特表2020-501500(P2020-501500A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-501500同期リラクタンス機械用のロータを製造する方法及び同期リラクタンス機械用のロータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-501500(P2020-501500A)
(43)【公表日】2020年1月16日
(54)【発明の名称】同期リラクタンス機械用のロータを製造する方法及び同期リラクタンス機械用のロータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/03 20060101AFI20191213BHJP
   H02K 1/27 20060101ALI20191213BHJP
【FI】
   H02K15/03 C
   H02K1/27 501D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-549650(P2019-549650)
(86)(22)【出願日】2017年12月5日
(85)【翻訳文提出日】2019年7月30日
(86)【国際出願番号】EP2017081453
(87)【国際公開番号】WO2018104269
(87)【国際公開日】20180614
(31)【優先権主張番号】102016224249.0
(32)【優先日】2016年12月6日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】591040649
【氏名又は名称】カーエスベー ソシエタス ヨーロピア ウント コンパニー コマンディート ゲゼルシャフト アウフ アクチェン
【氏名又は名称原語表記】KSB SE & Co. KGaA
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ケーネン,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ヤニッチ,ボリス
(72)【発明者】
【氏名】シャープ,ヨッヘン
【テーマコード(参考)】
5H622
【Fターム(参考)】
5H622CA02
5H622CA07
5H622CA13
5H622CB04
5H622CB05
5H622DD01
5H622DD02
5H622DD04
5H622PP03
5H622PP20
5H622QA03
5H622QA04
(57)【要約】
本発明は、同期リラクタンス機械用のロータを製造する方法に関し、かかる方法は、フラックスバリア(11)を形成するように構成される開口を個々が具備する複数のラミネーション(10)から構成されるロータコアを積み重ねるステップと、フラックスバリア(11)の少なくとも一部を充填するように、磁性粒子を含有するプラスチック材料を注入するステップと、外部磁界を適用することによって、含有される磁性粒子を配向するステップとを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期リラクタンス機械用のロータを製造する方法であって、
a.ロータコアを形成するように多数のラミネーション(10)を積み重ねる方法ステップであって、前記ラミネーションそれぞれが、フラックスバリア(11)を形成するように構成されるスロットを有するように形成される、方法ステップと、
b.少なくともいくつかの前記フラックスバリア(11)にプラスチック材料(12)を注入充填する方法ステップであって、前記プラスチック材料(12)が磁性粒子を含有する、方法ステップと、
c.外部磁界を適用することによって、前記含有される磁性粒子を整列させる方法ステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記プラスチック材料(12)が、磁性粒子として、フェライト、並びに/又は、ネオジム、鉄、及びボロンの合金(NdFeB)、並びに/又は、金属コバルト(Co)を含むサマリウム(Sm)の合金を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フラックスバリア(11)が、射出成形機械を用いて注入充填され、
前記ロータコア(100)が、先ずは積み重ねられ、次いで前記射出成形機械に導入される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ラミネーションコア(100)が、1つ又は複数の軸方向の端部プレート(13)を有し、その中に、少なくとも1つの軸方向に延びる注入チャネル(14)が、前記端部プレート(13)を通してその裏側の前記フラックスバリア(11)に前記プラスチック材料(12)を注入するように導入される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの注入チャネル(14)が、前記注入充填するプロセスの結果としてラミネーションコア(100)の支えを実現するように、前記注入する方向に狭くなり、特に好ましくは、前記少なくとも1つの注入チャネル(14)は、円錐状であり、かつ前記注入する方向にテーパになっている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記プラスチック材料(12)とは異なる材料が、ラミネーションコア(100)を支えるように用いられる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
複数の注入チャネル(14)は、それらが径方向の軸上に位置するように、好ましくはロータ磁極ごとに前記少なくとも1つの端部プレート(13)に導入される、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの注入チャネル(14)が、前記ラミネーションコア(100)の端部プレート(13)の締結点を形成し、追加の保持点が、任意選択的に設けられる、請求項4〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの前記フラックスバリア(11)には、特に、前記フラックスバリア(11)の外側サブ領域が径方向で見て空のままであるか又は代わって導電性であるが非磁性の材料が注入充填され得るように、磁性粒子を含有する前記プラスチック材料(12)が部分的にだけ注入充填される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記フラックスバリア(11)の外側サブ領域には、径方向で見て、ダイキャストのアルミニウムが充填され、
前記径方向の外側サブ領域の充填は、前記フラックスバリア(11)への前記プラスチック材料(12)の部分的な注入充填の前又は後に行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
同期リラクタンス機械用のロータ、好ましくは、請求項1〜10の方法に従って製造される同期リラクタンス機械用のロータであって、
ロータの形状内にフラックスバリア(11)を形成する1つ又は複数のスロットを有するラミネーションコア(100)を備え、
1つ又は複数のフラックスバリア(11)に、磁性粒子を含有するプラスチック材料(12)が少なくとも部分的に充填される、同期リラクタンス機械用のロータ。
【請求項12】
請求項11に記載のロータを有する同期リラクタンス機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同期リラクタンス機械用のロータを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
同期リラクタンス機械用のロータは、従来、対応するラミネーション形状(lamination geometry、ラミネーションジオメトリ)を備えた個々の電磁シートが互いに軸方向に積み重ねられるようになっている軟磁性材料から製造されている。少なくとも1つの磁極対又はギャップ対を形成するように、軟磁性材料は、それらの透磁率のレベルの違いにより互いに異なっているフラックス伝導部分とフラックスバリア部分とを含む。高い磁気伝導率を備えた部分は、ロータのd軸と呼ばれ、比較的低い伝導率を備えた部分は、q軸と呼ばれる。d軸とq軸との間の透磁率比を最適化することによって、同期リラクタンスモータの効率、従って、達成可能なトルク収率は、増大され得る。
【0003】
フラックスバリアは、ロータコアにおける個々のラミネーションの材料スロットによって実現される。特に、複数のスロットは、各磁極についてq方向に設けられ、それによって、磁気伝導率が低減され、q方向の磁性フラックスが抑制される。フラックスバリアには、通常空気が充填される。
【0004】
効率的なラミネーション形状は、この点においてその全体が参照される、例えば米国特許明細書第5,818,140号から知られている。d軸とq軸との比率のさらなる最適化のために、同様に知られているのは、スロット又はフラックスバリアに永久磁石を追加的に装備することであり、それらの磁気飽和の結果として、q方向の磁性フラックスの抑制を改善することができる。特に、焼結磁石の導入は、この文脈において知られている。しかしながら、それは、特別なラミネーション形状を必要とする。
【発明の概要】
【0005】
従って、ここでの目的は、同期リラクタンス機械用の一般的なロータであって、永久磁石をそのスロット又はフラックスバリアに導入するようになっている同期リラクタンス機械用の一般的なロータを作り出すための単純化された解決策を見い出すことにある。
【0006】
このような目的は、請求項1の特徴に係る方法によって達成される。かかる方法における有利な構成は、従属請求項の主題となっている。
【0007】
本発明において、ここで提案されるのは、先ずは、ロータコアを形成するように複数のラミネーションを軸方向に積み重ねることである。個々のラミネーションは、フラックスバリアを形成するように構成されるスロットを具備する。次のステップでは、ロータコアの少なくともいくつかのフラックスバリアに、磁性粒子を含有するプラスチック材料が注入充填される。簡単かつ複雑でない磁石の導入は、注入充填プロセスによって達成することができる。その上、この方法ステップは、特別なラミネーション形状やフラックスバリアの特定の構成を必要としない。代わりに、方法は、同期リラクタンス機械用のロータの考えられ得る任意のラミネーション形状に適用することができる。硬化性プラスチック材料が確実にするのは、磁石や磁性粒子がフラックスバリアにおいて適切に固定されることである。磁性粒子は永久磁性粒子である。
【0008】
注入充填プロセス後に、先ず必要なのは、プラスチック材料に含有される磁性粒子を、規定された磁界を適用することによって、整列させることである。特に、個々の磁性粒子の所望の配置は、これによって達成され、従って、q方向のフラックスバリア効果は、増大される。プラスチック材料の磁性成分の整列は、プラスチック材料の液体又は凝固状態で都合良く行われる。
【0009】
理想的には、ロータの全てのフラックスバリアが注入充填され、代替的には、突出ロータ磁極ごとにいくつかのフラックスバリアだけが注入充填される。さらに考えられ得るのは、個々のフラックスバリアが部分的にのみ注入充填されること、すなわち、フラックスバリアにおけるあるサブ領域がこのケースでは空のままであるか又は異なる材料を充填されることである。しかしながら、少なくとも1つのフラックスバリアの完全な注入充填も可能であり都合の良いこともあり、従って、そのフラックスバリアは、磁性粒子を含有するプラスチック材料を完全に注入充填される。
【0010】
例えば、フェライト、並びに/又は、ネオジム、鉄及びホウ素の合金(NdFeB)、並びに/又は、金属コバルト(Co)を含むサマリウム(Sm)の合金は、プラスチック材料用の磁性粒子として、さらに考えられ得る。
【0011】
個々のフラックスバリアの注入充填は、個々のラミネーションの積み重ね後にロータコアを受け入れる射出成形機械において最適に行われる。このケースでは、ロータコアは、例えば、緩く組み立てて、その状態で射出成形機械に移動させることができる。代替的には、ラミネーションコアは、例えば、それをロータシャフト上に配置することによって、又は、コアの軸方向端部面に取り付けられている端部プレートを用いてそれを固定することによって、事前に軸方向に固定することができる。
【0012】
個々のフラックスバリアの充填は、射出成形を用いて行われる必要はないが、対応する磁性粒子を備えたプラスチック材料をフラックスバリアに適切なやり方で導入できる代替ではあるが類似の方法を用いて行うことができる。
【0013】
しかしながら、射出成形方法の利点は、プラスチック材料又はその中に含有される磁性材料が、フラックスバリアの完全な充填を確実にするために、フラックスバリア内部に最適に分配することができるということにある。それは、同じく磁性粒子の次の整列手順を単純化する。その上、この製造プロセスは、焼結磁石を導入するための先行技術から従来知られている製造プロセスよりもかなり簡単である。特に、特別なロータプロファイルは、必要とされない。代替的には、射出成形を用いた永久磁石の適用は、考えられ得る任意のタイプであるラミネーション形状について行うことができる。
【0014】
シートの事前の積み重ねは、例えば、補助のデバイスを用いて行うことができ、完全に積み重ねられたラミネーションコアは、次に、プラスチック射出成形機械に導入される。既に簡単に上で取り扱ったように、積み重ね後に、ラミネーションコアは、端部プレートを用いて軸方向に固定及びクランプすることができる。このケースでは、端部プレートを備えたラミネーションコアは、プラスチック射出成形機械に導入される。もちろん、都合が良いのは、少なくとも2つの軸方向端部プレート、すなわち、各ロータ端部面について1つの軸方向端部プレートを取り付けることである。しかしながら、単一の軸方向プレートの使用も実質的に考えられ得る。
【0015】
本発明の好適な構成によれば、ロータコアに締結される前又は後で、使用される端部プレートは、1つ又は複数の注入チャネルを具備し、端部プレートをロータの軸方向に通過し、こうして、外側からそれらの後ろ側のロータコアのフラックスバリアへの注入チャネルを形成する。
【0016】
少なくとも1つの注入チャネルは、充填されるべき各フラックスバリアのために端部プレートに設けられることが好ましい。例えば、考えられ得るのは、複数の注入チャネルが径方向の共通の軸上に位置することである。それらは、q軸上においてフラックスバリアの間隔で、互いからオフセットして位置することが理想的である。
【0017】
その上、少なくとも1つの注入チャネルを充填方向に狭めることは、有利なことが判明している。少なくとも1つの注入チャネルを円錐状に形状付けすることは、特に好ましい。特に、注入チャネルは、注入方向にテーパになっている。注入充填の手順の過程では、ラミネーションコアを支えることは、狭めることか又は円錐の形状によって達成され得る。注入された材料は、その結果として、コアを軸方向に通過するネジ又は皿ネジのように作用し、これにより、積み重ねられたラミネーションコアのより良い軸方向の固定が、達成され得る。考えられ得るのは、ラミネーションコアを支えることが、プラスチック材料とは異なる材料の導入を通して行われることである。
【0018】
カバープレートを固定するために、考えられ得るのは、少なくとも1つの注入チャネルがラミネーションコアの端部プレートの締結点を同時に形成すること、又は、対応する締結点が注入チャネルの直ぐ近くに設けられることである。端部プレートは、代替的又は追加的に、別の保持点を介して、特に、シャフトボアのまわりに分散して配置される複数の保持点を用いて、ロータコアに接続され得る。
【0019】
既に上記したように、個々のフラックスバリアには、磁性粒子を含有するプラスチック材料を部分的にのみ注入充填することができ、それは、ロータの特別な変更を可能にする。例えば、1つ又は複数のフラックスバリアの部分的な注入充填が可能であり、従って、フラックスバリアの少なくとも1つの径方向外側端部が開いていることが理想的である。フラックスバリアの径方向外側端部の両方は、空のままであることが特に好ましい。それは、フラックスバリアの全て又は少なくとも大部分に妥当する。ロータの外側環状領域は、それによって形成され、それの中に位置するフラックスバリア領域には、磁性粒子を含有する材料が注入充填されない。外側環状領域の開いたフラックスバリア領域が、導電性であるが非磁性の材料を充填される場合、軸方向に延びる導電要素が、導電性であるが非磁性の材料を外側環状領域のフラックスバリア領域に充填することによって形成されるので、ロータのための始動ケージは、こうしてシミュレートすることができる。この有利な構成は、ロータがラインスタート型の同期リラクタンスモータとして動作することも可能にする。
【0020】
また、考えられ得るのは、外側環状領域のフラックスバリア領域にダイキャストのアルミニウムを充填することである。フラックスバリアの外側領域の充填は、プラスチック材料の導入前、又は、代替的にはプラスチック材料の導入後のいずれでも行うことができる。
【0021】
本発明の方法に加えて、本発明は、同じように、同期リラクタンス機械用のロータに関し、ロータは、ラミネーションコアを形成するように個々のラミネーションを積み重ねることによって形成される。個々のラミネーションは、フラックスバリアを形成する1つ又は複数のスロットを有する。本発明によれば、ラミネーションコアの1つ又は複数のフラックスバリアは、磁性粒子を含有するプラスチック材料を、少なくとも部分的に充填、特に、注入充填される。このケースでは、磁性粒子は、注入充填されなかったフラックスバリアと比較してq方向の透磁率が減少するように整列される。ロータは、本発明のうち本発明の方法に従って製造することが特に好ましい。
【0022】
加えて、本発明は、同じように、本発明に係るロータを有する同期リラクタンス機械に関する。ロータ又は同期リラクタンス機械の利点及び特性は、本発明に係る方法の上記説明においてそれ相応に明らかにされている。そのため、繰り返しの説明は避けるものとする。
【0023】
本発明のさらなる利点及び特性は、図面に例証された例示的な実施形態を参照して、下でより詳細に解説される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】充填されたフラックスバリアを備える本発明に係るロータのラミネーションを概略的に例示する平面図である。
図2】端部プレートを端部に配置した本発明に係るロータコアの側面図である。
図3】端部プレートであって、ロータコアをそれらの裏側に配置するように構成され、かつ軸方向に取り付けられた端部プレートの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明に係るロータコアのラミネーション10であって、それ自体知られているフラックスバリア11を形作っている電磁シートを含むロータコアのラミネーション10を示す。選択されたロータの形状(geometry、ジオメトリ)は、各突出極について合計3つのバナナ形状のフラックスバリアを備える。フラックスバリアは、第1に、スロットによって電磁シート材料にて形成される。次いで、ロータコア100は、多数のラミネーションを軸方向に積み重ねることによって形成される。コア100の側面図は、図2に明らかにされている。
【0026】
本発明の方法によれば、コア100の積み重ね後に、スロット11は、射出成形機械で射出成形することによって、プラスチック材料12が注入充填される。このケースでは、使用されるプラスチック材料は、その結果としてフラックスバリア11の中にプラスチック材料と共に注入される多数の磁性粒子を含む。既に注入充填されているフラックスバリアは、図1の参照符号11’によって示されている。プラスチック材料がフラックスバリア11の中に注入された後、その中に含有される磁性粒子は、それらがq方向のロータの透磁率を可能な限り減少させ、その結果として、d軸とq軸との比率を最適化するように、外部磁界を適用することによって整列される。
【0027】
図2は、本発明に係るロータコア100の側面図を示しており、ラミネーションコア100を軸方向に取り付ける端部プレート13は、ラミネーションコア100の端部面に追加的に設けられる。端部プレート13は、個々の注入チャネル14を有し、注入チャネル14は、端部プレート13を軸方向に貫通し、その結果として、それらの裏側のロータコア100のフラックスバリア11への入口チャネルを形成する。
【0028】
このケースでは、注入チャネルは、デザインが円錐状であり、それの中の広い漏斗のような開口15は、外側からアクセス可能である。狭い開口16は、それの直ぐ裏側のフラックスバリア11に至る(図3参照)。図3は、端部プレート13の平面図を示しており、それの裏側のラミネーションコア100又はそれに直ぐ隣接するラミネーション10は、破線によって示される。各ケースにおいて、ロータ磁極ごとに3つの注入チャネル14を、ここでは見ることができ、注入チャネルは、互いから径方向にズレている軸上に位置する。図3の例示的な実施形態では、このケースの注入チャネル14は、各ロータ磁極のq軸上において互いからズレて位置する。プラスチック材料は、それらの注入チャネル14を通ってそれらの裏側に横たわるラミネーション形状に注入することができる。ラミネーションコア100の支えは、円錐状の構成によって追加的に達成され得る。
【0029】
それらの個々の注入チャネル14は、端部プレート13をロータコアに取り付けるための追加の保持点をさらに形成し得る。別の保持点17は、シャフトボア18のまわりに分散して設けられ得る。
【0030】
図示しない別の例示的な実施形態では、フラックスバリア11は、個々が部分的にのみプラスチック材料12を注入充填することができ、従って、各フラックスバリア11について、径方向外側の端部領域は、空のままである。それは、外側環状領域をもたらし、そのフラックスバリアサブ領域は、空のままであり、つまり、磁性プラスチック材料は、フラックスバリア11の内側領域だけに直接注入される。外側環状領域は、空のままであるか、又は、ダイキャストのアルミニウムを追加的に充填される。アルミニウムの導電性のおかげで、始動ケージは、このタイプのロータがラインスタート型の同期リラクタンスモータとして動作され得るように、外側環状領域でシミュレートすることができる。外側領域の充填は、磁性プラスチック材料の注入前の時点でも行われ得る。
図1
図2
図3
【国際調査報告】