(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-501979(P2020-501979A)
(43)【公表日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】自動車用の光学センサの光学面を洗浄するための装置および関連する方法
(51)【国際特許分類】
B60S 1/60 20060101AFI20191220BHJP
【FI】
B60S1/60 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-533630(P2019-533630)
(86)(22)【出願日】2017年11月29日
(85)【翻訳文提出日】2019年8月19日
(86)【国際出願番号】EP2017080875
(87)【国際公開番号】WO2018114262
(87)【国際公開日】20180628
(31)【優先権主張番号】1662969
(32)【優先日】2016年12月21日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【弁理士】
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、ブルタグノル
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ、グラッソ
(72)【発明者】
【氏名】マルセル、トレブー
【テーマコード(参考)】
3D025
【Fターム(参考)】
3D025AA04
3D025AC18
3D025AD11
(57)【要約】
本発明は、自動車用の少なくとも1つの光学センサ(160)の光学面(162)を洗浄するための洗浄装置(100)に関する。洗浄装置(100)は、レーザビームを発する光源(110)と、光学面を洗浄するために、レーザビームを光学センサ(160)の光学面(162)の少なくとも一部上に案内するための手段とを含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用の少なくとも1つの光学センサ(160、260、360、460、560、660、760)の光学面(162、362、462、562、662、762)を洗浄するための装置(100、200、300、400、500、600、700)であって、
レーザビームを発するための光源(110、210、310A、310B、410、510、610、710)と、
前記光学面を洗浄するために、前記レーザビームを前記光学面(162、362、462、562、662、762)の少なくとも一部上に案内するための手段とを含むことを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
前記案内手段は、少なくとも1つの前記光学センサ(160、260、360、460、560、660、760)の前記光学面の少なくとも一部上への前記レーザビームの投射用の前記発光源(110、210、310A、310B、410、510、610、710)によって発せられた前記レーザビームを方向付けるための装置(142、342、442)を含むことを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記レーザビームを発するための先端部(130、330、430、530、630、730)と、
少なくとも1つの前記光学センサの前記光学面に対する前記発光先端部の相対位置を移動させるための第1の手段(152、252、352、452、464、552、632、752)とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記第1の移動手段は、前記先端部(130、330、430、530、630、730)が前記光学面(162、362、462、562、662、762)に対面しない非動作位置と、洗浄するために前記先端部が前記光学面に対面する動作位置との間で、前記先端部および/または前記光学面を可逆的に移動させるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記先端部(530)と前記光学面との間に存在する前記レーザビームを封じ込めるための手段(554)を含むことを特徴とする請求項3または4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
少なくとも1つの前記光学センサが、
前記光学面を通過する電磁放射を検出する少なくとも1つの検出セルと、
前記発光源(110、210、310A、310B、410、510、610、710)によって発せられた前記レーザビームに向かい合う少なくとも1つの検出セルの感度を維持するための手段とを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項7】
レーザビームを発するための少なくとも1つの光源(110、210、310A、310B、410、510、610、710)と、前記先端部の相対位置を移動させるための前記第1の手段(152、252A、252B、352、452、464、552、632、752)とに接続された制御モジュール(170、270、370、470、570、670、770)を含むことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記制御モジュール(170、270、370、470、570、670、770)は、レーザビームを発するための光源(110、210、310A、310B、410、510、610、710)と、少なくとも1つの前記光学センサの前記光学面(162、362、462、562、662、762)に対する前記先端部(130、330、430、530、630、730)の相対位置との両方を制御するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記レーザビームを発するための前記光源(110、210、310A、310B、410、510、610、710)は、異なる波長のレーザビームを発するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項10】
波長が異なる複数のレーザビーム発光源(310A、310B)を含み、
各発光源は、そのレーザビームを、少なくとも1つの前記光学センサの前記光学面の少なくとも一部上に案内するための手段を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項11】
前記レーザビームを発するための前記光源(110、210、310A、310B、410、510、610、710)と前記案内手段とは、フルエンスが閾値以下であるレーザビームで前記光学面を照明するように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の洗浄装置。
【請求項12】
請求項3、または請求項3に従属している請求項4乃至11のいずれか一項に記載の洗浄装置(100、200、300、400、500、600、700)を使用して、電磁放射の光学センサの前記光学面を洗浄する方法であって、
レーザビームを発する前記光源(110、210、310A、310B、410、510、610、710)と、レーザビームで前記光学面を照明するために、前記先端部の相対位置を移動させるための第1の手段(152、252、352、452、464、552、632、752)とを動作させる少なくとも1つの工程を用いることを特徴とする洗浄方法。
【請求項13】
前記動作工程の間、前記第1の移動手段(152、252、352、452、464、552、632、752)は、前記レーザビームを前記光学面上に移動させるように制御されることを特徴とする請求項12に記載の洗浄方法。
【請求項14】
前記動作工程の前に、少なくとも1つの光学センサが第1の基準画像を取得し、
続いて、少なくとも1つの前記光学センサによって第2の基準画像を取得し、
前記第1の基準画像と前記第2の基準画像との間のコントラスト差が計算され、
前記動作工程は、前記差が既定の閾値を超える場合にトリガされることを特徴とする請求項12または13に記載の洗浄方法。
【請求項15】
前記動作工程の間、前記レーザビームは、前記第1の画像と前記第2の画像との間の、既定の閾値を超える計算されたコントラスト差に対応する前記光学面の1つ以上の領域上のみに移動することを特徴とする請求項14に記載の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、自動車用の光学センサを洗浄するための装置、より具体的には、この種のセンサの光学面を洗浄するための装置の技術分野である。
【背景技術】
【0002】
光学センサは、運転中に自動車の運転者を補助するために、ますます使用されている。例えば、光学センサは、運転者が縦列駐車を実行する際に、運転者が車両の後方に置かれた障害物をより快適に視認することを可能にするために、車両の後方に設置され得る。したがって、一般に、光学センサは、悪天候および埃に晒される車両の外側に設置される。時間が経つにつれて、汚れの層がセンサの光学面上に形成され、センサの検出領域を部分的または完全に遮る。これは、光学センサが光学センサの機能を果たすことを可能にするためには、センサの光学面を定期的に洗浄することが必要であることを示している。
【0003】
現在、センサの光学面は、センサから汚れを取り除くために、圧力をかけて噴霧される水溶液を用いて洗浄されている。汚れの性質によって、不明確な結果と共により多くのまたはより少ない量の水溶液が使用される必要があり得る。実際、例えば泥や虫の死骸のようないくつかの種類の汚れは、最も付着性のある要素を手作業で除去するために、運転者の介入を必要とし得る。また、この種の装置によって消費される液体の量を考えると、大量の水溶液が自動車内に貯蔵され、かつ自動車によって輸送される必要がある。この目的のためにタンクを一体化することは、スペースを節約することが最も重要である自動車においては困難である。また、水溶液を貯蔵することは車両の重量を増加させ、車両の航続距離の大幅な低下に反映される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、使用がより簡単で、重量がより軽く、そして一体化がより容易である、自動車用の光学センサの光学面を洗浄するための装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明は、自動車用の少なくとも1つの光学センサの光学面を洗浄するための装置であって、レーザビームを発するための光源と、光学面を洗浄するために、レーザビームを、少なくとも1つのセンサの光学面の少なくとも一部上に案内するための手段とを含むことを特徴とする洗浄装置を提案する。
【0006】
レーザビームを発するための光源は、光学センサの光学面を洗浄するために通常使用されるような貯水槽よりも、かさばらず軽いという利点がある。このため、本発明は、車両の航続距離への影響を制限することを可能にしながら、自動車への洗浄装置のより容易な一体化を可能にする。
【0007】
レーザビームを発するための光源は、特に、光学面から除去したい汚れの性質に応じて構成され得る。したがって、レーザビームの波長は、レーザビームの最適な吸収に有利に働くように、汚れの層の吸収特性に応じて適合され得る。レーザビームは、特に、200nm以上1200nm以下の波長を有していてもよく、この波長範囲内の任意の値で、例えば泥または塩に対するレーザビームの作用を可能にする。例えば、光学面上に存在する虫を除去する場合には、タンパク質に対処するために280nm以上380nm以下、ヘモグロビンに対処するために450nm以上600nm以下のレーザビームの波長を得ることが好ましい。
【0008】
レーザビームを案内するための手段は、特に、一端がビームを発するための光源に光学的に結合され、他端が1つ以上の光学センサに向けられた光ファイバを含み得る。光ファイバを使用することは、光学センサに対する発光源の配置において、より大きな自由度を可能にし、自動車の異なる領域への発光源の一体化を容易にする。さらに、光ファイバを使用することは、発光源によって発せられたレーザビームのより容易な封じ込めを可能にする。
【0009】
本発明の1つの特徴によれば、案内手段は、発光源によって発せられたレーザビームを、光学センサの光学面の少なくとも一部上へ方向付けるための装置を含んでいる。方向付け装置は、センサの光学面の少なくとも一部を照明することを可能にするために、レーザビームを透過し、反射し、および/または屈折させることを目的としている。多くの既存の光学センサを使用して本発明の実施を可能にするために、方向付け装置は、光学センサの外側に配置されることが好ましい。それにもかかわらず、さらにコンパクトな洗浄装置を提供するために、方向付け装置を光学センサに一体化することが考えられ得る。方向付け装置は、光学センサの光学面の方向にレーザビームを反射する少なくとも1つのレンズおよび/または1つの凹面を含んでいてもよい。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、洗浄装置は、レーザビームを発するための先端部と、少なくとも1つの光学センサの光学面に対する発光先端部の相対位置を移動させるための第1の手段とを含んでいる。ここで、発光先端部という用語は、レーザビームが発せられる、案内手段の端部を意味する。特に、光ファイバを介して発光源からのビームを透過する場合、発光先端部は、ファイバの第2の端部に取り付けられている。
【0011】
第1の移動手段は、先端部が光学面に対面しない非動作位置と、洗浄するために先端部が光学面に対面する動作位置との間で、先端部および/または光学面を可逆的に移動させるように構成されている。本発明の一実施の形態では、第1の移動手段は、先端部が不動のまま、光学センサの光学面を少なくとも枢動させるように構成されている。本発明の別の実施の形態では、第1の移動手段は、光学センサが不動のまま、発光先端部の位置を修正するように構成されている。例えば、第1の移動手段は、先端部が置かれた光ファイバの端部を移動させる伸縮式および/または関節式アームであり得る。
【0012】
本発明の別の特徴によれば、洗浄装置は、線状または点状に構成された、すなわち、洗浄される光学面の全体を覆わないように構成されたレーザビームと、ビームの光線を光学面に向けて偏向するための手段と、偏向手段の位置を修正し、光学面を掃除するように構成された第2の移動手段とを含んでいる。
【0013】
また、洗浄装置は、レーザビームが光学面に至る方向以外の方向に伝搬することができなくするために、そして、レーザビームが第三者への損害を引き起こす危険を冒さないように、先端部と光学面との間に存在するレーザビームを封じ込めるための手段を含んでいてもよい。特に、封じ込め手段は、先端部および/または光学面の動作位置において、第三者から先端部および光学面を隠すように構成されていてもよい。したがって、レーザビームによって光学面を洗浄するとき、当該ビームによって第三者または別の道路使用者が邪魔されることを防ぐために、レーザビームは封じ込め手段の後方に隠される。
【0014】
本発明の別の特徴によれば、光学センサが、光学面を通過する電磁放射を検出する少なくとも1つの検出セルと、発光源によって発せられたレーザビームに向かい合う少なくとも1つの検出セルの感度を維持するための手段とを含んでいる。1つ以上の検出セルは、人間の目に見える領域の波長および/または赤外線領域の波長に敏感であることが好ましい。
【0015】
少なくとも1つの検出セルの感度を維持するためのこれらの手段は、光学面と少なくとも1つの検出セルとの間に配置された少なくとも1つの光ファイバを含んでいてもよい。光ファイバの吸収波長の範囲は、光学面を目標とするレーザビームの波長範囲をカバーすることが好ましい。代案として、維持手段は、光学面と少なくとも1つの検出セルとの間に存在し、洗浄作業中に、光学センサ内のレーザビームの伝搬を阻止するように構成された光学遮断部材を含んでいる。代案として、維持手段は、レーザビームによって光学面が洗浄されるときに、検出セルを光学面から離れて回転させるために、光学センサ内の少なくとも1つの検出セルを枢動させるための手段を含んでいる。
【0016】
本発明の別の特徴によれば、制御モジュールが、レーザビームを発するための少なくとも1つの光源と、先端部の相対位置を移動させるための第1の手段とに接続されている。特に、制御モジュールは、レーザビームを発するための光源と、光学センサの光学面に対する先端部の相対移動との両方を制御するように構成されていてもよい。
【0017】
本発明の1つの特徴によれば、レーザビームを発するための光源は、異なる波長のレーザビームを発するように、特に、洗浄される光学面上に存在する汚れの種類に適するように発せられたレーザビームの波長を適合させるように構成されている。これに関連して、洗浄装置は、波長が異なる複数のレーザビーム発光源を含んでいてもよく、各発光源は、そのレーザビームを、光学センサの光学面の少なくとも一部上に案内するための手段を含んでいる。様々な発光源によって発せられたレーザビームは、同じ光ファイバを通って案内され得ることに留意されたい。このために、案内手段は、一方および/または他方の発光源の光ファイバへの光学的接続を可能にする光スイッチを含み得る。
【0018】
本発明の別の特徴によれば、レーザ発光源と案内手段とは、フルエンスが閾値以下であるレーザビームで光学面を照明するように構成されている。ここで、この閾値は、光学面を劣化させないために、超えられるべきではない最大エネルギーに対応する。閾値は、予め決められており、光学面を覆う材料による。例えば、閾値は、28J・cm
−2である。もちろん、レーザビームの出力は、光学面から除去したい汚れの性質に応じて選択されてもよい。レーザビームの出力は、特に、アブレーション現象(phenomene d'ablation)またはプラズマショック(choc plasma)によって汚れを除去するように選択されてもよい。
【0019】
本発明はまた、上述した洗浄装置を含む自動車に関する。
【0020】
本発明はまた、上述した洗浄装置を使用して、光学センサの光学面を洗浄する方法であって、制御モジュールが、レーザ発光源と、レーザビームで光学面を照明するために、先端部の相対位置を移動させるための第1の手段とを動作させる工程を用いる方法に関する。
【0021】
動作工程の間、第1の移動手段は、レーザビームを光学面上に移動させるように制御されてもよい。
【0022】
動作工程の前に、光学センサが第1の基準画像を取得してもよく、続いて、光学センサによって第2の基準画像を取得してもよく、第1の基準画像と第2の基準画像との間のコントラスト差が計算され得て、動作工程は、差が既定の閾値を超える場合にトリガされる。
【0023】
動作工程の間、制御モジュールは、第1の画像と第2の画像との間の、既定の閾値を超える計算されたコントラスト差に対応する光学面の1つ以上の領域上のみにレーザビームを移動させてもよい。
【0024】
洗浄方法は、上述した動作工程の前および/または後に、光学面上に水を噴霧する工程を含んでいてもよい。
【0025】
本発明の更なる特徴および利点は、以下の説明および図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、動作位置にある、光学センサの光学面を洗浄するための本発明による装置の第1の実施の形態を示す概略図である。
【
図2】
図2は、光学センサおよび関連する光学面の回転によって得られる非動作位置にある、本発明による洗浄装置の第1の実施の形態を示す概略図である。
【
図3】
図3は、光学センサの光学面を洗浄するための本発明による装置の第2の実施の形態を示す概略図であり、特に、レーザビームを案内するための複数の手段と、洗浄される複数の光学面とを含む点で、
図1の実施の形態と異なる概略図である。
【
図4】
図4は、光学センサの光学面を洗浄するための本発明による装置の第3の実施の形態を示す概略図であり、特に、光学面上に発せられるビームの波長を調整するために、2つの異なるレーザ発光源を含む点で、
図1の実施の形態と異なる概略図である。
【
図5】
図5は、光学センサの光学面を洗浄するための本発明による装置の第4の実施の形態を示す概略図であり、洗浄される面上に投射されるレーザビームの方向付けが特定の態様で構成されている概略図である。
【
図6】
図6は、光学センサの光学面を洗浄するための本発明による装置の第4の実施の形態を示す概略図であり、洗浄される面上に投射されるレーザビームの方向付けが特定の態様で構成されている概略図である。
【
図7】
図7は、光学センサの光学面を洗浄するための本発明による装置の第5の実施の形態を示す概略図であり、洗浄される光学面以外へのレーザ光線の伝搬を防ぐことを目的とする封じ込め手段が追加された点で、
図1の実施の形態と異なる概略図である。
【
図8】
図8は、光学センサの光学面を洗浄するための本発明による装置の第6の実施の形態を示す概略図であり、洗浄される光学面の方向にレーザビームを発する先端部の配置のための電動手段が存在する点で、
図1の実施の形態と異なる概略図である。
【
図9】
図9は、光学センサの光学面を洗浄するための本発明による装置の第7の実施の形態を示す概略図であり、光学面上へのレーザビームの発光に加えて使用され、洗浄される光学面上に水溶液を噴霧するための手段が追加された点で、上述した図と異なる概略図である。
【
図10】
図10は、本発明による洗浄装置によって洗浄される光学センサおよび光学面が見える状態にされた自動車を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の目的は、使用者にとってより簡単で、重量がより軽く、そして自動車への一体化がより容易である、自動車用の光学センサの光学面を洗浄するための装置を提案することである。
【0028】
光学面を洗浄するための装置は、複数の実施の形態および
図1乃至
図9を参照して説明される。一の位および十の位が同一の符号は、以下に説明される本発明の様々な実施の形態で共通の要素を示すことに留意されたい。
【0029】
図1は、本発明による洗浄装置100の第1の実施の形態を示している。この例によれば、洗浄装置は、ここでは200nm以上1200nm以下の波長であるレーザビーム112を発するためのイッテルビウムレーザタイプの光源110を含んでいる。発せられるレーザビームの波長は、設計段階または洗浄装置が車両に使用されるときに、最終的な態様で決定されていてもよく、必要に応じて、発せられる光線の波長を使用時に修正するように構成され得る発光源が設けられていてもよい。本例によれば、発光源110は、20kHzの周波数で、波長が1060nmのビームを発するレーザ源である。発光源110は、レーザビーム112が発光源110に隣接する光ファイバの第1の端部122から第2の端部124まで、光ファイバ内を伝搬することができるような態様で、光ファイバ120に光学的に結合されている。光ファイバの第2の端部は、光ファイバの第2の端部124の高さで発せられるレーザビームを方向付けるための装置140を保持する先端部130で終端する。本例によれば、方向付け装置は、立体角を増加させるような態様でレーザビームが発散するように構成された少なくとも1つの光学レンズ142を含んでいる。
【0030】
非限定的な例として、方向付け装置は、コリメータと、洗浄される光学面162のサイズに合わせて点状に発せられるレーザビームの形状を調整、すなわち真っ直ぐにして集中させる少なくとも1つのレンズとを含んでいてもよい。
【0031】
発光源110は、特に、発光源によって発せられた光線を光学センサの近傍に配置された先端部130まで運ぶ光ファイバ120の存在のおかげで、光学センサが設置された領域から距離を置いて配置されていてもよい。その結果、発光源は保護された領域内、例えば車両のトランク内に配置され得るが、
図10に一例として示されるように、光学センサは車両の前面に配置される。
【0032】
先端部130は、レーザビーム112が支持体150に取り付けられた光学センサ160を照明するように、支持体150に保持されている。先端部130と光学センサ160とは、別々の支持体に保持されていてもよいが、光学センサとレーザビーム発光先端部との互いに対する正確な位置決めを容易にするために、図示されたように共通の支持体を設けることが有利である。より正確には、光学センサ160は、
図1に示す動作位置と
図2に示す非動作位置との間で、光学センサを枢動させることが可能な電動枢動接続部152によって支持体に保持されている。動作位置では、光学面162の全体がレーザビーム112によって照明され得るために、光学面162が、レーザビームが発せられる先端部130に対面するように、光学センサ160が向けられている。これとは反対に、非動作位置では、光学面162はレーザビームから離れるように移動され、例えば自動車が通る道路のような、観察されるべきシーンに向けられる。この場合、主に車両の近傍の道路シーンを監視することができるようにするため、光学センサは主として非動作位置、より具体的には洗浄に対する非動作位置に配置されることは明らかである。
【0033】
電動枢動接続部152は、制御モジュール170によって制御されている。制御モジュール170は、発光源110および動作部材172に接続されている。動作部材172が動作されると、制御モジュールは、光学センサ160を非動作位置から動作位置まで枢動させるために、電動枢動接続部152のアクチュエータへの制御命令を生成する。同時に、制御モジュールは、光学センサの枢動の完了を適切な条件として、発光源110を動作させるための命令を生成する。これとは反対に、動作部材172の動作が停止させられたとき、制御ユニットは、発光源の動作を停止させる命令、かつ、再び電動枢動接続部152を用いて、光学センサ160を動作位置から非動作位置へ枢動させるための命令を生成する。一例として、動作部材は、レーザビーム112を用いて光学センサの光学面162を洗浄したい使用者によって作動される押しボタン174であってもよい。
【0034】
後述するように、封じ込め手段は、洗浄作業用で使用されるレーザビームが第三者にとって潜在的に有害な出力を有するときに用いられてもよい。ここでは、電動枢動接続部152は、封じ込め手段によって保護された領域内で洗浄される光学面を、先端部130に対面するようさせる。封じ込め手段の構成に応じて、光学センサは、電動枢動接続部によって形成されたものと相補的な手段によって非動作位置から動作位置へと移動可能な状態にされていてもよい。
【0035】
光源は、パルス発光源または連続発光源からなっていてもよく、光学面上に存在する汚れに対する作用は、プラズマショックまたはレーザアブレーション物理現象からなることができる。
【0036】
非限定的な例として、レーザ発光源は以下の特徴を有し得る。
【0038】
本発明の第2の実施の形態を
図3に示す。この第2の実施の形態によれば、特に、洗浄装置200が、第1の光ファイバ220Aに加えて、発光源210に結合された第2の光ファイバ220Bを含むという点で、上述した実施の形態と区別される。そして、各光ファイバは、具体的に関連する光学センサ260A、260Bの光学面上へのレーザビーム212A、212Bの発光に関連している。
【0039】
より正確には、光ファイバ220Aおよび光ファイバ220Bは、発光源210によって発せられたレーザビームが1つの光ファイバ内または2つの光ファイバ内を同時に伝搬することを可能にする光スイッチ214によって、同一の発光源210に結合されている。
なお、第1の光ファイバ220Aおよび第2の光ファイバ220Bは、上述した光ファイバ120と同一のものである。各光ファイバは、自由端に、レンズを保持する先端部を含んでいる。先端部は、光学センサが動作位置にあるときに、各先端部が関連する光学センサの光学面全体を照明することができるように、支持体250上に保持されている。上述したように、各光学センサ260Aおよび光学センサ260Bは、各光学センサ260Aおよび光学センサ260Bが動作位置から非動作位置へ、またはその逆に移動することを可能にする、それぞれの電動枢動接続部252Aおよび電動枢動接続部252Bによって支持体250上に保持されている。電動枢動接続部は、制御モジュール270によって制御されている。制御モジュール270は、発光源210および光スイッチ214に接続されている。制御モジュールは、2つの別々の押しボタン274Aおよび押しボタン274Bに接続されている。各押しボタンの動作は、上述したように、使用者がレーザビーム212A、212Bによって光学センサの光学面を洗浄することを可能にする。したがって、レーザビームを発するための同一の光源210は、同時にまたは次々に複数の光学センサの光学面を洗浄するために、有利に使用され得る。本発明は、複数の光学センサを含む車両において、かなりのスペースおよび重量を節約することができる。
【0040】
図4は、本発明による洗浄装置300の別の実施の形態を示している。この第3の実施の形態は、2つの別々の発光源を含むという点で第1の実施の形態と異なっている。より正確には、光ファイバ320の第1の端部322は、光スイッチ314の出力に結合されており、光スイッチ314の入力はさらに2つの発光源310Aおよび発光源310Bに結合されている。各発光源は、異なる波長の範囲のレーザビームを発するように構成されている。一例として、第1の発光源310Aのパラメータは、1200nmで第1のレーザビームを発するように設定され、第2の発光源310Bは、200nmで第2のレーザビームを発するように設定されたパラメータを有する。とりわけ、第1の発光源は、赤外線の発光を介して特に熱作用を生じさせるために、500nmよりも長い波長を発するように設定されたパラメータを有することができ、第2の発光源のパラメータは、紫外線の発光を介して特に化学的作用を生じさせるような態様で、500nmよりも短い波長での発光のために設定される。同様に、光学面上で検出された汚れに応じて、発光出力を変化させるために、パルス発光源および連続発光源を使用することが可能である。
【0041】
洗浄装置300は、光学スイッチ314、発光源310Aおよび発光源310B、上述した電動枢動接続部352、並びに2つの別々の押しボタン374Aおよび押しボタン374Bに接続された制御モジュール370を含んでいる。制御モジュール370は、押しボタンの一方または他方の動作に応じて一方または他方の発光源を作動させ、かつ、動作した発光源によって発せられたレーザビームを光ファイバ320に結合するように、光スイッチ314を向かわせるように構成されている。押しボタンのうちの1つが作動したときに、発光先端部330の高さで発せられたビームが光学センサの光学面に向けられるように、制御モジュール370は、電動枢動接続部352に指令し、光学センサ360を非動作位置から動作位置に枢動させるように構成されている。本実施の形態では、押しボタン374Aは、発光源310Aの動作を指令する。光学面を洗浄するために必要と考えられる特定の時間の終わりに、発光源は動作を停止され、光学センサは非動作洗浄位置、すなわち、洗浄された光学面を含む車両の環境を検出するための作業を実行するための位置に戻される。もちろん、どちらの押しボタンも動作していないとき、制御モジュールは、発光源310Aおよび発光源310Bを非作動のままにし、光学センサ360は、非動作位置のままである。この第3の実施の形態は、使用者が、異なる波長を含む2つのレーザビームを用いて光学センサの光学面362を洗浄することを可能にするため、有利である。したがって、本発明は、センサの光学面を覆う汚れの層の性質に応じて、使用者がより適切な洗浄を達成することを可能にする。本実施の形態では、第1の発光源310Aは、500nmから1200nmの吸収波長の範囲に対応する波長範囲のレーザビームを発するように構成されているのに対して、第2の発光源310Bによって発せられるレーザビームは、250nmから500nmまでの吸収波長の範囲に対応し、250nmは、汚染に対する化学的作用を可能にする紫外線の波長である。したがって、光学面362を覆う汚れの層の性質により、使用者は、汚れの層によるレーザビームのより良好な吸収を保証し、より速く、より効果的な光学面の洗浄を可能にするために、一方または他方の発光源を選択するか、あるいは2つの発光源を組み合わせることができる。
【0042】
図5は、本発明による洗浄装置400の別の実施の形態を示している。この第4の実施の形態は、光ファイバ420の第2の端部424に配置された先端部430が、形状が平行四辺形であるレーザビーム412を光学面462上に収束させるように構成された光学レンズ442を保持するという点で第1の実施の形態と区別される。図示された例では、方向付け装置442は、可動ミラー464を含み、可動ミラー464によりレーザビーム412が光学面上に投射され、可動ミラー464の回転移動が光学面の掃除を生じさせる。
図6に示すように、可動ミラーの特定の位置に対して、平行六面体形状のレーザビーム412は、光学センサ460の光学面462の全高にわたって延びているが、幅方向では部分的に延びている。したがって、レーザビーム412は、レーザビームの一般的な方向に対して垂直な平面内での投射が長方形である形状の範囲を定める。一例として、光学面462上のこの長方形の投射の寸法は15mm×100μmであると考えられ得る。言い換えれば、このとき発せられたレーザビーム412は、光学センサの光学面の一部のみを照明する。可動ミラー464は、可動ミラーの回転方向に応じて、一方向へ延びる長方形のレーザビームと、他方向へ延びる長方形のレーザビームとで光学面462を掃除し、光学面462全体を掃除することを可能にする。代案として、点状のレーザビームと、移動において2自由度を提供する1つ以上の可動ミラーを含む方向付け装置とが提案され得ることは明らかである。この光学面の掃除を実行するために、制御モジュール470は、1つ以上の可動ミラー464によって形成された枢動手段にも接続されている。押しボタン474が使用者によって動作されると、制御モジュール470は、光学センサ460を非動作位置から動作位置に移動させる態様で、電動枢動接続部452を枢動させるように構成されている。次いで、制御モジュール470は、レーザビームが光学面462の全体を掃除するように、発光源410を動作させるとともに、可動ミラー464の枢動を指令するように構成されている。上述したように、動作部材472が動作を停止されたとき、または制御モジュールが特定の洗浄時間経過後に発光源の動作を停止させたとき、制御モジュールは、光学センサ460を動作位置からその非動作位置へ枢動させるように構成されている。この第4の実施の形態は、出力を増大させ、かつ光学面のより効果的な洗浄を可能にするために、レーザビームをより小さな表面上に集中させることができるため有利である。
【0043】
図7は、本発明による洗浄装置500の第5の実施の形態において、発光源510によって発せられたレーザビーム512を封じ込めるための手段554をより詳細に示している。この種の封じ込め手段は、上述した各実施の形態に用いられ得ることが理解される。より正確には、封じ込め手段554は、先端部530の高さに配置され、光学センサ560が動作位置にあるときに、レーザビームを支持体550の高さに封じ込めるように構成されている。
図7では、支持体に固定されたこれらの封じ込め手段の壁554が見える状態になっており、壁554は、先端部530および光学センサ560が固定されている支持体の基部551に対して実質的に垂直な方向に延びている。特に、この壁554は、レーザビームが光学面を洗浄しているときに、第三者から先端部530および光学センサの光学面562を覆い隠すために、光学センサの全高にわたって延びており、かつ先端部と光学面との間の距離よりも長い長さを有している。壁によって覆い隠された構成要素は、図を読みやすくするために破線で表されている。壁554は、先端部が体系的に覆い隠され、光学センサ560が非動作洗浄位置(
図7A参照)にあるときに、壁554の端部が光学センサの検出領域に現れないように配置されている。封じ込め手段は、全ての方向において第三者に損害を与え得るレーザビームを遮るためにブラックボックスの形態をとることが有利であり、図示を容易にするために1つの壁しか示されていないことは明らかである。特に、光学面が封じ込め手段の外側にある非動作位置から、光学面が封じ込め手段の内側にある動作位置への光学センサの枢動を可能にする、可撓性の壁を設けてもよい。
【0044】
図8は、本発明による洗浄装置600の別の実施の形態を示している。この第6の実施の形態は、光学センサ660が支持体650にしっかりと固定されている点、および先端部630が、制御モジュール670によって制御される電動展開アーム632の端部に固定されている点で第1の実施の形態と区別される。光学面の移動により行われた上述した実施の形態とは対照的に、光学面に対する先端部の相対位置の修正は、先端部の移動により保証される。光学面662の側面に位置する非動作位置(
図8参照)と、光学面の前方に位置する動作位置との間で、先端部630を5mm/sの速度で移動させるように構成された電動伸縮式アームを使用して、先端部630の伸縮式展開が設けられ得る。より正確には、電動アーム632は、面全体を洗浄するためにレーザビームが光学面662全体を掃除するように、端面部630を光学面662の前方に移動させるように構成されている。動作部材674が動作されると、制御モジュール670は、先端部630を非動作位置から動作位置に移動させるように電動展開アーム632に指令し、次いで発光源610を動作させるように構成されている。次に、特定の時間の経過後に、または動作部材674が動作を停止されると、制御ユニットは、発光源610の動作を停止させ、先端部630が光学センサ660から見えないようにするために、電動アーム632を動作位置から非動作位置まで引っ込めるように構成されている。
【0045】
この実施の形態に特有の、発光源の先端部が移動される封じ込め装置は、
図8に示すように実施され得る。円錐形の薄膜643が、洗浄される光学面662の周りの光学センサ660に対して押し付けられるように、先端部630および関連する光学レンズの周りに配置される。発光源が動作されると、先端部から出る光線は、光学面と接触するまで封じ込められる。
【0046】
図9は、本発明による洗浄装置700の別の実施の形態を示している。この第7の実施の形態は、上述した第1の実施の形態に加えて、水溶液を収容するタンク780を含んでいる。タンク780は電動バルブ784によって分配チャネル782に接続されており、チャネルの自由端786は、光学センサが動作位置にあるときに、光学面762の近傍に配置されている。制御モジュール770は電動バルブ784にも接続されている。制御モジュール770は、発光源710の動作の前または後に、少量の水滴を光学面762上に付着させるために、電動バルブに指令するように構成されている。特に、レーザビームの投射の前に光学面上に水が噴霧されると、光学面762上に存在する水滴の位置においてキャビテーション現象を生じさせることが可能になり、光学面のより効果的な洗浄に有利に働く。
【0047】
上述した説明は、不利な寸法を有する関連する洗浄手段を必要とすることなく、本発明の実施の形態のいずれか一方が、設定された目的を達成することをどのように可能にするか、特に、最適な洗浄を可能にする、光学面上へのレーザビームの発光および投射によって光学面を洗浄するための装置を提案することができることを明確に説明している。
【0048】
しかしながら、本発明は上述した実施の形態に限定されず、上述した実施の形態は、一方では、明示的に説明されていない新しい実施の形態、他方では、以下のように幾つかの非網羅的な例が与えられる変形形態を形成するために、互いに組み合わされてもよい。
【0049】
上述した制御モジュールのうちの1つは、使用者による介入なしに、メモリユニットに予め記憶されたアルゴリズムが、規則的な態様でセンサの光学面の洗浄を行うことを可能にするために、プロセッサとメモリユニットとを統合し得る。一例として、アルゴリズムは、週または月に1回、光学センサの洗浄を指令してもよい。
【0050】
別の代案によれば、上述した制御モジュールは、センサによって記録された画像をリアルタイムで取得することができる態様で、そして、それに応じて、特に、光学面上の汚れの検出に応じて、発光手段の動作および光学面に対する先端部の相対位置を制御する態様で、光学センサに接続されていてもよい。この結果、運転者の手作業による介入なしに、必要に応じて洗浄シーケンスが行われる。上述したアルゴリズムは、制御モジュールが以下のステップを実行することを可能にするように構成され得る。
光学センサによる第1の基準画像の取得。
所定の時間の後、光学センサによる第2の基準画像の取得。
制御モジュールによる、第1の基準画像と第2の基準画像との間のコントラスト差の計算。
その差が既定の閾値を超える場合、プラズマショックまたはレーザアブレーション物理現象によって光学センサの光学面を洗浄するために、上述した洗浄装置を動作させる。
【0051】
一変形形態では、制御モジュールは、光学センサによって取得された画像の経時的なコントラスト差のより正確な計算を可能にするために、基準画像の取得時に、光学センサをテストパターンに向けてもよい。
【0052】
別の変形例では、制御モジュールは、光学センサの光学面のうち、第1の基準画像と第2の基準画像との間の、既定の閾値を超える計算されたコントラスト差に対応する光学面の1つ以上の領域のみにレーザビームを適用するように構成される。この変形例では、特に上述した第4の実施の形態で説明したように、洗浄装置は、レーザビームをセンサの光学面の一部上に投射するように構成されている。光学面のより正確な洗浄を可能にするために、レーザビームは、例えば点状などの異なる形状で等しく投射されてもよいことに留意されたい。
【0053】
別の変形例では、特に赤外線を使用する場合には、洗浄される光学面は、コーティングで覆われていてもよい。このコーティングは、光線が光学面を焼け焦がすことを抑制する。この結果、レンズと接触する光線は、光学面のコーティングに影響を与える前に、遭遇したすべての汚れに作用し、適切なコーティングに遭遇するまでに吸収される。レーザの発光波長は、コーティングとして使用される材料の種類に応じて選択されるこができる。
【国際調査報告】