特表2019-535330(P2019-535330A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特表2019-535330エアロゾル発生システム用の気化器および気化方法
<>
  • 特表2019535330-エアロゾル発生システム用の気化器および気化方法 図000003
  • 特表2019535330-エアロゾル発生システム用の気化器および気化方法 図000004
  • 特表2019535330-エアロゾル発生システム用の気化器および気化方法 図000005
  • 特表2019535330-エアロゾル発生システム用の気化器および気化方法 図000006
  • 特表2019535330-エアロゾル発生システム用の気化器および気化方法 図000007
  • 特表2019535330-エアロゾル発生システム用の気化器および気化方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-535330(P2019-535330A)
(43)【公表日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】エアロゾル発生システム用の気化器および気化方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20191115BHJP
【FI】
   A24F47/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-548523(P2019-548523)
(86)(22)【出願日】2017年10月27日
(85)【翻訳文提出日】2019年5月29日
(86)【国際出願番号】EP2017077687
(87)【国際公開番号】WO2018099665
(87)【国際公開日】20180607
(31)【優先権主張番号】16201229.8
(32)【優先日】2016年11月29日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ベサント ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】デュク ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】エリオット ザッカリー
(72)【発明者】
【氏名】エメット ロバート
(72)【発明者】
【氏名】オスタディー ホセイン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス ショーン
(72)【発明者】
【氏名】レンフルー ブルース
(72)【発明者】
【氏名】サーデ ラトルレ エヴァ
(72)【発明者】
【氏名】アリ サード
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC27
(57)【要約】
本発明はエアロゾル発生システム用の気化器(21)を提案している。気化器は管要素(22)、メッシュ(25)、ヒーター(26)を備える。管要素は、ある量の液体エアロゾル形成基体を受けるための内部容積(23)を有する。メッシュは管要素の内部容積内に提供されている。ヒーターは管要素の外側に提供されている。ヒーターは、メッシュおよび受けた量の液体エアロゾル形成基体を、受けた量の液体エアロゾル形成基体の少なくとも一部を揮発するのに十分な温度に加熱するように構成されている。本発明はまた、エアロゾルを発生する方法を提案している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システム用の気化器であって、前記気化器が、
ある量の液体エアロゾル形成基体を受けるための内部容積を有する管要素と、
前記管要素の内部容積内に提供されたメッシュと、
前記管要素の外側に提供されたヒーターであって、前記ヒーターが電気抵抗ヒーターを備えるものとを含み、
ヒーターが、前記メッシュおよび前記受けた量の液体エアロゾル形成基体を、少なくとも前記受けた量の液体エアロゾル形成基体の一部を揮発するのに十分な温度に加熱するように構成されている、気化器。
【請求項2】
前記ヒーターが、前記管要素の内部容積への前記管要素を介した熱伝導によって、前記メッシュおよび前記受けた量の液体エアロゾル形成基体を間接的に加熱するように構成されている、請求項1に記載の気化器。
【請求項3】
前記メッシュが金属メッシュである、請求項1または2に記載の気化器。
【請求項4】
前記メッシュがロール状に巻かれたメッシュである、請求項1、2または3に記載の気化器。
【請求項5】
前記メッシュが前記管要素の長軸方向に沿って延びる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の気化器。
【請求項6】
前記メッシュが前記管要素の一方の端から別の端に延びる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の気化器。
【請求項7】
前記管要素が自由開放端を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の気化器。
【請求項8】
前記管要素が閉じた自由端を有し、また前記管要素が多数のマイクロ穿孔を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の気化器。
【請求項9】
前記管要素が電気的に分離されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の気化器。
【請求項10】
前記ヒーターが断熱要素によって囲まれている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の気化器。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の気化器と、前記気化器の前記管要素の前記内部容積に所定量の前記液体エアロゾル形成基体を供給するための送達ユニット(好ましくはマイクロポンプ)とを備える、エアロゾル発生システム。
【請求項12】
エアロゾルを発生する方法であって、前記方法が、
ある量の液体エアロゾル形成基体を気化器の管要素の内部容積に送達する工程であって、それによって、前記管要素の前記内部容積内に提供されたメッシュを前記送達された液体エアロゾル形成基体の少なくとも一部で湿潤させる工程と、
前記メッシュおよび前記送達された量の液体エアロゾル形成基体を、前記管要素の外側に提供されたヒーターによって、前記送達された量の液体エアロゾル形成基体の少なくとも一部を気化するのに十分な温度に加熱する工程とを含み、前記ヒーターが電気抵抗ヒーターを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システム用の気化器、および液体エアロゾル形成基体を蒸発させるための気化方法に関する。特に、本発明は、電気的に作動するエアロゾル発生システムなど、手持ち式エアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のエアロゾル発生システムは、液体エアロゾル形成基体を貯蔵するための液体貯蔵部分と、エアロゾル形成基体を蒸発させるためのヒーターを有する電気的に作動する気化器とを備える。ユーザーによって吸入(例えば「吸煙」)されるエアロゾルは、蒸発したエアロゾル形成基体が、ヒーターを通過する気流内で凝結される時に発生する。液体エアロゾル形成基体は、気化器のヒーター上に直接分配されてもよい。この場合、分配された液体はヒーターを局所的に冷却する傾向がある。望ましくない結果として、多量の液体が気化されることなくヒーターの低温領域から滴りうる。この問題は、芯によって液体エアロゾル形成基体を気化器に送達することで解決されうる。芯は多孔性ウィッキング材料で作製されうる。こうした多孔性ウィッキング材料は、液体を保持し、液体をヒーターの表面上に広げる能力を有する。これらの周知の芯は多くの場合、ヒーターによって囲まれ、加熱される。ヒーターは芯内に保持された液体を気化する。これらの周知のエアロゾル発生システムでしばしば観察される問題は、エアロゾル発生システムからの液体の漏れであり、これがユーザーのズボンのポケット内に携帯される場合に不都合となりうる。
【0003】
従って、液体エアロゾル形成基体の十分な気化を提供し、ある量の液体がヒーターから滴るのを回避できる、エアロゾル発生システム用の気化器と気化方法を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の上述の目的およびさらなる目的は、エアロゾル発生システムに適した気化器によって達成される。気化器は管要素、メッシュ、ヒーターを備える。管要素は、ある量の液体エアロゾル形成基体を受けるための内部容積を有する。メッシュは管要素の内部容積内に提供されている。ヒーターは管要素を加熱するように構成されている。ヒーターは管要素の外側に提供されている。管要素は熱伝導性であることが好ましい。ヒーターは、メッシュおよび受けた量の液体エアロゾル形成基体を、受けた量の液体エアロゾル形成基体の少なくとも一部を揮発するのに十分な温度に加熱するように構成されている。
【0005】
メッシュは抵抗ヒーターによって直接加熱されないことが好ましい。代わりに、メッシュは周囲の加熱された管要素によって加熱される。液体エアロゾル形成基体は、熱伝導を使用して、加熱された管を通して、またメッシュを通して間接的に加熱される。メッシュは、加熱された表面上での液体エアロゾル形成基体の拡散を向上させる。これによって、気化の改善が可能になる。メッシュが管要素からの熱伝導によって加熱されると、メッシュの表面は均一に加熱される。よって、気化はさらに改善される。液体が管要素の内部容積内で加熱され、またメッシュによっても保持されるため、気化器からの望ましくない液体の漏れや滴りは起こり得ない。よって、供給される液体の大半またはすべてが確実に気化される。
【0006】
メッシュは金属メッシュであってもよい。メッシュは完全な円筒の形状を有してもよい。メッシュの外径は管要素の内径よりも小さくてもよい。メッシュは管要素の中心に配置されてもよい。液体エアロゾル形成基体は、管セグメントの内表面とメッシュの外表面との間に広がってもよい。よって、液体エアロゾル形成基体は、これらの二つの表面の間に薄い中空液体円筒を形成しうる。気化器は、この薄い中空液体円筒のすべての点上で直交するこの薄い中空液体円筒を加熱してもよい。気化器は、薄い中空液体円筒の内側および外側に対して直交して加熱してもよい。液体層の一方の側から他方の側面への移動距離は、薄い液体中空液体円筒のすべての点から本質的に同一であってもよい。よって、気化器から液体エアロゾル形成基体への熱伝達が改善されうる。逆に、メッシュのない管セグメントの場合、熱は液体円筒全体の外表面から液体円筒全体を通して伝達する。この構成では、熱の移動距離は、熱が適用される液体円筒全体上の点に応じて異なる。従って、気化は液体円筒全体の中心で特に、均一性および効果がずっと低い。
【0007】
管要素は任意の熱伝導性材料から作製される。管要素はアルミニウムまたはアルミナから作製されうる。管要素は、10ミリメートル〜40ミリメートルの範囲内でその長軸方向に延びてもよく、0.5ミリメートル〜4.0ミリメートルの範囲内の外径を有してもよく、1.5ミリメートル〜2.5ミリメートルの範囲内であることが好ましい。管要素の内部容積は、0.3ミリメートル〜2.3ミリメートルの範囲内の直径を有してもよく、1.0ミリメートル〜1.6ミリメートルの範囲内であることが好ましい。
【0008】
メッシュは少なくとも一つの金属材料から作製された金属メッシュであってもよい。金属メッシュはワイヤー材料によって形成されてもよい。ワイヤー材料は、0.01ミリメートル〜0.04ミリメートルの範囲内の直径を有してもよく、0.02ミリメートル〜0.03ミリメートルの範囲内であることが好ましい。ワイヤー材料は均一な直径を有してもよい。メッシュは、0.01ミリメートル〜0.04ミリメートルの範囲内の孔径の開口部を有してもよく、0.02ミリメートル〜0.03ミリメートルの範囲内であることが好ましい。ワイヤー材料は、例えばステンレス鋼であってもよい。金属メッシュは織物であってもよい。金属メッシュは織物ワイヤーメッシュパターンを有してもよい。メッシュパターンは、メッシュの表面上の液体エアロゾル形成基体の拡散が最大化されるように、液体エアロゾル形成基体の表面張力および/または粘性に応じて寸法設定されうる。金属メッシュは、メッシュの表面上での液体エアロゾル形成基体の拡散を向上させる。金属メッシュは熱伝導性である。さらに、金属メッシュは高加熱温度に対する耐性がある。金属メッシュは、管要素の内部容積内に配置された液体エアロゾル形成基体の加熱および気化を改善する。さらに、金属メッシュは広範囲の加熱温度にわたって安定している。よって、気化器の平均寿命が改善される。
【0009】
メッシュはロール状に巻かれたメッシュであることが好ましい。「ロール状に巻かれた」という用語は、メッシュが平坦でなく、メッシュが湾曲していることを意味する。「ロール状に巻かれた」という用語は、「湾曲した」「ロール状に巻かれた」および「巻き上げられた」の意味を含む。ロール状に巻かれたメッシュは、例えばU字形のロール状に巻かれたメッシュに対して上向きに開かれた断面を有してもよい。こうしたメッシュは、気化器の意図された使用で開口部の方向が上向きであるように、気化器内に配置されていることが好ましい。メッシュは、管要素の長軸方向軸または長軸方向の周りに湾曲するか、またはロール状に巻かれてもよい。メッシュは、管要素の内部容積に供給された液体エアロゾル形成基体の意図された流れ方向の周りに湾曲するか、またはロール状に巻かれてもよい。メッシュは、メッシュ面の二つの端面が互いに接触するように、ロール状に巻かれてもよい。メッシュは、巻き上げられたカーペットのように巻き上げられてもよい。メッシュは、メッシュが層状になるように巻かれてもよい。メッシュは第一のメッシュ層および第二のメッシュ層を含んでもよく、第一のメッシュ層は第二のメッシュ層の周りに巻かれている。メッシュは円弧状の断面を有してもよい。メッシュは円形状、楕円形状またはらせん状の断面を有しうる。断面は管要素の長軸方向に沿って均一であってもよい。
【0010】
メッシュは管要素の長軸方向に沿って延びることが好ましい。よって、液体エアロゾル形成基体は、管要素およびメッシュによって均一に加熱されうる。従って、気化は改善される。
【0011】
メッシュは管要素の一方の端から別の端に延びることが好ましい。よって、液体エアロゾル形成基体は、管要素の全長に沿って広がり、加熱されうる。これによって、液体エアロゾル形成基体の気化が改善される。
【0012】
管要素は自由開放端を有することが好ましい。管要素は、管要素の自由開放端に対向する管要素の端で液体エアロゾル形成基体を受けるように適合されていることが好ましい。自由開放端は、液体エアロゾル形成基体からの蒸気が管要素の内部容積から逃れるのを可能にするように適合されうる。自由開放端は、管要素の内部容積内の液体エアロゾル形成基体の流れ抵抗を低減する。よって、内部容積内の液体エアロゾル形成基体が自由開放端に向かって拡散するのが改善される。
【0013】
管要素は閉じた自由端を有することが好ましい。管要素は、管要素の閉じた自由端に対向する管要素の端で液体エアロゾル形成基体を受けるように適合されていることが好ましい。閉じた自由端を有する管要素は、エアロゾルが管要素の内部容積から逃れることを可能にするための少なくとも一つの出口をさらに備える。閉鎖端は、液体エアロゾル形成基体が管要素から滴り出る可能性を回避することを可能にする。管要素は多数のマイクロ穿孔を備える。マイクロ穿孔は、内部容積から管要素の外周面に延びる貫通孔である。マイクロ穿孔は、気化された液体エアロゾル形成基体が管要素の内部容積から漏出するのを可能にするように適合されている。各マイクロ穿孔は、50〜250マイクロメートルの範囲の直径を有しうる。マイクロ穿孔は、一つ以上の周方向のリング上に配置されうる。マイクロ穿孔は、例えば相互に0度〜180度で、または45度の広がる角度で、周方向に等間隔で配置されうる。マイクロ穿孔は、管要素の長軸方向に沿って等間隔で配置されうる。開放端を有する管要素では、マイクロ穿孔は管要素の長軸方向の寸法の中間セクションに配置されていることが好ましい。マイクロ穿孔は、管要素の閉じた自由端に隣接したセクション内に配置されていることが好ましい。
【0014】
管要素は電気的に分離されていることが好ましい。特に、管要素は、その外周面からその内周面に電気的に分離されてもよい。これによって、金属メッシュと金属ヒーターであるヒーターとの間の潜在的な短絡が回避される。管要素は熱伝導性かつ非導電性であることが好ましい。
【0015】
ヒーターは電気抵抗ヒーターを備えることが好ましい。電気抵抗ヒーターは金属ヒーターであってもよい。電気抵抗ヒーターはコイルヒーターであってもよい。電気抵抗ヒーターは管要素の周りに巻かれてもよい。電気抵抗ヒーターは管要素内に部分的に組み込まれてもよい。電気抵抗ヒーターは管要素の長軸方向(好ましくは長軸方向の全体)に沿って延びうる。
【0016】
ヒーターは、断熱要素によって囲まれるか、または封入されることが好ましい。断熱要素はヒーター全体を覆ってもよい。これによって、熱エネルギーを節約し、周囲への、および気化器以外のエアロゾル発生システムの他の構成要素への熱放散を回避することができる。
【0017】
ヒーターは管要素の内部容積内に延びないことが好ましい。これによって、内部容積内の均一な温度分布を達成できる。よって、気化は改善される。さらに、金属ヒーターと金属メッシュの間の短絡を回避することができる。さらに、液体エアロゾル形成基体の残留物が内部容積内に延びるヒーター部分に付着することを防止する。
【0018】
気化器はウィッキング材料を含まないことが好ましい。特に、管要素の内部容積にはウィッキング材料がなく、それによってその構造が簡略化される。
【0019】
本発明の第二の態様によると、上述の気化器と送達ユニットとを備えるエアロゾル発生システムが提示されている。送達ユニットは、所定量の液体エアロゾル形成基体を気化器の管要素の内部容積に供給するように適合されている。送達ユニットはマイクロポンプであることが好ましい。定められた量の液体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生システムの液体貯蔵部分から気化器にポンプされる。こうした設計は、気化器のないカートリッジの製造を可能にする。改善された液体移動のため、管状セグメントおよび気化器は、液体貯蔵部分が空になった時に処分される必要がなくなりうる。受動媒体の代わりにポンプを用いて液体を引き出すことによって、実際に要求される量の液体エアロゾル形成基体のみが気化器に移動されうる。液体エアロゾル形成基体は需要に基づいてのみ(例えばユーザーによる吸煙に応じて)ポンプされうる。
【0020】
マイクロポンプは、可変または一定の時間間隔で、例えば毎秒約0.5〜2マイクロリットルの低流量で液体エアロゾル形成基体のオンデマンドの送達を行うことを可能にしうる。マイクロポンプは、適切な量の液体エアロゾル形成基体を気化器に送達するために、注意深く調整されうる。結果として、送達される液体エアロゾル形成基体の量は、ポンプサイクルの量から決定することができる。
【0021】
マイクロポンプは、水と比較して相対的に高い粘度を有する特徴がある液体エアロゾル形成基体をポンプするように構成されうる。液体エアロゾル形成基体の粘度は、約10〜500ミリパスカル秒の範囲であってもよく、好ましくは約17〜86ミリパスカル秒の範囲であってもよい。
【0022】
流量を調節する時、より多量の送達された液体エアロゾル形成基体を気化器で気化させるために、より多くのエネルギーが要求されうる。従って、気化器の温度設定は、液体の流量に従って調節されうる。
【0023】
発熱体の温度は電気回路によって制御されることが好ましい。吸煙が検出されて、ヒーターおよび/または気化器の管要素が動作温度に到達すると、電気回路はマイクロポンプを作動させて、吸煙の持続時間にわたり気化器の管要素の内部容積に液体エアロゾル形成基体を送達するための定められた流量を設定しうる。
【0024】
マイクロポンプとヒーターの両方は、吸煙検出システムによってトリガーされうる。別の方法として、マイクロポンプおよびヒーターは、吸煙の持続時間にわたり保持されるオンオフボタンを押すことによってトリガーされうる。
【0025】
マイクロポンプは、1回のポンプサイクルの実行に伴い、定められた量の液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部分から気化器の管要素の内部容積に送達するように構成されていることが好ましい。
【0026】
本明細書で使用される「上流」、「下流」、「近位」、「遠位」、「前方」、「後方」という用語は、ユーザーがその使用中にエアロゾル発生システムで吸引する方向に関して、エアロゾル発生システムの構成要素または構成要素の部分の相対的位置を説明するために使用される。
【0027】
エアロゾル発生システムは口側端を備えてもよく、使用時にこの口側端を通してエアロゾルがエアロゾル発生システムを抜け出て、ユーザーに送達される。口側端はまた、近位端と呼ばれてもよい。使用時に、エアロゾル発生システムによって発生したエアロゾルを吸い込むために、ユーザーはエアロゾル発生システムの近位端または口側端で吸引する。エアロゾル発生システムは近位端または口側端と反対側の遠位端を備える。エアロゾル発生システムの近位端または口側端はまた、下流端と呼ばれることがあり、エアロゾル発生システムの遠位端はまた、上流端と呼ばれることがある。エアロゾル発生システムの構成要素、または構成要素の部分は、エアロゾル発生システムの近位端、下流端、または口側端とエアロゾル発生システムの遠位端または上流端との間のそれらの相対的な位置に基づいて、互いに上流または下流にあるものとして説明されてもよい。
【0028】
エアロゾル発生システムは、管状セグメントをさらに備えることが好ましく、これを通して液体エアロゾル形成基体がマイクロポンプから気化器に送達され、気化器は管状セグメントの開放端の下流に配置されている。
【0029】
エアロゾル発生システムは、主要ユニットおよびカートリッジを備えることが好ましく、カートリッジは主要ユニットに取り外し可能なように結合されることができ、主要ユニットは電源を備えることができ、液体貯蔵部分はカートリッジ内に提供されることができ、またマイクロポンプは主要ユニット内に提供されることができる。主要ユニットは気化器をさらに備えることが好ましい。主要ユニットは管状セグメントを備えてもよい。
【0030】
本発明の実施形態によるエアロゾル発生システムは、気化器と電源とに接続された電気回路をさらに含みうる。電気回路は気化器の電気抵抗を監視するように構成されていてもよく、気化器の電気抵抗に応じて、気化器への電力供給を制御するように構成されうることが好ましい。
【0031】
電気回路はマイクロプロセッサを有するコントローラを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は気化器への電力供給を調節するように構成されてもよい。電力はシステムの起動後に気化器に連続的に供給されてもよく、断続的に供給(例えば、吸入ごとに毎回供給)されてもよい。電力は、電流パルスの形態で気化器に供給されてもよい。
【0032】
エアロゾル発生システムは有利なことに、例えばハウジングの主本体内に電源(典型的には電池)を備える。電源はコンデンサーなど電荷蓄積装置の形態であってもよい。電源は、再充電を必要とする場合があり、また一回以上の吸入体験のために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約6分間、または6分の倍数の時間にわたってエアロゾルを連続的に発生することを可能にする十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定回数の吸煙、またはヒーター組立品の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0033】
周囲空気がエアロゾル発生システムに入ることを可能にするために、エアロゾル発生システムのハウジングの壁、好ましくは気化器の反対側の壁、好ましくは下部壁には、少なくとも一つの半開放入口が提供されている。半開放入口は、空気がエアロゾル発生システム内に入ることを可能にするが、空気または液体が半開放入口を通してエアロゾル発生システムから出ることはないことが好ましい。半開放入口は、例えば半透過性の膜であってもよく、空気については一方向のみで透過性であるが、反対方向では気密および液密である。半開放入口はまた、例えば一方向弁でもよい。半開放入口は、例えばエアロゾル発生システムの最小限の押圧、または弁もしくは膜を通過する空気の量といった特定の条件が満たされる場合にのみ、入口を通して空気が通過できることが好ましい。
【0034】
液体エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体である。揮発性化合物は液体エアロゾル形成基体の加熱によって放出されてもよい。液体エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴い液体エアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、液体エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。
【0035】
エアロゾル発生システムは、電気的に作動するエアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生システムは携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生システムは従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこと同等のサイズを有してもよい。エアロゾル発生システムは、およそ30ミリメートル〜およそ150ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生システムは、およそ5ミリメートル〜およそ30ミリメートルの外径を有してもよい。
【0036】
本発明の第三の態様によると、エアロゾルを発生させるための方法が提示されている。方法は、ある量の液体エアロゾル形成基体を気化器の管要素の内部容積に送達して、それによって、管要素の内部容積内に提供されたメッシュを送達された液体エアロゾル形成基体の少なくとも一部で湿潤させる工程と、メッシュおよび送達された量の液体エアロゾル形成基体を、管要素の外側に提供されたヒーターによって、送達された量の液体エアロゾル形成基体の少なくとも一部を気化するのに十分な温度に加熱する工程とを含む。ヒーターは電気抵抗ヒーターを備えることが好ましい。
【0037】
一態様に関して説明された特徴は、本発明の他の態様にも等しく適用されてもよい。
【0038】
ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図1は、本発明の一実施形態による気化器の概略図である。
図2A図2Aは、本発明の実施形態による気化器の閉鎖端を有する管要素の断面図、側面図および上面図である。
図2B図2Bは、本発明の実施形態による別の気化器の閉鎖端を有する管要素の断面図、側面図および上面図である。
図3図3は、本発明の実施形態による気化器の開放端を有する管要素の断面図、側面図および上面図である。
図4A図4Aは、本発明の実施形態によるエアロゾル発生システムの斜視図および上面図である。
図4B図4Bは、本発明の実施形態によるエアロゾル発生システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、本発明の一実施形態による気化器の概略図である。気化器21は管要素22、メッシュ25、ヒーター26を備える。管要素22は、管要素22および気化器21の長軸方向28に延びる内部容積23を有する。メッシュ25は、内部容積23内に配置され、かつ管要素22の一方の端30から他方の端31に長軸方向28に延びるロール状に巻かれた金属メッシュとして構成されている。メッシュ25の外径は、液体がメッシュの周りに広がり、内部容積23内で循環するように、内側容積23の直径よりも小さい。
【0041】
液体エアロゾル形成基体を内部容積23に供給するための流体入口24は、一方の端30に配置されている。他方の端31は、気化した液体エアロゾル形成基体を矢印29で示された方向に沿って逃すための開放端として構成されている。ヒーター26は、管要素22の外周および長軸方向28に沿って、らせん状に巻かれた金属コイルとして構成されている。断熱要素27は、長軸方向28に沿ってヒーター26の周りに巻かれている。気化器の動作中、液体エアロゾル形成基体は、流体入口24を介して内部容積23に供給され、メッシュ25全体に沿って広がる。管要素22を加熱するためのヒーター26、およびその内部容積23内のすべてに電流がかけられる。管要素22の熱は、内部容積23およびメッシュ25に伝達される。よって、内部容積23のメッシュ25上に広がる液体エアロゾル形成基体が加熱される。内部容積23内の液体エアロゾル形成基体は気化され、開放端31を介して方向29に沿って逃れる。
【0042】
図2Aは、本発明の実施形態による気化器の閉鎖端を有する管要素22の断面図、側面図および上面図である。管要素22は1.90ミリメートルの均一な外径を有し、内部容積23は均一な直径の1.30ミリメートルを有する。管要素22は長軸方向に20ミリメートルの長さを有する。液体エアロゾル形成基体を受けるための端30に対向する端34は閉じている。マイクロ穿孔33の6つのリングは、それぞれ1〜6ミリメートルで、端部34から離れて配置されている。各リングは、直径0.20ミリメートルの6つのマイクロ穿孔33を含む。
【0043】
図2Bは、本発明の実施形態による気化器の閉鎖端を有する管要素22の断面図、側面図および上面図である。図2Bの管要素22は、図2Aに示すものと類似している。唯一の違いは、マイクロ穿孔の各リングが、0〜180度で配置された二つのマイクロ穿孔のみを含むことである。
【0044】
図3は、本発明の実施形態による気化器の開放端を有する管要素の断面図、側面図および上面図である。図3に示す管要素22の寸法は、図2Aおよび2Bと同じである。図3の管要素22は、図2Aおよび2Bの閉鎖端34の代わりに開放端35で構成されている。それぞれ1ミリメートルの距離を有するマイクロ穿孔の6つのリングが、管要素22の中間セクション内に配置されている。図2Bと類似して、マイクロ穿孔の各リングは、それぞれ0〜180度で配置された二つのマイクロ穿孔を備える。
【0045】
図4Aおよび図4Bは、エアロゾル発生システムの概略図である。このエアロゾル発生システムは、主要ユニットと、液体貯蔵部分3を有する再充填可能または交換可能なカートリッジとを含む。主要ユニットは本体10およびマウスピース部分12を備える。本体10は、電源1(例えば、リン酸鉄リチウム電池などの電池)と、電気回路2と、カートリッジを保持するためのくぼみと、入口および出口を有するマイクロポンプ5と、気化器7とを含む。電気コネクター8、9が本体10の側部に提供されていて、電気回路2と電源1と気化器7との間の電気的接続を提供する。管状セグメント4が提供されていて、液体貯蔵部分の出口をマイクロポンプの入口に接続する。管状セグメント6は、マイクロポンプ5の出口から気化器7の流体入口への液体エアロゾル形成基体の流れを導く。マウスピース部分12は、複数の空気吸込み口11および空気出口13を備える。使用時に、ユーザーは出口13を吸うかまたは吸入して、空気を空気吸込み口11からマウスピース部分12を通して出口13に引き出し、その後、空気は口または肺に入る。内部バッフルが提供されていて、マウスピース部分12を通じて流れる空気を強制する。気化器7は、液体エアロゾル形成基体が管状セグメント6を抜け出た直後に、液体エアロゾル形成基体を直接的に加熱するように構成されている。
【0046】
カートリッジは本体10内のくぼみ内に受けられるように構成されている。カートリッジは交換可能であることが好ましく、そのためユーザーはカートリッジ内に提供されたエアロゾル形成基体が枯渇した時に、新しいカートリッジと交換できる。新しいカートリッジを挿入する時、本体にあるスライダーが移動して、くぼみを露出しうる。新しいカートリッジは、露出したくぼみ内に挿入されうる。液体貯蔵部分の出口は、マイクロポンプ5の入口に接続されるように構成されている。主要ユニットは携帯型で、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有する。
【0047】
上述の例示的な実施形態は例証するが限定はしない。上記で考察した例示的な実施形態に照らすことによって、上記の例示的な実施形態と一貫したその他の実施形態も当業者には明らかとなろう。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
【国際調査報告】