(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-501333(P2020-501333A)
(43)【公表日】2020年1月16日
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール及び太陽電池アレイ
(51)【国際特許分類】
H01L 31/05 20140101AFI20191213BHJP
H01L 31/0224 20060101ALI20191213BHJP
【FI】
H01L31/04 570
H01L31/04 262
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-517249(P2019-517249)
(86)(22)【出願日】2017年6月21日
(85)【翻訳文提出日】2019年5月24日
(86)【国際出願番号】CN2017089372
(87)【国際公開番号】WO2018223425
(87)【国際公開日】20181213
(31)【優先権主張番号】201710424871.X
(32)【優先日】2017年6月7日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519107364
【氏名又は名称】スーズー クープ アンド イノー グリーン エナジー テクノロジー カンパニー リミティド
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU COOP & INNO GREEN ENERGY TECHNOLOGY CO., LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】519107375
【氏名又は名称】タンシャン ハイタイ ニュー エナジー テクノロジー カンパニー リミティド
【氏名又は名称原語表記】TANGSHAN HAITAI NEW ENERGY TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100185317
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 琢哉
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】ジャング ユージャン
(72)【発明者】
【氏名】タウ エービング
(72)【発明者】
【氏名】タウン ホング
(72)【発明者】
【氏名】シェン ジーアー
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151EA06
5F151EA19
5F151FA02
5F151FA14
5F151FA16
5F151JA08
5F151JA27
(57)【要約】
本発明は太陽電池の技術分野に関し、特に太陽電池モジュール及び太陽電池アレイに関する。行列に配置された複数の電池セルを含む前記太陽電池モジュールであって、前記電池セルの受光面に複数のメイングリッド及び細いグリッドが配置され、メイングリッドにそれに接続される細いグリッドにおける電流が集められ、前記メイングリッドに集められた電流はメイングリッドと連通するインターコネクタを介して外部に送り出され、前記電池セルが矩形であることを特徴とする。太陽電池アレイは、モジュール及びバスバーを含み、ここで隣接する2つのモジュールの間がダイオードを介して接続されるか、又は1つの仮想ワイヤ及び1つのダイオードを増設することを介して接続され、前記バスバー及び前記ワイヤは接続箱を介して接続し出力される。本発明は、電池セルのサイズを減少することにより、太陽電池セルの電流を減少させ、メイングリッドを狭くすることにより、内部消費を2乗倍に減少させ、発電出力を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列に配置された複数の電池セルを含む太陽電池モジュールであって、
前記電池セルの受光面に複数のメイングリッド及び細いグリッドが配置され、メイングリッドにそれに接続される細いグリッドにおける電流が集められ、前記メイングリッドに集められた電流はメイングリッドと連通するインターコネクタを介して外部に送り出され、前記電池セルは矩形であり、前記電池セルの長辺の長さは156〜160mmであり、短辺の長さは31〜54mmであり、前記メイングリッドは前記電池セルの短辺と平行であり、前記メイングリッドの幅は0.4〜0.7mmであり、好ましくは0.5〜0.6mmである、
ことを特徴とする、太陽電池モジュール。
【請求項2】
隣接する前記電池セルの間の間隔は0〜0.5mmである、
ことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記インターコネクタがメイングリッド方向に沿って電池セルにおける電流を送り出すセル間のインターコネクタと、互いに平行であるセル間のインターコネクタを直列に接続するストリング間のインターコネクタに分けられる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記セル間のインターコネクタはメイングリッドと平行に配置され、前記ストリング間のインターコネクタは前記セル間のインターコネクタと直交し、直交するセル間のインターコネクタと直列に接続する、
ことを特徴とする、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記セル間のインターコネクタの一端は受光面の端部であり、他端は裏面の端部であり、前記受光面の端部は電池セルのメイングリッドに接続され、前記裏面の端部はその他の電池セルの裏面のメイングリッドに接続され、前記セル間のインターコネクタは2つの電池セルを接続することに用いられ、2つの電池セルが直列に接続され、前記ストリング間のインターコネクタは前記裏面の端部に溶接される、
ことを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記セル間のインターコネクタの幅は0.5〜0.8mmであり、厚さは0.12〜0.18mmであり、前記ストリング間のインターコネクタの幅は0.5〜6mmであり、厚さは0.1〜0.4mmである、
ことを特徴とする、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記ストリング間のインターコネクタには、錫メッキの銅帯、導電粘着テープ、又は透明導電膜が採用される、
ことを特徴とする、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
電池セルの長辺と平行な方向は横方向であり、電池セルの短辺と平行な方向は縦方向であり、前記横方向に配置される電池セルの列数は2〜6であり、前記縦方向に配置される電池セルの行数は5〜40である、
ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
太陽電池アレイであって、
請求項1〜8のいずれかに記載の2つ以上の太陽電池モジュール及び前記インターコネクタに電流を集めるバスバーを含む、
ことを特徴とする、太陽電池アレイ。
【請求項10】
前記太陽電池モジュールは前記電池セルの長辺方向に沿って配置され、前記バスバーは前記電池セルの長辺と平行である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池アレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽電池の技術分野に関し、特に太陽電池モジュール及び太陽電池アレイに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー価格の上昇に伴い、新エネルギーの開発・利用は、エネルギー分野における昨今の研究の主要課題となっている。太陽エネルギーは、汚染がなく、地域的な制約がなく、無尽蔵であるなどという利点を有するため、太陽エネルギー発電の研究は新エネルギーの開発・利用の主な方向となっている。太陽電池による発電は現在、人々が太陽エネルギーを使用する主な方式であるが、従来の太陽電池セルには以下のような欠点がある。
【0003】
1.現在の電池セルの配置方式は、セル間隔が2mmで、ストリング間隔が3mmであり、太陽電池アレイ全体の空白領域が大きく、発電利用率が低く、積層アレイを設計することにより、出力は多少向上しているものの、積層アレイは電池セルの使用量を増やし、且つ積層部分の電池セルは発電できず、アレイコストが大幅に上昇するため、コストパフォーマンスは高くない。
【0004】
2.現在、従来のアレイはセル全体を溶接しているため、電池セルの電流が大きくなり、アレイの内部消費の倍増を実際に引き起こし、出力が向上せず、内部損失を低減させるために、設計して採用されるインターコネクタが厚くなり、対応する電池セルの耐クラック性が低下するにもかかわらず、アレイコストが上昇する。
【0005】
3.現在の電池セルは4つのメイングリッド、5つのメイングリッドの設計が採用されることが多く、そのメイングリッドの幅はそれぞれ1.1mm、0.8mmであり、メイングリッドの幅が大きいため、電池セルの実際の照射面積が減少することにより、電池セルの出力を低減させている。12グリッドの電池セルアレイを設計することにより、メイングリッドの幅を小さくしているが、そのアレイは溶接の接触面が小さく、信頼性の潜在的なリスクが高く、12グリッドの電池セルに用いられるソルダーリボンが厚いため、大部分は現在、厚さが0.39mmの銅線材料が用いられ、厚さが0.27mmの従来のソルダーリボンと比べると、厚さが40%厚くなり、クラックを減少させるためにパッケージ材料の厚さをさらに増加させざるを得ないことにより、アレイコストをさらに上昇させている。また、実際に使用されるメイングリッド材料、インターコネクタ材料の使用量が多くなることで、コストをさらに上昇させている。円形のソルダーリボンが採用されると、実際の面接触を実現できず、実際のメイングリッド線と銅系材料との接続の長期的な信頼性を低下させている。製品の性能が向上せず、リスクが高くなる。
【0006】
4.従来のアレイは、内部回路が複数の電池セルで形成される直列接続構造に設計されるため、あるストリングに異常が発生すると、一般的にダイオードによってホットスポット保護を行い、全体の発電損失はストリング全体となり、朝の日の出及び夕方の日の入りの段階でも発電を遮るという浪費に直面し、特に高効率のアレイはこの面の浪費がより大きくなるため、常に鳥の糞、木の葉などの異物に遮られる条件下で適時に清掃されないことによる発電量の浪費が、発電所の利益に深刻な影響を及ぼす原因となっている。
【0007】
5.電池セルの効率のさらなる向上に伴い、電池セルの効率的な大量生産は、多結晶PERCが19.5%、単結晶が20.8%、N型両面が21%上昇し、ヘテロ接合は平均22.5%に達し、電池セル全体の動作電流の上昇が非常に速く、応用及び減衰に伴い、同一のアレイ内部、電池セルの間の潜在的な適応性が拡大し、さらに潜在的な応用過程の外部遮蔽又は内部損傷クラックなどで、アレイ内の電池セルの適応性を如何に改善させるかということが、実際の長期間の発電量性能に関する主要要因となっている。また、両面電池セルアレイの背面の反射環境の差異により反射及び発電出力に及ぼされる変動及び差異が大きいということも、アレイのセル間の電池セルの動作に適応性の差異がもたらされることに必ず直面する要因となっている。
【0008】
6.現在、アレイ内部の電池セルの遮蔽又はホットスポットなどの異常を解決するために、ストリングとストリングとの間にダイオードを設ける工程を採用しているが、ダイオードの逆向きの導通を介して、電流の分流及び異常な電池セルの保護を実現している。しかし、ダイオードをオンにすると、ストリング回路全体を実際に分離させることになり、アレイ全体の電圧はダイオードの配置比率に従って低下し、単一の電池セルが局所的に異常となり、ストリング全体の電池セルがダイオードにより保護されることにより、発電を動作回路に供給しなくなる。発電量の損失はストリングを保護する電池セルの数によって倍増する。また、集中型インバータの回路として、単一ストリングの電圧が低下すると、その他のストリングの回路にさらに影響を及ぼすことにより、接続箱の最終的な出力に対して影響及び損害を及ぼす。また、セル間のストリングに対するスマートな最適化チップの設計もあり、各ストリングの電圧及び電流を監視し、チップを介してストリングの最適化を実現することにより、ストリングの電圧損傷を改善するが、あくまでもストリングの範囲における改善であり、また、ストリングレベルの最適化の設計によるコスト増が大きく、実際に業界内で市場の規模化は実現されていない。
【0009】
7.アレイの発電量はアレイの動作する際の温度に直接関連し、動作温度が高いほど、アレイの発電量は少なくなる。上記5#に記載のように、電池セルの効率の向上により電流が上昇し、従来のアレイの動作温度は実際に発電量に対する制約要因となっている。アレイは動作過程にホットスポット又はクラックを備えるか、又はアレイのセル間の電池セルの間の減衰差が一致しないため、アレイの内部損失及び温度上昇が生じて、アレイの発電量は最終的に最適化されなくなる。
【0010】
8.現在、アレイの最新工程に積層アレイ製品の工程設計があり、実際に積層アレイの表面にはソルダーリボンがなく、電池セルにクラックが発生すると、ストリング全体が電流出力の遮断、ホットスポット障害のリスクの増加に直面する。また、積層自身が電池セル間で互いに重なり接続され回路電流の出力を形成しなければならない。アレイ設計においては、セルの間隔をどうにかゼロ近くに圧縮することにより、アレイの変換効率を向上させることであり、積層自身の利点及び欠点は明らかである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、従来の太陽電池アレイに存在する上記技術的課題を解決するために、太陽電池モジュール及び太陽電池アレイを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記技術的問題を解決するために、本発明は、行列に配置された複数の電池セルを含む太陽電池モジュールを提供する。前記電池セルの受光面に複数のメイングリッド及び細いグリッドが配置され、メイングリッドにそれに接続される細いグリッドにおける電流が集められ、前記メイングリッドに集められた電流はメイングリッドと連通するインターコネクタを介して外部に送り出され、前記電池セルは矩形であり、前記電池セルの長辺の長さは156〜160mmであり、短辺の長さは31〜54mmであり、前記メイングリッドは前記電池セルの短辺と平行であり、前記メイングリッドの幅は0.4〜0.7mmであり、好ましくは0.5〜0.6mmである。
【0013】
指摘すべきことは、前記電池セルは現在、従来の電池セルを切断することにより取得してもよく、例えば、従来の電池セルを平行線で2〜12セルに平行に分割するか、又はシリコンセルに対する1回だけのインゴット製造によって必要なサイズの電池セルを直接取得できる。
【0014】
好ましくは、各2つの隣接する前記電池セルの間隔は0〜0.5mmである。
【0015】
好ましくは、前記インターコネクタは、メイングリッド方向に沿って電池セルにおける電流を送り出すセル間のインターコネクタと、互いに平行であるセル間のインターコネクタを直列に接続するストリング間のインターコネクタに分けられる。
【0016】
好ましくは、前記セル間のインターコネクタはメイングリッドと平行に配置され、前記ストリング間のインターコネクタは前記セル間のインターコネクタと直交し、直交するセル間のインターコネクタと直列に接続する。
【0017】
好ましくは、前記セル間のインターコネクタの一端は受光面の端部であり、他端は暗面の端部であり、前記受光面の端部は電池セルのメイングリッドに接続され、前記裏面の端部はその他の電池セルの裏面のメイングリッドに接続され、前記セル間のインターコネクタは2つの電池セルを接続することに用いられ、2つの電池セルが直列に接続され、前記ストリング間のインターコネクタは前記裏面の端部に溶接される。
【0018】
好ましくは、前記セル間のインターコネクタの幅は0.5〜0.8mmであり、厚さは0.12〜0.18mmであり、前記ストリング間のインターコネクタの幅は0.5〜6mmであり、厚さは0.1〜0.4mmである。
【0019】
好ましくは、前記ストリング間のインターコネクタには、錫メッキの銅帯、導電粘着テープ又は透明導電膜が採用される。
【0020】
好ましくは、前記太陽電池モジュールにおいて、電池セルの長辺と平行な方向は横方向であり、電池セルの短辺と平行な方向は縦方向であり、前記横方向に配置される電池セルの行列の列数は2〜6であり、前記縦方向に配置される電池セルの行列の行数は5〜40であり、前記ストリング間のインターコネクタは1〜3行の電池セルごとに1行の密度で設置される。
【0021】
本発明は、さらに、請求項1〜8のいずれかに記載の太陽電池モジュール及び前記インターコネクタの電流を集める2つ以上のバスバーを含む太陽電池アレイを提供する。
【0022】
あるモジュールの故障により、アレイが短絡しトラブルが発生するのを防止するために、従来技術では、通常隣接する2つの前記太陽電池モジュールの間がダイオードを介して接続されるか、又は1つの仮想ワイヤ及び1つのダイオードを増設することを介して接続されるが、接続箱は前記バスバー又はバスバーと前記仮想ワイヤとの接続を介して出力される。このように、あるモジュールに故障が発生したら、ダイオード、仮想ワイヤを介して連通でき、即ち、故障モジュールを短絡させ、その他のモジュールの正常な動作を保証できる。
【0023】
好ましくは、前記太陽電池モジュールは前記電池セルの長辺方向に沿って配置され、前記バスバーは前記電池セルの長辺と平行である。
【0024】
指摘すべきことは、アレイの長辺が電池セルの長辺と平行である方向は水平であり、アレイの長辺が電池セルの短辺と平行である方向は垂直である。
【発明の効果】
【0025】
従来技術に比べて、本発明が提供する太陽電池アレイは以下のような利点を有する。
【0026】
1.本発明は矩形の電池セルを採用し、電池セルの幅は従来の電池セルに比べて小さく、即ち電池セル単体における細いグリッドの行数が少なくなり、メイングリッドに集められる電流が減少することで、内部消費を二乗倍に減少させることにより、発電出力を向上させる。
【0027】
2.本発明において、電池セルのメイングリッド方向の上辺が短いため、メイングリッドにおける負荷の必要な電流が大幅に減少することにより、幅を40%狭くして、導電コーティングの遮蔽面積を大幅に減少させ、電池セル本体の受光面積を増加させ、発電出力をさらに向上させることができる。一方では、メイングリッド材料(銀ペースト)の使用量を減らすことにより、製造コストを低減させる。
【0028】
3.1#内部消費の二乗倍の減少に基づき、電流の収集おいて狭くて薄いインターコネクタ材料を採用できる。超薄で軟かい材料で製造されるインターコネクタを採用することによって、電池セルの間の配列には非常に小さい間隔を採用してコンパクトな設計を実現できる。セル間隔は0.5mm以内であるが、電池セルの断片率及び製造の歩留まりの指標に影響を及ぼさず、積層される電池セルの間の遮蔽による浪費を必要とせず、インターコネクタにより電流を集めるため、潜在的な電池セルの適用過程におけるクラックによる障害をよりよく解決できる。このように、アレイの変換出力は向上するものの、コストは上昇しないという利点を実現する。
【0029】
4.本発明において、各電池セルの間の間隔が非常に小さいことで、空白な無効領域を減らし、密着配列により発電出力をさらに向上させる。
【0030】
5.本発明はストリング間のインターコネクタを介して電池セルを並列に接続してから直列に接続する接続方式を実現し、1つの電池セルが遮蔽された場合、電流が並列のその他の電池セルを介して伝達し継続して送り出されることにより、電池セル単体が遮蔽され、全体に及ぼされる影響を低減する。
【0031】
6.電池セルのメイングリッド線及びソルダーリボン材料のサイズの適合を目的とする設計によって、小さいサイズの電池セルと合わせて、通常の大電流全体を小電流にして、内部が動作する際の熱損失の指数を低減させ、電池セルのメイングリッド線の幅、正面銀ペーストの比重、インターコネクタの幅及び厚さ、最終的な遮光幅のバランスを取ることによって、直列溶接装置の製造性能に合わせて、アレイの出力の最大化を実現するとともに、アレイ全体を垂直に一体化するコストを削減する。
【0032】
7.小サイズの電池セルの小電流を介して、横方向の相互接続により縦、横両方向の電池セルの配置方向を実現することによって、側面の分流の設計及び工程は上記アレイのセル間の電池セルの間の適応性の差異をよりよく解決でき、横方向の相互接続、側面の分流によって、電圧を下げることなく、電池セルの正常な出力も維持し、外部損失に対する極めて低い影響を実現し、特に大電流で、且つ高効率のアレイ及び長時間の減衰量の変化の発電量の向上に対する価値がある。アレイの朝/夜の潜在的な遮蔽後にアレイの発電量を継続して向上させる。予備実験の測定データによって、新たな設計は発電量の5%を超える向上を実現し、特に環境温度が高い適用領域に対してより明らかであり、太陽電池産業の1キロワット時当たりのコストの急速な低減に有益であることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】は実施例1に記載の電池セルの受光面にインターコネクタが設置されていない構造概略図である。
【
図2】は実施例1に記載の太陽電池モジュールの裏面の構造概略図である。
【
図3】は
図2に記載の太陽電池モジュールの受光面裏面の局所的な構造概略図である。
【
図4】は実施例1に記載のセル間のインターコネクタと電池セルとの接続の概略図である。
【
図5】は実施例2に記載の横型太陽電池モジュールの裏面の構造概略図である。
【
図6】は実施例3に記載の縦型太陽電池モジュールの裏面の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の上記目的、特徴及び利点がよりはっきりと分かりやすいように、図面と合わせて本発明の発明を実現するための形態を詳しく説明する。なお、本発明の実施例を便宜的にはっきりと補完説明するために、本発明の図はいずれも簡略化した形式を採用し、且ついずれも精確でない比率を使用する。
【0036】
本発明により提供される太陽電池モジュールは、行列に配置された複数の電池セルを含み、
図1に示すように、各前記電池セル10の受光面には縦方向の4本のメイングリッド21及び横方向の32本の細いグリッド22が配置され、当然ながら、メイングリッド21及び細いグリッド22の本数は必要に応じて増減でき、本実施例は1つの例だけを挙げており、メイングリッド21にそれに接続される細いグリッド22における電流が集められる。前記電池セル10は、通常の電池セルにより2本の横方向の平行線で平均的に分割して取得されたものであり、即ち、通常の電池セルの1/3であり、矩形を呈し、その長辺の長さL1は156.75±0.25mmであり、156〜160mmの範囲で選択でき、短辺の長さL2は52.25±0.25mmであり、31〜54mmの範囲で選択でき、前記メイングリッド21の幅dは0.5〜0.6mmであり、0.4〜0.7mmに拡大できる。
【0037】
図2に示すように、前記太陽電池モジュールは、行列で配置された複数の電池セル10を含み、電池セル10の長辺と平行な方向が横方向であり、電池セル10の短辺と平行な方向が縦方向であり、前記横方向に配置された電池セル10の列数は6列であり、前記縦方向に配置された電池セルの行数は7行である。
【0038】
図3に示すように、局所が2×2の電池セルの行列を取出して拡大し、隣接する2つの前記電池セル10の横方向及び縦方向の隣接する辺の間隔Gはいずれも0〜0.5mmである。前記メイングリッド21に集められる電流はメイングリッド21と連通するインターコネクタを介して外部に送り出され、前記インターコネクタはセル間のインターコネクタ30及びストリング間のインターコネクタ33に分けられる。
【0039】
図4に示すように、前記セル間のインターコネクタ30の一端は受光面の端部31であり、他端は裏面の端部32であり、
図2〜4に示すように、前記受光面の端部31は右側の電池セル10の受光面のメイングリッド21に直接溶接され、前記裏面の端部32は左側の電池セル10の裏面のメイングリッド21に接続され、前記セル間のインターコネクタ30は2つの電池セルを接続することに用いられ、2つの電池セルを直列に接続する。前記ストリング間のインターコネクタ33は前記セル間のインターコネクタ30と直交し、前記ストリング間のインターコネクタ33は前記裏面の端部32に溶接され、当然ながら、受光面の端部31に設置されてもよく、本実施例におけるストリング間のインターコネクタ33の材料は錫メッキの銅帯を選択し、前記ストリング間のインターコネクタ33が3行ごとに、即ち、2行おきに1本が設置される密度を有する。
【0040】
前記セル間のインターコネクタ30の幅はいずれも0.5〜0.8mmの範囲内であり、厚さは0.12〜0.18mmの範囲内である。またストリング間のインターコネクタの幅は0.5〜6mmの範囲内であり、厚さは0.1〜0.4mmの範囲内である。
【0041】
指摘すべきことは、前記ストリング間のインターコネクタ33には、さらに導電粘着テープ又は透明導電膜が採用され、透明導電材料は裏面又は受光面における相互接続により、自身の遮蔽影響を回避できる。この設計は両面電池に用いることができるとともに、メイングリッドのない工程、ソルダーリボン工程などの電池セルアレイの適用に用いることもできる。
【0042】
説明すべきことは、本発明により提供される電池セル10のパッケージに対し、複層ガラス工程及び狭額縁保護と合わせて、その高い遮水性能という特徴を利用し、電池セル10の潜在的な漏電に対するリスクを解決でき、狭額縁保護を利用してアレイの簡単な取り付けと低コスト及び高い信頼性を実現し、特に両面電池セルの工程に対して、正裏面の遮蔽のない取り付けニーズを満たすことができる。
【0044】
図5に示すように、前記横型太陽電池アレイは、左右に並列されたもの、即ち前記電池セル10の長辺方向に沿って設置された2つの太陽電池モジュール1及び前記インターコネクタの電流を集めるバスバー4を含み、前記バスバー4は前記電池セル10の長辺と平行であり、前記2つの太陽光電池モジュール1の間にはダイオード(図示せず)を介して仮想ワイヤ5に接続され、仮想ワイヤ5は従来の薄いバスバーであってもよい。仮想ワイヤ5と電池セル10との間は絶縁材料で隔離される。絶縁隔離材料は従来のEPE材料又は透明な絶縁EPC又は透明なバックシートなどの材料を採用でき、仮想ワイヤ5が電池セル10と直接接触しないことを確保する。接続箱(図示せず)は前記バスバー4と前記仮想ワイヤ5が接続することによって出力され、ここで接続箱は3つのpin構造を採用し、採用される単体のダブルダイオードの動作電流は15A〜20Aの間である。
【0045】
本実施例に記載の太陽電池モジュール1と実施例1との相違点は、前記ストリング間のインターコネクタ33が2行ごとに、即ち、1行おきに1本が設置される密度を有することである。
【0046】
両面電池セルアレイには、透明な絶縁導電材料及び透明な導電膜材料を採用することを提案する。片面電池セルアレイは不透明な絶縁導電材料及び不透明な導電膜材料を直接採用でき、背面に直接配置される。
【0048】
図6に示すように、実施例2との相違点は、前記左右に並列に設置された太陽電池モジュール1において、電池セル10の列数が3列であり、行数が20行であることである。縦方向の太陽電池モジュールが設置され、前記ストリング間のインターコネクタ33が3行ごとに、即ち2行おきに1本が設置されている密度を有することである。
【0049】
当然ながら、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく本発明に対する様々な修正及び変更を行うことができる。このように、本発明のこれらの修正及び変更が本発明の請求項及びその等価技術範囲に属する場合、本発明もこれらの修正及び変更を含む意図を有する。
【符号の説明】
【0050】
10 電池セル
21 メイングリッド
22 細いグリッド
30 セル間のインターコネクタ
31 受光面の端部
32 裏面の端部
33 ストリング間のインターコネクタ
【手続補正書】
【提出日】2019年6月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列に配置された複数の電池セルを含む太陽電池モジュールであって、
前記電池セルの受光面に複数のメイングリッド及び細いグリッドが配置され、メイングリッドにそれに接続される細いグリッドにおける電流が集められ、前記メイングリッドに集められた電流はメイングリッドと連通するインターコネクタを介して外部に送り出され、前記電池セルは矩形であり、前記電池セルの長辺の長さは156〜160mmであり、短辺の長さは31〜54mmであり、前記メイングリッドは前記電池セルの短辺と平行であり、前記メイングリッドの幅は0.4〜0.7mmであり、好ましくは0.5〜0.6mmである、
ことを特徴とする、太陽電池モジュール。
【請求項2】
隣接する前記電池セルの間の間隔は0〜0.5mmである、
ことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記インターコネクタがメイングリッド方向に沿って電池セルにおける電流を送り出すセル間のインターコネクタと、互いに平行であるセル間のインターコネクタを直列に接続するストリング間のインターコネクタに分けられる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記セル間のインターコネクタはメイングリッドと平行に配置され、前記ストリング間のインターコネクタは前記セル間のインターコネクタと直交し、直交するセル間のインターコネクタと直列に接続する、
ことを特徴とする、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記セル間のインターコネクタの一端は受光面の端部であり、他端は裏面の端部であり、前記受光面の端部は電池セルのメイングリッドに接続され、前記裏面の端部はその他の電池セルの裏面のメイングリッドに接続され、前記セル間のインターコネクタは2つの電池セルを接続することに用いられ、2つの電池セルが直列に接続され、前記ストリング間のインターコネクタは前記裏面の端部に溶接される、
ことを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記セル間のインターコネクタの幅は0.5〜0.8mmであり、厚さは0.12〜0.18mmであり、前記ストリング間のインターコネクタの幅は0.5〜6mmであり、厚さは0.1〜0.4mmである、
ことを特徴とする、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記ストリング間のインターコネクタには、錫メッキの銅帯、導電粘着テープ、又は透明導電膜が採用される、
ことを特徴とする、請求項3に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
電池セルの長辺と平行な方向は横方向であり、電池セルの短辺と平行な方向は縦方向であり、電池セルの列数は2〜6であり、電池セルの行数は5〜40である、
ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
太陽電池アレイであって、
請求項1〜8のいずれかに記載の2つ以上の太陽電池モジュール及び前記インターコネクタに電流を集めるバスバーを含む、
ことを特徴とする、太陽電池アレイ。
【請求項10】
前記太陽電池モジュールは前記電池セルの長辺方向に沿って配置され、前記バスバーは前記電池セルの長辺と平行である、
ことを特徴とする、請求項9に記載の太陽電池アレイ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
本発明は、さらに、
2つ以上の前記太陽電池モジュール及び前記インターコネクタの電流を集めるバスバーを含む太陽電池アレイを提供する。
【国際調査報告】