(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-504593(P2020-504593A)
(43)【公表日】2020年2月6日
(54)【発明の名称】絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法
(51)【国際特許分類】
H02G 1/02 20060101AFI20200110BHJP
【FI】
H02G1/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2019-556775(P2019-556775)
(86)(22)【出願日】2017年11月24日
(85)【翻訳文提出日】2019年7月2日
(86)【国際出願番号】KR2017013456
(87)【国際公開番号】WO2018128269
(87)【国際公開日】20180712
(31)【優先権主張番号】10-2017-0001651
(32)【優先日】2017年1月5日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】515067103
【氏名又は名称】デウォン エレクトリック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DAEWON ELECTRIC CO.,LTD
(71)【出願人】
【識別番号】519241657
【氏名又は名称】ウォチャン エレクトリック パワー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WOCHANG ELECTRIC POWER CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】519241668
【氏名又は名称】セダエ エレクトリック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEDAE ELECTRIC CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】クウォン,セ ウォン
【テーマコード(参考)】
5G352
【Fターム(参考)】
5G352AA14
5G352AD02
5G352AE07
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】本発明は配電線路無停電配電工法に係り、より詳しくは現場でバイパスケーブルを敷設せずに作業区間の始点及び終点電柱で無理に直接活線で無停電作業を行うことによって発生する安全事故を画期的に減らし、安全で効率的な無停電配電作業ができるようにし、また新旧電線をバイパスさせて作業する直接送電工法で作業工程を適用することにより、重負荷線路の場合、負荷の切替えが必要でない直接送電無停電工法で作業区間内に変圧器が多数箇所にある場合にも無停電変圧器装置1台で無停電作業を可能にするなど、作業上の便利さと安全性及び経済性の向上をもたらすための絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内の電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電電配電工法に関するものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電柱の移設及び交替、及び経過地変更工事を無停電で施工する無停電配電工法であって、
死線状態で作業区間内の電柱の新設、装柱、及び電線架線工事を行って無停電準備作業を行う工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)の作業区間の内側に電線張力をかける絶縁活線張線器(20)の電線クリップを撤去電線(1)に安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ取り付ける工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)の作業区間内に取り付けられた絶縁活線張線器(20)の電線クリップの外側撤去電線(1)にバイパスジャンパー手段(30)の一端を連結し、作業区間の始点及び終点電柱(10)の作業区間の外側旧電線(2)にバイパスジャンパー手段(30)の他端を連結してバイパス連結する工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)のジャンパー線3を順次それぞれ分離し、絶縁活線張線器(20)の電線クリップが取り付けられている地点で電柱(10)側の径間内の撤去電線(1)をそれぞれ分離する工程と、
作業区間の始点電柱及び終点電柱(10)の径間内の分離された地点から電柱(10)側の懸垂碍子までの撤去電線(1)を撤去して安全な死線状態作業空間を確保し、新設電線(110)の延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定する工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)に架線された新設電線(110)のジャンパー線(130)を旧電線(2)に順次それぞれ取り付け、取り付けられたバイパスジャンパー手段(30)を分離する工程と、
絶縁活線張線器(20)の電線クリップが電線の張力をかけている撤去電線(1)及び電柱を撤去する工程とを遂行することを特徴とする、絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法。
【請求項2】
電柱の移設及び交替、及び経過地変更工事を無停電で施工する無停電配電工法であって、
作業区間内に分岐線路電柱(100a)がある場合、
死線状態で作業区間内の電柱の新設、装柱、及び電線架線工事を行って無停電準備作業を行う工程と、
分岐線路電柱(100a)がある作業区間の始点及び終点電柱(10)の作業区間の内側に電線張力をかける絶縁活線張線器(20)の電線クリップを撤去電線(1)に安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ取り付ける工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)に取り付けられた絶縁活線張線器(20)の電線クリップの外側撤去電線(1)にバイパスジャンパー手段(30)の一端を連結し、作業区間の始点及び終点電柱(10)の作業区間の外側旧電線(2)にバイパスジャンパー手段(30)の他端を連結してバイパス連結する工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)のジャンパー線(3)を順次それぞれ分離し、絶縁活線張線器(20)の電線クリップが取り付けられている地点で電柱(10)側の径間内の撤去電線(1)をそれぞれ分離する工程と、
作業区間の始点電柱及び終点電柱(10)の径間内の分離された地点から電柱(10)側の懸垂碍子までの撤去電線(1)を撤去して安全な死線状態作業空間を確保し、新設電線(110)の延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定する工程と、
分岐線路電柱(100a)の作業区間の内側に電線張力をかける絶縁活線張線器(20)の電線クリップを撤去電線(1a)に安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ取り付ける工程と、
分岐線路電柱(100a)に取り付けられた絶縁活線張線器(20)の電線クリップの外側撤去電線(1a)にバイパスジャンパー手段(30)の一端を連結し、分岐線路電柱(100a)の作業区間の外側旧電線(2)にバイパスジャンパー手段(30)の他端を連結してバイパス連結する工程と、
分岐線路電柱(100a)のジャンパー線(3a)を順次分離し、絶縁活線張線器(20)の電線クリップが取り付けられている地点で分岐線路電柱(100a)側の径間内の撤去電線(1a)をそれぞれ分離する工程と、
分岐線路電柱(100a)の径間内の分離された地点から分岐線路電柱(100a)側の懸垂碍子までの撤去電線(1a)を撤去して安全な死線状態作業空間を確保し、新設電線(110a)の延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定する工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)及び分岐線路電柱(100a)に架線された新設電線(110、110a)のジャンパー線(130、130a)を旧電線(2、2a)に順次それぞれ連結し、取り付けられたバイパスジャンパー手段(30)を分離する工程と、
絶縁活線張線器(20)の電線クリップが電線の張力をかけている撤去電線(1、1a)及び電柱を撤去する工程とを遂行することを特徴とする、絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法。
【請求項3】
作業区間内に分岐線路が多数箇所にある場合、
分岐線路電柱(100a)に絶縁活線張線器を設置する工程で、分岐線路新設電線(110a)の延線及び緊線作業を行って固定する工程を分岐線路の多数箇所数の分だけ繰り返し遂行することを特徴とする、請求項2に記載の絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法。
【請求項4】
電柱の移設及び交替、及び経過地変更工事を無停電で施工する無停電配電工法であって、
作業区間内に柱上変圧器柱(10b)がある場合、
死線状態で作業区間内の電柱の新設、装柱、及び電線架線工事を行って無停電準備作業を行う工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)の作業区間の内側に電線張力をかける絶縁活線張線器(20)の電線クリップを撤去電線(1)に安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ取り付ける工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)の作業区間内に取り付けられた絶縁活線張線器(20)の電線クリップの外側撤去電線(1)にバイパスジャンパー手段(30)の一端を連結し、作業区間の始点及び終点電柱(10)の作業区間の外側旧電線(2)にバイパスジャンパー手段(30)の他端を連結してバイパス連結する工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)のジャンパー線(3)を順次それぞれ分離し、絶縁活線張線器(20)の電線クリップが取り付けられている地点で電柱(10)側の径間内の撤去電線(1)をそれぞれ分離する工程と、
作業区間の始点電柱及び終点電柱(10)の径間内に分離された地点から電柱(10)側の懸垂碍子までの撤去電線(1)を撤去して安全な死線状態作業空間を確保し、新設電線(110)の延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定する工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)に架線された新設電線(110)の新設ジャンパー線(130)を旧電線(2)に順次それぞれ取り付ける工程と、
作業区間内の柱上変圧器柱(10b)に無停電変圧器装置(60)を設置し、設置された柱上変圧器(50)の2次低圧線(80)に無停電変圧器装置(60)の2次低圧ケーブル(70a)を連結してバイパスさせた後、柱上変圧器(50)の2次引下線(52)を分離し、柱上変圧器COS(51)を開放し、柱上変圧器(50)を撤去する工程と、
新設電柱(100b)に撤去された柱上変圧器を再使用するかあるいは交替及び新設し、新設柱上変圧器(50a)のCOS(51a)を投入し、柱上変圧器(50a)の2次引下線(52a)を連結した後、無停電変圧器装置(60)の電源を遮断し、無停電変圧器装置(60)の低圧ケーブル(70a)を分離し、作業区間内の柱上変圧器を交替及び新設して移設する工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)に取り付けられたバイパスジャンパー手段(30)を分離し、作業区間の始点及び終点電柱(10)の区間内の絶縁活線張線器の電線クリップが電線の張力をかけている撤去電線(1)と電柱及び無停電変圧器装置(60)を撤去する工程とを遂行することを特徴とする、絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法。
【請求項5】
作業区間内に柱上変圧器柱(10b)が多数箇所にある場合、
作業区間内の柱上変圧器柱(10b)に無停電変圧器装置(60)を設置する工程で、新設電柱(100b)に撤去された柱上変圧器を再使用するかあるいは交替及び新設し、無停電で移設する工程を柱上変圧器柱(10b)の多数箇所数の分だけ繰り返し遂行することを特徴とする、請求項4に記載の絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法。
【請求項6】
電柱の移設及び交替、及び経過地変更工事を無停電で施工する無停電配電工法であって、
作業区間内に分岐線路電柱(100a)及び柱上変圧器柱(10b)がある場合、
死線状態で作業区間内の電柱の新設、装柱、及び電線架線工事を行って無停電準備作業を行う工程と、
分岐線路電柱(100a)がある作業区間の始点及び終点電柱(10)の作業区間の内側に電線の張力をかける絶縁活線張線器(20)の電線クリップを撤去電線(1)に安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ取り付ける工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)に取り付けられた絶縁活線張線器(20)の電線クリップの外側撤去電線(1)にバイパスジャンパー手段(30)の一端を連結し、作業区間の始点及び終点電柱(10)の作業区間の外側旧電線(2)にバイパスジャンパー手段(30)の他端を連結してバイパス連結する工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)のジャンパー線(3)を順次それぞれ分離し、絶縁活線張線器(20)の電線クリップが取り付けられている地点で電柱(10)側の径間内の撤去電線(1)をそれぞれ分離する工程と、
作業区間の始点電柱及び終点電柱(10)の径間内の分離された地点から電柱(10)側の懸垂碍子までの撤去電線(1)を撤去して安全な死線状態作業空間を確保し、新設電線(110)の延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定する工程と、
分岐線路電柱(100a)の作業区間の内側に電線張力をかける絶縁活線張線器(20)の電線クリップを撤去電線(1a)に安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ取り付ける工程と、
分岐線路電柱(100a)に取り付けられた絶縁活線張線器(20)の電線クリップの外側撤去電線(1a)にバイパスジャンパー手段(30)の一端を連結し、分岐線路電柱(100a)の作業区間の外側旧電線(2)にバイパスジャンパー手段(30)の他端を連結してバイパス連結する工程と、
分岐線路電柱(100a)のジャンパー線(3a)を順次分離して絶縁活線張線器(20)の電線クリップが取り付けられている地点で分岐線路電柱(100a)側の径間内の撤去電線(1a)をそれぞれ分離する工程と、
分岐線路電柱(100a)の径間内の分離された地点から分岐線路電柱(100a)側の懸垂碍子までの撤去電線(1a)を撤去して安全な死線状態作業空間を確保し、新設電線(110a)の延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定する工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)及び分岐線路電柱(100a)に架線された新設電線(110、110a)の新設ジャンパー線(130、130a)を旧電線(2、2a)に順次それぞれ連結する工程と、
作業区間内の柱上変圧器柱(10b)に無停電変圧器装置(60)を設置し、設置された柱上変圧器(50)の2次低圧線(80)に無停電変圧器装置(60)の2次低圧ケーブル(70a)を連結してバイパスさせた後、柱上変圧器(50)の2次引下線(52)を分離し、柱上変圧器COS(51)を開放し、柱上変圧器(50)を撤去する工程と、
新設電柱(100b)に撤去された柱上変圧器を再使用するかあるいは交替及び新設し、新設柱上変圧器(50a)のCOS(51a)を投入し、柱上変圧器(50a)の2次引下線(52a)を連結した後、無停電変圧器装置(60)の電源を遮断し、無停電変圧器装置(60)の低圧ケーブル(70a)を分離して作業区間内の柱上変圧器を交替及び移設する工程と、
作業区間の始点及び終点電柱(10)及び分岐線路電柱(100a)に取り付けられたバイパスジャンパー手段(30)を分離し、作業区間の始点及び終点電柱(10)及び分岐線路電柱(100a)の区間内の絶縁活線張線器の電線クリップが電線の張力をかけている撤去電線(1、1a)と電柱及び無停電変圧器装置(60)を撤去する工程とを遂行することを特徴とする、絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法。
【請求項7】
バイパスジャンパー手段(30)としては単一線を成すバイパスジャンパーケーブル(30a)を適用し、バイパスジャンパーケーブル(30a)で3相の各相に対して撤去電線(1)と旧電線(2)を連結し、3相のうち単相ずつ又は3相を同時に作業することができるようにするか、
バイパスジャンパー手段(30)としては3相の開閉が同時に可能な工事用開閉器(30b)を適用し、3相の各相に対して撤去電線(1)と旧電線(2)を工事用開閉器(30b)と連結される開閉器用端末ケーブル(30c)で連結し、工事用開閉器(30b)を3相のうち単相ずつ又は3相を同時開閉して作業することができるようにすることを特徴とする、請求項1、2、4及び6のいずれか一項に記載の絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配電線路無停電配電工法に係り、より詳しくは無停電作業を行うにあたり、無理な作業による安全事故を予め防止し、過多な装備及び人力の投入による現場の交通障害などを予防しながらも多様な現場条件に対応することができるようにするなど、作業能率の向上をもたらすための絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力需要の急増につれて、これに対応する電力設備がずっと拡充されており、電力使用者の電気品質に対する要求水準が高くなるにつれて瞬間の停電も請願の対象になって補償請求などの電気使用者の集団行動と訴訟事例が増加している実情であり、配電工事時に良質の電力供給のために電力を遮断しなかった状態で工事を遂行する無停電工法が行われている。
【0003】
このような従来の特高圧配電線路無停電工法の一つであるバイパスケーブルを用いた臨時送電工法を用いているが、これは特高圧3相を工事用開閉器及び3相バイパスケーブルを用い、50mごとに中間接続材を用いて臨時に接続し、作業区間に変圧器がある場合には変圧器の設置箇所ごとに分岐接続材から分岐してそれぞれの無停電変圧器装置に供給し、分岐線路がある場合には分岐接続材を使って分岐線路に供給して1回作業区間が200〜300m程度で作業が行われて来た。
【0004】
しかし、これは電圧降下など、不安定な臨時接続箇所が多く、3相バイパスケーブルを臨時に地上に敷設し、作業完了後に再び撤去するなど、付帯作業による作業時間が長くかかり、電線移線器具を用いた無停電配電工法及びその他の直接活線作業の際に作業区間の両側に電線の延線後の緊線作業の際、活線状態の3本の電線と死線状態の3本の電線が混在して混触及び混同による安全事故の危険に露出されており、活線専攻労組員を中心に直接活線を忌避する趨勢であり、新しい工法及び代替技術なしに直接活線工法である電線移線器具を用いた無停電工法の活用が中断され、重負荷線路の場合は負荷の切替えが不可能であるため、既存のバイパスケーブル工法による無停電作業が不可能であって発注された工事の取消し又は停電作業による作業停電の増加、国民生活の不便及び請願などの問題が発生している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許登録第10−1122499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記のような諸般問題点を解決するために創案されたもので、現場でバイパスケーブルを敷設せずに作業区間の始点と終点の電柱で無理に直接活線で無停電作業を行って発生する安全事故を画期的に減らし、経済性、現場活用性を向上させるなどの効率的な無停電配電作業を可能にするための絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法を提供することに本発明の目的があるものである。
【0007】
また、新設される電線と撤去される新旧電線をバイパスさせて作業する直接送電工法で作業工程を適用することにより、作業が単純であり、重負荷線路の場合、負荷の切替えをしない直接送電無停電工法で作業区間内に変圧器が多数箇所にある場合にも無停電変圧器装置1台で無停電作業が可能であるので、複雑な都心地である市内地域での工法適用が容易であり、交通障害、歩行者通行危険の防止、作業上の便利さと安全性及び経済性の向上をもたらすための絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法を提供することに本発明の他の目的があるものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための具体的な手段としては、電柱の移設及び交替、及び経過地変更工事を無停電で施工しようとする場合、
【0009】
死線状態で作業区間内の電柱の新設、装柱、及び電線架線工事を行って無停電準備作業を行う工程と、
【0010】
作業区間の始点及び終点電柱の作業区間の内側に電線張力をかける絶縁活線張線器の電線クリップを撤去電線の安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ取り付ける工程と、
【0011】
作業区間の始点及び終点電柱の作業区間内に取り付けられた絶縁活線張線器の電線クリップの外側撤去電線にバイパスジャンパー手段の一端を連結し、作業区間の始点及び終点電柱の作業区間の外側旧電線にバイパスジャンパー手段の他端を連結してバイパス連結する工程と、
【0012】
作業区間の始点及び終点電柱のジャンパー線を順次それぞれ分離し、絶縁活線張線器の電線クリップが取り付けられている地点で電柱側の径間内の撤去電線をそれぞれ分離する工程と、
【0013】
作業区間の始点電柱及び終点電柱の径間内の電線が分離された地点から電柱側の懸垂碍子までの撤去電線を撤去して安全な死線状態作業空間を確保し、新設電線の延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定する工程と、
【0014】
作業区間の始点及び終点電柱に架線された新設電線のジャンパー線を旧電線に順次それぞれ連結し、取り付けられたバイパスジャンパー手段を分離する工程と、
【0015】
絶縁活線張線器の電線クリップが電線の張力をかけている撤去電線及び電柱を撤去する工程とを遂行し、
【0016】
作業区間内に分岐線路電柱がある場合、
【0017】
死線状態で作業区間内の電柱の新設、装柱、及び電線架線工事を行って無停電準備作業を行う工程と、
【0018】
分岐線路電柱がある作業区間の始点及び終点電柱の作業区間の内側に電線張力をかける絶縁活線張線器の電線クリップを撤去電線の安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ取り付ける工程と、
【0019】
作業区間の始点及び終点電柱に取り付けられた絶縁活線張線器の電線クリップの外側撤去電線にバイパスジャンパー手段の一端を連結し、作業区間の始点及び終点電柱の作業区間の外側旧電線にバイパスジャンパー手段の他端を連結してバイパス連結する工程と、
【0020】
作業区間の始点及び終点電柱のジャンパー線を順次それぞれ分離し、絶縁活線張線器の電線クリップが取り付けられている地点で電柱側の径間内の撤去電線をそれぞれ分離する工程と、
【0021】
作業区間の始点電柱及び終点電柱の径間内の電線が分離された地点から電柱側の懸垂碍子までの撤去電線を撤去して安全な死線状態作業空間を確保し、新設電線の延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定する工程と、
【0022】
分岐線路電柱作業区間の内側に電線張力をかける絶縁活線張線器の電線クリップを撤去電線の安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ取り付ける工程と、
【0023】
分岐線路電柱に取り付けられた絶縁活線張線器の電線クリップの外側撤去電線にバイパスジャンパー手段の一端を連結し、分岐線路電柱の作業区間の外側旧電線にバイパスジャンパー手段の他端を連結してバイパス連結する工程と、
【0024】
分岐線路電柱のジャンパー線を順次分離し、絶縁活線張線器の電線クリップが取り付けられている地点で分岐線路電柱側の径間内の撤去電線をそれぞれ分離する工程と、
【0025】
分岐線路電柱の径間内の電線が分離された地点から分岐線路電柱側の懸垂碍子までの撤去電線を撤去して安全な死線状態作業空間を確保し、新設電線の延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定する工程と、
【0026】
作業区間の始点及び終点電柱及び分岐線路電柱に架線された新設電線のジャンパー線を旧電線に順次それぞれ連結し、取り付けられたバイパスジャンパー手段を分離する工程と、
【0027】
絶縁活線張線器の電線クリップが電線の張力をかけている撤去電線及び電柱を撤去する工程とを遂行し、
【0028】
作業区間内に柱上変圧器柱がある場合、
【0029】
死線状態で作業区間内の電柱の新設、装柱、及び電線架線工事を行って無停電準備作業を行う工程と、
【0030】
作業区間の始点及び終点電柱の作業区間の内側に電線張力をかける絶縁活線張線器の電線クリップを撤去電線の安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ取り付ける工程と、
【0031】
作業区間の始点及び終点電柱の作業区間内に取り付けられた絶縁活線張線器の電線クリップの外側撤去電線にバイパスジャンパー手段の一端を連結し、作業区間の始点及び終点電柱の作業区間の外側旧電線にバイパスジャンパー手段の他端を連結してバイパス連結する工程と、
【0032】
作業区間の始点及び終点電柱のジャンパー線を順次それぞれ分離し、絶縁活線張線器の電線クリップが取り付けられている地点で電柱側の径間内の撤去電線をそれぞれ分離する工程と、
【0033】
作業区間の始点電柱及び終点電柱の径間内の電線が分離された地点から電柱側の懸垂碍子までの撤去電線を撤去して安全な死線状態作業空間を確保し、新設電線の延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定する工程と、
【0034】
作業区間の始点及び終点電柱に架線された新設電線の新設ジャンパー線を旧電線に順次それぞれ連結する工程と、
【0035】
作業区間内の柱上変圧器柱に無停電変圧器装置を設置し、設置された柱上変圧器2次低圧線に無停電変圧器装置の2次低圧ケーブルを連結してバイパスさせた後、柱上変圧器の2次引下線を分離し、柱上変圧器COSを開放し、柱上変圧器を撤去する工程と、
【0036】
新設電柱に撤去された柱上変圧器を再使用するか新設し、新設柱上変圧器COSを投入し、柱上変圧器の2次引下線を連結した後、無停電変圧器装置の電源を遮断し、無停電変圧器装置の低圧ケーブルを分離して作業区間内の柱上変圧器を交替及び移設する工程と、
【0037】
作業区間の始点及び終点電柱に取り付けられたバイパスジャンパー手段を分離し、作業区間の始点及び終点電柱の区間内絶縁活線張線器が電線の張力をかけている撤去電線と電柱及び無停電変圧器装置を撤去する工程とを遂行することによって達成することができるものである。
【発明の効果】
【0038】
以上のように、本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法は、現場で作業区間の始点電柱及び終点電柱の無停電作業を除き、死線対備工事が完了した状態で従来技術であるバイパスケーブル工法を用いて無停電作業を行う場合、既に工事が準備された区間にも安全のためにバイパスケーブルを敷設して無停電工事を行わなければならないが、作業能率及び現場活用性が落ちるから、現場でバイパスケーブルを敷設しないで作業区間の始点及び終点電柱で無理に直接活線で無停電作業を行うことによって発生する安全事故を画期的に減らし、経済性、現場活用性を向上させることができ、
【0039】
バイパスケーブルの中間に中間接続を無くし、バイパスケーブル分岐接続材を使わないし、本発明の技術は新設される電線と撤去される新旧電線をバイパスさせて作業する直接送電工法であり、作業工程が単純であり、重負荷線路の場合、負荷の切替えをしない直接送電無停電工法によって、作業区間内に変圧器が多数箇所にある場合にも無停電変圧器装置1台で無停電作業が可能であるので、複雑な都心地である市内地域での工法の適用が容易であり、交通障害、歩行者通行危険の防止、作業上の便利さと安全性及び経済性が向上する効果を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第1実施例による簡略図である。
【
図2】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第1実施例による簡略図である。
【
図3】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第1実施例による簡略図である。
【
図4】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第1実施例による簡略図である。
【
図5】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第1実施例による簡略図である。
【
図6】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第1実施例による簡略図である。
【
図7】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第2実施例による簡略図である。
【
図8】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第2実施例による簡略図である。
【
図9】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第2実施例による簡略図である。
【
図10】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第2実施例による簡略図である。
【
図11】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第2実施例による簡略図である。
【
図12】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第2実施例による簡略図である。
【
図13】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第3実施例による簡略図である。
【
図14】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第3実施例による簡略図である。
【
図15】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第3実施例による簡略図である。
【
図16】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第3実施例による簡略図である。
【
図17】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第3実施例による簡略図である。
【
図18】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第3実施例による簡略図である。
【
図19】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第3実施例による簡略図である。
【
図20】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第3実施例による簡略図である。
【
図21】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第4実施例による簡略図である。
【
図22】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第4実施例による簡略図である。
【
図23】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第4実施例による簡略図である。
【
図24】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第4実施例による簡略図である。
【
図25】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第4実施例による簡略図である。
【
図26】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第4実施例による簡略図である。
【
図27】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第4実施例による簡略図である。
【
図28】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の第4実施例による簡略図である。
【
図29】本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法の他の実施例による簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本明細書及び請求項に使用された用語や単語は通常的又は辞書的な意味に限定して解釈されてはいけなく、発明者は自分の発明を最良の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して本発明の技術的思想に合う意味と概念に解釈されなければならない。
【0042】
したがって、本明細書に記載された実施例と図面に示された構成は本発明の最も好ましい一実施例に過ぎないだけであり、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願の時点でこれらを取り替えることができる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0043】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0044】
本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法は、電柱の移設及び交替、及び経過地変更工事を無停電で施工しようとする場合、多様な実施例によって無停電状態での施工が可能なものであり、多様な実施例によって可能になるものである。以下でこれを説明する。
【0045】
実施例1
図1の図示のように、電柱の移設及び交替、及び経過地変更工事の場合
電柱の移設及び交替、及び経過地変更工事の無停電作業の際、通常的に作業区間の始点電柱及び終点電柱の無停電作業を除き、死線状態で作業区間内の電柱の新設、装柱、及び電線架線工事を行って対備作業を行って無停電作業を準備する。
【0046】
ここで、無停電作業を行うに当たり、
図2の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10の作業区間の内側に電線張力をかける絶縁活線張線器20の電線クリップを撤去電線の安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ設置し、設置が完了すれば、絶縁活線張線器20の電線クリップの外側電線にバイパスジャンパー手段30の一端を連結し、作業区間の始点及び終点電柱10の作業区間の外側電線にバイパスジャンパー手段30の他端を連結してバイパス連結し、
図3の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10のジャンパー線3をそれぞれ順次分離した後、
図4の図示のように、絶縁活線張線器20の電線クリップが付いている地点で電柱側の径間内電線などを分離して安全な死線作業区間を作り、分離された電線から電柱側の懸垂碍子までの電線などを死線状態で除去し、新設電線110の延線及び緊線作業が行える安全な死線作業区間を確保する。
【0047】
図5の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10で死線状態で電柱の新設などを完了し、新設電線110の延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定し、作業区間の始点及び終点電柱10に延線及び緊線作業が完了した新設電線110のジャンパー線130を旧電線2に順次バイパス連結し、
図6の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10の区間内電柱に取り付けられたバイパスジャンパー手段30を分離した後、死線状態で絶縁活線張線器の電線クリップが電線の張力をかけている撤去電線1及び電柱を死線状態で撤去する工程を遂行することにより、電柱の移設及び交替、及び経過地変更工事の無停電作業を達成することができるものである。
【0048】
実施例2
図7の図示のように、作業区間内に分岐線路電柱100aがある場合
死線状態で電柱の新設、装柱、及び電線架線工事を行って無停電準備作業をし、
図7の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10の作業区間の内側に電線張力をかける絶縁活線張線器20の電線クリップを撤去電線の安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ取り付け、設置が完了すれば、
図8の図示のように、作業区間の径間内絶縁活線張線器20の電線クリップの外側電線にバイパスジャンパー手段30の一端を連結し、作業区間の始点及び終点電柱10の作業区間の外側電線にバイパスジャンパー手段30の他端を連結してバイパス連結し、
図9の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10のジャンパー線3を分離した後、
図10の図示のように、絶縁活線張線器20の電線クリップが取り付けられている地点で電柱側径間内電線をそれぞれ分離して安全な死線作業区間を作り、分離された電線から電柱側の懸垂碍子までの電線を死線状態で撤去して障害要素をそれぞれ除去し、新設電線110の延線及び緊線作業を行うべき安全な死線作業区間を始点及び終点電柱10にそれぞれ確保する。
【0049】
作業区間内電柱を新設し、始点及び終点電柱10で死線状態で新設電線110の延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定し、
図11の図示のように、作業区間電柱などを新設し、始点及び終点電柱10で延線及び緊線作業が完了した新設電線110のジャンパー線130を旧電線2に順次バイパス連結し、
【0050】
図7の図示のように、作業区間内の分岐線路電柱100aの作業区間の内側に電線張力をかける絶縁活線張線器20の電線クリップを撤去電線1aの安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ取り付け、設置が完了すれば、
図8の図示のように、作業区間の径間内絶縁活線張線器20の電線クリップの外側電線にバイパスジャンパー手段30の一端を連結し、分岐線路電柱100aの作業区間の外側電線にバイパスジャンパー手段30の他端を連結してバイパス連結し、
図9の図示のように、分岐線路電柱100aのジャンパー線3aを分離した後、
図10の図示のように、絶縁活線張線器20の電線クリップが取り付けられている地点で電柱側径間内電線をそれぞれ分離して安全な死線作業区間を作り、分離された電線から電柱側の懸垂碍子までの電線などを死線状態で除去し、新設電線110aの延線及び緊線作業を行うべき安全な死線作業区間を分岐線路電柱100aにそれぞれ確保する。
【0051】
分岐線路電柱100aで死線状態で新設電線110aの延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定して連結し、
図11の図示のように、作業区間分岐線路電柱100aで延線及び緊線作業が完了した新設電線110aのジャンパー線130aを分岐線路の旧電線2aに順次バイパス連結し、
図12の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10及び分岐線路電柱100aの区間内電柱に取り付けられたバイパスジャンパー手段30をそれぞれ順次分離した後、死線状態で絶縁活線張線器の電線クリップが電線の張力をかけている撤去電線1、1a及び電柱を死線状態で撤去する工程を遂行することにより、電柱の移設及び交替、及び経過地変更工事の際、作業区間内に分岐線路電柱100aがある場合の無停電作業を達成することができるものである。
【0052】
実施例3
図13の図示のように、作業区間内に柱上変圧器柱10bがある場合
死線状態で作業区間内の電柱の新設、装柱、及び電線架線工事を行って無停電準備作業を行い、
図13の図示のように、作業区間内の始点及び終点電柱10の作業区間の内側に電線張力をかける絶縁活線張線器20の電線クリップを撤去電線の安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ取り付け、
図14の図示のように、絶縁活線張線器20の取付けが完了すれば、絶縁活線張線器20の電線クリップの外側電線にバイパスジャンパー手段30の一端を連結し、作業区間の始点及び終点電柱10の作業区間の外側電線にバイパスジャンパー手段30の他端を連結してバイパス連結し、
図15の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10のジャンパー線3を分離した後、
図16の図示のように、絶縁活線張線器20の電線クリップが取り付けられている電柱側の径間内電線をそれぞれ分離して安全な死線作業区間を作り、分離された電線から電柱側の懸垂碍子までの電線などを死線状態で除去し、死線状態で電柱の新設と新設電線110の延線及び緊線作業を行うべき安全な死線作業区間を始点及び終点電柱10にそれぞれ確保する。
【0053】
図17の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10で死線状態で電柱の新設及び新設電線110の延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定し、
図17の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10で延線及び緊線作業が完了した新設電線110のジャンパー線130を旧電線2に順次バイパス連結した状態で、
【0054】
図18の図示のように、作業区間内の柱上変圧器柱10bに無停電変圧器装置60を設置し、設置された柱上変圧器50の2次低圧線80に無停電変圧器装置の2次低圧ケーブル70aを連結してバイパスさせた後、
図19の図示のように、柱上変圧器50の2次引下線52を分離し、柱上変圧器COS 51を開放し、柱上変圧器50を撤去して再使用するかあるいは新設及び交替して新設電柱100bに設置し、新設柱上変圧器50aのCOS 51aを投入し、変圧器の2次引下線52aを連結し、無停電変圧器装置60を遮断し、無停電変圧器装置60の低圧ケーブル70aを分離することで、作業区間内の変圧器を無停電で新設及び移設する作業を完了する。
【0055】
ここで、作業区間内の多数箇所に柱上変圧器柱50がある場合は、柱上変圧器50の移設工程を多数箇所数の分だけ繰り返し行って作業区間内の柱上変圧器の交替及び移設を完了した後、
図20の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10の区間内電柱に取り付けられたバイパスジャンパー手段30を分離した後、死線状態で絶縁活線張線器の電線クリップが電線の張力をかけている撤去電線1と電柱及び無停電変圧器装置60を撤去する工程を遂行することで、電柱の移設及び交替、及び経過地変更工事時に作業区間内に変圧器柱がある場合の無停電作業を達成することができるものである。
【0056】
実施例4
図21の図示のように、作業区間内に分岐線路電柱100aと柱上変圧器柱10bがある場合
死線状態で電柱の新設、装柱、及び電線架線工事を行って無停電準備作業を行い、
図22の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10及び分岐線路電柱100aの作業区間の内側に電線張力をかける絶縁活線張線器20の電線クリップを撤去電線の安全な死線作業区間が確保される地点にそれぞれ取り付け、取付けが完了すれば、絶縁活線張線器20の電線クリップの外側電線にバイパスジャンパー手段30の一端を連結し、作業区間の始点及び終点電柱10及び分岐線路電柱100aの作業区間の外側電線にバイパスジャンパー手段30の他端を連結してバイパス連結し、
図23の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10及び分岐線路電柱100aのジャンパー線3を分離した後、
図24の図示のように、絶縁活線張線器20の電線クリップが取り付けられている電柱側の径間内電線をそれぞれ分離して安全な死線作業区間を作り、分離された電線から電柱側の懸垂碍子までの電線を死線状態で撤去して障害要素をそれぞれ除去し、新設電線110、110aの延線及び緊線作業を行うべき安全な死線作業区間を始点及び終点電柱10及び分岐線路電柱100aに確保する。
【0057】
図25の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10及び分岐線路電柱100aに死線状態で新設電線110、110aの延線及び緊線作業を行ってそれぞれ固定し、作業区間の始点及び終点電柱10及び分岐線路電柱100aで延線及び緊線作業が完了した新設電線110、110aのジャンパー線130を旧電線2に順次バイパス連結した状態で、
【0058】
図26の図示のように、作業区間内の柱上変圧器柱10bに無停電変圧器装置60を設置し、柱上変圧器502の次低圧線80に無停電変圧器装置60の2次低圧ケーブル70aを連結してバイパスさせた後、柱上変圧器50の2次引下線52を分離し、柱上変圧器COS 51を開放し、
図27の図示のように、柱上変圧器50を撤去して再使用するかあるいは新設及び交替して新設電柱100bに設置し、新設柱上変圧器50aのCOS 51aを投入し、新設柱上変圧器50aの2次引下線52aを連結し、無停電変圧装置60を遮断し、無停電変圧器装置の低圧ケーブル70aを分離することで、作業区間内の変圧器を無停電で交替及び移設する作業を完了する。
【0059】
ここで、作業区間内の多数箇所に柱上変圧器柱がある場合は、柱上変圧器の交替及び移設工程を多数箇所数の分だけ繰り返し行って作業区間内の柱上変圧器の交替及び移設を完了した後、
【0060】
図28の図示のように、作業区間の始点及び終点電柱10及び分岐線路電柱100aの区間内電柱に取り付けられたバイパスジャンパー手段30をそれぞれ順次分離した後、死線状態で絶縁活線張線器が取っている撤去電線1、1aと電柱及び無停電変圧器装置60を死線状態で撤去する工程を遂行することで、電柱の移設及び交替、及び経過地変更工事時に作業区間内に分岐線路電柱100a及び柱上変圧器柱10bがある場合の無停電作業を達成することができるものである。
【0061】
一方、本発明による絶縁活線張線器とバイパスジャンパーケーブルを用いて電柱径間内電線を分離して死線状態で区間内作業を行う無停電配電工法を遂行するに当たり、撤去電線1と旧電線2を連結するパイパスジャンパー手段30は限定されるものではなく、多様に適用可能であろう。
【0062】
よって、まず
図1〜
図28を参照してバイパスジャンパー手段30として単一線を成すバイパスジャンパーケーブル30aを適用する。このときには、バイパスジャンパーケーブル30aで3相の各相に当たる撤去電線1と旧電線2を互いに連結して適用することができるものであり、作業時に3相のうち単相ずつそれぞれ作業するか、あるいは3相を同時に作業することが可能であろう。
【0063】
また、
図29の図示のように、バイパスジャンパー手段30として3相の入力及び出力が同時に可能な工事用開閉器30bを適用する。このときには、3相の各相に対して撤去電線1は開閉器用端末ケーブル30cを用いて工事用開閉器30bと連結し、3相の各相に対して旧電線2は他の開閉器用端末ケーブル30cを用いて工事用開閉器30bと連結することにより、作業時に3相のうち単相ずつそれぞれ作業するか、あるいは3相を同時に作業することが可能であろう。
【0064】
すなわち、工事用開閉器30bを適用するに当たり、単相ずつ作業するときには、図面に示されていないが、工事用開閉器30bでは作業しようとする1相に対してのみ開放し、残りの2相に対しては閉鎖した状態で作業し、3相を同時に作業するときには工事用開閉器30bで作業しようとする3相の全てを開放した状態で作業すれば良いであろう。
【符号の説明】
【0065】
1 撤去電線
1a 分岐線路撤去電線
2 旧電線
2a 分岐線路の旧電線
3 ジャンパー線
3a 分岐線路のジャンパー線
10 始点及び終点電柱
10b 柱上変圧器柱
20 絶縁活線張線器
30、30a バイパスジャンパーケーブル
30b 工事用開閉器
30c 開閉器用端末ケーブル
50 柱上変圧器
50a 新設電柱柱上変圧器
51 COS
51a 新設電柱COS
52 変圧器2次引下線
52a 新設変圧器2次引下線
60 無停電変圧器装置
70 特高圧ケーブル
70a 低圧ケーブル
80 2次低圧線
80a 新設電柱の2次低圧線
100 新設電柱
100a 分岐線路電柱
100b 新設柱上変圧器柱
110 新設電線
110a 分岐線路新設電線
130 新設電線のジャンパー線
130a 分岐線路新設電線のジャンパー線
【国際調査報告】