特表2020-501623(P2020-501623A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特表2020501623-医療用のYコネクタ 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-501623(P2020-501623A)
(43)【公表日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】医療用のYコネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/04 20060101AFI20191220BHJP
   A61M 39/10 20060101ALI20191220BHJP
【FI】
   A61M39/04 100
   A61M39/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-517390(P2019-517390)
(86)(22)【出願日】2017年12月14日
(85)【翻訳文提出日】2019年3月29日
(86)【国際出願番号】IB2017057944
(87)【国際公開番号】WO2018109709
(87)【国際公開日】20180621
(31)【優先権主張番号】102016000127162
(32)【優先日】2016年12月15日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518386999
【氏名又は名称】インダストリー ボーラ ソシエタ・ペル・アツイオーニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャンニ・グアラ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066JJ05
(57)【要約】
管状本体(1)を備えた医療ライン用のYコネクタであり、前記管状本体(1)は、前記管状本体(1)と同軸の第1の入口(2)を具備し、且つ、弾性要素(6)により形成された弁装置と、第2の入口(4)とを含み、前記第2の入口(4)は、前記管状本(1)に対して斜めに配置され、且つ、前記第1入口(2)と出口(3)との間に連通されている。前記管状本体(1)は内部隔壁(10)を有して形成され、前記内部隔壁(10)は、前記第2入口(4)からの流れを前記出口(3)に向ける前に、前記中空弾性要素(6)に向けて偏向させるためにある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状本体(1)を備えた医療ライン用のYコネクタであり、前記管状本体(1)が、前記管状本体(1)と同軸の第1の入口(2)を有し、且つ、前記第1入口(2)を開放可能に密閉的に閉鎖している中空の弾性要素(6)により形成された弁装置と、出口(3)と、前記管状本体(1)に対して斜めに配置され且つ前記第1入口(2)と前記出口(3)との間に連通されている第2の入口(4)とを含み、前記管状本体(1)が、内部隔壁(10)を有して形成されており、前記内部隔壁(10)が、前記第2入口(4)からの流れを前記出口(3)に向ける前に、前記中空弾性要素(6)に向けて偏向させるためにあり、前記内部隔壁(10)が、軸方向に延在し、且つ、半径方向端部(11)を備え、前記端部(11)が、前記第2の入口(4)に近接して前記管状本体(1)に接続されており、これにより、前記弾性要素(6)に向かって開放され且つ前記出口(3)の側にて閉鎖されている第1のチャンバ(12)と、前記弾性要素(6)に向かって開放され且つ前記出口(3)に向かって開放されている第2のチャンバ(13)とを画成しているYコネクタにおいて、前記内部隔壁(10)が、前記管状本体(1)の前記軸に対し、前記第1チャンバ(12)が前記第2チャンバ(13)よりも大きい半径方向寸法を有するようにオフセットされていることを特徴とする、Yコネクタ。
【請求項2】
前記内部隔壁(10)が、前記管状本体(1)の軸に対して二重に、互いに直交方向にオフセットされており、このオフセットが、前記第2入口(4)からの流れが前記第1入口(2)に向けて旋回運動を伴って偏向されるようになされていることを特徴とする、請求項1に記載のYコネクタ。
【請求項3】
前記内部隔壁(10)に、前記第1チャンバ(12)に面する凹状の面が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のYコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用ラインのための液流用の部品に関し、より詳細には、一次液体の流れの中に二次流れを導入するために一般的に使用されるY字型コネクタ(Yコネクタ)に関する。
【背景技術】
【0002】
このようにつくられたYコネクタが、例えば、特許文献1に同一出願人の名において開示されており、このYコネクタは、管状本体を備え、当該管状本体は、管状本体と同軸の第1の入口と、出口と、前記管状本体に対して斜めに配置された第2の入口とを含む。当該第2入口は、前記第1入口と前記出口との間で前記管状本体と連通している。前記Yコネクタの前記第1入口は、通常、弾性要素により密閉的に閉鎖されている。この弾性要素は、好都合には中空であり、プレスロットを有する。プレスロットは、前記第2入口からの一次液体内に二次液体を導入するためにある。
【0003】
前記第1入口は、好都合には、雌型ルアーロックコネクタと類似して形成でき、この場合、前記弾性要素は、弁として機能するように構成される。この目的のために、この弁は、中空の構造(例えば、特許文献2に記載及び例示されている構造に類似)を有し、且つ、前記第1入口が相補的な雄型ルアーコネクタとの連結に従って、引き出されて閉じる位置と、引き込まれて開く位置との間を軸方向に変形可能であり、前記引き出されて閉じる位置において、外部に対して露出された弁の端部が、前記雄型ルアーコネクタとの連結前に、容易に清掃及び消毒され得る。
【0004】
しかし、使用中、前記中空弾性要素の軸方向に引き出された内部キャビティが、比較的大きい二次液体の滞留領域を必然的に伴う可能性があり、これは望ましくない。
【0005】
特許文献3が、請求項1のプリアンブルに対応するYコネクタを開示している。特許文献4、特許文献5、及び、特許文献6が、類似のコネクタを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2012/164514号パンフレット
【特許文献2】米国特許第5,533,708号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102007020859号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2008/086097号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2016/089529号明細書
【特許文献6】米国特許第4911705号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述の技術的欠点を克服することであり、この目的は、第1のチャンバが第2のチャンバよりも大きい半径方向寸法を有することにより達成される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この解決策の構想により、本発明によるYコネクタの第1の入口は、使用中に液体がその内部に滞留する危険性が無い弾性要素により保護される。これは、第2の入口からの液体が連続的に交換されることによる。
【0009】
第2のチャンバの半径方向寸法がより小さいことは、使用中に、前記弾性中空要素のキャビティ内での、前記第1の入口からの液体を導入するための領域(この領域においてより大きな滞留が生じ得る)における、液体流の動きに関する有利な効果をもたらす。実際、流体流の速度は、前記第2チャンバにおける速度の方が、前記第1チャンバにおける速度よりも大きい。従って、圧力は、前記第2チャンバにおける圧力の方が、前記第1チャンバにおける圧力よりも低い。2つのチャンバ間のこの圧力差が、弾性要素のキャビティ内での減圧となり、これが、前記二次液体が前記第1入口から導入されるときに、基本的に前記二次液体を前記第2チャンバに向って吸い込んで、前記二次液体の流れを促進する。このようにして、前記中空要素の前記キャビティ内での前記二次液体の滞留領域の発生を、より効果的に防止する。
【0010】
さらに、半径方向隔壁を、前記弾性要素より下に旋回流を得るように配置できる。
【0011】
ここで、本発明を、純粋に非限定的な例として提供される添付図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明によるYコネクタの側方立面概略図である。
図2図1の線II−IIに沿った長手方向断面図である。
図3図2の線III−IIIに沿った長手方向断面図である。
図4図2の線IV−IVに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照すると、本発明によるYコネクタは、管状の本体1を備え、管状本体1は、管状本体1と同軸の第1の入口2及び出口3と、管状本体1に対して斜めに配置された、管状の付属物4により形成された第2の入口とを有する。第2入口4は、管状本体1に、第1入口2と出口3との間で連通している。第2入口4は、使用中、第1の(一次)液体の医療用ダクトに接続されるように指定されている。
【0014】
第1入口2は、雌型ルアーロックコネクタ5と類似に形成されており、雌型ルアーロックコネクタ5は、二次液体を導入するための相補的な雄型ルアーロックコネクタと連結するように指定されており、中空弾性要素6により形成された弁装置を含む。
【0015】
また、弾性要素が、単純で全体的に平坦なカシェ(cachet)からも構成され得ることを理解されたい。
【0016】
中空弾性要素6(一般的に、弾性材料からつくられる)が、遠位端7(通常、雌型ルアーロックコネクタ5の自由端に対してほぼ面一に配置される)と、近位端8(本体1内で軸方向にロックされた支持ベースを形成する)とを有する。遠位端7は、プレスロット9を有する平坦な壁部により形成され、容易に洗浄及び消毒可能(「スワブ可能」)(“swabbable”)である。
【0017】
中空弾性要素6の遠位端7と近位端8との間に軸方向に延在するキャビティが、符号14で示されている。
【0018】
図面に示されている状態は、中空弾性要素6の変形していない(第1入口5が密閉的に閉鎖されている)状態に対応している。雄型ルアーロックコネクタを雌型ルアーロックコネクタ5と共に使用すると、中空弾性要素6が、プレスロット9を開放して第1入口2と出口3とを連通させるように変形され、且つ部分的に圧縮される(「ルアー作動」)。
【0019】
本発明によれば、キャビティ14は、第2入口4に連通して配置され、この配置は、使用時に、このような第2入口4から管状本体1への一次液体の流れが、弾性中空要素6のキャビティ14内に、出口3に到達する前に流入するような配置である。これにより、壁部7の、プレスロット9より下の内面を洗浄するための作用が得られ、また、二次液体の、キャビティ14内での停滞も防止される。
【0020】
この目的のために、管状本体1は、内部隔壁10を有して一体的に形成される。内部隔壁10は、第2入口4からの流れを第1入口2に向けて偏向させて、中空弾性要素6のキャビティ14内に流入させるためのものである。このような内部隔壁10は軸方向に延在し、且つ、半径方向端部11を備えている。端部11は、第2の入口4の基部に近接して管状本体1に接続されており、これにより、第1のチャンバ12(中空弾性要素6に向かって開放され、且つ、出口3の側にて閉鎖されている)と、第2のチャンバ13(中空弾性要素6に向かって開放され且つ出口3に向かって開放されている)とを画成している。
【0021】
内部隔壁10は、好都合には、管状本体1の軸に対し、第1チャンバ12が第2チャンバ13よりも大きい半径方向寸法を有して設けられるようにオフセットされている。好ましくは、図4に見られるように、内部隔壁10は、例えば、図4に示されているように、相互に直交する2つの方向において二重にオフセットされており、このオフセットにより、第2入口4から流入して第1入口2へと偏向される流れが旋回(例えば、ほぼ螺旋状に)運動され、これが、弾性要素6をさらに洗浄する効果を向上する。内部隔壁10の、第1チャンバ12に面する面は、これもまた図4に見られるように、わずかに凹状であり得る。
【0022】
また、図示されてはいないが、第2入口4から中空弾性要素6のキャビティ9内に供給される液体の旋回運動を促進するように構成された、さらなる偏向部を設けることも可能である。
【0023】
以上に記載及び例示した内容に関し、構成の詳細及び実施形態を、添付の特許請求の範囲で定義されるような本発明の保護の範囲から逸脱することなく、広く変更し得ることが明らかである。従って、先に述べたように、本発明は、Yコネクタの弾性要素が、中空要素の代わりに平坦なカシェで構成されている場合(例えば、前述の国際公開第2012/164514号パンフレットの場合)にも同様に有利に適用され得る。この場合も、第2入口4から第1入口2に向けて偏向された液体が、弾性要素の内面を洗浄するための効果的な作用を実行するであろう。
【符号の説明】
【0024】
1 管状本体
2 第1の入口
3 出口
4 第2の入口
5 雌型ルアーロックコネクタ
6 中空弾性要素
7 遠位端
8 近位端
9 プレスロット
10 内部隔壁
12 第1のチャンバ
13 第2のチャンバ
14 中空弾性要素のキャビティ
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】