(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-534413(P2019-534413A)
(43)【公表日】2019年11月28日
(54)【発明の名称】ガスタービンの作動中に損傷を認識するための方法
(51)【国際特許分類】
F01D 17/08 20060101AFI20191101BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20191101BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20191101BHJP
F02C 9/00 20060101ALI20191101BHJP
【FI】
F01D17/08 A
F01D25/00 V
F01D25/00 W
F02C7/00 A
F02C9/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-515946(P2019-515946)
(86)(22)【出願日】2017年8月16日
(85)【翻訳文提出日】2019年5月20日
(86)【国際出願番号】EP2017070700
(87)【国際公開番号】WO2018054613
(87)【国際公開日】20180329
(31)【優先権主張番号】16190374.5
(32)【優先日】2016年9月23日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517298149
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン・ルック
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・プファイファー
【テーマコード(参考)】
3G071
【Fターム(参考)】
3G071BA10
3G071BA22
3G071BA33
3G071CA09
3G071EA05
3G071FA06
3G071GA06
3G071HA05
(57)【要約】
本発明は、ガスタービンの作動中に損傷を認識するための方法であって、以下のステップ、すなわち、ガスタービン内またはガスタービンに設けられた温度センサ(S
i)の集合体の所定のサンプリング周期(t
k)にわたる個々の温度測定値(T
i,K)の平均値(T
avg,k)を計算するステップと、前記所定のサンプリング周期(t
k)にわたる前記平均値(T
avg,k)と前記個々の温度測定値(T
i,K)との個々の温度差(ΔT
i,K)を計算するステップと、時間的に連続するサンプリング周期(t
k)に対する前記個々の温度差(ΔT
i,K)を、所定の時間間隔(dt
1)にわたって計算するステップと、前記所定の時間間隔(dt
1)に対して一の温度センサ(S
i)に割り当てられた前記温度差(ΔT
i,K)を温度差間隔(dT
i,J)に分けることによって、第一の分布(D
1)を作成するステップと、前記第一の分布(D
1)を、同じく温度差間隔(dT
i,J)に分けられた温度差(ΔT
i,K)の第二の分布(D
2)と比較するステップと、比較のネガティブな結果に基づいて作動信号を生じさせるステップと、を含む方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンの作動中に損傷を認識するための方法であって、以下のステップ、すなわち、
ガスタービン内またはガスタービンに設けられた温度センサ(Si)の集合体の所定のサンプリング周期(tk)にわたる個々の温度測定値(Ti,K)の平均値(Tavg,k)を計算するステップと、
前記所定のサンプリング周期(tk)にわたる前記平均値(Tavg,k)と前記個々の温度測定値(Ti,K)との個々の温度差(ΔTi,K)を計算するステップと、
時間的に連続するサンプリング周期(tk)に対する前記個々の温度差(ΔTi,K)を、所定の時間間隔(dt1)にわたって計算するステップと、
前記所定の時間間隔(dt1)に対して一の温度センサ(Si)に割り当てられた前記温度差(ΔTi,K)を温度差間隔(dTi,J)に分けることによって、第一の分布(D1)を作成するステップと、
前記第一の分布(D1)を、同じく温度差間隔(dTi,J)に分けられた温度差(ΔTi,K)の第二の分布(D2)と比較するステップと、
比較のネガティブな結果に基づいて作動信号を生じさせるステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記第二の分布(D2)は、同一の温度センサ(Si)の同一の温度差間隔(dTi,J)に分けられた温度差(ΔTi,K)であるが、他の時間間隔(dt2)に対して計算された温度差に関することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一の分布(D1)と前記第二の分布(D2)の比較は、前記第一の分布(D1)の極大(Max1)と前記第二の分布(D2)の極大(Max2)の比較によってなされることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第一の分布(D1)と前記第二の分布(D2)の比較は、両方の分布(D1,D2)が、両方の時間間隔(dt1,dt2)にわたる時間的推移を表す軸を備える共通のダイアグラムにおいてプロットされることによって行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記第一の分布(D1)と前記第二の分布(D2)の比較は、前記第一の分布(D1)の極大(Max1)の位置を、前記第二の分布(D2)の分布幅から決定された状態空間(Z)の境界と比較することによって行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記第一の分布(D1)および/または前記第二の分布(D2)は前記時間間隔(dt1,dt2)の全てのサンプリング周期(tk)に関して累積的に計算されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第二の分布(D2)は、前記第一の時間間隔(dt1)を超えてスライド式に計算することにより、前記第一の分布(D1)から生じることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第二の分布(D2)は、他の温度センサ(Sm)の温度差間隔(dTm,j)に分けられた温度差(ΔTm,K)であるが、同一の時間間隔(dt1)に対して計算された温度差に関することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第一の分布(D1)と前記第二の分布(D2)の比較は、前記第一の分布(D1)の極大(Max1)と前記第二の分布(D2)の極大(Max2)の比較によってなされることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記極大(Maxi)の比較は前記集合体の前記温度センサ(Si)の全ての極大に関し、それにより前記集合体から最大極大と最小極大(Maxi)との集合体差(E)が決定されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施するために形成されている制御装置であって、
前記個々の温度測定値(Ti,K)の前記平均値(Tavg,k)の計算と、前記個々の温度差(ΔTi,K)の計算と、第一の分布(D1)および第二の分布(D2)の作成と、前記第一の分布(D1)と前記第二の分布(D2)の比較と、を行う計算ユニットと、前記比較の結果がネガティブであるとき、作動信号を生じさせる信号発生ユニットとが含まれている制御装置。
【請求項12】
請求項11に記載の制御装置を有するガスタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスタービンの作動中に損傷を認識するための方法と、そのようなガスタービンと、対応する方法を実施するために形成されている制御装置とに関する。ガスタービンの作動中に損傷を認識するための方法はすでに特許文献1および特許文献2から知られている。タービンのための制御装置は例えば特許文献3から知られている。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンでは熱的な条件から、多様な損傷が生じ得る。このときガスタービンにおいて例えば熱的に最も高い負荷がかかる領域、いわゆる高温ガス領域は、1600℃までの温度に曝されている。ここで高温ガス領域内に、特にガスタービンのバーナもしくは管状燃焼室に損傷が生じていると、これらの損傷は多くの場合、突然生じるものではなく、比較的長い時間にわたって出現し、進展することが観察できる。
【0003】
多くの場合、熱的な条件によるこれらの損傷を生じさせるのは、ガスタービン内部の不均一な温度配分である。ガスタービンにおいてバーナ損傷時に例えばタービン翼には熱的に非常に大きな繰返応力がかかるが、それはタービン翼の回転に基づいて、タービン翼がバーナの異なる熱的条件に曝されているからである。こうした繰返応力は動作時間が増大するにつれて、ガスタービンの翼を構造的に損なう。繰返応力に際して構成要素が曝されている温度差が大きいほど、構成要素は速やかに劣化し、損傷のために交換しなければならなくなる。
【0004】
熱的繰返応力だけでなく、静的な熱応力も、ガスタービン内部の損傷を受けた箇所の近辺で材料破壊を生じさせる可能性がある。例えばガスタービンにおいてバーナもしくは管状燃焼室に損傷があるとき、結果としていわゆるトランジションの領域内に熱的材料破壊が観察される場合が多い。この材料破壊に先立って典型的に、トランジションが備えているセラミックコーティングが損なわれる。このセラミックコーティングの破壊の後、結果としてトランジションの金属の基礎構造が破壊される場合が多い。これらの部材に不都合な熱的負荷がかかる結果、比較的長い動作時間を経て個々の部材に微小亀裂もしくは他の材料技術的損傷が生じ得る。このような微小亀裂はさらなる動作時間が経過すると、顕微鏡的亀裂へと進展し、当該顕微鏡的亀裂を介して例えば低温の冷却空気が燃焼室に入り込む可能性があり、それはまた燃焼室温度の低下を生じさせる。こうしてそれぞれ該当するバーナにおいて低下させられた高温ガスの出口温度は、全てのタービン段を通過した後、次第に弱められた形で局所的に伝達されるが、ガスタービンの排ガス出口管路の領域において依然として測定技術的に有意に、低温空気の筋として確認することができる。
【0005】
このような損傷事象を測定技術的に検知できるように、ガスタービンでは多くの場合、温度センサ(サーモ素子)が用いられ、当該温度センサはガスタービンもしくはガスタービンに含まれる部材の熱負荷における相違を検知させる。ガスタービンではおよそ12個から24個の温度センサが、排ガス出口管路の領域において径方向に配分され、そのようにして対極的な排ガス温度測定を行うことができる。このような熱的損傷事象を検知するために従来応用された方法は、例えば温度測定値をローパスフィルタ処理すること、もしくは温度センサによって記録された個々の温度測定値を互いに比較計算することを必要とした。
【0006】
しかしながら既知の方法では、熱による損傷を時間的に十分間に合うように、かつ確実に認識し得ないことが判明し、したがって温度センサを用いて測定された温度測定値の評価を可能とし、それにより確実で信頼性のある予測を行うことができるように、さらなる方法が必要である。ガスタービンの運転者にとっては、このような熱的損傷をできる限り早期に認識することが望ましく、それによりメンテナンス作業の予測可能性を向上させるとともに、復旧修理の場合、ガスタービンの停止を予測することができる。加えてこのようなガスタービンの運転者は全面的な損傷を防止することを望むが、それにより例えばガスタービン内部の他の部材に波及する損傷を回避することもできる。
【0007】
温度測定値を分析するための既知の現行の評価方法は、時として結果が広く分散するために、不確実な、したがって不十分な結果しかもたらさない。したがって熱的損傷は十分早期に認識されない場合が多い。加えて記録される温度測定値には確率的なばらつきも当然に存在し、これは起こりうる熱的損傷をさらに隠蔽することにつながりかねない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/079070号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/086024号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2012/194667号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって明らかに、従来技術から知られている不利点を回避できるさらなる方法、もしくはそのような方法を実施するために好適な制御装置、もしくは対応するガスタービンを提案することが技術的に求められている。特に熱的損傷事象を確実かつ信頼性を有して早期に認識させることができる方法、もしくは制御装置、およびガスタービンが提案されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明が解決すべきこの課題は、請求項1に記載の方法と、請求項11に記載の制御装置と、請求項12に記載のガスタービンとによって解決される。
【0011】
本発明が解決すべき課題は特に、ガスタービンの作動中に損傷を認識するための方法であって、以下のステップ、すなわち、
ガスタービン内またはガスタービンに設けられた温度センサの集合体の、所定のサンプリング周期にわたる個々の温度測定値の平均値を計算するステップと、
前記所定のサンプリング周期にわたる前記平均値と前記個々の温度測定値との個々の温度差を計算するステップと、
時間的に連続するサンプリング周期に対する前記個々の温度差を、所定の時間間隔にわたって計算するステップと、
前記所定の時間間隔に対して一の温度センサに割り当てられた温度差を温度差間隔に分けることによって、第一の分布を作成するステップと、
前記第一の分布を、同じく温度差間隔に分けられた温度差の第二の分布と比較するステップと、
比較のネガティブな結果に基づいて作動信号を生じさせるステップと、を含む方法によって解決される。
【0012】
本発明が解決すべき課題はまた、上記および以下に説明される方法を実施するために形成されている制御装置によって解決され、個々の温度測定値の平均値の計算と、個々の温度差の計算と、第一の分布および第二の分布の作成と、第一の分布と第二の分布の比較とを行う計算ユニットと、比較の結果がネガティブであるとき、作動信号を生じさせる信号発生ユニットとが含まれている。
【0013】
本発明が解決すべき課題はまた、上記および以下に説明される制御装置を有するガスタービンによって解決される。
【0014】
ここで、本願の分布は頻度分布の意味で理解すべきものであることが指摘される。
【0015】
上記のサンプリング周期はこの場合、逆数のサンプリングレートに対応し、本願では当該サンプリングレートに応じて、例えば一秒に一回、温度差が計算される。重要な点は、損傷が発生する前に典型的にガスタービンが作動される時間間隔よりも、サンプリング周期が短いことである。言い換えればサンプリング周期は、出来る限り良好な時間分解を達成するために十分に短くなくてはならない一方で、短すぎるべきではなく、それにより後で一時的に緩衝記憶されなければならないデータの不要な受信を回避する。典型的なサンプリング周期は複数秒から複数分の範囲にある。
【0016】
本願でいう時間間隔は本発明によればサンプリング周期よりも短くないが、一の場合にはサンプリング周期と一致することさえある。しかしながら典型的には時間間隔の方がはるかに長く、それにより一の時間間隔内に多数のサンプリング周期が存在してよい。時間間隔は、熱的損傷の時間的な進展が十分良好に観察され得るような大きさで選択しなければならない。典型的な時間間隔は、複数の日、複数の週の範囲にあり、複数の月の範囲でさえある。
【0017】
ここでまた、温度差間隔は数値間隔の意味で理解すべきである点を指摘すべきであり、温度差は数値に応じて当該数値間隔に分類することができ、それにより相応の仕分けに応じて分布が得られる。言い換えれば温度差間隔は上記において定義された数値範囲であって、当該数値範囲にわたって頻度分布が計算されるべき数値範囲にほかならない。数値間隔は通常の場合、隣接しており、それによりそれぞれの温度差に対して一の間隔を割り当てることができる。数値間隔はこの場合、計算技術上の理由から特に、互いに等しく離間した状態で選択され、それにより隣接間隔はそれぞれ同等の間隔長さにわたって延在する。本発明に係るガスタービンでは、隣接間隔を当該隣接間隔の間隔幅に関して0.1ケルビンとおよそ4ケルビンとの間で選択すると好適であることが判明している。ここで続いて一定の数値間隔において、個々の温度差の頻度が数えられるとともに、全ての記録の総数と比較されると、本願の分布の意味での頻度分布は容易に計算することができる。
【0018】
本発明に係るガスタービンにおいて温度センサは好適に、排ガス出口管路の領域内に設置されていてよい。対極的な温度イメージを記録するために径方向の幾何形状を備える温度センサの構成も好適である。
【0019】
本発明によれば作動信号は、比較のネガティブな結果に基づいて生じさせられるべきである。ネガティブな結果が生じるのは、比較の結果から、損傷事象が発生している、もしくはそのような事象が発生しかけていて将来的に待ち受けているとの認識が得られるときである。このとき典型的に一定の限界値であって、当該限界値を超えること、もしくは当該限界値に到達することがネガティブな結果として分類され得る限界値が前もって決定されていなければならない。このような限界値は典型的に、経験値に基づいて定義される。またガスタービンの考慮される構成要素に応じて、ここで異なる限界値が設定されていてもよい。このような限界値を前もって包括的に設定することは有意義でない。
【0020】
本発明によれば、二つの分布の比較に基づいて損傷を認識することが規定されている。このとき分布は前もってそれぞれの温度センサに対して作成され、例えば個々の温度測定値の平均値からの個々の温度測定値の偏差の時間的な変化を明示することができる。すなわち、例えば従来行われていたように、温度センサの個々の絶対値を観察する代わりに、本発明によれば、所定の時間間隔にわたって記録された温度測定値の個々の分布が観察される。このとき分布の分解能はサンプリング周期を介して決定され、要求に応じて個々に調整することができる。
【0021】
こうして個々の温度測定値の分散に関する上記の問題は、個々の分布を比較することに基づいて低減させることができるが、それは多くの温度測定値から導出された全分布が比較されるからである。このとき二つの分布の比較は、やはり様々なやり方で行うことができ、以下の従属請求項の対象となっている。しかしながら単純な数値計算を実施した後に、複数の分布から行う比較は、個々の温度測定値の比較よりもはるかに優れていることが明らかである。
【0022】
このような比較から、一定のネガティブな結果が導出され得ることが分かると、ガスタービンの運転者に対して作動信号が生じさせられ、当該作動信号は例えば出力の低減、領域ごとの停止を生じさせ、ガスタービン全体の停止さえ生じさせ得る。
【0023】
本発明の第一の好適な実施の形態によれば、第二の分布は、同一の温度センサの同一の温度差間隔に分けられた温度差であるが、他の時間間隔に対して計算された温度差に関することが規定されている。したがってこれにより、一の温度センサの分布の時間的変化を追跡することができ、そのようにして当該温度センサの局所的領域における時間的変化について結論づけることができる。したがって例えば時間的に後続の時間間隔において第二の分布の有意な変化が生じたことが明らかになると、それはネガティブな結果が存在することの前兆となり得る。したがって例えば一の特定の温度センサにおいて、第二の分布の変化が発生したことを確認でき、それにより例えば燃焼室領域における熱的損傷の発生を推論することができる。
【0024】
本発明のさらなる実施の形態によれば、第一の分布と第二の分布の比較は、第一の分布の極大と第二の分布の極大の比較によってなされることが規定されている。このとき極大の比較は比較的簡単に可能であるが、それは単に個々の数値を互いに比較すればよいからである。したがって第一の分布と第二の分布の分布幅全体を互いに関係づける必要はなく、極大の数値のみを互いに比較すれば十分であり、それにより統計的に有意な報告を行うことができる。したがって計算は迅速かつ容易に実施することができる。
【0025】
本発明のさらなる実施の形態によれば、第一の分布と第二の分布の比較は、両方の分布が、両方の時間間隔にわたる時間的推移を表す軸を備える共通のダイアグラムにおいてプロットされることによって行われることが規定されている。分布の推移の変化をダイアグラムで表示することによりまた、分布の変化が損傷の発生をいつ表示もしくは告知するかを認識することができる。このとき色価ヒストグラムが特に好適であり、当該色価ヒストグラムは色価に基づいて数値範囲を認識させ、それにより色価の変化を介して数値の変化についても結論づけさせる。色価は視覚により容易に直観的に理解できる分布表示を可能にするとともに、時間の経過に伴う分布変化を認識可能にする。このような色価ヒストグラムは例えば、個々の温度センサに関してガスタービンの運転者に表示することができ、それにより運転者は温度センサが設置されている領域を検査することができる。
【0026】
本発明に係る方法のさらなる実施の形態によれば、第一の分布と第二の分布の比較は、第一の分布の極大の位置を状態空間の境界と比較することによって行われることが規定されており、当該状態空間は、第二の分布の分布幅から決定されたものである。したがって第二の分布は当該第二の分布の幅に基づいて状態空間、すなわち数値帯を規定し、損傷を受けていないガスタービンの場合、当該数値帯内部に第一の極大があるものと想定される。このとき状態空間は経験値から、すなわち時間間隔の長さにわたる測定値から生じ、状態空間は第二の分布の分布幅から導出される。状態空間として特に、第二の分布の3シグマ幅を参照することができる。例えば前もって多数の温度測定値を評価することによって、第二の分布の分布幅がひとたび決定されると、第一の分布の極大が第二の分布の状態空間内にあるかどうか簡単に確かめることができる。ネガティブな結果が生じるのは、例えば第一の分布の極大が第二の分布の状態空間の外部に来るときであると想定される。この数値比較の実施は比較的簡単であり、容易に実行することができる。
【0027】
本発明のさらなる態様によれば、第一の分布および/または第二の分布は時間間隔の全てのサンプリング周期に関して累積的に計算されることが規定されている。累積的な計算は統計的な妥当性を高めるが、それはそれぞれ前もってすでに決定されている分布の分布値をしだいに増やすように供給し得るからであり、それにより継続的で、しだいに正確さを増す分布が作成される。しかしながらこのような累積的な計算は、比較的長い時間間隔の終わりにわずかな変化しか示さず、それにより時間間隔は、発生しかけている損傷が隠蔽されることを防ぐために、相応に短く選択されるべきであると想定される。
【0028】
代替的に、あるいはまた付加的に、第一の時間間隔を超えてスライド式に計算することにより第二の分布が第一の分布から生じることが規定されてよい。したがって第二の時間間隔が相応に第一の時間間隔よりも長く決定され、少なくとも部分的に第一の時間間隔と一致することにより、第二の分布は第一の分布から生じる。スライド式計算というこの型式も、特に画面上でダイアグラム表示を行うとともに分布を継続的に更新する場合、第一の分布における変化を検知するための容易な可能性を実現する。すなわち、第一の時間間隔もしくは第一の時間間隔の部分に対して、第二の分布がまだ第一の分布と同一である場合、第一の時間間隔を超えてスライド式計算が行われた後、場合により偏差が生じ得、当該偏差から比較のためのネガティブな結果を導出することができる。
【0029】
本発明のさらなる好適な実施の形態によれば、第二の分布は、他の温度センサの温度差間隔に分けられた温度差であるが、同一の時間間隔に対して計算された温度差に関することが規定されている。この意味において同一の評価方法を用いて、例えば異なる温度センサが同一の測定時間にわたって評価される。温度センサは例えば、当該温度センサの温度環境が同等であるように設置されている場合、比較的長い作動時間を経た分布も同等であると予測される。同等な分布は、通常の劣化現象を示し得る。しかしながらある時点以降、分布が互いに相違する場合、これは損傷の兆候であり得る。特に熱的な観点から、幾何学的には異なる場所にあるが、熱的には同一の条件に曝されている温度センサの場合、温度センサの照合もしくは、特定の温度センサと相互に関係し得る熱的損傷を迅速に決定することができる。
【0030】
この概念のさらなる展開によれば第一の分布と第二の分布の比較は、第一の分布の極大と第二の分布の極大との比較によってなされることが規定されている。極大の比較はすでに上記において述べたとおり、比較的簡単に可能であるが、それは単に二つの数値を互いに比較すればよいからである。したがって比較のための計算は比較的簡単に実行できるとともに、ネガティブな結果もこの計算から迅速に導出することができる。
【0031】
このアプローチの付加的なさらなる展開によれば、極大の比較は集合体の温度センサの全ての極大に関し、それにより集合体から最大極大と最小極大との集合体差が決定される。このように全ての温度センサにわたって個々の極大を比較することにより、温度分散フィールドを特定することができ、当該温度分散フィールド内に、特定された最大温度差が記載されている。個々の極大の分散幅から、ガスタービン内の温度センサの該当する取り付け場所が受ける温度繰返応力の程度も明らかになる。回転する高温ガス構成要素ではこれにより、当該構成要素の熱的負荷について結論づけることができる。すなわち、回転する高温ガス構成要素は継続的に熱的繰返応力に曝され、当該熱的繰返応力は全ての極大の分散幅が大きいほど大きくなる。言い換えれば熱的繰返応力は、最小極大からの最大極大の偏差が大きいほど、大きくなる。
【0032】
以下において個々の図に基づいて、本発明を細部にわたってより詳しく説明する。このとき指摘すべき点は、図において同一の参照番号を付された技術的特徴は、同一の技術的機能を有するべきであるということである。
【0033】
同じく指摘すべき点は、以下の図において説明される技術的特徴は、それらの組み合わせにより本発明の解決すべき課題を解決できる限り、互いに任意に組み合わせて、また本発明の上記の実施の形態と任意に組み合わせて、保護を請求されるべきであるということである。
【0034】
さらに指摘すべき点は、以下の図は単に概略的に理解すべきであり、特に本発明の実施可能性の制限を主張させるものではないということである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】所定の時間間隔に対する個々の温度差値の第一の頻度分布D
1を温度差間隔dT
i,Jで表したダイアグラム表示である。
【
図2】温度が−4.0Kのときの頻度極大Max
1(=dT
MAX1)を指定した
図1に示す第一の頻度分布D
1のダイアグラム表示である。
【
図3】時間tに対して個々の分布の変化を時間的に表示する色価ヒストグラムである。
【
図4】ガスタービンの異なる出力Pにおける、第一の分布の第一の頻度極大M
AX1(もしくはM
AX1′)の位置と、第二の分布から導出される状態空間Zとの関係をダイアグラムで表示する図である。
【
図5】温度センサの集合体について、それぞれ所定の時間間隔に対する極大Max
iの分散をダイアグラムで表示する図である。
【
図6】
図5に示すような温度センサの集合体の温度センサの極大Max
iの分散をダイアグラムで表示するが、著しく分散幅が小さくなっている図である。
【
図7】本発明に係るガスタービンの作動中に損傷を認識するための方法の一の実施の形態をフローチャートによって表示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は第一の頻度分布D
1をダイアグラムで表示しており、第一の頻度分布は標準化されている。したがって縦座標は単位を有さない相対的頻度Hに対応する。認められるとおり、頻度分布D
1はおよそ10Kの分布幅を有しており、およそ−4Kの差温dTにおいて明らかな極大が形成されている。第一の分布D
1は、時間的に連続するサンプリング周期t
Kに対する所定の数の温度差ΔT
i,Kを所定の時間間隔dt
1にわたって計算し、温度差間隔分類dTに応じて個々の数値間隔dT
i,Jに分けることによって作成された。相応に標準化するとともに所定のゼロ値に合わせて温度を調整すると、図に示す第一の分布D
1が生じる。
【0037】
ここで指摘すべき点は、上記および以下の下付き文字iおよびmは、1から、考慮される集合体の温度センサの数まで及ぶということである。例えば個々のセンサを取り出す場合、下付き文字は明示的に、例えば1または2を用いて記載される。また下付き文字kは1から、一の時間間隔dt内にあるサンプリング周期の数まで及ぶ。これは単独のサンプリング周期であってよいが、有意にそれより大きく、例えば10
6またはそれより大きい桁であってもよい。下付き文字jは分布のための個々の温度差間隔の数に関する。このとき下付き文字jは典型的に1より大きく、1000より小さい。
【0038】
本発明に係る方法の一の実施の形態によれば、表示される第一の分布D
1はここでさらに第二の分布D
2と比較することができ、第二の分布D
2も温度差間隔dTに分けられた温度差ΔT
i,Kを有している。第一の分布D
1を第二の分布D
2と比較した際に偏差が生じるとき、場合により比較のネガティブな結果を推論することができ、比較のネガティブな結果に基づいて作動信号が生じさせられ、それによりガスタービンの運転者に対して例えば、熱的損傷事象が将来的に生じるであろうということ、あるいはすでに生じていることが指摘される。
【0039】
図2は
図1においてすでに表示されているように、第一の分布D
1を示すが、ここでは第一の分布D
1の極大が指示されている。温度値はゼロ値に合わせて調整されているので、本図による分布は−4Kの極大値dT
MAX1=Max
1を示す。実施によれば当該極大値Max
1は、第一の分布D
1と第二の分布D
2のさらなる比較のために参照することができる。このとき例えば上記において説明したように、両方の分布D
1およびD
2の極大値Max
1およびMax
2(=dT
MAX2)を互いに比較することができ、あるいはまた極大値Max
1は、第二の分布D
2の分布幅から導出された状態空間Zと一致する。
【0040】
図3は個々の分布の色価ヒストグラムを時間的推移において示している。このとき温度差間隔dTに分けられた分布Dは、時間tに対してプロットされている。時間tは、互いに連続する個々の時間間隔dtを継続的に表示することから得られる。時間軸は典型的に週の単位を有する。したがって本図は、温度差間隔dT
i,Jに分けられた温度差ΔT
i,Kの時間的推移を22週の全体時間にわたって示している。このとき時間間隔dtは、さらなる特定が行われない長さを有している。しかしながら例えば3週の時点での第一の分布D
1を取り上げると、分布がおよそ+5Kの領域内に極大を有することが確認される。分布D
1のこの極大値がおよそ5週半の時点で変化したことは、ガスタービンの部分負荷における様々な作動条件によって説明される。しかしながらこの場合、熱的損傷の発生は除外することができる。
【0041】
これに対して17週の時点での第二の分布D
2に応じた分布を観察すると、分布がより大きな温度差間隔値dT
i,Jに向かって移動されたことが確認される。分布の極大は今やおよそ7.5Kにある。この状況はガスタービン内の燃焼室部材が損傷したことによって生じる。言い換えれば第一の分布D
1と第二の分布D
2の相違から明らかに、視覚的に容易に見える変化が認識され、当該両方の分布は一の温度センサS
iの異なる温度差ΔT
i,Kを、同一の温度差間隔dT
i,Jに対して分けたものに基づいて作り出されている。両方の分布D
1,D
2の偏差は第7週の後、第22週までさらに増大する。その後、第22週の時点で、該当するガスタービンの運転者は、燃焼室内の高温ガス部材の損傷によるガスタービンの故障を記録することができた。しかしながら第22週の時点でのこの損傷事象は、すでに第16週以降明らかになっていた。温度測定値を持続的に監視することにより、もしくは本発明に応じて提案されるように好適に評価することにより、計算された個々の分布の視覚的偏差および数値的偏差に基づいて、将来の損傷事象を容易に予測することができる。
【0042】
図4は、第一の分布D
1の極大値Max
1(もしくはMax
1′)と、第二の分布D
2から特定される分布幅、すなわち状態空間Zとを比較した視覚的比較をダイアグラムで表示したものを示している。このとき分布幅は、ガスタービンの出力Pの関数としてプロットされている。容易に理解されるように、当該分布幅は出力の増大につれて増えはしないが、より大きな温度値へと直線的に移動されている。上記においてすでに述べたとおり、ガスタービンの負荷が異なると、燃焼時に調整される温度も異なることが知られており、特にガスタービンにおいては例えば負荷が増大すると、特定の作動方法によっては燃焼室温度も変化することが知られている。
【0043】
第一の分布D
1の第一の極大Max
1と、第二の分布D
2の状態空間Zとの比較は、およそ215MWの出力において行われる。明らかに認められるとおり、極大値Max
1はマークされた状態空間Zの陰影斜線を付された領域内部にある。言い換えれば、第二の分布D
2からの第一の分布D
1の偏差は、本図において明示的に示されていないが、状態空間に基づいて図像的に表示可能とされており、十分に一致している。これによりガスタービンの高温ガス部材に損傷が生じていることは概ね除外することができる。
【0044】
これに対して同じくダイアグラムに表示された極大値Max
1′の場合は状況が異なり、極大値Max
1′は、例えば他の第一の分布D
1の極大値を表示すべきものである。容易に認められるとおり、この代替的な極大値Max
1′は、グレーに陰影づけされた領域内に含まれておらず、したがって第二の分布D
2の状態空間Zの外部にある。こうなるとこの状況は両方の分布D
1およびD
2の比較のネガティブな結果として評価することができ、作動信号を生じさせる結果となる。したがって運転者は値の偏差に基づいて、起こり得る熱的損傷事象が発生していると結論づけることができる。
【0045】
図5は温度センサS
iの集合体の全ての極大Max
i(=dT
maxi)の表示を示している。全体で24個の温度センサS
iの極大Max
iが表示されており、分散幅はおよそ75Kである。分散幅は集合体差Eに対応し、当該集合体差は将来の比較のための比較値として参照することができる。
【0046】
指摘すべき点は、表示された極大がここでもゼロ値調整を受けているか、もしくは極大値が0Kの周囲に分散するように、定数因子を用いて減少させられていることである。このような図表技術上の簡易化は、表示を向上させるためにのみ行われる。
【0047】
図5と比較して
図6は、温度センサS
iの同一の集合体の多数の極大Max
iを示しており、分布幅は著しく少なくなっており、21Kである。両方の表示の集合体差Eを比較することにより、
図6に示す作動状態によれば、考慮されるガスタービン内部で熱的偏差の大きさが小さくなっていると認められる。この意味において、特に可動式もしくは回転式部材、例えばロータを備えるガスタービンでは、可動式部材が増加しているか、もしくはより大きな熱的繰り返し応力に曝されていることが想定され得る。
【0048】
図に示す極大Max
iが例えば、ガスタービンの排ガス出口管路内に径方向に設けられている温度センサから導出されている場合、
図5に示すより大きな分散幅から、特に回転式のタービン翼は当該タービン翼の移動に際して、比較的大きい熱的な繰返し応力を受けているものと結論づけられる。これによりまた、熱的な負荷を受けている部材が比較的速やかな劣化プロセスをたどり、したがって早期に整備もしくは交換しなければならないと結論づけることができる。例えば作動の間に、個々の極大Max
iにおける分散幅が大いに増大すること、もしくは集合体差Eが有意に変化することを確認した場合、これはネガティブな結果として評価することができ、ガスタービンの運転者に対しておそらくメンテナンス作業の実施が必要であろうと示すことができる。
【0049】
図7は、本発明に係るガスタービンの作動中に損傷を認識するための方法であって、以下のステップ、すなわち、
ガスタービン1内またはガスタービンに設けられた温度センサS
iの集合体の所定のサンプリング周期t
kにわたる個々の温度測定値T
i,Kの平均値T
avg,kを計算するステップ(第一の方法ステップ101)と、
前記所定のサンプリング周期t
kにわたる前記平均値T
avg,kと前記個々の温度測定値T
i,Kとの個々の温度差ΔT
i,Kを計算するステップ(第二の方法ステップ102)と、
時間的に連続するサンプリング周期t
kに対する前記個々の温度差ΔT
i,Kを、所定の時間間隔dt
1にわたって計算するステップ(第三の方法ステップ103)と、
前記所定の時間間隔dt
1に対して一の温度センサS
iに割り当てられた温度差ΔT
i,Kを温度差間隔dT
i,Jに分けることによって、第一の分布D
1を作成するステップ(第四の方法ステップ104)と、
前記第一の分布D
1を、同じく温度差間隔dT
i,Jに分けられた温度差ΔT
i,Kの第二の分布D
2と比較するステップ(第五の方法ステップ105)と、
比較のネガティブな結果に基づいて作動信号を生じさせるステップ(第六の方法ステップ106)と、を含む方法の一の実施の形態をフローチャートによって表示したものを示している。さらなる実施の形態は従属請求項に記載されている。
【符号の説明】
【0050】
S
i 温度センサ
T
i,K 個々の温度測定値
T
avg,k 個々の温度測定値の平均値
t
k サンプリング周期
ΔT
i,K 個々の温度差
dt
1 所定の時間間隔
dT
i,J 温度差間隔
D
1 第一の頻度分布
H 単位を有さない相対的頻度
dT 差温
D
2 第二の頻度分布
Max
1 第一の頻度分布の極大値
Max
2 第二の頻度分布の極大値
Z 状態空間
E 集合体差
【手続補正書】
【提出日】2019年6月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンの作動中に損傷を認識するための方法であって、以下のステップ、すなわち、
ガスタービン内またはガスタービンに設けられた温度センサ(Si)の集合体の所定のサンプリング周期(tk)にわたる個々の温度測定値(Ti,K)の平均値(Tavg,k)を計算するステップと、
前記所定のサンプリング周期(tk)にわたる前記平均値(Tavg,k)と前記個々の温度測定値(Ti,K)との個々の温度差(ΔTi,K)を計算するステップと、
時間的に連続するサンプリング周期(tk)に対する前記個々の温度差(ΔTi,K)を、第一の時間間隔(dt1)にわたって計算するステップと、
前記第一の時間間隔(dt1)に対して一の温度センサ(Si)に割り当てられた前記温度差(ΔTi,K)を温度差間隔(dTi,J)に分けることによって、第一の分布(D1)を作成するステップと、
前記第一の分布(D1)を、同じく温度差間隔(dTi,J)に分けられた温度差(ΔTi,K)の第二の分布(D2)と比較するステップと、
比較のネガティブな結果に基づいて作動信号を生じさせるステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記第二の分布(D2)は、同一の温度センサ(Si)の同一の温度差間隔(dTi,J)に分けられた温度差(ΔTi,K)であるが、第二の時間間隔(dt2)に対して計算された温度差に関することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一の分布(D1)と前記第二の分布(D2)の比較は、前記第一の分布(D1)の極大(Max1)と前記第二の分布(D2)の極大(Max2)の比較によってなされることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第一の分布(D1)と前記第二の分布(D2)の比較は、両方の分布(D1,D2)が、前記第一の時間間隔及び第二の時間間隔(dt1,dt2)にわたる時間的推移を表す軸を備える共通のダイアグラムにおいてプロットされることによって行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記第一の分布(D1)と前記第二の分布(D2)の比較は、前記第一の分布(D1)の極大(Max1)の位置を、前記第二の分布(D2)の分布幅から決定された状態空間(Z)の境界と比較することによって行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記第一の分布(D1)および/または前記第二の分布(D2)は前記第一の時間間隔及び第二の時間間隔(dt1,dt2)の全てのサンプリング周期(tk)に関して累積的に計算されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第二の分布(D2)は、前記第一の時間間隔(dt1)を超えてスライド式に計算することにより、前記第一の分布(D1)から生じることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第二の分布(D2)は、他の温度センサ(Sm)の温度差間隔(dTm,j)に分けられた温度差(ΔTm,K)であるが、前記第一の時間間隔(dt1)に対して計算された温度差に関することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第一の分布(D1)と前記第二の分布(D2)の比較は、前記第一の分布(D1)の極大(Max1)と前記第二の分布(D2)の極大(Max2)の比較によってなされることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記極大(Maxi)の比較は前記集合体の前記温度センサ(Si)の全ての極大に関し、それにより前記集合体から最大極大と最小極大(Maxi)との集合体差(E)が決定されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施するために形成されている制御装置であって、
前記個々の温度測定値(Ti,K)の前記平均値(Tavg,k)の計算と、前記個々の温度差(ΔTi,K)の計算と、第一の分布(D1)および第二の分布(D2)の作成と、前記第一の分布(D1)と前記第二の分布(D2)の比較と、を行う計算ユニットと、前記比較の結果がネガティブであるとき、作動信号を生じさせる信号発生ユニットとが含まれている制御装置。
【請求項12】
請求項11に記載の制御装置を有するガスタービン。
【国際調査報告】