特表2019-537464(P2019-537464A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2019-537464神経インターフェースへのコネクタを有する頭部装着型ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2019-537464(P2019-537464A)
(43)【公表日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】神経インターフェースへのコネクタを有する頭部装着型ユニット
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20191129BHJP
   A61N 1/378 20060101ALI20191129BHJP
   A61B 5/0408 20060101ALI20191129BHJP
   A61B 5/0478 20060101ALI20191129BHJP
   A61B 5/05 20060101ALI20191129BHJP
   A61F 11/00 20060101ALI20191129BHJP
   H04R 25/00 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   A61N1/36
   A61N1/378
   A61B5/04 300M
   A61B5/05 N
   A61F11/00 315
   H04R25/00 R
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-518988(P2019-518988)
(86)(22)【出願日】2017年10月6日
(85)【翻訳文提出日】2019年5月21日
(86)【国際出願番号】EP2017075555
(87)【国際公開番号】WO2018065609
(87)【国際公開日】20180412
(31)【優先権主張番号】102016219511.5
(32)【優先日】2016年10月7日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100085497
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 秀隆
(72)【発明者】
【氏名】ハルチョス,タマス
【テーマコード(参考)】
4C053
4C127
【Fターム(参考)】
4C053JJ11
4C053JJ21
4C053KK01
4C127AA01
4C127DD02
4C127JJ03
4C127LL13
(57)【要約】
ヘッドホンまたはヘッドバンドの形状を有する頭部装着型ユニットである。この頭部装着型ユニットは、神経インターフェース(5a,5b,5'')と接続するためのコネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')と、神経インターフェース(5a,5b,5'')に向けて送信されるべき信号を処理するため、または神経インターフェース(5a,5b,5'')から受信された信号を処理するための処理ユニット(16)と、電源(18)とを備えている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドホンまたはヘッドバンドの形状を有する頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')であって、
少なくとも1つの神経インターフェース(5a,5b,5'')と接続するための少なくとも1つのコネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')と、
前記少なくとも1つの神経インターフェース(5a,5b,5'')に向けて送信されるべき信号を処理するため、または前記少なくとも1つの神経インターフェース(5a,5b,5'')から受信された信号を処理するための、1つまたは複数の処理ユニット(16)と、
電源(18)と、
を備える頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')が、トランスキュテイヌス・コネクタまたはパーキュテイヌス・コネクタとして実現される、請求項1に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')が、前記神経インターフェースと無線通信し、および/または前記神経インターフェースに電気エネルギーを無線で供給するよう構成された電磁放射コネクタである、請求項1または2に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')が、前記接続神経インターフェースへの接続を確立するために、無線信号、電磁信号、誘導信号および/または光信号を使用するように構成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項5】
前記神経インターフェース(5a,5b,5'')が神経刺激装置を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項6】
前記神経インターフェース(5a,5b,5'')が、神経、聴覚神経、視神経、脳幹、皮質、迷走神経、または深部脳の上、その中、またはその近傍に配置された、刺激装置またはインプラントを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項7】
前記神経インターフェース(5a,5b,5'')が、特定の神経もしくは脳の領域上、その中、またはその近傍に配置された神経記録装置またはインプラントを備え、神経活動を記録するように構成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項8】
前記神経インターフェース(5a,5b,5'')が、皮質および/または末梢神経系から神経活動を記録する神経記録装置を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項9】
神経活動を受信するよう構成された頭皮ユニットをさらに備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項10】
前記頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')が1つ以上のサラウンドセンサ(21)を備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項11】
前記1つ以上のサラウンドセンサ(21)が、1つのマイクロホン、複数のマイクロホン、異なる方向を指向する少なくとも2つのマイクロホン、および/または、ビーム形成を実行するように構成された少なくとも3つのマイクロホンを備える、請求項10に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項12】
前記プロセッサ(16)が、1つ以上のマイクロホンを介して受信されたオーディオ信号のバイノーラル処理を実行し、前記コネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')を使用しながら、前記頭部装着型ユニットに接続された前記神経インターフェース(5a,5b,5'')を介してバイノーラル合成を出力するように構成される、請求項10に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項13】
前記サラウンドセンサ(21)が少なくとも1つの視覚センサを備え、前記プロセッサ(16)が、前記コネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')を使用して、前記視覚センサを介して受信された視覚信号を前記頭部装着ユニットに接続された前記神経インターフェース(5a,5b,5'')へと伝送するように構成される、請求項9または請求項7〜9のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項14】
前記頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')が、周辺機器と通信するため、および/または通信インターフェース(19)を介して信号を受信し、前記コネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')を使用しながら前記頭部装着型ユニットに接続された前記神経インターフェース(5a,5b,5'')を介して前記信号を伝送し、および/または前記通信インターフェース(19)を介して前記コネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')を使用しながら前記頭部装着型ユニットに接続された前記神経インターフェース(5a,5b,5'')から信号を伝送するための、通信ユニットを備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項15】
前記電源(18)がバッテリおよび/または再充電可能なバッテリを備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項16】
電源(18)がエネルギーハーベスタおよび/またはソーラー・ユニットを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項17】
前記1つ以上のサラウンドセンサ(21)が、異なる方向を指向する少なくとも2つのマイクロホン、またはビーム形成を実行するように構成された少なくとも3つのマイクロホンを備える、請求項10に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項18】
2つの蝸牛インプラント(5a,5b)と通信するように構成された2つのコネクタ(12a,12b)を備える、請求項1〜17のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項19】
ヘッドホンまたはヘッドバンドの形状を有する頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')であって、
神経活動を受信するように構成された神経インターフェースとしての少なくとも1つの頭皮ユニットと、
前記少なくとも1つの神経インターフェースから受信された信号を処理するための1つまたは複数の処理ユニット(16)と、
電源(18)と、
を備える頭部装着型ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ヘッドホンまたはヘッドバンドの形状を有し、神経インターフェース(neural interface)に接続するためのコネクタを含む頭部装着型ユニット(head wearable unit)に関する。
【0002】
神経インターフェースは、典型的にはインプラントされたユニットであり、特定の神経または神経線維、またはインプラントされた人のニューロンと密接に接触している。神経インターフェースは、刺激装置(例えば、プロテーゼの知覚装置: prosthetic sensory device)または神経記録装置として作用することができ、または両方の組合せでありうる。
【0003】
蝸牛インプラント、網膜インプラント、脳幹インプラント、皮質インプラント(cortical implant)、脳深部刺激用のインターフェースおよび/または迷走神経刺激用のインターフェースは、神経刺激装置の例である。神経記録装置は、皮質(cortex)または末梢の神経系からの信号を記録することができる。さらに、外部から神経活動を記録するように構成された、脳波記録(EEG)ユニットとも呼ばれる、頭皮ユニットのようなインプラントされていない神経インターフェースが存在する。
【0004】
計算技術の進化し続ける小型化と良好で利用可能な生体適合性とにより、神経プロテーゼ(neural prostheses)、特に蝸牛および網膜インプラントのような知覚プロテーゼが普及してきた。これらのインプラントは作動するとほぼ言えるが、それらが仮に種々の感覚[非特許文献1]、[非特許文献2]、[非特許文献3]の神経処理に既に利用可能な計算モデルを利用した場合、それらの性能はかなり改善され得るであろう。しかしながら、神経処理の高度モデルのリアルタイム・シミュレーションは、はるかに多くのエネルギーを消費する[非特許文献4]。残念なことに、バッテリに対するムーアの法則(Moore's law)は存在せず[非特許文献5]、このことは、進歩したモデルを使用するであろう−現在典型的な−耳掛け型(behind-the-ear)インプラントプロセッサを、それらの通常のサイズで構築するために必要なスケールにおいては、エネルギー源をより小型化することができないことを意味する。したがって、改善されたアプローチが必要となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】[1] W. Nogueira, A. Katai, T. Harczos, F. Klefenz, A. Buechner, and 8. Edler, "An Auditory Model Based Strategy for Cochlear Implants," in Proc. 29th Annu. Int. Conf IEEE EMBS, Lyon, France, 2007, pp. 4127-4130.
【非特許文献2】[2] T. Harczos, A Chilian, and P. Husar, "Making use of auditory models for better mimicking of normal hearing processes with cochlear implants: the SAM coding strategy," IEEE Trans. Biomed. Circuits Syst, vol. 7 (4), pp. 414-425, 2013.
【非特許文献3】[3] B. S. Wilson and M. F. Dorman, "Cochlear implants: Current designs and future possibilities," J. Rehahil. Res. Dev, vol. 45 (5), pp. 695--730, 2008.
【非特許文献4】[4] T. Harczos. "Cochlear implant electrode stimulation strategy based on a human auditory model," PhD dissertation, Department of Electrical Engineering and lnfonnation Technology, Ilmenau University of Technology, 2015.
【非特許文献5】[5] F. Schlachter, "No Moore's Law for batteries," PNAS, vol. 110 (14), p.5273, 2013.
【非特許文献6】[6] M Jeschke and T. Moser, "Considering optogenetic stimulation for cochlear implants," Hear. Res, vol. 332, pp. 224-234, 2015.
【非特許文献7】[7] Online resource: http://www.cochlear.com/wps/wcm/connect/us/recipients/nucleus-6/nucleus-6-accessories/customize (last browsed on 2016-02-19).
【非特許文献8】[8] Online resource: http://www.medel.com/us/skins/ (last browsed on 2016-02-19).
【非特許文献9】[9] Online resource: http://www.wpzses.com/images/large/Jv/Monster-Beats-Studio-Ferrari-7 04 LRG.jpg (last browsed on 2016-02-19).
【非特許文献10】[10] E. A Lopez-Poveda, A. Eustaquio-Martln, J. S. Stohl, R D. Wolford, R. Schatzer, B. S. Wilson, "A Binaural Cochlear Implant Sound Coding Strategy Inspired by the Contralateral Medial Olivocochlear Reflex," Ear Hear, vol. 37 (3), pp. e138-el48, 2016.
【非特許文献11】[11] B. Laback and P. Majdak, "Binaural jitter improves interaural timedifierence sensitivity of cochlear implantees at high pulse rates," PNAS, vol. 105 (2), pp. 814-817, 2008.
【非特許文献12】[12] A. Buechner, K-H. Dyballa, P. Hehrmann, S. Fredelake, and T. Lenarz, "Advanced Beamforrner.; for Cochlear Implant Users: Acute Measurement of Speech Perception in Challenging Listening Conditions," PLoS ONE, vol. 9 (4), 9 pages, DOI: 10.1371/journal.pone.0095542, 2014.
【非特許文献13】[13] K. Kokkinakis, B. Azimi, Y. Hu, and D. R Friedland, "Single and Multiple Microphone Noise Reduction Strategies in Cochlear Implants," Trends in Amplification, vol. 16 (2), 102-116, 2012.
【非特許文献14】[14] S. Debener, R. Emkes, M. De Vos, M. Bleichner, "Unobtrusive ambulatory EEG using a smartphone and flexible printed.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、制限されたバッテリ容量と制限されたプロセッサ性能とに起因する障害を回避することを可能にする概念を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、独立請求項の主題によって解決される。
【0008】
本発明の実施形態は、ヘッドホン又はヘッドバンドの形状を有する頭部装着型ユニットを提供する。頭部装着型ユニットは、電磁放射コネクタのような少なくとも1つのコネクタ、または一般的には、蝸牛インプラントのような神経インターフェースを接続するための無線または有線のコネクタを備える。このユニットは、神経インターフェースから受信されるか、または神経インターフェースを介して送信されるべき、信号を処理するための(単一コアまたはマルチコア)プロセッサをさらに含む。さらに、このユニットは、例えば、充電式バッテリなどのバッテリ、またはソーラーパネルなどの一種のエネルギーハーベスタのような電源を備える。ここで、この接続は、神経インターフェースと通信し、および/または電気エネルギーを神経インターフェースに提供するという目的を有してもよい。
【0009】
本発明の実施形態は、「ヘッドホンプロセッサ」が、ヘッドホンまたはヘッドバンドの形成要素に容易に埋め込まれる、より高い容量のバッテリによってサポートされる計算能力を増大させるのを助ける、という原理に基づいている。蝸牛インプラント(CI)用のいくつかの進歩した信号処理スキームが開発されてきたが、実際の身体装着型インプラントの障害は、常に処理能力およびバッテリ寿命であった。これらの障害は、電源とプロセッサとをヘッドホンまたはヘッドバンドに統合する場合に克服することができる。設計上の観点からみると、ヘッドホンがライフスタイル製品になっており、公然とヘッドホンを着用すること、及びヘッドホンを着用する姿を見られることが流行にもなっているので、この形状は意味がある。このヘッドホン/ヘッドバンドは、さらなる実施形態に関して説明されるように、さらなる利点を有する。
【0010】
コネクタ(ヘッドホンの一部)とインプラント(典型的には頭蓋または頭皮の数ミリメートル下に配置される)との間の接続は、実施形態によれば、電磁放射(例えば誘導または無線周波数リンク)、すなわち無線、または電気、すなわち有線、または半透明または光ファイバベースの伝送(またはこれらの任意の組合せ)を介した光を使用して、実現することができる。パーキュテイヌス接続(percutaneous connection)は、このような有線またはファイバベースの伝送を可能にする一方で、トランスキュテイヌス接続(transcutaneous connection)は、有線伝送を可能にする。
【0011】
別の実施形態は、1つまたは複数のサラウンドセンサを備える頭部装着型ユニットを提供する。実施形態によれば、サラウンドセンサは、1つのマイクロホン、複数のマイクロホン、異なる方向を指向する少なくとも2つのマイクロホン、および/またはビーム形成を実行するように構成された少なくとも3つのマイクロホンを備えることができる。ここで、ヘッドホン形状の利点は、マイクロホンをさらに離して配置することができ、特別な音場をより良好に再現できるように、異なる方向を指向させることも可能なことである。ここでは、この形状は、第2の利点、即ち1つのユニットがユーザに対しその両方の耳に信号を提供できるという利点を有する。しかしながら、神経インターフェースを介して両側(左と右)の蝸牛神経を接続する必要はないことに注意すべきである。例えば、一方の耳は、上述したコネクタを用いて、神経インターフェースとしてのCIに接続され他方の耳は、ヘッドホンの一般的な音響インターフェースに接続されてもよい。ここで、さらなる実施形態によれば、ヘッドホンのプロセッサは、コネクタおよび神経インターフェースを介して、バイノーラル合成を出力するために、1つ以上のマイクロホンを介して受信されたオーディオ信号のバイノーラル処理を実行するよう構成されてもよい。これは、ユーザに対して音響信号の空間情報を提供できる点で有利である。
【0012】
別の実施形態によれば、サラウンドセンサは、カメラなどの1つまたは複数の視覚センサを備えることができる。この場合、神経インターフェースは、典型的には、CIではなく、網膜インプラントである。従って、プロセッサは、カメラからの信号を処理し、コネクタを介して神経インターフェース/網膜インプラントに対してその信号を出力する。ここで、ヘッドホン設計は、視覚センサの良好な位置決めを可能にするので、有意義である。
【0013】
さらなる実施形態によれば、電源は、バッテリまたは再充電可能なバッテリを備えることができ、再充電は、追加の実施形態によれば、内部的デバイス、すなわち、ソーラーパネルなどのエネルギーハーベスタを使用して実行することができる。一実施形態によれば、インプラントが完全に埋没されている場合には、パーキュテイヌス接続またはトランスキュテイヌス接続は、その1つ又は複数のインプラントにエネルギーを供給するためのみ、例えばそれらの内部電池を充電するためにのみ使用される。この場合、プロセッサは、電子機器に充電する任務を引き受け、ここで神経インターフェースに送信される信号は、エネルギー信号である。
【0014】
別の実施形態は、無線インターフェースなどの通信インターフェースを備え、コネクタおよび神経インターフェースを介して外部からの信号をユーザに送信することを可能にする頭部装着型ユニットを提供する。逆に、神経インターフェースは、上述したように神経記録装置であってもよい。後者の環境では、通信インターフェースは、神経インターフェースから受信された信号を、例えば医療装置などの外部装置に送信することを可能にする。この環境では、神経インターフェースを含む一般的に使用されるヘッドセンサの代わりに、より快適な装置を使用することが可能になる。この場合、神経インターフェースは、頭皮ユニットとして実現されてもよく、即ち、インプラントされた部分として実現されなくてもよいことに留意されたい。
【0015】
一実施形態によれば、頭皮ユニット又は神経記録装置は、CIのような刺激装置と組み合わせてフィードバックループを構成することを可能にする。これは、刺激に対するユーザの生理学的反応を直接測定し、例えば刺激手順を適応させることができるという利点を有する。
【0016】
本発明の一態様は、ヘッドホンまたはヘッドバンドの形状を有する頭部装着型ユニットを提供する。この頭部装着型ユニットは、神経活動を受信するように構成された神経インターフェースとしての頭皮ユニットと、神経インターフェースから受信される信号を処理するプロセッサと、電源とを備える。
【0017】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1a】第1実施形態にかかる、神経インターフェースとして神経刺激装置を接続するヘッドホン形状を有する頭部装着型ユニットの概略図である。
図1b】第2実施形態にかかる、神経インターフェースとして神経刺激装置を接続するヘッドバンド形状を有する頭部装着型ユニットの概略図である。
図1c】第3実施形態にかかる、神経インターフェースとして神経記録装置を接続するヘッドホン形状を有する頭部装着型ユニットの概略図である。
図2】進化した実施形態にかかる、ヘッドホン形状を有する頭部装着型ユニットの概略図である。
図3】進化した他の実施形態にかかる、ヘッドホン形状を有する頭部装着型ユニット(の一部)の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。ここで、同一または類似の対象物には同一の参照符号を付し、その説明は相互に適用可能であり、相互に置換可能である。
【0020】
図1aは、2つのイヤホン14a,14bを有するヘッドホン10を示している。従来のヘッドホンとは対照的に、このヘッドホン10は、CIのような神経インターフェース5aおよび5b用の1つまたは複数のコネクタ12aおよび12bを備えている。さらに、ヘッドホン10は、プロセッサ16および電源18を備えている。
【0021】
ここではトランスキュテイヌス通信コネクタであるコネクタ12aおよび12bは、蝸牛インプラント5aおよび5bと通信するように構成されている。一つは右耳用でもう一つは左耳用の2つの蝸牛インプラント5aおよび5bは、ユーザ1の頭部にインプラントされ、聴覚神経または音響神経とも呼ばれる蝸牛神経と密接に連係され、それにより神経刺激装置として作動する。蝸牛インプラントの典型的な位置に起因して、コネクタ12a及び12bは、ユーザ1の両耳に近接して配置される。
【0022】
コネクタ12aおよび12bは、蝸牛インプラント5aおよび5bと通信するように構成される。したがって、コネクタ12aおよび12bは、ユーザ1の頭部の外部から頭部内に配置された蝸牛インプラント5aおよび5bに通信するように構成されたコイル、アンテナまたは誘導性インターフェース(一般的には、近距離無線通信インターフェース)を備えることができる。ここで、各インプラント5aおよび5bは、任意選択で、コネクタ12aおよび12b用の相対部(図示せず)を有していてもよい。この相対部は、インプラント5aおよび5b内に配置されてもよく、あるいは、皮膚下に別個の要素として配置され、かつ例えば細い配線を用いて、インプラント5aおよび5bに接続されていてもよい。コネクタ12aおよび12bは、−代替的または追加的に−インプラント5aおよび5bにエネルギーを供給するよう構成されてもよいことに留意されたい。この代替的な実施形態によれば、光接続が行われてもよい。
【0023】
例えばA31S ARM Cortex−A7 CPUのような、コネクタ12a及び12bへの信号を処理するプロセッサ16(配線15を参照)は、ヘッドホン10のヘッドギア13内に配置される。ここでは、電源18、例えば充電式バッテリパックも配置される。ヘッドギア13または一般的にはヘッドホン10は、高い容量を有するバッテリとともに、高い計算能力のプロセッサに十分なスペースを提供する。以下では、新たな形成要素を有する神経プロテーゼの利点について説明する。
【0024】
[非特許文献2]では、聴覚モデルベースのCI信号処理戦略が導入され、CIユーザ[非特許文献4]に対して、(CIユーザによって知覚される際に)より良好なピッチ識別とスピーチ及び音楽の品質向上とを含む、有意な利益をもたらすことが示された。
【0025】
シミュレーションはまた、新規な戦略のバイノーラルの使用により、CIユーザ1が、はるかに良好な音源定位作業を実行できるようになることを示した。このアルゴリズムの計算上の難点は、聴覚モデルであることが示された。平均的なPCは、このモデルをリアルタイムでシミュレートすることができるであろうが、現在のCIプロセッサ16はそうではない。最近、現在採用されている頭蓋底膜(basilar membrane)サブモデルをより単純なもの([非特許文献4]第123−124頁参照)と交換することの効果が研究されている。定性的には、得られた刺激パターンは元のものとは顕著に相違しなかったことが見出された(しかしながら、定量化はまだ行われていない)。さらに、得られた複合モデルは、以前よりも約80%速くシミュレートすることができた([非特許文献4]第80−81頁参照)。このような増加によってもまだ、現在のCIプロセッサ16における直接的な使用が可能になる訳ではないが、試験で(20個のCI電極に対する刺激パターンを計算する)は、得られたアルゴリズムが、主としてタブレットおよびスマートフォンで使用される、中間レンジ、低電力、18x18x0.65mmプロセッサであるA31S ARM Cortex−A7 CPU上で円滑に実行されることが示された。例えば将来の光蝸牛インプラント[非特許文献6]において、現在のCIシステムよりも実質的に多くの刺激チャネルが存在する場合、現在のプロセッサは、必然的に、生体由来の刺激パターン(bio-inspired stimulation patterns)を計算する際に支障となるであろう。上記のような安価なCPU16であっても、神経プロテーゼの信号処理を可能にする、全く新たな世界を切り開く可能性がある。
【0026】
必要となる電力は、ヘッドギア13又はスピーカハウジング14a/14bに内蔵された電源18として、リチウムイオン電池によって容易に提供することができる。
【0027】
CI/神経インターフェース5aおよび5bを接続するためのコネクタ12aおよび12bにとってのキャリアとして、ヘッドホンを使用する別の動機づけ要因は、ヘッドホンがライフスタイル製品となる潜在能力を有することである。種々のヘッドホンが既にこの資質を有しているが、蝸牛インプラントシステムの目に見える部分(耳掛け型またはBTEのようなプロセッサ)は、見えない状態から人目に付く状態への移行過程にある。CIのメーカーは、現在のところ、様々な色のプロセッサを提供する一方で、カラフルなカバー[非特許文献7]及び(サードパーティを介して)高度にカスタマイズ可能なスキン[非特許文献8]を提供している。これらの事実は、それら2つの組合せ、即ちヘッドホンエンクロージャ10内にCIプロセッサ16が組み込まれることが、CIユーザによって実際に十分に受け入れられ得るであろうことを暗示している。
【0028】
さらなる動機づけ要因は、解剖学的問題である。現在のCIプロセッサは外観においてカスタマイズ可能であるが、サイズおよび形状においては、そうではない。残念なことに、CIユーザ1の中には、プロセッサ形状と彼らの耳介(e)の解剖学的特性との間の不適合性に起因して、彼らのBTEプロセッサ(複数可)を装着する際に問題を抱える人が少なくない。現在、この問題についての唯一の利用可能な対処法は、身体装着されるプロセッサに戻ることであるが、これは、より多くのケーブルと、典型的には音声入力の品質を低下させることを意味する。なぜなら、身体装着されるユニットのマイクロホンが必ずしも目標音源の方向を指向していないからである。カスタマイズ可能な耳パッドクッション14acおよび14bcを有するヘッドホンエンクロージャ10は、真の代替品となり得る。
【0029】
1つまたは複数の神経コネクタ12aおよび12b、プロセッサ16および電源18のような、ヘッドホン10に組み込まれる構成要素は、図1に示されるように、配線15によって互いに接続されていることに留意されたい。
【0030】
図1bに関して、別の頭部装着型ユニット、すなわちヘッドバンド10'について説明する。図1bは、図1aのヘッドホン10に匹敵するヘッドバンド10'を示すが、その形状は異なる。
【0031】
ヘッドバンド10'は、トランスキュテイヌス・コネクタ12aおよび12bの代わりに、パーキュテイヌス・コネクタ12a'および12b'を含む。パーキュテイヌス・コネクタ12a'および12b'は、ユーザ1の頭皮の下に配置された相対部7aおよび7bを有し、相対部7aおよび7bは、配線によってCI5aおよび5bに接続されている。ヘッドバンド10'の他の構成要素15、16および18は、図1aの実施形態に関して説明したものと同じである。
【0032】
もちろん、トランスキュテイヌス・コネクタ12aおよび12bはヘッドバンド10'と組み合わせて使用することもできるし、またはその逆に、パーキュテイヌス・コネクタ12a'および12b'をヘッドホン10と共に使用することもできる。1つの装置内でトランスキュテイヌス・コネクタとパーキュテイヌス・コネクタとを組み合わせることも可能である。
【0033】
図1cは頭部装着型ユニット10に匹敵する頭部装着型ユニット10''を示しているが、これはコネクタ12''を使用して別の神経インターフェース5''に接続されている。ここでは、神経インターフェース5aおよび5bの代わりに神経インターフェース5''が用いられ、ここで、5''は、例えば、皮質から神経活動を記録する神経記録装置である。この記録装置(例えば、電極のアレイ)は、皮質と接触するか、または皮質と接続され、神経活動、特に皮質に関連する神経活動を受信し、モニターするように構成される。したがって、神経インターフェース5''は、必ずしも耳の隣に設けられる必要はなく、ユーザ1の頭部上のどこか他の場所に設けられてもよい。
【0034】
この実施形態では、ユニット10''は脳活動を受信しモニターする目的を有する。受信された脳活動は、プロセッサ16を使用して処理されるか、またはプロセッサ16に含まれるメモリを使用して記憶されることができる。
【0035】
例えば、[非特許文献12]に示されるように、図3に図示されるような脳波記録(EEG)目的のために耳パッドクッション14a/14b内にレトロな又は耳周りの記録電極22を組み込むことも容易に考えられる。これらは、プロテーゼ装置のパラメータをフィッティングする、目的のおよび/または閉ループの方法をサポートすることができる。
【0036】
さらなる実施形態では、頭部装着型ユニット10''は、例えば、無線または有線として実現可能なコンピュータインターフェースなどのインターフェース19を備える。このインターフェース19は、神経インターフェース5''および(トランスキュテイヌスまたはパーキュテイヌスの)コネクタ12''を使用して、プロセッサによって記録されたデータの出力を可能にする。このインターフェース19は、装着型ユニット10''とそれを介するCI5aおよび5bとを、例えばBluetooth(登録商標)オーディオなどのオーディオソースに接続するためにも、使用することができる。インターフェース19の別の使用形態は、プロセッサによって使用されるソフトウェアの更新または編集である。ここで、新たな特徴は、ソフトウェア更新によって構成されることができる。さらに、フィッティング手順を実行することができ、フィッティングは、典型的には、処理のために使用されるパラメータの修正を含む。
【0037】
(BTEエンクロージャと比較して)ハウジング13のサイズを大きくすることは、より良好な無線接続19を可能にするであろう。すなわち、より多くの(かつより高性能の)アンテナをこの装置に取り付け可能になるだけでなく、直接視線(赤外線など)を必要とする送信機および受信機を容易に配置することもできる。さらに、無線送信電力に対する安全性の制約は、アンテナを頭蓋から遠くに配置することにより、さらに容易に遵守され得るであろう。
【0038】
上記の実施形態では、神経インターフェース5a、5b、5''が、蝸牛インプラントの文脈、及び皮質的神経記録装置の文脈で説明したが、視覚的インプラント、聴覚的インプラント、認知的インプラント(cognitive implants)または一般的に頭脳コンピュータインターフェースのような他のインターフェースも使用可能であることは明らかである。ここで、神経インターフェースが外部からユーザ1へデータの送信を可能にするか、またはユーザ1から外部へデータの送信を可能にするかは、違いはない。
【0039】
図2に関連して、ヘッドホン10の進化した実施形態を説明する。図2は、ヘッドホン10に実質的に対応するヘッドホン10'''を示し、このヘッドホン10'''は追加のサラウンドセンサ21を備えている。
【0040】
サラウンドセンサ21は、周囲から音響信号を受信し、それをプロセッサ16を用いて処理し、その処理済み信号を、コネクタ12a'および12bを介して1つまたは複数の蝸牛インプラント5aおよび5bによってユーザ1へ送信することを可能にする、マイクロホンまたは好ましくはマイクロホン配列であってもよい。
【0041】
ここで、ヘッドホン設計によって、より良好なマイクロホン又はより多数のマイクロホンをヘッドギア13内に集積するためのより大きなスペースが可能になる。
【0042】
スペースの制限が緩和されることにより、わずかに大きなスペースを必要とするが、より良好な応答特性を有する複数のマイクロホン21を使用することができる。設計段階のマイクロホン配置は、様々な方向に面する表面を利用することができるであろうし、より進歩したビーム形成[非特許文献12]、及びノイズ抑制アルゴリズム[非特許文献13]をサポートするであろう。
【0043】
頭部装着型ユニットは、例えば、共通のトランスデューサ又はコネクタ12a/12b及び神経インターフェース5a/5bを介して、両耳に音響データを供給できるように配置されているので、この形状は、直接的な両耳間/インターラテラルの接続に関して追加的な利点をもたらす。
【0044】
提案のプロセッサ16の実施形態では、左側と右側との間の直接(有線)接続は困難なく実現でき、これは、より精緻なバイノーラル処理アルゴリズムをより容易にかつよりエネルギー効率的に実装できることを意味する。中間オリーブ蝸牛束反射(medial olivocochlear reflex)のエミュレーションを容易に実施することができ、これにより、より良好な左右分化(lateralization)をサポートし、ノイズの存在下で信号対雑音比を改善できるであろう[非特許文献10]。両耳的にコヒーレントなジッタは、蝸牛インプラントされた人の高パルスレートにおける両耳間時間差感度をさらに改善するであろうし[非特許文献11]、したがって、音源定位をサポートするであろう。上記(及び他のバイノーラル)アルゴリズムに必要とされる両耳間通信は、人体に絶えず放射し、エネルギーを消費する、無線の身体領域ネットワーク及び他の無線ソリューションを必要としないであろう。
【0045】
さらに、多くの聴覚障害患者は、二様式的(bimodally)にフィットされ得ることに留意すべきである。これは、彼らの左耳および右耳が、完全に異なる刺激パラダイム(補聴器、骨固定補聴器、直接蝸牛刺激装置、蝸牛インプラント、脳幹インプラントなど)に基づく装置を備え得ることを意味する。種々の聴覚装置の処理ユニットは、提案のエンクロージャ内に、より容易に収容されかつインターフェースされることができる。
【0046】
上述したように、さらなる実施形態によれば、電源(18)は、ヘッドバンド(13)の頂部に取り付けられるソーラーパネルによって強化されることができ、バッテリの消耗に対抗することができる。代替的に、振動を電気エネルギーに変換するハーベスタのような他のエネルギーハーベスタを使用することもできる。
【0047】
また、上述した実施形態では、頭部装着型ユニットがヘッドホンである場合について説明してきた。この装着型ユニットは、ヘッドホンと同じ利点を可能にするヘッドバンドのような異なる形状を有してもよいことに留意すべきである。
【0048】
以下に、異なる構成を有する追加の実施形態を説明する。一実施形態は、神経インターフェースの処理ユニットを収容するためのヘッドホンまたはヘッドバンドに似た、頭部装着エンクロージャを提供し、これは、装置の長期間の快適な装着を可能にし、その一方で電子部品および他の部品が要求する十分なスペースを提供する。
【0049】
さらなる実施形態によれば、神経インターフェースは、刺激装置(例えば、プロテーゼ知覚装置)または神経記録装置として作用することができ、または両方の組合せであってもよい。刺激神経インターフェースは、神経プロテーゼに接続されてもよく、蝸牛、網膜、脳幹、及び皮質のインプラント、並びに脳深部神経刺激又は迷走神経刺激のための装置を含んでもよい(しかしこれらに限定されない)。
【0050】
代替的に又は追加的に、神経記録インターフェースは、脳の任意のアクセス可能な部分(例えば、皮質)又は末梢神経系(例えば、蝸牛内の聴覚神経)又は頭皮(例えば、ヘッドホンに似た頭部装着エンクロージャの耳クッションに組み込まれた記録用電極)から、記録することができ、記録された神経活動は、診断のため、脳インターフェースのため、又は任意の他の目的で使用され得る。神経インターフェースが聴覚的または視覚的プロテーゼを含む場合、それは、任意の知覚様式に対して、1つ(片側)または2つ(両側)のユニットから構成され得る。
【0051】
さらなる実施形態によれば、頭部装着エンクロージャは、前述の神経インターフェースとの任意の組み合わせで、従来の補聴器、音響光学補聴器、骨固定型補聴器、または直接蝸牛刺激装置(蝸牛への機械的振動を伝達する)のような、直接神経刺激以外の刺激パラダイムを有する、知覚補助具を収容することもできる。
【0052】
神経インターフェースが、同じ様式(例えば、両側蝸牛インプラント)の両側知覚プロテーゼを含む場合、提案のエンクロージャは、ヘッドホンまたはヘッドバンドに似た頭部装着エンクロージャの左右端部間の簡単なケーブルを介して、精緻な同期両側処理(聴覚プロテーゼの場合、バイノーラル処理)のための効率的な方法を提供する。これにより、絶えず人体に放射させ、不必要にエネルギーを消費させる無線の身体領域ネットワークおよび他の無線ソリューションを省略することができる。
【0053】
神経インターフェースが少なくとも1つの蝸牛インプラントを含む場合、提案のエンクロージャ内の電子回路およびバッテリに利用可能な容量が増大するため、より精緻な信号処理戦略を適用することができ、これはインプラントされた者にとって有益であることが示されている[非特許文献4]。
【0054】
提案のエンクロージャ内に収容された両側蝸牛インプラントの場合、中間オリーブ蝸牛束反射のエミュレーションを容易に実施することができ、これにより、より良好な左右分化をサポートすることができ、ノイズの存在下で信号対雑音比を改善することができた[非特許文献10]。さらに、両耳的にコヒーレントなジッタは、蝸牛インプラントされた人の高パルスレートにおける両耳間時間差感度をさらに改善するであろうし[非特許文献11]、したがって、音源定位をサポートするであろう。
【0055】
神経インターフェースの処理ユニットを収容するための提案されたエンクロージャのサイズは、(例えば、耳掛け型蝸牛インプラントプロセッサのハウジングと比較して)増大しているので、(例えば、ビーム形成又はマルチマイクロホン・ノイズ低減アルゴリズム[非特許文献13]のような先進的オーディオ信号処理のためのより多数のマイクロホンのような)より多数の音響又は視覚センサを配置すること、又はバッテリの消耗に対処するためにヘッドホン/ヘッドバンドの頂部にソーラーパネルを取り付けることを可能にする。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2019年5月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドホンまたはヘッドバンドの形状を有する頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')であって、
少なくとも2つの神経インターフェース(5a,5b,5'')と接続し、前記少なくとも2つの神経インターフェース(5a,5b,5'')と通信するよう構成される、少なくとも2つのコネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')と、
前記少なくとも2つの神経インターフェース(5a,5b,5'')に向けて送信されるべき信号を処理するための、1つの処理ユニット(16)と、
電源(18)と、
を備える頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項2】
前記コネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')が、トランスキュテイヌス・コネクタまたはパーキュテイヌス・コネクタとして実現される、請求項1に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項3】
前記コネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')が、前記神経インターフェースと無線通信し、または前記神経インターフェースに電気エネルギーを無線で供給するよう構成された電磁放射コネクタである、請求項1または2に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項4】
前記コネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')が、前記神経インターフェースへの接続を確立するために、無線信号、電磁信号、誘導信号または光信号を使用するように構成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項5】
前記神経インターフェース(5a,5b,5'')が神経刺激装置を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項6】
前記神経インターフェース(5a,5b,5'')が、神経、聴覚神経、視神経、脳幹、皮質、迷走神経、または深部脳の上、その中、またはその近傍に配置された、刺激装置またはインプラントを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項7】
前記神経インターフェース(5a,5b,5'')が、特定の神経もしくは脳の領域上、その中、またはその近傍に配置された神経記録装置またはインプラントを備え、神経活動を記録するように構成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項8】
前記神経インターフェース(5a,5b,5'')が、皮質または末梢神経系から神経活動を記録する神経記録装置を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項9】
神経活動を受信するよう構成された頭皮ユニットをさらに備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項10】
前記頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')が1つ以上のサラウンドセンサ(21)を備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項11】
前記1つ以上のサラウンドセンサ(21)が、1つのマイクロホン、複数のマイクロホン、異なる方向を指向する少なくとも2つのマイクロホン、または、ビーム形成を実行するように構成された少なくとも3つのマイクロホンを備える、請求項10に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項12】
前記処理ユニット(16)が、前記コネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')を使用して、前記頭部装着型ユニットに接続された前記神経インターフェース(5a,5b,5'')を介してバイノーラル合成を出力するために、1つ以上のマイクロホンを介して受信されたオーディオ信号のバイノーラル処理を実行するように構成される、請求項10又は11に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項13】
前記サラウンドセンサ(21)が少なくとも1つの視覚センサを備え、前記処理ユニット(16)が、前記コネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')を使用して、前記視覚センサを介して受信された視覚信号を前記頭部装着ユニットに接続された前記神経インターフェース(5a,5b,5'')へと転送するように構成される、請求項10〜12のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項14】
前記頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')が、周辺機器と通信するため、または通信インターフェース(19)を介して信号を受信し、前記コネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')を使用して前記頭部装着型ユニットに接続された前記神経インターフェース(5a,5b,5'')を介して前記信号を転送し、または前記通信インターフェース(19)を介して前記コネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')を使用して前記頭部装着型ユニットに接続された前記神経インターフェース(5a,5b,5'')から信号を転送するための、通信ユニットを備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項15】
前記電源(18)がバッテリまたは再充電可能なバッテリを備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項16】
電源(18)がエネルギーハーベスタまたはソーラー・ユニットを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項17】
前記1つ以上のサラウンドセンサ(21)が、ビーム形成を実行するように構成された、異なる方向を向いた少なくとも2つのマイクロホン、または少なくとも3つのマイクロホンを備える、請求項10に記載の頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')。
【請求項18】
ヘッドホンまたはヘッドバンドの形状を有する頭部装着型ユニット(10,10',10'',10''')であって、
神経インターフェース(5a,5b,5'')としての少なくとも2つの蝸牛インプラントと接続するための少なくとも2つのコネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')であって、前記少なくとも2つの蝸牛インプラント(5a,5b,5'')と通信するよう構成される、少なくとも2つのコネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')と、
1つ以上のマイクロホンと、
前記少なくとも2つの神経インターフェース(5a,5b,5'')に対して送信されるべき信号を処理し、前記1つ以上のマイクロホンを介して受信されたオーディオ信号のバイノーラル処理を実行し、前記少なくとも2つのコネクタ(12a,12b,12a',12b',12'')を用いてバイノーラル合成を出力するよう構成される、1つの処理ユニット(16)と、
電源(18)と、
を備える頭部装着型ユニット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の実施形態は、ヘッドホン又はヘッドバンドの形状を有する頭部装着型ユニットを提供する。頭部装着型ユニットは、電磁放射コネクタのような少なくとも1つのコネクタ、または一般的には、蝸牛インプラントのような神経インターフェースを接続するための無線または有線のコネクタを備える。このユニットは、神経インターフェースから受信されるか、または神経インターフェースを介して送信されるべき、信号を処理するための(単一コアまたはマルチコア)プロセッサをさらに含む。さらに、このユニットは、例えば、充電式バッテリなどのバッテリ、またはソーラーパネルなどの一種のエネルギーハーベスタのような電源を備える。ここで、このコネクタは、神経インターフェースと通信し、および/または電気エネルギーを神経インターフェースに提供するという目的を有してもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
コネクタ(ヘッドホンの一部)とインプラント(典型的には頭蓋または頭皮の数ミリメートル下に配置される)との間の接続は、実施形態によれば、電磁放射(例えば誘導または無線周波数リンク)、すなわち無線、または電気、すなわち有線、または半透明または光ファイバベースの伝送(またはこれらの任意の組合せ)を介した光を使用して、実現することができる。パーキュテイヌス接続(percutaneous connection)は、このような有線またはファイバベースの伝送を可能にする一方で、トランスキュテイヌス接続(transcutaneous connection)は、無線伝送を可能にする。
【国際調査報告】