特表2019-534836(P2019-534836A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゼネラル・エレクトリック・カンパニイの特許一覧
特表2019-534836ホウ素を含むケイ素組成物及びその形成方法
<>
  • 特表2019534836-ホウ素を含むケイ素組成物及びその形成方法 図000003
  • 特表2019534836-ホウ素を含むケイ素組成物及びその形成方法 図000004
  • 特表2019534836-ホウ素を含むケイ素組成物及びその形成方法 図000005
  • 特表2019534836-ホウ素を含むケイ素組成物及びその形成方法 図000006
  • 特表2019534836-ホウ素を含むケイ素組成物及びその形成方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-534836(P2019-534836A)
(43)【公表日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】ホウ素を含むケイ素組成物及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 35/12 20060101AFI20191108BHJP
   C04B 41/87 20060101ALI20191108BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20191108BHJP
   F02C 7/24 20060101ALI20191108BHJP
【FI】
   C01B35/12 D
   C04B41/87 A
   F02C7/00 C
   F02C7/24 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-514805(P2019-514805)
(86)(22)【出願日】2017年9月1日
(85)【翻訳文提出日】2019年5月14日
(86)【国際出願番号】US2017049852
(87)【国際公開番号】WO2018052741
(87)【国際公開日】20180322
(31)【優先権主張番号】15/267,485
(32)【優先日】2016年9月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/267,517
(32)【優先日】2016年9月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/267,563
(32)【優先日】2016年9月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/267,614
(32)【優先日】2016年9月16日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】グレン・ハロルド・カービー
(72)【発明者】
【氏名】ジュリン・ワン
(57)【要約】
ケイ素含有材料(例えば、ケイ素金属及び/又はケイ化物)と、ホウ素ドープ耐火性化合物、例えば約0.001体積%〜約85体積%(例えば、約1体積%〜約60体積%)のホウ素ドープ耐火性化合物と、を含む組成物が一般に提供される。一実施形態では、セラミック部品の表面上のボンドコーティングは、一般に、そのような組成物を含むボンドコーティングを備え、ケイ素含有材料はケイ素金属である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素含有材料と、ホウ素ドープ耐火性化合物と、を含む組成物。
【請求項2】
前記組成物は、約1体積%〜約60体積%の前記ホウ素ドープ耐火性化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ホウ素ドープ耐火性化合物は、約0.1モル%〜約10モル%のBでドープされた金属酸化物を含み、ここで前記金属酸化物は、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ガリウム、酸化インジウム、希土類酸化物、酸化ニッケル、又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ホウ素ドープ耐火性化合物は、式:
Ln2−x
を有する化合物を含み、
ここで、Lnは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物を含み、
xは0〜約1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ホウ素ドープ耐火性化合物は、式:
Ln2−xSi
を有する化合物を含み、
ここで、Lnは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物を含み、
xは0〜約1である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項6】
前記ホウ素ドープ耐火性化合物は、式:
Ln2−xSi
を有する化合物を含み、
ここで、Lnは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物を含み、
xは0〜約1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ホウ素ドープ耐火性化合物は、式:
Ln3−x5−y12
を有する化合物を含み、
ここで、Lnは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物を含み、
xは0〜約1.5であり、
Mは、Ga、In、Al、Fe、又はそれらの組み合わせを含み、
yは0〜約2.5であり、
x+yは0より大きい、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
xは0.01〜約0.5であり、yは約0.01〜約0.5である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
xは0であり、その結果、前記化合物は、式:
Ln5−y12
を有し、
ここで、Lnは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物を含み、
Mは、Ga、In、Al、Fe、又はそれらの組み合わせを含み、
yは0より大きく約2.5までである、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記ホウ素ドープ耐火性化合物は、式:
Ln4−x−z2−n−y
を有する化合物を含み、
ここで、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、又はそれらの混合物を含み、
xは0〜約2であり、
Dは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物であり、ここで、
DはLnとは異なり、
DがLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、又はそれらの混合物である場合、zは0〜4未満であり、
DがEu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物である場合、zは0〜約2であり、
Mは、Ga、Al、又はそれらの組み合わせを含み、
Aは、Fe、In、又はそれらの組み合わせを含み、
nは0〜約1であり、
yは0〜約1であり、
x+yは0より大きい、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項11】
xは0であり、その結果、前記化合物は、式:
Ln4−z2−n−y
を有し、
ここで、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、又はそれらの混合物を含み、
Dは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物であり、ここで、
DはLnとは異なり、
DがLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、又はそれらの混合物である場合、zは0〜4未満であり、
DがEu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物である場合、zは0〜約2であり、
Mは、Ga、Al、又はそれらの組み合わせを含み、
Aは、Fe、In、又はそれらの組み合わせを含み、
nは0〜約1であり、
yは0より大きく約1までである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
x及びzは0であり、その結果、前記化合物は、式:
Ln2−n−y
を有し、
ここで、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、又はそれらの混合物を含み、
Mは、Ga、Al、又はそれらの組み合わせを含み、
Aは、Fe、In、又はそれらの組み合わせを含み、
nは0〜約1であり、
yは0より大きく約1までである、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
前記ケイ素含有材料はケイ素金属である、請求項1〜12の何れか1項に記載の組成物を含む、セラミック部品の表面上のコーティング。
【請求項14】
前記ホウ素ドープ耐火性化合物は、前記ケイ素含有材料内で不連続粒子相を形成するか、又は、前記ホウ素ドープ耐火性化合物と前記ケイ素含有材料とが絡み合った連続相を形成する、請求項13に記載のコーティング。
【請求項15】
前記コーティングは、前記セラミック部品の表面上に直接存在してボンドコーティングを形成する、請求項13に記載のコーティング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年9月16日に出願された米国特許出願第15/267,485号;2016年9月16日に出願された米国特許出願第15/267,517号;2016年9月16日に出願された米国特許出願第15/267,563号;及び2016年9月16日に出願された米国特許出願第15/267,614号に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般に、ケイ素組成物中にホウ素(B)化合物を含ませることに関する。特定の実施形態では、B含有化合物を含むケイ素系コーティング(例えば、ケイ素ボンドコーティング)は、一般に、セラミック部品用の耐環境コーティングに使用するために提供される。
【背景技術】
【0003】
ガスタービンエンジンでは、それらの効率を改良するために、より高い動作温度が絶えず求められている。しかしながら、動作温度が高まると、それに応じてエンジンの部品の高温耐久性も高めなければならない。高温性能の著しい進歩は、鉄系、ニッケル系、及びコバルト系超合金の配合によって達成されてきた。それでもなお、超合金から構成された多くの高温ガス経路(hot gas path)部品では、部品を断熱するために遮熱コーティング(TBC)を利用することができ、耐負荷(load−bearing)合金とコーティング表面との間にかなりの温度差を維持し、従って、構造部品の熱への暴露を制限することができる。
【0004】
超合金は、ガスタービンエンジン全体にわたって、特により高温のセクションにおいて使用される部品に広く使用されているが、セラミックマトリックス複合材(CMC)材料などの代替のより軽量の基板材料が提案されている。CMC及びモノリシックセラミック部品を、高温エンジンセクションの過酷な環境からそれらを保護するために、耐環境コーティング(EBC)で被覆することができる。EBCは、高温燃焼環境内の腐食性ガスに対して緻密な気密シールを提供することができる。
【0005】
炭化ケイ素及び窒化ケイ素セラミックは、乾燥した高温環境で酸化を受ける。この酸化は、材料の表面上に不動態酸化ケイ素スケールを生成する。タービンエンジンのような水蒸気を含む湿った高温環境では、酸化と後退(recession)の両方が、不動態酸化ケイ素スケールの形成及びそれに続く酸化ケイ素のガス状水酸化ケイ素への変換により起こる。湿った高温環境における後退を防ぐために、耐環境コーティング(EBC)が炭化ケイ素及び窒化ケイ素材料上に堆積される。
【0006】
現在、EBC材料は、希土類ケイ酸塩化合物から作られている。これらの材料は水蒸気を閉め出し(seal out)、それが炭化ケイ素又は窒化ケイ素表面上の酸化ケイ素スケールに達するのを防ぎ、それによって後退を防ぐ。しかしながら、そのような材料は酸素浸透を防ぐことができず、その結果、下にある基板の酸化をもたらす。基板の酸化は、酸化炭素系又は酸化窒素系ガスの放出と共に、不動態酸化ケイ素スケールをもたらす。酸化炭素系(すなわち、CO、CO)又は酸化窒素系(すなわち、NO、NOなど)のガスは、緻密なEBCを通って逃げることができず、従って、膨れが形成される。ケイ素ボンドコートの使用は、今日までのこの膨れの問題に対する解決策であった。ケイ素ボンドコートは、ガス状副生成物を遊離させることなく、酸化する(EBCの下に不動態酸化ケイ素層を形成する)層を提供する。
【0007】
しかしながら、ケイ素金属の融点は比較的低いので、ケイ素ボンドコートの存在はEBCに対する上限動作温度を制限する。使用の際は、酸化ケイ素の熱成長酸化物(TGO)層が、多層EBC系のケイ素金属ボンドコートの上面に形成される。この酸化ケイ素スケールは1200℃以下の温度で、時には1315℃以下の温度でさえ、非晶質のままであるが、この特性はボンドコートがこの温度に曝される時間にも依存する。より高い温度で、又は少量の水蒸気がEBCを介してボンドコートまで浸透すると、酸化ケイ素スケールは結晶化し(例えば、クリストバライト(cristoblate)になり)、それは冷却時に大きな体積変化を伴う相転移を起こす。体積変化はEBCコーティング剥離につながる。
【0008】
このように、EBCに対してより高い動作温度限界を達成するために、EBCにおけるケイ素ボンドコートの特性を改善することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の態様及び利点は、以下の説明に部分的に記載されているか、又はその説明から明らかであり得るか、又は本発明の実施を通じて習得することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ケイ素含有材料(例えば、ケイ素金属及び/又はケイ化物)と、ホウ素ドープ耐火性化合物、例えば約0.001体積%〜約85体積%(例えば、約1体積%〜約60体積%)のホウ素ドープ耐火性化合物と、を含む組成物が一般に提供される。一実施形態では、セラミック部品の表面上のボンドコーティングは、一般に、そのような組成物を含むボンドコーティングを備え、ケイ素含有材料はケイ素金属である。
【0011】
本発明のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を参照してより良く理解されるであろう。本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、その説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0012】
当業者に向けられた本発明の完全で有効な開示は、その最良の形態を含めて、添付の図面を参照して、本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ケイ素系層を含む例示的なセラミック部品の側断面図である。
図2】ケイ素系層上に熱成長酸化物層を含む、図1の例示的なセラミック部品の側断面図である。
図3】ケイ素系層を含む別の例示的なセラミック部品の側断面図である。
図4】ケイ素系層上に熱成長酸化物層を含む、図3の例示的なセラミック部品の側断面図である。
図5】本主題の様々な実施形態による例示的なガスタービンエンジンの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書及び図面での参照符号の繰り返しの使用は、本発明の同一又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。
【0015】
ここで本発明の実施形態を詳細に参照し、その1つ又は複数の実施例を図面に示す。各実施例は本発明の説明として提供され、本発明を限定するものではない。実際、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明において様々な修正及び変形をなし得ることが、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示又は説明されている特徴を別の実施形態と共に使用して、さらに別の実施形態を生み出すことができる。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内に入るようなそのような修正及び変形を網羅することが意図されている。
【0016】
本明細書で使用される場合、用語「第1」、「第2」、及び「第3」は、ある構成要素を別の構成要素と区別するために交換可能に使用され得、個々の構成要素の位置又は重要性を意味することを意図しない。
【0017】
化学元素は、元素の周期表に一般的に見られるものなどの、それらの一般的な化学略語を使用して、本開示において議論される。例えば、水素はその一般的な化学略語Hによって表される;ヘリウムはその一般的な化学略語Heによって表される;など。本明細書で使用される場合、「Ln」は、希土類元素又は希土類元素の混合物を指す。より具体的には、「Ln」は、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、又はそれらの混合物の希土類元素を指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、用語「実質的に含まない(free)」とは、存在する僅かの(insignificant)微量以下を意味し、完全に含まれない場合を包含する(例えば、0モル%〜最大0.01モル%)。
【0019】
本開示では、層が別の層又は基板の「上(on)」又は「上方(over)」にあると記載されている場合、明確に反対の記載がない限り、それらの層は互いに直接接触しているか、又はそれらの層の間に別の層又は特徴を有することができると理解されるべきである。従って、これらの用語は単に、それらの層の互いに対する相対位置を説明するものであり、上下の相対位置は観察者に対する装置の向きに依存するので必ずしも「上にある」ことを意味するわけではない。
【0020】
一般に、ケイ素含有材料(例えば、ケイ素金属)及びホウ素ドープ耐火性化合物を含む組成物が提供される。一般に、組成物は、約0.001体積%〜約85体積%、例えば約1体積%〜約60体積%のホウ素ドープ耐火性化合物を含む。
【0021】
一実施形態では、ケイ素含有材料及びホウ素ドープ耐火性化合物は、互いに絡み合った連続相である。例えば、ケイ素含有材料及びホウ素ドープ耐火性化合物は、約0.001体積%〜約85体積%、例えば約1体積%〜約60体積%のホウ素ドープ耐火性化合物(例えば、約40体積%〜約60体積%のホウ素ドープ耐火性化合物)を有する絡み合った連続相である。例えば、組成物は、約15体積%〜約85体積%のホウ素ドープ耐火性化合物相を含むことができ、残りはケイ素含有化合物である。
【0022】
別の実施形態では、ホウ素ドープ耐火性化合物は、ケイ素含有材料内に(例えば、ケイ素含有材料の連続相内に)分散された複数の不連続相を形成する。そのような実施形態では、組成物は、約0.001体積%〜約40体積%、例えば約1体積%〜約25体積%のホウ素ドープ耐火性化合物(例えば、約1体積%〜約10体積%のホウ素ドープ耐火性化合物)を含む。
【0023】
特定の実施形態では、ホウ素ドープ耐火性化合物は、金属酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物の形態である。例えば、ホウ素ドープ耐火性化合物は、酸化ホウ素(B)でドープされた金属酸化物、例えば、約0.1モル%〜約10モル%のBでドープされた金属酸化物などであり得る。金属酸化物は、特定の実施形態において、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化タンタル(例えば、Ta、TaO、又はそれらの混合物)、酸化ニオブ(例えば、NbO、NbO、Nb、又はそれらの混合物)、酸化ガリウム(Ga)、酸化インジウム(In)、希土類酸化物、酸化ニッケル、又はそれらの混合物である。
【0024】
特定の一実施形態では、ホウ素ドープ耐火性化合物は希土類金属酸化物であり、ホウ素が耐火性化合物の少なくとも1つのサイトに置換されている。
【0025】
例えば、ホウ素ドープ耐火性化合物は、式:
Ln2−x
を有する化合物を含むことができ、
ここで、Lnは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物を含み、xは0〜約1である(例えば、xは、約0.001〜約0.1など、最大約0.25である)。
【0026】
例えば、ホウ素ドープ耐火性化合物は、式:
Ln2−xSi
を有する化合物を含むことができ、
ここで、Lnは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物を含み、xは0〜約1である(例えば、xは、約0.001〜約0.1など、最大約0.25である)。
【0027】
例えば、ホウ素ドープ耐火性化合物は、式:
Ln2−xSi
を有する化合物を含むことができ、
ここで、Lnは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物を含み、xは0〜約1である(例えば、xは、約0.001〜約0.1など、最大約0.25である)。
【0028】
例えば、ホウ素ドープ耐火性化合物は、式:
Ln3−x5−y12
を有する化合物を含むことができ、
ここで、Lnは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物を含み、xは0〜約1.5であり(例えば、xは、約0.01〜約0.5など、最大約0.5であり)、Mは、Ga、In、Al、Fe、又はそれらの組み合わせを含み、yは0〜約2.5であり(例えば、yは、約0.01〜約2、約0.01〜約1、又は約0.01〜約0.05など、最大約2であり)、x+yは0より大きい。一実施形態では、xとyの両方が0より大きい。
【0029】
一実施形態では、xは0でyは0より大きく、このことは、ホウ素が耐火性化合物の金属サイトにドープされていることを示す。例えば、ホウ素ドープ耐火性化合物は、一実施形態では、以下の式:
Ln5−y12
を有すことができ、
ここで、Lnは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物を含み、Mは、Ga、In、Al、Fe、又はそれらの組み合わせを含み、yは0より大きく約2.5まで(例えば、約0.01≦y≦約2)である。例えば、yは、約0.01≦y≦約0.5など、約0.01〜約1であり得る。
【0030】
別の実施形態では、ホウ素ドープ耐火性化合物は、式:
Ln4−x−z2−n−y
を有する化合物を含むことができ、
ここで、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、又はそれらの混合物を含み、xは0〜約2であり(例えば、約0.01〜約0.5など、最大約0.5であり)、Dは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物であり、DはLnとは異なり(すなわち、DはLnとは異なる元素又はLnとは異なる元素の組み合わせであり)、Mは、Ga、Al、又はそれらの組み合わせを含み、Aは、Fe、In、又はそれらの組み合わせを含み、nは0〜約1であり(例えば、nは0より大きく約1までであり)、yは0〜約1であり、x+yは0より大きい。DがLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、又はそれらの混合物である(すなわち、Smの原子半径以上を有する)場合、zは0〜4未満である(例えば、0<z≦約2など、0<z<4)。しかしながら、DがEu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物である(すなわち、Smより小さい原子半径を有する)場合、zは0〜約2である(例えば、0<z≦約1など、0<z<2)。
【0031】
一実施形態では、xは0でyは0より大きく、このことは、ホウ素が耐火性化合物の金属サイトにドープされていることを示す。例えば、ホウ素ドープ耐火性化合物は、一実施形態では、以下の式:
Ln4−z2−n−y
を有することができ、
ここで、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、又はそれらの混合物を含み、Dは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物であり、DはLnとは異なる(すなわち、DはLnとは異なる元素又はLnとは異なる元素の組み合わせであり)、Mは、Ga、Al、又はそれらの組み合わせを含み、Aは、Fe、In、又はそれらの組み合わせを含み、nは0〜約1であり(例えば、nは0より大きく約1までであり)、yは0より大きく約1までである。DがLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、又はそれらの混合物である(すなわち、Smの原子半径以上を有する)場合、zは0〜4未満である(例えば、0<z≦約2など、0<z<4)。しかしながら、DがEu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、又はそれらの混合物である(すなわち、Smより小さい原子半径を有する)場合、zは0〜約2である(例えば、0<z≦約1など、0<z<2)。
【0032】
特定の一実施形態では、zも0である。このような実施形態では、ホウ素ドープ耐火性化合物は、一実施形態では、以下の式:
Ln2−n−y
を有することができ、
ここで、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、又はそれらの混合物を含み、Mは、Ga、Al、又はそれらの組み合わせを含み、Aは、Fe、In、又はそれらの組み合わせを含み、nは0〜約1であり(例えば、nは0より大きく約1までであり)、yは0より大きく約1までである。
【0033】
別の実施形態では、ホウ素は、(ホウ素を有する又はホウ素を有さない)上記のもののような任意の耐火性化合物内において、隙間に(interstitially)ドープされる。
【0034】
上記のようなホウ素ドープ耐火性化合物を含む組成物は、ケイ素系コーティングに利用することができる。このように、ホウ素ドープ耐火性化合物を含むケイ素系コーティングは、一般に、それらの形成方法と共に、セラミック部品用の耐環境コーティングで使用するために提供される。特定の実施形態では、耐環境コーティング(EBC)用のケイ素系ボンドコーティングは、一般に、その形成方法及び使用方法と共に、高温セラミック部品用に提供される。特に、ケイ素系ボンドコーティングは、EBC内のケイ素系ボンドコーティング上の熱成長酸化物(「TGO」)の結晶化を防止するためにホウ素ドープ耐火性化合物を含有する成分を含み、これにより、TGOのこのような結晶化によって引き起こされるコーティングの剥離が防止される。すなわち、ケイ素系ボンドコーティング内へのホウ素(B)の導入は、TGO(すなわち、SiO)を非晶質相に維持する。従って、ケイ素系ボンドコーティング(従ってTGO及びEBCコーティング)の動作温度を上昇させることができる。さらに、Bの含有は、TGOの成長速度を大幅に加速させることなく、TGOの結晶化を抑制及び防止することができる。さらに、ホウ素ドープ耐火性化合物は、制限された酸化ケイ素との反応及び/又は酸化ケイ素への溶解度を有し、そのことは、酸化物スケールの成長速度を制限することができる。
【0035】
図1図4は、基板102と、ケイ素系層104a(図1)、104b(図3)と、からそれぞれ形成されたセラミック部品100の例示的な実施形態を示す。ケイ素系層104a、104bのそれぞれは、上述のように、ケイ素含有材料と、約0.1%〜約85%のホウ素ドープ耐火性化合物と、を含む。
【0036】
一般に、ホウ素ドープ耐火性化合物は、ケイ素系層104aの組成物(例えば、ケイ素金属)と反応しない。ケイ素系層104aは、不連続粒子相の形態、又はケイ素系層104a内の連続粒界としてなど、ケイ素系層104a全体に分散されたホウ素ドープ耐火性化合物を含むことができる。
【0037】
特定の一実施形態では、基板102はCMC材料(例えば、ケイ素系の非酸化物セラミックマトリックス複合材など)から形成される。本明細書で使用される場合、「CMC」とは、ケイ素含有又は酸化物−酸化物のマトリックス及び強化材料を指す。本明細書で使用される場合、「モノリシックセラミック」は、繊維強化のない(例えば、マトリックス材料のみを有する)材料を指す。本明細書では、CMC及びモノリシックセラミックをまとめて「セラミック」と呼ぶ。
【0038】
本明細書での使用に許容可能なCMCの幾つかの例としては、限定はしないが、炭化ケイ素、窒化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、及びそれらの混合物などの非酸化物ケイ素系材料を含むマトリックス及び強化繊維を有する材料を挙げることができる。例としては、限定はしないが、炭化ケイ素マトリックス及び炭化ケイ素繊維;窒化ケイ素マトリックス及び炭化ケイ素繊維;及び、炭化ケイ素/窒化ケイ素マトリックス混合物及び炭化ケイ素繊維を有するCMCが挙げられる。さらに、CMCは、酸化物セラミックからなるマトリックス及び強化繊維を有することができる。具体的には、酸化物−酸化物CMCは、酸化アルミニウム(Al)、二酸化ケイ素(SiO)、アルミノケイ酸塩、及びそれらの混合物などの酸化物系材料を含むマトリックス及び強化繊維から構成され得る。アルミノケイ酸塩は、ムライト(3Al・2SiO)などの結晶質物質、並びにガラス状アルミノケイ酸塩を含むことができる。
【0039】
図1の実施形態では、基板102は、その上に形成されたコーティング106を有する表面103を画定する。コーティング106は、ケイ素系層104a及び耐環境コーティング108を含む。特定の一実施形態では、ケイ素系層104aはボンドコーティングであり、ここでケイ素含有材料は、ケイ素金属、ケイ化物(例えば、希土類ケイ化物、ケイ化モリブデン、ケイ化レニウム、又はそれらの混合物)、又はそれらの混合物である。一実施形態では、一般に、ケイ素金属と、例えば上記の相対量のホウ素ドープ耐火性化合物と、を含む組成物が提供される。代替実施形態では、一般に、ケイ化物(例えば、希土類ケイ化物、ケイ化モリブデン、ケイ化レニウム、又はそれらの混合物)と、例えば上記の相対量(例えば、約0.01体積%〜約85体積%)のホウ素ドープ耐火性化合物と、を含む組成物が提供される。
【0040】
使用中、ボンドコーティングの表面に熱成長酸化物(「TGO」)層が形成される。例えば、酸化ケイ素の層(「酸化ケイ素スケール」又は「シリカスケール」と呼ばれることもある)が、ケイ素金属及び/又はケイ化物のボンドコーティング上に形成される。図2を参照すると、熱成長酸化物層105(例えば、酸化ケイ素)は、部品100の(例えば製造中及び/又は使用中の)酸素への暴露の間の形態として、ケイ素系層104a(例えば、ケイ素金属及び/又はケイ化物であるケイ素含有材料を有するボンドコーティング)上に直接示されている。ケイ素系層104a内のホウ素ドープ耐熱化合物中のホウ素の存在により、熱成長酸化物層105はその動作温度で実質的に非晶質のままであり、「動作温度」とは、熱成長酸化物層105の温度を指す。例えば、ケイ素金属ボンドコーティングの場合、TGO層は、約1415℃以下(例えば、約1200℃〜約1410℃)の動作温度で非晶質のままであり得、これは、ケイ素系ボンドコーティングの融点を僅かに下回る温度である(Si金属は約1414℃の融点を有する)。別の例では、ケイ化物ボンドコーティングの場合、TGO層は、約1485℃以下(例えば、約1200℃〜約1480℃)の動作温度で非晶質のままであり得、これは、CMCの最大使用温度を僅かに下回る温度である。いかなる特定の理論にも束縛されることを望まないが、ケイ素系層104a中のホウ素は熱成長酸化物層105に移動し、そうでなければこれらの温度で起こるであろう熱成長酸化物層(例えば、酸化ケイ素)の結晶化を抑制すると考えられる。
【0041】
図1及び図2に示す実施形態では、ケイ素系層104aは、その間にいかなる層も有さずに、表面103上に直接存在する。しかしながら、他の実施形態では、1つ又は複数の層をケイ素系層104aと表面103との間に配置することができる。
【0042】
図3は、基板102が、基板102の表面103を画定する外層104bを有する、セラミック部品100の別の実施形態を示す。すなわち、外層104bは、基板102と一体である。この実施形態では、外層104bはケイ素系層であり、コーティング106は表面105上にある。コーティング106は、耐環境コーティング108及び/又は他の層(例えば、ボンドコーティングなど)を含むことができる。一実施形態において、外層104bは、ケイ素含有モノリシックセラミック層であり得る。例えば、外層104bは、炭化ケイ素を含み得る。一実施形態では、基板102は、基板の残りの部分を形成する複数のCMCプライ上に、(例えば、モノリシックセラミック層として炭化ケイ素を含む)外層104bを含むことができる。
【0043】
図4は、部品100の(例えば製造中及び/又は使用中の)酸素への暴露の間の形態として、ケイ素系層104b(例えば、ケイ素金属であるケイ素含有材料を有するボンドコーティング)上に直接、熱成長酸化物層105(例えば、酸化ケイ素)が示されている。ケイ素系層104b内にホウ素が存在するため、熱成長酸化物層105は、熱成長酸化物層105の動作温度で実質的に非晶質のままである。いかなる特定の理論にも束縛されることを望まないが、ケイ素系層104b中のホウ素は熱成長酸化物層105内に移動し、そうでなければこれらの温度で生じるであろう熱成長酸化物層(例えば、酸化ケイ素)の結晶化を抑制すると考えられる。
【0044】
上述のように、ホウ素ドープ耐火性化合物は、セラミック部品100内のケイ素系層104の特定の位置に関係なく、ケイ素系層104a、104b内に含まれる。
【0045】
図1図4の耐環境コーティング108は、希土類ケイ酸塩(モノ−及びジ−ケイ酸塩)、ムライト、バリウムストロンチウムアルミノケイ酸塩(BSAS)、ハフニア、ジルコニア、安定化ハフニア、安定化ジルコニア、希土類ハフネート、希土類ジルコネート、希土類ガレートなどを含むがこれらに限定されない、典型的なEBC又はTBC層化学から選択される材料から形成される1つ以上の層の任意の組み合わせを含むことができる。
【0046】
図1図4のセラミック部品100は、高温環境で見られる部品、例えば、燃焼器部品、タービンブレード、シュラウド、ノズル、熱シールド、及びベーンのようなガスタービンエンジンに存在する部品としての使用に特に適している。特に、タービン部品は、ガスタービンの高温ガス経路内に配置されるCMC部品であり得、その結果、そのコーティングは、部品上に耐環境コーティングを形成し、高温ガス経路に曝されたときにガスタービン内の部品を保護する。
【0047】
図5は、本開示の例示的な実施形態によるガスタービンエンジンの概略断面図である。より具体的には、図5の実施形態では、ガスタービンエンジンは、本明細書で「ターボファンエンジン10」とも呼ばれる、高バイパスターボファンジェットエンジン10である。図5に示すように、ターボファンエンジン10は、(参照用に提供された長手方向中心線12と平行に延びる)軸方向A及び半径方向Rを画定する。一般に、ターボファン10は、ファンセクション14と、ファンセクション14の下流に配置されたコアタービンエンジン16と、を含む。ターボファンエンジン10を参照して以下に説明されるが、本開示は、産業用及び船舶用ガスタービンエンジン並びに補助動力ユニットを含む、ターボジェット、ターボプロップ及びターボシャフトガスタービンエンジンを含むターボ機械全般に適用可能である。
【0048】
図示の例示的なコアタービンエンジン16は、概して、環状入口20を画定する実質的に管状の外側ケーシング18を含む。外側ケーシング18は、ブースタ又は低圧(LP)圧縮機22及び高圧(HP)圧縮機24を含む圧縮機セクションと、燃焼セクション26と、高圧(HP)タービン28及び低圧(LP)タービン30を含むタービンセクションと、ジェット排気ノズルセクション32と、を直列流れ関係で収容する。高圧(HP)シャフト又はスプール34は、HPタービン28をHP圧縮機24に駆動連結する。低圧(LP)シャフト又はスプール36は、LPタービン30をLP圧縮機22に駆動連結する。
【0049】
図示の実施形態において、ファンセクション14は、間隔をあけてディスク42に結合された複数のファンブレード40を有する可変ピッチファン38を含む。図示のように、ファンブレード40は、ディスク42からほぼ半径方向Rに沿って外向きに延びている。各ファンブレード40は、一斉にファンブレード40のピッチをまとめて変化させるように構成された適切な作動部材44に動作可能に連結されているため、ピッチ軸Pを中心にディスク42に対して回転可能である。ファンブレード40、ディスク42、及び作動部材44は、任意の動力ギアボックス46を横切ってLPシャフト36によって長手方向軸12の周りで共に回転可能である。動力ギアボックス46は、LPシャフト36の回転速度をより効率的な回転ファン速度に低下させるための複数のギアを含む。
【0050】
さらに図5の例示的な実施形態を参照すると、ディスク42は、複数のファンブレード40を通る空気流を促進するように空気力学的に輪郭付けされた(contoured)回転可能なフロントナセル48によって覆われている。さらに、例示的なファンセクション14は、ファン38及び/又はコアタービンエンジン16の少なくとも一部を円周方向に囲む環状ファンケーシング又は外側ナセル50を含む。ナセル50は、複数の円周方向に間隔を置いて配置された出口ガイドベーン52によってコアタービンエンジン16に対して支持されるように構成されてもよいことが、理解されるべきであろう。さらに、ナセル50の下流セクション54は、それらの間にバイパス空気流路56を画定するように、コアタービンエンジン16の外側部分にわたって延在することができる。
【0051】
ターボファンエンジン10の運転中、ある量の空気58が、ナセル50及び/又はファンセクション14の関連する入口60を通ってターボファン10に入る。ある量の空気58がファンブレード40を通過すると、矢印62で示す空気58の第1部分はバイパス空気流路56に向けられるか又は送られ、矢印64で示す空気58の第2部分はLP圧縮機22に向けられるか又は送られる。空気の第1部分62と空気の第2部分64との間の比は一般に、バイパス比として知られている。次いで、空気の第2部分64の圧力は、それが高圧(HP)圧縮機24を通って燃焼セクション26に送られるにつれて増加し、そこで燃料と混合され、そして燃焼されて燃焼ガス66を提供する。
【0052】
燃焼ガス66は、HPタービン28を通って送られ、そこで、燃焼ガス66からの熱エネルギー及び/又は運動エネルギーの一部が、外側ケーシング18に結合されたHPタービンステータベーン68及びHPシャフト又はスプール34に結合されたHPタービンロータブレード70の連続段階によって抽出され、こうしてHPシャフト又はスプール34を回転させ、それによって、HP圧縮機24の動作を支持する。次いで、燃焼ガス66は、LPタービン30を通って送られ、そこで、熱エネルギー及び/又は運動エネルギーの第2部分が、外側ケーシング18に結合されたLPタービンステータベーン72及びLPシャフト又はスプール36に結合されたLPタービンロータブレード74の連続段階によって抽出され、こうしてLPシャフト又はスプール36を回転させ、それによって、LP圧縮機22の動作及び/又はファン38の回転を支持する。
【0053】
燃焼ガス66はその後、コアタービンエンジン16のジェット排気ノズルセクション32を通って送られて、推進推力(propulsive thrust)を提供する。同時に、空気の第1部分62がターボファン10のファンノズル排気セクション76から排気される前にバイパス空気流路56を通って送られるにつれて、空気の第1部分62の圧力が実質的に上昇し、また推進推力を提供する。HPタービン28、LPタービン30、及びジェット排気ノズルセクション32は、コアタービンエンジン16を通って燃焼ガス66を送るための高温ガス経路78を少なくとも部分的に画定する。
【0054】
セラミック部品を被覆するための方法もまた、一般に提供される。一実施形態では、本方法は、セラミック部品の表面に直接ボンドコーティングを施すステップを含み、ここで、ボンドコーティングは、上記のように、ケイ素含有材料(例えば、ケイ素金属及び/又はケイ化物)と、ホウ素ドープ耐火性化合物と、を含む。
【0055】
本明細書は、最良の形態を含む本発明を開示するために、また、任意の装置又はシステムを製造及び使用すること、並びに任意の組み込まれた方法を実行することを含めて本発明を当業者が実施することを可能にするために、実施例を使用する。本発明の特許性のある範囲は特許請求の範囲によって定義され、当業者が思い付く他の実施例を含んでもよい。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言語とは異ならない構造的要素を含む場合、又はそれらが特許請求の範囲の文字通りの言語とは実質的には異ならない同等の構造的要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内にあることが意図されている。
【符号の説明】
【0056】
100 セラミック部品
102 基板
103 表面
104a ケイ素系層
104b ケイ素系層、外層
105 熱成長酸化物層
106 コーティング
108 耐環境コーティング
10 ターボファンエンジン
12 長手方向中心線
14 ファンセクション
16 コアタービンエンジン
18 外側ケーシング
20 環状入口
22 ブースタ又は低圧圧縮機
24 高圧圧縮機
26 燃焼セクション
28 高圧タービン
30 低圧タービン
32 ジェット排気ノズルセクション
34 高圧シャフト又はスプール
36 低圧シャフト又はスプール
38 可変ファンピッチ
40 ファンブレード
42 ディスク
44 作動部材
46 動力ギアボックス
48 フロントナセル
50 ナセル
52 出口ガイドベーン
54 下流セクション
56 バイパス空気流路
58 空気
60 入口
62 空気の第1部分
64 空気の第2部分
66 燃焼ガス
68 HPタービンステータベーン
70 HPタービンロータブレード
72 LPタービンステータベーン
74 LPタービンロータブレード
76 ファンノズル排気セクション
78 高温ガス経路
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】