特表2020-504269(P2020-504269A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-504269フランジ継手の平型ガスケット用の取付装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-504269(P2020-504269A)
(43)【公表日】2020年2月6日
(54)【発明の名称】フランジ継手の平型ガスケット用の取付装置
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/00 20060101AFI20200110BHJP
   F16L 23/02 20060101ALI20200110BHJP
   B25B 27/14 20060101ALI20200110BHJP
【FI】
   F16J15/00 C
   F16L23/02 D
   B25B27/14 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-527185(P2019-527185)
(86)(22)【出願日】2017年12月2日
(85)【翻訳文提出日】2019年5月20日
(86)【国際出願番号】DE2017000411
(87)【国際公開番号】WO2018113808
(87)【国際公開日】20180628
(31)【優先権主張番号】102016015190.0
(32)【優先日】2016年12月21日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】390035448
【氏名又は名称】フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(72)【発明者】
【氏名】ヤークトフェルト・ハインツ
(72)【発明者】
【氏名】ゼムケ・ラリサ
【テーマコード(参考)】
3C031
3H016
【Fターム(参考)】
3C031EE34
3H016AB06
3H016AB07
3H016AC01
3H016AD05
3H016AD15
(57)【要約】
本発明は、フランジ継手の平型ガスケット(3)用の取付装置に関し、フランジ継手は、第1のフランジ(4)と、第2のフランジ(8)と、フランジ間に配置された平型ガスケットとを含み、取付装置は、両フランジ間の空隙のための少なくとも1つのクランプ片(13)を有し、クランプ片(13)は、端部において、平型ガスケットを保持するための突起部(9)を形成するように先細りしている。フランジ継手のための取付方法が開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ継手の平型ガスケット(3)用の取付装置であって、前記フランジ継手は、第1のフランジ(4)と、第2のフランジ(8)と、前記フランジ間に配置された平型ガスケットとを含む、取付装置において、
前記取付装置(1,2)は、両前記フランジ間の空隙のための少なくとも1つのクランプ片(13)を有し、前記クランプ片(13)は、端部において、前記平型ガスケットを保持するための突起部(9)を形成するように先細りしていることを特徴とする、取付装置。
【請求項2】
U型断面を有するCクランプ(1)の形態を備えること特徴とする、請求項1に記載の取付装置。
【請求項3】
L型断面を有するクランプブラケット(1)の形態を備えること特徴とする、請求項1に記載の取付装置。
【請求項4】
ジョイントを備える2脚のクランプブラケット(1)を含むこと特徴とする、請求項3に記載の取付装置。
【請求項5】
前記取付装置を前記フランジ(4)の外側に固定するための固定手段(2)、特に、ローレットナット、又はローレットボルト、又はクイックファスナーを有すること特徴とする、請求項1から4のいずれか一つに記載の取付装置。
【請求項6】
六角ボルトと、六角ナットと、ワッシャと、請求項1から5のいずれか一つに記載の少なくとも1つの取付装置(1,2)と、任意選択で、少なくとも1つのフランジ、及び/又は平型ガスケットとを含む、(Q)CFフランジを接合するためのキット。
【請求項7】
2つのフランジ(4,8)を含むフランジ継手に平型ガスケット(3)を取り付けるための方法において、
a)平型ガスケット(3)がフランジ(4)の溝(12)に挿入され、前記平型ガスケット(3)の外縁が、前記溝(12)の外縁に当接するステップと、
b)クランプ片(13)と、前記クランプ片(13)の端部において先細りしている突起部(9)とを備える取付装置が選択され、前記取付装置の前記クランプ片の厚さが、前記平型ガスケット(3)の厚さよりいくらか小さく選択されるステップと、
c)前記取付装置の前記クランプ片(13)が、前記フランジ(4)の内側に押圧され、前記クランプ片の前記突起部(9)が、前記平型ガスケット(3)の外縁を越えて、かつ前記フランジ(4)の前記溝(12)に対向して位置決めされるステップと、
d)前記取付装置が、前記フランジ継手(4,8)のための空隙の外側に配置された固定手段(2)によって前記フランジ(4)に固定され、これにより前記平型ガスケット(3)は前記溝(12)内に固定されるステップと、
e)前記第2のフランジ(8)が前記第1のフランジ(4)に対して押圧され、前記第2のフランジ(8)は、前記クランプ片(13)よって前記平型ガスケット(3)から離間されるステップと、
f)前記取付装置の前記固定手段が取り外され、保持片(13)がフランジ間の間隙から取り除かれ、前記平型ガスケット(3)は前記溝(12)内の定位置に保持されたままであるステップと、
g)前記フランジを接合するための手段によって押圧力が発生され、前記平型ガスケットは前記フランジ継手内で変形されるステップと、
を有することを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記フランジ(4)の前記溝(13)内の前記平型ガスケット(3)の正しい配置は、前記ステップd)と前記ステップe)との間で、前記溝内で前記平型ガスケットが自由に回転できることによって確認されることを特徴とする、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記押圧力は、前記フランジを互いに固定するためのボルト(5)によって発生され、前記ボルトは前記ステップe)の後、かつ前記ステップf)の前に、前記フランジ(4,8)を経て案内され、前記フランジはナット(5)で互いに緩く固定されるため、取付装置としてのCクランプが、互いに緩く固定された前記フランジのフランジ(4)から取り外され、前記保持片(13)は前記フランジ(4,8)間の間隙から取り除かれ、前記平型ガスケット(3)はフランジ(4)及び相手フランジ(8)の前記溝(13)内に位置決めされたままであることを特徴とする、
請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記押圧力は、前記フランジを互いに固定するためのクランプチェーンによって発生され、前記クランプチェーンは前記ステップf)の後、取付装置としてのクランプブラケットを取り外し、取り除いた後に、両前記フランジに巻き付けられ、前記平型ガスケットはフランジ(4)及び相手フランジ(8)の前記溝(12)内に位置決めされたままであることを特徴とする、
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
両前記フランジ(4,8)の両ナイフエッジ(10)が、いずれも前記取付装置の前記クランプ片(13)の前記突起部(9)に接触しないため、前記ナイフエッジが損傷から保護されていることを特徴とする、
請求項7から10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
平型ガスケット(3)用の溝(12)と、前記フランジ(4,8)の空隙に配置されているクランプ片(13)であって、前記クランプ片の自由端に突起部(9)を備えるクランプ片(13)を備える取付装置(1,2)とを備える第1のフランジ(4)を含み、前記突起部(9)と前記溝(12)とは、共に前記平型ガスケットのための強制ガイドを形成する、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フランジ継手の平型ガスケット用の取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CFフランジは、ISO3669の公称内径DN16〜DN250に、より詳しくは、ISO/TS3669−2の公称内径DN10〜DN400に記載されている。
【0003】
CFフランジは、特にバリアン社のコンフラット(CONFLAT)フランジに基づいている。CFフランジは、超高真空(UHV)部品の接合に利用され、フランジ自体はステンレス製であり、ガスケットの材料は通常は銅である。
【0004】
CF継手は、ナイフエッジを備える対称の2つのフランジと、CFフランジの浅い挿し込み箇所、ねじ込み箇所、又は溝にセンタリングされる金属製の平型ガスケットと、必要な高い押圧力を供給する十分な個数のボルトと、から構成される。それぞれ穴の位置を合わせることができる固定フランジに加えて、回転可能なカラーフランジがあり、その結果、これらのフランジは、それらの主軸の周りに任意に合わせることができる。
【0005】
超高真空(UHV)を生成するためには、材料及び接合に対して個別の要求がなされる必要がある。このため、UHV技術では、CF規格ISO/TS3669−2:2007が確立されている。CFフランジは、CNC旋盤のステンレス製円形板金から製造される。フランジは、通常二部構成であり、ガスケット面を備える内側部と、ボルト穴を備える外側部と、から構成されている。フランジは、真空側にガスケットを収容するための溝と、ガスケット面としてのナイフエッジとを有する。CFフランジの密閉は、UHV技術で必要な低い漏れ率と高い加熱耐性とがあることから、無酸素(OFHC)銅製の平型ガスケットにより行われる。これは、一般に、ナイフエッジによる塑性変形のため一度のみ使用可能である。ここで、押圧力は、例えば遅滞なく締められるボルトによって発生する。
【0006】
取付けの際、フランジのナイフエッジが密閉シールワッシャに押し込まれて、これを変形させる。外側のナイフ側面ではいわゆる圧出が行われ、内側のナイフ側面では同時に切込み過程が行われる。冷間押出しは外側の垂直フランジ壁面によって制限されるため、境界層に非常に高い圧力が発生する。高圧下では、銅はナイフ側面の微細構造に適合したものとなり、より小さい表面欠陥を埋め、これにより、金属の超高真空気密接合が生成される。
【0007】
QCF部品と、これに関連するクランプチェーンVaCFix(登録商標)は、バーコム社による開発製品である。それらは円錐形の締結面を有し、ConFlat(登録商標)フランジの密閉原理(ISO/TS3669−2に準拠したナイフエッジ)と、いわゆるチェーンロックによる簡単な取付けとを兼ね備える。QCF部品は、より速く、より簡単に、同時にスペースをより節約して取り付けることができ、アダプタを用いて既存の全ての真空装置に一定に接続することができる。CF−QCFアダプタを用いることで、ユーザは既存のUHV装置にQCF接合技術を適用でき、ひいては柔軟に、サプライヤに依存せずに作業できる。QCF技術の利点は、取付時間が最大75%短縮されることである。
【0008】
(Q)CFフランジ継手は、1.0E−11mbarI/s未満の低い漏れ率を有し、加熱可能である。CFフランジは、DN10からDN400までのサイズ、QCFフランジは、DN16からDN100までのサイズで入手可能である。
【0009】
多種多様なキット及びフランジ継手が、様々なサプライヤから入手可能である。CFフランジには、パイプ連結部、レジューサ部品、T型部品及びクロス部品の有無にかかわらず、回転可能な、又は固定のフランジ継手、並びにその他多数の部品が販売されている。
【0010】
(Q)CFフランジ継手は前述の利点を有するが、実際にはまだいくつかの重大な欠点を有する。例えば、取付位置及び位置関係に困難がある場合、最初は手作業か、又は例えばドライバ、プレート、粘着テープ等、即席の補助具を用いて、ガスケットを最初に両フランジ間で正しい位置に、すなわち溝内に導入して、そこで保持することが試みられる。
【0011】
不利な点は、例えば地面に向かって配置されたガスケット面の垂直な配置および同時に狭い位置関係のように、取付位置が困難で狭いある場合、ガスケットが頻繁に溝から外れて地面に落下するか、又は溝の上、若しくは溝の中において留まるように設定された場所に正確には留まらないことである。そうすると、ガスケットは通常、損傷若しくは汚れのために、又は表面の切込み不良のために、2回目をもはや使用することができないか、或いはこのようにして製造されたフランジ継手は、数時間の排気後でさえ、必要な低い漏れ率を有さない。
【0012】
多くの場合、必要とされる入念な取付けを実行するために、取付けに2人又はそれどころかさらにより多くの人員が必要とされる。これは、人件費の増加及び追加費用の発生につながり不都合である。溝内のガスケットの僅かなずれでさえも、非常に頻繁に漏れをもたらすのであり、かかる漏れは、更なる取付作業を追加で行うことにより、再度排除する必要がある。その場合、真空用途では、システム全体を定期的に新たに清掃して排気する必要があり、これは時間と費用の増加につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の課題は、容易な方法で、かつその際安価に、平型ガスケットをフランジ継手に意図した通りに取り付けることを可能にする、フランジ継手の平型ガスケット用の取付装置を提供することである。本発明の別の課題は、本発明による装置を使用して、コスト、時間、人件費及び材料費を削減するか、又はそれどころか完全に回避するのに役立ち、かつ同時に、平型ガスケットを正確な場所において意図した通りに確実に取り付け、最終的にフランジ継手の漏れ率を低減させるフランジ継手のための平型ガスケットの取付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、特許請求項1に記載の装置、又は従属請求項に記載のキット及び方法によって解決される。これらに対する有利な形態は、これらを引用する請求項から生じる。
発明の説明
【0015】
取付装置は、フランジ継手の平型ガスケットのために設けられている。フランジ継手は、第1のフランジと、第2の(相手)フランジと、これらのフランジ間に配置された平型ガスケットとを含む。相手フランジの代わりに、平型ガスケットを変形し、ひいてはフランジ継手の気密性をもたらす押圧力を及ぼすその他の接合要素を設けることも可能である。これには例えば、アダプタ、T部材、マニホールド、ベローズ、点検窓、測定装置、ポンプ等が含まれる。
【0016】
取付装置は、有利には自由端で突起部を形成するように先細りしている少なくとも1つのクランプ片を有する。
【0017】
突起部は、有利にはクランプ片の最も外側の自由端と、その延長部にのみ配置されている。両フランジ間の空隙に嵌合するクランプ片によって、両フランジ間に間隙が発生する。
【0018】
クランプ片の自由端に配置された突起部は、有利にはフランジの溝と共に平型ガスケット用の強制ガイドを形成し、フランジ継手をさらに取り付けている間、平型ガスケットはその強制ガイドから外れなくなる。有利には、これにより、フランジ継手を取り付けている間、平型ガスケットが溝内に高精度で位置決めされたままであるように作用する。フランジの溝と、クランプ片の突起部とから成る共通の装置としてのこの強制ガイドは、本発明によれば、平型ガスケットのずれを防止するために必要である。
【0019】
これは、フランジ継手の取り付けが、一人の人間のみによってもその他の補助具なしに実行可能であるという有利な作用をもたらす。
【0020】
本発明による取付装置自体は、それぞれのフランジの種類に適合できる様々な形態を有することができる。
【0021】
ここで、取付装置の本発明による特徴はそれぞれ、以下に説明するように、フランジ間の間隙内に平型ガスケットを保持するために、クランプ片の自由端に配置された突起部、及びクランプ片の厚さである。
【0022】
ここで、突起部は、クランプ片の延長部に、又はその一直線の並びに配置されており、それもクランプ片の側面に配置されており、このクランプ片は相手フランジの方向に方向付けられている。
【0023】
取付装置は、例えばCクランプの形態を有することができる。Cクランプは、この場合、横断面においてU型断面を有し、U型の脚部が、フランジの空隙のための突起部を備えるクランプ片によって形成される。
【0024】
或いは、取付装置は円形のクランプブラケットの形態を有してもよく、このクランプブラケットはQCFフランジの外周上に載置され、それに外側を固定することができる。この取付装置は、この場合、横断面がL型断面を有し、L型の脚部が、フランジの空隙のための突起部を備えるクランプ片によって形成される。これに対して、これに垂直に形成された領域は、フランジの外周上に載置され、例えばローレットナット等の固定手段を支持する。
【0025】
取付装置のU型断面は、特にCFフランジ継手に有利である。クランプ片と平行に配置された脚部は、取付装置をフランジに固定するための固定手段を支持する。
【0026】
取付装置のL型断面は、QCFフランジ継手に特に有利である。本発明による取付装置としてのクランプブラケットは、フランジの外縁を完全に包囲し、クランプ片はU型の場合の様に、両(Q)CFフランジ間に間隙を形成する。
【0027】
取付装置は、好ましくはVAステンレス製である。
【0028】
QCFフランジ継手に対して、取付装置は、特に両ブラケット間にジョイントを備える2脚のクランプブラケットを含むことができる。ジョイントは、有利にはフランジにおける取付装置の容易な開閉を保証するように実施され、その結果、クランプブラケットの両脚部のうち一方のみを取り外せばよく、2つのクランプ片を備える他方の脚部はフランジの外周に、又は平型ガスケットを保持するためにそのまま残る。
【0029】
本発明の一形態では、クランプブラケットはフランジ継手の空隙に均等に嵌合する、少なくとも2つ、好ましくは3つ、より良好には4つ、場合によってはより多くのクランプ片を有し、クランプ片はそれらの端部において、それぞれ突起部まで急激に先細りしている。
【0030】
本発明による取付装置のクランプ片の最大厚さは、平型ガスケットの厚さよりも小さいのが望ましい。
【0031】
これは、相手フランジを取り付ける際に、両フランジ間の距離が平型ガスケットの厚さよりも小さく、ひいては平型ガスケットの脱落又はずれが不可能であるという有利な作用をもたらす。
【0032】
クランプ片の端部における突起部の厚さは、クランプ片の厚さと、ガスケットがナイフエッジに当接している時のガスケットの突出部との差よりも小さいのが望ましい。
【0033】
(Q)CFフランジのISO規格によると、平型ガスケットは相応に溝に完全には埋設されておらず、平型ガスケットが両フランジ間の空隙に突出する突出部を断面に有する。
【0034】
理想的には、クランプ片を取り付けた際、ガスケットがまだ溝内で自由に回転できるように寸法を選択するのが望ましい。これにより、ガスケットがナイフエッジに押圧されず、これを破損しないことが保証される。また、ガスケットが正しく装着されているかをこうして容易にチェックすることができる。
【0035】
有利には、クランプ片の端部の突起部は、クランプ片の厚さ全体の約10〜40%、好ましくは20〜30%、特に約25%である。クランプ片の最大厚さD1は、例えば平型ガスケットの厚さD2が2mmの時、1.9mmとすることができる。次に、この比較によると、突起部は約190〜760μm、好ましくは380〜570μm、特に約475μmの厚さを有する。
【0036】
有利には、クランプ片は、端部に突起部を形成するため急激に先細りしている。つまり、クランプ片はその端部まで一定には先細りしていない。クランプ片の突起部は、有利には、溝内の意図された位置において平型ガスケットの外縁で平型ガスケットを保持する。
【0037】
さらに、取付装置は、取付装置をフランジに固定するための固定手段を有する。固定手段は、特に、取付装置をフランジの外側に固定するためのローレットナット、又はローレットボルト、又はクイックファスナーである。ここで、取付装置としてのクランプブラケット、又はCクランプの形態により、有利には固定手段がフランジ間の空間の外側に配置されていることが保証される。ローレットナットを締めることによって、ボルトはフランジの外側に螺合し、その結果、取付装置はフランジの外側に固定され、空隙内へ突出した突起部は、クランプ片の自由端において、平型ガスケットを溝への形状接合式の強制ガイドに保持する。
【0038】
有利には、特にCFフランジを接合するためのボルトキットも同様に本発明の対象であり得る。有利には、この場合キットは例えばISO4017による六角ボルトと、例えばISO4032による六角ナットと、例えばISO7089によるワッシャと、本発明による少なくとも1つの取付装置とを含む。任意選択で、キットは1つ若しくは複数のフランジ、及び/又は平型ガスケットを有することができる。
【0039】
2つのフランジを含むフランジ継手に平型ガスケットを取り付けるための方法は、以下のステップによって特徴付けられる。
【0040】
a)平型ガスケットを(第1の)フランジの溝に挿入する。この時、平型ガスケットの外縁は、溝の外縁に当接する。
【0041】
これは、平型ガスケットの外縁が溝の外縁に適合し、平型ガスケットが第1のフランジのナイフエッジと接触するという有利な作用をもたらす。平型ガスケットの外縁は、ISO規格によれば、部分的に溝の外縁に当接している。溝は、フランジの外形における窪みを表す。窪みはさらに、ステップb)又はステップc)で示されるように、クランプク片の突起部と共に本発明による装置として、強制ガイドの一部を形成する。平型ガスケットは両フランジ間の空隙内に少し、溝に自由面が対向した状態で突出しており、上述の突出部を形成する。
【0042】
b)フランジの空隙のためのクランプ片と、クランプ片の端部に先細りの突起部とを備える本発明による取付装置が選択される。
【0043】
クランプ片の自由端に配置された突起部は、フランジの溝と共に、平型ガスケットのための強制ガイドとして形状接合式の装置を形成し、フランジ継手をさらに組み立てる間に、平型ガスケットがそこから外れることはなく、その後第2のフランジを取り付ける。これは、フランジ継手を組み立てる間に、平型ガスケットが溝内に位置決めされたままであるという有利な作用をもたらす。U型断面(Cクランプ)を備える取付装置の場合、平型ガスケットが定位置に保持されるように、この取付装置の少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つがフランジ上に均等に分布して配置されるのが望ましい。L型断面のクランプブラケットの場合、これは、少なくとも1つの部分、好ましくは2つ、又はより良好にはさらに4つの部分を有するのが望ましく、これらの部分は突起部を備えるクランプ片として構成されており、フランジの内面に均等に分布して配置することができる。
【0044】
重要なのは、取付装置のクランプ片の厚さD1が、利用される平型ガスケットの厚さD2よりわずかに小さく選択されることである。これは、平型ガスケットがさらにフランジの溝内で保持され、溝から外れて落下したり引っ掛かったりしないという有利な作用をもたらす。
【0045】
c)これに加えて、取付装置のクランプ片は、フランジの内側に押圧される。内側はフランジの空隙に向いている。この時、クランプ片の突起部は、平型ガスケットの外側の、露出した、かつ空隙に向いている表面に当接し、平型ガスケットが当接しているこのフランジの溝に対向して位置決めされている。これにより、取付装置は、溝内の平型ガスケットに対して形状接合式の強制ガイドを形成する。
【0046】
これに関連して、「わずか」という用語は、突起部の長さが、突起部の前側の自由端が位置の少し前で終了し、ナイフエッジに対向した状態で終了しないように選択されることを意味する。これにより、有利にはガスケットがナイフエッジ領域で、又はナイフエッジ領域(真空領域)内部ですら突起部によって接触されていないため、ガスケットの汚染又は損傷が生じ得ないことが保証される。
【0047】
取付装置のクランプ片は、この目的のために、フランジの内側に直接当接した面と、相手フランジに方向付けられた最初は自由な面とを有する。
【0048】
d)取付装置は、フランジ継手のための空隙の外側に配置された固定手段によって、フランジの外側で固定され、これにより平型ガスケットが溝内に固定される。
【0049】
このために、取付装置のローレットナット、又はローレットボルトを第1のフランジの外壁に対して螺合させることができる。ここでさらに、取付装置の内向きクランプ片は、突起部で平型ガスケットの外縁をわずか越えて突出し、かつ、ローレットナット、又はローレットボルトを締めることにより、この平型ガスケットをその位置に固定する。
【0050】
もちろん、UHV技術の分野の当業者であれば、例えば取付装置用のクイックファスナー等、別の固定手段を選択することができる。
【0051】
e)平型ガスケット変形のための押圧力をもたらす相手フランジ、又は別の継手部品が、第1のフランジに対して押圧され、第2のフランジの空隙に向いた面が、クランプ片によって最初に平型ガスケットから離間される。両フランジは、例えば両CFフランジの穴にボルトを挿入して固定することによって固定されるか、又はQCFフランジのための従来技術によるクランプチェーンのボルトによって互いに固定される。ただし、これらの固定手段は、強く締め付けられる。
【0052】
クランプ片は、取付装置の突起部と共に、フランジの互いに向き合う両面を、最初は互いに離間し、それらの厚さD1によってフランジ間に間隙を形成するが、D2>D1である厚さD2を有する平型ガスケットはここから抜けることができない。
【0053】
f)取付装置の固定手段が取り外され、クランプ片がフランジ間の間隙から取り除かれ、平型ガスケットはその正確な位置に留まる。
【0054】
クランプ片が平型ガスケットよりわずかに薄いため、平型ガスケットはその位置に、つまり、正確に両フランジの溝内に留まる。
【0055】
g)フランジを接合するための手段によって押圧力が発生し、平型ガスケットがフランジ継手において変形する。
【0056】
このために、第2のフランジは、フランジを接合するための手段によって、第1のフランジと直接接触する。最初にクランプ片によって発生した、橋絡された間隙は、取付装置のクランプ片を空隙から取り除いた後、従来技術のボルト、又はクランプチェーンの固定部を締めることによって、第1のフランジの溝に保持されている平型ガスケットが、第2のフランジの溝に押されるまで常に減少する。両フランジを、意図した通りに互いにさらに固定することによって、平型ガスケットは、発生した押圧力によって気密になるまで変形する。これにより、有利には気密接合が提供される。
【0057】
第1のフランジ溝内の平型ガスケットの正しい配置は、任意選択にさらに、ステップd)の後、かつステップe)の前に、溝内で平型ガスケットが自由に回転できることよって確認することができる。つまり、取付装置はこのように固定されているため、一方では平型ガスケットを溝に正しくはめ込むことができ、他方では平型ガスケットの軸周りを自由に回転させることができる。
【0058】
例えば、CFフランジ継手の場合、フランジを相手フランジに固定するためのボルトを介して押圧力が発生される。ボルトはステップe)の後、かつステップf)の前に、両フランジを経て案内され、フランジはナットで最初は互いに緩く固定される。
【0059】
これは、取付装置としての少なくとも1つのCクランプが、互いに緩く固定されたフランジの第1のフランジから再び取り外され、クランプ片がフランジ間の間隙から取り除かれ得るという有利な作用をもたらす。取付装置によって形成される間隙は平型ガスケットの厚さよりも狭いため、有利には、取付装置を緩める際の平型ガスケットはフランジの溝内に位置決めされたままである。或いは換言すれば、クランプ片の厚さは平型ガスケットの厚さよりも小さい。
【0060】
CFフランジ継手の場合、本発明の有利な一形態では、方法の間に本発明による3つの取付装置が、U型のCクランプの形態で穴の間の第1のフランジに固定される。フランジ間の空隙に噛み合うCクランプのクランプ片は、ボルト穴間の空隙よりも狭いため、取付装置は第2のCFフランジが第1のフランジにボルトを用いて仮固定されることを妨げない。好ましくは、CFフランジ用の3つの取付装置が設けられる。
【0061】
平型ガスケットの変形のための押圧力は、QCFフランジ継手の場合、代替的にフランジを互いに固定するための従来技術によるクランプチェーンによって発生されてもよい。このため、クランプチェーンはステップf)の後、つまり、取付装置としてのクランプブラケットを取り外し、取り除いた後に、QCFフランジの両円錐形外面に巻き付けられ、クランプチェーンのボルトを介して押圧力が発生する。ここでも、有利には、取付装置によってフランジ間に形成された間隙が平型ガスケットの厚さよりも狭いため、平型ガスケットがフランジの溝内に位置決めされたままである。或いは換言すると、クランプ片の厚さは平型ガスケットの厚さよりも小さい。
【0062】
QCFフランジ継手に対しては、好ましくは最初に相手フランジを、平型ガスケットを用いて手動でフランジに押し付ける。次いで、本発明による二本脚のクランプブラケットの上半分が取り外される。次に、好ましくは、特に4つの突起部のうちの2つが平型ガスケットの底部に残り、それらがフランジの溝から外れて落下することのないように定位置に保持される。クランプブラケットの上半分が取り外された後、従来技術から公知のクランプチェーンの上半分が、フランジの円錐形の外面に巻き付けられる。クランプチェーンの重さと寸法とにより、クランプチェーンは両フランジを既に互いに固定している。次いで、本発明によるクランプブラケットの第2の下部がフランジから取り外され、これに代って、従来技術から公知のクランプチェーンの下部が、フランジの円錐形の面に巻き付けられる。次いで、クランプチェーンのリンクは通常の六角ナットで互いに固定され、平型ガスケットの変形のための押圧力が発生する。
【0063】
本発明による方法及び本発明による装置は、両フランジの両ナイフエッジのうちの1つが、取付装置の保持片の突起部にいかなる時点でも接触しないことを保証する。これは、ガスケットがナイフエッジ領域で、又はナイフエッジ領域(真空領域)内部ですら接触されないという有利な作用をもたらす。これは、ガスケットの汚染又は損傷が生じ得ないという有利な作用をもたらす。さらに、ナイフエッジ自体が損傷から保護されている。クランプ片の突起部は、平型ガスケットの方向でこれによって第1のフランジのナイフエッジから離れている。第2のフランジの方向では、クランプ片をフランジの内面に対して平行に配置することによって、突起部が凹んだ溝に到達することはできない。
【0064】
このようにして、平型ガスケットは本発明による取付装置によってフランジ側で定位置に保持される。この方法は、他方のフランジ側の仮取り付けを介して取付装置を取り除き、追加で初めて押圧力が発生し、これにより両フランジが最終的に締め付けられる。ここで、保持突起部、又は保持面の形状及び寸法は取付装置の本質的な特徴であり、ガスケットがずれる恐れがない。
【0065】
本発明によるクランプブラケットの直径は、ISO規格によるQCFフランジの直径に適合されていることがわかる。
実施例
【0066】
さらに、本発明は、実施例と添付の図面とに基づいてより詳しく説明されるが、これによって本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】CFフランジにおける取付装置の等角図である。
図2】予め組み立てられたCFフランジの等角図である。
図3a】CFフランジ用取付装置の断面図である。
図3b図3aの点線ボックスによる部分拡大図であり、組み立てられた部品(上)と分解図(下)である。
図4】取付け完了したCF継手の等角図である。
図5】QCFフランジにおける取付装置の等角図である。
図6】互いに向かい合わせたQCFフランジの等角図である。
図7a】QCFフランジ用の取付装置の断面図である。
図7b図7aの点線ボックスによる部分拡大図であり、組み立てられた部品(上)と分解図(下)である。
図8】取付け完了したQCF継手の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
実施例1:CFフランジ用の取付装置
【0069】
図1から図4は、CFフランジ用の本発明による取付装置と、平型ガスケットを取り付けるための方法とを示している。
【0070】
図1は、CFフランジにおける取付装置の等角図である。ここで、第1のステップでは、CFフランジ4にボルト5とワッシャ6(図1には図示せず)とを実装する。CF部品、及びQCF部品用の平型ガスケット3は、標準的には無酸素銅から成る。平型ガスケット3は、取付装置1、2と共にCFフランジに位置決めされる。3つの取付装置1、2の保持突起部のみが平型ガスケット3上に当接するよう留意するのが望ましい(図3を参照)。
【0071】
図1に示すように、この目的のために合計3個の取付装置1、2が推奨され、穴の間に配置される。次いで、取付装置のローレットボルト2を慎重に締める。
【0072】
図2はさらに、予め組み立てられたCFフランジを示す。その後、第2のステップでは、相手フランジ8を軸方向に方向付けて取付装置に押しつける。次いで、ナット7を手動でねじ留めする(図3)。
【0073】
図3は取付装置の断面図を示す。取付装置のクランプ片によって発生する、両CFフランジ4、8間の1.9mmの間隙D1は、クランプ片の厚さであり、2mmの平型ガスケットの厚さD2よりも小さいため、平型ガスケット3は溝内の正しい位置に留まる。
【0074】
クランプ片13の端部に配置された突起部9は、フランジの凹んだ溝12と共に本発明による装置としての形状接合式の強制ガイドを形成し、フランジ継手をさらに組み立てる間に、平型ガスケット3がここから外れることはない。合計3つの取付装置1、2がU型断面のCクランプの形態で均等に分布して、フランジ周囲に位置決めされるため、平型ガスケットが溝から外れ、落下することは起こり得ない。
【0075】
ボックスによる図3aの部分拡大図は2度描写されており、形状接合を示している。ここで上部は、溝12内の平型ガスケット3のための形状接合を形成するために使用される、クランプ片13と突起部9とを備える取付装置を示す。下部は、ある種の分解図において寸法を明確に表現して描写するための、同じ装置を示す。
【0076】
図4は、取付け完了したCF継手を示す。取付装置のローレットボルト2を緩めた後、取付装置を引き抜く。次いで、ナット7が規定通りに締められ、平型ガスケットを変形させるために必要な押圧力が、ナイフエッジ10を介して発生する。
実施例2:QCFフランジ用の取付装置
【0077】
図5図8は、QCFフランジ用の本発明による取付装置と、平型ガスケットを取り付けるための方法とを示す。
【0078】
図5は、QCFフランジにおける取付装置、この場合、第1のフランジ4の外周に、2つの部分からなる本発明によるクランプブラケットを示す。
【0079】
CF部品、及びQCF部品用の平型ガスケット3は、標準的には無酸素銅から成る。平型ガスケット3は、取付装置1と共にQCFフランジ4に位置決めされる。図示した3つのクランプ片の3つの保持突起部のみが平型ガスケット3上に当接するよう留意する必要がある(図7を参照)。ローレットナット2が締められる。
【0080】
図6はさらに、予め組み立てられた両QCFフランジを示す。相手フランジ8が手動で軸方向に方向付けられ、本発明による取付装置であるクランプブラケット1に押しつけられる。相手フランジ8は、これに加え正確に位置決めされる。
【0081】
図7は取付装置の断面図を示す。取付装置1によって発生する間隙は、QCFフランジ4、8間の1.9mmのクランプ片13の厚さD1であり、2mmの平型ガスケットの厚さD2よりも小さいため、平型ガスケット3が溝からずれることは起こり得ず、正しい位置に留まる。4つのクランプ片13の4つの突起部9は、第1のQCFフランジの溝12と共に、本発明による装置としての形状接合式の強制ガイドをそれぞれ形成し、平型ガスケットがここから外れることはない。
【0082】
この択一的な装置においても、クランプ片の端部に配置された突起部9は、フランジ4の凹んだ溝12と共に、本発明による装置としての形状接合式の強制ガイド全体を形成し、フランジ継手をさらに組み立てる間に、平型ガスケット3がここから外れることはない。合計4つのクランプ片を備えるクランプブラケットを使用し、クランプ片は均等に分布してフランジ周囲に位置決めされているため、平型ガスケット3が溝から外れることは起こり得ない。
【0083】
ボックスによる図7aの部分拡大図は2度描写されており、形状接合を示している。ここで上部は、溝12内の平型ガスケット3のための形状接合を形成するために使用される、クランプ片13と突起部9とを備える取付装置を示す。下部は、ある種の分解図において寸法を明確に表現して描写するための、同じ装置を示す。
【0084】
図8は、取付け完了したQCF継手を示す。ローレットナット2を緩めた後、取付装置の上側の脚部を開くことができる。次いで、QCFクランプチェーンを最初はフランジ継手の上部に載置する。これにより、継手はクランプチェーンの重量及び形状によって既に固定され、ガスケット3のずれ又は外れての落下を防止する。第2のステップでは、取付装置としてのクランプブラケットの下半分が、両フランジ間で引き抜かれ、クランプチェーンが最終的に取り付けられ、ボルトが締め付けられ得る。次いで、QCFクランプチェーンが規定通りに取り付けられて、押圧力が発生する(図8)。
【0085】
図4及び図7では、押圧力に応じて入口でそれぞれ変形した平板ガスケットが示されている。
【0086】
本発明による取付装置は、特に、加速器真空システム(UHV)のビーム管、チャンバ及び他の真空部品の組み立てに、並びにフランジを備える真空試験台の取り付けの際に関連するか、又は使用可能である。
【0087】
それに加えて、取付装置は、フランジを取り付ける間の平型ガスケットの使用と、フランジの構造条件が原因でガスケットの正確な位置決めとが困難である全ての技術分野で使用可能である。
【0088】
また、本発明による取付装置は、市場で入手可能な全ての(Q)CFフランジに使用可能であり、UHV技術分野の当業者の専門知識の範囲内で、フランジ及び平型ガスケットのサイズに関して適合可能であることもわかる。従って、本発明による取付装置は、特にフランジ及び平型ガスケットの様々なサイズ、フランジ内のボルト穴の間隔、並びにここでは単に例示的に提示された、パイプ連結部を備える、又はこれを備えない(Q)CFフランジ、開放型フランジ、溶接フランジ、(Q)CF連結片、(Q)CFレジューサ部品、マニホールド、(Q)CFT型部品、(Q)CFクロス部品等の様々なフランジの形態に合わせることができる。
【0089】
従って、本発明による装置は、平型ガスケット3用の溝12を備える第1のフランジ4と、フランジの空隙に配置された少なくとも1つのクランプ片13であって、クランプ片の自由端に急激に先細りした突起部9を備えるクランプ片13を備える本発明による取付装置とを含み、突起部と溝とは、共に平型ガスケットのための形状接合式の強制ガイドを形成する。それぞれ図3bと図7bも参照されたい。
【0090】
本発明による両実施例において、平型ガスケット3が溝12から突出する突出部は、以下によって与えられる。
【0091】
式D2−TSK=11によると、D2−TSKは段11の深さに等しく、D2=平型ガスケット3の厚さ、TSK=ナイフエッジ10の深さであり、D1<D2である。
【0092】
すべての公差(D2=2±0.1mm、TSK=0.65±0.05mm及び段の深さ=1.5+0.05mm)を考慮すると、ガスケットと突起部との間のクリアランスは0〜0.2mmである。これに関して、クランプ片の自由端における突起部の厚さのためのサイズも決定される。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
【国際調査報告】