(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-500080(P2020-500080A)
(43)【公表日】2020年1月9日
(54)【発明の名称】手首式血圧計
(51)【国際特許分類】
A61B 5/022 20060101AFI20191206BHJP
A61B 5/0235 20060101ALI20191206BHJP
【FI】
A61B5/022 300F
A61B5/0235
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-527875(P2019-527875)
(86)(22)【出願日】2017年11月23日
(85)【翻訳文提出日】2019年5月23日
(86)【国際出願番号】KR2017013418
(87)【国際公開番号】WO2018097617
(87)【国際公開日】20180531
(31)【優先権主張番号】10-2016-0156362
(32)【優先日】2016年11月23日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】515273368
【氏名又は名称】チャームケア・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】イ,ドン ファ
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AB02
4C017AC03
4C017AD14
4C017DE10
4C017EE01
4C017FF08
4C017FF17
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、手首に着用可能な手首式血圧計を開示する。本発明の一形態は、手首への着用のための手首ストラップ(Wrist Strap)を有する手首カーフ(Wrist Cuff)、及び前記手首カーフに備えられる血圧測定用センサー(Sensor)を含んで構成される手首式血圧計を提供し、前記手首ストラップは、前記手首の周り方向に沿って尺骨の周りに配置され、尺骨動脈が通る部位を横切るように、一定の形状に曲がって骨格の形態が維持されるストラップフレームと、前記ストラップフレームに備えられ、前記ストラップフレームの一端部と他端部とを連結する連結ストラップと、を含んで構成される。本発明によれば、ユーザが血圧の測定が必要である度に便利に血圧を測定することができ、手首を圧迫して血圧の測定が行われる間に、尺骨動脈の血流が保障されることができるので血圧の測定の正確度が高くなることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手首に着用可能な手首式血圧計であって、
手首への着用のための手首ストラップ(Wrist Strap)を有する手首カーフ(Wrist Cuff)と、
前記手首カーフに備えられる血圧測定用センサー(Sensor)と、
を含んで構成され、
前記手首ストラップは、
前記手首式の周り方向に沿って尺骨の周りに配置され、尺骨動脈が通る部位を横切るように、一定の形状で曲がって骨格の形態が維持されるストラップフレームと、
前記ストラップフレームに備えられ、前記ストラップフレームの一端部と他端部とを連結する連結ストラップと、
を含んで構成される手首式血圧計。
【請求項2】
前記手首カーフは、
前記手首式の腰骨動脈が通る部位を圧迫するように、前記手首ストラップに備えられるエアバッグ(Air Bag)をさらに含んで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の手首式血圧計。
【請求項3】
前記エアバッグには、給気(Air Supply)が可能になるように弁(Valve)が連結されたことを特徴とする、請求項2に記載の手首式血圧計。
【請求項4】
前記弁は、
前記エアバッグの自家給気(Self−air supply)のために、前記エアバッグ内部の空気圧と前記エアバッグ外部の気圧差によって開放されるチェック弁であることを特徴とする、請求項3に記載の手首式血圧計。
【請求項5】
前記センでは、前記エアバッグに備えられることを特徴とする、請求項2に記載の手首式血圧計。
【請求項6】
前記エアバッグは、前記手首式の腰骨動脈が通る部位を圧迫するように、前記連結ストラップに備えられることを特徴とする、請求項2に記載の手首式血圧計。
【請求項7】
前記連結ストラップは、前記ストラップフレームの一端から延長され、前記ストラップフレームの他端に着脱自在に連結されることを特徴とする、請求項1に記載の手首式血圧計。
【請求項8】
前記連結ストラップは、
手首式圧迫のためのエアバッグが備えられ、前記ストラップフレームの一端部から延長されるメインストラップと、
前記メインストラップから延長され、前記ストラップフレームの他端部に着脱自在に結合される補助ストラップと、
を含んで構成されることを特徴とする、請求項7に記載の手首式血圧計。
【請求項9】
前記ストラップフレームは、
前記連結ストラップを支持するベースフレームと、
手首の厚さに対応して前記手首カーフの高さを調節できるように、前記ベースフレームに移動可能に備えられる高さ調節用補助フレームと、
を含んで構成されることを特徴とする、請求項1から請求項8の何れか1項に記載の手首式血圧計。
【請求項10】
前記手首カーフは、連続的に連結された密閉型の閉ループ(Closed Loop)形状であることを特徴とする、請求項1から請求項8の何れか1項に記載の手首式血圧計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手首に着用して血圧を測定することができる手首式血圧計に関し、より詳しくは、血圧の測定が行われる間に、尺骨動脈の血流が保障され得る手首式血圧計に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、血液が血管の壁に及ぼす圧力を測ったものを血圧と称し、心臓は1分当たり約60〜80回の収縮と弛緩を繰り返す。心臓が収縮して血を押し出す際に、血管に及ぼす圧力を「収縮血圧」と称し、最も高いため、「最高血圧」だと言う。なお、心臓が弛緩されながら血液を受け入れる際に、血管の圧力を「弛緩血圧」と称し、最も低いため、「最低血圧」だと言う。
【0003】
普通、正常人の血圧の場合、収縮血圧は120mmHgであり、弛緩血圧は80mmHgである。大韓民国の成人の4人の1人以上が高血圧に該当し、40歳以降はその比率が急激に増加しつつあり、低血圧に分類された患者もいる。
【0004】
前記高血圧が問題となるのは、高血圧を適切に管理せず放置する場合、眼疾患、腎臓疾患、動脈疾患、脳疾患、心臓疾患のような生命に脅威を与えることができる他の合併症の原因になり得るからである。よって、前記合併症の危険があるか、合併症を患っている患者の場合、持続的な血圧の測定と管理が行われるべきである。
【0005】
上述した高血圧等の成人病関連疾患と健康に対する関心が増加することによって、多様な種類の血圧測定装置が開発されている。
【0006】
血圧の測定方式には、聴診(Korotkoff sounds)方式、オシロメトリック(oscillometric)方式、及びトノメトリック(tonometric)方式等がある。
【0007】
上記の聴診方式は、典型的な圧力測定方式であって、動脈血が通る身体部位に充分な圧力をかけて血液の流れを遮断した上で減圧する過程において、最初に脈搏音が聞こえる瞬間の圧力を収縮期血圧(systolic pressure)として測定し、脈搏音が消える瞬間の圧力を弛緩期血圧(diastolic pressure)として測定する方法である。
【0008】
前記オシロメトリック方式とトノメトリック方式は、デジタル化された血圧測定装置に適用される方式である。
【0009】
前記オシロメトリック方式は、聴診方式と同様に、動脈の血流が塞がれるように動脈血が通る身体部位を充分に加圧した後、一定の速度で減圧する過程、または前記身体部位を一定の速度で増圧するように加圧する過程において発生する脈波を感知して、収縮期血圧と弛緩期血圧とを測定する。
【0010】
ここで、脈波の振幅が最大の瞬間に比べて、一定の水準である時の圧力を収縮期血圧または弛緩期血圧として測定することができる共に、前記脈波振幅の変化率が急激に変化される時の圧力を収縮期血圧または弛緩期血圧として測定することもできる。
【0011】
なお、加圧後、一定の速度で減圧する過程においては、前記脈波の振幅が最大の瞬間よりも先立って収縮期血圧が測定され、前記脈波の振幅が最大の瞬間よりも後で弛緩期血圧が測定される。これとは逆に、一定の速度に増圧する過程においては、前記脈波の振幅が最大の瞬間よりも後で収縮期血圧が測定され、前記脈波の振幅が最大の瞬間よりも先立って弛緩期血圧が測定される。
【0012】
次に、前記トノメトリック方式は、動脈の血流を完全に遮断しないサイズの一定の圧力を身体部位に加え、この際に発生される脈波のサイズ及び形態を用いて連続的に血圧を測定することができる方式である。
【0013】
上記のように血圧を測定する血圧計は、健康指数の基本となる血圧を測定するための最も基本的な医療装備であって、一般の病院・医院では、ほぼ必須的に備えられていると共に、家庭やスポーツセンター等でも個人の血圧を測定するために、広く使っている実情である。
【0014】
ところが、既存の血圧計の場合、大部分、血圧の測定が必要である度に、上膊(上側の腕や上腕、肩からヒジまでの部分)に血圧計を巻いて血圧を測定する小手型として製品が市販されているため、携帯が不便であり、使用時にも所望する際に、容易に血圧を測定することが難しい実情である。
【0015】
例えば、既存のオシロメトリックス方式の血圧計の場合、手首や小手に巻いて圧迫するための血圧計本体と、圧迫カーフ、チューブプラグ、エアホース等が必要なので、構成が複雑であり、嵩が大きく、使用時の正しい測定のためには、エアホースが下向きするように挟まなければならないとか、小手の場合、カーフをヒジから1〜2cmの上側に着用しなければならない等、測定の準備過程において準備事項が多くて、使用が不便であるという問題がある。
【0016】
特に、血圧は、被検者の身体特性に応じて変化の程度が異なるため、体内に合併症のある患者の場合、周期的に及び・または身体に異常を感じる度に、直ちに血圧を測定する必要性があるところ、水銀血圧計と電子血圧計は、後述する問題によって前記患者に不便を提供する。
【0017】
先ず、前記水銀血圧計と電子血圧計は、空気の注入を必要とするカーフを使うようになるところ、前記カーフは嵩が大きいため、ユーザがリアルタイムで着用することが難しい問題がある。
【0018】
また、よく血圧を測定しなければならない患者にとって、前記空圧式カーフを用いた水銀血圧計は、嵩及び重みが過度であり、被検者(患者)が携帯することにおいて不便かつ無理があり、血圧を測定する度に、前記血圧計を脱付着しなければならないという問題がある。
【0019】
さらに、上述した従来の血圧計と同じ精密度を有する空圧式の電子血圧計があるところ、患者が携帯し続けながら周期的に血圧を測定しなければならない場合に適用される場合、電気式ポンプと空気注入式カーフとを使用するため、重くて嵩が大きいことによって、患者の挙動が不便になる問題がある。
【0020】
その他、手首や手先の脈搏と、多様なパラメータに基づいて血圧を測定する非加圧式の電子血圧計も存在しているところ、前記パラメータを正確に特定して汎用的に提供することが難しいため、精密度が低く、正確な血圧を周期的に測定しなければならない患者に適用することが難しい。
【0021】
一方、最近は、腕時計のように、手首に着用して血圧を測定することができる血圧計が手首式血圧計や手首着用血圧計、または腕時計型血圧計等の名称として開発されている。
【0022】
ところが、既存の手首式血圧計は、単に、手首に着用して血圧を測定するため、腕時計型だとは呼ばれるが、手首への加圧のために機械式・電子式ポムピング装置、即ち、エアポンプが備えられているため、構造的に複雑であり、操作及び作動が難しく、故障がよく発生し、製造コストが増加する等の問題がある。また、既存の手首式血圧計は、手首の腰骨動脈が通る部位が充分に圧迫されるように、血圧を測定する度に手首圧迫用空気袋、即ち、エアバッグに空気を注入しなければならず、前記エアバッグが手首の表面に充分には密着されないため、血圧の測定の正確度が低下し、手首を圧迫する際に腰骨動脈と共に尺骨動脈の血流も塞がれる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、上述した問題を解決するために提案されたものであって、手首を圧迫して血圧の測定が行われる間に、尺骨動脈の血流が保障され得る手首式血圧計を提供することにその目的がある。
【0024】
本発明の他の目的は、自家給気(Self−air supply)のできるエアバッグを有する手首式血圧計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、手首に着用可能な手首式血圧計であって、本発明の一形態は、手首への着用のための手首ストラップ(Wrist Strap)を有する手首カーフ(Wrist Cuff)、及び前記手首カーフに備えられる血圧測定用センサー(Sensor)を含んで構成される手首式血圧計を提供し、前記手首ストラップは、前記手首の周り方向に沿って尺骨の周りに配置され、尺骨動脈が通る部位を横切るように、一定の形状に曲がって骨格の形態が維持されるストラップフレームと、前記ストラップフレームに備えられ、前記ストラップフレームの一端部と他端部とを連結する連結ストラップと、を含んで構成される。
【0026】
前記手首カーフは、前記手首の腰骨動脈が通る部位を圧迫するように、前記手首ストラップに備えられるエアバッグ(Air Bag)をさらに含んで構成されることができる。
【0027】
前記エアバッグには、給気(Air Supply)が可能になるように、弁(Valve)が連結され得る。さらに、前記弁は、前記エアバッグの自家給気(Self−air supply)のために、前記エアバッグの内部の空気圧と前記エアバッグの外部の気圧差によって開放されるチェック弁からなりえる。
【0028】
前記センサーは、前記エアバッグに備えられるところ、これに限定されるものではない。さらに、前記エアバッグは、前記手首の腰骨動脈が通る部位を圧迫するように、前記連結ストラップに備えられる。
【0029】
前記連結ストラップは、前記ストラップフレームの一端から延長され、前記ストラップフレームの他端に着脱自在に連結されることもできる。前記手首カーフは、連続的に連結された密閉型の閉ループ(Closed Loop)形状、例えば、断続部位(断絶及び連結される部位)のない環状であり得る。
【0030】
前記連結ストラップは、手首への圧迫のためのエアバッグが備えられ、前記ストラップフレームの一端部から延長されるメインストラップと、前記メインストラップから延長され、前記ストラップフレームの他端部に着脱自在に結合される補助ストラップと、を含んで構成される。
【0031】
前記ストラップフレームは、前記連結ストラップを支持するベースフレームと、手首の厚さに対応して前記手首カーフの高さを調節できるように、前記ベースフレームに移動可能に備えられる高さ調節用補助フレームと、を含んで構成されることもできる。
【0032】
前記手首カーフは、連続的に連結された密閉型の閉ループ(Closed Loop)であることを特徴とする手首式血圧計である。
【発明の効果】
【0033】
本発明の実施例に係る手首式血圧計は、次のような利点を有する。
【0034】
先ず、本発明によれば、ユーザが、血圧の測定が必要である度に便利に血圧を測定することができ、手首を圧迫して血圧の測定が行われる間に、尺骨動脈の血流が保障されることができるので、血圧の測定の正確度が高くなることができる。
【0035】
さらに、本発明によれば、手首式血圧計が基本骨格を維持しながら、ユーザの手首の厚さに合わせてサイズ(高さ)の調節が可能であり、外部環境の変化、例えば、温度の変化に対応してエアバッグの自家空気補充(自家給気)が可能なので、手首式血圧計の性能の低下が防止され得る。
【0036】
また、常に変わる血圧の変化を知るためには、毎日、同じ時間に周期的に血圧を測定し、その数値を記録することが重要であるところ、本発明は、所定の時期毎に自動の血圧測定が可能であり、アラームが備えられる場合、特に、血圧の測定時期を逃さずに規則的に血圧を測定することにおいて非常に有利である。
【0037】
なお、本発明によれば、測定された血圧データを、無線通信ユニットを通じて主治医あるいは専門医等に送って分析することに活用できるので、高血圧、糖尿病、肝臓障害、動脈硬化、血液循環の末梢神経障害等を有している患者にとって、特に効率的な血圧の管理が行われ得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の特徴及び長所は、後述する本発明の実施例に対する詳細な説明と共に、次に説明する図面を参考することによって一層よく理解されることができ、上記の図面のうち、
【0039】
【
図1】本発明に係る手首式血圧計の一実施例を概略的に示す側面図である。
【
図2】
図1に示す手首式血圧計の手首カーフを示す断面図である。
【
図3】
図1に示す手首式血圧計が閉環を形成した状態を示す側面図である。
【
図4】本発明に係る手首式血圧計の他の実施例を概略的に示す側面図である。
【
図5】本発明に係る手首式血圧計の全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施例を、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の実施例を説明することにおいて、同じ構成に対しては同じ図面符号が使われる。
【0041】
先ず、
図1ないし
図3を参照しながら、本発明に係る手首式血圧計の一実施例を説明する。
図1は、本発明に係る手首式血圧計の一実施例を概略的に示す側面図であり、
図2は、
図1に示す手首式血圧計の手首カーフを示す断面図であり、
図3は、
図1に示す手首式血圧計が閉環を形成した状態を示す側面図である。
【0042】
図1ないし
図3を参照すれば、本実施例に係る手首式血圧計は、手首に着用可能な血圧計であって、手首への着用が可能な手首カーフ(Wrist Cuff)100と、血圧測定用センサー(Sensor)200と、を含んで構成される。
【0043】
前記手首カーフ100は、腕時計のように手首に着用可能な構成であって、手首への着用のための手首ストラップ(Wrist Strap)110を有し、前記手首カーフ100には上述した血圧測定用センサー200が備えられる。
【0044】
前記手首カーフ100は、空気袋のない構造でもあり得るが、本実施例のように、前記手首カーフ100は手首式の所定部位、例えば、腰骨動脈Aが通る部位を圧迫するためのエアバッグ(Air Bag)120をさらに含むことができ、本実施例において、前記エアバッグ120は、前記手首ストラップ110には備えられ、前記センサー200は、前記エアバッグ120に連結される。
【0045】
換言すると、本実施例に係る手首式血圧計は、手首式を巻いて血圧を測定する血圧測定カーフであり、ユーザが活動中に腕時計のように携帯可能なタイプで提供されることができると共に、挙動が不自由な病床の患者の手首に着用され、血圧を随時にチェックすることができ、さらに、有線や無線で他の器機、例えば、血圧管理モニターと連結されることもできる。
【0046】
前記手首ストラップ110は、手首を巻くバンド(Band)またはベルト(Belt)タイプの構成であり、前記エアバッグ120は、手首を圧迫するために、前記手首ストラップ110に備えられる空気袋であり、本実施例において、前記センサー200は、前記エアバッグ120に備えられ、前記エアバッグ120の圧力変化を感知するところ、前記センサーの位置が限定されるわけではなく、前記エアバッグの内部と連通する空気の流路に備えられることもできる。
【0047】
前記エアバッグ120は、血圧の測定のために手首を圧迫する構成であって、空気の注入が防止される構造、即ち、開閉が不可な密閉型構造であることもできるが、本実施例においては、空気の注入、即ち、給気(Air Supply)が可能なタイプ、例えば、弁(Valve)130が連結されたエアバッグ120から構成されることもできる。
【0048】
本実施例において、前記弁130は、前記エアバッグの自家給気(Self−air supply)を具現する。前記弁130では、一方向の空気の流動のためのチェック弁が適用されることができ、前記弁130は、前記エアバッグの内部と前記エアバッグの外部の気圧差によって開放されることで、前記エアバッグ120の自家給気が行われる。
【0049】
前記弁130は、チューブ等の空気流路(Air Path)によって前記エアバッグ120に連結されることもできるが、本実施例において、前記弁130は、前記エアバッグ120が備えられる。よって、本実施例において、前記センサー200と弁130は、前記エアバッグ120自体に設置され、前記エアバッグ120の内部圧が外部圧力、即ち、大気圧よりも低い場合、前記弁130を通じて前記エアバッグ120に空気が補充されることができる。
【0050】
前記エアバッグ120は、既に設定された嵩の初期形状に復元できるように、自体の復元力を有する弾性の空気袋、例えば、シリコンやウレタン、あるいはゴム等のように、弾性を有する材質から生成され得る。前記エアバッグ120は、手首の表面、例えば、腰骨動脈Aが通る部位を圧迫し、本実施例において、前記センサー200は、前記エアバッグ120の圧力を感知する装置として、例えば、圧力センサーが適用されることができる。
【0051】
前記センサー200としては、空気圧の測定が可能な各種センサーが適用されることができ、本実施例において、前記センサー200は、前記手首ストラップ110に設けられるケーブル(図示せず)を通じて、制御部、即ち、血圧の計算を行う回路基板140と連結される。
【0052】
さらに、前記手首カーフ100は、本実施例のように、前記手首カーフ100の特定の部位が断続可能な構造(断絶及び連結が可能な構造−着脱可能な構造)からなることができると共に、その逆、即ち、カーフ全体が断続可能な部分なしに連続的に連結された密閉型の閉ループ(Closed Loop)形状、例えば、断続部位(断絶及び連結される部位)のない一体型の環状であることもできる。
【0053】
前記手首カーフ100は、血圧を外部に出力するディスプレイユニット150を基準に、左側ストラップと右側ストラップに区分される。もちろん、前記手首カーフ100は、上述したように、着脱式連結部(断続部位)を有しない一体型閉ループ、即ち、循環構造で連続的に連結された環状、特に、弾力的に拡張可能な環形態になることもできる。
【0054】
前記手首ストラップ110は、ストラップフレーム111と連結ストラップ112とを含んで構成される。前記ストラップフレーム111は、前記手首の既に設定された部位に装着され、前記手首の一部、特に、尺骨が通る部位を囲むように、一定の形状で撓んだ骨格性構成要素であって、前記手首カーフ100の骨格を成す。もちろん、前記ストラップフレーム111がベンディング力に抵抗する一定の水準の弾性を有し得ることは当然である。
【0055】
即ち、前記ストラップフレーム111は、一定の形状で曲がって骨格の形態が維持される構成であり、手首式の周り方向に沿って尺骨の周りに配置され、尺骨動脈Bが通る部位を横切る。
【0056】
前記ストラップフレーム111は、一定の形態を維持するように所定の強度以上に形態安全性を有する軽質の材料、例えば、金属、プラスチック、または軽ゴム等で製造されることができる。さらに、前記連結ストラップ112は、前記ストラップフレーム111に備えられる。より具体的に、前記連結ストラップ112は、前記ストラップフレーム111の一端部と他端部とを連結する。
【0057】
本実施例においては、前記連結ストラップ112の一端部が前記ストラップフレーム111の一端部に一体に固定され、連結ストラップ112の他端部は、前記ストラップフレーム111の他端部に着脱自在に結合されるところ、前記連結ストラップ112の他端部は前記ストラップフレーム111の他端部に一体に固定(断続不可に連結)され、上述した閉ループ構造、即ち、密閉型の手首カーフを形成することもできる。
【0058】
より具体的に説明すれば、本実施例の連結ストラップ112は、前記ストラップフレーム111の一端から延長され、前記ストラップフレーム111の他端に着脱自在に連結される。前記連結ストラップ112は、前記ストラップフレーム111によって支持される可撓性ストラップ、即ち、容易にたわめられる柔軟な材質、例えば、ゴム、シリコン、布地、または皮等のような材質のストラップからなることができると共に、上述したように、前記ストラップフレーム111の一端と他端との間の区間を連結する。
【0059】
もちろん、前記ストラップフレーム111の少なくとも一部が前記連結ストラップ112の内側に備えられ、前記連結ストラップ112によって被覆されることもできる。
【0060】
本実施例において、前記エアバッグ120は、前記連結ストラップ112に備えられ、血圧を測定する時に手首の腰骨動脈Aが通る部位を圧迫する。さらに、前記ストラップフレーム111は、尺骨の周りに沿って配置され、尺骨動脈Bが通る部位を覆うように曲律のある形状からなる。
【0061】
よって、本実施例によれば、前記ストラップフレーム111が、前記尺骨動脈Bが通る部位を覆って尺骨動脈Bを保護するため、血圧の測定が進行される間に、前記尺骨動脈Bの血流を保障(血流が塞がれることは防止)し、尺骨動脈の血流が手首カーフの圧迫によって完全に遮られる現象が防止されるので、トノメトリック方式で血圧の測定が行われることができる。即ち、前記ストラップフレーム111は、血圧の測定中に尺骨動脈Bの血流が持続可能になるように前記尺骨動脈Bを保護するフレームである。
【0062】
また、前記ストラップフレーム111は、ベースフレーム111aと補助フレーム111bとを含んで構成されることもできる。前記ベースフレーム111aは、前記連結フレームに固定され、前記連結ストラップ112を支持する。
【0063】
さらに、前記補助フレーム111bは、手首の厚さに対応して前記手首カーフ100の高さを調節できるように、前記ベースフレーム111aに移動可能に備えられる高さ調節用フレームである。これによって、前記ストラップフレーム111が長さの調節が可能な構造の骨格を形成する。
【0064】
前記ベースフレーム111aと補助フレーム111bは、同じ材質から製造されることができると共に、異種の材質から製造されることもできるところ、但し、前記手首カーフ100の骨格の形態を維持できる所定の剛性を有するように製造される。
【0065】
図1ないし
図3を参照すれば、前記ストラップフレーム111は、撓んだ形状、例えば、鈍角で撓むか、尺骨周りの手首の表面に合うような曲律のある形状であり、前記補助フレーム111bは、前記ベースフレーム111aに前記ストラップフレーム111の長さ方向に移動可能に組み立てられる。
【0066】
前記補助フレーム111bが前記ベースフレーム111aにスライド可能に挟み込まれることもできるが、本実施例においては、前記ベースフレーム111aが前記補助フレーム111bに挟み込まれる。
【0067】
さらに、前記補助フレーム111bには高さの調節のための複数の組み立て孔113が前記補助フレーム111bの長さ方向に沿って間隔を置いて形状され、前記ベースフレーム111aには少なくとも一つの組み立てピン114が備えられ、前記組み立てピン114は、前記ベースフレーム111aに内設されるバネ等の弾性部材(図示せず)によって前記ベースフレーム111aの外側に弾力支持され、本実施例において、前記組み立てピン114は、前記ベースフレーム111aの端部(End Portion)、特に、前記補助フレーム111bの内側に挿入される部分に弾力的に設けられる。ピンと孔を用いた位置調節構造その自体は、一般的に知られている技術なので、付加的な説明は省略する。
【0068】
よって、前記組み立てピン114は、前記組み立て孔113の何れか一つに結合され、前記組み立てピン114の結合位置に応じて、前記手首カーフ100の高さ、より具体的に、前記ストラップフレーム111の高さが調節され得る。
【0069】
なお、前記手首カーフ100は、ユーザ(被検者)、即ち、着用者の血圧を表示(出力)するディスプレイユニット(Display Unit)150を更に含むことができ、前記ディスプレイユニット150に、上述した回路基板140が内蔵される。
【0070】
前記ディスプレイユニット150は、血圧表示機能を有し、さらに、時計機能を有することもできる。例えば、前記ディスプレイユニット150は、血圧出力モードと時計モードに転換動作されることができると共に、血圧と時間が前記ディスプレイユニット150に共に表示されることもできる。
【0071】
本実施例において、前記ディスプレイユニット150は、電子部品を収容するケース151と、前記ケース151に備えられるディスプレイ窓152と、を含んで構成され、前記ケース151は、上述した手首ストラップ110に搭載される。前記ディスプレイ窓152は、血圧を表示し、さらに時間を表示することもできる。
【0072】
なお、前記回路基板140は、前記センサー200と電気的に連結されて血圧を算出し、さらに、前記ディスプレイ窓152に血圧値を出力する。
【0073】
図示されていないが、前記ケース151には前記手首式血圧計に電源を供給するバッテリーが内蔵され得る。もちろん本実施例に係る手首式血圧計は、電源ケーブルを通じて外部から電力の供給を受けることができると共に、太陽光を基盤として作動されることもできる。
【0074】
また、前記ディスプレイユニットには、アラーム(Alarm)機能、例えば、血圧チェック時間を知らせるアラーム機能及び・または血圧チェックが正常に完了されていることを知らせるアラーム機能が備えられることもできる。これによって、ユーザは、血圧チェックが必要な時期に、正確に血圧を測定・記録することができる。本実施例において、前記ディスプレイユニット150は前記ストラップフレーム111に搭載される。
【0075】
前記手首カーフ100の一側部(前記連結ストラップの他端部)と他側部(上述したストラップフレームの他端部)は、ベルクロ(登録商標)、フック、ボタン、またはバックル等の着脱手段によって着脱自在に連結され、これによって前記手首カーフ100が断続可能なループ(Loop)形態を成す。もちろん、前記手首カーフ100自体が断続部位なしに連続的に連結された閉環構造、即ち、一体型バンド構造になり得ることは上述した通りである。
【0076】
前記手首カーフ100が断続可能なループ形態になるように、前記連結ストラップ112は、メインストラップ112aと、補助ストラップ112b、とを含んで構成される。
【0077】
前記メインストラップ112aは、前記ストラップフレーム111の一端部から延長され、本実施例においては、前記メインストラップ112aに前記エアバッグ120が備えられる。さらに、前記補助ストラップ112bは、前記メインストラップ112aから延長され、前記ストラップフレーム111bの他端部、より具体的には、前記補助フレーム111bに着脱自在に連結される。
【0078】
本実施例において、前記補助ストラップ112bは、細い紐や帯等の可撓性構成であって、前記補助ストラップ112bには少なくとも一つのストラップ連結孔116が形成され、前記ストラップフレーム、特に、前記補助フレーム111bには、前記ストラップ連結孔116に挟み込まれるピン(Pin)やフック(Hook)等の固定突起115が備えられる。前記補助ストラップ112bの連結が安定的に維持されるように、前記固定突起115の上端には前記ストラップ連結孔116よりも大きくヘッド(Head)が拡張形成される。前記連結ストラップ112の少なくとも一部分は弾性を有することができる。例えば、前記補助ストラップ112bが弾性を有するストラップ、例えば、ゴムやシリコン等のような材質のストラップからなり得る。
【0079】
図4に示すように、前記連結ストラップ112は、前記ストラップフレーム111の両端の間の区間を一体に連結して、上述したように、断続部位のない密閉型の閉環構造を形成することもでき、この際、前記連結ストラップ112は長さ方向に伸縮可能な弾性を有することもできる。即ち、連結ストラップ112の両端がそれぞれ前記ストラップフレーム111の両端に断続不可に一体に連結される。より具体的に例を挙げて説明すれば、前記補助ストラップ112bの端部が前記ストラップフレーム(補助フレーム)に接合方式で一体に連結され得る。さらに、前記連結ストラップ112の全体の区間のうち、少なくとも一部区間、例えば、前記補助ストラップ112bが弾性を有することもできる。
【0080】
一方、
図5を参照すれば、本実施例の手首式血圧計は、上述したディスプレイユニットの以外に、血圧データ(ユーザの血圧)を所定の端末機、例えば、スマートフォン、その他の端末機や管理モジュールに送るためのブルートゥース(登録商標)等の無線通信ユニットをさらに備えることができる。
【0081】
前記無線通信ユニットは、血圧データの以外に、特定の状況、例えば、応急状況で応急救助信号を外部の通信機器に送る役割もできるように構成され得る。よって、被検者(ユーザ)のリアルタイムの血圧データがスマートフォンを通じて主治医あるいは専門医等の管理者に送信されることができ、被検者の安定的な健康管理に活用されることができる。
【0082】
即ち、高血圧、糖尿病、肝臓障害、動脈硬化、血液循環の末梢神経障害等を有している人の場合には、より一層の注意が要求されるところ、本実施例の血圧計は、データ送出機能を有しているため、このような患者にとって特に効率的な血圧の管理が行われ得る。
【0083】
さらに、前記手首式血圧計には、圧力センサーの信号に基づいて、被検者の血圧を算出する血圧算出ユニットと、血圧データを格納するデータ格納ユニットと、ユーザの測定履歴を管理し、ユーザIDを管理するユーザ登録ユニットと、データを収集及び分析して、ユーザの状態が危急な場合には指定された応急救助信号を送ることができるように制御する制御ユニット等が備えられ得る。
【0084】
以上のように、本発明に係る実施例を説明したところ、前述した実施例の以外にも、本発明がその趣旨や範疇から脱することなく他の特定の形態に具体化され得るという事実は、該技術における通常の知識を持った者にとっては自明なことである。
【0085】
よって、上述した実施例は、制限的なのではなく、例示的なものと思われるべきであり、それによって、本発明は、上述した説明に限定されず、添付した請求項の範疇及びその同等な範囲内で変更されることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、携帯が可能な血圧測定装置であって、医療機器の製造分野、特に、血圧計の技術分野に利用可能な発明であり、本発明によれば、ユーザが血圧の測定が必要である度に便利に血圧を測定することができ、手首を圧迫して血圧の測定が行われる間に、尺骨動脈の血流が保障されることができるので、血圧の測定の正確度が高くなり得る。
【国際調査報告】