特表2019-534684(P2019-534684A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特表2019-534684細胞を活性化させるための方法およびキット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-534684(P2019-534684A)
(43)【公表日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】細胞を活性化させるための方法およびキット
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/078 20100101AFI20191108BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20191108BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20191108BHJP
   A61K 47/56 20170101ALI20191108BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20191108BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALN20191108BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20191108BHJP
   C12N 15/31 20060101ALN20191108BHJP
【FI】
   C12N5/078ZNA
   A61P43/00 107
   A61K45/00
   A61K47/56
   A61K39/395 N
   A61K39/395 D
   C12N5/0783
   C12N15/12
   C12N15/31
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2019-510693(P2019-510693)
(86)(22)【出願日】2017年8月24日
(85)【翻訳文提出日】2019年3月15日
(86)【国際出願番号】US2017048306
(87)【国際公開番号】WO2018039400
(87)【国際公開日】20180301
(31)【優先権主張番号】15/245,584
(32)【優先日】2016年8月24日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】コヴァックス,アーネスト・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】スード,アヌープ
(72)【発明者】
【氏名】スミス,レジナルド・ドノヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ロギン,エヴリナ・ロクサーナ
(72)【発明者】
【氏名】チャウドゥーリ,パドマパルナ
(72)【発明者】
【氏名】ケスカー,ヴァンダナ
(72)【発明者】
【氏名】チャドウィック,クリスタル・メイ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,マーティン・ジェームス
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA94X
4B065BB19
4B065BB25
4B065BC03
4B065BC07
4B065BC11
4B065CA44
4C076CC26
4C076EE59
4C076EE60
4C076FF68
4C084AA17
4C084AA27
4C084MA05
4C084NA05
4C084NA10
4C084ZB221
4C084ZB222
4C085AA13
4C085AA14
4C085DD21
4C085EE01
4C085EE05
(57)【要約】
本明細書では、免疫細胞を活性化させる方法が提示される。方法は、免疫細胞の集団を用意するステップと、免疫細胞の集団を、第1の薬剤および第2の薬剤と接触させるステップとを含む。第1の薬剤は、第1の結合性部分に付加した免疫細胞活性化剤を含み、第2の薬剤は、少なくとも1つの捕捉オリゴマーを含む。少なくとも1つの捕捉オリゴマーは、第1の結合性部分と会合することが可能である。また、免疫細胞を活性化させるためのキットも提示される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫細胞を活性化させる方法であって、
a)免疫細胞の集団を用意するステップと;
b)免疫細胞の集団を、第1の薬剤および第2の薬剤と接触させるステップと
を含み、
第1の薬剤が、第1の結合性部分に付加した免疫細胞活性化剤を含み、
第2の薬剤が、少なくとも1つの捕捉オリゴマーを含み、
少なくとも1つの捕捉オリゴマーが、第1の結合性部分と会合することが可能である
方法。
【請求項2】
第1の結合性部分が、第1の結合性核酸配列である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
免疫細胞活性化剤を、第1の結合性核酸配列に、共有結合を介して付加する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの捕捉オリゴマーが、捕捉オリゴヌクレオチドであり、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドが、第1の結合性核酸配列と相補的である、請求項1、2、または3記載の方法。
【請求項5】
第2の薬剤が、ローリングサークル法による増幅産物である、請求項1乃至4の一項または複数項記載の方法。
【請求項6】
免疫細胞が、T細胞であり、免疫細胞活性化剤が、T細胞活性化剤である、請求項1乃至5の一項または複数項記載の方法。
【請求項7】
T細胞活性化剤が、抗CD3抗体またはその断片である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
T細胞の集団を、抗CD28抗体、その断片、抗4−1BB抗体、その断片、およびこれらの組合せなどのT細胞共刺激剤と接触させるステップをさらに含む、請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
免疫細胞活性化剤を、第1の結合性核酸配列に、中間結合性部分を介して、非共有結合的に付加する、請求項2記載の方法。
【請求項10】
中間結合性部分が、二次抗体、ビオチン、アビジン、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
中間結合性部分を、第1の結合性核酸配列に、共有結合を介して付加する、請求項9記載の方法。
【請求項12】
中間結合性部分が、非共有結合的相互作用を介して、免疫細胞活性化剤に付加することが可能である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
第1の薬剤を、免疫細胞の集団を含有する培地中、in situで形成する、請求項1乃至12の一項または複数項記載の方法。
【請求項14】
第2の薬剤が、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドを含む捕捉核酸ポリマーであり、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドが、第1の結合性核酸配列と相補的である、請求項1乃至13の一項または複数項記載の方法。
【請求項15】
免疫細胞が、ナチュラルキラー細胞であり、免疫細胞活性化剤が、抗CD335抗体、抗CD244抗体、抗CD2抗体、またはこれらの組合せなどのナチュラルキラー細胞活性化剤である、請求項1乃至5、9乃至14の一項または複数項記載の方法。
【請求項16】
T細胞を活性化させる方法であって、
a)T細胞の集団へと、抗CD3抗体、二次抗体に付加した第1の結合性部分、および少なくとも1つの捕捉オリゴマーを含む第2の薬剤を添加するステップと;
b)T細胞の集団をインキュベートするステップと
を含み、
二次抗体が、抗CD3抗体に付加することが可能であり、
少なくとも1つの捕捉オリゴマーが、第1の結合性部分と会合することが可能である
方法。
【請求項17】
第1の結合性部分が、第1の結合性核酸配列である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
第2の薬剤が、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドを含む捕捉核酸ポリマーであり、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドが、第1の結合性核酸配列と相補的である、請求項16または17記載の方法。
【請求項19】
T細胞共刺激剤を、T細胞の集団へと添加するステップをさらに含む、請求項16、17、または18記載の方法。
【請求項20】
T細胞共刺激剤が、抗CD28抗体、その断片、抗4−1BB抗体、その断片、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項20記載の方法。
【請求項21】
第1の結合性核酸配列に付加した免疫細胞活性化剤と;
少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドを含む捕捉核酸ポリマーと
を含み、
少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドが、第1の結合性核酸配列と会合することが可能である
キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、細胞を活性化させるための方法およびキットに関し、より具体的には、免疫細胞を活性化させるための方法およびキットに関する。
【背景技術】
【0002】
細胞療法、例えば、T細胞療法は、血液腫瘍の処置において、めざましい成功を示しており、充実性腫瘍の処置においても、将来性を示す。これらの療法は一般に、患者またはドナーからの、末梢血単核細胞(PBMC)またはT細胞の単離、ならびに、その後における、治療用量をもたらすための、活性化および増殖を必要とする。一般に、この種の個別療法は、がん患者から、血液細胞を摘出するステップと、免疫細胞を単離し、活性化させるステップと、がん細胞を認識し、攻撃するように、それらを遺伝子改変するステップと、遺伝子改変された免疫細胞を増加させるステップと、患者の免疫系が後を引き継ぐことができるように、増加させた免疫細胞を、患者の体内に導入し戻すステップとからなる。活性化は、免疫細胞を遺伝子改変し、それらを頑健に増加させるための、遺伝子素材の効率的な導入に必要とされるので、全工程のうちで、極めて重要な構成要素である。
【0003】
免疫細胞、とりわけ、T細胞を活性化させ、増加させるために、複数の技術プラットフォームが存在する。例えば、抗体を、表面へと共有結合的に結合させた、超常磁性で、非発熱性のポリスチレンビーズ、例えば、Dynabeads(登録商標)CD3/CD28(Life Technologies、Beverly、MA)は、T細胞を、単離し、活性化させ、増加させるために、最も広く使用されるプラットフォームのうちの1つである。しかし、このようなビーズベースのプラットフォームは、主に、細胞の増加が完了した後で、ビーズの除去が必要であるために、細胞をクラスター化させ、細胞を活性化させるために使用される場合、著明な細胞喪失を被る。ビーズ除去の問題を回避するための代替的な技術は、遺伝子改変のためにウイルスによる形質導入を一般に実行する場合の活性化早期において特に、細胞を活性化させるのに有効でないことが多い。
【0004】
細胞療法はまた、患者もしくは第三者ドナー、または不死化細胞株から得られるナチュラルキラー(NK)細胞など、他の免疫細胞によっても実施することができる。一部の態様では、NK細胞ベースの細胞療法は、患者またはドナーの血液から、NK細胞を単離するステップと、ナチュラルキラー細胞を活性化させ、増加させるステップと、それらを、患者へと投与するステップとを伴う。NK細胞を活性化させ、増加させるための既存のプロトコールの大半は、フィーダー細胞との共培養を伴う。このようなフィーダー細胞系は、標準化が困難であり、細胞培養物へと、予測外の要素および汚染を導入しうる。
【0005】
したがって、免疫細胞を活性化させるために、免疫細胞受容体をクラスター化する(例えば、T細胞を活性化させるために、細胞表面受容体をクラスター化するための)新奇の手法をもたらし、増殖を増大させる共刺激シグナルをもたらす、新たな技術プラットフォームが所望される。さらに、T細胞およびNK細胞などの免疫細胞の、制御され、再現可能な活性化を達成するようにデザインされうる、フィーダー細胞非含有の、合成活性化系も必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第2016/068811号
【発明の概要】
【0007】
一部の実施態様は、免疫細胞を活性化させる方法を対象とする。方法は、免疫細胞の集団を用意するステップと、免疫細胞の集団を、第1の薬剤および第2の薬剤と接触させるステップとを含む。第1の薬剤は、第1の結合性部分に付加した免疫細胞活性化剤を含み、第2の薬剤は、少なくとも1つの捕捉オリゴマーを含む。少なくとも1つの捕捉オリゴマーは、第1の結合性部分と会合することが可能である。
【0008】
一部の実施態様は、T細胞を活性化させる方法を対象とする。方法は、T細胞の集団へと、抗CD3抗体、二次抗体に付加した第1の結合性部分、および少なくとも1つの捕捉オリゴマーを含む第2の薬剤を添加するステップを含む。二次抗体は、抗CD3抗体に付加することが可能であり、少なくとも1つの捕捉オリゴマーは、第1の結合性部分と会合することが可能である。次いで、T細胞の集団をインキュベートして、T細胞を活性化させる。
【0009】
一部の実施態様は、免疫細胞を活性化させるためのキットを対象とする。キットは、第1の結合性核酸配列に付加した免疫細胞活性化剤と、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドを含む捕捉核酸ポリマーとを含む。少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドは、第1の結合性核酸配列と会合することが可能である。
【0010】
付属の図を参照しながら、以下の発明を実施するための形態を読めば、本発明のこれらの特徴、態様、および利点、ならびに他の特徴、態様、および利点が、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】肯定的に検証された、抗CD3−o20b(+)actコンジュゲートおよび抗CD28−o20b(+)actコンジュゲートの、T細胞への結合についての、代表的なフローサイトメトリーヒストグラムである。DNA(o20b(+)act)を付加した抗CD28抗体(抗CD28−o20b(+)act)の、T細胞への結合を示す図である。
図1B】肯定的に検証された、抗CD3−o20b(+)actコンジュゲートおよび抗CD28−o20b(+)actコンジュゲートの、T細胞への結合についての、代表的なフローサイトメトリーヒストグラムである。付加を施していない、または非修飾の抗CD28抗体(陽性対照)の、T細胞への結合を示す図である。
図1C】肯定的に検証された、抗CD3−o20b(+)actコンジュゲートおよび抗CD28−o20b(+)actコンジュゲートの、T細胞への結合についての、代表的なフローサイトメトリーヒストグラムである。DNA(o20b(+)act)を付加した抗CD3抗体(抗CD3−o20b(+)act)の、T細胞への結合を示す図である。
図1D】肯定的に検証された、抗CD3−o20b(+)actコンジュゲートおよび抗CD28−o20b(+)actコンジュゲートの、T細胞への結合についての、代表的なフローサイトメトリーヒストグラムである。付加を施していない、または非修飾の抗CD3抗体(陽性対照)の、T細胞への結合を示す図である。
図1E】肯定的に検証された、抗CD3−o20b(+)actコンジュゲートおよび抗CD28−o20b(+)actコンジュゲートの、T細胞への結合についての、代表的なフローサイトメトリーヒストグラムである。FITC標識化二次抗体(陰性対照)と共にインキュベートされた細胞を示す図である。
図2】T細胞を活性化させるために、後でRCA産物を作出するための、一本鎖のDNA鋳型(ssRCA)からの、環状のDNA鋳型の作出について例示する図である。
図3A】DNAベースのT細胞活性化(DBTA)組成物を使用する、T細胞の活性化であって、1および4日目において、CD25の発現により測定される、Dynabeads(登録商標)Human T−Expander CD3/CD28対照(CD3/CD28 Dynabeadsとして表される)と比べた、T細胞の活性化についてのグラフ表示である。使用したDBTA組成物は、ローリングサークル法による増幅産物であるRCAact、第1の結合性DNA配列であるo20b(+)actに付加した抗CD3抗体(抗CD3−o20b(+)act)、および非修飾抗CD28抗体を含むDBTA[抗CD3−o20b(+)act+非修飾抗CD28]であった。また、ローリングサークル法による増幅(RCA)産物を伴う非修飾抗体、遊離o20b(+)actを伴う非修飾抗体、非修飾抗体だけ、RCA産物だけ、および細胞単独(活性化剤を伴わない「細胞だけ」の対照)を含む、多様な対照も示される。
図3B】4および7日目における、図3Aと同じ培養物についてのグラフ表示であり、これは、出発細胞カウントと比べた増加倍数(x倍の増加)として表示される細胞の増加を示す。
図4A】CD25の発現を使用して測定される、2つの異なるDBTA組成物により達成される著明な活性化(「細胞だけ」の対照と比べた)を示すグラフ表示である。使用した、異なるDBTA組成物は、i)DBTA[抗CD3−o20b(+)act+非修飾抗CD28]、およびii)RCAact、抗CD3−o20b(+)act、および抗CD28−o20b(+)actを含むDBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act]であった。また、対照である、Dynabeads(登録商標)Human T−Expander CD3/CD28(Life Technologies、Beverly、MA)(CD3/CD28 Dynabeadsとして表される)および細胞だけの対照も示される。
図4B】4および7日後における、図4Aと同じ培養物についてのグラフ表示であり、これは、出発細胞カウントと比べた増加倍数として表示される細胞の増加を示す。
図5A】DBTAの構成要素を、細胞へと、個別に添加し、in situで会合させた場合(「in situにおけるDBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act]」により表される)、それらを細胞へと添加する前にあらかじめ会合させた場合(「あらかじめ会合させたDBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act]」により表される)と比較して、1日後において高活性化への傾向があることを示すグラフ表示である。
図5B】4日後における、図5Aと同じ培養物についてのグラフ表示であり、これは、出発細胞カウントと比べた増加倍数として表示される細胞の増加を示す。
図6A】培養下、1日後において、CD25の発現により測定されるT細胞の活性化であって、全ての場合に、同じRCAact濃度(67nM)を維持することにより、DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act]を、抗CD3−o20b(+)actの、抗CD28−o20b(+)actに対する異なる比(図中では、抗CD3−DNA:抗CD28−DNAにより表される)のほか、抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)actの、RCAactに対する異なる比でも使用する、T細胞の活性化を示すグラフ表示である。図に示される通り:i)抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(1:1)は、抗CD3−DNAおよび抗CD28−DNAのいずれも、濃度を1μg/mL(6.7nM)とした研究を表し;ii)抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(1:2)は、抗CD3−DNAの濃度を1μg/mLとし、抗CD28−DNAの濃度を2μg/mLとしたことを表し;iii)抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(0.5:1)は、抗CD3−DNAの濃度を0.5μg/mLとし、抗CD28−DNAの濃度を1μg/mLとしたことを表し;iv)抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(0.25:0.5)は、抗CD3−DNAの濃度を0.25μg/mLとし、抗CD28−DNAの濃度を0.5μg/mLとしたことを表し;v)抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(0.25:0.25)は、抗CD3−DNAの濃度を0.25μg/mLとし、抗CD28−DNAの濃度も0.25μg/mLとしたことを表す。また、対照である、Dynabeads(登録商標)Human T−Expander CD3/CD28(CD3/CD28 Dynabeadsとして表される)および細胞だけの対照も示される。
図6B】4および7日後における、図6Aと同じ培養物による細胞の増加についてのグラフ表示であり、これは、出発細胞カウントと比べた増加倍数として表示される細胞の増加を示す。
図7A】培養下、24時間後において、CD25の発現により測定されるT細胞の活性化であって、3つの異なる条件:i)RCAactを添加する前に、30分間にわたり、抗CD3−o20b(+)act:抗CD28−o20b(+)act比を1:1として、細胞を、抗CD3−o20b(+)actおよび抗CD28−o20b(+)actとあらかじめ混合した(「プレインキュベート細胞−DBTA[抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(1:1)]」により表される)条件;ii)3つのDBTA構成要素全て(RCAact、抗CD3−o20b(+)actおよび抗CD28−o20b(+)act)を、個別に、細胞へと、in situにおける会合のために、抗CD3−o20b(+)act:抗CD28−o20b(+)act比を1:1として添加した(「in situにおけるDBTA[抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(1:1)]」により表される)条件;およびiii)3つのDBTA構成要素全て(RCAact、抗CD3−o20b(+)actおよび抗CD28−o20b(+)act)を、個別に、細胞へと、in situにおける会合のために、抗CD3−o20b(+)act:抗CD28−o20b(+)act比を1:2として添加した(「in situにおけるDBTA[抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(1:2)]」により表される)条件下におけるT細胞の活性化についてのグラフ表示である。全ての場合に、同じRCAact濃度を維持した。結果を、対照としての、Dynabeads(登録商標)Human T−Expander CD3/CD28(CD3/CD28 Dynabeadsとして表される)および細胞だけと比較した。
図7B図7Aと同じ培養物についてのグラフ表示であり、これは、出発細胞カウントと比べた増加倍数として表示される、7日後における細胞の増加を示す。
図8A】培養の1および4日後において、CD25の発現により測定されるT細胞の活性化であって、CpGを含有するRCA鋳型から作製された、ローリングサークル法による増幅産物(RCAact)と、CpGを含有しないRCA鋳型から作製されたRCAactとを使用する培養条件下におけるT細胞の活性化を示すグラフ表示である。各種のRCAactについて、抗CD3−o20b(+)act:RCAactを、1:1、1:10、および1:100の比として探索した。抗CD3−o20b(+)act:RCAactの比は、Ab−DNA:RCAとして表した。CpGを含有しないRCA鋳型から作製された、ローリングサークル法による増幅産物には、以下の実験条件:i)比を1:10とするAb−DNA:RCAact(CpGなし、1:10のAb−DNA:RCAにより表される);ii)比を1:1とするAb−DNA:RCAact(CpGなし、1:1のAb−DNA:RCAにより表される);およびiii)比を1:100とするAb−DNA:RCAact(CpGなし、1:100のAb−DNA:RCAにより表される)を使用した。同様に、CpGを含有するRCA鋳型から作製された、ローリングサークル法による増幅産物には、以下の実験条件:i)比を1:10とするAb−DNA:RCAact(CpG、1:10のAb−DNA:RCAにより表される);ii)比を1:1とするAb−DNA:RCAact(CpG、1:1のAb−DNA:RCAにより表される);およびiii)比を1:100とするAb−DNA:RCAact(CpG、1:100のAb−DNA:RCAにより表される)を使用した。結果を、対照としての、Dynabeads(登録商標)Human T−Expander CD3/CD28(CD3/CD28 Dynabeadsとして表される)および細胞だけと比較した。
図8B図8Aと同じ培養物についてのグラフ表示であり、これは、4および7日後における、出発細胞カウントと比べた増加倍数として表示される細胞の増加を示す。
図9A】抗CD3抗体、その相補的なRCA産物、および非修飾抗CD28抗体に付加した、メチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)配列の部分であって、DBTA[抗CD3−o25b(+)mrsa+非修飾抗CD28]により表される、MRSA配列の部分によるT細胞の活性化を示すグラフ表示である。結果を、RCA産物だけ、非修飾抗体、Dynabeads(登録商標)Human T−Expander CD3/CD28(CD3/CD28 Dynabeadsとして表される)、および細胞だけを含む、異なる対照条件と比較した。
図9B図9Aと同じ培養物についてのグラフ表示であり、これは、4および7日後における、出発細胞カウントと比べた増加倍数として表示される細胞の増加を示す。
図10A】大型の、ローリングサークル法による増幅(RCA)産物を利用した場合における、高度な細胞の活性化(CD25の発現%)を示すグラフ表示である。データは、MRSAに由来するRCA産物について示す。i)DBTA(MRSA)16Kb RCA産物は、RCA産物が約16キロベース(Kb)であると予測されるDBTA[抗CD3−o25b(+)mrsa+非修飾抗CD28]を表し;ii)DBTA(MRSA)1.5Kb RCA産物は、RCA産物(超音波処理による)の標的サイズが1.5KbであったDBTA[抗CD3−o25b(+)mrsa+非修飾抗CD28]を表し;iii)DBTA(MRSA)0.15Kb RCA産物は、RCA産物(超音波処理による)の標的サイズが0.15KbであったDBTA[抗CD3−o25b(+)mrsa+非修飾抗CD28]を表す。結果を、RCA産物だけを伴う対照と比較した。
図10B】4日後および7日後における、図10Aと同じ培養物についてのグラフ表示である。
図11】DNA(D):抗体(P)比(D/P)を変化させることにより、抗体−DNAコンジュゲートを調製した場合のDBTA組成物を使用して、1日後におけるCD25の発現により測定される、T細胞の活性化を示す図である。i)DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act](D/P:2.8〜3.0)は、抗CD3:o20b(+)actの比が、2.8〜3.0の間であり、抗CD28:o20b(+)actの比が、2.8〜3.0の間であるDBTA組成物を表し;ii)DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act](D/P:1.5〜1.8)は、抗CD3:o20b(+)actの比が、1.5〜1.8の間であり、抗CD28:o20b(+)actの比が、1.5〜1.8の間であるDBTA組成物を表す。D/P比を大きくしたとき、T細胞の活性化は高度であった。結果を、対照としての、Dynabeads(登録商標)Human T−Expander CD3/CD28(CD3/CD28 Dynabeadsとして表される)および細胞だけと比較した。図11のデータは、8つの個別の実験から取った平均を表す。
図12A】抗CD3−o20b(+)act、抗CD28−o20b(+)actを、第2の薬剤としてのカチオン性捕捉ポリマー(Jet PEIまたはPLL)と共に使用する、1日後におけるT細胞の活性化を示す図である。DBTA組成物を、対照として使用した。実験は、以下の条件:i)DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act];ii)ポリエチレンイミン(PEI)を、カチオン性捕捉ポリマーとして使用する、抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act+Jet PEI;およびiii)ポリL−リシン(PLL)を、カチオン性捕捉ポリマーとして使用する、抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act+PLL下で行った。Dynabeads(登録商標)Human T−Expander CD3/CD28(CD3/CD28 Dynabeadsとして表される)および細胞だけの試料もまた、対照として使用した。
図12B図12Aと同じ培養物についてのグラフ表示であり、これは、4および7日後における、出発細胞カウントと比べた増加倍数として表示される細胞の増加を示す。
図13A】DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act]を使用する、7日間の増加期間にわたる、CD4 T細胞およびCD8 T細胞の増加を示す図である。
図13B】DBTA[抗CD3−o20b(+)act]を、IL−2ベースの培地中で使用する、7日間の増加期間にわたる、CD4 T細胞およびCD8 T細胞の増加を示す図である。
図14】DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗4−1BB−o20b(+)act]を使用する、7日間の増加期間にわたる、CD4 T細胞およびCD8 T細胞の増加を示す図である。
図15】二次抗体(抗IgG2a)、非修飾抗CD3一次抗体および非修飾抗CD28一次抗体、ならびにローリングサークル法による増幅産物(RCAact)に付加した、第1の結合性DNA配列および/または第2の結合性DNA配列(o20b(+)act)を含む系を使用する、T細胞の活性化(CD25の発現により測定される)を示す図である。使用した異なる条件は、i)二次抗体−DNAコンジュゲートが、2μg/mLの濃度であり、非修飾一次抗体の抗CD3および抗CD28が、1μg/mLの濃度であり、RCAactが、一次抗体の抗CD3および抗CD28に照らして、10倍モル過剰量である、抗IgG2a−o20b(+)act(2μg/mL)+RCAact+非修飾抗CD3+非修飾抗CD28;およびii)二次抗体−DNAコンジュゲートが、4μg/mLの濃度であり、非修飾一次抗体の抗CD3および抗CD28が、1μg/mLの濃度であり、RCAactが、一次抗体の抗CD3および抗CD28に照らして、10倍モル過剰量である、抗IgG2a−o20b(+)act(4μg/mL)+RCAact+非修飾抗CD3+非修飾抗CD28であった。DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act]、ならびに非修飾抗CD3抗体(1μg/mL)、抗CD28抗体(1μg/mL)、およびIgG2特異的二次抗体(4μg/mL)の混合物を、対照として使用した。Dynabeads(登録商標)Human T−Expander CD3/CD28(CD3/CD28 Dynabeadsとして表される)および細胞だけの試料を、さらなる対照として使用した。
図16】二次抗体(抗IgG1)、非修飾一次抗体(抗CD335および抗CD2、または抗CD335および抗CD244)、およびローリングサークル法による増幅産物(RCAact)に付加した、第1の結合性DNA配列および/または第2の結合性DNA配列(o20b(+)act)を含む系を使用する、NK細胞の活性化(CD25の発現により測定される)を示す図である。使用した異なる条件は、i)抗IgG1−o20b(+)act+RCAact+抗CD335+抗CD2;およびii)抗IgG1−o20b(+)act+RCAact+抗CD335+抗CD244であった。細胞だけの試料および可溶性抗体だけの試料を、陰性対照として使用した。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施は、本明細書で例示だけを目的として提示すべきものであり、付属の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲を限定するものとしては解釈すべきではない、以下の例から、なおより完全に理解されるであろう。実施例節で使用される一部の略号は、以下の通り:「mg」:ミリグラム;「ng」:ナノグラム;「pg」:ピコグラム;「fg」:フェムトグラム;「mL」:ミリリットル;「mg/mL」:1ミリリットル当たりのミリグラム;「mM」:ミリモル濃度;「mmol」:ミリモル;「pM」:ピコモル濃度;「pmol」:ピコモル;「μL」:マイクロリットル;「min.」:分、および「h.」:時間に拡張される。
【0013】
文脈により、そうでないことが明確に指示されない限りにおいて、単数形の「ある(a)」、「ある(an)」、および「その」は、複数の指示対象を含む。本明細書および特許請求の範囲を通して使用される近似表現は、それが関連する基本的な機能の変化を結果としてもたらさずに、許容可能な形で変動しうる、任意の定量的表示を修飾するのに適用することができる。したがって、「約」などの用語により修飾された値は、指定される正確な値に限定されないものとする。そうでないことが指し示されない限りにおいて、本明細書および特許請求の範囲で使用される、分子量、反応条件など、成分、特性の数量を表す全ての数は、全ての場合に、「約」という用語により修飾されていると理解するものとする。したがって、逆のことが指し示されない限りにおいて、以下の明細書および添付の特許請求の範囲において明示される数値パラメータは、本発明が得ようとする所望の特性に応じて変動しうる近似値である。少なくとも、各数値パラメータは、報告される有効桁数に照らして、常套的な丸めの技法により、少なくとも解釈すべきである。
【0014】
一部の実施態様は、免疫細胞を活性化させる方法を対象とする。方法は、免疫細胞の集団を用意するステップと、免疫細胞の集団を、第1の薬剤および第2の薬剤と接触させるステップとを含む。第1の薬剤は、第1の結合性部分に付加した免疫細胞活性化剤を含み、第2の薬剤は、少なくとも1つの捕捉オリゴマーを含む。少なくとも1つの捕捉オリゴマーは、第1の結合性部分と会合することが可能である。
【0015】
ある特定の実施態様は、患者自身の細胞の回収、操作、および再移入を伴う、自家細胞療法を対象とするが、開示される技法の適用は、同種細胞を含みうる。適用はまた、修飾ヒト細胞、不死化細胞株(例えば、NK92細胞株)、または非ヒト細胞も含みうる。開示される技法と共に使用されるものとして想定される細胞ベースの療法は、臓器もしくは組織の再生、がん処置、血液障害、免疫療法、心臓疾患のための療法、または他の任意の細胞ベースの療法を含むがこれらに限定されない。本発明の文脈内では、例えば、B細胞、T細胞(腫瘍浸潤リンパ球を含む)、またはナチュラルキラー細胞などの免疫細胞型を含むがこれらに限定されない、様々な細胞型を用いることができる。細胞は、末梢血、骨髄、または腫瘍組織など、任意の組織から単離することができる。一部の実施態様は、末梢血から濃縮されたT細胞を対象とする。濃縮は、例えば、Ficoll−Paque(商標)勾配またはPercoll(商標)勾配(GE Healthcare)を使用する遠心分離により実施することができる。他の一部の実施態様は、CD28+ T細胞、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞、CD45RA+ T細胞、および/またはCD45RO+ T細胞など、T細胞の特異的な部分集団を対象とする。細胞は、陽性選択法により単離することもでき、陰性選択法により単離することもできる。
【0016】
本明細書で使用される「第1の薬剤」という用語は、「第2の薬剤」と会合し、免疫細胞など、活性化可能な細胞を、活性化させうる構成要素を指す。第1の薬剤は、「第1の結合性部分」に付加した細胞活性化剤を含む。第1の結合性部分とは、「第2の薬剤」と会合することが可能な分子である。第2の薬剤とは、少なくとも1つの捕捉オリゴマーを含む捕捉ポリマーであって、少なくとも1つの捕捉オリゴマーが、第1の結合性部分と会合することが可能な捕捉ポリマーを指す。したがって、第1の薬剤は、第1の結合性部分を介して、第2の薬剤と会合することが可能である。
【0017】
本明細書で使用される「免疫細胞活性化剤」という用語は、獲得免疫系または自然免疫系(例えば、T細胞またはナチュラルキラー細胞)の細胞を、増殖、細胞障害潜在力の増強、および/または形質導入のために活性化させうる、任意の薬剤を指す。
【0018】
「付加した」という用語は、当技術分野で公知の、任意の付加手段を指す。付加は、共有結合の場合もあり、非共有結合的相互作用(例えば、静電相互作用または疎水性相互作用)の場合もある。非共有結合的相互作用はまた、「会合」とも称する。
【0019】
本明細書で使用される「in situ」という用語は、一般に、元の位置で生じるイベントを指す。in situとは、免疫細胞の活性化が生じる培地など、免疫細胞の集団を含有する培地中で生じるイベントを指す場合がある。一部の実施態様では、「in situで」とは、細胞培養条件下にある免疫細胞培養培地中で生起するイベントを指す。
【0020】
一部の実施態様では、細胞活性化剤は、免疫細胞活性化剤であり、第1の結合性部分は、第1の結合性核酸配列である。したがって、第1の薬剤は、第1の結合性核酸配列に付加した免疫細胞活性化剤を含む。このような実施態様では、第2の薬剤は、第1の結合性核酸配列と会合すること(すなわち、非共有結合的相互作用を介して)が可能な、少なくとも1つの「捕捉オリゴマー」を含む。一部の実施態様では、第2の薬剤は、捕捉核酸ポリマーであり、捕捉オリゴマーは、「捕捉オリゴヌクレオチド」である。一部の実施態様では、捕捉核酸ポリマーは、単一の捕捉オリゴヌクレオチドを含む。一部の実施態様では、捕捉核酸ポリマーは、複数の捕捉オリゴヌクレオチドを含む。複数の捕捉オリゴヌクレオチド中の捕捉オリゴヌクレオチドは全て、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドが、第1の結合性核酸配列と会合することが可能であることを条件として、同じ種類(すなわち、全ての捕捉オリゴヌクレオチドは、同じヌクレオチド配列を有する)の場合もあり、異なる種類(すなわち、各捕捉オリゴヌクレオチドは、異なるヌクレオチド配列を有するか、または捕捉オリゴヌクレオチドの第1のセットは、第2のセットと比較して、異なるヌクレオチド配列を有する)の場合もある。一部の実施態様では、第2の薬剤は、ローリングサークル法による増幅産物である。ローリングサークル法による増幅産物は、ローリングサークル法による増幅を介して、コンカタマーを形成するように、環状の核酸鋳型を増幅することにより作り出すことができ、この場合、コンカタマーは、環状の核酸鋳型配列のリピート単位を含む。同じ種類または異なる種類の捕捉オリゴヌクレオチドを含む、ローリングサークル法による増幅産物は、核酸鋳型配列を、適切にデザインすることにより作出することができる。例えば、異なる種類の捕捉オリゴヌクレオチドを含む、ローリングサークル法による増幅産物は、目的の配列を含有するように、鋳型核酸配列を調整することにより作り出すことができる。環状の鋳型を操作し、複数のプライマーを使用することによってもまた、複合体構造をもたらすように、ローリングサークル法による増幅産物を調整してデザインすることができる。一部の実施態様では、捕捉核酸ポリマー中の、複数の捕捉オリゴヌクレオチドは、同じヌクレオチド配列のタンデムリピートを含む。一部の実施態様では、捕捉核酸ポリマーは、少なくとも2つの捕捉オリゴヌクレオチドを含み、この場合、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドは、第1の結合性核酸配列と会合することが可能であり、少なくとも1つの他の捕捉オリゴヌクレオチドは、第2の結合性核酸配列と会合することが可能である。一部の実施態様では、捕捉核酸ポリマー中の捕捉オリゴヌクレオチドの数は、3を超え、好ましくは30を超え、より好ましくは300を超える。ある特定の実施態様では、捕捉オリゴヌクレオチドの数は、2000を超える。したがって、捕捉核酸ポリマーは、同じであるかまたは異なるヌクレオチド配列、分子量、幾何学的配置、および/または反復のパターンを有する、複数の捕捉オリゴヌクレオチドを含みうる。一部の実施態様では、捕捉オリゴヌクレオチドは、約6ヌクレオチド〜約12ヌクレオチド、約12ヌクレオチド〜約25ヌクレオチド、約25ヌクレオチド〜約50ヌクレオチド、約50ヌクレオチド〜約100ヌクレオチド、約100ヌクレオチド〜約250ヌクレオチド、または約250ヌクレオチド〜約500ヌクレオチドの範囲の長さを有しうる。一部の実施態様では、第2の薬剤は、二本鎖の捕捉核酸ポリマーであるが、他の実施態様では第2の薬剤は、一本鎖の捕捉核酸ポリマーである。捕捉核酸ポリマーは、核酸塩基上、糖上、またはリン酸骨格上に修飾を伴う、天然または非天然のヌクレオチドを含みうる。第2の薬剤は、さらに、捕捉オリゴヌクレオチドとは異なる数および/または配列のヌクレオチドを有する、スペーサーオリゴヌクレオチド配列を含む場合もあり、核酸以外のスペーサー分子を含む場合もある。
【0021】
第1の結合性核酸配列は、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドと相補的である。第1の結合性核酸配列および少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドは、相補的な塩基対ハイブリダイゼーションを介して会合することが可能である。一部の実施態様では、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドの、全てのヌクレオチド残基は、第1の結合性核酸配列内の、相補的なヌクレオチドとハイブリダイズしうる。例えば、捕捉オリゴヌクレオチドは、50ヌクレオチド残基を有する場合があり、50ヌクレオチド残基の全ては、第1の結合性核酸配列内の、相補的なヌクレオチドとハイブリダイズしうる。一部の実施態様では、捕捉オリゴヌクレオチドの、全てのヌクレオチドは、第1の結合性核酸配列内に、対応する相補的なヌクレオチドを有さない場合がある。一部の実施態様では、捕捉オリゴヌクレオチドと、第1の結合性核酸配列との間には、1または複数の塩基対のミスマッチが存在しうる。さらに他の実施態様では、捕捉オリゴヌクレオチドおよび/または第1の結合性核酸配列は、アジドチミジン、イノシン、またはウリジンなどの修飾塩基、または修飾糖(例えば、2’−O−アルキル修飾されたフラノシド)、または修飾骨格(例えば、ホスホロチオエート骨格、アルキルホスホネート骨格、ホスホルアミデート骨格)を伴う核酸類似体を含みうる。
【0022】
他の一部の実施態様では、第2の薬剤は、ヒスチジンまたはリシンなど、カチオン性モノマーの連続的連なりを含有する、少なくとも1つのカチオン性捕捉オリゴマーを含むカチオン性捕捉ポリマーである。一部の実施態様では、カチオン性捕捉ポリマーは、複数のカチオン性捕捉オリゴマーを含む。カチオン性捕捉ポリマーは、全体の電荷が、カチオン性を維持することを条件として、さらに、中性またはアニオン性のスペーサー残基も含みうる。
【0023】
第1の薬剤または第2の薬剤は、さらに、非相補的なスペーサーヌクレオチド配列を含む場合もあり、核酸以外のスペーサー分子を含む場合もある。一部の実施態様では、第1の結合性部分は、第1の結合性核酸配列、アルギン酸塩、ポリグルタミン酸塩、ポリアスパラギン酸塩、またはヒアルロン酸塩など、アニオン性の第1の結合性部分であり、第2の薬剤は、少なくとも1つのカチオン性捕捉オリゴマーを含むカチオン性捕捉ポリマーである。アニオン性の第1の結合性部分は、静電会合を介して、少なくとも1つのカチオン性捕捉オリゴマーと会合することが可能である。さらに他の実施態様では、第1の結合性部分は、カチオン性の第1の結合性部分であり、第2の薬剤は、少なくとも1つのアニオン性捕捉オリゴマーを含む、アニオン性捕捉ポリマーである。
【0024】
一部の実施態様では、免疫細胞活性化剤を、共有結合により、第1の結合性部分に付加する。免疫細胞活性化剤を、チオール/マレイミド付加化学反応、またはカルボジイミド/アミン付加化学反応など、当技術分野で公知の、任意の共有結合により、第1の結合性部分に付加することができる。一部の実施態様では、免疫細胞活性化剤を、非共有結合的相互作用により、第1の結合性部分に付加する。他の一部の実施態様では、免疫細胞活性化剤を、中間結合性部分を介して、非共有結合的相互作用により、第1の結合性部分に付加するが、この場合、中間結合性部分を、(共有結合的相互作用または非共有結合的相互作用を介して)第1の結合性部分に付加する。一部の実施態様では、中間結合性部分は、共有結合により、第1の結合性部分に付加されており、中間結合性部分は、非共有結合的相互作用により、免疫細胞活性化剤に付加することが可能である。一部の実施態様では、中間結合性部分は、免疫細胞活性化剤に直接付加することが可能である。例えば、中間結合性部分は、二次抗体でありえ、免疫細胞活性化剤は、一次抗体でありうる。一般に、二次抗体は、一次抗体の1種に対するものである。例えば、免疫細胞活性化剤が、マウス抗体である場合、適切な二次抗体は、ヒツジまたはヤギに由来する抗マウスポリクローナル抗体など、マウス免疫グロブリンに対する特異性を伴うポリクローナル抗体の場合もあり、ラット由来抗マウスFc抗体などの抗マウスモノクローナル抗体の場合もある。他の一部の実施態様では、中間結合性部分は、リンカー部分を介して、免疫細胞活性化剤に、間接的に付加することが可能であるが、この場合、リンカー部分を、免疫細胞活性化剤に、共有結合的に付加する。例えば、リンカー部分が、ビオチンまたはこの誘導体である場合、適切な中間結合性部分は、アビジンの場合もあり、ビオチンに特異的な抗体の場合もある。代替的に、リンカー部分が、アビジンである場合、適切な中間結合性部分は、ビオチンの場合もあり、抗アビジン抗体の場合もある。
【0025】
一部の実施態様では、免疫細胞の集団を接触させる前に、中間結合性部分に付加した第1の結合性部分と、免疫細胞活性化剤とを混合して、あらかじめ形成するか、またはあらかじめ会合させた、第1の薬剤を形成する。このような実施態様では、次いで、免疫細胞を活性化させるために、あらかじめ形成するか、またはあらかじめ会合させた、第1の薬剤を、免疫細胞の集団へと添加することができる。他の一部の実施態様では、中間結合性部分に付加した、第1の結合性部分と、免疫細胞活性化剤とを、あらかじめ混合せずに、培地中に含有される免疫細胞の集団へと、個別に添加する。このような実施態様では、第1の薬剤を、in situで形成する。
【0026】
一部の実施態様では、本開示は、免疫細胞を活性化させる方法であって、免疫細胞の集団を用意するステップと、免疫細胞の集団を、第1の薬剤および第2の薬剤と接触させるステップとを含む方法に関する。第1の薬剤は、免疫細胞活性化剤と、第1の結合性核酸配列とを含み、この場合、免疫細胞活性化剤は、第1の結合性核酸配列に、中間結合性部分を介して付加されている。中間結合性部分は、第1の結合性核酸配列に、共有結合により付加されており、中間結合性部分は、非共有結合的相互作用により、免疫細胞活性化剤に付加することが可能である。第2の薬剤は、少なくとも1つの捕捉オリゴマーを含み、少なくとも1つの捕捉オリゴマーは、第1の結合性核酸配列と会合することが可能である。一部の実施態様では、免疫細胞は、T細胞またはNK細胞である。
【0027】
一部の実施態様では、免疫細胞活性化剤は、T細胞活性化剤でありうる。T細胞活性化剤の適切な例は、有機低分子(例えば、イオノマイシン、酢酸ミリスチン酸ホルボール)、天然ペプチドもしくは修飾ペプチド、タンパク質(例えば、抗体またはアフィボディー)、非天然のペプチド模倣体、核酸(例えば、ポリヌクレオチド、PNA、DNA、RNA、またはアプタマー)、多糖(例えば、レクチンまたは糖)、脂質、酵素、酵素の基質もしくは阻害剤、リガンド、受容体、抗原、またはハプテンを含むがこれらに限定されない。T細胞活性化剤は、T細胞内の一次活性化シグナルの送達を結果としてもたらす、T細胞活性化受容体など、T細胞表面受容体に結合することにより、T細胞を活性化させうる。T細胞活性化受容体の例は、T細胞受容体(TCR)またはCD3受容体を含むがこれらに限定されない。一次活性化シグナルは、抗原特異的なT細胞の活性化を刺激するために、TCRと、MHCクラスI分子またはMHCクラスII分子と共に提示される抗原との結合を介して誘発されうる。一次活性化シグナルはまた、ポリクローナルなT細胞の活性化を刺激するために、CD3受容体と、CD3受容体へとターゲティングされるリガンドとの結合を介しても誘発されうる。一部の実施態様の例では、T細胞活性化剤は、抗CD3抗体またはその断片(例えば、CD3受容体結合断片)である。T細胞活性化剤の他の例は、コンカナバリンA、ホルボールエステル(例えば、酢酸ミリスチン酸ホルボール)またはカルシウムイオノフォア(例えば、細胞質内のカルシウム濃度を上昇させるイオノマイシン)など、タンパク質キナーゼC(PKC)活性化剤を含む。
【0028】
一部の実施態様は、T細胞を活性化させる方法であって、T細胞の集団を用意するステップと、T細胞の集団を、第1の薬剤および第2の薬剤と接触させるステップとを含む方法を対象とする。第1の薬剤は、第1の結合性部分に付加したT細胞活性化剤を含み、第2の薬剤は、少なくとも1つの捕捉オリゴマーを含む。少なくとも1つの捕捉オリゴマーは、第1の結合性部分と会合することが可能である。一部の実施態様では、少なくとも1つの捕捉オリゴマーと、第1の結合性部分との会合は、T細胞活性化剤を、互いと近接させ、T細胞表面受容体を、クラスター化させる。一部の実施態様では、T細胞活性化剤は、抗CD3抗体である。一部の実施態様では、第1の結合性部分は、第1の結合性核酸配列であり、第2の薬剤は、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドを含む捕捉核酸ポリマーである。一部の実施態様では、捕捉核酸ポリマーは、ローリングサークル法による増幅産物である。一部の実施態様では、第1の結合性部分は、第1の結合性核酸配列であり、第2の薬剤は、カチオン性捕捉ポリマーである。
【0029】
一部の実施態様では、T細胞を活性化させる方法は、複数種類の第1の薬剤の添加を含む。例えば、一部の実施態様では、T細胞を活性化させる方法は、2つの異なる種類の活性化剤(例えば、抗CD3抗体およびコンカナバリンA)を含む、第1の薬剤の添加を含みうる。例えば、第1の薬剤の1つの種類は、第1の結合性核酸配列に付加した抗CD3抗体を含むことが可能であり、第1の薬剤の他の種類は、第1の結合性核酸配列に付加したコンカナバリンAを含みうる。
【0030】
一部の実施態様では、T細胞を活性化させる方法は、T細胞共刺激剤の添加をさらに含む。T細胞共刺激剤の例は、CD28、CD2、ICOS、OX40、または4−IBBの受容体などのT細胞共刺激性受容体へとターゲティングされるリガンドを含むがこれらに限定されない。一部の実施態様では、T細胞を活性化させる方法は、2つの異なる種類のT細胞共刺激剤(例えば、抗CD28抗体および抗4−IBB抗体)の添加を含みうる。一部の実施態様では、T細胞共刺激剤を、第2の結合性部分に付加することができる。一部の実施態様では、第2の結合性部分は、第2の結合性核酸配列である。このような実施態様では、第2の薬剤は、少なくとも2つの捕捉オリゴヌクレオチドを含む捕捉核酸ポリマーであり、この場合、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドは、第1の結合性核酸配列と会合することが可能であり、少なくとも1つの他の捕捉オリゴヌクレオチドは、第2の結合性核酸配列と会合することが可能である。一部の実施態様では、第1の結合性核酸配列と、第2の結合性核酸配列とは、同じヌクレオチド配列を有する。このような実施態様では、少なくとも2つの捕捉オリゴヌクレオチド中の、いずれの捕捉オリゴヌクレオチドも同一であり、第1の結合性核酸配列および第2の結合性核酸配列と相補的である。他の一部の実施態様では、第1の結合性核酸配列と、第2の結合性核酸配列とは、異なる種類であり、同じヌクレオチド配列を有さない。このような実施態様では、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドが、第1の結合性核酸配列と相補的であり、少なくとも1つの他の捕捉オリゴヌクレオチドが、第2の結合性核酸配列と相補的であるという条件で、捕捉オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチドの異なる配列を有する。他の一部の実施態様では、第2の薬剤は、カチオン性捕捉ポリマーであり、第2の結合性部分は、アニオン性の第2の結合性部分である。さらに他の実施態様では、第2の薬剤は、アニオン性捕捉ポリマーであり、第2の結合性部分は、カチオン性の第2の結合性部分である。
【0031】
一部の実施態様では、T細胞活性化剤を、第1の結合性核酸配列に、中間結合性部分を介して、非共有結合的に付加する。一部の実施態様は、T細胞を活性化させる方法であって、第1の薬剤を、in situで形成する方法を対象とする。このような実施態様では、方法は、T細胞の集団へと、T細胞活性化剤、中間結合性部分に付加した第1の結合性核酸配列、および少なくとも1つの捕捉オリゴマーを含む第2の薬剤を添加するステップと、T細胞の集団をインキュベートして、T細胞を活性化させるステップとを含む。中間結合性部分は、T細胞活性化剤に付加することが可能であり、少なくとも1つの捕捉オリゴマーは、第1の結合性核酸配列と会合することが可能である。
【0032】
一部の実施態様では、T細胞活性化剤は、抗CD3抗体などの一次抗体であり、中間結合性部分は、二次抗体である。第1の結合性核酸配列は、二次抗体に、共有結合を介して付加されており、二次抗体は、非共有結合的相互作用により、一次抗体に付加することが可能である。
【0033】
一部の実施態様は、T細胞を活性化させる方法であって、第1の薬剤と、第2の薬剤と、任意選択で、第2の結合性部分に付加する場合もあり、付加しない場合もあるT細胞共刺激剤とを、培地中に用意されたT細胞の集団へと、同時に、または任意の順序で逐次的に添加して、in situにおける会合を可能とする方法を対象とする。さらに他の実施態様では、第1の薬剤と、第2の薬剤と、任意選択で、第2の結合性部分に付加したT細胞共刺激剤とを会合させて、あらかじめ会合させた複合体を形成する。次いで、あらかじめ会合させた複合体を、T細胞の集団へと添加する。好ましい実施態様では、第1の薬剤と、第2の薬剤と、任意選択で、第2の結合性部分に付加したT細胞共刺激剤とを、in situで会合させる。
【0034】
一部の実施態様では、T細胞など、免疫細胞の集団の部分を活性化させるのに十分な時間は、約1分間〜約14日間の範囲でありうる。ある特定の実施態様では、時間は、約24時間〜約8日間の範囲でありうる。一部の実施態様では、T細胞のうちの少なくとも15%を活性化させる。好ましい実施態様では、T細胞のうちの少なくとも25%を活性化させ、より好ましい実施態様では、50%を超える、T細胞の大部分を活性化させる。インキュベーションは、温度、湿度、CO濃度の環境を制御したバイオリアクター内で、例えば、37℃および5%COで行うことができる。一部の実施態様では、バイオリアクターを動かさない、静置型バイオリアクター内で、インキュベーションを行いうるのに対し、他の一部の実施態様では、揺動プラットフォーム上に置かれたバイオリアクター内で、インキュベーションを行うこともできる。
【0035】
一部の実施態様では、本開示は、混合されたT細胞の集団から、T細胞の特異的な部分集団を活性化させ、選択的に増加させる方法を提示する。これは、例えば、T細胞活性化剤およびT細胞共刺激剤の、性質または相対的比率を変化させることにより達成することができる。さらに、本開示は、T細胞表面受容体のクラスター化を制御し、こうして、例えば、T細胞活性化剤、および第2の薬剤と会合させるT細胞共刺激剤の数またはこれらの間の距離を調整することにより、T細胞表面受容体の活性化を制御する方法を提示する。第2の薬剤が、捕捉核酸ポリマーである例では、これは、捕捉オリゴヌクレオチドの数および/もしくは長さ、ならびに/またはスペーサーの長さを制御することにより達成することができる。細胞活性化のレベルはまた、第1の薬剤と第2の薬剤との間の会合であって、例えば、T細胞活性化剤に付加した、第1の結合性部分の数を変化させることによりなされうる会合を制御することによっても制御することができる。一部の実施態様では、CD4 T細胞およびCD8 T細胞の相対集団は、T細胞活性化剤およびT細胞共刺激剤の、性質または相対的比率を変化させることによりモジュレートすることができる。例えば、T細胞共刺激剤を、CD28受容体に対する抗体から、4−1BB受容体に対する抗体へと変化させることにより、CD8細胞の、CD4細胞に対する比率を増大させることができる。
【0036】
当技術分野で公知の任意の方法を使用して、免疫細胞の活性化を評価することができる。一部の実施態様では、CD25に対する抗体など、ある特定の抗体の発現を使用して、T細胞の活性化を測定することができる。ある特定の実施態様では、T細胞上のCD25受容体の発現を、標識化抗CD25抗体によりアッセイして、標識化細胞を数え上げることができる。ある特定の、他の実施態様では、T細胞亜型の活性化、増加、および分化は、他のマーカーにより測定することができる。T細胞の活性化、増加、および/または分化を測定するのに使用される他のマーカーは、CD4、CD8、CD27、CD28、CD3、CD57、CD25、CD45RA、CD45RO、CD127、およびCD62Lを含むがこれらに限定されない。
【0037】
一部の実施態様は、NK細胞を活性化させる方法であって、ナチュラルキラー細胞の集団を用意するステップと、ナチュラルキラー細胞の集団を、第1の薬剤および第2の薬剤と接触させるステップとを含む方法を対象とする。第1の薬剤は、第1の結合性部分に付加したNK細胞活性化剤を含み、第2の薬剤は、少なくとも1つの捕捉オリゴマーを含む。少なくとも1つの捕捉オリゴマーは、第1の結合性部分と会合することが可能である。一部の実施態様では、NK細胞活性化剤を、第1の結合性部分に、中間結合性部分を介して付加する。一部の実施態様では、第1の結合性部分は、第1の結合性核酸配列である。
【0038】
一部の実施態様は、NK細胞を活性化させる方法であって、第1の薬剤を、in situで形成する方法を対象とする。このような実施態様では、方法は、NK細胞の集団へと、ナチュラルキラー細胞活性化剤、中間結合性部分に付加した第1の結合性核酸配列、および少なくとも1つの捕捉オリゴマーを含む第2の薬剤を添加するステップと、NK細胞の集団をインキュベートして、NK細胞を活性化させるステップとを含む。中間結合性部分は、ナチュラルキラー細胞活性化剤に付加することが可能であり、少なくとも1つの捕捉オリゴマーは、第1の結合性核酸配列と会合することが可能である。
【0039】
一部の実施態様では、免疫細胞活性化剤は、ナチュラルキラー細胞活性化剤でありうる。ナチュラルキラー細胞活性化剤の適切な例は、NKG2D受容体、CD244(2B4)などのシグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAM)ファミリー受容体、CD226などのDNAXアクセサリー分子、NKp30、NKp44、NKp46(CD335)、もしくはNKp80など、天然細胞傷害作用受容体(NCR)、CD137(4−1BB)、CD134(OX40)、もしくはCD27などの腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、またはIl−2R、Il−15R、Il−18R、もしくはIl−21Rなどのサイトカイン受容体を含むがこれらに限定されない活性化受容体へとターゲティングされるリガンドを含む。ナチュラルキラー細胞活性化剤の適切な例は、有機低分子、天然ペプチドもしくは修飾ペプチド、タンパク質(例えば、抗体またはアフィボディー)、非天然のペプチド模倣体、核酸(例えば、ポリヌクレオチド、PNA、DNA、RNA、またはアプタマー)、多糖(例えば、レクチンまたは糖)、または脂質を含むがこれらに限定されない。
【0040】
一部の実施態様では、NK細胞を活性化させる方法は、2つの異なる種類のナチュラルキラー細胞活性化剤(例えば、抗CD335抗体および抗CD244抗体)を含む、第1の薬剤の添加を含む。例えば、第1の薬剤の1つの種類は、第1の結合性核酸配列に付加した抗CD335抗体を含むことが可能であり、第1の薬剤の他の種類は、別の第1の結合性核酸配列に付加した抗CD244抗体を含みうる。さらに別の例では、第1の薬剤の1つの種類は、第1の結合性核酸配列に付加した抗CD335抗体を含むことが可能であり、第1の薬剤の他の種類は、別の第1の結合性核酸配列に付加した抗CD2抗体を含みうる。
【0041】
一部の実施態様は、免疫細胞を活性化させる方法であって、免疫細胞の集団を用意するステップと、免疫細胞の集団を、第1の薬剤および第2の薬剤と接触させるステップとを含み、第1の薬剤および第2の薬剤が、細胞を入れるのに適する任意の培地中で可溶性である方法を対象とする。理解される通り、細胞を入れるのに適する培地は、細胞培養培地を含む、任意の等張性培地を含みうる。一部の実施態様では、細胞培養培地は、T細胞培養培地など、当技術分野で公知である、任意の免疫細胞培養培地を含みうる。例示的な細胞培養培地は、RPMI 1640、AIM−V、DMEM、MEM、α−MEM、F−12、X−Vivo 15、CellGRO(商標)SCGMを含むがこれらに限定されない。細胞培養培地は、無血清の場合もあり、ヒト血清などの血清または血清サプリメントを補充されている場合もある。一部の実施態様では、細胞培養培地に、さらなる増殖因子、およびインターロイキン2(Il−2)、インターロイキン7(Il−7)、またはインターロイキン15(IL−15)などのサイトカインをさらに補充する。
【0042】
一部の実施態様では、第1の薬剤および第2の薬剤は、生体分解性である。一部の実施態様では、分解は、化学的手段により生じる場合もあり、酵素的手段により生じる場合もある。第2の薬剤が、捕捉核酸ポリマーであり、かつ/または第1の結合性部分が、第1の結合性核酸配列である、一部の実施態様では、第1の結合性部分および第2の薬剤は、ヌクレアーゼの添加により、T細胞に影響を及ぼさずに除去することができる。一部の実施態様では、T細胞の集団のうちの少なくとも一部を活性化させた後で、ヌクレアーゼを添加する。一部の実施態様では、T細胞を、少なくとも10〜100倍に増加させた後で、分解酵素を添加する。さらに他の実施態様では、T細胞を細胞培養培地から採取する前の、培養の終了時にヌクレアーゼを添加してから、洗浄し、濃縮し、最終的な製剤を作製する。ヌクレアーゼは、T細胞集団の少なくとも一部を活性化させた後であり、かつ、T細胞を、患者へと投与する前である、任意の時点に添加しうることに留意されたい。ある特定の実施態様では、分解の後、第1のおよび第2の薬剤の分解副産物は、T細胞の洗浄時および濃縮時に除去することができ、さらなる精製ステップは、不要である。他の一部の実施態様では、第2の薬剤および第1の薬剤は、生体適合性であり、血流中で急速に分解しうる。このような場合、T細胞を患者へと投与する前に、分解酵素の添加が必要とされないこともある。このような可溶性で生体分解性の系の使用は、著明な細胞の喪失をもたらすことが多い磁気的分離など、さらなる精製ステップの必要を回避しうるので、ポリスチレンビーズベースの手法または他の同等なビーズベースの手法より有利である。第2の結合性部分に付加したT細胞共刺激剤の添加を含む実施態様では、第2の結合性部分もまた、生体分解性でありうる。
【0043】
一部の実施態様では、免疫細胞を活性化させる方法は、外来遺伝子を含むベクターの添加をさらに含む。例えば、T細胞を活性化させる方法は、さらに、キメラ抗原受容体またはT細胞受容体をコードする、外来遺伝子を保有するベクターの添加を含む。一部の実施態様では、ベクターは、γ−レトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターなどのウイルスベクターである。他の一部の実施態様では、ベクターは、プラスミドベクターである。一部の実施態様では、ベクターを、第1の薬剤と同時に添加するのに対し、他の一部の実施態様では、ベクターを、免疫細胞の集団のうちの、少なくとも一部を活性化させた後で添加する。
【0044】
一部の実施態様は、第1の結合性核酸配列に付加した免疫細胞活性化剤と、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドを含む捕捉核酸ポリマーとを含み、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドが、第1の結合性核酸配列と相補的であるキットを対象とする。一部の実施態様では、捕捉核酸ポリマーは、ローリングサークル法による増幅産物である。一部の実施態様では、免疫細胞活性化剤を、第1の結合性核酸配列に、中間結合性部分を介して付加する。
【0045】
一部の実施態様は、免疫細胞活性化剤と、中間結合性部分に共有結合的に付加した第1の結合性核酸配列と、少なくとも1つの捕捉オリゴマーを含む第2の薬剤とを含むキットを対象とする。中間結合性部分は、免疫細胞活性化剤に付加することが可能であり、少なくとも1つの捕捉オリゴマーは、第1の結合性核酸配列と会合することが可能である。一部の実施態様では、第2の薬剤は、ローリングサークル法による増幅産物などの捕捉核酸配列である。一部の実施態様では、免疫細胞活性化剤は、抗CD335抗体、抗CD244抗体、抗CD2抗体、またはこれらの組合せなどのナチュラルキラー細胞活性化剤である。
【0046】
一部の実施態様は、第1の結合性核酸配列に共有結合的に付加した中間結合性部分と、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドを含む捕捉核酸ポリマーとを含むキットを対象とする。中間結合性部分は、免疫細胞活性化剤に付加することが可能であり、少なくとも1つの捕捉オリゴヌクレオチドは、第1の結合性核酸配列と会合することが可能である。一部の実施態様では、中間結合性部分は、二次抗体であり、免疫細胞活性化剤は、一次抗体である。一部の実施態様では、免疫細胞活性化剤は、抗CD335抗体、抗CD244抗体、抗CD2抗体、またはこれらの組合せなどのナチュラルキラー細胞活性化剤である。他の一部の実施態様では、免疫細胞活性化剤は、抗CD3抗体などのT細胞活性化剤である。
【0047】
一部の実施態様は、第1の結合性核酸配列に付加したT細胞活性化剤と、複数の捕捉オリゴヌクレオチドを含む捕捉核酸ポリマーとを含むキットを対象とする。一部の実施態様では、キットは、T細胞共刺激剤をさらに含む。一部の実施態様では、T細胞共刺激剤を、第2の結合性核酸配列に付加する。一部の実施態様では、捕捉核酸ポリマーは、捕捉用DNAポリマーであり、第1の結合性核酸配列は、第1の結合性DNA配列であり、第2の結合性核酸配列は、第2の結合性DNA配列である。具体例では、キットは、ローリングサークル法による増幅産物などの捕捉用DNAポリマーと、第1の結合性DNA配列に付加した、抗CD3抗体などのT細胞活性化剤とを含む、DNAベースのT細胞活性化(DBTA)組成物である。一部の例では、DBTA組成物は、抗CD28抗体または抗41BB抗体などのT細胞共刺激剤をさらに含む。一部の例では、T細胞共刺激剤を、第2の結合性DNA配列に付加する。
【実施例】
【0048】
DNAベースのT細胞活性化(DBTA)組成物は、T細胞のクラスター化、活性化、およびその後の増加を誘発する系を含有する、代表的な捕捉核酸ポリマーである。可能なDBTA組成物の一部は、A)捕捉用DNAポリマーおよび第1の結合性DNA配列に付加したT細胞活性化剤;またはB)捕捉用DNAポリマー、第1の結合性DNA配列に付加したT細胞活性化剤、およびT細胞共刺激剤;またはC)捕捉用DNAポリマー、第1の結合性DNA配列に付加したT細胞活性化剤、および第2の結合性DNA配列に付加したT細胞共刺激剤である。T細胞活性化剤が、抗体であり、かつ/またはT細胞共刺激剤が、抗体である例では、第1の結合性DNA配列に付加したT細胞活性化剤および/または第2の結合性DNA配列に付加したT細胞共刺激剤を、一般に、「抗体−DNAコンジュゲート」または「Ab−DNA」と称する。
【実施例1】
【0049】
抗体−DNA(Ab−DNA)コンジュゲートの合成および多様なDBTA組成物の作出
DBTA組成物のうちの1つは、43塩基のオリゴヌクレオチドセグメントによるタンデムリピートを含むヒトベータ−アクチンに由来するローリングサークル法による増幅産物(RCAact)などの捕捉用DNAポリマー、ならびに以下の構成要素:(1)ヒトベータ−アクチンに由来する20塩基のDNA配列(o20b(+)act)(配列番号4、第1の結合性DNA配列)に共有結合的に付加した抗ヒトCD3モノクローナル抗体(抗CD3、T細胞活性化剤)、および(2)これもまたヒトベータ−アクチンに由来する20塩基のDNA配列(o20b(+)act)(配列番号4、第2の結合性DNA配列)に共有結合的に付加した抗ヒトCD28モノクローナル抗体(抗CD28)を含む。このようなDBTA組成物を、「DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act]」と表す。別のDBTA組成物は、ローリングサークル法による増幅産物(RCAact)、ならびに以下の構成要素:(1)ヒトベータ−アクチンに由来する20塩基のDNA配列(o20b(+)act)(配列番号4、第1の結合性DNA配列)に共有結合的に付加した抗CD3、および(2)抗CD28を含む。このようなDBTA組成物を、「DBTA[抗CD3−o20b(+)act+非修飾抗CD28]」と表す。RCAの鋳型およびローリングサークル法による増幅産物であるRCAactを作出するためのプライマーの配列、ならびに対応する第1の結合性DNA配列、および第2の結合性DNA配列を、下記の表1に示す。
【0050】
【表1】
コンジュゲートである、抗CD3−DNAおよび抗CD28−DNAの合成
第1の結合性DNA配列および第2の結合性DNA配列の、抗CD3および抗CD28抗体(Ab)のそれぞれへの共有結合的付加は、下記で記載される、マレイミド−チオールカップリング戦略を介して進める。以下の、抗CD3−o20b(+)act(抗CD3−DNA)コンジュゲートおよび抗CD28−o20b(+)act(抗CD28−DNA)コンジュゲートの、合成、精製、および特徴付けについての具体的記載は、異なる抗体(Ab)クローンのほか、異なる長さおよび組成の、異なる第1および第2の結合性核酸配列のための、一般的なコンジュゲーション戦略として適合させることができる。
マレイミドにより活性化させた第1の結合性DNA配列および第2の結合性DNA配列の調製
この例では、第1の結合性DNA配列および第2の結合性DNA配列は、同じヌクレオチド配列を有する。工程は、第1の結合性DNA配列について記載されているが、また、第2の結合性DNA配列へも適用される。出発DNA配列(prot−mal−o20b(+)act)(TriLink Biotechnologies、San Diego、CA、USA)は、N末端のC6スペーサーでキャッピングされた、20塩基の第1の結合性DNA配列に続き、保護された三環式のマレイミド部分(prot−mal)を含む。反応性マレイミド活性化誘導体(mal−o20b(+)act)は、prot−mal−o20b(+)actから、逆電子要請型ディールス−アルダー脱保護ステップを介して作出した。マレイミドにより活性化させた第1の結合性DNA配列(mal−o20b(+)act)を、無水トルエン中に懸濁させ(約1mg/mL)、90℃で4時間にわたり加熱した。ベンチトップ型遠心分離を使用して、マレイミドにより活性化させた第1の結合性DNA配列(mal−o20b(+)act)を沈殿させ、溶媒を除去した。沈殿したmal−o20b(+)actを、低温エタノール(3×1mL)で洗浄した。減圧下で、残留有機溶媒をさらに低減したら、洗浄された固体生成物を、100mMのHEPES緩衝液、pH 7.3中に溶解させた。mal−o20b(+)actの最終濃度は、UV−Vis分光法(NanoDrop(商標)Spectrophotometer、Thermo Fisher Scientific、Waltam、MA、USA)を介して決定した。結果として得られる原液(DNA中に0.5〜1mM)を、チオール修飾抗体による抗体コンジュゲーションのために、直接使用した。残りのmal−o20b(+)act原液は、反応性を著明に喪失させずに、−20℃で、数カ月間にわたり保管した。
チオール修飾抗体中間体の調製
トラウト試薬(2−イミノチオラン塩酸塩)の10mMの原液を、100mMのHEPES緩衝液、pH 7.3中でまず調製した。次いで、PBS中に1mg/mLの、抗CD3 Ab(OKT3 クローン、eBioscience、Thermo Fisher Scientific、Waltam、MA、USA)または抗CD28 Ab(9.3クローン、GeneTex、USA)溶液を、20倍濃度のpH 8.5ホウ酸緩衝液(Thermo Fisher Scientific、Waltam、MA、USA)および10〜15mMのトラウト試薬原液の両方と、8:1:1の容量比で混合した。結果として得られる溶液を、完全に混合し、室温で、0.75〜1.25時間にわたりインキュベートした。トラウト混合物の未使用分は、反応性を大きく喪失させずに、−20℃で、数カ月間にわたり保管しうるが、新鮮な溶液が好ましい。抗体を活性化させた後、100mMのHEPES、pH 7.3緩衝液で平衡化させた、従来の脱塩カラム(例えば、NAP−5またはPD−10、GE Healthcare Life Sciences)を使用して、反応混合物を精製した。次いで、回収画分を、UV−Vis分光法(NanoDrop(商標)Spectrophotometer、Thermo Fisher Scientific、Waltam、MA、USA)により、速やかに解析した。この段階で結果として得られるタンパク質の回収率は、抗体について公知の、280nmにおけるモル吸光係数を使用して測定される、抗CD3および抗CD28抗体のいずれについても、>60%であることが典型的であった。
マレイミド活性化DNA配列(第1の結合性DNA配列および第2の結合性DNA配列)の、チオール修飾Ab中間体とのコンジュゲーションであって、Ab−DNAコンジュゲート(抗CD3−o20b(+)actおよび抗CD28−o20b(+)act)を作出するコンジュゲーション
抗体−DNAコンジュゲートを作出するために、ある容量のmal−o20b(+)actを、調製されたばかりの精製チオール活性化抗体のアリコートへと添加して、10〜40:1のo20b(+)act:Abの標的モルインプット比を達成した。完全に混合した後、結果として得られる溶液を、25℃で、一晩(16〜24時間)にわたりインキュベートした。最終的なコンジュゲートの精製は、飽和塩化アンモニウム溶液を使用する、Abの選択的沈殿を介して達成する。第一に、総反応容量と等容量の飽和塩化アンモニウム溶液を添加し、完全に混合し、氷上に置いた。15分後、試料を、10℃、15,000×gの相対遠心力(rcf)で、10分間にわたり遠心分離した。上清を除去した後、適切な最小容量の、0.1Mリン酸ナトリウム、0.15M NaClによる、pH 7の緩衝液を添加して、最終ペレットを再溶存させた。抗体−DNAコンジュゲート(Ab−DNA)の最終的な回収率および標識化効率は、DNA含量(ε=210,100M−1cm−1)を決定するために、Pierce BCA Protein Assay Kit(Thermo Scientific、Waltam、MA、USA)を、A260の測定(NanoDrop(商標)Spectrophotometer、Thermo Fisher Scientific、Waltam、MA、USA)と組み合わせて使用して決定した。これらの条件下で、1つ〜5つの、第1の結合性DNA配列を、抗CD3抗体の各分子に付加することができ、かつ/または1つ〜5つの、第2の結合性DNA配列を、抗CD28抗体の各分子に付加することができる。付加は、一般に、>60%の最終コンジュゲート回収率で達成される。代替的に、抗体−DNAコンジュゲートの標識化および収率はまた、参考文献である、Anal Chem. 2014 Apr 15; 86(8): 3869-3875の付録に記載されている方法により測定することもできる。コンジュゲート純度のさらなる確認は、解析的サイズ除外クロマトグラフィー(SEC)を使用し、標準タンパク質サイズの検量線に照らして決定する。典型的な解析的SEC条件は、以下の通り:10μLの試料注射容量、0.5mL/分の流量、30分間にわたる試行であって、100mMのリン酸ナトリウム、100mMの硫酸ナトリウム、0.05%のアジドナトリウムによる、pH 6.7の緩衝液を、TSK Gel 3000SWxLカラム(日本、東京、東ソー株式会社)上で使用する試行である。典型的な解析的SECの溶出時間は、以下の通り:非標識化Ab=16.8〜17.0分間、付加を施していないo20b(+)act=20.0分間、Ab−DNA(Ab−o20b(+)act)コンジュゲート混合物=10〜15分間である。精製された最終Ab−DNAコンジュゲート(沈殿および再懸濁の後の)は、SEC解析において、結合しなかったDNA中間材料または出発材料の、>95%の除去を示す。
【実施例2】
【0051】
抗CD3−DNAコンジュゲートおよび抗CD28−DNAコンジュゲートについての、T細胞への結合の検証
実施例1で調製したAb−DNAコンジュゲートが、それらの、T細胞への特異的な細胞結合能力を保持することを確認するために、フローサイトメトリー(Cytoflex S、Beckman Coulter)を使用して、各コンジュゲートバッチについて、検証研究を実施した。Normal Peripheral Blood(NPB)Pan T Cells(AllCells、USA)を、10mLの温熱完全X−vivo培地(表2を参照されたい)中、37℃で融解させ、次いで、300×gのrcfで、10分間にわたり遠心分離した。次いで、細胞を、10mLの新鮮な完全培地中に再懸濁させ、Nucleocounter(登録商標)NC−200システム上で解析して、細胞のカウントおよび生存率を決定した。濃度を、1mL当たりの細胞1×10個へと調整し、PBSで洗浄した後で、T細胞を、PBS中に10%のNormal Goat Serum(NGS)中、4℃で、15分間にわたりブロッキングした。ブロッキング溶液を除去した後で、細胞を、1%のNGS/PBS溶液中の抗体および抗体−DNAコンジュゲートと共に、4℃で、15分間にわたりインキュベートした。並行する実験において、細胞を、抗CD3−DNA(抗CD3−o20b(+)act)、または抗CD28−DNA(抗CD28−o20b(+)act)と共にインキュベートした。付加を施していない、または非修飾の抗CD3 Abおよび抗CD28 Abと共にインキュベートされた細胞を、陽性対照として使用した。インキュベーション後、細胞を、PBS中で洗浄し、抗CD3 Abおよび抗CD28 Abの両方のマウスアイソタイプに特異的な、フルオロフォア標識化二次抗体(Jackson ImmunoResearch、PA、USA)の、1%NGS/PBS溶液と共にインキュベートした。二次抗体を標識化するための典型的な希釈率は、1mg/mLの原液に対して、1:200である。4℃で15分間にわたるインキュベーションの後で、細胞を、前出と同様に洗浄し、PBS中に再懸濁させ、フローサイトメトリーにより解析して、Ab−DNAコンジュゲートと結合したT細胞の百分率を、非標識化Ab(陽性対照)と結合したT細胞の百分率と比べて決定した。
【0052】
図1A〜1Eは、抗CD28−o20b(+)act、抗CD28 Ab(非標識化)、抗CD3−o20b(+)act、抗CD3 Ab(非標識化)、およびFITC標識化二次抗体のそれぞれによる、T細胞への結合についての、代表的なフローサイトメトリーヒストグラムを示す。これらの特定のAb−DNAコンジュゲートバッチ(抗CD28−o20b(+)actおよび抗CD3−o20b(+)act)については、高百分率の抗CD3および抗CD28の、細胞への結合が観察された(いずれについても、>85%)。これらの結果は、DNAへの付加にもかかわらず、抗CD3 Ab試料および抗CD28 Ab試料の著明な部分が、それらのT細胞への結合能力を保持することを指し示す。
【実施例3】
【0053】
ローリングサークル増幅を使用する、T細胞活性化のための、捕捉核酸ポリマーの作製
一本鎖ローリングサークル増幅(ssRCA)の工程であって、ローリングサークル法による増幅産物(例えば、RCAact)を、T細胞を活性化させるための第2の薬剤として作製する工程は、2つのステップ:1)環状の鋳型を作出する、直鎖状DNA鎖のライゲーションと、2)一本鎖のコンカタマーを合成する、ライゲーションされた環状鎖の増幅とを含む。ライゲーションは、製造元のプロトコール(New England Biolabs(登録商標)、MA、USA)に従い、T4 DNA Ligaseを使用して達した。ライゲーションに、2つのオリゴヌクレオチドを用意した。1つのオリゴヌクレオチド(RCAact no−CpG、配列番号3)は、ヒトβ−アクチン遺伝子の、43塩基のヌクレオチド配列を含有し、5’リン酸基を含有した。この43塩基のオリゴヌクレオチドは、ライゲーションの後、環状の鋳型を形成した。第2のオリゴヌクレオチドは、20塩基の長さ(RCAactプライマー)であり、43塩基のオリゴヌクレオチドの両端に対して相補的であった。この第2のオリゴヌクレオチドを使用して、ライゲーション(43塩基のオリゴヌクレオチドの鋳型依存ライゲーション)の前に、環状鎖を形成し、次いで、かつ、その後のssRCA反応において、環状鎖を増幅した(図2を参照されたい)。ライゲーションのために、450ピコモルの、43塩基のオリゴヌクレオチドを、10mMのトリス、pH 8と、50mMの塩化ナトリウムとからなるアニーリング緩衝液120μLの容量中で、300ピコモルの、20塩基のオリゴヌクレオチドと混合した。混合物を、95℃で、2分間にわたり加熱し、次いで、1秒ごとに、温度を0.1℃ずつ下げることにより、+4℃へと冷却した。冷却した後、混合物を、室温へと暖め、このアニーリング反応物96μLを、480μLの最終容量中で、10mMのATPを含有する、10倍濃度のT4 DNA Ligase緩衝液48μL、および24μlのT4 DNA Ligase(400単位/μl)と混合した。ライゲーション反応物を、23℃で、20時間にわたりインキュベートし、次いで、65℃で、20分間にわたりインキュベートして、リガーゼを熱殺菌した。
【0054】
ssRCA反応は、69.3μLの完了ライゲーション反応混合物を、1.078mLの最終容量中で、2倍濃度のPhi29反応緩衝液(100mMのHEPES緩衝液、pH 8.0、150mMの塩化カリウム、2mMのTCEP、40mMの塩化マグネシウム、0.02%(v/v)Tween20、5%(v/v)のポリエチレングリコール、および1.6mMずつのdATP、dCTP、dGTP、およびdTTP)550μLと混合することにより実施した。混合した後、1mg/mlのPhi29 DNAポリメラーゼ22μLを添加して、ローリングサークル法増幅を誘発した。増幅混合物を、30℃で18時間にわたりインキュベートし、次いで、65℃15分間にわたりインキュベートして、ポリメラーゼを熱殺菌した。完了ssRCA反応混合物を、3つの個別の試験管へと、等量に分け、3Mの酢酸ナトリウム0.1容量と、95%(v/v)のエタノール2.5容量とを添加することにより沈殿させた。沈殿物を、室温で、30分間にわたり静置し、次いで、高速(>20,000×g)で、30分間にわたり遠心分離した。上清を、吸引により除去し、各DNAペレットを、70%(v/v)のエタノール500μLですすぎ、次いで、高速(>20,000×g)で、5分間にわたり、再度遠心分離した。上清を、吸引により、再度除去し、DNAペレットを、TET緩衝液(10mMのトリス、pH 8.0、0.1mMのEDTA、および0.01%(v/v)のTween20)中に再懸濁させた。
【0055】
ローリングサークル法による増幅産物(RCAact)のみかけのサイズは、パルスフィールドゲル電気泳動により、酵母(S.cerevisiae)またはラムダのDNA分子量ラダーと比べて決定した。さらに、抗CD3−o20b(+)actおよび抗CD28−o20b(+)actコンジュゲート(実施例1)の、RCAactとのハイブリダイゼーションを確認するために、パルスフィールド解析または非変性アガロースゲルを使用するゲルシフトアッセイを使用した。
【実施例4】
【0056】
Dynabeads(登録商標)Human T−Expander CD3/CD28およびDBTA系(DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act]およびDBTA[抗CD3−o20b(+)act+非修飾抗CD28])を使用する、T細胞の活性化および増加の比較
AllCells(USA、型番PB009−IF)製のヒトPan T Cellsの凍結アリコートを、全ての活性化/増加研究に使用した。Pan T Cellsを、実施例2で記載した通りに、融解させ、加工し、以下の完全X−Vivo培地(Lonza、Basel、Switzerland)へと添加して、表2に示される通り、1mL当たりの細胞1×10個の初期濃度をもたらした。
【0057】
【表2】
典型的な活性化/増加実験は、ウェル1つ当たり2mLの播種容量を使用する6ウェルフォーマットであって、被験条件1つ当たり、最小で1つのさらなる反復を伴うフォーマットで実施した。製造元の指示書に従い、Dynabeads(登録商標)Human T−Expander CD3/CD28(型番111.41D、ThermoFisher、USA)を調製した。略述すると、ビーズのアリコートを、0.3mLの完全培地で、3回にわたり洗浄し、試料を、DynaMag−2永久磁石(ThermoFisher Scientific、USA)へと適用した後で、上清である洗浄液の除去を行う。完全培地中の再懸濁の後、約3:1のビーズ対細胞比を、初期活性化条件(ウェル1つ当たりの全細胞2×10個で始める)に使用するように、ウェル1つ当たり60μLのビーズスラリーのアリコートを添加した。
【0058】
そうでないことが指定されない限りにおいて、DBTAの構成要素(抗CD3−DNA、非修飾抗CD28または抗CD28−DNA、およびRCAact)のアリコートを、それらのそれぞれの原液(4℃で保管された)から直接、個別に、かつ、連続的に、細胞へと添加した。各DBTA構成要素の添加は、任意の継起順序で行うことができる。標準的なDBTA構成要素の初期濃度は、以下の通り:抗CD3−o20b(+)act、およびCD28−o20b(+)actの各々について、1μg/mL(6.7nM)ずつ、RCAactは10倍モル過剰量(約67nM)であった。RCAact濃度は、反復する43塩基のオリゴヌクレオチドのモル濃度に基づき、RCA産物の全長または多分散性には依存しない。全ての適切なDBTA構成要素を添加した後、1mLのピペットで、ウェルの内容物を混合した。次いで、プレートを、37℃および5%CO雰囲気の静置条件下で、1〜7日間またはこれを超える期間にわたり、定期的にアリコートを採取し、増加および解析を継続するために必要に応じ、新鮮な培地で希釈しながら、インキュベートした。細胞の活性化の確認は、24時間にわたるインキュベーション(1日目)の後で、フローサイトメトリーを使用して、CD25の発現を測定することに続き、必要な場合、4および7日目に、さらなる測定を行うことにより達成した。細胞のカウント、生存率、およびサイズ(ブラスティング)も、Nucleocounter(ChemoMetec、Allerod、Denmark)を使用して、4および7日目に、加えて測定した。4日目の細胞カウントに基づき、細胞密度を、ウェル1つ当たり1mL当たりの細胞250,000個へと低減するように、新鮮な完全培地による、1:4または1:8の希釈を実施した。これは、細胞が、7日目の解析まで、過剰増殖を伴わずに、指数増殖期で増加させることを可能とした。陰性対照(活性化剤を添加しなかった「細胞だけ」の試料群)では、細胞密度を、1mL当たりの最小の細胞500,000個で維持した。フローサイトメトリーを介する、さらなる表現型解析を、7日目に、目的の特定の試料について行った。探索下の細胞表面マーカーのパネルは、CD4、CD8、CD27、CD28、CD3、CD57、CD25、およびCD62Lを含んだ。図3Aおよび図3Bは、抗CD3抗体だけを、o20b(+)actへとコンジュゲートさせ、抗CD28は、非修飾可溶性抗体として添加したDBTA系(DBTA[抗CD3−o20b(+)act+非修飾抗CD28])により、著明な活性化および増加が達成されたことを示す。実験は、1および4日目におけるCD25の発現、ならびに4および7日目におけるx倍の細胞増加を比較する場合の対照としての、Dynabeads(登録商標)Human T−Expander CD3/CD28により実行した。非修飾抗体、RCAact単独、非コンジュゲート結合性核酸配列を伴う非修飾抗体(遊離o20b(+)act)、および細胞を伴う対照試料は、予測される通り、極めて低レベルの活性化および増加を示した。図3Aおよび3Bは、5つの個別の実験、7例の個別のヒトT細胞ドナー、および抗体コンジュゲートの4つの異なるバッチに由来するデータを含む。図4Aおよび図4Bは、最良の性能が、抗CD3および抗CD28抗体の両方を、結合性DNA配列(DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act])に付加したDBTA組成物により達成されたことを示す。図4Aおよび図4Bについてのデータは、6例を超える個別のヒトT細胞ドナーを包含する、5つを超える個別の実験から取った平均を表す。
【実施例5】
【0059】
Dynabeads(登録商標)(ThermoFisher Scientific、Waltham、MA、USA) Human T−Expander CD3/CD28、およびAb−DNAコンジュゲート(抗CD3−o20b(+)actおよび抗CD28−o20b(+)act)を伴う、核酸ポリマー(RCAact)によるDBTA系を使用する、大スケールのT細胞の活性化および増加の比較
実施例4で例示した、6ウェルプレートによる研究に加えて、72C VueLife(登録商標)バッグ(CellGenix GmbH、Breisgau、Germany)を使用して、T細胞の活性化および増加の効率についての、大スケールの比較を実施した。実施例4で記載した、同じ比および構成要素を、直線的にスケーリングして、32mLの完全X−Vivo培地中の細胞32×10個(1mL当たりの細胞1×10個)の出発条件に適合させた。培養物は、標準的な細胞培養インキュベーター内の72C VueLifeバッグ(CellGenix GmbH、Breisgau、Germany)内に維持した。4日目に、細胞を回収し、新鮮な培地で洗浄し、カウントし、適切な培地容量中で希釈して、1mL当たりの細胞0.5×10個をもたらし、VueLife 72Cバッグ内に再播種した。6日目に、さらなる増加のために、細胞を希釈し、揺動WAVE bioreactor(商標)プラットフォーム(GE Healthcare、Bio−Sciences)上の、Waveバッグ内の250mL中に播種した。8日目までに、Nucleocounter(登録商標)(ChemoMetec、Allerod、Denmark)を使用して、細胞をカウントし、フローサイトメトリーにより、多様なCD表面マーカーの発現について検討した。下記の表3〜5は、Dynabeads(登録商標)試料およびDBTAで活性化させた試料の両方について、同等レベルの、CD25発現、x倍の増加、細胞サイズ、および生存率を描示する。加えて、8日目のフロー解析は、Dynabeads(登録商標)およびDBTAのいずれについても、CDマーカーの全パネルについて、ほぼ同一レベルの表現型の発現を示す。調製物および結果を、下記の表3〜5に例示する。
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【実施例6】
【0063】
細胞培養物を添加する前に、あらかじめ会合させたDBTA構成要素を併せて添加することの、活性化の開始時における、全てのDBTA構成要素の個別の添加との対比での効果
一連のT細胞活性化実験を行って、DBTA系の構成要素(例えば、抗CD3−DNA(抗CD3−o20b(+)act)、抗CD28−DNA(抗CD28−o20b(+)act)、およびRCAact)の全てをプレインキュベートするか、またはあらかじめ会合させ、次いで、あらかじめ会合させた複合体を、T細胞へと添加することの効果を評価した。結果を、in situにおける会合のために、各個別の構成要素を、T細胞へと、個別に添加する、標準的なプロトコールと比較した。これらのあらかじめ会合させた試料について、実施例4で使用した、同じ数量および比のDBTA構成要素を、1.5mLの試験管に、併せて添加し、完全に混合し、室温で、30分間にわたりインキュベートした。次いで、あらかじめ会合させたDBTA混合物を、6ウェル−プレート内の、新鮮なT細胞培養物へと添加した。並行して、かつ、実施例4で行った通り、あらかじめ会合させなかった、標準的なDBTA試料を、T細胞培養物へと添加した。結果を、Dynabeads(登録商標)および細胞だけの対照試料(それぞれ、陽性対照および陰性対照)と比較した。
【0064】
図5Aおよび図5Bは、全てのDBTA構成要素(抗CD3−DNA、抗CD28−DNA、およびRCAact)を、添加の前にプレインキュベートする/あらかじめ会合させる(あらかじめ会合させたDBTA[抗CD3−DNA+抗CD28−DNA])のであれ、in situにおける会合(in situにおけるDBTA[抗CD3−DNA+抗CD28−DNA])のために、個別に添加するのであれ、同等なレベルの、早期の活性化(24時間後におけるCD25の発現)と、4日目における細胞の増加とが達成されることを示す。図5Aは、24時間にわたるインキュベーションの後における、CD25の発現を示し、図5Bは、4日後における細胞の増加を示す。DBTA試料のいずれのセットも、T細胞の著明な活性化および増加を引き起こした。このデータは、4例の異なるヒトT細胞ドナー、およびAb−DNAコンジュゲートの4つの異なるバッチを特徴とする、2つの個別の実験から導出した。
【実施例7】
【0065】
異なるインプットDBTA構成要素(Ab−DNAコンジュゲートおよびRCAact)の数量の、T細胞活性化効率に対する効果
一連のT細胞活性化実験を行って、抗CD3−DNA:抗CD28−DNAの異なる比の、T細胞の活性化および増加に対する効果を評価した。全ての場合に、RCAact濃度を、67nMに維持する一方で、抗CD3−DNAコンジュゲート:抗CD28−DNAコンジュゲートのモル比1:1を、1:2と対比して検討した。実施例4で概括した、他の全てのプロトコール条件を維持した。
【0066】
図6Aおよび図6Bは、十分なT細胞の活性化(24時間後におけるCD25の発現)および細胞の増加(4および7日目における)のそれぞれが、Ab−DNAおよびRCAactの様々なインプット数量で達成されたことを示す。図6Aおよび図6Bに示される通り:i)抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(1:1)は、いずれのAb−DNAコンジュゲートも、濃度を1μg/mL(6.7nM)とした研究を表し;ii)抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(1:2)は、抗CD3−DNAの濃度を1μg/mLとし、抗CD28−DNAの濃度を2μg/mLとしたことを表し;iii)抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(0.5:1)は、抗CD3−DNAの濃度を0.5μg/mLとし、抗CD28−DNAの濃度を1μg/mLとしたことを表し;iv)抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(0.25:0.5)は、抗CD3−DNAの濃度を0.25μg/mLとし、抗CD28−DNAの濃度を0.5μg/mLとしたことを表し;v)抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(0.25:0.25)は、抗CD3−DNAの濃度を0.25μg/mLとし、抗CD28−DNAの濃度も0.25μg/mLとしたことを表す。最低レベルのCD25発現(60%)は、最低インプット数量のAb−DNAコンジュゲート(0.25μg/mLのインプットまたは約1.7nM)およびRCAact(約67nM)(抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(0.25:0.25)として示される)により達成された。しかし、この活性化レベルもなお、細胞だけの陰性対照(20%)を超えた。抗CD3−DNAコンジュゲートの標準的なインプット数量より低量(0.5μg/mL)(抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(0.5:1)として示される)を使用することによってもなお、著明な活性化(CD25の発現に関して90%)が達成されたことは注目される。この実施例のデータは、5例の異なるヒトT細胞ドナー、およびAb−DNAコンジュゲートの4つの異なるバッチを特徴とする、3つの個別の実験から導出した。CD3/CD28 Dynabeads(登録商標)および細胞だけの試料を、それぞれ、陽性対照および陰性対照として使用した。
【実施例8】
【0067】
T細胞を活性化させるために、RCAポリマー産物を添加する前に、DBTA抗体コンジュゲートを、T細胞とプレインキュベートすることの効果
抗CD3−DNA抗体コンジュゲートおよび抗CD28−DNA抗体コンジュゲートを、T細胞培養物へと添加して、30分後における、ローリングサークル法による増幅産物(RCAact)の、別個の第2の添加の前に、Ab−DNA/細胞プレインキュベート試料を作出することの効果を評価する実験を行った。この研究のために使用した、抗CD3−DNA:抗CD28−DNA比は、1:1であった。結果を、全てのDBTA構成要素を、in situにおける会合のために、個別かつ同時に添加する手順と比較した。この実験では、実施例4で概括した、他の全てのプロトコールの詳細および数量に従った。in situにおける会合プロトコールでは、使用した抗CD3−DNA:抗CD28−DNA比は、1:1および1:2であった。
【0068】
図7Aは、早期の活性化(24時間後におけるCD25の発現)の低下を強調し、図7Bは、7日目において、Ab−DNA/細胞プレインキュベート試料(プレインキュベート細胞−DBTA[抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(1:1)])について、細胞の増加が、DBTA構成要素を同時に添加した手順(in situにおけるDBTA[抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(1:1)]およびin situにおけるDBTA[抗CD3−DNA:抗CD28−DNA(1:2)]により表される)と比べて減少したことを示す。
【実施例9】
【0069】
異なるインプットAb−DNAコンジュゲート対RCA産物比の、T細胞活性化効率に対する効果
一連のT細胞活性化実験を行って、異なるAb−DNA:RCAactインプット比の、T細胞活性化効率に対する効果を評価した。全ての場合に、抗CD3−DNA(抗CD3−o20b(+)act)コンジュゲートだけを使用し、図8Aおよび図8Bでは、Ab−DNAと表した。各Ab−DNAコンジュゲート試料が、活性化のために、ウェル1つ当たり同じ標準濃度(1μg/mLのインプットまたは6.7nM)を特徴とする一方で、3log範囲(6.7nM、67nM、および670nM)のインプットRCAact産物について探索した。CpGを含有するRCA鋳型およびCpGを含有しないRCA鋳型から作製される、ローリングサークル法による増幅産物(実施例1および表1を参照されたい)について探索した。CpGを含有しないRCA鋳型から作製される、ローリングサークル法による増幅産物を使用して、以下の実験条件:i)比を1:10とするAb−DNA:RCAact(CpGなし、1:10のAb−DNA:RCAにより表される);ii)比を1:1とするAb−DNA:RCAact(CpGなし、1:1のAb−DNA:RCAにより表される);およびiii)比を1:100とするAb−DNA:RCAact(CpGなし、1:100のAb−DNA:RCAにより表される)を使用した。同様に、CpGを含有するRCA鋳型から作製される、ローリングサークル法による増幅産物については、以下の実験条件:i)比を1:10とするAb−DNA:RCAact(CpG、1:10のAb−DNA:RCAにより表される);ii)比を1:1とするAb−DNA:RCAact(CpG、1:1のAb−DNA:RCAにより表される);およびiii)比を1:100とするAb−DNA:RCAact(CpG、1:100のAb−DNA:RCAにより表される)を使用した。いずれの実験セットについても、最適のT細胞活性化(CD25の発現により測定される)は、Ab−DNA:RCAact比を1:10とするときに達成された。活性化効率の低下は、Ab−DNA:RCAの比を増大させたときにも、これを低下させたときにも観察された。しかし、全ての試料は、7日目の実験において、10倍またはこれを超える細胞の増加を裏付けた。実施例4で概括した、他の全てのプロトコールの詳細および数量を維持した。図8Aは、1および4日間にわたる培養の後における、CD25の発現%を示し、図8Bは、4および7日後における、細胞の増加を示す。
【実施例10】
【0070】
異なる配列および長さの捕捉オリゴヌクレオチドを有する、代替的なローリングサークル法による増幅産物を使用する、ヒトT細胞の活性化および増加の裏付け
本開示についての、前出の全ての例(実施例1〜9)および付随する図(図1〜8)は、ヒトB−アクチンに由来する配列を有する、ローリングサークル法による増幅産物を伴うDBTA系(実施例1)を用いる。ヒトT細胞の活性化および増加の成功はまた、多様なヌクレオチドの配列および長さを有する捕捉オリゴヌクレオチドを含む、代替的な捕捉核酸ポリマーによっても達成することができる。1つの代替的な例は、メチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)ゲノムに由来する、ローリングサークル法による増幅産物を特徴とする。対応する、相補的な第1の結合性DNA配列および第2の結合性DNA配列を、o25b(+)mrsa(配列番号7)と称し、対応するDBTA産物を、DBTA[抗CD3−o25b(+)mrsa+非修飾抗CD28]またはDBTA[抗CD3−o25b(+)mrsa+抗CD28−o25b(+)mrsa]と称する。これらのDBTA構成要素の各々についての、具体的な配列情報を、下記の表6に示す。
【0071】
【表6】
図9Aおよび図9Bは、1および4日後におけるCD25の発現(図9A)、ならびに4および7日後におけるx倍の細胞の増加(図9B)に関して、DBTA[抗CD3−o25b(+)mrsa+非修飾抗CD28]の著明な性能を示す。これらの結果は、上記の例で示した、β−アクチン由来のDBTA系(DBTA[抗CD3−o20b(+)act+非修飾抗CD28])と同等である。また、非修飾抗体、ローリングサークル法による増幅産物単独(RCA産物だけ(MRSA))、および細胞だけの陰性対照による対照実験も実施した。陰性対照は、極めて低レベルの活性化および増加を示した。Ab−DNAの合成、ローリングサークル法による増幅工程、およびβ−アクチンDBTAについて上記で記載したモル数量を含む細胞培養プロトコールについて、正確に同じプロトコールに従ったことについて述べておく。
【実施例11】
【0072】
切断型の、ローリングサークル法による増幅産物を特徴とする、MRSAベースのDBTA組成物であるDBTA[抗CD3−o25b(+)mrsa+非修飾抗CD28]を使用する、ヒトT細胞の活性化および増加の裏付け
MRSAベースのDBTA系(全長RCA産物を作出するのに使用される一般的な条件については、実施例10および実施例3を参照されたい)を使用して、異なるサイズのローリングサークル法による増幅(RCA)産物を使用するヒトT細胞の活性化および増加の効率の比較を行った。これらの実験のために、全長RCA産物を、超音波処理条件下に置き、異なる相対サイズ分布をもたらした。超音波処理されたRCA産物をもたらすために、製造元の推奨インプット条件に従い、Covaris M220 Focused ultrasonicator(商標)(Covaris、Woburn、MA)を用いて、大型のゲノムDNA断片から出発して、1500塩基(b)および150塩基(b)のサイズの断片をもたらした。標的インプットパラメータは、入射ピークパワー、占有率、バースト1つ当たりのサイクル、処理時間、および温度を含む。超音波処理の後で、実施例1の条件に従い、解析的サイズ除外クロマトグラフィーを使用して、産物の相対サイズ分布を確認した。RCA産物について、この方法による絶対サイズおよび分子量の決定は知られていないが、小型断片について予測される、溶出時間増大の一般的な傾向が観察された。こうして、以下の溶出時間:約16Kb(理論的な最大長)の全長RCA産物に対する10.1分間(空隙容量に対応する)、1.5Kbの超音波処理RCA産物に対する10.8分間、0.15Kbの超音波処理RCA産物に対する14.8分間、43塩基の出発RCA鋳型(対照注入)に対する19.2分間、非コンジュゲートo25b(+)mrsa(対照注入)に対する20.0分間、およびヌクレオチドを含む残留低分子に対する23.7分間が観察された。1.5Kbの超音波処理産物はまた、ゲル電気泳動によってもサイズ決定したところ、予測される通り、超音波処理は、単一の長さの産物をもたらさないので、サイズが400〜1600塩基の範囲(1.5Kbの標的範囲に近い)の断片を含有することが見いだされた。
【0073】
図10Aおよび図10Bは、RCA産物が大型であるほど、1および4日後における活性化(図10AのCD25発現%を参照されたい)および増加が増大することを示す。しかし、研究の後半では、傾向は、それほど顕著でなくなる。特に、7日目までに、異なるサイズの、3つのRCA産物全ては、同等レベルの細胞増加をもたらす(図10B)。
【実施例12】
【0074】
各T細胞活性化剤および/またはT細胞共刺激剤に付加した、結合性DNA配列の量を変化させることにより、T細胞の活性化を制御すること
抗CD3抗体を付加した第1の結合性DNA配列(抗CD3−o20b(+)act)および抗CD28抗体を付加した第2の結合性DNA配列(抗CD28−o20b(+)act)を合成するための実験条件は、DNA(D):抗体(P)比の変化をもたらすように、抗体−DNAコンジュゲートを調製したことを除き、実施例1で記載した通りであった。これは、抗CD3抗体を付加した第1の結合性DNAおよび抗CD28抗体を付加した第2の結合性DNA配列の、ローリングサークル法による増幅産物とのハイブリダイゼーションのレベルを制御する意図で行った。図11は、2つの異なるD/P比における、DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act]の性能を示す。CD25の発現により測定されるT細胞の活性化は、D/P比を2.8〜3.0(DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act](D/P:2.8〜3.0)により表される)としたとき、D/P比を1.5〜1.8(DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act](D/P:1.5〜1.8)により表される)としたときと比較して高度であった。D/P比を大きくしたとき、観察されるT細胞の活性化は高度であった。図11のデータは、8つの個別の実験から取った平均を表す。
【実施例13】
【0075】
Ab−DNAコンジュゲートおよびカチオン性捕捉ポリマーを使用する、T細胞の活性化および増加
抗CD3−o20b(+)actおよび抗CD28−o20b(+)actを合成するための実験条件については、実施例1において記載した。市販のJet PEI(登録商標)(VWR International、Pennsylvania、USA、型番89129−914)およびポリL−リシン(PLL)(Sigma−Aldrich、Missouri、USA、型番P9155)を、この実験のための第2の薬剤として使用した。本研究で使用したN/P比(カチオン性捕捉ポリマーのアミン基のモルの、結合性DNA配列のリン酸基のモルに対する比)は、jet PEI(登録商標)の3のN/P、およびPLLの1のN/Pであった。抗CD3−o20b(+)actコンジュゲートおよび抗CD28−o20b(+)actコンジュゲートを、1μg/mLの濃度で使用した。実施例1で概括した、他の全てのプロトコールの詳細および数量に従った。T細胞の活性化については、実施例4で記載したプロトコールに従った。図12Aおよび図12Bは、抗CD3−o20b(+)act、抗CD28−o20b(+)actおよびカチオン性捕捉ポリマー(PEIまたはPLL)を使用する、T細胞の活性化および増殖を示す。
【実施例14】
【0076】
CD4:CD8T細胞比の制御
AllCells製のヒトPan T Cells(型番PB009−IF)の凍結アリコートを、全ての活性化研究および増加研究に使用した。Pan T Cellsを、実施例2で記載した通りに融解させ、加工し、以下の完全X−Vivo培地へと添加して、1mL当たりの細胞1×10個の初期濃度をもたらした。
【0077】
典型的な活性化/増加実験を、ウェル1つ当たり2mLの播種容量を使用する6ウェルフォーマットであって、被験条件1つ当たり、最小で1つのさらなる反復を伴うフォーマットで実施する。そうでないことが指定されない限りにおいて、DBTA構成要素(抗CD3−DNA、抗CD28−DNA、およびRCAact)のアリコートを、それらのそれぞれの原液から直接、個別に、かつ、連続的に、細胞へと添加した。各DBTA構成要素の添加は、任意の継起順序で行うことができる。標準的なDBTA構成要素の初期濃度は、以下の通り:抗CD3−DNA、および抗CD28−DNAについて、1μg/mL(6.7nM)、RCAactは10倍モル過剰量(約67nM)であった。RCAact濃度は、反復する43塩基のセグメントのモル濃度に基づき、RCA産物の全長または多分散性には依存しない。一部の実験では、抗4−1BB抗体を、T細胞共刺激剤として使用した。抗4−1BB−DNAは、実施例1で記載したプロトコールにより合成した。抗4−1BB−DNAは、100ng/mLの濃度で使用した。全ての適切な活性化構成要素を添加した後、1mLのピペットで、ウェルの内容物を混合した。次いで、プレートを、37℃および5%CO雰囲気の静置条件下で、1〜7日間またはこれを超える期間にわたり、定期的にアリコートを採取し、増加および解析を継続するために必要に応じ、新鮮な培地で希釈しながら、インキュベートした。
【0078】
T細胞の活性化は、24時間にわたるインキュベーションの後で、フローサイトメトリーを使用して、CD25の発現を測定することに続き、必要な場合、4および7日目に、さらなる測定を行うことにより達成した。CD4 T細胞:CD8 T細胞の比は、フローサイトメトリー蛍光色素をコンジュゲートさせた抗CD4抗体および抗CD8抗体を使用して追跡した。細胞のカウント、生存率、およびサイズ(ブラスティング)も、Nucleocounterを使用して、4および7日目に、加えて測定した。4日目の細胞カウントに基づき、細胞密度を、ウェル1つ当たり1mL当たりの細胞250,000個へと低減するように、新鮮な完全培地による、1:4または1:8の希釈を実施した。これは、細胞を、7日目の解析まで、過剰増殖を伴わずに、指数増殖期で増加させることを可能とした。活性化剤を添加しなかった陰性対照(「細胞だけ」)の試料群では、細胞密度を、1mL当たりの最小の細胞500,000個で維持した。
【0079】
図13Aおよび図13Bは、DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act]、およびDBTA[抗CD3−o20b(+)act]のそれぞれを使用する、7日間の増加期間にわたる、CD4 T細胞およびCD8 T細胞の増加を示す。DBTA[抗CD3−o20b(+)act]を、IL−2ベースの培地中で使用する7日目に、高比率のCD8細胞(1日目と比べた)が観察された。図14は、DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗4−1BB−o20b(+)act]を使用することにより、CD8細胞の比率を、CD4細胞に対してさらに増大させる、別の方式を示す。
【実施例15】
【0080】
二次抗体に付加した、第1の結合性DNA配列および/または第2の結合性DNA配列(二次Ab−DNAコンジュゲート)、ならびに非修飾の抗CD3および抗CD28抗体を含む系を使用する、T細胞の活性化
第1の結合性DNA配列および/または第2の結合性DNA配列を、二次抗体に付加することにより、二次Ab−DNAコンジュゲートを作出する:
異なるマウスIgG亜型をターゲティングする二次抗体(ヤギ抗マウスIgG(H+L)、型番115−005−062、ヤギ抗マウスIgG1、型番115−005−205、ヤギ抗マウスIgG(1+2a+2b+3)、型番115−005−164、およびヤギ抗マウスIgG2a、型番115−005−206)は、Jackson Immunoresearchから得、抗CD3コンジュゲートおよび抗CD28コンジュゲートについて、上記の実施例1で記載した通り、結合性DNA配列である、o20b(+)actへとコンジュゲートさせた。
【0081】
T細胞の活性化は、以下の構成要素、i)2または4μg/mLの、二次Ab−DNAコンジュゲート(抗IgG2a−o20b(+)act)、ii)濃度を1μg/mLとする、非修飾の一次抗体である、抗CD3および抗CD28、ならびにiii)10倍モル過剰量(一次抗体である抗CD3および抗CD28に照らして)のRCAactを使用して、実施例4に記載した通りに実施した。細胞だけおよびCD3/CD28 Dynabeads(登録商標)を、それぞれ、陰性対照および陽性対照として使用した。DBTA[抗CD3−o20b(+)act+抗CD28−o20b(+)act]、ならびに非修飾抗CD3(1μg/mL)、抗CD28(1μg/ml)、およびIgG2特異的二次(4μg/mL)抗体の混合物を、2つのさらなる対照として使用した。図15は、二次Ab−DNAコンジュゲート、非修飾の抗CD3抗体および抗CD28抗体、ならびにRCAactを使用して、実施例4のDBTA組成物を使用して達成されたのと同様のレベルの活性化を達成しうることを示す。
【実施例16】
【0082】
ナチュラルキラー細胞の活性化
マウスIgG1亜型をターゲティングする二次抗体(ヤギ抗マウスIgG1、型番115−005−205)は、Jackson Immunoresearchから得、抗CD3抗体および抗CD28抗体の、結合性DNA配列への付加について、上記の実施例1で記載した通り、結合性DNA配列である、o20b(+)actに付加した。
【0083】
末梢血CD56+ CD16+ナチュラルキラー細胞(Lonza、Basel、Switzerland、型番2W−501)の凍結アリコートを、活性化研究に使用した。使用した培地は、5%のヒトオフクロット血清(Valley Biomedical、VA、USA、型番HS1017)、および500IU/mLのIL−2(Peprotech、NJ、USA、型番200−02)を補充した、X−Vivo 20(Lonza、Basel、Switzerland、型番04−448Q)であった。活性化実験は、48ウェルプレート内で、500μLの播種容量および1mL当たりの細胞10個の密度を使用して実施した。活性化のために、一次抗体の2つの組合せ:i)抗CD335+抗CD2およびii)抗CD335+抗CD244を使用した。抗CD335は、eBioscience(商標)(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA、USA、型番16−3359−85)から得た。抗CD2は、Becton Dickinson(NJ、USA、型番555323)から得、抗CD244は、eBioscience(商標)(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA、USA、型番16−5838−85)から得た。ナチュラルキラー細胞の活性化は、以下の構成要素:二次Ab−DNAコンジュゲート(IgG1−o20b(+)act)、非修飾一次抗体の組合せ(抗CD335+抗CD2;または抗CD335+抗CD244)、およびRCAactを使用して実施した。対照群は、可溶性抗体単独または細胞だけの試料を有した。研究のために使用される抗体の濃度を、表7に示す。
【0084】
【表7】
全ての適切な活性化構成要素を添加した後、1mLのピペットで、ウェルの内容物を混合した。次いで、プレートを、37℃および5%CO2雰囲気の静置条件下で、24時間にわたりインキュベートした。細胞の活性化の確認は、24時間にわたるインキュベーション(1日目)の後で、フローサイトメトリーを使用して、CD25の発現により達成した。図15は、二次抗体−DNAコンジュゲートによる、可溶性抗体および細胞単独と比較して高度なCD25発現を示す。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15
図16
【配列表】
2019534684000001.app
【国際調査報告】