特表2020-502804(P2020-502804A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-502804ヒートシンクを形成するバスバーを備える電子電力回路および集積方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-502804(P2020-502804A)
(43)【公表日】2020年1月23日
(54)【発明の名称】ヒートシンクを形成するバスバーを備える電子電力回路および集積方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20191220BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20191220BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20191220BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20191220BHJP
   H05K 7/06 20060101ALI20191220BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20191220BHJP
【FI】
   H01L23/36 C
   H01L25/04 C
   H01L23/46
   H05K7/06 C
   H05K7/20 B
   H05K7/20 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-532737(P2019-532737)
(86)(22)【出願日】2017年12月6日
(85)【翻訳文提出日】2019年8月14日
(86)【国際出願番号】FR2017053407
(87)【国際公開番号】WO2018115624
(87)【国際公開日】20180628
(31)【優先権主張番号】1662803
(32)【優先日】2016年12月19日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518403447
【氏名又は名称】アンスティテュ ヴェデコム
(71)【出願人】
【識別番号】519210376
【氏名又は名称】エルヴィア ペーセーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キエル, フリートバルト
(72)【発明者】
【氏名】ベルノー, オリヴィエ
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA11
5E322AB08
5E322FA04
5F136BA30
5F136BB03
5F136DA27
5F136EA38
5F136FA03
5F136FA52
(57)【要約】
回路は、電子チップ(MT、MD)と、積層基板と、ヒートシンク手段と、を少なくとも備え、チップは基板に埋め込まれており、ヒートシンク手段は基板の両面に固着されている。本発明によれば、ヒートシンク手段は、基板の両面に装着されたヒートシンクを形成するバスバー(BB、BB)を備え、上記バスバーの各々は、離間された位置に固着されかつ金属層(ME、ME)によって互いにおよび電子チップ(MT、MD)の接触面と相互接続された、複数の金属セグメント(BB1、BB2、BB3、BB4;BB1、BB2、BB3)によって形成されている。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子チップ(MT、MD)と、絶縁層および導電層から形成された積層基板(LA1、LA2、SB)と、熱放散手段と、を少なくとも備え、前記電子チップは前記基板に埋め込まれており、前記熱放散手段は前記基板の互いに反対側にある第1の面および第2の面に固着されている、電子電力回路であって、前記熱放散手段は、前記基板の前記互いに反対側にある第1の面および第2の面にそれぞれ装着された、ヒートシンクを形成する第1のバスバーおよび第2のバスバー(BB、BB)を備え、前記第1のバスバーおよび第2のバスバー(BB、BB)は各々、所定の離間された位置(MC、PE、MC)に固着されかつ金属の層(ME、ME)によって互いにおよび前記電子チップ(MT、MD)の接触面と相互接続された、複数の金属バスバーセグメント(BB1、BB2、BB3、BB4;BB1、BB2、BB3)から形成されていることを特徴とする、電子電力回路。
【請求項2】
前記バスバーセグメント(BB1、BB2、BB3、BB4;BB1、BB2、BB3)は、誘電体層(PP1、PP2、PP3、PP4;PP1、PP2、PP3)を介して、前記基板の前記第1のおよび第2の互いに反対側にある面に固着されていることを特徴とする、請求項1に記載の電子電力回路。
【請求項3】
前記バスバーセグメントのうちの少なくとも1つ(BB2)は、誘電体層(PP2)を介して前記チップ(MT)の電極(PE)に固着されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の電子電力回路。
【請求項4】
前記バスバーセグメント(BB1、BB2、BB3、BB4;BB1、BB2、BB3)、および前記導電層(FC1、FC2、PL)、および金属層(ME、ME)は、銅で製作されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子電力回路。
【請求項5】
第1の「ハイ側」回路(BCHS)が第2の「ロー側」回路(BCLS)上に積み重ねられている、少なくとも2つの請求項1から4のいずれか一項に記載の回路を備え、前記ハイ側およびロー側回路(BCHS、BCLS)はその対応するバスバー(BB、BB)によって機械的および電気的に接続されていることと、前記ハイ側およびロー側回路(BCHS、BCLS)の間に配置されている少なくとも1つの中央冷媒循環空間(CC、CC)を備え、前記中央冷媒循環空間(CC、CC)は前記バスバー(BB、BB)の前記セグメント(BB1、BB2、BB3、BB4;BB1、BB2、BB3)の間に形成されていることと、を特徴とする、電子電力デバイス。
【請求項6】
前記デバイス(EM)の上側部分内に配置されている上側冷媒循環空間(CHa、CHb、CH)を少なくとも更に備え、前記上側冷媒循環空間(CHa、CHb、CH)は、前記上側回路(BCHS)の上側バスバー(BB)のセグメント(BB1、BB2、BB3、BB4)と上側誘電体層(DLHS)との間に形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の電子電力デバイス。
【請求項7】
前記デバイス(EM)の下側部分内に配置されている少なくとも1つの下側冷媒循環空間(CL、CL)を更に備え、前記下側冷媒循環空間(CL、CL)は、前記下側回路(BCLS)の下側バスバー(BB)のセグメント(BB1、BB2、BB3)と下側誘電体層(DLLS)との間に形成されていることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の電子電力デバイス。
【請求項8】
誘電体層(DLHS、DLLS)を介して前記デバイス(EM)の上側部分または下側部分に固着された少なくとも1つの制御回路(CTRLHS、CTRLLS)を備えることを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の電子電力デバイス。
【請求項9】
電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込んで、請求項1から4のいずれか一項に記載の電子電力回路を作成する方法であって、
内部の積層された絶縁層および/または導電層間に含まれる少なくとも1つの電子チップ(MT、MD)を組み込んだ、ブランク材(EB1)を作成することと、
樹脂プリプレグの誘電体部分(PP1、PP2、PP3、PP4;PP1、PP2、PP3)によって、機械的に取り付けることと、前記ブランク材(EB1)の互いに反対側にある上面および下面上の、所定の離間された位置にある金属バスバーセグメント(BB1、BB2、BB3、BB4;BB1、BB2、BB3)、
互いに反対側にある上面および下面の各々について、前記当該面に固着された前記バスバーセグメント(BB1、BB2、BB3、BB4;BB1、BB2、BB3)と前記電子チップ(MT、MD)の接触面とを金属層堆積(ME、ME)によって相互接続し、この結果、ヒートシンクを形成するバスバー(BB、BB)を備える前記電子電力回路を形成することと、を含むことを特徴とする、方法。
【請求項10】
積層のステップ、アブレーションによる材料の除去のステップ、電着のステップ、およびフォトリソグラフィのステップを含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2016年12月19日に出願された仏国特許出願第1662803号の優先権を主張するものであり、その内容(本分、図面、および特許請求の範囲)は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は一般に、パワーエレクトロニクスの分野に関する。より詳細には、本発明は、ヒートシンクを形成するバスバーを備える電子電力回路に関する。本発明はまた、これらの回路を複数個備えるデバイスと、これらの回路を作成するための、電子電力チップを組み込む方法およびバスバーを相互接続する方法と、にも関する。
【背景技術】
【0003】
電力変換器などの電子電力デバイスは、例えば輸送、工業、照明、暖房等、多くの分野で非常に広く利用されている。CO排出量がより少ない再生可能なエネルギー源への望ましいエネルギー移行を考えると、パワーエレクトロニクスはより一層広く利用されることになり、増え続ける経済的および技術的制約に対応しなければならなくなるであろう。
【0004】
現在の研究開発は、コスト削減、電力密度の向上、信頼性の向上、寄生要素の低減、および放散したエネルギーの熱移動に注力している。
【0005】
現況技術では、集積のレベルを上げ電力回路のサイズを低減するために、高密度相互接続(HDI)技術が一般に使用されている。プリント回路基板(PCB)上に一般に実装されるHDI技術は、表面実装型コンポーネントを相互接続するために、「リードフレーム」として知られるストリップおよび銅トレース回路を備えたセラミックプレートを、または、より高度な技術では、埋込みコンポーネントを相互接続するために、「マイクロビア」として知られる銅を充填された微小な穴を、特に使用して、コンポーネントの埋め込みを空間的に最適化することに基づいている。レーザ穿孔、並びに、ろう付け、過渡液相(TLP)接合、または金属ナノ粒子粉末焼結などの、様々なはんだ付け技法が使用される。
【0006】
しかしながら、大量生産のために必要となるコスト削減並びに集積およびコンパクトさのレベルの上昇を考えると、HDI技術はその限界に達しつつある。ストリップおよびマイクロビアとの相互接続部が占める容積により、達成可能な集積のレベルが制限される。ストリップまたはケーブルとの相互接続部は、より高いクエンチング周波数または転流周波数と適合しない寄生インダクタンスをもたらす。しかしながら、転流周波数の増大は一般に、とりわけ電力変換器において、コンパクトさにとっては有利に働く。寄生インダクタンスの低減はまた、熱の発生を低減するために、破壊的であり得る電圧サージから回路を保護するために、および電磁放射の制御を改善するために、必要でもある。
【0007】
能動コンポーネントおよび受動コンポーネントの温度を臨界値未満に維持するため、熱平衡状態に達するため、並びに電力回路の信頼性を保証するためには、高性能の冷却が必要である。表面積が更に小さいシリコンチップおよび炭化シリコンなどの新しいパワー半導体が利用できれば、より高い電流密度およびクエンチング周波数の向上が可能になり、このことにより、電力回路をより一層コンパクトにすることが可能になる。しかしこれを行うためには、電力回路の構造および使用する技術は、コンポーネントの出来る限り近くで放散したエネルギーを取り除くことができるものでなければならない。コンポーネントによって形成された熱源と熱放散手段によって形成されたヒートシンクとの間の熱経路は、最適化されねばならない。
【0008】
知られている技術では、熱は、空気内にまたは冷媒内に伝達されるまでに、はんだ、銅めっき誘電性基板、金属ベースプレート、熱界面材料、および塊としてのヒートシンクなど、様々な層を通らなければならない。
【0009】
今や、当てはまる様々な制約に対して更なる最適化を可能にする、優れた熱放散性能を有する電子電力デバイスを製造するための、新規な技術を提案することが、必要であるように思われる。
【発明の概要】
【0010】
第1の態様によれば、本発明は、電子チップと、絶縁層および導電層から形成された積層基板と、熱放散手段と、を少なくとも備え、電子チップは基板に埋め込まれており、熱放散手段は基板の互いに反対側にある第1の面および第2の面に固着されている、電子電力回路に関する。本発明によれば、熱放散手段は、基板の互いに反対側にある第1の面および第2の面にそれぞれ装着された、ヒートシンクを形成する第1のバスバーおよび第2のバスバーを備え、第1のバスバーおよび第2のバスバーは各々、所定の離間された位置に固着されかつ金属の層によって互いにおよび電子チップの接触面と相互接続された、複数の金属バスバーセグメントから形成されている。
【0011】
本発明に係る回路の特定の特徴によれば、バスバーセグメントは、基板の第1のおよび第2の互いに反対側にある面に、誘電体層を介して固着される。
【0012】
別の特定の特徴によれば、バスバーセグメントのうちの少なくとも1つが、誘電体層を介してチップの電極に固着される。
【0013】
更に別の特定の特徴によれば、回路のバスバーセグメントおよび導電層および金属層は、銅で製作される。
【0014】
別の態様によれば、本発明はまた、「ハイ側」回路として知られる第1の回路が第2の「ロー側」回路上に積み重ねられている、少なくとも2つの上で概説したような回路であって、ハイ側回路およびロー側回路はその対応するバスバーによって機械的および電気的に接続されている、少なくとも2つの回路を備え、かつ、ハイ側回路とロー側回路との間に配置されている少なくとも1つの中央冷媒循環空間を備え、中央冷媒循環空間は、バスバーセグメント間に形成されている、電子電力デバイス、にも関する。
【0015】
特定の特徴によれば、デバイスは更に、デバイスの上側部分内に配置されている上側冷媒循環空間を少なくとも備え、上側冷媒循環空間は、上側回路の上側バスバーのセグメントと上側誘電体層との間に形成されている。
【0016】
別の特定の特徴によれば、デバイスは更に、デバイスの下側部分内に配置されている少なくとも1つの下側冷媒循環空間を備え、下側冷媒循環空間は、下側回路の下側バスバーのセグメントと下側誘電体層との間に形成されている。
【0017】
別の特定の特徴によれば、デバイスは、デバイスの上側部分または下側部分に誘電体層を介して固着された、少なくとも1つの制御回路を備える。
【0018】
更に別の態様によれば、本発明はまた、上で概説したような電子電力回路を作成するための、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法にも関する。本発明によれば、方法は、
− 内部の積層された絶縁層および/または導電層間に含まれる少なくとも1つの電子チップを組み込んだ、ブランク材を作成することと、
− 樹脂プリプレグの誘電体部分によって、機械的に取り付けることと、ブランク材の互いに反対側にある上面および下面上の、所定の離間された位置にある金属バスバーセグメント、
− 互いに反対側にある上面および下面の各々について、当該面に固着されたバスバーセグメントと電子チップの接触面とを金属層堆積によって相互接続し、この結果、ヒートシンクを形成するバスバーを備える電子電力回路を形成することと、を含む。
【0019】
特定の特徴によれば、方法は、積層のステップ、アブレーションによる材料の除去のステップ、電着のステップ、およびフォトリソグラフィのステップを含む。
【0020】
以下の添付の図面を参照して、本発明の複数の特定の実施形態の以下の詳細な説明を読めば、本発明の他の利点および特徴がより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図2】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図3】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図4】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図5】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図6】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図7】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図8】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図9】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図10】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図11】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図12】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図13】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図14】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図15】本発明に係る、電子電力チップとヒートシンクを形成するバスバーとを組み込む方法のステップを示す、簡略化した断面図である。
図16】液冷を行う、本発明に係る電子電力デバイスの特定の実施形態を示す簡略化した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る方法の具体的な実施形態について、トランジスタ転流ブリッジまたはハーフブリッジのアームの形態の電子電力デバイスまたはモジュールの実施形態と関連させて、以下に記載する。従来、ブリッジアームは、「ハイ側」および「ロー側」トランジスタとしてそれぞれ知られる上側トランジスタおよび下側トランジスタと、関連付けられたダイオードと、を備える。かかるデバイスを、完全な転流ブリッジを形成するようにリンクさせてもよく、または、必要とされる電流が流れるように並列にリンクさせてもよい。
【0023】
一般に、本発明では、電子チップを組み込むための既知のよく理解されているプリント回路製造技法が使用される。したがって、本発明に係る方法は、積層、レーザアブレーション、フォトリソグラフィ、電解金属析出、および湿式エッチングを含む、異なる製造技法の組み合わせを使用してもよい。電子チップとバスバーを相互接続するために、電解金属析出が特に使用され得る。
【0024】
本発明に係る電子電力チップを組み込みバスバーを相互接続する方法における異なる製造ステップについて、図1から図15を参照して以下に記載する。
【0025】
図1および図2は、電子チップを受け入れるためのキャビティを備えるベース基板SBを製造する、最初のステップを示す。
【0026】
基板SBは積層体LA1から作成され、積層体LA1上に誘電体部分CSが堆積される。
【0027】
積層体LA1は、通常は銅で製作される導電性の金属箔FC1に固着される、誘電体層CD1から形成される。層CD1は通常は、グラスファイバとエポキシ樹脂とで構成された、ステップB(すなわち中間の重合ステップ)の誘電体層である。変形形態では、有機積層体または銅張積層板(CCL)も使用され得る。
【0028】
誘電体部分CSは事前に切断され、誘電体層CD1に移されて、キャビティOTおよびODが形成される。誘電体部分CSは通常は、グラスファイバとエポキシ樹脂とから構成されたステップCの(すなわち完全に重合した)誘電体層から形成される。
【0029】
図3のステップでは、例えばパワートランジスタMTおよびダイオードMDの形態のコンポーネントチップは、基板SBのキャビティOTおよびOD内に位置決めされている。
【0030】
図4のステップは、チップMTおよびMDを担持する、図1の積層体LA1と類似の、別の積層体LA2の基板SB上の堆積を示す。積層体FA2は、銅で製作される導電性の金属箔FC2と、誘電体層CD2と、を備える。
【0031】
この段階では、誘電体層CD1およびCD2は、まだ部分的にしか重合されていない。チップMTおよびMDは、誘電体層CD1と誘電体CD2との間に挟まれる。基板SB上でのLA2の積層は通常、プレス加工および真空積層オーブンを通過させることによって達成される。
【0032】
真空積層オーブンから出て来ると、図5では、層CD1、CS、およびCD2の積層に由来する完全に重合した誘電体層CD内にチップMTおよびMDが埋設されている、ブランク材EB1が得られる。銅箔FC1およびFC2は、ブランク材EB1の互いに反対側にある上面および下面を形成する。
【0033】
図6のステップでは、ブランク材EB1上で材料除去工程が例えばレーザアブレーションによって行われ、この結果、金属製の微細なチップ接続パターンが作成される。図6に示すように、この場合、ブランク材EB1の上面にキャビティCA1が作成され、この結果、チップMTの制御電極が解放される。チップMTはこの場合、例えばMOS−FETパワートランジスタであり、解放される制御電極はトランジスタのゲート電極である。
【0034】
図7のステップは、ブランク材EB1の上面に被覆されているフォトレジストマスキング樹脂PS1を示す。この樹脂の部分CA2は、スクリーン印刷マスクの使用および紫外放射への暴露を従来通り用いて、解放されている。クリアランスCA1およびCA2は、ストリップ上に制御チップMTの制御電極用の接触ブロックおよび接続コーティングを作成することが意図されている。
【0035】
図8は、例えば酸素プラズマ処理、乾式剥離などの知られている方法によってまたは溶剤を使用して、マスキング樹脂PS1を除去した後の、作成の中間段階におけるチップMTの制御電極の接触ブロックPEを示す。接触ブロックPEは、ブランク材EB1上の、図7に示すクリアランスCA1およびCA2内に、通常は銅である、金属の電解析出によって作成される。
【0036】
図9のステップでは、ブランク材EB1の上面および下面を平面化するために、銅の電解析出が行われる。銅箔FC2および電極接触ブロックPEで製作されるブランク材EB1の上面は、銅平面化層PLである。銅箔FC1で製作されたブランク材EB1の下面は、同じく銅平面化層PLで覆われる。
【0037】
ステップ10は、ブランク材EB1の上面および下面上の微細な金属接続パターンを明確にするための、別のフォトリソグラフィステップである。図10に示すように、ブランク材EB1の上面および下面には、フォトレジスト樹脂PS2が堆積している。次に、湿式エッチングによって除去されることになる金属部分ETが画定されており、樹脂PS2はこれらの部分から除去されている。
【0038】
ステップ10でのエッチング後のブランク材EB1を図11に示す。図11に示すように、エッチングによる露出した銅部分の除去により、下にある誘電体層CDの複数の部分が現われている。この段階では、ブランク材EB1の上側および下側金属接続パターンMC、PE、およびMC、特に電極接触ブロックPEおよびその接続ストリップ(図示せず)は、精確に完成および画定されている。しかしながら、下にある誘電体層CD内に埋設されたチップMTおよびMDの上側および下側接触面は、まだ解放されていない。
【0039】
図12のステップでは、チップMTおよびMDの上側および下側接触面は、例えばレーザアブレーションによる、材料の除去によって解放されている。図12に見ることができるように、層CDに由来する誘電体部分CDaが、金属接続パターンの、特に電極接触ブロックPEのおよびその接続ストリップの、両側に残されている。
【0040】
図13から図15は、上側バスバーBBおよび下側バスバーBBとブランク材EB1の互いに反対側にある上面および下面との、相互接続を示す。その通常の電力供給または他の機能に加えて、上側バスバーBBおよび下側バスバーBBはこの場合、互いに反対側にあるブランク材EB1の上面および下面に埋め込まれたヒートシンクを形成することを意図している。バスバーBB、BBは通常は銅で製作される。
【0041】
図13に示すように、上側バスバーBBおよび下側バスバーBBは各々、機械的加工によって事前に切断されている、または場合によっては型成形によって得られる、複数のバスセグメントBB1、BB2、BB3、BB4、およびBB1、BB2、BB3から形成される。
【0042】
ステップBの事前に含浸させた誘電体部分PP1、PP2、PP3、PP4は、バスセグメントBB1、BB2、BB3、BB4の対応する面に移されて、ブランク材EB1の上面に押し付けられる。ステップBの事前に含浸させた誘電体部分PP1、PP2、PP3は、バスセグメントBB1、BB2、BB3の対応する面に移されて、ブランク材EB1の下面に押し付けられる。誘電体部分PP1、PP2、PP3、PP4、およびPP1、PP2、PP3は、ブランク材EB1の金属接続パターン部分MC、PE、およびMCに押し付けられて上記部分を覆うように提供される。
【0043】
ブランク材EB1はこの場合、バスセグメントBB1、BB2、BB3、BB4とBB1、BB2、BB3との間に挟まれる。誘電体部分PP1、PP2、PP3、PP4H、およびPP1、PP2、PP3を有する、バスセグメントBB1、BB2、BB3、BB4、およびBB1、BB2、BB3は、ブランク材EB1の上面および下面に対して、より具体的にはその金属接続パターンMC、PE、およびMCに対して、押圧される。組立体の積層は通常、真空プレスまたは真空積層オーブンを通過させることによって得られる。
【0044】
図14は、組み付けられたバスセグメントを有するブランク材EB1の状態を示す。この段階では、バスセグメントは、誘電体部分の完全な重合によって、回路に機械的に固着されている。回路の誘電体絶縁パターンはこの段階で完成される。この場合、誘電体部分PP1、PP2、PP3、PP4、およびPP1、PP2、PP3は、プレス加工および重合が終わると、誘電体部分CDaに強固に接続され、バスバーから金属接続パターンMC、PE、およびMCを電気的に絶縁することが留意されよう。誘電体部分PP1、PP2、PP3、PP4、およびPP1、PP2、PP3は、好適な電気的絶縁および熱伝導効率を実現するように選択される。
【0045】
図15のステップは、一方で機械的な組み付けを、他方で上側バスセグメントBB1、BB2、BB3、BB4とチップMT、MDの上側接触面との電気的な相互接続、および下側バスセグメントBB1、BB2、BB3とチップMT、MDの下側接触面との電気的な相互接続を完成させるための、金属化およびはんだ付けのステップである。
【0046】
この場合、電極接触ブロックPEの上方に固着されたバスバーセグメントBB2およびその接続ストリップの機能は、チップMTの制御電極の効果的な冷却であることが、留意されよう。
【0047】
図15に示すように、ブランク材EB1の上側および下側部分に、電着によって銅の層MEおよびMEが堆積される。
【0048】
銅の層MEはブランク材EB1の上側部分上に堆積され、バスバーBBのバスセグメントBB1、BB2、BB3、およびBB4と、例えばドレイン電極およびカソード電極に対応する、トランジスタチップMTおよびダイオードチップMDの上面とを、相互接続する。銅の層MEはブランク材EB1の上側部分上に堆積され、バスバーBBのバスセグメントBB1、BB2、およびBB3と、ソース電極およびアノード電極に対応する、トランジスタチップMTおよびダイオードチップMDの下面とを、相互接続する。
【0049】
図1から図15を参照して上記した本発明に係る方法により、より複雑さの高いまたは低い電子電力デバイスを形成するように組み付け可能な、サンドイッチ構造を用いた基本的回路ブリック(circuit brick)の製造が可能になる。これらの基本ブリックの組み立ては通常、プレス機内で、およびオーブンを通過させることによって、行われる。2つのブリックの間の機械的接続部および電気的接続部は、はんだ付けによって作成される。基本回路ブリックを複数の生産ライン上で生産して、製造を並行して行うことができることが、留意されよう。
【0050】
本発明に係る基本回路ブリックの構造は、バスバーによって形成されるヒートシンクと、電子チップの上側接触面および下側接触面との間での、銅の直接接触を可能にする。電子チップの両側に配置されかつ電子チップと直接接触している、銅塊から形成されたヒートシンクにより、熱を効果的に取り除くことが可能になる。トランジスタチップの制御電極の冷却はまた、電極に対して押圧されたバスバーセグメントによっても最適化される。更に、接続導体の長さが最小化されるが、このことは寄生インダクタンスの低減を助け、コンパクトさを更に高める。
【0051】
図16は、2つの基本回路ブリックBCHSおよびBCLSを積み重ねることによって構築される、液冷式の電子電力デバイスEMを示す。デバイスEMはこの場合、2つのMOS−FETトランジスタおよび2つのフライバックダイオードで構成されたトランジスタブリッジのアームである。
【0052】
2つの積み重ねられた基本ブリックBCHSおよびBCLSは、バスバーBBおよびBBをそのセグメントBB1、BB2、BB3、およびBB1、BB3、BB4によって互いに組み付けることによって、接合平面IPの領域内で機械的および電気的に接続される。例えば過渡液相(TLP)はんだ付けによってまたは他のはんだ付け技法によって、組み付けを行うことができる。
【0053】
基本ブリックBBHSおよびBBLSの組み付けにより、デバイスの中央部分に中央冷媒循環空間、この場合CCおよびCCが創出される。電子チップの可能な限り近くに配置された冷媒循環空間CCおよびCCは、圧力下で熱交換冷媒を循環させるために提供される。
【0054】
デバイスEMは、デバイスEMの上側および下側部分にそれぞれ組み込まれている、制御回路CTRLHSおよびCTRLLSを備える。制御回路CTRLHSおよびCTRLLSは機械的に固着されており、誘電体層DLHSおよびDLLSによって、基本ブリックBCHSおよびBCLSの上側および下側部分からそれぞれ電気的に絶縁されている。回路CTRLHSおよびCTRLLSは各々、知られている技法に従って作成される、複数の積層された層を備える。能動コンポーネントおよび受動コンポーネントは、必要であれば、回路CTRLHSおよびCTRLLSの内部の層の間に埋められるか、または別法として、ろう付けおよび/もしくは導電接合による従来のやり方で回路の表面に埋め込まれる。
【0055】
図16で明らかなように、デバイスEMの上側および下側部分に絶縁誘電体層DLHSおよびDLLSを有する制御回路CTRLHSおよびCTRLLSを組み込むことにより、上側冷媒循環空間CHa、CHb、CHおよび下側冷媒循環空間CL、CLを形成することが可能になる。中央空間CCおよびCCの両側に配置された空間CHa、CHb、CH、およびCL、CLは、デバイスEMの冷却を向上させるのを助ける。電子チップはこの結果、その上面および下面の並びに制御電極の近くで熱交換液を循環させることによって、より効果的に冷却される。
【0056】
本発明に係る電子電力デバイスの他の実施形態が、当然ながら可能である。この場合、例えば、デバイスEMの上側部分および/または下側部分は、必ずしもこの位置に制御回路を埋め込まなくても、単に誘電体層を用いて閉じることができる。別法として、デバイスEMの下側部分は空冷できるように開いたままとすることができ、バスバーのスロット状の外形により熱交換面積は大きくなる。
【0057】
本発明は、本明細書で例として記載した特定の実施形態に限定されない。当業者は、本発明の用途に応じて、付属の特許請求の範囲の範囲内にある、様々な修正形態および変形形態を作り出すことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】