特表2019-537421(P2019-537421A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-537421圧縮空気タービン直流発電機システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-537421(P2019-537421A)
(43)【公表日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】圧縮空気タービン直流発電機システム
(51)【国際特許分類】
   H02P 9/04 20060101AFI20191122BHJP
   H02K 7/18 20060101ALI20191122BHJP
   F02C 1/02 20060101ALI20191122BHJP
   H02P 103/20 20150101ALN20191122BHJP
【FI】
   H02P9/04 E
   H02K7/18 A
   F02C1/02
   H02P103:20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-538295(P2019-538295)
(86)(22)【出願日】2017年6月23日
(85)【翻訳文提出日】2019年3月25日
(86)【国際出願番号】CN2017089874
(87)【国際公開番号】WO2018227652
(87)【国際公開日】20181220
(31)【優先権主張番号】201710447309.9
(32)【優先日】2017年6月15日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519104628
【氏名又は名称】蘇州達思霊新能源科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉徳平
【テーマコード(参考)】
5H590
5H607
【Fターム(参考)】
5H590CC01
5H590CC18
5H590CC24
5H590CD01
5H590CE05
5H590EA01
5H590EB02
5H590EB03
5H590EB04
5H590EB21
5H590FA01
5H590FA06
5H590HA02
5H590HA04
5H590HA15
5H590HA27
5H590JA12
5H590JA13
5H590JA14
5H607BB02
5H607BB07
5H607CC01
5H607CC05
5H607DD03
5H607FF26
(57)【要約】
本発明は、空力タービンエンジンと、前記空力タービンエンジンの動力出力を駆動入力として直流電流を発生する直流発電機(2)と、前記空力タービンエンジンの回転数を制御して前記動力出力を発生させ、前記直流発電機(2)の出力電流及び/又は出力電圧を調整する制御ユニット(3)と、を含む圧縮空気タービン直流発電機システムを開示した。当該圧縮空気タービン直流発電機システムは、小型化及び高集積化の特徴があり、内燃力発電システムの電力密度が低く、振動、騒音が大きいなどの欠点を効果的に解消して、高い産業利用価値を有し、また電気自動車の開発中に補助電源として使用することができ、純電気自動車の航続距離の不安の問題を効果的に解決する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空力タービンエンジンと、
前記空力タービンエンジンの動力出力を駆動入力として直流電流を発生する直流発電機と、
前記空力タービンエンジンの回転数を制御して前記動力出力を発生させ、前記直流発電機の出力電流及び/又は出力電圧を調整する制御ユニットと、を含むことを特徴とする圧縮空気タービン直流発電機システム。
【請求項2】
空力タービンエンジンは、タービン室、タービン、動力出力軸、吸気調整弁、吸気口及び排気口を含み、
前記吸気口及び前記排気口はそれぞれ前記タービン室に連通し、
前記吸気調整弁は前記吸気口に設けられ、
前記タービンは前記タービン室内に設けられ、
前記タービンは前記動力出力軸に接続されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御ユニットはさらに、前記吸気調整弁に制御信号を送信し、
前記吸気調整弁は、前記制御信号を受信した場合、前記制御信号に基づいて、開閉して前記吸気口の吸気流速を動的に調整し、高圧空気を前記吸気口から前記タービン室に導入し、高圧空気の膨張仕事により前記タービンを回転させて、前記動力出力軸の回転数及びトルクを調整することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記動力出力軸は前記直流発電機のロータ軸としても使用され、前記ロータ軸上の2つの高速軸受はそれぞれ前記空力タービンエンジンの動力出力端と前記直流発電機の後端に位置することを特徴とする請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記空力タービンエンジンのケースと前記直流発電機のケースとは一体的なものであり、前記直流発電機のステータが前記空力タービンエンジンのケースに固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記空力タービンエンジンのタービンは、第1段タービン及び第2段タービンを含む2段タービン構造であり、前記第1段タービン及び前記第2段タービンは、駆動軸が同一であり、前記第1段タービンから排出された低圧空気が前記第2段タービンに送出されることを特徴とする請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御ユニットはさらに、CANバスから発電起動コマンドを受信し、前記発電起動コマンドは、前記吸気調整弁の開閉を制御し、定電流発電モード、定電圧発電モード、定電力発電モード、低電力発電モードのうちの少なくとも1種を含む前記システムの発電モードを決定するように、前記制御ユニットに指示することを特徴とする請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御ユニットはさらに、前記システムが前記低電力発電モードに移った場合、低電力の比率に基づいて前記空力タービンエンジンの動作状態を決定し、発電電力が定格電力の30%未満の場合、アイドル状態に移らせ、発電電力が定格電力の50%未満の場合、低回転数状態に移らせ、その他の場合、定格電力状態に移らせることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御ユニットはさらに、前記直流発電機の励磁制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記直流発電機に接続され、前記直流発電機の励磁制御を行う外部励磁ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記直流発電機はさらに、発電出力を整流して直流動力バスに直接接続させ、出力電流及び/又は出力電圧を前記制御ユニットにフィードバックすることを特徴とする請求項9又は10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2017年6月15日に出願された出願番号が201710447309.9である中国特許出願に基づく優先権を主張するものであり、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電気技術分野に関し、特に圧縮空気タービン直流発電機システムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、世界では、純電気自動車に用いられる様々な補助電源はいずれも、伝統的なピストン式燃料油/ガスエンジンを動力として発電する。エンジンは、技術成熟、製品多様化の現状である。しかし、このようなエンジンにおいて、燃料効率が低く、振動及び騒音が大きく、冷却システムが複雑であるという基本的な問題を解消することができない。
【発明の概要】
【0004】
上記に鑑み、本発明は、空力タービンエンジンと、
前記空力タービンエンジンの動力出力を駆動入力として直流電流を発生する直流発電機と、
前記空力タービンエンジンの回転数を制御して前記動力出力を発生させ、前記直流発電機の出力電流及び/又は出力電圧を調整する制御ユニットと、を含む圧縮空気タービン直流発電機システムを提案している。
【0005】
1つの可能な実施形態において、前記空力タービンエンジンは、タービン室、タービン、動力出力軸、吸気調整弁、吸気口及び排気口を含み、
前記吸気口及び前記排気口はそれぞれ前記タービン室に連通し、
前記吸気調整弁は前記吸気口に設けられ、
前記タービンは前記タービン室内に設けられ、
前記タービンは前記動力出力軸に接続される。
【0006】
1つの可能な実施形態において、前記制御ユニットはさらに、前記吸気調整弁に制御信号を送信し、
前記吸気調整弁は、前記制御信号を受信した場合、前記制御信号に基づいて、開閉して前記吸気口の吸気流速を動的に調整し、高圧空気を前記吸気口から前記タービン室に導入し、高圧空気の膨張仕事により前記タービンを回転させて、前記動力出力軸の回転数及びトルクを調整する。
【0007】
1つの可能な実施形態において、前記動力出力軸は前記直流発電機のロータ軸としても使用され、前記ロータ軸上の2つの高速軸受はそれぞれ前記空力タービンエンジンの動力出力端と前記直流発電機の後端に位置する。
【0008】
1つの可能な実施形態において、前記空力タービンエンジンのケースと前記直流発電機のケースとは一体的なものであり、前記直流発電機のステータが前記空力タービンエンジンのケースに固定されている。
【0009】
1つの可能な実施形態において、前記空力タービンエンジンのタービンは、第1段タービン及び第2段タービンを含む2段タービン構造であり、前記第1段タービン及び前記第2段タービンは、駆動軸が同一であり、前記第1段タービンから排出された低圧空気が前記第2段タービンに送出される。
【0010】
1つの可能な実施形態において、前記制御ユニットはさらに、CANバスから発電起動コマンドを受信し、前記発電起動コマンドは、前記吸気調整弁の開閉を制御し、定電流発電モード、定電圧発電モード、定電力発電モード、低電力発電モードのうちの少なくとも1種を含む前記システムの発電モードを決定するように、前記制御ユニットに指示する
【0011】
1つの可能な実施形態において、前記制御ユニットはさらに、前記システムが前記低電力発電モードに移った場合、低電力の比率に基づいて前記空力タービンエンジンの動作状態を決定し、発電電力が定格電力の30%未満の場合、アイドル状態に移らせ、発電電力が定格電力の50%未満の場合、低回転数状態に移らせ、その他の場合、定格電力状態に移らせる。
【0012】
1つの可能な実施形態において、前記制御ユニットはさらに、前記直流発電機の励磁制御を行う。
【0013】
1つの可能な実施形態において、当該システムはさらに、前記直流発電機に接続され、前記直流発電機の励磁制御を行う外部励磁ユニットを含む。
【0014】
1つの可能な実施形態において、前記直流発電機はさらに、発電出力を整流して直流動力バスに直接接続させ、出力電流及び/又は出力電圧を前記制御ユニットにフィードバックする。
【0015】
本発明は、小型化及び高集積化の特徴があり、内燃力発電システムの電力密度が低く、振動、騒音が大きいなどの欠点を効果的に解消して、高い産業利用価値を有する。本発明は、電気自動車の開発中に補助電源として使用することができ、純電気自動車の航続距離の不安の問題を効果的に解決する。
【0016】
本発明の他の特徴や側面は、以下、図面を参照して例示的実施例を詳しく説明することにより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
明細書に含まれて明細書の一部をなす図面は、明細書とともに本発明の例示的実施例、特徴及び側面を示し、本発明の原理を解釈するものである。
図1図1は、本発明の一実施例による圧縮空気タービン直流発電機システムの構成を示す図である。
図2図2は、本発明の一実施例による圧縮空気タービン直流発電機システムの回路原理を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の一実施例による圧縮空気タービン直流発電機システムの主制御ソフトウェアのフローを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の種々の例示的実施例、特徴及び側面を詳細に説明する。図面における同じ符号は、同一の又は類似する機能を有する素子を示す。図面には実施例の種々の側面が示されているが、特記されていない限り、その比例どおりに図面を描く必要はない。
【0019】
ここでの「例示的」という専用語は、「例、実施例として用いられるか、又は説明のためのものである」ことを意味する。ここで「例示的」に説明した実施例はいずれも他の実施例よりも好ましいか、又は良いと解釈する必要はない。
【0020】
また、本発明をより良く説明するために、以下の具体的な実施形態において具体的な細部を多く記載した。本発明は、何らかの具体的な細部が無くとも同様に実施できることは、当業者が理解すべきことである。本発明の主旨を際立たせるために、一部の実施例では、当業者に良く知られている方法、手段、素子、及び回路について詳細に記述しない。
【0021】
自動車エンジンのターボチャージ技術の改良に伴うタービン機の技術の進歩により、変換効率が著しく高くなる。本発明は、圧縮空気を動力としてタービン機により空力タービンエンジンを形成して直流発電機を駆動する新な発電システムを提案している。このような発電システムは、車上の高圧空気ボンベからの定圧の圧縮空気を動力として、タービンエンジンに動力を供給して二重突極直流発電機を発電させる。タービン機の変換効率が高い。このように、タービン機の超高回転数により電力密度が高く、体積が小さく、振動及び騒音が小さく、かつ排気が空気である(ゼロエミッション)ので、特に純電気自動車の補助電源に適用できる。特に、圧縮空気の膨張による低温で、外部からタービン機及び発電機を冷却する必要がなくなる。また、タービン機には潤滑上の問題もない。エンジンの高速軸受に対する外部冷却システムの必要がない。よって、システム全体は構造が簡単で、信頼性が高い。
【0022】
実施例1
図1は、本発明の一実施例による圧縮空気タービン直流発電機システムの構成を示す図である。図1に示すように、この圧縮空気タービン直流発電機システムは、空力タービンエンジン(単にタービンエンジン、エンジンと呼ばれる)と、前記空力タービンエンジンの動力出力を駆動入力として直流電流を発生する直流発電機(単に発電機と呼ばれる)と、前記空力タービンエンジンの回転数を制御して前記動力出力を発生させ、前記直流発電機の出力電流及び/又は出力電圧を調整する制御ユニットと、を含みうる。
【0023】
例えば、直流電流を発生し、直流定電流電力又は定電圧電力を出力するために、二重突極発電機の入力軸がタービンエンジンの出力軸に直接接続される。発電/システム制御ユニット3は、二重突極発電機2に直接電気的に接続され、CAN(Controller Area Network、コントローラエリアネットワーク)バスを介して発電コマンドを受信して、二重突極発電機2の出力電流又は電圧を動力調整することができる。発電/システム制御ユニット3は、空力タービンエンジンの回転数を管理、制御しつつ、二重突極発電機2の出力電流又は電圧を連続的に調整することができる。
【0024】
1つの可能な実施形態において、空力タービンエンジンは、タービン室1、タービン4(タービン機とも呼ばれる)、排気口5(又は、ガス吐出口と呼ぶ)、吸気口6、動力出力軸7及び吸気調整弁8を含みうる。直流発電機は、二重突極発電機2(又は、二重突極直流発電機と呼ぶ)であってもよい。制御ユニットは、発電/システム制御ユニット3とも呼ばれる。
【0025】
ここで、前記吸気口6及び前記排気口5はそれぞれ前記タービン室1に連通する。前記吸気調整弁8は前記吸気口6に設けられる。前記タービン4は前記タービン室1内に設けられる。前記タービン4は前記動力出力軸7に接続される。
【0026】
1つの可能な実施形態において、前記制御ユニットはさらに、前記吸気調整弁に制御信号を送信する。前記吸気調整弁は、前記制御信号を受信した場合、前記制御信号に基づいて、開閉して前記吸気口の吸気流速を動的に調整し、高圧空気を前記吸気口から前記タービン室に導入し、高圧空気の膨張仕事により前記タービンを回転させて、前記動力出力軸の回転数及びトルクを調整する。
【0027】
具体的に、空力タービンエンジンは、高圧空気をタービン機に直接導入し、高圧空気の膨張仕事によりタービンを回転させ、放出された低圧空気が排気口から排出される。吸気調整弁は、発電/システム制御ユニットからの制御信号を受信して吸気流速を調整して、タービンエンジン出力軸の回転数及びトルクを調整する。前記発電/システム制御ユニットは、タービンエンジンの吸気調整弁を制御してエンジンの吸気流量及び吸気流速を調整することにより、駆動モーター制御部、動力抵抗などの発電機の直流負荷が変化するときに、回転数を一定に保持することができるとともに、閉ループ制御により定電流発電又は定電圧発電を行うことができる。
【0028】
圧縮空気の変換効率を高めるために、前記空力タービンエンジンにおいて第2段タービンを増設することができる。1つの可能な実施形態において、前記空力タービンエンジンのタービンは、第1段タービン及び第2段タービンを含む2段タービン構造であってもよい。前記第1段タービン及び前記第2段タービンは、駆動軸が同一であり、前記第1段タービンから排出された低圧空気が前記第2段タービンに送出される。2段タービン構造を採用することにより、さらに、第1段タービンからの低圧空気における残りのエネルギーを動力に変換して出力することができる。これにより、タービン機の変換効率をさらに高め、システムの発電の出力電力を大幅に向上させることができる。
【0029】
実施例2
本実施例では、前記制御ユニットはさらに前記直流発電機の励磁制御を行う点で、上記実施例と異なる。前記直流発電機はさらに、発電出力を整流して直流動力バスに直接接続させ、出力電流及び/又は出力電圧を前記制御ユニットにフィードバックする。
【0030】
例えば、前記二重突極発電機2は、発電/システム制御ユニット3(例えば、その発電駆動ユニット)による励磁制御を受け、出力電圧又は電流を整流して直流動力バスに送り、発電電流及び直流電圧を発電/システム制御ユニット3にフィードバックする。本実施例において、二重突極発電機2の高周波三相動力出力を整流して直流電流を直接出力する。
【0031】
本実施例において、タービン4は発電機と同軸である。1つの可能な実施形態において、前記動力出力軸は前記直流発電機のロータ軸としても使用され、前記ロータ軸上の2つの高速軸受はそれぞれ前記空力タービンエンジンの動力出力端と前記直流発電機の後端に位置する。前記直流発電機の後端とは、発電/システム制御ユニット3側の一端をいう。
【0032】
実施例3
本実施例では、本実施例における発電システムの全体は、図1を参照すると、一体的に着脱可能な集積モジュールである点で、上記実施例と異なる。前記圧縮空気タービン直流発電機システムは、振動部品なしで設けられるので、装着時に制振構造を考慮する必要がなく、車両全体の集積機械装着及び設計の便宜を図ることができる。
【0033】
1つの可能な実施形態において、前記空力タービンエンジンのケースと前記直流発電機のケースとは一体的なものである。前記直流発電機のステータが前記空力タービンエンジンのケースに固定されている。前記空力タービンエンジンは、高圧空気の膨張中に熱を吸収し、発電機ケースを介して発電機ステータを直接冷却する。このように、発電機は放熱構造が不要であり、発電機全体の体積及び重量を減少することができる。また、前記二重突極直流発電機は、ロータの回転慣性モーメントが低いため、空力タービンエンジンの超高出力回転数に合わせて発電するのに適し、発電効率が高く、高体積出力密度を実現することができる。
【0034】
実施例4
本実施例では、当該発電システムはさらに、前記直流発電機に接続され、前記直流発電機の励磁制御を行う外部励磁ユニットを含みうる点で、上記実施例と異なる。前記直流発電機はさらに、発電出力を整流して直流電力バスに直接接続させ、出力電流及び/又は出力電圧を前記制御ユニットにフィードバックする。
【0035】
例えば、本実施例において、前記発電/システム制御ユニット3は二重突極発電機2に内蔵され、外部動力電池の動力出力を励磁源として励磁制御を行い、動力の要求に応じて発電電流(出力電流、直流電流などとも呼ばれる)又は発電電圧(出力電圧、直流電圧などとも呼ばれる)を動的かつ自発的に調整することができる。
【0036】
実施例5
本実施例では、発電/システム制御ユニット3の制御モードは、定電流発電、定電圧発電、定電力発電などを含む点で、上記実施例と異なる。
【0037】
1つの可能な実施形態において、前記制御ユニットはさらに、CANバスから発電起動コマンドを受信し、前記発電起動コマンドは、前記吸気調整弁の開閉を制御し、定電流発電モード、定電圧発電モード、定電力発電モード、低電力発電モードのうちの少なくとも1種を含む前記システムの発電モードを決定するように、前記制御ユニットに指示する。
【0038】
1つの可能な実施形態において、前記制御ユニットはさらに、前記システムが前記低電力発電モードに移った場合、低電力の比率に基づいて前記空力タービンエンジンの動作状態を決定する。発電電力が定格電力の30%未満の場合、アイドル状態に移らせ、発電電力が定格電力の50%未満の場合、低回転数状態に移らせ、その他の場合、定格電力状態に移らせる。
【0039】
前記発電/システム制御ユニットは、閉ループ制御により定電流発電又は定電圧発電を行うことができる。例えば、発電制御プロセスは、PID(Proportion Integration Differentiation、比例積分微分)閉ループ制御プロセスであってもよい。定電流発電制御モードでは、PID制御は発電電流のアウターループ制御と励磁電流のインナーループ制御で構成され、CANバスから受信したCANコマンドの目標発電電流を制御目標とし、システムの出力電圧の変化及び電流の変化につれて、実際の発電電流を速やかに調整する。定電圧発電制御モードでは、PID制御は発電電圧のアウターループ制御と励磁電流のインナーループ制御で構成され、CANコマンドからの目標発電電圧を制御目標とし、直流電流の変化及び電圧の変化につれて、実際の発電電圧を速やかに調整する。定電力発電制御モードでは、PID制御は発電電力のアウターループ制御と励磁電流のインナーループ制御で構成され、CANコマンドからの目標発電電力を制御目標とし、直流電圧の変化及び電流の変化につれて、実際の発電電力を速やかに調整する。
【0040】
上述したように、本発明に係る圧縮空気タービン直流発電機システムは、小型化及び高集積化の特徴がある。従って、純電気自動車の開発中に本システムを補助電源として選択することができ、純電気自動車の航続距離の不安の問題を効果的に解決する。本発明は、内燃力発電システムの電力密度が低く、振動、騒音が大きいなどの欠点を効果的に解消して、高い産業利用価値を有する。
【0041】
図3を参照すると、本発明の主制御ソフトウェアの作動フローの例は以下のとおりである。
【0042】
まず、システムがパワーオンされると、CANコマンドのステータスを確認し、発電起動コマンドがあるか否かを判定する(301)。発電起動コマンドがなければ、励磁をオフにし、スロットルバルブ(圧縮空気調整弁、吸気調整弁、調整弁などとも呼ぼれる)を閉じて(303)、システムを待機モードにする。
【0043】
第2、発電起動コマンド(単に起動コマンドと呼ばれる)を受信した後、システムは直ちに吸気調整弁(302)を開くとともに、タービンの回転数を監視する。回転数が目標値に達するか否かを判定する(305)。回転数が設定された目標に達することができなければ、吸気調整弁を全開にするか否かを判定する(306)。吸気調整弁を全開にしている場合、吸気圧力を確認する(307)。タービン機の吸気圧力が依然として要求を満たさない場合(308)、タービン室内の圧縮空気の圧力が不足することを意味し、システムは低電力発電モードに移る(309)。吸気調整弁が全開していない場合、吸気調整弁が故障することを意味し、調整弁故障フラグを設定してもよい(310)。この場合、システムは動作を停止し、シャットダウン状態に移る。
【0044】
第3、回転数が設定目標に達すると、システムは通常動作状態に移る。発電機の励磁制御を行う(311)。 システムは、CANコマンドに基づいて、例えば、定電流発電モード、定電圧発電モード及び定電力発電モードを含む発電モードを決定する(312)。
【0045】
第4、システムが低電力発電モードに移る必要があると判定された場合(313)、低電力の比率に基づいて前記空力タービンエンジンの動作状態を決定する。 例えば、発電電力が定格電力の例えば30%未満の場合、アイドル状態に移らせ、発電電力が定格電力の例えば50%未満の場合、低回転数状態に移らせ、その他の場合、定格電力状態に移らせる。
【0046】
本開示は、応用の必要に応じて、圧縮空気を動力として空力タービンエンジンにより二重突極直流発電機を駆動して、定電流発電又は定電圧発電などを含む発電を行い、純電気駆動の電気自動車などの補助電源に適用する。
【0047】
以上に本発明の各実施例を説明した。上記説明は網羅的なものではなく、例示的なもので、かつ開示された各実施例に限定されるものではない。説明された各実施例の範囲及び趣旨から逸脱しない限り、多くの修正及び変更は当業者には自明であろう。本明細書に使用される用語の選択は、各実施例の原理、実際の応用又は市場における技術の改良を最もよく説明するか、あるいは本明細書に記載された各実施例を当業界の他の一般的な技術者に理解してもらうためのものである。
【符号の説明】
【0048】
1 タービン室
2 二重突極発電機
3 発電/システム制御ユニット
4 タービン
5 ガス吐出口
6 吸気口
7 動力出力軸
8 吸気調整弁
図1
図2
図3
【国際調査報告】