(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-503286(P2020-503286A)
(43)【公表日】2020年1月30日
(54)【発明の名称】血圧の調節のためのアンモニア酸化微生物
(51)【国際特許分類】
A61K 35/74 20150101AFI20191227BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20191227BHJP
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A61K 47/02 20060101ALI20191227BHJP
A61K 47/18 20060101ALI20191227BHJP
【FI】
A61K35/74 A
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A61P9/10
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A61P7/10
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A61K9/06
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A61K9/70 401
A61K9/12
A61K9/50
A61K47/04
A61K47/24
A61K47/02
A61K47/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】61
(21)【出願番号】特願2019-531282(P2019-531282)
(86)(22)【出願日】2017年12月12日
(85)【翻訳文提出日】2019年8月8日
(86)【国際出願番号】US2017065837
(87)【国際公開番号】WO2018111888
(87)【国際公開日】20180621
(31)【優先権主張番号】62/433,023
(32)【優先日】2016年12月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/434,191
(32)【優先日】2016年12月14日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】516216874
【氏名又は名称】エーオーバイオーム, エルエルシー.
【氏名又は名称原語表記】AOBiome, LLC.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ウィットロック, デイビッド アール.
(72)【発明者】
【氏名】ジャーマズ, スピロス
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C087
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA09
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(57)【要約】
被験体における血圧を調節する方法が提供される。前記方法は、アンモニア酸化微生物を含む調製物を被験体に投与し、それにより、被験体における血圧を調節することを含む。関連調製物、キットおよびデバイスも提供される。いくつかの態様では、投与は、被験体へのAOMの第1の適用およびその後の適用を含み得る。第1の適用およびその後の適用は少なくとも4日間離れていてもよく、例えば、1日目に第1の適用が提供される場合、6日目にその後の適用が提供され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体における血圧を調節する方法であって、
前記被験体に、アンモニア酸化微生物(AOM)を含む有効量の調製物を投与し、
それにより、前記被験体における血圧を調節することを含む、方法。
【請求項2】
投与が、前記被験体へのAOMの第1の適用およびその後の適用を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項3】
前記第1の適用および前記その後の適用が少なくとも4日間離れており、例えば、1日目に前記第1の適用が提供される場合、6日目にその後の適用が提供される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記第1の適用および前記その後の適用が少なくとも5、6、7、8、9、10または14日間離れている、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
AOMを、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15日間にわたって少なくとも1日1回適用する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
AOMを、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15日間にわたって少なくとも1日2回適用する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記AOMが生きているかまたはインタクトである、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
投与量および/または投与頻度が、前記被験体の期間平均血圧を低下させるために十分である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記期間平均の期間が少なくとも6、7、8、9、10または14日間である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記期間平均の日間値が、24時間以内に行われた複数回、例えば少なくとも2、4、8、10、12、24または48回の測定の平均である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記投与量および/または投与頻度が、所定期間、例えば24時間にわたって行われた複数回の個々の血圧測定の平均として測定した場合に、少なくとも10、15、20、30、40、50または60日間にわたって血圧の低下を達成するために十分である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記複数回が少なくとも2、4、10、12、24または48回である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記複数回が24時間にわたって行われる、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
投与量および/または投与頻度が、前記被験体における24時間血圧測定値を低下させるために十分である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
血圧関連トリガーまたは危険兆候に応じて、前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
投与が、前記被験体への局所適用を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記有効量の前記調製物を前記被験体の顔に投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記被験体に適用される前記AOMの少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90または95%を前記被験体の顔に適用する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記有効量の前記調製物を前記被験体の顔、首、胴の1つまたはそれよりも多くに投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記有効量の前記調製物を頭皮以外の身体部位に投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記AOMを頭皮に適用することを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記被験体が、血圧をモジュレートする、例えば低下させるための第2の処置を例えば30、60、90または120日間続けて投与されるかまたは過去に投与されていた、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記被験体が、生活様式の変更を採用するように以前にまたは同時にアドバイスされている、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記生活様式の変更が、減量、運動、塩分摂取量の減少、アルコール摂取量の減少または禁煙を伴う、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
第2の治療が、薬物、例えば血圧調節のために一般的に処方される薬物の投与を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記被験体が前記薬物の治療レベルを有する場合、AOMの投与を行う、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
AOMの投与を、抗高血圧薬を含む処置計画に追加する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記有効量の前記調製物を前記被験体の身体に投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記被験体の血圧に関する情報を取得することをさらに含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記被験体が血圧低下を必要とすると判定することをさらに含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記被験体が
a)正常血圧;
b)90〜119mmHgの収縮期血圧;または
c)60〜79mmHgの拡張期血圧
を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記被験体が
a)正常血圧;
b)90〜119mmHgの収縮期血圧;または
c)60〜79mmHgの拡張期血圧
を有することに基づいて選択される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記被験体が
a)前高血圧;
b)120〜129mmHgの収縮期圧;または
c)60〜79mmHgの拡張期血圧
を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記被験体が
a)前高血圧;
b)120〜129mmHgの収縮期圧;または
c)60〜79mmHgの拡張期血圧
を有することに基づいて選択される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記被験体が
a)高血圧;
b)129mmHg超の収縮期圧;または
c)79mmHg超の拡張期血圧
を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記被験体が
a)高血圧;
b)129mmHg超の収縮期圧;または
c)79mmHg超の拡張期血圧
を有することに基づいて選択される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
ベースラインから前記収縮期圧を少なくとも約6mmHg下げるか;または
ベースラインから前記拡張期圧を少なくとも約3mmHg下げるために十分な量で、
前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
別の血圧薬の非存在下で血圧を下げるために十分な量で、前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
別の血圧薬と組み合わせて血圧を下げるために十分な量で、前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
前記被験体が40、45、50、55、60、65、70、75または80歳超である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
前記被験体が少なくとも部分的にアフリカ系である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
前記被験体がアフリカ系ではない、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
例えば処置当初、処置開始直前、処置1週間後または定常状態処置後の前記被験体の安静時心拍数が、50〜100、60〜70、70〜80、80〜90;60、70、80または90bpm超である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
前記被験体が、前記被験体以外の評価者、例えば医療提供者、例えば医師によって評価されており、前記評価者が、前記被験体が血圧低下処置を必要とすると決定しており、例えば、前記評価者が、前記被験体がAOMによる処置を必要とすると決定している、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
前記評価者が、前記被験体が前高血圧または高血圧を有すると決定している、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
前記AOMが処方下で提供される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
前記被験体がAOMのための処方を受けている、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
前記被験体が、血圧の上昇、例えば糖尿病、例えば1型または2型、メタボリックシンドローム、肥満症、腎機能不全、例えば慢性腎疾患、脂質レベルの上昇、例えばHDLPレベルの減少、LDLPレベルの上昇、脳卒中、血栓症、動脈もしくは静脈の狭窄もしくは他の機能不全、冠動脈疾患、または左心室動脈の肥厚の他にまたはそれらに加えて障害を有するかまたは有している、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
前記被験体が、心不全を有するか、または前記被験体が心不全のリスクを有する適応症を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
前記被験体が過体重である(例えば、24.9超のボディマス指数(BMI)を有する)か、肥満である(例えば、29.9超のBMIを有する)か、または病的肥満である(例えば、35超のBMIを有する)、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
前記被験体が、血圧薬または血圧薬の組み合わせに対して反応しなかったかまたは適切に反応しなかった前高血圧または高血圧を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
前記被験体が、糖尿病、例えば2型糖尿病を有するか、または前記被験体が糖尿病、例えば2型糖尿病のリスクを有する適応症を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
前記被験体が、メタボリックシンドロームを有するか、または前記被験体がメタボリックのリスクを有する適応症を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
前記被験体が、心臓発作を有するか、または前記被験体が心臓発作のリスクを有する適応症を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
前記被験体が、脳卒中を有するか、または前記被験体が脳卒中のリスクを有する適応症を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
前記被験体が、冠動脈疾患を有するか、または前記被験体が冠動脈疾患のリスクを有する適応症を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
前記被験体が、左心室の肥大または肥厚(左室肥大)を有するか、または前記被験体が左心室の肥大または肥厚(左室肥大)のリスクを有する適応症を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項58】
前記被験体が、慢性腎疾患を有するか、または前記被験体が慢性腎疾患のリスクを有する適応症を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項59】
前記被験体が、本明細書に開示される症状または障害を有するか、または前記被験体が本明細書に開示される症状または障害のリスクを有する適応症を有することに基づいて選択される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項60】
前記微生物または調製物の投与後の前記被験体の血圧に関する情報を入手することをさらに含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項61】
前記微生物がアンモニア酸化微生物である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項62】
前記微生物がアンモニア酸化細菌である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項63】
前記微生物がアンモニア酸化古細菌である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項64】
例えば前記被験体のベースラインと比較して収縮期血圧を少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10mmHg下げるために十分な投薬量で、前記微生物または調製物を適用する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項65】
例えば前記被験体のベースラインと比較して拡張期血圧を少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10mmHg下げるために十分な投薬量で、前記微生物または調製物を適用する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項66】
前記微生物がNitrosomonas属のアンモニア酸化細菌(AOB)である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項67】
前記アンモニア酸化微生物が、Nitrosomonas、Nitrosococcus、Nitrosospira、Nitrosocystis、Nitrosolobus、Nitrosovibrioおよびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアンモニア酸化細菌である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
前記微生物がNitrosomonas株D23である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
前記微生物が、例えば核酸の導入によって、一酸化窒素を産生するように遺伝子操作されている、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
患者が、前記微生物の投与の1、10、50または100日以内に血圧薬を受けている、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
患者が、前記微生物の投与の1、10、50または100日以内に2つの異なる血圧薬を受けている、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項72】
患者が、前記微生物の投与の1、10、50または100日以内に血圧薬を受けていない、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
患者が、前記微生物の投与の1、10、50または100日以内に2つの異なる血圧薬を受けていない、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項74】
前記微生物の投与の非存在下における前記血圧薬(または血圧薬の組み合わせ)に対する反応が不十分である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項75】
血圧薬と組み合わせて前記微生物を投与することを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項76】
前記血圧薬が、利尿薬、例えばチアジド利尿薬、ループ利尿薬およびカリウム保持性利尿薬を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項77】
前記チアジド利尿薬がクロロチアジドナトリウム、例えばジウリル(Diuril)である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項78】
ループ利尿薬が、フロセミド、エトラクリン酸、トルセミドおよびブメタニドから選択される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項79】
カリウム保持性利尿薬が上皮ナトリウムチャネル遮断薬、例えばアミロライドまたはトリアムテレンである、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項80】
カリウム保持性利尿薬がアルドステロンアンタゴニスト、例えばスピロノラクトンまたはエプレレノンである、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
前記血圧薬がアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE−i)、例えばエナラプリル(例えば、バソテク(Vasotec))、リシノプリル(例えば、プリニビル(Prinivil)、ゼストリル(Zestril))またはラミプリル(アルタス(Altace))を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項82】
前記血圧薬がアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)、例えばバルサルタン(例えば、ディオバン(Diovan))またはロサルタン(例えば、コザール(Cozaar))を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項83】
前記血圧薬がカルシウムチャネル遮断薬、例えばアムロジピン(例えば、ノルバスク(Norvasc))、ジルチアゼム(例えば、カルジゼム(Cardizem)、チアザク(Tiazac)など)またはオルニフェジピン(例えば、アダラートCC(Adalat CC)、アフェディタブCR(Afeditab CR)、プロカルジア(Procardia))を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項84】
前記血圧薬がβ遮断薬、例えばメトプロロール(例えば、ロプレッサ(Lopressor)、トプロールXL(Toprol−XL))、ナドロール(例えば、コルガード(Corgard))またはアテノロール(テノーミン(Tenormin))を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項85】
前記血圧薬がレニン阻害剤、例えばアリスキレン(例えば、テクツルナ(Tekturna))を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項86】
前記血圧薬がα遮断薬、例えばドキサゾシン(例えば、カルデラ(Cardura))、プラゾシン(例えば、ミニプレス(Minipress))またはテラゾシンを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項87】
前記血圧薬がα−β遮断薬、例えばカルベジロール(例えば、コレグ(Coreg))またはラベタロール(例えば、トランデート(Trandate))を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項88】
前記血圧薬が中枢作用剤、例えば心拍数を速めるかまたは血管を狭める脳から神経系へのシグナルを阻害する薬剤、例えばクロニジン(例えば、カタプレス(Catapres)、カプベイ(Kapvay))、グアンファシン(例えば、インチュニブ(Intuniv)、テネックス(Tenex))またはメチルドパを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項89】
前記血圧薬が血管拡張薬、例えばヒドララジンまたはミノキシジルを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項90】
前記血圧薬がアルドステロンアンタゴニスト、例えばスピロノラクトン(例えば、アルダクトン(Aldactone))またはエプレレノン(例えば、インスプラ(Inspra))を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項91】
前記微生物が調製物、例えば薬学的に許容され得る調製物で提供される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項92】
前記調製物が水性である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項93】
微生物を前記被験体の頭皮、首、顔および/または胴に局所投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項94】
微生物を前記被験体の頭皮、首、顔および/または胴の少なくとも2つに適用する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項95】
前記アンモニア酸化微生物と同時に亜硝酸塩を前記被験体に投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項96】
細胞約4×109個/ml〜細胞約8×109個/mlの範囲内の治療有効用量で、前記アンモニア酸化細菌を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項97】
前記アンモニア酸化細菌と同時に約4〜約17マイクロモルの亜硝酸塩を前記被験体に投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項98】
投与量および投与頻度が、前記被験体における血圧を低下させるために十分である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項99】
単独では不十分であった少なくとも1つの前記血圧薬と組み合わせて前記微生物またはその調製物を投与することを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項100】
前記被験体の皮膚を洗浄した後に、前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項101】
目標パーセンテージの投与AOMを前記被験体の皮膚に移す、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項102】
前記調製物を、所望の局所効果に関連する前記被験体の標的皮膚に適用する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項103】
前記調製物を、前記被験体の額、眼領域、首、頭皮、頭、肩、腕、手、脚、腋窩、胴、胸、足、膝、足首または臀部の1つまたはそれよりも多くに適用する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項104】
有効量の前記調製物の投与が、前記被験体における亜硝酸塩またはNOのレベルを変更または改変する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項105】
有効量の前記調製物の投与が、前記被験体の皮膚に関連するマイクロバイオームをモジュレートする、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項106】
前記調製物が、液体、液滴、粉末、固体、クリーム、ローション、ジェル、スティック、エアロゾル、スプレー、ミスト、膏薬、ワイプまたは包帯として製剤化されている、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項107】
前記調製物が、保湿剤、消臭剤、香料、着色料、防虫剤、クレンジング剤またはUV遮断剤を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項108】
前記調製物がマイクロスフェアまたはマイクロカプセルを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項109】
前記調製物が、即時放出または持続放出のために製剤化されている、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項110】
前記調製物が、亜硝酸塩またはNOを前記被験体に送達するために製剤化されている、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項111】
第2の量の前記調製物を前記被験体に投与することをさらに含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項112】
併用療法の一環として前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項113】
前記調製物と組み合わせて第2の処置を投与することをさらに含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項114】
前記第2の処置の開始前に、前記調製物を一定期間にわたって投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項115】
前記第2の処置と同時に前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項116】
前記第2の処置の中止後に、前記調製物を一定期間にわたって投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項117】
代替投与様式によって前記第2の処置を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項118】
前記被験体が第2の処置の治療レベルを有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項119】
抗炎症剤と併せて前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項120】
血圧を処置する(例えば、処置することが承認されているか、または処置するために一般的に使用されている)医学的アプローチと併せて前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項121】
外科的または診断的手順の前または後に前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項122】
亜硝酸塩、硝酸塩および/またはNOと併せて前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項123】
前記有効量がAOMの治療有効用量である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項124】
AOMの前記治療有効用量が、約1×103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013もしくは1014CFU、または約1×103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013もしくは1014CFUを超える、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項125】
前記被験体に適用される前記AOMの少なくとも10、20、30、40、50または75%が生きている、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項126】
鎮痛薬として前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項127】
予防薬として前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項128】
前記調製物を自己投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項129】
前記調製物を、1日約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24回投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項130】
前記調製物を、約1〜3、3〜5、5〜7、7〜9、5〜10、10〜14、12〜18、12〜21、21〜28、28〜35、35〜42、42〜49、49〜56、46〜63、63〜70、70〜77、77〜84または84〜91日間にわたって投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項131】
睡眠からの前記被験体の覚醒の30、60、90、120、150または180分以内に前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項132】
前記被験体の睡眠前30、60、90、120、150または180分以内に前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項133】
前記被験体の食事の30、60、90、120、150または180分以内に前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項134】
前記被験体のクレンジングまたはシャワーの30、60、90、120、150または180分前または後に前記調製物を投与する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項135】
前記被験体が雌である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項136】
前記被験体が雄である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項137】
前記被験体が、以下の民族/人種:アジア系、黒人もしくはアフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系もしくはラテン系、白人または多民族系の1つとして特徴付けられる、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項138】
前記被験体が、破壊されたマイクロバイオームを有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項139】
前記被験体が1歳未満であるか、または1〜5、5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60歳であるか、または60歳超である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項140】
前記被験体が、毎分約50〜約100拍の安静時心拍数を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項141】
前記調製物が、緩衝溶液、例えば水性緩衝溶液中のAOMを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項142】
前記緩衝溶液、例えば水性緩衝溶液が、水中のリン酸二ナトリウムおよび塩化マグネシウム、例えば50mM Na2HPO4および2mM MgCl2を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項143】
前記緩衝溶液、例えば水性緩衝溶液が、水中のリン酸二ナトリウムおよび塩化マグネシウム、例えば50mM Na2HPO4および2mM MgCl2から本質的になる、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項144】
前記緩衝溶液、例えば水性緩衝溶液が、水中のリン酸二ナトリウムおよび塩化マグネシウム、例えば50mM Na2HPO4および2mM MgCl2からなる、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項145】
前記調製物が生理学的pHレベルを特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項146】
前記調製物が、前記AOMの成長もしくは代謝、NO産生および/またはウレアーゼ活性を促進する化合物をさらに含むか、またはそれと同時に投与される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項147】
前記調製物が、アンモニア、アンモニウム塩および尿素の少なくとも1つを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項148】
前記調製物が制御放出材料、例えば徐放材料を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項149】
前記調製物が賦形剤、例えば薬学的に許容され得る賦形剤をさらに含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項150】
前記賦形剤が、吸収もしくは浸透促進剤、保存剤、抗酸化剤、緩衝液、キレート剤、イオン交換剤、可溶化剤、懸濁化剤、増粘剤、界面活性剤、湿潤剤、張性調整剤、酵素阻害剤または適切な薬物送達のためのビヒクルを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項151】
前記調製物が他の生物を実質的に含まない、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項152】
前記調製物が約1×103CFU/mL〜約1×1014CFU/mL AOMを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項153】
前記調製物が約1×109CFU/mL〜約10×109CFU/mL AOMを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項154】
前記AOMがアンモニア酸化細菌(AOB)を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項155】
前記AOMがAOBから本質的になる、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項156】
前記AOMがAOBからなる、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項157】
前記AOBがNitrosomonas、Nitrosococcus、Nitrosospira、Nitrosocystis、Nitrosolobus、Nitrosovibrioおよびそれらの組み合わせを含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項158】
前記AOBがNitrosomonas eutropha(N.eutropha)である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項159】
前記AOBが、ATCCアクセッション番号PTA−121157を有するN.eutropha D23である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項160】
前記AOMがアンモニア酸化古細菌(AOA)を含む、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項161】
前記AOMが、少なくとも約1pmol/分/mgタンパク質、例えば少なくとも約0.1nmol/分/mgタンパク質の速度で、アンモニアまたはアンモニウムを亜硝酸塩に変換することができる、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項162】
AOMを含む投与される前記調製物と併せてバイオームフレンドリー製品を使用する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項163】
併用処置計画が、高血圧の程度、年齢、人種、高血圧の病歴、リスク因子または医師の選好に少なくとも部分的に基づくものである、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項164】
同時投与、事前投与またはその後投与される薬物がカルシウムチャネル遮断薬、利尿薬、ACE−iまたはARBである、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項165】
被験体における血圧を調節するための、上記請求項のいずれかに挙げられているAOMを含む調製物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、米国特許法§119(e)の下、2016年12月12日に出願された米国仮特許出願第62/433,023号および2016年12月14日に出願された米国仮特許出願第62/434,191号の優先権の利益を請求し、それらのそれぞれの開示は、その全体があらゆる目的のために参照によって本願明細書に組み込まれる。
技術分野
【0002】
態様は、一般に、マイクロバイオームに関し、より具体的には、マイクロバイオームに関連するアンモニア酸化微生物の修復に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
細菌および他の微生物は、環境中に遍在する。病原性細菌の発見および疾患の細菌論は、健康および疾患状態に対して多大な影響を有している。微生物は、すべての生き物の環境の通常の一部であり、有益であり得る。腸では、例えば、細菌は、正常条件下では病原性ではなく、実際のところ、正常腸内容物を、疾患を引き起こす生物にとってあまり快適ではないようにすることによって健康を改善する。
【0004】
高血圧症または高血圧は、心臓病および脳卒中のリスクを増加させる危険な症状である。心臓によってから汲み上げられる血液の量および動脈内の血流に対する抵抗の量は両方とも、被験体の血圧の決定に寄与する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
1つまたはそれを超える態様によれば、被験体の血圧を調節する方法が提供される。前記方法は、被験体に、アンモニア酸化微生物(AOM)を含む有効量の調製物を投与し、
それにより、被験体における血圧を調節することを伴う。
【0006】
いくつかの態様では、投与は、被験体へのAOMの第1の適用およびその後の適用を含み得る。第1の適用およびその後の適用は少なくとも4日間離れていてもよく、例えば、1日目に第1の適用が提供される場合、6日目にその後の適用が提供され得る。第1の適用およびその後の適用は少なくとも5、6、7、8、9、10または14日間離れていてもよい。AOMを、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15日間にわたって少なくとも1日1回適用し得る。AOMを、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15日間にわたって少なくとも1日2回適用し得る。AOMが生きているかまたはインタクトであり得る。
【0007】
いくつかの態様では、投与量および/または投与頻度は、被験体の期間平均血圧を低下させるために十分であり得る。期間平均の期間は、少なくとも6、7、8、9、10または14日間であり得る。期間平均の日間値は、24時間以内に行われた複数回、例えば少なくとも2、4、8、10、12、24または48回の測定の平均であり得る。投与量および/または投与頻度は、所定期間、例えば24時間にわたって行われた複数回の個々の血圧測定の平均として測定した場合に、少なくとも10、15、20、30、40、50または60日間にわたって血圧の低下を達成するために十分であり得る。複数回は、少なくとも2、4、10、12、24または48回であり得る。複数回は、24時間にわたって行われ得る。投与量および/または投与頻度は、被験体における24時間血圧測定値を低下させるために十分であり得る。
【0008】
いくつかの態様では、血圧関連トリガーまたは危険兆候に応じて、調製物を投与し得る。投与は、被験体への局所適用を含み得る。有効量の調製物を被験体の顔に投与し得る。被験体に適用されるAOMの少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90または95%を被験体の顔に適用し得る。有効量の調製物を被験体の顔、首または胴の1つまたはそれよりも多くに投与し得る。有効量の調製物を頭皮以外の身体部位に投与し得る。AOMを頭皮に適用し得る。
【0009】
いくつかの態様では、被験体は、血圧をモジュレートする、例えば低下させるための第2の処置を例えば30、60、90または120日間続けて投与されるかまたは過去に投与されていた。被験体は、生活様式の変更を採用するように以前にまたは同時にアドバイスされていてもよい。生活様式の変更は、減量、運動、塩分摂取量の減少、アルコール摂取量の減少または禁煙を伴い得る。第2の治療は、薬物、例えば血圧調節のために一般的に処方される薬物の投与を含み得る。被験体が薬物の治療レベルを有する場合、AOMの投与を行い得る。AOMの投与を、抗高血圧薬を含む処置計画に追加し得る。有効量の調製物を被験体の身体に投与し得る。前記方法は、被験体の血圧に関する情報を取得することをさらに伴い得る。前記方法は、被験体が血圧低下を必要とすると判定することをさらに含み得る。
【0010】
いくつかの態様では、被験体は、
a)正常血圧;
b)90〜119mmHgの収縮期血圧;または
c)60〜79mmHgの拡張期血圧
を有し得る。被験体は、
a)正常血圧;
b)90〜119mmHgの収縮期血圧;または
c)60〜79mmHgの拡張期血圧
に基づいて選択され得る。被験体は、
a)前高血圧;
b)120〜129mmHgの収縮期圧;または
c)60〜79mmHgの拡張期血圧
を有し得る。被験体は、
a)前高血圧;
b)120〜129mmHgの収縮期圧;または
c)60〜79mmHgの拡張期血圧
に基づいて選択され得る。被験体は、
a)高血圧;
b)129mmHg超の収縮期圧;または
c)79mmHg超の拡張期血圧
を有し得る。被験体は、
a)高血圧;
b)129mmHg超の収縮期圧;または
c)79mmHg超の拡張期血圧
に基づいて選択され得る。
【0011】
いくつかの態様では、ベースラインから収縮期圧を少なくとも約6mmHg下げるか;または
ベースラインから拡張期圧を少なくとも約3mmHg下げるために十分な量で、
調製物を投与し得る。別の血圧薬の非存在下で血圧を下げるために十分な量で、調製物を投与し得る。別の血圧薬と組み合わせて血圧を下げるために十分な量で、調製物を投与し得る。
【0012】
いくつかの態様では、被験体は、40、45、50、55、60、65、70、75または80歳超であり得る。被験体は、少なくとも部分的にアフリカ系であり得る。被験体は、アフリカ系ではあり得ない。例えば処置当初、処置開始直前、処置1週間後または定常状態処置後の被験体の安静時心拍数は、50〜100、60〜70、70〜80、80〜90;60、70、80または90bpm超であり得る。被験体は、被験体以外の評価者、例えば医療提供者、例えば医師によって評価されていてもよく、評価者は、被験体が血圧低下処置を必要とすると決定していてもよく、例えば、評価者は、被験体がAOMによる処置を必要とすると決定している。評価者は、被験体が前高血圧または高血圧を有すると決定していてもよい。AOMは、処方下で提供され得る。被験体は、AOMのための処方を受けていてもよい。
【0013】
いくつかの態様では、被験体は、血圧の上昇、例えば糖尿病、例えば1型または2型、メタボリックシンドローム、肥満症、腎機能不全、例えば慢性腎疾患、脂質レベルの上昇、例えばHDLPレベルの減少、LDLPレベルの上昇、脳卒中、血栓症、動脈もしくは静脈の狭窄もしくは他の機能不全、冠動脈疾患、または左心室動脈の肥厚の他にまたはそれらに加えて障害を有し得るかまたは有していてもよい。被験体は、心不全を有し得るか、または被験体が心不全のリスクを有する適応症を有し得る。被験体は、過体重であり得る(例えば、24.9超のボディマス指数(BMI)を有する)か、肥満であり得る(例えば、29.9超のBMIを有する)か、または病的肥満であり得る(例えば、35超のBMIを有する)。被験体は、血圧薬または血圧薬の組み合わせに対して反応しなかったかまたは適切に反応しなかった前高血圧または高血圧を有し得る。被験体は、糖尿病、例えば2型糖尿病を有し得るか、または被験体が糖尿病、例えば2型糖尿病のリスクを有する適応症を有し得る。被験体は、メタボリックシンドロームを有し得るか、または被験体がメタボリックシンドロームのリスクを有する適応症を有し得る。被験体は、心臓発作を有し得るか、または被験体が心臓発作のリスクを有する適応症を有し得る。被験体は、脳卒中を有し得るか、または被験体が脳卒中のリスクを有する適応症を有し得る。被験体は、冠動脈疾患を有し得るか、または被験体が冠動脈疾患のリスクを有する適応症を有し得る。被験体は、左心室の肥大または肥厚(左室肥大)を有し得るか、または被験体が左心室の肥大または肥厚(左室肥大)のリスクを有する適応症を有し得る。被験体は、慢性腎疾患を有し得るか、または被験体が慢性腎疾患のリスクを有する適応症を有し得る。被験体は、本明細書に開示される症状または障害を有するか、または被験体が本明細書に開示される症状または障害のリスクを有する適応症を有していることに基づいて選択され得る。前記方法は、微生物または調製物の投与後の被験体の血圧に関する情報を入手することをさらに伴い得る。
【0014】
いくつかの態様では、微生物は、アンモニア酸化微生物である。微生物は、アンモニア酸化細菌であり得る。微生物は、アンモニア酸化古細菌であり得る。例えば被験体のベースラインと比較して収縮期血圧を少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10mmHg下げるために十分な投薬量で、微生物または調製物を適用し得る。例えば被験体のベースラインと比較して拡張期血圧を少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10mmHg下げるために十分な投薬量で、微生物または調製物を適用し得る。微生物は、Nitrosomonas属のアンモニア酸化細菌(AOB)であり得る。アンモニア酸化微生物は、Nitrosomonas、Nitrosococcus、Nitrosospira、Nitrosocystis、Nitrosolobus、Nitrosovibrioおよびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアンモニア酸化細菌であり得る。微生物は、Nitrosomonas株D23であり得る。微生物は、例えば核酸の導入によって、一酸化窒素を産生するように遺伝子操作されていてもよい。
【0015】
いくつかの態様では、患者は、微生物の投与の1、10、50または100日以内に血圧薬を受けていてもよい。患者は、微生物の投与の1、10、50または100日以内に2つの異なる血圧薬を受けていてもよい。患者は、微生物の投与の1、10、50または100日以内に血圧薬を受けていなくてもよい。患者は、微生物の投与の1、10、50または100日以内に2つの異なる血圧薬を受けていなくてもよい。微生物の投与の非存在下における血圧薬(または血圧薬の組み合わせ)に対する反応が不十分であり得る。前記方法は、血圧薬と組み合わせて微生物を投与することを含み得る。
【0016】
いくつかの態様では、血圧薬は、利尿薬、例えばチアジド利尿薬、ループ利尿薬およびカリウム保持性利尿薬を含み得る。チアジド利尿薬は、クロロチアジドナトリウム、例えばジウリル(Diuril)であり得る。ループ利尿薬は、フロセミド、エトラクリン酸、トルセミドおよびブメタニドから選択され得る。カリウム保持性利尿薬は、上皮ナトリウムチャネル遮断薬、例えばアミロライドまたはトリアムテレンであり得る。カリウム保持性利尿薬は、アルドステロンアンタゴニスト、例えばスピロノラクトンまたはエプレレノンであり得る。血圧薬は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE−i)、例えばエナラプリル(例えば、バソテク(Vasotec))、リシノプリル(例えば、プリニビル(Prinivil)、ゼストリル(Zestril))またはラミプリル(アルタス(Altace))を含み得る。血圧薬は、アンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)、例えばバルサルタン(例えば、ディオバン(Diovan))またはロサルタン(例えば、コザール(Cozaar))を含み得る。血圧薬は、カルシウムチャネル遮断薬、例えばアムロジピン(例えば、ノルバスク(Norvasc))、ジルチアゼム(例えば、カルジゼム(Cardizem)、チアザク(Tiazac)など)またはオルニフェジピン(例えば、アダラートCC(Adalat CC)、アフェディタブCR(Afeditab CR)、プロカルジア(Procardia))を含み得る。血圧薬は、β遮断薬、例えばメトプロロール(例えば、ロプレッサ(Lopressor)、トプロールXL(Toprol−XL))、ナドロール(例えば、コルガード(Corgard))またはアテノロール(テノーミン(Tenormin))を含み得る。血圧薬は、レニン阻害剤、例えばアリスキレン(例えば、テクツルナ(Tekturna))を含み得る。血圧薬は、α遮断薬、例えばドキサゾシン(例えば、カルデラ(Cardura))、プラゾシン(例えば、ミニプレス(Minipress))またはテラゾシンを含み得る。血圧薬は、α−β遮断薬、例えばカルベジロール(例えば、コレグ(Coreg))またはラベタロール(例えば、トランデート(Trandate))を含み得る。血圧薬は、中枢作用剤、例えば心拍数を速めるかまたは血管を狭める脳から神経系へのシグナルを阻害する薬剤、例えばクロニジン(例えば、カタプレス(Catapres)、カプベイ(Kapvay))、グアンファシン(例えば、インチュニブ(Intuniv)、テネックス(Tenex))またはメチルドパを含み得る。血圧薬は、血管拡張薬、例えばヒドララジンまたはミノキシジルを含み得る。血圧薬は、アルドステロンアンタゴニスト、例えばスピロノラクトン(例えば、アルダクトン(Aldactone))またはエプレレノン(例えば、インスプラ(Inspra))を含み得る。
【0017】
いくつかの態様では、微生物は、調製物、例えば薬学的に許容され得る調製物で提供され得る。調製物が水性であり得る。微生物を被験体の頭皮、首、顔および/または胴に局所投与し得る。微生物を被験体の頭皮、首、顔および/または胴の少なくとも2つに適用し得る。アンモニア酸化微生物と同時に亜硝酸塩を被験体に投与し得る。
【0018】
いくつかの態様では、細胞約4×10
9個/ml〜細胞約8×10
9個/mlの範囲内の治療有効用量で、アンモニア酸化細菌を投与し得る。アンモニア酸化細菌と同時に約4〜約17マイクロモルの亜硝酸塩を被験体に投与し得る。投与量および/または投与頻度は、被験体における血圧を低下させるために十分であり得る。前記方法は、単独では不十分であった少なくとも1つの血圧薬と組み合わせて微生物またはその調製物を投与することを伴い得る。
【0019】
いくつかの態様では、被験体の皮膚を洗浄した後に、調製物を投与し得る。目標パーセンテージの投与AOMを被験体の皮膚に移し得る。調製物を、所望の局所効果に関連する被験体の標的皮膚に適用し得る。調製物を、被験体の額、眼領域、首、頭皮、頭、肩、腕、手、脚、腋窩、胴、胸、足、膝、足首または臀部の1つまたはそれよりも多くに適用し得る。有効量の調製物の投与は、被験体における亜硝酸塩またはNOのレベルを変更または改変し得る。有効量の調製物の投与は、被験体の皮膚に関連するマイクロバイオームをモジュレートし得る。
【0020】
いくつかの態様では、調製物は、液体、液滴、粉末、固体、クリーム、ローション、ジェル、スティック、エアロゾル、スプレー、ミスト、膏薬、ワイプまたは包帯として製剤化されていてもよい。調製物は、保湿剤、消臭剤、香料、着色料、防虫剤、クレンジング剤またはUV遮断剤を含み得る。調製物は、マイクロスフェアまたはマイクロカプセルを含み得る。調製物は、即時放出または持続放出のために製剤化されていてもよい。調製物は、亜硝酸塩またはNOを被験体に送達するために製剤化されていてもよい。
【0021】
いくつかの態様では、第2の量の調製物を被験体に投与し得る。併用療法の一環として調製物を投与し得る。調製物と組み合わせて第2の処置を投与し得る。第2の処置の開始前に、調製物を一定期間にわたって投与し得る。第2の処置と同時に調製物を投与し得る。第2の処置の中止後に、調製物を一定期間にわたって投与し得る。代替投与様式によって第2の処置を投与し得る。被験体は、第2の処置の治療レベルを有し得る。抗炎症剤と併せて調製物を投与し得る。血圧を処置する(例えば、処置することが承認されているか、または処置するために一般的に使用されている)医学的アプローチと併せて調製物を投与し得る。外科的または診断的手順の前または後に調製物を投与し得る。亜硝酸塩、硝酸塩および/またはNOと併せて調製物を投与し得る。
【0022】
いくつかの態様では、有効量は、AOMの治療有効用量であり得る。AOMの治療有効用量は、約1×10
3、10
4、10
5、10
6、10
7、10
8、10
9、10
10、10
11、10
12、10
13もしくは10
14CFUまたは約1×10
3、10
4、10
5、10
6、10
7、10
8、10
9、10
10、10
11、10
12、10
13もしくは10
14CFUを超え得る。被験体に適用されるAOMの少なくとも10、20、30、40、50または75%が生きていてもよい。鎮痛薬として調製物を投与し得る。予防薬として調製物を投与し得る。調製物を自己投与し得る。調製物を、1日約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24回投与し得る。調製物を、約1〜3、3〜5、5〜7、7〜9、5〜10、10〜14、12〜18、12〜21、21〜28、28〜35、35〜42、42〜49、49〜56、46〜63、63〜70、70〜77、77〜84または84〜91日間にわたって投与し得る。睡眠からの被験体の覚醒の30、60、90、120、150または180分以内に調製物を投与し得る。被験体の睡眠前30、60、90、120、150または180分以内に調製物を投与し得る。被験体の食事の30、60、90、120、150または180分以内に調製物を投与し得る。被験体のクレンジングまたはシャワーの30、60、90、120、150または180分前または後に調製物を投与し得る。
【0023】
いくつかの態様では、被験体は、雌である。他の態様では、被験体は、雄である。被験体は、以下の民族/人種:アジア系、黒人もしくはアフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系もしくはラテン系、白人または多民族系の1つとして特徴付けられ得る。被験体は、破壊されたマイクロバイオームを有し得る。被験体は、1歳未満であるか、または1〜5、5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60歳であり得るか、または60歳超であり得る。被験体は、毎分約50〜約100拍の安静時心拍数を有し得る。
【0024】
いくつかの態様では、調製物は、緩衝溶液、例えば水性緩衝溶液中のAOMを含み得る。緩衝溶液、例えば水性緩衝溶液は、水中のリン酸二ナトリウムおよび塩化マグネシウム、例えば50mM Na
2HPO
4および2mM MgCl
2を含み得る。緩衝溶液、例えば水性緩衝溶液は、水中のリン酸二ナトリウムおよび塩化マグネシウム、例えば50mM Na
2HPO
4および2mM MgCl
2から本質的になり得る。緩衝溶液、例えば水性緩衝溶液は、水中のリン酸二ナトリウムおよび塩化マグネシウム、例えば50mM Na
2HPO
4および2mM MgCl
2からなり得る。調製物は、生理学的pHレベルを特徴とし得る。調製物は、AOMの成長もしくは代謝、NO産生および/またはウレアーゼ活性を促進する化合物をさらに含み得るか、またはそれと同時に投与され得る。調製物は、アンモニア、アンモニウム塩および尿素の少なくとも1つを含み得る。調製物は、制御放出材料、例えば徐放材料を含み得る。調製物は、賦形剤、例えば薬学的に許容され得る賦形剤をさらに含み得る。賦形剤は、吸収もしくは浸透促進剤、保存剤、抗酸化剤、緩衝液、キレート剤、イオン交換剤、可溶化剤、懸濁化剤、増粘剤、界面活性剤、湿潤剤、張性調整剤、酵素阻害剤または適切な薬物送達のためのビヒクルを含み得る。調製物は、他の生物を実質的に含み得ない。
【0025】
いくつかの態様では、調製物は、約1×10
3CFU/mL〜約1×10
14CFU/mL AOMを含み得る。調製物は、約1×10
9CFU/mL〜約10×10
9CFU/mL AOMを含み得る。AOMは、アンモニア酸化細菌(AOB)を含み得る。AOMは、AOBから本質的になり得る。AOMは、AOBからなり得る。AOBは、Nitrosomonas、Nitrosococcus、Nitrosospira、Nitrosocystis、Nitrosolobus、Nitrosovibrioおよびそれらの組み合わせを含み得る。AOBは、Nitrosomonas eutropha(N.eutropha)であり得る。AOBは、ATCCアクセッション番号PTA−121157を有するN.eutropha D23であり得る。AOMは、アンモニア酸化古細菌(AOA)を含み得る。AOMは、少なくとも約1pmol/分/mgタンパク質、例えば少なくとも約0.1nmol/分/mgタンパク質の速度で、アンモニアまたはアンモニウムを亜硝酸塩に変換することができてもよい。
【0026】
いくつかの態様では、AOMを含む、投与される調製物と併せてバイオームフレンドリー製品を使用し得る。併用処置計画は、高血圧の程度、年齢、人種、高血圧の病歴、リスク因子または医師の選好に少なくとも部分的に基づくものであり得る。同時投与、事前投与またはその後投与される薬物は、カルシウムチャネル遮断薬、利尿薬、ACE−iまたはARBであり得る。
【0027】
1つまたはそれを超える態様によれば、被験体における血圧を調節するための、本明細書に記載されるAOMを含む調製物が提供され得る。
【0028】
本開示は、上記態様および/または実施形態のいずれか1つまたはそれよりも多くのすべての組み合わせ、ならびに詳細な説明および任意の実施例に記載されている実施形態のいずれか1つまたはそれよりも多くの実施形態との組み合わせを企図する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明
1つまたはそれを超える実施形態によれば、本開示は、アンモニア酸化微生物を被験体に導入する様々な方法または様式を提供する。これらの方法または様式は、アンモニア酸化微生物、例えばアンモニア酸化微生物を含む調製物、組成物、製剤または製品を被験体に投与することを含む。少なくともいくつかの実施形態では、したがって、アンモニア酸化微生物は、一般に、被験体のマイクロバイオームを回復させ得る。少なくともいくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物は、生きているアンモニア酸化微生物を含み得るか、またはそれから本質的になり得る。アンモニア酸化性微生物の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、75、80、85、90、95または99%は、生きていてもよい。いくつかの実施形態では、調製物は、インタクトなアンモニア酸化微生物を含み得るか、またはそれから本質的になり得る。
【0030】
アンモニア酸化微生物を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる調製物、組成物および/または製剤(例えば、化粧製品、治療用製品、消費者製品、非天然生成物、天然生成物および強化天然生成物を含む)が開示される。これらの調製物、組成物および/または製剤は、様々な用途、例えば化粧用途および/または治療用途における使用について本明細書に開示される。調製物、組成物および/または製剤は、目的の用途、例えば化粧用途または治療用途のための有効な量で投与され得る。被験体への様々な投与様式のための、アンモニア酸化微生物を含む調製物、組成物および/または製剤が提供される。被験体における様々な症状および/または障害の処置において使用するための、アンモニア酸化性微生物を含む調製物、組成物および/または製剤が提供される。アンモニア酸化微生物の投与を介して様々な症状および/または障害について被験体を処置する方法が開示される。被験体へのアンモニア酸化微生物の投与において使用するためのデバイスも提供される。
微生物学
【0031】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、本質的に任意のアンモニア酸化微生物(AOM)が使用または実施され得る。一般に、アンモニア酸化微生物は独立栄養性であり得る。アンモニア酸化微生物は、アンモニアから亜硝酸塩および/または一酸化窒素を生成し得る。
【0032】
例えば、独立栄養性アンモニア酸化細菌(AOB)の特性は、Whitlockによって米国特許第7,820,420号に十分に記載されている。その出願以来、ATP産生のためにアンモニアを酸化する独立栄養性微生物のクラスは、アンモニア酸化古細菌(AOA)を包含するように拡大され、古細菌は、細菌のクラスからそれら自体の異なるクラスに移された。本開示の目的のために、アンモニアを酸化してATPを生成する特性を共有する任意のすべての独立栄養性アンモニア酸化微生物が実施され得る。AOBおよびAOAの両方を含むAOMは、アンモニアをNOおよび亜硝酸塩に酸化する必要な特性を共有し、公知のAOMはすべて、ATP生成のために有機基質を使用することができないので、病原性に関する能力を欠く。細菌はより高濃度でアンモニアを利用し得、古細菌はより低濃度でアンモニアを利用し得る。アンモニアの生理学的レベルは、細菌(AOB)および古細菌(AOA)の両方が利用し得る範囲内である。本開示を通して特にアンモニア酸化細菌に関する任意の言及は、任意のアンモニア酸化微生物、例えば任意のアンモニア酸化古細菌に等しく適用可能であるとみなすべきであり、これらの用語はすべて、本明細書では互換的に使用され得る。
【0033】
アンモニア酸化細菌(AOB)は普遍的なグラム陰性偏性細菌であり、亜硝酸塩へのアンモニアの変換のみからエネルギーを生成するユニークな能力を有する。いくつかの実施形態では、Nitrosomonas属のアンモニア酸化細菌(AOB)はグラム陰性偏性独立栄養性(化学独立栄養性)細菌であり、エネルギー源としてアンモニアのみから亜硝酸塩および一酸化窒素を生成するユニークな能力を有する。それらは、土壌環境および水環境の両方において広く存在し、環境硝化プロセスの必須構成要素である。これらの細菌は、例えば、本明細書に記載される1つまたはそれを超える実施形態にしたがって、様々な化粧用途および治療用途に関して有益な特性を有する。いかなる特定の理論にも縛られるものではないが、いくつかの生理学的機能、例えば血管拡張、炎症および創傷治癒の重要な構成要素としての亜硝酸塩および一酸化窒素の役割により、これらの細菌は、健康および免疫病理学的症状の両方について様々な有益な特性を有し得る。これらの細菌は、成長が遅く、有機炭素源で成長し得ず、石鹸および抗生物質に対して感受性であり、動物またはヒトにおけるいかなる疾患または感染症にも関連しないので、ヒトにおける使用について安全である。
【0034】
アンモニア酸化微生物は、それらが亜硝酸塩および一酸化窒素を生成するプロセスの副生成物として、補酵素Q8(CoQ8)を生成する。CoQ8は、そのイソプレノイド側鎖において8個の炭素を有する補酵素Qである。いかなる特定の理論にも縛られるものではないが、いくつかの細胞機能、例えば細胞シグナル伝達の媒介および細胞死の防止(アンチエイジング)の重要な構成要素としての補酵素Qの役割により、これらの微生物の有益な特性は、CoQ8を生成するそれらの特異的能力によってさらに増強され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化細菌は、以下の反応を触媒し得る。
【0036】
中性pHレベルでは、中性pH条件付近でアンモニウムから生成されるアンモニアが初期反応の基質である。以下のように、亜硝酸塩へのアンモニアの変換は、アンモニアモノオキシゲナーゼ(AMO)およびヒドロキシルアミンオキシドレダクターゼ(HAO)によってそれぞれ触媒される2段階で起こる:
NH
3+2H
++2e−+O
2→NH
2OH+H
2O (A)
NH
2OH+H
2O→NO
2−+4e−+5H
+ (B)
【0037】
いくつかの場合では、以下のように、反応Bは、低pHで亜硝酸(HNO
2)形成を示すと報告されている:
NH
2OH+H
2O→HNO
2+4e−+4H
+
【0038】
特定の実施形態では、NH
4+およびNH
3は、本開示を通して互換的に使用され得る。
【0039】
アンモニア酸化細菌の例としては、Nitrosomonas eutropha株、例えば本明細書に記載されるD23およびC91、ならびに属Nitrosomonas、Nitrosococcus、Nitrosospira、Nitrosocystis、NitrosolobusおよびNitrosovibrioの他の細菌が挙げられる。D23 Nitrosomonas eutropha株は、AOB D23−100と命名され、2014年4月8日にAmerican Tissue Culture Collection(ATCC)(10801 University Blvd.,Manassas,VA,USA)に寄託され、アクセッション番号PTA−121157を有する株を指す。アクセッション番号PTA−121157の核酸配列、例えばゲノム配列は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。「AOB D23−100」はまた、本開示を通してD23またはB244とも称され得る。
【0040】
アンモニア酸化古細菌の例としては、属Methanobrevibacter、Methanosphaera、Methanosarcina、Nitroscaldus、NitrosopumilusおよびNitrososphaera(例えば、Nitrososphaera viennensis、Nitrososphaera gargensis)の古細菌が挙げられる。古細菌の異なる系統型、例えばメタン生成古細菌および好塩性古細菌(halphilic archaeon)は、本明細書に開示される調製物に含まれ得る。古細菌の例としてはさらに、門Euryarchaeota(例えば、Methanosarcina)、Crenarchaeota、AigarchaeotaおよびThaumarchaeota(例えば、Giganthauma karukerense、Giganthauma insulaporcus、Caldiarchaeum subterraneum、Cenarchaeum symbiosum)の系統の古細菌が挙げられる。
【0041】
国際(PCT)特許出願公開第2015/160911号(2015年4月15日に出願された国際(PCT)特許出願第PCT/US2015/025909号)に開示されているそれぞれのおよびあらゆる核酸配列およびアミノ酸配列は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。同様に、国際(PCT)特許出願公開第2015/160911号(2015年4月15日に出願された国際(PCT)特許出願第PCT/US2015/025909号)に開示されている任意のアンモニア酸化細菌もまた、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、アンモニア酸化微生物は、そこに記載されている株である。
【0042】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、アンモニア酸化微生物は、いくつかの代謝状態、例えば成長状態、貯蔵状態および/またはポリリン酸塩負荷状態で存在し得る。
【0043】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、アンモニア酸化微生物は、所望の特性、例えば最適化された特性、例えば病原性細菌の成長を抑制する能力、ならびに一酸化窒素および一酸化窒素前駆体を産生する増強された能力を有し得る。
【0044】
最適化Nitrosomonas eutropha(N.eutropha)は、その用語が本明細書で使用される場合、最適化成長速度;最適化NH
4+酸化速度;および/または最適化NH
4+耐性を有するN.eutrophaを指す。一実施形態では、それは、少なくとも1つのヌクレオチド、例えばアンモニアモノオキシゲナーゼ、ヒドロキシルアミンオキシドレダクターゼ、シトクロムc554およびシトクロムc
M552から選択される遺伝子中のヌクレオチドの点において、天然に存在するN.eutrophaと相違する。相違は、例えば、N.eutrophaの自然発生的に生じる突然変異、誘導突然変異または定方向遺伝子操作の選択により生じ得る。一実施形態では、それは、天然において一緒に存在しない一連の対立遺伝子を有するという点において、天然に存在するN.eutrophaと相違する。これらの相違は、疾患または症状、例えば限定されないが、低い亜硝酸塩レベルに関連するものの処置または予防の1つまたはそれよりも多くを提供し得る。
【0045】
任意のアンモニア酸化細菌、例えばN.eutropha、例えば「B244」または「AOB D23−100」としても公知の「D23」と称されるN.eutrophaは、上記特性のいくつかを有し得る。任意のアンモニア酸化古細菌(AOA)もまた、上記特性のいくつかを有し得る。
【0046】
本開示において企図されるAOBは、野生型AOBと比べて突然変異を含み得る。これらの突然変異は、例えば自然発生的に起こり得るか、ランダム突然変異誘発によって導入され得るか、または標的突然変異誘発によって導入され得る。例えば、AOBは、野生型AOBが典型的に含む1つまたはそれを超える遺伝子または調節DNA配列を欠き得る。AOBはまた、配列決定された株または野生型株と比べて点突然変異、置換、挿入、欠失および/または再編成を含み得る。AOBは、最適化AOBの精製調製物であり得る。
【0047】
特定の実施形態では、AOBはトランスジェニックである。例えば、それは、野生型アンモニア酸化細菌が欠く1つまたはそれを超える遺伝子または調節DNA配列を含み得る。より具体的には、アンモニア酸化細菌は、例えば、レポーター遺伝子、選択マーカー、酵素をコードする遺伝子またはプロモーター(誘導性または抑制性プロモーターを含む)を含み得る。いくつかの実施形態では、さらなる遺伝子または調節DNA配列は、細菌染色体に組み入れられる;いくつかの実施形態では、さらなる遺伝子または調節DNA配列はプラスミド上に配置される。
【0048】
いくつかの実施形態では、AOBは、天然に存在する細菌と少なくとも1つのヌクレオチドが相違する。例えば、AOBは、関連経路、例えばアンモニア代謝経路、尿素代謝経路、または一酸化窒素もしくは一酸化窒素前駆体を産生するための経路の一部である遺伝子またはタンパク質の点において、天然に存在する細菌と相違し得る。より具体的には、AOBは、例えば、経路のエレメントのレベルまたは活性を増加させることによって、その経路の活性を増強する突然変異を含み得る。
【0049】
上記突然変異は、任意の適切な技術を使用して導入され得る。突然変異を所定位置に導入するための多数の方法が公知である。例えば、部位指定突然変異誘発、オリゴヌクレオチド指定突然変異誘発または部位特異的突然変異誘発が使用され得る。特異的突然変異誘発プロトコールの非限定的な例は、例えば、Mutagenesis,pp.13.1−13.105(Sambrook and Russell,eds.,Molecular Cloning A Laboratory Manual,Vol.3,3.sup.rd ed.2001に記載されている。加えて、商業的供給業者から入手可能な十分に特徴付けられた突然変異誘発プロトコールの非限定的な例としては、限定されないが、Altered Sites(登録商標)II in vitro Mutagenesis Systems(Promega Corp.,Madison,Wis.);Erase−a−Base(登録商標)System(Promega,Madison,Wis.);GeneTailor(商標)Site−Directed Mutagenesis System(Invitrogen,Inc.,Carlsbad,Calif.);QuikChange(登録商標)II Site−Directed Mutagenesis Kits(Stratagene,La Jolla,Calif.);およびTransformer(商標)Site−Directed Mutagenesis Kit(BD−Clontech,Mountain View,Calif.)が挙げられる。
【0050】
本開示の特定の実施形態では、アンモニア酸化微生物は無菌性であり得る。アンモニア酸化微生物の調製物(製剤または組成物)は、無菌アンモニア酸化微生物を含み得るか、それから本質的になり得るか、またはそれからなり得る。
【0051】
本開示のアンモニア酸化細菌は、Nitrosomonas、Nitrosococcus、Nitrosospria、Nitrosocystis、Nitrosolobus、Nitrosovibrioおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される属に由来し得る。
【0052】
本開示は、とりわけ、N.eutropha株D23(これは、被験体、例えばヒト被験体の表面上における一酸化窒素および一酸化窒素前駆体の産生を増加させ得るユニークな、例えば最適化されたアンモニア酸化細菌株である)を提供する。本開示はまた、細菌を投与および使用する方法、ならびに細菌を含む調製物、組成物、製剤および製品を提供する。
【0053】
実施形態では、アンモニア酸化細菌、例えばN.eutrophaは、天然に存在しないものである。例えば、それは、選択期間中に望ましい突然変異を蓄積していてもよい。他の実施形態では、望ましい突然変異は、実験者によって導入され得る。いくつかの実施形態では、N.eutrophaは精製調製物であり得、最適化N.eutrophaであり得る。
【0054】
好ましい実施形態では、N.eutropha株は独立栄養性であるので、感染症を引き起こすことができない。細菌による吸収および利用の前に、汗中の尿素の加水分解が必要とされないように、好ましい株は尿素およびアンモニアを利用する。また、低pHで成長するために、細菌は、NH
4+イオンまたは尿素を吸収し得る。選択株はまた、被験体、例えばヒトの外表皮膚上で生存することができ、そこの条件に対して耐性であるべきである。
【0055】
本開示は、N.eutropha株D23に詳細に言及するが、調製物、方法、組成物、処置、製剤および製品は、N.eutrophaの1つまたはそれを超える他の株、Nitrosomonasの1つまたはそれを超える他の種、および1つまたはそれを超える他のアンモニア酸化微生物、例えばアンモニア酸化細菌または他のアンモニア酸化古細菌の1つまたはそれよりも多くと共に使用され得る。
【0056】
特定の実施形態では、上記配列特徴を有する細菌は、(1)倍加時間によって測定した場合の最適化成長速度、(2)OD600によって測定した場合の最適化成長速度、(3)最適化NH
4+酸化速度、(4)最適化NH
4+耐性および(4)最適化NO
2−耐性の1つまたはそれよりも多くを有する。以下の段落では、これらの特性の特定の非限定的な部分組み合わせが詳述される。
【0057】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるアンモニア酸化細菌、例えばN.eutrophaまたはその無菌組成物は、以下:(1)倍加時間によって測定した場合の最適化成長速度、(2)OD600によって測定した場合の最適化成長速度、(3)最適化NH
4+酸化速度、(4)最適化NH
4+耐性および(4)最適化NO
2−耐性の1つまたはそれよりも多くを有する。例えば、細菌は、この段落の最初にあるリストから特性(1)および(2);(2)および(3);(3)および(4);または(4)および(5)を有し得る。別の例として、細菌は、この段落の最初にあるリストから特性(1)、(2)および(3);(1)、(2)および(4);(1)、(2)および(5);(1)、(3)および(4);(1)、(3)および(5);(1)、(4)および(5);(2)、(3)および(4);(2)、(3)および(5)、または(3)、(4)および(5)を有し得る。さらなる例として、細菌は、この段落の最初にあるリストから特性(1)、(2)、(3)および(4);(1)、(2)、(3)および(5);(1)、(2)、(4)および(5);(1)、(3)、(4)および(5);または(2)、(3)、(4)および(5)を有し得る。いくつかの実施形態では、細菌は、この段落の最初にあるリストから特性(1)、(2)、(3)、(4)および(5)を有する。
【0058】
特定の実施形態では、N.eutropha株は、本明細書に記載される低ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、高ストリンジェンシーまたは非常に高いストリンジェンシーまたは他のハイブリダイゼーション条件下で、国際(PCT)特許出願公開第2015160911号(2015年4月15日に出願された国際(PCT)特許出願第PCT/US2015/025909号)の配列番号1、またはAOB D23−100と命名され、2014年4月8日にアクセッション番号PTA−121157で25個のバイアルの形態でATCC特許寄託機関に寄託されたD23株のゲノム、またはそれらの相補体にハイブリダイズする核酸配列、例えばゲノムを含む。
【0059】
D23株は、天然の産物であると考えられておらず、むしろ実験室における長期間の培養および選択中に特定の突然変異および特徴を獲得していた。例えば、D23は、約200または250mMを超えるNH
4+の条件において、24時間超にわたって成長する能力を有する。
【0060】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるN.eutrophaは、シデロフォアの存在量において、天然に存在する細菌と相違する。例えば、N.eutrophaは、N.eutropha C91と比較して、増強または減少したシデロフォアレベルを有し得る。一般に、シデロフォアは、細菌がそれらの環境から鉄を除去することを支援する分泌鉄キレート化合物である。いくつかのシデロフォアはペプチドであり、他のものは有機小分子である。
【0061】
本発明の実施は、特に指示がない限り、当技術分野の技術の範囲内の免疫学、分子生物学および組換えDNA技術の従来の方法を用い得る。このような技術は、文献に十分に説明されている。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Current Edition);およびCurrent Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubelら、eds.,current edition)を参照のこと。
定義の選択
【0062】
アンモニア酸化微生物、例えばアンモニア酸化細菌は、速度、例えば実質的な速度、例えば所定速度で、アンモニアまたはアンモニウムを亜硝酸塩に酸化することができる微生物を指す。速度、例えば所定速度は、例えばインビトロアッセイで決定もしくは測定した場合の、または被験体、例えばヒトに投与した場合の、亜硝酸塩(NO
2−)へのアンモニウムイオン(NH
4+)(例えば、約200mM)の変換を指し得る。例えば、約0.5のODを有する連続培養では、速度は、少なくとも約1ピコモル/分/mgタンパク質、0.01、0.1、1、10、25、50、75、125または150ナノモルNO
2−/分/mgタンパク質、例えば約0.01〜1、0.1〜50、50〜100、100〜150、75〜175、75〜125、100〜125、125〜150または125〜175ナノモル/分/mgタンパク質、例えば約125ナノモルNO
2−/分/mgタンパク質の速度による変換であり得る。変換の速度は、約1ピコモル/分/mgタンパク質〜約1ミリモル/分/mgタンパク質であり得る。変換の速度は、多くとも約1モルNO
2−/分/mgタンパク質、例えば少なくとも約1デシモル、1センチモル、1ミリモルまたは1マイクロモルNO
2−/分/mgタンパク質、約1デシモル、1センチモル、1ミリモルまたは1マイクロモルNO
2−/分/mgタンパク質、または多くとも約1デシモル、1センチモル、1ミリモルまたは1マイクロモルNO
2−/分/mgタンパク質であり得る。
【0063】
本明細書で使用される場合、「無菌」は、ある生物を含む組成物であって、他の生物を実質的に含まない組成物を指す。例えば、アンモニア酸化細菌の無菌培養物は、アンモニア酸化細菌以外の生物を実質的に含まない培養物である。例えば、N.eutrophaの無菌培養物は、N.eutropha以外の生物を実質的に含まない培養物である。いくつかの実施形態では、「実質的に含まない」は、他の生物を検出するために使用される方法、例えば、培養物のプレーティングおよびコロニー形態の検査、または保存遺伝子、例えば16S RNAについてのPCRによって検出不能であることを表す。無菌培養組成物は、生物でない要素を含み得、例えば、それは、栄養素または賦形剤を含み得る。本明細書で議論されるアンモニア酸化細菌の任意の実施形態、調製物、組成物または製剤は、必要に応じて無菌アンモニア酸化細菌を含み得るか、それから本質的になり得るか、またはそれからなり得る。
【0064】
本開示を通して、製剤は、組成物または調製物または製品を指し得る。
【0065】
本明細書で使用される場合、「独立栄養性生物」、例えば独立栄養性細菌は、栄養素源として無機材料を使用し、エネルギー源として光合成または化学合成を使用することによって、自己栄養供給することができる任意の生物である。独立栄養性細菌は、二酸化炭素ならびに他の供給源、亜硝酸塩へのアンモニアの酸化、硫化水素の酸化およびFe
3+へのFe
2+の酸化に由来するATPから有機化合物を合成し得る。本開示の独立栄養細菌は、感染症を引き起こすことができない。
【0066】
本明細書で使用される場合、「組み合わせて」投与されるは、被験体の障害罹患の過程で、2つの(またはそれを超える)異なる処置が被験体に送達されること、例えば、被験体が障害と診断された後、および障害が治癒または排除される前に、2つまたはそれを超える処置が送達されることを意味する。いくつかの実施形態では、重複が存在するように、1つの処置の送達は、第2の処置の送達が開始する際に依然として行われている。これは、本明細書では「同時」または「併用」または「並行送達」と称されることがある。他の実施形態では、一方の処置の送達は、他方の処置の送達が開始する前に終了する。これは、本明細書では「順次」または「逐次送達」と称されることがある。いずれかの場合の実施形態では、組み合わせた投与のために、処置はより有効である。例えば、第2の処置は、第1の処置の非存在下で第2の処置を投与するか、または第1の処置で類似状況を見る場合に見られるよりも有効である(例えば、より少ない第2の処置で同等の効果が見られるか、または第2の処置は大きな程度に症候を軽減する)。いくつかの実施形態では、送達は、症候または障害に関係する他のパラメータの軽減が、他方の非存在下で送達された一方の処置で観察されるものを超えるようなものである。2つの処置の効果は、部分的に相加的であり得るか、完全に相加的であり得るか、または相加的を超えるもの(すなわち、相乗的)であり得る。送達は、送達された第1の処置の効果が、第2の処置が送達される際に依然として検出可能であるようなものであり得る。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超える処置は、患者が障害と診断される前に送達され得る。
【0067】
本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、その元のまたはネイティブな環境(例えば、それが天然に存在する場合には天然環境)から取り出された材料を指す。例えば、生きている動物中に存在する天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されていないが、ヒトの介入によって天然系における共存材料の一部または全部から分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されている。このようなポリヌクレオチドはベクターの一部であり得、および/またはこのようなポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは組成物の一部であり得、このようなベクターまたは組成物が、それが天然に見られる環境の一部でないという点で依然として単離されている。
【0068】
本明細書で使用される場合、「最適化成長速度」という用語は、以下の1つまたはそれよりも多くを指す:本明細書の実施例2に記載されているバッチ条件下で培養した場合に、約4、5、6、7、8、9もしくは10時間未満の倍加時間;本明細書の実施例2に記載されているケモスタット条件下で成長させた場合に、約16、18、20、22、24もしくは26時間未満の倍加時間;または約1もしくは2日日間にわたるOD600の約0.15〜少なくとも約0.3、0.4、0.5、0.6、0.7もしくは0.8の成長。一実施形態では、最適化成長速度は、天然に存在するN.eutrophaのものよりも少なくとも10、20、30、40または50%短い倍加時間を有するものである。
【0069】
本明細書で使用される場合、「最適化NH
4+酸化速度」は、NH
3またはNH
4+をNO
2−に変換する少なくとも約50、75、125または150マイクロモル/分の速度を指す。例えば、速度は、少なくとも約50、75、125または150マイクロモル/分のNH
4+(例えば、約200mMの)からNO
2−への変換であり得る。一実施形態では、最適化NH
4+酸化速度は、NH
3またはNH
4+が、天然に存在するN.eutrophaで見られるよりも少なくとも10、20、30、40または50%急速にNO
2−に変換される速度である。
【0070】
本明細書で使用される場合、「最適化NH
4+耐性」は、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275または300mM超のNH
3またはNH
4+の条件で、少なくとも約24または48時間成長する能力を指す。一実施形態では、最適化NH
4+耐性は、選択濃度のNH
3またはNH
4+の存在下で、天然に存在するN.eutrophaが成長し得るよりも少なくとも10、20、30、40もしくは50%急速にまたは少なくとも10、20、30、40もしくは50%長く成長する能力を指す。
【0071】
本明細書で使用される場合、「トランスジェニック」は、DNAの1つまたはそれを超える外因性部分を含むことを意味する。外因性DNAは、別の生物、例えば別の細菌、バクテリオファージ、動物または植物に由来する。
【0072】
本明細書で使用される場合、「疾患または症状の処置」は、未処置以外は同様の患者と比較して、その疾患または症状の少なくとも1つの症候の重症度または頻度を低減することを指す。処置はまた、未処置以外は患者と比較して、疾患または症状の進行を停止し、遅延させまたは逆転させることを指し得る。処置は、疾患および/または1つもしくはそれを超える症候の根本原因に対処することを含み得る。
【0073】
本明細書で使用される場合、治療有効量は、進行を防止するために、もしくは疾患もしくは症状の退縮を引き起こすために十分であるか、または疾患もしくは症状の症候を軽減することができるか、または所望の結果を達成することができる用量を指す。治療有効用量は、例えば、多数の細菌もしくは多数の生菌(例えば、CFU単位)または大量の細菌(例えば、ミリグラム、グラムまたはキログラム単位)または細菌の体積(例えば、mm
3単位)として測定され得る。
【0074】
本明細書で使用される場合、「生存能」という用語は、所定速度でアンモニア、アンモニウムまたは尿素を亜硝酸塩に酸化する独立栄養性細菌、例えばアンモニア酸化細菌の能力を指す。いくつかの実施形態では、速度は、少なくとも約1ピコモル、0.01、0.1、1、10、25、50、75、125または150ナノモルNO
2−/分、例えば約0.01〜1、0.1〜50、50〜100、100〜150、75〜175、75〜125、100〜125、125〜150または125〜175ナノモル/分、例えば約125ナノモルNO
2−/分の速度による亜硝酸塩(NO
2−)へのアンモニウムイオン(NH
4+)(例えば、約200mM)の変換を指す。変換の速度は、多くとも約1モルNO
2−/分、例えば少なくとも約、約または多くとも約1デシモル、1センチモル、1ミリモルまたは1マイクロモルNO
2−/分であり得る。生存可能なアンモニア酸化微生物は、一般に、培養可能なAOM、またはNO、硝酸塩もしくは亜硝酸塩を他の方法で生成することができるAOMを含み得る。
【0075】
本明細書で使用される場合、「被験体」は、動物、哺乳動物、ヒト、非ヒト動物、家畜動物または伴侶動物を含み得る。「被験体」という用語は、ヒトおよび非ヒト動物、例えば脊椎動物、大型動物および霊長類を含むことを意図する。特定の実施形態では、被験体は哺乳動物被験体であり、特定の実施形態では、被験体はヒト被験体である。ヒトによる適用が明確に予想されるが、例えば、非ヒト動物による獣医学的適用も本明細書で想定される。本開示の「非ヒト動物」という用語は、すべての脊椎動物、例えば非哺乳動物(例えば、鳥類、例えばニワトリ;両生類;爬虫類)ならびに哺乳動物、例えば非ヒト霊長類、家畜動物および農業的に有用な動物、例えば、中でもヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ラットを含む。
【0076】
「マイクロバイオーム」は、被験体の表面上、例えば被験体における腸、口、皮膚および/または他の場所に生存する集団、例えば1つまたはそれを超える微生物を指す。集団は、被験体の生命の支援に関して、1つまたはそれを超える有益な機能および/または利益を有し得る。
【0077】
「バイオームフレンドリー」は、被験体のマイクロバイオームの破壊の最小化を可能にし得るもの、例えば製品、例えば化粧製品、例えば完成化粧製品を指す。例えば、バイオームフレンドリーは、被験体に適用され得る製品であって、適用時点のマイクロバイオームの維持、破壊の最小化、および/または製品適用後の一定期間後にマイクロバイオームへの回復を可能にし得る製品を指す。実施形態では、バイオームフレンドリーは、製品が被験体のアンモニア酸化細菌の破壊の最小化を可能にし得るという点において、アンモニア酸化微生物フレンドリー、例えばアンモニア酸化細菌フレンドリーであることを指し得る。実施形態では、「バイオームフレンドリー」は、「バイオーム適合性」と称され得る。
【0078】
「天然生成物」は、少なくとも部分的に天然に由来し得る生成物であるかまたはそれを含み得る。それは、生きている生物によって産生されるものであり得るかまたはそれを含み得、生物自体を含み得る。天然生成物は、生物全体および生物の一部(例えば、植物の葉)、生物由来の抽出物、生物由来の有機化合物、生物由来の精製有機化合物を包含し得るかまたはそれを含み得る。天然生成物は、一次代謝産物(アミノ酸、炭水化物および核酸)および二次代謝産物(限られた範囲の種において見られる有機化合物、例えばポリケチド、脂肪酸、テルペノイド、ステロイド、フェニルプロパノイド、アルカロイド、特殊アミノ酸およびペプチド、特殊炭水化物)を含む見出された有機物質および細胞であり得るかまたはそれを含み得る。天然生成物は、ポリマー有機材料、例えばセルロース、リグニンおよびタンパク質であり得るかまたはそれを含み得る。
【0079】
本明細書で使用される場合、「存在」または「レベル」は、構成要素、例えばアンモニア酸化微生物、アンモニア、アンモニウムイオン、尿素、亜硝酸塩または一酸化窒素のいずれか1つまたはそれよりも多くの定性的または定量的な量を指し得る。存在またはレベルは、ゼロ値または構成要素の欠如を含み得る。
【0080】
本明細書で使用される場合、「界面活性剤」という用語は、2つの液体間または液体と固体との間の表面張力または界面張力を下げ得る化合物を含む。界面活性剤は、洗剤、湿潤剤、乳化剤、発泡剤および分散剤として作用し得る。界面活性剤は単独で、または列挙されているものもしくは他の界面活性剤もしくは界面活性剤様化合物と組み合わせて、以下の1つまたはそれよりも多くを含み得る:コカミドプロピルベタイン(ColaTeric COAB)、ポリエチレンソルビトールエステル(例えば、Tween 80)、エトキシ化ラウリルアルコール(RhodaSurf 6 NAT)、ラウレス硫酸ナトリウム/ラウリルグルコシド/コカミドプロピルベタイン(Plantapon 611 L UP)、ラウレス硫酸ナトリウム(例えば、RhodaPex ESB 70 NAT)、アルキルポリグルコシド(例えば、Plantaren 2000 N UP)、ラウレス硫酸ナトリウム(Plantaren 200)、Dr.Bronnerのカスティール石鹸、Dr.Bronnerのベビー石鹸、ラウラミンオキシド(ColaLux Lo)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ポリスルホネートアルキルポリグルコシド(PolySufanate 160 P)、ラウリル硫酸ナトリウム(Stepanol−WA Extra K)およびそれらの組み合わせ。Dr.Bronnerのカスティール石鹸およびベビー石鹸は、水、有機ヤシ油、水酸化カリウム、有機オリーブ油、有機フェアディールアサ油、有機ホホバ油、クエン酸およびトコフェロールを含む。界面活性剤は、ヒドロキシプロピルスルホン酸ラウリルグルコシドナトリウム(Suga(登録商標)nate 160NC)、ラウラミドプロピルベタイン(Cola(登録商標)Teric LMB);コカミドプロピルヒドロキシスルタイン(Cola(登録商標)Teric CBS);ココアンホ二酢酸二ナトリウム(Cola(登録商標)Teric CDCX−LV);ヒドロキシプロピルリン酸ラウリルグルコシドナトリウム(Suga(登録商標)Fax D12)を含み得る。界面活性剤は、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム(Iselux(登録商標)LQ−CLR−SB);ココイルメチルタウリンナトリウム(Pureact WS Conc.);水(および)ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム(および)コカミドプロピルベタイン(および)ココイルイセチオン酸ナトリウム(および)オレオイルメチルタウリンナトリウム(Iselux(登録商標)SFS−SB)を含み得る。他の界面活性剤が、本開示によって企図される。
アンモニア酸化微生物を含む調製物、組成物、製剤および製品
【0081】
本開示は、とりわけ、アンモニア酸化微生物を含む組成物、AOMを含む調製物、例えば精製および/または最適化調製物、AOMを含む製剤、ならびにAOMを含む様々な製品、例えば天然生成物、非天然生成物、強化天然生成物、消費者製品、治療用製品または化粧製品を提供する。調製物、組成物、製剤および製品という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。
【0082】
本明細書で議論されるアンモニア酸化微生物の任意の実施形態、調製物、組成物、製剤または製品は、アンモニア酸化微生物、例えば生きているアンモニア酸化微生物を含み得るか、それから本質的になり得るか、またはそれからなり得る。
【0083】
調製物は、アンモニア酸化微生物の生成物または副生成物、例えば亜硝酸塩、硝酸塩、一酸化窒素、CoQ8を含み得るか、またはそれらを補充され得る。例えば、調製物は、約4〜約17マイクロモルの亜硝酸塩と同時に被験体に投与され得る。少なくともいくつかの実施形態では、調製物は、アンモニア酸化微生物の成長もしくは代謝を促進するか、アンモニア酸化微生物の生成物もしくは副生成物の産生を促進するか、ウレアーゼ活性を促進するか、またはアンモニア酸化微生物との相乗効果を有する組成物、例えばアンモニア、アンモニウム塩、尿素およびウレアーゼを含み得るか、またはそれらを補充され得る。例えば、調製物は、NO、亜硝酸塩、硝酸塩、CoQ8、アンモニア、アンモニウム塩、尿素およびウレアーゼの1つまたはそれよりも多くを補充され得る。サプリメントは、アンモニア酸化微生物と同じ製剤中に、または同時投与もしくは併用投与のための別個の製剤中に含まれ得る。サプリメント製剤は、NO、亜硝酸塩または硝酸塩の任意の送達様式、例えば吸入形態による送達のために調製され得る。調製物は、とりわけ、アンモニア、アンモニウム塩および尿素の少なくとも1つを含み得る。調製物は、抗炎症剤または抗炎症効果を提供する組成物を含み得るか、またはそれを補充され得る。
【0084】
本開示は、化粧用途のための調製物であって、アンモニア酸化微生物を含む調製物を提供する。
【0085】
本開示は、治療用途のための調製物であって、アンモニア酸化微生物を含む調製物を提供する。
【0086】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物の調製物は、所望の化粧効果を有するために十分な濃度または量、例えば有効量のアンモニア酸化微生物を含み得る。調製物は、所望の化粧効果を局所的および/または全身的に付与するように製剤化および/または送達され得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物の調製物は、所望の治療効果を有するために、例えば症状または疾患を少なくとも部分的に処置するために十分な濃度または量、例えば有効量のアンモニア酸化微生物を含み得る。調製物は、所望の治療効果を局所的および/または全身的に付与するように製剤化および/または送達され得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物の調製物は、被験体における細菌または細菌属の量、濃度または割合を変化させる、例えば減少または増加させるために十分な濃度または量、例えば有効量のアンモニア酸化微生物を含み得る。細菌は、非病原性もしくは病原性であり得るか、または潜在的に病原性であり得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物の調製物は、被験体に関連するマイクロバイオームをモジュレートするために十分な濃度または量、例えば有効量のアンモニア酸化微生物を含み得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物の調製物は、NOを被験体に送達するために十分な濃度または量、例えば有効量のアンモニア酸化微生物を含み得る。アンモニア酸化微生物の調製物は、投与された場合に、調製物が標的組織または循環中の亜硝酸塩またはNOのレベルをモジュレート、変更または改変するような濃度または量、例えば有効量のアンモニア酸化微生物を含み得る。例えば、アンモニア酸化微生物の調製物は、投与された場合に、調製物が標的組織または循環中の亜硝酸塩またはNOのレベルの増加をもたらすような濃度または量、例えば有効量のアンモニア酸化微生物を含み得る。
【0091】
本開示は、とりわけ、アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaを含む非限定的組成物、例えば、最適化N.eutrophaの精製調製物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物中のN.eutrophaは、最適化成長速度、最適化NH
4+酸化速度および最適化NH
4+耐性から選択される少なくとも1つの特性を有する。
【0092】
いくつかの態様では、本開示は、規定数の種を有する組成物を提供する。組成物は、1種類のみの種、例えば1種類のアンモニア酸化微生物を含み得る。本開示はまた、N.eutrophaと他の1種類の生物とを有する組成物であって、他の種類の生物を有しない組成物を提供する。他の例では、組成物は、N.eutrophaと他の2、3、4、5、6、7、8、9または10種類の生物とを有し、他の種類の生物を有しない。組成物中の他の種類の生物は、例えば、細菌、例えばアンモニア酸化細菌であり得る。この目的のための適切なアンモニア酸化微生物としては、Nitrosomonas、Nitrosococcus、Nitrosospira、Nitrosocystis、NitrosolobusまたはNitrosovibrioの属のものが挙げられる。同様に、組成物はまた、AOAを含み得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、例えばN.eutrophaを含む組成物は、N.eutrophaの生存能を支援する条件を提供する。例えば、組成物は、N.eutrophaの成長および代謝を促進し得るか、または生存可能なN.eutrophaが回復し得る休眠状態(例えば、凍結)を促進し得る。組成物が成長または代謝を促進する場合、それは、N.eutrophaが消費する水および/または栄養素、例えばアンモニウム、アンモニア、尿素、酸素、二酸化炭素または微量鉱物を含有し得る。いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物を含む組成物は、アンモニア酸化微生物の生存能を支援する条件を提供する。例えば、組成物は、アンモニア酸化微生物の成長および代謝を促進し得るか、または生存可能なアンモニア酸化微生物が回復し得る休眠状態(例えば、凍結)もしくは本明細書に記載される貯蔵状態を促進し得る。組成物が成長または代謝を促進する場合、それは、アンモニア酸化微生物が消費する水および/または栄養素、例えばアンモニウムイオン、アンモニア、尿素、酸素、二酸化炭素または微量鉱物を含有し得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超える他の生物、例えばアンモニア酸化微生物以外の生物は、アンモニア酸化微生物調製物に含まれ得る。例えば、Lactobacillus、Streptococcus、Bifidobacterおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される生物の群または属の生物は、アンモニア酸化微生物調製物で提供され得る。いくつかの実施形態では、調製物は、他の生物を実質的に含み得ない。
【0095】
アンモニア酸化微生物の調製物は、約10
3〜約10
14CFU/mlを含み得る。いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物の調製物は、少なくとも約10
3、10
4、10
5、10
6、10
7、10
8、10
9、10
10、10
11、2×10
11、5×10
11、10
12、2×10
12、5×10
12、10
13、2×10
13、5×10
13もしくは10
14、または約10
3、10
4、10
5、10
6、10
7、10
8、10
9、10
10、10
11、2×10
11、5×10
11、10
12、2×10
12、5×10
12、10
13、2×10
13、5×10
13もしくは10
14超;または約10
3〜10
4、10
4〜10
5、10
6〜10
7、10
7〜10
8、10
8〜10
9、10
9〜10
10、10
10〜10
11、10
11〜10
12、10
12〜10
13もしくは10
13〜10
14CFU/mlを含み得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物の調製物は、約1×10
9〜約10×10
9CFU/mlを含み得る。いくつかの実施形態では、調製物の投与用量は、約3×10
10CFU、例えば3×10
10CFU/日を含み得る。いくつかの実施形態では、調製物の投与用量は、約1×10
9〜約10×10
9CFU/日、例えば約1×10
9〜約10×10
9CFU/日を含み得る。いくつかの実施形態では、調製物の投与用量は、約10
3、10
4、10
5、10
6、10
7、10
8、10
9、10
10、10
11、2×10
11、5×10
11、10
12、2×10
12、5×10
12、10
13、2×10
13、5×10
13もしくは10
14;または約10
3〜10
4、10
4〜10
5、10
6〜10
7、10
7〜10
8、10
8〜10
9、10
9〜10
10、10
10〜10
11、10
11〜10
12、10
12〜10
13もしくは10
13〜10
14CFU/投与または/日を含み得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、調製物の投与用量は、少なくとも約7×10
10CFU、例えば21×10
10CFU/週を含み得る。いくつかの実施形態では、調製物の投与用量は、約1×10
9〜約10×10
9CFU/週、例えば約1×10
9〜約10×10
9CFU/週を含み得る。いくつかの実施形態では、調製物の投与用量は、約10
3、10
4、10
5、10
6、10
7、10
8、10
9、10
10、10
11、2×10
11、5×10
11、10
12、2×10
12、5×10
12、10
13、2×10
13、5×10
13もしくは10
14または約10
3、10
4、10
5、10
6、10
7、10
8、10
9、10
10、10
11、2×10
11、5×10
11、10
12、2×10
12、5×10
12、10
13、2×10
13、5×10
13もしくは10
14超;または約10
3〜10
4、10
4〜10
5、10
6〜10
7、10
7〜10
8、10
8〜10
9、10
9〜10
10、10
10〜10
11、10
11〜10
12、10
12〜10
13もしくは10
13〜10
14CFU/週を含み得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、調製物の投与用量は、少なくとも約30×10
10CFU、例えば90×10
10CFU/月を含み得る。いくつかの実施形態では、調製物の投与用量は、約1×10
9〜約10×10
9CFU/月、例えば約1×10
9〜約10×10
9CFU/月を含み得る。いくつかの実施形態では、調製物の投与用量は、約10
3、10
4、10
5、10
6、10
7、10
8、10
9、10
10、10
11、2×10
11、5×10
11、10
12、2×10
12、5×10
12、10
13、2×10
13、5×10
13もしくは10
14または約10
3、10
4、10
5、10
6、10
7、10
8、10
9、10
10、10
11、2×10
11、5×10
11、10
12、2×10
12、5×10
12、10
13、2×10
13、5×10
13もしくは10
14超;または約10
3〜10
4、10
4〜10
5、10
6〜10
7、10
7〜10
8、10
8〜10
9、10
9〜10
10、10
10〜10
11、10
11〜10
12、10
12〜10
13もしくは10
13〜10
14CFU/月を含み得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物の調製物は、約0.1ミリグラム(mg)〜約1000mgのアンモニア酸化微生物を含み得る。特定の態様では、調製物は、約50mg〜約1000mgのアンモニア酸化微生物を含み得る。調製物は、約0.1〜0.5mg、0.2〜0.7mg、0.5〜1.0mg、0.5〜2mg、0.5〜5mg、2.5〜5mg、2.5〜7.0mg、5.0〜10mg、7.5〜15mg、10〜15mg、15〜20mg、15〜25mg、20〜30mg、25〜50mg、25〜75mg、50〜75mg、50〜100mg、75〜100mg、100〜200mg、200〜300mg、300〜400mg、400〜500mg、500〜600mg、600〜700mg、700〜800mg、800〜900mg、900〜1000mg、100〜250mg、250〜500mg、100〜500mg、500〜750mg、750〜1000mgまたは500〜1000mgを含み得る。
【0100】
有利には、製剤は、AOM、例えばN.eutrophaの生存能、例えば代謝活性を促進するpHレベルを有し得る。尿素はアンモニアに加水分解され、pHを7〜8に上昇させるであろう。AOBは、このpH範囲で非常に活性であり、pHを約6に下げ、そのpHでは、NH
3がアンモニウムに変換して利用不能になる。より低いpHレベル、例えば約pH4も許容され得る。
【0101】
アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaは、1つまたはそれを超える薬学的または化粧的に許容され得る賦形剤と組み合わされ得る。いくつかの実施形態では、「薬学的に許容され得る賦形剤」は、薬学的に許容され得る材料、組成物またはビヒクル、例えば液体もしくは固体充填剤、希釈剤、溶媒または封入材料を指す。いくつかの実施形態では、各賦形剤は、医薬製剤の他の成分と適合性であり、合理的な利益/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性または他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒトおよび動物の組織または器官と接触させて使用するために適切であるという意味で「薬学的に許容され得る」。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st ed.;Lippincott Williams&Wilkins:Philadelphia,Pa.,2005;Handbook of Pharmaceutical Excipients,6th ed.;Roweら、Eds.;The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2009;Handbook of Pharmaceutical Additives,3rd ed.;Ash and Ash Eds.;Gower Publishing Company:2007;Pharmaceutical Preformulation and Formulation,2nd ed.;Gibson Ed.;CRC Press LLC:Boca Raton,Fla.,2009を参照のこと。
【0102】
いくつかの実施形態では、化粧的に許容され得る賦形剤は、化粧的に許容され得る材料、組成物またはビヒクル、例えば液体もしくは固体充填剤、希釈剤、溶媒または封入材料を指す。いくつかの実施形態では、各賦形剤は、化粧製剤の他の成分と適合性であり、合理的な利益/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性または他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒトおよび動物の組織または器官と接触させて使用するために適切であるという意味で「化粧的に許容され得る」。
【0103】
活性成分、例えばアンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaが単独で投与されることが可能であるが、多くの実施形態では、それは、医薬製剤または組成物中に存在する。したがって、本開示は、アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaと、薬学的に許容され得る賦形剤とを含む医薬製剤を提供する。医薬組成物は、以下に記載されるように医薬製剤の形態をとり得る。
【0104】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、アンモニア酸化微生物の調製物は、所望の送達機構またはその投与様式を容易にするために製剤化され得る。本明細書に記載される製剤、例えば医薬製剤または化粧製剤としては、例えば経口、経腸(口腔、舌下、唇下および直腸を含む)、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内および関節内を含む)、吸入(様々な種類の定量手段、加圧エアロゾル、噴霧器または吸入器によって生成され得る微細塵埃粒子またはミストを含む、および鼻腔内または経肺を含む)、鼻腔内、眼、耳、直腸、注射、泌尿生殖器および局所(皮膚、経皮、経粘膜、口腔、舌下および眼内)投与が挙げられるが、最も適切な経路は、例えば、レシピエントの症状または障害に依存し得る。
【0105】
1つまたはそれを超える非限定的な実施形態によれば、アンモニア酸化微生物を含む調製物は、例えば、化粧目的または治療目的のために、溶液、懸濁液、粉末、液体、液滴、スプレー、エアロゾル、ミスト、エマルジョン、フォーム、クリーム、軟膏、ゲル、ヒドロゲル、樹脂、錠剤、カプセル、フィルム、坐剤、浣腸剤、圧注器、ペッサリー、インサート、パッチ、例えば経皮パッチまたは埋め込み型デバイス、例えばステント、カテーテル、膣リングまたは子宮内デバイスとして被験体に投与され得る。
【0106】
所望の投与様式によって、またはそうでなければ標的送達によって、生きているアンモニア酸化性微生物を含む調製物を送達するように構成されたデバイスも開示される。
【0107】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、調製物は、被験体への、例えば被験体の標的組織、領域、系または器官への標的送達のために製剤化され得る。例えば、調製物は、被験体の眼、耳、鼻、泌尿生殖器系、呼吸器系または胃腸系への送達のために製剤化され得る。いくつかの実施形態では、標的送達は、被験体の症状または障害に基づき得る。例えば、標的送達のための製剤は、達成すべき所望の局所的または全身的な効果、例えば局所的または全身的な治療効果または化粧効果に基づき得る。いくつかの実施形態では、被験体の標的組織、領域、系または器官は、所望の局所的または全身的な効果との関連について選択され得る。
【0108】
好都合には、製剤は、単位剤形として提示され得、薬学の技術分野で公知の方法のいずれかによって調製され得る。典型的には、方法は、活性成分(例えば、アンモニア酸化微生物、例えばN.eutropha)を、1つまたはそれを超える補助成分を構成する医薬担体に会合させる工程を含む。一般に、製剤は、活性成分を液体担体または微粉化固体担体またはその両方に均一および密接に会合させ、次いて必要な場合には、製品を所望の製剤に成形することによって調製される。
【0109】
製剤は、別個の単位、例えばそれぞれが予定量の例えばN.eutrophaを含有するカプセル、カシェもしくは錠剤として;粉末もしくは顆粒として;水性液体もしくは非性液体中の溶液もしくは懸濁液として;または水中油型液体エマルジョンもしくは油中水型液体エマルジョンとして提示され得る。製剤、例えば溶液、エアロゾル、スプレーおよびミストは、多剤形、例えば所定数の投薬量を含む包装単位、または単剤形、例えば単回用量を含む包装単位で提示され得る。活性成分はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして提示され得る。様々な薬学的に許容され得る担体およびそれらの製剤は、標準的な製剤専門書、例えばE.W.MartinによるRemington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている。Wang,Y.J.and Hanson,M.A.,Journal of Parenteral Science and Technology,Technical Report No.10,Supp.42:2 S,1988も参照のこと。
【0110】
アンモニア酸化微生物、例えばN.eutropha組成物は、例えば、即時放出または延長放出に適切な形態で投与され得る。持続放出システムの適切な例としては、適切なポリマー材料、例えば成形品、例えばフィルムもしくはマイクロカプセルの形態の半透過性ポリマーマトリックス;例えば許容され得る油中のエマルジョンとしての適切な疎水性材料;またはイオン交換樹脂が挙げられる。持続放出システムは、経口;直腸;非経口;嚢内;膣内;腹腔内;局所、例えば粉末、軟膏、ゲル、滴剤もしくは経皮パッチとして;口腔;またはスプレーとして投与され得る。
【0111】
投与のための調製物は、アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaの制御放出を与えるように適切に製剤化され得る。例えば、医薬組成物は、生分解性ポリマー、多糖ゼリー化および/もしくは生体接着性ポリマーまたは両親媒性ポリマーの1つまたはそれよりも多くを含む粒子の形態であり得る。これらの組成物は、活性物質の制御放出を可能にする特定の生体適合特徴を示す。米国特許第5,700,486号を参照のこと。
【0112】
例示的な組成物は、例えば、かさ増しのための結晶セルロース、懸濁化剤としてのアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウム、粘度増強剤としてのメチルセルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよび/もしくはラクトースならびに/または他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤および潤滑剤、マンニトール、ラクトース、スクロースおよび/もしくはシクロデキストリンを含有し得る懸濁液を含み得る。高分子量賦形剤、例えばセルロース(アビセル)またはポリエチレングリコール(PEG)もこのような製剤に含まれ得る。このような製剤はまた、粘膜接着を助けるための賦形剤、例えばヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC)、無水マレイン酸コポリマー(例えば、Gantrez)および放出を制御するための薬剤、例えばポリアクリル酸コポリマー(例えば、Carbopol 934)を含み得る。製作および使用を容易にするために、潤滑剤、流動促進剤、香料、着色剤および安定化剤も添加され得る。界面活性剤は、双性イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤または陰イオン性界面活性剤であり得る。
【0113】
本開示の実施形態で使用され得る賦形剤、例えば界面活性剤としては、コカミドプロピルベタイン(ColaTeric COAB)、ポリエチレンソルビトールエステル(例えば、Tween 80)、エトキシル化ラウリルアルコール(RhodaSurf 6 NAT)、ラウレス硫酸ナトリウム/ラウリルグルコシド/コカミドプロピルベタイン(Plantapon 611 L UP)、ラウレス硫酸ナトリウム(例えば、RhodaPex ESB 70 NAT)、アルキルポリグルコシド(例えば、Plantaren 2000 N UP)、ラウレス硫酸ナトリウム(Plantaren 200)、Dr.Bronnerのカスティール石鹸、Dr.Bronnerのカスティールベビー石鹸、ラウラミンオキシド(ColaLux Lo)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ポリスルホン酸アルキルポリグルコシド(PolySufanate 160 P)、ラウリル硫酸ナトリウム(Stepanol−WA Extra K)およびその組み合わせの1つまたはそれよりも多くが挙げられ得る。Dr.Bronnerのカスティール石鹸およびDr.Bronnerのベビー石鹸は、水、有機ココナツ油、水酸化カリウム、有機オリーブ油、公正取引有機大麻油、有機ホホバ油、クエン酸およびトコフェロールを含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、亜硝酸塩産生の発生を可能にし得る量で、アンモニア酸化微生物と共に使用され得る。いくつかの実施形態では、調製物は、約0.0001%未満〜約10%の界面活性剤を有し得る。いくつかの実施形態では、調製物は、約0.1%〜約10%の界面活性剤を有し得る。いくつかの実施形態では、使用される界面活性剤の濃度は、約0.0001%〜約10%であり得る。いくつかの実施形態では、調製物は、界面活性剤を実質的に含み得ない。
【0115】
いくつかの実施形態では、製剤、例えば調製物は、アンモニア酸化微生物の有効性、その送達を増強し得るかまたは処置もしくは適応を増強し得る他の構成要素を含み得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、キレート剤が調製物中に含まれ得る。キレート剤は、別の化合物、例えば金属と結合し得る化合物であり得る。キレート剤は、望ましくない化合物を環境から除去する支援を提供し得るか、または特定の化合物と環境、例えばアンモニア酸化微生物、例えばアンモニア酸化微生物の調製物、例えば賦形剤との接触を低減もしくは排除するように保護的に作用し得る。いくつかの実施形態では、調製物は、キレート剤を実質的に含み得ない。
【0117】
製剤はまた、抗酸化剤、緩衝液、望ましくない微生物の成長を防止する静菌薬、溶質、ならびに懸濁化剤および増粘剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁液を含有し得る。製剤は、単位用量または複数回用量の容器、例えば密封アンプルおよびバイアルで提示され得、使用直前に、滅菌液体担体、例えば食塩水または注射用水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵され得る。即時溶液および懸濁液は、前記種類の粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。例示的な組成物は、例えば適切な無毒の薬学的に許容され得る希釈剤もしくは溶媒、例えばマンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液または合成モノグリセリドもしくはジグリセリドを含む他の適切な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁化剤、ならびにオレイン酸またはクレモフォール(Cremaphor)を含む脂肪酸を含有し得る溶液または懸濁剤を含む。水性担体は、例えば、pH約3.0〜約8.0、pH約3.5〜約7.4、例えば3.5〜6.0、例えば3.5〜約5.0の等張緩衝溶液であり得る。有用な緩衝液としては、クエン酸ナトリウム−クエン酸およびリン酸ナトリウム−リン酸および酢酸ナトリウム/酢酸緩衝液が挙げられる。いくつかの実施形態では、組成物は、酸化剤を含まない。
【0118】
含まれ得る賦形剤は、例えば、タンパク質、例えばヒト血清アルブミンまたは血漿調製物である。所望により、医薬組成物はまた、少量の無毒補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、保存剤およびpH緩衝剤など、例えば酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含有し得る。いくつかの実施形態では、賦形剤、例えば薬学的に許容され得る賦形剤または化粧的に許容され得る賦形剤は、抗接着剤、結合剤、コーティング剤、崩壊剤、充填剤、香料、着色剤、潤滑剤、流動促進剤、吸着剤、保存剤または甘味剤を含み得る。いくつかの実施形態では、調製物は、賦形剤を実質的に含み得ない。
【0119】
いくつかの実施形態では、調製物は、本開示に列挙される化合物または物質の1つまたはそれよりも多くを実質的に含み得ない。
【0120】
スプレー、エアロゾルまたはミスト投与のための例示的な組成物としては、例えば、ベンジルアルコールもしくは他の適切な保存剤、バイオアベイラビリティーを増強するための吸収促進剤および/または他の可溶化剤もしくは分散剤を含有し得る食塩水中の溶液が挙げられる。好都合には、エアロゾル投与のための組成物では、アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaは、適切な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、窒素または他の適切な気体を使用して、加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレー提示の形態で送達される。加圧エアロゾルの場合では、投与単位は、一定量を送達するためのバルブを提供することによって決定され得る。例えば、ゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、N.eutrophaと適切な粉末基剤、例えばラクトースまたはデンプンとの粉末混合物を含有するように製剤化され得る。特定の実施形態では、N.eutrophaは、定量バルブからエアロゾルアダプター(アクチュエーターとしても公知)を介してエアロゾルとして投与される。必要に応じて、安定剤も含まれ、および/または肺深部送達のための多孔性粒子が含まれる(例えば、米国特許第6,447,743号を参照のこと)。
【0121】
製剤は、担体、例えばカカオ脂、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコールと共に提示され得る。このような担体は、典型的には常温では固体であるが、体温では液化および/または溶解してアンモニア酸化細菌、例えばN.eutrophaを放出する。
【0122】
局所投与のための例示的な組成物は、局所担体、例えばプラスチベース(ポリエチレンでゲル化した鉱物油)を含む。いくつかの態様では、組成物および/または賦形剤は、液体、固体またはゲルの1つまたはそれよりも多くの形態であり得る。例えば、懸濁液は、限定されないが、水、食塩水、リン酸緩衝食塩水またはアンモニア酸化貯蔵緩衝液を含み得る。ゲル製剤は、限定されないが、寒天、シリカ、ポリアクリル酸(例えば、Carbopol(登録商標))、カルボキシメチルセルロース、デンプン、グアーガム、アルギネートまたはキトサンを含み得る。いくつかの実施形態では、製剤は、限定されないが、塩化アンモニウムまたは硫酸アンモニウムを含むアンモニア源が補充され得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物組成物、例えばN.eutropha組成物は、例えば、皮膚または他の標的組織へのNO浸透を改善するように製剤化される。ゲル形成材料、例えばKYゼリーまたは様々なヘアジェルは、周囲空気へのNO喪失に対する拡散バリアを提示するので、皮膚のNO吸収を改善する。一般に、皮膚におけるNOレベルは20nM/Lを大きくは超えないが、これは、そのレベルがGCを活性化し、局所的な血管拡張および過剰NOの酸化的破壊を引き起こすためである。
【0124】
上記で特に言及される成分に加えて、本明細書に記載される製剤は、問題の製剤の種類に関して当技術分野における従来の他の薬剤を含み得ることを理解すべきである。
【0125】
製剤、例えば調製物、例えば組成物は、容器の内容物を含むかまたは含まないかにかかわらず、約50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500または2000グラム未満であり得る重量を有する容器、送達システムまたは送達デバイスで提供され得る。
【0126】
適切な単位投与製剤は、上記のような有効用量またはその適切な画分のアンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaを含有するものである。
【0127】
治療有効量のアンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaは、単回パルス投与として、ボーラス投与として、または経時的に投与されるパルス投与として投与され得る。したがって、パルス投与では、アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaのボーラス投与が提供され、続いて、一定期間でアンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaが被験体に投与され、続いて、第2のボーラス投与が行われる。非限定的な具体例では、パルス投与は、1日の間、1週間の間、または1カ月間の間に投与される。
【0128】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物の調製物、例えば製剤、例えば組成物は、所定日数にわたって適用され得る。これは、例えば、少なくとも部分的には、症状または疾患の重症度、処置に対する反応、適用される投薬量および投与頻度に基づき得る。例えば、調製物は、約1〜3、3〜5、5〜7、7〜9、5〜10、10〜14、12〜18、12〜21、21〜28、28〜35、35〜42、42〜49、49〜56、46〜63、63〜70、70〜77、77〜84、84〜91日間、約1カ月間、約2カ月間、約3カ月間にわたって適用され得る。いくつかの実施形態では、アンモニア酸化細菌は、不定期間、例えば、1年間超、5年間超、10年間超、15年間超、30年間超、50年間超、75年間超にわたって投与される。特定の態様では、調製物は、約16日間にわたって適用され得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物の調製物、例えば製剤、例えば組成物は、1日当たり所定回数適用され得る。これは、例えば、少なくとも部分的には、症状または疾患の重症度、処置に対する反応、適用される投薬量および投与頻度に基づき得る。例えば、調製物は、1日1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24回適用され得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、調製物は、1日1回適用され得る。他の実施形態では、調製物は、1日2回適用され得る。いくつかの実施形態では、調製物は、特定日数にわたって第1の所定量で適用され得、その後の特定日数にわたって第2の所定量で適用され得る。いくつかの実施形態では、調製物は、約16日間にわたって適用され得る。
【0131】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、調製物は、一般に、被験体に関連する生理学的環境と適合性であり得る。少なくともいくつかの実施形態では、組成物は、実質的に中性pHまたは生理学的pH、例えば目的の送達、投与または所望の効果のために標的部位において通常優勢であるpHを有するように製剤化される。組成物は、約5.5〜約8.5のpHを有するように製剤化され得る。組成物は、被験体に関連する生理学的環境の標的部位と適合性の条件、例えばpH、張性を含むように製剤化され得る。
【0132】
調製物は、経粘膜送達および/または例えば局所的もしくは全身的な循環のために製剤化され得る。いくつかの実施形態では、調製物は、アンモニア酸化微生物、その生成物またはその副生成物(例えば、硝酸塩、亜硝酸塩、NOまたはCoQ8)が沈着物または標的組織に少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%浸透するように製剤化され得る。調製物は、アンモニア酸化微生物、その生成物またはその副生成物の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%が沈着物もしくは標的組織に浸透するか、または循環に入るように製剤化され得る。
【0133】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、調製物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、クリーム、軟膏、ゲル、ヒドロゲルまたは液体、例えば液滴、スプレー、エアロゾルまたはミスト、錠剤、カプセル、または被験体への投与のためのデバイスの形態であり得る。
【0134】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、アンモニア酸化微生物を含む調製物、組成物、製剤または製品は、その作製中および/またはその完了時に品質管理および/または試験を受け得る。国際(PCT)特許出願公開第2015/179669号(2015年5月21日に出願された国際(PCT)特許出願第PCT/US2015/032017号)(これは、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる)には、アンモニア酸化微生物を用いて材料を調製する、およびこのような材料を試験する様々な方法が記載されている。例えば、ODレベル、pHレベル、廃棄物レベル、栄養素レベル、汚染物質レベル、酸化速度、亜硝酸塩レベル、タンパク質濃度などの1つまたはそれを超えるパラメータを所定値に対して比較して、アンモニア酸化微生物を含む調製物を査定または評価し得る。
【0135】
本開示は、とりわけ、本明細書に開示されるアンモニア酸化微生物の調製物を含むキットを提供する。製剤は、アンモニア酸化微生物の別々の単位、例えば固体、液体または気体製剤を含み得る。製剤、例えば液体、エアロゾル、スプレーおよびミストは、多剤形(複数回使用)、例えば所定数の投薬量を含む包装単位、または単剤形(単回使用)、例えば単回用量を含む包装単位で提示され得る。アンモニア酸化微生物の調製物は、少なくとも約1ml、1ml、5ml、10ml、20ml、25ml、40ml、50ml、60ml、70ml、80ml、90ml、100ml未満または約100ml超の容量を保持するように構成されたデバイスまたは容器に包装され得る。
【0136】
キットは、調製物を投与のための1つまたはそれを超えるデバイス、例えばシリンジ、針、カテーテル、浣腸剤、バルブ、ピペット(点眼器または点耳器)および当技術分野で公知の他の薬物投与デバイスをさらに含み得る。キットは、使用説明書、例えば、本明細書に開示されるようなアンモニア酸化微生物の投与のための説明書、またはアンモニア酸化微生物の投与を含む併用療法のための説明書を含み得る。キットは、本明細書に開示されるように、アンモニア酸化調製物と併せて投与するための第2の組成物またはその後の組成物を含み得る。例えば、キットは、アンモニア酸化微生物の生成物もしくは副生成物を含むサプリメントもしくは組成物、アンモニア酸化微生物の成長もしくは代謝を促進する組成物、アンモニア酸化微生物の生成物もしくは副生成物の産生を促進する組成物、ウレアーゼ活性を促進する組成物、またはアンモニア酸化微生物との相乗効果を有する組成物、または関連疾患、障害もしくは関連疾患もしくは障害の症候を処置する(例えば、処置することが承認されているか、または処置するために一般的に使用されている)組成物もしくは医薬品、例えば抗炎症組成物を含み得る。キットは、本明細書に開示される「バイオームフレンドリー」または「バイオーム適合」製品、例えば1つまたはそれを超えるマイクロバイオーム適合化粧製品を含み得る。キットに含まれる製品はいずれも、本明細書に記載されるように、標的適応症を処置するために特に製剤化され、および/または所望の送達様式のために製剤化され得る。
天然生成物;消費者製品
【0137】
いくつかの特定の実施形態では、本明細書で議論されるアンモニア酸化微生物を含む調製物は、天然生成物または消費者製品であり得る。代わりに、他の実施形態では、アンモニア酸化微生物の調製物は、天然生成物または消費者製品と併せて使用され得る。
【0138】
アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaは様々な天然生成物に関連し得、このような生成物の例は以下に記載されている。これらの天然生成物は、本開示を通して開示される製剤、組成物または調製物から構成され得る。
【0139】
天然生成物は、商業目的の製品であり得るかまたはそれを含み得、天然源から生成された化粧品、栄養補助食品および食品、例えば食品、栄養補助食品、医療用食品、食品添加物、栄養給食品または飲料を指し得る。天然生成物は、例えば、疾患または症状の処置において、治療上有益であり得る薬理学的または生物学的活性を有し得る。天然生成物は、伝統的な医薬、美容術目的の処置および温泉処置に含まれ得る。本明細書で言及される天然生成物は、1つまたはそれを超える他の構成要素、例えば賦形剤を含む調製物または製剤に組み込まれる天然生成物として記載される構成要素のいずれか1つまたはそれよりも多くを含み得る。天然生成物と称される調製物または製剤は、本明細書で定義される天然生成物と、1つまたはそれを超えるさらなる構成要素または成分とを含み得る。本開示を通して議論される組成物、調製物または製剤はいずれも、1つまたはそれを超える天然生成物であり得るかまたはそれを含み得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、天然生成物または強化天然生成物は、泥、水、食物由来の生成物、植物由来の生成物、抽出物および油の少なくとも1つを含み得る。天然生成物または強化天然生成物は、温泉処置において使用され得る。いくつかの実施形態では、天然生成物または強化天然生成物は、粉末、クリーム、ローション、ラップ、スクラブ、アイマスク、フェイシャルマスク、ボディマスク、エアロゾル、例えばミスト、スプレー、膏薬、ワイプ、スティック、包帯または浸液の少なくとも1つに組み込まれ得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、天然生成物または強化天然生成物は、ベビー製品、例えばベビーシャンプー、ベビーローション、ベビーオイル、ベビーパウダー、ベビークリーム;浴用調製物、例えばバスオイル、タブレット、ソルト、バブルバス、バスカプセル;アイメークアップ用調製物、例えばアイブローペンシル、アイライナー、アイシャドー、アイローション、アイメークアップリムーバー、マスカラ;香料調製物、例えばコロン、オードトワレ、香水、パウダー(ダスティングおよびタルカム)、サシェ;毛髪用調製物、例えば毛髪コンディショナー、ヘアスプレー、ヘアストレート剤、パーマネントウェーブ剤、リンス、シャンプー、トニック、調髪料、整髪補助剤、ウェーブセット剤;毛髪着色用調製物、例えば毛髪染料およびヘアカラー、染毛剤、着色用ヘアリンス、着色用ヘアシャンプー、着色ヘアライトナー、ヘアブリーチ;メークアップ用調製物、例えばフェースパウダー、ファンデーション、レッグおよびボディペイント、口紅、メークアップベース、頬紅、メークアップ定着剤;マニキュア用調製物、例えばベースコートおよびアンダーコート、キューティクル軟化剤、ネイルクリームおよびローション、ネイルエクステンダー、ネイルポリッシュおよびエナメル、ネイルポリッシュおよびエナメルリムーバー;口腔衛生製品、例えば歯磨剤、マウスウォッシュおよびブレスフレッシュナー;浴用石鹸および洗剤、デオドラント、ビデ、女性用衛生デオドラント;シェービング用調製物、例えばアフターシェーブローション、髭軟化剤、タルカム、プレシェーブローション、シェービングクリーム、シェービングソープ;スキンケア用調製物、例えばクレンジング、脱毛剤、顔および首、身体および手、足用パウダーおよびスプレー、保湿料、夜用調製物、ペーストマスク、スキンフレッシュナー;ならびに日焼け用調製物、例えばジェル、クリームおよび液体および屋内タンニング用調製物の少なくとも1つとして提供され得るか、またはそれらの中に配置され得る。
【0142】
アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaは様々な消費者製品に関連し得、このような製品の例は以下に記載されており、本開示を通して開示される製剤、組成物または調製物から構成され得る。いくつかの実施形態では、製品に関連するアンモニア酸化細菌、例えばN.eutrophaは製品と混合され、例えば製品全体に均一に拡散され、いくつかの実施形態では、製品に関連するアンモニア酸化細菌、例えばN.eutrophaは製品上に積層される。
【0143】
いくつかの実施形態では、調製物は、粉末、化粧品、クリーム、スティック、エアロゾル、例えばミスト、膏薬、ワイプまたは包帯中に配置され得るか、またはそれらとして提供され得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化細菌、例えばN.eutrophaは粉末に関連する。粉末は、典型的には、互いに付着していない小型粒子状固体であって、傾けると自由に流れ得る小型粒子状固体である。消費者用途のための例示的な粉末としては、タルカム粉末およびいくつかの化粧品(例えば、パウダーファンデーション)が挙げられる。
【0145】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化細菌は化粧品に関連する。化粧品は、個人の外見を変化させることを目的とする局所適用のための物質、例えばリキッドファンデーション、パウダーファンデーション、紅または口紅であり得、調製物と称され得る。化粧品は、食品医薬品局規制、例えば21 C.F.R.§720.4に列挙されている任意の物質であり得る。
【0146】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化細菌、例えばN.eutrophaは化粧品に関連する。化粧品は、個人の外見を変化させることを目的とする局所適用のための物質、例えばリキッドファンデーション、パウダーファンデーション、紅または口紅であり得る。他の構成要素は、化粧製剤分野の当業者によって選択される化粧調製物、例えば水、鉱物油、着色剤、香水、アロエ、グリセリン、塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、pH緩衝剤、UV遮断剤、シリコーン油、天然油、ビタミンE、薬草濃縮物、乳酸、クエン酸、タルク、粘土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、デンプン、尿素およびエリソルビン酸または本明細書に開示されるものを含む当業者に公知の任意の他の賦形剤などに添加され得る。
【0147】
調製物、例えば化粧品は、ベビー製品、例えばベビーシャンプー、ベビーローション、ベビーオイル、ベビーパウダー、ベビークリーム;浴用調製物、例えばバスオイル、タブレット、ソルト、バブルバス、バスカプセル;アイメークアップ用調製物、例えばアイブローペンシル、アイライナー、アイシャドー、アイローション、アイメークアップリムーバー、マスカラ;香料調製物、例えばコロン、オードトワレ、香水、パウダー(ダスティングおよびタルカム)、サシェ;毛髪用調製物、例えば毛髪コンディショナー、ヘアスプレー、ヘアストレート剤、パーマネントウェーブ剤、リンス、シャンプー、トニック、調髪料、整髪補助剤、ウェーブセット剤;毛髪着色用調製物、例えば毛髪染料およびヘアカラー、染毛剤、着色用ヘアリンス、着色用ヘアシャンプー、着色ヘアライトナー、ヘアブリーチ;メークアップ用調製物、例えばフェースパウダー、ファンデーション、レッグおよびボディペイント、口紅、メークアップベース、頬紅、メークアップ定着剤;マニキュア用調製物、例えばベースコートおよびアンダーコート、キューティクル軟化剤、ネイルクリームおよびローション、ネイルエクステンダー、ネイルポリッシュおよびエナメル、ネイルポリッシュおよびエナメルリムーバー;口腔衛生製品、例えば歯磨剤、マウスウォッシュおよびブレスフレッシュナー;浴用石鹸および洗剤、デオドラント、ビデ、女性用衛生デオドラント;シェービング用調製物、例えばアフターシェーブローション、髭軟化剤、タルカム、プレシェーブローション、シェービングクリーム、シェービングソープ;スキンケア用調製物、例えばクレンジング、脱毛剤、顔および首、身体および手、足用パウダーおよびスプレー、保湿料、夜用調製物、ペーストマスク、スキンフレッシュナー;ならびに日焼け用調製物、例えばジェル、クリームおよび液体および屋内タンニング用調製物の少なくとも1つであり得る。
【0148】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される製剤、組成物または調製物は、ベビー製品、例えばベビーシャンプー、ベビーローション、ベビーオイル、ベビーパウダー、ベビークリーム;浴用調製物、例えばバスオイル、タブレット、ソルト、バブルバス、バスカプセル;パウダー(ダスティングおよびタルカム)、サシェ;毛髪用調製物、例えば毛髪コンディショナー、リンス、シャンプー、トニック、フェースパウダー、キューティクル軟化剤、ネイルクリームおよびローション、口腔衛生製品、マウスウォッシュ、浴用石鹸、ビデ、女性用衛生デオドラント;シェービング用調製物、例えばアフターシェーブローション、スキンケア用調製物、例えばクレンジング、顔および首、身体および手、足用パウダーおよびスプレー、保湿料、夜用調製物、ペーストマスク、スキンフレッシュナー;ならびに日焼け用調製物、例えばジェル、クリームおよび液体の少なくとも1つを含み得るか、それらとして提供され得るか、またはそれらの中に配置され得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaは、エアロゾル、スプレーまたはミストに関連し、これらの用語は互換的に使用され得る。エアロゾルは、典型的には、空気などの気体中の微細固体粒子または微細液滴のコロイドである。エアロゾルは、加圧下でN.eutropha(および必要に応じて担体)を容器に入れ、次いで、バルブを開放して内容物を放出させることによって創出され得る。容器は、N.eutrophaの生存能と適合性の圧力レベルのみを与えるように設計され得る。例えば、高圧は、短時間にわたってのみ与えられ得、および/または圧力は、生存能を損なわないように十分低いものであり得る。エアロゾルの消費者用途の例としては、日焼け止め、デオドラント、香水、ヘアスプレーおよび防虫剤が挙げられる。エアロゾルは、スプレーまたはミストと称され得る。
【0150】
アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaを含む組成物はまた、保湿剤、脱臭剤、芳香剤、着色料、昆虫忌避剤、クレンジング剤またはUV遮断剤の1つまたはそれよりも多くを含み得る。
【0151】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaは、布、紡績糸または糸に関連する。衣料品、例えば靴、靴の中敷き、パジャマ、スニーカー、ベルト、帽子、シャツ、下着、スポーツウエア、ヘルメット、タオル、手袋、靴下、包帯および類似物などの衣料品もまた、アンモニア酸化細菌、例えばN.eutrophaで処置され得る。シーツ、枕、枕カバーおよび毛布を含む寝具もまた、アンモニア酸化細菌、例えばN.eutrophaで処置され得る。いくつかの実施形態では、一定期間にわたって洗浄し得ない皮膚領域もまた、アンモニア酸化細菌、例えばN.eutrophaと接触され得る。例えば、治癒プロセス中に外傷肢を固定する整形外科用ギプスに囲まれた皮膚および適切な治癒のために乾燥を保持しなければならない傷害付近の領域、例えば縫合創傷は、アンモニア酸化細菌、例えばN.eutrophaとの接触から利益を受け得る。
【0152】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載されるアンモニア酸化微生物を含む装着品を提供する。装着品は、歩行を妨げない方法で、使用者の身体に密接に関連し得る軽量品であり得る。装着品の例としては、腕時計、リストバンド、ヘッドバンド、ヘアゴム、ヘアネット、シャワーキャップ、帽子、ヘアピースおよび宝飾品が挙げられる。本明細書に記載されるアンモニア酸化細菌、例えばN.eutropha株を含む装着品は、例えば、皮膚障害の処置もしくは予防、低い亜硝酸塩レベルに関連する疾患もしくは症状の処置もしくは予防、体臭の処置もしくは予防、一酸化窒素を被験体に供給するための処置、または微生物成長を阻害するための処置の1つまたはそれよりも多くを提供する濃度で提供し得る。
【0153】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaは、毛髪と接触することを目的とする製品、例えばブラシ、櫛、シャンプー、コンディショナー、ヘッドバンド、ヘアゴム、ヘアネット、シャワーキャップ、帽子およびヘアピースに関連する。皮膚表面から離れて毛髪上で形成された一酸化窒素は、帽子、スカーフまたはフェイスマスク中で捕捉され、吸入空気に向けられ得る。
【0154】
ヒト被験体の表面と接触する物品、例えばおむつは、アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaに関連し得る。おむつは、尿失禁者によって生産された尿および糞便を保持および含有するように設計されるので、尿および糞便中の尿素は、皮膚および糞便性細菌によって加水分解されてアンモニア(これは刺激性であり、おむつかぶれを引き起こし得る)を形成し得る。尿素を亜硝酸塩または硝酸塩に代謝する細菌、例えばアンモニア酸化細菌、例えばN.eutrophaの組み込みは、遊離アンモニアの放出を回避し得、亜硝酸塩および最終的にはNOを放出し得、子供および尿失禁成人の両方のための健康皮膚の維持を支援し得る。おむつにおける一酸化窒素の放出はまた、ヒト糞便中に存在する疾患を引き起こす生物に対する抗菌効果を有し得る。この効果は、使い捨ておむつが廃棄物として廃棄された後であっても継続し得、汚れた使い捨ておむつとの接触による疾患伝染の発生率を減少させ得る。
【0155】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaを含む製品は包装される。包装は、製品を圧縮するかまたはそれを損傷、汚損もしくは分解から保護するように機能し得る。包装は、例えば、プラスチック、紙、厚紙または木材を含み得る。いくつかの実施形態では、包装は、細菌不透過性である。いくつかの実施形態では、包装は、酸素および/または二酸化炭素透過性である。
アンモニア酸化微生物による処置方法
【0156】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、被験体は、アンモニア酸化微生物、例えば、アンモニア酸化微生物を含む調製物の投与を介して処置され得る。本明細書で使用される場合、被験体の処置は、化粧結果または治療結果のためにアンモニア酸化微生物組成物を投与することを含み得る。例えば、処置は、症状、症候、もしくは症状に関連する副作用を処置もしくは軽減すること、または所望の化粧効果を達成することを含み得る。
【0157】
被験体は、動物、哺乳動物、ヒト、非ヒト動物、家畜動物または伴侶動物を含み得る。被験体は、雌または雄であり得る。被験体は、様々な皮膚型を有し得る。被験体は、健康歴および/または遺伝的素因を含む様々な健康関連プロファイルを有し得る。被験体は、一般に、正常なマイクロバイオーム、例えば生理学的マイクロバイオームまたは破壊されたマイクロバイオームを有し得る。被験体は、以下の民族/人種:アジア系、黒人もしくはアフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系もしくはラテン系、白人または多民族系の1つとして特徴付けられ得る。被験体は、1歳未満であるか、または1〜5、5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60歳であり得るか、または60歳超であり得る。
【0158】
被験体を処置するために使用され得るアンモニア酸化微生物としては、すべてのアンモニア酸化微生物、例えば本出願に記載されるN.eutropha組成物、例えば最適化アンモニア酸化微生物の精製調製物、例えばD23株が挙げられる。
【0159】
前記方法は、治療用製品または化粧製品を投与または送達するために提供され得る。前記方法は、生きているアンモニア酸化微生物を含む調製物を被験体に投与または導入することを含み得る。調製物は、標的適応症を処置するように製剤化され得、および/または所望の送達様式のために製剤化され得る。
【0160】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、生きているアンモニア酸化微生物を含む調製物は、被験体の第1の組織に投与され得る。第1の組織は、沈着組織であり得る。第1の組織は、標的組織または標的組織以外の組織であり得る。次いで、生きているアンモニア酸化微生物またはその生成物、例えば亜硝酸塩および/または一酸化窒素は、例えば拡散によって第2の組織に移動または輸送され得る。第2の組織は、標的組織であり得る。標的組織は、所望の局所的または全身的な効果に関連し得る。標的組織は、処置すべき適応症、障害または症状に関連し得る。
【0161】
アンモニア酸化微生物調製物は、例えば、化粧効果または治療効果のために皮膚に投与され得る。例えば、投与は、化粧処置、利益または効果を提供し得る。いくつかの実施形態では、投与は、脂ぎった外観、毛穴のある外観、輝き、しみ、肌の色合いのむら、視覚的な滑らかさ、および触感の滑らかさの1つまたはそれよりも多くの処置または改善を提供し得る。いくつかの実施形態では、被験体の美容的外観は、皮膚健康の改善により変化し得る(例えば、起因し得る)。加齢の兆候は、減少、遅延または逆転し得る。投与は、皮膚および/または頭皮の症状および/または質の質的な改善をもたらし得る。被験体における皮膚の滑らかさ、水和、はりおよび/または柔らかさが改善され得る。本開示はまた、体臭を減少させる方法を提供する。
【0162】
投与は、治療処置、利益または効果を提供し得る。本開示は、亜硝酸塩および一酸化窒素を被験体に供給する方法を提供する。本開示は、アンモニア酸化微生物を使用して、疾患、障害、感染症および症状を抑制、処置または予防するための様々な方法を提供する。アンモニア酸化微生物は、例えば、低い亜硝酸塩レベルに関連する様々な疾患、皮膚疾患、および病原性細菌によって引き起こされる疾患を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、投与は、炎症の軽減を提供し得る。実際、局所的または全身的な抗炎症効果が実証され得る。少なくともいくつかの実施形態では、微生物成長が阻害され得る。皮膚および全体的な健康が改善され得る。不十分な循環が増大され得る。内皮機能が促進され得る。標的組織または循環中の亜硝酸塩またはNOのレベルの変化が実証され得る。いくつかの実施形態では、投与、例えば有効量の投与は、標的組織または循環中の亜硝酸塩またはNOのレベルをモジュレート、変更または改変し得る。いくつかの実施形態では、投与、例えば有効量の投与は、標的組織または循環中の亜硝酸塩またはNOのレベルの増加をもたらし得る。
【0163】
本明細書に開示される組成物の投与は、経粘膜送達および/または例えば局所的もしくは全身的な循環を提供し得る。いくつかの実施形態では、投与は、アンモニア酸化微生物、その生成物またはその副生成物(例えば、硝酸塩、亜硝酸塩、NOまたはCoQ8)が沈着物または標的組織に少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%浸透することを提供し得る。少なくともいくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物、その生成物またはその副生成物の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%は、本明細書に開示される組成物の投与により、沈着物もしくは標的組織に浸透するか、または循環に入る。
【0164】
本開示の調製物および方法は、被験体に関連する環境から望ましくない微生物の量を減少させることを提供し得る。本明細書に記載されるアンモニア酸化性微生物は、例えば、不十分な栄養素を消費すること、または他の生物に有害な副生成物を生成すること、例えば望ましくない生物の成長を促さないpHレベルを変更することによって、他の生物に優位し得る。
【0165】
本開示はまた、例えば、治癒能力の障害を有する患者、例えば糖尿病患者における創傷治癒(慢性創傷を含む)を促進する方法を提供する。アンモニア酸化微生物を含む包帯は、創傷に必要に応じて適用され得る。
【0166】
多くの現代の変性疾患は、NO種の欠如によって引き起こされ得ること、およびAOMは、それらの種を標的組織に直接的に、または標的組織への拡散によって供給するために投与され得ることが認識される。AOMの適用は、長年の病状を解消し得る。特定の実施形態では、特に外表皮膚からAOMを除去するアニオン性洗剤を用いて、現代の入浴習慣を相殺するために、AOMは被験体に適用される。
【0167】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、AOMは、アンモニアを亜硝酸、抗菌化合物および一酸化窒素、炎症プロセスにおいて十分に立証されたシグナル伝達分子に変換する。
【0168】
本開示は、とりわけ、マイクロバイオームの組成物をモジュレートする、例えば、環境、例えば表面、例えば被験体の表面のマイクロバイオームの割合をモジュレートまたは変更する方法を提供する。そして、これは、健康関連利益を示し得る。前記方法は、アンモニア酸化微生物を含む調製物を被験体に投与することを含み得る。いくつかの実施形態では、投与、例えば適用の量および頻度は、病原性微生物の割合を減少させるために十分であり得る。
【0169】
被験体、例えばヒト被験体へのアンモニア酸化微生物の適用は、マイクロバイオームに予想外の変化をもたらし得る。それは、正常な共生非病原性種の割合の増加と、潜在的に病原性の生物、病原性生物、または疾患を引き起こす生物の割合の減少とをもたらし得る。
【0170】
非病原性細菌の割合の増加は、所定期間、例えば1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、1週間、2週間、3週間もしくは4週間未満、または1〜3、3〜5、5〜7、7〜9、5〜10、10〜14、12〜18、12〜21、21〜28、28〜35、35〜42、42〜49、49〜56、46〜63、63〜70、70〜77、77〜84、84〜91日間未満に起こり得る。
【0171】
病原性細菌の割合の減少は、所定期間、例えば1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、1週間、2週間、3週間もしくは4週間未満、または1〜3、3〜5、5〜7、7〜9、5〜10、10〜14、12〜18、12〜21、21〜28、28〜35、35〜42、42〜49、49〜56、46〜63、63〜70、70〜77、77〜84、84〜91日間未満に起こり得る。
【0172】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、被験体は、処置の必要性について評価され得る。いくつかの実施形態では、被験体は、被験体が処置を必要とすることに基づいて選択され得る。本開示はさらに、被験体からサンプルを取得し、サンプルを分析することを提供し得る。
【0173】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、投与は、健康関連症状の発生前、発生中もしくは発生後に、またはその危険兆候、トリガーもしくは症候に応じて実施され得る。1つまたはそれを超える実施形態によれば、第2の量の調製物は被験体に投与され得る(例えば、第2の用量)。
【0174】
特定の態様では、本開示は、アンモニア酸化微生物、例えばN.eutrophaと、第2の処置、例えば治療薬とを含む併用療法を提供する。例えば、本開示は、2つの(またはそれを超える)治療の物理的混合物が物理的に混合されることを提供する。他の実施形態では、2つの(またはそれを超える)治療は、別個の製剤として組み合わせて投与される。第2の治療は、例えば、関連疾患、障害もしくは関連疾患もしくは障害の症候を処置する(例えば、処置することが承認されているか、または処置するために一般的に使用されている)医薬品、手術、診断または任意の他の医学的アプローチであり得る。第2の処置は、投与の前または後に投与され得る。有効量は、第2の処置と同時に投与され得る。第2の処置は、同じまたは異なる送達様式によって投与され得る。被験体は、調製物の投与により第2の処置の治療レベルを有し得る。特定の実施形態では、第2の処置は、抗炎症効果を提供し得るか、または標的部位における炎症を軽減するために投与され得る。少なくともいくつかの実施形態では、調製物は、アンモニア酸化微生物の生成物または副生成物、例えば亜硝酸塩、硝酸塩、一酸化窒素、CoQ8と同時にまたは併せて投与され得る。少なくともいくつかの実施形態では、調製物は、アンモニア酸化微生物の成長もしくは代謝を促進するか、アンモニア酸化微生物の生成物もしくは副生成物の産生を促進するか、ウレアーゼ活性を促進するか、またはアンモニア酸化微生物との相乗効果を有する組成物、例えばアンモニア、アンモニウム塩、尿素およびウレアーゼと同時にまたは併せて投与され得る。
【0175】
調製物は、マイクロバイオームクレンジング調製物、例えば局所用または全身用抗生物質と共に投与され得る。調製物は、クレンジング調製物または腸洗浄剤の投与後に投与され得る。調製物は、手術手順、診断手順または自然事象、例えば出産の前または後に投与され得る。調製物は、埋め込み型または侵襲型デバイスの沈着前、沈着中または沈着後に投与され得る。
【0176】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、調製物は、鎮痛薬または予防薬として投与され得る。調製物は、自己投与され得る。調製物の投与は、デバイス支援的であり得る。
【0177】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物、例えばアンモニア酸化微生物の調製物は、約10
3〜10
4CFU、10
4〜10
5CFU、10
5〜10
6CFU、10
6〜10
7CFU、10
7〜10
8CFU、10
8〜10
9CFU、10
9〜10
10CFU、10
10〜10
11CFU、10
11〜10
12CFU、10
12〜10
13CFUまたは10
13〜10
14CFU/適用、/日、/週または/月、または約10
3〜10
4CFU、10
4〜10
5CFU、10
5〜10
6CFU、10
6〜10
7CFU、10
7〜10
8CFU、10
8〜10
9CFU、10
9〜10
10CFU、10
10〜10
11CFU、10
11〜10
12CFU、10
12〜10
13CFUまたは10
13〜10
14CFU/適用、/日、/週または/月を超える用量で投与される。いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物は、約10
9〜10
10CFU、例えば約1×10
9〜5×10
9、1×10
9〜3×10
9または1×10
9〜10×10
9CFU/適用または/日の用量で投与される。
【0178】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物は、約1〜2、2〜5、5〜10、10〜15、12〜18、15〜20、20〜25または25〜50ml/用量の体積で投与される。いくつかの実施形態では、溶液は、約10
8〜10
9、10
9〜10
10または10
10〜10
11CFU/mlの濃度である。いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物は1日2回の15ml用量として投与され、各用量は10
9CFU/mlの濃度である。
【0179】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物は、1日1回、2回、3回または4回投与される。いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物は、週1回、2回、3回、4回、5回または6回投与される。いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物は、入浴直後に投与される。いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物は、睡眠直前に投与される。
【0180】
いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物は、約1〜3、3〜5、5〜7、7〜9、5〜10、10〜14、12〜18、12〜21、21〜28、28〜35、35〜42、42〜49、49〜56、46〜63、63〜70、70〜77、77〜84、84〜91日間、例えば約1カ月間、約2カ月間、約3カ月間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物は、不定期間、例えば1年間超、5年間超、10年間超、15年間超、30年間超、50年間超、75年間超にわたって投与される。
血圧の調節のためのアンモニア酸化微生物の投与
【0181】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、本明細書に開示される調製物および方法は、被験体における血圧の調節のために使用され得る。投与、例えば適用の量および/または頻度は、被験体における血圧を調節する、例えばモジュレートするかまたは減少させるために十分であり得る。量は、AOMの治療有効用量であり得る。
【0182】
American Heart Associationのガイドラインは、正常収縮期血圧(心筋収縮中の動脈内圧の量)が一般に90〜120mmHgであり、拡張期血圧(心拍間の動脈内圧の量)が一般に60〜80mmHgであることを示している。
【0183】
本開示は、高血圧症の処置において使用するための、アンモニア酸化微生物を含む特定の非限定的調製物を提供し、調製物は、以下の1つまたはそれよりも多くであり得る:自己投与(例えば、1日1〜2回)、無臭、無色、目に見えない、感度の増加に関連しない、安全、無毒、皮膚で耐容性良好(例えば、隣接粘膜および眼)、12歳未満の子供に適切、および処置および維持療法の両方に適切、抗生物質耐性を助長するリスクなし。
【0184】
アンモニア酸化微生物を含む有効量の調製物は被験体に投与され、それにより、被験体の血圧を調節し得る。調製物は、本明細書に開示される様々な様式にしたがって、例えば鼻腔、経腸、局所または経吸入投与され得る。いかなる特定の理論にも縛られるものではないが、少なくともいくつかの実施形態では、調節は、一般に、被験体における炎症状態を軽減することを伴い得る。いくつかの特定の非限定的な実施形態では、被験体における亜硝酸塩またはNOのレベルはモジュレートされ得る。
【0185】
有効量の調製物は、被験体の身体に投与され得る。調製物は、被験体の額、眼領域、首、頭皮、頭、肩、腕、手、脚、腋窩、胴、胸、足、膝、足首または臀部の1つまたはそれよりも多くに適用され得る。いくつかの実施形態では、投与は、被験体への局所適用を含む。微生物は、被験体の頭皮、首、顔および/または胴に局所投与され得る。微生物は、頭皮、首、顔および/または胴の少なくとも2つに局所投与され得る。有効量の調製物は、被験体の顔に投与され得る。例えば、目標パーセンテージのAOMは、被験体の顔に適用され得る。いくつかの実施形態では、被験体に適用されるAOMの少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95または99%は、被験体の顔に適用され得る。有効量の調製物は、被験体の顔、首または胴の1つまたはそれよりも多くに投与され得る。有効量の調製物は、頭皮以外の身体部位に投与され得る。代替的な実施形態では、有効量の調製物、例えばAOMまたは目標パーセンテージのAOMは、被験体の頭皮に適用され得る。AOMの有効量は、細胞約4×10
9個/ml〜細胞約8×10
9個/mlの範囲内の治療有効用量であり得る。いくつかの実施形態では、有効量は、細胞約4×10
9個/mlの用量を含む。いくつかの実施形態では、有効量は、細胞約8×10
9個/mlの用量を含む。
【0186】
方法は、被験体への調製物、例えばAOMの第1の適用およびその後の適用を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の適用およびその後の適用は、適用間において複数日数離れていてもよい。第1の適用およびその後の適用は、少なくとも0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14日間離れていてもよい。例示的な実施形態では、第1の適用およびその後の適用は、少なくとも4日間離れていてもよい。例えば、1日目に第1の適用が提供される場合、6日目にその後の適用が提供され得る。いくつかの実施形態では、調製物、例えばAOMは、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15日間にわたって少なくとも1日1回適用される。いくつかの実施形態では、調製物、例えばAOMは、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15日間にわたって少なくとも1日2回適用される。
【0187】
いくつかの実施形態では、被験体は、血圧をモジュレートする、例えば低下させるための第2の処置を例えば30、60、90または120日間続けて投与されるかまたは過去に投与されていた。第2の処置は、薬物、例えば、高血圧症を処置する(例えば、処置することが承認されているか、または処置するために一般的に使用されている)薬物の投与を含み得る。被験体が薬物の治療レベルを有する場合、調製物が投与され得る。例えば、調製物は、血圧処置または血圧薬と組み合わせて投与され得る。血圧処置は、1つまたはそれを超える非薬理学的処置、例えば減量、運動、塩分摂取量の減少、アルコール摂取量の減少または禁煙を含む生活様式の変更を含み得る。被験体は、生活様式の変更を採用するようにアドバイスされていてもよい。
【0188】
AOMの投与は、血圧薬、例えば抗高血圧薬または降圧薬を含む処置計画に追加され得る。血圧薬は、利尿薬、例えばチアジド利尿薬(例えば、クロロチアジドナトリウム、例えばジウリル(Diuril))、ループ利尿薬(例えば、フロセミド、エトラクリン酸、トルセミドおよびブメタニド)、およびカリウム保持性利尿薬(例えば、上皮ナトリウムチャネル遮断薬、例えばアミロライドまたはトリアムテレン)もしくは(例えば、アルドステロンアンタゴニスト、例えばスピロノラクトンまたはエプレレノン;アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE−i)、例えばエナラプリル(例えば、バソテク(Vasotec))、リシノプリル(例えば、プリニビル(Prinivil)、ゼストリル(Zestril))もしくはラミプリル(アルタス(Altace));アンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)、例えばバルサルタン(例えば、ディオバン(Diovan))もしくはロサルタン(例えば、コザール(Cozaar));カルシウムチャネル遮断薬、例えばアムロジピン(例えば、ノルバスク(Norvasc))、ジルチアゼム(例えば、カルジゼム(Cardizem)、チアザク(Tiazac)など)、オルニフェジピン(例えば、アダラートCC(Adalat CC)、アフェディタブCR(Afeditab CR)、プロカルジア(Procardia));β遮断薬、例えばメトプロロール(例えば、ロプレッサ(Lopressor)、トプロールXL(Toprol−XL))、ナドロール(例えば、コルガード(Corgard))もしくはアテノロール(テノーミン(Tenormin));レニン阻害剤、例えばアリスキレン(例えば、テクツルナ(Tekturna));α遮断薬、例えばドキサゾシン(例えば、カルデラ(Cardura))、プラゾシン(例えば、ミニプレス(Minipress))もしくはテラゾシン;α−β遮断薬、例えばカルベジロール(例えば、コレグ(Coreg))もしくはラベタロール(例えば、トランデート(Trandate));中枢作用剤、例えば心拍数を速めるかもしくは血管を狭める脳から神経系へのシグナルを阻害する薬剤、例えばクロニジン(例えば、カタプレス(Catapres)、カプベイ(Kapvay))、グアンファシン(例えば、インチュニブ(Intuniv)、テネックス(Tenex))もしくはメチルドパ;血管拡張薬、例えばヒドララジンもしくはミノキシジル;またはアルドステロンアンタゴニスト、例えばスピロノラクトン(例えば、アルダクトン(Aldactone))またはエプレレノン(例えば、インスプラ(Inspra))、を含み得る。
【0189】
被験体、例えば患者は、微生物の投与の1、10、50または100日以内に血圧薬を受けていてもよい。被験体は、微生物の投与の1、10、50または100日以内に2つまたはそれを超える、例えば2つの異なる血圧薬を受けていてもよい。いくつかの実施形態では、被験体は、微生物の投与の1、10、50または100日以内に血圧薬を受けていなくてもよい。被験体は、微生物の投与の1、10、50または100日以内に2つの異なる血圧薬を受けていなくてもよい。
【0190】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載されるアンモニア酸化微生物を使用して疾患または障害、例えば高血圧症を予防する方法を提供する。特定の実施形態では、予防は、同様の未処置被験体と比較して、高血圧症を発症する被験体のリスクを減少させることを含み得る。リスクをゼロに減少させる必要はない。
【0191】
したがって、いくつかの実施形態では、被験体は、例えば、American Heart Association(AHA)またはAmerican College of Cardiology(ACC)によって定義されるように、正常血圧を有し得るかまたは有することに基づいて選択され得る。被験体は、90〜119mmHgの収縮期血圧および60〜79mmHgの拡張期血圧を有し得るかまたは有することについて選択され得る。例えば、被験体が高血圧症を発症する素因が他にある場合、調製物は、非薬理学的処置と組み合わせて、正常血圧を有するかまたは有することに基づいて選択される被験体に投与され得る。非薬理学的処置は、減量、減塩、有酸素運動の増加、アルコール消費の制限もしくは減少、または喫煙の排除を含み得る。
【0192】
いくつかの実施形態では、被験体は、例えばAHAまたはACCによって定義されるように、前高血圧を有し得る。被験体は、前高血圧を有することに基づいて選択され得る。被験体は、120〜129mmHgの収縮期血圧および60〜79mmHgの拡張期血圧を有し得るかまたは有することについて選択され得る。調製物は、非薬理学的処置と組み合わせて、前高血圧を有するかまたは有することに基づいて選択される被験体に投与され得る。
【0193】
いくつかの実施形態では、被験体は、例えばAHAまたはACCによって定義されるように、高血圧を有し得る。被験体は、ステージ1高血圧またはステージ2高血圧を有し得る。被験体は、高血圧、例えばステージ1またはステージ2高血圧を有することについて選択され得る。被験体は、129mmHg超の収縮期血圧または79mmHg超の拡張期血圧を有し得るかまたは有することについて選択され得る。一般に、130〜139mmHgの収縮期血圧または80〜89mmHgの拡張期血圧は、ステージ1高血圧であると決定され得る。140〜179mmHgの収縮期血圧または90〜119mmHgの拡張期血圧は、ステージ2高血圧であると決定され得る。180mmHg超の収縮期血圧または120mmHg超の拡張期血圧は、重大な高血圧緊急症であると決定され得る。
【0194】
被験体は、血圧処置または血圧薬に対して反応し得ないか、または反応しないことについて選択され得る。高血圧被験体は、非薬理学的処置に対する不十分な反応について選択され得る。調製物は、第1の血圧処置、例えば、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII受容体遮断薬、利尿薬またはカルシウムチャネル遮断薬から選択される医薬の投与を含む処置と組み合わせて投与され得る。被験体は、第1の血圧処置に対する不十分な反応について選択され得る。調製物は、第2の血圧処置、例えば、第1および第2の血圧薬の投与を含む処置と組み合わせて投与され得る。被験体は、第1および第2の血圧処置に対する不十分な反応について選択され得る。調製物は、第3の血圧処置、例えば、第1、第2および第3の血圧薬の投与を含む処置と組み合わせて投与され得る。
【0195】
調製物は、非薬理学的処置と組み合わせて、高血圧を有するかまたは有することに基づいて選択される被験体に投与され得る。ステージ1高血圧を有する被験体であって、心血管リスク因子を他に有しない被験体は、非薬理学的処置と組み合わせて調製物を投与され得る。調製物は、単独では不十分であった少なくとも1つの血圧処置または血圧薬と組み合わせて投与され得る。いくつかの実施形態では、被験体は、調製物の投与の非存在下における処置に対する不十分な反応について選択される。ステージ1高血圧被験体は、第1、第2または第3の高血圧症処置に対する不十分な反応について選択され得る。いくつかの実施形態では、ステージ1高血圧被験体は、1つ、2つまたは3つ高血圧症薬と組み合わせて調製物を投与される。ステージ2高血圧被験体は、2つまたはそれを超える同時高血圧症処置、例えば、2つまたは3つの高血圧症薬の投与に対する不十分な反応について選択され得る。いくつかの実施形態では、ステージ2高血圧被験体は、2つまたは3つの高血圧症薬と組み合わせて調製物を投与される。
【0196】
被験体は、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95歳超であり得る。被験体は、毎分50〜100拍(bpm)、例えば50〜60、60〜70、70〜80、80〜90または90〜100bpmの安静時心拍数を有し得る。被験体は、73〜86bpm、例えば73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85または86bpmの安静時心拍数を有し得る。被験体の安静時心拍数は、処置当初、処置開始直前、処置1週間後、定常状態処置後、または処置の1、10、50もしくは100日後において評価され得る。被験体の安静時心拍数は、処置当初、処置開始直前、処置1週間後、定常状態処置後、または処置の1、10、50もしくは100日後において50超、60超、70超、80超、90超、100未満、90未満、80未満、70未満または60未満のbpmであり得る。被験体は、以下の民族/人種:アジア系、黒人もしくはアフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系もしくはラテン系、白人または多民族系の1つとして特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、被験体は、黒人、アフリカ系アメリカ人またはアフリカ系ではない。代替的な実施形態では、被験体は、黒人、アフリカ系アメリカ人またはアフリカ系であり得る。本明細書で使用される場合、アフリカ系は、少なくとも部分的なアフリカ系を含む。
【0197】
被験体は、血圧上昇の他にまたはそれに加えて障害、例えば心血管リスク因子を有し得る。被験体は、被験体がリスクを有する適応症、すなわち心血管リスク因子を有するかまたは有することに基づいて選択され得る。心血管リスク因子は、糖尿病、例えば1型または2型糖尿病、メタボリックシンドローム、体重増加(過体重、例えば24.9超のボディマス指数(BMI))、肥満症(例えば、29.9超のBMIを有する)、病的肥満(例えば、35超のBMIを有する)、腎機能不全、例えば慢性腎疾患、脂質レベルの上昇、例えば高密度リポタンパク質(HDLP)レベルの低下もしくは40、50もしくは60mg/dL未満のHDLPレベル、低密度リポタンパク質(LDLP)レベルの上昇もしくは25、50、70、100、130、160もしくは200mg/dL超のLDLPレベル、血栓症、動脈もしくは静脈の狭窄もしくは他の機能不全、冠動脈疾患、左心室動脈の肥大もしくは肥厚(左室肥大)、または脳卒中、心不全、心疾患、心臓発作もしくは高血圧の1つもしくはそれよりも多くの病歴から選択され得る。被験体は、1つもしくはそれを超える心血管リスク因子、1つもしくはそれを超える心血管リスク因子の家族歴、または1つもしくはそれを超える心血管リスク因子のために被験体がリスクを有する適応症を有し得る。いくつかの実施形態では、被験体は、心血管リスク因子、心血管リスク因子の家族歴、または心血管リスク因子のために被験体がリスクを有する適応症と組み合わせて、前高血圧または高血圧を有し得る。
【0198】
本明細書に開示される方法は、例えば、微生物または調製物の投与の前または後に、被験体の血圧に関する情報を入手または取得することを含み得る。被験体は、被験体以外の評価者、例えば医療提供者、例えば医師によって評価され得る。評価者は、被験体が血圧低下処置を必要とすると決定していてもよい。被験体は、血圧の調節または低下を必要とすると判定され得る。評価者は、被験体がAOMによる処置を必要とすると決定していてもよい。調製物は、トリガーまたは危険兆候、例えば血圧関連トリガーまたは危険兆候に応じて投与され得る。トリガーまたは危険兆候は、病歴、家族歴、血圧および/または心血管リスク因子の存在を含み得る。いくつかの実施形態では、調製物は、心血管リスク因子、または心血管リスク因子のために被験体がリスクを有する適応症に応じて投与され得る。評価者は、被験体が正常血圧、前高血圧、高血圧ステージ1、高血圧ステージ2または臨界高血圧を有すると決定していてもよい。調製物は、1つ、2つまたはそれを超える血圧処置または血圧薬に対する不十分な反応に応じて投与され得る。いくつかの実施形態では、AOMを含む調製物は、処方下で提供され得る。被験体は、AOMのための処方を受けていてもよい。
【0199】
一般に、第1のガイドラインとして、アフリカ系であるかまたは60歳もしくはそれを超える被験体は、(AHAまたはACCによって定義される)前高血圧またはステージ1高血圧を有し、いかなる心血管リスク因子を示さず、いかなる他の血圧薬もなしで調製物を投与され得る。このような被験体は、非薬理学的処置の推奨と組み合わせて調製物を投与され得る。アフリカ系であるかまたは60歳もしくはそれを超え、ステージ1高血圧、心血管リスク因子のいずれかを有し、もしくは非薬理学的処置に対して不十分な反応を示す被験体は、第1の血圧薬、例えばカルシウムチャネル遮断薬または利尿薬と組み合わせて調製物を投与され得る。このような被験体が非薬理学的処置または第1の血圧薬に対して不十分な反応を示す場合、被験体は、第1および第2の血圧薬、例えばカルシウムチャネル遮断薬または利尿薬およびアンジオテンシン変換酵素阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬と組み合わせて調製物を投与され得る。さらに、このような被験体が第1および第2の血圧薬に対して不十分な反応を示す場合、被験体は、第1、第2および第3の血圧薬、例えばカルシウムチャネル遮断薬、利尿薬およびアンジオテンシン変換酵素阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬のいずれかと組み合わせて調製物を投与され得る。
【0200】
別の一般的なガイドラインとして、アフリカ系ではないかまたは60歳未満である被験体は、(AHAまたはACCによって定義される)前高血圧またはステージ1高血圧を有し、いかなる心血管リスク因子も示さず、いかなる他の血圧薬もなしで調製物を投与され得る。このような被験体は、非薬理学的処置の推奨と組み合わせて調製物を投与され得る。アフリカ系ではなく、60歳未満であり、ステージ1高血圧、心血管リスク因子のいずれかを有し、または非薬理学的処置に対して不十分な反応を示す被験体は、第1の血圧薬、例えばアンジオテンシン変換酵素阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬と組み合わせて調製物を投与され得る。このような被験体が非薬理学的処置または第1の血圧薬に対して不十分な反応を示す場合、被験体は、第1および第2の血圧薬、例えばアンジオテンシン変換酵素阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬およびカルシウムチャネル遮断薬または利尿薬およびと組み合わせて調製物を投与され得る。さらに、このような被験体が第1および第2の血圧薬に対して不十分な反応を示す場合、被験体は、第1、第2および第3の血圧薬、例えばカルシウムチャネル遮断薬、利尿薬およびアンジオテンシン変換酵素阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬のいずれかと組み合わせて調製物を投与され得る。
【0201】
さらに別の一般的なガイドラインとして、(AHAまたはACCによって定義される)ステージ2高血圧または重大な高血圧緊急症血圧を有する被験体は、第1および第2の血圧薬、例えばカルシウムチャネル遮断薬または利尿薬の1つおよびアンジオテンシン変換酵素阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬の1つと組み合わせて調製物を投与され得る。上記ガイドラインは単なる例示であり、医師の推奨または処置に対する患者の反応にしたがって改変され得る。
【0202】
調製物の投与量および/または投与頻度は、例えば被験体における血圧をモジュレートする、例えば低下させるために十分であり得る。調製物は、ベースラインから収縮期血圧を少なくとも約6mmHg下げるために十分な量で投与され得る。例えば、調製物は、ベースラインから収縮期血圧を少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15mmHg下げるために十分な投薬量で適用され得る。調製物は、ベースラインから拡張期血圧を少なくとも3mmHg下げるために十分な量で投与され得る。例えば、調製物は、ベースラインから拡張期血圧を少なくとも0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10mmHg下げるために十分な投薬量で適用され得る。いくつかの実施形態では、調製物は、収縮期血圧および拡張期血圧の組み合わせを少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25mmHg下げるために十分な量で投与され得る。調製物は、別の血圧薬の非存在下で血圧を下げるために十分な量で投与され得る。調製物は、1つまたはそれを超える医薬、例えば血圧薬と組み合わせて血圧を下げるために十分な量で投与され得る。
【0203】
被験体が150mmHg未満、140mmHg未満または130mmHg未満の収縮期血圧を有するまで、任意の被験体は、必要に応じて処置または医薬と組み合わせて調製物を投与され得る。特に、被験体が80歳またはそれを超える場合、被験体が150mmHg未満の収縮期血圧を有するまで、被験体は調製物を投与され得る。被験体が55〜80歳である場合、被験体が140mmHg未満の収縮期血圧を有するまで、被験体は調製物を投与され得る。被験体が55歳未満である場合、被験体が130mmHg未満の収縮期血圧を有するまで、被験体は調製物を投与され得る。被験体が90mmHg未満または80mmHg未満の拡張期血圧を有するまで、被験体は、必要に応じて処置または医薬と組み合わせて調製物を投与され得る。被験体が55歳超である場合、被験体が90mmHg未満の拡張期血圧を有するまで、被験体は調製物を投与され得る。被験体が55歳未満である場合、被験体が80mmHg未満の拡張期血圧を有するまで、被験体は調製物を投与され得る。目標収縮期血圧および/または拡張期血圧は、例えば年齢、人種、家族歴、病歴、高血圧の程度および心血管リスク因子を考慮して、医師によって決定され得る。被験体の収縮期血圧、拡張期血圧または平均血圧は一定間隔で測定され、当業者の慣例にしたがって計算され得る。例えば、被験体の収縮期血圧、拡張期血圧または平均血圧は、携帯型血圧モニタリング(ABPM)によって決定され得る。
【0204】
いくつかの実施形態では、調製物の投与量または投与頻度は、例えば被験体の期間平均血圧をモジュレートする、例えば低下させるために十分であり得る。本明細書に記載される場合、期間平均血圧は、一定期間にわたる血圧の複数の日間値の平均を指す。特に明示的な記述がない限り、期間平均血圧を低下させることを対象とする本明細書に記載される方法は、血圧を実際に一定期間毎日取ることを必要とせず、むしろ効果は達成され、測定した場合には見られるであろう。期間平均の期間は、少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13または14日間であり得る。期間平均の日間値は、複数回、例えば少なくとも2、4、8、10、12、24または48回の測定の平均であり得る。測定は、24時間以内に行われ得る。投与量および/または投与頻度は、所定期間にわたって行われた複数回の個々の血圧測定の平均として測定した場合に、少なくとも10、15、20、30、40、50または60日間にわたって血圧の低下を達成するために十分であり得る。複数回は、少なくとも2、4、10、12、24または48回であり得る。複数回は、8、12、24、36、48、60または72時間にわたって行われ得る。いくつかの実施形態では、投与量および/または投与頻度は、被験体における24時間血圧測定値を低下させるために十分であり得る。
【0205】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、血圧の任意のモジュレーションまたは低下は、化粧および治療の両方において、様々な局所的または全身的な適応症の処置、抑制または予防に関連し得るか、それに付随し得るか、またはそれをもたらし得る。アンモニア酸化微生物組成物は、例えば、様々な局所的な治療処置または全身的な治療処置を提供するために適切な形態で投与され得る。本明細書に開示される組成物で処置され得る局所的症状の適切な例としては、局所感染症、炎症およびそれらに関連する症候が挙げられる。局在化症状は、目的の沈着物または標的組織に応じて大きく変動し得る。本明細書に開示される組成物で処置され得る全身症状の例としては、頭痛、心血管疾患、炎症、免疫反応および自己免疫障害、肝疾患、感染症、神経疾患、精神障害、一酸化窒素障害、尿素サイクル障害、鬱血、血管拡張障害、皮膚疾患、眼障害、腸障害、聴覚疾患、創傷治癒、昆虫刺傷に対する反応、ならびに特定のウイルス、細菌および真菌感染症が挙げられる。
【0206】
例えば、本明細書に開示される組成物で処置され得る全身症状としては、心血管疾患、例えば心保護、心不全、高血圧、肺動脈高血圧;免疫反応および自己免疫障害、例えば脱毛症および白斑;肝疾患、例えば非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH);神経疾患および精神障害、例えばうつ病、不眠症、糖尿病性ニューロパチー;一酸化窒素障害、例えば勃起機能不全;例えば褥瘡および介護老人福祉施設による創傷治癒、火傷、糖尿病性潰瘍、例えば足潰瘍、静脈性下肢潰瘍、バイオフィルムおよび口内炎;皮膚疾患および障害、例えば多汗症(hyperhydrosis)、掻痒、鶏眼、鶏眼のサブタイプ;眼障害、例えば眼瞼炎、ドライアイ、黄斑変性症および緑内障;腸障害、例えばグルテン過敏症;過敏性/炎症性腸疾患、クローン病、大腸炎および壊死性腸炎;聴覚疾患、例えば耳鳴り、聴力低下、めまい、掻痒、外耳炎および先天性異常;ならびに血管拡張障害、例えばルノー病、体温調節および片頭痛が挙げられる。様々な結合組織障害も処置され得る。ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる感染症、酵母感染症、癜風、爪白癬、足白癬/真菌症、頑癬、インキン、爪甲真菌症、ふけ、水虫、副鼻腔炎、メチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)、ブドウ球菌、中耳炎、外耳炎および細菌性膣炎を含む特定のウイルス、細菌および真菌感染症は、本明細書に開示の製剤で処置され得る。本明細書に開示される組成物で処置され得るさらなる全身症状としては、全身炎症、例えば湿疹、例えば成人および小児用湿疹、蕁麻疹、特発性尿毒症、扁平苔癬、昆虫刺傷、例えば蚊およびニキビダニに対するアレルギー反応を含む昆虫刺傷、ツタウルシに対する反応、痒み、毛孔性角化症、喉頭炎、天疱瘡、乾癬、酒さ、濾胞炎および濾胞炎のサブタイプ、化膿性汗腺炎(hidradenitis supportiva)、口囲皮膚炎、ループス発疹、脂漏性皮膚炎、例えば成人および小児脂漏性皮膚炎、座瘡、例えば青年期座瘡、成人座瘡および嚢胞性座瘡、おむつかぶれ、職業性手皮膚炎、日焼けならびに皮膚筋炎が挙げられる。加えて、本明細書に開示される組成物は、限定されないが、接触性皮膚炎、おむつ臭(例えば、成人および小児)、体臭、女性臭、フレーキング、爪の硬さ、体臭、油性肌、かみそり負け、皮膚外観、皮膚斑(skit blotchiness)、皮膚水和および黒点を含む特定の美容適応症を処置するために送達または適用され得る。本明細書に開示される組成物は、防虫剤または抗菌剤として適用され得る。
【0207】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、本明細書に開示される調製物、デバイスおよび/またはキットは、被験体における血圧の調節のために提供され得る。これらの調製物、デバイスおよび/またはキットは、本明細書に開示されるように、血圧を調節する方法と併せて使用され得る。
アンモニア酸化微生物の投与によるマイクロバイオーム適合製品の使用
【0208】
マイクロバイオーム適合製品は、本明細書に開示される調製物および方法と併せて使用され得る。様々な製品が「バイオームフレンドリー」または「バイオーム適合性」であると見なされ得る。バイオームフレンドリー製品の例は、国際(PCT)特許出願公開第2017/004534号(2016年7月1日に出願された国際(PCT)特許出願第PCT/US/2016/040723号)(これは、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。いくつかのバイオームフレンドリー製品は、化粧用または治療用の性質であり得る。1つまたはそれを超える実施形態によれば、バイオームフレンドリー製品は、微生物、例えば非病原性微生物、例えばアンモニア酸化微生物と組み合わせて使用され、そしてこれらは、被験体に適用すべき調製物または組成物の形態で使用され得る。本明細書に開示されるアンモニア酸化組成物は、バイオームフレンドリーまたはバイオーム適合製品と併せて化粧適応症または治療適応症のために投与され得る。
【0209】
1つまたはそれを超える実施形態によれば、例えば化粧用途または治療用途のための、アンモニア酸化微生物を含む調製物、組成物、製剤または製品は、それ自体がバイオームフレンドリーであると見なされ得る。他の実施形態では、アンモニア酸化微生物を含む調製物は、バイオームフレンドリー製品と併せて使用され得る。いくつかの実施形態では、アンモニア酸化微生物を含む調製物は、バイオームフレンドリー製品と混合され得るか、または他の方法で同時投与され得る。他の実施形態では、アンモニア酸化性微生物を含む調製物は、バイオームフレンドリー製品とは区別可能または別個のものであり得るが、それと併せて潜在的に使用される。いくつかの実施形態では、バイオームフレンドリー製品は単独で使用される。バイオームフレンドリー製品と併せて使用するためのアンモニア酸化微生物組成物調製物は、化粧用途または治療用途のために製剤化され得る。
【0210】
バイオームフレンドリーまたはバイオーム適合製品は、任意の送達様式のために製剤化された、例えば被験体への、例えば被験体の標的組織、領域、系または器官への標的送達のために製剤化されたアンモニア酸化性微生物調製物と併せて使用され得る。例えば、バイオームフレンドリー製品と併せて使用すべきアンモニア酸化性微生物調製物は、被験体の眼、耳、鼻、泌尿生殖器系、呼吸器系または胃腸系への送達のために製剤化され得る。いくつかの実施形態では、バイオームフレンドリー製品と共に使用するためのアンモニア酸化性微生物組成物は、被験体の症状または障害に基づいて標的送達のために製剤化され得る。例えば、標的送達のための製剤は、達成すべき所望の局所的または全身的な効果、例えば局所的または全身的な治療効果または化粧効果に基づき得る。
【0211】
本開示と共に使用され得るバイオームフレンドリー化粧製品は、ベビー製品、例えばベビーシャンプー、ベビーローション、ベビーオイル、ベビーパウダー、ベビークリーム;浴用調製物、例えばバスオイル、タブレット、ソルト、バブルバス、バスカプセル;アイメークアップ用調製物、例えばアイブローペンシル、アイライナー、アイシャドー、アイローション、アイメークアップリムーバー、マスカラ;香料調製物、例えばコロン、オードトワレ、香水、パウダー(ダスティングおよびタルカム)、サシェ;毛髪用調製物、例えば毛髪コンディショナー、ヘアスプレー、ヘアストレート剤、パーマネントウェーブ剤、リンス、シャンプー、トニック、調髪料、整髪補助剤、ウェーブセット剤;毛髪着色用調製物、例えば毛髪染料およびヘアカラー、染毛剤、着色用ヘアリンス、着色用ヘアシャンプー、着色ヘアライトナー、ヘアブリーチ;メークアップ用調製物、例えばフェースパウダー、ファンデーション、レッグおよびボディペイント、口紅、メークアップベース、頬紅、メークアップ定着剤;マニキュア用調製物、例えばベースコートおよびアンダーコート、キューティクル軟化剤、ネイルクリームおよびローション、ネイルエクステンダー、ネイルポリッシュおよびエナメル、ネイルポリッシュおよびエナメルリムーバー;口腔衛生製品、例えば歯磨剤、マウスウォッシュおよびブレスフレッシュナー;浴用石鹸、例えば発泡性ボディ洗浄料および洗剤、デオドラント、ビデ、女性用衛生デオドラント;シェービング用調製物、例えばアフターシェーブローション、髭軟化剤、タルカム、プレシェーブローション、シェービングクリーム、シェービングソープ;スキンケア用調製物、例えばクレンジング、脱毛剤、顔および首、身体および手、足用パウダーおよびスプレー、保湿料、夜用調製物、ペーストマスク、スキンフレッシュナー;ならびに日焼け用調製物、例えばジェル、クリームおよび液体および屋内タンニング用調製物のいずれか1つまたはそれよりも多くであり得るか、それらを含み得るか、またはそれらの中に配置され得る。
【0212】
本明細書に記載される製品、例えばマイクロバイオーム適合化粧製品、例えばシャンプー、コンディショナーおよびクレンザーは、症状、疾患または障害の処置と併せて使用され得る。これらの化粧製品は、治療目的または化粧目的のためにアンモニア酸化微生物の投与と併せて使用され得る。例えば、アンモニア酸化細菌を被験体に投与する処置期間または化粧期間を通して、マイクロバイオーム適合化粧製品は使用され得る。マイクロバイオーム適合化粧製品は、被験体へのアンモニア酸化細菌の投与による治療的症状または化粧的症状の処置の開始前の一定期間にわたって使用され得る。マイクロバイオーム適合化粧製品は、被験体へのアンモニア酸化細菌の投与による治療的症状または化粧的症状の処置の開始後の一定期間にわたって使用され得る。マイクロバイオーム適合化粧製品は、被験体へのアンモニア酸化細菌の投与による症状の治療的処置または化粧的処置の中止後の一定期間にわたって使用され得る。
【0213】
いくつかの実施形態では、被験体は1つまたはそれを超える化粧製品を適用し、アンモニア酸化微生物の投与前に一定期間待機し得る。他の実施形態では、被験体はアンモニア酸化微生物を投与し、1つまたはそれを超える化粧製品を適用する前に一定期間待機し得る。
【0214】
被験体が待機し得る期間は、1つまたはそれを超える化粧製品の適用後、およびアンモニア酸化微生物の投与前約1分間、5分間、10、15、20、25、30、45、60、90、120分間または3時間、4、5、6、7、8、12、18、24時間であり得る。
【0215】
被験体が待機し得る期間は、アンモニア酸化微生物の投与後、および1つまたはそれを超える化粧製品の適用前約1分間、5分間、10、15、20、25、30、45、60、90、120分間または3時間、4、5、6、7、8、12、18、24時間であり得る。
【0216】
これらのおよび他の実施形態の機能および利点は、以下の非限定的な実施例からより十分に理解されよう。実施例は本質的に例示的なものであり、本明細書で議論される実施形態の範囲を限定するとみなされるべきではない。
【実施例】
【0217】
実施例1:局所スプレーとして送達したB244(Nitrosomonas eutropha D23)の二重盲検、ビヒクル対照、無作為化漸増14日間複数回投与研究
研究の主な目的は、尋常性座瘡を有する被験者における、プラセボと比べたB244の安全性および耐容性を評価することであった。
【0218】
このヒト臨床研究のために、3つの用量のB244を選択した。合計9人の被験者を3つの各B244用量群に割り当て、9人の被験者をプラセボ群に別々に割り当てた。
【0219】
被験者は、局所スプレーによって14日間にわたって顔への1日2回投与を受けた。14日後、ウオッシュアウトを行った。以下のように、3回の用量を適用した:
・低用量:細胞2×10
9個/ml(3マイクロモルの亜硝酸塩)
・中用量:細胞4×10
9個/ml(4マイクロモルの亜硝酸塩)
・高用量:細胞8×10
9個/ml(11マイクロモルの亜硝酸塩)
【0220】
3つの用量レベルのB244(およびプラセボ)はすべて耐容性良好であり、安全性の問題は確認されなかったので、主要エンドポイントは達成された。
【0221】
関連血圧データ(異なる用量群の収縮期および拡張期)は、
図1〜3として本明細書に添付されている。特に高用量群において有意であった血圧低下は、皮膚に対するB244改変NO/NO2の薬力学的効果を表し得る。スクリーニング時および1日目/投与前(ベースラインとして定義される)、処置期間中(3、7、10、15日目)、ならびに28日目の2週間ウオッシュアウト後、血圧を測定した。高用量群では、処置期間収縮期血圧はベースラインから6.1mmHg低下し(SD=5.9;p=0.014)、処置期間拡張期血圧はベースラインから3.56mmHg低下した(SD=4.49;p=0.041)。特に、処置中およびウオッシュアウト後の両方において、有意な血圧低下が起こった。
【0222】
比較すると、プラセボ群では、ベースラインからの処置期間収縮期血圧および拡張期血圧の変化は、それぞれ−0.34(SD=7.80;p=0.94)および−1.19(SD=4.57;p=0.486)であった。
【0223】
血圧低下に関して観察された薬力学的効果は、皮膚における一酸化窒素のモジュレートに関する提案機構を裏付けている。これらの血圧結果は、前高血圧およびステージ1高血圧患者におけるB244(特に、高用量)の使用の確認研究をさらに裏付けている。
実施例2:局所スプレーとして送達したB244(Nitrosomonas eutropha D23)による収縮期血圧低下
【0224】
毎分約73〜86拍(bpm)の平均安静時ベースライン心拍数を有する58人の被験者に対して、研究を実施した。被験者は、4回または8回のいずれかのスプレー(各スプレーは、150μLの細胞8×10
9個/ml B244を含有する)の投与を、局所スプレーによって28日間にわたって1日2回受けた。研究を通して、被験者の収縮期血圧を測定した。
【0225】
日中収縮期血圧について、ベースラインからの5.9mmHgの低下(−5.9mmHg)の平均推定処置効果があった。被験者は、ベースラインからの約10.0〜1.9mmHgの低下(−10.0〜−1.9mmHg)を経験した。プラセボを受けた被験者は、日中収縮期血圧の有意な変化を経験しなかった(p=0.005)。
実施例3:局所スプレーとして送達したB244(Nitrosomonas eutropha D23)の研究
【0226】
132人の被験者に対して、研究を実施した。被験者は、局所スプレーによって14日間にわたって顔へのまたは顔および胴への1日2回の投与を受けた。研究を通してAMBPによって、被験者の日中収縮期血圧、日中拡張期血圧および日中平均動脈血圧を測定した。以下のように、被験者群を編成した:
・顔および胴への8回のスプレー(それぞれが、150μLの細胞8×10
9個/ml B244を含有する)
・顔への4回のスプレー(それぞれが、150μLの細胞8×10
9個/ml B244を含有する)
・8回のスプレー(それぞれが、150μLのプラセボを含有する)
・4回のスプレー(それぞれが、150μLのプラセボを含有する)
【0227】
顔および胴への適用は、耐容性良好であった。傾向は、顔への適用が顔および胴への適用よりも有効であったことを示唆している。研究参加者のうち、高血圧被験者では、前高血圧被験者と比較して、日中血圧の最大の低下が観察された。顔への4回のスプレー(それぞれが、150μLの細胞8×10
9個/ml B244を含有する)の投与を受けた非アフリカ系被験者では、平均動脈血圧の最も有意な低下が観察された。
【0228】
外来血圧モニタリング測定により、B244 4回スプレー群では、プラセボと比較して、28日目よりもベースライン時における夜間収縮期BPの低下が有意に高いことが示されたが、これは、この処置群では、夜間から日中にかけて収縮期BPの上昇がより低いことを示唆している。夜間から日中にかけてのBPの急上昇は、有害な心血管転帰に関連する。
【0229】
本発明の特定の実施形態を議論したが、上記本明細書は例示的なものであり、制限的なものではない。本発明の多くの変形は、本明細書および以下の特許請求の範囲の検討により当業者には明らかになるであろう。本発明のすべての範囲は、均等物の全範囲と共に特許請求の範囲を参照し、このような変形と共に本明細書を参照することによって決定されるべきである。
【0230】
特定の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。
【国際調査報告】