特表2020-502800(P2020-502800A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-502800(P2020-502800A)
(43)【公表日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】光起電力反射膜及びその用途
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20191220BHJP
   H01L 31/056 20140101ALI20191220BHJP
   G02B 5/08 20060101ALI20191220BHJP
【FI】
   H01L31/04 570
   H01L31/04 624
   G02B5/08 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-531998(P2019-531998)
(86)(22)【出願日】2017年4月12日
(85)【翻訳文提出日】2019年6月14日
(86)【国際出願番号】CN2017080244
(87)【国際公開番号】WO2018113143
(87)【国際公開日】20180628
(31)【優先権主張番号】201611201825.5
(32)【優先日】2016年12月22日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201611201823.6
(32)【優先日】2016年12月22日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201611201822.1
(32)【優先日】2016年12月22日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】518250151
【氏名又は名称】蘇州高徳辰光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU GOLDEN STAR ELECTRONIC TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】高 瑞
(72)【発明者】
【氏名】丁 晶
【テーマコード(参考)】
2H042
5F151
【Fターム(参考)】
2H042DA01
2H042DA09
2H042DB00
2H042DD04
2H042DE03
5F151EA02
5F151EA19
5F151EA20
5F151JA02
5F151JA23
(57)【要約】
本発明は、光起電力反射膜を提供する。この光起電力反射膜は、ベース基板とマイクロ構造反射層とを含む。前記マイクロ構造反射層は、前記ベース基板の上面に配置される。前記マイクロ構造反射層は、マイクロ構造層と反射層とを含む。前記マイクロ構造層は、複数の多角錐、マイクロ三角柱又はマイクロプリズムからなる。マイクロ構造反射層は、反射面の面積を効果的に増大させることができ、入射光線を複数の方向に反射し、より大きな面積の電池シートの表面によって吸収し電気エネルギーに変換することができる。それによって、光エネルギーの利用率が向上し、光起電力アセンブリの出力電力が増加する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電力反射膜であって、ベース基板とマイクロ構造反射層とを含み、前記マイクロ構造反射層は前記ベース基板の上面に配置され、前記マイクロ構造反射層は、マイクロ構造層と反射層とを含み、前記反射層は前記マイクロ構造層の上面に塗布され、前記マイクロ構造層は複数の多角錐、マイクロ三角柱、又はマイクロプリズムからなる、ことを特徴とする光起電力反射膜。
【請求項2】
固定接着剤層又は裏接着剤層を更に含み、前記固定接着剤層又は裏接着剤層は前記ベース基板の下面に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力反射膜。
【請求項3】
前記マイクロ構造層の多角錐はピラミッド四角錐であることが好ましく、前記ピラミッド四角錐の底辺は、前記ベース基板の長手方向に対して45°の角度で配置される、ことを特徴とする請求項2に記載の光起電力反射膜。
【請求項4】
前記マイクロ構造層の多角錐はピラミッド四角錐であることが好ましく、前記ピラミッド四角錐は多傾斜度構造であり、稜線の傾斜角は下から上に向かって順に小さくなる、ことを特徴とする請求項2に記載の光起電力反射膜。
【請求項5】
前記マイクロ三角柱の1つの側面は前記ベース基板の上面に配置され、前記マイクロ三角柱の稜線方向はベース基板の長手方向と平行する、ことを特徴とする請求項2に記載の光起電力反射膜。
【請求項6】
前記マイクロ三角柱の頂部は、交互の凹凸部を有する多尖角構造に分割される、ことを特徴とする請求項5に記載の光起電力アセンブリ反射膜。
【請求項7】
前記マイクロプリズムの稜線方向は、前記ベース基板の長手方向に対して15°〜65°、好ましくは45°の角度で設定される、ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力反射膜。
【請求項8】
前記マイクロプリズムの1つの側面には複数のW状尖角構造がある、ことを特徴とする請求項7に記載の光起電力反射膜。
【請求項9】
マイクロプリズム層には複数のV状溝が設けられ、前記V状溝の底辺方向は前記マイクロプリズムの底辺に垂直である、ことを特徴とする請求項8に記載の光起電力反射膜。
【請求項10】
前記マイクロプリズムのプリズム底面幅は50μmであり、前記マイクロプリズムのプリズム頂部角度は120°であり、前記V状溝の開口幅は50μmである、ことを特徴とする請求項9に記載の光起電力反射膜。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の光起電力反射膜は、光起電力アセンブリの電力を増加させるために光起電力アセンブリに使用され、前記光起電力アセンブリは、複数の電池シートと、電池シートを接続する溶接帯とを含み、前記光起電力反射膜は、前記溶接帯の上面又は前記電池シート間の隙間領域に配置され、前記光起電力反射膜は、同時に前記溶接帯の上面及び前記電池シート間の隙間領域に配置され得、前記光起電力反射膜の長手方向は、前記溶接帯の長手方向、及び前記隙間領域の長手方向と平行するように設定される、ことを特徴とする光起電力反射膜の用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は反射膜に関し、特に、光起電力アセンブリのための光起電力反射膜に関する。
【背景技術】
【0002】
光起電力溶接帯は、光起電力アセンブリの電池シートを接続するために使用され、導電及び集電の重要役割を果たす。溶接帯と電池シートとの溶接を確実にし、且つ溶接帯の腐食を防止するために、溶接帯の表面にはスズ層が塗布される。太陽光が溶接帯の表面に直射すると、スズ層は太陽光を直接反射し、この部分の太陽光は電池パネルで使用できないため、光エネルギーが浪費される。
【0003】
一部の溶接帯は光線を反射するためにその本体上にストライプ構造を備えているが、溶接帯のベース基板は銅材料であるため、加工中にストライプ構造を微細構造にすることが困難であり、反射効果は理想的ではなく、表面のスズ層の厚さは不均一になり、電池シートの断片は生じやすく、生産効率に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述従来技術の欠点を克服するために、本発明の目的は、簡単な構造及び低いコストを有し、光線を十分に利用することができる光起電力反射膜を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明がその技術問題を解決するために採用する技術案は下記のとおりである。
光起電力反射膜であって、ベース基板とマイクロ構造反射層とを含む。前記マイクロ構造反射層は前記ベース基板の上面に配置される。前記マイクロ構造反射層は、マイクロ構造層と反射層とを含む。前記反射層は前記マイクロ構造層の上面に塗布される。前記マイクロ構造層は複数の多角錐、マイクロ三角柱、又はマイクロプリズムからなる。
【0006】
従来技術と比較して、本発明は、反射マイクロ構造により入射光線を複数の方向に反射し電池シートによって再吸収することができ、反射面の面積を効果的に増大することができ、反射された光線をより大きな面積の電池シートの表面に到達させ再利用することもできる。それにより、光エネルギーの利用率が向上し、光起電力アセンブリの出力電力が増加する。
【0007】
さらに、固定接着剤層又は裏接着剤層が含まれる。前記固定接着剤層又は裏接着剤層は前記ベース基板の下面に配置される。
【0008】
さらに、前記マイクロ構造層の多角錐はピラミッド四角錐であることが好ましい。
【0009】
上記好ましい解決策によれば、ピラミッド構造は入射光線を4つの方向に電池シートの表面に均一に反射し、光線の利用率が高く、構造が最も安定している。
【0010】
さらに、前記ピラミッド四角錐の底辺は、前記ベース基板の長手方向に対して45°の角度で配置される。
【0011】
上記好ましい解決策によれば、光起電力アセンブリの溶接帯の長手方向は電池シートのメイン格子線の方向と一致し、ピラミッド四角錐の底辺はそれに対して45°の角度で配置されるので、反射光線は溶接帯の表面の反射膜に反射される代わりに4つの方向に発散することができる。
【0012】
さらに、前記ピラミッド四角錐は多傾斜度構造であり、稜線の傾斜角は下から上に順に小さくなる。
【0013】
上記好ましい解決策によれば、ピラミッド四角錐の高さが低くなり、スペースが節約され、反射面積が増大し、光起電力アセンブリの効率が向上する。
【0014】
さらに、前記ピラミッド四角錐の頂部角度は50°〜75°である。
【0015】
上記好ましい解決策によれば、反射膜の面積が増大するとともに構造の安定性が保証される。
【0016】
さらに、前記ピラミッド四角錐の底面の辺の長さは50μmである。
【0017】
上記好ましい解決策によれば、金型の製造能力の保証の下で、マイクロ構造を微細化することによって、反射光線をよりよく再利用することができる。
【0018】
光起電力反射膜は、ベース基板、マイクロ構造反射層、及び固定接着剤層を含む。前記マイクロ構造反射層は前記ベース基板の上面に配置される。前記マイクロ構造反射層は、マイクロ構造層と反射層とを含む。前記反射層は前記マイクロ構造層の表面に塗布される。前記固定接着剤層は前記ベース基板の下面に配置される。前記マイクロ構造層では、複数のマイクロ三角柱が横に連続して配列される。前記マイクロ三角柱の1つの側面は前記ベース基板の上面に配置される。前記マイクロ三角柱の稜線方向はベース基板の長手方向と平行する。
【0019】
従来技術と比較して、本発明は、マイクロ構造層は三角柱の寝かせた状態に配置されるので、反射面の面積を効果的に増大させることができるとともに、反射された光線をより大きな面積の電池シートの表面に到達させて再利用することができる。それにより、光エネルギーの利用率が向上し、光起電力アセンブリの出力電力が増加する。
【0020】
さらに、前記マイクロ三角柱の頂部角度は60°〜150°であり、好ましくは120°である。
【0021】
上記好ましい解決策によれば、反射膜の面積が増大するとともに、構造の安定性が保証される。
【0022】
さらに、前記マイクロ三角柱の底面の幅は50μmである。
【0023】
上記好ましい解決策によれば、金型の製造能力を保証する上で、マイクロ構造を微細化することによって、反射光線をよりよく再利用することができる。
【0024】
さらに、前記マイクロ三角柱の頂部は、交互の凹凸部を有する多尖角構造に分割される。
【0025】
上記好ましい解決策によれば、マイクロ構造の高さが低減され、スペースが節約され、垂直反射面もまた大幅に増大し、そして小さな入射角の入射光線がよりよく利用される。
【0026】
光起電力反射膜は、ベース基板、固定接着剤層、マイクロプリズム層、及び反射層を含む。前記固定接着剤層は前記ベース基板の下面に配置される。前記マイクロプリズム層は、複数のマイクロプリズムアレイであり、前記ベース基板の上面に配置される。前記反射層は、前記マイクロプリズム層の表面を覆う。前記マイクロプリズムの稜線方向は、前記ベース基板の長手方向に対して15°〜65°の角度で設定される。
【0027】
従来技術と比較して、本発明は、前記マイクロプリズムの稜線方向がベース基板の長手方向に対してある角度で設定されるので、反射面の面積を増大させ、反射された光線をより大きな面積の電池シートの表面に到達させて再利用することができる。それにより、光エネルギーの利用率が向上し、光起電力アセンブリの出力電力が向上する。
【0028】
さらに、前記マイクロプリズムの稜線方向とベース基板の長手方向との間の角度は45°であることが好ましい。
【0029】
上記好ましい解決策によれば、主に光起電力を集中的に使用する場所の地理及び光照射特徴と組み合わせて、45°が好ましく、反射膜の汎用性が向上する。
【0030】
さらに、前記マイクロプリズムのプリズム頂部角度は60°〜150°であり、好ましくは120°である。
【0031】
上記好ましい解決策によれば、反射膜の面積が増大するとともに、構造の安定性が保証される。
【0032】
さらに、前記マイクロプリズムのプリズム底面幅は50μmである。
【0033】
上記好ましい解決策によれば、金型製造能力の保証の下で、マイクロ構造を微細化することによって、反射光線をよりよく再利用することができる。
【0034】
さらに、前記マイクロプリズムの1つの側面には複数のW状尖角構造がある。
【0035】
上記好ましい解決策によれば、マイクロプリズムの主受光面側にはW状尖角構造が設けられるので、反射膜の面積が効果的に増大し、光エネルギーの利用率が向上する。
【0036】
さらに、前記マイクロプリズム層には複数のV状溝が設けられ、前記V状溝の底辺方向は前記マイクロプリズムの底辺に垂直である。
【0037】
上記好ましい解決策によれば、反射面はマイクロ構造ユニット四面体に変更されるので、反射面は大きく増大し、反射光線はガラス板によって全反射された後に電池シートの表面に均一に到達する。
【0038】
さらに、前記V状溝の開口幅は50μmである。
【0039】
上記好ましい解決策によれば、プリズムと一致するサイズを使用して均一な四面体を構成することによって、光線の均一な反射が保証される。
【0040】
光起電力反射膜の用途については、前記光起電力反射膜は、光起電力アセンブリの電力を増加させるために光起電力アセンブリに使用される。前記光起電力アセンブリは、複数の電池シートと、電池シートを接続する溶接帯とを含む。前記光起電力反射膜は、前記溶接帯の上面又は前記電池シート間の隙間領域に配置される。また、前記光起電力反射膜は、同時に前記溶接帯の上面及び前記電池シート間の隙間領域に配置され得る。前記光起電力反射膜の長手方向は、前記溶接帯の長手方向、及び前記隙間領域の長手方向と平行するように設定される。
【0041】
上記好ましい解決策によれば、反射膜は、光が利用されていない光起電力アセンブリに内の空間位置に配置され、光は電池シートの表面に反射されて電気エネルギーに変換され、それにより、光起電力アセンブリの発電電力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明の実施例又は従来技術の技術的手段を更に詳細に説明するため、下記では実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。当然のことながら、下記の説明における図面は本発明の幾つかの実施例のみであり、当業者にとって、創造的労働を果たさない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本発明の一実施形態の構造示意図である。
図2】本発明の多傾斜度構造を有するピラミッド四角錐の構造示意図である。
図3】本発明の別の実施形態の構造示意図である。
図4】本発明のマイクロ三角柱の多尖角構造の構造示意図である。
図5】本発明の別の実施形態の構造示意図である。
図6】本発明のマイクロプリズムのW状尖角構造の構造示意図である。
図7】本発明のマイクロプリズムのV状溝の構造示意図である。
図8】光起電力アセンブリの構造示意図である。
図9】本発明の光起電力アセンブリにおいて光線を反射する原理の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下では、本発明の実施形態に係る添付図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。当然のことながら、ここで説明する実施形態は本発明の実施形態の全てではなく一部にすぎない。当業者が創造的な作業なしに本発明の諸実施形態に基づいて得られる他の全ての実施形態は、本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【0044】
本発明の目的を達成するために、図1に示すように、本発明の一実施形態は、ベース基板1と、マイクロ構造反射層2と、固定接着剤層3とを含む光起電力反射膜である。固定接着剤層3はベース基板1の下面に配置され、マイクロ構造反射層2はベース基板1の上面に配置される。マイクロ構造反射層2は、マイクロ構造層と反射層とを含み、反射層はマイクロ構造層の表面に塗布される。マイクロ構造層は複数の多角錐からなり、多角錐の底面はベース基板1の表面に配置される。
【0045】
上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。マイクロ構造層は多角錐として配置され、入射光線を複数の方向に反射して電池シートにより再吸収することができ、それにより、反射面の面積を効果的に増大することができ、反射された光線をより大きな面積の電池シートの表面に到達させ再利用することもできる。それにより、光エネルギーの利用率が向上し、光起電力アセンブリの出力電力が増加する。
【0046】
本発明の他の幾つかの実施形態では、光線の利用率をよりよく向上させるために、前記マイクロ構造層の多角錐はピラミッド四角錐であることが好ましい。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。ピラミッド構造は入射光線を4つの方向において電池シートの表面に均一に反射し、それにより、光線の利用率が高く、構造が最も安定している。
【0047】
本発明の他の幾つかの実施形態では、光線の反射経路を改善するために、前記ピラミッド四角錐の底辺はベース基板の長手方向に対して45°の角度で配置される。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。光起電力アセンブリの溶接帯の長手方向は電池シートのメイン格子線の方向と一致し、ピラミッド四角錐の底辺はそれに対して45°の角度で配置されるので、反射光線は溶接帯の表面の反射膜に反射される代わりに4つの方向に発散することができる。
【0048】
図2に示すように、本発明の幾つかの実施形態では、スペースを節約するために、前記ピラミッド四角錐は多傾斜度構造であり、稜線の傾斜角は下から上に順に小さくなり、図中の稜線の傾斜角はα>β>γである。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。ピラミッド四角錐の高さが低くなり、スペースが節約され、反射面積が増大し、光起電力アセンブリの効率が向上する。
【0049】
本発明の他の幾つかの実施形態では、マイクロ構造の安定性を向上させるために、前記ピラミッド四角錐の頂部角度は50°〜75°である。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は、反射膜の面積が増大するとともに構造の安定性が保証されることである。
【0050】
本発明の他の幾つかの実施形態では、マイクロ構造を微細化するために、前記ピラミッド四角錐の底面辺長は50μmである。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。金型の製造能力を保証する上で、マイクロ構造を微細化することによって、反射光線をよりよく再利用することができる。
本発明の目的を達成するために、図3に示すように、本発明の一実施形態は光起電力反射膜である。この光起電力反射膜は、ベース基板1、マイクロ構造反射層、及び固定接着剤層3を含む。マイクロ構造反射層2はベース基板1の上面に配置される。マイクロ構造反射層はマイクロ構造層21及び反射層22を含む。反射層22はマイクロ構造層21の表面に塗布される。固定接着剤層3はベース基板1の下面に配置される。マイクロ構造層21では、複数のマイクロ三角柱が横に連続して配列される。前記マイクロ三角柱の1つの側面はベース基板1の上面に配置される。前記マイクロ三角柱の稜線方向はベース基板1の長手方向と平行する。
【0051】
上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。マイクロ構造層は三角柱の寝かせた状態に配置されるので、反射面の面積を効果的に増大させることができるとともに、反射された光線をより大きな面積の電池シートの表面に到達させて再利用することができる。それにより、光エネルギーの利用率が向上し、光起電力アセンブリの出力電力が増加する。
【0052】
本発明の他の幾つかの実施形態では、反射構造の安定性を向上させるために、前記マイクロ三角柱の頂部角度は60°〜150°であり、好ましくは120°である。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は、反射膜の面積が増大するとともに構造の安定性が保証されることである。
【0053】
発明の他の幾つかの実施形態では、マイクロ構造を微細化するために、前記マイクロ三角柱の底面の幅は50μmである。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。金型の製造能力を保証する上で、マイクロ構造を微細化することによって、反射光線をよりよく再利用することができる。
【0054】
図4に示すように、本発明の他の幾つかの実施形態では、スペースを節約し、有効な反射面積を増大させるために、前記マイクロ三角柱の頂部は、交互の凹凸部を有する多尖角構造に分割される。また、垂直方向の反射面も大きく増大する。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。マイクロ構造の高さが小さくなり、スペースが節約され、大きな照射強度を有する小さな入射角の入射光線がよりよく利用される。
【0055】
本発明の目的を達成するために、図5に示すように、本発明の一実施形態は光起電力反射膜である。この光起電力反射膜は、ベース基板1、固定接着剤層3、マイクロプリズム層23、及び反射層22を含む。固定接着剤層3はベース基板1の下面に配置される。マイクロプリズム層23は、複数のマイクロプリズムアレイであり、ベース基板1の上面に配置される。反射層22はマイクロプリズム層23の表面を覆う。マイクロプリズムの稜線方向は、ベース基板の長手方向に対して15°〜65°の角度で設定される。
【0056】
上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。前記マイクロプリズムの稜線方向はベース基板の長手方向に対してある角度で設定されるので、反射面の面積を増大させ、反射された光線をより大きな面積の電池シートの表面に到達させて再利用することができる。それにより、光エネルギーの利用率が向上し、光起電力アセンブリの出力電力が向上する。
地域の緯度が異なると、太陽光の角度は異なるため、例えば、新疆地区と江蘇地区で最良のマイクロプリズムの稜線方向とベース基板の長手方向との間の角度は異なるため、太陽光の角度に応じて対応する調整を行うことができる。本発明の他の幾つかの実施形態では、反射膜の製造の汎用性を達成するために、前記マイクロプリズムの稜線方向とベース基板の長手方向との間の角度は45°であることが好ましい。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。主に光起電力を集中的に使用する場所の地理及び光照射特徴と組み合わせて、好ましくは45°を採用して、反射膜の汎用性を向上させる。
【0057】
本発明の他の幾つかの実施形態では、反射膜構造の安定性を向上させるために、前記マイクロプリズムのプリズム頂部角度は60°〜150°であり、好ましくは120°である。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は、反射膜の面積が増大するとともに構造の安定性が保証されることである。
【0058】
発明の他の幾つかの実施形態では、マイクロ構造を微細化するために、前記マイクロプリズムのプリズム底面の幅は50μmである。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。金型の製造能力を保証する上で、マイクロ構造を微細化することによって、入射光線をよりよく再利用することができる。
【0059】
図6に示すように、本発明の他の幾つかの実施形態では、反射膜の面積をより大きく増大させるために、太陽光が集中的に照射するマイクロプリズムの側面に複数のW状尖角構造231を配置する。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。反射膜の面積は効果的に増大するので、反射光線は電池シートの表面のより大きな領域に到達し、それにより光エネルギーの利用率が向上する。
【0060】
図7に示すように、本発明の他の幾つかの実施形態では、有効な反射面を増大させるために、マイクロプリズム層3に複数のV状溝232が設けられ、 V状溝232の底辺方向は前記マイクロプリズムの底辺に垂直である。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。反射面はマイクロ構造ユニット四面体に変更されるので、反射面は大きく増大し、反射光線はガラス板によって全反射された後に電池シートの表面に均一に到達する。
【0061】
本発明の他の幾つかの実施形態では、均一な反射面を構築するために、前記V状溝の開口幅は50μmである。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。プリズムと一致するサイズを使用して均一な四面体を構成することによって、光線の均一な反射が保証される。
【0062】
図8に示すように、光起電力反射膜の用途については、光起電力反射膜は、光起電力アセンブリの電力を増加させるために光起電力アセンブリ4に使用される。光起電力アセンブリ4は、複数の電池シート41と、電池シートを接続する溶接帯42とを含む。前記光起電力反射膜は溶接帯42の上面に配置される。また、前記光起電力反射膜は、電池シート41間の隙間領域に配置されるか、又は同時に上記両領域に配置される。前記光起電力反射膜の長手方向は、隙間領域45の長手方向と平行に設定され、前記光起電力反射膜の長手方向は、溶接帯42の長手方向と平行に設定される。上記技術的解決手段を使用することの有利な効果は次のとおりである。光起電力反射膜は、光が利用されていない光起電力アセンブリ内の空間位置に配置され、光は電池シートの表面に反射されて電気エネルギーに変換され、それにより、光起電力アセンブリの発電電力が向上する。
【0063】
以下、図9を参照しながら、本発明の光起電力アセンブリ内で光線を反射する原理を説明する。本発明の光起電力反射膜43は溶接帯42の表面に貼り付けられる。入射光線51(太陽光)は、ガラス板44を通して光起電力反射膜43の反射層に入射し反射されて、その路を変えて反射光線52となり、そしてガラス板44の表面で全反射されて、経路を変えて全反射光線53となり、最終的に電池シート41に到達する。光エネルギーは吸収されて電気エネルギーに変換される。
【0064】
上記の実施例は、単に本発明の技術的思想及び特徴を説明するものであり、当業者が本発明の内容を理解し実施することを可能にすることを目的とし、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の主旨に従ってなされた同等変化又は修正はすべて本発明の保護範囲内に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0065】
1−ベース基板;2−マイクロ構造反射層;21−マイクロ構造層;211−多尖角構造;22−反射層;23−マイクロプリズム層;231−W状尖角構造;232−V状溝;3−固定接着剤層;4−光起電力アセンブリ;41−電池シート;42−溶接帯;43−光起電力反射膜;44−ガラス板;51−入射光線;52−反射光線;53−全反射光線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】