(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-534944(P2019-534944A)
(43)【公表日】2019年12月5日
(54)【発明の名称】高亜鉛アルミニウム合金製品
(51)【国際特許分類】
C22C 21/10 20060101AFI20191108BHJP
B22D 11/06 20060101ALI20191108BHJP
B22D 11/00 20060101ALI20191108BHJP
C22C 1/02 20060101ALN20191108BHJP
【FI】
C22C21/10
B22D11/06 330B
B22D11/00 E
C22C1/02 503J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2019-519249(P2019-519249)
(86)(22)【出願日】2017年11月28日
(85)【翻訳文提出日】2019年4月9日
(86)【国際出願番号】US2017063481
(87)【国際公開番号】WO2018118350
(87)【国際公開日】20180628
(31)【優先権主張番号】62/437,489
(32)【優先日】2016年12月21日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】516343516
【氏名又は名称】アーコニック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARCONIC INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウナル,アリ
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】トームズ,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ワイアット−メアー,ギャビン
【テーマコード(参考)】
4E004
【Fターム(参考)】
4E004DA13
4E004SD03
(57)【要約】
本発明は、一つの実施形態では、アルミニウム合金ストリップの形態の鋳造製品である。前記アルミニウム合金ストリップが4重量%〜28重量%の亜鉛を含み、亜鉛の重量%の変動が、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間で15%以下である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造製品であって、
アルミニウム合金ストリップであって、
4重量%〜28重量%の亜鉛、を含み、
前記亜鉛の重量%の変動が、前記アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間で15%以下である、アルミニウム合金ストリップを含む、鋳造製品。
【請求項2】
前記アルミニウム合金ストリップが6重量%〜28重量%の亜鉛を含む、請求項1に記載の鋳造製品。
【請求項3】
前記アルミニウム合金ストリップが8重量%〜28重量%の亜鉛を含む、請求項1に記載の鋳造製品。
【請求項4】
前記アルミニウム合金ストリップが10重量%〜28重量%の亜鉛を含む、請求項1に記載の鋳造製品。
【請求項5】
前記アルミニウム合金ストリップが4重量%〜15重量%の亜鉛を含む、請求項1に記載の鋳造製品。
【請求項6】
前記アルミニウム合金ストリップが6重量%〜12重量%の亜鉛を含む、請求項1に記載の鋳造製品。
【請求項7】
前記アルミニウム合金ストリップが4重量%〜10重量%の亜鉛を含む、請求項1に記載の鋳造製品。
【請求項8】
前記アルミニウム合金ストリップが4重量%〜8重量%の亜鉛を含む、請求項1に記載の鋳造製品。
【請求項9】
前記亜鉛の重量%の前記変動が、前記アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間で12%以下である、請求項6に記載の鋳造製品。
【請求項10】
鋳造製品であって、
アルミニウム合金ストリップであって、
(i)4重量%〜28重量%の亜鉛、
(ii)1重量%〜3重量%の銅、および
(iii)1重量%〜3重量%のマグネシウム、を含み、
前記亜鉛の重量%の変動が、前記アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間で15%以下である、アルミニウム合金ストリップを含む、鋳造製品。
【請求項11】
前記アルミニウム合金ストリップが4重量%〜15重量%の亜鉛を含む、請求項10に記載の鋳造製品。
【請求項12】
前記アルミニウム合金ストリップが4重量%〜12重量%の亜鉛を含む、請求項10に記載の鋳造製品。
【請求項13】
前記アルミニウム合金ストリップが4重量%〜10重量%の亜鉛を含む、請求項10に記載の鋳造製品。
【請求項14】
前記アルミニウム合金ストリップが1重量%〜2.5重量%の銅を含む、請求項10に記載の鋳造製品。
【請求項15】
前記アルミニウム合金ストリップが1重量%〜2.0重量%の銅を含む、請求項10に記載の鋳造製品。
【請求項16】
前記アルミニウム合金ストリップが1重量%〜1.5重量%の銅を含む、請求項10に記載の鋳造製品。
【請求項17】
前記アルミニウム合金ストリップが1重量%〜2.5重量%のマグネシウムを含む、請求項10に記載の鋳造製品。
【請求項18】
前記アルミニウム合金ストリップが1重量%〜2.0重量%のマグネシウムを含む、請求項10に記載の鋳造製品。
【請求項19】
前記アルミニウム合金ストリップが1重量%〜1.5重量%のマグネシウムを含む、請求項10に記載の鋳造製品。
【請求項20】
鋳造製品であって、
アルミニウム合金ストリップであって、
(i)4重量%〜28重量%の亜鉛、および
(ii)1重量%〜3重量%の銅、を含み、
前記亜鉛の重量%の変動が、前記アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間で15%以下である、アルミニウム合金ストリップを含む、鋳造製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願>
本出願は、2016年12月21日に出願された、米国特許出願公開第62/437,489号「High Zinc Aluminum Alloy Products」と題される米国仮出願の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
<発明の背景>
鋳造アルミニウム合金製品を形成するための鋳造アルミニウム合金が公知である。
【0003】
<技術分野>
本発明は、鋳造アルミニウム合金製品、およびそれから得られる製品に関する。
【発明の概要】
【0004】
<発明の簡単な要旨>
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、本発明はアルミニウム合金ストリップを含む鋳造製品であり、アルミニウム合金ストリップが、4重量%〜28重量%の亜鉛を含み、亜鉛の重量%の変動が、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間で15%以下である。
【0005】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは6重量%〜28重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは8重量%〜28重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは10重量%〜28重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜15重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは6重量%〜12重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜10重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜8重量%の亜鉛を含む。
【0006】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、亜鉛重量%の変動は、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間で12%以下である。
【0007】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、本発明はアルミニウム合金ストリップを含む鋳造製品であり、アルミニウム合金ストリップが、(i)4重量%〜28重量%の亜鉛、(ii)1重量%〜3重量%の銅、および(iii)1重量%〜3重量%のマグネシウム、を含み、亜鉛の重量%の変動が、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間で15%以下である。
【0008】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜15重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜12重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜10重量%の亜鉛を含む。
【0009】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.5重量%の銅を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.0重量%の銅を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜1.5重量%の銅を含む。
【0010】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.5重量%のマグネシウムを含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.0重量%のマグネシウムを含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜1.5重量%のマグネシウムを含む。
【0011】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、鋳造製品はアルミニウム合金ストリップを含み、アルミニウム合金ストリップは、4重量%〜28重量%の亜鉛および1重量%〜3重量%の銅を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、亜鉛の重量%の変動は、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間で15%以下である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、鋳造製品を作製する非限定的方法の概略図である。
【0013】
【
図2】
図2は、
図1に示す溶融金属送達端部およびロールの拡大断面概略図である。
【0014】
【
図3】
図3は、鋳造製品における、表面から3,000マイクロメートル厚深さまでの亜鉛の重量%の変動を示す。
【0015】
【
図4】
図4は、鋳造製品における、表面から3,000マイクロメートル厚深さまでの亜鉛の重量%の変動を示す。
【0016】
【
図5】
図5は、鋳造製品における、表面から3,000マイクロメートル厚深さまでの亜鉛の重量%の変動を示す。
【0017】
【
図6】
図6は、鋳造製品における、表面から3,000マイクロメートル厚深さまでの亜鉛の重量%の変動を示す。
【0018】
【
図7】
図7は、鋳造製品における、表面から3,000マイクロメートル厚深さまでの亜鉛の重量%の変動を示す。
【0019】
【
図8】
図8は、鋳造製品における、表面から3,000マイクロメートル厚深さまでの亜鉛の重量%の変動を示す。
【0020】
【
図9】
図9は、鋳造製品における、表面から3,000マイクロメートル厚深さまでの亜鉛の重量%の変動を示す。
【0021】
【
図10】
図10は、鋳造製品における、表面から3,000マイクロメートル厚深さまでの亜鉛の重量%の変動を示す。
【0022】
【
図11】
図11は、ダイレクトチル鋳造による先行技術インゴット鋳造の深さにわたる亜鉛の重量%の変動を示す。
【0023】
【
図12】
図12は、先行技術鋳造製品の深さにわたる亜鉛の重量%の変動を示す。
【0024】
【
図13】
図13は、本発明の実施形態による鋳造製品の表面から200マイクロメートル厚の深さの粒子にわたる、亜鉛、マグネシウムおよび銅の重量%を示す。
【0025】
【
図14】
図14は、ダイレクトチル鋳造従来技術製品の厚み深さを通した粒子にわたる亜鉛、マグネシウムおよび銅の重量%を示す。
【0026】
【
図15】
図15は、本発明の実施形態による鋳造製品の構造を示す。
【0027】
【
図16】
図16は、本発明の実施形態による鋳造製品の構造を示す。
【0028】
【
図17】
図17は、本発明の実施形態による鋳造製品の構造を示す。
【0029】
図は、本明細書の一部を構成し、本発明の例示的な実施形態を含み、様々な対象物およびその特徴を例示する。更に、図は必ずしも縮尺通りではなく、特定の構成要素の詳細を示すためにいくつかの特徴が誇張される場合がある。加えて、図に示される任意の測定値、仕様等は、例示的であり、限定的ではないことを意図する。したがって、本明細書に開示される特定の構造的および機能的詳細は、限定として解釈されるべきではなく、本発明を様々に用いることを当業者に教示するための単に代表的な根拠として解釈されるべきである。
【0030】
本発明を、添付図面を参照しながら更に説明するが、いくつかの図を通して類似の参照符号は類似の構造を示す。示した図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、概ね本発明の原理を説明することに重点が置かれている。更に、いくつかの特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<発明の詳細な説明>
開示された利点および改良点の中で、本発明の他の目的および利点は、添付図面と共に以下の説明から明らかになるであろう。本発明の詳細な実施形態は、本明細書に開示されている。しかしながら、開示された実施形態は、様々な形態で具現化され得る本発明を単に例示するものであることを理解されたい。加えて、本発明の様々な実施形態に関連して与えられる各実施例は、例示を意図しており、限定を意図していない。
【0032】
明細書および特許請求の範囲全体を通して、以下の用語は、文脈から判断して明らかに他の意味に解釈すべき場合を除いて、本明細書に明示的に関連する意味を取る。本明細書で使用する句「一つの実施形態では」および「いくつかの実施形態では」は、必ずしも同じ実施形態を指さないが、それを指す場合もある。更に、本明細書で使用する句「別の実施形態では」および「いくつかの別の実施形態では」は、必ずしも異なる実施形態を指さないが、それを指す場合もある。したがって、下記に説明するように、本発明の様々な実施形態を、本発明の主題の範囲と趣旨から逸脱することなく、容易に組み合わせてもよい。
【0033】
加えて、本明細書で使用される場合、「または」という用語は包括的な「または」であり、文脈から判断して明らかに他の意味に解釈すべき場合を除き、「および/または」と同等である。「に基づく」という用語は排他的ではなく、文脈から判断して明らかに他の意味に解釈すべき場合を除き、記述されていない追加的な要因に基づくことができる。加えて、本明細書を通して、「a」、「an」、および「the」の意味は複数の参照を含む。「in」の意味は、「in」および「on」を含む。
【0034】
本明細書で使用される場合、用語「A、B、またはCの少なくとも一つ」などは、「Aのみ」、「Bのみ」、「Cのみ」、または「A、B、およびCの任意の組み合わせ」を意味する。
【0035】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、本発明はアルミニウム合金ストリップを含む鋳造製品であり、アルミニウム合金ストリップが、4重量%〜28重量%の亜鉛を含み、亜鉛の重量%の変動が、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間で15%以下である。
【0036】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは6重量%〜28重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは8重量%〜28重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは10重量%〜28重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜15重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは6重量%〜12重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜10重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜8重量%の亜鉛を含む。
【0037】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、亜鉛重量%の変動は、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間で12%以下である。
【0038】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、本発明はアルミニウム合金ストリップを含む鋳造製品であり、アルミニウム合金ストリップが、(i)4重量%〜28重量%の亜鉛、(ii)1重量%〜3重量%の銅、および(iii)1重量%〜3重量%のマグネシウム、を含み、亜鉛の重量%の変動が、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間で15%以下である。
【0039】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜15重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜12重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜10重量%の亜鉛を含む。
【0040】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.5重量%の銅を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.0重量%の銅を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜1.5重量%の銅を含む。
【0041】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.5重量%のマグネシウムを含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.0重量%のマグネシウムを含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜1.5重量%のマグネシウムを含む。
【0042】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、鋳造製品はアルミニウム合金ストリップを含み、アルミニウム合金ストリップは、4重量%〜28重量%の亜鉛および1重量%〜3重量%の銅を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、亜鉛の重量%の変動は、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間で15%以下である。
【0043】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、本発明はアルミニウム合金ストリップを含む鋳造製品であり、アルミニウム合金ストリップが、4重量%〜25重量%の亜鉛を含み、亜鉛の重量%の変動が、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間で15%以下である。
【0044】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは6重量%〜25重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは8重量%〜25重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは10重量%〜25重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜15重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜12重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜10重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜8重量%の亜鉛を含む。
【0045】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、亜鉛重量%の変動は、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間で12%以下である。
【0046】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、本発明はアルミニウム合金ストリップを含む鋳造製品であり、アルミニウム合金ストリップが、(i)4重量%〜25重量%の亜鉛、(ii)1重量%〜3重量%の銅、および(iii)1重量%〜3重量%のマグネシウム、を含み、亜鉛の重量%の変動が、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000厚深さとの間で15%以下である。
【0047】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜15重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜12重量%の亜鉛を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜10重量%の亜鉛を含む。
【0048】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.5重量%の銅を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.0重量%の銅を含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜1.5重量%の銅を含む。
【0049】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.5重量%のマグネシウムを含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.0重量%のマグネシウムを含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜1.5重量%のマグネシウムを含む。
【0050】
本明細書で使用される場合、「アルミニウム合金」という用語は、アルミニウム格子内またはアルミニウム中の相内に可溶性元素を有するアルミニウム金属を意味する。元素には、アルミニウム、銅、鉄、マグネシウム、ニッケル、ケイ素、亜鉛、クロム、マンガン、チタン、バナジウム、ジルコニウム、スズ、スカンジウム、リチウムが含まれうる。アルミニウム合金および性能特性の物理的特性に影響を与えるために元素が追加される。
【0051】
本明細書で使用される場合、「7xxxアルミニウム合金」という用語などは、Aluminum Associationに登録された7xxxアルミニウム合金および未登録の変形から選択されるアルミニウム合金を意味する。
【0052】
本明細書で使用される場合、「鋳造製品」という用語は、米国特許第6,672,368号および第7,125,612号に詳述される連続鋳造などの鋳造方法によって製造された製品を意味する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、「鋳造製品」という用語は、「鋳造製品」から製造される製品を含む。一つまたは複数の実施形態では、「鋳造製品」という用語は、「鋳造製品」から製造される圧延製品を含む。
【0053】
本明細書で使用される場合、特定の厚み深さにおける合金元素の重量%の「変動」という用語は、「%」の単位を有し、以下の式に従って計算される:
【0054】
(特定の厚み深さにおける合金元素の最大重量%−特定の厚み深さにおける合金元素の最小重量%)/(特定の厚み深さにおける合金元素の平均重量%)*100。
【0055】
本明細書で使用される場合、「中心線偏析」という用語は、アルミニウム合金ストリップの中心部分における合金元素の濃縮または減少を意味する。実施形態において、中心線偏析は、アルミニウム合金ストリップの特定の厚み深さにおける合金元素の重量%の変動に基づいて決定される。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、中心線偏析は、表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間で15%より大きい合金元素の重量%の変動に基づいて決定される。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、中心線偏析は、表面とアルミニウム合金ストリップの厚さ中心との間で15%より大きい合金元素の重量%の変動に基づいて決定される。
【0056】
本明細書で使用される場合、特定の厚み深さの「合金元素の重量%」は、本明細書に詳述する「マクロ偏析法」を使用して決定される。
【0057】
本明細書で使用される場合、「ストリップ」という用語は、任意の適切な厚さであってもよく、一般的にシートゲージ(0.006インチ〜0.249インチ)または薄プレートゲージ(0.250インチ〜0.400インチ)の厚さであってもよく、すなわち、0.006インチ〜0.400インチの範囲の厚さを有する。一つの実施形態では、ストリップは少なくとも0.040インチの厚さを有する。一つの実施形態では、ストリップは0.320インチ未満の厚さを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、ストリップは0.0070〜0.18インチの厚さを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、ストリップは0.08〜0.2インチの厚さを有する。
【0058】
本明細書で使用される場合、「表面」は、鋳造製品の上面または底面を意味する。
【0059】
本明細書で使用される場合、「厚さ中心」とは、鋳造製品または半分の厚さ(t/2)の合計の厚さの半分の深さを意味する。
【0060】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、4重量%〜28重量%の亜鉛を有する任意のアルミニウム合金を含み得る。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1重量%〜3重量%の銅および1重量%〜3重量%のマグネシウムの少なくとも一つを含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、7xxx(亜鉛ベースの)アルミニウム合金を含み得る。
【0061】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜28重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜27重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜25重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜22重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜20重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜18重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜15重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜13重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜11重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜10重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜9重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜8重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜7重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜6重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは4重量%〜5重量%の亜鉛を有する。
【0062】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは5重量%〜28重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは6重量%〜28重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは7重量%〜28重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは8重量%〜28重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは9重量%〜28重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは10重量%〜28重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは11重量%〜28重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは13重量%〜28重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは15重量%〜28重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは18重量%〜28重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは20重量%〜28重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは22重量%〜28重量%の亜鉛を有する。
【0063】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは5重量%〜27重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは7重量%〜25重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは8重量%〜23重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは9重量%〜20重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは10重量%〜18重量%の亜鉛を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは12重量%〜15重量%の亜鉛を有する。
【0064】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.8重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.6重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.4重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.2重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜2.0重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜1.8重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜1.6重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜1.4重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1重量%〜1.2重量%の銅を有する。
【0065】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1.2重量%〜3重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1.4重量%〜3重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1.6重量%〜3重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1.8重量%〜3重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは2.0重量%〜3重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは2.2重量%〜3重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは2.4重量%〜3重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは2.6重量%〜3重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは2.8重量%〜3重量%の銅を有する。
【0066】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1.2重量%〜2.8重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1.4重量%〜2.6重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1.6重量%〜2.4重量%の銅を有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは1.8重量%〜2.2重量%の銅を有する。
【0067】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1重量%〜2.8重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1重量%〜2.6重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1重量%〜2.4重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1重量%〜2.2重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1重量%〜2.0重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1重量%〜1.8重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1重量%〜1.6重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1重量%〜1.4重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1重量%〜1.2重量%のマグネシウムを有する。
【0068】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1.2重量%〜3重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1.4重量%〜3重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1.6重量%〜3重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1.8重量%〜3重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、2.0重量%〜3重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、2.2重量%〜3重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、2.4重量%〜3重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、2.6重量%〜3重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、2.8重量%〜3重量%のマグネシウムを有する。
【0069】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1.2重量%〜2.8重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1.4重量%〜2.6重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1.6重量%〜2.4重量%のマグネシウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、1.8重量%〜2.2重量%のマグネシウムを有する。
【0070】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.1重量%〜1.0重量%のマンガンを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.2重量%〜1.0重量%のマンガンを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.4重量%〜1.0重量%のマンガンを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.6重量%〜1.0重量%のマンガンを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.8重量%〜1.0重量%のマンガンを有する。
【0071】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.1重量%〜0.8重量%のマンガンを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.1重量%〜0.9重量%のマンガンを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.1重量%〜0.7重量%のマンガンを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.1重量%〜0.5重量%のマンガンを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.1重量%〜0.3重量%のマンガンを有する。
【0072】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.05重量%〜0.3重量%のクロムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.1重量%〜0.3重量%のクロムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.15重量%〜0.3重量%のクロムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.2重量%〜0.3重量%のクロムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.25重量%〜0.3重量%のクロムを有する。
【0073】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.05重量%〜0.25重量%のクロムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.05重量%〜0.2重量%のクロムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.05重量%〜0.15重量%のクロムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.05重量%〜0.1重量%のクロムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.15重量%〜0.25重量%のクロムを有する。
【0074】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.04重量%〜0.25重量%のジルコニウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.04重量%〜0.2重量%のジルコニウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.04重量%〜0.18重量%のジルコニウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.04重量%〜0.15重量%のジルコニウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.04重量%〜0.1重量%のジルコニウムを有する。
【0075】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.1重量%〜0.25重量%のジルコニウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.15重量%〜0.25重量%のジルコニウムを有する。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.2重量%〜0.25重量%のジルコニウムを有する。
【0076】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは0.07重量%〜0.14重量%のジルコニウムを有する。
【0077】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、亜鉛、銅、マグネシウム、マンガン、クロム、またはジルコニウムのうちの少なくとも一つを含む。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、亜鉛、銅、マグネシウム、マンガン、クロム、またはジルコニウムのうちの少なくとも一つを含まない。
【0078】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、二次元素および/またはその他の元素を含みうる。本明細書で使用される場合、「二次要素」は、Fe、Si、および/またはTiである。本明細書で使用される場合、「その他の元素」とは、アルミニウム(Al)、Zn、Cu、Mn、Cr、Zr、Mg、Fe、Si、および/またはTi以外の周期表の任意の元素を含む。
【0079】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は15%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は14%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は13%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は12%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は11%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は10%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は9%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は8%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は7%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は6%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は5%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は4%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は3%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は2%以下である。
【0080】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜14%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜13%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜12%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜11%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜10%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜9%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜8%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜7%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜6%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜5%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、亜鉛の重量%の変動は、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間で0.1%〜4%である。
【0081】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は1%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は2%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は3%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は4%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は5%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は6%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は7%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は8%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は9%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は10%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は11%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は12%〜15%である。
【0082】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は15%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は14%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は13%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は12%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は11%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は10%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は9%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は8%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は7%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は6%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は5%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は4%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は3%以下である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は2%以下である。
【0083】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜14%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜13%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜12%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜11%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜10%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜9%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜8%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜7%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜6%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は0.1%〜5%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、亜鉛の重量%の変動は、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間で、0.1%〜4%である。
【0084】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は1%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は2%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は3%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は4%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は5%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は6%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は7%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は8%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は9%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は10%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は11%〜15%である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップの表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は12%〜15%である。
【0085】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金は4重量%〜28重量%の亜鉛、または本明細書で詳述されるその他任意の重量%の範囲を有し、中心線偏析を示さない。
【0086】
<アルミニウム合金ストリップを製造するための非限定的方法>
【0087】
実施形態において、本明細書に詳述されるアルミニウム合金ストリップの鋳造は、高凝固速度で凝固された鋳造製品を連続的に製造することができる連続的鋳造装置を介して達成され得る。上述の凝固速度を達成することができる連続的鋳造装置の一例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,672,368号および第7,125,612号に記述される装置である。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、アルミニウム合金ストリップは、米国特許第6,672,368号および第7,125,612号に記載されるMicromill(商標)プロセスを使用して連続的に鋳造される。
【0088】
実施形態において、
図1〜
図2に図示するように、溶融アルミニウム合金金属Mは、ホッパーH(またはタンディッシュ)内に保存され、供給端部Tを通して、方向Bの方へ、それぞれ方向A
1およびA
2に回転し、それぞれロール表面D
1およびD
2を有する、一対のロールR
1およびR
2に送達されてもよく、固体鋳造製品Sが製造される。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、間隙G
1およびG
2は供給端部TとそれぞれのロールR
1およびR
2との間で、できるだけ小さく維持され、溶融金属を漏出させることを防止し、供給端部TとロールR
1およびR
2の間の分離を維持しながら、溶融金属の雰囲気への曝露を最小化させ得る。ロールR
1とR
2の中心線を通る平面Lは、ロールニップNと呼ばれるロールR
1とR
2との間の最小間隙領域を通過する。
【0089】
本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、鋳造中に、溶融金属Mは、それぞれ領域2および4で冷却されたロールR
1およびR
2に直接接触する。ロールR
1およびR
2と接触すると、金属Mは冷却され凝固し始める。冷却金属は、ロールR
1に隣接した凝固金属の上部シェル6およびロールR
2に隣接した凝固金属の下部シェル8を生成する。シェル6および8の厚さは、金属MがニップNに向かって進むのに伴い、増大する。凝固金属の大きなデンドライト10(縮尺通りには示されていない)は、上部シェル6および下部シェル8のそれぞれと溶融金属Mとの間の境界面で製造され得る。大きなデンドライト10は壊れ、溶融金属Mの緩やかな動きの流れの中心部12に引き込まれ、矢印C
1およびC
2の方向に搬送され得る。流れの引っ張り作用により、大きなデンドライト10がさらに小さなデンドライト14(縮尺通りには示されていない)に壊され得る。領域16と呼ばれるニップNの上流の中心部分12では、金属Mは半固体であり、固体成分(凝固した小さなデンドライト14)および溶融金属成分を含み得る。領域16の金属Mは、その中の小さなデンドライト14の分散に部分的によって、一貫的な柔らかさを有し得る。ニップNの位置で、溶融金属の一部は、矢印C
1およびC
2とは反対の方向に後方に圧迫され得る。ニップNでのロールR
1およびR
2の前方回転は、金属がニップNの先端を離れるときに完全に固体であり得るように、ニップNから上流にある中心部分12中に溶融金属を向かわせながら、金属の固体部分(上部シェル6と下部シェル8および中心部分12の小さなデンドライト14)のみを実質的に前進させる。このようにして、本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、金属の凍結前部(freeze front)がニップNに形成され得る。ニップNの下流では、中心部分12は、上部シェル6と下部シェル8との間に挟まれた小さなデンドライト14を含む固体中心部分18であり得る。中心部分18では、小さなデンドライト14は20ミクロン〜50ミクロンのサイズであり、略球状を有し得る。上部シェル6と下部シェル8および凝固中心部分18の三つの部分は、単一の、固体鋳造製品(
図1のSおよび
図2の要素20)を構成する。したがって、アルミニウム合金鋳造製品20は、その間に中間部分(凝固中心部分18)を備えた、アルミニウム合金の第一の部分とアルミニウム合金の第二の部分(シェル6およびシェル8に対応する)とを含む。固体中心部分18は、鋳造製品20の厚さ全体の20パーセント〜30パーセントを構成し得る。
【0090】
ロールR
1およびR
2は、溶融金属Mの熱に対するヒートシンクとしての役割を果たし得る。一つの実施形態では、熱は溶融金属MからロールR
1およびR
2に均一に伝達され、鋳造製品20の表面における均一性が確保され得る。各ロールR
1およびR
2の表面D
1およびD
2は、鋼、銅、ニッケル、またはその他の好適な材料から作製され得、テクスチャ加工してもよく、溶融金属Mに接触し得る表面の不規則性(図示せず)を含み得る。
【0091】
ロールR
1およびR
2の適切な速度の制御、保守および選択は、連続的に製品を鋳造する能力に影響を与え得る。圧延速度は、溶融金属MがニップNに向かって進む速度を決定する。速度が遅すぎる場合、大きなデンドライト10は中心部分12に乗って、壊れて小さなデンドライト14になるために十分な力を受けられない。本明細書に詳述する一つまたは複数の実施形態では、溶融金属Mの凍結前面、または完全凝固部がニップNで形成され得るように、圧延速度が選択され得る。したがって、本鋳造装置および方法は、25〜500フィート/分、代替的に40〜500フィート/分、代替的に40〜400フィート/分、代替的に100〜400フィート/分、および代替的に150〜300フィート/分の範囲のような高速での動作に適し得る。溶融アルミニウムがロールR
1およびR
2に送達される、単位面積当たりの線形速度は、ロールR
1およびR
2の速度より遅いか、または圧延速度の約四分の一である場合がある。
【0092】
本開示によるアルミニウム合金の連続的鋳造は、鋳造製品Sの所望のゲージに対応するニップNの所望の寸法を初めに選択することによって達成されうる。ロールR
1およびR
2の速度は、所望の製造速度まで、またはロール分離力をロールR
1およびR
2の間で圧延が発生していることを示すレベルまで増加させる速度より遅い速度まで、増加させてもよい。本発明の実施形態によって意図される速度での鋳造(すなわち、25〜400フィート/分)は、アルミニウム合金鋳造製品をインゴット鋳造としてのアルミニウム合金鋳造より1000倍速く凝固させ、インゴットとしてのアルミニウム合金鋳造に比べ鋳造製品の特性を改善させる。溶融金属が冷却される速度は、金属の外部領域の急速な凝固を達成するように選択され得る。実際に、金属の外部領域の冷却は、少なくとも毎秒1000℃の速度で起こり得る。
【0093】
連続的鋳造ストリップは、任意の適切な厚さであってもよく、一般的にシートゲージ(0.006インチ〜0.249インチ)または薄プレートゲージ(0.250インチ〜0.400インチ)の厚さであってもよく、すなわち、0.006インチ〜0.400インチの範囲の厚さを有する。一つの実施形態では、ストリップは少なくとも0.040インチの厚さを有する。一つの実施形態では、ストリップは0.320インチ未満の厚さを有する。
【0095】
サンプルは、アルミニウムの標準的な金属組織調製技術を使用して、まずルーサイトに取り付けられ、研磨される。電子プローブマイクロアナライザ(「EPMA」)を使用して、合金元素のマクロ偏析を示すために、厚さにわたる合金元素の分布をプロファイリングする。
【0096】
EPMAラインスキャンは、他方の表面に到達するまでの厚さ方向に移動するサンプル表面から約50マイクロメートルの、100マイクロメートル直径の初期スポットで設定される。デフォーカスビームスポットは、50マイクロメートル分離を維持して50%の重複をもたらすように計算される。
【0097】
4波長分散型分光計およびJEOL SDD−EDSを備えたJEOL JXA 8530Fフィールド放射電子プローブマイクロアナライザハイパープローブ(Field Emission Electron Probe Microanalyzer Hyperprobe)は、データを収集するために使用される。動作条件は:
【0101】
ラインスキャンプロファイルステップ50μm
【0102】
分析された元素には以下が含まれる:Ti、Zr、Mg、Si、Mn、Fe、Cu、ZnおよびAl
【0103】
波長分散分光計(WDS)結晶および分光計は、表1に詳述した通り使用される。
【表1】
【0104】
バックグラウンド測定は、正および負のバックグラウンド位置で5秒ごとに50スポット毎に収集される。測定された元素は、Philibert−Tixier法による原子数修正およびリード法による蛍光励起補正を備えた金属のJEOLquant ZAF分析パッケージを使用して定量的に分析される。
【0105】
代替的に、サンプルの深さを通した合金元素の濃度を、米国特許第6,672,368号からのサンプルを分析するために使用される方法と一致する発光分光分析装置を使用して決定した。
【0107】
サンプルは、アルミニウムの標準的な金属組織調製技術を使用して、まずルーサイトに取り付けられ、研磨される。EPMAを使用して、合金元素のミクロ偏析を示すために、厚さにわたる合金元素の分布をプロファイルする。
【0108】
EPMAラインスキャンは、複数の粒子を通した重なり合う点を提供するために、複数の粒子にわたり1マイクロメートルステップで移動する焦点を合せたスポットで設定される。
【0109】
4波長分散型分光計およびJEOL SDD−EDSを備えたJEOL JXA 8530Fフィールド放射電子プローブマイクロアナライザハイパープローブ(Field Emission Electron Probe Microanalyzer Hyperprobe)は、データを収集するために使用される。動作条件は:
【0113】
ラインスキャンプロファイルステップ1μm
【0114】
分析された元素には以下が含まれる:Ti、Zr、Mg、Si、Mn、Fe、Cu、ZnおよびAl
【0115】
WDS結晶および分光計は、表1に詳述した通り使用される。
【0116】
バックグラウンド測定は、正および負のバックグラウンド位置で5秒ごとに50スポット毎に収集される。測定された元素は、Philibert−Tixier法による原子数修正およびリード法による蛍光励起補正を備えた金属のJEOLquant ZAF分析パッケージを使用して定量的に分析される。
【0118】
アルミニウム合金サンプルは、米国特許第6,672,368号に詳述される装置を使用して55フィート/分〜85フィート/分の速度で鋳造され、以下の表に詳述される最終厚さを有した。各サンプルにおける、表面から3,000マイクロメートル厚深さの亜鉛、マグネシウムおよび銅の平均重量%は、本明細書に詳述される「マクロ偏析」法または発光分光分析装置を介して決定された。以下の表2は、鋳造サンプルの各々における、表面から3,000マイクロメートル厚深さの亜鉛、銅、およびマグネシウムの平均重量%、および各サンプルの重量%を決定するのに使用された方法を示す。
【表2】
【0119】
以下の表3は、表面から3,000マイクロメートル厚深さのサンプル各々における亜鉛の重量%の変動を示す。
【表3】
【0120】
各サンプルにおける、表面から厚さ中心の亜鉛、マグネシウムおよび銅の平均重量%は、本明細書に詳述される「マクロ偏析」法または発光分光分析装置を介して決定された。以下の表4は、鋳造サンプルの各々における、表面から厚さ中心の亜鉛、銅、およびマグネシウムの平均重量%、および各サンプルの重量%を決定するのに使用された方法を示す。
【表4】
【0121】
以下の表5は、各サンプルにおける、表面から厚さ中心の亜鉛の重量%の変動を示す。
【表5】
【0122】
各サンプルについて生成されたデータを
図3〜
図10にプロットする。亜鉛、マグネシウムおよび銅の重量%をダイレクトチル鋳造従来技術製品の厚さ、および米国特許第6,672,368号の連続的鋳造従来技術製品の厚さを比較することも、
図11〜
図12として含まれる。
【0123】
図3〜
図10および上記の表に示すように、発明者らは驚くべきことに、本発明によるサンプル1〜7における、表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動が、15%未満であることを発見した。さらに、サンプル8の表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は、15%より大きい。同様に、
図11〜
図12の目視検査に基づき、ダイレクトチル鋳造従来技術製品および連続的鋳造従来技術製品における、表面と3,000マイクロメートル厚深さとの間の亜鉛の重量%の変動は、15%よりも大きい。
【0124】
図3〜
図10および上記の表に示すように、発明者らは驚くべきことに、本発明によるサンプル1〜8における、表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動が、15%未満であることを発見した。さらに、
図11〜
図12の目視検査に基づき、ダイレクトチル鋳造従来技術製品および連続的鋳造従来技術製品における、表面と厚さ中心との間の亜鉛の重量%の変動は、15%よりも大きい。
【0125】
サンプル6における、表面から200マイクロメートル厚深さの粒子にわたる亜鉛、マグネシウムおよび銅の平均重量%は、本明細書に詳述される「ミクロ偏析」法を使用して決定された。データを
図13に示す。比較のため、ダイレクトチル鋳造従来技術製品の厚さを通した粒子にわたる亜鉛、マグネシウムおよび銅の重量%を
図14に示す。
図13に示すように、発明者らは驚くべきことに、主要合金元素であるZn、CuおよびMgの重量%が、粒界および粒子内での第二相粒子の位置における合金元素の重量%の増加により、粒子間および粒子内で実質的に均一であることを発見した。
【0126】
図15は、サンプル6の構造を示す。米国特許第6,672,368号に詳述される装置を使用して55フィート/分の速度で鋳造された、16%および25%の平均亜鉛含量を有するアルミニウム合金のサンプル構造を
図16および
図17にそれぞれ示す。
図15〜
図17は、本発明の製品が球状粒子構造を持ち、かつ実質的にミクロ偏析を含まない製品を示す。さらに、
図15〜17に図示するように、本発明の製品は実質的にデンドライトを含まない場合があり、主に球状の非デンドライト粒子、すなわち球状粒子構造から成る。また、サンプルが偏光で観察された時に、
図15〜
図17の粒子内に陰影がないことによって示されるように、製品は実質的にミクロ偏析効果を有しない。
【0127】
本発明のいくつかの実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は単なる例示であり、限定的ではなく、当業者には多くの修正が可能であることが明らかであることが理解されよう。さらに、さまざまなステップが任意の所望の順序で実行されてもよい(および所望のステップが追加されてもよく、および/または任意の所望のステップが除外されてもよい)。
【国際調査報告】