特表2020-501821(P2020-501821A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-501821テザーを有する回収システムのためのシステム、デバイス、および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-501821(P2020-501821A)
(43)【公表日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】テザーを有する回収システムのためのシステム、デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/01 20060101AFI20191220BHJP
【FI】
   A61F2/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-533632(P2019-533632)
(86)(22)【出願日】2017年12月19日
(85)【翻訳文提出日】2019年8月13日
(86)【国際出願番号】US2017067343
(87)【国際公開番号】WO2018118939
(87)【国際公開日】20180628
(31)【優先権主張番号】62/438,277
(32)【優先日】2016年12月22日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】515345089
【氏名又は名称】アバンテック バスキュラー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ステッコ, キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】デビア, ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ハルデン, カール
(72)【発明者】
【氏名】ルバルカバ, テレサ
(72)【発明者】
【氏名】ベッキング, フランク
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM37
(57)【要約】
説明される実施形態は、一時的下大静脈(IVC)フィルタおよび他の血管内インプラントまたは異物の回収に関する。特徴が、実施形態の内側開口を閉鎖することにおいて効果的作動のために提供される。一実施形態において、医療デバイスは、編組を備えている可撓な遠位延長部に接続された細長いシャフトであって、編組は、遠位開口部を画定する遠位リムと、近位開口部を画定する近位リムとを有し、シャフトおよび可撓な遠位延長部は、患者の血管系の中への挿入のために構成されている、細長いシャフトと、近位開口部を横断して近位リムにおいて編組を通って延びているテザーの一部と、テザーに張力を与えるように構成された近位ユーザインターフェースとを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内医療デバイスであって、前記医療デバイスは、
編組を備えている可撓な遠位延長部に接続された細長いシャフトであって、前記編組は、遠位開口部を画定する遠位リムと、近位開口部を画定する近位リムとを有し、前記シャフトおよび前記可撓な遠位延長部は、患者の血管系の中への挿入のために構成されている、細長いシャフトと、
前記近位開口部を横断して前記近位リムにおいて前記編組を通って延びているテザーの一部と、
前記テザーに張力を与えるように構成された近位ユーザインターフェースと
を備えている、医療デバイス。
【請求項2】
前記編組は、前記編組の2つの層を形成する第1の折り畳み部を有し、前記2つの層は、第2の折り畳み部を有し、前記第2の折り畳み部は、漏斗形状の構造の遠位リムにあり、前記第1の折り畳み部は、漏斗形状の構造の近位リムにある、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記テザーの前記一部は、交差構成において前記近位開口部を2回横断して延びている、請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記テザーの前記一部は、第1のテザーの一部であり、前記医療デバイスは、前記近位リムを少なくとも部分的に包囲するループとして配置された第2のテザーの一部をさらに備えている、請求項3に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記第2のテザーの前記一部は、前記編組の2つの層間でループとして配置されている、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記第2のテザーの前記一部は、前記近位開口部を完全に包囲している、請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記第1のテザーは、2つの端部を有し、前記第2のテザーは、2つの端部を有し、前記第1のテザーの前記2つの端部は、第1の管状支柱内に受け取られ、前記第2のテザーの前記2つの端部は、第2の管状支柱内に受け取られている、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記第1および第2の管状支柱は、前記可撓な遠位延長部の前記近位開口部と前記細長いシャフトの遠位端との間に位置付けられている、請求項7に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記シャフト内に受け取られたコア部材をさらに備え、前記テザーは、前記コア部材の遠位端において接続されている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記近位ユーザインターフェースは、前記コア部材に接続または取り付けられたトルカを備えている、請求項9に記載の医療デバイス。
【請求項11】
雄ねじ付きインターフェースをさらに備え、前記トルカは、雌ねじ付きである、請求項10に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記細長いシャフトの近位端において接続されたスリーブをさらに備え、前記スリーブは、前記雄ねじ付きインターフェースを含む、請求項11に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記第1のテザーおよび第2のテザーは、前記近位開口部から前記近位ユーザインターフェースに向かって近位に延びている、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記第2のテザーは、前記近位開口部を2回横断し、直角交差構成を形成している、請求項5に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記近位開口部は、下大静脈(IVC)フィルタの回収インターフェースを捕獲するように構成される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項16】
異物を回収する医療方法であって、前記医療方法は、
血管内医療デバイスを患者の血管系内で前進させることであって、
前記医療デバイスは、
編組を備えている可撓な遠位延長部に接続された細長いシャフトであって、前記編組は、遠位開口部を画定する遠位リムと、近位開口部を画定する近位リムとを有する、細長いシャフトと、
前記近位開口部を横断して前記近位リムにおいて前記編組を通って延びているテザーの一部と
を備えている、ことと、
回収されるべき異物の一部を前記近位開口部に通すことと、
前記異物が開口部を通って延びている状態で前記テザーに張力を与えることと
を含む、医療方法。
【請求項17】
前記テザーの反対端部を互いの周囲で捻じることにより、前記張力を与えることをさらに含む、請求項16に記載の医療方法。
【請求項18】
前記張力を与える間、前記近位開口部を少なくとも1つの支柱を用いて支持することをさらに含む、請求項16に記載の医療方法。
【請求項19】
前記血管内医療デバイスは、請求項1−15のいずれかに記載されているように構成されている、請求項16に記載の医療方法。
【請求項20】
前記異物を前記患者の血管系から前記血管内医療デバイスを用いて引き出すことをさらに含む、請求項16に記載の医療方法。
【請求項21】
前記テザーは、交差構成における第1のテザーであり、前記血管内医療デバイスは、前記近位リムの周囲のループ構成における第2のテザーをさらに備えている、請求項16に記載の医療方法。
【請求項22】
前記異物が前記近位開口部を通って延びている状態で前記第1のテザーおよび前記第2のテザーに張力を与えることをさらに含む、請求項21に記載の医療方法。
【請求項23】
前記異物は、下大静脈(IVC)フィルタであり、前記異物の前記一部は、前記IVCフィルタの回収インターフェースである、請求項16に記載の医療方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に説明される実施形態は、回収デバイスに関し、いくつかの実施形態は、血管内一時的下大静脈(IVC)フィルタのためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一時的IVCフィルタは、永久的フィルタと同様に配置されるが、それらが別個の血管内手技において、概して、大腿静脈または内頸静脈アプローチから回収され得るように設計される。現在利用可能な一時的フィルタの大部分は、フック様特徴を含み、それを用いて、それらは、グースネックスネアまたはマルチループスネアを採用することによって、除去のためにカテーテルまたはシース内に捕獲され、受け取られることができる。
【0003】
回収は、原則として単純な手技であるが、スネアループを用いてフィルタのフックを捕獲することは、多くの場合、困難に遭遇する。フィルタが配置において傾斜させられると、または、不調であると、そのような困難は、度を増す。いくつかのフィルタは、そのような向きを回避するように設計される。
【0004】
しかしながら、デバイスが安定した方式でIVCの中に定着させられないので、問題は、一般的なままである。凝血塊に加えて、一定の血流は、IVC内のフィルタの向きを混乱させ、再捕獲を困難にし得る。故に、使い易さが向上した、および/またはフィルタ配向の問題に対して影響されにくいフィルタ回収システムの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
テザーを有する細長い回収デバイスのためのシステム、デバイス、および方法の例示的実施形態が、提供される。多くの実施形態では、細長い回収デバイスは、編組構造を細長いシャフトの遠位端に含み、その近位端は、直接または近位ユーザインターフェース(例えば、制御ハンドル)を経由して、ユーザにアクセス可能である。編組構造は、1つ以上の層の編組を含むことができ、多くの実施形態では、漏斗がフラップの近位縁における近位開口部より比較的に大きい遠位開口部を有するように、内部フラップを有する漏斗として構成される。
【0006】
多くの実施形態では、1つ以上のテザーが、近位開口部またはその近傍に位置することができる。1つ以上のテザーは、種々の構成を有することができる。いくつかの実施形態では、テザーの一部は、近位開口部を横断する構成において、近位開口部における編組を通過し、近位開口部を横断して延びている(例えば、円形または楕円形の直径または弦のように)。いくつかの実施形態では、1つ以上のテザーの一部は、対称交差構成(例えば、2つのテザー部分の場合、クロスヘアーのような直径において)または非対称交差構成(例えば、2つのテザー部分が非垂直角度で交差する場合)において、近位開口部および互いの両方を横断するように配置されることができる。交差構成のテザー部分は、少なくとも部分的に、近位開口部の周辺リムの周囲にも延びていることができる。いくつかの実施形態では、テザーの一部は、交差構成における1つ以上のテザー部分の有無にかかわらず、少なくとも部分的に、近位開口部の周囲に延びていることができる。回収デバイスを利用するシステムと、そのようなシステムおよび/またはデバイスを使用して、異物を患者内から回収する方法との追加の実施形態を含む追加の実施形態も、開示される。
【0007】
本明細書に説明される主題の他のシステム、デバイス、方法、特徴、および利点が、以下の図ならびに発明を実施するための形態の考察に応じて、当業者に明白であるか、または明白となるであろう。全てのそのような追加のシステム、デバイス、方法、特徴、および利点が、本説明内に含まれ、本明細書に説明される主題の範囲内であり、付随の請求項によって保護されることが意図される。例示的実施形態の特徴は、請求項にそれらの特徴の明確な列挙がない限り、添付される請求項を限定するものとして解釈されるべきでは全くない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に記載される本主題の詳細は、その構造および動作の両方に関して、同様の参照番号が同様の部分を指す付随の図の検討によって明白であり得る。図の構成要素は、必ずしも、縮尺通りではなく、代わりに、本主題の原理を図示することに重点が置かれている。さらに、全ての図示は、概念を伝えることを意図され、相対的サイズ、形状、および他の詳細な属性は、文字通りまたは精密にではなく、図式的に図示され得る。
【0009】
図1図1Aおよび1Bは、本明細書のシステムおよび/または方法とともに使用可能なIVCフィルタの例を描写する。
【0010】
図2図2は、回収システムの例示的実施形態を描写する側面図である。
【0011】
図3図3は、回収システムの別の例示的実施形態を描写する側面断面図である。
【0012】
図4図4は、回収デバイスの編組部分の例示的実施形態を描写する端面図である。
【0013】
図5図5は、回収システムの例示的実施形態を描写する部分的側面断面図である。
【0014】
図6図6は、回収デバイスのためのユーザインターフェースの例示的実施形態を描写する側面断面図である。
【0015】
図7図7A−7Cは、ストランドパターンの例示的実施形態を描写する。
【0016】
図8図8Aおよび8Bは、異なる近位開口またはリム支持支柱構成を伴う回収デバイスの例示的実施形態を描写する部分的側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
種々の例示的実施形態が、以下に説明される。これらの例は、それらが、デバイス、システム、および方法のより広く適用可能な側面を例証するために提供されることに留意されるべきであるので、非限定的意味において言及される。種々の実施形態の真の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更が、これらの実施形態に成され得、均等物が、代用され得る。加えて、多くの修正が、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセス行為、またはステップを本発明の目的、精神、または範囲に適合させるために成され得る。全てのそのような修正は、本明細書に成される請求項の範囲内であることが意図される。
【0018】
本主題が詳細に説明される前に、本開示は、説明される特定の例示的実施形態に限定されず、したがって、当然ながら、変動し得ることを理解されたい。本開示の範囲が添付される請求項によってのみ限定されるであろうため、本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することは意図されないことも理解されたい。
【0019】
本明細書に提供される任意の実施形態に関して説明される全ての特徴、要素、構成要素、機能、およびステップは、任意の他の実施形態からのものと自由に組み合わせ可能かつ代用可能であることが意図される。ある特徴、要素、構成要素、機能、またはステップが、1つのみの実施形態に関して説明される場合、その特徴、要素、構成要素、機能、またはステップは、別様に明示的に記載されない限り、本明細書に説明されるあらゆる他の実施形態とともに使用され得ることを理解されたい。この段落は、したがって、以下の説明が、特定の事例において、そのような組み合わせまたは代用が可能であることを明示的に記載しない場合であっても、随時、異なる実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを組み合わせる、または別のものを伴う1つの実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップの代用となる請求項の導入のための先行する基礎および記述による裏付けとしての役割を果たす。あらゆる可能な組み合わせおよび代用の明確な列挙は、特に、本説明を熟読すると、あらゆるそのような組み合わせおよび代用の許容度が当業者によって容易に認識されるであろうことを考慮すると、過度に負担である。
【0020】
改良された有用性を有し、物体(例えば、IVCフィルタ)向き問題に対して影響されにくいIVCフィルタ/物体回収システムの例示的実施形態が、開示される。いくつかの実施形態では、IVC物体回収システムは、既存または既存ではない様々なフィルタ構造とともに使用され得る。故に、新しいフィルタが、開示されるIVC物体回収システムとの使用のために設計され得、システムにおいて、設計制約および/または妥協は、フィルタ設計にほとんど要求されないこともある。ほんの一例として、本明細書に説明される回収システムの実施形態が使用され得るデバイスを限定するわけではないが、本実施形態が回収または他の目的のために使用され得るフィルタの例は、米国特許第3,952,747号、第5,601,595号、第6,443,972号、第7,338,512号、および第7,625,390号(その全ては、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)のいずれかに説明される既存および/または修正バージョンのフィルタ、OPTEASE、GUNTHER、TULIP、CELECT、DENALI、およびOPTIONを含む市販のデバイス、またはその他を含む。
【0021】
IVC物体回収システムの多くの実施形態は、漏斗形状の装置をそれらの遠位端に含む。漏斗トラップは、熱硬化編組、例えば、超弾性(SE)ニッケル−チタン合金(ニチノール)編組から構築され得る。いくつかの実施形態では、回収デバイスの漏斗形状の端部は、遠位開口部を画定する遠位リムと、内側部分(例えば、フラップ)の近位端に画定されたより近位の開口または開口部とを含み得る。捕獲されるべきIVCフィルタまたは他の異物の拡大された近位端が、漏斗の遠位リムを越え、近位開口を通して誘導されると、近位開口は、閉鎖され(例えば、締めることによって)、フィルタまたは他の異物の捕獲をもたらすことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、回収システムは、近位開口を閉鎖するように作動可能なループタイプ特徴を含む。共同所有のPCT出願第PCT/US15/65102号(米国公開第2016/0095689号)に説明されるように、材料のストランドが、作動のために、テザーとして、回収システムの近位端まで延びるために使用され得る。継ぎ合わせられたループラソウ(lasso)およびテザーシステムの例が、その中で説明されている。
【0023】
いくつかの実施形態では、回収システムは、継ぎ合わせられていない、または両端のあるループを有する開口作動装置を含み、それは、より良好なまたはより効果的開口作動を提供する。継ぎ合わせられていない、または両端のあるループラソウは、開口を閉鎖するためのユーザ入力が殆ど要求されず(作動させるための引き込み長さ、および/または、力の観点から)、より完全な開口または開口部閉鎖を提供する。
【0024】
いくつかの実施形態では、継ぎ合わせられていない(または両端のある)ループは、2つの自由端を有する、ある長さのテザー(例えば、ポリマー、金属(例えば、ニチノール)、またはハイブリッドもしくは複合材料、またはその他から形成される、例えば、縫合糸、コード、ファイバ、またはフィラメント、)によって形成される。安定性をループ構造に追加するために、テザーの一端または両端は、ループ開口部に隣接した反対側ストランド材料を通過または横断し得る。これは、最終的に、ループのための両端のあるテザー設定をもたらすことができる。継ぎ合わせられていないループは、並列に働き(例えば、並列ばね配置におけるように)、力強いシステム操作に関連付けられた伸びを限定するテザー部材の追加の利点を提供し得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、回収システムは、テザー材料または他のフィラメントの交差構造を近位開口に含み得る。ある実施形態では、交差構造は、包囲するラソウと統合されていない別個の特徴である。ループから交差構造(例えば、クロスヘアー)を分離することは、それらの独立した作動および近位開口閉鎖における関連付けられた改良を可能にする。
【0026】
別個のループ特徴とクロスヘアー特徴とを用いることで、テザーは、いくつかの実施形態では、4つの単独ストランドとして配置されることができる。いくつかの実施形態では、回収システムのテザーは、2組(例えば、2つの端部を有する2つのストランド)を含み得る。他の実施形態では、三脚構成が、2つのテザーの組(ループのためのそれら)と2つのその他(クロスヘアーのためのそれら)とを使用して形成され得る。これらの実施形態は、単一テザーアプローチと比較して、張力(または抵抗張力)を加えることにおいて対称の基準を開口の周囲にもたらす。いくつかの実施形態では、回収システムは、2、3、および4脚対称オプションを採用し得る。換言すると、2方向、3方向、および4方向対称テザーシステムが、採用され得る。または、なおさらに、オプションは、二辺、三辺、および/または四辺対称を提供される。
【0027】
2組のストランドを伴う実施形態では、これらのストランドの組は、一対の追加の支持支柱に関連して相乗的に採用され得る。第1の対のテザーストランドは、第1の管状支持支柱内に受け取られ得、第2の対のテザーストランドは、第2の管状支持支柱内に受け取られ得、支柱は、そうでなければ、内側フラップおよび近位開口を内向きに(またはより近位に)に引っ張るであろうテザーの引き込みが、そのような行為を回避するように支持されるようにサイズを決定され得る。システムを用いて近位開口位置を維持することによって、そうでなければ生じ得る全体的漏斗構造体の湾曲が、限定される。
【0028】
支持支柱のための種々の構造実施形態が、下で提示される。同様に、支持支柱は、対オプション以外の構成で使用され得る。単一支持支柱が、採用され得る。
【0029】
別の随意の特徴の組は、システム内のテザー取り付けおよび/または構成の様式に関する。組み込まれる国際公開第PCT/US15/65102号(米国公開第2016/0095689号)は、デバイスの近位端に糊着またはポッティングされたテザーを図示および説明する。いくつかの実施形態では、テザーは、近位端から少なくとも中間またはより好ましくはデバイスの遠位端の少なくとも約2〜10cm以内まで延びているコア部材に接続され得る。そのようなコア部材は、それ以外の全長テザー材料より剛であるか、または低弾性を提供するように構成される(例えば、材料選択および/または物理的幾何学形状によって)。いくつかの実施形態では、テザーストランドは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)ロッドに取り付けられ得る。ポリマーロッドまたは管の使用は、それが容易に切断されることを可能にし、それは、テザー張力を除去し、埋め込まれた異物(「くっついた」IVCフィルタ等)を解放するための開口を開放することによって、「救出」特徴を提供することができる。いくつかの実施形態では、金属ワイヤコア部材(例えば、ステンレス鋼、CoCrまたはニチノール)も同様に、使用され得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、テザーに張力を加えることは、近位開口部(または開口)を閉鎖させ得、張力を解放することは、近位開口部に閉鎖された位置から再開放させ得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、回収システムは、複数のテザーを含む張力および張力解除機構を含む。複数のテザーは、互いの周囲またはそれに対して捻じられ、その有効長を短縮し、近位開口に関連付けられたラソウおよび/またはクロスヘアーをきつく締め付け得る。複数のテザー張力および張力解除機構は、各回転が細かい段階的軸方向張力および/または移動を追加するという点で高度に制御可能である。さらに、異物回収手技におけるテザーおよび開口をきつく締め付けるための同じ捻じりアプローチは、製造において、前負荷するために、および/または、ラソウおよび/またはクロスヘアーから望ましくない弛みを除去するために適用され得る。
【0032】
複数のテザー張力および張力解除機構は、複雑な機械加工、伝動装置、または他のユーザインターフェース要件なしに正確かつ触覚フィードバックを有する作動機構(またはユーザインターフェース)としての役割も果たす。作動機構は、トルクを加えることによって、またはテザーを捻じることによって作動され得る(直接または上で説明されるような中間シャフトを介して)。
【0033】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは、ねじ山付きであり、縫合糸ストランドの捻じりと連動する。トレッドまたはねじ切りをインターフェース部材に適用することによって、ハイブリッド作動システムが、作成される。それは、テザー捻じりおよびトレッド前進(または後退)の組み合わせが、開口作動を制御するという意味においてハイブリッドである。そのようなシステムは、止血および/または作動回転を聴覚的および/または触知的にカウントするための戻り止めまたはクリッカ特徴を容易に組み込み得る。
【0034】
本主題の送達および/または回収デバイス、それらが含まれるキット(組立の有無を問わず)、使用および製造の方法(構成要素の生体内または生体外の組立を含む)は全て、本開示の範囲内に含まれる。それらのいくつかの側面が、上で説明され、より詳細な議論が、以下に図と関連して提示される。
【0035】
図1Aは、フック端部で構成された回収インターフェース12を有する
【化1】
一時的IVCフィルタ10を示す。図1Bは、フックの代わりに、IVCフィルタ10の回収インターフェース12が、ナビンタイプインターフェース22を有するIVCフィルタ10を示す。ナビン(自体)は、ハブ28からの延長部26上のレーザ形成またははんだ形成突起またはバンプ24を備え得る。代替として、図2に示されるように、フィルタ回収インターフェース12は、延長部26上に搭載される(例えば、かしめ、溶接、糊着等によって)バンド24’(例えば、Ptマーカバンド)を備え得る。
【0036】
図2は、種々の本開示の実施形態による、さらに説明される特徴が組み込まれ得る回収システム100の概要を提供する。回収システム100は、漏斗トラップ構造30を含み、それは、熱硬化編組材料32から作製され得る。いくつかの実施形態では、漏斗トラップ構造30は、細長いシャフト34に対する可撓な遠位延長部であり得、それは、(いくつかの実施形態では)細長いスリーブ50内にスライド可能に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、患者の血管系を通した前進のために構成される市販のカテーテルまたはシースまたは回収システム100のカスタム部分であり得る細長いスリーブ50は、遠位放射線不透過性マーカバンド52を含み得る。いくつかの実施形態では、細長いスリーブ50は、省略されるか、または、そうでなければ、患者の身体の外側に留まるように構成されることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、編組32は、ニチノール(例えば、体温で超弾性(SE)であるもの等)、CoCr、ステンレス鋼、または別の生体適合性材料を備え得る。編組32は、1×l、l×2、2×2、または他のパターンにおいて72〜288または約144〜192本のフィラメント「端部」を有する材料から成り得る。いくつかの実施形態では、SEニチノールワイヤは、約0.001〜約0.002インチの直径であり得る。本直径範囲では、SEニチノールワイヤのメッシュは、可撓な漏斗トラップを構築するためのしなやか、かつ比較的に「平滑な」マトリックス表面を提供する。そのような表面の価値は、その非外傷性側面、および/または、IVCフィルタインターフェースまたは他の異物が角度がずれて向けられている場合でも、捕獲されるべきそれを捕獲するための位置に誘導することに役立つ能力にある。依然として、編組または他の構造オプションにおける他のワイヤサイズおよび/または端部数も同様に、可能である。
【0038】
標的デバイスまたは異物捕獲もしくは再捕獲を補助するために、漏斗トラップ構造30は、選択的に方向付け可能であり得る。図2における矢印によって示されるように、構造30が作製される材料は、ある角度方向に偏らせる力を提供するように熱硬化または別様に構成されることができる。構造30の展開の角度は、コア部材または閉塞具(図示せず)の相対的位置によって、もしくはスリーブまたはカテーテルシースによって、選択可能であるか、または完全に直線化され得る。さらなる位置付けは、さらに図示されるように、デバイスを回転させることによって達成され得る。代替として、スリーブ50が、シャフト34を曲げ、トラップ構造30を定位置に設定するように成形され得る。
【0039】
トラップ構造30は、示されるような略円錐台状形状または別様に構成され得る。外側円錐形形状(例えば、図3に示されるような三角形形状断面)を伴うことで、構造30は、高度に支持力があるが、上記の方向付け可能特徴オプションのための可撓な「腰部」区分48を提供する。依然として、デバイスは、その側面に沿って外向きに曲げられるか、または別様に構成され得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、構造30の遠位リム開口部(または開口)40は、その近位リム開口部42より大きく、遠位から近位方向に次第に細くなる構造を作成し得る。このように、デバイス10(例えば、IVCフィルタ)のフィルタ係合特徴24’(図2に示されるように)は、編組材料32に沿って、近位開口部42を通して誘導され得る。デバイス10の端部が、開口部42を通過し、随意に、区分48またはその近傍に底が着くと、それは、開口部40および/または42の幅を低減させる(例えば、少なくとも部分的に、開口部40および/または42を閉鎖または収縮させる)ことによって、解放可能に捕獲および保持されることができる。そのような動作は、下でさらに説明される。いくつかの実施形態では、ポケット(P)が、略円錐形または円錐台状編組壁44内に形成され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、デバイス10を捕獲すると、構造30は、最初に、構造30を外側スリーブ(例えば、デバイス50)の中に後退させ、次いで、経皮的開口部に位置する導入器シースを通して身体から引き出すことなく、患者の身体から引き出されることができる。他の実施形態では、デバイス10を捕獲した後、構造30は、スリーブ50の中に引き出されることができ、次いで、デバイス10、構造30、およびスリーブ50は、一緒に、導入器シースを通して、患者の身体から外に引き出されることができる。回収プロセスは、医療手技中、医師によって蛍光透視的に可視化され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、システム内でまたはそれとともに使用されるカテーテルまたはプッシャシャフト34、スリーブ50または他のカテーテルもしくはシースは、PTFE、FEP、PEEK、PI等の医療グレードプラスチックを備え得る。代替として、それらは、従来のカテーテル構造技法を使用して構築され、ライナ、編組支持体および外側ジャケット(図示せず)、金属ハイポチューブ等を含み得る。組み込まれるシースを伴わずに、ガイドまたは送達カテーテルを通して追跡するために意図される実施形態では、装填シースが、採用され得る。任意のそのような装填シースは、事前に分割される、または分割可能であり得る。他の典型的経皮的アクセス器具(ワイヤ等)、弁、および他のハードウェアも、医療治療方法を含む種々の実施形態に従って採用され得る。
【0043】
トラップ構造30は、サブアセンブリとして作製され、そのカテーテルまたはプッシャシャフト34に取り付けられることができる。米国公開第2016/0095690号および米国公開第2015/0105819号(両方とも、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として組み込まれる)は、デバイス100の編組部分30の製造におけることの例示的実施形態を説明する。
【0044】
構造30は、1つ以上の層の編組32を含むことができる。図3は、編組の内側層32Aおよび外側層32Bを有する構造30の例示的実施形態を描写する断面図である。いくつかの実施形態では、層32Aおよび32Bは、2つの個別的な層の編組を一緒に締め付けることまたは固定することによって形成される(例えば、接着剤によって、1つ以上のコネクタによって等)。ここに描写される実施形態では、編組32は、それ自身の上に折り返され、2つの層32Aおよび32Bを形成する編組の1つの連続シートまたは管である。編組32が、それ自身の上に折り返され、2つの層を形成する、位置は、参照番号38によって示され、編組32内の第1の折り畳み部と称され得る。編組32の2つの層32Aおよび32Bは、参照番号36によって示される第2の場所において折り曲げられることができ、それは、編組32内の第2の折り畳み部と称され得る。このような構成は、内側漏斗またはフラップ46を編組壁44によって形成される外側漏斗内にもたらす。
【0045】
図3の実施形態では、遠位開口部40の周辺リムは、第2の折り畳み部36によって形成され、近位開口部42の周辺リムは、第1の折り畳み部38によって形成される。編組32の内側層32Aおよび外側層32Bは、従来の技法(例えば、炉内、塩浴等)を使用した熱効果によって、図3に描写される形状に設定されることができる。多くの実施形態では、遠位開口部40は、近位開口部42より大きいが、他の構成も、可能である。
【0046】
いくつかの実施形態では、IVCフィルタ回収のために、構造30の編組部分は、約5mm〜約20mm、より好ましくは、約10〜約15mm(例えば、平均サイズのヒトIVC内で機能する範囲内のサイズであり、そのような脈管は、13〜30mmの範囲内で20mmの平均直径を有すると報告されている)の直径(D)を有し得る。編組部分は、約10mm〜約30mmの長さ(L)を有し得る。構造30は、30〜90度の全体的円錐角度(a)(編組壁44間)を有し得る。いくつかの実施形態では、編組壁44とフラップ46との間の屈曲36の角度(β)は、約0〜約60度であり得、フラップ長さ(F)は、約1〜約10mmの長さであり得る。
【0047】
遠位開口部40は、約1.5〜4mmの直径(d)を有し得る。いくつかの実施形態では、遠位開口部40の直径は、2.5〜3mmであり得る(市販のIVCフィルタデバイスを回収するために)。構造30の遠位開口部40は、デバイス軸に対して垂直に設定され得る。そうでなければ、それは、角度付けられるか、またはより複雑な形状を有し得る。
【0048】
図4は、構造30の例示的実施形態の端面図である。本実施形態では、構造30は、細長い部材60A、60B、60C、60D、60E、60F、および60Gを有する支持部材を含む。任意の数の1つ以上の細長い部材60が、使用されることができる。構造30が複数の編組層32Aおよび32Bを含む実施形態では、支持部材は、編組層32Aと32Bとの間に挿入されることができる。支持部材60は、加えて、または代替として、デバイス100の別の例示的実施形態を描写する部分断面図である図5に示されるように、内側編組層32Aの最内側上に位置することができる。支持部材構造および/または設置のさらなる随意の詳細は、国際公開第WO2016/094676号(参照することによって、あらゆる目的のために、その全体として本明細書に組み込まれる)に提示される。
【0049】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、編組の内側近位開口42を横断して延びている縫合糸材料(例えば、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)縫合糸)から形成されるテザー76の交差配置74も示す。いくつかの実施形態では、ストランドは、対称であり、交差構成72に類似する。任意の対称または非対称交差構成が、使用されることができる。ここでは、テザー76の1つの区分が、近位開口部42を2回、直角に二分するように配置される。いくつかの実施形態では、単一テザー区分のみが、例えば、円形の直径または弦のような形態において、近位開口部42を横断して延びていることができ、第2のテザー区分または交差パターンは、実装されない。他の実施形態では、第1の個別的なテザー区分(2つの端部を有する)が、近位開口部42を横断して延びていることができ、第2の個別的なテザー区分(2つの異なる端部を有する)が、2つの個別的なテザー区分が交差構成72を形成するように、近位開口部42を横断して延びていることができる。
【0050】
テザー76の別の区分は、少なくとも部分的に、近位開口部42を包囲する(ここでは、ループは、完全に包囲する)ループ構成74を形成するために使用されることができる。ループ構成74は、例証を容易にするために、交差構成72の外側に位置付けられて示されるが、実際は、ループ構成74は、近位開口部42における最内編組と接触するか、またはそれに近接近するであろう。一実施形態では、テザーの単一区分(2つの端部を有する)は、近位開口部42を通して織成され、交差構成72およびループ構成74の両方を形成する。
【0051】
図5の実施形態では、テザー76の(少なくともいくつか)の位置が、近位開口部42またはそれに隣接した(例えば、その内部半径またはその近傍の)編組層32Aと32Bとの間に見られ得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のテザー76は、クロスヘアー72および/またはループ74構成を遠位開口部40および/または近位開口部42に形成し、次いで、1つ以上のテザー76が、シャフト34に向かっておよび/またはその中に近位に延びている。テザー76は、開口部40および/または42を収縮させ、またはそれの拡張を可能にするために使用されることができる。ここでは、2つのテザー76Aおよび76Bが、近位開口部42と結合されて示されるが、その他も、本明細書により詳細に説明されるであろうように、含まれ得る。
【0052】
テザー76Aおよび76Bは、捕獲されるべき医療デバイスがフックインターフェース12を含むものである場合、例えば、強制的デバイス引き出しの場合、内側フラップ46が引き出されること、または外転することを抑制することができる。テザー76Aおよび76Bはた、開口部または開口42の閉鎖を作動させるための機構も提供することができる。
【0053】
図5に示されるように、テザー76Aおよび76Bは、シャフト34内に位置付けられるコア部材80(管、ワイヤ、またはロッドであり得る)に接続される。テザーは、スロット内に糊着され、平坦部を横断し、および/または、接着剤を受け取り、接続をもたらす上層シースまたはカバー82内に位置し得る。
【0054】
テザー76Aおよび76Bは、コア部材80を使用して引き込まれ、または、引っ張られ、関連付けられたループ74および/またはクロスヘアー72特徴をきつく締め付けることができる。いくつかの実施形態では、コア部材80は、省略され、テザー76Aおよび76Bは、デバイスの近位端からスライドまたは歯車タイプデバイスハンドル等のユーザインターフェースまで延びている。しかしながら、コア部材80は、全長縫合糸テザーより高い剛性(より低い弾性)を提供するように構成されることができるという点で、有用である。いくつかの実施形態では、クロスヘアー構成72は、近位開口部42に存在する一方、ループ構成74は、遠位開口部40に存在する。なおもさらなる実施形態では、ループ構成74は、遠位開口部40および近位開口部42の両方に存在する一方、クロスヘアー構成は、近位開口部42に存在する。なおもさらなる実施形態では、遠位開口部40および近位開口部42の両方は、クロスヘアー72およびループ74構成の両方を有する。
【0055】
コア部材80は、安定ユーザインターフェースプラットフォームならびにシールを形成する表面積を提供することもできる。コア部材80がシャフト34の近位端から延びていることで、それは、標準的トルカ84に取り付けるための位置をもたらす。
【0056】
トルカがきつく締め付けられ、コア部材34に接続されると、シャフト34を安定化させながら、部品を一緒に捻じることは、回転をテザー76に伝達する。捻じり(一般的遊戯場のブランコを捻じるような)は、ループおよび/またはクロスヘアーに加えられるテザーの短縮または緊張をもたらす。
【0057】
トルカを使用して加えられる回転数は、視覚的ガイドまたは目印をトルカ上に含むことによってカウントされることができる(随意に、レーザエッチングまたは彫刻によって形成される黒着色領域86等)。シール複合体(コア部材に取り付けられ、Oリング溝を画定する一対のスリーブ90A、90Bと、その溝内のOリング92と、スリーブ34の中に締まり嵌めまたは糊着される停止部94とを備えている)も同様に、有利には、提供される。
【0058】
図5におけるシステム100は、2つのテザー76Aおよび76Bを示す。しかしながら、示される斜視図は、2群の対のテザー、または4つのテザーの例証であり得、それらの半分のみが、図面の断面性質に起因して示されることを理解されたい。下でさらに詳述されるように、他のテザー構成も同様に、可能である。
【0059】
図6は、患者の身体の外側でユーザによって手動で保持され得るユーザインターフェース200の例示的実施形態を描写する。システム100におけるように、コア部材80およびシャフトスリーブ34の同心配置が、示される。コア部材80は、シャフト34の外側に延び得る。Oリング202(圧縮されて示される)も、溝204内に提供される。しかしながら、Oリング202は、図5のアセンブリにおけるものより比較的に大きくあり得る。これは、この構成では、溝204が、近位端または面206とスリーブ210の壁208との間にあるので、システム外形を損なわずに可能である。
【0060】
スリーブ210は、ユーザが把持するためのギザギザ状または格子縞パターン216を含み得る外側トルカ本体214のそれと篏合または合致するねじ切り212を含み得る。
【0061】
トルカ本体214は、接着剤218を用いて、または他の手段によって、コア部材80に接続され得る。ねじ山付きスリーブ210は、接着剤220または他の手段によって、シャフト34に接続され得る。トルカ本体214および把持シャフト34(それは、媒体ブラスト等によって、改良された把持のためにテクスチャ加工され得る)を回転させると、トルカ本体214は、ねじ切りの方向に伴って、遠位に前進または近位に後退のいずれかを行う。加えられる回転または回転の数をカウントまたは別様に追跡するために、構成要素は、戻り止めまたはクリック特徴をスリーブ210とトルカ本体214との間の間隙(G)内に組み込むことによって、触知的および/または聴覚的にカウントされることができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、トルカ本体214は、回転され得(例えば、左巻ねじ山を採用して時計回りに)、それによって、トルカ本体214は、テザーも捻じられながら後退し(例えば、近位に移動し)、それは、開口部42の閉鎖または収縮をもたらす。したがって、トルカが回転するためだけに設定される他の閉鎖方法と比較して、システム200を用いて有意により少ない回転が、開口ループ74および/またはクロスヘアー72をきつく締め付けるために必要とされる。
【0063】
選択されたねじ山ピッチ(例えば、4−40標準またはMlねじ山)に応じて、高度に正確な調節が、行われることができる。本質的に、「回転または部分的回転をカウントする」ことによって、医師は、医療手技中、蛍光透視法下、デバイス作動を実際に観察し、精密に制御することができる。同じことが、図4におけるシステムに該当するが、それは、あるIVCフィルタ捕獲のために、所望のレベルの開口閉鎖のための追加の作動回転を要求する。図4におけるサブシステムは、約2分の1、3分の1、またはさらに4分の1の回転数を用いて、同等のテザー緊張および開口閉鎖のために構成されることができる。
【0064】
両方の実施形態(例えば、図5におけるシステム100および図6におけるシステムまたはサブシステム200)において、システムの種々の構成要素間の内部摩擦(例えば、Oリングまたは採用され得るようなそのような他のシール構造によって予測可能方式で提供されるような)は、張力が加えられたときの「逆駆動」または不注意による捻じり解除を防止する。しかしながら、トルカ本体84または214の意図的逆転または「回転解除」は、テザーを捻じり解除させるであろう。これは、所望に応じて、開口部または開口42においてゆるめること、および捕獲されたインプラントの解放を可能にする。ねじ切りがスリーブ210とトルカ本体214との間に含まれることで、コア部材は、そのような組み合わせられた動作に伴って(例えば、平行移動に伴って)前進させられ、そのような結果をより少ない回転を用いて生じさせる(例えば、上記の締め付けのように)。
【0065】
故に、システム200は、ハイブリッドタイプのユーザインターフェースと見なされ得る。これは、軸方向または平行移動動作のためのねじ山/ねじ切りを同様に説明される捻じり締め付けオプションと併せて使用するという意味でハイブリッドである。
【0066】
ここで図7A−7Cに目を向けると、これらの図は、近位開口部42またはそれに隣接した場所のための異なるループ74およびクロスヘアー(またはX形状)72裁縫または糸通しパターンを図示する。ループ74の構成は、近位開口部42の周囲に完全に(図7A)、近位開口部42の周囲に実質的に完全に(図7C)、または近位開口部42の周囲に部分的に(図7B)延びていることができる。典型的には、ループ74は、第1の折り畳み部38において、編組層32Aと32Bとの間に収まるか、または位置するであろう。クロスヘアー構成(または任意の他の交差パターン)を形成するテザーは、近位開口部42またはそれに隣接してループ74の上方または下方に位置し得る。
【0067】
図7A−7Cに示されるように、近位開口部42の周囲の各テザーストランドの退出方向は、同じ場所または異なる場所においてであり得る。いくつかの実施形態では、テザーストランドのうちの1つ以上のものは、近位端(ユーザインターフェース端部)に向かって、隣接した編組を横断し、その周囲で曲がる。いくつかの実施形態では、図7Aに示されるように、ストランドのうちの1つは、ループ構成において、交差点78において別のものを通過し得る。代替として、この通過特徴は、省略され得、各ストランドは、単に、互いに隣接する。
【0068】
図7Bを参照すると、クロスヘアー72を画定する材料は、左下象限において、ループ74を画定する材料内に部分的に組み込まれる。ストランドの合流点(例えば、76A/76Dおよび76B/76C)は、示されるように、穿通交差点、または、捻じり、織成、もしくは絡み合いアプローチを伴い得る。4つのテザーの各々への近位に向けられた力(例えば、引き込み)は、開口部/開口42と相互動作する各長さの独立した締め付けをもたらす。
【0069】
図7Cにおけるアプローチを用いると、2つの対のテザー(76A/76Bおよび76C/76D)は、両側において、ループ74から退出し得る。この構成は、いくつかの利点をもたらす。いくつかの実施形態では(図8Aに示されるように)、各対のテザーの組は、支持スリーブまたは支柱90A、90B内に受け取られることができる。示されるように構成されると、支柱は、それらがテザー区分の同心配置によって定位置に保持されるように「浮動」する。
【0070】
いくつかの実施形態では、各支柱は、シャフト34の遠位端において近位に、近位開口部42のリムにおいて遠位に当接される。テザーが引き込まれると、リムは、定位置に安定したままであり、支柱は、圧縮され、テザー張力が、ループおよび/またはクロスヘアーに伝達され、少なくとも部分的に、開口部42を閉鎖する。
【0071】
支柱の収まりを改良するために、支柱は、その長さに沿って卵形または平坦にされ得る。そのような構成は、並んで縫合糸が受け入れられること、および/または、部品が一体になる最小の組み合わせられた幅(W)を可能にする(例えば、展開されているとき、トラップ区分30内で近位、シース50内で折り畳まれているとき、その全長に沿う)。
【0072】
他の構造オプションも同様に、可能である。例えば、支柱は、スリーブ34を延長し、それを二分し、それらの部分を薄壁(例えば、0.003〜0.005インチ)管類で被覆することによって形成され得る。そのような配置では、スリーブは、テザーを含み、シャフト延長部は、圧縮荷重に耐えるであろう。
【0073】
支柱がなければ、支持部材60A、60B等が、図4および5に示されるような構造体内に含まれ得る。または支持部材60および支柱90の両方が、組み合わせて採用され得る(図示せず)。
【0074】
図8Bは、いくつかの実施形態による、別の支持支柱構成を図示する。この場合、単一支持柱が、シャフト34のそのままの延長部として提供される。延長部(E)は、その端部92が開口部42の中心と整列しないように、湾曲させられ、傾斜させられ、または曲げられるか、または、スイッチバックまたはS曲を組み込み得る。しかしながら、それは、随意であり、他の(関連付けられた)可能なクロスヘアーおよび/またはループ構成もある。示されるように、2つのみのテザー76Aおよび76Bが、この例では、提供される。それらは、開口部42を閉鎖するために、両端のあるループのみを同期させるか、または別様に使用され得る。
【0075】
本明細書に説明される実施形態は、図を明示的に参照せずに、以下の段落において、言い換えられ、発展される。多くの例示的実施形態において、血管内医療デバイスが、提供され、血管内医療デバイスは、編組を含む可撓な遠位延長部に接続された細長いシャフトであって、編組は、遠位開口部を画定する遠位リムと近位開口部を画定する近位リムとを有し、シャフトおよび可撓な遠位延長部は、患者の血管系の中への挿入のために構成されている、細長いシャフトと、近位開口部を横断して近位リムにおいて編組を通って延びているテザーの一部と、テザーに張力を与えるように構成された近位ユーザインターフェースとを含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、編組は、編組の2つの層を形成する第1の折り畳み部を有し、2つの層は、第2の折り畳み部を有し、第2の折り畳み部は、漏斗形状の構造の遠位リムにあり、第1の折り畳み部は、漏斗形状の構造の近位リムにある。いくつかの実施形態では、テザーの一部は、交差構成において近位開口部を2回横断して延びている。
【0077】
いくつかの実施形態では、テザーの一部は、第1のテザーの一部であり、医療デバイスは、近位リムを少なくとも部分的に包囲するループとして配置された第2のテザーの一部をさらに含む。第2のテザーの一部は、編組の2つの層間のループとして配置されることができる。いくつかの実施形態では、第2のテザーの一部は、近位開口部を完全に包囲する。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1のテザーは、2つの端部を有し、第2のテザーは、2つの端部を有し、第1のテザーの2つの端部は、第1の管状支柱内に受け取られ、第2のテザーの2つの端部は、第2の管状支柱内に受け取られる。第1および第2の管状支柱は、可撓な遠位延長部の近位開口部と細長いシャフトの遠位端との間に位置付けられることができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、医療デバイスは、シャフト内に受け取られたコア部材をさらに含み、テザーは、コア部材の遠位端において接続される。近位ユーザインターフェースは、コア部材に接続または取り付けられたトルカを含むことができる。医療デバイスは、雄ねじ付きインターフェースをさらに含むことができ、トルカは、雌ねじ付きである。いくつかの実施形態では、医療デバイスは、細長いシャフトの近位端において接続されたスリーブをさらに含み、スリーブは、雄ねじ付きインターフェースを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1のテザーおよび第2のテザーは、近位開口部から近位ユーザインターフェースに向かって近位に延びている。いくつかの実施形態では、第2のテザーは、近位開口部を2回横断し、直角交差構成を形成する。
【0081】
いくつかの実施形態では、近位開口部は、下大静脈(IVC)フィルタの回収インターフェースを捕獲するように構成される。
【0082】
多くの実施形態では、異物を回収する医療方法が、提供され、医療方法は、血管内医療デバイスを患者の血管系内で前進させることであって、医療デバイスは、編組を備えている可撓な遠位延長部に接続された細長いシャフトを備え、編組は、遠位開口部を画定する遠位リムと、近位開口部を画定する近位リムとを有する細長いシャフトと、近位開口部を横断して近位リムにおいて編組を通って延びているテザーの一部とを備えている、ことと、回収されるべき異物の一部を近位開口部に通すことと、異物が近位開口部を通って延びている状態でテザーに張力を与えることとを含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、方法は、テザーの反対端部を互いの周囲で捻じることにより、引張を達成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、張力を与える間、近位開口部を少なくとも1つの支柱を用いて支持することをさらに含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、方法は、異物を患者の血管系から血管内医療デバイスを用いて引き出すことをさらに含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、テザーは、交差構成における第1のテザーであり、血管内医療デバイスは、近位リムの周囲のループ構成における第2のテザーをさらに備えている。いくつかの実施形態では、方法は、異物が近位開口部を通って延びている状態で第1のテザーおよび第2のテザーに張力を与えることをさらに含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、異物は、下大静脈(IVC)フィルタであり、異物の一部は、IVCフィルタの回収インターフェースである。
【0087】
使用および/または製造の方法を含む本主題の方法は、論理的に可能である任意の事象の順序、ならびに任意の列挙された事象の順序で実行され得る。実施形態方法は、デバイス提供、インプラント位置付け、再位置付け、インプラントまたはデバイス回収および/もしくは解放に関連付けられる病院のスタッフの活動のいずれかを含み得る。
【0088】
さらに、ある範囲の値が提供される場合、その範囲の上限および下限と、その記載される範囲内の任意の他の記載される、または介在する値との間で、あらゆる介在する値が、本発明内に包含されることを理解されたい。説明される発明的変形例の任意の随意の特徴が、独立して、または本明細書に説明される特徴のうちのいずれか1つもしくはそれを上回るものとの組み合わせにおいて、記載および請求され得ることも想定される。
【0089】
本発明は、随意に種々の特徴を組み込むいくつかの例を参照して説明されたが、本発明は、本発明の各変形例に関して想定されるように説明されるもの、または示されるものに限定されるべきではない。種々の変更が、説明される本発明に成され得、均等物(本明細書に列挙されるか、またはある程度簡潔にするために含まれないかにかかわらず)が、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく代用され得る。
【0090】
単数のアイテムの言及は、複数の同一アイテムの可能性を含む。より具体的には、本明細書および添付される請求項で使用されるような単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「該(said)」、および「前記(the)」は、別様に具体的に記載されない限り、複数指示物を含む。言い換えると、冠詞の使用は、上記の説明ならびに以下の請求項における本主題のアイテムのうちの「少なくとも1つ」を可能にする。さらに、請求項は、任意の随意の要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、本文言は、請求項の要素の列挙と関連する「単に」、「のみ」等の排他的専門用語の使用、または「消極的」限定の使用のための先行詞としての役割を果たすことが意図される。
【0091】
そのような排他的専門用語を使用しないと、請求項における用語「〜を備えている」は、所与の数の要素が請求項で列挙されるかどうかにかかわらず、任意の追加の要素の包含を可能にするものとし、または特徴の追加は、請求項に記載される要素の性質を変換すると見なされ得る。本明細書で具体的に定義される場合を除いて、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、請求項の正当性を維持しながら、可能な限り広い一般的に理解されている意味を与えられるべきである。故に、本明細書に説明される異なる発明的実施形態もしくは側面の範疇は、提供される例および/または本主題の明細書に限定されるべきではなく、むしろ、発行された請求項の言語の範囲によってのみ限定されるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
【国際調査報告】