるわけではなく、かつ/又はCLEの全身症状のみを治療し、かつ/又はこれらが長期間連続的に使用される場合には、重篤な副作用を有し得る。
【0019】
ループス腎炎(LN)は、全身性エリテマトーデス(SLE)によって引き起こされる腎臓の炎症である。ループス腎炎は、2003年に国際腎臓病学会(the International Society of Nephrology)(ISN)及び腎病理学会(Renal Pathology Society)(RPS)によって改訂された分類によれば、いくつかのクラス(クラスI〜VI)にステージ分類される(Lewisらの文献、2010年)。
【0020】
約60%の全身性エリテマトーデス患者が、腎疾患を発症する(Cameronらの文献、2001年、Cameron JS:全身性エリテマトーデス(Systemic lupus erythematosus):「免疫性腎疾患(Immunologic Renal Diseases)第2版」、Neilson EG、Couser WG編、Philadelphia、Lippincott-Raven、2001年、1057-1104頁に収載)。大部分は、増殖性(クラスII、III、又はIV)ループス腎炎となるが、患者の副集団は、純粋な膜性ループス腎炎(MLN;クラスV)を発症する。クラスIII又はIVループス腎炎と対照的に、MLNは、ループスの他の臨床的又は血清学的症状を伴わずに存在し得る。MLNは、びまん性膜肥厚及び電子顕微鏡下で可視の上皮下沈着物を伴う、糸球体毛細血管壁(分節性又は全節性)のびまん性肥厚を特徴とする。臨床的には、MLNは、ネフローゼ症候群の兆候と共に存在する。
【0021】
腎臓病理は、ループス腎炎における疾患経過を高度に予測するものであるが、それは、その侵襲性の性質及び関連する病的状態のために連続的に行うことはできない。ある研究(Singhらの文献、2012年)では、ループス腎炎の患者においてCXCリガンド16(CXCL16)、単球走化性タンパク質-1(MCP-1)、及び血管細胞接着分子-1(VCAM-1)の上昇した尿中レベルが見られた。
【0022】
膜性ループス腎炎は、内皮上の接着分子の活性化によって炎症反応を誘導して、炎症促進性白血球の動員をもたらすことができる免疫複合体沈着物の形成を特徴とする。免疫細胞は、腎傷害を拡大させる炎症性メディエーターとして中心的役割を果たすサイトカインを産生する。SLE患者の血清中で、IL-6、IL-17、IL-12、IFNγ、IL-18、IL-10、及びTNF-アルファの濃度は、健康人よりも高く、この増加は、疾患活性と相関している。尿中サイトカインレベル(IL-6、IL-10、IFNγ、及びTGFβ)と疾患活性との間で、よく確立され、可能性のある相関が存在する(Giganteらの文献、2011年)。
【0023】
ループス腎炎における炎症性サイトカイン活性化については具体的にはほとんど知られていないが、ある最近の研究(Wangらの文献、2010年)では、ループス腎炎におけるサイトカインの役割、及びその経路が、サイトカインのシグナル伝達の媒介に重要であるJAK/STAT(ヤヌスキナーゼ―シグナル伝達兼転写因子活性化因子)の役割を評価することが試みられた。MRL/lprマウスのJAK2阻害剤チルホスチンAG490治療は、単球走化性タンパク質(MCP)-1、インターフェロン(IFN)-γ、及びクラスII MHCの腎発現を顕著に阻害し、これは、T細胞及びマクロファージの減少した腎浸潤を伴った。このことは、JAK/STAT経路が、MRL/lprマウスにおける腎臓の炎症の進行に関係があることを暗示しており、本経路を標的とすることは、ループス腎炎の有望な治療手法を提供し得る。
【0024】
ループス腎炎に決定的な治療(treatment)又は治癒(cure)は存在しない。通常使用される療法は、腎機能、尿沈渣、及び蛋白尿症を正常化するか、再発の頻度を減少させるか、又は軽度、中程度、及び重度腎障害から透析や腎移植を必要とする末期腎疾患(ESRD)までの腎機能の進行性喪失を予防する。療法は、病理組織学的知見及び臨床像によって変化する。
【0025】
LNの治療は、たいてい、免疫抑制剤を含み、特発性膜性腎症及び増殖性ループス腎炎の双方に有効であると判明したスケジュールは、多くの場合、アルキル化剤及びカルシニューリン阻害剤を含む。しかしながら、薬剤及びレジメンが多様であるため、及び大部分の臨床試験を構成する比較的少ないMLN患者のために、最も有効な膜性疾患の治療についての意見の一致は得られていない(Kolasinskiらの文献、2002年)。
【0026】
ループス腎炎の試験的療法のいくつかとして、抗CD20モノクローナル抗体、IFNα、IL1、IL6、及びTNFαに対するか又はIL10-Fcタンパク質を用いる抗サイトカイン療法が挙げられる。
【0027】
サルコイド疾患又はベニエー−ベック(Besnier-Boeck)疾患とも呼ばれるサルコイドーシスは、種々の器官(例えば、肺、皮膚、心臓、眼、肝臓、神経系、腎臓)を冒す可能性がある多系統炎症性疾患(multisystem inflammatory disease)である。サルコイドーシスの病因は、依然として未知である。それは、感受性がある個体における環境的又は感染性作用剤への曝露後の、免疫応答の変化に関連付けられてきた。
【0028】
サルコイドーシスは、身体の種々の部分における炎症細胞(肉芽腫)の極めて小さな集合体の増殖を特徴とする疾患である。そのような肉芽腫は、関与する器官における不均衡なTh1肉芽腫性免疫応答によって引き起こされる(Iannuzziらの文献、2007年)。肉芽腫は、肺、リンパ節、眼、及び皮膚によくみられる。Th1リンパ球は、主に、インターロイキン2及びインターフェロンガンマを分泌し、マクロファージ腫瘍壊死因子(TNF)アルファ産生を増強し、かつ局所的細胞免疫応答を増幅する。感染性及び非感染性双方の種々の外来性物質が、不均衡な免疫応答の引き金を引くと提案されている(Baughmanらの文献、2003年)。
【0029】
サルコイドーシスは、急性又は慢性であり得る。サルコイドーシスの具体的なサブタイプとしては、心サルコイドーシス、皮膚サルコイドーシス、肝サルコイドーシス、口腔サルコイドーシス、肺サルコイドーシス、神経サルコイドーシス、副鼻腔サルコイドーシス、レフグレン症候群、及び慢性皮膚サルコイドーシスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
Rosenbaumらは、主要転写因子STAT1のRNAが、健康な対照と比べて、サルコイドーシス患者の末梢血中で上方制御されることを示した(Rosenbaumらの文献、2009年)。加えて、STAT1によって直接的制御される18個の遺伝子のうちの13個のmRNAは、サルコイドーシス患者の血液中で、統計学的に有意に増加する。STATは、Janusタンパク質チロシンキナーゼ(JAK)によって活性化される。多くの受容体を介するシグナル伝達は、JAK-STAT活性化に依存的であるが、インターフェロンは、特に、本経路に依存的である。該研究はまた、サルコイドーシス患者において、CXCL9、STAT1、及びPim-1が上方制御されていたことも示した。
【0031】
現在のところ、サルコイドーシスを治癒させる方法はない。ペニシリン系抗生物質、セファロスポリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質、リンコマイシン系抗生物質、及びテトラサイクリン系抗生物質などの抗生物質が、サルコイドーシスの治療のためによく使用されている(WO2005/002623(「サルコイドーシスの療法及びそれを治療する方法(Remedy for Sarcoidosis and Method of Treating the Same)2006年を参照されたい)。
【0032】
コルチコステロイド薬は、サルコイドーシスに伴う炎症及び肉芽腫形成の一次治療であり続けている(Rizzatoらの文献、1997年)。しかしながら、コルチコステロイドの使用には、いくつかの欠点がある。例えば、ある患者は、ステロイド療法に反応しない。加えて、コルチコステロイドは、いくつかの重篤な副作用を有し、それらの使用は、通常、進行性又は重篤な状態に限られる。
【0033】
従って、サルコイドーシスを治療する新たな方法の必要性が存在する。本発明は、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物を提供する。
【0034】
側頭動脈炎又は頭部動脈炎又はホートン病(Horton disease)としても知られる巨細胞動脈炎(GCA)は、主に頭部の大動脈及び中動脈、より特定的には外頸動脈の支流が関与する血管の炎症性疾患である、原発性全身性血管炎のうちの最も好発する形態である(Ponteらの文献、2015年;Rutgersらの文献、2016年)。
【0035】
GCAの発生率は、1年につき100,000人に15〜25人の範囲であると報告されている(Ponteらの文献、2015年)。GCAの初期症状としては、全身症状、頭痛、視力低下、リウマチ性多発筋痛(PMR)、及び顎跛行が挙げられ、GCAに冒される人々のうちの最高で20%で失明に繋がり得る。グルココルチコイドは、GCAにおける医学療法の礎石であるが、患者の80%超で著しい毒性に繋がる。例えば、GCAにおける長期的グルココルチコイド使用に関連する多数の主要な有害事象(major adverse advent):後嚢下白内障(41%)、骨折(38%)、感染症(31%)、高血圧症(22%)、糖尿病(9%)、及び消化管出血(4%)が報告されている(Provenらの文献、2003年)。
【0036】
疾患進行のモニタリングは、臨床的特徴を評価すること及び炎症マーカー(C反応性タンパク質及び赤血球沈降速度)を測定することにいまだに頼っている(Ponteらの文献、2015年)。
【0037】
最近、グルココルチコイド抵抗性のGCAの患者が、IL-1β、TNF-α、及びIL-6などの炎症促進性サイトカインのより高い発現を有することが観察されている。さらに、インターロイキン1受容体アンタゴニスト(IL-1ra)遺伝子を欠くマウスが、大型血管炎を発症し、IL-1阻害が、GCAの患者における治療の選択肢となり得ることを示唆している(Shepherd及びNicklinの文献、2005年)。
【0038】
モノクローナルIL-6ブロッカーの評価が行われている最中であるが、明らかに利用可能な治療薬剤は、不足している。
【0039】
RAとの戦いにおいて、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤が、開発されている。JAKは、膜受容体からSTAT転写因子へのサイトカインシグナル伝達を行う細胞質チロシンキナーゼである。JAK1、JAK2、JAK3、及びTYK2の4つのJAKファミリーのメンバーが記述されている。サイトカインがその受容体に結合すると、JAKファミリーのメンバーは、自己リン酸化及び/又は互いにトランスリン酸化し、それに、STATのリン酸化が続き、その後、核へと移動して、転写を調節する。JAK-STAT細胞内シグナル伝達は、インターフェロン、大部分のインターロイキン、並びに種々のサイトカイン及び内分泌因子、例えば、EPO、TPO、GH、OSM、LIF、CNTF、GM-CSF、及びPRLに役立つ(Vainchenkerらの文献、2008年)。
【0040】
遺伝的モデル及び小分子JAK阻害剤研究の組合せが、いくつかのJAKの阻害の治療的な可能性を明らかにした。
【0041】
JAK1は、免疫炎症性疾患分野の標的である。JAK1は、別のJAKとヘテロ二量体化して、サイトカイン駆動炎症促進性シグナル伝達を行う。従って、JAK1の阻害は、JAK1シグナル伝達を用いる病態関連サイトカイン、例えば、IL-6、IL-4、IL-9、IL-15、IL-21、又はIFNγの免疫炎症性疾患、及びJAK介在性シグナル伝達に駆動される別の疾患の興味の対象である。式Iによる化合物シクロプロパンカルボン酸{5-[4-(1,1-ジオキソ-チオモルホリン-4-イルメチル)-フェニル]-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2イル}-アミド(化合物1)が、WO2010/149769(Menet及びSmitsの文献、2010年)に開示されており、それは、以下に示す化学構造を有する:
【化1】
。
【0042】
化合物1は、JAK阻害剤、より特定的にはJAK1阻害剤であり、炎症性状態、自己免疫疾患、増殖性疾患、アレルギー、移植拒絶、軟骨代謝回転の障害を伴う疾患、先天性軟骨形成異常、及び/又はIL6又はインターフェロンの過剰分泌に関連する疾患の治療に有用である。
【0043】
しかしながら、JAK阻害剤は、RA、又はクローン病を含む炎症性腸障害(IBD)の治療に有用かつ有効な分子である一方で、これら全てが選択性、特にJAK2に対する選択性を欠くことに起因し得るものである貧血、血小板減少症及び好中球減少症、高コレステロール血症、クレアチニン増加を含む、これらの化合物の使用の障害が報告されている(O’Sheaらの文献、2013年;O’Shea及びPlengeの文献、2012年)。対照的に、選択的JAK阻害、特にJAK1は、安全かつ有効な治療薬剤をもたらし得る(Yamaokaの文献、2016年)。
【0044】
従って、円形脱毛症の予防及び/又は治療に用い得るとともに、関連副作用が軽く安全である分子が必要とされている。
【0045】
従って、化合物を同定して皮膚ループス及びその別の形態を治療する新たな治療方法を開発する必要がある。
【0046】
故に、より良好なリスク-ベネフィットプロファイルを有する、ループス腎炎の治療のための代替療法も必要とされる。
【0047】
従って、関連副作用が軽く安全である巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療のための分子が必要とされている。従って、サルコイドーシスを治療する新しい方法に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0048】
(発明の概要)
本発明は、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物、例えば、式Iによる化合物(化合物1)を提供する。特に、本発明の化合物は、JAKの、より特定的にはJAK1の阻害剤として作用し得る。
【0049】
さらに、本発明は、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、例えば、式Iによる化合物(化合物1)を含む医薬組成物を提供する。
【0050】
本発明はまた、これらの本発明の医薬組成物の製造のための方法、及び本発明の医薬組成物を投与することによる円形脱毛症の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0051】
本発明は、白斑の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、例えば、式Iによる化合物(化合物1)を提供する。特に、本発明の化合物は、JAKの、より特定的にはJAK1の阻害剤として作用し得る。
【0052】
さらに、本発明は、白斑の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、例えば、式Iによる化合物(化合物1)を含む医薬組成物を提供する。
【0053】
本発明はまた、これらの本発明の医薬組成物の製造のための方法、及び本発明の医薬組成物を投与することによる白斑の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0054】
本発明は、皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、例えば、式Iによる化合物(化合物1)を提供する。特に、本発明の化合物は、JAKの、より特定的にはJAK1の阻害剤として作用し得る。
【0055】
さらに、本発明は、皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、例えば、式Iによる化合物(化合物1)を含む医薬組成物を提供する。
【0056】
本発明はまた、これらの本発明の医薬組成物の製造のための方法、及び本発明の医薬組成物を投与することによる、皮膚ループスの予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0057】
本発明は、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、例えば、式Iによる化合物(化合物1)を提供する。特に、本発明の化合物は、JAKの、より特定的にはJAK1の阻害剤として作用し得る。
【0058】
さらに、本発明は、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、例えば、式Iによる化合物(化合物1)を含む医薬組成物を提供する。
【0059】
本発明はまた、これらの本発明の医薬組成物の製造のための方法、及び本発明の医薬組成物を投与することによる、ループス腎炎の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0060】
本発明は、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、例えば、式Iによる化合物(化合物1)を提供する。特に、本発明の化合物は、JAKの、より特定的にはJAK1の阻害剤として作用し得る。
【0061】
さらに、本発明は、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、例えば、式Iによる化合物(化合物1)を含む医薬組成物を提供する。
【0062】
本発明はまた、これらの本発明の医薬組成物の製造のための方法、及び本発明の医薬組成物を投与することによる、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0063】
JAK1選択的阻害剤である式Iによる化合物は、関節リウマチ、及び炎症性腸疾患、特に、クローン病の予防及び/又は治療のための第II相において著しいエフィカシーを示しており、そこで、該化合物は、特に、貧血、リンパ球、好中球、ヘモグロビンに関する顕著な安全性プロファイルを実証しており(WO2016/165953(Wigerinckらの文献、2016年))、また、患者における脂質プロファイル著しい改善を示している(WO2016/165952(Wigerinck and Van’t Kloosterの文献、2016年))。
【0064】
本発明の化合物は、円形脱毛症の予防及び/又は治療に有用であり得、従って、本発明は、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物を提供する。
【0065】
本発明の化合物は、白斑の予防及び/又は治療に有用であり得、従って、本発明は、白斑の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物を提供する。
【0066】
本発明の化合物は、皮膚ループスの予防及び/又は治療に有用であり得、従って、本発明は、皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物を提供する。
【0067】
本発明の化合物は、皮膚ループスの予防及び/又は治療に有用であり得、従って、本発明は、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物を提供する。
【0068】
本発明の化合物は、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療に有用であり得、従って、本発明は、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物を提供する。
【0069】
本発明の化合物は、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療に有用であり得、従って、本発明は、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物を提供する。
【0070】
従って、本発明の第1の態様において、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための、式(I):
【化2】
による本発明の化合物が提供される。
【0071】
本発明はまた、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、及び適当な医薬担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0072】
さらなる特定の態様において、医薬組成物はさらに、本発明の化合物と組み合わせての使用に適したさらなる治療活性成分を含み得る。さらに特定の態様において、該さらなる治療活性成分は、円形脱毛症の治療のための薬剤である。
【0073】
本発明の一態様において、本発明は、それを必要としている哺乳動物、特に、ヒトにおける、円形脱毛症の予防及び/又は治療のための方法であって、有効量の本明細書に記載される本発明の医薬組成物又は化合物を投与することを含む、前記方法を提供する。
【0074】
一態様において、本発明は、円形脱毛症に苦しむ哺乳動物、特に、ヒトにおける、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物を提供する。特定の実施態様において、円形脱毛症の存在は、SALTスコアを用いて決定される。具体的な実施態様において、円形脱毛症の存在は、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、又は100%のSALTスコアによって規定される。
【0075】
本発明はまた、本発明の化合物、及び医薬における使用に適した医薬担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。特定の態様において、医薬組成物は、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のためのものである。
【0076】
従って、本発明第2の態様において、白斑の予防及び/又は治療における使用のための式(I)による本発明の化合物が提供される。
【0077】
本発明はまた、白斑の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、及び適当な医薬担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0078】
さらなる特定の態様において、医薬組成物はさらに、本発明の化合物と組み合わせての使用に適したさらなる治療活性成分を含み得る。さらに特定の態様において、該さらなる治療活性成分は、白斑の治療のための薬剤である。
【0079】
さらに、本明細書において開示される医薬組成物及び治療方法に有用な本発明の化合物は、調製時及び使用時に医薬として許容し得るものである。
【0080】
本発明の一態様において、本発明は、それを必要としている哺乳動物、特に、ヒトにおける、白斑の予防及び/又は治療のための方法であって、有効量の本明細書に記載される本発明の医薬組成物又は化合物を投与することを含む、前記方法を提供する。
【0081】
一態様において、本発明は、哺乳動物、特に、ヒトにおける白斑の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物を提供する。特定の実施態様において、白斑の存在は、VASIスコアを用いて決定される。具体的な実施態様において、白斑の存在は、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、又は100%のVASIスコアによって規定される。
【0082】
本発明はまた、医薬における使用のための、本発明の化合物、及び適当な医薬担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。特定の態様において、医薬組成物は、白斑の予防及び/又は治療における使用のためのものである。
【0083】
従って、本発明の第3の態様において、皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のための、式(I)による本発明の化合物が提供される。
【0084】
本発明はまた、皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、及び適当な医薬担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0085】
さらなる特定の態様において、医薬組成物は、本発明の化合物と組み合わせての使用に適したさらなる治療活性成分をさらに含み得る。さらに特定の態様において、該さらなる治療活性成分は、皮膚ループスの治療のための薬剤である。
【0086】
本発明の一態様において、本発明は、それを必要としている哺乳動物、特に、ヒトにおける、皮膚ループスの予防及び/又は治療のための方法であって、有効量の本明細書に記載される本発明の医薬組成物又は化合物を投与することを含む、前記方法を提供する。
【0087】
一態様において、本発明は、哺乳動物、特に、ヒトにおける皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物を提供する。より特定の実施態様において、皮膚ループスの重症度は、皮膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度インデックス(CLASI)を用いて決定される。特定の実施態様において、重篤なCLは、少なくとも21のCLASIスコアによって決定される。
【0088】
本発明はまた、医薬における使用のための、本発明の化合物、及び適当な医薬担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。特定の態様において、医薬組成物は、皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のためのものである。
【0089】
従って、本発明の第1の態様において、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための、式(I)を有する本発明の化合物が提供される。
【0090】
本発明はまた、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、及び適当な医薬担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0091】
さらなる特定の態様において、医薬組成物は、本発明の化合物と組み合わせての使用に適したさらなる治療活性成分をさらに含み得る。さらに特定の態様において、該さらなる治療活性成分は、ループス腎炎の治療のための薬剤である。
【0092】
本発明の一態様において、本発明は、それを必要としている哺乳動物、特に、ヒトにおける、ループス腎炎の予防及び/又は治療のための方法であって、有効量の本明細書に記載される本発明の医薬組成物又は化合物を投与することを含む、前記方法を提供する。
【0093】
一態様において、本発明は、ループス腎炎に苦しむ哺乳動物、特に、ヒトにおける、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物を提供する。より特定の実施態様において、治療の効果は、24時間尿蛋白レベルによって、蛋白尿症の減少によって測定される。
【0094】
本発明はまた、本発明の化合物、及び医薬における使用に適した医薬担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。特定の態様において、医薬組成物は、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のためのものである。
【0095】
従って、本発明の第1の態様において、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための、式(I)を有する本発明の化合物が提供される。
【0096】
本発明はまた、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、及び適当な医薬担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0097】
さらなる特定の態様において、医薬組成物は、本発明の化合物と組み合わせての使用に適したさらなる治療活性成分をさらに含み得る。さらに特定の態様において、該さらなる治療活性成分は、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の治療のための薬剤である。
【0098】
本発明の一態様において、本発明は、それを必要としている哺乳動物、例えば、特にヒトにおける、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療のための方法であって、有効量の本明細書に記載される本発明の医薬組成物又は化合物を投与することを含む、前記方法を提供する。
【0099】
一態様において、本発明は、サルコイドーシスに苦しむ哺乳動物における、特に、ヒトにおける、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物であって、該化合物の投与が、前記サルコイドーシスの1つ以上の症状の検出可能な改善をもたらす、前記化合物を提供する。一態様において、前記症状は、肉芽腫の形成、疲労、体重減少、発熱、痛み(ache)、疼痛(pain)、関節炎、ドライアイ、膝の腫脹、霧視、息切れ、咳、及び皮膚病変のうちの1つ以上である。
【0100】
本発明はまた、本発明の化合物、及び医薬における使用に適した医薬担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。特定の態様において、医薬組成物は、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のためのものである。
【0101】
追加の態様において、本発明は、本明細書において後に開示される代表的な合成プロトコール及び経路を用いて、本発明の化合物を合成するための方法を提供する。
【0102】
本発明はまた、これらの本発明の医薬組成物の製造のための方法、及び本発明の医薬組成物を投与することによる、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0103】
従って、本発明の第1の態様において、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための、式(I)を有する本発明の化合物が提供される。
【0104】
本発明はまた、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、及び適当な医薬担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0105】
さらなる特定の態様において、医薬組成物は、本発明の化合物と組み合わせての使用に適したさらなる治療活性成分をさらに含み得る。さらに特定の態様において、該さらなる治療活性成分は、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の治療のための薬剤である。
【0106】
本発明の一態様において、本発明は、それを必要としている哺乳動物、例えば、特にヒトにおける、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療のための方法であって、有効量の本明細書に記載される本発明の医薬組成物又は化合物を投与することを含む、前記方法を提供する。
【0107】
一態様において、本発明は、サルコイドーシスに苦しむ哺乳動物における、特に、ヒトにおける、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物であって、該化合物の投与が、前記サルコイドーシスの1つ以上の症状の検出可能な改善をもたらす、前記化合物を提供する。一態様において、前記症状は、肉芽腫の形成、疲労、体重減少、発熱、痛み、疼痛、関節炎、ドライアイ、膝の腫脹、霧視、息切れ、咳、及び皮膚病変のうちの1つ以上である。
【0108】
本発明はまた、本発明の化合物、及び医薬における使用に適した医薬担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。特定の態様において、医薬組成物は、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のためのものである。
【0109】
追加の態様において、本発明は、本明細書において後に開示される代表的な合成プロトコール及び経路を用いて、本発明の化合物を合成するための方法を提供する。
【0110】
本発明は、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、例えば、式Iによる化合物(化合物1)を提供する。特に、本発明の化合物は、JAKの、より特定的にはJAK1の阻害剤として作用し得る。
【0111】
さらに、本発明は、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、例えば、式Iによる化合物(化合物1)を含む医薬組成物を提供する。
【0112】
本発明はまた、これらの本発明の医薬組成物の製造のための方法、及び本発明の医薬組成物を投与することによる、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0113】
従って、本発明の別の態様において、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療における使用のための、式(I)による本発明の化合物が提供される。
【0114】
本発明はまた、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、及び適当な医薬担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
【0115】
さらなる特定の態様において、本発明の化合物を含む医薬組成物はさらに、本発明の化合物と組み合わせての使用に適したさらなる治療活性成分を含み得る。さらに特定の態様において、該さらなる治療活性成分は、巨細胞動脈炎の治療のための薬剤である。
【0116】
本発明の一態様において、本発明は、それを必要としている哺乳動物、特に、ヒトにおける、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療のための方法であって、有効量の本明細書に記載される本発明の医薬組成物又は化合物を投与することを含む、前記方法を提供する。
【0117】
一態様において、本発明は、巨細胞動脈炎に苦しむ哺乳動物、特に、ヒトにおける、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物を提供する。
【0118】
本発明はまた、本発明の化合物、及び医薬における使用に適した医薬担体、賦形剤、又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。特定の態様において、医薬組成物は、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療における使用のためのものである。
【0119】
他の目的及び利点が、次の詳細な説明の考慮から当業者には明らかとなろう。
【0120】
さらに、本明細書において開示される医薬組成物及び治療方法に有用な本発明の化合物は、調製時及び使用時に医薬として許容し得るものである。
【0121】
本発明の化合物が、代謝されて生理活性代謝産物を生じ得ることが認識されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0122】
(発明の詳細な説明)
(定義)
以下の用語は、それらとともに以下に提示される意味を有することが意図されており、本発明の説明及び意図される範囲を理解する際に有用である。
【0123】
化合物、そのような化合物を含有する医薬組成物、並びにそのような化合物及び組成物を使用する方法を含み得る本発明を説明する場合、以下の用語は、存在するならば、別途示されない限り、以下の意味を有する。
【0124】
「a」及び「an」という冠詞は、本明細書において、該冠詞の1つ又は複数の(すなわち、少なくとも1つの)文法上の対象を指すために使用され得る。例として、「類似体(an analogue)」は、1つの類似体又は複数の類似体を意味する。
【0125】
「医薬として許容し得る」とは、動物、より特定的には、ヒトでの使用について、連邦政府もしくは州政府の規制当局又は米国以外の国の対応する規制当局により承認されている又は承認され得ること、或いは米国薬局方又は他の一般に認められた薬局方に記載されていることを意味する。
【0126】
「医薬として許容し得る塩」は、医薬として許容し得るものであって、親化合物の所望の薬理活性を有する、本発明の化合物の塩を指す。特に、そのような塩は無毒であり、無機又は有機の酸付加塩及び塩基付加塩であり得る。具体的には、そのような塩には、(1)無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などとともに形成される酸付加塩;又は有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第3級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などとともに形成される酸付加塩;或いは(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンにより置換されているか;又は有機塩基、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミンなどと配位するときに形成される塩が含まれる。塩には、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど;及び化合物が塩基性官能基を含有する場合、無毒な有機酸又は無機酸の塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などがさらに含まれる。「医薬として許容し得るカチオン」という用語は、酸性官能基の許容し得るカチオン性対イオンを指す。そのようなカチオンは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムカチオンなどにより例示される。
【0127】
「医薬として許容し得るビヒクル」は、それとともに本発明の化合物が投与される希釈剤、補助剤、賦形剤、又は担体を指す。
【0128】
「溶媒和物」は、溶媒と、通常、加溶媒分解反応によって会合している化合物の形態を指す。この物理的会合には、水素結合が含まれる。従来の溶媒としては、水、EtOH、酢酸などが挙げられる。本発明の化合物は、例えば、結晶形態で調製することができ、溶媒和されたものであっても、水和されたものであってもよい。好適な溶媒和物には、医薬として許容し得る溶媒和物、例えば、水和物が含まれ、さらに、化学量論的溶媒和物と非化学量論的溶媒和物の両方が含まれる。ある例において、溶媒和物は、例えば、1以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子中に組み込まれている場合、分離することができる。「溶媒和物」は、溶液相と分離可能溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物としては、水和物、エタノール和物、及びメタノール和物が挙げられる。
【0129】
「対象」には、ヒト及び非ヒト動物が含まれる。「患者」、及び「対象」という用語は、本明細書において互換的に使用される。
【0130】
「有効量」は、疾患の治療のために対象に投与されたとき、そのような疾患の治療をもたらすのに十分である、本発明の化合物の量を意味する。「有効量」は、化合物、疾患及びその重症度、並びに治療されることになる対象の年齢、体重などによって異なり得る。
【0131】
「予防する」又は「予防」は、疾患又は障害を獲得又は発症するリスクの軽減(すなわち、疾患の発症前に、疾患を引き起こす原因物質に暴露され得るか、又は疾患に罹る素因を有し得る対象において、疾患の臨床症状の少なくとも1つを発症させないこと)を指す。
【0132】
「予防(prophylaxis)」という用語は、「予防(prevention)」に関連し、その目的が、疾患を治療し又は治癒させることではなく、疾患を予防することである対策又は処置を指す。予防対策の非限定的な例としては、ワクチンの投与;例えば、動けないことが原因で血栓症のリスクがある入院患者への低分子量ヘパリンの投与;マラリアが風土病であるか、又はマラリアに罹るリスクが高い地理的地域への訪問に先立つ抗マラリア剤、例えば、クロロキンの投与を挙げることができる。
【0133】
任意の疾患もしくは障害を「治療する」又は任意の疾患もしくは障害の「治療」は、一実施態様において、該疾患又は障害を改善すること(すなわち、疾患を止めること、又はその臨床症状のうちの少なくとも1つの発現、範囲、もしくは重症度を低下させること)を指す。別の実施態様において、「治療する」又は「治療」は、対象によって認識されない可能性がある、少なくとも1つの物理的パラメーターを改善することを指す。さらに別の実施態様において、「治療する」又は「治療」は、疾患又は障害を、物理的に調節すること(例えば、認識可能な症状の安定化)、生理的に調節すること(例えば、物理的パラメーターの安定化)のいずれか、又はその両方を指す。さらなる実施態様において、「治療する」又は「治療」は、疾患の進行を遅らせることに関する。
【0134】
本明細書で使用される、慢性状態における「慢性」という用語は、持続性かつ/又はそれが生じさせる作用が長期間続く状態又は疾患を指す。特に、該用語は、4週間超、又は少なくとも8週間、又は少なくとも12週間、又は少なくとも16週間、又は少なくとも20週間、又は少なくとも24週間の期間にわたって持続する状態又は疾患を指す。
【0135】
本明細書で使用される、「CRP」という用語は、血清中のC反応性タンパク質を指し、炎症のマーカーである。特に、CRPのガイドラインは、広く利用可能であり、<0.5mg/dLの正常値が推奨される(メルクマニュアル(The Merck Manual of Diagnosis and Therapy)、2011年)。
【0136】
本明細書で使用される、「ESR」という用語は、血液中の赤血球沈降速度を指し、炎症のマーカーである。特に、ESRのガイドラインは、広く利用可能であり、女性で0〜20mm/h及び0〜15mm/hの正常値が推奨される(メルクマニュアル(The Merck Manual of Diagnosis and Therapy)、2011年)。
【0137】
「本発明の化合物」及び等価な表現は、本明細書に記載される式の化合物を包含することを意味し、この表現には、文脈上許容される場合、医薬として許容され得る塩、及び溶媒和物、例えば、水和物、並びに医薬として許容され得る塩の溶媒和物が含まれる。同様に、中間体への言及は、文脈上許容される場合、それら自体が特許請求されているかどうかに関わらず、それらの塩及び溶媒和物を包含することを意味する。
【0138】
本明細書で使用される、「JAK」という用語は、JAK-STAT経路を介してサイトカイン媒介シグナルを伝達するチロシンキナーゼのファミリーであるヤヌスキナーゼを指す。特に、JAKファミリーは、4つのメンバーヤヌスキナーゼ1(JAK1)、ヤヌスキナーゼ2(JAK2)、ヤヌスキナーゼ3(JAK3)、及びチロシンキナーゼ2(TYK2)を含む。
【0139】
本明細書で使用される、「SALTスコア」又は「重症度脱毛症ツール(Severity Alopecia Tool)」という用語は、(Olsenらの文献、2004年)に記載されるように、疾患の重症度を決定するのに用いられる臨床スコアリングを指す。該スコアは、6つのレベル、すなわちS
0(脱毛なし)、S
1(<25%脱毛)、S
2(25〜49%脱毛)、S
3(50〜74%脱毛)、S
4(75〜99%脱毛)、及びS
5(100%脱毛)に分割される。SALTを決定するために、個体の頭皮は、4つのエリア:左側(全頭表面の18%)、右側(全頭表面の18%)、頂部(全頭表面の40%)、及び後部(全頭表面の24%)に分割される。SALTスコアのベースラインからの変化は、密度及び程度を、スコアリングシステムに組み込む(例えば:SALT75-SALT50=SALT25)。SALTスコアに基づく2つの時点t1及びt2の間のパーセント頭皮毛髪再成長が、以下のように決定される(SALTt2-SALTt1)/SALTt2=t1t2%。再成長又はSALT
t1t2(式中、下付き文字は、SALTスコアのパーセント変化に等しい)。例えば(SALT75-SALT50)/SALT75=33%。結果として得られる再成長改善は、SALT
33である。
【0140】
その後、全体評価が、SALTスコアリングシステムによる再成長の程度及び密度を考慮して、総合的な改善に対してなされ、ここで、A
0=変化せず又はさらなる減少、A
1=1〜24%の再成長、A
2=25〜49%の再成長、A
3=50〜74%の再成長、A
4=75〜99%の再成長、及びA
5=100%の再成長である。
【0141】
本明細書で使用される場合、「同位体変種」という用語は、そのような化合物を構成する原子のうちの1つ又は複数において非天然の比率の同位体を含有する化合物を指す。例えば、化合物の「同位体変種」は、例えば、重水素(
2H又はD)、炭素-13(
13C)、ニトロ(
15N)などの1以上の非放射性同位体を含有し得る。そのような同位体置換が行われる化合物において、以下の原子は、存在する場合、例えば、任意の水素が
2H/Dとなり得、任意の炭素が
13Cとなり得、又は任意の窒素が
15Nとなり得るように、様々に異なり得るということ、並びにそのような原子の存在及び配置は当業者の技量の範囲内で決定され得ることが理解されるであろう。同様に、本発明は、例えば、得られる化合物を薬物及び/又は基質の組織分布試験に使用され得る場合には、放射性同位体を用いた同位体変種の調製を含み得る。放射性同位体トリチウム、すなわち、
3H、及び炭素-14、すなわち、
14Cは、それらの取込みが容易であり、かつ検出手段が整っていることを考慮すると、本目的に特に有用である。さらに、
11C、
18F、
15O、及び
13Nなどの陽電子放出同位体で置換されており、かつ陽電子放出断層撮影(PET)試験において基質受容体占有率を調べるのに有用である化合物を調製することができる。
【0142】
本明細書で使用される、「VASIスコア」又は「白斑エリアスコアリングインデックス(Vitiligo Area Scoring Index)」という用語は、(Hamzavi Iらの文献、2004年)に記載されているように、疾患の重症度を決定するのに用いられる臨床スコアリングを指す。本スコアは、パラメトリックに白斑を評価するのに用いられ、VASIスコアが低いほど、白斑の重症度も低い。身体を、5つの分離した相互に排他的な領域:手、上肢(手を除く)、体幹、下肢(足を除く)、及び足に分割する。腋窩及び鼠径部領域は、それぞれ、上肢及び下肢と共に含まれ、臀部は下肢と共に含まれる。顔及び頚部も評価されるが、総合的な評価には含めない。手掌+全ての指の掌側の表面を含む片手単位は、全身表面積の約1%であり、各身体領域の白斑の関与のベースライン百分率を評価する指針として使用される。各追跡評価で、いかなる斑状の再色素沈着も書き留められ、ベースラインで存在していた各罹患パッチ内の残留色素脱失の程度が、以下の百分率:0、10%、25%、50%、75%、90%、又は100%のうちの1つの最も近いものであると評価される。試験の間に発生した新たな色素脱失パッチもすべて、手単位方法を用いて評価され、VASI計算に含める。各身体領域について、VASIが、手単位での白斑の面積(単位あたり1%に設定)及び手単位で測定される各パッチ内の色素脱失の程度(とり得る値は0、10%、25%、50%、75%、90%、又は100%)の積によって決定される。その後、全身VASIを、全ての身体領域の寄与を考慮することによって、以下の式を用いて計算した(可能な範囲、0〜100):
【数1】
【0143】
本明細書で使用される、「皮膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度インデックス」又は「CLASI」という用語は、(Albrechtらの文献、2005年)に記載されているように、疾患の重症度を決定するのに用いられる臨床スコアリングを指す。本インデックスは、病変形態及び解剖的位置を考慮に入れており、皮膚科医及びリウマチ科医の双方に用いられる。CLASIスコアが低いほど、疾患の重症度も低い。特に、軽度CLは、0〜9のCLASIスコアによって決定され、中度CLは、10〜20のCLASIスコアによって決定され、重篤なCLは、21〜70のCLASIスコアによって決定される。
【0144】
本明細書で使用される、「皮膚ループス」(CL)又は「皮膚エリテマトーデス」(CLE)という用語は、互換的に使用され、疾病のWHO国際分類(the WHO International Classification of Diseases)(ICD-10)でコードL93として分類される、皮膚及び皮下組織を冒す一群の疾患を指す。本明細書で使用される、「皮膚ループス」という用語には、急性皮膚エリテマトーデス(ACLE)、亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)、及び慢性皮膚エリテマトーデス(CCLE)が含まれ、全身性エリテマトーデス(SLE)は含まれない。
【0145】
本明細書で使用される、「急性皮膚エリテマトーデス」又は「急性皮膚ループス」又は「ACLE」という用語は、互換的に使用され、多くの場合光線過敏性皮膚症として特徴づけられる皮膚ループスの形態を指す。それは、持続性の日焼けに似ているか、又は発疹様の外観を有する赤色の皮膚の平板化された領域として現れ得る。ACLEは、顔の中央部に局在化した蝶のパターンで、かつ/又は他の領域、例えば、腕部、脚部、及び胴体を含む全身性のパターンで発疹し得る。
【0146】
「亜急性皮膚エリテマトーデス」又は「亜急性皮膚ループス」又は「SCLE」という用語は、互換的に使用され、非瘢痕性非萎縮発生性光線過敏性皮膚症を指す。場合によっては、SCLEは、多くの場合、太陽光曝露後の、上背部及び上胸部の非掻痒性環状乾性発疹を特徴とする状態を指す。SCLEは、多くの場合、丘疹鱗屑性の病変及び環状の病変を含む2つの形態を特徴とする。丘疹鱗屑性の病変は、多くの場合、乾癬状様にみえる赤色鱗状のパッチとして出現する。環状の病変は、病変の縁に少量の鱗屑を伴う環状である。これらの病変は、かゆみがなく、多くの場合、胸部並びに上背部及び頚部に出現するが、顔及び腕部にみられることもある。
【0147】
「慢性皮膚エリテマトーデス」又は「慢性皮膚ループス」又は「CCLE」又は「円板状エリテマトーデス(DLE)」という用語は、互換的に使用され、慢性、瘢痕性、萎縮発生性、光線過敏性皮膚症を指す。それは、通常、白色の瘢痕を残す赤色鱗状のパッチとして出現する。DLEは、主に、頬及び鼻を冒すが、時には、上背部、頚部、手背部、頭皮の髪のない領域、及び口唇を巻き込む。いぼ状DLE、深在性ループス、粘膜DLE、手掌足底DLE、及び腫瘍性ループス(lupus tumidus)が、DLEの具体的な形態の一部である。いぼ状DLEは、非常に厚い鱗屑へと発展する可能性のある病変を有するDLEを指す。深在性ループスは、皮膚の下にある脂肪組織において堅い塊と共に生じ得る病変を有するDLEを指す。粘膜DLEは、口、鼻、及び眼の粘膜に時折生じる病変を指す。手掌足底DLEは、手及び足に時折生じる病変を指す。腫瘍性ループスは、そう痒性であることもあり、微細な鱗屑を有することもある、頭頸部の滑らかで、光る、赤紫色のプラークを有するDLEを指す。
【0148】
本明細書で使用される、「ループス腎炎」(LN)という用語は、全身性エリテマトーデス(SLE)によって引き起こされる腎臓の炎症を指す。ループス腎炎には、これらに限定されないが、微小メサンギウム糸球体腎炎、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、巣状糸球体腎炎、びまん性増殖性糸球体腎炎、膜性ループス腎炎、及び進行した硬化性ループス腎炎が含まれる。
【0149】
「微小メサンギウム糸球体腎炎」(クラスI疾患)という用語は、光学顕微鏡下では正常外観であるが、電子顕微鏡下では可視のメサンギウム沈着物を有することによって組織学的に特徴づけられるループス腎炎のサブタイプを指す。
【0150】
「メサンギウム増殖性糸球体腎炎」(クラスII疾患)という用語は、メサンギウム細胞過形成及びマトリックス増殖及び蛋白尿症を伴うか又は伴わない可視の顕微鏡的血尿の可能性を特徴とするループス腎炎のサブタイプを指す。
【0151】
「巣状糸球体腎炎」(クラスIII疾患)という用語は、管内性又は管外性の増殖性病変を伴う、分節性又は全節性であり得、かつ活性又は慢性であり得る、糸球体の50%未満が関与する硬化性病変を特徴とするループス腎炎のサブタイプを指す。
【0152】
「びまん性増殖性糸球体腎炎」(クラスIV疾患)という用語は、糸球体の50%超の関与を特徴とするループス腎炎のサブタイプを指す。病変は、管内性又は管外性の増殖性病変を伴い、分節性又は全節性であり得、かつ活性又は慢性であり得る。電子顕微鏡法では、内皮下沈着物を認めることができ、かついくらかのメサンギウム変化が存在し得る。
【0153】
「膜性糸球体腎炎」又は「膜性ループス腎炎」(クラスV疾患)という用語は、びまん性膜肥厚を伴う、糸球体毛細血管壁(分節性又は全節性のもの)のびまん性肥厚、及び電子顕微鏡下でみられる上皮下沈着物を特徴とするループス腎炎のサブタイプを指す。臨床的には、膜性ループス腎炎は、ネフローゼ症候群の兆候と共に現れる。顕微鏡的血尿及び高血圧症も、見られることがある。膜性ループス腎炎も、血栓性の合併症、例えば、腎静脈血栓症又は肺塞栓症に繋がることがある。
【0154】
「進行した硬化性ループス腎炎」(クラスVI疾患)という用語は、糸球体の90%超が関与する全節性硬化を特徴とし、かつ以前の炎症性損傷の治癒を示すループス腎炎のサブタイプを指す。
【0155】
本明細書で使用される、「サルコイドーシス」という用語は、全身性サルコイドーシス、皮膚サルコイドーシス、レフグレン症候群、神経サルコイドーシス、肺サルコイドーシス、心サルコイドーシス、眼サルコイドーシス、肝サルコイドーシス、筋骨格サルコイドーシス、腎サルコイドーシス、又は他の器官又は組織の関与を伴うサルコイドーシスを含む一群の状態を指す。
【0156】
「サルコイドーシス関連状態」という用語は、その他の点でサルコイドーシスに関連し、かつ/又はそれによって引き起こされる疾患、状態、及び障害を指す。
【0157】
「全身性サルコイドーシス」という用語は、多発性臓器病変を伴うサルコイドーシスを指す。いくつかの実施態様において、全身性サルコイドーシスの症状は、非特異的全身症状、例えば、体重減少、疲労、食欲喪失、発熱、悪寒、寝汗、肉芽腫の形成、疲労、痛み、疼痛、又は関節炎を含む。
【0158】
「皮膚サルコイドーシス」という用語は、皮膚の関与を伴うサルコイドーシスの合併症を指す。より詳細には、皮膚サルコイドーシスは、環状サルコイドーシス、紅皮症性サルコイドーシス、魚鱗癬様サルコイドーシス、色素不足サルコイドーシス、モルフェア型サルコイドーシス(morpheaform sarcoidosis)、粘膜サルコイドーシス、丘疹性サルコイド、瘢痕サルコイド、皮下サルコイドーシス、及び潰瘍性サルコイドーシスを含む。いくつかの実施態様において、皮膚サルコイドーシスの1つ以上の症状には、特異的又は非特異的のいずれかである種々の皮膚病変又は状態が含まれる。皮膚サルコイドーシスに伴う例示的な皮膚病変又は状態には、丘疹、皮膚プラーク、凍瘡状狼瘡、隆起した赤色の堅い痛む皮膚(raised red firm skin sores)、蜂窩織炎、せつ腫症、他の炎症性脂肪織炎、斑点状丘疹性発疹、皮膚深部の結節性病変、皮疹、皮膚病変、及び脱毛が含まれる。
【0159】
「レフグレン症候群」という用語は、通常、結節性紅斑の三つ組、両側性門部腺腫大、及び関節炎又は関節痛を特徴とする全身性サルコイドーシスの急性症状を指す。それは、発熱も伴い得る。
【0160】
「神経サルコイドーシス」という用語は、神経系の任意の部分の関与を伴うサルコイドーシスを指す。
【0161】
「肺サルコイドーシス」という用語は、肺の組織又は器官、より特定的には肺を冒すサルコイドーシスを指す。肺サルコイドーシスの症状は、通常、肺及び/又は胸部症状を伴う。いくつかの実施態様において、肺サルコイドーシスは、肺線維症に発展することがあり、これは、肺の構造をゆがめ、かつ呼吸又は気管支拡張を損なうことがある。肺線維症は、大気道の破壊及び拡張を特徴とする肺疾患である。具体的な実施態様において、前記疾患又は障害は、肺線維症である。
【0162】
「心サルコイドーシス」という用語は、心筋の関与を伴うサルコイドーシスを指す。
【0163】
(本発明)
本発明は、円形脱毛症の予防及び/又は治療に有用な化合物に関する。特に、本発明の化合物は、JAKを阻害する。より特定的には、本発明の化合物は、JAK1を阻害する。本発明はまた、それを必要としている対象に本発明の化合物を投与することを含む、円形脱毛症の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0164】
本発明はまた、前記化合物を含む医薬組成物、及び本発明の化合物を投与することによる円形脱毛症の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0165】
従って、本発明の第1の態様において、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物であって、式(I)
【化3】
によるものである、前記本発明の化合物が提供される。
【0166】
一実施態様において、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための式(I)の化合物の代謝産物であって、式(II):
【化4】
による化合物である、前記代謝産物が提供される。
【0167】
本発明はさらに、白斑の予防及び/又は治療に有用な化合物に関する。特に、本発明の化合物は、JAKを阻害する。より特定的には、化合物は、JAK1を阻害する。本発明はまた、それを必要としている対象に本発明の化合物を投与することを含む、白斑の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0168】
本発明はまた、前記化合物を含む医薬組成物、及び本発明の化合物を投与することによる、白斑の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0169】
従って、本発明の第1の態様において、白斑の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物であって、式(I)によるものである、前記本発明の化合物が提供される。
【0170】
別の実施態様において、本発明の化合物は、式Iによる化合物の代謝産物であって、式IIによる化合物である、前記代謝産物である。
【0171】
本発明はまた、ループス腎炎の予防及び/又は治療に有用な化合物に関する。特に、本発明の化合物は、JAKを阻害する。より特定的には、本発明の化合物は、JAK1を阻害する。本発明はまた、それを必要としている対象に本発明の化合物を投与することを含む、ループス腎炎の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0172】
本発明はさらに、前記化合物を含む医薬組成物、及び本発明の化合物を投与することによるループス腎炎の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0173】
従って、本発明の第1の態様において、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物であって、式(I)によるものである、前記本発明の化合物が提供される。
【0174】
一実施態様において、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための式(I)の化合物の代謝産物であって、式(II)によるものである、前記代謝産物が提供される。
【0175】
本発明はまた、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療に有用な化合物に関する。特に、本発明の化合物は、JAKを阻害する。より特定的には、本発明の化合物は、JAK1を阻害する。本発明はまた、それを必要としている対象に本発明の化合物を投与することを含む、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0176】
本発明はまた、前記化合物を含む医薬組成物、及び本発明の化合物を投与することによる、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0177】
従って、本発明の第1の態様において、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物であって、式(I)によるものである、前記本発明の化合物が提供される。
【0178】
一実施態様において、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための式(I)の化合物の代謝産物であって、式(II)によるものである、前記代謝産物が提供される。
【0179】
本発明はまた、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療に有用な化合物に関する。特に、本発明の化合物は、JAKを阻害する。より特定的には、本発明の化合物は、JAK1を阻害する。本発明はまた、それを必要としている対象に本発明の化合物を投与することを含む、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0180】
本発明はまた、前記化合物を含む医薬組成物、及び本発明の化合物を投与することによる、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0181】
従って、本発明の第1の態様において、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物であって、式(I)によるものである、前記本発明の化合物が提供される。
【0182】
一実施態様において、本発明の化合物は、式(I)による化合物の代謝産物であって、式IIによるものである、前記代謝産物である。
【0183】
一実施態様において、本発明の化合物は、同位体変種ではない。
【0184】
一態様において、本明細書記載される実施態様のいずれか1つによる本発明の化合物は、遊離塩基として存在する。
【0185】
一態様において、本明細書記載される実施態様のいずれか1つによる本発明の化合物は、医薬として許容し得る塩である。特定の実施態様において、本発明の化合物は、塩であって、臭化水素酸、塩酸、硫酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-2-エタンジスルホン酸、メタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、リン酸、エタンスルホン酸、マロン酸、2-5-ジヒドロキシ安息香酸、又はL-酒石酸から選択される塩形成剤と形成されたものである、前記塩である。より特定の実施態様において、本発明の化合物は、マレイン酸塩である。
【0186】
一態様において、本明細書記載される実施態様のいずれか1つによる本発明の化合物は、化合物の溶媒和物である。
【0187】
一態様において、本明細書記載される実施態様のいずれか1つによる本発明の化合物は、化合物の医薬として許容し得る塩の溶媒和物である。特定の実施態様において、前記溶媒和物の塩は、[式Iによる化合物:HCl:3H
2O]付加物である。
【0188】
一実施態様において、本発明は、25mg〜400mgの用量で経口的に投薬される場合に、1日1回又は2回投与される、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。特に、本発明の化合物は、100mg〜250mgの用量で経口的に投薬される。特に、用量は、25mgを1日あたり2回(b.i.d.)、50mgを1日1回(q.d.)、50mg b.i.d.、100mg q.d.、100mg b.i.d.、及び200mg q.d.から選択される。
【0189】
別の実施態様において、本発明は、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物であって、該化合物、もしくはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは多形、又は医薬組成物の投与が、少なくとも1つの脱毛症関連バイオマーカーの検出可能な変化をもたらす、前記化合物、又は医薬組成物を提供する。
【0190】
特に、前記脱毛症関連バイオマーカーレベルが、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%低減される。より特定的には、前記脱毛症関連バイオマーカーレベルが、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも15%低減される。より特定の実施態様において、前記脱毛症関連バイオマーカーは、IFN
γである。
【0191】
さらにより特定の実施態様において、前記円形脱毛症関連バイオマーカー( alopecia areat-associated biomarker)は、IFN
γであり、ここで、該IFN
γレベルは、治療前レベルと比較して12週間後に少なくとも5%低減される。
【0192】
別の実施態様において、本発明は、白斑の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物であって、前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物の投与が、少なくとも1つの白斑関連バイオマーカーの検出可能な変化をもたらす、前記化合物又は医薬組成物を提供する。
【0193】
特に、前記白斑関連バイオマーカーレベルは、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%低減される。より特定的には、前記白斑関連バイオマーカーレベルは、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも15%低減される。より特定の実施態様において、前記白斑関連バイオマーカーは、IFN
γである。
【0194】
さらにより特定の実施態様において、前記白斑関連バイオマーカーは、IFN
γであって、ここで、該IFN
γレベルは、治療前レベルと比較して12週間後に少なくとも5%低減される。
【0195】
別の実施態様において、本発明は、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物であって、該化合物、もしくはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは多形、又は医薬組成物の投与が、少なくとも1つのループス腎炎関連バイオマーカーの検出可能な変化をもたらす、前記化合物、又は医薬組成物を提供する。特に、前記ループス腎炎関連バイオマーカーレベルは、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%低減される。より特定的には、前記ループス腎炎関連バイオマーカーレベルは、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも15%低減される。
【0196】
特定の実施態様において、前記ループス腎炎関連バイオマーカーは、IL-6、IL-10、IFNγ、及びTGFβから選択される。より特定の実施態様において、前記ループス腎炎関連バイオマーカーは、IL-6である。
【0197】
別の実施態様において、本発明は、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物であって、該化合物、もしくはその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは多形、又は医薬組成物の投与が、少なくとも1つのサルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態関連バイオマーカーの検出可能な変化をもたらす、前記化合物、又は医薬組成物を提供する。特に、前記サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態関連バイオマーカーレベルは、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%低減される。より特定的には、前記サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態関連バイオマーカーレベルは、治療前レベルと比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも15%だけ低減される。
【0198】
特定の実施態様において、前記サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態関連バイオマーカーは、CXCL9又はCXCL10である。より特定の実施態様において、前記サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態関連バイオマーカーは、CXCL10である。
【0199】
別の実施態様において、本発明は、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物であって、前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物の投与が、少なくとも1つの巨細胞動脈炎関連バイオマーカーの検出可能な変化をもたらす、前記化合物、又は医薬組成物を提供する。特に、前記巨細胞動脈炎関連バイオマーカーレベルは、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%低減される。より特定的には、前記巨細胞動脈炎関連バイオマーカーレベルは、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも15%低減される。特定の実施態様において、前記巨細胞動脈炎関連バイオマーカーは、IL1、IL6及び/又はGM-CSFである。
【0200】
(条項)
1.円形脱毛症、白斑、皮膚ループス、ループス腎炎、巨細胞動脈炎、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための、式I:
【化5】
による化合物、又はその医薬として許容し得る塩、又はその溶媒和物もしくは溶媒和物の塩、又はその活性代謝産物。
2.前記活性代謝産物が、式II:
【化6】
によるものである、条項1記載の使用のための化合物。
3.前記式Iによる化合物が、医薬として許容し得る塩であり、該塩が、臭化水素酸、塩酸、硫酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、1-2-エタンジスルホン酸、メタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、リン酸、エタンスルホン酸、マロン酸、2-5-ジヒドロキシ安息香酸、又はL-酒石酸から選択される塩形成剤と形成されたものである、条項1記載の使用のための化合物。
4.前記式Iによる化合物が、医薬として許容し得る塩であり、該塩が、マレイン酸と形成されたものである、条項1記載の使用のための化合物。
5.さらなる治療薬剤と組み合わされた、条項1〜4のいずれか1項記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
6.前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩、及び医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含む、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための医薬組成物。
7.さらなる治療薬剤を含む、条項6記載の使用のための医薬組成物。
8.前記さらなる治療薬剤が、円形脱毛症の予防及び/又は治療のための薬剤である、条項5記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項7記載の使用のための医薬組成物。
9.前記さらなる治療薬剤が、プロピオン酸クロベタゾール、デスオキシメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、ブデソニド、デキサメタゾン、ジニトロクロロベンゼン、スクアリン酸ジブチルエステル、ジフェニルシクロプロペノン、局所ミノキシジル、アントラリン、ソラレン、シクロスポリン、アザチオプリン、及びメトトレキサートから選択される、条項5記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項7記載の使用のための医薬組成物。
10.円形脱毛症に苦しむ個体における、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項6もしくは7記載の医薬組成物。
11.重症度脱毛症ツール(SALT)スコアによって特徴づけられる円形脱毛症に苦しむ個体における、条項1〜10のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
12.少なくとも25%のSALTスコアによって特徴づけられる円形脱毛症に苦しむ個体における、条項1〜10のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
13.少なくとも50%のSALTスコアによって特徴づけられる円形脱毛症に苦しむ個体における、条項1〜10のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
14.少なくとも75%のSALTスコアによって特徴づけられる円形脱毛症に苦しむ個体における、条項1〜10のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
15.再成長改善が、治療前と比較して治療後で少なくとも10%(SALT
10)、20%(SALT
20)、30%(SALT
30)、40%(SALT
40)、又は50%(SALT
50)である、条項1〜10のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
16.円形脱毛症の予防及び/又は治療のための方法であって:
−個体のSALTスコアを、患者の左側、右側、頂部、及び後部の脱毛を評価して頭皮脱毛分析を行うことによって測定する工程であって、該左側及び該右側がそれぞれ、全頭表面の18%を占め、該頂部が、全頭表面の40%を占め、かつ該後部が、全頭表面の24%を占める、前記工程、
−各エリアに残っている毛髪のタイプを評価する工程(色素沈着/色素不沈着/確定不能)、
−以下の式によってSALTスコアを算出する工程:
−SALTスコア=(%左側)*0.18+(%右側)*0.18+(%頂部側)*0.40+(%後部側)*0.24、及び
−該個体への投与のために、25mg〜400mgの間で含まれる前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩の一日量を決定する工程、
を含む、前記方法。
17.前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物の投与が、少なくとも1つの脱毛症関連バイオマーカーの検出可能な変化をもたらす、条項1〜10のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
18.円形脱毛症に苦しむ個体における、条項1〜10のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物であって、該使用が、
a)血液サンプルをアッセイする工程、
b)少なくとも1つの円形脱毛症関連バイオマーカーのレベルを測定する工程、
c)治療的有効量の該化合物又はその医薬として許容し得る塩を、該個体に投与する工程、
d)該円形脱毛症関連バイオマーカーの治療後レベルを測定して、治療前レベルと比較する工程、及び
e)該個体に投与されるべき該化合物又はその医薬として許容し得る塩の投薬量を調整する工程であって、12週間後の該円形脱毛症関連バイオマーカーのレベルに2%未満の低減が検出される場合に、該投薬量が、増量される、前記工程
を含む、前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
19.前記バイオマーカーが、IFN
γである、条項18記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
20.前記バイオマーカーレベルが、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも15%低減される、条項19記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
21.前記IFN
γが、12週間の治療後に治療前レベルと比較して少なくとも5%低減される、条項19記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
22.前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩、及び医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含む、白斑の予防及び/又は治療における使用のための医薬組成物。
23.さらなる治療薬剤を含む、条項22記載の使用のための医薬組成物。
24.前記さらなる治療薬剤が、白斑の予防及び/又は治療のための薬剤である、条項5記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項23記載の使用のための医薬組成物。
25.前記さらなる治療薬剤が、外用コルチコステロイド、メトトレキサート、シクロスポリン、レチノイド、チオグアニン、ヒドロキシ尿素、スルファサラジン、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、タクロリムス、フマル酸エステル、又は生物製剤から選択される、条項5記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項23記載の使用のための医薬組成物。
26.白斑に苦しむ個体における、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項22もしくは23記載の医薬組成物。
27.白斑活性重症度インデックス(VASI)スコアによって特徴づけられる白斑に苦しむ個体における、条項1〜5及び22〜26のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
28.少なくとも25%のVASIスコアによって特徴づけられる白斑に苦しむ個体における、条項1〜5及び22〜26のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
29.少なくとも50%のVASIスコアによって特徴づけられる白斑に苦しむ個体における、条項1〜5及び22〜26のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
30.少なくとも75%のVASIスコアによって特徴づけられる白斑に苦しむ個体における、条項1〜5及び22〜26のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
31.VASI改善が、治療前と比較して治療後で少なくとも10%、20%、30%、40%、又は50%である、条項1〜5及び22〜26のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
32.白斑の予防及び/又は治療のための方法であって:
−手(手掌+全ての指の掌側の表面)を単位として用いて、個体の手、上肢(手を除く)、体幹、下肢(足を除く)、及び足の色素脱失を測定する工程、
−以下の式によってVASIスコアを算出する工程:
【数2】
−該個体への投与のために、25mg〜400mgの間で含まれる前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩の一日量を決定する工程
を含む、前記方法。
33.前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物の投与が、少なくとも1つの白斑関連バイオマーカーの検出可能な変化をもたらす、条項1〜5及び22〜26のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
34.白斑に苦しむ個体における、条項1〜5及び22〜26のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物であって、該使用が、
a)血液サンプルをアッセイする工程、
b)少なくとも1つの白斑関連バイオマーカーのレベルを測定する工程、
c)治療的有効量の該化合物又はその医薬として許容し得る塩を、該個体に投与する工程、
d)該白斑関連バイオマーカーの治療後レベルを測定して、治療前レベルと比較する工程、及び
e)該個体に投与されるべき該化合物又はその医薬として許容し得る塩の投薬量を調整する工程であって、12週間後の該白斑関連バイオマーカーのレベルに2%未満の低減が検出される場合に、該投薬量が、増量される、前記工程
を含む、前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
35.前記バイオマーカーが、IFN
γである、条項34記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
36.前記バイオマーカーレベルが、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも15%低減される、条項35記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
37.前記IFN
γが、12週間の治療後に治療前レベルと比較して少なくとも5%低減される、条項35記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
38.前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩、及び医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含む、皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のための医薬組成物。
39.さらなる治療薬剤を含む、条項38記載の使用のための医薬組成物。
40.前記さらなる治療薬剤が、皮膚ループスの予防及び/又は治療のための薬剤である、条項5記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項39記載の使用のための医薬組成物。
41.さらなる治療薬剤が、外用ステロイド、コルチコステロイド、カルシニューリン阻害剤、抗マラリア薬、レチノイド、メトトレキサート、サリドマイド、シクロスポリン、ダプソン、金、クロファザミン、シクロホスファミド、及び免疫グロブリンのうちの1つ以上である、条項5記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項39記載の使用のための医薬組成物。
42.皮膚ループスに苦しむ個体における、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項38もしくは39記載の医薬組成物。
43.前記皮膚ループスが、慢性皮膚エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、急性皮膚エリテマトーデス、及び薬剤誘発性エリテマトーデスからなる群から選択される、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項38もしくは39記載の使用のための医薬組成物。
44.前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物の投与が、皮膚ループス関連バイオマーカーの検出可能な変化をもたらす、条項1〜5又は38〜43のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
45.皮膚ループスに苦しむ個体における、条項1〜5又は38〜43のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物であって、
該使用が、
a)血液サンプルをアッセイする工程、
b)少なくとも1つの皮膚ループス関連バイオマーカーのレベルを測定する工程、
c)治療的有効量の該化合物又はその医薬として許容し得る塩を、該個体に投与する工程、
d)該皮膚ループス関連バイオマーカーの治療後レベルを測定して、治療前レベルと比較する工程、及び
e)該個体に投与されるべき該化合物又はその医薬として許容し得る塩の投薬量を調整する工程であって、12週間後の該皮膚ループス関連バイオマーカーのレベルに2%未満の低減が検出される場合に、該投薬量が、増量される、前記工程
を含む、前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
46.前記バイオマーカーが、IL6又は補体成分である、条項44又は45記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
47.前記バイオマーカーが、IL6である、条項44又は45記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
48.前記バイオマーカーレベルが、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%低減される、条項45〜47のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
49.皮膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度インデックス(CLASI)によって特徴づけられる皮膚ループスに苦しむ個体における、条項1〜5又は42〜48のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
50.少なくとも5のCLASIスコアによって特徴づけられる皮膚ループスに苦しむ個体における、条項1〜5又は42〜48のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
51.少なくとも10のCLASIスコアによって特徴づけられる皮膚ループスに苦しむ個体における、条項1〜5又は42〜48のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
52.少なくとも15のCLASIスコアによって特徴づけられる皮膚ループスに苦しむ個体における、条項1〜5又は42〜48のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
53.少なくとも20のCLASIスコアによって特徴づけられる皮膚ループスに苦しむ個体における、条項1〜5又は42〜48のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
54.前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩、及び医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含む、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための医薬組成物。
55.さらなる治療薬剤を含む、条項54記載の使用のための医薬組成物。
56.前記さらなる治療薬剤が、ループス腎炎の予防及び/又は治療のための薬剤である、条項5記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項55記載の使用のための医薬組成物。
57.さらなる治療薬剤が、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、抗マラリア薬、スタチン、シクロホスファミド、アザチオプリン、6-メルカプトプリン、アバタセプト、リツキシマブ、ベリムマブ、シクロスポリン、及び他のカルシニューリン阻害剤から選択される、条項5記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項55記載の使用のための医薬組成物。
58.ループス腎炎に苦しむ個体における、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項56記載の医薬組成物。
59.前記ループス腎炎が、膜性ループス腎炎である、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項54もしくは55記載の使用のための医薬組成物。
60.前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物の投与が、バイオマーカーの検出可能な変化をもたらす、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項54もしくは55記載の使用のための医薬組成物。
61.ループス腎炎に苦しむ個体における、条項1〜5又は54〜59のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物であって、該使用が、
a)血液サンプルをアッセイする工程、
b)少なくとも1つのループス腎炎関連バイオマーカーのレベルを測定する工程、
c)治療的有効量の該化合物又はその医薬として許容し得る塩を、該個体に投与する工程、
d)該ループス腎炎関連バイオマーカーの治療後レベルを測定して、治療前レベルと比較する工程、及び
e)該個体に投与されるべき該化合物又はその医薬として許容し得る塩の投薬量を調整する工程であって、12週間後の該ループス腎炎関連バイオマーカーのレベルに2%未満の低減が検出される場合に、該投薬量が、増量される、前記工程
を含む、前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
62.前記バイオマーカーが、IL-6、IL-10、IFNγ、及びTGFβからなる群から選択される、条項60又は61記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
63.前記バイオマーカーが、IL6である、条項61又は62記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
64.前記バイオマーカーレベルが、正常レベルと比べて、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%増加する/低減される、条項61又は62記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
65.前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は前記医薬組成物の投与が、対象における蛋白尿症を減少させる、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項54もしくは55記載の使用のための医薬組成物。
66.蛋白尿症の減少が、24時間尿蛋白、24時間蛋白/クレアチニン比、スポット蛋白/クレアチニン比、24時間尿アルブミン、24時間アルブミン/クレアチニン比、スポットアルブミン/クレアチニン比によってか、又は尿試験紙によって測定される、条項65記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
67.前記化合物又はその医薬として許容し得る塩の定期的な投与が、対象の蛋白/クレアチニン比を減少させる、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項54もしくは55記載の使用のための医薬組成物。
68.対象の蛋白/クレアチニン比が、ベースラインと比べて、少なくとも50%減少する、条項67記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
69.前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩、及び医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含む、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための医薬組成物。
70.さらなる治療薬剤を含む、条項69記載の使用のための医薬組成物。
71.前記さらなる治療薬剤が、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療のための薬剤である、条項5記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項69記載の使用のための医薬組成物。
72.さらなる治療薬剤が、コルチコステロイド、プレドニゾン、メトトレキサート、アザチオプリン、ヒドロキシクロロキン、シクロホスファミド、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、クロロキン、インフリキシマブ、ペニシリン系抗生物質、セファロスポリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質、リンコマイシン系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質のうちの1つ以上である、条項5記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項69記載の使用のための医薬組成物。
73.サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態に苦しむ個体における、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項69もしくは70記載の医薬組成物。
74.前記サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態が、心サルコイドーシス、皮膚サルコイドーシス、肝サルコイドーシス、肺サルコイドーシス、神経サルコイドーシス、レフグレン症候群、及び慢性皮膚サルコイドーシスからなる群から選択される、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項69もしくは70記載の使用のための医薬組成物。
75.前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物の投与が、バイオマーカーの検出可能な変化をもたらす、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項69もしくは70記載の使用のための医薬組成物。
76.サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態に苦しむ個体における、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項69もしくは70記載の使用のための医薬組成物であって、
該使用が、
a)血液サンプルをアッセイする工程、
b)少なくとも1つのサルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態関連バイオマーカーのレベルを測定する工程、
c)治療的有効量の該化合物又はその医薬として許容し得る塩を、該個体に投与する工程、
d)該サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態関連バイオマーカーの治療後レベルを測定して、治療前レベルと比較する工程、及び
e)該個体に投与されるべき化合物又はその医薬として許容し得る塩の投薬量を調整する工程であって、12週間後の該サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態関連バイオマーカーのレベルに2%未満の低減が検出される場合に、該投薬量が、増量される、前記工程
を含む、前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
77.前記バイオマーカーが、血液中のCXCL9又はCXCL10発現である、条項75又は76記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
78.前記バイオマーカーが、血液中のCXCL10発現である、条項75又は76記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
79.前記バイオマーカーレベルが、治療前レベルと比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%低減される、条項75又は76記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
80.前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は前記医薬組成物の投与が、前記サルコイドーシスの1つ以上の症状の検出可能な改善を引き起こす、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物、又はその医薬として許容し得る塩、又は条項69もしくは70記載の使用のための医薬組成物。
81.前記症状が、肉芽腫の形成、疲労、体重減少、発熱、痛み、疼痛、関節炎、ドライアイ、膝の腫脹、霧視、息切れ、咳、及び皮膚病変のうちの1つ以上である、使用のための化合物、又はその医薬として許容し得る塩、又は条項80記載の使用のための医薬組成物。
82.前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩、及び医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は希釈剤を含む、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療における使用のための医薬組成物。
83.さらなる治療薬剤を含む、条項6記載の使用のための医薬組成物。
84.前記さらなる治療薬剤が、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療のための薬剤である、条項5記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項82記載の使用のための医薬組成物。
85.巨細胞動脈炎に苦しむ個体における、条項1〜5のいずれか1項記載の使用のための化合物、又はその医薬として許容し得る塩、又は条項82もしくは83記載の医薬組成物。
86.3mg/L超のCRPレベルによって特徴づけられる巨細胞動脈炎に苦しむ個体における、条項1〜5又は82〜85のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩又は医薬組成物。
87.30mm/h超の赤血球沈降速度によって特徴づけられる巨細胞動脈炎に苦しむ個体における、条項1〜5又は82〜85のいずれか1項記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩又は医薬組成物。
88.巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療のための方法であって:
−個体のESRを測定する工程、
−個体のCRPレベルを測定する工程、
−該ESR及び/又はCRPレベルを正常値と比較する工程、
−該個体への投与のために、25mg〜400mgの間で含まれる前記式Iによる化合物又はその医薬として許容し得る塩の一日量を決定する工程
を含む、前記方法。
89.巨細胞動脈炎に苦しむ個体における、条項1〜5のいずれか1項記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項82もしくは83記載の使用のための医薬組成物であって、
該使用が、
a)血液サンプルをアッセイする工程、
b)少なくとも1つの巨細胞動脈炎関連バイオマーカーのレベルを測定する工程、
c)治療的有効量の該化合物又はその医薬として許容し得る塩を、該個体に投与する工程、
d)該巨細胞動脈炎関連バイオマーカーの治療後レベルを測定して、治療前レベルと比較する工程、及び
e)該個体に投与されるべき該化合物又はその医薬として許容し得る塩の投薬量を調整する工程であって、12週間後の該巨細胞動脈炎関連バイオマーカーのレベルに2%未満の低減が検出される場合に、該投薬量が、増量される、前記工程
を含む、前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
90.前記バイオマーカーが、IL6である、条項89記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
91.前記バイオマーカーが、IL1である、条項89記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
92.前記バイオマーカーが、GM-CSFである、条項89記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
93.前記バイオマーカーレベルが、治療前レベルと比較して少なくとも1.5%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%低減される、条項89〜92のいずれか1項記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
94.前記バイオマーカーレベルが、12週間後に、少なくとも1.5%、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%低減される、条項89〜92のいずれか1項記載の使用のための化合物又はその医薬として許容し得る塩。
95.前記化合物が、100mg b.i.dの用量で投与される、条項1〜5記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項6、7、22、23、38、39、54、55、69、70、82、及び83のいずれか1項記載の使用のための医薬組成物。
96.前記化合物が、200mg qdの用量で投与される、条項1〜5記載の化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は条項6、7、22、23、38、39、54、55、69、70、82、及び83のいずれか1項記載の使用のための医薬組成物。
97.前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物が、少なくとも4、6、8、10、12、14、16、20、又は24週間の期間にわたって投与される、条項95又は96記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
98.前記化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物が、少なくとも12週間の期間にわたって投与される、条項95又は96記載の使用のための化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物。
【0201】
(医薬組成物)
医薬として利用される場合、本発明の化合物は、通常、医薬組成物中で投与される。そのような組成物は、医薬分野で周知の様式で調製され、本発明の化合物、例えば、式(I)による化合物を含むことができる。通常、本発明の化合物は、有効な量で投与される。実際に投与される本発明の化合物の量は、通常、治療されることになる状態、選択された投与経路、投与される実際の本発明の化合物、個々の患者の年齢、体重、及び応答、患者の症状の重症度などを含む関連状況を考慮して、医師により決定される。
【0202】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、経皮、皮下、関節内、静脈内、筋肉内、及び鼻腔内を含む、種々の経路により投与することができる。意図される送達経路に応じて、本発明の化合物は、好ましくは、注射用もしくは経口組成物として、又は全て経皮投与用の、軟膏として、ローションとして、もしくはパッチとしてのいずれかで製剤化される。
【0203】
経口投与用の組成物は、バルク液体溶液もしくは懸濁液、又はバルク粉末の形態を取ることができる。しかしながら、より一般的には、該組成物は、正確な投薬を容易にするために単位剤形で提示される。「単位剤形」という用語は、ヒト対象及び他の哺乳動物用の単位投薬量として好適な物理的に別個の単位を指し、各々の単位は、好適な医薬賦形剤、ビヒクル、又は担体と関連した、所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性材料を含有する。典型的な単位剤形としては、液体組成物の予め充填され、予め測定されたアンプルもしくは注射器、又は固体組成物の場合、丸剤、錠剤、カプセル剤などが挙げられる。そのような組成物において、式Iによる本発明の化合物は、通常、少ないほうの成分(約0.1〜約50重量%又は好ましくは約1〜約40重量%)であり、残りは、様々なビヒクル又は担体及び所望の投薬形態を形成するのに役立つ加工助剤である。
【0204】
経口投与に好適な液体形態は、緩衝剤、懸濁剤及び分散剤、着色料、香料などを含む好適な水性又は非水性のビヒクルを含むことができる。固体形態は、例えば、以下の成分:結合剤、例えば、微結晶性セルロース、トラガカントガム、もしくはゼラチン;賦形剤、例えば、デンプンもしくはラクトース、崩壊剤、例えば、アルギン酸、プリモジェル、もしくはトウモロコシデンプン;滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム;流動促進剤、例えば、コロイド状二酸化ケイ素;甘味剤、例えば、スクロースもしくはサッカリン;又は着香剤、例えば、ペパーミントもしくはオレンジ香料のうちのいずれか、或いは類似の性質の化合物を含むことができる。
【0205】
注射用組成物は、通常、当技術分野で公知の注射用滅菌生理食塩水もしくはリン酸緩衝生理食塩水又は他の注射用担体に基づく。上述の通り、そのような組成物中の式(I)による本発明の化合物は、通常、少ないほうの成分で、多くの場合、約0.05〜10重量%であり、残りは、注射用担体などである。
【0206】
経皮組成物は、通常、活性成分を、一般に、約0.01〜約20重量%、好ましくは、約0.1〜約20重量%、好ましくは、約0.1〜約10重量%、より好ましくは、約0.5〜約15重量%の範囲の量で含有する外用軟膏剤又はクリーム剤として製剤化される。軟膏剤として製剤化される場合、活性成分は、通常、パラフィン性軟膏基剤又は水混和性軟膏基剤のいずれかと組み合わされる。或いは、活性成分は、例えば、水中油型クリーム基剤とともにクリーム中に製剤化し得る。そのような経皮製剤は当技術分野で周知であり、通常、活性成分又は製剤の安定性の皮膚透過性を増進する追加成分を含む。全てのそのような公知の経皮製剤及び成分は、本発明の範囲内に含まれる。
【0207】
本発明の化合物は、経皮装置により投与することもできる。したがって、経皮投与は、貯留槽型もしくは多孔性膜型又は固体マトリクス型のいずれかのパッチ剤を用いて達成することができる。
【0208】
経口投与可能な、注射可能な、又は局所投与可能な組成物のための上記の成分は、代表的なものであるに過ぎない。他の材料及び加工技法などは、引用により本明細書中に組み込まれる、レミントンの医薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)、第17版、1985、Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvaniaのパート8に記載されている。
【0209】
本発明の化合物は、持続放出形態で、又は持続放出薬物送達系から投与することもできる。代表的な持続放出材料の説明は、レミントンの医薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)に見出すことができる。
【0210】
以下の製剤例は、本発明に従って調製され得る代表的な医薬組成物を例示したものである。しかしながら、本発明は、以下の医薬組成物に限定されない。
【0211】
(製剤1-錠剤)
式Iによる本発明の化合物を、乾燥粉末として、乾燥ゼラチン結合剤と約1:2の重量比で混合することができる。微量のステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として添加することができる。混合物を、打錠機で240〜270mg錠(1錠当たり80〜90mgの式Iによる本発明の活性化合物)に成形することができる。
【0212】
(製剤2-カプセル剤)
式Iによる本発明の化合物を、乾燥粉末として、デンプン希釈剤と約1:1の重量比で混合することができる。混合物を、250mgカプセル中に充填することができる(1カプセル当たり125mgの式Iによる本発明の活性化合物)。
【0213】
(製剤3-液剤)
式Iによる本発明の化合物(125mg)をスクロース(1.75g)及びキサンタンガム(4mg)と混合することができ、結果として得られる混合物をブレンドし、No.10メッシュU.S.シーブに通し、その後、予め作製しておいた微結晶性セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム(11:89、50mg)の水溶液と混合することができる。安息香酸ナトリウム(10mg)、香料、及び着色料を水で希釈し、撹拌しながら添加することができる。その後、十分な水を撹拌しながら添加することができる。その後、さらなる十分な水を添加して、5mLの総容量を生じさせることができる。
【0214】
(製剤4-錠剤)
式Iによる本発明の化合物を、乾燥粉末として、乾燥ゼラチン結合剤と約1:2の重量比で混合することができる。微量のステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として添加することができる。混合物を、打錠機で450〜900mg錠(150〜300mgの式Iによる本発明の活性化合物)に成形することができる。
【0215】
(製剤5-注射剤)
式Iによる本発明の化合物を、緩衝滅菌生理食塩水の注射用水性媒体に、約5mg/mLの濃度まで溶解又は懸濁させることができる。
【0216】
(製剤6-局所剤)
ステアリルアルコール(250g)及び白色ワセリン(250g)を約75℃で融解させることができ、その後、水(約370g)に溶解させた式Iによる本発明の化合物(50g)、メチルパラベン(0.25g)、プロピルパラベン(0.15g)、ラウリル硫酸ナトリウム(10g)、及びプロピレングリコール(120g)の混合物を添加することができ、得られる混合物を凝固するまで撹拌することができる。
【0217】
(治療の方法)
一実施態様において、本発明は、医薬における使用のための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、本発明は、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0218】
一実施態様において、本発明は、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物及び別の治療薬剤、又は本発明の化合物を含む医薬組成物及び別の治療薬剤を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、円形脱毛症治療剤である。特定の実施態様において、前記別の薬剤は、ステロイド(例えば、プロピオン酸クロベタゾール、デスオキシメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、ブデソニド、又はデキサメタゾン)、局所免疫療法(ジニトロクロロベンゼン、スクアリン酸ジブチルエステル(SADBE)、ジフェニルシクロプロペノン(DPCP))、局所ミノキシジル、アントラリン、ソラレン、及び免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート)から選択される。
【0219】
別の実施態様において、本発明は、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための薬品の生産における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0220】
一実施態様において、本発明は、円形脱毛症の予防及び/又は治療における使用のための薬品の生産における使用のための、本発明の化合物及び別の治療薬剤、又は本発明の化合物を含む医薬組成物及び別の治療薬剤を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、円形脱毛症治療剤である。特定の実施態様において、前記別の薬剤は、ステロイド(例えば、プロピオン酸クロベタゾール、デスオキシメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、ブデソニド、又はデキサメタゾン)、局所免疫療法(ジニトロクロロベンゼン、スクアリン酸ジブチルエステル(SADBE)、ジフェニルシクロプロペノン(DPCP))、局所ミノキシジル、アントラリン、ソラレン、及び免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート)から選択される。
【0221】
治療態様の追加の方法において、本発明は、円形脱毛症に苦しむ哺乳動物の予防及び/又は治療の方法であって、前記状態の治療又は予防のための、有効量の本発明の化合物又は本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つ以上の投与を含む、前記方法を提供する。
【0222】
一実施態様において、本発明は、円形脱毛症に苦しむ哺乳動物の予防及び/又は治療の方法であって、本発明の化合物と共に、別の治療薬剤の投与を含む、前記方法を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、円形脱毛症治療剤である。特定の実施態様において、前記別の薬剤は、ステロイド(例えば、プロピオン酸クロベタゾール、デスオキシメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、ブデソニド、又はデキサメタゾン)、局所免疫療法(ジニトロクロロベンゼン、スクアリン酸ジブチルエステル(SADBE)、ジフェニルシクロプロペノン(DPCP))、局所ミノキシジル、アントラリン、ソラレン、及び免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート)から選択される。
【0223】
一実施態様において、本発明は、医薬における使用のための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、本発明は、白斑の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0224】
一実施態様において、本発明は、白斑の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物及び別の治療薬剤、又は本発明の化合物を含む医薬組成物及び別の治療薬剤を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、白斑治療剤である。特定の実施態様において、前記別の薬剤は、局所治療薬、例えば、コールタール、ジトラノール(アントラリン)、コルチコステロイド、例えば、デスオキシメタゾン(Topicort(商標))、フルオシノニド、ビタミンD3類似体(例えば、カルシポトリオール)、アルガン油、及びレチノイド(エトレチナート、アシトレチン、タザロテン)を含有する浴溶液、保湿剤、薬用クリーム及び軟膏、全身治療薬、例えば、メトトレキサート、シクロスポリン、レチノイド、チオグアニン、ヒドロキシ尿素、スルファサラジン、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、タクロリムス、フマル酸エステル、又は生物製剤、例えば、Amevive(商標)、Enbrel(商標)、Humira(商標)、Remicade(商標)、Raptiva(商標)、及びウステキヌマブ(IL-12及びIL-23ブロッカー)から選択される。さらに、本発明の化合物は、これらに限定されないが、光線療法または光化学療法(例えば、ソラレン及び紫外A光線療法(PUVA))を含む他の療法と組み合わせて投与されてもよい。
【0225】
別の実施態様において、本発明は、白斑の予防及び/又は治療における使用のための、薬品の生産における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0226】
一実施態様において、本発明は、白斑の予防及び/又は治療における使用のための、薬品の生産における使用のための、本発明の化合物及び別の治療薬剤、又は本発明の化合物を含む医薬組成物及び別の治療薬剤を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、白斑治療剤である。特定の実施態様において、前記別の薬剤は、局所治療薬、例えば、コールタール、ジトラノール(アントラリン)、コルチコステロイド、例えば、デスオキシメタゾン(Topicort(商標))、フルオシノニド、ビタミンD3類似体(例えば、カルシポトリオール)、アルガン油、及びレチノイド(エトレチナート、アシトレチン、タザロテン)を含有する浴溶液、保湿剤、薬用クリーム及び軟膏、全身治療薬、例えば、メトトレキサート、シクロスポリン、レチノイド、チオグアニン、ヒドロキシ尿素、スルファサラジン、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、タクロリムス、フマル酸エステル、又は生物製剤、例えば、Amevive(商標)、Enbrel(商標)、Humira(商標)、Remicade(商標)、Raptiva(商標)、及びウステキヌマブ(IL-12及びIL-23ブロッカー)から選択される。さらに、本発明の化合物は、これらに限定されないが、光線療法又は光化学療法(例えば、ソラレン及び紫外A光線療法(PUVA))を含む他の療法と組み合わせて投与されてもよい。
【0227】
治療態様の追加の方法において、本発明は、白斑に苦しむ哺乳動物の予防及び/又は治療の方法であって、前記状態の治療又は予防のための、有効量の本発明の化合物又は本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つ以上の投与を含む、前記方法を提供する。
【0228】
一実施態様において、本発明は、白斑に苦しむ哺乳動物の予防及び/又は治療の方法であって、本発明の化合物との別の治療薬剤の投与を含む、前記方法を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、白斑治療剤である。特定の実施態様において、前記別の薬剤は、局所治療薬、例えば、コールタール、ジトラノール(アントラリン)、コルチコステロイド、例えば、デスオキシメタゾン(Topicort(商標))、フルオシノニド、ビタミンD3類似体(例えば、カルシポトリオール)、アルガン油、及びレチノイド(エトレチナート、アシトレチン、タザロテン)を含有する浴溶液、保湿剤、薬用クリーム及び軟膏、全身治療薬、例えば、メトトレキサート、シクロスポリン、レチノイド、チオグアニン、ヒドロキシ尿素、スルファサラジン、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、タクロリムス、フマル酸エステル、又は生物製剤、例えば、Amevive(商標)、Enbrel(商標)、Humira(商標)、Remicade(商標)、Raptiva(商標)、及びウステキヌマブ(IL-12及びIL-23ブロッカー)から選択される。さらに、本発明の化合物は、これらに限定されないが、光線療法又は光化学療法(例えば、ソラレン及び紫外A光線療法(PUVA))を含む他の療法と組み合わせて投与されてもよい。
【0229】
一実施態様において、本発明の化合物は、白斑の治療及び/又は予防のための別の薬剤と共投与され、特定の薬剤としては:局所治療薬、例えば、コールタール、ジトラノール(アントラリン)、コルチコステロイド、例えば、デスオキシメタゾン(Topicort(商標))、フルオシノニド、ビタミンD3類似体(例えば、カルシポトリオール)、アルガン油、及びレチノイド(エトレチナート、アシトレチン、タザロテン)を含有する浴溶液、保湿剤、薬用クリーム及び軟膏、全身治療薬、例えば、メトトレキサート、シクロスポリン、レチノイド、チオグアニン、ヒドロキシ尿素、スルファサラジン、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、タクロリムス、フマル酸エステル、又は生物製剤、例えば、Amevive(商標)、Enbrel(商標)、Humira(商標)、Remicade(商標)、Raptiva(商標)、及びウステキヌマブ(IL-12及びIL-23ブロッカー)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、本発明の化合物は、これらに限定されないが、光線療法又は光化学療法(例えば、ソラレン及び紫外A光線療法(PUVA))を含む他の療法と組み合わせて投与されてもよい。
【0230】
一実施態様において、本発明は、医薬における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、本発明は、皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0231】
一実施態様において、本発明は、皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物及び別の治療薬剤、又は本発明の化合物を含む医薬組成物及び別の治療薬剤を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、皮膚ループス治療剤である。特定の実施態様において、前記別の薬剤は、局所ステロイド、コルチコステロイド、カルシニューリン阻害剤、抗マラリア薬、レチノイド、メトトレキサート、サリドマイド、シクロスポリン、ダプソン、金化合物、クロファザミン、シクロホスファミド、及び免疫グロブリンからなる群から選択される。
【0232】
本発明は、皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供し、ここで、該皮膚ループスとしては、皮膚エリテマトーデス(CLE)、急性皮膚エリテマトーデス(ACLE)、亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)、慢性皮膚エリテマトーデス(CCLE)、又は円板状エリテマトーデス(DLE)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0233】
いくつかの実施態様において、本発明は、ACLEの予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0234】
さらなる実施態様において、本発明は、SCLEの予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0235】
さらなる実施態様において、本発明は、CCLE又はDLEの予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。別の実施態様において、本発明は、皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のための薬品の生産における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0236】
一実施態様において、本発明は、皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のための薬品の生産における使用のための、本発明の化合物及び別の治療薬剤、又は本発明の化合物を含む医薬組成物及び別の治療薬剤を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、皮膚ループス治療剤である。特定の実施態様において、前記別の薬剤は、局所ステロイド、コルチコステロイド、カルシニューリン阻害剤、抗マラリア薬、レチノイド、メトトレキサート、サリドマイド、シクロスポリン、ダプソン、金化合物、クロファザミン、シクロホスファミド、及び免疫グロブリンからなる群から選択される。
【0237】
本発明は、皮膚ループスの予防及び/又は治療における使用のための薬品の生産における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供し、ここで、該皮膚ループスとしては、皮膚エリテマトーデス(CLE)、急性皮膚エリテマトーデス(ACLE)、亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)、慢性皮膚エリテマトーデス(CCLE)、又は円板状エリテマトーデス(DLE)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0238】
いくつかの実施態様において、本発明は、ACLEの予防及び/又は治療における使用のための薬品の生産における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0239】
さらなる実施態様において、本発明は、SCLEの予防及び/又は治療における使用のための薬品の生産における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0240】
さらなる実施態様において、本発明は、CCLE又はDLEの予防及び/又は治療における使用のための薬品の生産における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0241】
治療態様の追加の方法において、本発明は、皮膚ループスに苦しむ哺乳動物の予防及び/又は治療の方法であって、前記状態の治療又は予防のための有効量の本発明の化合物又は本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つ以上の投与を含む、前記方法を提供する。
【0242】
一実施態様において、本発明は、皮膚ループスに苦しむ哺乳動物の予防及び/又は治療の方法であって、本発明の化合物との別の治療薬剤の投与を含む、前記方法を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、皮膚ループス治療剤である。特定の実施態様において、前記別の薬剤は、局所ステロイド、コルチコステロイド、カルシニューリン阻害剤、抗マラリア薬、レチノイド、メトトレキサート、サリドマイド、シクロスポリン、ダプソン、金化合物、クロファザミン、シクロホスファミド、及び免疫グロブリンからなる群から選択される。
【0243】
本発明は、皮膚ループスに苦しむ哺乳動物の予防及び/又は治療の方法を提供し、ここで、該皮膚ループスとしては、皮膚エリテマトーデス(CLE)、急性皮膚エリテマトーデス(ACLE)、亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)、慢性皮膚エリテマトーデス(CCLE)、又は円板状エリテマトーデス(DLE)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0244】
いくつかの実施態様において、本発明は、ACLEの予防及び/又は治療の方法を提供する。
【0245】
さらなる実施態様において、本発明は、SCLEの予防及び/又は治療の方法を提供する。
【0246】
さらなる実施態様において、本発明は、CCLE又はDLEの予防及び/又は治療の方法を提供する。
【0247】
一実施態様において、本発明は、医薬における使用のための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、本発明は、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0248】
一実施態様において、本発明は、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物及び別の治療薬剤、又は本発明の化合物を含む医薬組成物及び別の治療薬剤を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、ループス腎炎治療剤である。
【0249】
特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、抗マラリア薬、スタチン、シクロホスファミド、アザチオプリン、6-メルカプトプリン、アバタセプト、リツキシマブ、ベリムマブ、シクロスポリン、又は他のカルシニューリン阻害剤のうちの1つ以上である。
【0250】
別の実施態様において、本発明は、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための薬品の生産における使用のための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0251】
一実施態様において、本発明は、ループス腎炎の予防及び/又は治療における使用のための薬品の生産における使用のための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、ループス腎炎治療剤である。
【0252】
特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、抗マラリア薬、スタチン、シクロホスファミド、アザチオプリン、6-メルカプトプリン、アバタセプト、リツキシマブ、ベリムマブ、シクロスポリン、又は他のカルシニューリン阻害剤のうちの1つ以上である。
【0253】
治療態様の追加の方法において、本発明は、ループス腎炎に苦しむ哺乳動物の予防及び/又は治療の方法であって、前記状態の治療又は予防のための、有効量の本発明の化合物又は本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つ以上の投与を含む、前記方法を提供する。
【0254】
一実施態様において、前記ループス腎炎に苦しむ哺乳動物の予防及び/又は治療の方法は、本発明の化合物との別の治療薬剤の投与を含む。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、ループス腎炎治療剤である。
【0255】
特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、抗マラリア薬、スタチン、シクロホスファミド、アザチオプリン、6-メルカプトプリン、アバタセプト、リツキシマブ、ベリムマブ、シクロスポリン、又は他のカルシニューリン阻害剤のうちの1つ以上である。
【0256】
特定の実施態様において、治療又は予防されるループス腎炎は、膜性ループス腎炎である。
【0257】
特定の実施態様において、本発明の化合物の投与は、対象における蛋白尿症を減少させる。
【0258】
特定の実施態様において、本発明の化合物の投与は、24時間尿蛋白、24時間蛋白/クレアチニン比、スポット蛋白/クレアチニン比、24時間尿アルブミン、24時間アルブミン/クレアチニン比、スポットアルブミン/クレアチニン比によってか、又は尿試験紙によって測定される蛋白尿症の減少に繋がる。
【0259】
特定の実施態様において、本発明の化合物の定期的な投与は、対象の蛋白/クレアチニン比を減少させる。より特定的には、対象の蛋白/クレアチニン比は、治療前レベルと比較して少なくとも50%減少する。
【0260】
特定の実施態様において、本発明の化合物は、導入期の間の臨床的に著しい腎機能の改善、より特定的には、糸球体濾過量(GFR)の改善によって測定されるものを示す。あるいは、前記改善は、腎傷害、主にタンパク質排泄及び活性尿沈渣における検出の減少を用いて測定される。特定の実施態様において、前記改善は、蛋白尿症のレベルを用いて測定される。より特定的には、前記蛋白尿症は、24時間尿採取試料あたり0.5gを下回るまでに減少する。
【0261】
特定の実施態様において、本発明の化合物は、腎再燃を予防する。
【0262】
特定の実施態様において、本発明の化合物又は本明細書において開示される医薬組成物は、慢性腎疾患(CKD)の進行速度を低下させる。
【0263】
一実施態様において、本発明は、医薬における使用のための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、本発明は、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0264】
一実施態様において、本発明は、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物及び別の治療薬剤、又は本発明の化合物を含む医薬組成物及び別の治療薬剤を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、サルコイドーシス治療剤である。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制性化合物、又は抗生物質である。具体的な実施態様において、前記別の治療薬剤は、コルチコステロイド、プレドニゾン、メトトレキサート、アザチオプリン、ヒドロキシクロロキン、シクロホスファミド、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、クロロキン、インフリキシマブ、ペニシリン系抗生物質、セファロスポリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質、リンコマイシン系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、又はそれらの組み合わせである。
【0265】
特定の実施態様において、前記サルコイドーシスは、心サルコイドーシス、皮膚サルコイドーシス、肝サルコイドーシス、肺サルコイドーシス、神経サルコイドーシス、レフグレン症候群、及び慢性皮膚サルコイドーシスからなる群から選択される。
【0266】
別の実施態様において、本発明は、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための薬品の生産における使用のための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0267】
一実施態様において、本発明は、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態の予防及び/又は治療における使用のための、薬品の生産における使用のための、本発明の化合物及び別の治療薬剤、又は本発明の化合物を含む医薬組成物及び別の治療薬剤を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、サルコイドーシス治療剤である。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制性化合物、又は抗生物質である。
【0268】
具体的な実施態様において、前記別の治療薬剤は、コルチコステロイド、プレドニゾン、メトトレキサート、アザチオプリン、ヒドロキシクロロキン、シクロホスファミド、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、クロロキン、インフリキシマブ、ペニシリン系抗生物質、セファロスポリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質、リンコマイシン系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、又はそれらの組み合わせである。
【0269】
特定の実施態様において、前記サルコイドーシスは、心サルコイドーシス、皮膚サルコイドーシス、肝サルコイドーシス、肺サルコイドーシス、神経サルコイドーシス、レフグレン症候群、及び慢性皮膚サルコイドーシスからなる群から選択される。
【0270】
治療態様の追加の方法において、本発明は、サルコイドーシス及び/又はサルコイドーシス関連状態に苦しむ哺乳動物の予防及び/又は治療の方法であって、前記状態の治療又は予防のための、有効量の本発明の化合物又は本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つ以上の投与を含む、前記方法を提供する。
【0271】
一実施態様において、本発明は、本発明の化合物及び別の治療薬剤を含む医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、サルコイドーシス治療剤である。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制性化合物、又は抗生物質である。具体的な実施態様において、前記別の治療薬剤は、コルチコステロイド、プレドニゾン、メトトレキサート、アザチオプリン、ヒドロキシクロロキン、シクロホスファミド、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、クロロキン、インフリキシマブ、ペニシリン系抗生物質、セファロスポリン系抗生物質、マクロライド系抗生物質、リンコマイシン系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、又はそれらの組み合わせである。
【0272】
特定の実施態様において、前記サルコイドーシスは、心サルコイドーシス、皮膚サルコイドーシス、肝サルコイドーシス、肺サルコイドーシス、神経サルコイドーシス、レフグレン症候群、及び慢性皮膚サルコイドーシスからなる群から選択される。
【0273】
特定の実施態様において、前記治療的有効量は、サルコイドーシスの1つ以上の症状の検出可能な改善を引き起こすのに十分な量である。より特定の実施態様において、本明細書に開示される化合物もしくはその医薬として許容し得る塩、又は医薬組成物の投与は、サルコイドーシスの1つ以上の症状の検出可能な改善を示す。
【0274】
特定の実施態様において、前記症状は、肉芽腫の形成、疲労、体重減少、発熱、痛み、疼痛、関節炎、ドライアイ、膝の腫脹、霧視、息切れ、咳、及び皮膚病変からなる群から選択される1つ以上である。
【0275】
特定の実施態様において、本明細書に開示される本発明の化合物又は医薬組成物の投与は、血液中のCXCL9及びCXCL10発現の下方調節に繋がる。
【0276】
一実施態様において、本発明は、医薬における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、本発明は、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療における使用のための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0277】
別の実施態様において、本発明は、巨細胞動脈炎の予防及び/又は治療における使用のための薬品の生産における使用のための、本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0278】
治療態様の追加の方法において、本発明は、巨細胞動脈炎に苦しむ哺乳動物の予防及び/又は治療の方法であって、前記状態の治療又は予防のための、有効量の本発明の化合物又は本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つ以上の投与を含む、前記方法を提供する。
【0279】
一実施態様において、本発明は、本発明の化合物及び別の治療薬剤を含む医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、前記別の治療薬剤は、巨細胞動脈炎治療剤である。
【0280】
一実施態様において、本発明の化合物は、GCAの治療及び/又は予防のための別の薬剤と共投与され、特定の薬剤としては、ステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、ブデソニド、又はデキサメタゾン)、アスピリン、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート)、ダプソン、シクロホスファミド、及び/又は生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(biological DMARD)(例えば、限定するものではないが、インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、リツキシマブ、及びアバタセプト)が挙げられる。
【0281】
注射用量レベルは、全て約1〜約120時間、特に、24〜96時間の間に、約0.1mg/kg/時〜少なくとも10mg/kg/時の範囲である。適正な定常状態レベルを達成するために、約0.1mg/kg〜約10mg/kg又はそれより多くの前負荷ボーラス(preloading bolus)を投与することもできる。最大総用量は、40〜80kgのヒト患者の場合、約1g/日を超えないと考えられる。
【0282】
退行性状態などの長期疾病の予防及び/又は治療について、治療用レジメンは、通常、数カ月又は数年にわたるため、患者の便宜及び忍容性のために経口投与が好ましい。経口投与の場合、1日に1〜4回(1〜4)の常用量、特に、1日に1〜3回(1〜3)の常用量、典型的には、1日に1〜2回(1〜2)の常用量、最も典型的には、1日に1回(1)の常用量が代表的なレジメンである。或いは、長期持続作用型薬物について、経口投薬の場合、1週間おき、1週間に1回、及び1日に1回が代表的なレジメンである。特に、投薬レジメンは、1〜14日おき、より特定的には、1〜10日おき、さらにより特定的には、1〜7日おき、最も特定的には、1〜3日おきであり得る。
【0283】
これらの投薬様式を用いて、各々の用量は、約1〜約1000mgの本発明の化合物を提供するが、特定の用量は、各々、約10〜約500mg、特に、約30〜約250mgを提供する。
【0284】
経皮用量は、通常、注射用量を用いて達成されるのと同様又はそれよりも低い血中レベルを提供するように選択される。
【0285】
疾病の開始を妨げるために使用される場合、本発明の化合物は、該疾病を発症するリスクのある患者に、通常、医師の助言に従い、かつその監督下で、上記の投薬量レベルで投与される。特定の疾病を発症するリスクのある患者には、通常、該疾病の家族歴を有する者、又は遺伝子検査もしくはスクリーニングによって該疾病を特に発症しやすいことが確認されている者が含まれる。
【0286】
本発明の化合物は、唯一の活性剤として投与することができ、又はそれは、同一もしくは同様の治療活性を示し、かつそのような組合せ投与に安全かつ有効であることが明らかにされている本発明の他の化合物を含む、他の治療剤と組み合わせて投与することができる。具体的な実施態様において、2つ(又はそれより多く)の薬剤の共投与によって、各々の顕著により少ない用量を使用し、それにより、認められる副作用を軽減することが可能になる。
【0287】
一実施態様において、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物は、医薬として投与される。具体的な実施態様において、該医薬組成物は、さらなる活性成分をさらに含む。
【0288】
当業者には明らかであるように、共投与によって、2種以上の治療剤を同じ治療レジメンの一部として患者に送達する任意の手段が含まれる。該2種以上の薬剤は、単一の製剤中で、すなわち、単一の医薬組成物として、同時に投与することができるが、これは必須ではない。該薬剤は、異なる製剤中で、かつ異なる時間に投与してもよい。
【0289】
(化学合成及び生物学的プロファイル)
式(I)による本発明の化合物は、その特性が広範囲にわたり明らかにされており、データが、WO2010/149769に開示されている(Menet及びSmitsの文献、2010年)。塩の合成及び適当な製剤は、WO2015/117980及びWO2015/117981に記載されている
【0290】
同様に、式(II)による本発明の化合物は、その特性が広範囲にわたり明らかにされており、データが、WO2013/189771に開示されている(Van’t Kloosterらの文献、2013年)。
【実施例】
【0291】
(臨床例)
式(I)による化合物が、臨床試験においてヒトに投与されており、結果として得られたデータが、WO2016/165952及びWO2016/165953に開示されている。
表I. 本明細書で使用される略語のリスト:
【表1】
【0292】
(実施例1.バイオマーカー試験)
(1.1.試験1)
(1.1.1.試験設計)
MTX(経口又は非経口)に対して不十分な反応を示す中度から重度活性RA対象における二重盲検、プラセボ対照上乗せ試験。
【0293】
各対象のMTXの安定用量に加えての、化合物1([化合物1:HCl:3H
2O]として投薬される)(1日1回又は2回のいずれかで投与される3用量レベル)の6つの投薬レジメン又はプラセボのうちの1つに無作為化された595名の対象。
【0294】
(1.1.2.試験継続期間)
治療継続期間:24週間。
【0295】
(1.1.3.治療)
化合物1([化合物1:HCl:3H
2O]として投薬される)は、1日1回(q.d.)(50mg、100mg、もしくは200mg)、又は1日2回(b.i.d.)(25mg、50mg、もしくは100mg);又はプラセボで、12週間投薬される。
【0296】
12週目に、腫脹関節数(SJC66)及び圧痛関節数(TJC68)で20%の改善を達成していないプラセボの対象は、化合物1([化合物1:HCl:3H
2O]として投薬される)を100mg q.d.又は50mg b.i.d.用量のいずれかでの投与を受けるように、盲検法で自動的に再無作為化される;SJC66及びTJC68で20%の改善を達成しなかった50mg q.d.の対象は、100mg q.d.に割り当てられるものとし、SJC66及びTJC68で20%の改善を達成しなかった25mg b.i.d.の対象は、50mg b.i.d.に割り当てられるものとする。12週目に治療を切換えた対象は、統計学的解析の目的のために、12週目に中止したものとして扱い、他の群の対象は、第24週までそれらの無作為化治療を継続することとする。
【0297】
(1.1.4.参加者)
(1.1.4.1.主な組み入れ基準:)
インフォームドコンセントに署名する当日に、≧18歳である男性又は女性の対象、
【0298】
スクリーニングの少なくとも6ヶ月前にRAの診断、及び2010年ACR/EULAR RA及びACRの基準機能分類I〜III(the 2010 ACR/EULAR criteria of RA and ACR functional class I-III)に合致(Aletahaらの文献、2010年)、
【0299】
スクリーニング及びベースラインで≧6の腫脹関節数(66関節のうち)及び≧8の圧痛関節数(68関節のうち)、
【0300】
スクリーニング血清C反応性タンパク質(CRP)≧0.7×検査正常範囲の上限(ULN)、
【0301】
≧6ヶ月にわたりMTXを受け、かつスクリーニング前少なくとも4週にわたる安定用量(15〜25mg/週)のMTXを受け、かつその現行のレジメンが試験の継続期間にわたり継続される。10mg/週の低いMTXの安定用量が、より高い用量での不耐性又は安全性の問題の文書による証拠が存在する場合に、許容される。
【0302】
(1.1.4.2.主な除外基準:)
ベースラインの前4週間以内の経口又は注射用の金、スルファサラジン、抗マラリア薬、アザチオプリン、又はD-ペニシラミン、ベースラインの前8週間以内のシクロスポリン、及びベースラインの前3ヶ月以内又は11日間の標準コレスチラミン療法後の場合にはベースラインの前の最小で4週間以内のレフルノミドを含む、MTX以外の任意の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)による現行療法、
【0303】
単一の臨床試験設定において、スクリーニングの6ヶ月超前(リツキシマブ又は他のB細胞枯渇剤については12ヶ月)に投与された生物学的DMARDを除く、生物学的DMARDによる現行又は以前のRA治療(これは、該生物学的なDMARDが有効であった場合であり、中止された場合には、それは、エフィカシーの欠如が原因であるべきではない)、
【0304】
スクリーニング前の任意の時点での、MTX以外の細胞傷害性剤による以前の治療。
【0305】
(1.1.5.データの収集)
(1.1.5.1.原理)
分析は、Platine Pharma Services (Batiment Domilyon, Centre d'Infectiologie, 321 avenue Jean Jaures, 69007、リヨン、フランス)で行った。
【0306】
ヒト血清サンプルから18個のパラメーター(GM-CSF、IFNγ、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-10、IL-12(p70)、IL-13、IL-17A、IL-21、IL-23、MIP-1α、MIP-1β、及びTNF-α)を、Luminex 18-Plex Kit(Millipore:HSTCMAG-28SK)を用いて、Luminex Plateform(BioPlex(登録商標)L200)で分析した。
【0307】
Bio-Plex(登録商標)多重化システムは、さまざまな分析物に対して特異的な抗体と連結された種々の染色磁気ビーズを混合することによって得られる。
【0308】
連結されたビーズは、対象となるバイオマーカーを含有する試料と反応する。結合していないタンパク質を除去するための一連の洗浄の後に、ストレプトアビジン-フィコエリトリン(SA-PE)コンジュゲートを加えることにより顕示されるサンドイッチ複合体を生じるビオチン化ヒトサイトカイン検出用抗体を加える。フィコエリトリン(PE)は、蛍光インジケーターとして働く。
【0309】
プレートを、Bio-Plex読み取り装置に入れ、生物学的流体中に存在する分析物を、ビーズの色コード(赤色レーザー635nm)及びPE蛍光(緑色レーザー532nm)に基づいて同定し定量化する。
【0310】
ビーズに結合した分析物の濃度は、MFI(蛍光強度中央値)に比例し、方法の予備的検証の間に選択される、4又は5パラメーターロジスティック(4PL又は5PL)回帰モデルを用いてフィッテイングされた検量線を用いた内挿から逆算される。
【0311】
(1.2.結果)
治療効果を、ファクター:治療、PDマーカーのベースライン値、地理的領域、及び生物製剤の以前における使用を用いて、ベースラインからの変化に対し、ANCOVAモデルを用いて評価した。
【0312】
対比較対プラセボについての説明:+:p<0.10;*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001
【0313】
上述のプロトコールを行ったところ、以下に記載する結果が得られた。
表II.第4週に観察された症例の表
【表2】
表III.第12週で観察された症例の表
【表3】
【0314】
上記の表に示されるように、12週間の治療の後に、バイオマーカーの変化、より特定的には、IFNγの減少がみられる。
【0315】
上記の表に示されるように、12週間の治療後に、バイオマーカーの変化、より特定的には、GM-CSF、IL6、及びIL1の減少がみられる。
【0316】
(実施例2.臨床試験皮膚ループス)
本例の試験は、中程度から重度に活性な皮膚エリテマトーデス(CLE)の女性対象で行われる、JAK阻害剤(化合物I)及びSYK阻害剤の安全性及びエフィカシーを評価するための第2相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験である。本試験の主目的は、中程度から重度に活性な皮膚エリテマトーデスの女性におけるJAK阻害剤及びSYK阻害剤のエフィカシーを評価することである。
【0317】
(2.1.試験のエンドポイント)
一次評価項目は、以下のものである:
・ベースラインから第12週までの、皮膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度インデックス(CLASI)活動性スコアのベースラインからの変化[タイムフレーム:ベースライン;第12週]。
CLASI活動性スコアは、疾患活性を測定し、より高いスコアは、より重篤な疾患を示す。
【0318】
二次評価項目は、以下のものである:
・第12週での、CLASI活動性スコアがベースラインから≧5ポイント低減した参加者の比率[タイムフレーム:ベースライン;第12週]
CLASI活動性スコアは、疾患活性を測定し、より高いスコアは、より重篤な疾患を示す。
・第12週での、CLASI活動性スコアがベースラインから悪化しなかった参加者の比率[タイムフレーム:ベースライン;第12週]
CLASI活動性スコアは、疾患活性を測定し、より高いスコアは、より重篤な疾患を示す。悪化は、CLASI活動性スコアの≧3ポイントの増加として定義された。
・第24週での、CLASI活動性スコアがベースラインから≧5ポイント低減した参加者の比率[タイムフレーム:ベースライン;第24週]
CLASI活動性スコアは、疾患活性を測定し、より高いスコアは、より重篤な疾患を示す。
・第24週での、CLASI活動性スコアがベースラインから悪化しなかった参加者の比率[タイムフレーム:ベースライン;第24週]
CLASI活動性スコアは、疾患活性を測定し、より高いスコアは、より重篤な疾患を示す。悪化は、CLASI活動性スコアの≧3ポイントの増加として定義された。
【0319】
(2.2.試験介入)
本試験は、下記の4種類の介入を提供する:
〇薬物:化合物I−食物と共に又は食物を伴わずに1日1回経口投与される200mg錠剤
〇薬物:SYK阻害剤−食物と共に又は食物を伴わずに1日1回経口投与される30mg錠剤
〇薬物:化合物Iプラセボ−食物と共に又は食物を伴わずに1日1回経口投与される錠剤
〇薬物:SYK阻害剤プラセボ−食物と共に又は食物を伴わずに1日1回経口投与される錠剤。
【0320】
(2.3.試験アーム)
試験参加者は、以下の4つの試験アームに無作為化される:
1.実験:化合物I:24週間にわたる化合物I 200mg及びSYK阻害剤プラセボ
介入:
・薬物:化合物I
・薬物:SYK阻害剤プラセボ
2.実験:SYK阻害剤:24週間にわたるSYK阻害剤30mg及び化合物Iプラセボ
介入:
・薬物:SYK阻害剤
・薬物:化合物Iプラセボ
3.プラセボ比較薬:プラセボ:12週間にわたるプラセボ、その後、参加者は、第24週まで化合物I 200mg+SYK阻害剤プラセボ、又はSYK阻害剤30mg+化合物Iプラセボの投与を受けるように再無作為化されるものとする。
介入:
・薬物:化合物I
・薬物:SYK阻害剤
・薬物:化合物Iプラセボ
・薬物:SYK阻害剤プラセボ
4.実験:延長期間:最初の24週の間に治験薬を永久的に中止しなかった参加者は、その後の24週間の延長期間に参加し得る。延長期間では、参加者は、盲検法で割り当てられた用量の治験薬の投与を受け続けるものとする。
介入:
・薬物:化合物I
・薬物:SYK阻害剤
・薬物:化合物Iプラセボ
・薬物:SYK阻害剤プラセボ
【0321】
(2.4.適格性基準)
適格となるためには、対象は、以下の基準を満たさなければならない:
・≧18〜≦75の年齢の女性
・以下のものを伴い、治験責任医師の評価によって慢性(例えば、円板状)又は亜急性CLEいずれかのCLEと診断されていなければならない:
〇スクリーニング及び第1日で中程度から重度に活性なCLE(CLASI活動性スコア≧10)
〇CLEの治療に列挙された薬物療法のうちの少なくとも1つに対する不耐性又は不十分な反応の既往
〇抗マラリア薬及び/又は局所又は経口のコルチコステロイドの安定用量(第1日の前少なくとも28日間にわたり処方の変化なしとして定義される)は、試験の間許容される。試験の間これらの薬物療法を継続するつもりのない個人は、それらを、第1日の少なくとも28日前に中止していなければならない。
【0322】
鍵となる除外基準は、試験プロトコールにより禁止された併用薬の使用である。
【0323】
(実施例3.臨床試験ループス膜性腎症(LMN))
本例の試験は、ループス膜性腎症(LMN)の対象において化合物I及びSYK阻害剤の安全性及びエフィカシーを評価する第2相、無作為化、二重盲検、多施設試験である。本試験の主目的は、ループス膜性腎症(LMN)の成人において化合物I及びSYK阻害剤のエフィカシーを評価することである。
【0324】
(3.1.試験のエンドポイント)
一次評価項目は、以下のものである:
・ベースライン(第1日)から第16週の尿蛋白のパーセント変化[タイムフレーム:ベースラインから第16週]
・尿蛋白は、24時間採尿の間の尿中タンパク質排泄によって評価されるものとする。
【0325】
二次評価項目は、以下のものである:
・第16週での尿蛋白のベースライン(第1日)からの変化[タイムフレーム:ベースラインから第16週]。尿蛋白は、24時間採尿の間の尿中タンパク質排泄によって評価されるものとする。
・第16週での推算糸球体濾過量(eGFR)のベースライン(第1日)からの変化[タイムフレーム:ベースラインから第16週]
・第16週での尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)のベースライン(第1日)からの変化[タイムフレーム:ベースラインから第16週]。UPCRは、24時間採尿の間の尿蛋白排泄によって評価されるものとする。
・第16週での部分寛解の参加者の比率[タイムフレーム:第16週]。
部分寛解は、ベースライン(第1日)でネフローゼ範囲の蛋白尿症[尿蛋白排泄≧3g/d]であった参加者では<3g/dを下回る尿蛋白排泄かつ≧50%の尿蛋白排泄低減;又は亜ネフローゼ範囲の蛋白尿症[尿蛋白排泄<3g/d])の参加者では≧50%の尿蛋白排泄低減と定義される。
・完全寛解の参加者の比率[タイムフレーム:第16週]。完全寛解は、血尿を伴わない0.5g/日を下回る尿蛋白排泄と定義される。
【0326】
本試験は、下記の4種類の介入を提供する:
・薬物:化合物I
1日1回経口的投与される200mg錠剤
・薬物:SYK阻害剤
1日1回経口的投与される30mg錠剤
・薬物:化合物Iプラセボ
1日1回経口的投与される錠剤
・薬物:SYK阻害剤プラセボ
1日1回経口的投与される錠剤
【0327】
試験参加者は、以下の3つの試験アームに無作為化された:
1.実験:化合物I
介入:
〇薬物:化合物I
〇薬物:SYK阻害剤プラセボ
2.実験:SYK阻害剤
介入:
〇薬物:SYK阻害剤
〇薬物:化合物Iプラセボ
3.実験:延長盲検治療相
尿中タンパク質排泄の減少に基づいて、参加者は、さらに20週間、割り当てられた盲検の試験治療を受け続けるか、又は治験責任医師の裁量でいずれかの試験治療を継続するものとする。
介入:
〇薬物:化合物I
〇薬物:SYK阻害剤
〇薬物:化合物Iプラセボ
〇薬物:SYK阻害剤プラセボ
【0328】
適格となるためには、対象は、以下の基準を満たさなければならない:
・最初のインフォームドコンセントの時点で、18歳以上75歳以下の男性又は女性
・クラスV単独、又はクラスIIと組み合わせされたクラスVのいずれかの、組織学的なLMNの診断がなされたスクリーニングの前18ヶ月以内の腎生検(ループス腎炎の国際腎臓病学会[ISN]及び腎病理学会[RPS]2003年分類(International Society of Nephrology [ISN] and the Renal Pathology Society [RPS] 2003 classification of lupus nephritis))
・1日あたり尿蛋白排泄≧1.5グラム
・スクリーニング時点のMDRD公式化に基づく推算糸球体濾過量(eGFR
MDRD)≧60mg/min/1.73m
2
・スクリーニング中に評価して、活性又は潜在型のTBの証拠なし
【0329】
鍵となる除外基準は、以下のものである:
・以下のような治療の既往:
o第1日の3ヶ月以内のJAK阻害剤での治療の既往
o第1日の6ヶ月以内のリツキシマブ又は他の選択的Bリンパ球枯渇剤(実験的薬剤を含む)の使用。>6ヶ月に最終の用量が投与されており、かつスクリーニング時にCD19陽性B細胞が検出可能である場合には、登録は許容される。
・プロトコールに記載されている何らかの併用禁止薬物療法の使用。
【0330】
(結語)
前述の説明は例示的かつ説明的な性質のものであって、本発明及びその好ましい実施態様を説明することが意図されるものであることが当業者に理解されるであろう。ルーチンの実験を通じて、当業者は、本発明の精神を逸脱することなくなされ得る明白な修正及び変更を認識するであろう。添付の特許請求の範囲の範囲内に入る全てそのような修正は、その中に含まれることが意図される。したがって、本発明は、上記の説明によるだけでなく、以下の特許請求の範囲及びその等価物によっても定義されることが意図される。
【0331】
限定されないが、本明細書中に引用される特許及び特許出願を含む、全ての刊行物は、各々の個々の刊行物が、あたかも完全に示されているように引用により本明細書中に組み込まれていることが具体的にかつ個別的に示されているかのように、引用により本明細書中に組み込まれる。
【0332】
様々な化合物の示差的細胞透過能力などの因子が、インビトロの生化学的アッセイ及び細胞アッセイでの化合物の活性の違いの一因となり得ることが理解されるべきである。
【0333】
本出願で与えられ、記載されている本発明の化合物の化学名の少なくとも一部は、市販の化学物質命名ソフトウェアプログラムの使用によって自動的に作り出された可能性があり、独立に確認されたものではない。この機能を実施する代表的なプログラムとしては、Open Eye Software社によって販売されているLexichem命名ツール、及びMDL社によって販売されているAutonom Softwareツールが挙げられる。表示された化学名と図示された構造が異なる場合、図示された構造が優先する。
References
【化7】
【国際調査報告】