(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本発明は、神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体阻害剤として用いられる下記構造式で表されるアミノピラゾロピリミジン化合物を提供する。前記化合物は、Trkキナーゼの活性を阻害することができ、そして哺乳類におけるTrkチロシンキナーゼ受容体によって媒介される疾患を治療することができる。
治療有効量の請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは請求項14に記載の医薬組成物を、それを必要とする哺乳類に投与することを含む、哺乳類におけるTrkチロシンキナーゼ受容体によって媒介される疾患の治療方法。
請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは請求項14に記載の医薬組成物の、Trkチロシンキナーゼ受容体によって媒介される疾患を予防または治療するための医薬の製造における使用。
Trkチロシンキナーゼ受容体によって媒介される疾患を予防または治療するための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは請求項14に記載の医薬組成物。
【発明の概要】
【0005】
一態様によれば、本発明は次の式Iで表される化合物(式Iの化合物)またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【化1】
[式中、
R
1およびR
2は、独立して水素、C
1−10アルキル、−C(=O)R
9、−C(=O)NHR
9および−S(=O)
2R
9からなる群から選ばれ、ここで前記C
1−10アルキルは、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、任意に置換された3〜6員のシクロアルキル、任意に置換された3〜6員の脂肪族ヘテロシクリル、任意に置換された6〜10員のアリール、および任意に置換された5〜10員の芳香族ヘテロシクリルからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
3は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、−C(=O)R
10、−C(=O)NR
10R
11、−C(=S)NR
10R
11、6〜10員のアリール、および5〜10員の芳香族ヘテロシクリルからなる群から選ばれ、ここで前記6〜10員のアリールおよび5〜10員の芳香族ヘテロシクリルは、それぞれ独立してC
1−6アルキル、C
1−6アルコキシカルボニル、任意に置換されたピロリジニル、任意に置換されたモルホリニル、および任意に置換されたピロリジニルカルボニルからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
4およびR
7は、独立して水素、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、およびシアノからなる群から選ばれ、
R
5およびR
6は、独立して水素、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、およびシアノからなる群から選ばれ、あるいはR
5およびR
6は一緒にオキソを構成し、
R
8は、5〜10員の芳香族ヘテロシクリル、および6〜10員のアリールからなる群から選ばれ、ここで前記5〜10員の芳香族ヘテロシクリルおよび6〜10員のアリールは、それぞれ独立してハロゲン、ニトロ、酸素、ヒドロキシ、シアノ、C
1−6アルキルおよびC
1−6アルコキシからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
9は、C
1−10アルキルおよびフェニルからなる群から選ばれ、ここで前記C
1−10アルキルおよびフェニルは、それぞれ独立してハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C
1−6アルキル、およびC
1−6アルコキシからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
10およびR
11は、水素、ヒドロキシ、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、3〜6員のシクロアルキル、および6〜10員のアリールからなる群から独立して選ばれ、ここで前記C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、3〜6員のシクロアルキル、および6〜10員のアリールは、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C
1−4アルキル、ヒドロキシ(C
1−6アルキル)、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル、およびN,N−ジ(C
1−4アルキル)アミノからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
あるいは
R
10およびR
11は、それらが結合しているNと一緒になって5〜10員の脂肪族ヘテロシクリルを構成し、ここで前記5〜10員の脂肪族ヘテロシクリルは、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、およびシアノからなる群から任意に独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されている。]
【0006】
他の態様によれば、本発明は前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0007】
その他の態様によれば、本発明は、治療有効量の前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩あるいはその医薬組成物を、それを必要とする哺乳類に投与することを含む、哺乳類におけるTrkチロシンキナーゼ受容体によって媒介される疾患の治療方法を提供する。
【0008】
その他の態様によれば、本発明は、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩あるいはその医薬組成物の、Trkチロシンキナーゼ受容体によって媒介される疾患を予防または治療するための医薬の製造における使用を提供する。
【0009】
その他の態様によれば、本発明は、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩あるいはその医薬組成物の、Trkチロシンキナーゼ受容体によって媒介される疾患を予防または治療するための使用を提供する。
【0010】
その他の態様によれば、本発明は、Trkチロシンキナーゼ受容体によって媒介される疾患を予防または治療するための、前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩あるいはその医薬組成物を提供する。
〔発明の詳細な説明〕
【0011】
以下、それぞれ開示された実施形態を全体的に理解するために、具体的な詳細を含んで説明したが、当業者は、これらの詳細の一部または複数の部分を用いずに他の方法、部品、材料などを用いても、これらの実施形態を実現することができると理解すべきである。
【0012】
本明細書にわたって記載された「一実施形態」または「実施形態」、あるいは「別の実施形態において」または「いくつかの実施形態において」とは、少なくとも1つの実施形態に、当該実施形態に記載の関連する具体的な参照要素、構造、または特徴を含むことを意味する。したがって、明細書の全体にわたって異なる位置に記載の「一実施形態において」、「実施形態において(実施形態では)」、「他の実施形態において」または「いくつかの実施形態において」という語句は、必ずしも同じ実施形態を指すことではない。また、具体的な要素、構造または特徴は、任意の適切な方式で1つ以上の実施形態の中に組み合せられる。
【0013】
本発明の明細書および添付の特許請求の範囲に用いられた単数形の冠詞「一」、「1つ(の)」、「1個(の)」(英語の「a」、「an」、および「the」などに相当する) は、特に断らない限り、複数の対象(オブジェクト)が含まれていると理解すべきである。したがって、例えば、前記「触媒」が含まれる反応には、1種の触媒、または2種以上の触媒が含まれている。また、用語「または(もしくは/あるいは)」などは、特に断らない限り、通常「及び/または」の意味を含んで用いられる。
【0014】
一態様では、本発明は、式I:
【化2】
[式中、
R
1およびR
2は、独立して水素、C
1−10アルキル、−C(=O)R
9、−C(=O)NHR
9および−S(=O)
2R
9からなる群から選ばれ、ここで前記C
1−10アルキルは、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、任意に置換された3〜6員のシクロアルキル、任意に置換された3〜6員の脂肪族ヘテロシクリル、任意に置換された6〜10員のアリール、および任意に置換された5〜10員の芳香族ヘテロシクリルからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
3は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、−C(=O)R
10、−C(=O)NR
10R
11、−C(=S)NR
10R
11、6〜10員のアリール、および5〜10員の芳香族ヘテロシクリルからなる群から選ばれ、ここで前記6〜10員のアリールおよび5〜10員の芳香族ヘテロシクリルは、それぞれ独立してC
1−6アルキル、C
1−6アルコキシカルボニル、任意に置換されたピロリジニル、任意に置換されたモルホリニル、および任意に置換されたピロリジニルカルボニルからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
4およびR
7は、独立して水素、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、およびシアノからなる群から選ばれ、
R
5およびR
6は、独立して水素、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、およびシアノからなる群から選ばれ、あるいはR
5およびR
6は一緒にオキソを構成し、
R
8は、5〜10員の芳香族ヘテロシクリル、および6〜10員のアリールからなる群から選ばれ、ここで前記5〜10員の芳香族ヘテロシクリルおよび6〜10員のアリールは、それぞれ独立してハロゲン、ニトロ、酸素、ヒドロキシ、シアノ、C
1−6アルキルおよびC
1−6アルコキシからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
9は、C
1−10アルキルおよびフェニルからなる群から選ばれ、ここで前記C
1−10アルキルおよびフェニルは、それぞれ独立してハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C
1−6アルキル、およびC
1−6アルコキシからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
10およびR
11は、水素、ヒドロキシ、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、3〜6員のシクロアルキル、および6〜10員のアリールからなる群から独立して選ばれ、ここで前記C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、3〜6員のシクロアルキル、および6〜10員のアリールは、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C
1−4アルキル、ヒドロキシ(C
1−6アルキル)、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル、およびN,N−ジ(C
1−4アルキル)アミノからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
あるいは
R
10およびR
11は、それらが結合しているNと一緒になって5〜10員の脂肪族ヘテロシクリルを構成し、ここで前記5〜10員の脂肪族ヘテロシクリルは、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、およびシアノからなる群から任意に独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されている。]で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態において、R
8は、5〜10員の芳香族ヘテロシクリル、および6〜10員のアリールからなる群から選ばれ、ここで前記5〜10員の芳香族ヘテロシクリルおよび6〜10員のアリールは、それぞれ独立してハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C
1−6アルキル、およびC
1−6アルコキシからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されている。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態において、R
1およびR
2は、水素、C
1−6アルキル、−C(=O)R
9、−C(=O)NHR
9、および−S(=O)
2R
9からなる群から独立して選ばれ、ここで前記C
1−6アルキルは、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ピロリジニル、N−メチルピロリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチオフェニル、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、フリル、ピロリル、およびピラジニルからなる群から任意に独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されており、
R
3は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、−C(=O)R
10、−C(=O)NR
10R
11、−C(=S)NR
10R
11、フェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびピラゾリルからなる群から選ばれ、ここで前記フェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびピラゾリルは、それぞれ独立してC
1−4アルキル、C
1−4アルコキシカルボニル、ピロリジン−1−イル、3−ヒドロキシピロリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、および3−ヒドロキシピロリジン−1−イルカルボニルからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
4およびR
7は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、およびシアノからなる群から独立して選ばれ、
R
5およびR
6は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、およびシアノからなる群から独立して選ばれ、あるいはR
5およびR
6は一緒にオキソを構成し、
R
8は、フェニル、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリジニル、およびピラジニルからなる群から選ばれ、ここで前記フェニル、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリジニル、およびピラジニルは、それぞれ独立してハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C
1−4アルキル、およびC
1−4アルコキシからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
9は、C
1−6アルキルおよびフェニルからなる群から選ばれ、ここで前記C
1−6アルキルおよびフェニルは、それぞれ独立してハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C
1−4アルキル、およびC
1−4アルコキシからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
10およびR
11は、水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびフェニルからなる群から独立して選ばれ、ここで前記メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびフェニルは、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシn−プロピル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル、N,N−ジメチルアミノ、およびN,N−ジエチルアミノからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
あるいは
R
10およびR
11は、それらが結合しているNと一緒になってピロリジン−1−イルを構成し、ここで前記ピロリジン−1−イルは、ハロゲンおよびヒドロキシからなる群から任意に独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されている。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態において、R
1およびR
2は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、−C(=O)R
9、−C(=O)NHR
9、および−S(=O)
2R
9からなる群から独立して選ばれ、ここで前記メチル、エチル、n−プロピル、およびイソプロピルは、それぞれ独立してフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ピロリジニル、N−メチルピロリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、テトラヒドロチオフェニル、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、フリル、ピロリル、およびピラジニルからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
3は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、−C(=O)R
10、−C(=O)NR
10R
11、−C(=S)NH
2、フェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびピラゾリルからなる群から選ばれ、ここで前記フェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびピラゾリルは、それぞれ独立してメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ピロリジン−1−イル、3−ヒドロキシピロリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、および3−ヒドロキシピロリジン−1−イルカルボニルからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
4およびR
7は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、およびヒドロキシからなる群から独立して選ばれ、
R
5およびR
6は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、およびヒドロキシからなる群から独立して選ばれ、あるいはR
5およびR
6は一緒にオキソを構成し、
R
8は、フェニル、ピリジル、ピリジニル、およびピラジニルからなる群から選ばれ、ここで前記フェニル、ピリジル、ピリジニル、およびピラジニルは、それぞれ独立してフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、メトキシ、およびエトキシからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
9は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、およびフェニルからなる群から選ばれ、ここで前記メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、およびフェニルは、それぞれ独立してフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メチル、エチル、メトキシ、およびエトキシからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
10およびR
11は、水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロヘキシル、およびフェニルからなる群から独立して選ばれ、ここで前記メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロヘキシル、およびフェニルは、それぞれ独立してフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル、N,N−ジメチルアミノ、およびN,N−ジエチルアミノからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
あるいは
R
10およびR
11は、それらが結合しているNと一緒になってピロリジン−1−イルを構成し、ここで前記ピロリジン−1−イルは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、およびヒドロキシからなる群から任意に独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されている。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態において、R
8はフェニルであり、ここで前記フェニルは、1つまたは複数のフルオロで任意に置換されており、好ましくは、R
8は2,5−ジフルオロフェニルである。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態において、R
1およびR
2は、水素、メチル、エチル、−C(=O)R
9、−C(=O)NHR
9、および−S(=O)
2R
9からなる群から独立して選ばれ、ここで前記メチルおよびエチルは、それぞれ独立してモルホリン−4−イル、および4−メトキシフェニルからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
3は、水素、ブロモ、シアノ、−C(=O)R
10、−C(=O)NR
10R
11、−C(=S)NH
2、フェニル、オキサゾリル、チアゾリル、およびピラゾリルからなる群から選ばれ、ここで前記フェニル、オキサゾリル、チアゾリル、およびピラゾリルは、それぞれ独立してメチル、エトキシカルボニル、モルホリン−4−イル、および3−ヒドロキシピロリジン−1−イルカルボニルからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
5およびR
6は、水素、フルオロ、およびヒドロキシからなる群から独立して選ばれ、あるいはR
5およびR
6は一緒にオキソを構成し、
R
9は、メチル、エチル、およびフェニルからなる群から選ばれ、ここで前記フェニルは1つまたは複数のメチルで任意に置換されており、
R
10およびR
11は、水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロヘキシル、およびフェニルからなる群から独立して選ばれ、ここで前記エチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロヘキシル、およびフェニルは、それぞれ独立してフルオロ、ヒドロキシ、メチル、ヒドロキシメチル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル、およびN,N−ジメチルアミノからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
あるいは
R
10およびR
11は、それらが結合しているNと一緒になってピロリジン−1−イルを構成し、ここで前記ピロリジン−1−イルは1つまたは複数のヒドロキシで任意に置換されている。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態において、式Iの化合物は、次の式II:
【化3】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
5およびR
6は、式I化合物に定義の通りである。]で表される構造を有する。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態において、式IIの化合物は、次の式(III):
【化4】
[式中、
R
1、R
2、R
5およびR
6は、式II化合物に定義の通りであり、
R
3aは、R
7aおよびNR
7aR
8aからなる群から選ばれ、
R
7aおよびR
8aは、水素、ヒドロキシ、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、3〜6員のシクロアルキル、および6〜10員のアリールからなる群から独立して選ばれ、ここで前記C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、3〜6員のシクロアルキル、および6〜10員のアリールは、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、C
1−4アルキル、ヒドロキシで置換されたC
1−6アルキル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル、および−N−(C
1−4アルキル)
2からなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
あるいは
R
7aおよびR
8aは、それらが結合しているNと一緒になって5〜10員の脂肪族ヘテロシクリルを構成し、ここで前記5〜10員の脂肪族ヘテロシクリルは、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、およびシアノからなる群から任意に独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されている。]で表される構造を有する。
【0022】
いくつかの実施形態において、R
7aおよびR
8aは、水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびフェニルからなる群から独立して選ばれ、ここで前記メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびフェニルは、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシn−プロピル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル、N,N−ジメチルアミノ、およびN,N−ジエチルアミノからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
あるいは
R
7aおよびR
8aは、それらが結合しているNと一緒になってピロリジン−1−イルを構成し、ここで前記ピロリジン−1−イルは、ハロゲンおよびヒドロキシからなる群から任意に独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されている。
いくつかの実施形態において、R
7aおよびR
8aは、水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロヘキシル、およびフェニルからなる群から独立して選ばれ、ここで前記メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロヘキシル、およびフェニルは、それぞれ独立してフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル、N,N−ジメチルアミノ、およびN,N−ジエチルアミノからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
あるいは
R
7aおよびR
8aは、それらが結合しているNと一緒になってピロリジン−1−イルを構成し、ここで前記ピロリジン−1−イルは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、およびヒドロキシからなる群から任意に独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されている。
【0023】
いくつかの実施形態において、R
1およびR
2は、水素、メチル、エチル、−C(=O)R
6a、−C(=O)NHR
6a、および−S(=O)
2R
6aからなる群から独立して選ばれ、ここでメチルおよびエチルは、それぞれ独立してピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−4−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、フェニル、4−メチルフェニル、および4−メトキシフェニルからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
3aは、R
7aおよびNR
7aR
8aからなる群から選ばれ、
R
5およびR
6は、水素、フルオロ、およびヒドロキシからなる群から独立して選ばれ、あるいはR
5およびR
6は一緒にオキソを構成し、
R
6aは、メチル、エチル、および4−メチルフェニルからなる群から選ばれ、
R
7aおよびR
8aは、水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロヘキシル、およびフェニルからなる群から独立して選ばれ、ここで前記メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロヘキシル、およびフェニルは、それぞれ独立してフルオロ、ヒドロキシ、メチル、ヒドロキシメチル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル、N,N−ジメチルアミノ、およびN,N−ジエチルアミノからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
あるいは
R
7aおよびR
8aは、それらが結合しているNと一緒になってピロリジン−1−イルを構成し、ここで前記ピロリジン−1−イルは1つまたは複数のヒドロキシで任意に置換されている、
【0024】
本発明のいくつかの実施形態において、R
7aおよびR
8aは、水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピル、シクロヘキシル、およびフェニルからなる群から独立して選ばれ、ここで前記メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、シクロヘキシル、およびフェニルは、それぞれ独立してフルオロ、ヒドロキシ、メチル、ヒドロキシメチル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル、N,N−ジメチルアミノ、およびN,N−ジエチルアミノからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されている。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態において、式III化合物は、次の式IIIa:
【化5】
[式中、R
3a、R
5およびR
6は、式III化合物に定義の通りである。]で表される構造を有する。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態において、式II化合物は、次の式IV:
【化6】
[式中、R
5およびR
6は、前記式II化合物に定義の通りであり、
R
1bおよびR
2bは、水素またはC
1−10アルキルからなる群から独立して選ばれ、ここで前記C
1−10アルキルは、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、任意に置換された3〜6員のシクロアルキル、任意に置換された3〜6員の脂肪族ヘテロシクリル、任意に置換された6〜10員のアリール、および任意に置換された5〜10員の芳香族ヘテロシクリルからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されており、
R
3bは、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、−C(=S)NH
2、6〜10員のアリール、および5〜10員の芳香族ヘテロシクリルからなる群から選ばれ、ここで前記6〜10員のアリールおよび5〜10員の芳香族ヘテロシクリルは、それぞれ独立してC
1−6アルキル、C
1−6アルコキシカルボニル、任意に置換されたピロリジニル、任意に置換されたモルホリニル、および任意に置換されたピロリジニルカルボニルからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されている]で表される構造を有する。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態において、R
1bおよびR
2bは、水素およびC
1−6アルキルからなる群から独立して選ばれ、ここで前記C
1−6アルキルは、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ピロリジニル、N−メチルピロリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチオフェニル、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、フリル、ピロリル、およびピラジニルからなる群から任意に独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されており、
R
3bは、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、−C(=S)NH
2、フェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびピラゾリルからなる群から選ばれ、ここで前記フェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびピラゾリルは、それぞれ独立してC
1−4アルキル、C
1−4アルコキシカルボニル、ピロリジン−1−イル、3−ヒドロキシピロリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、および3−ヒドロキシピロリジン−1−イルカルボニルからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されている。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態において、R
1bおよびR
2bは、水素、メチル、およびエチルからなる群から独立して選ばれ、ここで前記メチルおよびエチルは、それぞれ独立してフェニル、4−メチルフェニル、および4−メトキシフェニルで任意に置換されており、
R
3bは、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、−C(=S)NH
2、フェニル、
【化7】
からなる群から選ばれ、ここで前記フェニル、
【化8】
は、それぞれ独立してメチル、エチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ピロリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、および3−ヒドロキシピロリジン−1−イルカルボニルからなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で任意に置換されている。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明に係る式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、次の化合物:
【化9】
あるいはその薬学的に許容される塩からなる群から選ばれる。
【0030】
他の態様によれば、本発明は、本発明に係る式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組成物は、薬学的に許容され得る補助剤をさらに含む。
【0031】
本発明に係る医薬組成物は、本発明に係る化合物と適切な薬学的に許容される補助剤とを組み合わせて製造することができ、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、トローチ剤、クリーム剤、乳剤、懸濁剤、液剤、シロップ剤、ペースト剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、マイクロスフェアおよびエアゾールのような固体、半固体、液体または気体の製剤として調製することができる。
【0032】
本発明の化合物、またはその医薬的に許容される塩あるいはその医薬組成物の典型的な投与経路は、経口投与、直腸投与、局所投与、吸入投与、腸管外投与、舌下投与、膣内投与、鼻内投与、眼内投与、腹膜内投与、筋肉内投与、皮下投与、経皮投与、静脈内投与を含むが、これらに限らない。
【0033】
本発明に係る医薬組成物は、例えば通常の混合法、溶解法、造粒法、糖衣錠製法、粉砕法、乳化法、凍結乾燥法等の本技術分野で周知の方法によって製造することができる。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態において、前記医薬組成物は経口投与の形である。経口投与については、活性化合物と当該技術分野で周知の医薬的に許容され得る補助剤とを混合して当該医薬組成物を調製してもよい。これらの補助剤は、本発明の化合物を、錠剤、丸剤、トローチ剤、糖衣剤、カプセル剤、液剤、ゲル化剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等として調製されて患者の経口投与に用いられてもよい。
【0035】
通常の混合法、充填法や打錠法によって経口固形組成物を製造できる。例えば、下記の方法により得ることができ、すなわち、前記活性化合物と固体補助剤とを混合し、必要に応じて、得られた混合物をパンミリングし、必要とすれば他の適当な助剤を加え、そして当該混合物を顆粒に加工して錠剤や糖衣剤のコアを得る。適当な補助剤は、粘着剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、甘味剤又は矯味剤等が挙げられれるが、これらに限定されない。
【0036】
本発明の医薬組成物は、さらに、適切な単位剤形の無菌液剤、懸濁液や凍結乾燥製品での非経口投与のために適用されてもよい。
【0037】
その他の態様によれば、本発明は、治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいはその医薬組成物を、それを必要とする哺乳類、好ましくはヒトに投与することを含む、哺乳類のTrkチロシンキナーゼ受容体によって媒介される疾患の治療方法に関する。
【0038】
いくつかの実施形態において、本発明に係る式Iの化合物のすべての投与方法には、単回投与または分割投与の形態で投与し、1日投与量は、0.01mg/kg体重〜300mg/kg体重、好ましくは10mg/kg体重〜300mg/kg体重であり、より好ましくは25mg/kg体重〜200mg/kg体重である。
【0039】
その他の態様によれば、本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいはその医薬組成物の、Trkチロシンキナーゼ受容体によって媒介される疾患を予防又は治療するための医薬の製造における使用に関する。
【0040】
その他の態様によれば、本発明は、さらにTrkチロシンキナーゼ受容体によって媒介される疾患を予防又は治療するための式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいはその医薬組成物に関する。
【0041】
〔定義〕 他に断らない限り、本明細書に用いられる下記の用語およびフレーズは、次の意味を有する。ある1つの特定の用語は、特に定義されない場合、不確定または不明確とが認定されておらず、当該分野の一般的な意味として理解されるべきである。本明細書では、商品名が記載される場合、その対応の商品又はその活性成分を示すことである。
【0042】
用語「置換され/置換されている」とは、特定原子の電子価状態が正常であり且つ置換された化合物が安定的なものであればよく、特定原子における任意の1個以上の水素原子が置換基で置換されることを意味する。置換基がオキソ基(すなわち、=O)である場合、2つの水素原子がオキソで置換され、オキソ基がアリール基の上で発生しないことを意味する。
【0043】
用語「必要に応じて…(してもよい)」又は「任意に…(してもよい)」などは、後述する事情や状況が発生する可能性も、発生していない可能性もあることを意味し、該記載は、前記の事情や状況が発生した場合も、発生していない場合も含む。例えば、エチル基が1つまたは複数のフッ素または塩素原子で「任意に」置換されているとは、エチル基が非置換(CH
2CH
3)、一置換(例えば、CH
2CH
2F、CHClCH
3)、多置換(例えば、CHFCH
2F、CHClCHF
2、CH
2CHF
2)または全置換(CCl
2CF
3、CF
2CF
3)のものであってもよいことを意味する。1つ以上の置換基を含む任意の基について、任意の空間的に存在し得ない及び/又は合成し得ない置換や置換モードを導入することにならないことは、当業者にとって理解されるべきである。
【0044】
本明細書に記載の用語「任意に置換されている」とは、アルキル、アルケニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、−C(=S)OH、−C(=S)O−アルキル、−C(=S)−H、−C(=S)−アルキル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルオキシ、シクロアルケニルアルキル、脂肪族ヘテロシクリルオキシ、脂肪族ヘテロシクリルアルキル、芳香族ヘテロシクリルオキシ、芳香族ヘテロシクリルアルキル、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、−OC(O)−R
14、−N(R
14)
2、−C(O)R
14、−C(O)OR
14、−C(O)N(R
14)
2、−N(R
14)C(O)OR
16、−N(R
14)C(O)R
16、−N(R
14)(S(O)
tR
16)(ここで、tは1または2である)、−S(O)
tOR
16(ここで、tは1または2である)、−S(O)
tR
16(ここで、tは0、1、または2である)、および−S(O)
tN(R
14)
2(式中、tは1または2である)からなる群から独立して選ばれる1つまたは複数の置換基で置換され得ることを意味し、ここで各R
14および各R
16は独立して水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、脂肪族ヘテロシクリル(aliphatic heterocyclyl)、脂肪族ヘテロシクリルアルキル、芳香族ヘテロシクリル(aromatic heterocyclyl)、または芳香族ヘテロシクリルアルキルである。好ましくは、前記置換基はアルキル、ハロゲンおよびヒドロキシからなる群から独立して選ばれている。
【0045】
本明細書に記載のC
m−nとは、この部分が所定範囲内の整数の炭素原子を有することを意味する。例えば、「C
1−6」とは、当該基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、または6個の炭素原子を有し得ることを意味する。
【0046】
任意の変数(例えば、R)は、化合物の組成や構造に1回以上現れる場合、その各状況における定義がそれぞれ独立している。そのため、例えば、1個の基は2個のRで置換される場合、各Rのいずれも独立して選択肢を持っている。
【0047】
用語「ハロゲン」または「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
用語「ヒドロキシ」とは、−OH基を意味する。
用語「シアノ」とは、−CN基を意味する。
用語「アミノ」は、−NH
2基を意味する。
用語「ニトロ」は、−NO
2基を意味する。
用語「ヒドロキシアルキル」とは、−C
nH
2nOHを意味する。例えば、ヒドロキシメチルとは−CH
2OHを意味し、そして2−ヒドロキシエチルとは−CH
2CH
2OHを意味する。
【0048】
用語「アルキル」とは、一般式がC
nH
2n+1である炭化水素基を意味する。該アルキルは直鎖または分岐鎖であってもよい。例えば、用語「C
1−6アルキル」とは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチルなど)を意味する。同様に、アルコキシ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、およびアルキルチオにおけるアルキルの部分(すなわちアルキル基)は、上記と同じ定義を有する。
【0049】
用語「アルコキシ」とは−O−アルキルを意味する。
用語「ヘテロシクロアルキル」とは、完全飽和で且つ単環、架橋環又はスピロ環の形式として存在できる全炭素環を意味する。特に断らない限り、該炭素環は、通常3〜10員環である。シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル(ビシクロ[2.2.1]ヘプチル)、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
用語「脂肪族ヘテロシクリル」は、完全に飽和または部分的に不飽和の(しかし完全に不飽和のヘテロ芳香族ではない)、且つ単環、二環またはスピロ環の形式として存在することができる非芳香族環を意味する。特に断らない限り、該脂肪族ヘテロ環は、通常、硫黄、酸素および/または窒素から独立して選ばれる1〜3個(好ましくは1または2個)のヘテロ原子を有する3〜6員環である。脂肪族ヘテロシクリルの非限定的な例としては、オキシラニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ピロリジニル、N−メチルピロリジニル、ジヒドロピロリル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラゾリジニル、4H−ピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチエニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
用語「アリール」とは、共役なπ電子系を有する全炭素の単環式または縮合多環式芳香環の基を意味する。例えば、アリールは、6〜20個、6〜14個、または6〜12個の炭素原子を有してもよい。アリールは、少なくとも1つの芳香環を有していてもよく、その非限定的な例としては、フェニル、ナフチル、アントリルおよび1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
用語「芳香族ヘテロシクリル」とは、単環式または縮合多環式系の基を意味し、それらの中にN、O、Sから選ばれる少なくとも1つの環原子を含有し、その残りの環原子がCであり、且つ、少なくとも1つの芳香環を有する。好ましい芳香族ヘテロシクリルは、単一の4〜8員環、特に単一の5〜8員環を有するか、または6〜14個、特に6〜10個の環原子を含有する複数の縮合環を有する。芳香族ヘテロシクリルの非制限的な例は、ピロリル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、イソインドリルなどが挙げられるが、これらに限らない。
【0053】
用語「治療」とは、本発明に記載の化合物または製剤を投与して疾患又は前記疾患関連の1つ以上の症状を予防、緩和したり、解消したりすることを意味し、且つ下記の内容、
(i)哺乳類において疾患または疾患状態の発生を予防し、特に、当該哺乳類が前記疾患状態に罹りやすいが、そのような疾患状態にすでに罹患していることがまだ診断されていない場合、予防することと、
(ii)疾患または疾患状態を阻害し、すなわちその発生・進行を阻害することと、
(iii)疾患または疾患状態を緩和し、すなわち疾患または疾患状態を減退させることとを含む。
【0054】
用語「治療有効量」とは、(i)特定の疾患、状態、または障害を治療または予防し、(ii)特定の疾患、状態、または障害の1つまたは複数の症状を軽減、改善、または解消し、あるいは(iii)本明細書に記載の特定の疾患、状態、または障害の1つまたは複数の症状の発症を予防しまたは遅らせる、本発明の化合物の投与量を意味する。「治療有効量」となる本発明に係る化合物の量は、化合物、疾患状況とその重症度、投与方式及び治療しようとする哺乳類の年齢によって変わるが、当業者は、その自身の持つ知識及び本発明に開示された内容により通常的に決めることができる。
【0055】
用語「薬学的に許容される」とは、それらの化合物、材料、組成物および/または剤形に対して信頼性を有する医学的判断の範囲においてヒトおよび動物の組織とを接触して使用することに適用するが、過剰な毒性、刺激性、アレルギー性の反応、または他の問題や合併症がなく、合理的なベネフィット・リスク比に見合うことを意味する。
【0056】
用語「薬学的に許容される塩」とは、式Iの化合物と無機酸とから形成される酸付加塩、式Iの化合物と有機酸とから形成される酸付加塩、酸性アミノ酸とから形成される酸付加塩などが挙げられるが、これらに限定されない。用語「医薬組成物」とは、本発明の1つまたは複数の化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される補助剤からなる混合物を意味する。医薬組成物は、本発明の化合物を有機体に投与することに有利となる目的とする。
【0057】
用語「薬学的に許容される補助剤」とは、生体に対して顕著な刺激作用がなく、且つ該活性化合物の生物学的活性や性能を損なうことのない補助剤を意味する。適切な賦形剤は、当業者に周知されるもの、例えば炭水化物、ワックス、水溶性および/または水膨潤性ポリマー、親水性または疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水などである。
【0058】
用語「含む/含有する(comprise)」、およびそれらの英語の変形(例えば「comprises」や「comprising」など)は、いずれも開放(オープンエンド)式の、包含式の意味、すなわち「…を含むが、これらに限定されない」として解釈されるべきである。特に断りのない限り、本明細書に記載の略語は、下記の意味を持っている。
【0059】
minは、分(分間)を意味する。
hは、時間を意味する。
DCMはジクロロメタンを意味する。
THFはテトラヒドロフランを意味する。
DMFはN、N−ジメチルホルムアミドを意味する。
DMSOはジメチルスルホキシドを意味する。
MeOHはメタノールを意味する。
H
2Oは水を意味する。
PEは石油エーテルを意味する。
EAは酢酸エチルを意味する。
Ti(OEt)
4はテトラエチルチタネートを意味する。
DMAPは4−ジメチルアミノピリジンを意味する。
TFAはトリフルオロ酢酸を意味する。
TBDMSClは、tert−ブチルジメチルクロロシランを意味する。
NaBH
4は水素化ホウ素ナトリウムを意味する。
NaHMDSはヘキサメチルジシラジドナトリウムを意味する。
(BOC)
2Oはジ−tert−ブチルジカーボネートを意味する。
NBSはN−ブロモスクシンイミドを意味する。
ローソン試薬は2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィドを意味する。
DBUは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンを意味する。
DASTはジエチルアミノ硫黄トリフルオリドを意味する。
HATUは、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N、N、N’、N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを意味する。
DIEAは、N、N−ジイソプロピルエチルアミンを意味する。
DMEはジメチルエーテルを意味する。
TLCは薄層クロマトグラフィを意味する。
Mはモル濃度単位mol/Lを意味し、例えば、2Mは2mol/Lを表す。
Nは当量濃度を意味し、例えば、1N HClは濃度1mol/Lの塩酸を表し、2N NaOHは、濃度2mol/Lの水酸化ナトリウムを表す。
Tsはp−メチルベンゼンスルホニルを意味する。
TsClは、塩化p−トルエンスルホニルを意味する。
Etはエチルを意味する。
Meはメチルを意味する。
Acはアセチルを意味する。
PMBはp−メトキシベンジルを意味する。
TBSはtert−ブチルジメチルシリルを意味する。
【0060】
本発明に係る中間体および化合物は、異なる互変異性体の形態でも存在し得、そしてこのような形態はすべて本発明の保護範囲内に含まれている。用語「互変異性体」または「互変異性型」という用語は、低エネルギー障壁を介して相互変換可能である、異なるエネルギーを有する構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体としても知られている)は、ケト−エノールおよびイミン−エナミン異性化のような、プロトン移動による相互変換を含む。プロトン互変異性体の具体例は、プロトンが2つの環窒素原子間を移動可能なイミダゾール部分である。原子価互変異性体は、いくつかの結合電子の再編成による相互変換を含む。例示的なエノール互変異性体を以下に示すが、それらに限定されない。
【0061】
【化10】
また、本発明には、本明細書に列挙されている化学的構造と同一であるが1つまたは複数の原子が通常自然界に見られる原子量または質量数と異なっている原子で置換されている同位体により標識された本発明の化合物を含む。本発明に係る化合物に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素、および塩素の同位体を含み、例えば、それぞれ
2H、
3H、
11C、
13C、
14C、
13N、
15N、
15O、
17O、
18O、
31P、
32P、
35S、
18F、
123I、
125I、および
36Cl等である。
【0062】
いくつかの本発明の同位体標識化合物(例えば、
3Hおよび
14Cで標識されたもの)は、化合物および/または基質組織分布のアッセイにおいて有用である。トリチウム化(すなわち、
3H)および炭素−14(すなわち、
14C)同位体は、それらの製造の容易さおよび検出能の観点から特に好ましい。
15O、
13N、
11Cおよび
18Fなどの陽電子放出同位体は、基質占有率を調べるために陽電子放出断層撮影(PET)研究に有用である。本発明の同位体標識化合物は、一般に、同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代わりに用いることにより、以下のスキームおよび/または実施例に開示されるものと類似する手順に従って調製することができる。
【0063】
さらに、重同位体(例えば、重水素、すなわち
2Hなど)で置換することにより、さらに高い代謝安定性から生じる特定の治療上の利点(例えば、インビボ半減期の増加、または必要用量の減少など)が得られるため、ある状況によって好ましい場合があり、その中で、重水素化は部分的でも完全でもよく、部分的重水素化は少なくとも1個の水素が少なくとも1個の重水素で置換されることを意味する。例示的な重水素化化合物を以下に示すが、それらに限定されない。
【化11】
本発明に係る化合物は非対称であってもよく、例えば、1つ以上の立体異性体を有する。特に断らない限り、全ての立体異性体、例えば光学異性体及びジアステレオマーのいずれも含まれている。本発明の不斉炭素原子含有化合物は、光学活性の純粋な形態で、またはラセミ体の形態で分離することができる。光学活性の純粋な形態は、ラセミ混合物から分割することができ、または、キラル材料やキラル試薬を用いて合成することができる。立体異性体の非限定的な例としては、
【化12】
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
本発明の化合物は、下記に記載の具体的な実施形態、およびそれと他の化学合成方法との組合せでなる実施形態、並びに当業者にとってよく知られた均等な形態を含む、当業者にとってよく知られている多種類の合成方法により調製することができる。好ましい実施形態には本発明の実施例を含むが、これらに限定されるものではない。
【0065】
本発明の具体的実施形態の化学反応は、適当な溶媒において達成され、当該溶媒は、本発明の化学変化とその所望の試薬および材料に適合させなければならない。当業者は、本発明の化合物を得るために、既存の実施形態に基づいて合成手順や反応スキームを変更したり選択したりする必要となる場合がある。
【0066】
当該技術分野のいずれかの合成経路の計画における重要な考慮要素の1つは、反応性官能基(本明細書に記載のアミノ基のようなもの)に適当な保護基を選択することであり、例えば、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(4th Ed). Hoboken, New Jersey: John Wiley & Sons, Inc.」を参照することができ、この書類に援用された全ての参考文献は全体として本明細書に組み込まれている。
【0067】
いくつかの実施形態において、本発明に係るIIIで表される化合物は、有機合成分野の当業者が下記一般スキーム1を介して本分野の標準方法により製造できる。
<一般スキーム1>
【化13】
式中、R
1は水素またはアセチルである。R
5、R
6、R
7aおよびR
8aは式IIIの化合物において定義した通りである。
【0068】
いくつかの実施形態において、本発明に係る式IIIの化合物は、有機合成分野の当業者が下記一般スキーム2を介して本分野の標準方法により製造できる。
<一般スキーム2>
【化14】
式中、R
1は水素またはアセチルである。R
5、R
6、R
7aおよびR
8aは式IIIの化合物において定義した通りである。
【0069】
いくつかの実施形態において、本発明に係る式IIIの化合物は、有機合成分野の当業者が下記一般スキーム3を介して本分野の標準方法により製造できる。
<一般スキーム3>
【化15】
式中、Xは例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを含むハロゲンであり、R
1は水素またはアセチルであり、R
2、R
5、R
6、R
7aおよびR
8aは式IIIの化合物において定義した通りである。
【0070】
いくつかの実施形態において、本発明に係る一般式IVで表される化合物は、有機合成分野の当業者が下記一般スキーム4を介して本分野の標準方法により製造できる。
<一般スキーム4>
【化16】
式中、Xは、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを含むハロゲンであり、R
1bは水素またはアセチルであり、R
5およびR
6は式IVの化合物において定義された通りである。
【0071】
いくつかの実施形態において、本発明に係る一般IVで表される化合物は、有機合成分野の当業者が下記一般スキーム5を介して本分野の標準方法により製造できる。
<一般スキーム5>
【化17】
式中、Xは、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを含むハロゲンであり、R
2b、R
5およびR
6は式IVの化合物において定義された通りであり、式K−1の化合物は式Kの化合物の製造方法を参照して製造することができる。
【0072】
明確にするために、以下の実施例によってさらに本発明を説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定することを意図しない。本発明に用いられる全ての試薬は、市販品であり、さらなる精製の必要がないままで使用することができる。
【実施例】
【0073】
中間体の製造
製造例1
(R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン(化合物I1)
【化18】
ステップA:
4−クロロ−N−メトキシ−N−メチルブタンアミド
【化19】
0℃で、N、O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩(69.1g)のDCM(200mL)溶液にピリジン(150mL)を加え、15分間撹拌し、そして得られた混合物に4−クロロブチリルクロリド(100g)を加え、0℃で2時間続けて撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、有機相を水で、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して目的化合物の粗生成物(125.1g)を得、それを精製せずに次のステップに直接使用した。
【0074】
ステップB:
4−クロロ−1−(2,5−ジフルオロフェニル)ブタン−1−オン
【化20】
塩化イソプロピルマグネシウム(2M、604mL)のTHF溶液を、−50℃に冷却した2−ブロモ−1,4−ジフルオロベンゼン(244.7g)のTHF(1L)溶液に滴下した。滴下終了後、1時間攪拌しながら0℃に昇温した。反応混合物を再び−50℃に冷却した。撹拌しながら、前記反応混合物に、4−クロロ−N−メトキシ−N−メチルブチルアミド(100g)のTHF(200mL)溶液を滴下し、そして徐々に30℃に昇温し、次いで30℃で3時間続けて撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。収集された有機相を合わせて水で洗浄し、その後飽和食塩水で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、残渣(残留物)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的化合物(101g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.59−7.55 (m, 1H), 7.26−7.20 (m, 1H), 7.17−7.11 (m, 1H), 3.68−3.65 (m, 2H), 3.20−3.16 (m, 2H), 2.25−2.19 (m, 2H)。m/z=219[M+1]
+。
【0075】
ステップC:
(S,E)−N−(4−クロロ−1−(2,5−ジフルオロフェニル)ブチレン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化21】
撹拌しながら、4−クロロ−1−(2,5−ジフルオロフェニル)ブタン−1−オン(155.4g)および(S)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(129.2g)のTHF(1.0L)溶液に、チタン酸テトラエチル(243.2g)を加えた。混合物を70℃で16時間続けて撹拌した。次に反応混合物を室温に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで希釈してろ過した。ろ液を水で洗浄し、そして飽和食塩水で洗浄した。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的化合物(207g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.38−6.90 (m, 3H), 3.66−3.58 (m, 2H), 3.44−3.22 (m, 1H), 3.0−2.80 (m, 1H), 2.25−2.01 (m, 2H), 1.30 (s, 9H)。m/z=322[M+1]
+。
【0076】
ステップD:
(S)−N−(4−クロロ−1−(2,5−ジフルオロフェニル)ブチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化22】
−65℃で、(S、E)−N−(4−クロロ−1−(2,5−ジフルオロフェニル)ブチレン)−2−メチルプロパン−2−スルフェンアミド(177.5g)のTHF(1.5L)溶液に、NaBH
4(18.78g)を徐々にバッチで加え、その過程において反応系の温度を−60℃を超えないように維持しながら、添加終了後、得られた混合物を−60℃で30分間撹拌し、そして−40℃に徐々に昇温し、TLCにより出発物質(原料)の消失を明らかに検出した。反応溶液を徐々に氷水に注ぎ入れ、クエンチした後、酢酸エチルで抽出して目的化合物の粗生成物(173.2g)を得、それを精製せずに次のステップに直接使用した。
【0077】
ステップE:
(R)−1−((S)−tert−ブチルスルフィニル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン、および(S)−1−((S)−tert−ブチルスルフィニル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン
【化23】
−78℃で、(S)−N−(4−クロロ−1−(2,5−ジフルオロフェニル)ブチル)−2−メチルプロパン−2−スルフェンアミド(193.2g)のTHF(1.8L)溶液に、NaHMDS(2M)のTHF(343mL)溶液を徐々に滴下し、その過程において反応系の温度を−75℃を超えないように維持した。添加終了後、得られた混合物を−60℃で30分間撹拌し、徐々に室温に昇温し、そして室温で1時間撹拌し、TLCにより出発物質の消失を明らかに検出した。反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、(R)−1−((S)−tert−ブチルスルフィニル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン(100g)、および(S)−1−((S)−tert−ブチルスルフィニル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン(59g)を得た。
【0078】
E1:
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.06−6.88 (m, 3H), 4.96 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 3.93−3.87 (m, 1H), 3.01−2.95 (m, 1H), 2.30−2.24 (m, 1H), 1.97−1.71 (m, 3H), 1.16 (s, 9H)。m/z=288[M+1]
+。
【0079】
E2:
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.04−6.87 (m, 3H), 5.32 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 3.67−3.55 (m, 2H), 2.20−2.16 (m, 1H), 1.94−1.89 (m, 1H), 1.82−1.74 (m, 2H), 1.10 (s, 9H)。m/z=288[M+1]
+。
【0080】
ステップF:
(R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン
【化24】
−10℃で、(R)−1−((S)−tert−ブチルスルフィニル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン(5.2g)の固体に、4M HClの1,4−ジオキサン(27mL)溶液を徐々に滴下し、室温に昇温して1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、NaOH溶液で塩基性にした後、酢酸エチルで抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮して目的化合物(3.3g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.31−7.26 (m, 1H), 6.99−6.93 (m, 1H), 6.91−6.85 (m, 1H), 4.46 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.20−3.60 (m, 1H),3.27−3.21 (m, 1H), 3.15−3.10 (m, 1H), 2.31−2.25 (m, 1H), 2.05−1.85 (m, 2H), 1.75−1.67 (m, 1H)。m/z=184[M+1]
+。
【0081】
製造例2
2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン(化合物I2)
【化25】
ステップA:
2−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化26】
0〜5℃で、2−ピロリドン(100g)およびDMAP(72g)のアセトニトリル(1.0L)溶液に、ジ−t−ブチルジカーボネート(308g)を加え、そして20〜35℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルで希釈した後、水洗し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(215.5g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.75 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.52 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.00 (dd, J = 15.2 Hz, J = 7.2 Hz, 2H), 1.53 (s, 9H)。
【0082】
ステップB:
5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチル
【化27】
−40℃で、2−ブロモ−1,4−ジフルオロベンゼン(186g)のTHF(1.0L)溶液に、2.0MイソプロピルマグネシウムクロリドのTHF(482mL)溶液を加え、5℃で1時間続けて撹拌した。−40℃で、上記反応混合物に、2−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(215.5g)のTHF(250mL)溶液を滴下し、そして10℃で2時間続けて撹拌した。反応反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、そして酢酸エチルで抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮して目的化合物の粗生成物(323.4g)を得、それを精製せずに次のステップに直接使用した。
【0083】
ステップC:
5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール
【化28】
−40℃で、5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチル(318.4g)のDCM(1.0L)溶液に、TFA(421mL)を加え、20℃〜35℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮して目的化合物の粗生成物(224.4g)を得、それを精製せずに次のステップに直接使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.68−7.64 (m, 1H), 7.08−7.04 (m, 2H), 4.04−3.99 (m, 2H), 3.02−2.97 (m, 2H), 2.08−2.00 (m, 2H)。m/z=182[M+1]
+。
【0084】
ステップD:
2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン
【化29】
5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール(224.4g)のMeOH/H
2O(V/V=4/1、2.0L)混合溶液に、NaBH
4(93.82g)を加え、20〜35℃で2時間撹拌した。反応混合物を1N HCl水溶液でクエンチし、2N NaOH水溶液で塩基性化し、次いでDCMで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ液を減圧下で濃縮して、目的化合物(171.3g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.28−7.19 (m, 1H), 6.97−6.91 (m, 1H), 6.87−6.82 (m, 1H), 4.39 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 3.18−3.12 (m, 1H), 3.04 (dd, J = 14.8 Hz, J = 8.0 Hz, 1H), 2.31−2.19 (m, 1H), 2.01−1.75 (m, 3H), 1.65−1.58 (m, 1H)。m/z=184[M+1]
+。
【0085】
製造例3
(2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン(化合物I3)、および(2S,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン(化合物I4)
【化30】
ステップA:
(R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン−2−オン
【化31】
(R)−4−ヒドロキシ−2−ピロリドン(6.0g)をDMF(60mL)に溶解し、0℃でTBDMSCl(9.8g)およびイミダゾール(6.05g)を加え、室温に昇温して3時間撹拌した。反応終了確認後、反応系に水を加え、固体を析出させ、ろ過し、赤外線ランプで一晩乾燥して、(R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン−2−オン(10.7g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.45 (s, 1H), 4.44 (m, 1H), 3.42 (m, 1H), 2.93 (m, 1H), 2.40 (m, 1H), 1.85 (m, 1H), 0.79 (s, 9H), 0.00 (s, 6 H)。
【0086】
ステップB:
(R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化32】
0℃で、トリエチルアミン(8.26mL)およびDMAP(3.0g)を、(R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン−2−オン(10.67g)のアセトニトリル(150mL)溶液に加え、窒素の保護下で、(Boc)
2O(15mL)を滴下し、滴下終了後、得られた混合物を5分間撹拌し、そして室温に昇温して一晩撹拌した。反応系を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(V/V:PE/EA=10/1)で精製して、(R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(14.5g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.38−4.40 (m, 1H), 3.86 (dd, J = 11.4, 5.6 Hz, 1H), 3.62 (dd, J = 11.4, 3.2 Hz, 1H), 2.71 (dd, J = 15.6, 5.6 Hz, 1H), 2.48 (dd, J = 3.4, 5.6 Hz, 1H), 1.56 (s, 9H), 0.89 (m, 9H), 0.08 (m, 6H)。
【0087】
ステップC:
((2R)−2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−4)−(ヒドロキシブチル)カルバミン酸tert−ブチル
【化33】
2,5−ジフルオロブロモベンゼン(14.8g)を乾燥テトラヒドロフラン(100mL)に溶解し、−78℃に冷却した後、イソプロピルマグネシウムクロリド(2M)のTHF溶液(35mL)を加え、反応系を徐々に0℃に昇温し、2時間撹拌した後、再び−78℃に冷却し、反応系に(R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(15.6g)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液を加え、さらに0℃に昇温して3.5時間撹拌した。得られた混合物に、0℃でメタノール、次いで水素化ホウ素ナトリウム(4.46g)を加え、1時間撹拌し、反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応混合物をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(V/V:PE/EA=5/1)で精製して(2R)−2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシブチル)カルバミン酸tert−ブチル(15.4g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.22−7.30 (m,1H), 6.87−6.97 (m, 2H), 5.16−5.30 (m, 1H), 4.79 (s, 1H), 4.08−4.13 (m, 1H), 3.21− 3.37 (m, 2H), 1.92−1.78 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.30−1.21 (m, 1H), 0.92 (s, 9H), 0.13 (s, 6H)。
【0088】
ステップD:
(4R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化34】
((2R)−2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシブチル)カルバミン酸tert−ブチル(15.4g)をジクロロメタンに溶解し、−60℃に冷却し、それにトリエチルアミン(14.8mL)およびメタンスルホニルクロリド(3mL)を滴下し、同じ温度を維持しながら2時間撹拌した後、DBU(8mL)を加え、室温に昇温し、そして一晩撹拌した。反応終了確認後、反応系を水に注ぎ込み、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(V/V:PE/EA=25/1)で精製して、(4R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(11.28g)を得た。
【0089】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.98−7.33 (m, 3H), 5.17−5.49 (m, 1H), 4.50−4.55 (m, 1H), 3.60−3.93 (m, 2H), 2.40−2.60 (m, 1H), 1.92−2.01 (m, 1H), 1.30−1.21 (m, 9H), 0.86−1.08 (m, 9H), 0.08−0.21 (m, 6H)。
【0090】
ステップE:
(4R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化35】
(4R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(11.3g)を適量のテトラヒドロフラン(150mL)に溶解し、室温でフッ化テトラブチルアンモニウム(13.0g)を加え、そして1時間撹拌した。反応終了確認後、反応系を氷水に注ぎ、酢酸エチル(×2)で抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(V/V:PE/EA=3/1)で精製して目的化合物(6.5g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.80−7.16 (m, 3H), 5.02−5.20 (m, 1H), 4.43−4.51 (m, 1H), 3.57−3.85 (m, 2H), 2.04−2.60 (m, 1H),1.95−2.02 (m, 1H), 1.58−1.72 (m, 1H), 1.20−1.42 (m, 9H)。
【0091】
ステップF:
(2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(a)、および(2S,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(b)
【化36】
−78℃で、(4R)−tert−ブチル−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.0g)のジクロロメタン(50mL)溶液に、DAST(0.883mL)試薬を滴下し、同じ温度を維持しながら2時間撹拌し、得られた混合物を徐々に室温に昇温して一晩撹拌した。0℃で、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応混合物をクエンチし、ジクロロメタン(×2)で抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(V/V:PE/EA=25/1)で精製して(2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(a)(478mg)、および(2S,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(b)(311mg)を得た。
【0092】
(2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(a):
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.91−7.00 (m, 3H), 5.12−5.30 (m, 2H), 4.05−4.10 (m, 1H), 3.61−3.71 (m, 1H), 2.71−2.75 (m, 1H), 1.97−2.07 (m, 1H),1.21−1.62 (m, 9H)。
【0093】
(2S,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(b):
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.87−7.00 (m, 3H), 5.19−5.32 (m, 2H), 3.70−3.96 (m, 2H), 2.40−2.26 (m, 2H), 1.20−1.65 (m, 9H)。
【0094】
ステップG1:
(2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン(化合物I3)
【化37】
室温で、(2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(478mg)のジクロロメタン(20mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(3mL)を加え、そして1時間撹拌した。反応終了確認後、溶媒を除去し、濃縮混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を除去し、さらに精製せずに(2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン(299mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.85−7.26 (m, 3H), 5.20−5.35 (m, 1H), 4.71−4.75 (m, 1H), 3.16−3.40 (m, 2H), 2.58−2.69 (m, 1H), 1.66−1.83 (m, 2H)。
【0095】
ステップG2:
(2S,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン(化合物I4)
【化38】
ステップFで得られた化合物bから、ステップG1と同様の手法により(2S,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン(167mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.89−7.26 (m, 3H), 5.20−5.35 (m, 1H), 4.41−4.45 (m, 1H), 3.44−3.53 (m, 1H), 3.00−3.12 (m, 1H),2.57−2.65 (m, 1H), 1.70−2.04 (m, 2H)。
【0096】
製造例4
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4−ジフルオロピロリジン(化合物I5)
【化39】
ステップA:
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化40】
−78℃で、塩化オキサリル(195mg)のジクロロメタン(5mL)溶液に、DMSO(225mg)のジクロロメタン(1mL)溶液を滴下し、同じ温度を維持しながら30分間反応させ、次いで反応系に(4R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(製造例3のステップE、115mg)のジクロロメタン(3mL)溶液を滴下し、同じ温度を維持しながら1.5時間反応させ、反応系にトリエチルアミン(0.9mL)を滴下し、5分間撹拌し、得られた混合物を次いで室温に昇温し、2時間撹拌し、そして反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(V/V:PE/EA=5/1)により精製して2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(31mg)を得た。
1H NMR (400 M Hz, CDCl
3) δ 7.05−6.88 (m, 3H), 5.4(s, 1H), 4.06 and 3.92(d, J = 19.1, 2H), 3.20 (dd, J = 19.1, 10.6 Hz, 1H), 2.61 (d, J = 19.1 Hz, 1H), 1.42(s, 9H)。
【0097】
ステップB:
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化41】
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(50mg)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、−78℃に冷却し、これにDAST(0.1mL)試薬を滴下し、同じ温度を維持しながら2時間反応させ、得られた混合物を室温に昇温して一晩撹拌した。次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(V/V:PE/EA=15/1)で精製して、2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(24mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.08−6.84 (m, 3H), 5.30−5.20 (m, 1H), 4.14−3.79 (m, 2H), 2.98−2.76 (m, 1H), 2.44−2.21 (m, 1H), 1.46−1.25 (m, 9H)。
【0098】
ステップC:
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4−ジフルオロピロリジン
【化42】
製造例3のステップG1と同様にして(トリフルオロ酢酸1mL、ジクロロメタン15mL)、2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(460mg)から、化合物I5(288mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.40−7.27 (m, 1H), 7.11−6.89 (m, 2H), 4.77−4.60 (m, 1H), 3.49−3.29 (m, 2H), 2.78−2.69 (m, 1H), 2.19−2.05 (m, 1H), 1.79−1.98 (s, 1H)。
【0099】
製造例5
(3R)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン(化合物I6)
【化43】
製造例3のステップG1と同様にして(トリフルオロ酢酸12mL、ジクロロメタン80mL)、(4R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.15g)から、化合物I6(1.21g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.37−7.23 (m, 1H), 7.01−6.83 (m, 2H), 4.77−4.66 (t, J = 8.0 Hz, 0.5H), 4.56−4.42 (m, 1H), 4.37 (t, J = 8.0 Hz, 0.5H), 3.27−3.12 (m, 1H), 3.10−3.02 (m, 1H), 2.67−2.57 (m, 0.5H), 2.34−2.29 (0.5H), 1.92−1.59 (m, 3H)。
【0100】
製造例6
5−(2,5−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オン(化合物I7)
【化44】
室温で、2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(製造例4のステップA、100mg)のジクロロメタン(10mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、1時間撹拌し、減圧下で溶媒を留去して化合物I7を得、これを次の反応に直接使用した。
【0101】
実施例1
(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化45】
ステップA:
(Z)−3−アミノ−4,4,4−トリクロロ−2−シアノ−ブテン酸エチル
【化46】
0℃で、シアノ酢酸エチル(41.22g)およびトリクロロアセトニトリル(100g)のエタノール(120mL)溶液に、トリエチルアミン(2.0g)を滴下した。滴下終了後、0℃で2時間反応させた後、徐々に室温まで昇温し、30分間反応させた。反応終了後、溶媒を濃縮除去し、残渣をジクロロメタンに溶解した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタンで溶出)で精製して目的化合物(93.0g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 10.20 (brs, 1H), 6.93 (brs, 1H), 4.30 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.33 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0102】
ステップB:
3,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチル
【化47】
(Z)−3−アミノ−4,4,4−トリクロロ−2−シアノ−ブテン酸エチル(92.1g)のDMF(250mL)溶液に、ヒドラジン水和物(50g)を徐々に滴下し、反応混合物を100℃に加熱し、撹拌しながら1.5時間反応させた。濃縮により溶媒を除去し、残渣をジクロロメタンでスラリー化(叩解)し、次いで一晩放置した。得られた混合物を吸引ろ過し、そして固体を集め、ジクロロメタンで濯ぎ洗い、乾燥して目的化合物(41.0g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 10.4 (brs, 1H), 5.35 (brs, 4H), 4.13 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.24 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。m/z=171[M+1]
+。
【0103】
ステップC:
2−アミノ−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化48】
室温で、ナトリウムエトキシド(33.2g)のエタノール(500mL)溶液に、3,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチル(20.8g)および1,3−ジメチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(17.0g)を順次加えた。その後、得られた混合物を90℃に昇温し、12時間反応させた。反応終了後、室温に冷却し、1N塩酸溶液でpH=7に調整し、固体を集めてエタノールで濯ぎ洗い、目的化合物(18.4g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 11.17 (brs, 1H), 8.24 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.93 (s, 2H), 5.90 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.26 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.27 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。m/z=223[M+1]
+。
【0104】
ステップD:
2−アミノ−5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル、および2−アセトアミド−5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化49】
室温で、2−アミノ−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(33.6g)のアセトニトリル(500mL)溶液に、オキシ塩化リン(110mL)を加え、得られた混合物を40℃に加熱し、5時間反応させた。冷却後、混合物を減圧下で濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加え、混合溶液を分層にし、水相を酢酸エチルで1回抽出し、酢酸エチル相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてろ液を濃縮して褐色油状物を得た。次に褐色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル(V/V=2/1)で溶出)で精製して、2−アミノ−5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(4.5g)、および2−アセトアミド−5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(3.0g)を得た。
【0105】
2−アミノ−5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル:
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.29 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.51 (brs, 2H), 4.43 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.44 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。m/z=241[M+1]
+。
【0106】
2−アセトアミド−5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル:
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 10.10 (s, 1H), 8.65 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.47 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.35 (s, 3H), 1.47 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。m/z=283[M+1]
+。
【0107】
ステップE:
(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化50】
2−アミノ−5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(300mg)、(R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン(275mg)のn−ブタノール溶液(2.5mL)に、N,N−ジメチルイソプロピルアミン(324.0mg)に加え、得られた混合物を160℃で5時間封管反応させた。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で吸引ろ過し、エタノールでろ過ケーキを濯ぎ洗い、そして乾燥して目的化合物(365mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 8.52−8.16 (m, 1H), 7.41−6.82 (m, 3H), 6.44−6.28 (m, 1H), 5.96 (s, 2H), 5.63−5.20 (m, 1H), 4.24−3.86 (m, 3H), 3.62−3.40 (m, 1H), 2.48−2.28 (m, 1H), 2.08−1.78 (m, 3H), 1.38−1.01 (m, 3H)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.20−7.81 (m, 1H), 7.12−6.65 (m, 3H), 6.24−5.50 (m, 1H), 5.45−4.98 (m, 3H), 4.48−3.46 (m, 4H), 2.63−2.26 (m, 1H), 2.19−1.92 (m, 3H), 1.53−1.05 (m, 3H)。m/z=388[M+1]
+。
【0108】
実施例2
(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸
【化51】
室温で、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(144mg)を含むメタノール/水溶液(V/V=1/10、3.0mL)を4N水酸化ナトリウム溶液(0.95mL)を滴下した。滴下終了後、得られた混合物を90℃に昇温し、12時間反応させた。反応終了後、1N塩酸溶液で混合物を約pH=7に調整し、沈殿物を集め、水で洗浄し、そして乾燥して目的化合物(80.0mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 10.50 (brs, 1H), 8.55−8.15 (m, 1H), 7.40−6.88 (m, 3H), 6.51−6.20 (m, 1H), 5.95 (s, 2H), 5.54−5.15 (m, 1H), 4.05−3.88 (m, 1H), 3.80−3.51 (m, 1H), 2.55−2.35 (m, 1H), 2.11−1.80 (m, 3H)。m/z=360[M+1]
+。
【0109】
実施例3
(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化52】
N
2保護下で、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(20.0mg)、メチルアミン塩酸塩(5.0mg)およびHATU(25mg)を含む乾燥DMF溶液(1.0mL)に、N,N−ジメチルイソプロピルアミン(16.9mg)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間反応させた。反応終了後、混合物に水および酢酸エチルを加え、15分間攪拌し、混合溶液を分層にし、水相を酢酸エチルで1回抽出し、次に酢酸エチル相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、ろ液を濃縮して淡黄色の残渣を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(V/V:ジクロロメタン/メタノール=25/1で溶出する)で精製して目的化合物(8.0mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.13−7.88 (m, 1H), 7.13−6.86 (m, 3H), 6.75−6.64 (m, 1H), 6.14−5.95 (m, 1H), 5.60−5.20 (m, 3H), 3.95−3.74 (m, 2H), 3.10−2.70 (m, 3H), 2.60−2.43 (m, 1H), 2.23−1.95 (m, 3H)。m/z=373[M+1]
+。
【0110】
実施例4
(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化53】
(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(310mg)のメタノール溶液に、アンモニア水(5.0mL)を加え、混合物を150℃で48時間封管反応させた。その後、混合物に水および酢酸エチルを加え、5分間攪拌し、混合溶液を分層にし、水相を酢酸エチルで1回抽出し、次に酢酸エチル相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、ろ液を濃縮して淡黄色の残渣を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(V/V:石油エーテル/酢酸エチル=1/1で溶出する)で精製して目的化合物(45.0mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.18−7.88 (m, 1H), 7.10−6.67 (m, 3H), 6.21−5.98 (m, 1H), 5.65−4.98 (m, 5H), 4.05−3.58 (m, 2H), 2.60−2.40 (m, 1H), 2.24−1.95 (m, 3H)。m/z=359[M+1]
+。
【0111】
実施例5
2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化54】
2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン(365mg)および2−アミノ−5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(400mg)をn−ブタノールに加え、160℃で一晩封管反応させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(V/V:PE/EA=1/3)で精製して目的化合物(607mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.90 (s, 1H), 7.10−6.70 (m, 3H), 6.20−5.00 (m, 4H), 4.23−3.40 (m, 4H), 2.60−2.30 (m, 1H), 2.18−1.90 (m, 3H), 1.50−1.33 (m, 3H)。m/z = 388[M+1]
+。
【0112】
実施例6
2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化55】
室温で、2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(200mg)のn−ブタノール(6mL)溶液を入れた鉄製封管に、アンモニア水(10mL)を加え、160℃で還流して36時間撹拌し、得られた混合物を減圧下で濃縮した後、シリカゲルを直接加えてサンプルと混合し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的化合物(25mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.18−7.83 (m, 1H), 7.15−6.66 (m, 3H), 6.24−5.56 (m, 2H), 5.52−4.70 (m, 4H), 4.06−3.53 (m, 2H), 2.59−2.42 (m, 1H), 2.27−1.92 (m, 3H)。m/z=359[M+1]
+。
【0113】
実施例7
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(3−メチルウレイド)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化56】
ステップA:
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(((4−ニトロフェノキシ)カルボニル))アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化57】
0℃で、2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(337mg)のTHF(15mL)溶液に、含有量57%の水素化ナトリウム(74mg)を徐々にバッチで加え、室温に昇温して1時間撹拌し、反応系を再び0℃に冷却し、反応混合物にp−ニトロフェニルクロロホルメート(264mg)を加え、反応混合物を室温に昇温し、2時間撹拌した。次いで反応混合物を水でクエンチし、そして酢酸エチルで抽出し、有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮して目的化合物の粗生成物を得、それを精製せずに次のステップに直接使用した。
【0114】
ステップB:
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(3−メチルウレイド)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化58】
室温で、上記ステップAで得られた5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(((4−ニトロフェノキシ)カルボニル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルの粗生成物を、THF(10mL)に溶解し、メチルアミン(4mL)を反応溶液に加え、そして10分間撹拌した。反応終了後、シリカゲルを加えてサンプルと混合し、得られた混合物を減圧下で濃縮し、残渣を乾式シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して目的化合物(281mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.91−8.63 (m, 1H), 8.20−8.71 (m, 2H), 7.19−6.80 (m, 3H), 6.26 (s, 0.5H), 5.95−5.62 (m, 1H), 5.15 (s, 0.5H), 4.52−3.44 (m, 4H), 2.94 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 2.62−2.28 (m, 1H), 2.19−1.95 (m, 3H), 1.57−1.42 (m, 2H), 1.37−1.05 (m, 1H)。m/z=445[M+1]
+。
【0115】
実施例8
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−((4−メチルフェニル)スルホニルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化59】
2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(389mg)のピリジン(1.5mL)溶液に、TsCl(475mg)を加え、90℃で8時間反応させた。反応終了後、混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加え、15分間攪拌し、混合溶液を分層にし、水相を酢酸エチルで1回抽出し、次に酢酸エチル相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、ろ液を濃縮して淡黄色の残渣を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(V/V:ジクロロメタン/メタノール=30/1で溶出する)で精製して目的化合物(350mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.52−9.31 (m, 1H), 8.28−8.01 (m, 1H), 7.94 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.13−6.60 (m, 3H), 5.81−5.60 (m, 1H), 5.20−5.13 (m, 1H), 4.41−4.10 (m, 2H), 4.05−3.48 (m, 2H), 2.60−2.40 (m, 1H), 2.20−1.92 (m, 3H), 1.45−1.12 (m, 6H)。m/z=542[M+1]
+。
【0116】
実施例9
(R)−2−アセチルアミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化60】
2−アセトアミド−5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(50.0mg)、および(R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン(40.0mg)のn−ブタノール(1.5mL)溶液に、N,N−ジメチルイソプロピルアミン(45.0mg)を加えた後、160℃で5時間封管反応させた。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で吸引ろ過し、エタノールでろ過ケーキを濯ぎ洗い、そして乾燥して目的化合物(25.0mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 10.13−9.88 (m, 1H), 8.40−8.12 (m, 1H), 7.15−6.65 (m, 3H), 5.89−5.78 (m, 1H), 5.21−5.11 (m, 1H), 4.48−4.16 (m, 2H), 4.14−3.51 (m, 2H), 2.60−2.20 (m, 4H), 2.18−1.97 (m, 3H), 1.45−1.17 (m, 3H)。m/z=430[M+1]
+。
【0117】
実施例10
(2−アミノ−5−((R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a])ピリミジン−3−イル)(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン
【化61】
実施例3を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(20.0mg)および3−ヒドロキシピロリジン(8.0mg)から目的化合物(9.0mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.13−7.91 (m, 1H), 7.10−6.60 (m, 3H), 6.20−5.00 (m, 4H), 4.56−4.35 (m, 1H), 4.08−3.30 (m, 6H), 2.51−2.31 (m, 1H), 2.15−1.71 (m, 6H)。m/z=429[M+1]
+。
【0118】
実施例11
(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化62】
実施例3を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(13.0mg)および4−アミノシクロヘキサノール(6.21mg)から目的化合物(3.0mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.40−8.01 (m, 1H), 7.78−7.58 (m, 1H), 7.13−6.58 (m, 3H), 6.22−6.08 (m, 1H), 5.53−5.50 (m, 2H), 5.25−5.05 (m, 1H), 4.02−3.51 (m, 4H), 2.60−2.38 (m, 1H), 2.20−1.15 (m, 12H)。m/z=457[M+1]
+。
【0119】
実施例12
2−アミノ−5−((R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−((トランス)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化63】
実施例3を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(30.0mg)および(トランス)−4−アミノシクロヘキサノール(6.21mg)から目的化合物(12.0mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.21−7.85 (m, 1H), 7.80−7.58 (m, 1H), 7.15−6.58 (m, 3H), 6.22−6.00 (m, 1H), 5.82−5.05 (m, 3H), 4.02−3.48 (m, 4H), 2.60−2.38 (m, 1H), 2.20−1.10 (m, 12H)。m/z=457[M+1]
+。
【0120】
実施例13
(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−(2−ヒドロキシエチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化64】
実施例3を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(30.0mg)および2−アミノエタノール(7.56mg)から目的化合物(5.0mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.20−7.80 (m, 1H), 7.55−7.35 (m, 1H), 7.10−6.65 (m, 3H), 6.20−6.00 (m, 1H), 5.65−5.30 (m, 3H), 4.00−3.20 (m, 6H), 2.60−2.40 (m, 1H), 2.23−1.92 (m, 4H)。m/z=403[M+1]
+。
【0121】
実施例14
(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化65】
実施例3を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(30.0mg)およびp−フルオロアニリン(13.98mg)から目的化合物(11.0mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.88−9.60 (m, 1H), 9.05−8.80 (m, 1H), 8.21−7.80 (m, 1H), 7.71−7.48 (m, 1H), 7.36−6.53 (m, 5H), 6.28−6.03 (m, 1H), 5.80−5.55 (m, 1H), 4.18−3.20 (m, 4H), 2.68−2.38 (m, 1H), 2.03−1.91 (m, 3H)。m/z=453[M+1]
+。
【0122】
実施例15
(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N,N−ジメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化66】
実施例3を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(30.0mg)およびN,N−ジメチルアミン(5.67mg)から目的化合物(8.0mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.21−7.93 (m, 1H), 7.11−6.60 (m, 3H), 6.20−5.01 (m, 4H), 3.98−3.53 (m, 2H), 3.30−2.60 (m, 6H), 2.52−2.38 (m, 1H), 2.14−1.96 (m, 3H)。m/z=387[M+1]
+。
【0123】
実施例16
(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−((1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イル)オキシ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化67】
実施例3を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(13.0mg)および2−(アミノオキシ)−2−メチル−1−プロパノール塩酸塩(WO2010003025を参照して調製し、5.67mg)から目的化合物(3.0mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.20−9.01 (m, 1H), 8.18−7.85 (m, 1H), 7.19−6.58 (m, 3H), 5.80−5.03 (m, 4H), 4.05−3.20 (m, 4H), 2.60−2.38 (m, 1H), 2.21−2.00 (m, 3H), 1.40−1.15 (m, 7H)。m/z=447[M+1]
+。
【0124】
実施例17
2−アミノ−5−((R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−((2,2−ジメチル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化68】
実施例3を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(13.0mg)およびO−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ヒドロキシアミン(7.94mg)から目的化合物(6.0mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.43−9.30 (m, 1H), 8.40−7.80 (m, 1H), 7.15−6.65 (m, 3H), 5.78−5.06 (m, 4H), 4.60−4.32 (m, 1H), 4.12−3.60 (m, 5H), 2.60−2.40 (m, 1H), 2.28−2.00 (m, 4H), 1.47 (s, 3H), 1.40 (s, 3H)。m/z=489[M+1]
+。
【0125】
実施例18
(R)−2−アミノ−N−(tert−ブトキシ)−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化69】
実施例3を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(13.0mg)およびtert−ブチルヒドロキシアミン(4.81mg)から目的化合物(6.5mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.89−9.60 (m, 1H), 8.20−7.85 (m, 1H), 7.15−6.45 (m, 3H), 5.80−5.02 (m, 3H), 4.05−3.40 (m, 2H), 2.60−2.35 (m, 1H), 2.20−1.95 (m, 4H), 1.30 (s, 9H)。m/z=431[M+1]
+。
【0126】
実施例19
(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化70】
実施例3を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(50.0mg)およびN,N−ジメチルエチレンジアミン(17.5mg)から目的化合物(25.0mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.20−7.80 (m, 1H), 7.45−7.05 (m, 1H), 7.01−6.65 (m, 2H), 5.80−5.51 (m, 1H), 5.48−5.03 (m, 3H), 4.20−3.40 (m, 5H), 3.05−2.81 (m, 3H), 2.66 (s, 6H), 2.25−1.97 (m, 3H)。m/z=430[M+1]
+。
【0127】
実施例20
(R)−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(メチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化71】
室温で、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(260.0mg)のメタノール溶液(3.0mL)に、ホルムアルデヒド水溶液(0.2mL)を加えた後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(127mg)をバッチで加えた。室温で12時間撹拌し、反応終了後、反応液を氷水に注ぎ、水酸化ナトリウム水溶液で弱塩基性に調整した後、酢酸エチルで抽出し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、分離して目的化合物(180mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.20−7.90 (m, 1H), 7.15−6.60 (m, 3H), 6.21−6.05 (m, 1H), 5.80−5.55 (m, 1H), 5.21−5.01 (m, 1H), 4.40−3.60 (m, 4H), 2.99 (m, 3H), 2.60−2.38 (m, 1H), 2.18−1.95 (m, 3H), 1.46−1.20 (m, 3H)。m/z=402[M+1]
+。
【0128】
実施例21
(R)−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(メチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化72】
実施例4を参照して、(R)−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(メチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(150.0mg)から目的化合物(20mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.20−7.90 (m, 1H), 7.15−6.65 (m, 4H), 6.48−6.30 (m, 1H), 6.15−5.96 (m, 1H), 5.70−4.95 (m, 2H), 4.00−3.58 (m, 2H), 2.97 (d, J = 4.4 Hz, 3H), 2.60−2.40 (m, 1H), 2.20−1.85 (m, 3H)。m/z=373[M+1]
+。
【0129】
実施例22
(R)−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(エチルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化73】
実施例20を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン)−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(50.0mg)を、40%アセトアルデヒド水溶液(0.051mL)と反応させて目的化合物(40.0mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.20−7.90 (m, 1H), 7.18−6.68 (m, 3H), 6.21−6.01 (m, 1H), 5.82−5.52 (m, 1H), 5.22−5.01 (m, 1H), 4.50−3.72 (m, 4H), 3.38 (dq, J = 7.2, 5.6 Hz, 2H), 2.59−2.32 (m, 1H), 2.15−1.90 (m, 3H), 1.45−1.10 (m, 6H)。m/z=416[M+1]
+。
【0130】
実施例23
(R)−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−((2ーモルホリニルエチル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化74】
実施例20を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(20.0mg)および4−(2,2−ジメトキシエチル)モルホリン(14.7mg)から目的化合物(4.4mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.18−7.80 (m, 1H), 7.15−6.60 (m, 3H), 6.55−6.38 (m, 1H), 5.85−5.50 (m, 1H), 5.22−5.00 (m, 1H), 4.40−3.51 (m, 10H), 3.08−2.30 (m, 7H), 2.20−1.95 (m, 3H), 1.55−1.30 (m, 3H)。m/z=501[M+1]
+。
【0131】
実施例24
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化75】
室温で、2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(829mg)固体を入れた丸底フラスコに、48%の硫酸(20mL)を加え、100℃で12時間還流して撹拌した。反応終了後、反応液を氷水に注ぎ、水酸化ナトリウム水溶液で弱塩基性に調整した後、酢酸エチルで抽出し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的化合物(376mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.17−8.15 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.31−7.25 (m, 1H), 7.15−7.10 (m, 1H), 6.86−6.82 (m, 1H), 5.95−5.69 (m, 1H), 5.37−5.26 (m, 1H), 5.17 (brs, 2H), 5.11 (brs, 1H), 3.86 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 3.60−3.47 (m, 1H), 2.46−2.33 (m, 1H), 2.02−1.93 (m, 1H), 1.91−1.83 (m, 2H)。m/z=316[M+1]
+。
【0132】
実施例25
(R)−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化76】
室温で、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(2.0g)固体を入れた丸底フラスコに、48%の硫酸(24mL)を加え、100℃で12時間還流して撹拌した。反応終了後、反応液を氷水に注ぎ、水酸化ナトリウム水溶液で弱塩基性に調整した後、酢酸エチルで抽出し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的化合物(1.354g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.89 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.06−7.00 (m, 1H), 6.93−6.87 (m, 1H), 6.75−6.71 (m, 1H), 5.68 (brs, 1H), 5.46 (brs, 1H), 5.24 (brs, 1H), 4.22−3.63 (m, 4H), 3.50−2.41 (m, 1H), 2.05−1.92 (m, 3H)。m/z=316[M+1]
+。
【0133】
実施例26
2−(5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−((4−メトキシベンジル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)オキサゾール−4−カルボン酸エチル
【化77】
ステップA:
2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化78】
室温で、2−アミノ−5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(3.0g)および2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン(2.51g)のn−ブタノール(20mL)溶液に、DIEA(4.2mL)を加え、反応混合物を160℃に加熱し、この温度で8時間還流して撹拌した。反応終了後、得られた混合物を減圧下で濃縮してn−ブタノールを除去し、これにシリカゲルを加えてサンプルと混合し、得られた混合物を乾燥シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して目的化合物(4.56g)を得、これを次のステップに直接使用した。
【0134】
ステップB:
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(4−メトキシベンジルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化79】
0℃で、ステップAで得られた2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(2.0g)のTHF(20mL)溶液に、含有量57%の水素化ナトリウム(1.98g)をバッチで加えた後、室温に昇温して1時間撹拌した。反応系を再び0℃に冷却した。次に塩化p−メトキシベンジル(4.2mL)を反応混合物に加え、90℃に昇温して12時間還流した。氷水を注いで反応をクエンチさせた後、得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的化合物(1.366g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.05−7.93 (m, 1H), 7.35−7.24 (m, 2H), 7.09−6.98 (m, 1H), 6.95−6.81 (m, 3H), 6.79−6.70 (m, 1H), 6.56−6.41 (m, 1H), 6.23−5.52 (m, 1H), 5.28−5.06 (m, 1H), 4.49 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.42−4.18 (m, 2H), 4.13−3.92 (m, 2H), 3.78 (s, 3H), 2.61−2.34 (m, 1H), 2.07−1.95 (m, 3H), 1.53−1.18 (m, 3H)。m/z=508[M+1]
+。
【0135】
ステップC:
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(4−メトキシベンジルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化80】
室温で、5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(4−メトキシベンジルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(900mg)のn−ブタノール(10mL)溶液を入れた鉄製封管に、アンモニア水(10mL)を加え、160℃で還流して36時間撹拌し、得られた混合物を減圧下で濃縮した後、シリカゲルを直接加えてサンプルと混合し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的化合物(143mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.18−7.94 (m, 1H), 7.31−7.25 (m, 2H), 7.12−6.98 (m, 1H), 6.94−6.90 (m, 1H), 6.87−6.74 (m, 3H), 6.72−6.66 (m, 1H), 6.20−5.93 (m, 1H), 5.81−4.65 (m, 3H), 4.49 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.02−3.81 (m, 5H), 2.58−2.39 (m, 1H), 2.26−1.97 (m, 3H)。m/z=479[M+1]
+。
【0136】
ステップD:
2−(5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−((4−メトキシベンジル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)オキサゾール−4−カルボン酸エチル
【化81】
室温で、5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(4−メトキシベンジルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド(20mg)のTHF(3mL)溶液に、含有量80%の3−ブロモピルビン酸エチル(12mg)および炭酸水素ナトリウム(11mg)を加え、次いで90℃に昇温し、そして12時間還流した。得られた混合物を減圧下で濃縮した後、シリカゲルを直接加えてサンプルと混合し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的化合物(2.12mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.21−8.08 (m, 1H), 8.06−7.95 (m, 1H), 7.34 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.07−6.96 (m, 1H), 6.93−6.64 (m, 5H), 6.40−4.83 (m, 2H), 4.58 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 4.36 (dd, J = 14.4 Hz, J = 7.2 Hz, 2H), 4.11 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.78 (s, 3H), 2.61−2.38 (m, 1H), 2.16−1.99 (m, 3H), 1.42−1.05 (m, 3H)。m/z=575[M+1]
+。
【0137】
実施例27
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−3−(4−メチルオキサゾール−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化82】
ステップA: 5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−(4−メトキシベンジル)−3−(4−メチルオキサゾール−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化83】
実施例26のステップDの実験ステップを参照して、3−ブロモピルビン酸エチルを1−ブロモアセトンで置き換えて目的化合物の粗生成物(5mg)を得、それをさらに精製せずに次のステップに直接使用した。
【0138】
ステップB:
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−3−(4−メチルオキサゾール−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化84】
0℃で、5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−(4−メトキシベンジル)−3−(4−メチルオキサゾール−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン(5mg)のDCM(2mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を徐々に加えた後、室温に昇温し、3時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮してトリフルオロ酢酸およびジクロロメタンを除去した。残渣を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで飽和食塩水で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的化合物(2.65mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.11−7.93 (m, 1H), 7.42−7.31 (m, 1H), 7.09−6.95 (m, 1H), 6.90−6.65 (m, 2H), 6.23−5.02 (m, 4H), 4.20−3.42 (m, 2H), 2.58−2.43 (m, 1H), 2.20 (s, 3H), 2.16−1.92 (m, 3H)。m/z=397[M+1]
+。
【0139】
実施例28
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−3−(4−メチルチアゾール−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化85】
ステップA:
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(4−メトキシベンジルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−チオカルボキサミド
【化86】
室温で、5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(4−メトキシベンジルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド(200mg)のトルエン(12mL)溶液に、ローソン試薬(102mg)を加えた。窒素ガスの保護下で、混合物を100℃に昇温して12時間還流し、次いで減圧下で濃縮した。シリカゲルを直接加えてサンプルと混合し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的化合物(95mg)を得、これを次のステップに直接使用した。
【0140】
ステップB:
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−(4−メトキシベンジル)−3−(4−メチルチアゾール−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化87】
実施例26のステップDの実験ステップを参照して、3−ブロモピルビン酸エチルを1−ブロモアセトンで置き換えて目的化合物の粗生成物(34mg)を得、それをさらに精製せずに次のステップに直接使用した。
【0141】
ステップC:
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−3−(4−メチルチアゾール−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化88】
実施例27のステップBの実験ステップを参照して、5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−(4−メトキシベンジル)−3−(4−メチルオキサゾール−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミンを、5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル−N−(4−メトキシベンジル)−3−(4−メチルチアゾール−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミンで置き換えて目的化合物(10mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.20−7.85 (m, 1H), 7.08−6.99 (m, 1H), 6.94−6.41 (m, 3H), 6.26−5.40 (m, 3.5H), 5.15−4.89 (m, 0.5H), 4.30−3.21 (m, 2H), 2.61−2.28 (m, 4H), 2.16−1.92 (m, 3H)。m/z=413[M+1]
+。
【0142】
実施例29
2−(2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ)[1,5−a]ピリミジン−3−イル)チアゾール−4−カルボン酸エチル
【化89】
ステップA:
2−(5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−((4−メトキシベンジル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)チアゾール−4−カルボン酸エチル
【化90】
実施例26のステップDの実験ステップを参照して、5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(4−メトキシベンジルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミドを、5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(4−メトキシベンジルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−チオカルボキサミド(115mg)で置き換えて、目的化合物の粗生成物(75mg)を得、それをさらに精製せずに次のステップに直接使用した。
【0143】
ステップB:
2−(2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ)[1,5−a]ピリミジン−3−イル)チアゾール−4−カルボン酸エチル
【化91】
実施例27のステップBの実験ステップを参照して、5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−(4−メトキシベンジル)−3−(4−メチルオキサゾール−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミンを、2−(5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−((4−メトキシベンジル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)チアゾール−4−カルボン酸エチル(30mg)で置き換えて目的化合物(13mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.23−7.81 (m, 2H), 7.13−7.00 (m, 1H), 6.96−6.81 (m, 1H), 6.72 (brs, 1H), 6.28−5.42 (m, 3H), 5.17−5.02 (m, 1H), 4.39 (dd, J = 13.2 Hz, J = 6.4 Hz, 2H), 4.19−3.46 (m, 2H), 2.50 (m, 1H), 2.18−1.94 (m, 3H), 1.47−1.22 (m, 3H)。m/z=471[M+1]
+。
【0144】
実施例30
(2−(2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a])ピリミジン−3−イル)チアゾール−4−イル)((S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン
【化92】
ステップA:
2−(5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−((4−メトキシベンジル)アミノ))ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)チアゾール−4−カルボン酸
【化93】
室温で、2−(5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−((4−メトキシベンジル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)チアゾール−4−カルボン酸エチル(45mg)の固体を入れた丸底フラスコ中に、メタノール/水(V/V=3/1、8mL)に加え、次いで0℃に冷却した。水酸化ナトリウム(15mg)を加え、そして室温で8時間撹拌した。反応終了後、得られた混合物を減圧下で濃縮してメタノールを除去し、希塩酸で酸性に調整した後、酢酸エチルで抽出し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮して目的化合物の粗生成物(50mg)を得、それを精製せずに次のステップに直接使用した。
【0145】
ステップB:
(2−(2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a])ピリミジン−3−イル)チアゾール−4−イル)((S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン
【化94】
室温で、上記ステップで得られた2−(5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−((4−メトキシベンジル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)チアゾール−4−カルボン酸の粗生成物(50mg)、(S)−3−ヒドロキシピロリジン(9mg)およびDIEA(45mg)をDMF(5mL)に溶解した。0℃で、反応混合物にHATU(35mg)を加え、次いで室温に昇温し、16時間撹拌した。その後、水を加えて反応をクエンチさせた。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を水で洗浄し、次いで飽和食塩水で洗浄した。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して縮合生成物の粗生成物を得て、それを次にDCMに溶解した。TFA(1.0mL)をそれに添加し、そして3時間反応させた。得られた混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的化合物(15mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.25−7.59 (m, 2H), 7.05 (brs, 1H), 6.95−6.56 (m, 2H), 6.18−5.96 (m, 0.5H), 5.93−5.42 (m, 1H), 5.24−5.01 (m, 0.5H), 4.55 (brs, 1H), 4.31−3.38 (m, 7H), 2.62−2.41 (m, 1H), 2.22−1.94 (m, 5H)。m/z=512[M+1]
+。
【0146】
実施例31
2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−チオアミド
【化95】
ステップA: 5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(4−メトキシベンジルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−チオカルボキサミド
【化96】
室温で、5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(4−メトキシベンジルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド(200mg)のトルエン(12mL)溶液に、ローソン試薬(102mg)を加えた。窒素ガスの保護下で、混合物を100℃に昇温して12時間還流し、次いで減圧下で濃縮した。シリカゲルを直接加えてサンプルと混合し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的化合物(95mg)を得、これを次のステップに直接使用した。
【0147】
ステップB:
2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−チオアミド
【化97】
実施例27のステップBの実験ステップを参照して、5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−(4−メトキシベンジル)−3−(4−メチルオキサゾール−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミンを、5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−2−(4−メトキシベンジルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−チオカルボキサミド(30mg)に置き換えて目的化合物(14mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.64−9.38 (m, 0.4H), 8.75 (brs, 0.6H), 8.17−7.92 (m, 1H), 7.10−6.81 (m, 3H), 6.75−6.03 (m, 3H), 5.80−5.63 (m, 0.5H), 5.57−5.40 (m, 1H), 5.25−5.09 (m, 0.5H), 4.02−3.79 (m, 2H), 2.53 (m, 1H), 2.42−2.96 (m, 3H)。m/z=375[M+1]
+。
【0148】
実施例32
(R)−3−ブロモ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化98】
氷浴中で撹拌しながら、(R)−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン(180mg)のトリクロロメタン溶液に、NBS(122mg)を徐々に加え、添加終了後、得られた混合物を30分間反応させた。次いで適量の水でクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、分離して目的化合物(114mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.85 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.05−7.00 (m, 1H), 6.92−6.88 (m, 1H), 6.78−6.74 (m, 1H), 5.70 (brs, 1H), 5.30 (brs, 1H), 4.20−3.68 (m, 4H), 2.47 (m, 1H), 2.06−2.02 (m, 3H)。m/z = 394[M+1]
+。
【0149】
実施例33
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリニルフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化99】
ステップA:
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化100】
実施例9を参照して、(R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジンを、2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジンに置き換えて2−アセチルアミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルを得た。
【0150】
氷浴中で撹拌しながら、2−アセチルアミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(822mg)を48%の濃硫酸に加え、添加終了後、得られた混合物を100℃に昇温し、6時間反応させた。室温に冷却し、反応液を氷に注ぎ、1N水酸化ナトリウム水溶液でpH=8程度に調整した後、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的化合物(483mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.91 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.07−7.01 (m, 1H), 6.92−6.88 (m, 1H), 6.75−6.70 (m, 1H), 5.69 (s, 1H), 5.47 (s, 1H), 5.25 (brs, 1H), 3.92 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 2.45 (m, 1H), 2.12−1.92 (m, 3H)。m/z = 316[M+1]
+。
【0151】
ステップB:3−ブロモ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化101】
実施例32を参照して、(R)−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミンを、5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミンに置き換えて目的化合物(収率:73%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.85 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.06−7.01 (m, 1H), 6.92−6.87 (m, 1H), 6.78−6.74 (m, 1H), 5.70 (brs, 1H), 5.30 (brs, 1H), 4.21−3.68 (m, 4H), 2.46 (m, 1H), 2.06−2.01 (m, 3H)。m/z = 394[M+1]
+。
【0152】
ステップC:
3−ブロモ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ
【化102】
氷浴中で撹拌しながら、3−ブロモ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン(440mg)およびトリエチルアミン(932μL)のジクロロメタン溶液に、(Boc)
2O(1.07mL)を徐々に滴下した後、DMAP(13.6mg)を加えた。添加終了後、得られた混合物を室温に昇温し、3時間反応させた。適量の水を加え、次いで混合物をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離して目的化合物(379mg)を得た。
m/z = 494[M+1]
+。
【0153】
ステップD:
5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−3−(3−モルホリニルフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化103】
封管反応において、3−ブロモ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ(30mg)のDME/水(V/V=1/1)の混合溶液に、(3−モルホリニルフェニル)ボロン酸(15mg)、リン酸カリウム(26mg)およびテトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.4mg)を加えた。反応混合物を窒素ガスでパージし、110℃に昇温し、一晩反応させた。その後、適量の水を加え、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、そして残渣を薄層クロマトグラフィーにより精製し、分離して目的化合物(1.52mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.22 (brs, 1H), 7.05 (m, 2H), 6.91−6.89 (m, 2H), 6.77−6.75 (m, 2H), 5.83 (brs, 1H), 5.33 (brs, 1H), 4.53−4.14 (m, 2H), 4.00−3.63 (m, 5H), 3.19 (m, 4H), 2.44 (m, 1H), 2.08−2.01 (m, 3H)。m/z = 477[M+1]
+。
【0154】
実施例34
(R)−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化104】
ステップA:
(R)−3−ブロモ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ
【化105】
実施例33のステップCを参照して、3−ブロモ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミンを、(R)−3−ブロモ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミンに置き換えて目的化合物(収率:56%)を得た。
m/z = 494[M+1]
+。
【0155】
ステップB:
(R)−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ
【化106】
マイクロ波反応において、(R)−3−ブロモ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ(40mg)の1,4−ジオキサン/水(V/V=4/1)の混合溶液に、1−メチル−4−ピラゾールボロン酸ピナコールエステル(25mg)、炭酸カリウム(22mg)およびテトラ(トリフェニルホスフィン)パラジウム(4.6mg)を加えた。反応混合物を窒素ガスでパージし、マイクロ波下、120℃で1時間反応させた。その後、適量の水を加え、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、そして残渣を薄層クロマトグラフィーにより精製し、分離して目的化合物(30mg)を得た。
m/z = 496[M+1]
+。
【0156】
ステップC:
(R)−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン
【化107】
氷浴中で撹拌しながら、(R)−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ(30mg)のジクロロメタン溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を徐々に滴下し、滴下終了後、混合物を室温に昇温し、3時間反応させた。減圧下で、溶媒とトリフルオロ酢酸を留去し、適量の水を加え、得られた混合物を飽和炭酸ナトリウム溶液でpH=8程度に調整し、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してろ過し、そしてろ液を減圧下で濃縮し、そして残渣を薄層クロマトグラフィーにより精製し、分離して目的化合物(14mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.11 (s, 1H), 7.12−7.05 (m, 1H), 6.94−6.92 (m, 1H), 6.80−6.75 (m, 1H), 5.96 (brs, 1H), 5.55 (brs, 1H), 4.28 (brs, 2H), 4.02−3.63 (m, 5H), 2.59−2.41 (m, 1H), 2.11−2.05 (m, 3H)。m/z = 396[M+1]
+。
【0157】
実施例35
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化108】
(2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン(108mg)、2−アミノ−5−クロロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(155mg)およびN、N−ジイソプロピルエチルアミン(129mg)を、n−ブタノールに溶解し、160℃で一晩封管反応させた。反応終了確認後、溶媒を除去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(V/V:PE/EA=3/1)で精製して目的化合物(142mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.98−7.84 (m, 1H), 7.04−6.94 (m, 3H), 5.70−5.90 (m, 1H), 5.24−5.50 (m, 4H), 4.85−4.45 (m, 1H), 4.42−4.21 (m, 2H), 4.11−3.93 (m, 1H), 2.85−3.10 (m, 1H), 2.04−2.30 (m, 1H), 1.40 (m, 3H)。m/z=406[M+1]
+。
【0158】
実施例36
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化109】
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(142mg)のn−ブタノール溶液に、アンモニア水(2mL)、少量の塩化アンモニウムおよび触媒量のヨウ化テトラブチルアンモニウムを加え、そして反応混合物を鉄製封管中に入れて160℃で30時間撹拌した。その後、溶媒を除去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(V/V:PE/EA=1.5/1)で精製して目的化合物(25mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.23 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 7.02−7.08 (m, 1H), 6.92−6.96 (m, 1H), 6.82−6.86 (m, 1H), 5.93 (brs, 1H), 5.70−5.20 (m, 5H), 4.35−4.10 (m, 1H), 4.09−3.97 (m, 1H), 3.02−2.93 (m, 1H), 2.28−2.10 (m, 1H)。m/z=377[M+1]
+。
【0159】
実施例37
2−アミノ−5−((2S,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン)−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化110】
実施例35を参照して、(2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン(化合物I3)を、(2S,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン(化合物I4)に置き換えて目的化合物(70mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.02−7.98 (m, 1H), 7.14−6.72 (m, 3H), 5.83 (m, 1H), 5.55−5.20 (m, 4H), 4.40−4.28 (m, 3H), 4.15−3.95 (m, 1H), 2.80−2.60 (m, 1H), 2.56−2.47 (m, 1H), 1.30−1.45 (m, 3H)。m/z=406[M+1]
+。
【0160】
実施例38
2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4−フルオロピロリジン)−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化111】
実施例35を参照して、(2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン(化合物I3)を、2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4−ジフルオロピロリジン(中間体I5)に置き換えて目的化合物(1.3mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.15−7.98 (m, 1H), 7.14−6.85 (m, 3H), 5.83−5.79 (m, 1H), 5.58−5.20 (m, 3H), 4.45−4.20 (m, 4H), 3.20−3.00 (m, 1H), 2.65−2.45 (m, 1H), 1.30−1.45 (m, 3H)。m/z=424[M+1]
+。
【0161】
実施例39
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)−N−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化112】
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(50mg)を封管反応器に入れ、次いでメチルアミンのメタノール溶液(2mL)を加え、100℃で40時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣を薄層クロマトグラフィー(EA)により精製して目的化合物(30mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.04 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.10−6.81 (m, 3H), 6.10−5.80 (m, 1H), 5.70−5.20 (m, 4H), 4.40−3.90 (m, 2H), 3.02−2.93 (m, 5H), 2.23−2.04 (m, 1H)。m/z=391[M+1]
+。
【0162】
実施例40
(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化113】
実施例3を参照して、メチルアミン塩酸塩を、1−[2−(アミノオキシ)エトキシ]エチレンに置き換えし、抽出時に、得られた混合物を1N塩酸溶液で洗浄し、最後に薄層クロマトグラフィーで分離して目的化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.36 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.11−7.05 (m, 1H), 6.97−6.93 (m, 1H), 6.75−6.72 (m, 1H), 6.15 (brs, 1H), 5.54 (brs, 1H), 5.33 (s, 2H), 4.01−3.81 (m, 7H), 2.53 (m, 1H), 2.30−1.99 (m, 3H)。m/z = 419[M+1]
+。
【0163】
実施例41
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル
【化114】
氷浴中で撹拌しながら、2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド(45mg)およびトリエチルアミン(100μL)のジクロロメタン(10mL)溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(63mg)のジクロロメタン(2mL)溶液を滴下した。反応混合物を氷浴中で1時間反応させた後、飽和炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、分離して目的化合物(22mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 8.35 (s, 1H), 7.24−7.12 (m, 3H), 6.40 (brs, 0.5H), 6.10 (s, 2H), 5.91 (brs, 0.5H), 5.51 (d, J = 52.4 Hz, 1H), 5.36 (m, 1H), 4.11−4.01 (m, 2H), 2.89−2.80 (m, 1H), 2.30−2.19 (m, 1H)。m/z=359[M+1]
+。
【0164】
実施例42
2−アミノ−5−((4R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化115】
実施例1のステップEを参照して、(R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジンを、(3R)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン(化合物I6)に置き換えて目的化合物(収率:66%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.97 (s, 0.5H), 7.88 (d, J = 7.4 Hz, 0.5H), 7.08−7.02 (m, 1.5H), 6.97−6.83 (m, 1.5H), 5.80 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.41 (m, 1H), 5.26 (s, 2H), 4.70 (d, J = 17.8 Hz, 1H), 4.46−4.28 (m, 2H), 4.17−3.97 (m, 2H), 2.81−2.62 (m, 1H), 2.47 (brs, 0.5H), 2.25−2.15 (m, 1H), 1.76 (brs, 0.5H), 1.40 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。m/z = 404 [M+1]
+。
【0165】
実施例43
2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−オキソピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化116】
実施例1のステップEを参照して、(R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジンを、5−(2,5−ジフルオロフェニル)−ピロリジン−3−オン(化合物I7)で置換して目的化合物(収率:4%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.11 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.29−7.27 (m, 1H), 7.12−6.86 (m, 2H), 5.99 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.90 (m, 1H), 5.42 (s, 2H), 4.43 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 4.31−4.07 (m, 2H), 3.31 (dd, J = 18.6, 10.6 Hz, 1H), 2.79 (d, J = 18.6 Hz, 1H), 1.46 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。m/z = 402 [M+1]
+。
【0166】
実施例44
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル
【化117】
ステップA:
(2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−(4−ニトロベンゾイルオキシ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化118】
氷浴中で撹拌しながら、トリフェニルホスフィン(4.55g)のテトラヒドロフラン溶液(40mL)に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(3.51g)を滴下した。次に混合物を室温で約30分間撹拌し、大量の固体が沈殿した。反応溶液に、p−ニトロ安息香酸(2.66g)、および(4R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(4.33g、実施例3のステップEで得られた)を順次滴下した。得られた混合物を室温で3時間反応させ、水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、分離して目的化合物(2.84g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.35 (d, J = 2.0 Hz, 2H), 8.23 (d, J = 2.0 Hz, 2H), 7.08−6.89 (m, 3H), 5.59 (s, 1H), 5.38−5.12 (m, 1H), 4.15−3.83 (m, 2H), 2.74 (q, J = 8.0 Hz, 1H), 2.33−2.18 (m, 1H), 1.53−1.15 (m, 9H)。m/z=449[M+1]
+。
【0167】
ステップB:
(3S、5R)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエート塩酸塩
【化119】
氷浴中で撹拌しながら、(2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−(4−ニトロベンゾイルオキシ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.74g)のジオキサン(3mL)溶液に、濃塩酸(0.7mL)を滴下し、次いで80℃に加熱し、撹拌しながら20分間反応させた。得られた混合物を濃縮して溶媒を除去し、得られた粗生成物(0.64g)を次のステップに直接使用した。
【0168】
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 10.71 (brs, 1H), 9.75 (brs, 1H), 8.38−8.35 (m, 4H), 7.70−7.60 (m, 1H), 7.44−7.33 (m, 2H), 5.73 (t, J = 4.0 Hz, 1H), 5.13 (q, J = 6.4 Hz, 1H), 3.84 (dd, J = 4.0, 8.0 Hz, 1H), 3.60 (d, J = 12 Hz, 1H), 2.80−2.60 (m, 2H)。m/z=349[M+1]
+。
【0169】
ステップC:
(3S、5R)−1−(2−アミノ−3−シアノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエート
【化120】
乾燥の100mLの一ツ口フラスコに、(3S、5R)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエート塩酸塩(0.64g)、ジイソプロピルエチルアミン(1.1g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)を入れて室温で10分間撹拌した後、ベンゾトリアゾール−1−トリス(トリメチルアミノ)−トリフルオロホスフェート(0.88g)を加えたところ、反応系は白濁から透明に変化した。それに2−アミノ−5−オキソ−4,5−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル(0.35g、これは実施例1のステップCを参照して2−ジアミノ−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルの代わりに3,5−ジアミノ−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルを用いたことにより製造された)を加えた。上記溶液を100℃に維持し、2時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣をジクロロメタンに溶解した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、分離して目的化合物(0.59g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.30 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 8.20 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 7.93 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.14−6.84 (m, 3H), 6.00−5.30 (m, 3H), 4.45 (brs, 3H), 4.24 (dd, J = 4, 12 Hz, 1H), 3.00−2.85 (m, 1H), 2.56−2.44 (m, 1H)。m/z=506[M+1]
+。
【0170】
ステップD:
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル
【化121】
氷浴中で撹拌しながら、(3S、5R)−1−(2−アミノ−3−シアノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエート(0.51g)のへメタノール(3mL)溶液に、4N水酸化ナトリウム溶液(1.5mL)を滴下し、次いで室温で約1時間撹拌した。得られた混合物を氷浴中で4N塩酸で中性に調整し、ジクロロメタンで抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、分離して目的化合物(0.32g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 8.40−8.16 (m, 1H), 7.35−6.95 (m, 3H), 6.18−5.92 (m, 2H), 5.78 (brs, 1H), 5.42−5.12 (m, 2H), 4.50−4.35 (m, 1H), 4.02−3.80 (m, 1.5H), 3.45 (brs, 0.5H), 2.43−2.28 (m, 1H), 2.08−1.93 (m, 1H)。m/z=357[M+1]
+。
【0171】
実施例45
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化122】
ステップA:
(3S、5R)−1−(2−アミノ−3−カルバモイル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエート
【化123】
実施例44のステップCで得られた目的化合物(50mg)を98%濃硫酸(1.5mL)に懸濁し、室温で1時間撹拌し反応させた。反応液を氷水に注ぎ込み、4N水酸化ナトリウム水溶液で反応系のpHを弱塩基性に調整した。次いで、得られた混合物をジクロロメタンで抽出し、乾燥してろ過し、そしてろ液を濃縮して粗生成物(43mg)を得、それを次のステップに直接使用した。m/z=524[M+1]
+。
【0172】
ステップB:
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化124】
実施例44のステップDを参照して、(3S、5R)−1−(2−アミノ−3−シアノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエートを、(3S、5R)−1−(2−アミノ−3−カルバモイル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエートに置き換えて目的化合物(収率:66%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.18−7.95 (m, 1H), 7.12−6.80 (m, 3H), 6.38−6.20 (m, 1H), 5.48−5.37 (m, 1H), 4.58−4.45 (m, 1H), 4.02−3.85 (m, 1H), 3.70−3.55 (m, 1H), 2.55−2.24 (m, 1H), 2.11−1.98 (m, 1H)。m/z=375[M+1]
+。
【0173】
実施例46
2−アミノ−5−((2S,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル
【化125】
ステップA:
(3S、5S)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエート塩酸塩
【化126】
実施例44のステップBを参照して、(2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−(4−ニトロベンゾイルオキシ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを、(2S,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−(4−ニトロベンゾイルオキシ)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(実施例44のステップAで分離されて得た)に置き換えて目的化合物を得た(収率:100%)。
【0174】
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 10.71 (brs, 1H), 10.10 (brs, 1H), 8.38−8.35 (m, 4H), 7.780−7.69 (m, 1H), 7.44−7.35 (m, 2H), 5.75 (s, 1H), 5.04 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 3.88−3.65 (m, 2H), 3.02−2.95 (m, 1H), 2.51−2.38 (m, 1H)。m/z=349[M+1]
+。
【0175】
ステップB:(3S、5S)−1−(2−アミノ−3−シアノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエート
【化127】
実施例44のステップCに関して、(3S、5R)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエート塩酸塩を、(3S、5S)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエート塩酸塩に置き換えて目的化合物の粗生成物(収率:60%)を得、これを次のステップに直接使用した。m/z=506 [M+1]
+。
【0176】
ステップC:
2−アミノ−5−((2S,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル
【化128】
実施例44のステップDを参照して、(3S、5R)−1−(2−アミノ−3−シアノピラゾロ[1,5−a])ピリミジン−5−イル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエートを、(3S、5S)−1−(2−アミノ−3−シアノピラゾロ)[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエートに置き換えて目的化合物(収率:70%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.13−7.92 (m, 1H), 7.11−6.81 (m, 3H), 6.33−5.60 (m, 1H), 5.55−5.15 (m, 1H), 4.56−4.48 (m, 1H), 3.95−3.60 (m, 2H), 2.71−2.55 (m, 1H), 2.16−1.95 (m, 1H)。m/z=357[M+1]
+。
【0177】
実施例47
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化129】
ステップA:
(3S、5S)−1−(2−アミノ−3−カルバモイル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエート
【化130】
実施例45のステップAを参照して、(3S、5R)−1−(2−アミノ−3−シアノピラゾロ[1,5−a])ピリミジン−5−イル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエートを、(3S、5S)−1−(2−アミノ−3−シアノピラゾロ)[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエートに置き換えて目的化合物の粗生成物(収率:75%)を得、それを次のステップに直接使用した。m/z=524[M+1]
+。
【0178】
ステップB:
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化131】
実施例44のステップDを参照して、(3S、5R)−1−(2−アミノ−3−カルバモイル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエートを(3S、5S)−1−(2−アミノ−3−カルバモイル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−3−イル−4−ニトロベンゾエートに置き換えて目的化合物(収率:80%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.10−7.98 (m, 1H), 7.15−6.90 (m, 3H), 6.08−5.78 (m, 1H), 5.61−4.92 (m, 5H), 4.80−4.71 (m, 1H), 4.05−3.84 (m, 2H), 2.80−2.71 (m, 1H), 2.25−2.13 (m, 1H),1.80 (brs, 1H)。m/z=375 [M+1]
+。
【0179】
実施例48
2−アミノ−5−((4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化132】
ステップA:
2−アミノ−5−((4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−(4−ニトロベンゾイルオキシ)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化133】
氷浴中で撹拌しながら、2−アミノ−5−((4R)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(50mg、実施例42)、p−ニトロ安息香酸(41mg)およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(47μL)のジクロロメタン溶液に、トリフェニルホスフィン(81mg)に徐々に加えた。次に反応混合物を室温に昇温し、一晩反応させた。得られた混合物を減圧蒸留により濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離して目的化合物(55mg)を得た。
m/z = 553[M+1]
+。
【0180】
ステップB:
2−アミノ−5−((4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル
【化134】
氷浴中で撹拌しながら、2−アミノ−5−((4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−(4−ニトロベンゾイルオキシ)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(200mg)のメタノール溶液に、水酸化ナトリウム溶液(1N、2mL)を徐々に滴下した。次に反応混合物を室温に昇温し、2時間反応させた。その後、メタノール溶媒を減圧留去し、ジクロロメタンで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧蒸留により濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製し、目的化合物(103mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.99 (s, 1H), 7.01 (m, 3H), 5.83 (brs, 1H), 5.32−5.30 (m, 3H), 4.71 (m, 1H), 4.34−4.02 (m, 4H), 2.75−2.69 (m, 1H), 2.24−2.05 (m, 1H), 1.40 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。m/z = 404[M+1]
+。
【0181】
実施例49
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)−N−(2−(ヒドロキシエチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化135】
ステップA:
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸
【化136】
実施例2を参照して、2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチル(300mg、これは実施例35で調製された)から目的化合物(160mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6) δ 10.98 (brs, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.33−6.89 (m, 3H), 6.24 (brs, 0.5H), 5.89 (s, 2H), 5.66 (brs, 0.5H), 5.39 (d, J = 53.4 Hz, 1H), 5.25−5.23 (m, 1H), 4.10−4.01 (m, 2H), 2.72 (m, 1H), 2.29−1.99 (m, 1H)。m/z = 378[M+1]
+。
【0182】
ステップB:2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)−N−(2−(ヒドロキシエチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化137】
実施例3を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸を2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(100mg)に、およびメチルアミン塩酸塩をエタノールアミン(160mg)に、それぞれ置き換えて目的化合物(18mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.03 (s, 1H), 7.53 (brs, 1H), 7.13−6.79 (m, 3H), 5.96 (brs, 1H), 5.49−5.30 (m, 4H), 4.14−3.92 (m, 2H), 3.78−3.73 (m, 2H), 3.55−3.53 (m, 2H), 2.98−2.94 (m, 1H), 2.31−1.99 (m, 1H)。m/z = 421[M+1]
+。
【0183】
実施例50
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化138】
実施例3を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸を、2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸に、およびメチルアミン塩酸塩を1−[2−(アミノオキシ)エトキシ]エチレンに、それぞれ置き換え、得られた混合物を抽出時に1N塩酸で洗浄し、最後に薄層クロマトグラフィーで分離して目的化合物得た。
【0184】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.23 (brs, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.18−6.78 (m, 3H), 6.00 (brs, 1H), 5.50−5.11 (m, 4H), 4.10−4.00 (m, 4H), 3.88−3.71 (m, 2H), 2.98−2.96 (m, 1H), 2.22−2.01 (m, 1H)。m/z = 437[M+1]
+。
【0185】
実施例51
2−アミノ−N−シクロプロピル−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化139】
実施例3を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸を2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸に置き換え、およびメチルアミン塩酸塩をシクロプロピルアミンに置き換えて目的化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.03 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.65−7.19 (m, 1H), 7.18−7.06 (m, 1H), 7.05−6.92 (m, 1H), 6.83−6.79 (m, 1H), 5.92 (brs, 1H), 5.53−5.35 (m, 4H), 4.25 (brs, 1H), 4.06−3.94 (m, 1H), 3.06−2.96 (m, 1H), 2.76 (brs, 1H), 2.26−2.10 (m, 1H), 0.88−0.82 (m, 2H), 0.56−0.54 (m, 2H)。m/z = 417[M+1]
+。
【0186】
実施例52
2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)−N−(1−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボキサミド
【化140】
実施例3を参照して、(R)−2−アミノ−5−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸を2−アミノ−5−((2R,4S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−フルオロピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸に置き換え、およびメチルアミン塩酸塩を1−アミノシクロプロパンメタノール塩酸塩に置き換えて目的化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.04 (brs, 1H), 7.95−7.31 (m, 1H), 7.10−7.04 (m, 1H), 6.99−6.94 (m, 1H), 6.88−6.84 (m, 1H), 6.23−5.62 (m, 1H), 5.48−5.35 (m, 4H), 5.09−4.47 (m, 1H), 4.42−4.15 (m, 1H), 4.07−3.95 (m, 1H), 3.82−3.25 (m, 2H), 3.06−2.96 (m, 1H), 2.22−2.12 (m, 1H), 1.06−0.83 (m, 4H)。m/z = 447[M+1]
+。
【0187】
生物学的活性実験
1.NTRKキナーゼに対する阻害活性(IC
50)の検出
均一時間分解蛍光(HTRF)法を用いてTrkA、TrkBおよびTrkCのキナーゼ活性検出プラットフォームを構築し、化合物活性の測定を行った。化合物を出発濃度1mMから始めて100%DMSOで3倍の段階希釈(合計11個の濃度)を行い、各濃度について希釈サンプル4μLを、反応緩衝液(50mMのHEPES、pH7.4、5mMのMgCl
2、1mMのNaVO
3、0.001%のTween−20、0.01%のBSAおよび1mMのDTT)96μLに加え、均一に混合して4*化合物として使用されるために用意した。反応緩衝液を用いて2*TrkA、TrkBおよびTrkCキナーゼ(Carna Biosciences社製、08−186、08−187、08−197、それらの最終濃度はそれぞれ0.5nM、0.1nMおよび1nM)、および4*基質混合物(ATP+TKペプチド)(ここでATPの最終濃度はそれぞれ40μM、50μM、および20μMであった。TKペプチド、HTRF(登録商標)KinEASE
TM−TKは、Cisbioから購入し、そしてその最終濃度は100nMである。)を調製して用意した。2.5μLの4*化合物を取って384ウェルプレート(OptiPlate−384、PerkinElmer社製)に加え、そして5μLの2*TrkA、TrkBおよびTrkCキナーゼを加え、遠心分離により均一に混合し、次に2.5μLの4*基質混合物を加えて反応を開始させた(総反応体積は10μLである)。384ウェルプレートをインキュベーターに入れ、23℃で60分間インキュベートした後、Eu
3+クリプテートラベル化抗ホスホチロシン抗体(Eu
3+ cryptate−labled anti−phosphotyrosine antibody、HTRF(登録商標)KinEASE
TM−TK、Cisbio社製)5μL、およびストレプトアビジン(Streptavidin)−XL−665(HTRF(登録商標)KinEASE
TM−TK、Cisbio社製)5μLを加えて反応をクエンチさせた。インキュベータにおいて1時間インキュベートした後、Envision (PerkinElmerから購入された)から蛍光値(320nmで励起し、665nmおよび620nmの出射光を検出し、両方の比率は酵素活性である)を読み取った。各化合物は、それぞれ11個の濃度で酵素活性を測定し、ソフトウェアGraFit 6.0(Erithacus Software)を用いてデータを計算し、当該化合物のIC
50値を得た。
【0188】
2.JAK2キナーゼに対する阻害活性(IC
50)の検出
均一時間分解蛍光(HTRF)法を用いてJAK2のキナーゼ活性検出プラットフォームを構築し、化合物活性の測定を行った。化合物を出発濃度1mMから始めて100% DMSOで3倍の段階希釈(合計で11個の濃度)を行い、各濃度について希釈サンプル4μLを取って反応緩衝液(50 mM HEPES、pH7.4、10mM MgCl
2、1mM EDTA、0.01% Tween−20、0.005% BSA、2mM DTT)96μLに加えて均一に混合し、その後2.5μLを取って384ウェルプレート(OptiPlate−384、PerkinElmer社製)に入れ、その後JAK2キナーゼ(Carna社製、最終濃度:0.05nM) 5μLを加えて遠心で均一に混合し、さらにATP(最終濃度:5μM) とTK peptide(HTRF(登録商標) KinEASE
TM−TK、Cisbio社製、最終濃度:100nM)との混合物2.5μLを加えて反応を開始させた(総反応体積は10μLである)。384ウェルプレートをインキュベータに入れ、23℃で120分間インキュベータさせ、その後、Eu3+ cryptate−labled anti−phosphotyrosine antibody(Cisbioから購入された) 5μL、Streptavidin−XL−665(HTRF(登録商標) KinEASE
TM−TK、Cisbioから購入された) 5μLを加えて反応を停止させた。インキュベータにおいて1時間インキュベートした後、Envision(PerkinElmerから購入された)から蛍光値(320nmで励起し、665nmおよび620nmの出射光を検出し、両方の比率は酵素活性である)を読み取った。各化合物は、それぞれ11個の濃度で酵素活性を測定し、ソフトウェアGraFit 6.0(Erithacus Software)を用いてデータを計算し、当該化合物のIC
50値を得た。
【0189】
3.TrkA
G667Cキナーゼに対する阻害活性(IC
50)の検出
pIEX−Bac−4(Merck社製)を用い、TrkA
G667C(キナーゼドメイン)キナーゼをSf9細胞(Invitrogen社製)に発現させ、AKTA Purifier(GE社)でNiカラムアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。均一時間分解蛍光(HTRF)法を用いてTrkA
G667Cのキナーゼ活性検出プラットフォームを構築し、化合物活性の測定を行った。化合物を出発濃度1mMから始めて100%DMSOで5倍の段階希釈(合計8個の濃度)を行い、各濃度について希釈サンプル4μLを、反応緩衝液(50mMのHEPES、pH7.4、5mMのMgCl
2、1mMのNaVO
3、0.001%のTween−20、0.01%のBSAおよび1mMのDTT)96μLに加え、均一に混合して4*化合物として使用されるために用意した。反応緩衝液を用いて、2*TrkA
G667Cキナーゼ(最終濃度:0.5nM)および4*基質混合物(ATP+TKペプチド)(ここで、ATPの最終濃度:15μM、TKペプチド、HTRF(登録商標) KinEASE
TM−TK、最終濃度:100nM)を調製して用意した。2.5μLの4*化合物を取って384ウェルプレート(OptiPlate−384、PerkinElmer社製)に加え、そして5μLの2*TrkA
G667Cキナーゼを加え、遠心分離により均一に混合し、次に2.5μLの4*基質混合物を加えて反応を開始させた(総反応体積は10μLである)。384ウェルプレートをインキュベーターに入れ、23℃で60分間インキュベートした後、Eu
3+クリプテートラベル化抗ホスホチロシン抗体(Eu
3+ cryptate−labled anti−phosphotyrosine antibody、HTRF(登録商標)KinEASE
TM−TK、Cisbio社製)5μL、およびストレプトアビジン(Streptavidin)−XL−665(HTRF(登録商標)KinEASE
TM−TK、Cisbio社製)5μLを加えて反応をクエンチさせた。インキュベータにおいて1時間インキュベートした後、Envision(PerkinElmerから購入された)から蛍光値(320nmで励起し、665nmおよび620nmの出射光を検出し、両方の比率は酵素活性である)を読み取った。各化合物は、それぞれ8個の濃度で酵素活性を測定し、ソフトウェアGraFit 6.0(Erithacus Software)を用いてデータを計算し、当該化合物のIC
50値を得た。
【0190】
前記活性実験において、特に断りのない限り、以下のような意味を持っている。
「*」は乗算を意味し、倍数を示している。
「3倍の階段希釈」とは、1倍数の体積の原液一に2倍数の体積の希釈液を加えて原液二を得、その後、1倍数の体積の原液二を取ってそれに2倍数の体積の希釈液を加えて原液三を得、このようにして異なる濃度の溶液が得られることを意味する。
「5倍の階段希釈」とは、1倍数の体積の原液一に4倍数の体積の希釈液を加えて原液二を得、その後、1倍数の体積の原液二を取ってそれに4倍数の体積の希釈液を加えて原液三を得、このようにして異なる濃度の溶液が得られることを意味する。
「最終濃度」とは、反応開始時の反応系全体における濃度を意味し、総反応体積に基づく濃度である。
「%」とは質量濃度分率を意味する。
「Tween−20」とはTween20を意味する。
「BSA」とはウシ血清アルブミンを意味する。
「DTT」とはジチオトレイトールを意味する。
「EDTA」とはエチレンジアミン四酢酸を意味する。
【0191】
本明細書に記載の生物学的方法に基づき、上記実施例で製造された化合物を分析し、その結果は、次の通りであり、
【表1】
【表2】
実施例の化合物は、TrkA、TrkBおよびTrkCに対して優れた阻害活性を示しており、さらに、実施例の化合物は、JAK2に比べてTrkに対して高選択的な阻害を有する。
【0192】
【表3】
実施例の化合物は、突然変異型TrkAに対しても優れた阻害活性を示す。
【0193】
薬物動態学実験
雄SDラットは、北京維通利華実験動物技術有限公司により得られ、ラットを群分けて群ごとに3匹にし、被検サンプルの懸濁液(5mg/kg)をそれぞれ単回胃内投与した。実験前に動物を一晩絶食させ、絶食時間は投与前10時間から投与後4時間までである。投与後0.25、0.5、1、2、4、6、8時間、および24時間で採血した。小動物麻酔機を用いてイソフルランで麻酔した後、眼底静脈叢により全血0.3mLを取り、ヘパリン抗凝固チューブに入れ、サンプルを4℃、4000rpmで5分間遠心し、血漿を遠心管に移して、分析するまで−80℃で保存した。血漿におけるサンプルをタンパク質沈殿法により抽出し、抽出液をLC/MS/MSにより分析した。
【0194】
【表4】