特表2019-537374(P2019-537374A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特表2019-537374可視光通信のための受信器、方法、端末装置、光透過構造体及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-537374(P2019-537374A)
(43)【公表日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】可視光通信のための受信器、方法、端末装置、光透過構造体及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/116 20130101AFI20191122BHJP
   H04B 10/67 20130101ALI20191122BHJP
   H01L 31/0232 20140101ALI20191122BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20191122BHJP
【FI】
   H04B10/116
   H04B10/67
   H01L31/02 D
   H05B37/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-525803(P2019-525803)
(86)(22)【出願日】2017年11月14日
(85)【翻訳文提出日】2019年7月12日
(86)【国際出願番号】EP2017079200
(87)【国際公開番号】WO2018091463
(87)【国際公開日】20180524
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2016/106113
(32)【優先日】2016年11月16日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】17159285.0
(32)【優先日】2017年3月6日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヤン カイジェ
(72)【発明者】
【氏名】チャン シェングリ
【テーマコード(参考)】
3K273
5F849
5K102
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA31
3K273RA16
3K273SA18
3K273SA35
3K273SA60
3K273TA28
3K273TA33
3K273TA34
3K273TA35
3K273TA55
3K273TA59
3K273TA66
3K273TA76
3K273TA78
3K273UA15
3K273UA22
3K273VA08
5F849AA01
5F849BA03
5F849BA25
5F849BB01
5F849EA03
5F849JA12
5F849JA14
5F849LA02
5F849XB05
5K102AA26
5K102AL23
5K102AL28
5K102MA02
5K102MB08
5K102PB02
5K102PH38
(57)【要約】
各々が固有のIDデータを送信する、異なる照明装置から発する光線のオーバーラップ領域内で受ける光信号を復号するための受信器、方法、端末装置、可視光透過構造体及びシステム。受信器(39)に入射する光線(45、46、47)は、光検出器のアレイ(21)の長手方向(x)に光学的にばらばらに広がる。斯様に広がる光線(45a、46a、47a)は、光学的に発散され、特定の光検出器(22〜28)の放射活性表面(29)にわたってさらに広がり、これによりそれぞれの光検出器(22〜28)で受けられる光量を最適化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光通信のための受信器であって、
可視光信号を受信して電気信号に変換するための、第1の方向に順次配置された複数の光検出器を有する光検出器アレイであって、各光検出器は、前記第1の方向及び該第1の方向とは異なる第2の方向にある距離にわたって延びる、光検出器アレイと、
前記電気信号を処理するよう構成されるプロセッサと、
可視光信号を含む可視光線を受けて前記光検出器アレイに向けるよう構成される、光入口面及び光出口面を持つ可視光透過構造体と
を備える受信器であり、
前記可視光透過構造体は、異なる入射角で前記光入口面に入射する光線を、前記第1の方向にばらばらに広げ、前記出口面において、前記第2の方向に発散させるよう構成される、受信器。
【請求項2】
前記可視光透過構造体の外側から見て、前記光入口面は前記第1の方向に凹形状を含み、前記光出口面は前記第2の方向に凸形状を含む、請求項1に記載の受信器。
【請求項3】
前記光入口面は、長手方向軸が前記第2の方向に延びる、半円筒形の凹形状を含む、請求項2に記載の受信器。
【請求項4】
前記光出口面は、長手方向軸が前記第1の方向に延びる、半円筒形の凸形状を含む、請求項2又は3に記載の受信器。
【請求項5】
前記光出口面は、隣接して配置された複数の副面を含み、各副面が、前記第2の方向に凸形状を含む、請求項2又は3に記載の受信器。
【請求項6】
前記副面が、長手方向軸が前記第1の方向に延びる、半円筒形の凸形状を含む、請求項5に記載の受信器。
【請求項7】
前記光入口面及び前記光出口面は、互いに距離を置いて対向して配置されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の受信器。
【請求項8】
当該受信器に入射する光線を受ける、前記光透過構造体の前記光入口面の前方の絞りを備え、前記絞りは、受けた光線を前記光入口面に向けるための光透過アパーチャを持つ、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の受信器。
【請求項9】
前記第1の方向と前記第2の方向とが直交している、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の受信器。
【請求項10】
前記可視光透過構造体は、前記光入口面の主軸に対して0度、30度及び60度の角度の各々で入射する光線を、前記光検出器アレイの異なる検出器によって受けられるように広げ、広がった前記光線の各々を対応する光検出器に発散させるよう構成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の受信器。
【請求項11】
前記プロセッサは、変換された受信可視光信号から識別信号を抽出するよう構成される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の受信器。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の受信器を備える端末装置。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれか一項に従って構成される可視光透過構造体。
【請求項14】
可視光信号を送信するよう構成される少なくとも1つの照明装置と、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの受信器とを含む、可視光通信システム。
【請求項15】
可視光受信器に入射する光線に含まれる可視光通信システムの可視光信号を処理する方法であって、前記受信器は、可視光信号を受信して電気信号に変換するための、第1の方向に順次配置された複数の光検出器を有する光検出器アレイであって、各光検出器は、前記第1の方向及び該第1の方向とは異なる第2の方向にある距離にわたって延びる、光検出器アレイを有し、当該方法は、
異なる入射角で前記受信器に入射する光線を前記第1の方向に光学的にばらばらに広げる、
前記ばらばらに広がる光線を前記第2の方向に光学的に発散させる、及び
それぞれの光検出器で受けた前記光線の可視光信号から該それぞれの光検出器によって変換された電気信号を、前記電気信号から識別信号を抽出し、該識別信号を処理することによって、処理する
ことを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、光学通信の分野に関し、とりわけ、可視光通信システムにおいて可視光信号を受信し処理するための受信器、方法及び受信器を備える端末装置に関する。本開示はさらに、受信器の可視光透過構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
可視光通信(VLC:Visible Light Communication)、とりわけ、VLCベースの測位は、移動端末の測位を決定するための魅力的な屋内測位技術として浮上している。
【0003】
VLCは、既存の及び新しい照明装置又は照明器具に設置されることができ、その結果、照明機器は、照明の目的を果たすだけでなく、データ通信も提供する。したがって、VLCは、発せられる光信号が照明と通信の両方に寄与するので、効率的な電力消費を提供する。
【0004】
VLCは、無線若しくは電磁干渉を引き起こさない、又は無線若しくは電磁干渉を受けないので、VLCは、無線周波(RF:Radio Frequency)放射しがちな、ましてはRFデータ送信が禁止されている病院又は他のエリアにおけるRF通信及びRFベースの測位に取って代わることができる。
【0005】
VLCベースの測位システムでは、典型的には、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)光源等の各照明装置の光源は、照明装置を識別する識別データ(ID:Identification Data)を表す変調された光測位信号を送信する。変調は、目に見えるちらつきを引き起こさないような高い周波数で行われる。
【0006】
例えば、各照明装置が固有のIDを送信する、近接オンリー(proximity only)VLCシステムでは、例えば、可視光受信器を備えるモバイル端末装置は、VLCシステムによってカバーされるエリア内を動きながら受ける光信号のIDを処理し、それぞれの照明装置の付加的な測位情報及び関連するIDから、該エリア内の自身の位置を計算することができる。付加的な測位情報及び関連するIDは、例えば、端末装置に記憶されてもよく、又は中央データベース若しくはノードから受けてもよい。
【0007】
現在の屋内可視光測位システムでは、例えば、受信信号強度(RSS:Received Signal Strength)、到達時間(ToA:Time of Arrival)、到達時間差(TDoA:Time Difference of Arrival)及び到来角度(AoA:Angle of Arrival)、受信光信号から得られる情報、並びに三角測量、特定の位置における光信号の特定の特性を使用するフィンガープリンティング、確率的方法、データ相関技術、及び検出カメラを使用する視覚分析等を用いる、可視光受信器の地理的位置又は座標をより正確に計算するためのいくつかの処理アルゴリズムが提案されている。
【0008】
建物の天井に取り付けられた照明装置等の、各々の又は複数の隣接する照明装置が固有のID光信号を送信する、典型的なシナリオでは、2つ以上の照明装置のオーバーラップ領域(area of overlap)において、例えば、単一の光検出器を具備する可視光受信器は、異なる光源から受ける光信号を復号することができない。
【0009】
例えば、国際特許出願公開第2016/086276A1号は、1つ又は複数の開口部を持つ前側光入口面と、対向して離間した、2次元アレイの受光素子又は光検出器(フォトダイオード等)を備える後側受光面とを有する光受信器を開示する。このようにして、前側入口面の開口部に斜めに入射する光線は、光信号を復号するための、後側受光面、すなわち、光検出器のアレイにある距離にわたってばらばらに広がる。
【0010】
しかしながら、この解決策は、光入口面の表面法線に対して比較的大きな角度で、且つ互いに実質的に異なる入射角度で入射する異なる光源の光線に対してのみうまく機能する。しかしながら、光入口面に入射するオーバーラップ領域内の異なる光源からの光線、特に、光入口面における法線に対して比較的小さい角度を有する重なり合う光線(overlapping light ray)、又は互いに対してわずかにだけ異なる光線は、復号目的のためにそれらを区別するために、斯かる開口によっては、後側面において十分にばらばらに広がらないであろう。
【0011】
さらに、特定の光学素子で受けられる光量は、光線の入射角に依存する。
【0012】
米国特許出願公開第2009/0123156 A1号は、入射光線の伝播方向に見て、アレイの前方に取り付けられた集束レンズから特定の光検出器で受光される光量を最大にするようにアレイを所定の位置に動かすよう構成される、比較的高価で嵩張る複雑なモータ駆動2次元光検出器アレイを開示する。
【0013】
光検出器で受光される光量を最大にすることは、例えばフォトダイオード又はフォトトランジスタ等の光検出器の活性化領域サイズをできるだけ小さくし、それによって内部抵抗を減らし、その結果時定数が減り、したがって光検出器の動作速度を速めるのに有益であり、このことは、位置ベースのVLCアプリケーションに有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本開示の目的は、VLCシステムの2つ以上の照明装置のオーバーラップ領域(area of overlap)内で発せられるID情報を搬送する光信号を復号するのに適した、とりわけVLCベースの測位(VLC based positioning)に使用するための、改善された、費用対効果がある、高性能な光検出器ベースの可視光受信器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の態様では、可視光通信のための受信器であって、
可視光信号を受信して電気信号に変換するための、第1の方向に順次配置された複数の光検出器を有する光検出器アレイであって、各光検出器は、第1の方向及び第1の方向とは異なる第2の方向にある距離にわたって延びる、光検出器アレイと、
電気信号を処理するよう構成されるプロセッサと、
可視光信号を含む可視光線を受けて光検出器アレイに向ける(direct)よう構成される可視光透過構造体と
を備える受信器であり、
可視光透過構造体は、光入口面及び光出口面を持ち、異なる入射角で光入口面に入射する光線を、第1の方向にばらばらに広げ(spread apart)、出口面において、第2の方向に発散させる(diverge)よう構成される、受信器が提供される。
【0016】
開示される可視光透過構造体は、入射光線の二重の広がり又は発散(dual spreading or diverging)を提供する。例えば、光入口面における表面法線に対して異なる角度で可視光透過構造体に入射する、オーバーラップ領域(area of overlap)内の異なる光源の光線は、第1の方向に離間して可視光透過構造体を出るように、光検出器アレイの第1の方向に沿って分離される。斯くして、異なる光源の光線は、出口面に対向して位置付けられた光検出器アレイの異なる光検出器によって受光される。
【0017】
光検出器のアレイの特定の光検出器に入射する離間した光線の光量を最適化するために、光線は、対応する光検出器の表面領域のできるだけ大きな部分をカバーするように、第2の方向に沿って可視光透過構造体によって発散される。これにより、例えば、光検出器の活性領域のサイズ及び動作速度に関して光検出器の性能を最適化し、第2の方向における光検出器の位置の公差に対処することが可能になる。すなわち、可視光透過構造体が光検出器に比較的大量の光を向けるので、例えば、光検出器アレイの光検出器の活性領域は比較的小さくされてもよく、これにより動作速度を比較的速くすることができる。
【0018】
本開示の目的のために、用語「光検出器」又は「光センサ」は、例えば、検出回路に含まれる場合、その活性領域に入射する又は当たる可変光信号を可変電圧又は電流に変換するデバイスとして解釈されるべきである。光検出器は、増幅フォトダイオードとして機能するフォトトランジスタ、光電子発生層を有する電荷結合素子(CCD)、及び他の光電子放出性(photoemissive)、光起電力性(photovoltaic)又は光電子性(photoelectric)の検出器又はセンサ等、それらの検出メカニズムによって分類されてもよい。
【0019】
受信器の一実施形態では、可視光透過構造体の外側から見て、光入口面は、第1の方向に凹形状を含み、光出口面は、第2の方向に凸形状を含む。
【0020】
湾曲した光透過性表面を使用することによって、入射光線の広がり(spreading)が、表面の曲率を変えることにより効果的に制御及び設定されることができる。これは、とりわけ、受信器、すなわち、受信器の光入口面に、互いにわずかにだけ異なる角度で入射する、又は表面法線に対して小さな入射角で入射する、オーバーラップ領域内の異なる照明装置の光線をばらばらに広げるのに有益である。光検出器の光学活性表面領域のできるだけ大きな部分をカバーするために、出口面の曲率は、光入口面の曲率とは無関係に、最適に設定されることができる。
【0021】
受信器の一実施形態では、光入口面は、長手方向軸が第2の方向に延びる、半円筒形の凹形状を含む。すなわち、凹面は、長手方向軸が第2の方向に延び、湾曲部が第1の方向に延びる、円筒形表面の一部、すなわち、半円筒形表面として形成される。このようにして、半円筒形の光入口面の長手方向軸に直交する又は交差する入射面内で光入口面に入射する光線は、第1の方向に沿って偏向され、発散される。したがって、可視光透過構造体は、円筒形構造体の長手方向軸と交差する仮想平面内で入射する光線を第1の方向に離間させる、空間フィルタとして機能する。
【0022】
受信器のさらなる実施形態では、光出口面は、隣接して配置された複数の副面(sub-surface)を含み、各副面が、可視光透過構造体の外側から見て、第2の方向に凸形状を含む。各副面は、特定の光検出器の光学活性表面領域を横切るように上記のばらばらに広がる光線を発散させるよう最適に設計されることが可能である。
【0023】
受信器の一実施形態では、一列に並んでいない照明器具、すなわち、例えば第2の方向に互い違いに(staggered)配置されている照明器具からの光の捕捉を向上させるために、光出口面は、長手方向軸が第1の方向に延びる、半円筒形の凸形状を含む。
【0024】
受信器の別の実施形態では、副面が、長手方向軸が第1の方向に延びる、半円筒形の凸形状を含む。上述した半円筒形の凹状光入口面と組み合わされる場合、半円筒形副面の長手方向軸は、半円筒形の凹状光入口面の長手方向軸と交差する入射面と整列する。斯くして、出口面における光線は、可視光透過構造体の出口面の凸状の半円筒形副面によって画定される空間内で効果的にチャネル化(channeled)される。
【0025】
斯かる実施形態では、オーバーラップ領域内のいくつかの平行平面内の異なる照明装置から入射する光線は効果的に離間され、特定の光検出器を横切るように方向付けられる。斯くして、伝送される光信号が効果的に復号されることができる。
【0026】
一実施形態では、光検出器アレイは、第1の方向に延びる離間した光検出器の線形アレイである。斯かる受信器は、例えば、廊下、ユーティリティトンネル(utility tunnel)、街路、ハイウェイ等において長手方向に順次配置される、屋内及び屋外の両方の照明装置によって発せられる光信号を復号するために最適に構成される。
【0027】
受信器のコンパクトな実施形態は、光入口面と光出口面とが、特定の距離にわたって離間し、対向して配置されていることを特徴とする。
【0028】
可視光透過構造体の空間光線フィルタリング特性はさらに、受信器に光線が入射する方向に見て、光入口面の前方に位置付けられる絞り(diaphragm)を適用することによって向上させることができる。絞りは、光入口面に入射する光線束(bundle of light rays)の寸法を制限するための光透過アパーチャを含んでもよい。例えば、0.5〜8mmの範囲、典型的には、1mm又は5mmの直径を有する円形アパーチャ、又は第1の方向に延び、約2〜10mmの長さ及び最大で0.5〜5mmの幅の寸法を有する細長いスリット若しくはスロットタイプのアパーチャであってもよい。
【0029】
広範囲の実用的な用途に適した受信器の実施形態では、可視光透過構造体は、とりわけ、光入口面の主軸に対して0度、30度及び60度の角度の各々で入射する光線を、光検出器アレイの異なる検出器によって受けられるように広げ、広がった光線の各々を対応する光検出器に発散させるよう構成される。
【0030】
理解されるように、受信器の可視光透過構造体は、ガラス、例えばケイ酸塩ガラス等、又はポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明プラスチック若しくはポリマ材料等の単一片の光学透明材料として、とりわけ、押出しプロセスによる押出し製品として製造されることができる。これは、開示された受信器が非常に費用対効果の高い方法で製造されることを可能にし、これにより、当該受信器を、大規模での使用、例えば、様々なデバイスのためのVLCベースの測位における使用に適したものにする。
【0031】
一実施形態では、受信器のプロセッサは、変換された受信可視光信号から識別信号を抽出するよう構成される。本開示の背景技術の段落で示されたように、プロセッサは、通信及び/又は測位の目的で復号又は識別された光信号を処理するよう構成及びプログラムされてもよい。
【0032】
第2の態様では、前述のいずれかの受信器を備える端末装置、とりわけ、モバイル端末装置が提供される。光信号データを復号及び処理するためのアルゴリズムは、端末装置のプロセッサに含まれてもよいことを理解されたい。
【0033】
第3の態様では、前述のいずれかのように構成される可視光受信器に使用するための可視光透過構造体が提供される。
【0034】
本開示の第4の態様は、可視光信号を送信するよう構成される少なくとも1つの照明装置と、前述のいずれかの少なくとも1つの受信器とを含む、可視光通信システムに関する。
【0035】
第5の態様によれば、可視光受信器に入射する光線に含まれる可視光通信システムの可視光信号を処理する方法であって、受信器は、可視光信号を受信して電気信号に変換するための、第1の方向に順次配置された複数の光検出器を有する光検出器アレイであって、各光検出器は、第1の方向及び第1の方向とは異なる第2の方向にある距離にわたって延びる、光検出器アレイを有し、当該方法は、
異なる入射角で受信器に入射する光線を第1の方向に光学的にばらばらに広げる、
広がった光線を第2の方向に光学的に発散させる、
それぞれの光検出器で受けた光線の可視光信号から該それぞれの光検出器によって変換された電気信号を、電気信号から識別信号を抽出し、識別信号を処理することによって、処理する
ことを含む、方法が提供される。
【0036】
本開示の上記及び他の態様は、以下で述べられる実施形態を参照して明らかになり且つ詳述されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】屋内可視光通信(VLC)システムの典型的な適用シナリオを示す。
図2】本開示の一実施形態における可視光受信器の光学的受光部を入射光線とともに概略斜視図で示す。
図3】本開示のさらなる実施形態における可視光受信器の光学的受光部を入射光線とともに概略斜視図で示す。
図4】概略斜視図で、図3の光学的可視光透過構造体を拡大して示す。
図5図3に示される可視光受信器の光学的受光部と入射光線の正面図である。
図6図3に示される可視光受信器の光学的受光部と入射光線の側面図である。
図7】受信器の光検出器アレイが受けた光信号から変換された電気信号を処理するよう構成されるプロセッサを備える、図3に示された可視光受信器を示す。
図8】本開示による方法で実行されるステップの一例を示す簡略フローチャート図を示す。
図9a】本開示によるVLCシステムにおける可視光受信器の典型的な適用シナリオを示す。
図9b】本開示によるVLCシステムにおける可視光受信器の典型的な適用シナリオを示す。
図9c】本開示によるVLCシステムにおける可視光受信器の典型的な適用シナリオを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1の参照番号10は、典型的な屋内可視光通信(VLC)システムの一例を示す。VLCシステムは、空間又は部屋11の天井14に取り付けられた複数の照明装置12、13を含む。部屋11の照明に加えて、照明装置12、13、すなわち、発光ダイオード(LED)等の照明装置の光源は、通信目的のために光信号を生成する振幅、位相及び/又は周波数変調光線15、16を発する。
【0039】
例えば、VLCベースの測位システムでは、照明装置12、13の変調光信号は、VLCシステム10の特定の照明装置12、13を一意に識別する識別データ(ID)を送信する。
【0040】
VLCシステム10の基本的な実施形態では、例えば部屋11内を左から右へ移動する可視光受信器18の地理的位置及び移動方向は、移動中に受信器18によって受信され光信号のID、及びIDに関連する照明装置12、13の追加の地理的位置情報を受信して復号することによって確立されることができる。
【0041】
部屋11内で、参照番号17によって示される領域において、光線15、16は互いに重なり合う(オーバーラップする)。オーバーラップ領域17に存在し、受信した可視光信号を電気信号に変換するよう構成される光検出器を備える受信器18は、同時に受信した照明装置12、13両方の光信号を復号することができない。斯くして、オーバーラップ領域17内の受信器18の位置は、VLCシステム10によって決定されることができない。
【0042】
図2は、本開示による可視光受信器20の第1の実施形態の光学部品を示す。受信器20は、光検出器アレイ21を備える。光検出器アレイ21は、順次、間隔を置いて配置された複数の光検出器、例えば、フォトダイオードの放射活性面29で受ける可視光信号を電気信号に変換するよう各々構成される、7つのフォトダイオード22〜28を有する。図示の実施形態では、フォトダイオードアレイ21は、図2に示されるx、y、z座標系のx座標に沿って延びる線形アレイである。各フォトダイオード22〜28の放射活性面29は、x方向にある距離にわたって、及びy方向にある距離にわたって延びる。これらの距離は、フォトダイオード、すなわち、その放射受光面29の特定のサイズ及び形状に依存して、等しくてもよく、異なってもよい。
【0043】
フォトダイオード22〜28の前方に、すなわち、それらの放射活性面29の前方に、可視光透過体(構造体)30が位置付けられている。可視光透過構造体30は、光入口面31と、対向して間隔を置いて配置される光出口面32とを含む。光入口面31及び光出口面32、並びに光入口面31と光出口面32との間に含まれる構造体30の部分は、可視光に対して透過性又は不透明である。
【0044】
図示の実施形態では、光入口面31は、可視光透過構造体30の外側から見て凹形状を有する。図2に示されている直交するx、y、z座標系に関して、光入口面31は、半円筒形状を有し、その長手方向軸は、y座標(y方向)に沿って延び、その凹状の湾曲は、x座標(x方向)に沿って延びる。
【0045】
図示の実施形態では、光出口面32は、可視光透過構造体30の外側から見て半円筒形の凸形状を有する。しかしながら、光出口面32の湾曲は、y座標に沿って延び、凸状の半円筒形光出口面32の長手方向軸は、x座標に沿って延びる。
【0046】
可視光透過構造体30の作用を説明する目的で、光線35、36は、図示のように、半円筒形の光入口面31の長手方向軸と交差するように延びる仮想入射面33、すなわち、xz座標によって画定される平面に平行な入射面内で光入口面31に入射する(衝突する)と仮定される。
【0047】
作用時、スネルの法則に従って、入射光線35、36は、可視光透過構造体30によって第1の方向(x方向)に屈折される。光入口面31の凹形状に起因して、入射光線35、36は、屈折によって偏向され、x座標(x方向)に沿ってある角度で発散される。この角度の値は、例えば、光線35、36の入射位置における光入口面31の光軸又は表面法線に対して表されることができ、表面法線に対するそれぞれの光線の入射角、光線の入射位置における光入口面31の曲率、及び構造体30の可視光に対する屈折率、並びに光線が伝播する媒体(通常は周囲の空気)に依存する。屈折率は、真空中に加え、入射光の波長によっても異なることに留意されたい。したがって、入射光線の発散量は、放射光の色によっても異なる。
【0048】
このように偏向され発散された光線35、36は、光出口面32に入射すると屈折され、可視光透過構造体30の外側から見て光出口面32の凸形状に起因して、y座標(y方向)に沿ってさらなる角度で発散される。このさらなる角度の値は、発散される光線35、36の入射位置における光出口面32の表面法線に対して表されることができ、発散される光線の入射位置における光出口面32の曲率、可視光透過構造体30の可視光に対する屈折率、発散される光線の入射角、光線が可視光構造体30を出る際の媒体(通常は周囲の空気)、及び光の色、すなわち、光の波長に依存する。
【0049】
光出口面32の表面法線が入射面33内にある場合、光入口面31で偏向された光線35、36は、構造体30を通って進み、光出口面32において再び偏向され、それぞれ偏向された(屈折された)光線35a及び36aのように、入射面33と一致する仮想面内で光出口面32を離れる。入射面33が光出口面31の表面法線と一致しない場合、偏向される光線35、36は、例えば、それぞれ異なる入射面に対応する、光線35b、35c及び36b、36cで示されるように、y軸に沿って発散される。
【0050】
図1に示される照明装置12、13等の照明装置は、実際には、光入口面31及び光出口面32における両方の表面法線との角度を含む、それぞれの入射面内で光入口面31に入射する光線束15、16を発することに留意されたい。さらに、これらの入射面は、光入口面31の長手方向軸に沿って、すなわち、y方向に分布し、これにより、入射光線35、36を光出口面32上に効果的に広げる。
【0051】
図2に概略的に示されるように、可視光透過構造体30の光入口面31及び光出口面32は、湾曲した凹/凸レンズとして協調して作用し、フォトダイオードアレイ21に沿って第1の方向(x方向)に光線35、36を広げ、各個々のフォトダイオード22〜28、すなわち、その放射活性面29が延びる第2の方向(y方向)に光線35、36を発散させる。結果として、異なる入射角においてオーバーラップ領域17内で可視光透過構造体30に入る光線35、36は各々方向付けられる、すなわち、フォトダイオード22〜28のうちの互いに異なるフォトダイオードの放射活性面29上に分配される(散らされる)。これにより、上記で述べたように、光信号を電気信号に復号するために、最適な性能を発揮するよう特定のフォトダイオード22〜28に向けられる光量を最適化する。
【0052】
図3は、例えば、入射光線45、46、47を有する、本開示のさらなる実施形態における可視光受信器39の光学的受光部分(optical light receiving part)を示す。フォトダイオードアレイ21のフォトダイオード22〜28の前方に、すなわち、それらの放射活性面29の前方に、可視光透過体(構造体)40が位置付けられている。可視光透過構造体40は、光入口面41と、対向して離間した光出口面42とを含む。光入口面41及び光出口面42、並びに光入口面41と光出口面42との間に含まれる構造体40の部分は、可視光に対して透過性又は不透明である。
【0053】
図示の実施形態では、可視光透過構造体30の光入口面31と同様に、光入口面41は、図示のように、直交x、y、z座標系に関して同様に延びる、可視光線45、46、47の入射方向から見て、半円筒形の凹形状を有する。
【0054】
図2に示される光出口面32とは異なる光出口面42は、可視光透過構造体40の拡大斜視図である図4により詳細に示されるように、隣接して配置される複数の副面48を含む。各副面48は、可視光透過構造体40の外側から見て、y方向(すなわち第2の方向)に延びる凸形状を有し、可視光受信器39のフォトダイオードアレイ21対してx方向(すなわち第1の方向)に沿って直線的に(rectilinear )延びる。
【0055】
図示の実施形態では、副面48は、半円筒形の凸形状を含み、その長手方向軸は、x座標(x方向)に沿って延在し、隣接する導光チャネル49を形成する。
【0056】
可視光透過構造体40の長さL及び幅Wは、光線45、46、47の特定の範囲の入射角をカバーし広げるように、実質的に等しい、例えば、20〜30mmの範囲であってもよい。一実施形態では、2〜10mmの光(放射)活性面を有するフォトダイオード等の光検出器が、本発明による受信器に適用されてもよい。
【0057】
光入口面41の前方に、可視光受信器39は、受信器39に入射する光線45、46、47を受け、可視光透過構造体40の入口面41に向けるための、図面の面で見て、その上面53及び底面54に開口する光透過アパーチャ44を有する絞り50を備える。絞り50、すなわち、その上面53及び下面54は、不透明にされてもよく、例えば、可視光を透過しない材料で被覆又は覆われてもよい。
【0058】
円形アパーチャとして示されているアパーチャ44は、光受信器の有効作用範囲を設定するように、例えば、光入口面の主軸に対して0度、30度及び60度の角度の各々で入射する光線を、フォトダイオードアレイ21のフォトダイオード22〜28のうちの互いに異なるフォトダイオードによって受けられるように広げ、広がった光線45、46、47の各々が対応するフォトダイオードに発散するように、光入口面41に入射する光線束45、46、47の寸法を制限するよう作用する。
【0059】
受信器39の作用は、図5及び図6に関してさらに示される。図5は、図3に示されるように、絞り50の前面51から見た、可視光受信器39の正面図である。
【0060】
図2に関して説明したのと同様に、凹状の光入口面41に異なる角度で入射するアパーチャ44に入射する光線45、46、47は、2回屈折され、発散され、屈折(偏向)された光線45a、46a、47aとして、x方向に、すなわち、フォトダイオードアレイ21のフォトダイオード22〜28が離間する方向にばらばらに広がって、光出口面41を出る。すなわち、偏向された光線45aは、フォトダイオード24に向けられ、偏向された光線46aは、フォトダイオード22に向けられ、偏向された光線47aは、フォトダイオード25に向けられる。
【0061】
実質的に光入口面41と光出口面42との間で測定される可視光透過構造体40の(本体の)高さH、及び光入口面41の曲率半径が、特定の光線の偏向量を決定する。すなわち、光入口面41と光出口面42との間の距離が大きくなるにつれて、光線の偏向は大きくなる。一実施形態では、光入口面41の曲率は、例えば、0.01〜0.5(1/mm)であり、高さHは、例えば、1.5〜5mmに設定される。光出口面の曲率は、例えば、5〜100mmの径(radius)を有してもよい。半円筒形の実施形態では、光出口面は、例えば、0.3〜5mmの範囲の長手方向の長さを有してもよい。
【0062】
図6は、図4に示される絞り50の側面52の側面図において、偏向された光線45a、46a、47aが、y方向に見て、特定のフォトダイオードの放射活性面29上にどのように広がる(発散される)かを概略的に示す。可視光透過構造体40の半円筒形副面48のチャネル効果(トンネル効果)に起因して、発散された偏向光線45a、46a、47aは、特定のフォトダイオードの放射活性面29上に効果的に広がる。これにより、フォトダイオードアレイ21の特定のフォトダイオードにおけるアパーチャ44を通過する光量を最適化する。
【0063】
アパーチャ44の形状及び寸法は、可視光透過構造体40の出口面42の形状及び寸法、並びにフォトダイオードアレイ21のフォトダイオードの放射活性面の配置(arrangement)及び形状に最適に適合されることができることを理解されたい。
【0064】
可視光受信器20、39の可視光透過構造体30、40は、アクリル若しくはアクリルガラスとしても知られるポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の可視光透明プラスチック材料、又はケイ酸塩ガラス等のガラス等の、単一片の光学透明材料として製造されることができる。可視光透過構造体30、40は、例えば、押出しプロセスによって、又は3D印刷プロセスから製造されてもよい。
【0065】
図7は、ハウジング43内に配置された、上述した可視光透過構造体40、絞り50、及びフォトダイオードアレイ21を備える、可視光受信器39を示す。絞り50のアパーチャ44は、例えば、VLCシステム10等のVLCシステムの光信号を含む光線を受けるために、ハウジング43の外部からアクセス可能である。
【0066】
可視光受信器39はさらに、フォトダイオードアレイ21のフォトダイオードが電気的に接続される、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ、又は任意の他のプログラム可能なデータ処理装置等のプロセッサ55を備える。プロセッサ55は、フォトダイオードアレイ21のフォトダイオードが受ける光信号から生成される電気信号を処理するよう構成される。給電及びデータ入力/出力の目的で、プロセッサ55は、給電インターフェース57及びデータ通信インターフェース56に接続される。
【0067】
プロセッサ55はさらに、例えば、受信され変換された可視光信号を処理して識別信号を抽出するために、とりわけプロセッサ55のプログラムデータを記憶するための、データ記憶装置(メモリ)58に接続される。記憶装置58はまた、例えば、本開示の概要部分に開示されているように、VLCシステム内の可視光受信器の地理的位置又は座標を計算するための1つ又は複数の処理アルゴリズムを含んでもよい。
【0068】
ハウジング43は、端末装置、とりわけ、携帯電話、又は室内等で動作する清掃目的のためのロボット装置等の、特定の地理的領域で動作するモバイル装置、又はいわゆるモノのインターネット(IoT:Internet of Things)プロトコルに従って動作する装置等のモバイル端末装置を表してもよいことに留意されたい。
【0069】
図8は、簡略化したフローチャートタイプの図60で、可視光受信器に入射する光線に含まれる、VLCシステムの(1つ以上の)可視光信号を処理する方法の基本的なステップを示す。受信器は、可視光信号を受信して電気信号に変換するための、第1の方向に順次配置された複数のフォトダイオードを有するフォトダイオードアレイであって、各フォトダイオードは、第1の方向及び第1の方向とは異なる第2の方向にある距離にわたって延びる、フォトダイオードアレイを有する。
【0070】
フローチャート図60における流れの方向は、シートの上部から下部へと仮定されている。参照番号61によって示される第1のステップにおいて、光信号を含む光線が受けられる。このように受けられた光線は、第2のステップ62において、第1の方向に光学的にばらばらに広げられ、第3のステップ63において、このようにばらばらに広げられた光線は、第2の方向に光学的に発散される。
【0071】
このようにそれぞれのフォトダイオードに向けられ受信された光信号は、それぞれのフォトダイオードによって電気信号に変換され、第4のステップ64で示されるように、例えば、該電気信号から識別信号を抽出し、該識別信号を処理することによって、処理される。
【0072】
本方法は、例えば、端末装置43のマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサ42内で実行される、ソフトウェアプログラム又はコードの制御下で電気的に、適切な光学構成要素に光学的に実装され実行されてもよい。
【0073】
図9a、9b、9cは、本開示による可視光受信器70の動作を概略的に示す。受信器70は、例えば、図2及び図3を参照して図示及び述べられたように、本開示によるタイプの可視光透過構造体77、及び間隔をあけて配置されたフォトダイオード72〜76を含む線形フォトダイオードアレイ71を備える。
【0074】
照明装置81、82、83及び84を含むVLCシステム80は、それぞれの照明装置81、82、83及び84を一意に識別するデータの形態で光信号を送信する。すなわち、各照明装置81、82、83及び84は、それぞれ、特定の照明装置に対応するIDデータを含む光線85、86、87及び88を送信する。
【0075】
可視光受信器70、すなわち、受信器70が組み込まれているモバイル装置が、矢印78によって示される方向に照明装置81、82、83、84を横切って移動する場合、本開示による光受信器70の作用に起因して、図示のように、受信器70、すなわち、光透過構造体77において重なり合う光線は各々、フォトダイオード72〜76のうちの対応するフォトダイオードによって受光される。
【0076】
受信器70が図9aに示される位置にある場合、フォトダイオード72は、照明装置83の光線87を受け、フォトダイオード74は、照明装置82の光線86を受け、フォトダイオード76は、照明装置81の光線85を受ける。
【0077】
受信器70が図9bに示される位置に移動される場合、フォトダイオード73は、照明装置83の光線87を受け、フォトダイオード75は、照明装置82の光線86を受け、どのフォトダイオードも、照明装置81の光線85を受けない。
【0078】
受信器が図9cに示される位置にさらに移動される場合、フォトダイオード74は、照明装置83の光線87を受け、フォトダイオード76は、照明装置82の光線86を受け、フォトダイオード72は、新しい照明装置84から光線88を受ける。
【0079】
図から分かるように、特定の照明装置の光線は、受信器70のフォトダイオードアレイ71のフォトダイオードのうちのある特定のフォトダイオードにおいて常に受けられ、その結果、特定の照明装置の光信号は、(図9a、9b、9cには明示されていない)受信器70のプロセッサによって復号されることができる。例えば、フォトダイオード72〜76がそれぞれの照明装置81〜84のIDを続いて(subsequently)受信する順番から、このようにして復号されたIDから、及び室内における照明装置81〜84の地理的位置情報から、受信器の位置及び移動方向78は容易に決定されることができる。
【0080】
受信器の位置は、特定の光線の入射角を考慮しながらさらに正確に決定されることができる。このために、光透過構造体77は、例えば、フォトダイオード72〜76のうちの特定のフォトダイオードに、30°、45°、60°、75°又は他の適切な角度等の特定の既知の角度で入射する光線を向けるよう設計されてもよい。
【0081】
本開示は、図面及び前述の説明において詳細に図示され且つ説明されたが、斯かる図示及び説明は、図示的及び例示的に過ぎず、限定的なものと見なされるべきではない。本開示は、開示された実施形態に限定されない。
【0082】
例えば、プリズム型構造体等の、可視光透過構造体の光入口面と光出口面とが対向して離間されていない実施形態において本開示を実施することが可能である。光出口面は、放物面形状等を有してもよい。フォトダイオードアレイのフォトダイオードは、特定のフォトダイオードでの集光を向上させるために、線形ではなく、互い違い(staggered manner)に配置されてもよい。フォトダイオードアレイは、例えば、2列以上のフォトダイオードを含み、各列が、図示の第1の方向、すなわち、x方向に延び、隣接するフォトダイオードが、図示の第2の方向、すなわち、y方向に延び、例えば、並列に動作するように動作可能に結合されてもよい。図面の説明で使用される用語「フォトダイオード」は、例として解釈されるべきであり、受けた光信号を電気信号に変換するための他の任意の光センサ、フォトディテクタ又は光学素子によって置き換えられてもよい。
【0083】
開示された実施形態に対する他の変更は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の研究から、クレームされた発明を実施する際に当業者によって理解され、達成され得る。特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という単語は他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に列挙されたいくつかの項目の機能を果たすことができる。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は他のハードウェアの一部として供給される光学記憶媒体又は固体媒体等の適切な媒体上に記憶/分配され得るが、インターネット又は他の有線又は無線の電気通信システム等の他の形態で分配されてもよい。請求項中の如何なる参照符号もその範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
【国際調査報告】